JP6967212B1 - ビリベルジンIXαジエステルによる高含有量のビリルビンIXαの調製方法 - Google Patents

ビリベルジンIXαジエステルによる高含有量のビリルビンIXαの調製方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ビリベルジンIXαジエステルによる高含有量のビリルビンIXαの調製方法を開示している。ビリルビンIXαの調製に係る分野に属している。当該方法は、ビリベルジンIXαジエステルのアルコール溶液中に、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を滴下し、水を加えた後に、加水分解させ、次に弱酸でpHを4〜5に調節し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、無機塩を水洗して除去し、真空乾燥させた後に、ビリベルジンIXαを得る工程と、ビリベルジンIXαのアルコール溶液中に、フリーラジカル捕捉剤(安定化剤)を加え、還元剤である水素化ホウ素化合物を加え、還元反応が終了した後、すぐにケトンを加えて過剰の還元剤を分解させ、次に弱酸でpHを4〜5に調節し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した後に、水洗し、メタノール−クロロホルムで精製した後に、含有量が97%超であるビリルビンIXαを得る工程と、を含む(加水分解後還元経路)。当該方法は、クロマトグラフィー分離を必要とせず、反応条件が温和であり、コストが低く、操作が便利であり、大規模な工業化生産に適している。【選択図】図1

Description

本発明は、ビリルビンの調製に係る分野に属しており、具体的には、ビリベルジンIXαジエステルから非クロマトグラフィー分離法によるビリルビンIXαの調製方法に関している。
ビリルビンIXαは、英語名がBilirubin IXα(化合物1)であり、モノマー構造式の二次元模式図は、以下のとおりである。
Figure 0006967212
CAS番号は、635−65−4であり、分子式は、C3336であり、分子量は、584.67である。
ビリルビンIXαの純粋製品は、オレンジ色の結晶性固体(粉末)であるが、含有量が96%以上である純粋製品を得ることが困難であり、市販品は、濃いオレンジ色の粉末であり、室温で放置すると、徐々に赤褐色になっている。胆汁色素類(bile pigments)は、生物色素であり、特定のポルフィリン(porphyrin)の代謝で形成される黄色、緑色、赤色又は褐色の無金属開環化合物系の一つである。獣類のほか、無脊椎動物、下等脊椎動物、特定の鳥の卵殻、紅藻及び緑色植物にも、このような色素類が含まれている。それは、動物の体の特定の部位に異なる色を与えるだけでなく、緑色植物の光周期に不可欠なものであり、紅藻の光合成作用過程における補助色素でもある。
ビリルビン(Bilirubin)は、ビリンファミリーの化合物の一種であり、ビリルビンIXαは、ビリルビン系化合物の一つである(Chemical Society Reviews,No.3,page 363,1975)。ビリルビンIXαは、幅広い生理活性を有し、抗酸化機能を有し、リノール酸及びリン脂質の酸化を抑制でき、ビリルビン及びそのポルフィリン類似体は、癌の光線力学的療法において、大きな応用潜在力がある。現在、いくつかの半合成ポルフィリン薬物は、国内外で販売されており、癌の光線力学的療法に用いられたが、多少副作用があり、市販のいくつかの癌の光線力学的療法用薬物(例えば、Photofrin)は、安定性が悪く、成分が複雑で変化しやすい。したがって、高含有量のビリルビンの全合成及びその構造に対する改造への研究は、癌の光線力学的療法用薬物の研究方向の一つである。また、ビリルビンIXαは、ゴオウを体外で培養する主な原料の一つである。中国薬局方(2015版)には、体外で培養するゴオウ中のビリルビンIXαの含有量が35.0%以上であることが規定されている。中国薬局方には、ビリルビンIXαの含有量の検出方法として、紫外線を用いる方法であり、ビリルビンIXα項目で、紫外線検出によるビリルビンIXαの含有量が90%以上であることが規定されている。ビリルビンIXαは、室温で不安定な化合物であり(FEBS Lett.18, 315, 1971)、室温で酸化、異性化、不均化、分解、重合、分子内「閉環」などの一連の複雑な反応を起こすことができ、これらの反応により生成される不純物(ビリルビンIIIα及びビリルビンXIIIαを含む)は、分離が困難であり、紫外線吸収などの物性があまり明確ではない(ほとんどの不純物の分子構造は、完全に解明されていない)ので、紫外線方法によるビリルビンIXαの検出結果は、科学的で正確ではない。
ビリルビンIXαは、ドイツの化学者Fisherによって初めて全合成されており(Z. physiol. Chem., 1942,vol.274,page 231; 1941, vol. 268, page 197)(その場合に、構造が完全に解明されていないが)、最も重要な最後の二つの工程、すなわち、まずビリベルジンジメチルエステルIXα(図1における化合物2)をビリベルジンIXα(図1における化合物3)に加水分解させた工程、次に還元剤として4価や低価の硫黄(例えば、亜ジチオン酸ナトリウム)又は亜鉛粉末−酢酸系を用い、ビリルビンIXαに還元させる工程では、いずれも収率が低く(25%以下)、含有量が説明されていない。Fatiadiにより、水素化ホウ素ナトリウムでビリベルジンIX(化合物3)を還元すると、収率が60%であるビリルビンIXαを得る(Experientia 1139, 1971)ことを報告したが、詳細な実験操作及び精製過程を報告しておらず、純度及び含有量も報告していない。ビリルビンIXαは、非常に不安定な化合物であり(FEBS Lett.18, 315, 1971)、特に溶液中又は酸や塩基の存在下で、不純物が生成しやすい。80年前にビリルビンIXαが抽出・合成されたが、1970年代になって、ビリルビンIXαの分子構造が基本的に明らかになった(R.Bonnett, Nature,262,page 327,1976)。国外では、ビリルビンIXαは商業的価値がなく(市場がない)、科学研究機関での化学研究は、基本的に理論研究を主とし、その合成研究は、基本的に1〜10ミリグラムレベルにとどまり、一次生成物を合成した後に、クロマトグラフィーで分離した。Sturrockにより、まず5ミリグラムのビリベルジンジメチルエステルIXαで加水分解させ(分離せず)、すぐに過剰の水素化ホウ素ナトリウムで還元させ、次にTLC分離を行い、メタノール−クロロホルムで精製した後に、3.8mgのビリルビンIXαを得る加水分解後還元経路を報告したが(Sturrock; Bull; Kirsch,Journal of Labelled Compounds and Radiopharmaceuticals, 1994, vol. 34, No.3, page 263)、純度を報告していない(分解温度、核磁気及び紫外線のみがあり、純度、含有量が不明である)。本願発明者は、Sturrockの実験操作を繰り返し、TLC監視により、還元過程が比較的複雑であり、不純物スポットの制御が困難であり、再現性が悪いことを見出した。
現在、図1に示すとおり、ビリベルジンIXαジメチルエステル(化合物2)を出発原料とし、ビリルビンIXαを合成できる経路は2つある。ビリベルジンIXαジメチルエステルが還元された後にビリルビンIXαに加水分解されることは、文献に報告されているが(Biochem. J. 155, 405−417,1976; Biochim. Biophys. Acta,184,173−183,1969)、複雑なクロマトグラフィー分離を採用し、収率が不明である。この経路では、ビリルビンIXαは、加水分解の条件(室温、pH 12以上)で安定性が悪く、一連の副反応が起こるので、純粋なビリルビンIXαを分離することが困難である。本願発明者は、文献における経路を繰り返したところ、還元後加水分解経路での生成物は、より複雑であり(加水分解後還元経路と比較)、TLCにより、反応混合物中に不純物スポットが多く検出されたことを見出し、還元後加水分解経路は、工業化に適していないことが示されている。水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、亜鉛粉末、亜ジチオン酸ナトリウムなどの還元剤でビリベルジンIXαをビリルビンIXαに還元させることは、文献に既に報告されているが(ミリグラムレベルの実験研究)、純度、含有量のデータが不足している。加水分解後還元経路における主な問題は、還元剤の量が制御されにくく、ビリルビンIXαが過剰に還元されやすくなり、すなわち、ビリルビンIXαが還元剤でさらに還元されることである。
張恒洲は、ビリルビンIXαを抽出し、含有量が90%であるビリルビンIXα二ナトリウム塩を調製したが(CN105399655、2016)、純度が不明である。また、ヘム(豚の血液から抽出され、供給源が保証されている)を基質とし、生化学的方法によりビリルビンIXαを調製することは、国内の文献にも国外の文献にも報告されているが、純粋なサンプルが得られず、溶液にビリルビンIXαが稀に存在することが紫外線によって検出されたに過ぎない。ヘムのα位は開環しているので、生化学的方法でも化学的方法でも選択性を保証することが困難であり、それ以上の研究は不可能であり、現在、当該方法による研究は、基本的に中止されている。
現在市販されているビリルビンIXαは、全部動物(主に牛、豚)の胆嚢から(クロロホルムで)抽出して生産されたものであり、少量の高分子不純物を含む未知の不純物が多く含まれている(TLCにより原点に現れ、HPLCによりピークが現れていない)。抽出された低含有量の(含有量が既に中国薬局方に規定される90%に達するが)ビリルビンIXαをさらに精製しなければ、ゴオウを体外で培養することができない。中国では、ビリルビンIXαの工業化抽出は30年以上の歴史があり、産業化は十分に成熟しているが、屠殺された動物の胆汁中のビリルビンIXαの分子構造は、常に変化するので、抽出されたビリルビンIXαの含有量を97%以上にすることが困難である。また、胆嚢源資源が限られているので、市場の需要を満たすことは、ますます困難になっている。
したがって、クロマトグラフィー分離技術を用いることなく、工業化生産の潜在力を有する合成プロセス(高含有量、高純度のビリルビンIXαを調製する)の開発は、工業的に大きな価値があり、高含有量、高純度のビリルビンIXαの合成プロセスは、切実な研究課題となっている。
本発明は、ビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法を提供することを目的とし、加水分解後還元経路に属しており、クロマトグラフィー分離を必要としない。当該方法は、従来の合成方法において、クロマトグラフィーで分離する必要があるので、工業的に大量生産できないという技術的ボトルネックを突破するとともに、従来の工業的に抽出されたビリルビンIXαの含有量が低く、純度が低く、質量が不安定である(ゴオウの体外培養に影響する)という技術的難題を解決し、含有量を97%以上にすることができる。
上記目的を実現するために、本発明は、以下の技術方案を提供する。
以下の工程を含むビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
(1)ビリベルジンIXαジエステルのメタノール溶液中に、5〜30℃で水酸化ナトリウムのメタノール溶液を滴下し、水を加えた後に、5〜30℃で加水分解させ、次に弱酸でpHを4〜5に調節し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、無機塩を水洗して除去し、真空乾燥させた後に、ビリベルジンIXαを得る(室温でビリルビンIXαよりもはるかに安定している)加水分解反応工程、
(2)ビリベルジンIXαのアルコール溶液中に、フリーラジカル捕捉剤、すなわち、安定化剤を加え、水素化ホウ素化合物を加え、反応が終了した後、すぐにケトンを加えて過剰の還元剤を分解させ、次に弱酸溶液を滴下してpHを4〜5に調節し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した後に、水洗し、メタノール−クロロホルムで精製した後に、含有量が97%超であるビリルビンIXαを得る還元反応工程。
好適には、上記調製方法において、工程(1)における加水分解反応の温度は、好ましくは10〜15℃である。
好適には、上記調製方法において、工程(2)に加入されるフリーラジカル捕捉剤の添加量は、ビリベルジンIXαの質量の0.05%〜0.5%であり、好ましくは0.1%〜0.2%である。
好適には、上記調製方法において、工程(2)におけるフリーラジカル捕捉剤は、アルキルフェノールを含むが、それに限定されない。
さらには、前記アルキルフェノールは、tert−ブチルヒドロキノンである。
好適には、上記調製方法において、工程(2)における水素化ホウ素化合物は、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムのうちのいずれか一種である。
さらには、前記水素化ホウ素化合物は、水素化ホウ素亜鉛である。
好適には、前記調製方法において、工程(2)におけるケトンは、アセトンを含むが、それに限定されない。
好適には、上記調製方法において、工程(2)における還元反応は、薄層クロマトグラフィー(Thin Layer Chromatography、TLC)で監視され、ビリベルジンIXαの還元が完了した後、過剰な還元を回避するために、すぐにケトンを加えて過剰の還元剤を分解させる。
好適には、上記調製方法において、工程(2)における弱酸は、酢酸を含むが、それに限定されず、好ましくは10%酢酸である。
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
還元反応に安定化剤を加え、中性(非強アルカリ性)の温和な還元剤である水素化ホウ素亜鉛を用い、還元反応が完了した後、すぐにケトンで過剰の還元剤を分解させることにより、生成されたビリルビンIXαの還元反応及び後処理過程での副反応を大幅に軽減し、分離が困難な不純物の生成を回避する。したがって、クロマトグラフィー分離を必要とせず、収率が高く(二つの工程の反応では、85%と高くなる)、含有量が高く(HPLC外部標準法による含有量が97%超である)、反応条件が温和であり、コストが低く、操作が便利であり、工業化に適しており、高含有量のビリルビンIXαの大規模な工業化生産に対して重要な理論的根拠及びプロセスパラメータを提供する。
従来技術におけるビリルビンIXαの二つの合成経路である。 実施例2で調製されたビリベルジンIXαのNMRスペクトルである。 実施例2で調製されたビリルビンIXαのH NMR(CDCl)スペクトルである。 実施例2で調製されたビリルビンIXαのH NMR(DMSO−d6)スペクトルである。 実施例2で調製されたビリルビンIXαのDEPT 13C NMR(DMSO−d6)スペクトルである。 実施例2で調製されたビリルビンIXαのHPLCスペクトルである。
本発明の特徴及び利点は、以下の詳細な説明により、図面を参照することでより明らかになる。提供された実施例は、本発明の方法を説明するものに過ぎず、本発明に開示されている他の内容を何ら制限するものではない。
以下の実施例で具体的な条件が明記されていない実験方法について、一般的な方法及び条件に従う。
一般的な試薬:ARグレード、Sinopharm化学試薬。TLCプレート:青島海洋化工廠。
NMR装置:Bruck 400M、上海有機化学研究所。HPLC装置:Agilent 1200型番
本発明におけるビリベルジンIXαジメチルエステルは、Smith,Tetrahedron,Vol.40, No.10, 第1749ページ, 1984に記載の調製方法により調製された。
<実施例1>ビリベルジンIXα(化合物3)の調製
A.250ミリリットルの三つ口フラスコ中に、0.350グラム(0.5735mmol)のビリベルジンIXαジメチルエステルを投入し、100ミリリットルのメタノールを加え、室温でマグネティックスターラーにより全部溶解させた後に、10℃で5%水酸化ナトリウムのメタノール溶液(1.38グラム、1.725mmol)を滴下し、次に撹拌しながら5グラムの水を加え、10℃で窒素保護下で一晩撹拌し(15時間)、翌日TLC(展開剤:ジクロロメタン:酢酸エチルv/v=50:1)により、ジメチルエステルが完全に加水分解されたことが示されている。その後、10%酢酸でpHを4〜5に調節し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、緑色固体を得た。20ミリリットルの水を加え、1時間撹拌した後に濾過し、10%メタノールを含む水(w%)20ミリリットルでpHが6となるまで洗浄した。五酸化二リンで一晩室温で真空乾燥させ、0.331グラムの青緑色粉末を得、収率が99.1%であった。H NMR(DMSO−d6)は、図2に示される。
B.30℃で窒素保護下で撹拌して加水分解させた以外、Aと同様にし、TLCにより8時間後に原点はなくなり、得られた反応混合物(中和後)は、TLCで明らかに尾引き現象が検出されており、温度が高まると不純物が生成することが示されている。以上と同様に処理した後に、0.331グラムの青緑色粉末を得た。次に50ミリリットルのメタノール−クロロホルム(メタノール:クロロホルムv/v=2:1)で一回精製し、0.305グラムの青緑色粉末を得、収率が91.3%であった。この温度で加水分解されることにより、時間が短縮されたが、副反応が起こったので、TLCで単一の純粋な生成物(スポット)を得るために、精製する必要がある。
<実施例2>ビリルビンIXα(化合物1)の調製
A.水素化ホウ素亜鉛を還元剤とした
500ミリリットルの三つ口フラスコ中に、窒素保護下で、0.300グラム(0.515mmol)のビリベルジンIXαを投入し、300ミリリットルのメタノールを加え、室温でマグネティックスターラーにより全部溶解させた後に、tert−ブチルヒドロキノン0.45mgを含むメタノール溶液1ミリリットルを加え、0℃に下げ、0.245グラムの水素化ホウ素亜鉛(2.58mmol)を含む調製直後のテトラヒドロフラン溶液(20ミリリットル)を30分間かけて滴下し(The Journal of the American Chemical Society.1960,Vol.82, page 6074)、反応液の色は、濃緑色から薄緑色に変化した。滴下完了後にさらに10分間撹拌し、反応液は、薄黄緑色に変化し、TLC(メタノール:クロロホルムv/v=1:50)により、黄赤色のスポットのみが検出されており、原点(緑色)がなくなることが示されている。すぐに10ミリリットルのアセトンを滴下し、ガスが発生し、ガスが発生しなくなるまで15分間撹拌した後に、10%酢酸でpHを4〜5に調節し、10分間撹拌し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去してオレンジ色の固体を得た。20ミリリットルの水を加え、1時間撹拌した後に濾過し、10%メタノールを含む水(w%)20ミリリットルでpHが6になるように洗浄し、オレンジ色の粉末を得た。30ミリリットルのメタノール−クロロホルム(v/v=2:1)で室温で2時間撹拌し、10℃まで冷却した後に濾過し、6ミリリットルのメタノール−クロロホルム(v/v=2:1)で洗浄し、五酸化二リンで一晩室温で真空乾燥させ、0.259グラムのオレンジ色の粉末を得、収率が86.0%であった。H NMR(CDCl)は図3に示され、H NMR(DMSO−d6)は図4に示され、DEPT 13C NMR(DMSO−d6)は図5に示される。
含有量の測定:
クロマトグラフィー条件とシステム適合性試験:オクタデシルシラン結合シリカゲルを充填剤とし、検出波長が450nmであり、理論段数は、ビリルビンピークで3000以上である。
対照品溶液の調製:ビリルビン対照品を適量精秤し(一定重量となるまで乾燥させ、低温で保存した)、ジクロロメタンを加え、1mlあたり12μgを含む溶液を作成した。
供試品溶液の調製:本製品を約10mg精秤し、50mlのメスフラスコに入れ、適量のジクロロメタンを加えて目盛りまで溶解させ、均一に振り混ぜ、3mlを精秤し、50mlのメスフラスコに入れ、ジクロロメタンを加えて目盛りまで希釈し、均一に振り混ぜ、0.45μm精密ろ過膜で濾過し、次のろ液を取った。
測定法:対照品溶液及び供試品溶液をそれぞれ5μl精密に吸収し、液体クロマトグラフに注入して測定した。外部標準法で含有量を計算した。
乾燥品で、ビリルビンIXαの含有量が97.1%であった。HPLCスペクトルは、図6に示される。
B.水素化ホウ素ナトリウムを還元剤とした
水素化ホウ素亜鉛溶液の代わりに、0.500グラムの固体水素化ホウ素ナトリウム(13.2mmol)を使用した以外、Aと同様にし、得られた生成物について、TLCで明らかに原点(極性が大きい)不純物が検出され、さらに50ミリリットルのメタノール−クロロホルム(v/v=1:1)で一回精製し、0.207グラムのオレンジ色の粉末を得、TLCにより不純物が検出されず、収率が68.7%であった。
C.水素化ホウ素カリウムを還元剤とした
水素化ホウ素亜鉛溶液の代わりに、0.500グラムの固体水素化ホウ素カリウム(9.27mmol)を使用した以外、Aと同様にし、得られた生成物について、TLCで明らかに原点(極性が大きい)不純物が検出され、さらに50ミリリットルのメタノール−クロロホルム(v/v=1:1)で一回精製し、0.198グラムのオレンジ色の粉末を得、TLCにより不純物が検出されず、収率が65.8%であった。
D.水素化ホウ素リチウムを還元剤とした
水素化ホウ素亜鉛溶液の代わりに、1.00グラムの固体水素化ホウ素リチウム(45.9mmol)を使用し、溶媒としてメタノールの代わりにエタノールを使用した以外、Aと同様にし、得られた生成物について、TLCで明らかに原点(極性が大きい)不純物が検出され、さらに50ミリリットルのメタノール−クロロホルム(v/v=1:1)で一回精製し、0.181グラムのオレンジ色の粉末を得、TLCにより不純物が検出されず、収率が60.1%であった。

Claims (12)

  1. (1)ビリベルジンIXαジエステルのメタノール溶液中に、5〜30℃で水酸化ナトリウムのメタノール溶液を滴下し、水を加えた後に、5〜30℃で加水分解させ、次に弱酸でpHを4〜5に調節し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、無機塩を水洗して除去し、真空乾燥させた後に、ビリベルジンIXαを得る(室温でビリルビンIXαよりもはるかに安定している)加水分解反応工程と、
    (2)ビリベルジンIXαのアルコール溶液中に、安定化剤としてのフリーラジカル捕捉剤を加え、水素化ホウ素化合物を加え、反応が終了した後、すぐにケトンを加えて過剰の還元剤を分解させ、次に弱酸溶液を滴下してpHを4〜5に調節し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去した後に、水洗し、メタノール−クロロホルムで精製した後に、含有量が97%超であるビリルビンIXαを得る還元反応工程と、
    を含むことを特徴とするビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  2. 工程(1)における加水分解反応の温度は、10〜15℃であることを特徴とする請求項1に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  3. 工程(2)におけるフリーラジカル捕捉剤は、アルキルフェノールを含むことを特徴とする請求項1に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  4. 工程(2)におけるフリーラジカル捕捉剤は、tert−ブチルヒドロキノンであることを特徴とする請求項3に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  5. 工程(2)では、フリーラジカル捕捉剤の添加量は、ビリベルジンIXαの質量の0.05%〜0.5%であることを特徴とする請求項1に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  6. 工程(2)では、フリーラジカル捕捉剤の添加量は、ビリベルジンIXαの質量の0.1%〜0.2%であることを特徴とする請求項5に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  7. 工程(2)における水素化ホウ素化合物は、水素化ホウ素亜鉛、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウムのうちのいずれか一種であることを特徴とする請求項1に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  8. 工程(2)における水素化ホウ素化合物は、水素化ホウ素亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  9. 工程(2)におけるケトンは、アセトンを含むことを特徴とする請求項1又は3〜に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  10. 工程(2)における還元反応は、薄層クロマトグラフィー(Thin Layer Chromatography、TLC)で監視され、ビリベルジンIXαの還元が完了した後、過剰な還元を回避するために、すぐにケトンを加えて過剰の還元剤を分解させることを特徴とする請求項1に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  11. 工程(2)における弱酸は、酢酸を含むことを特徴とする請求項1に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
  12. 工程(2)における弱酸は、10%酢酸であることを特徴とする請求項11に記載のビリベルジンIXαジエステルによるビリルビンIXαの調製方法。
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