JP6966775B2 - 有機カチオン部分を持つ芳香族アミン誘導体及びそれを用いたペロブスカイト型太陽電池 - Google Patents

有機カチオン部分を持つ芳香族アミン誘導体及びそれを用いたペロブスカイト型太陽電池 Download PDF

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Description

本発明は、ペロブスカイト型太陽電池の性能を向上するための機能性材料、およびそれを用いた太陽電池に関するものである。
太陽光を効率よく電気に変換できる太陽電池はエネルギー・環境問題の観点から注目されている。実用化されている太陽電池は主にシリコンを用いるものであるが、これらの太陽電池は製造コストが高く、一般家庭に広く普及するには至っていない。シリコン系太陽電池に変わる新しいタイプの太陽電池の研究が進められており、その1つとして有機系太陽電池がある。有機系太陽電池は、資源的制約が少ないこと、製造コストが比較的低いこと、軽量・フレキシブルなどの利点があり、その普及が期待されている。しかしながら、エネルギー変換効率や耐久性等の面でシリコン系太陽電池に劣っており、実用化に向けた課題が残っている。
一方で、ペロブスカイト型太陽電池は、2009年に溶液型の電池が報告され(非特許文献1)、その後、2012年に固体型の電池が報告されるとエネルギー変換効率が急速に進展した(非特許文献2)。ペロブスカイト型太陽電池の基本構造は、通常、透明電極の上に、光吸収層(ペロブスカイト層)をn型およびp型のバッファ層で挟んだ構造である。n型バッファ層としては、酸化チタンからなる緻密なチタニアの膜が用いられることが多く、p型バッファ層としては、有機半導体の正孔輸送材料が一般的に用いられている。
しかしながら、従来のペロブスカイト型太陽電池のエネルギー変換効率は十分とは言えず、現在も国内外で熾烈な高効率化競争が展開されている。中でも、エネルギー変換効率の向上のためには、n型バッファ層とペロブスカイト層、およびペロブスカイト層とp型バッファ層の積層材料界面における電荷再結合や直列抵抗などを制御しエネルギーロスを低減することが必要である。
そのような積層材料の界面に導入する化合物として、いくつかの報告例があるが(特許文献1並びに非特許文献3、4、および5)、ペロブスカイト型太陽電池の実用化に有用といえるほどの効果を示す化合物はほとんど報告されていないのが現状であり、更に優れた材料の開発が求められている。
特表2017-501576
J. Am. Chem. Soc. 2009, 131, 6050-6051 Science, 2012, 388, 643-647 Nano Lett. 2014, 14, 3247-3254 ACSNano, 2014, 8, 9815-9821 ChemSusChem, 2016, 9, 2634-2639
本発明は、従来の技術における上記した状況に鑑みてなされたものであり、その目的は
、ペロブスカイト型太陽電池の積層材料界面のエネルギーロスを低減する化合物を提供し、さらにはこの化合物を用いた良好なペロブスカイト型太陽電池を提供することを課題とする。
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討を行った。その結果、新規芳香族アミン誘導体をペロブスカイト型太陽電池の積層材料界面に導入することにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、一般式(1)
Figure 0006966775
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar1とAr2、Ar1とAr3、Ar3とAr4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい;Xは有機カチオンである;Yはハロゲンアニオンである)で表される芳香族アミン誘導体である。
さらに、本発明は、一般式(1)におけるAr1およびAr2が、それぞれ独立に置換または未置換のアリール基である、芳香族アミン誘導体である。
さらに、本発明は、一般式(1)における置換アリール基または置換ヘテロアリール基の置換基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基およびヘテロ環基から選ばれる、芳香族アミン誘導体である。
さらに、本発明は、一般式(1)におけるAr3およびAr4が、未置換のアリール基である、芳香族アミン誘導体である。
さらに、本発明は、一般式(1)におけるXが、アルキルアンモニウムカチオンおよびホルムアミジニウムカチオンから選ばれる、芳香族アミン誘導体である。
さらに、本発明は、一般式(1)で表される芳香族アミン誘導体が、下記式で表される化合物である、芳香族アミン誘導体である。
Figure 0006966775
さらに、本発明は、本発明の芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子である。
さらにまた、本発明は、本発明の光電変換素子を備えるペロブスカイト型太陽電池である。
さらにまた、本発明は、本発明の光電変換素子を備える、フォトダイオードである。
さらにまた、本発明は、本発明の光電変換素子を備える、光センサである。
さらにまた、本発明は、導電性支持体上に電子輸送層を有し、電子輸送層上にペロブスカイト化合物を含む光吸収層を有する第一電極と、第一電極に対向する第二電極とを有す
る光電変換素子の製造方法であって、
(a)電子輸送層と、本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させる工程;および/または、
(b)光吸収層と、本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させる工程、
を含む、光電変換素子の製造方法である。
本発明の芳香族アミン誘導体によれば、ペロブスカイト型太陽電池の積層材料界面に導入することにより、エネルギーロスを低減することができる。また、これを用いた光電変換素子およびペロブスカイト型太陽電池は、良好な変換効率を達成することができる。
図1(A)および(B)は、本発明のペロブスカイト型太陽電池の一例を、模式的に示した断面図である。
(芳香族アミン誘導体)
本発明の芳香族アミン誘導体は、
一般式(1)
Figure 0006966775
(式中、Ar1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar1とAr2、Ar1とAr3、Ar3とAr4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい;Xは有機カチオンである;Yはハロゲンアニオンである)で表される芳香族アミン誘導体であって、種々の化合物となることが出来る。本発明の芳香族アミン誘導体は、積層材料界面において、少なくとも一種を導入することができ、複数種を導入することも可能である。
上記一般式(1)におけるAr1〜Ar4はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar1とAr2、Ar1とAr3、Ar3とAr4はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい。Ar3に関し未置換とは、(Ar1Ar2)N-以外に置換基を有さないことを意味する。Ar4に関し未置換とは、Ar3以外に置換基を有さないことを意味する。
ここでアリール基は、特に限定されないが、フェニル基、ナフチル基などが挙げられる。
ヘテロアリール基は、特に限定されないが、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、ピロール、チオフェン、フラン、イミダゾール、ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、オキサゾール、イソオキサゾールなどに由来する1価の基が挙げられる。
Ar1〜Ar4は、置換基を有してもよく、置換基として好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ス
ルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヘテロ環基などが挙げられる。置換基としてより好ましくは、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アミノ基、アルコキシ基、アルキルチオ基などが挙げられる。置換基の炭素数としては、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3である。
Ar1〜Ar4における置換基の置換位置は、特に限定されない。
Ar3のアリール基またはヘテロアリール基における(Ar1Ar2)N-の結合位置は限定されないが、好ましくはp位である。Ar4のアリール基またはヘテロアリール基におけるAr3の結合位置は限定されないが、好ましくはp位またはm位である。
Ar1とAr2、Ar1とAr3、Ar3とAr4が、それぞれ互いに結合して環を形成している場合は、それぞれ互いに直接または連結基を介して結合して環を形成することが好ましい。
連結基の構造は特に制限されないが、例えば、アルキレン基、シリレン基、アルケニレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基、アリーレン基などが挙げられ、これらは更に置換基を有してもよい。置換基としては、上記Ar1〜Ar4における置換基として例示した置換基が挙げられる。
Xは有機カチオンであり、好ましくはアルキルアンモニウムカチオン、ホルムアミジニウムカチオンからなる群から選ばれる少なくとも一種を含む。アルキルアンモニウムカチオンの炭素数としては、好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは炭素数1〜3、さらに好ましくは炭素数1である。
Yはハロゲンアニオンであり、好ましくはフッ化物イオン(F-)、塩化物イオン(Cl-)、臭化物イオン(Br-)、ヨウ化物イオン(I-)である。
本発明の芳香族アミン誘導体の具体例として、例えば、下記式で表されるものを挙げることが出来る
Figure 0006966775
本発明の芳香族アミン誘導体の製造方法は、例えば、本発明の化合物2であれば、4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸と4−ブロモベンジルアミンを予め反応させて骨格となる芳香族アミン誘導体を合成し、さらにこれをヨウ化水素酸で処理することにより得
ることが出来る。その他の芳香族アミン誘導体についても、上記製造方法および通常の有機化学合成手法に基づいて得ることができる。
(光電変換素子)
本発明の芳香族アミン誘導体は、光電変換素子の積層材料界面に導入する化合物として用いることが出来る。本発明の光電変換素子は、積層材料界面に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常の光電変換素子の構造を有するものであってよい。具体的には、例えば、導電性支持体上に電子輸送層を有し、電子輸送層上にペロブスカイト化合物を含む光吸収層を有する第一電極と、第一電極に対向する第二電極(対極)とを有する光電変換素子であって、電子輸送層と本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させることにより、電子輸送層と光吸収層との界面に本発明の芳香族アミン誘導体が導入されている、または、光吸収層と本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させることにより、光吸収層と正孔輸送層との界面に本発明の芳香族アミン誘導体が導入されている光電変換素子が挙げられる。また、電子輸送層と本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させることにより、電子輸送層と光吸収層との界面に本発明の芳香族アミン誘導体が導入され、さらに、光吸収層と本発明の芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させることにより、光吸収層と正孔輸送層との界面にも本発明の芳香族アミン誘導体が導入されている光電変換素子も挙げられる。
本発明の光電変換素子は、例えば、ペロブスカイト型太陽電池、フォトダイオード、光センサなどに用いることができる。
本発明の光電変換素子は、積層材料界面に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常の光電変換素子の製造方法により製造することができる。積層材料界面に本発明の芳香族アミン誘導体を導入するには、本発明の芳香族アミン誘導体を含有する液を用いる。この液は、液状の本発明の芳香族アミン誘導体自体であってもよく、本発明の芳香族アミン誘導体を含有する溶液でも懸濁液(分散液)であってもよい。溶媒または分散媒は、本発明の芳香族アミン誘導体を溶解または分散でき、積層材料を溶解しないものであれば特に限定されず、例えば、クロロベンゼン、イソプロパノールおよびこれらの混合液を好ましく用いることができる。本発明の芳香族アミン誘導体の液中の濃度は、特に限定されないが、例えば、1〜500mMが好ましく、10〜100mMがより好ましい。
調製した液を電子輸送層または光吸収層の表面に接触させる方法は、特に限定されず、例えば、電子輸送層または光吸収層の表面に液を塗布する方法が挙げられる。塗布方法としては、特に限定されないが、例えばスピンコート法、スクリーン印刷法、浸漬法などが挙げられる。
塗布の温度は、0〜50℃であることが好ましい。
塗布後は、液を乾燥することが好ましい。乾燥条件は、特に限定されない。乾燥温度は、例えば、20〜150℃が好ましく、20〜70℃がより好ましい。乾燥時間は、例えば、1分〜5時間が好ましく、3分〜1時間がより好ましい。
電子輸送層または光吸収層の表面上の本発明の芳香族アミン誘導体の存在量は、芳香族アミン誘導体の種類、目的とする性能等に応じて適宜調整でき、特に限定されないが、例えば、0.001mg/m2〜100g/m2が好ましく、0.01mg/m2〜10g/m2がより好ましい。
(ペロブスカイト型太陽電池)
本発明の芳香族アミン誘導体は、例えばペロブスカイト型太陽電池の積層材料界面に導入する化合物として用いることが出来る。本発明のペロブスカイト型太陽電池は、積層材料界面に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常のペロブスカイト型太陽電池の構造を有するものであってよい。すなわち、導電性支持体、n型バッファ層(電子輸送層)、ペロブスカイト層(光吸収層)、p型バッファ層(正孔輸送層)、および対極は周知のものを用いることが出来る。本発明のペロブスカイト型太陽電池は、積層材料界面に本発明の芳香族アミン誘導体を導入する以外は、通常のペロブスカイト型太陽電池の製
造方法により製造することができる。
本発明の芳香族アミン誘導体を用いた本発明のペロブスカイト型太陽電池は、導電性支持体上に形成された、n型バッファ層(電子輸送層)、ペロブスカイト層(光吸収層)、p型バッファ層(正孔輸送層)、対極が順次積層されて構成され、ペロブスカイト層の片側または両側の積層材料界面に、本発明の芳香族アミン誘導体が導入されている。
導電性支持体としては、表面に導電層を有するガラスまたはプラスチックなどを好適に用いることができる。導電層としては、金、白金、銀、銅、インジウムなどの金属、導電性カーボン、またはインジウム錫複合化合物、酸化錫にフッ素をドープしたものなどが挙げられる。これらの導電材料を用いて、常法により支持体表面に導電層を形成することができる。また、導電性支持体を受光面とする場合は透明であることが好ましい。
n型バッファ層を構成する材料は特に限定されず、例えば、酸化チタン、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化インジウムなどを挙げることができる。これらのうち好ましくは酸化チタン、酸化ニオブ、酸化スズであり、特に好ましくは酸化チタンである。n型バッファ層の形成方法は問わないが、例えば、スプレー熱分解法による製膜、またはn型バッファ層となるべき酸化物の微粒子を形成し、これを適当な溶媒に懸濁させて透明導電性ガラスの上に塗布し、溶媒を除去した後に加熱する方法による製造などが挙げられる。
ペロブスカイト層としては、組成式AMB3で示されるペロブスカイト化合物を少なくとも一種含有していればよく、二種以上のペロブスカイト化合物を含有していてもよい。光吸収層は単層であっても二層以上の積層であってもよい。二層以上の積層構造である場合は、それぞれの層の間に正孔輸送材料などの中間層を積層してもよい。Aは1価のカチオンであり、例えばメチルアンモニウムカチオン、ホルムアミジニウムカチオン、アルカリ金属カチオンが挙げられる。Mは2価のカチオンであり、例えば鉛カチオン、ゲルマニウムカチオン、スズカチオンなどが挙げられる。Bはハロゲンアニオンなどの1価のアニオンである。ペロブスカイト層は、溶液による塗布法や、共蒸着法などにより形成することが出来る。
p型バッファ層を構成する材料は特に限定されず、例えば、p型低分子有機半導体、p型導電性高分子、p型無機材料などを挙げることが出来る。具体的には例えば、2,2',7,7'-テトラキス(N,N-ジ-p-メトキシフェニルアミノ)-9,9'-スピロビフルオレン(Spiro-OMeTAD)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン‐2,5−ジイル)(P3HT)、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)、ポリ[ビス(4−フェニル)(2,4,6−トリメチルフェニル)アミン](PTAA)、ヨウ化銅、チオシアン酸銅などが挙げられる。p型バッファ層は、材料に応じて周知の製膜方法を用いて形成することが出来る。
対極は導電性を有している限り特に制限はないが、例えば、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、タングステン、モリブテン、タンタル、チタン、ニオビウムなどが挙げられる。これらの導電材料を用いて、常法により対極を形成することが出来る。
光電変換素子および太陽電池の製造方法に使用する溶媒または分散媒としては、メタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノールなどのアルコール溶媒、クロロホルム、アセトン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの有機溶媒、ならびに、それらの混合溶媒である。好ましくは、イソプロパノール−クロロベンゼン混合溶媒である。
以下に、本発明について実施例を用いてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(1 g)、4−ブロモベンジルアミン(0.536
g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.167 g)を1,2−ジメトキシエタン(10 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.898 gの骨格となる芳香族アミン誘導体を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物1」という。化合物1の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.55 (2H, d, J 8.3), 7.47 (2H, d, J 8.7), 7.36
(2H, d, J 8.3), 7.28-7.25 (4H, m), 7.14-7.11 (6H, m), 7.03 (2H, t, J 7.3), 3.91
(2H, s)。
ESI-MS: m/z = 351.3 [M]+, 334.3 [M-NH2]+
Figure 0006966775
化合物1(0.898 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(0.334 mL)と水(0.3 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、メタノールを加え、ろ過する。得られた固体をメタノールに溶解し、ジエチルエーテル中に投入し、得られた固体をろ過すると0.561 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物2」という。化合物2の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CD3OD, Me4Si): δ7.69 (2H, d, J 8.2), 7.55 (2H, d, J 8.7), 7.50
(2H, d, J 8.2), 7.28 (4H, dd, J 8.5, 7.4), 7.09-7.04 (8H, m), 4.14 (2H, s)。
ESI-MS: m/z = 351.3 [M-I]+, 334.3 [M-I-NH2]+
Figure 0006966775
<実施例2>
4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(1 g)、3−ブロモベンジルアミン(0.536
g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.167 g)を1,2−ジメトキシエタン(10 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.923 gの骨格となる芳香族アミン誘導体を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物3」という。化合物3の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.51 (1H, s), 7.47 (2H, d, J 8.7), 7.37 (1H, t, J 7.6), 7.26-7.24 (5H, m), 7.13-7.11 (6H, m), 7.02 (2H, td, J 7.4, 0.9), 3.92 (2H, s)。
ESI-MS: m/z = 351.3 [M]+, 334.3 [M-NH2]+
Figure 0006966775
化合物3(0.907 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(0.285 mL)と水(0.3 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、メタノールを加え、ろ過する。ろ液の溶媒を留去した後、ジクロロメタンとヘキサンの混合溶媒で再結晶すると0.497 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物4」という。化合物4の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.70 (1H, s), 7.48-7.45 (3H, m), 7.40 (1H, d, J 7.6), 7.32 (1H, t, J 7.6), 7.21 (4H, t, J 7.4), 7.07-7.04 (6H, m), 7.00 (2H, td, J 7.4, 1.0), 4.17 (2H, s)。
ESI-MS: m/z = 351.1 [M-I]+, 334.1 [M-I-NH2]+
Figure 0006966775
<実施例3>
N,N−ビス(4−メトキシフェニル)−4−(5,5−ジメチル−1,3,2ジオキサボラン−2−イル)アニリン(0.3 g)、4−ブロモベンジルアミン(0.111 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.0344 g)を1,2−ジメトキシエタン(10 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.241 gの骨格となる芳香族アミン誘導体を得た。1H-NMRとESI-MS
で分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物5」という。化合物5の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.52 (2H, d, J 8.1), 7.40 (2H, d, J 8.8), 7.34
(2H, d, J 8.1), 7.09 (4H, d, J 9.0), 6.98 (2H, d, J 8.8), 6.84 (4H, d, J 9.0), 3.80 (6H, s), 3.52 (2H, s)。
ESI-MS: m/z = 410.2 [M]+, 394.2 [M-NH2]+
Figure 0006966775
化合物5(0.220 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(0.106mL)と水(0.5 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.173 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物6」という。化合物6の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CD3OD, Me4Si): δ7.64 (2H, d, J 8.2), 7.47-7.44 (4H, m), 7.04 (4H, d, J 8.9), 6.93 (2H, d, J 8.6), 6.89 (4H, d, J 8.9), 4.12 (2H, s), 3.79 (6H,
s)。
ESI-MS: m/z = 411.2 [M-I]+, 394.2 [M-I-NH2]+
Figure 0006966775
<実施例4>
N,N−ビス(4−メトキシフェニル)−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)アニリン(1.08 g)、3−ブロモベンジルアミン(0.4 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.124 g)を1,2−ジメトキシエタン(10 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.782 gの骨格となる芳香族アミン誘導体を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物7」という。化合物7の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.49 (1H, s), 7.44-7.40 (3H, m), 7.37 (1H, t, J 7.6), 7.24 (1H, d, J 7.6), 7.08 (4H, d, J 9.0), 6.98 (2H, d, J 8.8), 6.84 (4H,
d, J 9.0), 3.92 (2H, s), 3.80 (6H, s)。
ESI-MS: m/z = 411.2 [M+H]+, 394.2 [M-NH2]+
Figure 0006966775
化合物7(0.75 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(0.362mL)と水(1 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、溶媒を除去し、残渣をアセトンに溶解しジエチルエーテルに投入する。得られた固体をろ過し、0.827 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物8」という。化合物8の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CD3OD, Me4Si): δ7.66 (1H, s), 7.63 (1H, d, J 7.8), 7.49-7.46 (3H, m), 7.34 (1H, d, J 7.6), 7.04 (4H, d, J 9.0), 6.94 (2H, d, J 8.8), 6.89 (4H,
d, J 9.0), 4.16 (2H, s), 3.79 (6H, s)。
ESI-MS: m/z = 411.2 [M-I]+, 394.2 [M-I-NH2]+
Figure 0006966775
<実施例5>
N,N−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)アニリン(1.5 g)、4−ブロモベンジルアミン(0.417 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.13 g)を1,2−ジメトキシエタン(30 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(30 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、1.18 gの骨格となる芳香族アミン誘導体を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物9」という。化合物9の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.51 (2H, d, J 8.0), 7.39 (2H, d, J 8.5), 7.33
(2H, d, J 8.0), 7.06 (4H, d, J 8.9), 6.97 (2H, d, J 8.5), 6.82 (4H, d, J 8.9), 3.93 (4H, t, J 6.6), 3.88 (2H, s), 1.80-1.74 (4H, m), 1.49-1.43 (4H, m), 1.36-1.34 (8H, m), 0.93-0.90 (6H, m)。
ESI-MS: m/z = 551.5 [M+H]+, 534.4 [M-NH2]+
Figure 0006966775
化合物9(0.946 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(0.34 mL)と水(1 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、溶媒を除去し、カラムクロマトグラフィーで精製し、0.959 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物10」という。化合物10の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.51 (2H, d, J 8.2), 7.46 (2H, d, J 8.2), 7.32
(2H, d, J 8.6), 7.02 (4H, d, J 8.8), 6.92 (2H, d, J 8.6), 6.80 (4H, d, J 8.8), 4.09 (2H, s), 3.92 (4H, t, J 6.6), 1.79-1.73 (4H, m), 1.49-1.43 (4H, m), 1.37-1.33 (8H, m), 0.92-0.89 (6H, m)。
ESI-MS: m/z = 551.4 [M-I]+, 534.4 [M-I-NH2]+
Figure 0006966775
<実施例6>
N,N−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)アニリン(1.5 g)、3−ブロモベンジルアミン(0.417 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.13 g)を1,2−ジメトキシエタン(30 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(30 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.871 gの骨格となる芳香族アミン誘導体を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物11」という。化合物11の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.48 (1H, s), 7.43-7.39 (3H, m), 7.36 (1H, t, J 7.7), 7.22 (1H, d, J 7.7), 7.06 (4H, d, J 9.0), 6.97 (2H, d, J 8.7), 6.82 (4H,
d, J 9.0), 3.93 (4H, t, J 6.6), 3.91 (2H, s), 1.80-1.74 (4H, m), 1.49-1.43 (4H,
m), 1.36-1.32 (8H, m), 0.92-0.90 (6H, m)。
ESI-MS: m/z = 551.5 [M+H]+, 534.5 [M-NH2]+
Figure 0006966775
化合物11(0.7 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(0.909 mL)と水(0.2 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、水に投入し、ろ過する。得られた固体をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.656 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物12」という。化合物12の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.68 (1H, s), 7.48 (1H, d, J 7.7), 7.41 (2H, d, J 8.6), 7.37 (1H, d, J 7.7), 7.32 (1H, t, J 7.7), 7.00 (4H, d, J 8.9), 6.92 (2H, d, J 8.6), 6.79 (4H, d, J 8.9), 4.18 (2H, s), 3.91 (4H, t, J 6.6), 1.78-1.73 (4H, m), 1.48-1.42 (4H, m), 1.36-1.32 (8H, m), 0.92-0.89 (6H, m)。
ESI-MS: m/z = 551.5 [M-I]+, 534.4 [M-I-NH2]+
Figure 0006966775
<実施例7>
4−(ジフェニルアミノ)フェニルボロン酸(1 g)、4−ブロモベンズアミジン塩酸塩(0.679 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.167 g)を1,2−ジメトキシエタン(10 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水と酢酸エチルを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣を再結晶し、0.639gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式(18)で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物13」という。化合物13の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.86 (2H, d, J 8.5), 7.65 (2H, d, J 8.5), 7.50
(2H, d, J 8.7), 7.28 (4H, dd, J 8.5, 7.4), 7.15-7.13 (6H, m), 7.06 (2H, t, J 7.4)。
ESI-MS: m/z = 364.1 [M-Cl]+
Figure 0006966775
<実施例8>
化合物13(0.4 g)をヨウ化水素酸(2.65 mL)とエタノール(20 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、水に投入し、得られた固体をろ過し、0.176 g生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物14」という。化合物14の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.86 (2H, d, J 8.3), 7.65 (2H, d, J 8.3), 7.50
(2H, d, J 8.6), 7.28 (4H, dd, J 8.3, 7.4), 7.15-7.13 (6H, m), 7.06 (2H, t, J 7.4)。
ESI-MS: m/z = 364.3 [M-I]+
Figure 0006966775
<実施例9>
N,N−ビス(4−メトキシフェニル)−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)アニリン(1.06 g)、4−ブロモベンズアミジン塩酸塩(0.5 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.123 g)を1,2−ジメトキシエタン(10 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製する。得られた固体をジクロロメタンに溶解し、ヘキサンに投入する。得られた固体をろ過し、0.721 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物15」という。化合物15の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.83 (2H, d, J 8.2), 7.61 (2H, d, J 8.2), 7.43
(2H, d, J 8.7), 7.09 (4H, d, J 9.0), 6.97 (2H, d, J 8.7), 6.85 (4H, d, J 9.0), 3.80 (6H, s)。
ESI-MS: m/z = 425.2 [M-Cl]+
Figure 0006966775
<実施例10>
化合物15(0.4 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(2.3 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、溶媒を10 mLになるまで除去し、水に投入する。得られた固体をろ過し、乾燥後、ジクロロメタンに溶解し、ヘキサンに投入する。得られた固体をろ過し、0.416 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物16」という。化合物16の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.85 (2H, d, J 8.2), 7.63 (2H, d, J 8.2), 7.43
(2H, d, J 8.6), 7.08 (4H, d, J 8.9), 6.97 (2H, d, J 8.6), 6.85 (4H, d, J 8.9), 3.80 (6H, s)。
ESI-MS: m/z = 425.3 [M-I]+
Figure 0006966775
<実施例11>
N,N−ビス(4−ヘキシルオキシフェニル)−4−(5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボラン−2−イル)アニリン(1.5 g)、4−ブロモベンズアミジン塩酸塩(0.528 g)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.13 g)を1,2−ジメトキシエタン(10 mL)に溶解する。この混合物に2 Mの炭酸ナトリウム水溶液(10 mL)を加えて加熱還流する。室温まで冷却後、水とジクロロメタンを加え、分液する。有機層を濃縮後の残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.781 gの生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物17」という。化合物17の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.84 (2H, d, J 8.4), 7.62 (2H, d, J 8.4), 7.43
(2H, d, J 8.8), 7.08 (4H, d, J 9.0), 6.98 (2H, d, J 8.8), 6.84 (4H, d, J 9.0), 3.94 (4H, t, J 6.6), 1.81-1.75 (4H, m), 1.49-1.43 (4H, m), 1.36-1.32 (8H, m), 0.93-0.90 (6H, m)。
ESI-MS: m/z = 665.4 [M-Cl]+
Figure 0006966775
<実施例12>
化合物17(0.41 g)をメタノールとジクロロメタンの混合溶媒に溶解させた後、氷冷したヨウ化水素酸(1.8 mL)に加え、攪拌する。反応混合物を室温にした後、溶媒を除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーで精製し、0.356 g生成物を得た。1H-NMRとESI-MSで分析したところ、この生成物は、下記式で表されるものであることがわかった。この生成物を、「化合物18」という。化合物18の1H-NMRとESI-MS分析値を以下に示す。
1H NMR (500 MHz, CDCl3, Me4Si): δ7.84 (2H, d, J 8.4), 7.62 (2H, d, J 8.4), 7.43
(2H, d, J 8.8), 7.08 (4H, d, J 8.9), 6.98 (2H, d, J 8.8), 6.84 (4H, d, J 8.9), 3.94 (4H, t, J 6.6), 1.81-1.75 (4H, m), 1.49-1.44 (4H, m), 1.36-1.33 (8H, m), 0.93-0.90 (6H, m)。
ESI-MS: m/z = 665.4 [M-I]+
Figure 0006966775
<実施例13>
ペロブスカイト型太陽電池の作製
ガラス表面に透明導電性支持体であるフッ素をドープした酸化錫が蒸着された透明導電性ガラスの表面に、酸化チタン膜を大気中、350℃でスプレー熱分解法により製膜し、450
℃で30分間加熱することで、約30 nmの膜を得た。
さらに電子輸送層として、酸化チタン(平均粒径20 nm)のエタノール分散液をスピンコート法により、約200 nm製膜し、大気中で450 ℃で30分間加熱することで、多孔質酸化チタン膜を得た。
次に、ヨウ化鉛とヨウ化メチルアンモニウムをN,N−ジメチルホルムアミドとジメチルスルホキシドの混合溶液(3/1)に溶解し、1.5Mの溶液を調製した。上記の多孔質酸化チタン膜を形成した基板上に、溶液をスピンコートし、続いてクロロベンゼンをスピンコートすることにより製膜した。上記溶液を製膜した基板を120℃まで加熱し、CH3NH3PbI3ペロブスカイト層(光吸収層)を形成した。
その後、前記で得た化合物をクロロベンゼンとイソプロピルアルコールの混合溶液(1/1)に溶解し、50 mMの溶液を調製した。この溶液を上記のペロブスカイト層を製膜した基板にスピンコートした。
さらに、その上にp型バッファ層の溶液をスピンコートし製膜した。p型バッファ層の溶液は、spiro-OMeTAD(88 mg)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(14 mg)、tert-ブチルピリジン(31 μL)をクロロベンゼン(1 mL)に溶解させて調製した。
最後に、p型バッファ層を形成した基板の上に金を蒸着し、目的の太陽電池を得た。同太陽電池は、図1(A)に相当するものである。太陽電池性能はソーラーシュミレーター(WXS-80C-2、ワコム電創製)(AM1.5、100 mW cm-2)を用いて評価した。
表1に示す化合物を用い、上記の方法により作製した電池を用いて初期性能を評価した。具体的には、各化合物を用いた電池を同一条件で9個作成し、平均値を求めた。求めた平均値を各化合物を用いた太陽電池の初期変換効率とし、未処理の太陽電池の初期変換効率との比較により評価した。下記表1には、初期変換効率が、未処理のものと比べて0.4%以上向上したものをA、0.2%〜0.4%向上したものをB、−0.2%〜0.2%で変化したものをC、0.2〜0.4%減少したものをD、0.4%以上減少したものをEとして、これらの評価ラン
クで示した。なお、上記光電変換効率の評価において、比較として用いた未処理の太陽電池の光電変換効率は約16%であり、太陽電池として十分に機能するものであった。
Figure 0006966775
表1の結果から、本発明の化合物をペロブスカイト型太陽電池に導入することにより、良好な変換効率を達成でき、積層材料界面のエネルギーロスを低減する化合物として有用であることがわかった。なお、初期変換効率が未処理のものと比べて減少した化合物についても、条件等の変更により良好な変換効率を達成できると考えられる。
本発明により、ペロブスカイト型太陽電池の積層材料界面のエネルギーロスを低減することができる化合物を得ることができる。本発明の化合物は、光電変換素子などとして用いることができる。また、本発明の光電変換素子は、ペロブスカイト型太陽電池、フォトダイオードや光センサなどとして有用である。

Claims (6)

  1. 一般式(2)もしくは(3)
    Figure 0006966775

    Figure 0006966775

    (式中、Ar 1 〜Ar 4 はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar 1 とAr 2 、Ar 1 とAr 3 、Ar 3 とAr 4 はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい; Yはハロゲンアニオンである)で表される芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池
  2. 一般式(2)もしくは(3)におけるAr1およびAr2が、それぞれ独立に置換または未置換のアリール基である、請求項1に記載の芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池
  3. 一般式(2)もしくは(3)における置換アリール基または置換ヘテロアリール基の置換基が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル
    基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルホニルアミノ基、スルファモイル基、カルバモイル基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルホニル基、ハロゲン原子、シアノ基およびヘテロ環基から選ばれる、請求項1または2に記載の芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池
  4. 一般式(2)もしくは(3)におけるAr3およびAr4が、未置換のアリール基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池
  5. 一般式(2)もしくは(3)で表される芳香族アミン誘導体が、下記式で表される化合物である、請求項1〜のいずれか一項に記載の芳香族アミン誘導体を備える光電変換素子を備える、ペロブスカイト型太陽電池
    Figure 0006966775
  6. 導電性支持体上に電子輸送層を有し、電子輸送層上にペロブスカイト化合物を含む光吸
    収層を有する第一電極と、第一電極に対向する第二電極とを有する光電変換素子の製造方法であって、
    (a)電子輸送層と、一般式(2)もしくは(3)で表される芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させる工程;および/または、
    (b)光吸収層と、一般式(2)もしくは(3)で表される芳香族アミン誘導体を含む溶液を接触させる工程、
    を含む、光電変換素子の製造方法。
    Figure 0006966775

    Figure 0006966775

    (式中、Ar 1 〜Ar 4 はそれぞれ独立に置換または未置換のアリール基またはヘテロアリール基であって、Ar 1 とAr 2 、Ar 1 とAr 3 、Ar 3 とAr 4 はそれぞれ互いに結合して環を形成していてもよい; Yはハロゲンアニオンである)
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