JP6966663B1 - 生分解性樹脂水系分散体とそれを用いた皮膜形成剤及び皮膜を形成する方法 - Google Patents
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Abstract
Description
すなわち本発明の生分解性樹脂水系分散体は、生分解性樹脂が非イオン性分散剤の存在下で水系溶媒に分散されている水系分散体であって、
前記生分解性樹脂として重量平均分子量が20000〜90000のポリカプロラクトンを含有し、
前記生分解性樹脂に対する前記非イオン性分散剤の質量比が0.03〜0.23であることを特徴としている。
本発明の皮膜形成剤は、前記生分解性樹脂水系分散体である。
本発明の皮膜を形成する方法は、次の工程を含む:
前記生分解性樹脂水系分散体を含有する組成物を対象物の表面に適用する工程;及び
前記組成物を乾燥し、前記対象物の表面に皮膜を形成する工程。
(生分解性樹脂水系分散体)
本発明の生分解性樹脂水系分散体は、生分解性樹脂が非イオン性分散剤の存在下で水系溶媒に分散されている水系分散体である。
重量平均分子量が90000以下であると、特別な加熱処理を施さずに透明な皮膜を得ることができる。この点を考慮すると、ポリカプロラクトンは、重量平均分子量が好ましくは88000以下、より好ましくは80000以下である。
ここで樹脂粒子の平均粒子径は、後記の方法で測定して得た値である。
カチオン性アクリル系重合体としては、例えば、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、ジメチルアミノメチルメタクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、ジメチルアミノメチルアクリルアミド、ジメチルアミノエチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のカチオン性アクリル系モノマーや、これらカチオン性アクリル系モノマーにハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸、モノクロル酢酸等を反応して得られる、例えばメタクリル酸ジメチルアミノエチルメチルクロライド塩、メタクリル酸ジエチルアミノエチルジメチル硫酸塩、メタクリル酸ジメチルアミノプロピルクロル酢酸塩等の4級アンモニウム塩等の単独重合体や共重合体が挙げられる。
他の成分としては、特に限定されないが、例えば、重量平均分子量30万未満のイオン性分散剤、粘度調整剤、表面平滑剤、撥水剤(疎水性向上剤)、離型剤、防錆剤、流動性調整剤、ワックス類等が挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の生分解性樹脂水系分散体は、皮膜形成剤として用いることができる。
本発明の生分解性樹脂水系分散体を用いた皮膜を形成する方法は、次の工程を含む:
生分解性樹脂水系分散体を含有する組成物を対象物の表面に適用する工程;及び
前記組成物を乾燥し、前記対象物の表面に皮膜を形成する工程。
1.生分解性樹脂水系分散体の調製
実施例及び比較例において、生分解性樹脂、非イオン性分散剤、イオン性分散剤、及び他の成分として次のものを用いた。
(生分解性樹脂)
A ポリカプロラクトン 重量平均分子量10000
B ポリカプロラクトン 重量平均分子量25000
C ポリカプロラクトン 重量平均分子量37000
D ポリカプロラクトン 重量平均分子量50000
E ポリカプロラクトン 重量平均分子量80000
F ポリカプロラクトン 重量平均分子量120000
G ポリ乳酸 重量平均分子量200000
A ポリビニルアルコール 数平均分子量100000 鹸化度80%
B エチレン変性ポリビニルアルコール 重合度1700 鹸化度93%((株)クラレ製「エクセバールRS−1717」)
C 酸化エチレン(EO)と酸化プロピレン(PO)との共重合体 数平均分子量3300 EOPO比率(EО:PO)=46:54
A ポリアクリル酸/アクリルアミド(質量比80:20) 重量平均分子量1800万
B カチオン性ポリアクリルアミド 重量平均分子量800万
A ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド
B ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド
C ポリオキシエチレン(2)スルホコハク酸ジラウリル2ナトリウム
生分解性樹脂や分散剤の平均分子量、すなわち、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により、下記の装置及び条件で測定したポリスチレン換算の平均分子量をいう。
[GPC測定装置]
カラム: 日本分光株式会社製
検出器: 液体クロマトグラム用RI検出器 日本分光株式会社製RI−1530
[測定条件]
溶媒: クロロホルム(特級)
測定温度: 50℃
流速: 1.0ml/分
試料濃度: 15mg/ml
注入量: 2μl
検量線:Universal Calibration
解析プログラム:ChromNAV (Ver.1.19.02)
樹脂粒子の平均粒子径は、島津レーザ回折型粒度分布測定装置((株)島津製作所製、SALD−2300型、屈折率1.45−0.00i)を用いて測定した。
実施例及び比較例の生分解性樹脂水系分散体について、次の評価を行った。
生分解性樹脂水系分散体を用いて、皮膜を次の手順で作製した。
生分解性樹脂水系分散体をバーコーターNо.4を用いて2.5cm×7.5cmのスライドガラスに塗工し、20℃で24時間乾燥させることで皮膜を得た。
得られた皮膜の透明性を次の基準で評価した。皮膜形成したスライドガラス表面を株式会社堀場製作所製ハンディ光沢計「グロスチェッカIG−330」を用いて光沢度を測定した。未塗工のスライドガラスの光沢度を100として、以下の5水準で評価した。
<評価基準>
◎+:光沢度が85以上
◎:光沢度が70以上85未満
○:光沢度が60以上70未満
△:光沢度が50以上60未満
×:光沢度が50未満
上記評価の結果を表1及び表2に示す。
得られた皮膜の耐水性を次の基準で評価した。
<評価基準>
A:皮膜に水を滴下後10秒経過しても白化しない。
B:皮膜に水を滴下後10秒以内に白化する。
上記評価の結果を表2に示す。
Claims (7)
- 生分解性樹脂が非イオン性分散剤の存在下で水系溶媒に分散されている水系分散体であって、
前記生分解性樹脂として重量平均分子量が20000〜90000のポリカプロラクトンを含有し、
前記生分解性樹脂に対する前記非イオン性分散剤の質量比が0.03〜0.23である生分解性樹脂水系分散体。 - 前記ポリカプロラクトンを前記生分解性樹脂の全量を基準として50質量%以上含有する請求項1に記載の生分解性樹脂水系分散体。
- 前記水系溶媒に分散されている前記生分解性樹脂の樹脂粒子は、平均粒子径が4.0μm未満である請求項1又は2に記載の生分解性樹脂水系分散体。
- 更に重量平均分子量30万以上のイオン性分散剤を含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の生分解性樹脂水系分散体。
- 更にアルキルトリメチル4級アンモニウム塩及びポリオキシエチレンジアルキルスルホコハク酸塩から選ばれる少なくとも1種を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の生分解性樹脂水系分散体。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の生分解性樹脂水系分散体である皮膜形成剤。
- 次の工程を含む皮膜を形成する方法:
請求項1〜5のいずれか一項に記載の生分解性樹脂水系分散体を含有する組成物を対象物の表面に適用する工程;及び
前記組成物を乾燥し、前記対象物の表面に皮膜を形成する工程。
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