JP6966287B2 - 雨水排水システム - Google Patents
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Description
さらに、本発明では、サイフォン式の排水管を採用することで、高流速、かつ排水処理量を増加できるので、排水管の口径を小さくできる利点もある。
さらに、本発明では、サイフォン式の排水管を採用することで、高流速、かつ排水処理量を増加できるので、排水管の口径を小さくできる利点もある。
また、本発明では、排水管の傾斜部分又は鉛直部分が埋設されるので、水平方向に埋設する場合に比べて掘削土量を削減することができる。
さらに、本発明では、埋設部分の排水管を紫外線から保護することでき、排水管の耐久性を向上させることが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態による雨水排水システムの実施の形態について、図1の模式図を用いて説明する。なお、具体的な実施例については後述する。
この法面Sには、高さ方向を複数段(図1では三段)に区分され、互いに高さ方向に所定の間隔を保って設けられた略水平の小段部Bが設けられている。
この既設の排水設備では、法尻(最下段)の小段部Bを除いた小段部Bに流れてきた雨水が横方向排水溝20Aに受け入れられて横方向にそれぞれ流れ、集水桝2(貯留部)を介して縦方向排水溝20Bに流れ込むように構成されている。そして、縦方向排水溝20Bに流れ込んだ雨水は落下し、法尻において法尻排水部(最下段の集水枡2)と合流して排出される。
これにより、豪雨の場合であっても法面Sの小段部Bに設けられている横方向排水溝20Aから雨水が溢れ出ることがなく、雨水が法面Sに浸透するのを効果的に抑制することができる。
なお、本実施の形態では最上段の小段部Bからの排水を示しているが、最上段から2段目、3段目など別の高さの小段部Bからの排水としてもよく、また、雨水排水システム1は同じ段もしくは、異なる段で複数連としてもよい。
さらに、本実施の形態では、サイフォン式の排水管11を採用することで、高流速、かつ排水処理量を増加できるので、排水管11の口径を小さくできる利点もある。
図2は、本発明の他の実施の形態による雨水排水システム1Bの模式図を示している。この雨水排水システム1Bにおいて、図1を用いて説明した一の実施の形態による雨水排水システム1と異なる点は、図1では排水管11の上端部11aにサイフォン誘発器10Aを備えているが、本雨水排水システム1Bでは、排水管11の途中にサイフォン誘発器10Bが備えられている。
サイフォン誘発器10Bとして、例えば排水管の封水発生部11Aの内面に突起を設けたり、封水発生部11Aの内面を縮径することによってサイフォン現象を起こす周知のサイフォン誘発器を採用できる。
このように、排水管11の途中にサイフォン誘発器10Bが備えられているときは、サイフォン誘発器10Bが設けられている位置よりも上の排水管11内の水を利用して効率よくサイフォンを誘発することができる。
図3は、図1に示す雨水排水システム1の他の実施の形態を示している。本実施の形態は、法面Sの最上部に路面Cが配置され、法尻に側道Dが配置された法面Sに雨水排水システム1を適用した一例である。路面Cには、法面S側に上端部11aにサイフォン誘発器10Aを備えた排水管11及び縦方向排水溝20Bに接続され、集水枡2が設けられている。排水管11の上端部11aは、地中に埋設され、サイフォン誘発器10Aを介して上向きに延びて集水枡2の底面に接続されている。
路面Cは、集水枡2に雨水が流れ込むように傾斜している。側道Dには、法尻の横方向排水溝20Aが設けられている。本実施の形態の場合も、路面C上を流れる雨水は、集水枡2を介して上端部11aにサイフォン誘発器10Aを備えた排水管11のサイフォン作用により効率よく法尻に排水される。
路面Cは、集水枡2に雨水が流れ込むように傾斜している。側道Dには、法尻の横方向排水溝20Aが設けられている。本実施の形態の場合も、路面C上を流れる雨水は、集水枡2を介して上端部11aにサイフォン誘発器10Bを備えた排水管11のサイフォン作用により効率よく法尻に排水される。
以下、図1に示される一実施の形態による雨水排水システム1を具体化した第1の実施例について、図5及び図6を用いて説明する。
集水桝2の底面2aは、横方向排水溝20Aの底面20aの位置よりも低く設定されている。また集水枡2は、横方向排水溝20Aの内部と集水桝2の内部とが連通していて、当該小段部Bに接続される縦方向排水溝20B側に雨水が流れないように堰き止められている。
なお、集水枡2は樹脂製であることが好ましいが、樹脂製でなくコンクリート製であってもかまわない。
なお、サイフォン誘発器10Aは、樹脂製であることに限定されず、金属製等の部材であってもよい。
また、排水管11に耐光性樹脂を外層に被覆した樹脂管路として、例えば、AESを被覆した塩ビ管、耐光性塩ビを被覆した塩ビ管、耐光性塗料を塗布した塩ビ管、黒顔料を配合したPE樹脂を皮膚したPE管、耐光性塗料を塗布した強化プラスチック管等が挙げられる。
そして、豪雨が降っても最上段の小段部Bに設けられている横方向排水溝20Aから溢れ出ることがなく、雨水が法面Sに浸透するのを効果的に抑制することができる。
なお、上記構成からなる雨水排水システム1では、仮に上記不要物がサイフォン誘発器10Aを通過して排水管11内に流入しても、サイフォン式の排水管11の管内を流れる雨水は高流速となるので、管内の詰まりを防止することができる。しかも、このサイフォン式の排水管11は、集水桝2および横方向排水溝20Aの水位が低下するとサイフォンが途切れ、再び水位が上昇するとサイフォン式の排水が開始するというように、集水桝2、横方向排水溝20Aおよび排水管11内を流れる雨水は脈動を呈するから、集水桝2、横方向排水溝20Aおよび排水管11内における異物の詰まりをより効果的に防止することができる。
次に、図1に示される本発明の一実施の形態による雨水排水システム1を具体化した第2の実施例について、図7及び図8を用いて説明する。
その他、本第2の実施例の雨水排水システム1Aにおける雨水の排水作用及びその効果は、上述した第1の実施例の雨水排水システム1と同様であるので、これ以上の説明は省略する。
以下、図2に示される本発明の他の実施の形態による雨水排水システム1Bを具体化した実施例について図9及び図10を用いて説明する。
なお、以下の実施例の説明において、上述した実施例の構成要素と同一構成要素には同一符号を付し、その構成要素についての詳細な説明は省略する。
図11に示される第4の実施例の雨水排水システム1Dにおいては、排水管11のうち、上述の第3の実施例に示されるサイフォン誘発器10Bを備えた鉛直部11cの部分が、全体にわたって地中に埋設された構成となっている。
本第4の実施例による雨水排水システム1Dにおいても、排水管11がサイフォン作用により雨水の排出を効率よく行うことができるので、上述した実施例の雨水排水システムと同様の作用・効果を得ることができる。
図12に示される第5の実施例の雨水排水システム1Eは、排水管11のうち、上述の第3の実施例(図9参照)に示されるサイフォン誘発器10Bを備えた鉛直部11cの部分の全体が地上部分に露出する構成となっている。すなわち、排水管11のサイフォン誘発器10Bを備えた鉛直部11cの部分は、長尺の支持具12Aによって支持されて地上に設置されている。
この第5の実施例による雨水排水システム1Eにおいても、排水管11がサイフォン作用により雨水の排出を効率よく行うことができるので、上述した実施例の雨水排水システムと同様の作用・効果を得ることができる。
図13及び図14に示される第6の実施例の雨水排水システム1Fにおいては、排水管11の鉛直部11cのうち、サイフォン誘発器10Bを備えた鉛直部11cの一部のみが地中に埋設するようにした構成となっている。
また、排水管11の上端部11aが横方向排水溝20Aを構成するコンクリート製のU字溝の側壁に貫通して設けられている。つまり、本第6の実施例の雨水排水システム1Fでは、横方向排水溝20Aに堰3を設けて貯留部5を形成し、この貯留部5に溜まった雨水が排水管11内に流入するようになっている。
第6の実施例による雨水排水システム1Fにおいても、排水管11がサイフォン作用により雨水の排出を効率よく行うことができるので、上述した実施例の雨水排水システムと同様の作用・効果を得ることができる。
図15に示される第7の実施例の雨水排水システム1Gにおいては、上述した第3の実施例〜第6の実施例に示される排水管11のサイフォン誘発器10Bを備えた鉛直部11cに代えて傾斜部11d(封水発生部)とし、この部分を地中に埋設した構成となっている。
第7の実施例による雨水排水システム1Gにおいても、排水管11がサイフォン作用により雨水の排出を効率よく行うことができるので、上述した実施例の雨水排水システムと同様の作用・効果を得ることができる。
例えば、上述の例では、最上段の小段部Bの横方向排水溝20Aにサイフォン作用を有する排水管11の上端部11aを接続しているが、この位置に限定されることはなく、上から2段目、3段目等、他の小段部Bに排水管11の上端部11aを接続することも可能である。
さらに、本発明の雨水排水システムを適用する法面は、道路に設置されるものに限らず、鉄道などの用途の法面であってもかまわない。
2、21 集水桝(貯留部)
3 堰
4 フィルタ
5 貯留部
10A、10B サイフォン誘発器
11 排水管
11a 上端部
11b 下端部
11c 鉛直部
11d 傾斜部
12、12A 支持具
20A 横方向排水溝
20B 縦方向排水溝
S 法面
B 小段部
C 路面
D 側道
Claims (6)
- 法面の排水溝に受け入れられた雨水や路面上を流れる雨水を、前記法面に設けられた排水溝に導いて法尻に排出する既設の排水設備に設けられる雨水排水システムであって、
前記排水溝に受け入れられた雨水を一時貯留する貯留部と、
前記貯留部内に設けられたサイフォン誘発器と、
上端部が前記サイフォン誘発器に接続されるとともに、下端部が法尻に位置する排水管と、
を備えていることを特徴とする雨水排水システム。 - 法面の排水溝に受け入れられた雨水や路面上を流れる雨水を、前記法面に設けられた排水溝に導いて法尻に排出する既設の排水設備に設けられる雨水排水システムであって、
前記排水溝内を流れる雨水を一時貯留する貯留部と、
上端部が前記貯留部に接続されるとともに、下端部が法尻に位置し、途中部分に傾斜方向又は鉛直方向に向けて配置された封水発生部を有する排水管と、
前記封水発生部に設けられたサイフォン誘発器と、
を備えていることを特徴とする雨水排水システム。 - 前記排水管のうち少なくとも一部が地中に埋設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の雨水排水システム。
- 前記貯留部には、流入する雨水に混じる不要物を取り除くためのフィルタが設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の雨水排水システム。
- 前記貯留部、前記排水管及び前記サイフォン誘発器のうち少なくとも1つは、樹脂製であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の雨水排水システム。
- 前記排水管は、耐光性を有する樹脂管路であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の雨水排水システム。
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