JP6965411B1 - エアロゾル冷却部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、優れた熱安定性、吸熱性及び生分解性を有する、エアロゾル冷却部材を提供することを目的とする。【解決手段】アセチル総置換度が1.4を超え2.7以下のセルロースアセテートを含有する、エアロゾル冷却部材。【選択図】なし

Description

本発明は、エアロゾル冷却部材に関する。
従来の紙巻きタバコに対し、近年、火を使わない電子タバコの需要が伸びている。電子タバコの種類は、概ね2種に分けられる。一つは、ニコチンを有機溶剤に溶解した溶液を加熱して、生じるエアロゾルや気体を吸引するタイプである。もう一つは、タバコ葉を加熱させた上で飛散するニコチンを含むエアロゾルを吸引するタイプであり、このタイプは、タバコ葉を燃焼させない。ここで、タバコ葉は、タバコ葉を加工した物、又はタバコ成分を浸み込ませた基材等の擬似タバコ葉である。日本では、ニコチンそのものは医薬品に指定され、原則として販売が禁止される等、ニコチンの取扱いが規制されている。このような場合には、ニコチンを有機溶剤に溶解した溶液を加熱して、生じるエアロゾルや気体を吸引するタイプの電子タバコは販売できない。また、日本以外の国でもニコチンは医薬品となっている国は多い。なお、フィリップ・モリス社のiQOS(登録商標)は、専用のエアロゾル発生物品(ヒートスティック(登録商標))を用い、タバコ葉を加熱させた上で飛散するニコチンを含むエアロゾルを吸引するタイプの電子タバコ(加熱式たばこ(HTP))である。
加熱式たばこに用いるエアロゾル発生物品として、例えば、特許文献1には、吸い口に近い方から、マウスピース、エアロゾル冷却要素、支持要素、及びエアロゾル形成基材が順に並んだ構造を有するものがあり、マウスピースとしてはセルロースアセテートトウフィルタ、エアロゾル冷却要素としてはポリ乳酸シート、支持要素としては中空のセルロース・アセテート管体、及びエアロゾル形成基材としてタバコを含むことが記載される。
加熱式たばこは、喫煙を終えた後、エアロゾル発生物品の一部が残ることとなる。したがって、この残った使用済みエアロゾル発生物品が投げ捨てられることによる環境問題が生じ得る。この環境問題に対応するため、上記のとおり、加熱式たばこに用いるエアロゾル発生物品のエアロゾル冷却要素としては、生分解性のあるポリ乳酸を材料として使用したフィルムが用いられている。尚、従来の紙巻きたばこ(シガレット)ではたばこ葉やフィルター部の通気抵抗が高いために冷却部材は必要とされない。
特表2015−503335号公報
しかしながら、ポリ乳酸は結晶化度が低く、またガラス転移温度(Tg)が低いために耐熱性に劣る。特には60℃付近で軟化、変形する性質を有している。このように、ポリ乳酸を冷却部材に用いたエアロゾル発生物品は熱安定性に劣る。そのため、ポリ乳酸フィルムを冷却部材として用いる加熱式たばこ(HTP)は、喫煙しているうちにフィルムが熱で変形することで空気流路が閉塞され吸いにくくなる。
また、約70℃のエアロゾルを冷却部材で室温までに冷却する必要があるが、現在の商品中のポリ乳酸フィルムは、吸熱性能(冷却性能)が足りず、さらなる冷却効果が求められている。
さらに、ポリ乳酸は、コンポスト中60℃程の高温下のような特定の環境においては生分解性するが、それ以外の通常の環境(例えば、海水、河川など)下では従来の汎用石油系プラスチック(例:ポリプロピレン(PP))と同様、ほぼ分解しない。このように、ポリ乳酸フィルムは、生分解性にも劣る。
本発明は、優れた熱安定性、吸熱性及び生分解性を有する、エアロゾル冷却部材を提供することを目的とする。
本開示は、アセチル総置換度が1.4を超え2.7以下のセルロースアセテートを含有する、エアロゾル冷却部材に関する。
前記エアロゾル冷却部材は、ガラス転移温度が70℃以上であることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材は、ASTM D6691に準拠して測定した海洋生分解性能が180日間に50%以上であることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材において、前記セルロースアセテートは、アセチル総置換度における、6位のアセチル置換度に対する2位のアセチル置換度及び3位のアセチル置換度の和の比τが2.0以上であって、硫酸成分量が20ppmを超えて400ppm以下であることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材において、前記セルロースアセテートは、硫酸成分量が80ppm以上380ppm以下であることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材において、前記セルロースアセテートは、硫酸成分量が150ppm以上350pm以下であることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材において、前記セルロースアセテートは、前記アセチル総置換度における、6位のアセチル置換度に対する2位のアセチル置換度及び3位のアセチル置換度の和の比τが2.5以下であることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材は、添加剤を含有し、前記添加剤が、20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質、20℃の水に2重量%以上溶解する物質、及び海洋での生分解性に優れる物質よりなる群から選択される1以上であってよい。
前記エアロゾル冷却部材において、前記添加剤の含有量が、4〜40重量%であることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材において、前記20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質が、酸化マグネシウムであることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材において、前記20℃の水に2重量%以上溶解する物質が、トリアセチンであることが好ましい。
前記エアロゾル冷却部材は、繊維状であってよい。
前記エアロゾル冷却部材は、単繊維度が0.6tex以上3.5tex以下であり、全繊維度が1000tex以上4500tex以下の繊維トウ状であってよい。
前記エアロゾル冷却部材は、粒子状であってよい。
前記エアロゾル冷却部材は、多孔性構造体であってよい。
前記エアロゾル冷却部材は、チューブ状であってよい。
前記エアロゾル冷却部材は、フィルム状であってよい。
前記エアロゾル冷却部材は、下記条件にて測定される、水蒸気の温度低下率の平均が5%以上であることが好ましい。
条件:
長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルム状のエアロゾル冷却部材を、内径7mm、長さ17mmのポリテトラフルオロエチレン製チューブに入れ、前記チューブ内に、前記チューブ内を通過する直前の温度が約70℃の水蒸気を35ml/minの一定の流量で連続して通過させ、前記チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)及び前記チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃)を1秒毎に120秒間測定する。下記式にて算出される水蒸気の温度低下率(%)の120秒間の平均値を水蒸気の温度低下率の平均とする。
水蒸気の温度低下率(%)=(チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)−チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃))/チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)×100
本発明によれば、優れた熱安定性、吸熱性及び生分解性を有する、エアロゾル冷却部材を提供することができる。
[エアロゾル冷却部材]
本開示のエアロゾル冷却部材は、アセチル総置換度が1.4を超え2.7以下のセルロースアセテートを含有するものである。
本開示において、「エアロゾル」とは、気体中に固体又は液体が分散したコロイド分散系をいい、煙(気体中に微粒子群(10μm程度未満)が浮遊している状態)を含む。
本開示のエアロゾル冷却部材が含有するセルロースアセテートのアセチル総置換度は1.4を超え2.7以下であるところ、2.6以下が好ましく、2.5以下がより好ましく、2.2以下がさらに好ましい。より、平衡水分率が高く、吸熱性能(冷却性能)に優れるためである。また、アセチル総置換度は1.6以上であってよく、1.8以上であってよい。セルロースアセテートのアセチル総置換度が大きすぎると、エアロゾル冷却部材は海水中の生分解性に劣り、小さすぎるとエアロゾル冷却部材は成形性に劣る。
アセチル総置換度とは、下記で測定したセルロースアセテートのグルコース環の2,3,6位の各アセチル置換度の和である。
セルロースアセテートのグルコース環の2,3,6位の各アセチル置換度は、手塚(Tezuka, Carbohydr. Res. 273, 83(1995))の方法に従いNMR法で測定できる。すなわち、セルロースアセテート試料の遊離水酸基をピリジン中で無水プロピオン酸によりプロピオニル化する。得られた試料を重クロロホルムに溶解し、13C−NMRスペクトルを測定する。アセチル基の炭素シグナルは169ppmから171ppmの領域に高磁場から2位、3位、6位の順序で、そして、プロピオニル基のカルボニル炭素のシグナルは、172ppmから174ppmの領域に同じ順序で現れる。それぞれ対応する位置でのアセチル基とプロピオニル基の存在比(言い換えれば、各シグナルの面積比)から、元のセルロースアセテートにおけるグルコース環の2,3,6位の各アセチル置換度を求めることができる。アセチル置換度は、13C−NMRのほか、H−NMRで分析することもできる。
アセチル総置換度における、6位のアセチル置換度に対する2位のアセチル置換度及び3位のアセチル置換度の和の比τは、2.0以上が好ましい。また、τは、2.1以上であってよく、2.2以上であってよく、2.3以上であってよい。上限は特にないが、2.5以下であってよい。セルロースアセテートのτが2.0以上であることにより、エアロゾル冷却部材は海水中でより優れた生分解性を有する。
本開示のエアロゾル冷却部材が含有するセルロースアセテートは、硫酸成分量が20ppmを超えて以上400ppm以下が好ましく、50ppm以上380ppm以下がより好ましく、80ppm以上380ppm以下がさらに好ましく、100ppm以上350ppm以下が特に好ましく、150ppm以上350ppm以下が最も好ましい。硫酸成分量が当該範囲であると、エアロゾル冷却部材は、海水中でより優れた生分解性を有する。硫酸成分量が多いほど海水中での生分解性は高くなる。また硫酸成分量が多すぎるとセルロースアセテートの製造が困難となる。
硫酸成分量は、乾燥したセルロースアセテートから昇華した亜硫酸ガスのSO −換算量である。
本開示のエアロゾル冷却部材のガラス転移温度は70℃以上が好ましく、90℃以上がより好ましく、110℃以上がさらに好ましい。また、当該ガラス転移温度は190℃以下であってよく、170℃以下であってよく、150℃以下であってよい。
ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定できる。
本開示のエアロゾル冷却部材は、ASTM D6691に準拠して測定した海洋生分解性能が180日間に50%以上であることが好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらに好ましく、80%以上が特に好ましく、90%以上が最も好ましい。「%」で示される値が大きい程、海洋環境中での生分解性に優れる。
本開示のエアロゾル冷却部材は、平衡水分率が1重量%以上であることが好ましく、2重量%以上であることがより好ましく、4重量%以上であることがさらに好ましい。また、10重量%以下であってよい。平衡水分率の値が大きい方が、吸熱性能(冷却性能)に優れる。
本開示における平衡水分率とは、温度23℃、相対湿度60RH%の条件下6時間以上静置して調湿した後、温度40℃下3昼夜真空乾燥を行い、調湿直後及び乾燥直後の重量を求め、下記式で算出される値である。
平衡水分率(重量%)=(調湿直後の重量−乾燥直後の重量)/乾燥直後の重量×100
本開示のエアロゾル冷却部材は、セルロースアセテートの他に、任意成分を含有してよい。その任意成分としては、添加剤、及び海洋環境での安全性が高い物質等が挙げられる。
添加剤としては、例えば、20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質、20℃の水に2重量%以上溶解する物質、及び海洋での生分解性に優れる物質よりなる群から選択される1以上の添加剤が挙げられる。
(20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質)
20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質は、塩基性添加物と言い換えることができる。塩基性添加物としては、20℃の1重量%水溶液のpHが8.5以上であることが好ましく、8.5〜11であることがより好ましい。
20℃の1重量%水溶液のpHは、標準手順に従って、例えばガラスpH電極で測定される。
本開示において、「20℃の1重量%水溶液」は、溶質がすべて水に溶解している必要はない。一般的に、水溶液(aqueous solution)とは、溶質が水(HO)に溶解した液体をいう。つまり、溶媒が水である溶液をいう。水分子は極性分子なので、水溶液の溶質となる物質はイオン結晶もしくは極性分子性物質となるとされている。しかし、本開示において「水溶液」とは縣濁液(suspension)を含むものである。すなわち、固体粒子が液体中に分散した分散系であるスラリー(slurry)、コロイド溶液(colloidal solution)を含む。また、本開示において「20℃での1重量%水溶液」は、塩基性添加物を水に1重量%添加した際に、塩基性添加物の一部が溶解して水溶液(aqueous solution)となり、残り塩基性添加物の部分が、縣濁液(suspension)となっているものも含む。
固体粒子はコロイド粒子(例えば100nm程度以下)のこともあるが、それより大きな粒子であってもよい。コロイド粒子の懸濁液をコロイド溶液といい、コロイド粒子より大きな粒子の懸濁液を単に懸濁液と称する場合がある。コロイド粒子より大きな粒子の懸濁液は、コロイド溶液とは異なり、時間がたつと定常状態に落ち着く。固体粒子は顕微鏡で見ることができ、静かな場所に置くと時間の経過に連れて沈静化するものであってもよい。
水溶液中の塩基性添加物が水溶液中でイオンになる無機物である場合、その表面は、粒子の表面電荷の影響によってイオンが吸着・帯電し、その表面近傍におけるイオン分布に影響をおよぼす。この影響によって塩基性添加物表面の周囲に電気二重層と呼ばれる、粒子の界面近傍外の溶液(溶媒)中とは異なったイオンの分布が生じる。電気二重層は、粒子表面に最も強くイオンが吸着している固定層とそこから遠ざかる拡散層から形成される。本開示の塩基性添加物は、水に溶解していない場合でも上記の通り塩基性添加物の表面電荷により分散媒のpHが変化する。
20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質(塩基性添加物)としては、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、アンモニウム塩、アルミン酸塩、珪酸塩、又はメタ珪酸塩;ZnO;並びに塩基性Al等が挙げられる。
塩基性添加物としては、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、アンモニウム塩、アルミン酸塩、珪酸塩、又はメタ珪酸塩;ZnO;並びに塩基性Alよりなる群から選択される1以上が好ましい。
塩基性添加物としては、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の酸化物、水酸化物、アルミン酸塩、珪酸塩、又はメタ珪酸塩;ZnO;並びに塩基性Alよりなる群から選択される1以上がより好ましい。
塩基性添加物としては、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の酸化物、アルミン酸塩、珪酸塩、又はメタ珪酸塩;ZnO;並びに塩基性Alよりなる群から選択される1以上がさらに好ましい。
塩基性添加物としては、アルカリ土類金属又はアルカリ金属の酸化物、アルミン酸塩、珪酸塩、メタ珪酸塩よりなる群から選択される1以上がよりさらに好ましい。
塩基性添加物としては、アルカリ土類金属の酸化物が特に好ましい。酸化マグネシウム(MgO)が最も好ましいものの一つである。
アルカリ土類金属又はアルカリ金属のメタ珪酸塩としては、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等が挙げられる。一般式Al・MgO・2SiO・xHO(但し、xは結晶水の数を示し、1≦x≦10である。)で示されるものである。メタ珪酸アルミン酸マグネシウム自体は、公知であり、市販品を用いることもできる。例えば、日本薬局方外医薬品規格のメタ珪酸アルミン酸マグネシウムを好適に用いることができる。メタ珪酸アルミン酸マグネシウムは、ノイシリン(登録商標)として制酸剤として販売されている。
本開示の塩基性添加物は、必ずしも水溶性でなくてよく、20℃で10−7〜70g/100mL水の溶解度を有してよい。本開示の塩基性添加物は、20℃で10−6g以上/100mL水の溶解度を有することが好ましく、20℃で10−5g以上/100mL水の溶解度を有することがより好ましく、20℃で10−4g以上/100mL水の溶解度を有することがさらに好ましい。また、塩基性添加物は、20℃で10g以下/100mL水の溶解度を有することが好ましく、20℃で1g以下/100mL水の溶解度を有することがより好ましく、20℃で0.1g以下/100mL水の溶解度を有することがさらに好ましい。
水中約10−4g/100mL(20℃)の溶解度の添加物についての例は、MgO、ZnO及びMg(OH)である。水中約10−2g/100mL(20℃)の溶解度の添加物についての一例は、MgCOである。水中約0.1g/100mL(20℃)の溶解度の添加物についての例は、CaO及びCa(OH)である。
(20℃の水に2重量%以上溶解する物質)
20℃の水に2重量%以上溶解する物質としては、水可溶性である限り高分子物質であっても、低分子物質であってもよい。
高分子物質としては、例えば、親水性ポリマー、また、低分子物質としては、例えば、多糖類及びセルロースアセテートの可塑剤等が挙げられる。多糖類としては、オリゴ糖(粉末状オリゴ糖)、還元水飴、及びクラスターデキストリンが挙げられる。オリゴ糖としては、例えば、デンプン糖(デンプン糖化物)、ガラクトオリゴ糖、カップリングシュガー、フルクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、大豆オリゴ糖、キチンオリゴ糖、及びキトサンオリゴ糖等が挙げられ、これらの成分は単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
上記の20℃の水に2重量%以上溶解する物質は、セルロースアセテートの可塑剤を含むことが好ましい。
(セルロースアセテートの可塑剤)
可塑剤については、“Handbook of Plasticizers,”Ed.Wypych,George,ChemTec Publishing(2004)に詳細が例示されている。可塑剤は単独又は2種以上の混合物として使用できる。
また可塑剤としては、グリセリンエステル系可塑剤を用いることができる。このグリセリンエステル系可塑剤としては、グリセリンの低級脂肪酸エステル、言い換えれば、グリセリンと炭素数2〜4の脂肪酸とのエステル化合物を用いることができる。炭素数2の脂肪酸は酢酸であり、炭素数3の脂肪酸はプロピオン酸であり、炭素数4の脂肪酸はブチル酸である。グリセリンエステル系可塑剤は、グリセリンの3個のヒドロキシル基すべてが同じ脂肪酸によってエステル化されているものでもよく、2個のヒドロキシル基が同じ脂肪酸によってエステル化されているものでもよく、グリセリンの3個のヒドロキシル基すべてが異なる脂肪酸によってエステル化されているものでもよい。
グリセリンエステル系可塑剤は、無毒性であり、容易に生分解されるため環境への負荷が小さい。また、グリセリンエステル系可塑剤をセルロースアセテートに添加することにより、得られるエアロゾル冷却部材のガラス転移温度を低下させることができる。このため、原料に対して優れた熱成形性を付与することもできる。
上記脂肪酸が酢酸である場合、グリセリンエステル系可塑剤として、グリセリンの3個のヒドロキシル基が酢酸によってエステル化されているトリアセチン、及び2個のヒドロキシル基が酢酸によってエステル化されているジアセチン等が挙げられる。
上記グリセリンエステル系可塑剤の中でも、特に、グリセリンの3個のヒドロキシル基すべてが酢酸によってエステル化(言い換えればアセチル化)されているトリアセチン(グリセロールトリスアセタート)が好ましい。トリアセチンは、人が摂取しても安全と認められる成分である。またトリアセチンは容易に生分解されるため環境への負荷が小さい。また、トリアセチンをセルロースアセテートに添加することにより得られるエアロゾル冷却部材は、セルロースアセテートを単体で用いた場合よりも生分解性が向上する。さらに、トリアセチンをセルロースアセテートに添加することにより、ガラス転移温度を効率よく低下させることができる。このため、原料に対して優れた熱成形性を付与することができる。
なお、トリアセチンは、化学構造的に純粋であり、純度が高いものがよい。また、例えばトリアセチンを80重量%以上又は90重量%以上含み、残部としてモノアセチン及び/又はジアセチンが含まれている可塑剤が用いられてもよい。
(海洋での生分解性に優れる物質)
海洋での生分解性に優れる物質を添加することでエアロゾル冷却部材の生分解性を促進できる。海洋での生分解性に優れる物質としては、海洋での生分解性に優れた化合物が挙げられる。例として、ポリ[ヒドロキシブチレート−コ−ヒドロキシヘキサノエート](PHBH)、ポリヒドロキシブチレートなどのポリヒドロキシアルカノエート、熱可塑性でんぷん樹脂(アセチル化でんぷんを含む)が挙げられる。
本開示のエアロゾル冷却部材が含有するセルロースアセテートの生分解の過程は下記のとおりである。一般にセルロースアセテートの生分解の機構は、セルロースアセテートの各アセチル基が加水分解されて置換度が低下するとセルロースを分解する酵素(例えばβ−グルコシダーゼ(β-glucosidase; EC 3.2.1.21)等)が作用することで分解されると考えられている。β−グルコシダーゼ(β-glucosidase; EC 3.2.1.21)は糖のβ−グリコシド結合を加水分解する反応を触媒する酵素であり、β−D−グルコシドグルコヒドロラーゼ、アミグダーゼとも呼ばれる。セルロースアセテートの高分子鎖を構成するβ−グリコシド結合が加水分解され、単糖や低分子の多糖となった後は通常の微生物の代謝により分解される。従って、生分解性を促進する為には、アセチル基の脱離を促進することが有効である。
海洋は、弱塩基性であり、この塩基性によってもセルロースアセテートの脱アセチルが進行する。検討の結果、塩基性下における脱アセチル(加水分解)は、グルコース環内の2位,3位の方が6位より速いことを見出した。よって、例えば同一の総置換度のセルロースアセテートであれば、6位より2位、3位の置換度が高い方が、総置換度の低下が速く、生分解が速く進むことを見出した。またその際にセルロースアセテートの硫酸成分量が20ppmを超えて400ppであるとより生分解性が優れることを見出した。硫酸成分量は多すぎると、海洋中に浸漬されるまでの製品として使用している際に分解してしまう懸念がある。これらの作用は総置換度が同じもの同士で比較すれば、いずれの総置換度のものであっても同じような傾向を発現すると思われる。しかしながら、生分解性の程度はアセチル総置換度が2.7以下のものが優れる。
20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質を含む場合、本開示のエアロゾル冷却部材の分解機構は以下の通りである。この機構は推測であるが、弱塩基性の海水中において、20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質(塩基性添加剤)は、セルロースアセテートの加水分解(脱アセチル)を促進すると思われる。この塩基性物質による脱アセチル効果は、6位より、2位、3位にアセチル基の多いセルロースアセテート、更には硫酸成分量が多いセルロースアセテートにおいて顕著である。その結果として、エアロゾル冷却部材を構成しているセルロースアセテートの置換度が低下して生分解性の向上に寄与し得ると思われる。これらの性質は、製品として使用している際には発現せず、海水と接した後に速やかに発現されることが好ましい。よって、塩基性物質は、固体粒子状としてエアロゾル冷却部材中に分散されており、塩基性物質の粒子径はできる限り細かいものがよく、比表面積が大きいものが好ましい。
また、本開示のエアロゾル冷却部材は、20℃の水に2重量%以上溶解する物質を含有することもできる。このような物質は、エアロゾル冷却部材が海水中に投入された場合に海水に溶解できる。そして、エアロゾル冷却部材から抜け、エアロゾル冷却部材が構成した成形品の中に構造上の空隙を形成する。そして、この空隙部に微生物が入り込みやすくなり、セルロースアセテートの組成物で構成された成形品の表面積は増大する。その結果として、生分解性の向上に寄与し得る。当該物質としては、トリアセチン及びジアセチン等が挙げられる。トリアセチン及びジアセチンは、セルロースアセテートの可塑剤としても作用するため、熱成形性の向上にも寄与し得る。
エアロゾル冷却部材における添加剤の含有量は、総含有量として、40重量%以下が好ましく、30重量%以下がより好ましく、20重量%以下がさらに好ましい。また、当該添加剤の含有量は、4重量%以上が好ましく、5重量%以上がより好ましく、10重量%以上がさらに好ましい。
エアロゾル冷却部材における、塩基性添加物(20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質)の含有量は1〜30重量%が好ましく、2〜20重量%がより好ましく、3〜15重量%がさらに好ましく、4〜10重量%が特に好ましい。塩基性添加剤の量が多すぎると、エアロゾル冷却部材の成形が困難になる等成形性等の問題を生じ得る。
エアロゾル冷却部材における、水可溶性添加剤(20℃の水に2重量%以上溶解する物質)の含有量は、5〜30重量%が好ましく、7.5〜28重量%がより好ましく、10〜25重量%がさらに好ましい。水可溶性添加剤の量が多すぎるとエアロゾル冷却部材の強度が低下する。
エアロゾル冷却部材における、海洋での生分解性に優れる物質の含有量は、5〜40重量%が好ましい。
本開示のエアロゾル冷却部材は、他の物質と混合して使用することで、混合物全体としての生分解性を向上することも可能である。
エアロゾル冷却部材に、前記の塩基性物質を添加したとしても、組成物が例えば酸性物質を含有しており、水に浸漬した際に中和反応がおこり、中性から酸性を示す場合は、塩基性物質添加の効果が得られないことがある。
そこで、本開示のエアロゾル冷却部材は、水と混合して得られるスラリーの20℃におけるpHが7〜13であることが好ましく、pH8〜12であることが好ましい。
本開示のセルロースアセテートの生分解は、まず、アセチル基が脱離して、アセチル置換度の値が小さくなりセルロースに近づき、微生物の働きにより分解されると考えられる。従って、添加剤としては、このセルロースアセテートの分解を促進する添加剤が好ましい。
本開示のエアロゾル冷却部材の形状としては、特に限定されず、例えば、繊維状、フィルム状、粒子状、多孔性構造体、及びチューブ状等が挙げられる。また、繊維が繊維トウ状を形成してもよい。
繊維状とは、繊維径が0.2mm以下、アスペクト比が50を超える形状をいう。
繊維トウ状のエアロゾル冷却部材としては、例えば、単繊維度が0.6tex以上3.5tex以下であり、全繊維度が1000tex以上4500tex以下の繊維トウ状が挙げられる。当該単繊維度及び全繊維度の範囲であると、エアロゾルの冷却効果と通気性とのバランスが良いため好ましい。単繊維度が小さすぎると、通気抵抗が高くなりすぎる、及びエアロゾル中の喫味成分を吸着しすぎる場合がある。
粒子状とは、粒径が5mm以下であり、アスペクト比が0.1以上50以下の形状をいう。
粒子状である場合、粒径の上限値は、例えば、3.35mm、3.0mm、2.5mm、2.0mm、又は1.5mmであってよい。粒径の下限値は、例えば、0.18mm、0.20mm、0.30mm、0.40mm、又は0.50mmであってよい。
粒径は、JIS Z 8801に準拠する試験用ふるいのうち、エアロゾル冷却部材が通過可能なふるいの目開きの最小値として規定される。
粒子状である場合、粒径2mm以下の粒子の比率が50重量%以下であることが好ましい。より生分解性に優れるためである。
粒径が2mm以下の粒子の比率(重量%)は、JIS Z 8801に規定の篩を用いて求めることができる。すなわち、目開きが、2mmである篩と受け皿とを用い、ロータップマシーン((株)飯田製作所製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を5分間振動させた後、受け皿上の粒子の重量の全体重量(試料100g)に対する割合を算出することにより求めることができる。
粒子状である場合、各粒子は1又は複数の面を有してよく、円形、三角形、四角形、五角形、及び六角形のうちいずれかの形状の面を含んでよい。また、各々の辺長が、0.18mm以上3.35mm以下の範囲、又は0.18mm以上3.00mm未満の範囲の値に設定されてよい。なお、複数の面を有する場合の粒子形状を多面体状という。
粒子状である場合、各粒子は円柱体状(楕円体状を含む)に形成されてよい。また、各々の辺長が、0.18mm以上3.35mm以下の範囲、又は0.18mm以上3.00mm未満の範囲の値に設定されてよい。
辺長とは、多面体状の粒子を、ある角度から視たときの投影面にて隣接する頂点同士間の直線距離、又を面と面との交線距離を指す。また、ここで言う多面体、円柱体、及び楕円柱体には、例えば、製造時に生じうる若干の形状誤差を有する形状も含まれる。
多孔性構造体とは、空孔率50%以上の連続する多孔を有する構造体をいう。
チューブ状とは、中空の筒状を形成する構造体をいう。チューブ状は、部材の軸線方向に沿って、ほぼ同一な断面を有する中空の形状であってよく、円形、楕円形、矩形、又は多角形の断面形状を有してよい。チューブ状とは、細長い形で、外側が形状を保ち、内部に空洞があり、その空洞が少なくとも一方で一部が外に開口しているものを指す。なお、両端が貫通していることは必要ではなく、また全断面で貫通していなくてもよい。
フィルム状とは、薄膜状の形状を有し、厚さが200μm以下のものをいう。
フィルム状である場合、下記条件にて測定される通気抵抗(単位重量あたりの通気抵抗)が、1mmWG/g以上、5mmWG/g以上、10mmWG/g以上、30mmWG/g以上、又は40mmWG/g以上であってよい。また、1500mmWG/g以下であってよく、1000mmWG/g以下であってよく、500mmWG/g以下であってよく、100mmWG/g以下であってよく、又は50mmWG/g以下であってよい。
長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルム状のエアロゾル冷却部材を、内径7mm、長さ17mmのポリテトラフルオロエチレン製チューブに入れる。エアロゾル冷却部材を入れたチューブを通気抵抗測定機(OTIC KATO KOGYOSHO TOKYO製)のサンプルホルダーに差し込み、通気抵抗(mmWG)を測定すればよい。
フィルム状である場合、下記条件にて測定される水蒸気の温度低下率の平均が、5%以上であることが好ましく、8%以上であることがより好ましく、10%以上であることがさらに好ましい。
長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルム状のエアロゾル冷却部材を、内径7mm、長さ17mmのポリテトラフルオロエチレン製チューブに入れ、前記チューブ内に、前記チューブ内を通過する直前の温度が約70℃の水蒸気を35ml/minの一定の流量で連続して通過させ、前記チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)及び前記チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃)を1秒毎に120秒間測定する。下記式にて算出される水蒸気の温度低下率(%)の120秒間の平均値を水蒸気の温度低下率の平均とする。
水蒸気の温度低下率(%)=(チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)−チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃))/チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)×100
フィルム状である場合、そのフィルムの厚さとしては、100μm以下が好ましく、80μm以下がより好ましく、60μm以下がさらに好ましい。厚さは冷却効果に大きな影響はなく、一方で通気抵抗が高くなる悪影響があるためである。
[エアロゾル冷却部材の製造方法]
本開示のエアロゾル冷却部材の製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、以下の方法が挙げられる。セルロースアセテートをアセトン等の溶媒と混合する工程、並びに前記溶媒を除去する工程を含む方法(繊維状に成形する場合、具体的には、例えば、乾式紡糸法に代表される、溶媒に溶解したセルロースアセテートを成形する方法が挙げられる);並びに、セルロースアセテートを添加剤と共に加熱及び溶融する溶融成形方法(例えば、押出成形等)等が挙げられる。いずれの方法においても、さらに、所望の形状に熱成形する工程を含んでよい。
添加剤の含有方法としては、溶媒と混合する前又は溶融成形の前に予めセルロースアセテートと添加剤とを混合してセルロース及び添加剤の混合物にする方法;セルロースアセテートを溶媒と混合して得た溶液に添加剤を混合する方法;並びに、溶媒との混合又は溶融成形と並行してセルロースアセテートと添加剤とを混合する方法等が挙げられる。
(セルロースアセテートの製造方法)
エアロゾル冷却部材の原料として用いられるセルロースアセテートの製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、次の方法が挙げられる。酸触媒と酢酸溶媒の存在下でセルロースを無水酢酸と反応させて、セルロースアセテートのドープを生成する工程(a)、生成したセルロースアセテートを加水分解して、アセチル総置換度を、1.4を超え2.7以下にする工程(b)、加水分解したセルロースアセテートを沈殿剤で沈殿させる工程(c)を含む、製造方法である。
本開示のエアロゾル冷却部材を所望の形状に成形するため、成形する工程を含む場合について述べる。
繊維状に成形する場合、その成形方法としては、特に限定されないが、例えば、本開示のセルロースアセテート及び紡糸溶液を含有する紡糸溶液を用いた、従来公知の乾式紡糸法等が挙げられる。なお、紡糸溶液としては、アセトン等が挙げられる。
また、繊維トウ状に成形する場合、その成形方法としては、特に限定されないが、例えば、100〜1,000,000本、500〜50,000本、又は1000〜10,000本程度の単繊維(モノフィラメント)を束ねる(集束する)、従来公知の方法が挙げられる。
粒子状に成形する場合、その成形方法としては、特に限定されないが、例えば、まず、本開示のセルロースアセテート(及び必要に応じて可塑剤等の添加剤)を、タンブラーミキサー、ヘンシェルミキサー、リボンミキサー、ニーダーなどの混合機を用いて乾式又は湿式で予備混合して調製し、次に、一軸又は二軸押出機などの押出機で溶融混練して、ストランド状に押出してカットしペレット状に調製する方法が挙げられる。
ペレット状のエアロゾル成形体から、さらに溶融押出成形によって、発泡体を含む多孔性構造体、チューブ状及び中空円柱状等の三次元的成形体を形成する具体的方法としては、特に限定されないが、例えば、射出成形、押出成形、真空成形、異型成形、発泡成形、インジェクションプレス、プレス成形、ブロー成形、及びガス注入成形等を用いることができる。
フィルム状に成形する場合、その成形方法としては、例えば、本開示のセルロースアセテートを用いた従来公知の溶融製膜法、及び本開示のセルロースアセテートの溶液を用いた従来公知の溶媒流延製膜法等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例によりその技術的範囲が限定されるものではない。
下記の実施例及び比較例に記載の各物性は、以下の方法で評価した。
<2,3,6位の各アセチル置換度、及びアセチル総置換度>
セルロースアセテートのグルコース環の2,3,6位の各アセチル置換度は、上記のとおり、手塚(Tezuka, Carbohydr. Res. 273, 83(1995))の方法に従い、セルロースアセテート試料の遊離水酸基をピリジン中で無水プロピオン酸によりプロピオニル化し、得られた試料を重クロロホルムに溶解し、13C−NMRスペクトルを測定した(NMR法)。そして、169ppmから171ppmの領域に高磁場から2位、3位、6位の順序で現れるアセチル基の各炭素シグナルの面積比から、2,3,6位の各アセチル置換度(DS2,DS3,DS6)を求めた。アセチル総置換度は、2,3,6位の各アセチル置換度の和である。また、2位のアセチル置換度及び3位のアセチル置換度の和(DS2+3)及び、6位のアセチル置換度に対する2位のアセチル置換度及び3位のアセチル置換度の和の比τを算出した。
<硫酸成分量>
乾燥したセルロースアセテートを1300℃の電気炉で焼き、昇華した亜硫酸ガスを10%過酸化水素水にトラップし、規定水酸化ナトリウム水溶液にて滴定し、SO42−換算の量を硫酸成分量として測定した。硫酸成分量は、絶乾状態のセルロースアセテート1g中の硫酸成分量としてppm単位で表す。
<スラリーpH>
微粉末状の乾燥した試料2.0gを正確に秤量し、煮沸した蒸留水80mlを加え撹拌し、密閉して1晩放置した後、さらに撹拌し試料を沈降させた。約10mlの上澄みを試料液とし、補正したpHメーターでpHを測定した。ブランクとして、煮沸蒸留水のpHも測定し、計算式[H]=10−(pH)(pHは測定pH値を示す)によって、試料液及びブランク液の水素イオン濃度である[H及び[H(sは試料、bはブランクを示す)をそれぞれ計算した。
[H≧[Hである場合、スラリーpHは下記式により計算できる。
スラリーpH=−LOG([H−[H
[H<[Hの場合は、計算式[OH]=10−14/[H]により、試料液及びブランク液の水酸基イオン濃度[OH、[OHbをそれぞれ計算し、次の式によってスラリーpHを計算できる。
スラリーpH=14+LOG([OH−[OH+10−7
<熱安定性1(ガラス転移温度(Tg))>
示差走査熱量計(DSC−Q2000/ティー・エイ・インスツルメント社製)を用い、下記測定条件にて、ガラス転移温度(Tg)を測定した。
測定条件:
雰囲気:窒素
温度範囲:30℃〜280℃
昇温速度:10℃/min
<熱安定性2(通気抵抗の増加率)>
長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルム状の試料を、内径7mm、長さ17mmのポリテトラフルオロエチレン製チューブに入れた。試料を入れたチューブを通気抵抗測定機(OTIC KATO KOGYOSHO TOKYO製)のサンプルホルダーに差し込み、通気抵抗(mmWG)を測定した。
その後、試料を入れたチューブ内に、前記チューブ内を通過する直前の温度が約70℃の水蒸気を、120秒間、35ml/minの一定の流量で連続して通過させた。この水蒸気を通過させた試料を入れたチューブを、通気抵抗測定機のサンプルホルダーに差し込み、再度、通気抵抗(mmWG)を測定した。
水蒸気を通過させる前の通気抵抗に対する、後の通気抵抗の増加率(%)を算出した。測定は5回行い(n=5)、通気抵抗の増加率はこの5回の平均値として求めた。
<吸熱性1(平衡水分率)>
長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルム状の試料を、温度23℃、相対湿度60RH%の条件下6時間以上静置して調湿した後、温度40℃下3昼夜真空乾燥を行い、調湿直後及び乾燥直後の重量を求めた。平衡水分率を下記式で算出した。
平衡水分率(重量%)=(調湿直後の重量−乾燥直後の重量)/乾燥直後の重量×100
<吸熱性2(水蒸気の温度低下率)>
長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルム状の試料を、内径7mm、長さ17mmのポリテトラフルオロエチレン製チューブに入れ、前記チューブ内に、前記チューブ内を通過する直前の温度が約70℃の水蒸気を35ml/minの一定の流量で連続して通過させ、前記チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)及び前記チューブ内を通過した後の水蒸気の温度(℃)を1秒毎に120秒間測定した。下記式にて算出される水蒸気の温度低下率(%)の120秒間の平均値を水蒸気の温度低下率の平均とした。
水蒸気の温度低下率(%)=(チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)−チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃))/チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)×100
ただし、前記チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)及び前記チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃)は、予め、ブランクとして、試料を入れないチューブ内に、同様に水蒸気を通過させた場合の、チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)及びチューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃)を求め、当該ブランクの各温度を差し引いた値である。
<生分解性(海洋生分解性能)>
海水に浸漬して生分解性を評価する方法を用いて、生分解性を評価した。まず、一般的なソルベントキャスト法でフィルムを作製した。試料10〜15重量部を、85〜90重量部のアセトンに溶解させ、さらに所定量のMgOを添加してドープを調製した。ガラス板上にドープを流し、バーコーターで流延した。40℃で30分乾燥させ、ガラス板からフィルムを剥離し、80℃でさらに30分乾燥させ、厚さ30μmの評価用フィルムを得た。
上記の方法にて作成したフィルム(10cm×10cm×30μm)を、液体窒素凍結粉砕装置(S6770 FREEZER/MILL、METUCHEN NJ SPEX Sampleprep製)で破砕して、ステンレス製容器に入れ、ASTM D6691に準じた方法で生分解性(海洋生分解性能)を求めた。具体的には以下のとおりである。
生分解試験開始90日後及び180日後において各試料から排出した二酸化炭素の量を測定した。下記式のとおり、化学組成に基づく完全分解における理論上の生物化学的二酸化炭素の排出量に対する、各試料から排出した二酸化炭素の量のパーセンテージを生分解度(%)として算出した。生分解試験開始90日後及び180日後における各試料の生分解度(%)を、セルロースを100とした場合における相対的な値に換算した。この換算値を海洋生分解性能(%)とした。
生分解度(%)=[{(各試料から排出した二酸化炭素の量)−(ブランクとしての二酸化炭素の量)}/化学組成に基づく完全分解における理論上の生物化学的二酸化炭素の排出量]×100
ブランクとしての二酸化炭素の量:試料を入れないステンレス製容器について同様に生分解試験を行って排出した二酸化炭素の量
(実施例1〜8)
シート状セルロース(広葉樹パルプ)をディスクリファイナーで処理し、綿状とした。100重量部の綿状セルロース(含水率8.0重量%)に、32.71重量部の酢酸を噴霧し、よく撹拌し、温度24℃で60分静置した(活性化工程)。活性化されたセルロースに、酢酸358.51重量部、無水酢酸214.99重量部及び硫酸A重量部を混合し、15℃で20分保持した後、昇温速度0.31℃/分で反応系の温度を45℃まで昇温して70分保持し、アセチル化を行い、セルローストリアセテートを生成させた。次いで、酢酸0.28重量部、水89.55重量部及び酢酸マグネシウム13.60重量部を添加し、アセチル化反応を停止した。硫酸量Aは0.1〜15重量部の範囲で適宜調整し、合成するセルロースアセテートの硫酸量を調整した。得られた反応混合液に、酢酸0.06重量部、水B重量部、酢酸マグネシウム2.90重量部を加え、85℃でC分、熟成反応を行った。熟成反応に添加する水Bは、1〜50重量部の範囲で行い、2,3,6位の置換度を調整した。熟成反応時間Cは、5〜120分の範囲で行い、合成するセルロースアセテートの置換度を調整した。以上により、セルロースアセテートを得た。各物性を評価した結果は、表1に示す。
(実施例9)
実施例1で合成した置換度2.46のセルロースアセテート9.5重量部を110℃で2時間加熱して乾燥したのち、アセトン90重量部に加え25℃で6hr攪拌してセルロースアセテートを溶解させた。ここに、添加剤として、塩基性添加剤であるメタ珪酸アルミン酸マグネシウムの粉末0.5重量部を加え、さらに25℃で6hr攪拌して、ドープを調製した。
調製したドープをガラス板上に流し、バーコーターで流延し、40℃で30分乾燥させたのちフィルムをガラス板から剥がし、80℃でさらに30分乾燥させ、厚さ30μmのフィルムを得た。このフィルムを評価用フィルムとして用いて、前記の方法で生分解性を評価した。また、各物性を評価した結果は、表1に示す。
(実施例10)
塩基性添加剤として酸化マグネシウム0.4重量部を用い、セルロースアセテート9.6重量部にした以外は、実施例9と同様にしてドープを調製した。ドープを調製した後は、実施例9と同様にして、各物性を評価した。結果は、表1に示す。
(実施例11)
添加剤として、塩基性添加剤にかえて、水可溶性添加剤であるトリアセチン2.5重量部を用い、セルロースアセテート7.5重量部にした以外は実施例9と同様にしてドープを調製した。ドープを調製した後は、実施例9と同様にして、各物性を評価した。結果は、表1に示す。
(実施例12)
添加剤として、塩基性添加剤である酸化マグネシウム0.5重量部及び水可溶性添加剤であるトリアセチン2.0重量部を用い、セルロースアセテート7.5重量部にした以外は実施例9と同様にしてドープを調製した。ドープを調製した後は、実施例9と同様にして、各物性を評価した。結果は、表1に示す。
(実施例13)
セルロースアセテートとして、実施例5で合成した置換度2.45のセルロースアセテート7.5重量部を用い、添加剤として、塩基性添加剤にかえて、水可溶性添加剤であるトリアセチン2.5重量部を用いた以外は、実施例9と同様にしてドープを調製した。このドープをガラス板上に流し、バーコーターで流延し、40℃で30分乾燥させたのちフィルムをガラス板から剥がし、80℃でさらに30分乾燥させ、長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルムを得た。このフィルムを評価用フィルムとして用いて、前記の方法で各物性を評価した。結果は、表1及び表2に示す。
(実施例14)
セルロースアセテートとして、実施例8で合成した置換度2.20のセルロースアセテート7.5重量部を用い、添加剤として、塩基性添加剤にかえて、水可溶性添加剤であるトリアセチン2.5重量部を用いた以外は、実施例9と同様にしてドープを調製した。ドープを調製した後は、実施例13と同様にしてフィルムを得た。このフィルムを評価用フィルムとして用いて、前記の方法で各物性を評価した。結果は、表1に示す。
(比較例1)
ポリ乳酸について、二軸混錬装置を用いて170〜190℃で溶融混錬し、ラボプラストミルのTダイ金型でフィルムを得た。各物性を評価した結果は、表1及び表2に示す。
(比較例2)
シート状セルロース(コットンリンターパルプ)αセルロース含量97wt%をディスクリファイナーで処理し、綿状とした。100重量部の綿状セルロース(含水率8.0重量%)に示す割合で酢酸を噴霧し、よく攪拌し、温度24℃で60分間静置した(第1の活性化工程)。さらに、第1の活性化工程を経たセルロースに、0.94部の硫酸を含む酢酸30.24部を添加し、24℃で45分間静置した(第2の活性化工程)。そして、第2の活性化工程を経て活性化されたセルロースに、酢酸417.85部、無水酢酸282.98部及び硫酸8.72部を混合し、15℃以下で20分保持した後、昇温速度0.31℃/分で反応系の温度を35℃まで昇温して80分保持し、アセチル化を行った。そして、酢酸0.15重量部、水22.98重量部、及び酢酸マグネシウム7.30重量部を混合し、温度61℃で95分間保持したのち、酢酸マグネシウム7.48重量部、酢酸20.94重量部及び水21.44部を添加し熟成反応を停止した。反応浴を希酢酸中に攪拌下投入し、生成物を沈殿させ、希水酸化カルシウム水溶液に浸漬した後、濾別し乾燥することにより、セルロースアセテートを得た。
得られた置換度2.81のセルロースアセテート7.5重量部を110℃で2時間加熱して乾燥したのち、アセトン90重量部に加え25℃で6hr攪拌してセルロースアセテートを溶解させた。ここに、添加剤として、水可溶性添加剤であるトリアセチン2.5重量を加え、さらに25℃で6hr攪拌して、ドープを調製した。ドープを調製した後は、実施例13と同様にしてフィルムを得た。このフィルムを評価用フィルムとして用いて、各物性を評価した。結果は、表1に示す。
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比較例1のポリ乳酸は、既知のとおり生分解性に劣るものであり、さらに、表1に示されるように熱安定性及び吸熱性にも劣る。また、比較例2のアセチル総置換度が高いセルロースアセテートを含む場合、エアロゾル冷却部材は平衡水分率及び水蒸気の温度低下率の平均が低く、吸熱性に劣る。一方、実施例のエアロゾル冷却部材は、優れた熱安定性、吸熱性及び生分解性(特に海水中での生分解性)のいずれも優れる。実施例のエアロゾル冷却部材を喫煙具の冷却部材として用いることにより、喫煙具から生じるエアロゾルの熱により変形しにくいため流路が閉塞されにくく、エアロゾルの冷却効果に優れた冷却部材を提供でき、また、喫煙具が環境中に廃棄された場合でも、環境へ負荷を低減できる。

Claims (15)

  1. セルロースアセテートを含有しており、
    前記セルロースアセテートのアセチル総置換度が1.4を超え2.7以下であり、
    前記セルロースアセテートは、アセチル総置換度における、6位のアセチル置換度に対する2位のアセチル置換度及び3位のアセチル置換度の和の比τが2.0以上であって、硫酸成分量が20ppmを超えて400ppm以下である、エアロゾル冷却部材。
  2. 前記セルロースアセテートは、硫酸成分量が80ppm以上380ppm以下である、請求項に記載のエアロゾル冷却部材。
  3. 前記セルロースアセテートは、硫酸成分量が150ppm以上350pm以下である、請求項に記載のエアロゾル冷却部材。
  4. 前記セルロースアセテートは、前記アセチル総置換度における、6位のアセチル置換度に対する2位のアセチル置換度及び3位のアセチル置換度の和の比τが2.5以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  5. 添加剤を含有し、
    前記添加剤が、20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質、20℃の水に2重量%以上溶解する物質、及び海洋での生分解性に優れる物質よりなる群から選択される1以上である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  6. 前記添加剤の含有量が、4〜40重量%である、請求項に記載のエアロゾル冷却部材。
  7. 前記20℃の1重量%水溶液のpHが8以上の物質が、酸化マグネシウムである、請求項5又は6に記載のエアロゾル冷却部材。
  8. 前記20℃の水に2重量%以上溶解する物質が、トリアセチンである、請求項5又は6に記載のエアロゾル冷却部材。
  9. 繊維状である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  10. 単繊維度が0.6tex以上3.5tex以下であり、全繊維度が1000tex以上4500tex以下の繊維トウ状である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  11. 粒子状である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  12. 多孔性構造体である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  13. チューブ状である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  14. フィルム状である、請求項1〜のいずれか一項に記載のエアロゾル冷却部材。
  15. 下記条件にて測定される、水蒸気の温度低下率の平均が5%以上である、請求項14に記載のエアロゾル冷却部材。
    条件:
    長さ23.3cm、幅17mm、厚さ50μmのフィルム状のエアロゾル冷却部材を、内径7mm、長さ17mmのポリテトラフルオロエチレン製チューブに入れ、前記チューブ内に、前記チューブ内を通過する直前の温度が約70℃の水蒸気を35ml/minの一定の流量で連続して通過させ、前記チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)及び前記チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃)を1秒毎に120秒間測定する。下記式にて算出される水蒸気の温度低下率(%)の120秒間の平均値を水蒸気の温度低下率の平均とする。
    水蒸気の温度低下率(%)=(チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)−チューブ内を通過した直後の水蒸気の温度(℃))/チューブ内を通過する直前の水蒸気の温度(℃)×100
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