JP6965092B2 - ポリオレフィン微多孔膜及びこれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Description
本発明は、ポリオレフィン微多孔膜及びこれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
ポリオレフィン微多孔膜は、電池用セパレータ、コンデンサー用セパレータ、燃料電池用材料、精密濾過膜等に使用されており、特にリチウムイオン二次電池用セパレータとして使用されている。セパレータは、正負極間の直接的な接触を防ぐとともに、その微多孔中に保持した電解液を通じてイオンも透過させる。
近年、リチウムイオン二次電池は、携帯電話、ノート型パソコン等の小型電子機器だけでなく、電気自動車、小型電動バイク等の電動車両への応用も図られている。車載用リチウムイオン二次電池は、単セル当たりの容量が大きくなる傾向にあるため、電池の異常発熱時の発熱量も増加する。したがって、車載用途でのリチウムイオン二次電池の需要拡大により、安全性の向上がより重要な課題となっている。一方でリチウムイオン二次電池の高容量化、高エネルギー密度化、軽量化、薄型化といった観点から、リチウムイオン二次電池の外装材の主流は金属缶からラミネートフィルムへとシフトしており、安全性の確保は従来にも増して困難になってきている。
このようなセパレータの要求特性と関連して、ポリオレフィン微多孔膜の様々な原料又は材質が検討されている(特許文献1〜8)。
特許文献1には、ポリエチレンとポリプロピレンを必須成分とする微多孔膜A、ポリエチレン微多孔膜Bを積層一体化させたポリオレフィン製微多孔膜であって、微多孔膜A中にポリプロピレンの占める割合が3〜50質量%であり、膜厚が5〜20μmである、ポリオレフィン製微多孔膜が記載されている。
特許文献2には、ポリオレフィン第1微多孔層と、第1微多孔層に積層され、かつ第1微多孔層とは異なるポリオレフィン第2微多孔層とを有する、積層セパレータであって、ポリオレフィン第1微多孔層が表面層であり、ポリオレフィン第2微多孔層が中間層である少なくとも2種3層構造を有する、積層セパレータを記載している。第1微多孔層と第2微多孔層は、それぞれ、ポリオレフィン樹脂及び無機充填材を含有し、少なくとも第1微多孔層は、一次粒子径として1nm以上80nm以下の無機充填材を含有し、第1微多孔層における無機充填材の量は、ポリオレフィン樹脂と無機充填材との総量に対して20〜80質量%であり、ポリオレフィン第2微多孔層における無機充填材の量は、ポリオレフィン樹脂と無機充填材との総量に対して15質量%以下である。
特許文献3には、超高分子量ポリエチレンを含むポリエチレン系樹脂からなる第一の微多孔質層(表面層)と、高密度ポリエチレン及びポリプロピレンを含むポリオレフィン樹脂からなる第二の微多孔質層(中間層)と、を含む少なくとも3層を有し、突刺強度が25g/μm以上、アルミニウム箔に対する静摩擦係数が0.40以上、及びメルトダウン温度が180℃以上である、ポリオレフィン多層微多孔膜が記載されている。
特許文献4には、第一ポリエチレン、第一ポリプロピレン、及び第一ポリプロピレンとは異なる第二ポリプロピレンを含む第一微小孔性膜層と第一ポリエチレン及び第二ポリエチレンを含む第二微小孔性膜層を少なくとも有し、3,500mN以上の突き刺し強度及び1,000秒/cm3以下の熱圧縮後の空気透過性を有する多層微小孔性膜が記載されている。
特許文献5には、ポリエチレンとポリプロピレンを必須成分とする微多孔膜A、ポリエチレン微多孔膜Bを積層一体化させたポリオレフィン製微多孔膜であって、ポリプロピレンの微多孔膜A中に占める割合が3〜50質量%であり、膜厚が5〜20μmであることを特徴とするポリオレフィン製微多孔膜が記載されている。
特許文献6には、ポリプロピレン及びポリエチレンを含む第一の微多孔層と、当該第一の微多孔層に積層された第二の微多孔層とを含み、第一の微多孔層が表面層を形成すると共に、ポリプロピレンの融解熱が90J/g以上であることを特徴とする、ポリオレフィン微多孔膜が記載されている。
特許文献7には、ポリエチレンとポリプロピレンとを必須成分として含み、三層の積層フィルムからなるポリオレフィン微多孔膜であって、平均孔径が0.02μm以上1μm以下であり、少なくとも片側の表面層におけるポリプロピレンの混合比率が50重量%を超え95重量%以下であり、かつ膜全体におけるポリエチレンの含有率が60重量%以上95重量%以下である、ポリオレフィン微多孔膜が記載されている。
特許文献8には、二層以上の積層フィルムを含むポリオレフィン微多孔膜であって、少なくとも片側の表面層は、厚さが0.2μm以上4μm以下であり、かつ無機粒子5質量%以上60質量%以下を含み、少なくとも他の一層は、50質量%以上のポリエチレンを含み、透気度が50秒/100cc以上1000秒/100cc以下であり、突刺強度が3.0N/20μm以上である、ポリオレフィン微多孔膜が記載されている。
上述のように、リチウムイオン二次電池の外装材の主流は金属缶からラミネートフィルムへとシフトしていることによって、安全性の確保は従来にも増して困難になってきている。例えば、円筒型(「捲回式」とも呼ばれる。)リチウムイオン二次電池では、電極とセパレータとを積層して硬く捲回したジェリーロール(J/R)を金属缶の中に封入するため、電池内のセパレータは正極と負極との間に挟まれて加圧されていることで密着しており、電池が異常昇温時におけるセパレータの収縮が抑制される傾向にあった。しかしながら、ラミネート型リチウムイオン二次電池は、一般的に電極とセパレータとを積層して外装体としてのラミネートフィルムで覆った構造を有するため、捲回式電池に比べて電極とセパレータとの密着による収縮抑制力が小さい。したがって、特許文献1〜8に記載されているようなポリオレフィン微多孔膜より更に優れた安全性を有するポリオレフィン微多孔膜が求められる。
そこで、本発明は、異常昇温時の熱暴走を効果的に抑制することができ、より安全性の高いセパレータを提供することのできる、ポリオレフィン微多孔膜を提供することを目的の一つとする。
本願発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、200℃はんだ試験における穴面積が特定の範囲内であり、かつ穴面積に対する穴面積及び変色部の合計面積の比が特定の範囲内であるポリオレフィン微多孔膜により、上記課題を解決できることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1]
ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、
上記A層に含まれるポリプロピレンは0質量%以上3質量%未満であり、上記B層は上記A層より多くのポリプロピレンを含み、上記B層に含まれるポリプロピレンは1質量%以上30質量%未満であり、
上記ポリオレフィン微多孔膜の総厚みに対する上記A層の厚みの割合が40%〜90%であり、
上記B層中の無機粒子の含有率が5質量%未満である、ポリオレフィン微多孔膜であり、
上記ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、上記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、上記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である、ポリオレフィン微多孔膜。
[2]
上記B層に含まれるポリプロピレンは3質量%以上30質量%未満であり、上記200℃はんだ試験における上記穴面積が2.20mm2以上5.75mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.20以上2.20以下である、項目1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[3]
MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力が3.0g以下である、項目1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[4]
上記ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合が10質量%以下であり、かつ分子量3万以下の分子の割合が3.0質量%以下である、項目1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[5]
上記200℃はんだ試験での穴のアスペクト比が1.00以上1.30以下である、項目1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[6]
上記ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)で得られる2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、かつ融解熱量(ΔHm)が80J/g以上である、項目1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[7]
ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とが、項目1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜を介して積層された構造を少なくとも一つ有する、ラミネート型リチウムイオン二次電池。
[1]
ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、
上記A層に含まれるポリプロピレンは0質量%以上3質量%未満であり、上記B層は上記A層より多くのポリプロピレンを含み、上記B層に含まれるポリプロピレンは1質量%以上30質量%未満であり、
上記ポリオレフィン微多孔膜の総厚みに対する上記A層の厚みの割合が40%〜90%であり、
上記B層中の無機粒子の含有率が5質量%未満である、ポリオレフィン微多孔膜であり、
上記ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、上記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、上記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である、ポリオレフィン微多孔膜。
[2]
上記B層に含まれるポリプロピレンは3質量%以上30質量%未満であり、上記200℃はんだ試験における上記穴面積が2.20mm2以上5.75mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.20以上2.20以下である、項目1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[3]
MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力が3.0g以下である、項目1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[4]
上記ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合が10質量%以下であり、かつ分子量3万以下の分子の割合が3.0質量%以下である、項目1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[5]
上記200℃はんだ試験での穴のアスペクト比が1.00以上1.30以下である、項目1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[6]
上記ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)で得られる2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、かつ融解熱量(ΔHm)が80J/g以上である、項目1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
[7]
ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とが、項目1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜を介して積層された構造を少なくとも一つ有する、ラミネート型リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、異常昇温時の熱暴走を効果的に抑制することができ、より安全性の高いセパレータを提供することのできる、ポリオレフィン微多孔膜を提供することができる。なお、上述の記載は、本発明の全ての実施形態及び本発明に関する全ての利点を開示したものとみなしてはならない。
以下、本発明の実施形態(以下、「本実施形態」という。)を例示する目的で詳細に説明するが、本発明は本実施形態に限定されるものではない。本願明細書において、各数値範囲の上限値及び下限値は任意に組み合わせることができる。
《ポリオレフィン微多孔膜》
〈200℃はんだ試験〉
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、上記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、上記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である。穴面積は、好ましくは2.20mm2以上5.75mm2以下、より好ましくは2.40mm2以上5.60mm2以下、更に好ましくは2.50mm2以上5.50mm2以下である。穴面積に対する、穴面積及び上記変色部の合計面積の比は、好ましくは1.20以上2.20以下、より好ましくは1.30以上2.20以下、更に好ましくは1.40以上2.20以下である。
〈200℃はんだ試験〉
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、上記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、上記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ上記穴面積に対する、上記穴面積及び上記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である。穴面積は、好ましくは2.20mm2以上5.75mm2以下、より好ましくは2.40mm2以上5.60mm2以下、更に好ましくは2.50mm2以上5.50mm2以下である。穴面積に対する、穴面積及び上記変色部の合計面積の比は、好ましくは1.20以上2.20以下、より好ましくは1.30以上2.20以下、更に好ましくは1.40以上2.20以下である。
内部短絡時の安全性試験の一つとして、例えば釘刺し試験が知られている。釘刺し試験は、内部短絡のシミュレーション試験であり、リチウムイオン二次電池に釘を貫通させて内部短絡を擬似的に発生させ、電池が熱暴走しないことを確認する試験である。本技術分野における従来の考え方によれば、釘刺し試験においては、釘を貫通させることによってセパレータにできる穴の面積が小さいほど、電池の安全性は良好であると考えられてきた。しかしながら、発明者らは、鋭意検討の結果、穴面積が小さ過ぎると短絡電流が穴に集中して局所的に大電流が流れるため、局所的に多大なジュール熱が発生することがあり、また、穴面積が大きいほど放熱性が向上するが、大きすぎると短絡面積の増大により多大なジュール熱が発生し急速な発熱に繋がることを見出した。更なる検討の結果、発明者らは、電池の安全性を向上するためには、ポリオレフィン微多孔膜に形成される穴の大きさだけではなく、ポリオレフィン微多孔膜を加熱した際の微多孔の変形に関する適切な特性があることを見出し、本発明に至った。その特性は、上記200℃はんだ試験により形成される穴及び変色部の面積の関係によって特徴付けることができる。理論に限定されないが、穴面積に対して穴面積及び変色部の合計面積の比率が小さいことによって、短絡部(穴)周囲の放熱性が向上し、異常昇温時に熱暴走に繋がる可能性を低減することができると発明者らは推定している。
図1は、本実施形態における200℃はんだ試験を行った後の、一実施形態におけるポリオレフィン微多孔膜の例を示す画像である。図1において、ポリオレフィン微多孔膜(10)は、200℃はんだ試験により形成された穴(11)を有し、穴の周囲には、200℃はんだ試験により形成された変色部(12)を有する。穴は、はんだごてを突き刺すことによって、及びはんだごての周囲の樹脂が加熱によって溶け落ちることによって形成される、貫通穴である。変色部とは、ポリオレフィン微多孔膜の穴が形成されていない部分のうち、加熱によって微多孔の構造が変形することに基づいて色が変化した部分を意味する。変色したか否かは、後述する画像処理方法によって判断することができる。例えば、一実施形態において、200℃はんだ試験前のポリオレフィン微多孔膜は、多孔質な膜が光を乱反射するため白色であるが、はんだごてによって加熱されることによって穴の周囲の樹脂が溶融し、微多孔がつぶれて半透明又は透明に変化する。一実施形態において、変色部は、ポリオレフィン微多孔膜の穴が形成されていない部分のうち、加熱によって微多孔が変形することに基づいて、白色から半透明又は透明に変化した部分である。
200℃はんだ試験における穴のアスペクト比は、好ましくは1.00以上1.30以下、より好ましくは1.00以上1.20以下、更に好ましくは1.00以上1.10以下である。穴のアスペクト比が1.30以下であることにより、穴の長径方向に膜が裂けにくく、釘刺し試験における釘等の外力又はポリオレフィンの溶融による穴の拡大を抑えることができ、安全性がより高くなる。200℃はんだ試験における穴のアスペクト比が1.00以上1.30以下になるポリオレフィン微多孔膜を製造するには、例えば、限定されないが、ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法が挙げられる。
〈積層構造〉
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有する。積層構造は、上記構造を有する限りにおいて、B層−A層−B層の三層構造に限定されない。例えば、ポリオレフィン微多孔膜は、いずれか一方又は両方のB層の上に、一つ又は複数の更なる層が形成されていてもよい。更なる層としては、例えば、無機粒子や架橋性高分子などの耐熱樹脂を含む耐熱層、接着性高分子を含む接着層等が挙げられる。
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有する。積層構造は、上記構造を有する限りにおいて、B層−A層−B層の三層構造に限定されない。例えば、ポリオレフィン微多孔膜は、いずれか一方又は両方のB層の上に、一つ又は複数の更なる層が形成されていてもよい。更なる層としては、例えば、無機粒子や架橋性高分子などの耐熱樹脂を含む耐熱層、接着性高分子を含む接着層等が挙げられる。
A層及びB層は、ポリオレフィンを含み、好ましくはポリオレフィンから構成される。A層及びB層のポリオレフィンの形態は、ポリオレフィンの微多孔質体、例えば、ポリオレフィン系繊維の織物(織布)、ポリオレフィン系繊維の不織布などであってよい。ポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン等をモノマーとして用いて得られるホモ重合体、共重合体、又は多段重合体等が挙げられ、これらの重合体を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。ポリオレフィンとしては、セパレータのシャットダウン及びメルトダウン特性の観点から、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びこれらの共重合体からなる群から選択される少なくとも一つであることが好ましい。
ポリエチレンの具体例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、高分子量ポリエチレン(HMWPE)、及び超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)等が挙げられる。
本願明細書において、高分子量ポリエチレン(HMWPE)とは、粘度平均分子量(Mv)が10万以上のポリエチレンを意味する。Mvは、ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を測定することで、次式にて算出することができる。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
一般的に、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のMvは、100万以上であるため、本願明細書における高分子量ポリエチレン(HMWPE)は、定義上、UHMWPEを包含する。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
一般的に、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)のMvは、100万以上であるため、本願明細書における高分子量ポリエチレン(HMWPE)は、定義上、UHMWPEを包含する。
本願明細書において、高密度ポリエチレンとは密度0.942〜0.970g/cm3のポリエチレンをいう。なお、本発明においてポリエチレンの密度とは、JIS K7112(1999)に記載のD)密度勾配管法に従って測定した値をいう。
ポリプロピレンの具体例としては、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、及びアタクティックポリプロピレン等が挙げられる。
エチレンとプロピレンとの共重合体の具体例としては、エチレン−プロピレンランダム共重合体、及びエチレンプロピレンラバー等が挙げられる。
(A層)
A層に含まれるポリプロピレンの量は、A層を構成する樹脂成分の全質量を基準として0質量%以上3質量%未満であり、好ましくは0質量%以上2質量%未満、更に好ましくは0質量%以上1質量%未満、最も好ましくは、A層はポリプロピレンを含まない。A層は、ポリプロピレンを含むとしても、0質量%超3質量%未満であり、好ましくは0質量%超2質量%未満、更に好ましくは0質量%超1質量%未満である。A層に含まれるポリプロピレンが3質量%未満であることによって、ポリオレフィン微多孔膜の機械的強度及び伸度がより良好になる。
A層に含まれるポリプロピレンの量は、A層を構成する樹脂成分の全質量を基準として0質量%以上3質量%未満であり、好ましくは0質量%以上2質量%未満、更に好ましくは0質量%以上1質量%未満、最も好ましくは、A層はポリプロピレンを含まない。A層は、ポリプロピレンを含むとしても、0質量%超3質量%未満であり、好ましくは0質量%超2質量%未満、更に好ましくは0質量%超1質量%未満である。A層に含まれるポリプロピレンが3質量%未満であることによって、ポリオレフィン微多孔膜の機械的強度及び伸度がより良好になる。
A層に含まれるポリオレフィンがポリエチレンを含む場合、ポリエチレンの量は、A層を構成する樹脂成分の全質量を基準として、好ましくは90質量%以上100質量%以下、更に好ましくは97質量%以上100質量%以下、最も好ましくは、A層はポリエチレンから構成される。A層に含まれるポリエチレンの割合が高いことによって、ポリオレフィン微多孔膜のシャットダウン及びメルトダウン特性を担保しつつ、ポリオレフィン微多孔膜の機械的強度及び伸度がより良好になる。
ポリオレフィン微多孔膜全体の厚み(総厚)に対するA層の厚みの割合は、40%以上90%以下であり、好ましくは45%以上85%以下、より好ましくは50%以上80%以下を構成する。A層の厚さが90%以下であることによって、変色部の比率を小さく制御することが容易であり、放熱性の観点から安全性がより向上する傾向がある。A層の厚さが40%以上であることによって、A層がポリオレフィン微多孔膜の基材としての役割を果たし、ポリオレフィン微多孔膜の機械的強度及び伸度がより良好になる。
(B層)
B層はA層より多くのポリプロピレンを含み、B層に含まれるポリプロピレンの量は、B層を構成する樹脂成分の全質量を基準として1質量%以上30質量%未満であり、好ましくは3質量%以上30質量%未満、より好ましくは5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは7質量%以上20質量%以下である。B層に含まれるポリプロピレンが30質量%未満であることにより、残留応力が低減され熱収縮を抑えることができ;セパレータの安全機能の一つであるシャットダウン特性がより良好になり;また、ポリオレフィン微多孔膜上に塗工層を設ける用途においては、塗工性が向上する傾向がある。B層に含まれるポリプロピレンが1質量%以上であることによって、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性が向上し、電池の安全性をより向上することができる。
B層はA層より多くのポリプロピレンを含み、B層に含まれるポリプロピレンの量は、B層を構成する樹脂成分の全質量を基準として1質量%以上30質量%未満であり、好ましくは3質量%以上30質量%未満、より好ましくは5質量%以上25質量%以下、更に好ましくは7質量%以上20質量%以下である。B層に含まれるポリプロピレンが30質量%未満であることにより、残留応力が低減され熱収縮を抑えることができ;セパレータの安全機能の一つであるシャットダウン特性がより良好になり;また、ポリオレフィン微多孔膜上に塗工層を設ける用途においては、塗工性が向上する傾向がある。B層に含まれるポリプロピレンが1質量%以上であることによって、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性が向上し、電池の安全性をより向上することができる。
B層に含まれるポリオレフィンがポリエチレンを含む場合、ポリエチレンの量は、B層を構成する樹脂成分の全質量を基準として、好ましくは60質量%以上99質量%以下、より好ましくは70質量%以上95質量%以下、更に好ましくは75質量%以上95質量%以下であり、最も好ましくは、B層は、ポリプロピレンとポリエチレンとから構成される。
A層およびB層に含まれるポリエチレンの粘度平均分子量は、好ましくは5万以上1000万以下であり、より好ましくは10万以上500万以下、最も好ましくは15万以上100万以下である。分子量が5万以上であることにより十分な強度を有するポリオレフィン微多孔膜を得ることができ、1000万以下であることにより延伸時の内部応力が大きくなり過ぎないため過度な熱収縮、200℃はんだ試験における穴面積の拡大を抑えることができる。また、ポリエチレンの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは20以下、さらに好ましくは14以下、最も好ましくは8以下である。分子量分布が20以下であることにより、低分子量成分による破断強度の低下を防ぐことができ、高分子量成分による残留応力の増加を防ぐことができる。
A層およびB層に含まれるポリプロピレンの粘度平均分子量は、好ましくは5万以上1000万以下であり、より好ましくは10万以上500万以下、最も好ましくは15万以上100万以下である。ポリプロピレンの分子量が5万以上であることによりポリオレフィン微多孔膜のメルトインデックスが高くなり過ぎないため、200℃はんだ試験における変色部の拡大を抑制することができ、1000万以下であることにより延伸時の内部応力が大きくなり過ぎないため過度な熱収縮、200℃はんだ試験における穴面積の拡大を抑えることができる。また、ポリプロピレンの分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは30以下、さらに好ましくは24以下、最も好ましくは12以下である。ポリプロピレンの分子量分布が30以下であることにより低分子量のポリプロピレン成分が少ないため、ポリエチレンとの混和性が良好になり、ポリプロピレンに由来するより高い耐熱性を有するポリオレフィン微多孔膜を得ることができる。
ポリオレフィン微多孔膜の総厚みに対するB層の厚みの割合は、好ましくは10%以上60%以下、より好ましくは15%以上55%以下、更に好ましくは20%以上50%以下である。
A層及びB層は、上記に挙げたポリオレフィンの他にも、ポリエチレンテレフタレート、ポリシクロオレフィン、ポリエーテルスルフォン、ポリアミド、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリアラミド、ポリフッ化ビニリデン、ナイロン、ポリテトラフルオロエチレン等の樹脂を更に含んでもよい。
〈TMA測定〉
ポリオレフィン微多孔膜の、MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力は、好ましくは1.0gを超えて3.0g以下、より好ましくは1.2gを超えて2.9g以下、更に好ましくは1.3g以上2.8g以下である。熱機械分析(TMA)最大収縮応力は、TMA最大収縮応力が上記範囲であると、はんだ試験時の穴面積を適切な範囲に調整することが容易となり、電極との密着によるセパレータの収縮抑制力が小さいラミネート型リチウムイオン二次電池であっても、電池の釘刺試験における熱暴走の可能性がより低減し、安全性がより向上するため好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の、MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力は、好ましくは1.0gを超えて3.0g以下、より好ましくは1.2gを超えて2.9g以下、更に好ましくは1.3g以上2.8g以下である。熱機械分析(TMA)最大収縮応力は、TMA最大収縮応力が上記範囲であると、はんだ試験時の穴面積を適切な範囲に調整することが容易となり、電極との密着によるセパレータの収縮抑制力が小さいラミネート型リチウムイオン二次電池であっても、電池の釘刺試験における熱暴走の可能性がより低減し、安全性がより向上するため好ましい。
〈GPC測定〉
ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合は、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは9.0質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下である。また、ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量3万以下の分子の割合は、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.8質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。高分子量のポリエチレン成分が少ないと、ポリオレフィン微多孔膜の残留応力が小さくなり、はんだ試験時における穴面積に対する穴面積及び変色部の合計面積の比率を小さく制御し易く、放熱性の観点から電池の安全性が向上する傾向にあるため好ましい。また、低分子量のポリエチレン成分が少ないと、はんだ試験における変色部の面積を小さく制御することができ、放熱性の観点から電池の安全性が向上する傾向にあるため好ましい。
ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合は、好ましくは10.0質量%以下、より好ましくは9.0質量%以下、更に好ましくは8.0質量%以下である。また、ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量3万以下の分子の割合は、好ましくは3.0質量%以下、より好ましくは2.8質量%以下、更に好ましくは2.5質量%以下である。高分子量のポリエチレン成分が少ないと、ポリオレフィン微多孔膜の残留応力が小さくなり、はんだ試験時における穴面積に対する穴面積及び変色部の合計面積の比率を小さく制御し易く、放熱性の観点から電池の安全性が向上する傾向にあるため好ましい。また、低分子量のポリエチレン成分が少ないと、はんだ試験における変色部の面積を小さく制御することができ、放熱性の観点から電池の安全性が向上する傾向にあるため好ましい。
〈無機粒子〉
B層中の無機粒子の含有率は5質量%未満であり、より好ましくは3質量%未満であり、無機粒子を含まないことが最も好ましい。無機粒子の含有量が少ないことにより、以下の悪影響:ガス発生による電池の膨れ、孔の不均一化によるサイクル特性の低下、無機粒子が破断の起点となることによる伸度の低下等を効果的に抑制することができる。電池の外装体としてラミネートフィルムを使用する場合、金属缶に比べて上記悪影響を受けやすいため、無機粒子の含有量が少ないことによる効果は、特にラミネート型リチウムイオン二次電池において顕著になる。
B層中の無機粒子の含有率は5質量%未満であり、より好ましくは3質量%未満であり、無機粒子を含まないことが最も好ましい。無機粒子の含有量が少ないことにより、以下の悪影響:ガス発生による電池の膨れ、孔の不均一化によるサイクル特性の低下、無機粒子が破断の起点となることによる伸度の低下等を効果的に抑制することができる。電池の外装体としてラミネートフィルムを使用する場合、金属缶に比べて上記悪影響を受けやすいため、無機粒子の含有量が少ないことによる効果は、特にラミネート型リチウムイオン二次電池において顕著になる。
無機粒子は、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ(珪素酸化物)、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄等の酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス;並びにガラス繊維が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、電気化学的安定性の観点から、無機粒子としては、シリカ、アルミナ、及び硫酸バリウムからなる群から選択される少なくとも一つが好ましい。
〈DSC測定〉
ポリオレフィン微多孔膜は、ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)における2回目の融解時の融解ピーク温度が、好ましくは155℃以上、より好ましくは157℃以上、更に好ましくは160℃以上である。また、融解熱量(ΔHm)が好ましくは80J/g以上、より好ましくは85J/g以上、更に好ましくは90J/g以上である。2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、融解熱量(ΔHm)が80J/g以上であると、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性が向上し、電池の安全性をより向上することができる。また、変色部の比率を小さく制御することが容易となり、放熱性の観点から安全性がより向上する傾向があるため好ましい。加えて、融解熱量(ΔHm)が80J/g以上であると、シート形成時にポリプロピレンの分散性を良好な状態で維持できるため、膜厚の変動やポリプロピレンの脱落による粉落ちを抑制することができ、ポリオレフィン微多孔膜上に塗工層を設ける用途においては、塗工性が向上する傾向がある。
ポリオレフィン微多孔膜は、ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)における2回目の融解時の融解ピーク温度が、好ましくは155℃以上、より好ましくは157℃以上、更に好ましくは160℃以上である。また、融解熱量(ΔHm)が好ましくは80J/g以上、より好ましくは85J/g以上、更に好ましくは90J/g以上である。2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、融解熱量(ΔHm)が80J/g以上であると、ポリオレフィン微多孔膜の耐熱性が向上し、電池の安全性をより向上することができる。また、変色部の比率を小さく制御することが容易となり、放熱性の観点から安全性がより向上する傾向があるため好ましい。加えて、融解熱量(ΔHm)が80J/g以上であると、シート形成時にポリプロピレンの分散性を良好な状態で維持できるため、膜厚の変動やポリプロピレンの脱落による粉落ちを抑制することができ、ポリオレフィン微多孔膜上に塗工層を設ける用途においては、塗工性が向上する傾向がある。
〈その他の性質〉
ポリオレフィン微多孔膜は、電子伝導性が小さく、イオン伝導性を有し、有機溶媒に対する耐性が高く、かつ孔径の微細なものが好ましい。また、ポリオレフィン微多孔膜は、リチウムイオン二次電池用セパレータとして利用することができ、特にラミネート型リチウムイオン二次電池用セパレータとして好適に利用することができる。
ポリオレフィン微多孔膜は、電子伝導性が小さく、イオン伝導性を有し、有機溶媒に対する耐性が高く、かつ孔径の微細なものが好ましい。また、ポリオレフィン微多孔膜は、リチウムイオン二次電池用セパレータとして利用することができ、特にラミネート型リチウムイオン二次電池用セパレータとして好適に利用することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の厚みは、好ましくは0.1μm以上100μm以下、より好ましくは1μm以上50μm以下、更に好ましくは3μm以上30μm以下である。ポリオレフィン微多孔膜の厚みは、機械的強度の観点から0.1μm以上であることが好ましく、リチウムイオン二次電池の高容量化の観点から100μm以下であることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜全体の厚みは、例えば、ダイリップ間隔、延伸工程における延伸倍率等を制御することによって調整することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の平均孔径は、好ましくは0.03μm以上0.70μm以下、より好ましくは0.04μm以上0.20μm以下、更に好ましくは0.05μm以上0.10μm以下、より更に好ましくは0.055μm以上0.09μm以下である。ポリオレフィン微多孔膜の平均孔径は、高いイオン伝導性と耐電圧の観点から、0.03μm以上0.70μm以下であることが好ましい。平均孔径は、例えば、ポリオレフィンの組成比、ポリオレフィンや可塑剤の種類、押出シートの冷却速度、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、及び熱固定時の緩和率等を制御すること、並びにこれらを組み合わせることにより調整することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の気孔率は、好ましくは25%以上95%以下、より好ましく30%以上65%以下、更に好ましくは35%以上55%以下である。ポリオレフィン微多孔膜の気孔率は、イオン伝導性向上の観点から25%以上であることが好ましく、耐電圧特性の観点から95%以下であることが好ましい。ポリオレフィン微多孔膜の気孔率は、例えば、ポリオレフィン樹脂組成物と可塑剤の混合比率、延伸温度、延伸倍率、熱固定温度、熱固定時の延伸倍率、及び熱固定時の緩和率等を制御すること、並びにこれらを組み合わせることによって調整することができる。
ポリオレフィン微多孔膜の粘度平均分子量(Mv)は、好ましくは30,000以上12,000,000以下、より好ましくは50,000以上2,000,000未満、更に好ましくは100,000以上1,000,000以下である。粘度平均分子量が30,000以上であると、溶融成形の際のメルトテンションが大きくなり成形性が良好になると共に、重合体同士の絡み合いによって高強度なポリオレフィン微多孔膜が得られる傾向にあるため好ましい。粘度平均分子量が12,000,000以下であると、均一に溶融混練をすることが容易となり、シートの成形性、特に厚み安定性に優れる傾向にあるため好ましい。さらに、粘度平均分子量が1,000,000以下であると、二次電池用セパレータとして使用した際に、温度上昇時に孔が閉塞され易く、良好なフューズ機能が得られる傾向にあるため好ましい。
《ポリオレフィン微多孔膜の製造方法》
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、特に制限はなく、既知の製造方法を採用することができる。例えば、以下の方法:
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法;
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法
等が挙げられる。
ポリオレフィン微多孔膜の製造方法としては、特に制限はなく、既知の製造方法を採用することができる。例えば、以下の方法:
(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、必要に応じて延伸した後、孔形成材を抽出することにより多孔化させる方法;
(2)ポリオレフィン樹脂組成物を溶融混練して高ドロー比で押出した後、熱処理と延伸によってポリオレフィン結晶界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(3)ポリオレフィン樹脂組成物と無機充填材とを溶融混練してシート上に成形した後、延伸によってポリオレフィンと無機充填材との界面を剥離させることにより多孔化させる方法;
(4)ポリオレフィン樹脂組成物を溶解後、ポリオレフィンに対する貧溶媒に浸漬させてポリオレフィンを凝固させると同時に溶剤を除去することにより多孔化させる方法
等が挙げられる。
以下、ポリオレフィン微多孔膜を製造する方法の一例として、上記(1)ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とを溶融混練してシート状に成形後、孔形成材を抽出する方法を説明する。
まず、A層に用いるポリオレフィン樹脂組成物と上記の孔形成材を溶融混練して、溶融混練物Aを得、B層に用いるポリオレフィン樹脂組成物と上記の孔形成材を溶融混練して、溶融混練物Bを得る。溶融混練方法としては、例えば、ポリオレフィン樹脂及び必要によりその他の添加剤を押出機、ニーダー、ラボプラストミル、混練ロール、バンバリーミキサー等の樹脂混練装置に投入することで、樹脂成分を加熱溶融させながら任意の比率で孔形成材を導入して混練する方法が挙げられる。
孔形成材としては、可塑剤、無機材、又はそれらの組み合わせを挙げることができる。
可塑剤としては、特に限定されないが、ポリオレフィンの融点以上において均一溶液を形成しうる不揮発性溶媒を用いることが好ましい。このような不揮発性溶媒の具体例としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス等の炭化水素類;フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル等のエステル類;オレイルアルコール、ステアリルアルコール等の高級アルコール等が挙げられる。なお、これらの可塑剤は、抽出後、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。さらに、好ましくは、樹脂混練装置に投入する前に、ポリオレフィン樹脂、その他の添加剤及び可塑剤を、予めヘンシェルミキサー等を用いて所定の割合で事前混練しておく。より好ましくは、事前混練においては、可塑剤はその一部のみを投入し、残りの可塑剤は、樹脂混練装置に適宜加温しサイドフィードしながら混練する。このような混練方法を用いることにより、可塑剤の分散性が高まり、後の工程で樹脂組成物と可塑剤との溶融混練物をシート状に延伸する際に、破膜することなく高倍率で延伸することができる傾向にある。
可塑剤の中でも、流動パラフィンは、ポリオレフィン樹脂がポリエチレンやポリプロピレンの場合には、これらとの相溶性が高く、溶融混練物を延伸しても樹脂と可塑剤の界面剥離が起こり難く、均一な延伸が実施し易くなる傾向にあるため好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材との比率は、これらを均一に溶融混練して、シート状に成形できる範囲であれば特に限定はない。例えば、ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材とからなる組成物中に占める孔形成材の質量分率は、好ましくは20〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%である。孔形成材の質量分率が90質量%以下であると、溶融成形時のメルトテンションが成形性向上のために十分なものとなる傾向にある。一方、孔形成材の質量分率が20質量%以上であると、ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材との混合物を高倍率で延伸した場合でもポリオレフィン分子鎖の切断が起こらず、均一かつ微細な孔構造を形成し易く、強度も増加し易い。
孔形成材として用いる無機材としては、特に限定されず、例えば、アルミナ、シリカ(珪素酸化物)、チタニア、ジルコニア、マグネシア、セリア、イットリア、酸化亜鉛、酸化鉄などの酸化物系セラミックス;窒化ケイ素、窒化チタン、窒化ホウ素等の窒化物系セラミックス;シリコンカーバイド、炭酸カルシウム、硫酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、チタン酸カリウム、タルク、カオリンクレー、カオリナイト、ハロイサイト、パイロフィライト、モンモリロナイト、セリサイト、マイカ、アメサイト、ベントナイト、アスベスト、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ藻土、ケイ砂等のセラミックス;ガラス繊維が挙げられる。これらは1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられる。これらの中でも、電気化学的安定性の観点から、シリカ、アルミナ、チタニアが好ましく、抽出が容易である点から、シリカが特に好ましい。
ポリオレフィン樹脂組成物と孔形成材としての無機材との比率は、良好な隔離性を得る観点から、これらの合計質量に対して5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、高い強度を確保する観点から、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
次に、樹脂組成物と孔形成材との溶融混練物A及びBを、溶融混練物B−溶融混練物A−溶融混練物Bの順に積層されたシート状に共成形して、シート状成形体を得る。シート状成形体を製造する方法としては、例えば、溶融混練物を、Tダイ等を介してシート状に共押出し、熱伝導体に接触させて樹脂成分の結晶化温度より充分に低い温度まで冷却して固化する方法が挙げられる。冷却固化に用いられる熱伝導体としては、金属、水、空気、又は可塑剤等が挙げられる。これらの中でも、熱伝導の効率が高いため、金属製のロールを用いることが好ましい。また、押出した混練物を金属製のロールに接触させる際に、ロール間で挟み込むことは、熱伝導の効率がさらに高まると共に、シートが配向して膜強度が増し、シートの表面平滑性も向上する傾向にあるためより好ましい。溶融混練物をTダイからシート状に共押出しする際のダイリップ間隔は、好ましくは200μm以上3,000μm以下、より好ましくは500μm以上2,500μm以下である。ダイリップ間隔が200μm以上であると、メヤニ等が低減され、スジや欠点など膜品位への影響が少なく、その後の延伸工程において膜破断などのリスクを低減することができる。一方、ダイリップ間隔が3,000μm以下であると、冷却速度が速く冷却ムラを防げると共に、シートの厚み安定性を維持できる。
また、シート状成形体を圧延してもよい。圧延は、例えば、ダブルベルトプレス機等を使用したプレス法にて実施することができる。圧延を施すことにより、特に表層部分の配向を増すことができる。圧延面倍率は1倍を超えて3倍以下であることが好ましく、1倍を超えて2倍以下であることがより好ましい。圧延倍率が1倍を超えると、面配向が増加し最終的に得られる多孔膜の膜強度が増加する傾向にある。一方、圧延倍率が3倍以下であると、表層部分と中心内部の配向差が小さく、膜の厚さ方向に均一な多孔構造を形成することができる傾向にある。
次いで、シート状成形体から孔形成材を除去してポリオレフィン微多孔膜を得る。孔形成材を除去する方法としては、例えば、抽出溶剤にシート状成形体を浸漬して孔形成材を抽出し、充分に乾燥させる方法が挙げられる。孔形成材を抽出する方法はバッチ式、連続式のいずれであってもよい。多孔膜の収縮を抑えるために、浸漬、乾燥の一連の工程中にシート状成形体の端部を拘束することが好ましい。また、多孔膜中の孔形成材残存量は多孔膜全体の質量に対して1質量%未満にすることが好ましい。
孔形成材を抽出する際に用いられる抽出溶剤としては、ポリオレフィン樹脂に対して貧溶媒で、かつ孔形成材に対して良溶媒であり、沸点がポリオレフィン樹脂の融点より低いものを用いることが好ましい。このような抽出溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類;塩化メチレン、1,1,1−トリクロロエタン等のハロゲン化炭化水素類;ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロカーボン等の非塩素系ハロゲン化溶剤;エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類が挙げられる。なお、これらの抽出溶剤は、蒸留等の操作により回収して再利用してよい。また、孔形成材として無機材を用いる場合には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水溶液を抽出溶剤として用いることができる。
また、上記シート状成形体、又はポリオレフィン微多孔膜を延伸することが好ましい。延伸は、上記シート状成形体から孔形成材を抽出する前に行ってもよい。また、上記シート状成形体から孔形成材を抽出したポリオレフィン微多孔膜に対して行ってもよい。さらに、上記シート状成形体から孔形成材を抽出する前と後の両方で行ってもよい。延伸方法としては、例えば、一軸延伸、同時二軸延伸、逐次二軸延伸、多段延伸、多数回延伸等の方法を挙げることができる。突刺強度の向上、延伸の均一性、フューズ特性の観点からは同時二軸延伸が好ましい。また面配向の制御容易性の観点からは遂次二軸延伸が好ましい。シート状成形体を二軸方向に高倍率延伸すると、分子が面方向に配向し、最終的に得られるポリオレフィン微多孔膜が裂けにくくなり、高い突刺強度を有する傾向がある。
ここで、同時二軸延伸とは、MD(微多孔膜連続成形の機械方向)の延伸とTD(微多孔膜のMDを90°の角度で横切る方向)の延伸が同時に施される延伸方法をいい、各方向の延伸倍率は異なってもよい。逐次二軸延伸とは、MD及びTDの延伸が独立して施される延伸方法をいい、MD又はTDに延伸がなされているときは、他方向は非拘束状態又は定長に固定されている状態とする。
延伸倍率は、面倍率で20倍以上100倍以下の範囲であることが好ましく、25倍以上70倍以下の範囲であることがより好ましい。各軸方向の延伸倍率は、MDに4倍以上10倍以下、TDに4倍以上10倍以下の範囲であることが好ましく、MDに5倍以上8倍以下、TDに5倍以上8倍以下の範囲であることがより好ましい。総面積倍率が20倍以上であると、得られるポリオレフィン微多孔膜の強度が高まる傾向にあり、一方、総面積倍率が100倍以下であると、延伸工程における膜破断を防ぎ、高い生産性が得られる傾向にある。
ポリオレフィン微多孔膜の収縮を抑制するために、延伸工程後、又はポリオレフィン微多孔膜形成後に熱処理を行い、熱固定することもできる。また、ポリオレフィン微多孔膜に、界面活性剤等による親水化処理、電離性放射線等による架橋処理等の後処理を行ってもよい。
収縮を抑制する観点から、ポリオレフィン微多孔膜に熱処理を施して熱固定することが好ましい。熱処理の方法としては、物性の調整を目的として、所定の温度雰囲気及び所定の延伸率で行う延伸操作、及び/又は延伸応力低減を目的として、所定の温度雰囲気及び所定の緩和率で行う緩和操作が挙げられる。延伸操作を行った後に緩和操作を行っても構わない。これらの熱処理は、テンターやロール延伸機を用いて行うことができる。
より高強度かつ高気孔率なポリオレフィン微多孔膜を得る観点から、熱固定における延伸操作の倍率は、膜のMD及び/又はTDに、好ましくは1.1倍以上、より好ましくは1.2倍以上である。熱固定における延伸操作時の歪速度は3%/sec以上15%以下であることが好ましく、より好ましくは4%/sec以上13%/sec以下、最も好ましくは5%/sec以上11%/sec以下である。緩和操作は、膜のMD及び/又はTDへの縮小操作のことである。緩和率とは、緩和操作後の膜の寸法を緩和操作前の膜の寸法で除した値のことである。なお、MD、TD双方を緩和した場合は、MDの緩和率とTDの緩和率を乗じた値のことである。緩和率は、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.97以下、更に好ましくは0.95以下である。緩和率は膜品位の観点から、0.4以上であることが好ましい。緩和時の歪速度の絶対値は0.4%/sec以上6.0%/sec以下であることが好ましく、より好ましくは0.5%/sec以上5.0%/sec以下、最も好ましくは0.6%/sec以上4.0%/sec以下である。緩和操作は、MD、TD両方向で行ってもよいが、MD又はTD方向のいずれか一方にのみ行ってもよい。上記倍率および歪速度での延伸及び/又は緩和操作を行うことで、200℃はんだ試験における穴面積及び/又は変色部面積を適正な範囲に制御することができる。
この可塑剤抽出後の延伸及び緩和操作は、好ましくはTD方向に行う。延伸及び緩和操作における温度は、A層に含まれるポリオレフィン樹脂の融点(以下、「Tm」ともいう。)の加重平均値−10℃から+10℃の範囲であることが好ましく、より好ましくは加重平均値−9℃から+5℃の範囲、更に好ましくは加重平均値−8℃から+1℃の範囲である。延伸及び緩和操作における温度が上記範囲であると、透過性を維持したまま、200℃はんだ試験における穴面積および/または変色部面積を好ましい範囲へ調整することが容易となる。
本実施形態の200℃はんだ試験における穴面積を2.0mm2以上6.0mm2以下とし、かつ穴面積に対する穴面積及び変色部の合計面積の比を1.00以上2.20以下に容易に調整するためには、孔形成材抽出後の延伸及び緩和操作は、TD方向に歪み速度3.0%/秒以上15.0%/秒以下で延伸し、次いで、TD方向に緩和速度0.5%/秒以上3.5%/秒以下で緩和させることが好ましい。また、緩和操作は、B層に含まれるポリオレフィンの平均融点±10℃以内の温度で行うことが好ましい。
《ラミネート型リチウムイオン二次電池》
本実施形態のラミネート型リチウムイオン二次電池は、ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とを本実施形態のポリオレフィン多孔膜を介して積層した構造を少なくとも一つ有する。
本実施形態のラミネート型リチウムイオン二次電池は、ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とを本実施形態のポリオレフィン多孔膜を介して積層した構造を少なくとも一つ有する。
ラミネートフィルムとしては、一般的には、金属箔と樹脂フィルムとを積層したフィルムが用いられ、例えば、外層樹脂フィルム/金属箔/内層樹脂フィルムの3層から構成されるラミネートフィルムが例示される。外層樹脂フィルムは、接触等により金属箔が損傷を受けることを防止するためのものであり、例えば、ナイロン、及びポリエステル等の樹脂が挙げられる。金属箔は、水分及びガスの透過を防ぐためのものであり、例えば、銅、アルミニウム、ステンレス等の箔が挙げられる。内層樹脂フィルムは、内部に収納する電解液から金属箔を保護するとともに、加熱すると溶融接着して封口させるためのものであり、例えば、ポリオレフィン、酸変成ポリオレフィン等が挙げられる。
以下、実施例及び比較例により本発明の実施形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例及び比較例に限定されるものではない。
《試験及び評価方法》
〈200℃はんだ試験〉
以下の測定装置及び器具を用いた。
(1)高出力小型温調式はんだごて
白光株式会社製 MODEL FM−202(廃盤:現行FM−203を代用可能)
こて部 型番 FM−2027
こて先 型番 T7−C1
クリーニングスポンジ 型番 A1519
図2は、はんだごての形状を示す模式図である。はんだごて(20)の先端は、直径1mmの円柱形であり、その先端は円柱の中心軸に対して角度60°で斜めにカットされている。
(2)ステージ
駿河精機株式会社製 自動直動X軸ステージ X軸リニアボールガイド
型番 PG430−L05AG (C/N 120300125)
オリエンタルモーター株式会社製 ユニット用モーター搭載
図3は、ステージの外観を示す図である。ステージ(30)は、高さを上下に調節して固定することができるサンプル台(31)を有する。ステージは、サンプル台の中央上部に、はんだごてを鉛直下向きに保持するはんだごて保持部(32)を有する。
(3)AC100V系ステッピングモータコントローラ
駿河精機株式会社製 型番 DS102
コントローラは、ハンディーターミナル 型番 DT100を備え、ハンディーターミナルは、ステージのはんだごて保持部を上下に操作することができる。コントローラは、はんだごて保持部を(すなわち、はんだごてを)速度10mm/秒で30mm降下させ、最下点で3秒保持し、再び速度10mm/秒で元の位置まで上昇させるようプログラムされている。
(4)サンプルホルダー
サンプルホルダーとして、以下のサイズの2枚の金属枠を使用した。
金属枠の外寸:50mm×60mm
内寸:30mm×40mm
サンプルホルダーは、上記ステージのサンプル台に載置して固定することができる。
〈200℃はんだ試験〉
以下の測定装置及び器具を用いた。
(1)高出力小型温調式はんだごて
白光株式会社製 MODEL FM−202(廃盤:現行FM−203を代用可能)
こて部 型番 FM−2027
こて先 型番 T7−C1
クリーニングスポンジ 型番 A1519
図2は、はんだごての形状を示す模式図である。はんだごて(20)の先端は、直径1mmの円柱形であり、その先端は円柱の中心軸に対して角度60°で斜めにカットされている。
(2)ステージ
駿河精機株式会社製 自動直動X軸ステージ X軸リニアボールガイド
型番 PG430−L05AG (C/N 120300125)
オリエンタルモーター株式会社製 ユニット用モーター搭載
図3は、ステージの外観を示す図である。ステージ(30)は、高さを上下に調節して固定することができるサンプル台(31)を有する。ステージは、サンプル台の中央上部に、はんだごてを鉛直下向きに保持するはんだごて保持部(32)を有する。
(3)AC100V系ステッピングモータコントローラ
駿河精機株式会社製 型番 DS102
コントローラは、ハンディーターミナル 型番 DT100を備え、ハンディーターミナルは、ステージのはんだごて保持部を上下に操作することができる。コントローラは、はんだごて保持部を(すなわち、はんだごてを)速度10mm/秒で30mm降下させ、最下点で3秒保持し、再び速度10mm/秒で元の位置まで上昇させるようプログラムされている。
(4)サンプルホルダー
サンプルホルダーとして、以下のサイズの2枚の金属枠を使用した。
金属枠の外寸:50mm×60mm
内寸:30mm×40mm
サンプルホルダーは、上記ステージのサンプル台に載置して固定することができる。
以下の手順で、200℃はんだ試験を行う。
測定環境は25℃±5℃、相対湿度40±10%の条件下で行った。
ピンセットを用いてエタノールを付けたキムワイプ又は綿棒ではんだごての先端を拭く。
はんだごてを昇温装置に接続し、200℃に昇温する。200℃に到達したら、温度が安定するまで90秒以上放置する。
サンプルホルダーの外寸に合わせてポリオレフィン微多孔膜を切り出し、サンプルに皺が入らないよう2枚のサンプルホルダーに挟み、四隅をクリップ(図示せず)で固定する。
コントローラの電源を入れ、ハンディーターミナルではんだごて保持部を操作して、はんだごての先端を一番上まで上げる。
はんだごてを最下点まで下げたとき、はんだごてが、はんだごての先端から5mmの位置までポリオレフィン微多孔膜に刺さるような位置に、ステージのサンプル台の高さを調整する。
サンプルホルダーで挟持したポリオレフィン微多孔膜をサンプル台の中央に載置して固定する。
図4は、ポリオレフィン微多孔膜にはんだごてを突き刺す前の状態を示す模式図である。図は模式図であって縮尺は正確ではないが、ポリオレフィン微多孔膜からはんだごての先端までの距離は25mmである。
ハンディーターミナルを操作し、予めプログラムされたはんだごての動作:速度10mm/秒で30mm降下、最下点で3秒保持、再び速度10mm/秒で元の位置まで上昇、を実行する。
図5は、ポリオレフィン微多孔膜にはんだごてを突き刺した状態を示す模式図である。図は模式図であって縮尺は正確ではないが、はんだごてが最下点にあるとき、はんだごては、はんだごての先端から5mmの位置までポリオレフィン微多孔膜に突き刺さる。はんだごて及びはんだごての熱によってポリオレフィン微多孔膜に穴(11)が形成され、また、はんだごての熱によって微多孔が変形した変色部(12)が穴の周囲に形成される。
上記のはんだごての動作を1回行った後、サンプルをサンプル台から外して室温まで冷却する。
測定環境は25℃±5℃、相対湿度40±10%の条件下で行った。
ピンセットを用いてエタノールを付けたキムワイプ又は綿棒ではんだごての先端を拭く。
はんだごてを昇温装置に接続し、200℃に昇温する。200℃に到達したら、温度が安定するまで90秒以上放置する。
サンプルホルダーの外寸に合わせてポリオレフィン微多孔膜を切り出し、サンプルに皺が入らないよう2枚のサンプルホルダーに挟み、四隅をクリップ(図示せず)で固定する。
コントローラの電源を入れ、ハンディーターミナルではんだごて保持部を操作して、はんだごての先端を一番上まで上げる。
はんだごてを最下点まで下げたとき、はんだごてが、はんだごての先端から5mmの位置までポリオレフィン微多孔膜に刺さるような位置に、ステージのサンプル台の高さを調整する。
サンプルホルダーで挟持したポリオレフィン微多孔膜をサンプル台の中央に載置して固定する。
図4は、ポリオレフィン微多孔膜にはんだごてを突き刺す前の状態を示す模式図である。図は模式図であって縮尺は正確ではないが、ポリオレフィン微多孔膜からはんだごての先端までの距離は25mmである。
ハンディーターミナルを操作し、予めプログラムされたはんだごての動作:速度10mm/秒で30mm降下、最下点で3秒保持、再び速度10mm/秒で元の位置まで上昇、を実行する。
図5は、ポリオレフィン微多孔膜にはんだごてを突き刺した状態を示す模式図である。図は模式図であって縮尺は正確ではないが、はんだごてが最下点にあるとき、はんだごては、はんだごての先端から5mmの位置までポリオレフィン微多孔膜に突き刺さる。はんだごて及びはんだごての熱によってポリオレフィン微多孔膜に穴(11)が形成され、また、はんだごての熱によって微多孔が変形した変色部(12)が穴の周囲に形成される。
上記のはんだごての動作を1回行った後、サンプルをサンプル台から外して室温まで冷却する。
〈画像処理方法〉
(1)画像の取り込み
上記200℃はんだ試験後のサンプルを、「RICOH MP C5503」(株式会社リコー製)のスキャナー機能を用いてスキャンする。その際、サンプルに折れやシワ等が入らないよう注意して原稿ガラスへサンプルを直接セットし、サンプルの横には金尺を置いてスケールが分かるようにする。それらの上に背景として黒画用紙「再生画用紙 フレッシュカラー C−55」(大王製紙株式会社製)を乗せ、原稿カバーを閉じ、読取条件「フルカラー:文字・写真」、解像度「600dpi」、ファイル形式「JPEG」の設定でスキャンし、サンプルの電子画像を取得する。
(1)画像の取り込み
上記200℃はんだ試験後のサンプルを、「RICOH MP C5503」(株式会社リコー製)のスキャナー機能を用いてスキャンする。その際、サンプルに折れやシワ等が入らないよう注意して原稿ガラスへサンプルを直接セットし、サンプルの横には金尺を置いてスケールが分かるようにする。それらの上に背景として黒画用紙「再生画用紙 フレッシュカラー C−55」(大王製紙株式会社製)を乗せ、原稿カバーを閉じ、読取条件「フルカラー:文字・写真」、解像度「600dpi」、ファイル形式「JPEG」の設定でスキャンし、サンプルの電子画像を取得する。
(2)面積及びアスペクト比の算出
得られたサンプルの電子画像を用いて、200℃はんだ試験による穴面積(S1)、及び穴面積と変色部との合計面積(S2)を算出する。面積S1及びS2は、画像処理ソフト「ImageJ」(ver.1.50i)を用いて、以下の方法で算出する。
得られたサンプルの電子画像を用いて、200℃はんだ試験による穴面積(S1)、及び穴面積と変色部との合計面積(S2)を算出する。面積S1及びS2は、画像処理ソフト「ImageJ」(ver.1.50i)を用いて、以下の方法で算出する。
「File」から「Open」をクリックし、対象のサンプルの電子画像を選択してファイルを開き、線選択ツール「Straight」を用いて、画像中に含まれる金尺の目盛り間距離を既知距離「Known Distance」として測定する。「Analyze」から「Set Scale」を開くと、線選択ツールで選択した距離(ピクセル数)が「Distance in pixels」に表示されているので、「Known Distance」と「Unit of length」を入力し、スケールの設定をおこなう。
次に、四角形の範囲選択ツール「Rectangular」を用いて、4.5mm角の正方形を描き、その正方形の内側に、面積S1及びS2が収まる位置へと正方形をドラッグして移動させ、「Image」から「Crop」をクリックして選択範囲の画像を抽出する。
なお、4.5mm角の正方形を描く際には、例えば、「Plugins」、「Macros」、「Record」と順にクリックしてRecorderウィンドウを開き、「makeRectangle(0, 0, X, X);」と入力して「Create」をクリックし、所定サイズの四角形選択ツールを描画するマクロを作成することで作業が容易となる。上記入力式中のXは、当該画像において4.5mmに相当する、前述のスケール設定値から算出されるピクセル数である。ピクセル数が小数になる場合は、小数点第一位で四捨五入して得られた整数値を入力する。
次に、四角形の範囲選択ツール「Rectangular」を用いて、4.5mm角の正方形を描き、その正方形の内側に、面積S1及びS2が収まる位置へと正方形をドラッグして移動させ、「Image」から「Crop」をクリックして選択範囲の画像を抽出する。
なお、4.5mm角の正方形を描く際には、例えば、「Plugins」、「Macros」、「Record」と順にクリックしてRecorderウィンドウを開き、「makeRectangle(0, 0, X, X);」と入力して「Create」をクリックし、所定サイズの四角形選択ツールを描画するマクロを作成することで作業が容易となる。上記入力式中のXは、当該画像において4.5mmに相当する、前述のスケール設定値から算出されるピクセル数である。ピクセル数が小数になる場合は、小数点第一位で四捨五入して得られた整数値を入力する。
続いて、抽出した画像を2値化処理する。「Image」から「Type」をクリックし、画像を8bitに変換した後、「Image」、「Adjust」、「Threshold」をクリックし、閾値を設定する。面積S1及びS2の算出においては、アルゴリズムはデフォルト(Default)のまま、閾値の下限値を0とし、上限値を以下に示す方法で決定する。
前述の操作により表示された輝度ヒストグラムにおいて、最も階調が0に近い(黒色に近い)側にあるピークのピークトップから階調を1ずつ上げていった際に、輝度ヒストグラム下部に表示された累積%の変化量が最初に0.3%以下になった点を、穴面積(S1)の閾値の上限値とする。
また、輝度ヒストグラムにおいて最も階調が255に近い(白色に近い)側にあるピークのピークトップから階調を1ずつ下げていった際に、輝度ヒストグラム下部に表示された累積%の変化量が最初に0.1%以下になった点を、穴面積及び変色部の合計面積(S2)の閾値の上限値とする。
サンプルの状態によっては2つのピークが連続しており、上記方法で適切な閾値を選択できない場合があるが、その際は、各ピークの谷の最底部をそれぞれの閾値とする。なお、上記操作においてピークを見極めにくい場合は、「Analyze」から「Histogram」をクリックし、別途ヒストグラムを表示し、必要に応じて「Log」をクリックして表示を変更することでピーク検出の参考にするとよい。このようにして面積S1及びS2の閾値の上限値を決定した後、「Apply」をクリックすることでそれぞれの2値化画像を得る。
前述の操作により表示された輝度ヒストグラムにおいて、最も階調が0に近い(黒色に近い)側にあるピークのピークトップから階調を1ずつ上げていった際に、輝度ヒストグラム下部に表示された累積%の変化量が最初に0.3%以下になった点を、穴面積(S1)の閾値の上限値とする。
また、輝度ヒストグラムにおいて最も階調が255に近い(白色に近い)側にあるピークのピークトップから階調を1ずつ下げていった際に、輝度ヒストグラム下部に表示された累積%の変化量が最初に0.1%以下になった点を、穴面積及び変色部の合計面積(S2)の閾値の上限値とする。
サンプルの状態によっては2つのピークが連続しており、上記方法で適切な閾値を選択できない場合があるが、その際は、各ピークの谷の最底部をそれぞれの閾値とする。なお、上記操作においてピークを見極めにくい場合は、「Analyze」から「Histogram」をクリックし、別途ヒストグラムを表示し、必要に応じて「Log」をクリックして表示を変更することでピーク検出の参考にするとよい。このようにして面積S1及びS2の閾値の上限値を決定した後、「Apply」をクリックすることでそれぞれの2値化画像を得る。
次に、得られた2値化画像から穴面積S1あるいは穴面積及び変色部の合計面積(S2)を、以下の操作により算出する。
「Analyze」から「Set Measurements...」を選択し、「Area」、「Shape descriptors」、「Fit ellipse」ボックスにチェックを入れて「OK」を押した後、「Analyze」から「Analyze Particles...」を選択する。
「Size(mm^2)」欄へ「1」を入力し、「Show」欄から「Outlines」を選択、「Display results」、「Clear results」、「Exclude on edges」、及び「Include holes」の各ボックスにチェックを入れて「OK」をクリックすることで、面積S1、S2の算出結果及びアスペクト比を得ることができる。なお、面積S1、S2の算出結果は、分析結果の「Area」の欄に表示され、アスペクト比の算出結果は、分析結果の「AR」の欄に表示される。
「Analyze」から「Set Measurements...」を選択し、「Area」、「Shape descriptors」、「Fit ellipse」ボックスにチェックを入れて「OK」を押した後、「Analyze」から「Analyze Particles...」を選択する。
「Size(mm^2)」欄へ「1」を入力し、「Show」欄から「Outlines」を選択、「Display results」、「Clear results」、「Exclude on edges」、及び「Include holes」の各ボックスにチェックを入れて「OK」をクリックすることで、面積S1、S2の算出結果及びアスペクト比を得ることができる。なお、面積S1、S2の算出結果は、分析結果の「Area」の欄に表示され、アスペクト比の算出結果は、分析結果の「AR」の欄に表示される。
〈熱機械分析(TMA)〉
本明細書では、熱機械分析(TMA)は、試料の熱に対する機械特性を定長モードで検出することにより行なわれる。定長モードでは、試料温度の変化に応じて、試料の長さを一定に保つための荷重の変化を検出する。
定長モードでは、加熱により試料が収縮しそうになったとしても、試料の長さ(すなわち、チャック間距離)が加熱前と同じになるように、試料に荷重を掛けて試料を引っ張る。定長モードでのTMAは、試料の昇温開始から試料の破膜まで継続して行われる。荷重発生部からプローブを介して試料に荷重を与えながら、ヒーターで試料の温度を変化させることにより、試料の温度変化に応じて、試料の長さを一定に保つための荷重の変化を検出することができ、検出されたTMAプロファイルから試料の軟化点、熱膨張挙動、熱収縮挙動などを知ることができる。
定長モードでのTMAプロファイルが温度(℃)−荷重(g)曲線として表されるとき、応力ピークは最大荷重を表す点であり、応力ピーク値はその最大荷重を表す。また、定長モードでのTMAプロファイルにおいて、応力ピークを含むカーブの形状は、強度、残留応力、融点等により変化する。
本明細書では、熱機械分析(TMA)は、試料の熱に対する機械特性を定長モードで検出することにより行なわれる。定長モードでは、試料温度の変化に応じて、試料の長さを一定に保つための荷重の変化を検出する。
定長モードでは、加熱により試料が収縮しそうになったとしても、試料の長さ(すなわち、チャック間距離)が加熱前と同じになるように、試料に荷重を掛けて試料を引っ張る。定長モードでのTMAは、試料の昇温開始から試料の破膜まで継続して行われる。荷重発生部からプローブを介して試料に荷重を与えながら、ヒーターで試料の温度を変化させることにより、試料の温度変化に応じて、試料の長さを一定に保つための荷重の変化を検出することができ、検出されたTMAプロファイルから試料の軟化点、熱膨張挙動、熱収縮挙動などを知ることができる。
定長モードでのTMAプロファイルが温度(℃)−荷重(g)曲線として表されるとき、応力ピークは最大荷重を表す点であり、応力ピーク値はその最大荷重を表す。また、定長モードでのTMAプロファイルにおいて、応力ピークを含むカーブの形状は、強度、残留応力、融点等により変化する。
島津製作所社製、TMA50(商標)を用いて微多孔膜のTMA測定を行なった。微多孔膜から、MD方向の最大収縮応力を測定する為のサンプルとして、MD方向(長さ)10mm超、TD方向(幅)3mmのサンプルを切り出し、また、TD方向の最大収縮応力を測定する為のサンプルとして、TD方向(長さ)10mm超、MD方向(幅)3mmのサンプルを切り出した。サンプルを、チャック間距離が10mmとなるようにチャックに固定し、専用プロープにセットした。初期荷重を0.0098N(1.0gf)に設定し、相対湿度40%±2%の環境下で、30℃から10℃/分の速度で250℃まで昇温させ、サンプルが収縮することにより発生する荷重を測定した。読み取ったデータを温度(℃)−荷重(g)曲線としてプロットした場合に、ノイズを除いて、TMA読み取り値の最大荷重(g)が最大収縮応力(g)である。
TMA測定による最大収縮応力は、微多孔膜のMD方向の任意の地点において、TD方向に両端から5cm地点と中央1点の計3点を測定し、それらの平均値を算出した値である。
TMA測定による最大収縮応力は、微多孔膜のMD方向の任意の地点において、TD方向に両端から5cm地点と中央1点の計3点を測定し、それらの平均値を算出した値である。
〈ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)〉
・試料の調製
ポリオレフィン微多孔膜に無機粒子が含まれる場合は、90℃に加熱した苛性ソーダ中に30分間浸漬して無機粒子を除去した後、流水で3時間洗浄し、10時間乾燥させたものを試料とした。
試料を秤量し、濃度が1mg/mlになるように溶離液1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を加えた。高温溶解器を用いて、160℃で30分静置したのち、160℃で1時間揺動させ、試料がすべて溶解したことを目視で確認した。160℃のまま、0.5μmフィルターでろ過し、ろ液をGPC測定試料とした。
・GPC測定
GPC装置として、Agilent社製のPL−GPC220(商標)を用い、東ソー(株)製のTSKgel GMHHR−H(20)HT(商標)の30cmカラム2本を使用し、上記で調整したGPC測定試料500μlを測定機に注入し、160℃にてGPC測定を行った。
なお、標準物質として市販の分子量既知の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、求められた各試料のポリスチレン換算の分子量分布データを取得した。これより、各試料の分子量300万以上の分子の割合及び分子量3万以下の分子の割合を得た。
・試料の調製
ポリオレフィン微多孔膜に無機粒子が含まれる場合は、90℃に加熱した苛性ソーダ中に30分間浸漬して無機粒子を除去した後、流水で3時間洗浄し、10時間乾燥させたものを試料とした。
試料を秤量し、濃度が1mg/mlになるように溶離液1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)を加えた。高温溶解器を用いて、160℃で30分静置したのち、160℃で1時間揺動させ、試料がすべて溶解したことを目視で確認した。160℃のまま、0.5μmフィルターでろ過し、ろ液をGPC測定試料とした。
・GPC測定
GPC装置として、Agilent社製のPL−GPC220(商標)を用い、東ソー(株)製のTSKgel GMHHR−H(20)HT(商標)の30cmカラム2本を使用し、上記で調整したGPC測定試料500μlを測定機に注入し、160℃にてGPC測定を行った。
なお、標準物質として市販の分子量既知の単分散ポリスチレンを用いて検量線を作成し、求められた各試料のポリスチレン換算の分子量分布データを取得した。これより、各試料の分子量300万以上の分子の割合及び分子量3万以下の分子の割合を得た。
〈示差走査熱量測定(DSC)〉
島津製作所社製、示差走査熱量測定(DSC)装置DSC−60(商標)を用いて、融解ピーク温度及び融解熱量(ΔHm)を測定した。約3.0〜4.0mgの試料を直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに敷き詰め、クランピングカバーを乗せサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温し(1回目の融解)、試料を200℃で5分間保持した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温した。続いて、試料を30℃で5分間保持した後、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで再度昇温し(2回目の融解)、融解吸熱曲線を得た。2回目の融解時の融解吸熱曲線において極大となる温度を融解ピーク温度とした。また、得られた2回目の融解時の融解吸熱曲線について、85℃〜175℃の範囲に直線ベースラインを設定し、係る直線ベースラインと吸熱融解曲線とで囲まれる部分の面積から熱量を算出し、これを試料質量当たりに換算して融解熱量を算出した。それぞれ得られた値の小数点以下第一位を四捨五入した値を、融解ピーク温度及び融解熱量(ΔHm)とした。
島津製作所社製、示差走査熱量測定(DSC)装置DSC−60(商標)を用いて、融解ピーク温度及び融解熱量(ΔHm)を測定した。約3.0〜4.0mgの試料を直径5mmのアルミ製オープンサンプルパンに敷き詰め、クランピングカバーを乗せサンプルシーラーでアルミパン内に固定した。窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで昇温し(1回目の融解)、試料を200℃で5分間保持した後、降温速度10℃/minで200℃から30℃まで降温した。続いて、試料を30℃で5分間保持した後、昇温速度10℃/minで30℃から200℃まで再度昇温し(2回目の融解)、融解吸熱曲線を得た。2回目の融解時の融解吸熱曲線において極大となる温度を融解ピーク温度とした。また、得られた2回目の融解時の融解吸熱曲線について、85℃〜175℃の範囲に直線ベースラインを設定し、係る直線ベースラインと吸熱融解曲線とで囲まれる部分の面積から熱量を算出し、これを試料質量当たりに換算して融解熱量を算出した。それぞれ得られた値の小数点以下第一位を四捨五入した値を、融解ピーク温度及び融解熱量(ΔHm)とした。
〈ポリプロピレンの割合〉
ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリプロピレンの割合は、赤外分光法(IR)やラマン分光法により求めることができる。例えば、ポリエチレンに対するポリプロピレンの割合を算出するには、IRスペクトルのポリエチレン由来の1473cm−1のピークとポリプロピレン由来の1376cm−1のピークをそれぞれのマーカーバンドとして、ポリプロピレン含有量既知の試料から作成した検量線に基づいて、ポリプロピレンの割合を算出することができる。中間層(A層)と表面層(B層)とでポリプロピレンの割合が違う場合は、ATR−IR法で表面層のポリプロピレンの割合を算出する方法や、ポリオレフィン微多孔膜断面の顕微IRまたは顕微ラマン分光測定により、それぞれの層のポリプロピレンの割合を求める方法が挙げられる。
ポリオレフィン微多孔膜に含まれるポリプロピレンの割合は、赤外分光法(IR)やラマン分光法により求めることができる。例えば、ポリエチレンに対するポリプロピレンの割合を算出するには、IRスペクトルのポリエチレン由来の1473cm−1のピークとポリプロピレン由来の1376cm−1のピークをそれぞれのマーカーバンドとして、ポリプロピレン含有量既知の試料から作成した検量線に基づいて、ポリプロピレンの割合を算出することができる。中間層(A層)と表面層(B層)とでポリプロピレンの割合が違う場合は、ATR−IR法で表面層のポリプロピレンの割合を算出する方法や、ポリオレフィン微多孔膜断面の顕微IRまたは顕微ラマン分光測定により、それぞれの層のポリプロピレンの割合を求める方法が挙げられる。
〈粘度平均分子量(Mv)〉
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を求めた。
ポリエチレン及びポリオレフィン微多孔膜のMvについては、次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
ポリプロピレンのMvについては、次式により算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
ASTM−D4020に基づき、デカリン溶媒における135℃での極限粘度[η](dl/g)を求めた。
ポリエチレン及びポリオレフィン微多孔膜のMvについては、次式により算出した。
[η]=6.77×10−4Mv0.67
ポリプロピレンのMvについては、次式により算出した。
[η]=1.10×10−4Mv0.80
〈膜厚(μm)〉
微小測厚器(東洋精機製 タイプKBM、端子径φ5mm)を用いて、雰囲気温度23±2℃で測定した。
微小測厚器(東洋精機製 タイプKBM、端子径φ5mm)を用いて、雰囲気温度23±2℃で測定した。
〈気孔率(%)〉
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、次式を用いて気孔率を計算した。
気孔率(%)=(体積−質量/混合組成物の密度)/体積×100
なお、混合組成物の密度は、用いたポリオレフィン樹脂と無機粒子の各々の密度と混合比より計算で求められる値を用いた。
10cm×10cm角の試料を微多孔膜から切り取り、その体積(cm3)と質量(g)を求め、それらと膜密度(g/cm3)より、次式を用いて気孔率を計算した。
気孔率(%)=(体積−質量/混合組成物の密度)/体積×100
なお、混合組成物の密度は、用いたポリオレフィン樹脂と無機粒子の各々の密度と混合比より計算で求められる値を用いた。
〈透気度(秒/100cc)〉
JIS P−8117に準拠し、東洋精機(株)製のガーレー式透気度計G−B2(商標)により測定した透気抵抗度を透気度とした。
JIS P−8117に準拠し、東洋精機(株)製のガーレー式透気度計G−B2(商標)により測定した透気抵抗度を透気度とした。
〈突刺強度(gf)〉
カトーテック社製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmの針を用いて、23℃±3℃の環境下、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として突刺強度(gf)を測定した。
カトーテック社製のハンディー圧縮試験器KES−G5(商標)を用いて、開口部の直径11.3mmの試料ホルダーで微多孔膜を固定した。次に固定された微多孔膜の中央部を、直径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmの針を用いて、23℃±3℃の環境下、突刺速度2mm/secの条件で突刺試験を行うことにより、最大突刺荷重として突刺強度(gf)を測定した。
〈釘刺し評価〉
以下の手順a〜cにより、正極、負極、及び非水電解液を調整した。
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%及びアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機を用いて圧縮成形することにより、正極を作製した。この時の正極活物質塗布量は109g/m2であった。
b.負極の作製
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%及びグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)及びジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形することにより、負極を作製した。この時の負極活物質塗布量は52g/m2であった。
c.非水電解液の調製
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより、非水電解液を調製した。
d.接着層の形成
以下の手順により、実施例及び比較例で得られたポリオレフィン微多孔膜上に、接着層を形成した。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水64部とペレックスSS−L(花王製アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム固形分45%)0.25部とを投入した。さらに、反応容器の温度を80℃に保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)を0.15部、上記反応容器に添加した。
添加した5分後に、以下のとおり作製した乳化液を、滴下槽から上記反応容器に150分かけて滴下した。
乳化液の作製:
メタクリル酸メチル(MMA)24部、アクリル酸ブチル(BA)34部、アクリル酸(AA)1.5部、n−ドデシルメルカプタン(nDDM)0.1部、ペレックスSS−L1.5部、過硫酸アンモニウム0.15部、および水69部を、ホモミキサーにより6000rpmで5分間混合して乳化液を作製した。
乳化液滴下終了後、反応容器の温度を80℃に保ったまま60分維持し、その後室温まで冷却した。次に、上記反応容器に25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.0に調整し、さらに水を加え、固形分含有率を40質量%に調整し、接着塗工液としてのアクリルエマルジョンを得た。
得られた接着塗工液7.5質量部を92.5質量部の水に均一に分散させて塗布液を調製し、ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面にグラビアコーターを用いて塗布した。60℃にて乾燥して水を除去した。さらに、もう片面も同様にして塗布液を塗工し、乾燥させることにより、接着層を有する蓄電デバイス用セパレータを得た。
e.電池作製
上記a〜cで得られた正極、負極、及び非水電解液、並びに上記dで得られたセパレータを使用して、電流値1A(0.3C)、終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電したサイズ100mm×60mm、容量3Ahのラミネート型二次電池を作製した。
f.釘刺し評価
ラミネート型二次電池を、防爆ブース内の鉄板上に静置した。ラミネート型二次電池の中央部に、直径2.5mmの鉄製釘を、25℃前後の環境下で、3mm/秒の速度で貫通させ、釘は貫通した状態で維持した。ラミネート型二次電池の表面温度を測定し、その最高到達温度に基づいて以下のように評価した。
◎(良好) :50℃以下
〇(許容) :50℃超〜100℃以下
△(リスク有):100℃超〜120℃以下、又は発煙
×(不良) :120℃超、または発火、爆発
以下の手順a〜cにより、正極、負極、及び非水電解液を調整した。
a.正極の作製
正極活物質としてニッケル、マンガン、コバルト複合酸化物(NMC)(Ni:Mn:Co=1:1:1(元素比)、密度4.70g/cm3)を90.4質量%、導電助材としてグラファイト粉末(KS6)(密度2.26g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を1.6質量%及びアセチレンブラック粉末(AB)(密度1.95g/cm3、数平均粒子径48nm)を3.8質量%、並びにバインダとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)(密度1.75g/cm3)を4.2質量%の比率で混合し、これらをN−メチルピロリドン(NMP)中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを、正極集電体となる厚さ20μmのアルミニウム箔の片面にダイコーターを用いて塗布し、130℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機を用いて圧縮成形することにより、正極を作製した。この時の正極活物質塗布量は109g/m2であった。
b.負極の作製
負極活物質としてグラファイト粉末A(密度2.23g/cm3、数平均粒子径12.7μm)を87.6質量%及びグラファイト粉末B(密度2.27g/cm3、数平均粒子径6.5μm)を9.7質量%、並びにバインダとしてカルボキシメチルセルロースのアンモニウム塩1.4質量%(固形分換算)(固形分濃度1.83質量%水溶液)及びジエンゴム系ラテックス1.7質量%(固形分換算)(固形分濃度40質量%水溶液)を精製水中に分散させてスラリーを調製した。このスラリーを負極集電体となる厚さ12μmの銅箔の片面にダイコーターで塗布し、120℃において3分間乾燥した後、ロールプレス機で圧縮成形することにより、負極を作製した。この時の負極活物質塗布量は52g/m2であった。
c.非水電解液の調製
エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート=1:2(体積比)の混合溶媒に、溶質としてLiPF6を濃度1.0mol/Lとなるように溶解させることにより、非水電解液を調製した。
d.接着層の形成
以下の手順により、実施例及び比較例で得られたポリオレフィン微多孔膜上に、接着層を形成した。
撹拌機、還流冷却器、滴下槽および温度計を取りつけた反応容器に、水64部とペレックスSS−L(花王製アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム固形分45%)0.25部とを投入した。さらに、反応容器の温度を80℃に保ったまま、過硫酸アンモニウム(2%水溶液)を0.15部、上記反応容器に添加した。
添加した5分後に、以下のとおり作製した乳化液を、滴下槽から上記反応容器に150分かけて滴下した。
乳化液の作製:
メタクリル酸メチル(MMA)24部、アクリル酸ブチル(BA)34部、アクリル酸(AA)1.5部、n−ドデシルメルカプタン(nDDM)0.1部、ペレックスSS−L1.5部、過硫酸アンモニウム0.15部、および水69部を、ホモミキサーにより6000rpmで5分間混合して乳化液を作製した。
乳化液滴下終了後、反応容器の温度を80℃に保ったまま60分維持し、その後室温まで冷却した。次に、上記反応容器に25%アンモニア水溶液を添加してpHを8.0に調整し、さらに水を加え、固形分含有率を40質量%に調整し、接着塗工液としてのアクリルエマルジョンを得た。
得られた接着塗工液7.5質量部を92.5質量部の水に均一に分散させて塗布液を調製し、ポリオレフィン樹脂多孔膜の表面にグラビアコーターを用いて塗布した。60℃にて乾燥して水を除去した。さらに、もう片面も同様にして塗布液を塗工し、乾燥させることにより、接着層を有する蓄電デバイス用セパレータを得た。
e.電池作製
上記a〜cで得られた正極、負極、及び非水電解液、並びに上記dで得られたセパレータを使用して、電流値1A(0.3C)、終止電池電圧4.2Vの条件で3時間定電流定電圧(CCCV)充電したサイズ100mm×60mm、容量3Ahのラミネート型二次電池を作製した。
f.釘刺し評価
ラミネート型二次電池を、防爆ブース内の鉄板上に静置した。ラミネート型二次電池の中央部に、直径2.5mmの鉄製釘を、25℃前後の環境下で、3mm/秒の速度で貫通させ、釘は貫通した状態で維持した。ラミネート型二次電池の表面温度を測定し、その最高到達温度に基づいて以下のように評価した。
◎(良好) :50℃以下
〇(許容) :50℃超〜100℃以下
△(リスク有):100℃超〜120℃以下、又は発煙
×(不良) :120℃超、または発火、爆発
〈ガス発生試験〉
ラミネートシートを一定サイズに切り出し、インパルスシーラーによりパック状(6cm×8cm)にした(以下、「ラミパック」という。)。10cm×10cmに裁断したポリオレフィン微多孔膜3枚を折りたたんでラミパックに挿入し、80℃にて12時間真空乾燥させた。電解液(LIPASTE−E2MEC/PF1:富山薬品工業製)0.4mLを入れてラミパックの開口部をシーラーによりシールした。
これを85℃に設定したオーブンに3日間保存し、試験前後の重量を測定し、アルキメデス法により容積を算出した。重量は水の密度(20℃:0.9982g/cm3)にて換算した。(アルキメデス法:F=−ρVg)
ガス発生量=試験後容積−試験前容積
各ポリオレフィン微多孔膜につき2回の測定を行い、そのガス発生量の平均値が1.2mL以上のものを×、0.8mL以上1.2mL未満のものを△、0.8mL未満のものを○とした。
ラミネートシートを一定サイズに切り出し、インパルスシーラーによりパック状(6cm×8cm)にした(以下、「ラミパック」という。)。10cm×10cmに裁断したポリオレフィン微多孔膜3枚を折りたたんでラミパックに挿入し、80℃にて12時間真空乾燥させた。電解液(LIPASTE−E2MEC/PF1:富山薬品工業製)0.4mLを入れてラミパックの開口部をシーラーによりシールした。
これを85℃に設定したオーブンに3日間保存し、試験前後の重量を測定し、アルキメデス法により容積を算出した。重量は水の密度(20℃:0.9982g/cm3)にて換算した。(アルキメデス法:F=−ρVg)
ガス発生量=試験後容積−試験前容積
各ポリオレフィン微多孔膜につき2回の測定を行い、そのガス発生量の平均値が1.2mL以上のものを×、0.8mL以上1.2mL未満のものを△、0.8mL未満のものを○とした。
《実施例1》
〈ポリオレフィン微多孔膜の製造〉
二種三層積層構造(B層−A層−B層)のポリオレフィン微多孔膜を、以下の手順で作製した。表面層(B層)の樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン80重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン20重量部であった。中間層(A層)の樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布6.0のポリエチレン100重量部であった。各層の樹脂組成に、酸化防止剤として、0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた各混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が40:60となるように押出した。押出後、ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.3mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で124℃の条件でMD7倍×TD6倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後、シートを乾燥し、テンター延伸機により120℃の条件で幅方向(TD方向)に歪速度9.0%/secで1.5倍延伸した。その後、この延伸シートを133℃の条件でTD延伸後の幅から0.9倍になるように歪速度2.0%/secで幅方向(TD方向)に緩和する熱処理を行い、表面層(B層)の二層が同一の組成で、中間層(A層)が異なる組成の二種三層積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜を得た。
〈ポリオレフィン微多孔膜の製造〉
二種三層積層構造(B層−A層−B層)のポリオレフィン微多孔膜を、以下の手順で作製した。表面層(B層)の樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン80重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン20重量部であった。中間層(A層)の樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布6.0のポリエチレン100重量部であった。各層の樹脂組成に、酸化防止剤として、0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた各混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が40:60となるように押出した。押出後、ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.3mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で124℃の条件でMD7倍×TD6倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後、シートを乾燥し、テンター延伸機により120℃の条件で幅方向(TD方向)に歪速度9.0%/secで1.5倍延伸した。その後、この延伸シートを133℃の条件でTD延伸後の幅から0.9倍になるように歪速度2.0%/secで幅方向(TD方向)に緩和する熱処理を行い、表面層(B層)の二層が同一の組成で、中間層(A層)が異なる組成の二種三層積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例2》
Tダイからの押出時に表面層(B層)の合計厚みと中間層(A層)の厚みとの比が20:80となるように押出したこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
Tダイからの押出時に表面層(B層)の合計厚みと中間層(A層)の厚みとの比が20:80となるように押出したこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例3》
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン95重量部、ポリプロピレン5重量部としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン95重量部、ポリプロピレン5重量部としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例4》
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン73重量部、ポリプロピレン27重量部とし、緩和処理時の温度を138℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン73重量部、ポリプロピレン27重量部とし、緩和処理時の温度を138℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例5》
中間層(A層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布6.0のポリエチレン98重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン2重量部としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
中間層(A層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布6.0のポリエチレン98重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン2重量部としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例6》
表面層(B層)に、融点135℃、粘度平均分子量70万、分子量分布3.0のポリエチレン、及び融点165℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布6.0のポリプロピレンを使用し、中間層(A層)に、融点135℃、粘度平均分子量70万、分子量分布3.0のポリエチレンを使用し、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を12.0%/sec、緩和処理を、歪速度0.5%/sec、温度132℃で行ったこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)に、融点135℃、粘度平均分子量70万、分子量分布3.0のポリエチレン、及び融点165℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布6.0のポリプロピレンを使用し、中間層(A層)に、融点135℃、粘度平均分子量70万、分子量分布3.0のポリエチレンを使用し、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を12.0%/sec、緩和処理を、歪速度0.5%/sec、温度132℃で行ったこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例7》
表面層(B層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン71重量部、及び融点160℃、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン25重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を4重量部とし、緩和処理時の温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン71重量部、及び融点160℃、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン25重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を4重量部とし、緩和処理時の温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例8》
表面層(B層)に、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレン、及び融点155℃、融解熱量(ΔHm)80J/g、粘度平均分子量20万、分子量分布6.0のポリプロピレンを使用し、中間層(A層)に、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用し、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を4.0%/sec、緩和処理を、歪速度3.5%/sec、温度138℃で行ったこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)に、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレン、及び融点155℃、融解熱量(ΔHm)80J/g、粘度平均分子量20万、分子量分布6.0のポリプロピレンを使用し、中間層(A層)に、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用し、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を4.0%/sec、緩和処理を、歪速度3.5%/sec、温度138℃で行ったこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《実施例9》
実施例1に記載のA層の樹脂組成を用い、酸化防止剤として0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押し出して、三層積層構造(A層−A層−A層)のポリオレフィン微多孔膜を作製した。実施例1に記載のB層の樹脂組成を用い、酸化防止剤として0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押し出して、三層積層構造(B層−B層−B層)のポリオレフィン微多孔膜を2ロール作製した。得られた三層積層構造膜(A層−A層−A層)及び三層積層構造膜(B層−B層−B層)を、それぞれ繰出しロールから5m/minで繰出し、九層積層構造(B層−B層−B層/A層−A層−A層/B層−B層−B層)となるように積層したのち、金属性の加熱ロールに導いて、ロール温度145℃のロール間でニップすることで熱圧着した。続いて、同速度で25℃の冷却ロールを経て巻き取り、九層積層構造のポリオレフィン微多孔膜を得た。積層時は、それぞれの膜にたるみ、折れ、シワ等が生じないように繰出し張力を調整し、またそれぞれの膜の弾性回復率が実質的に低下しないように加熱ロール間の線圧を調整した。
実施例1に記載のA層の樹脂組成を用い、酸化防止剤として0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押し出して、三層積層構造(A層−A層−A層)のポリオレフィン微多孔膜を作製した。実施例1に記載のB層の樹脂組成を用い、酸化防止剤として0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、それぞれ、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押し出して、三層積層構造(B層−B層−B層)のポリオレフィン微多孔膜を2ロール作製した。得られた三層積層構造膜(A層−A層−A層)及び三層積層構造膜(B層−B層−B層)を、それぞれ繰出しロールから5m/minで繰出し、九層積層構造(B層−B層−B層/A層−A層−A層/B層−B層−B層)となるように積層したのち、金属性の加熱ロールに導いて、ロール温度145℃のロール間でニップすることで熱圧着した。続いて、同速度で25℃の冷却ロールを経て巻き取り、九層積層構造のポリオレフィン微多孔膜を得た。積層時は、それぞれの膜にたるみ、折れ、シワ等が生じないように繰出し張力を調整し、またそれぞれの膜の弾性回復率が実質的に低下しないように加熱ロール間の線圧を調整した。
《比較例1》
単層(A層のみ)のポリオレフィン微多孔膜を、以下の手順で作製した。樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレン90重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン10重量部であった。酸化防止剤として、0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押出した。押出後、ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.3mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で118℃の条件でMD7倍×TD7倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後、シートを乾燥し、テンター延伸機により120℃の条件で幅方向(TD方向)に歪速度16.0%/secで1.5倍延伸した。その後、この延伸シートを133℃の条件でTD延伸後の幅から0.9倍になるように歪速度0.4%/secで幅方向(TD方向)に緩和する熱処理を行い、単層のポリオレフィン微多孔膜を得た。
単層(A層のみ)のポリオレフィン微多孔膜を、以下の手順で作製した。樹脂組成は、融点135℃、粘度平均分子量50万、分子量分布6.0のポリエチレン90重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン10重量部であった。酸化防止剤として、0.3重量部のテトラキス−(メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンを混合した。得られた混合物を、口径25mm、L/D=48の二軸押出機にフィーダーを介して投入した。更に孔形成材として流動パラフィン(37.78℃における動粘度75.90cSt)200重量部をサイドフィードでそれぞれの押出機に注入し、200℃、200rpmの条件で混練し、押出機先端に設置した共押出可能なTダイから押出した。押出後、ただちに25℃に冷却したキャストロールで冷却固化させ、厚さ1.3mmのシートを成形した。このシートを同時二軸延伸機で118℃の条件でMD7倍×TD7倍に延伸した後、塩化メチレンに浸漬して流動パラフィンを抽出除去した。その後、シートを乾燥し、テンター延伸機により120℃の条件で幅方向(TD方向)に歪速度16.0%/secで1.5倍延伸した。その後、この延伸シートを133℃の条件でTD延伸後の幅から0.9倍になるように歪速度0.4%/secで幅方向(TD方向)に緩和する熱処理を行い、単層のポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例2》
124℃の条件でMD7倍×TD6倍に同時二軸延伸を行い、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を7.0%/sec、緩和処理を、歪速度0.9%/secで行ったこと以外は比較例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
124℃の条件でMD7倍×TD6倍に同時二軸延伸を行い、テンター延伸機での熱固定処理における延伸時の歪速度を7.0%/sec、緩和処理を、歪速度0.9%/secで行ったこと以外は比較例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例3》
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン60重量部、ポリプロピレン40重量部とし、緩和処理時の温度を137℃とした以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン60重量部、ポリプロピレン40重量部とし、緩和処理時の温度を137℃とした以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例4》
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン20重量部、ポリプロピレン80重量部とし、緩和処理時の温度を140℃とした以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン20重量部、ポリプロピレン80重量部とし、緩和処理時の温度を140℃とした以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例5》
実施例1における表面層の樹脂組成と中間層の樹脂組成を入れ替えたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
実施例1における表面層の樹脂組成と中間層の樹脂組成を入れ替えたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例6》
表面層(B層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン85重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン7重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を8重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が25:75となるように押出し、緩和処理時の温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成を、融点135℃、粘度平均分子量60万、分子量分布5.0のポリエチレン85重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン7重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を8重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が25:75となるように押出し、緩和処理時の温度を140℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例7》
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン24重量部、ポリプロピレン6重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を70重量部とし、押出機に注入する流動パラフィンを樹脂100重量部に対して185重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が25:75となるように押出し、緩和処理時の温度を145℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)の樹脂組成をポリエチレン24重量部、ポリプロピレン6重量部、平均一次粒径が15nmであるシリカ「DM10C」(商標、トクヤマ社製。ジメチルジクロロシランで疎水処理実施)を70重量部とし、押出機に注入する流動パラフィンを樹脂100重量部に対して185重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が25:75となるように押出し、緩和処理時の温度を145℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例8》
表面層及び中間層に含まれるポリエチレンとして、融点135℃、粘度平均分子量90万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用したこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層及び中間層に含まれるポリエチレンとして、融点135℃、粘度平均分子量90万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用したこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例9》
同時二軸延伸時の倍率をMD10倍×TD4倍としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
同時二軸延伸時の倍率をMD10倍×TD4倍としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例10》
表面層(B層)に、融点146℃、融解熱量(ΔHm)70J/g、粘度平均分子量19万、分子量分布10.0のポリプロピレンを使用し、緩和処理時の温度を132℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層(B層)に、融点146℃、融解熱量(ΔHm)70J/g、粘度平均分子量19万、分子量分布10.0のポリプロピレンを使用し、緩和処理時の温度を132℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例11》
表面層及び中間層に含まれるポリエチレンとして、融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用し、押出機に注入する流動パラフィンを樹脂100重量部に対して150重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が36:64となるように押出し、同時二軸延伸時の倍率をMD7倍×TD7倍とし、緩和処理時の温度を120℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
表面層及び中間層に含まれるポリエチレンとして、融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを使用し、押出機に注入する流動パラフィンを樹脂100重量部に対して150重量部とし、Tダイからの押出時に表面層の合計厚みと中間層の厚みとの比が36:64となるように押出し、同時二軸延伸時の倍率をMD7倍×TD7倍とし、緩和処理時の温度を120℃としたこと以外は実施例1と同様の条件でポリオレフィン微多孔膜を得た。
《比較例12》
融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを38.8重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン1.2重量部、流動パラフィン60重量部%を先端にT−ダイを装着した押出機で溶融混練した後押し出して、厚さ1.3mmのシートを作成した。このシートを縦横同時に延伸し、厚さ20μmのシートを作製した。このシートをメチルエチルケトン(MEK)中に浸漬し流動パラフィンを抽出除去した後で乾燥させて、厚さ18μmの微多孔膜Bを作製した。また、融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを45.0重量部、流動パラフィン55.0重量部%を先端にT−ダイを装着した押出機で溶融混練した後押出して、厚さ1.3mmのシートを作成した。このシートを縦横同時に延伸し、厚さ20μmのシートを作製した。このシートをメチルエチルケトン(MEK)中に浸漬し流動パラフィンを抽出除去した後で乾燥させて、厚さ18μmの微多孔膜Aを作製した。微多孔膜B/微多孔膜A/微多孔膜Bの形態に3枚積層し、110℃に加熱された数本のロールを通しながら縦方向に3倍延伸し、その後122℃に加熱された数本のロールを通して熱処理を行い3枚積層した縦延伸膜を作製した。続いて、縦延伸膜を118℃に加熱されたテンターにて横方向に2倍延伸し、続いて同テンター内の128℃に加熱された領域にて熱処理しながら1.8倍まで強制的に緩和させて厚さ15μmのB/A/B型の3枚積層微多孔膜を作製した。
融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを38.8重量部、及び融点160℃、融解熱量(ΔHm)85J/g、粘度平均分子量40万、分子量分布10.0のポリプロピレン1.2重量部、流動パラフィン60重量部%を先端にT−ダイを装着した押出機で溶融混練した後押し出して、厚さ1.3mmのシートを作成した。このシートを縦横同時に延伸し、厚さ20μmのシートを作製した。このシートをメチルエチルケトン(MEK)中に浸漬し流動パラフィンを抽出除去した後で乾燥させて、厚さ18μmの微多孔膜Bを作製した。また、融点135℃、粘度平均分子量25万、分子量分布6.0のポリエチレンを45.0重量部、流動パラフィン55.0重量部%を先端にT−ダイを装着した押出機で溶融混練した後押出して、厚さ1.3mmのシートを作成した。このシートを縦横同時に延伸し、厚さ20μmのシートを作製した。このシートをメチルエチルケトン(MEK)中に浸漬し流動パラフィンを抽出除去した後で乾燥させて、厚さ18μmの微多孔膜Aを作製した。微多孔膜B/微多孔膜A/微多孔膜Bの形態に3枚積層し、110℃に加熱された数本のロールを通しながら縦方向に3倍延伸し、その後122℃に加熱された数本のロールを通して熱処理を行い3枚積層した縦延伸膜を作製した。続いて、縦延伸膜を118℃に加熱されたテンターにて横方向に2倍延伸し、続いて同テンター内の128℃に加熱された領域にて熱処理しながら1.8倍まで強制的に緩和させて厚さ15μmのB/A/B型の3枚積層微多孔膜を作製した。
本実施形態のポリオレフィン微多孔膜は、リチウムイオン二次電池用セパレータとして、特にラミネート型リチウムイオン二次電池用セパレータとして好適に利用することができる。本実施形態に係るポリオレフィン微多孔膜を含むセパレータは、電池異常時における発熱による熱暴走を効果的に抑制することができ、より安全性が高い。
10 ポリオレフィン微多孔膜
11 穴
12 変色部
20 はんだごて
30 ステージ
31 サンプル台
32 はんだごて保持部
40 サンプルホルダー
11 穴
12 変色部
20 はんだごて
30 ステージ
31 サンプル台
32 はんだごて保持部
40 サンプルホルダー
Claims (7)
- ポリオレフィンを含むA層と、その両側にポリオレフィンを含むB層を少なくとも1層ずつ備える積層構造を有するポリオレフィン微多孔膜であって、
前記A層に含まれるポリプロピレンは0質量%以上3質量%未満であり、前記B層は前記A層より多くのポリプロピレンを含み、前記B層に含まれるポリプロピレンは1質量%以上30質量%未満であり、
前記ポリオレフィン微多孔膜の総厚みに対する前記A層の厚みの割合が40%〜90%であり、
前記B層中の無機粒子の含有率が5質量%未満である、ポリオレフィン微多孔膜であり、
前記ポリオレフィン微多孔膜に、直径1mm、温度200℃のはんだごてを突き刺し、前記はんだごてを突き刺した状態で3秒間保持して抜き取る200℃はんだ試験において、前記ポリオレフィン微多孔膜に穴と変色部とが形成され、穴面積が2.00mm2以上6.00mm2以下であり、かつ前記穴面積に対する、前記穴面積及び前記変色部の合計面積の比が1.00以上2.20以下である、ポリオレフィン微多孔膜。 - 前記B層に含まれるポリプロピレンは3質量%以上30質量%未満であり、前記200℃はんだ試験における前記穴面積が2.20mm2以上5.75mm2以下であり、かつ前記穴面積に対する、前記穴面積及び前記変色部の合計面積の比が1.20以上2.20以下である、請求項1に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- MD及びTD方向の熱機械分析(TMA)最大収縮応力が3.0g以下である、請求項1又は2に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記ポリオレフィン微多孔膜の、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定の積分曲線における分子量300万以上の分子の割合が10質量%以下であり、かつ分子量3万以下の分子の割合が3.0質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記200℃はんだ試験での穴のアスペクト比が1.00以上1.30以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- 前記ポリプロピレンの示差走査熱量測定(DSC)で得られる2回目の融解時の融解ピーク温度が155℃以上であり、かつ融解熱量(ΔHm)が80J/g以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜。
- ラミネートフィルムで構成される外装体の中に、正極と負極とが、請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリオレフィン微多孔膜を介して積層された構造を少なくとも一つ有する、ラミネート型リチウムイオン二次電池。
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