JP6964938B2 - スナップリングの支持構造 - Google Patents

スナップリングの支持構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6964938B2
JP6964938B2 JP2017133915A JP2017133915A JP6964938B2 JP 6964938 B2 JP6964938 B2 JP 6964938B2 JP 2017133915 A JP2017133915 A JP 2017133915A JP 2017133915 A JP2017133915 A JP 2017133915A JP 6964938 B2 JP6964938 B2 JP 6964938B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
snap ring
contact portion
rotation axis
abutment
support structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017133915A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019015356A (ja
Inventor
拓也 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Ltd
Original Assignee
JATCO Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Ltd filed Critical JATCO Ltd
Priority to JP2017133915A priority Critical patent/JP6964938B2/ja
Publication of JP2019015356A publication Critical patent/JP2019015356A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6964938B2 publication Critical patent/JP6964938B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Snaps, Bayonet Connections, Set Pins, And Snap Rings (AREA)
  • Mechanical Operated Clutches (AREA)

Description

本発明は、スナップリングの支持構造に関する。
特許文献1には、ワンウェイクラッチの外輪の回転軸方向の移動を、変速機ケースの内周で位置決めされたスナップリングで規制することが開示されている。
特開平10−131995号公報
この特許文献1では、ワンウェイクラッチのリング状の外輪が、変速機ケースの内周に回り止めされた状態で設けられている。
回転軸方向における外輪の一方側には、摩擦締結装置(ブレーキ)が設けられており、他方側には、摩擦締結装置(ブレーキ)から離れる方向へ外輪の移動を規制するスナップリングが設けられている。
スナップリングは、周方向の一箇所に合口を有する環状部材であり、このスナップリングは、合口の周方向の幅を狭める方向に変形可能である。
そのため、スナップリングは、合口の周方向の幅を狭める方向の応力が作用すると、変形して外径が小さくなる。
スナップリングは、変速機ケースの内周に設けた係合溝に、外周側を圧接させて設けられており、スナップリングの係合溝への配置は、以下の手順にて行われる。
(a)スナップリングに合口の周方向の幅を狭める方向の応力を作用させて、スナップリングを、外径を狭める方向に変形させる。
(b)外径が狭められたスナップリングを、係合溝の内径側に配置する。
(c)スナップリングに作用させていた応力を開放することで、変形の解消により外径が大きくなったスナップリングの外周側を係合溝の内周に圧接させる。
ここで、特許文献1の摩擦締結装置(ブレーキ)が作動すると、変速機ケースの内周にスプライン嵌合した外径側摩擦板と、回転体の外周にスプライン嵌合した内径側摩擦板とが、ピストンと、ワンウェイクラッチの外輪との間に挟み込まれて、外径側摩擦板と内径側摩擦板とが相対回転不能に締結される。
この状態において、ワンウェイクラッチの外輪には、回転軸周りの周方向の応力(トルク)が作用するが、回転体に入力される回転トルクの変動が大きい場合には、外輪に作用する回転軸周りの周方向の応力が、経時的に大きく変動することになる。
この大きく変動する周方向の応力は、外輪に当接したスナップリングにも作用することになるが、この応力が作用する方向は、合口を有するスナップリングを、合口を狭める形状に変形させる方向(撓ませる方向)でもある。
そのため、スナップリングが、周方向の応力の経時的な変動に連動して、合口を狭める形状に変形して、スナップリングの外径が変速機ケースの係合溝の内径より小さくなると、スナップリングが係合溝から脱落してしまうことがある。
そこで、外径が小さくなる形状へのスナップリングの変形を規制して、スナップリングの脱落を防止することが求められている。
本発明のある態様は、
合口を有するスナップリングの支持構造であって、
前記スナップリングの係合溝を内周に有する環状部材と、
前記係合溝に係合させた前記スナップリングの合口に挿入されて、外径が小さくなる形
状への前記スナップリングの変形を規制する規制部材と、を有し、
前記規制部材は、前記環状部材に設けた連通孔に係止される係止片を有し、
前記環状部材は、前記連通孔が、前記係合溝から前記スナップリングの中心軸方向に離間した位置に設けられており、
前記規制部材は、前記環状部材の内周に沿って前記連通孔に近づく方向に延びる延出部を有しており、
前記延出部に、前記係止片が設けられている構成のスナップリングの支持構造である。

本発明によれば、規制部材により、外径が小さくなる形状へのスナップリングの変形が規制される。
スナップリングが係合溝から脱落するためには、スナップリングが、合口を狭めて環状部材の内径よりも小さい外径となる形状まで変形する必要がある。そのため、規制部材によりスナップリングの変形を阻止することで、スナップリングが、係合溝から脱落することを好適に防止できる。
実施の形態にかかるスナップリングの支持構造を説明する図である。 実施の形態にかかるスナップリングの支持構造を説明する図である。 実施の形態にかかるスナップリングを説明する図である。 実施の形態にかかるクリップを説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態を、車両用自動変速機が備える摩擦締結装置であるクラッチ3に適用した場合を例に挙げて説明する。
図1は、実施の形態にかかるスナップリング2の支持構造1を説明する模式図である。
図1の(a)は、実施の形態にかかるスナップリング2の支持構造1を採用したクラッチ3(摩擦締結装置)の要部を拡大して示した断面を模式的に示すである。
図1の(b)は、図1の(a)におけるA−A矢視図である。
図1の(c)は、クラッチ3におけるスナップリング2の合口20の位置を説明する図であり、図1の(b)におけるクリップ4の記載を省略したものである。
図2は、実施の形態にかかるスナップリング2の支持構造1の分解斜視図である。
変速機ケース(図示せず)の内部では、駆動源(図示せず)から入力される回転駆動力の伝達経路上に、複数の摩擦板を有するクラッチ3が設けられている。
[クラッチ3]
図1の(a)に示すように、クラッチ3は、クラッチハブ30の外周にスプライン嵌合した内径側摩擦板31と、クラッチドラム39の内周にスプライン嵌合した外径側摩擦板32と、クラッチドラム39の内周にスプライン嵌合したリテーニングプレート34と、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とを回転軸Xの軸方向(以下、回転軸X方向と標記する。)に押圧するピストン35と、を有している。
クラッチドラム39は、円筒状の周壁部391と、当該周壁部391の回転軸X方向の一端から内径側に延びる底壁部390と、を有している。断面視においてクラッチドラム39は、有底円筒形状を成している。
図1の(b)に示すように、クラッチドラム39の周壁部391は、回転軸X方向から見て外径側に位置するスプライン山部391aと、内径側に位置するスプライン谷部391bとを、回転軸X周りの周方向に交互に連ねて形成されている。周壁部391の内周と外周には、回転軸X方向に沿ってスプラインが形成されている。
図1の(c)に示すように、リテーニングプレート34の外周とスプライン山部391aの内周は、回転軸Xの径方向に空間Tを空けて配置されている。
外径側摩擦板32とクラッチドラム39の内周とのスプライン嵌合でも同様である。
図1の(a)に示すように、クラッチドラム39のスプライン山部391aには、回転軸X方向で周壁部391の先端392から底壁部390側にオフセットした位置に、クラッチドラム39の内周と外周を連通する連通孔37(油孔)が形成されている。
ここで、クラッチ3では、ピストン35が回転軸X方向に変位して、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とを回転軸X方向に押圧すると、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とが、ピストン35とリテーニングプレート34との間で相対回転不能に締結される。
そして、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とが相対回転不能に締結されると、クラッチ3が締結状態となって、クラッチハブ30とクラッチドラム39との間で回転(回転トルク)が伝達される。
この際に、リテーニングプレート34には、ピストン35の押圧力が、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とを介して作用する。よって、リテーニングプレート34はピストン35から離れる方向へ移動する。
図1の(a)に示すように、上記リテーニングプレート34のピストン35から離れる方向への移動を規制するために、クラッチドラム39の内周には、スナップリング2が係合している。
クラッチドラム39は、周壁部391の先端392から回転軸X方向の連通孔37側にオフセットした位置に係合溝394を有している。スナップリング2は、この係合溝394に係合している。この状態において、スナップリング2は、当該スナップリング2の中心軸を、クラッチドラム39の回転軸Xに一致させて設けられている。
以下の説明では、説明の便宜上、スナップリング2の中心軸をクラッチドラム39の回転軸Xと同じ符号を用いて、回転軸Xと標記する。
[スナップリング2]
以下、スナップリング2について説明する。
図3は、実施の形態にかかるスナップリング2を説明する図である。
図3の(a)は、スナップリング2における合口20近傍を説明する図である。
図3の(b)は、図3の(a)のA−A矢視図である。仮想線は、外径が狭まる方向に変形したスナップリング2の形状を示すものである。
なお、スナップリング2の位置関係を分かりやすくするために、図3の(a)では、クラッチドラム39の一部を仮想線で記載してある。図3の(b)では、リテーニングプレート34の一部を仮想線で記載してある。
図3の(a)に示すように、回転軸X方向から見て環状をなすスナップリング2は、回転軸X周りの周方向の一箇所に、合口20を有する。
この合口20は、スナップリング2の回転軸X周りの周方向における所定範囲を切欠いて形成したものである。
合口20を挟んで回転軸X周りの周方向で対向するスナップリング2の両側縁21、22は、回転軸Xに直交する直径線Lmにそれぞれ平行な直線L1、L2に沿う平坦面となっている。そして、回転軸X周りの周方向における両側縁21、22の間隔(以下、合口20の幅Wsと標記する)は、直径線Lm方向の全長に亘って均一である。
図3の(a)に示すように、スナップリング2の回転軸Xの径方向の幅Wrは、回転軸X周りの周方向の全周に亘って同じ幅である。
図3の(b)に示すように、スナップリング2の回転軸X方向の厚みWxは、回転軸X周りの周方向の全周に亘って同じ厚みである。
回転軸X方向におけるスナップリング2の一方の面2aと他方の面2bは、回転軸Xに直交する平坦面である。スナップリング2の他方の面2bは、回転軸X方向でリテーニングプレート34と対向している。
ここで、図3の(a)の仮想線に示すように、スナップリング2は合口20の幅Wsを狭める方向の応力が作用すると、変形して合口20近傍の外径が小さくなる。
スナップリング2は、クラッチドラム39の係合溝394に、外周側を圧接させて係合される。スナップリング2の係合溝394への係合は、以下の手順にて行われる。
(a)スナップリング2に合口20の幅をWsからWs’へと狭める方向の応力を作用させて(Ws>Ws’)、スナップリング2の合口20近傍の外径をrからr’へと狭める方向(r>r’)に変形させる(図3の(a)の仮想線参照)。
(b)外径が狭められたスナップリング2を、係合溝394(図1の(a)参照)の内径側に配置する。
(c)回転軸X周りの周方向におけるスナップリング2の合口20の位置を、スプライン山部391aと一致させる(図1の(c)、図3の(a)参照)。
(d)スナップリング2に作用させていた応力を開放することで、スナップリング2は、変形の解消により外径が元に戻る方向に広がる。これにより、スナップリング2の外周側は係合溝394の内周に圧接する(図3の(a)の実線参照)。
これにより、スナップリング2は、当該スナップリング2の外周側でクラッチドラム39の係合溝394に係合される。この状態において、スナップリング2の他方の面2bはリテーニングプレート34に回転軸X方向で対向する(図3の(b)参照)。
図1の(c)に示すように、回転軸X方向から見て、スナップリング2の合口20とスプライン山部391aは、回転軸Xに直交する直径線Lm上に位置する。スナップリング2の合口20は、回転軸Xの径方向で空間Tと連通する。
ここで、スナップリング2の合口20の幅Wsを狭める方向への変形は、上記のとおりスナップリング2を係合溝394へ係合させる場合に有効である。しかし、スナップリング2が係合溝394への係合が完了した後、スナップリング2が合口20の幅Wsを狭める方向へ変形することは、当該スナップリング2がクラッチドラム39の係合溝394から脱落する原因となる(図3の(a)の仮想線参照)。
例えば、クラッチ3が締結状態であるときに、クラッチ3を介して伝達される回転駆動力(回転トルク)が大きく変動すると、内径側摩擦板31と外径側摩擦板32とに回転軸X周りの周方向の捻れ力が作用する。
この捻れ力は、リテーニングプレートを介してスナップリングにも作用する。そうすると、捻れ力が作用したスナップリングは、合口の幅を狭める方向に変形して、外径が小さくなる結果、クラッチドラムの内周の溝から脱落してしまう。
そこで、本実施形態にかかるスナップリング2の支持構造1では、スナップリング2の合口20にクリップ4を挿入している(図1の(a)、(b)参照)。このクリップ4によって、スナップリング2は合口20の幅Wsを狭める方向に変形することが規制されている。
これにより、クラッチドラム39の内周の係合溝394に外径側を係合させたスナップリング2が、係合溝394から脱落することを防止している。
[クリップ4]
以下、クリップ4について説明する。
図4は、実施の形態にかかるクリップ4を説明する模式図である。
図4の(a)は、クリップ4の斜視図である。
図4の(b)は、図4の(a)におけるクリップ4を面Aで切断した断面の模式図である。
図4の(c)は、クリップ4の上面図である。
図4の(d)は、クリップ4の正面図である。
[クリップ4]
図4に示すように、クリップ4は、均一な厚みT1の板状部材を折り曲げて一体に形成したものである。
図4の(d)に示すように、クリップ4は、正面視において矩形形状を成す基部40を有している。
ここで、詳細は後述するが、図1の(b)に示すように、クリップ4をスナップリング2の合口20に挿入すると、基部40は回転軸X周りの周方向でスナップリング2の両側縁21、22に挟まれた位置に配置される。
この場合、基部40は、短手方向が直径線Lmに沿う方向に配置され、長手方向が直径線Lmに直交する直線Lnに沿う方向に配置される。なお、直線Lnに沿う方向は、合口20を挟んだ回転軸X周りの周方向と略一致する。
そこで、図4の(d)に示すように、クリップ4では、正面視における基部40の短手方向を直径線Lm方向と標記し、基部40の長手方向を直線Ln方向と標記する。
図4の(d)に示すように、基部40は、直線Ln方向の一端に第1当接部41を有しており、他端に第2当接部42を有している。これら第1当接部41と第2当接部42は、基部40の厚み方向(図4の(c)における上下方向)における一方側に延びている。また、第1当接部41と第2当接部42は、直径線Lmにそれぞれ平行な直線L1、L2に沿う平坦面となっている(図4の(d)参照)。
直線Ln方向の第1当接部41と第2当接部42との間隔W1は、前記した合口20の幅Ws(図3の(a)参照)と略整合する間隔に設定されている(W1≒Ws)。この間隔W1は、直径線Lm方向の全長に亘って均一である。
図4の(d)に示すように、直径線Lm方向における第1当接部41の一端(図中、下側)には、第1規制壁415が設けられている。
また、直径線Lm方向における第2当接部42の一端(図中、下側)には、第2規制壁425が設けられている。
第1規制壁415は、直線Ln方向に沿って基部40から離れる方向に延びている。第2規制壁425は、直線Ln方向に沿って基部40から離れる方向に延びている。
図4の(c)に示すように、第1当接部41と第2当接部42は、基部40の厚み方向における一方側へ距離W2だけ延出している。
第1規制壁415と第2規制壁425における基部40の厚み方向の幅は、それぞれ第1当接部41と第2当接部42における基部40からの延出距離W2と略同じ幅となっている。
これら第1当接部41と第2当接部42並びに第1規制壁415と第2規制壁425は、前記したスナップリング2の回転軸X方向の厚みWx(図3の(b)参照)よりも大きい幅W2を有している(W2>Wx)。
また、図4の(d)に示すように、基部40の直径線Lm方向の一方側の側縁(図中、上方)には、延出部46が設けられている。
図4の(b)に示すように、延出部46は、基部40の厚み方向における他方側(図中、左側)に延出している。延出部46は、直径線Lmに直交する平坦面となっている。
延出部46の延出方向における途中位置には、延出部46の一部を直径線Lm方向に切り起こした係止片47が形成されている。
この係止片47は、延出部46の先端46a側から基端46b側に向かうにつれて、高さhが高くなるように切り起こされている(図4の(b)中、上側)。
以下、クリップ4のスナップリング2の合口20への挿入と、クリップ4の設置を説明する。
クリップ4のスナップリング2の合口20への挿入は、スナップリング2をクラッチドラム39の係合溝394に係合させた後に行う。
図2に示すように、クリップ4は、当該クリップ4の延出部46の先端46aをスナップリング2側に向けて、スナップリング2の合口20へ回転軸X方向に沿って挿入する。
クリップ4の延出部46は、リテーニングプレート34の外周とスプライン山部391aの内周の間の空間T(図1の(c)参照)に挿入される。延出部46が空間Tに挿入されると、係止片47が回転軸X方向でクラッチドラム39の連通孔37と係合する(図1の(a)参照)。これにより、クリップ4は回転軸X方向で位置決めされる。
正面視において矩形形状の基部40は、短手方向が直径線Lmに沿う方向に配置され、長手方向が直径線Lmに直交する直線Lnに沿う方向に配置される(図1の(b)参照)。
基部40の厚み方向は、回転軸Xに沿う方向となるように配置される(以下、基部40の厚み方向を回転軸X方向と標記する。)。
図1の(a)に示すように、第1当接部41と第2当接部42は、回転軸X方向における基部40の一方側に延びている。
ここで、クリップ4は、直線Ln方向における第1当接部41と第2当接部42との間隔W1(図4の(d)参照)が、合口20の幅Ws(図3の(a)参照)と略整合する幅に設定されている(W1≒Ws)。
従って、図1の(b)に示すように、クリップ4が合口20に挿入されると、直線Ln方向で第1当接部41がスナップリング2の一方側の側縁21と当接し、第2当接部42がスナップリング2の他方側の側縁22と当接する。
また、図1の(b)に示すように、第1規制壁415は、スナップリング2の内周に沿って合口20から離れる方向に延びている。第2規制壁425は、スナップリング2の内周に沿って合口20から離れる方向に延びている。
これにより、スナップリング2の合口20の幅をWsからWs’へ狭める方向への変形(図3の(a)の仮想線参照)は、クリップ4の第1当接部41と第2当接部42により規制される。
さらに、スナップリング2の一方側の端縁21と他方側の端縁22とが、回転軸Xの径方向で内径側に変位(図3の(a)の仮想線参照)することは、クリップ4の第1規制壁415と第2規制壁425により規制される。
従って、合口20近傍の外径がrからr’へと小さくなる形状へのスナップリング2の変形(図3の(a)の仮想線参照)が規制される。
これにより、クラッチ3が締結状態であるときに、回転トルクの変動による捻れ力が作用しても、クリップ4によって、スナップリング2は合口20の幅を狭める方向に変形できないようになっている。
よって、従来公知の合口のあるスナップリングのように、捻れ力が作用しても、変形して当該スナップリングの合口近傍の外径がクラッチドラムの内径よりも小さくなることが無い。
これにより、クラッチドラム39の内周の係合溝394に外径側を係合させたスナップリング2が、係合溝394から脱落しない。
また、回転軸X方向における第1当接部41と第2当接部42の基部40からの延出距離と、回転軸X方向における第1規制壁415と第2規制壁425の幅は、回転軸X方向におけるスナップリング2の厚みWxよりも大きい幅W2を有している(W2>Wx、図1の(a)の拡大図参照)。
スナップリング2に捻れ力が作用した際に、当該スナップリング2の一方側の端縁21と他方側の端縁22が、回転軸X方向に変位する可能性があるが、かかる事態の発生を好適に防止できる。
ここで、図1の(a)の拡大図に示すように、回転軸X方向における基部40の他方側(図中、左側)の面401は、リテーニングプレート34との対向面となる。この面401は、回転軸X方向に直交する平坦面である。
また、スナップリング2の回転軸X方向の他方の面2bも、リテーニングプレート34との対向面となっている。この面2bも、回転軸X方向に直交する平坦面である。
クラッチ3が締結状態であるときに、リテーニングプレート34は回転軸X方向で基部40の他方側の面401とスナップリング2の他方の面2bとに当接する。
これにより、リテーニングプレート34から伝達される捻れ力は、スナップリング2とクリップ4とに分散される。
よって、クリップ4を設けない従来の場合よりもスナップリング2に作用する捻れ力を低減させることができる。
これにより、回転トルクの変動が大きいときに、スナップリング2が係合溝394から脱落する事態の発生を好適に防止できる。
以上のとおり、実施の形態では、
(1)合口20を有するスナップリング2の支持構造1であって、
スナップリング2の係合溝394を内周に有するクラッチドラム39(環状部材)と、
係合溝394に係合させたスナップリング2の合口20に挿入されて、外径が小さくなる形状へのスナップリング2の変形を規制するクリップ4(規制部材)と、を有する構成とした。
このように構成すると、クリップ4により、外径が小さくなる形状へのスナップリング2の変形が規制される。
スナップリング2が係合溝394から脱落するためには、スナップリング2が、回転軸X周りの周方向における合口20の幅Wsを狭めてクラッチドラム39の内径よりも小さい外径となる形状まで変形する必要がある。そのため、クリップ4によりスナップリング2の変形を阻止することで、スナップリング2が、係合溝394から脱落することを好適に防止できる。
(2)クリップ4は、
スナップリング2の回転軸X(中心軸)周りの周方向における合口20を挟んだ一方側の端縁21が当接する第1当接部41と、他方側の端縁22が当接する第2当接部42と、を有しており、
第1当接部41と第2当接部42の回転軸X方向の幅W2は、スナップリング2の回転軸X方向の幅Wxよりも広い幅である構成とした。
このように構成すると、スナップリング2の一方側の端縁21と他方側の端縁22とが、回転軸X方向で相対的に大きく変位しないと、一方側の端縁21と第1当接部41との当接と、他方の端縁22と第2当接部42との当接のうちの一方が解消できない。
これにより、回転軸X周りの周方向における合口20の幅Wsが狭まる形状へのスナップリング2の変形をより確実に阻止することでき、スナップリング2が係合溝394から脱落することを好適に防止できる。
(3)クリップ4は、スナップリング2の内径側を、スナップリング2の内周に沿って合口20から離れる方向に延びる第1規制壁415と第2規制壁425を有している構成とした。
このように構成すると、スナップリング2の一方側の端縁21と他方側の端縁22とが、回転軸Xの径方向で内径側に変位することを規制できる。
これにより、回転軸X周りの周方向における合口20の幅Wsが狭まる形状へのスナップリング2の変形をより確実に阻止することでき、スナップリング2が係合溝394から脱落することを好適に防止できる。
(4)クラッチドラム39の周壁部391には、当該周壁部391の内周と外周とを連通させる連通孔37が、係合溝394から回転軸X方向に離間した位置に設けられており、
クリップ4は、クラッチドラム39(周壁部391)の内周に沿って連通孔37に近づく方向に延びる延出部46を有しており、
延出部46には、連通孔37に係止される係止片47が設けられている構成とした。
このように構成すると、クリップ4を回転軸X方向の所定位置に適切に位置決めできる。これにより、係合溝394に外周側を係合させたスナップリング2の外径が小さくなる形状への変形を適切に規制できる。
(5)クラッチドラム39の内径側では、
回転軸X方向における一方側から順番に、
回転軸X方向に移動可能なピストン35と、
複数の外径側摩擦板32と、
外径側摩擦板32のピストン35から離れる方向への移動を規制するリテーニングプレート34と、
クラッチドラム39の係合溝394に外径側を係合させたスナップリング2と、が位置しており、
クリップ4は、回転軸X方向でリテーニングプレート34に当接する基部40(当接部)を有しており、
回転軸X周りの周方向における基部40の一側と他側に、第1当接部41と第2当接部42とが設けられている構成とした。
このように構成すると、リテーニングプレート34は、回転軸X方向におけるスナップリング2の他方の面2b及び基部40の他方側の面401に当接する。
これにより、クラッチ3が締結状態であるときにリテーニングプレート34から伝達される捻れ力は、スナップリング2とクリップ4とに分散される。
よって、クリップ4を設けない従来の場合よりもスナップリング2に作用する捻れ力を低減させることができる。
これにより、回転トルクの変動が大きいときに、スナップリング2が係合溝394から脱落する事態の発生を好適に防止できる。
1 支持構造
2 スナップリング
3 クラッチ
4 クリップ
20 合口
21 側縁
22 側縁
30 クラッチハブ
31 内径側摩擦板
32 外径側摩擦板
34 リテーニングプレート
35 ピストン
37 連通孔
39 クラッチドラム
40 基部
41 第1当接部
42 第2当接部
46 延出部
47 係止片
390 底壁部
391 周壁部
415 第1規制壁
425 第2規制壁
391a スプライン山部
391b スプライン谷部
h 高さ
Lm 直径線
Ln 直線
T 空間
X 回転軸
Ws 幅
Wr 幅
Wx 厚み
W1 間隔
W2 幅

Claims (5)

  1. 合口を有するスナップリングの支持構造であって、
    前記スナップリングの係合溝を内周に有する環状部材と、
    前記係合溝に係合させた前記スナップリングの合口に挿入されて、外径が小さくなる形状への前記スナップリングの変形を規制する規制部材と、を有し、
    前記規制部材は、前記環状部材に設けた連通孔に係止される係止片を有し、
    前記環状部材では、前記連通孔が、前記係合溝から前記スナップリングの中心軸方向に離間した位置に設けられており、
    前記規制部材は、前記環状部材の内周に沿って前記連通孔に近づく方向に延びる延出部を有しており、
    前記延出部に、前記係止片が設けられている、スナップリングの支持構造。
  2. 前記規制部材は、
    前記スナップリングの中心軸周りの周方向における前記合口を挟んだ一方側の端縁が当接する第1当接部と、他方側の端縁が当接する第2当接部と、を有しており、
    前記第1当接部と前記第2当接部の前記中心軸方向の幅は、前記スナップリングの前記中心軸方向の幅よりも広い幅である、請求項1に記載のスナップリングの支持構造。
  3. 前記規制部材は、前記スナップリングの内径側を、前記スナップリングの内周に沿って合口から離れる方向に延びる規制壁を有している、請求項1に記載のスナップリングの支持構造。
  4. 前記規制部材は、前記スナップリングの内径側を、前記スナップリングの内周に沿って合口から離れる方向に延びる規制壁を有している、請求項2に記載のスナップリングの支持構造。
  5. 前記環状部材は、自動変速機の摩擦締結装置の摩擦板がスプライン嵌合するクラッチドラムであり、
    前記環状部材の内径側では、
    前記中心軸方向における一方側から順番に、
    前記中心軸方向に移動可能なピストンと、
    複数の前記摩擦板と、
    前記摩擦板の前記ピストンから離れる方向への移動を規制するリテーニングプレートと、
    前記係合溝に外径側を係合させたスナップリングと、が位置しており、
    前記規制部材は、前記リテーニングプレートにおける前記中心軸方向の他方側の面に当接する当接部を有しており、
    前記中心軸周りの周方向における前記当接部の一側と他側に、前記第1当接部と、前記第2当接部とが設けられている、請求項2または請求項4に記載のスナップリングの支持構造。
JP2017133915A 2017-07-07 2017-07-07 スナップリングの支持構造 Active JP6964938B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017133915A JP6964938B2 (ja) 2017-07-07 2017-07-07 スナップリングの支持構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017133915A JP6964938B2 (ja) 2017-07-07 2017-07-07 スナップリングの支持構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019015356A JP2019015356A (ja) 2019-01-31
JP6964938B2 true JP6964938B2 (ja) 2021-11-10

Family

ID=65357296

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017133915A Active JP6964938B2 (ja) 2017-07-07 2017-07-07 スナップリングの支持構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6964938B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019015356A (ja) 2019-01-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6890150B2 (ja) 動力伝達装置
JP4917754B2 (ja) 皿ばね
JP6767264B2 (ja) 車両の変速機用摩擦型シフト要素
US20070175715A1 (en) Pole wheel which can be connected to a wheel hub of a motor vehicle
JP6903020B2 (ja) 動力伝達装置
JP2006220236A5 (ja)
JP6538047B2 (ja) 皿ばね
US20160146276A1 (en) Shim assembly for disk brake
KR102494891B1 (ko) 클러치 디스크
US20150285319A1 (en) Ratchet type one-way clutch
JP2020524766A (ja) パワートレーン用のトルクリミッタ
EP4303459A1 (en) Clutch device and motorcycle
EP4336060A1 (en) Clutch device and motorcycle
US20060113157A1 (en) Hub for wet multi-plate clutch
JP6762900B2 (ja) ディスクブレーキ用積層シム
JP6964938B2 (ja) スナップリングの支持構造
JP4845847B2 (ja) 皿ばね
US8608579B2 (en) Ring rivet
EP4339472A1 (en) Clutch device and motorcycle
JP2019190526A (ja) 摩擦締結装置
CN111664196A (zh) 多板式摩擦离合器
US20140326573A1 (en) Friction plate including connected core plates
JPH0617842A (ja) 多板締結要素
US20060076199A1 (en) Brake band
US20060219511A1 (en) One-way clutch and method for assembling same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200609

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210330

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210413

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210614

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210629

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20211019

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211019

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6964938

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150