JP6963754B2 - ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体 - Google Patents

ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP6963754B2
JP6963754B2 JP2018543889A JP2018543889A JP6963754B2 JP 6963754 B2 JP6963754 B2 JP 6963754B2 JP 2018543889 A JP2018543889 A JP 2018543889A JP 2018543889 A JP2018543889 A JP 2018543889A JP 6963754 B2 JP6963754 B2 JP 6963754B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
resin laminate
glass sheet
resin
resin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018543889A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2018066508A1 (ja
Inventor
尚利 稲山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Electric Glass Co Ltd filed Critical Nippon Electric Glass Co Ltd
Publication of JPWO2018066508A1 publication Critical patent/JPWO2018066508A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6963754B2 publication Critical patent/JP6963754B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • B32B17/10Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/0004Cutting, tearing or severing, e.g. bursting; Cutter details
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/0012Mechanical treatment, e.g. roughening, deforming, stretching
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/18Handling of layers or the laminate
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B38/00Ancillary operations in connection with laminating processes
    • B32B38/18Handling of layers or the laminate
    • B32B38/1825Handling of layers or the laminate characterised by the control or constructional features of devices for tensioning, stretching or registration
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B7/00Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
    • B32B7/04Interconnection of layers
    • B32B7/12Interconnection of layers using interposed adhesives or interposed materials with bonding properties
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/02Cutting or splitting sheet glass or ribbons; Apparatus or machines therefor
    • C03B33/023Cutting or splitting sheet glass or ribbons; Apparatus or machines therefor the sheet or ribbon being in a horizontal position
    • C03B33/033Apparatus for opening score lines in glass sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/02Cutting or splitting sheet glass or ribbons; Apparatus or machines therefor
    • C03B33/023Cutting or splitting sheet glass or ribbons; Apparatus or machines therefor the sheet or ribbon being in a horizontal position
    • C03B33/037Controlling or regulating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B33/00Severing cooled glass
    • C03B33/07Cutting armoured, multi-layered, coated or laminated, glass products

Description

本発明は、ガラスシートと樹脂層とを接着層により積層一体化してなるガラス樹脂積層体を製造する方法及びガラス樹脂積層体に関する。
周知のように、ガラスは、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性に優れる反面、物理衝撃や熱衝撃に対し、破損しやすいという欠点を持つ。この欠点を解消するため、例えば、ガラスシートの一方の面又は両面に樹脂板(樹脂層)を貼り合わせたガラス樹脂積層体が提案されている。樹脂は、ガラスと比較して、耐候性、耐薬品性、耐擦傷性に劣る反面、ガラスよりも比重が小さく、物理衝撃にも強いという利点がある。そのため、ガラス樹脂積層体においては、ガラスシートと樹脂層の各々における短所を、各々の長所によって補うことが可能となると共に、同じ板厚を有するガラス板に比べて、大幅な軽量化を図ることができる。
ガラス樹脂積層体は、通常、用途に応じてマザーガラス樹脂積層体を切断することにより、所定のサイズに形成される。一例として、特許文献1には、厚さが100μm以下のガラスシート(薄ガラス)と、ガラスシートの片側または両側に配置された樹脂層とを備えるマザーガラス樹脂積層体を割断することを含む、可撓性フィルムの製造方法が開示されている。この製造方法は、樹脂層の外面側から溝を設ける工程と、この溝に沿ってマザーガラス樹脂積層体を割断する工程とを備える。溝は、ガラスシートに形成されることなく、刃物又はレーザ光によって樹脂層のみに形成される。
また、特許文献2には、フォトリソグラフィを用いて、マザーガラス樹脂積層体を切断する方法が開示されている。この方法では、レジスト膜の塗布、プリベーク、露光、現像及びリンス、ポストベーク、エッチング、レジスト膜の除去といった多数の工程を経て、マザーガラス樹脂積層体におけるガラスシート(ガラス板)の所定部位にエッチング除去部を形成し、エッチング除去部により露出した樹脂層(樹脂板)を切断することで、所定寸法のガラス樹脂積層体を形成する。
特開2014−159352号公報 特開2014−214077号公報
しかしながら、特許文献1に係るガラス樹脂積層体の製造方法では、ガラス樹脂積層体が薄型であることから、樹脂層に形成する溝が内側のガラスシートにまで到達し、当該ガラスシートを損傷させるおそれがある。また、特許文献2に係るガラス樹脂積層体の製造方法では、複雑な工程を必要とするため、工数の増加及び製造時間の長期化によりガラス樹脂積層体の製造コストが高騰する。
本発明は、上記の事情に鑑み、ガラスシートを損傷させることなく良好に割断するととともに、製造コストを低減させることが可能なガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体を提供することを目的とする。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ガラスシートと樹脂層とを積層してなるマザーガラス樹脂積層体を切断することにより、ガラス樹脂積層体を製造する方法であって、前記マザーガラス樹脂積層体を湾曲させることにより前記ガラスシートに曲げ応力を付与する工程と、前記曲げ応力を付与した前記ガラスシートを割断する工程と、前記ガラスシートの割断後に前記樹脂層を切断する工程と、を備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、マザーガラス樹脂積層体を湾曲させることでガラスシートに曲げ応力を付与することができる。これにより、ガラスシートを容易に割断することができる。このガラスシートの割断は、樹脂層の切断前に行われるため、割断により形成される良好な割断面が樹脂層の切断によって損なわれることはない。しかも、本発明は、フォトリソグラフィのような複雑な工程を経ることなく、簡単かつ迅速にマザーガラス樹脂積層体を切断することができる。これにより、ガラス樹脂積層体の製造コストを可及的に低減できる。
本発明に係るガラス樹脂積層体の製造方法では、前記ガラスシートを割断する工程は、前記ガラスシートに曲げ応力を付与した後に、前記ガラスシートに初期クラックを形成することにより、前記ガラスシートを割断することが望ましい。
このように、ガラスシートに曲げ応力を付与した状態で、当該ガラスシートに初期クラックを形成すると、この初期クラックは、曲げ応力が作用する領域に沿って進展する。これにより、ガラスシートを容易に割断することができる。
本発明に係るガラス樹脂積層体の製造方法では、前記樹脂層に接触して前記マザーガラス樹脂積層体を下方から持ち上げることにより、前記マザーガラス樹脂積層体を湾曲させる支持体を備え、前記支持体は、前記樹脂層を切断可能な切断具であることが望ましい。
このように、支持体を切断具で構成し、この支持体によりマザーガラス樹脂積層体を支持すれば、ガラスシートの割断後、即座に樹脂層の切断に移行できる。これにより、マザーガラス樹脂積層体を迅速に切断することが可能になる。
本発明に係るガラス樹脂積層体の製造方法では、前記ガラスシートは、前記樹脂層の端部よりも外方に突出する突出部を有することが望ましい。かかる構成によれば、ガラスシートを割断する際に突出部に初期クラックを形成することで、ガラスシートを容易に割断できる。
本発明に係るガラス樹脂積層体の製造方法において、前記支持体は、前記樹脂層に対して摺動することにより、前記樹脂層を切断することが望ましい。このように、切断具である支持体を摺動させることにより、樹脂層を正確かつ迅速に切断できる。
本発明に係るガラス樹脂積層体の製造方法において、前記ガラスシートを割断する工程の後に、前記樹脂層を引き伸ばす工程をさらに備え、前記樹脂層を引き伸ばした後に前記樹脂層を切断することが望ましい。このように、樹脂層が引き伸ばされることにより、ガラスシートと切断具が接触する可能性をより一層低減できる。
本発明は上記の課題を解決するためのものであり、ガラスシートと樹脂層とを積層してなるマザーガラス樹脂積層体を切断することにより製造されたガラス樹脂積層体であって、前記樹脂層は、前記ガラスシートの端部から前記樹脂層の端部が突出している突出部と、前記ガラスシートと積層されている積層部とを有し、前記突出部には、前記積層部の厚さよりも薄い部分が存在することを特徴とする。これにより、塑性変形で薄く引き延ばされるように突出した樹脂層の端部によって、ガラスシートの端部を保護できる。
本発明によれば、ガラスシートを損傷させることなく良好に割断するととともに、製造コストを低減させることができる。
図1は、第一実施形態に係るガラス樹脂積層体の側面図である。 図2は、第一実施形態に係るマザーガラス樹脂積層体の切断装置を示す平面図である。 図3は、マザーガラス樹脂積層体の切断装置を示す側面図である。 図4は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図5は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図6は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す平面図である。 図7は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図8は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図9は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図10は、第二実施形態に係るマザーガラス樹脂積層体の切断装置を示す平面図である。 図11は、マザーガラス樹脂積層体の切断装置を示す側面図である。 図12は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図13は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図14は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図15は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図16は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図17は、第三実施形態に係るマザーガラス樹脂積層体の切断装置を示す側面図である。 図18は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図19は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図20は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図21は、第四実施形態に係るガラス樹脂積層体の側面図である。 図22は、第四実施形態に係るマザーガラス樹脂積層体を示す側面図である。 図23は、第四実施形態に係るマザーガラス樹脂積層体の切断装置を示す側面図である。 図24は、ガラス樹脂積層体の他の例を示す側面図である。 図25は、図24のガラス樹脂積層体を製造するためのマザーガラス樹脂積層体を示す側面図である。 図26は、ガラス樹脂積層体の他の例を示す側面図である。 図27は、図26のガラス樹脂積層体を製造するためのマザーガラス樹脂積層体を示す側面図である。 図28は、第五実施形態に係るガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図29は、ガラス樹脂積層体の製造方法の一工程を示す側面図である。 図30は、図29のガラス樹脂積層体の切断端面付近の拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1乃至図9は、本発明に係るガラス樹脂積層体の製造方法の第一実施形態を示す。図1に示すように、ガラス樹脂積層体1は、ガラスシート2と、樹脂層3と、接着層4とを有する。
ガラスシート2は、ケイ酸塩ガラス、シリカガラスであることが好ましく、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、アルミノケイ酸塩ガラスであることがより好ましく、無アルカリガラスであることが更に好ましい。無アルカリガラスを用いると、透明性が向上するとともに、アルカリ溶出による劣化を防ぐこともできる。なお、ガラスシート2は、例えば、オーバーフローダウンドロー法、スロットダウンドロー法、リドロー法などのダウンドロー法や、フロート法によって成形されたものが利用できる。ガラスシート2の厚みは、0.01mm〜0.5mmが好ましく、0.05mm〜0.3mmがより好ましく、0.05mm〜0.2mmが最も好ましい。
樹脂層3としては、有色や無色、透明や半透明等特に限定されず、例えば、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、アクリル、ポリカーボネート等を使用することができる。樹脂層3の厚みは、0.01mm〜1mmが好ましく、0.015mm〜0.5mmがより好ましく、0.02mm〜0.05mmが最も好ましい。
接着層4は、透明であることが好ましい。接着層4としては、両面粘着シート、熱可塑性接着シート、熱架橋性接着シート、エネルギー硬化性の液体接着剤などを用いることができる。詳細には、接着層4としては、例えば、光学透明粘着シート、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、熱可塑性ポリウレタン樹脂(TPU)、シクロオレフィンポリマー(COP)、アクリル系熱可塑性接着シート、紫外線硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、常温硬化型接着剤を用いることができる。 接着層4は、紫外線遮蔽機能を有していてもよい。接着層4の厚みは、0.005mm〜0.5mmが好ましく、0.01mm〜0.1mmがより好ましく、0.02mm〜0.05mmが最も好ましい。
以下、上記構成のガラス樹脂積層体1を製造する方法について説明する。大判のガラスシート2と、このガラスシート2とほぼ等しい大きさの樹脂シート(樹脂層3)とを接着層4を介して積層する。これにより、長方形状のマザーガラス樹脂積層体5(図2参照)が形成される(マザーガラス樹脂積層体形成工程)。マザーガラス樹脂積層体5は長方形状に限らず、正方形状その他の形状に構成され得る。なお、マザーガラス樹脂積層体5の構成要素であるガラスシート、樹脂層、接着層については、ガラス樹脂積層体1のガラスシート2、樹脂層3、接着層4と同じ参照符号を付して説明する。
次に、マザーガラス樹脂積層体5を切断装置6により切断し、複数のガラス樹脂積層体1を形成する(切断工程)。図2及び図3に示すように、切断装置6は、マザーガラス樹脂積層体5を載置する台(載置台)7と、マザーガラス樹脂積層体5の一部を支持する支持体8と、載置台7とともにマザーガラス樹脂積層体5の一部を挟むように構成される複数(図例では2つ)の押え部材9a,9bと、マザーガラス樹脂積層体5のガラスシート2に初期クラック10を形成するクラック付与部材11とを備える。なお、マザーガラス樹脂積層体5には、仮想的な切断予定線12が設定されている。
載置台7は、マザーガラス樹脂積層体5を載置する面(載置面)7aと、支持体8を上下方向に通過させるスリット7bを有する。
本実施形態において、支持体8は、尖端状に構成されている。すなわち、支持体8は、樹脂層3を切断可能なナイフ(切断具)として構成される。支持体8は、マザーガラス樹脂積層体5において切断される部分の幅(長さ)よりも長い長尺状の部材として構成される。また、支持体8は、図示しない昇降装置により、上下方向に移動可能に構成されるとともに、図示しない移動機構により、水平方向に移動可能に構成される。
押え部材9a,9bは、円柱状又は円筒状の弾性体により構成される。押え部材9a,9bは、上下方向に移動可能に構成されるとともに、その軸心まわりに回転可能に構成され得る。押え部材9a,9bは、マザーガラス樹脂積層体5の一端部側に配置される第一押え部材9aと、マザーガラス樹脂積層体5の他端部側に配置される第二押え部材9bとを含む。
クラック付与部材11は、尖端状に構成される。クラック付与部材11は、載置台7の上方に配置されるとともに、上下方向及び水平方向に移動可能に構成される。
切断装置6によってマザーガラス樹脂積層体5を切断するには、図3に示すように、支持体8及びクラック付与部材11を所定の待機位置に配置した状態で、載置台7にマザーガラス樹脂積層体5を載せる。このとき、マザーガラス樹脂積層体5の樹脂層3が下方を向くように設定し、この樹脂層3を載置台7の載置面7aに接触させる。その後、各押え部材9a,9bにより、マザーガラス樹脂積層体5の一部を押える。
次に、図4に示すように、待機位置にある支持体8を上昇させ、切断予定線12に一致するように、マザーガラス樹脂積層体5に接触させる。この場合、支持体8は、その先端部が載置台7のスリット7bを通過して載置台7の載置面7aよりも上方に突出する。マザーガラス樹脂積層体5の一部(中央部)は、支持体8に持ち上げられ、載置台7から離れる。これにより、マザーガラス樹脂積層体5は、その一部が上方に凸となるように湾曲する。この場合において、マザーガラス樹脂積層体5の湾曲度合いに応じて、載置台7の離間距離(スリット7bのスリット幅)を狭くしても良い。すなわち、マザーガラス樹脂積層体5のガラスシート2には曲げ応力が付与される(曲げ応力の付与工程)。また、支持体8及び押え部材9a、9bにより、マザーガラス樹脂積層体5には、切断予定線12に対して対称的に引張応力が作用する。なお、この工程では、ナイフである支持体8は、マザーガラス樹脂積層体5の樹脂層3を支持するのみであり、樹脂層3の切断を行わない。支持体8は、樹脂層3が切断されないように、低速で上昇してマザーガラス樹脂積層体5を湾曲させる。
次に、図5に示すように、待機位置にあるクラック付与部材11を下降させて、マザーガラス樹脂積層体5のガラスシート2に接触させる。クラック付与部材11は、平面視において、その先端部(下端部)が切断予定線12と一致するように配置される。クラック付与部材11は、待機位置から下降するとともに、湾曲しているガラスシート2に接触する。これにより、図5に示すように、ガラスシート2には初期クラック10が形成される(初期クラック10の付与工程)。ガラスシート2には曲げ応力が付与されているため、初期クラック10は、切断予定線12に沿って進展する。これにより、ガラスシート2は切断予定線12に沿って割断される(ガラスシート2の割断工程、図6参照)。ガラスシート2が割断された部分では、その割断面間に若干の隙間13が形成される。
次に、支持体8によって樹脂層3及び接着層4を切断する(樹脂層3及び接着層4の切断工程)。この場合、図7において二点鎖線で示すように、支持体8をその長手方向(水平方向)に沿って移動させる。ナイフである支持体8は、長手方向に移動することにより、マザーガラス樹脂積層体5の樹脂層3との接触を維持したままで摺動する。支持体8は、上方に移動しながら長手方向に移動してもよく、上方に移動することなく長手方向に移動してもよい。マザーガラス樹脂積層体5の自重、マザーガラス樹脂積層体5に作用する引張応力及び支持体8が移動したときのマザーガラス樹脂積層体5に対する摩擦力により、支持体8は、樹脂層3及び接着層4を切断する(図8参照)。このとき、支持体8の先端部は、ガラスシート2の隙間13を通過するため、ガラスシート2の割断面を損傷させることはない。その後、図9に示すように、支持体8は下降して待機位置へと戻る。載置台7には、マザーガラス樹脂積層体5が切断されることによって形成された二枚のガラス樹脂積層体1が残る。
その後、ガラス樹脂積層体1には、研磨工程、洗浄工程等の仕上げ工程が実施され得る。また、上記二枚のガラス樹脂積層体1を新たなマザーガラス樹脂積層体5とし、上記と同様に切断工程を繰返し、より小型のガラス樹脂積層体1を製造することも可能である。
以上説明した本実施形態に係るガラス樹脂積層体1の製造方法によれば、支持体8によりマザーガラス樹脂積層体5を湾曲させて、ガラスシート2に曲げ応力を付与し、このガラスシート2にクラック付与部材11により初期クラック10を形成することにより、このガラスシート2を切断予定線12に沿って割断する。これにより、ガラスシート2の割断面を良好な形状に構成できる。ガラスシート2の割断は、樹脂層3の切断前に行われるため、樹脂層3の切断によってガラスシート2が損傷することはない。しかも、本方法は、フォトリソグラフィのような複雑な工程を経ることなく、簡単かつ迅速にマザーガラス樹脂積層体5を切断することができる。これにより、ガラス樹脂積層体1の製造コストを可及的に低減できる。
また、支持体8をナイフで構成し、この支持体8によりマザーガラス樹脂積層体5を支持することでガラスシート2に曲げ応力を付与すれば、その割断後、即座に樹脂層3の切断に移行できる。これにより、マザーガラス樹脂積層体5を迅速に切断することが可能になる。また、支持体8が樹脂層3を切断する際、樹脂層3に対してこの支持体8を摺動させることにより、樹脂層3を正確かつ迅速に切断できる。
図10乃至図16は、ガラス樹脂積層体の製造方法の第二実施形態を示す。本実施形態では、切断装置6の構成が第一実施形態とは異なる。第一実施形態では、支持体8がナイフにより構成されていたが、本実施形態では、切断装置6は、上下方向に移動可能な支持体8と、支持体8とは別個に構成され、当該支持体8の上方位置に配置されるナイフ(切断具)14とを有する。
支持体8は、円柱状に構成されている。この構成により、支持体8は、マザーガラス樹脂積層体5を支持可能な曲面状の支持面を有する。支持体8は、その上部に、ナイフ14が挿入され得る溝部8aを有する。ナイフ14は、その刃が下方に向けられた状態で、上下方向に移動可能に構成される。その他の構成は、第一実施形態と同じであり、第二実施形態において第一実施形態と共通する構成要素には、第一実施形態と同じ符号を付している。
上記構成の切断装置6によりマザーガラス樹脂積層体5を切断するには、支持体8、クラック付与部材11及びナイフ14を所定の待機位置に配置した状態(図10及び図11参照)で、マザーガラス樹脂積層体5を載置台7に載せた後、各押え部材9a,9bによってマザーガラス樹脂積層体5の一部を押える。この場合において、マザーガラス樹脂積層体5は、第一実施形態と同様に、樹脂層3が載置台7の載置面7aに接触するように、当該載置台7に載せられる。
次に、図12に示すように、支持体8を待機位置から上昇させ、載置台7のスリット7bを通過させるとともに、載置面7aよりも上方に突出させる。これにより、支持体8は、マザーガラス樹脂積層体5の一部(中央部)を持ち上げる。マザーガラス樹脂積層体5は、支持体8に支持されることで上方に凸となるように湾曲する。これにより、ガラスシート2には曲げ応力が付与される。
その後、待機位置にあるクラック付与部材11を移動させ、ガラスシート2の切断予定線12上に配置し、下降させてガラスシート2に接触させる。これにより、ガラスシート2に初期クラック10が形成される(図13参照)。ガラスシート2に付与されている曲げ応力の作用により、初期クラック10は、切断予定線12に沿って進展する。これにより、ガラスシート2は切断予定線12に沿って割断される。その後、クラック付与部材11は、上昇して待機位置に戻る(図14参照)。
次に、図15に示すように、待機位置にあるナイフ14が下降し、樹脂層3を切断する。この際、ナイフ14は、ガラスシート2の割断により生じた隙間13を通過して樹脂層3に接触する。このため、ナイフ14がガラスシート2の割断面を損傷させることはない。切断の際に、ナイフ14を長手方向に移動させ、樹脂層3に対して摺動させてもよい。ナイフ14は、樹脂層3を切断する際に、支持体8の溝部8aに挿入されるため、支持体8に接触しない。樹脂層3を切断後、ナイフ14は上昇して待機位置へと戻る。以上により、マザーガラス樹脂積層体5が切断され、二枚のガラス樹脂積層体1が製造される(図16参照)。
図17乃至図20は、ガラス樹脂積層体の製造方法の第三実施形態を示す。本実施形態では、切断装置6の構成が第一実施形態および第二実施形態と異なる。第二実施形態では、切断装置6は、溝部8aを備えた支持体8と当該支持体8の上方位置に配置されるナイフ(切断具)14とを有していたが、本実施形態では、孔部8bを備えた支持体8と、当該支持体8の下方に配置されるナイフ(切断具)14とを有する。
支持体8は円柱状に構成されていて、マザーガラス樹脂積層体5を支持可能な曲面状の支持面を有する。支持体8は、ナイフ14が通過することのできる孔部8bを有する。孔部8bは、支持体8の半径方向に貫通している。孔部8bの貫通方向は、上下方向(鉛直方向)に一致している。ナイフ14は、その刃が上方に向けられた状態で、上下方向に移動可能に構成される。その他の構成は、第一実施形態、第二実施形態と同じであり、第三実施形態において第一実施形態、第二実施形態と共通する構成要素には、第一実施形態と同じ符号を付している。
上記構成の切断装置6によりマザーガラス樹脂積層体5を切断するには、支持体8、クラック付与部材11及びナイフ14を所定の待機位置に配置した状態(図17参照)で、マザーガラス樹脂積層体5を載置台7に載せた後、各押え部材9a,9bによってマザーガラス樹脂積層体5の一部を押える。この場合において、マザーガラス樹脂積層体5は、第一実施形態、第二実施形態と同様に、樹脂層3が載置台7の載置面7aに接触するように、当該載置台7に載せられる。
次に図18に示すように、支持体8を待機位置から上昇させ、載置台7のスリット7bを通過させるとともに、載置面7aよりも上方に突出させる。これにより、支持体8は、マザーガラス樹脂積層体5の一部(中央部)を持ち上げる。マザーガラス樹脂積層体5は、支持体8に支持されることで上方に凸となるように湾曲する。これにより、ガラスシート2には曲げ応力が付与される。
その後、待機位置にあるクラック付与部材11を下降させてガラスシート2に接触させる。これにより、ガラスシート2に初期クラック10が形成される(図18参照)。ガラスシート2に付与されている曲げ応力の作用により、初期クラック10は、切断予定線12に沿って進展する。これにより、ガラスシート2は切断予定線12に沿って割断される。その後、クラック付与部材11は、上昇して待機位置に戻る(図19参照)。
次に、図19に示すように、待機位置にあるナイフ14が上昇し、樹脂層3を切断する。このとき、ナイフ14は、支持体8の孔部8bに下部側から挿入されるとともに、その先端部が樹脂層3に接触する。ナイフ14が更に上昇することにより、樹脂層3は切断される。この際、ナイフ14を長手方向に移動させ、樹脂層3に対して摺動させてもよい。ナイフ14は、樹脂層3を切断する際に、支持体8の孔部8bに挿入されるため、支持体8に接触しない。樹脂層3を切断後、ナイフ14は下降して待機位置へと戻る。その後、支持体8が下降して待機位置へと戻る。以上により、マザーガラス樹脂積層体5が切断され、二枚のガラス樹脂積層体1が製造される(図20参照)。
図21乃至図23は、ガラス樹脂積層体の製造方法の第四実施形態を示す。本実施形態に係るガラス樹脂積層体1は、一層のガラスシート2と二層の樹脂層3a,3bとを有する。具体的には、図21に示すように、ガラス樹脂積層体1は、ガラスシート2の一方の面に積層される第一樹脂層3aと、ガラスシート2の他方の面に積層される第二樹脂層3bと、ガラスシート2と第一樹脂層3aとを接着する第一接着層4aと、ガラスシート2と第二樹脂層3bとを接着する第二接着層4bとを有する。
上記のガラス樹脂積層体1を製造するためのマザーガラス樹脂積層体5は、図22に示すように、大判のガラスシート2の両面に、ガラスシート2の面積よりも小さな面積を有する第一樹脂層3a及び第二樹脂層3bを積層してなる。ガラスシート2が各樹脂層3a,3bよりも大きいことから、ガラスシート2は、その一端部に、各樹脂層3a,3bの端部から外方に突出する部分(突出部)15を有する。
上記の第一実施形態及び第二実施形態に係る切断装置6では、支持体8によりマザーガラス樹脂積層体5の一部を持ち上げることにより当該マザーガラス樹脂積層体5に曲げ応力を付与していたが、本実施形態に係る切断装置6では、マザーガラス樹脂積層体5の上面に支持体8を接触させ、さらに下降させることにより、当該マザーガラス樹脂積層体5を湾曲させる。
具体的には、切断装置6は、ナイフとして構成される支持体8と、クラック付与部材11と、マザーガラス樹脂積層体5の保持部材としての複数(図例では二対)のローラ対16a,16bとを有する。切断装置6は、マザーガラス樹脂積層体5の上方に支持体8を配置し、マザーガラス樹脂積層体5の下方にクラック付与部材11を配置してなる。
上記構成の切断装置6によりマザーガラス樹脂積層体5を切断するには、ローラ対16a,16bによりマザーガラス樹脂積層体5を保持(挟持)した後、待機位置にある支持体8を下方に移動させ、マザーガラス樹脂積層体5の第二樹脂層3bに接触させる。さらに支持体8を下方に移動させると、マザーガラス樹脂積層体5は、図23において二点鎖線で示すように、支持体8により押し下げられ、その一部が下方に凸となるように湾曲する。
その後、この湾曲状態を維持したままで、クラック付与部材11が上昇し、マザーガラス樹脂積層体5のガラスシート2に接触して、初期クラック10を形成する。このとき、クラック付与部材11は、マザーガラス樹脂積層体5のガラスシート2における突出部15に接触する。これにより、クラック付与部材11は第二樹脂層3bに接触することなく、ガラスシート2に初期クラック10を形成できる。この初期クラック10を切断予定線12に沿って進展させ、ガラスシート2を割断する。その後、支持体8を下降及び長手方向に移動させ、第二樹脂層3bに対して摺動させて、第二樹脂層3bを切断する。その後、同じ要領にて第一樹脂層3aを切断する。以上により、マザーガラス樹脂積層体5が切断され、二枚のガラス樹脂積層体1が製造される。
図24乃至図27は、ガラス樹脂積層体及びマザーガラス樹脂積層体の他の例を示す。図24及び図25に示す例では、ガラス樹脂積層体1は、二層のガラスシート2a,2bと二層の樹脂層3a,3bとを有する。具体的には、ガラス樹脂積層体1及びマザーガラス樹脂積層体5は、第一ガラスシート2a及び第二ガラスシート2bと、第一ガラスシート2aの一方の面に固定される第一樹脂層3aと、第一ガラスシート2aの他方の面と第二ガラスシート2bとの間に設けられる第二樹脂層3bと、第一ガラスシート2aと第一樹脂層3aを接着する第一接着層4aと、第一ガラスシート2aの他方の面と第二樹脂層3bとを接着する第二接着層4bと、第二樹脂層3bと第二ガラスシート2bとを接着する第三接着層4cとを有する。
さらに、マザーガラス樹脂積層体5の第一ガラスシート2aは、第三実施形態と同様に、その端部に突出部15を有する。マザーガラス樹脂積層体5の第二ガラスシート2bは、突出部15を有していない。このマザーガラス樹脂積層体5を切断するには、第二ガラスシート2bを割断した後に、第一ガラスシート2aを割断することが望ましい。
図26及び図27に示す例では、ガラス樹脂積層体1は、二層のガラスシート2a,2bと、三層の樹脂層3a〜3cとを有する。具体的には、ガラス樹脂積層体1及びマザーガラス樹脂積層体5は、第一ガラスシート2a及び第二ガラスシート2bと、第一樹脂層3a乃至第三樹脂層3cと、各ガラスシート2a,2b及び各樹脂層3a〜3cを相互に接着する第一接着層4a乃至第四接着層4dとを有する。
図27に示すように、マザーガラス樹脂積層体5の第一ガラスシート2aは、各樹脂層3a〜3cの端部よりも外方に突出する部分(第一突出部)15aを有する。マザーガラス樹脂積層体5の第二ガラスシート2bは、各樹脂層3a〜3cの端部よりも外方に突出する部分(第二突出部)15bを有する。第一突出部15aの突出長さL1は、第二突出部15bの突出長さL2よりも大きい。このように各突出部15a,15bの突出長さL1,L2を異ならせることにより、第一ガラスシート2a及び第二ガラスシート2bに初期クラック10を形成し易くなる。したがって、ガラスシート2を効率良く割断することが可能になる。
図28乃至図30は、ガラス樹脂積層体の製造方法の第五実施形態を示す。本実施形態に係るマザーガラス樹脂積層体は、第一実施形態と同様に、一層のガラスシート2と、一層の樹脂層3と、ガラスシート2と樹脂層3とを接合する接着層4とを備える。本実施形態では、樹脂層3の面積は、ガラスシート2の面積よりも大きい。したがって、樹脂層3の周縁部は、ガラスシート2からはみ出ている。具体的には、樹脂層3の端部3dがガラスシート2の端部2cから突出している。
切断装置6における一対の載置台7は、水平方向に移動可能に構成される。すなわち、切断装置6は、一方の載置台7と対応する押え部材9aとによりマザーガラス樹脂積層体5の一端部を保持し、他方の載置台7と対応する押え部材9bとによって、マザーガラス樹脂積層体5の他端部を保持する。切断装置6は、この保持状態で、一対の載置台7を相互に離反するように移動させることにより、マザーガラス樹脂積層体5に引張力Fを作用させる。これにより、マザーガラス樹脂積層体5の切断予定部(支持体8に支持される部分)に、切断方向(支持体8の進行方向)と垂直な方向に引張応力を印加させることができる。
以下、本実施形態に係るガラス樹脂積層体1の製造方法について説明する。
図28は、ガラスシート2の割断工程後の切断装置6を示す。マザーガラス樹脂積層体5のガラスシート2には、割断による隙間13が形成されている。ナイフを兼ねる支持体8は、マザーガラス樹脂積層体5の樹脂層3を支持している。切断装置6は、この状態から、支持体8を上昇させるとともに、一対の載置台7を押え部材9a,9bとともに水平方向に離反させる。
これにより、樹脂層3は、載置台7及び支持体8によって引き伸ばされ、塑性変形する。このように樹脂層3が伸張することで、ガラスシート2の割断工程で形成された隙間13が一層大きくなる。したがって、ナイフ(支持体8)によって樹脂層3を切断する際に、ガラスシート2に当該ナイフが接触し難くなる。
図29に示すように、引き伸ばされた樹脂層3がナイフで切断されると、図30に示す通り、当該切断によって形成される樹脂層3の端部3eが、ガラスシート2の端部2dよりも突出することになる。更に、ガラスシート2の端部2dから突出した樹脂層3の突出部3a1は、前述の塑性変形により、樹脂層3におけるガラスシート2との積層部3a2の厚さよりも薄くなっている。以上によって形成されたガラス樹脂積層体1は、ガラスシート2からはみ出た樹脂層3によって、当該ガラスシート2の周縁部を保護できる。
本実施形態では、支持体8の上昇及び載置台7の移動によって、樹脂層3を引き伸ばす例を示したが、この構成に限定されない。樹脂層3を引き伸ばす工程は、支持体8の上昇のみによって、或いは載置台7の移動のみによって行われてもよい。また、載置台7を押え部材9a,9bとともに下降させることによって、樹脂層3を引き伸ばしてもよい。この他、切断装置6にマザーガラス樹脂積層体5を把持可能なクランプ機構を備え、当該クランプ機構によって樹脂層3を引き伸ばしてもよい。本実施形態では、樹脂層3を塑性変形するように引き伸ばす例を示したが、これに限らず、樹脂層3を弾性変形する程度に引き伸ばしてその切断を行ってもよい。この場合において、樹脂層3の切断後に、切断部分におけるガラスシート2の端部2dに研削等の加工を施すことにより、樹脂層3の端部3eをガラスシート2の端部2dから突出させることができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本発明に係るガラス樹脂積層体1は、上記の実施形態に限定されず、三層以上のガラスシート2及び四層以上の樹脂層3を含む。すなわち、本発明は、少なくとも一層のガラスシート2と少なくとも一層の樹脂層3を有するガラス樹脂積層体1及びマザーガラス樹脂積層体5に適用される。
図22、図25及び図27に示す例では、ガラスシート2(第一ガラスシート2a、第二ガラスシート2b)の両面に樹脂層3が接着されているマザーガラス樹脂積層体5において、ガラスシート2の端部に突出部15(15a,15b)を形成したが、突出部15を形成しないマザーガラス樹脂積層体5であっても、ガラスシート2に初期クラック10を形成することが可能である。この場合、ガラスシート2の端面と樹脂層3の端面とは面一に構成されることとなるが、このガラスシート2の端面にクラック付与部材11を接触させることにより、初期クラック10を形成できる。
上記の実施形態では、マザーガラス樹脂積層体5に曲げ応力を付与した後に、クラック付与部材11によって初期クラック10をガラスシート2に形成する形態で説明したが、これには限定されない。例えば、クラック付与部材11によって初期クラック10を水平状態のガラスシート2に形成した後に、マザーガラス樹脂積層体5に曲げ応力を付与することで、ガラスシート2の割断を行っても良い。
以下、本発明に係る実施例について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。本発明者は、実施例1乃至6及び比較例1,2に係るガラス樹脂積層体を作製した。各例ともに、ガラスシートの厚みが100μm、樹脂層の厚みが38μm、接着層の厚みが25μmに設定されている。
各例の条件及び判定結果(切断品位)を表1に示す。
Figure 0006963754
実施例1に係るガラス樹脂積層体は、一層のガラスシート(ガラス層)と一層の樹脂層を有する(図1の例に相当)。実施例1に係るガラス樹脂積層体の製造には、支持体に直径5mmの円柱状の棒材を使用し、マザーガラス樹脂積層体に湾曲させた。具体的には、この支持体によりマザーガラス樹脂積層体を持ち上げて上方に凸となるように湾曲させ、ガラスシートに初期クラックを形成して割断した後に、支持体とは別に用意したナイフにより樹脂層を切断し、ガラス樹脂積層体を製造した。実施例1では、良好な切断面を得ることができ、切断品位を「○」(良)とした。
実施例2に係るガラス樹脂積層体は、一層のガラスシート(ガラス層)と一層の樹脂層を有する。支持体にナイフを使用し、この支持体によりマザーガラス樹脂積層体を持ち上げて上方に凸となるように湾曲させた。その後、ガラスシートに初期クラックを形成して割断し、このナイフにより樹脂層を切断し、ガラス樹脂積層体を製造した。実施例2では、非常に良好な切断面を得ることができ、切断品位を「◎」(最良)とした。
実施例3に係るガラス樹脂積層体は、一層のガラスシート(ガラス層)と、このガラスシートの両面に接着される二層の樹脂層を有する(図21の例に相当)。支持体にナイフを使用し、この支持体によりマザーガラス樹脂積層体を持ち上げて上方に凸となるように湾曲させた。その後、ガラスシートに初期クラックを形成して割断し、このナイフにより二層の樹脂層を切断することでガラス樹脂積層体を製造した。実施例3では、非常に良好な切断面を得ることができ、切断品位を「◎」(最良)とした。
実施例4に係るガラス樹脂積層体は、二層のガラスシート(ガラス層)と、二層の樹脂層を有する(図24の例に相当)。マザーガラス樹脂積層体として、図25に例示した形態のものを使用した。支持体にナイフを使用し、この支持体によりマザーガラス樹脂積層体を押し下げて下方に凸となるように湾曲させた。第一ガラスシートの突出部に初期クラックを形成して、当該第一ガラスシートを割断した。その後、第二ガラスシートに初期クラックを形成して、当該第二ガラスシートを割断した。その後、マザーガラス樹脂積層体を支持するナイフにより二層の樹脂層を切断し、ガラス樹脂積層体を製造した。実施例4では、非常に良好な切断面を得ることができ、切断品位を「◎」(最良)とした。
実施例5に係るガラス樹脂積層体は、二層のガラスシート(ガラス層)と、二層の樹脂層を有する(図24の例に相当)。マザーガラス樹脂積層体として、図25に例示した形態のものを使用した。支持体にナイフを使用し、この支持体によりマザーガラス樹脂積層体を持ち上げて上方に凸となるように湾曲させた。第二ガラスシートに初期クラックを形成して、当該第二ガラスシートを割断した。その後、第一ガラスシートの突出部に初期クラックを形成して、当該第一ガラスシートを割断した。その後、マザーガラス樹脂積層体を支持するナイフにより二層の樹脂層を切断し、ガラス樹脂積層体を製造した。実施例5では、非常に良好な切断面を得ることができ、切断品位を「◎」(最良)とした。
実施例6に係るガラス樹脂積層体は、一層のガラスシート(ガラス層)と一層の樹脂層を有する。マザーガラス樹脂積層体として、図28に例示した形態のものを使用した。支持体にナイフを使用し、この支持体によりマザーガラス樹脂積層体を持ち上げて上方に凸となるように湾曲させた。その後、ガラスシートに初期クラックを形成して割断し、その後、切断予定部に引張応力を加えることで切断予定部付近の樹脂層を引き伸ばした後に、ナイフにより樹脂層を切断し、ガラス樹脂積層体を製造した。実施例6では、非常に良好な切断面を得ることができ、切断品位を「◎」(最良)とした。
比較例1に係るガラス樹脂積層体は、一層のガラスシート(ガラス層)と一層の樹脂層を有する。比較例1は、マザーガラス樹脂積層体の樹脂層をナイフで切断した後に、ガラスシートをスクライブツールにて割断した。この比較例1では、樹脂層をナイフで切断した際に、ガラスシートが損傷してしまい、製造されたガラス樹脂積層体には傷が残り、スクライブによる欠陥も存在した。このため、比較例1の切断品位を「×」(最も不良)とした。
比較例2に係るガラス樹脂積層体は、一層のガラスシート(ガラス層)と一層の樹脂層を有する。比較例2は、マザーガラス樹脂積層体の樹脂層をナイフで切断した後に、マザーガラス樹脂積層体に曲げ応力を付与し、ガラスシートに初期クラックを形成して、当該ガラスシートを割断した。比較例2では、樹脂層を切断する際に、ガラスシートが損傷してしまい、製造されたガラス樹脂積層体にその傷が残存していた。このため、比較例2の切断品位を「△」(不良)とした。
1 ガラス樹脂積層体
2 ガラスシート
2a ガラスシート(第一ガラスシート)
2b ガラスシート(第二ガラスシート)
3 樹脂層
3a 樹脂層(第一樹脂層)
3a1 突出部
3a2 積層部
3b 樹脂層(第二樹脂層)
3c 樹脂層(第三樹脂層)
5 マザーガラス樹脂積層体
8 支持体
10 初期クラック

Claims (5)

  1. ガラスシートと樹脂層とを積層してなるマザーガラス樹脂積層体を切断することにより、ガラス樹脂積層体を製造する方法であって、
    前記マザーガラス樹脂積層体を湾曲させることにより前記ガラスシートに曲げ応力を付与する工程と、前記曲げ応力を付与した前記ガラスシートを割断する工程と、前記ガラスシートの割断後に前記樹脂層を切断する工程と、を備え
    前記樹脂層に接触して前記マザーガラス樹脂積層体を下方から持ち上げることにより、前記マザーガラス樹脂積層体を湾曲させる支持体を備え、
    前記支持体は、前記樹脂層を切断可能な切断具であることを特徴とする、ガラス樹脂積層体の製造方法。
  2. 前記ガラスシートを割断する工程は、前記ガラスシートに曲げ応力を付与した後に、前記ガラスシートに初期クラックを形成することにより、前記ガラスシートを割断する請求項1に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  3. 前記ガラスシートは、前記樹脂層の端部よりも外方に突出する突出部を有する請求項1又は2に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  4. 前記支持体は、前記樹脂層に対して摺動することにより、前記樹脂層を切断する請求項1から3のいずれか1項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
  5. 前記ガラスシートを割断する工程の後に、前記樹脂層を引き伸ばす工程をさらに備え、前記樹脂層を引き伸ばした後に前記樹脂層を切断する請求項1からのいずれか1項に記載のガラス樹脂積層体の製造方法。
JP2018543889A 2016-10-05 2017-10-02 ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体 Active JP6963754B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016197121 2016-10-05
JP2016197121 2016-10-05
PCT/JP2017/035814 WO2018066508A1 (ja) 2016-10-05 2017-10-02 ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2018066508A1 JPWO2018066508A1 (ja) 2019-07-18
JP6963754B2 true JP6963754B2 (ja) 2021-11-10

Family

ID=61831103

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018543889A Active JP6963754B2 (ja) 2016-10-05 2017-10-02 ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体

Country Status (5)

Country Link
JP (1) JP6963754B2 (ja)
KR (1) KR102322397B1 (ja)
CN (1) CN109790059B (ja)
TW (1) TWI744390B (ja)
WO (1) WO2018066508A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220015838A (ko) * 2020-07-31 2022-02-08 코닝 인코포레이티드 유리 라미네이트 기판의 절단 장치 및 절단 방법
JP2022078516A (ja) * 2020-11-13 2022-05-25 日東電工株式会社 複層構造体及びその製造方法
JP2022108103A (ja) * 2021-01-12 2022-07-25 日本電気硝子株式会社 ガラスフィルムの製造方法
JP2023094076A (ja) * 2021-12-23 2023-07-05 日本電気硝子株式会社 積層体の製造方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07291648A (ja) * 1994-04-27 1995-11-07 Sumitomo Chem Co Ltd 合わせガラスの切断方法
JP2003255362A (ja) * 2002-03-05 2003-09-10 Citizen Watch Co Ltd セルとその製造方法およびそのセルを用いた液晶光学素子
JP2004354836A (ja) * 2003-05-30 2004-12-16 Casio Comput Co Ltd ガラス基板分断方法及びその装置
AU2003277938A1 (en) * 2003-11-06 2005-05-26 Peter Lisec Device for cutting glass and for removing a coating thereon
JP4065280B2 (ja) * 2005-05-19 2008-03-19 株式会社グラスアシスト 合わせ板ガラスの切断方法および切断用加熱器具
CN102672741B (zh) * 2008-01-15 2015-06-03 三星钻石工业股份有限公司 切刀
JP2012201573A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Asahi Glass Co Ltd 脆性板の切断装置および切断方法
KR102022754B1 (ko) * 2012-06-15 2019-09-18 가부시키가이샤 토쿄 세이미쯔 다이싱 장치 및 다이싱 방법
JP5958823B2 (ja) * 2012-11-13 2016-08-02 日本電気硝子株式会社 ガラス板積層体及びその製造方法
JP2014159352A (ja) 2013-02-20 2014-09-04 Nitto Denko Corp 可撓性フィルムの製造方法
JP5995097B2 (ja) 2013-04-30 2016-09-21 日本電気硝子株式会社 複合板の切断方法
JP6243699B2 (ja) * 2013-10-25 2017-12-06 三星ダイヤモンド工業株式会社 脆性材料基板の分断装置
JP2015101044A (ja) * 2013-11-27 2015-06-04 日本電気硝子株式会社 化学強化ガラス樹脂積層体及びその製造方法
JP6548425B2 (ja) * 2014-03-31 2019-07-24 日鉄ケミカル&マテリアル株式会社 フレキシブルデバイスの製造方法及びフレキシブルデバイス並びにフレキシブルデバイス製造装置
JP2016013928A (ja) * 2014-06-12 2016-01-28 日本電気硝子株式会社 ガラスパネル体の切断方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN109790059A (zh) 2019-05-21
KR102322397B1 (ko) 2021-11-05
TWI744390B (zh) 2021-11-01
KR20190066006A (ko) 2019-06-12
TW201821284A (zh) 2018-06-16
CN109790059B (zh) 2021-11-16
JPWO2018066508A1 (ja) 2019-07-18
WO2018066508A1 (ja) 2018-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6963754B2 (ja) ガラス樹脂積層体の製造方法及びガラス樹脂積層体
JP5949894B2 (ja) ガラス積層体及びその製造方法、並びに表示パネルの製造方法及びその製造方法により得られる表示パネル
KR101809991B1 (ko) 플렉서블 패널 곡면 합착 방법
JP6260869B2 (ja) ガラスフィルムの製造方法、及びこのガラスフィルムを含む電子デバイスの製造方法
JP2017121804A (ja) 積層板
KR20150066490A (ko) 터치 패널용 유리 필름 적층체와 터치 패널, 및 터치 패널용 유리 필름 적층체의 제조 방법
WO2014065248A1 (ja) ガラスフィルムの切断方法
JP5888158B2 (ja) ガラスフィルムの割断方法
JP2014528892A (ja) ガラスシートの周縁領域を切除するための方法及び装置
WO2016174956A1 (ja) 可撓性積層体の製造方法
KR20190069483A (ko) 유리 필름-수지 복합체
TW201515801A (zh) 彈性支撐板、斷裂裝置及分斷方法
US10246374B2 (en) Method for manufacturing glass film laminate, glass film laminate, and method for manufacturing electronic device
KR102521878B1 (ko) 곡면부를 갖는 강화 유리 및 그 제조방법
US20220259092A1 (en) Method for dividing composite material
WO2021065805A1 (ja) 積層体および積層体の製造方法
US20170334762A1 (en) Mechanically forming crack initiation defects in thin glass substrates using an abrasive surface
WO2023120246A1 (ja) 積層体の製造方法
JP6079249B2 (ja) ガラス板−樹脂板積層体
KR101696719B1 (ko) 단차부가 있는 취성 합착패널의 스크라이빙 방법
EP4000830A1 (en) Method for dividing composite material
JP2016014735A (ja) 光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法
JP2016060135A (ja) ガラスフィルム積層体、及び、電子デバイスの製造方法
KR20230101893A (ko) 복수층 구조체 및 그 제조방법
JP2008071616A (ja) 有機el素子パネルとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200519

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210917

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6963754

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150