JP2016014735A - 光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法 - Google Patents

光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016014735A
JP2016014735A JP2014136044A JP2014136044A JP2016014735A JP 2016014735 A JP2016014735 A JP 2016014735A JP 2014136044 A JP2014136044 A JP 2014136044A JP 2014136044 A JP2014136044 A JP 2014136044A JP 2016014735 A JP2016014735 A JP 2016014735A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical
film
optical sheet
functional layer
transparent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014136044A
Other languages
English (en)
Inventor
政一 横田
Masaichi Yokota
政一 横田
省吾 小寺
Shogo Kodera
省吾 小寺
公介 高山
Kimisuke Takayama
公介 高山
幸宏 垰
Yukihiro Touge
幸宏 垰
海田 由里子
Yuriko Kaida
由里子 海田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP2014136044A priority Critical patent/JP2016014735A/ja
Publication of JP2016014735A publication Critical patent/JP2016014735A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)

Abstract

【課題】入射面および出射面に対して垂直な複数の帯状の光学機能層を有する光学シートまたは光学パネルを、比較的安価に簡便に製造でき、大面積化も可能な方法を提供する。【解決手段】(a)透明フィルム28の第1の面および第2の面の両方に光学機能層26を形成する工程と、(b)光学機能層付きフィルム20の第1の面22側から見て、山折りの折れ目40と谷折りの折れ目42とが交互に形成されるように光学機能層付きフィルム20に複数の折れ目を互いに平行に、かつ所定の間隔Bで形成する工程と、(c)谷折りの折れ目42を挟んで隣り合う第1の面22同士が重なり、かつ山折りの折れ目40を挟んで隣り合う第2の面24同士が重なるように複数の折れ目で光学機能層付きフィルム20を折り曲げて折り畳み、光学シート10を得る工程とを有する、光学シート10の製造方法。【選択図】図5

Description

本発明は、光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法に関する。
一方の面側に配置された対象物の像(画像表示装置の画像等)を、他方の面側の空中に空中像として結像させる空中結像装置が提案されている(特許文献1)。
該空中結像装置は、透明平板の内部に、透明平板の表面に対して垂直な複数の帯状の第1の光反射層が、互いに平行に、かつ所定の間隔で形成された第1の光学パネルと;透明平板の内部に、透明平板の表面に対して垂直な複数の帯状の第2の光反射層が、互いに平行に、かつ所定の間隔で形成され第2の光学パネルとが;第1の光反射層と第2の光反射層とが平面視して直交するように、当接または近接配置されたものである。
該空中結像装置においては、対象物から発せられ、第1の光学パネルに入射した光が第1の光反射層で反射した後、第2の光学パネルに入射して第2の光反射層で再反射し、第2の光学パネルから出射する。第2の光学パネルから出射した光は、空中結像装置を挟んで対象物と対称位置で収束するため、空中結像装置を挟んで対象物と対称位置に空中像が形成される。
空中結像装置に用いる光学パネルの製造方法としては、下記の方法が提案されている。
(1)片面または両面に光反射層を形成した複数の透明基材を積層、接着して積層体を製造した後、積層体の側面に近い箇所を、光反射層に対して直交する方向に切断して薄く切り出す方法(特許文献1、2)。
しかし、(1)の方法には、下記の問題がある。
・光学パネルの面積を大きくするためには、表面に光反射層を形成した透明基材の面積を大きくするとともに、該透明基材の積層枚数を増やす必要があり、大面積化に対応しにくい。
・積層体から光学パネルを均一の厚さで薄く切り出すことが難しい。
・積層体から光学パネルを切り出す際に、光学パネルが割れやすく、歩留まりが悪い。
・歩留まりが悪い上に、工程数も多いため、安価に光学パネルを製造できない。
空中結像装置に用いる光学パネルではないが、透明平板の表面に対して垂直な複数の帯状の光反射層が、互いに平行に、かつ所定の間隔で形成された光学部材(回折格子)の製造方法としては、下記の方法が知られている。
(2)基材の表面に断面が矩形の複数の凸条を形成し、凸条の頭頂部および側面ならびに凸条間の底部にスパッタ法で光反射層を形成し、凸条の頭頂部および凸条間の底部の光反射層をエッチングで除去し、凸条間および凸条の上方に樹脂を充填する方法(特許文献3)。
しかし、(2)の方法には、下記の問題がある。
・フォトリソグラフィ法やインプリント法で基材の表面に凸条を形成した場合、側面が垂直な凸条を形成することが難しい。
・凸条の側面にスパッタ法で光反射層を形成することが難しい。
・凸条の頭頂部および凸条間の底部の光反射層をエッチングで選択的に除去するのに手間がかかり、安価に光学パネルを製造できない。
特開2011−175297号公報 特開2013−220981号公報 国際公開第2004/111693号
本発明は、入射面および出射面に対して垂直な複数の帯状の光学機能層を有する光学シートまたは光学パネルを、比較的安価に、かつ簡便に製造でき、大面積化も可能である製造方法を提供する。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]光が内部に入射する入射面と、光が外部に出射する出射面とを有する光学シートであり、該光学シートの内部に、前記入射面および前記出射面に対して垂直な複数の帯状の光学機能層が、互いに平行に、かつ所定の間隔Aで形成された光学シートを製造する方法であって、
下記の工程(a)、工程(b)および工程(c)を有する、光学シートの製造方法。
(a)透明フィルムの第1の面および第2の面のいずれか一方または両方に光学機能層を形成して光学機能層付きフィルムを得る工程。
(b)前記工程(a)の前または後に、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムの第1の面側から見て、山折りの折れ目と谷折りの折れ目とが交互に形成されるように、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムに、複数の折れ目を互いに平行に、かつ所定の間隔Bで形成する工程。
(c)前記工程(a)および前記工程(b)よりも後に、前記谷折りの折れ目を挟んで隣り合う前記光学機能層付きフィルムの第1の面同士が重なり、かつ前記山折りの折れ目を挟んで隣り合う前記光学機能層付きフィルムの第2の面同士が重なるように、前記複数の折れ目で前記光学機能層付きフィルムを折り曲げて折り畳み、前記光学シートを得る工程。
[2]前記山折りの折れ目が、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムの第1の面から第2の面の手前までに形成された切れ込み部と、第2の面側に残った薄肉部とからなり、
前記谷折りの折れ目が、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムの第2の面から第1の面の手前までに形成された切れ込み部と、第1の面側に残った薄肉部とからなる、[1]の光学シートの製造方法。
[3]前記切れ込み部が、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムに刃物またはレーザー光を使って切り込むことによって形成される、または前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムに断面三角形の凸条が形成された金型を押し当てることによって形成される、[2]の光学シートの製造方法。
[4]下記の工程(d)をさらに有する、[1]〜[3]のいずれかの光学シートの製造方法。
(d)前記工程(c)よりも後に、前記光学シートの前記光学機能層の面に対して直交する方向から前記光学シートを熱プレスする工程。
[5]前記工程(a)で得られる前記光学機能層付きフィルムが、前記光学機能層の表面に接着機能層を有する、[1]〜[4]のいずれかの光学シートの製造方法。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかの光学シートの製造方法によって光学シートを得た後、少なくとも前記光学シートを一対の透明基材の間に配置する、光学パネルの製造方法。
[7]前記光学シートを一対の透明基材の間に配置した状態で、前記一対の透明基材の間に透明樹脂を封入する、[6]の光学パネルの製造方法。
本発明の光学シートの製造方法によれば、入射面および出射面に対して垂直な複数の帯状の光学機能層を有する光学シートを、比較的安価に、かつ簡便に製造でき、大面積化も可能である。
本発明の光学パネルの製造方法によれば、入射面および出射面に対して垂直な複数の帯状の光学機能層を有する光学パネルを、比較的安価に、かつ簡便に製造でき、大面積化も可能である。
本発明の光学シートの製造方法によって得られる光学シートの一例を示す斜視図である。 本発明の光学シートの製造方法によって得られる光学シートの一例を示す断面図である。 本発明の光学シートの製造方法における工程(b)の一例を示す断面図である。 本発明の光学シートの製造方法における工程(b)の他の例を示す断面図である。 本発明の光学シートの製造方法における工程(c)の一例を示す断面図である。 本発明の光学シートの製造方法における工程(c)に用いる折り畳み冶具の一例を示す上面図である。 本発明の光学シートの製造方法における工程(d)の一例を示す断面図である。 本発明の光学パネルの製造方法によって得られる光学パネルの一例を示す断面図である。
以下の用語の定義は、本明細書および特許請求の範囲にわたって適用される。
「折れ目」とは、フィルムを折り畳む際にフィルムを折り曲げるきっかけとなる部分を意味する。
「切れ込み部」とは、フィルムの一方の面から他方の面に向かって深く入り込んだ部分を意味し、フィルムに刃物を切り込むことによって形成されたものに限定はされず、成形等によって形成されたものも包含する。
<光学シート>
本発明の光学シートの製造方法で得られる光学シートは、光が内部に入射する入射面と、光が外部に出射する出射面とを有する光学シートであり、該光学シートの内部に、入射面および出射面に対して垂直な複数の帯状の光学機能層が、互いに平行に、かつ所定の間隔Aで形成されたものである。
図1は、本発明の光学シートの製造方法によって得られる光学シートの一例を示す斜視図であり、図2は、該光学シートの、光学機能層に対して直交する方向の断面図である。
光学シート10は、入射面12および出射面14に対して垂直な複数の帯状の光学機能層16と、光学機能層16間に挟まれた複数の透明樹脂部18とを有する。
光学機能層16としては、光反射層、高屈折率層、低屈折率層、高屈折率層と低屈折率層との積層構造層等が挙げられる。
光反射層の材質としては、アルミニウム、銀、クロム、銅、ニッケル、チタン、マグネシウム、金、プラチナ、ロジウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の元素を含むものが好ましく、反射率、耐食性、コストの観点から、アルミニウムまたは銀を主成分としているものが好ましい。
高屈折率層の材質としては、チタニア、ジルコニア等の金属酸化物、金属酸化物の微粒子を含有する高分子材料等が挙げられる。
低屈折率層の材質としては、MgF、フッ素系樹脂材料、これらの成分を含有する高分子材料等が挙げられる。
透明樹脂部18の材質としては、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
光学機能層16間の間隔A(すなわち、透明樹脂部18の、光学シート10の面方向の幅)は、光学シート10の用途、光学シート10に要求される性能、結像位置、プレートからの方向等に応じて設計するのがよい。光学シート10が空中結像装置用の光学パネルである場合、結像位置にもよるが、光学パネルから30cm程度の距離に結像させたい場合には、光学機能層16間の間隔Aは、200〜500μmが好ましい。光学機能層16間の間隔Aが200μm未満では、結像付近への回折像の影響が出てくる。
光学機能層16の、光学シート10の面方向の厚さは、光学シート10の用途、光学シート10に要求される性能等に応じて適宜設定すればよい。光学シート10が空中結像装置用の光学パネルである場合、光学機能層16の厚さは、0.02〜0.2μm程度が好ましく、0.05〜0.15μm程度がより好ましい。
光学機能層16の長さは、光学シート10の用途、光学シート10に要求される性能、光学シート10の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。
光学機能層16の数は、光学シート10の用途、光学シート10に要求される性能、光学シート10の大きさ等に応じて適宜設定すればよい。
光学シート10の厚さ(後述するフィルムに形成される折れ目の間隔Bに相当する。)は、光学シート10の用途、光学シート10に要求される性能等に応じて適宜設定すればよい。光学シート10が空中結像装置用の光学パネルである場合においては、光学機能層16間の間隔Aに対する光学シート10の厚さの比率(B/A)は、0.2〜4倍程度を考えることができる。結像位置が光学シート10の出射面14に比較的近く、低い角度で出射する光を考慮する場合には、B/Aを低く設定することが好ましい。結像位置が光学シート10の出射面14から比較的遠く、高い角度で出射させたい場合は、B/Aを高く設計することが好ましい。光学シート10の出射面14に対して、50°程度の出射光まで考慮した高さに結像させたい場合には、B/Aは、1倍程度が好ましい。
<光学シートの製造方法>
本発明の光学シートの製造方法は、下記の工程(a)、工程(b)、工程(c)、工程(d)および工程(e)を有する。
(a)透明フィルムの第1の面および第2の面のいずれか一方または両方に光学機能層を形成して光学機能層付きフィルムを得る工程。
(b)前記工程(a)の前または後に、透明フィルムまたは光学機能層付きフィルムの第1の面側から見て、山折りの折れ目と谷折りの折れ目とが交互に形成されるように、透明フィルムまたは光学機能層付きフィルムに、複数の折れ目を互いに平行に、かつ所定の間隔Bで形成する工程。
(c)前記工程(a)および前記工程(b)よりも後に、谷折りの折れ目を挟んで隣り合う光学機能層付きフィルムの第1の面同士が重なり、かつ山折りの折れ目を挟んで隣り合う光学機能層付きフィルムの第2の面同士が重なるように、複数の折れ目で光学機能層付きフィルムを折り曲げて折り畳み、光学シートを得る工程。
(d)必要に応じて、前記工程(c)よりも後に、光学シートの光学機能層の面に対して直交する方向から光学シートを熱プレスする工程。
(e)必要に応じて、前記工程(c)または工程(d)よりも後に、光学シートの入射面および出射面を鏡面に仕上げる工程。
(第1の実施形態)
以下、工程(a)にて透明フィルムの第1の面および第2の面の両方に光学機能層を形成し、工程(b)を工程(a)の後に実施する第1の実施形態を例にとり、図面を参照しながら本発明の光学シートの製造方法を詳細に説明する。
工程(a):
透明フィルムの第1の面および第2の面の両方に光学機能層を形成して光学機能層付きフィルムを得る。
透明フィルムの材質は、上述した透明樹脂部18の材質と同じである。
透明フィルムの厚さは、上述した光学機能層16間の間隔Aと同じ厚さである。
光学機能層の材質は、上述した光学機能層16の材質と同じである。
光学機能層の厚さは、上述した光学機能層16の厚さと同じである。
光学機能層の形成方法としては、光学機能層が光反射層の場合、蒸着法、スパッタ法、メッキ法等が挙げられる。また、透明フィルムの表面に金属箔を接着剤を介して貼り付けてもよい。光学機能層の形成方法としては、光学機能層が高屈折率層の場合、蒸着法、スパッタ法、コーティング法等が挙げられる。
透明フィルムの表面に金属箔を貼り付ける場合に用いる接着剤としては、樹脂フィルム同士を接合する際に用いる接着剤を適用できる。光学機能層が光透過性を有する場合は、後述する、光透過性を有する樹脂系接着剤が好ましい。
透明フィルムの表面に金属箔を、皺等を発生することなく接合するためには、平板型プレス装置またはラミネート装置を用いて接合することが好ましい。この場合は、金属箔または透明フィルムに接着剤を塗布し、その後、必要な形態に成形した後に、加熱処理等を施し、接合力を発現させることもできる。本発明の光学シートを製造する場合は、前もって光学機能層付きフィルムを製造しておくことが基本となるが、透明フィルムの表面に金属箔を貼り付けた光学機能層付きフィルムについては、一般的な連続製造装置、たとえば、連続ラミネート装置や塗工装置を用いて、ロールツーロールプロセスによって製造することが好ましい。
光学機能層付きフィルムを折り畳んで光学シートとした際に、折り重なった光学機能層同士の接着性を向上させる目的で、光学機能層の表面に接着機能層を設けてもよい。
接着機能層としては、代表的にはカップリング剤の単分子膜が挙げられる。
カップリング剤は、異種材料間の界面結合をよくするために用いられる。カップリング剤としては、シランカップリング剤が特に好ましい。シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤の市販品としては、下記のものが挙げられる。
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン:日本ユニカー社製、NUC A−187、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン:日本ユニカー社製、NUC A−189、
γ−アミノプロピルトリエトキシシラン:日本ユニカー社製、NUC A−1100、
γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン:日本ユニカー社製、NUC A−1160、
N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン:日本ユニカー社製、NUC A−1120。
接着機能層を形成するための他の材料としては、アルカリ金属ケイ酸塩系が挙げられる。
アルカリ金属ケイ酸塩系は、分子式MO・nSiOで表される化合物であり、Mの種類(Li、Na、K等)およびnの大小によって性質の異なる数多くの種類が存在する。一般には安価なケイ酸ナトリウム(水ガラス)がよく用いられる。
接着機能層を形成するための他の材料としては、第一正リン酸塩(M・HPO、MはLi、Na、K等)、シリカゾル、ヘキサメチルジシラザンの縮合体、カルボン酸を有するカテコール化合物、ポリシラザン化合物等が挙げられる。
接着機能層は、接着剤層であってもよい。接着剤としては、光学機能層が光透過性を有する場合は、光透過性を有する樹脂系接着剤が好ましい。樹脂系接着剤としては、光学機能層同士を接合できればよく、特段限定されない。
一般的な接着剤としては、酢酸ビニル樹脂系エマルション形接着剤、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)系エマルション形接着剤、α−オレフィン(イソブテン−無水マレイン酸樹脂)系接着剤、アクリル樹脂系エマルション形接着剤、スチレン−ブタジエンゴム系ラテックス形接着剤、酢酸ビニル樹脂系溶剤形接着剤、アクリル樹脂系溶剤形接着剤、塩化ビニル樹脂系溶剤形接着剤、クロロプレンゴム系溶剤形接着剤、粘着付与樹脂(フェノール樹脂、ロジン樹脂等)、クロロプレンゴム系溶剤形マスチックタイプ接着剤、ニトリルゴム系溶剤形接着剤、再生ゴム系溶剤形、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、シリコーン樹脂系接着剤、エポキシ・変成シリコーン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系(SGA)接着剤、ポリマーセメントモルタル、エポキシ樹脂モルタル、シリル化ウレタン樹脂系接着剤、ホットメルト形接着剤等が挙げられる。
光学機能層同士を接合する接着剤層については、工程(c)の際に、大きなタック性や流動性がある状態だと折り畳み加工に問題が生じることから、それらの特性を持たないものが好ましい。一般的にはホットメルト接着剤が好ましく、加熱硬化、湿気硬化等の後架橋機能を有する材料を含んでいる反応型ホットメルト接着剤が好ましい。
反応型ホットメルト接着剤としては、ナイロン樹脂接着剤、ポリエステルポリオールとイソシアネート化合物とからなるウレタン系接着剤等が好適である。
ポリエステルポリオールとしては、ディックドライLX−71A(DIC社製)、ベッコライトM−6180−50(DIC社製)、テスラック2503−63(日立化成ポリマー社製)、アロンメルトPES−375SE50(東亜合成社製)、エリーテルXO−0276(ユニチカ社製)等が挙げられる。
イソシアネート化合物としては、脂肪族イソシアネート(ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート等)、脂環族イソシアネート(シクロヘキサンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等)、芳香脂肪族系イソシアネート(キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等)、芳香族イソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等)が挙げられる。また、これらのジイソシアネートのアダクト体、2量体、3量体、カルボジイミド変性体、アロファネート変性体、ビューレット変性体、ヌレート変性体等も用いることができる。
工程(b):
光学機能層付きフィルムの第1の面側から見て、山折りの折れ目と谷折りの折れ目とが交互に形成されるように、光学機能層付きフィルムに、複数の折れ目を互いに平行に、かつ所定の間隔Bで形成する。
折れ目の間隔Bは、上述した光学シート10の厚さに合わせて適宜設定すればよい。
折れ目の数は、上述した光学機能層16の数に合わせて適宜設定すればよい。
折れ目の形成方法としては、(α)折れ目に対応した位置にトムソン刃を光学機能層付きフィルムの表面から所定の厚さ部分まで挿入し、切れ込みを入れる方法、または折れ目に対応した位置に加工深さを制御できるレーザー加工機を用いて光学機能層付きフィルムの表面から所定の厚さ部分まで切れ込みを入れる方法、(β)折れ目に対応した位置に複数の凸条が形成された金型を用いてV字溝を形成する方法、等が挙げられる。
方法(α):
抜き型は、たとえば、ビク刃(トムソン刃)を所定の間隔で平行に母材にはめ込んだピナクルダイが好適である。一般的なトムソン刃の厚さは、0.45mm以上のものが用いられることから、折れ目の間隔Bが0.45mm以上の光学シート10の場合は、所定の間隔になるように、ビク刃の間にスペーサ等を入れて間隔を合わせてビク刃を重ねることで0.45mm以上の間隔で切れ込みを入れることができる。また、折れ目の間隔Bが0.45mm以下の場合は、チタンダイ等を用いることで、0.3mmの間隔まで切り込みを入れることが可能となる。
ビク刃の形状は、特に制限されないが、センター刃が左右対称性の観点で好ましい。その先端の角度は、鋭利であるほど切断面精度がよく好ましい。先端の角度は90°以下が好ましく、60°以下がさらに好ましく、45°以下が最も好ましい。
チタン合金をNC加工で削りだした高精度抜き型用のチタンダイを用いることで、刃間距離0.3mm以上の加工が可能である。
図3は、抜き型として一般的なピナクルダイを用いた折れ目の形成方法を説明するための断面図である。
透明フィルム28の第1の面および第2の面の両方に光学機能層26を形成した枚葉の光学機能層付きフィルム20を用意する。
また、所定の方向に延びる複数の第1のピナクル刃32が間隔Bの2倍の間隔で、かつ互いに平行に設けられた平板状の第1の抜き型30を用意する。
また、所定の方向に延びる複数の第2のピナクル刃36が間隔Bの2倍の間隔で、かつ互いに平行に設けられた平板状の第2の抜き型34とを用意する。
第1の抜き型30と第2の抜き型34との間に、光学機能層付きフィルム20を配置する。この際、第1の抜き型30および第2の抜き型34を、第1の面22と第1のピナクル刃32とが対向するように、第2の面24と第2のピナクル刃36とが対向するように、かつ第1のピナクル刃32と第2のピナクル刃36とが間隔Bで互い違いになるように配置する。
第1の抜き型30と第2の抜き型34との間に光学機能層付きフィルム20を挟んでプレスすることによって、光学機能層付きフィルム20の第1の面22に第1のピナクル刃32を切り込ませ、光学機能層付きフィルム20の第2の面24に第2のピナクル刃36を切り込ませる。
第1のピナクル刃32の高さを、透明フィルム28の厚さと同程度にすることによって、第1のピナクル刃32の先端が第2の面24の手前にまで到達する。これによって、光学機能層付きフィルム20の第1の面22から第2の面24の手前までに形成された切れ込み部40aと、第2の面24側に残った薄肉部40b(光学機能層26)とからなる、山折りの折れ目40が形成される。
また、第2のピナクル刃36の高さを、透明フィルム28の厚さと同程度にすることによって、第2のピナクル刃36の先端が第1の面22の手前にまで到達する。これによって、光学機能層付きフィルム20の第2の面24から第1の面22の手前までに形成された切れ込み部42aと、第1の面22側に残った薄肉部42b(光学機能層26)とからなる、谷折りの折れ目42が形成される。
なお、第1の抜き型30と第2の抜き型34で、光学機能層付きフィルム20を挟んで同時にプレスする場合には、刃に押されることにより、本来切り込みを入れる部分が逃げてしまい、適切な切り込みができない場合がある。そのため、刃が接触するフィルム表面とは反対側のフィルム表面と、その表面に対向する抜き型の平坦部の間にクッション等をいれて、光学機能層付きフィルム20のゆがみを抑える方法がとられる場合がある。あるいは、2つの工程に分け、カメラ等で位置合わせしながら、第1の工程にて第1の抜き型30で、フィルムが逃げないように切れ込み部40aを形成し、次いで、第2の工程にて第2の抜き型34で、フィルムが逃げないように切れ込み部42aを形成する方法がとられる場合もある。また、その際に、各抜き型のピナクル刃に相対する平坦部に微小なクッション等を付けておくことで、切れ込み部42aの形成を容易にできる場合もある。
また、切り込み方法としては、必ずしも機械的な刃を用いる方法である必要はない。機械的な刃とレーザー光等とを併用する方法もある。表面の光学機能層に小さな切れ込みを入れておき、そこにレーザー光を照射すると、反対側の光学機能層を残して、透明フィルムのみに切り込みを入れることが可能になるケースがある。
また、光学機能層付きフィルム20が、ロールツーロールプロセスにおける連続した帯状のフィルムの場合、第1の抜き型30および第2の抜き型34をロール状のものとし、ロール状の第1の抜き型30およびロール状の第2の抜き型34の間に帯状の光学機能層付きフィルム20を連続的に通すことによって、山折りの折れ目40および谷折りの折れ目42を連続的に形成してもよい。
なお、ロール状の抜き型を用いる場合も、ロール状の第1の抜き型30で切れ込み部40aを形成する工程と、ロール状の第2の抜き型34で切れ込み部42aを形成する工程とに分け、切れ込みを完成させる方が好ましい場合がある。さらに、ロール状の第1の抜き型30の、光学機能層付きフィルム20を挟んだ反対側に光学機能層付きフィルム20を支えるサポートロールを設け、切り込む刃に対して光学機能層付きフィルム20が逃げないようにすることが好ましい。ロール状の第2の抜き型34についても、光学機能層付きフィルム20を挟んだ反対側に光学機能層付きフィルム20を支えるサポートロールを設け、切り込む刃に対して光学機能層付きフィルム20が逃げないようにすることが好ましい。ロール状の第1の抜き型30およびロール状の第2の抜き型34の配置を、適切にバランスさせて配置することが好ましい。
方法(β):
図4は、折れ目に対応した位置に複数の凸条が形成された金型を用いた折れ目の形成方法を説明するための断面図である。
透明フィルム28の第1の面および第2の面の両方に光学機能層26を形成した枚葉の光学機能層付きフィルム20を用意する。
また、長手方向に直交する方向の断面形状が三角形であり、断面における斜面の長さが間隔Bよりもわずかに短くされた複数の第1の大凸条52と、隣接する2つの第1の大凸条52の間に形成された、長手方向に直交する方向の断面形状が三角形であり、断面における斜面の長さが光学機能層付きフィルム20の厚さよりもわずかに短くされた複数の第1の小凸条54とが、互いに平行に、かつ所定の間隔で形成された上型50を用意する。
また、第1の大凸条52と同じ形状および同じサイズの複数の第2の大凸条62と、第1の小凸条54と同じ形状および同じサイズの複数の第2の小凸条64とを有する下型60を用意する。
上型50と下型60との間に、光学機能層付きフィルム20を配置する。この際、上型50および下型60を、第1の面22と第1の大凸条52および第1の小凸条54とが対向するように、第2の面24と第2の大凸条62および第2の小凸条64とが対向するように、かつ第1の大凸条52の下方に第2の小凸条64が位置し、第1の小凸条54の下方に第2の大凸条62が位置するように配置する。
上型50と下型60との間に光学機能層付きフィルム20を挟んでプレスすることによって、各大凸条によって光学機能層付きフィルム20を折り曲げつつ、大凸条に対向して配置された各小凸条によって光学機能層付きフィルム20の折り曲がった部分を切り裂く。
第1の小凸条54の先端が第2の面24の手前にまで到達することによって、光学機能層付きフィルム20の第1の面22から第2の面24の手前までに切れ込んだV字溝である切れ込み部40aと、第2の面24側に残った薄肉部40b(光学機能層26)とからなる、山折りの折れ目40が形成される。
また、第2の小凸条64の先端が第1の面22の手前にまで到達することによって、光学機能層付きフィルム20の第2の面24から第1の面22の手前までに切れ込んだV字溝である切れ込み部42aと、第1の面22側に残った薄肉部42b(光学機能層26)とからなる、谷折りの折れ目42が形成される。
なお、上型50と下型60とによるプレスは、加熱プレスとした方がよい場合がある。また、プレス前にあらかじめ、光学機能層付きフィルム20の、小凸条部が接触する部分に微小な切り込みを入れることで、型形状への追随を容易にすることができる場合がある。
また、光学機能層付きフィルム20が、ロールツーロールプロセスにおける連続した帯状のフィルムの場合、上型50および下型60をロール状のものとし、ロール状の上型50およびロール状の下型60の間に帯状の光学機能層付きフィルム20を連続的に通すことによって、山折りの折れ目40および谷折りの折れ目42を連続的に形成してもよい。
また、V字溝を形成するためのロール部分の形状は、必ずしも小凸条部の形状である必要はなく、むしろ、刃物状の方が好ましいケースがある。
また、ロール表面に所定のトムソン刃の形状を有する加工用特殊ロールを、両面から連続的に光学機能層付きフィルム20に押しつけることにより、切れ込み部を形成してもよい。ロール表面に直接加工して、ピナクル刃の形状を形成してもよいが、工業的にはフレキシブルなピナクル刃をロール表面に配置することが交換等の費用を最低限に抑えられることからより好ましい。フレキシブルピナクル刃は塚谷ベンディックス社等から購入できる。
工程(c):
山折りの折れ目40および谷折りの折れ目42が形成された光学機能層付きフィルム20においては、各折れ目の薄肉部がヒンジの役割を果たすことによって、切れ込み部が開閉自在とされている。
そのため、図5に示すように、光学機能層付きフィルム20の、各折れ目に平行な両側面に、光学機能層付きフィルム20の幅を狭くするように圧力を加えることによって、谷折りの折れ目42を挟んで隣り合う光学機能層付きフィルム20の第1の面22同士が接近し、かつ山折りの折れ目40を挟んで隣り合う光学機能層付きフィルム20の第2の面24同士が接近するように、各折れ目にて光学機能層付きフィルム20が折り曲げられる。
そして、光学機能層付きフィルム20の、各折れ目に平行な両側面にさらに圧力を加え続けることによって、谷折りの折れ目42を挟んで隣り合う光学機能層付きフィルム20の第1の面22の光学機能層26同士が重なり、かつ山折りの折れ目40を挟んで隣り合う光学機能層付きフィルム20の第2の面24の光学機能層26同士が重なるように、光学機能層付きフィルム20が折り畳まれる。
このようにして、重なった光学機能層26からなる光学機能層16と、分割された透明フィルム28からなる透明樹脂部18とが交互に配置されることになり、その結果、入射面12および出射面14に対して垂直な複数の帯状の光学機能層16と、光学機能層16間に挟まれた複数の透明樹脂部18とを有する光学シート10が得られる。
折れ目が形成された光学機能層付きフィルム20を折り畳む方法としては、たとえば、図6に示す折り畳み冶具を用いる方法が挙げられる。
折り畳み冶具70は、フィルム入口72からフィルム出口74に向かってしだいに幅が狭くされたフィルムスライド部76と、フィルムスライド部76の両側部に設けられた、フィルム入口72からフィルム出口74向かって延びる堰部78とを有する。
フィルム入口72から挿入された折れ目が形成された光学機能層付きフィルム20は、フィルム入口72からフィルム出口74に向かってしだいに間隔が狭くなる堰部78によって、光学機能層付きフィルム20の、各折れ目に平行な両側面に、光学機能層付きフィルム20の幅を狭くするように圧力が加わる。そのため、折れ目が形成された光学機能層付きフィルム20がフィルム入口72からフィルム出口74に向かうにしたがって、各折れ目にて光学機能層付きフィルム20が折り曲げられ、フィルム出口74に到達したときに、光学機能層付きフィルム20が折り畳まれる。
工程(d):
工程(c)で得られた光学シート10は、折り重なった光学機能層26同士の接着性が不充分な場合がある。よって、工程(c)よりも後に、光学シート10の光学機能層16の面に対して直交する方向から光学シート10をプレス板で挟んで熱プレスすることが好ましい場合がある。この際、折り重なった光学機能層26同士の接着性を向上させために、光学機能層26の表面に接着機能層が設けられていることが好ましい。
熱プレスは、工程(b)において切り込みを入れた際、またはV字溝を形成した際に光学機能層付きフィルム20内に生じた可能性のあるの応力を緩和し、光学シート10内の光学均一性を向上させる効果もある。
光学シート10の熱プレスは、たとえば、図7に示すように、光学機能層16の面が水平方向となるように縦置きにされた光学シート10の転倒や横ずれを防止するように光学シート10の周囲を囲む、角筒状のゲージ80と、光学シート10およびゲージ80を上下方向から、耐熱フィルム82を介して挟むように配置された一対のプレス板84とを有するプレス機によって行うことができる。
工程(e):
光学シート10の入射面および出射面が鏡面でない場合、光の反射、散乱等が起こりやすくなる。また、工程(a)の前に工程(b)を行った場合、透明フィルムの切れ込み部に光学機能層の材料が侵入するため、最終的に得られる光学シートの入射面および出射面に光学機能層の材料が付着していることもある。そのため、光学シート10の入射面および出射面を鏡面に仕上げることが好ましい。
入射面および出射面を鏡面に仕上げる方法としては、切削による方法、研磨による方法、光学シート10の樹脂材質と屈折率が一致する透明樹脂をコーティングする方法等が挙げられる。
(他の実施形態)
なお、本発明の光学シートの製造方法は、第1の実施形態に限定されない。
たとえば、透明フィルムの第1の面および第2の面のいずれか一方のみに光学機能層を形成するようにしてもよい。これらは、光学機能層の間隔を広くできる点、折り畳まれたフィルムの第1の面同士および第2の面同士の接着性の点など、最終的に必要とされる光学設計を考慮し選択すればよい。
また、透明フィルムに各折れ目を形成した後、透明フィルムの第1の面および第2の面のいずれか一方または両方に光学機能層を形成するようにしてもよい。ただし、この場合、光学シートの入射面および出射面に光学機能層の材料が付着していることがある。入射面および出射面に光学機能層の材料が付着している場合、切削、研磨等によって光学機能層を除去することが好ましい。
また、溶融した透明樹脂を、折れ目を有する透明フィルムを成形できる金型を使用することによって、複数の折れ目が形成された透明フィルムを得てもよい。
また、透明フィルムは、積層フィルムであってもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明の光学シートの製造方法にあっては、透明フィルムに光学機能層、ならびに山折りの折れ目および谷折りの折れ目を形成した後、これを折り畳んで光学シートを製造している。そのため、透明フィルムとして大面積のものを用いるだけで、光学シートの大面積化に対応できる。また、(i)フィルムの平坦な面に光学機能層を形成しているため、光学機能層の形成が容易である、(ii)フィルムを折り畳むという単純な操作によって複数の帯状の光学機能層を互いに平行に、かつ所定の間隔で配列させることができることから、大面積の光学シートであっても比較的安価に、かつ簡便に光学シートを製造できる。
<光学パネル>
図8は、本発明の光学パネルの製造方法によって得られる光学パネルの一例を示す断面図である。
光学パネル100は、光学シート10と、光学シート10を所定の間隔をあけて挟む一対の透明基材102と、一対の透明基材102と光学シート10との間に封入された透明樹脂104とを有する。
透明基材102の材質としては、ガラス、透明樹脂(ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート等)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース、ポリオレフィン、環状ポリオレフィン、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等)等が挙げられる。
透明樹脂104の材質としては、公知の光硬化性樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(たとえば、クラレ社製、エバール)、ポリビニルブチラール(たとえば、積水化学工業社製、S−LECフィルム)、ポリアクリル酸を主鎖骨格に有するアイオノマー(たとえば、デュポン社製、セントリグラス)等が挙げられる。
光学シート10の透明樹脂部18の屈折率と透明樹脂104の屈折率との差、および透明樹脂104の屈折率と透明基材102の屈折率との差は、界面における光の反射を抑える点から、できるだけ小さいことが好ましい。また、透明樹脂部18の屈折率と透明樹脂104の屈折率との差を充分に小さくすることによって、光学シート10の入射面および出射面に求める鏡面仕上げレベルによって生じる散乱などの課題を抑えることができる。
d線波長における屈折率の差は、0.05以下が好ましく、0.01以下がより好ましい。
<光学パネルの製造方法>
本発明の光学パネルの製造方法は、下記の工程(f)および工程(g)を有する。
(f)本発明の光学シートの製造方法によって光学シートを得た後、光学シートを一対の透明基材の間に配置する工程。
(g)必要に応じて、光学シートを一対の透明基材の間に配置した状態で、一対の透明基材の間に透明樹脂を封入する工程。
本発明の光学シートの製造方法によって得られた光学シートは、傷つきやすい。よって、光学シートを一対の透明基材の間に配置して、光学シートの変形を規制するとともに、光学シートを保護することが好ましい。
また、光学シートは、フィルムを折り畳んで製造されているため、光学シートの入射面および出射面が鏡面仕上げ品位が必ずしも高くない場合がある。また、光学シートを一対の透明基材の間に配置しただけでは、光学シートの変形の規制や光学シートの保護が不充分な場合がある。よって、光学シートを一対の透明基材の間に配置した状態で、一対の透明基材の間に透明樹脂を封入することがより好ましい。
(他の実施形態)
なお、本発明の光学パネルの製造方法は、上述した例に限定されず、一対の透明基材の間に、本発明における光学シートを複数配置してもよく、本発明における光学シートとともに、本発明における光学シートとは異なる別種のフィルム、光学材料等を配置してもよい。
たとえば、第1の光学シートおよび第2の光学シートを一対の透明基材の間に配置してもよい。光学パネルを空中結像装置用の光学パネルとして用いる場合は、第1の光学シートおよび第2の光学シートを、第1の光学シートの光学機能層(光反射層)と第2の光学シートの光学機能層(光反射層)とが平面視して直交するように、当接または近接配置することが好ましい。
また、3枚以上の光学シートを一対の透明基材の間に配置してもよい。
また、反射防止フィルム等の他の光学フィルムをさらに設けてもよい。
(作用機序)
以上説明した本発明の光学パネルの製造方法にあっては、本発明の光学シートの製造方法で得られた光学シートを用いているため、大面積の光学パネルであっても比較的安価に、かつ簡便に光学パネルを製造できる。
本発明の製造方法で得られた光学シートおよび光学パネルは、空中結像装置用の光学パネル等として有用である。
10 光学シート
12 入射面
14 出射面
16 光学機能層
18 透明樹脂部
20 光学機能層付きフィルム
22 第1の面
24 第2の面
26 光学機能層
28 透明フィルム
30 第1の抜き型
32 第1のピナクル刃
34 第2の抜き型
36 第2のピナクル刃
40 山折りの折れ目
40a 切れ込み部
40b 薄肉部
42 谷折りの折れ目
42a 切れ込み部
42b 薄肉部
50 上型
52 第1の大凸条
54 第1の小凸条
60 下型
62 第2の大凸条
64 第2の小凸条
70 折り畳み冶具
72 フィルム入口
74 フィルム出口
76 フィルムスライド部
78 堰部
80 ゲージ
82 耐熱フィルム
84 プレス板
100 光学パネル
102 透明基材
104 透明樹脂

Claims (7)

  1. 光が内部に入射する入射面と、光が外部に出射する出射面とを有する光学シートであり、該光学シートの内部に、前記入射面および前記出射面に対して垂直な複数の帯状の光学機能層が、互いに平行に、かつ所定の間隔Aで形成された光学シートを製造する方法であって、
    下記の工程(a)、工程(b)および工程(c)を有する、光学シートの製造方法。
    (a)透明フィルムの第1の面および第2の面のいずれか一方または両方に光学機能層を形成して光学機能層付きフィルムを得る工程。
    (b)前記工程(a)の前または後に、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムの第1の面側から見て、山折りの折れ目と谷折りの折れ目とが交互に形成されるように、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムに、複数の折れ目を互いに平行に、かつ所定の間隔Bで形成する工程。
    (c)前記工程(a)および前記工程(b)よりも後に、前記谷折りの折れ目を挟んで隣り合う前記光学機能層付きフィルムの第1の面同士が重なり、かつ前記山折りの折れ目を挟んで隣り合う前記光学機能層付きフィルムの第2の面同士が重なるように、前記複数の折れ目で前記光学機能層付きフィルムを折り曲げて折り畳み、前記光学シートを得る工程。
  2. 前記山折りの折れ目が、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムの第1の面から第2の面の手前までに形成された切れ込み部と、第2の面側に残った薄肉部とからなり、
    前記谷折りの折れ目が、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムの第2の面から第1の面の手前までに形成された切れ込み部と、第1の面側に残った薄肉部とからなる、請求項1に記載の光学シートの製造方法。
  3. 前記切れ込み部が、前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムに刃物またはレーザー光を使って切り込むことによって形成される、または前記透明フィルムまたは前記光学機能層付きフィルムに断面三角形の凸条が形成された金型を押し当てることによって形成される、請求項2に記載の光学シートの製造方法。
  4. 下記の工程(d)をさらに有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
    (d)前記工程(c)よりも後に、前記光学シートの前記光学機能層の面に対して直交する方向から前記光学シートを熱プレスする工程。
  5. 前記工程(a)で得られる前記光学機能層付きフィルムが、前記光学機能層の表面に接着機能層を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法によって光学シートを得た後、少なくとも前記光学シートを一対の透明基材の間に配置する、光学パネルの製造方法。
  7. 前記光学シートを一対の透明基材の間に配置した状態で、前記一対の透明基材の間に透明樹脂を封入する、請求項6に記載の光学パネルの製造方法。
JP2014136044A 2014-07-01 2014-07-01 光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法 Pending JP2016014735A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014136044A JP2016014735A (ja) 2014-07-01 2014-07-01 光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014136044A JP2016014735A (ja) 2014-07-01 2014-07-01 光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016014735A true JP2016014735A (ja) 2016-01-28

Family

ID=55230971

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014136044A Pending JP2016014735A (ja) 2014-07-01 2014-07-01 光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2016014735A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017167326A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 株式会社千代田テクニカルアーツ 光学結像装置の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017167326A (ja) * 2016-03-16 2017-09-21 株式会社千代田テクニカルアーツ 光学結像装置の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2570899B1 (en) Touch display device and a method of manufacturing the same
JP6750188B2 (ja) マスターフィルム付きナノ構造フィルム及びその製造方法
US8259267B2 (en) Display apparatus and manufacturing method thereof
JP6165206B2 (ja) 光制御パネルの製造方法、光制御パネル、光学結像装置、及び、空中映像形成システム
KR20140088906A (ko) 광-전 전면 기판
JP2014166952A (ja) ガラス・樹脂複合体の製造方法
KR20150020282A (ko) 광학 부재의 제조 방법, 광학 부재, 보호 필름이 부착된 광학 부재 및 광학 패널의 제조 방법
JP2015114852A (ja) タッチセンサを備えた画像表示装置およびその作製方法
JP2016081473A (ja) 保護カバー貼り付け用透明粘着シート
KR101517051B1 (ko) 안전거울 및 이의 제작방법
JP2016014735A (ja) 光学シートの製造方法および光学パネルの製造方法
EP3854559B1 (en) Method for producing flexible mold, flexible mold substrate and method for producing optical component
TWI566929B (zh) Integrated optical film and its diffuser
JP6456473B2 (ja) 表示装置の製造方法
KR101216601B1 (ko) 일체형 광학 필름 제조 방법
WO2018194074A1 (ja) 積層体及びその製造方法
TWI813758B (zh) 可撓式模具的製造方法、可撓式模具用的基材以及光學部品的製造方法
US20080079183A1 (en) Method for making an optical element
TW201900401A (zh) 用於處理基板之方法
CN116249623A (zh) 玻璃-玻璃层合体及其制造和切割方法
JP2006178181A (ja) ホログラム素子内蔵レンズの作製方法
JP2005189397A (ja) 薄膜フィルタの接合方法
JP2005084319A (ja) 偏光ビームスプリッタの製造方法および偏光ビームスプリッタ
JP2014074935A (ja) 表示装置