本発明の実施形態に係るモニタリング装置およびこれを用いた見守りシステムについて図面を用いて説明する。本発明に係るモニタリング装置は、モニタリング対象体が存在するモニタリング環境部位内に配置された個々に識別可能なRFIDタグと、このRFIDタグへ人感センサと同調した特定の周波数の電波を送信するとともに、RFIDタグから返信される電波を受信するリーダライタと、リーダライタとRFIDタグとの交信状態又交信が遮断された遮断のパターン状態を判断し、モニタリング対象体の状態を判別する判別装置と、からなる。以下に本発明のモニタリング装置が用いられた実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
第1の実施形態では、モニタリング装置を、車両のナンバープレートを封印する部分に用いた例である。本実施形態のナンバープレートモニタリング装置10において、モニタリング環境部位は車両11であり、モニタリング対象体が車体12に装着されて車両を特定するナンバープレート13であり、ナンバープレート13を車体12に固定し封印うる固定具14にRFIDタグ15が取り付けられ、車両11の外部に設けられたリーダライタ16と固定具14に取り付けられた個々に識別可能なRFIDタグ15との間で交信できない場合やICに記録された車両情報と異なる場合にナンバープレート13は偽装および異常があると判別装置17が判別する。
図1に示すように、本実施形態のナンバープレートモニタリング装置10は、車体12に装着される固定具14と、この固定具14に一体に組み込まれた個々に識別可能なRFIDタグ15と、固定具14に設けられたねじ穴18に螺合しナンバープレート13を車体にねじ止めするネジ19と、を有している。
固定具14は、図5に示すように、両端の直径が異なる円錐状の筒体形状で、中心部を貫通してねじ穴18が設けられている。この固定具14は、図1及び図2に示すように、車体12に設けた固定具挿入穴20に挿入・嵌合される。固定具挿入穴20は、ナンバープレート13が取り付けられる取付面21側の開口が、取付面21と反対側の車体面側22の開口より小径に形成されている。そして、固定具14を固定具挿入穴20内に嵌合することで、固定具14の底部が広がり脱落の危険が無く、車体12に固定される。
図5に示すように、固定具14の軸方向の中間部分にリング状のRFIDタグ15が一体に設けられている。ねじ穴18に螺合するネジ19は、プラスチック製で、ねじ頭部23と、雄ねじ部24とで形成されている。ねじ頭部23は、雄ねじ部24から連続して形成されたフランジ部25と、このフランジ部25に一体に設けられてドライバの先端部が嵌合するドライバ嵌合部26とで形成されている。ドライバ嵌合部26は、ドライバを所定のトルクで回転させると破断しフランジ部25から切断される。また、ネジ19の雄ねじ部24は、先端側に向かって次第に大径となるテーパ状に形成されている。このため、ネジ19を固定具14のねじ穴18に螺合させると、固定具14車体面側22の直径が広がり、固定具14が固定具挿入穴20に確実に固定され、RFIDタグ15が車体12に取り付けられる。
そして、ナンバープレート13を車体12に取り付けて封印するには、車体12の固定具挿入穴20内に固定具14を嵌合し、ナンバープレート13を取付面21側に位置させる。次に、図2に示すように、ネジ19をナンバープレート13に貫通させた後に、固定具14のねじ穴18に螺合する。さらに、ネジ19を締め付けて所定のトルクで回転させると、図1に示すように、フランジ部25からドライバ嵌合部26が破断する。これにより、ナンバープレート13とともにRFIDタグ15が車体12に取り付けられ、ナンバープレート13が封印される。
RFIDタグ15は、車両11の近く、例えば車両11を駐車する自宅駐車場や契約駐車場に設置、あるいは配設された人感センサと同調したリーダライタ16からの特定の周波数の電波を受信すると、リーダライタ16に向けて特定の周波数の電波をリーダライタ16へ送信する。リーダライタ16が個々に識別可能なRFIDタグ15からの電波を受信すると、この受信したことを示す信号が判別装置17に送られ、RFIDタグ15からの電波を受信することで、ナンバープレート13に異常がないと判断する。この結果は表示装置17aに表示される。また、RFIDタグ15からの電波をリーダライタ16が受信しない場合、判別装置17は、RFIDタグのIC情報との整合比較やリーダライタ16と個々に識別可能なRFIDタグ15との間で交信ができない(遮断されている)と判断し、ナンバープレート13になんらかの偽装や異常があると判断する。
例えば、ナンバープレート13が車体12から盗難等により不用意に外され、固定具14ごとナンバープレート13が持ち去られた場合には、RFIDタグ15が車体12側に存在しないので、ナンバープレート13の盗難を検知することができる。
また、車両11本来取り付けられるべきナンバープレート以外の、不法に入手したナンバープレートを車体12に取り付けた場合、既に取り付けられているナンバープレート13を車体12から無理矢理取り外す際に、固定具14を損傷させてしまうのでRFIDタグ15が破壊される。この状態で不法に入手したナンバープレート13を車体12に取り付けても、RFIDタグ15とリーダライタ16との間で交信ができないので、ナンバープレート13に偽装または異常があると判別装置17が容易に判断することができる。
ここで、個々に識別可能なRFIDタグ15とリーダライタ16との交信状態について説明する。図3に示すように、リーダライタ16と個々に識別可能なRFIDタグ15との交信距離は、パッシブの場合、通常はおよそ2〜3mであり、交信範囲は約50cmである。ただし、電源付きアクティブRFIDタグは有効距離が20〜30mの範囲で可能である。リーダライタ16に搭載している送受信用のアンテナが個々に識別可能なRFIDタグ15と適応範囲で受信可能になる。すなわち、リーダライタ16に対して個々に識別可能なRFIDタグ15の位置がリーダライタ16の正面の位置からずれた位置にあっても、リーダライタ16のアンテナとRFIDタグ15の角度を対面化すれるようにすれば、リーダライタ16とRFIDタグ15とは正常な交信をすることができる。なお、RFIDタグ15は、台座15aに固定されている。また、リーダライタ16は、警察車両の搭載や違法駐車の取り締まりの際、携帯が可能であり、一体化されている表示装置に対象車両の情報を表記させる。また、クラウドシステムの併用に際しては屋外WiFiシステムや他のLANシステムのリンクが可能である特徴を有している。
以上説明したように、本実施形態によれば、モニタリング装置を、車両のナンバープレートを封印する部分に用いたことで、車両11のナンバープレート13のモニタリングを行う際に手間、時間がかからず、走行中の車両からも一定の距離で正確なモニタが可能となる。
すなわち、図6及び図7に示すように、従来、ナンバープレート13を封印する場合、ナンバープレート13を車体12に取り付けるねじ27と、このねじ27の首部分に装着される台座28と、台座28に圧入されてねじ27の頭部を封印する鉛製の封印キャップ29とで行っている。ナンバープレート13を不法に入手された他のナンバープレートに付け替える場合、台座28、封印キャップ29を破壊し、ねじ27を緩めることによって既に取り付けられているナンバープレートを容易に取り外すことができる。また、不法に入手された他のナンバープレートもねじ27によって容易に取り付けることができる。
ところが、不法に入手された他のナンバープレートに付け替えても、外観からは、ナンバープレートが付け替えられていることを見つけるのは困難であるが、本実施形態の封印の方法では、RFIDタグ15を用いて、リーダライタ16との交信ができるか否かを判断することでナンバープレート13の異常を判断できるので、クラウドシステムとリンクした全国のネットワークから簡単に照合が可能であり、手間、時間がかからず、正確なナンバープレート13の管理が可能となる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、本発明のモニタリング装置を、貴金属、宝石等の物品の在庫を管理する物品管理に用いた例である。本実施形態の物品管理モニタリング装置30において、モニタリング環境部位は管理物品31を展示する管理物品置き場32であり、モニタリング対象体が管理物品置き場32に展示された管理物品31であり、リーダライタ35が管理物品置き場32に設けられ、管理物品置き場32の管理物品31を展示する展示スペース33に個々の識別が可能なRFIDタグ34が取り付けられ、管理物品置き場32の管理物品31が展示される展示スペース33のRFIDタグ34と管理物品置き場32に設けられたリーダライタ35との間で交信できる場合に管理物品31が展示スペース33に存在しないことを判別装置36が判別する。また、クラウドシステムとのリンクが可能で紛失物品の型番や画像資料、最終確認時間等の管理も可能である。
図8に示すように、貴金属や宝石等を販売する店舗37には、管理物品としての貴金属や宝石等を展示する管理物品置き場としての展示コーナー32が設けられている。展示コーナー32には、貴金属や宝石等を展示するための展示棚38が設置されている。
展示棚38は、図9に示すように、上下に4段、左右に4列に区画された複数の展示スペース33が設けられている。これらの展示スペース33の背板39部分には、それぞれ個々に識別可能なRFIDタグ34が設置されている。これらの展示スペース33には貴金属や宝石等が展示され、貴金属や宝石等が展示された状態では、個々に識別可能なRFIDタグ34が貴金属や宝石等によって覆われる。これらのRFIDタグ34は、各展示スペース33の位置に対応して識別可能になっており、リーダライタ35との間で通信ノイズが発生するためRFIDタグの読取が困難になる。即ち、管理物品との交信が可能となる場合、対象物品が紛失または盗難状況にあると判断させる。
リーダライタ35は、展示コーナー32の床40部分に設置され、展示コーナー32のカウンター41上に設置された判別装置36と接続されている。そして、リーダライタ35から各展示スペース33内の個々に識別可能なRFIDタグ34に向けて特定の周波数の電波を送信する。複数の展示スペース33の全てに貴金属や宝石等が展示されている場合には、各展示スペース33に設置されている個々に識別可能なRFIDタグ34は貴金属や宝石等によって覆われているのでリーダライタ35からの電波が遮断され、RFIDタグ34とリーダライタ35との交信が遮断されている。この状態では、判別装置42は、各展示スペース33に異常がないと判断する。
展示スペース32に貴金属や宝石等が存在しない場合には、リーダライタ35からの電波が貴金属や宝石等によって遮られることがないので、貴金属や宝石等が存在しない展示スペース33の個々に識別可能なRFIDタグ34はリーダライタ35からの電波を受信する。リーダライタ35からの電波を受信したRFIDタグ34はリーダライタ35に向けて特定の周波数の電波を送信する。貴金属や宝石等が存在しない展示スペース33の個々に識別可能なRFIDタグ34から送信された電波をリーダライタ35が受信すると、この受信結果が判別装置36に伝達される。
判別装置36は、リーダライタ35からの受信結果が伝達されると、リーダライタ35が受信した電波が送信された個々に識別可能なRFIDタグ34を識別し、このRFIDタグ34が設置された展示スペース33を特定する。電波が送信されたRFIDタグ34が設置された展示スペース33を判別装置36が判別すると、判別装置36は、受信した個々に識別可能なRFIDタグ34が設置された展示スペース32に、貴金属や宝石等が存在しないと認識し、展示スペース32における貴金属や宝石等の在庫の状況を表示装置42に表示する。販売員は、表示装置42aをクラウドシステムで確認することにより、展示スペース33に貴金属や宝石等が存在しないことを詳細に知ることができる。
以上説明したように、本実施の形態における物品管理モニタリング装置30によれば、展示スペース33の貴金属や宝石等の在庫状況を瞬時に判断することができ、展示スペース33に、貴金属や宝石等を素早く補充、展示することができる。また、今までのように、販売員が常に展示スペースを目視で確認して、在庫状況を確認する必要がないので、時間がかからず、偽物の置き換え等も正確な商品在庫のモニタリングが可能となる。
すなわち、従来は、店舗等に設置されている展示棚38に設けられた複数箇所の展示スペース33に管理物品である貴金属や宝石等の商品が展示されているか否かを確認するために、常時、展示棚38を見守るための販売員が必要であった。また、販売員は、常に展示スペース33を目視で確認する必要があり手間が掛かっていた。さらに、貴金属や宝石等が、予め設定された展示スペース33に正しく展示されているか否かを確認する必要もあった。
これに対して、本実施形態の物品管理モニタリング装置30では、複数箇所の展示スペース33にそれぞれ設けた個々に識別可能なRFIDタグ34とリーダライタ35との交信状態から、展示スペース33に貴金属や宝石が存在しているか否かを瞬時に判断できるので、素早く展示スペース33に貴金属や宝石を補充することができる。また、展示スペース33を目視確認するための販売員が不要になる。さらに、各展示スペース33に識別可能な個々に識別可能なRFIDタグ34をそれぞれ設置することにより、決められた展示スペース33に展示すべき貴金属や宝石等を間違いなく展示することができる。
さらに、展示スペース33から貴金属や宝石等が盗まれた場合、これをRFIDタグ34とリーダライタ35との交信状態を監視することにより、瞬時に発見することができ、どの展示スペース33の貴金属や宝石等が盗難に遭ったことを把握することができる。クラウドシステムのリンクによる詳細情報や確認や関連機関や警察等への通報も速やかに実施が可能である。
なお、図10に示すように、リーダライタ35から各展示スペース33に設置した個々に識別可能なRFIDタグ34に向けて電波を送受信する際に、ミラー43を設けて電波を乱反射させることで、監視範囲を一定の範囲で拡張することも可能である。
[第3の実施形態]
第3の実施形態では、モニタリング装置を、駐車場の駐車スペースに車両が存在しているか否かを監視することで駐車場の駐車スペースの在車状況の管理をする例である。本実施形態の駐車場モニタリング装置44において、モニタリング環境部位は車両が駐車する駐車場45であり、モニタリング対象体が駐車場45の車両46が駐車する駐車スペース47であり、この駐車スペース47にRFIDタグ48が取り付けられ、リーダライタ49が駐車場45に設けられ、駐車スペース47の個々に識別可能なRFIDタグ48とリーダライタ49との間で交信できる場合に車両46が駐車スペース47に存在しないことを判別装置50が判別する。
図11に示すように、駐車場45には、複数の駐車スペース47が白線等により区画されている。複数の駐車スペース47には、駐車スペース47の後方側にそれぞれ個々に識別可能なRFIDタグ48が設置されている。各駐車スペース47の前方側には、移動レール51が設けられている。この移動レール51上をリーダライタ49が、駐車ナンバー5番から1番に向けて往復移動する。また、駐車場45の天井には、リーダライタ49と同調する人感センサ49aが設置されている。
そして、リーダライタ49が移動レール51上を移動する際に、各駐車スペース47の各RFIDタグ48に向けて特定の周波数の電波を送信する。各駐車スペース47の各RFIDタグ48は、リーダライタ49からの電波を受信すると特定の周波数の電波をリーダライタ49に向けて送信する。リーダライタ49はRFIDタグ48からの電波を受信すると、RFIDタグ48からの電波を受信したことを判別装置50に送信する。判別装置50は、この結果を表示装置50aに表示する。
駐車スペース47に車両が駐車していない場合には、RFIDタグ48とリーダライタ49との間で交信されることで、リーダライタ49との間で交信されたRFIDタグ48が設置された駐車スペース47に車両46が存在していないと判断する。また、リーダライタ49から送信された電波を受信せず、リーダライタ49とRFIDタグ48とが交信しない場合、交信しないRFIDタグ48が設置された駐車スペース47に車両が存在し、駐車スペース47が空きの状態ではないと判別装置50が判断する。この場合、駐車スペース47に車両46が駐車しているとRFIDタグ48が車両によって覆われてリーダライタ49からの電波を受信することができない。
このように、複数の駐車スペース47にそれぞれRFIDタグ48を設けて、リーダライタ49との交信状態を確認することで、駐車スペース47に車両46が駐車しているか、駐車スペース47が空きの状態なのかをクラウドやネットワークシステムにより確認することができる。
したがって、駐車場45の駐車スペース47の空き状態を容易に確認することができる。また、駐車場45の管理者が目視で確認するのに比較して、駐車スペース47の空き状態を正確に確認することができる。さらに、リーダライタ49を移動レール51上で移動させるだけで、駐車スペース47の空き状態を確認することができるので、駐車スペース47の空き状態の確認に手間がかかることがない。
次に、図12、13に示す他の例について説明する。屋内駐車場52での駐車スペース47の空き状態を確認する場合、複数の各駐車スペース47に、識別可能なRFIDタグ48をそれぞれ設置する。リーダライタ49は、屋内駐車場52の天井53に設置する。そして、天井53に設置されたリーダライタ49から各駐車スペース47に設置された各RFIDタグ48に向けてリーダライタ49は電波を送信する。リーダライタ49からの電波を個々に識別可能なRFIDタグ48が受信すると、RFIDタグ48は、リーダライタ49に向けて電波を送信する。
この場合、リーダライタ49が個々に識別可能なRFIDタグ48からの電波を受信すると判別装置50はRFIDタグ48が設置された駐車スペース47が空き状態であると判断し、リーダライタ49が個々に識別可能なRFIDタグ48からの電波を受信しないと判別装置50は、RFIDタグ48が設置された駐車スペース47に車両が存在していると判断する。判別装置50は、この結果を表示装置50aに表示する。これにより駐車スペース47の空き状態を確認することができる。
車両46が駐車スペース47に駐車している状態では、RFIDタグ48は車両46によって覆われるので、リーダライタ49からの電波が遮断される。リーダライタ49からの電波が遮断されるとRFIDタグ48は、リーダライタ49からの電波を受信することができないので、リーダライタ49に向けて電波を送信することができない。このため、リーダライタ49は、RFIDタグ48からの電波を受信することができない。
以上説明したように、本実施形態の駐車場モニタリング装置44は、駐車場45の複数の駐車スペース47にそれぞれ識別可能なRFIDタグ48を設け、駐車場45に設置したリーダライタ49と個々に識別可能なRFIDタグ48との交信状態を確認することで駐車場45の駐車スペース47の空き状態を確認することができるので、駐車スペース47の空き状態の確認に、手間がかからず、正確に空き状態の確認を行い速やかなサービスを実施できる。
なお、駐車スペース47に個々に識別可能なRFIDタグ48を設置し、リーダライタ49との交信状態を確認することで、駐車スペース47に駐車させてある車両の盗難を素早く確認することができる。すなわち、駐車スペース47に設置してあるRFIDタグ48とリーダライタ49との交信状態が遮断している状態では車両46が駐車スペース47に存在しているが、RFIDタグ48とリーダライタ49とが交信状態となると駐車スペース47に車両が存在していないということになり、車両46が盗難されたと容易に判断することができる。クラウドシステムとのリンクで警察や警備会社への被害状況をリアルタイムに通報が可能である。
[第4の実施形態]
第4の実施形態では、モニタリング装置を、高齢者の寝具上での見守りを行う高齢者の見守りに用いた例である。本実施形態のベッドモニタリング装置54において、モニタリング環境部位は寝具55であり、モニタリング対象体が寝具55を使用する被介護者56であり、寝具55の足部側の側板57に個々に識別可能なRFIDタグ58が取り付けられ、寝具55の頭部側の側板59にリーダライタ60が取り付けられ、寝具55上に被介護者56が横臥している場合はRFIDタグ58とリーダライタ60との間が交信状態であり、RFIDタグ58とリーダライタ60との交信が遮断されると被介護者56が離床あるいは離床しようとしていることを判別装置61が判別する。
図14に示すように、寝具55は、ベッドマット62が敷かれる底板63と、被介護者56の足部側の側板57と、被介護者56の頭部側の側板59と、底板63の床面側に設けた移動用のキャスター64とで形成されている。足部側の側板57に、数個のRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eが取り付けられている。側板57の両側にRFIDタグ58a、58eが配置され、側板57の中央部、上部側にRFIDタグ58cが配置され、このRFIDタグ58cの両側にRFIDタグ58b、58dがそれぞれ配置されている。
また、頭部側の側板59には、取付用治具65を介してリーダライタ60が足部側の側板57側に向けて取り付けられている。このリーダライタ60は、被介護者56を介護する介護者が待機している事務所等に設けられた判別装置61とWiFiにより接続されている。そして、リーダライタ60から照射された電波は、数個の個々に識別可能なRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eに照射され、個々に識別可能なRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eから特定の周波数の電波がリーダライタ60に向けて照射されることで、リーダライタ60とRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eとが交信状態となる。
被介護者56が寝具55上に横臥している状態では、リーダライタ60からの電波は、数個のRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eに照射され、数個のRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eは特定の周波数の電波をリーダライタ60に向けて照射する。リーダライタ60は、RFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eからの電波を受信すると、判別装置61にRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eから電波が送信されていることを伝達する。判別装置61は、3個のRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eからの電波が送信されていることで、被介護者56が寝具55上に横臥していると判断する。また、判別装置61は、この結果を表示装置61aに表示する。
被介護者56が寝具55上で、上半身を起こすと、すなわち被介護者56が離床しようとして離床行動を起こすと、リーダライタ60からの電波が被介護者56によって遮られて、数個の個々に識別可能なRFIDタグ58a、58b、58c,58d、58eのうち側板57の中央部のRFID58cとその両側に位置するRFIDタグ58b、58dにリーダライタ60からの電波が照射されず(遮断され)、RFIDタグ58b、58c、58dからの電波がリーダライタ60に送信されることがない。リーダライタ60は、RFIDタグ58b、58c、58dからの電波が送信されていないことを判別装置61に伝達する。判別装置61は、個々に識別可能なRFIDタグ58b、58c、58dからの電波が送信されていないことで、被介護者56が寝具55上で上半身を起こし、離床行動を起こしたと判断する。
また、被介護者56が、寝具55上から足を寝具55の側方に位置させ、床上に足をついて、寝具55に対して横向きに座した状態となると、側板57の個々に識別可能なRFIDタグ58a、あるいはRFIDタグ58eへのリーダライタ60からの電波が遮られる。RFIDタグ58a、あるいはRFIDタグ58eへのリーダライタ60からの電波が遮られると、RFIDタグ58a、あるいはRFIDタグ58eからの電波がリーダライタ60に送信されることがない。リーダライタ60は、RFIDタグ58a、あるいはRFIDタグ58eからの電波が送信されていないことを判別装置61に伝達する。判別装置61は、RFIDタグ58a、あるいはRFIDタグ58eからの電波が送信されていないことで、被介護者56が寝具55に腰掛けて、離床しようとしていると判断する。
このように、本実施形態のベッドモニタリング装置54では、寝具55に複数枚の個々に識別可能なRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eを貼り付け、被介護者56の体位によってRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eとリーダライタ60との交信状態が遮断される状況を手旗信号と同様の符号化を機械学習させて完全離床や離床予測を判定することができる。
本実施形態のベッドモニタリング装置54によれば、被介護者56の寝具55上での状態を、介護者の手間、時間がかからず正確にモニタリングすることが可能となる。すなわち、従来、被介護者56が寝具55から離床することを、寝具55が設置されている例えば病室等と離れた介護者ステーション等で把握することは困難であった。そこで、ベッドが置かれた室内をビデオカメラ等によって撮影しモニタすることも考えられるが、介護者は撮影された映像をモニタ画面を見ていなければならず手間が掛かる。また、ビデオカメラによるモニターでは、被介護者のプライバシーが守れず、良好なQOLを得ることができない。
ところが、本実施形態のベッドモニタリング装置54では、被介護者56の寝具55上での挙動をRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eとリーダライタ60との交信状態によって判別装置61が判断するので、手間がかかることがない。また、被介護者56の寝返り等によって一次的にRFIDタグ58a、58b、58c、58d、58eとリーダライタ60との交信状態が途切れても、交信状態が途切れた時間が所定時間以下である場合には、被介護者56が寝返っただけだと判断することができるので、被介護者56の寝具55上での挙動を正確にモニタすることができる。また、クラウドシステム等とのリンクを可能にすることでAI等の技術も導入し、複数の対象者の自律判定システムの構築も可能である。
[第5の実施形態]
第5の実施形態では、本発明のモニタリング装置を、金庫の警備に用いた例である。本実施形態の警備モニタリング装置66は、モニタリング環境部位は金庫67であり、モニタリング対象体が金庫67に設けられた扉68であり、扉68の内側にRFIDタグ69が取り付けられ、金庫67が設置された室70内にリーダライタ71が設けられ、扉68に取り付けられた個々の識別可能なRFIDタグ69と室70内に設けられたリーダライタ71との間が交信状態となることで金庫67の扉68が開放されたと判別装置72が判別する。
図16に示すように、室70の壁面73a側に金庫67が設置され、壁面73aと対向する壁面73bにはリーダライタ71が取り付けられている。また、金庫67が設置されている室70とは別室の室70aに判別装置72が机74上に配置されている。さらに、図17に示すように、金庫67の両扉68a、68bの内側には、個々の識別可能なRFIDタグ69が設けられている。
リーダライタ71からは電波が金庫67に向けて人感センサと連動して常時照射されている。金庫67の両扉68a、68bの内側に設けたRFIDタグ69、69とは、両扉68a、68bが金庫67内を閉塞している。すなわち、閉じているときには、リーダライタ71からの電波を個々の識別可能なRFIDタグ69、69は鉄の遮蔽物によって受信することができない。金庫67の両扉68a、68bを開放するとRFIDタグ69、69が外方に露出し、リーダライタ71からの電波を受信し、個々の識別可能なRFIDタグ69、69はそれぞれ所定の周波数の電波をリーダライタ71に向けて照射する。
そして、金庫67の両扉68a、68bが閉じている状態で、窃盗犯が金庫67の扉68a、68bを開放すると、金庫67の内側の個々の識別可能なRFIDタグ69、69とリーダライタ71とが交信状態となる。すなわち、リーダライタ71から照射されている電波をRFIDタグ69、69が受信し、RFIDタグ69、69がリーダライタ71に向けて電波を照射する。RFIDタグ69、69からの電波を受信したリーダライタ71は、判別装置72にRFIDタグ69、69からの電波を受信したことを送信する。判別装置72は、個々の識別可能なRFIDタグ69、69からの電波をリーダライタ71が受信したことで金庫67の扉68a、68bが開放されたと判断する。判別装置72は、この結果を表示装置72aに表示するか、自動的にクラウドシステム等のリンクを可能にすることで犯罪の関係部署への通報や、警報が発生される。リーダライタ71や判別装置72は、遮蔽物で隠し目視されないようにしている。
この場合、金庫67の開閉を許可された所定の管理者及び許可者は、金庫67の両扉68a、68bを開放することを許可するIDタグを持参しているので、判別装置72は、金庫67の両扉68a、68bが開放されても窃盗犯と判断することはない。判別装置72が、許可されたIDタグを所持していないものは、認識できずに、リーダライタ71と個々の識別可能なRFIDタグ69、69とが交信することで窃盗犯によって金庫67の両扉68a、68bが不用意に開放されたと判断する。したがって、窃盗犯は認識用のIDタグを所持していないため金庫67の両扉68a、68bを開放したとたんに犯罪が判明され日時等の情報が記録される。クラウドシステム等とのリンクを可能にすることで窃盗犯人が仮に逃亡してもアリバイの検証で認知されてしまう。なお、タグの暗号化を可能にした識別の実施し、目的外のタグ情報を除外する。これらの情報解析にはAI及び機械学習等を用いたパタン解析を実施する。
このように、本実施の警備モニタリング装置66によれば、金庫67の警備に時間、手間を掛けずに、確実に24時間の警備を交代や休憩することもなく可能である。なお、本実施形態の警備モニタリング装置66は、図18に示すように、金庫67の警備以外に、店舗のシャッター75の内側にRFIDタグ69を取り付けておき、窃盗犯等が店舗等に無断侵入したことを検知することができる。この場合、リーダライタ71はシャッター75の前面側に配置されたパーテーション75aに設置し、判別装置72は、パーテーション75aによって区画された店舗の事務室等に設置する。クラウドシステム等とのリンクを可能にすることで通報や警報の実施が可能である。
[第6の実施形態]
第6の実施形態は、モニタリング装置を、インフラ計測に用いた例である。本実施形態のインフラモニタリング装置76は、モニタリング環境部位が構造物77であり、モニタリング対象体が構造物77の接合部78であり、接合部78に危険認識センサ88と個々の識別可能なRFIDタグ79が設けられ、RFIDタグ79と交信するリーダライタ80が専門の検査員によって任意の時間や期間に設けられ、RFIDタグ79とリーダライタ80との交信状態が異常または遮断されるとクラウドシステム等とのリンクを可能にすることで構造物77の健全性が失われていると判別装置81が判別する。
図19に示すように、構造物77は、鉄鋼製の板材82に対して板材88が直交した状態で接合部78に溶接またはボルト締結されている。接合部78には、板材82と板材83に跨がって個々の識別可能なRFIDタグ79が貼り付けられた危険認識センサ88が取り付けられている。危険認識センサ88に取り付けられたRFIDタグ79は、図20に示すように、基板84上に貼り付けられた危険予測センサ(ピエゾフィルム85)と、異常値を記録するIC86と、このIC86に接続されたアクティブ電源を有するフィルム状RF通信用コイル87とで構成されている。また、構造物77に近接してリーダライタ80が設けられ、リーダライタ80は異常時のみ通信が可能となる。RFIDタグ79からの電波を受信して、クラウドシステム等とのリンクを可能にすることで危険が認知されている。RFIDタグ79からはリーダライタ80からの電波に対して、特定の周波数の電波をリーダライタ80に向けて照射する。これによりRFIDタグ79とリーダライタ80とは約20〜30mの範囲で交信が可能な状態となる。
リーダライタ80は、構造物77とは別の場所に設置された判別装置81とクラウドシステム等とのリンクを可能にするように接続されている。判別装置81は、リーダライタ80から、RFIDタグ79からの信号を受信しているか否かを判別する。そして、構造物77の接合部78が健全性を保っているか否かをリーダライタ80とRFIDタグ79との交信状態から判別装置81は構造物77の健全性が保たれているか否かを判断する。
地震や災害によって構造物77の接合部78に力が加わり、接合部78が破壊されると危険計測センサ88のICデータを出力後、RFIDタグ79も破壊されるため、リーダライタ80との交信状態が遮断される。RFIDタグ79とリーダライタ80との交信状態が遮断されると、判別装置81は、構造物77の健全性が失われたと判断する。また、地震や災害に構造物77が合ったとしても、RFIDタグ79とリーダライタ80との交信状態が遮断されない場合は、構造物77の健全性が失われていないと判別装置81は判断する。また、判別装置81は、この結果を表示装置81aに表示、またはクラウドシステム等とのリンクを可能にすることで通報される。
また、本実施形態のRFIDタグ79は、ピエゾフィルム85が組み込まれているため、ピエゾフィルム85からの出力をIC86が記憶して検査時に情報を判別装置81に送信することで、クラウドシステム等とのリンクを可能にして、構造物77が地震や災害によってどの程度のダメージを受けたかを検知することができ、構造物77が用いられている建物の健全性を判断することができる。
以上説明したように、本実施のインフラ計測モニタリング装置76によれば、構造物77の変位や健全性をRFIDタグ79とリーダライタ80との交信状態から判断することやクラウドシステム等とのリンクを可能にすることで詳細な情報入手が可能になる。すなわち、従来、建物に用いられた構造物77の健全性や安全性を確認する場合、検査員等の目視や打音検査によって判断するので、手間と経験や時間がかかり、判断基準も検査員によってばらつきがあった。これに対して、本実施形態における個々の識別可能なRFIDタグ79とリーダライタ80との交信状態によって構造物77における接合部位とごの健全性を計測することにより、時間や手間がかからず情報解析が可能となり、クラウドシステム等とのリンクを可能にすることで正確な構造物77の健全性をモニタリングすることができる。
[第7の実施形態]
第7の実施形態は、本発明のモニタリング装置を、一人暮らしの老齢者の室内における活動状態を見守るモニタリング装置101である。本実施形態のモニタリング装置101は、モニタリング対象者(モニタリング対象体)102が活動するモニタリング領域(モニタリング環境部位)103内の複数の箇所に配置された複数の識別可能なRFIDタグ104と、モニタリング領域103内に配置されて複数のRFIDタグ104と交信するリーダライタ105と、モニタリング対象者102によりリーダライタ105との間の交信が遮られたRFIDタグ104のパターンを特定し、特定されたRFIDタグ104の識別情報に基づきモニタリング対象者102のモニタリング領域103での位置や状況を特定し表示するクラウドシステム等とのリンクを可能にする判別装置106と、からなる。
また、個々の識別可能なRFIDタグ104はリーダライタ105からの特定の周波数の電波を受信するタグ側電波受信部107と、タグ側電波受信部107がリーダライタ105からの特定の周波数の電波を受信するとリーダライタ105に向けて特定の周波数の電波を送信するタグ側電波送信部108と、相互通信システムを備えている。また、リーダライタ105は個々の識別可能なRFIDタグ104に向けて特定の周波数の電波を送信する検知電波送信部109と、RFIDタグ104からの特定の周波数の電波を受信する検知電波受信部110と、を備えている。なお、リーダライタ105は、検知電波受信部110が複数のRFIDタグ104を識別する識別機能を有していても良く、検知電波受信部110が別に識別装置を有していても良い。
さらに、判別装置106は、人感センサと同調するリーダライタ105の人感センサの応答がある場合、検知電波受信部110が受信していないことで、リーダライタ105からタグに向けた特定周波数の電波を応答するRFIDタグ104を特定し、人感センサと同調するリーダライタ105が個々の識別可能なRFIDタグ104から応答された電波がモニタリング対象者により遮られていることを検知し、モニタリング対象者102のモニタリング領域103内での位置や時間情報等を特定する。
また、本実施の形態に係るモニタリング装置101は、モニタリング領域103内にモニタリング対象者102を検知する電波送受信装置と同調した人感センサ111が複数箇所に設けられ、人感センサ111がモニタリング対象者102を検知した検知領域内に配置された個々の識別可能なRFIDタグ104に向けてリーダライタ105が、検知領域内の個々の識別可能なRFIDタグ104に特定された電波を送信する。
以下、上記図21、図22、図23のモニタリング装置1が用いられた見守りシステム121の実施の形態について説明する。図21及び図22は、モニタリング対象者102としての被介護者122が活動するモニタリング領域103としての室123を示す。室123のほかに、玄関エリア112、キッチンエリア113、ダイニングエリア114、リビングエリア115、寝室エリア116、トイレ・バスエリア117が設けられている。玄関エリア112には、室123の内部と外部とを仕切るとともに開閉可能な玄関ドア118と、リビングエリア115と玄関エリア112とを開閉するドア119が設けられている。また、トイレ・バスエリア117とリビングエリア115とを仕切るとともに開閉可能なドア120や階段エリアが設けられている。
本実施の形態に係る見守りシステム121は、図23に示すように、複数のタグ104a、104b・・・・・104nからなる個々の識別可能なRFIDタグ104と、このRFIDタグ104と送受信するリーダライタ105と、被介護者122の室123内での行動を見守る判別装置106と、室123内の被介護者122を検知する人感センサ111とで構成されている。
RFIDタグ104は、被介護者122が活動する室123内の複数の箇所に配置され特定の周波数の電波を受信すると共に受信した特定の周波数の電波に応じた特定の周波数の電波を送信する。複数のタグからなるRFIDタグ104は、室123内の床132、壁133、玄関ドア118、ドア119、ドア120にそれぞれ設けられている。これらの複数のRFIDタグ104(タグ)は、室123内で活動する被介護者122が活動すると予測される場所に設けられている。また、図27に示すように、寝具135のマット上には、被介護者の頭部側と、足部側にそれぞれ配置されている。この場合、被介護者122が睡眠している状態では、マット上のRFIDタグ104とリーダライタ105との間で通信は行われず、被介護者122がベッド上で起き上がった状態では、マット上の頭部側のRFIDタグ104とリーダライタ105との間でのみ通信が行われ、足部側のRFIDタグ104とリーダライタ105との間で通信は行われない。
また、RFIDタグ104を構成するタグ104a、104b・・・・104nは、図24(a)に示すようにリーダライタ105から送信された特定の周波数の電波を受信するタグ側電波受信部107と、リーダライタ105に向けて特定の周波数を送信するタグ側電波送信部108と、識別情報記憶部145とで形成されている。具体的には、図24(b)に示すように、基盤136上に回路部分137とアンテナ138とが載置され、フィルム139によって覆われている。
このRFIDタグ104は、いわゆるパッシブ型であり、タグ側電波受信部107が特定の周波数の電波を受信すると受信した電波から電力を発生し、この電力によってタグ側電波送信部108が特定の周波数の電波をリーダライタ105に向けて応答する。これにより、RFIDタグ104は、リーダライタ105との間で特定の周波数の電波を送受信する。各RFIDタグ104には、少なくともそれぞれのRFIDタグ104の設置場所を示す情報(以下「識別情報」という)が識別情報記憶部145に予め記憶されている。各RFIDタグは、識別情報を前述した特定の周波数の電波に乗せてリーダライタ105に送信する。
リーダライタ105は、室123内に配置されて複数のRFIDタグ104に向けて特定の周波数の電波をそれぞれ送信するとともに、複数のRFIDタグ104から前述したRFIDタグの識別情報が乗せられた特定の周波数の電波を受信する。リーダライタ105は、前述した複数のRFIDタグ104からの電波を同時に受信するために、例えばアンチコリジョン機能を有することが好ましい。リーダライタ105は、図23に示すように、メインリーダライタ124と、2個のサブリーダライタ125、126で構成されている。メインリーダライタ124は、リビングエリア115の壁115aの天井側に配置され、サブリーダライタ125は、玄関エリア112の壁112aの天井側に配置され、サブリーダライタ126はダイニングエリア114の壁114aの天井側に配置され、それぞれ固定されている。これらの装置はアンテナの角度を自在に移動が可能な固定装置(ジンバル等)が使用されている。
メインリーダライタ124は、上記したように、複数の個々の識別可能なRFIDタグ104に向けてそれぞれ特定の周波数の電波を送信する検知電波送信部109と、複数の個々の識別可能なRFIDタグ104からの特定の周波数の電波を受信する検知電波受信部110と、RFIDタグ104からの特定の周波数の電波の受信状態を判別装置106に送信する検知判断の送信部127とで構成されている。また、サブリーダライタ125、126もメインリーダライタ124と同様に、検知電波送信部109、検知電波受信部110、検知結果送信部127を備えている。そして、サブリーダライタ125、126の各RFIDタグ104からの受信結果はメインリーダライタ124の検知結果送信部127に送られ、検知結果送信部127からRFIDタグ104からの特定の周波数の電波の受信状態が判別装置106送信される。
判別装置106は、被介護者122の状態を判断する判断部128と、被介護者122の状態を端末等により表示する表示部129と、被介護者122の状態を外部に通報する通報部130とを備えている。そして、リーダライタ105から送信された電波又はRFIDタグ104から送信される電波が被介護者122により遮られ、個々の識別が可能なRFIDタグ104からの電波をリーダライタ105が受信していないことからリーダライタ105で電波を受信できないRFIDタグ104の位置を特定し、リーダライタ105とRFIDタグ104との間で電波を遮った被介護者122の室123内での位置を特定し表示する。具体的には、判別装置106は、各RFIDタグ104から送信されリーダライタ105で受信した各識別情報と、室123内に配置された全てのRFIDタグ104の識別情報とを比較することにより、受信できないRFIDタグ104を特定する。これにより、判別装置106は、被介護者122の室123内での位置を特定することができる。
判別装置106は、被介護者122が活動する室123から離れた場合は、例えば地域介護支援センター等に設置されている。この判別装置106は、被介護者122を支援する介護士等が常時確認できる状態にあり、被介護者122の室123内での活動状態を図28、図29に示す表示方法等で把握することができる。この場合、判別装置106とリーダライタ105とは、無線通信で繋がれており、リーダライタ105の検知結果送信部127から送信された検知結果が判断部128に送信される。
そして、判断部128がリーダライタ105から送信された電波又はRFIDタグ104から送信される電波が被介護者122により遮られ、個々の識別が可能なRFIDタグ104からの電波をリーダライタ105が受信していないことからリーダライタ105で電波を受信出来ないRFIDタグ104の位置を特定し、リーダライタ105とRFIDタグ104との間で電波を遮った被介護者122の室123内での位置を特定し表示部129が表示画面134に表示する。また、被介護者122に異常が発生していると判断した場合には、通報部130が外部クラウドシステム等とのリンクを可能にし、例えば救急センター等に通報、または、被介護者122が居住している室123の外部に設けた警報ランプ131を点滅させて近隣の住民に、被介護者122の異常を通報することも可能としている。
また、本実施の形態の見守りシステム121には、被介護者122が活動する室123内に4つの人感センサ111a、111b、111c、111dが配置されている。これらの人感センサ111a、111b、111c、111dは、図23、図25に示すように、例えば、個々の識別が可能な複数のタグ104a〜104tにそれぞれ対応している。人感センサ111aは、タグ104a〜104eに対応し、人感センサ111bはタグ104f〜104jに対応し、人感センサ111cは、104k〜104o(不図示)に対応し、人感センサ111dは、タグ104p〜104tに対応している。
そして、人感センサ111aは、玄関エリア112内に被介護者122が移動するとこれを検知し、被介護者122が玄関エリア112にいることを判断し、リーダライタ105を介して判別装置106に伝達する。判別装置106は、玄関エリア112に配置されたサブリーダライタ125から、玄関エリア112内に配置されている複数の個々の識別が可能なRFIDタグ104にそれぞれ特定の周波数の電波を送信する。
また、人感センサ111bは、キッチンエリア113、ダイニングエリア114に被介護者122が移動すると、被介護者122がキッチンエリア113、ダイニングエリア114にいることを認識してリーダライタ105を介して判別装置106に伝達される。判別装置106は、キッチンエリア113、ダイニングエリア114に配置されたサブリーダライタ126から、キッチンエリア113、ダイニングエリア114に配置されている個々の識別が可能な複数のRFIDタグ104にそれぞれ特定の周波数の電波を送信する。
さらに、人感センサ111cは、リビングエリア115に被介護者122が移動すると、被介護者122がリビングエリア115にいることをリーダライタ105を介して判別装置106に伝達する。判別装置106は、リビングエリア115に配置されたメインリーダライタ124から、リビングエリア115に配置されている個々に識別可能な複数のRFIDタグ104にそれぞれ特定の周波数の電波を送信する。
また、人感センサ111dは、リビングエリア115、寝室エリア116に被介護者122が移動すると、被介護者122がリビングエリア115、寝室エリア116にいることをリーダライタ105を介して判別装置106に伝達する。判別装置106は、リビングエリア115、寝室エリア116に配置されたメインリーダライタ124から、リビングエリア115、寝室エリア116に配置されている個々に識別可能な複数のRFIDタグ104にそれぞれ特定の周波数の電波を送信する。
次に、本実施の形態の見守りシステム121における見守り手順、すなわち判別装置106の作用について図26に示すフローチャートにしたがって説明する。図26において、ステップS1で見守りシステム121がON状態に、すなわち、リーダライタ105、判別装置106、人感センサ1111の電源がON状態になると、ステップS2で判別装置106は、人感センサ111が被介護者122を検知したか否か判断する。人感センサ111が被介護者122を検知したと判断すると、判別装置106は、ステップS3でどの場所の人感センサ111が被介護者122を検知したかを特定する。ステップS3で被介護者122を検知した人感センサ111を特定すると、ステップS4で特定した人感センサ111に対応するリーダライタ105から電波を送信し、個々の識別可能なRFIDタグが配置されたエリアに送信された電波応答を検知電波送信部9から個々の識別可能なRFIDタグ104の受信波を確認する。
ステップS5で判別装置106は、リーダライタ105がRFIDタグ104から電波を受信したか否かを判断する。リーダライタ105から送信された電波に対してRFIDタグ104からの電波が所定時間内にリーダライタ105が受信できると、ステップS6において被介護者122に異常が生じていないと判別装置106は判断する。ステップS5において、被介護者122に異常が発生し、例えば床上に倒れると床上に配置された個々の識別が可能なRFIDタグ104から電波をリーダライタ105で受信することが人体で妨げられて、電波障害となり実施できない。
リーダライタ105でRFIDタグ104からの電波を受信することができない状態で所定時間経過した否かがステップS7で判断され、所定時間経過してもRFIDタグからの送信電波が受信できない場合は、判別装置106は、ステップS8で被介護者122に異常が生じている、つまり床上に倒れている等の異常が生じていると判断し、ステップS9で、異常が生じていることを表示画面134に表示し、ネットワークシステム等で通報する。
ステップS7において、所定時間経過する前にRFIDタグ104からの電波を受信した場合には、ステップS2以下が繰り返し実行される。そして、ステップS10において見守りシステム121がOFF状態になったか否かが判断され、OFF状態では無い場合は、人感センサの応答の有無を確認後、ステップS2以下が再び実行される。見守りシステム121がOFF状態となると見守りシステムが終了する。
上記ステップS5において、被介護者122が床上に倒れて識別可能なRFIDタグ104からの電波の受信が無いことによって、すなわち、被介護者122によってリーダライタ105とRFIDタグ104との間の電波を遮断していることで被介護者122に異常が生じているか否かを判別装置106が判断する。更に、人感センサの応答の有無を確認される。他の例について説明すると、被介護者122が玄関エリア112に移動すると、人感センサの応答をドア120に設けたRFIDタグ104へのリーダライタ105の電波が遮断され、被介護者122が玄関エリア112に移動したことが検知される。
次に、玄関ドア118を開けるために被介護者122が玄関ドア118に近づくと、人感センサ111がこれを検知する。人感センサ111が被介護者122を検知すると、人感センサ111に対応するRFIDタグ104に向けてリーダライタ105から電波を対応する。この場合、被介護者122が玄関ドア118に近づくことで被介護者はリーダライタ105からの電波を遮断し、被介護者122が玄関ドア118を閉めるとリーダライタ105からの電波が玄関ドア118に設けられたRFIDタグ104からの電波を受信する。これにより、所定時間の応答や人感センサの反応等から、被介護者122が外出したことが判断される。
このとき、被介護者122が玄関エリア112に移動したにもかかわらず、玄関ドア118に設けたRFIDタグ104へのリーダライタ105からの電波が遮られることなく、リーダライタ105が玄関ドア118のRFIDタグ104からの電波を受信している場合、すなわち、被介護者122が玄関エリア112に移動してから玄関ドア118に被介護者122が近づくまで設定された所定時間以上かかっている場合や人感センサ応答が途絶えた場合には、被介護者122に玄関エリア112内で異常が生じていると判断することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、個々の識別が可能な複数のRFIDタグ104をモニタリング対象者102(被介護者122)が活動するモニタリング領域103(室123)内の複数箇所に配置して、モニタリング対象者102(被介護者122)のモニタリング領域103(室123)内での行動を把握することができるので、モニタリング対象者102(被介護者122)にRFIDタグ104を装着する必要がなくなる。これにより、モニタリング対象者102(被介護者122)へのRFIDタグ104の付け忘れや、被介護者の故意による脱落、また不用意な外れによる問題を防止することができ、モニタリング対象者102(被介護者122)の行動を正確に把握することができる。
また、本実施の形態によれば、人感センサ111を設けて、モニタリング対象者102(被介護者122)が移動した位置のRFIDタグへリーダライタ105から電波を送信するようにしているので、モニタリング領域103(室123)全体に常時電波を送信するがない。これにより、モニタリング対象者102(被介護者122)のQOLの尊重が可能となる。また、常時リーダライタ105から電波を送信する必要がないので、人体の影響の心配や省電力化が可能となり、計測データの容量を少なくし、複数の対象に対してモニタリングが可能となる。
なお、上記実施の形態では、人感センサ111を用いて、被介護者122が活動している領域のRFIDタグ104に電波を送信し、必要な部分に電波を送信するようにしているが、これに限らず、人感センサ111を用いることなく、リーダライタ105の検知電波送信部109から室123内に常時電波を送信することも可能である。
また、上記の実施の形態では、判別装置106が、室123以外の地域の介護支援センター等に設置されている例について説明したが、判別装置106は、被介護者122が活動する室123内に設置しても良い。この場合にも、被介護者122に異常が発生した場合には、通報部130、表示部129によってクラウドシステム等へ自動的にリンクされ、外部に被介護者122の異常な状態を知らせることができる。
また、上記実施の形態では、RFIDタグ104が識別情報記憶部145を有して、この識別情報記憶部145に、それぞれのRFIDタグ104の設置場所を示す情報等を記憶させ、この識別情報を前述した特定の周波数の電波に乗せてリーダライタ105に送信したが、複数のRFIDタグ104を識別する方法として、それぞれのRFIDタグ104に割り当てた異なる周波数によって複数のRFIDタグ104を識別、または、タグごとの個別番号による数値化して識別も可能である。
次に、判別装置106の通報部130が表示画面134に表示する表示画面について説明する。図28に示すように、表示画面134には、被介護者122が居住する室123を特定する番号エリア140、被介護者122の活動状態を示す活動表示エリア141、異常があるか否かを示す異常の有無表示エリア142、被介護者122の名前を表示する名前表示エリア143が一画面となったアイコン144が表示される。
表示画面134には、図29(a)〜(d)に示すアイコンが表示される。図29(a)は、被介護者22が睡眠中を示す。この場合、寝具135上の2つのRFIDタグ104は、リーダライタ105からの電波を受信できないことで、被介護者122がベッド上に寝ていると判別装置106が判断し、表示部130が表示画面134に図29(a)に示すアイコン144を表示する。
図29(b)は、被介護者122が覚醒した状態を表すアイコン144を示す。この場合、被介護者122が覚醒すると寝具135上で動くため、2つのRFIDタグ104のいずれかがリーダライタ105からの電波を受信することで被介護者122が覚醒したと判別装置106が判断する。
図29(c)は、被介護者122が寝具135上で起き上がった状態を示すアイコン144を示す。この場合、被介護者122が寝具135上で起き上がると、頭部側のRFIDタグ104がリーダライタ105からの電波を受信することで被介護者122が起き上がったと判別装置6が判断する。
図29(d)は、被介護者122が寝具135から離れた、すなわち離床状態を示すアイコン144を示す。この場合、被介護者122が離床すると、頭部側と足部側のRFIDタグはいずれもリーダライタ105からの電波を受信することで被介護者122が離床したと判別装置106が判断する。
このように、表示部129が表示画面134に被介護者122の活動状態を表示する際に、アイコン144によって可視化し表示することで、個人住宅や老人施設等で暮らす被介護者122の活動状態を容易に把握することができる。また、施設や病院の場合にも管理者や看護士が表示画面134上のアイコン144を確認するだけで容易に被介護者122の活動状態を把握することができる。
上述のとおり、本発明の実施の形態を開示したが、当業者によっては本発明の範囲を逸脱することなく変更が加えられうることは明白である。すべてのこのような修正および等価物が次ぎの請求項に含まれることが意図されている。