JP6962616B2 - ハブリング - Google Patents
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Description
しかし、特許文献2の車軸支持構造では、図1及び図2などに示されるように、ホイールハブの外方に、ホイールキャップが設けられている。このホイールキャップはホイールハブ(ハブリング)の外方に距離を開けて配備されており、ホイールに直に取り付けられるものとなっている。つまり、特許文献2のホイールキャップは、ハブリングとは全く別部材としてホイールの異なる箇所に取り付けられている。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、ハブリングにホイールキャップを保持する機能を付加することで、ホイールキャップを容易にホイールに装着可能とし、ホイールキャップを取り付ける構造がなくなる分だけホイールの製造コストも低く抑えることができるハブリングを提供することを目的とする。
即ち、本発明のハブリングは、外周側にタイヤが取り付けられると共に中央側にホイールナット取付部を有するホイールを、軸端に車両ハブが設けられた車軸に取り付ける際に用いるハブリングであって、前記ハブリングは、前記ホイールナット取付部に複数形成されたボルト孔に、前記車両ハブに形成された複数のハブボルトを差し込んだ上で、前記ホイールナット取付部に形成されたボア孔に、前記車両ハブの表面から車外側に向かって突出する円凸部を挿入する際に、前記円凸部とボア孔との隙間を埋め、且つ、前記ホイールの中心出しを行う構成とされており、前記ハブリングは、前記ボア孔の口径に対応した外径を有すると共に、ボア孔の孔内を通って車外側に突出状態となっている筒状のハブリング本体を備えており、前記ハブリング本体は、前記ボア孔から車外側に向かって突出した先端側に、前記車軸を車外側から目隠しするホイールキャップが装着可能とされており、前記ハブリング本体の外周面は、前記ボア孔の内周面に対して嵌合する嵌合面と、前記ボア孔の内周面から離間した非嵌合面と、を有していることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記ハブリング本体は、前記ホイールの外面から車外側に向かって起立するように伸びるベース筒部と、前記ベース筒部の車外側の端部に、先端に向かうに連れて先細り状に形成された絞り部と、を有しており、前記ホイールキャップ装着手段が前記ハブリング本体の絞り部に配備されており、前記ベース筒部の外周面に、前記嵌合面と、前記非嵌合面とが設けられているとよい。
なお、好ましくは、前記非嵌合面が、前記ベース筒部の外周面に複数設けられているとよい。
以下、本発明のハブリング1の実施形態を、図面に基づき詳しく説明する。
図1は、第1実施形態のハブリング1が取り付けられたホイール2を正面(車外側)から見た図である。図1に示すように、第1実施形態のハブリング1が設けられたホイール2は、自動車の車軸3に同軸となるように取り付け可能な、タイヤ自体と略同幅(ほぼ同じリム幅)の短尺円筒状の部材であり、外周側にタイヤが取付可能とされている。上述したホイール2は、スチール、アルミニウム、マグネシウムなどの金属またはこれらの合金などを用いて形成されており、鋳造、鍛造、切削などの工程を経て製造されている。
車軸3は、車両の中央側から車外側に向かって水平に伸びており、軸端には車軸ハブ5が設けられている。この車軸ハブ5は、車軸3の軸端に設けられた円盤状の部材であり、上述したホイール2のホイールナット取付部8と略同径かやや大きな径に形成されている。より正確には、図2に2点鎖線で示されるように、車軸3の車外側の軸端には円凸部7が設けられており、この円凸部7は車軸ハブ5の表面から車外側に向かって突出しており、円凸部7をボア孔に差し込んだ状態でホイール2は車軸3(車軸ハブ5)に取り付けられている。
具体的には、上述したハブリング1は、ボア孔6の口径に対応した外径を有する筒状のハブリング本体13を備えている。このハブリング本体13は、幅方向に沿ったボア孔6の孔長よりも長尺に形成されており、車内側からボア孔6内に全長がすべて入り込むまでハブリング本体13を差し込むと、先端側(車外側の軸端)がボア孔6から車外側に向かって突出するようになっている。一方、ハブリング本体13の基端側(車内側の軸端側)はボア孔6の内周面に面状態で接触するようになっている。
まず、ハブリング本体13に装着されるホイールキャップ14について説明する。
図5〜図7に示すように、ホイールキャップ14は、正面から見た外観が円盤状の部材であり、ハブリング本体13の車外側の端部に、筒状とされたハブリング本体13の車外側の開口を塞ぐように取り付け可能となっており、見栄えの悪い車軸3の目隠しを可能としている。
図8〜図10に示すように、ハブリング本体13は、ホイール2のホイールナット取付部8に形成されたボア孔6に対して、車外側に向かって突出した状態となるように挿入されている。
本発明のベース筒部19は、基端側から先端側に向かって外径が一定とされたストレート筒状、基端側から先端側に向かって外径が連続的(漸化的)に変化するテーパ筒状、または基端側から先端側に向かって外径が段階的(ステップ状)に変化するテレスコピック状に形成されている。ベース筒部19の基端側には、径外側に向かって突出する係止端21が形成されており、この係止端21をボア孔6の車内側の開口端に係止させることでハブリング本体13はボア孔6の車内側の開口端と面一となる状態に位置決めされる。
具体的には、ボア孔6の内周面との接触関係について言えば、ベース筒部19の外周面のうち、基端側の外周面は、ボア孔6の内周面とほぼ同じ外径の円筒面として形成されており、ボア孔6の内周面に対して面状態で接触可能となっている。一方、先端側の外周面は、基端側の外周面よりやや小さい外径の円筒面として形成されており、ボア孔6の内周面から少し距離をあけた(接触しない)構成となっている。このように先端側の外周面を基端側の外周面よりやや小さい外径に形成すれば、ベース筒部19の外周面がボア孔6の内周面に接触しなくなるため、ボア孔6からベース筒部19を抜き取る際に抜き取り作業が容易なものとなる。
つまり、上述したベース筒部19は、ボア孔6の内周面及び円凸部7の外周面によって内外から隙間なく挟まれており、これら3つの部材が面接触し合うことによって車軸3に対するガタツキを防止しつつホイール2が車軸3に固定可能となっている。
ホイールキャップ装着手段15は、ホイールキャップ14をハブリング1に直接係合させるものである。つまり、従来のホイール102では、ホイールキャップ114とハブリング101がボア孔106の異なる箇所にそれぞれ係合していたが、本実施形態のホイールキャップ装着手段15は、ホイールキャップ14の第1係合部17をハブリング本体13の絞り部20に形成された第2係合部18に係合させており、ハブリング1をホイールキャップ14に直接係合する構成となっている。
図5〜図7に示すように、第1係合部17は、ホイールキャップ14の外周側の裏面(車内側に面する表面)から、車内側に向かって水平に突出する突片であり、突端には爪部17aが形成されている。この爪部17aは、ホイールキャップ14の内周側から外周側に向かう方向(径外方向)に向かって突出した部分であり、上述したハブリング本体13の第2係合部18に係合可能となっている。
なお、本実施形態のホイールキャップ14の場合、第1係合部17は、周方向に等間隔をあけて4箇所形成されており、周方向にバランス良く係合力を発生させることでホイールキャップ14に対するハブリング1の係合を強固なものとしている。
なお、上述したハブリング1では、ハブリング本体13の一部(先端側、車外側)がボア孔6の外側に突出しているので、この突出した部分を用いて意匠性を向上させることが可能となる。例えば、ボア孔6の外側に突出しているハブリング本体13の外周面にローレット加工などを施したり、ハブリング本体13の外周面をホイールキャップ14とは異なる色や模様に加工したりすれば、従来のホイールキャップ114だけのものより多様性に富むデザインをホイール2に施すことが可能となる。
ところで、図2、図4、及び図9の拡大図に示すように、上述したハブリング本体13(ベース筒部19)の外周面は、ボア孔6の内周面6aに対して嵌合する嵌合面13aと、ボア孔6の内周面6aから離間した位置に配備される非嵌合面13bとで構成されるのが好ましい。具体的には、第1実施形態の非嵌合面13bは、ベース筒部1の中心側に向かって凹んだ溝としてハブリング本体13の外周面に形成されており、ベース筒部1の軸心回りを周回する連続した環状溝として形成されている。また、第1実施形態の非嵌合面13bは、ボア孔6の内周面と面状態で接触するハブリング本体13の外周面に形成されている。そのため、第1実施形態の非嵌合面13bの内外に隣接するハブリング本体13の外周面には、上述した嵌合面13aがそれぞれ形成されており、ボア孔6の内周面と面状態で接触している。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のハブリング1について説明する。
すなわち、第2実施形態のハブリング1は、ベース筒部19における基端側から先端側に向かうストレート筒状の部分が、第1実施形態の2倍程度の長さとなっている。そのため、ストレート筒状の部分の長さが長くなった分だけ、ボア孔6の外側に突出しているハブリング本体13の長さも長いものとなり、第2実施形態では第1実施形態の2倍程度の長さとなっている。
なお、上述した非嵌合面13bは、内外方向に沿って切断した断面がいずれも矩形状となっていたが、本発明の非嵌合面13bの断面形状は矩形状でなくても良い。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
2 ホイール
3 車軸
4 リム部
5 車軸ハブ
6 ボア孔
6a ボア孔の内周面
7 円凸部
8 ホイールナット取付部
9 スポーク部
10 フランジ部
11 開口
12 ボルト孔
13 ハブリング本体
13a 嵌合面
13b 非嵌合面
14 ホイールキャップ
15 ホイールキャップ装着手段
16 表示部
17 第1係合部
17a 第1係合部の爪部
17b 第1係合部の凹部
18 第2係合部
18a 第2係合部の爪部
19 ベース筒部
20 絞り部
21 係止端
101 従来のハブリング
102 従来のホイール
106 従来のボア孔
114 従来のホイールキャップ
Claims (6)
- 外周側にタイヤが取り付けられると共に中央側にホイールナット取付部を有するホイールを、軸端に車両ハブが設けられた車軸に取り付ける際に用いるハブリングであって、
前記ハブリングは、前記ホイールナット取付部に複数形成されたボルト孔に、前記車両ハブに形成された複数のハブボルトを差し込んだ上で、前記ホイールナット取付部に形成されたボア孔に、前記車両ハブの表面から車外側に向かって突出する円凸部を挿入する際に、前記円凸部とボア孔との隙間を埋め、且つ、前記ホイールの中心出しを行う構成とされており、
前記ハブリングは、前記ボア孔の口径に対応した外径を有すると共に、ボア孔の孔内を通って車外側に突出状態となっている筒状のハブリング本体を備えており、
前記ハブリング本体は、前記ボア孔から車外側に向かって突出した先端側に、前記車軸を車外側から目隠しするホイールキャップが装着可能とされており、
前記ハブリング本体の外周面は、前記ボア孔の内周面に対して嵌合する嵌合面と、前記ボア孔の内周面から離間した非嵌合面と、を有している
ことを特徴とするハブリング。 - 車外側に突出する前記ハブリング本体の先端側とホイールキャップとの間には、前記ホイールキャップをハブリング本体に固定するホイールキャップ装着手段が設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のハブリング。 - 前記ハブリング本体は、前記ホイールの外面から車外側に向かって起立するように伸びるベース筒部と、前記ベース筒部の車外側の端部に、先端に向かうに連れて先細り状に形成された絞り部と、を有しており、
前記ホイールキャップ装着手段が前記ハブリング本体の絞り部に配備されており、
前記ベース筒部の外周面に、前記嵌合面と、前記非嵌合面とが設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のハブリング。 - 前記ホイールキャップの外周側には、外側に向かって突出するように形成された第1係合部が設けられており、
前記ホイールキャップ装着手段は、前記絞り部の開口端に、内側に向かって突出するよ
うに形成され、且つ、前記第1係合部と係合可能とされた第2係合部を有している
ことを特徴とする請求項3に記載のハブリング。 - 前記非嵌合面が、前記ベース筒部の外周面に複数設けられている
ことを特徴とする請求項3または4に記載のハブリング。 - 前記非嵌合面が、前記ベース筒部の外周面に環状に連続して形成されている
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のハブリング。
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