JP6961193B2 - 運転者を管理する方法、装置およびシステム - Google Patents
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Description
上述したように、差分時間は任意の隣接する走行軌跡データ間の取得時刻差であり、走行データを取得する所定時間間隔に対応する時間の計測単位である。したがって、この差分時間での運転状態を判定し、その運転状態の差分時間を累積することで、複数の運転状態の各々の時間計測が所望の精度で可能となり、汎用性を向上させることができる。
連続運転は非運転時間があると途切れるので、その非運転時間が第二所定時間以上になることを条件に運転時間の計測を初期状態に戻して再開することができる。
停車時間が短い場合は運転継続中とみなすことで、単なる一時停止を休憩と区別し、実際に即した連続運転時間の計測が可能となる。
上記c)のアラート制御において、運転時間と休憩時間との組合せによりアラート状態の判定が可能となる。
1.1)システム構成
図1に例示するように、本発明の一実施形態による管理システムは、管理サーバ10が無線通信ネットワーク11を通して各車両の移動端末と通信可能であり、さらに通信ネットワーク12を通して管理部13と通信可能である。無線通信ネットワーク11は、たとえば複数の基地局を備えた移動体通信ネットワークである。通信ネットワーク12は、たとえばインターネットであり、インターネット上の仮想ネットワークであってもよい。後述するように、管理サーバ10は無線通信ネットワーク11を通して各車両の移動端末から送信パケットを収集して解析し、警告が必要と判断されれば特定の車両へアラートメッセージを送信することができる。
配車データ108は、車両のID(識別情報)ごとの運転業務計画を管理部13の装置によって入力してなるもので、車両のIDに、荷物の積込または取卸の場所・時刻、配送の依頼者、運転をする運転者D(i)のID(識別情報)等を関連づけたデータである。
本実施形態の基礎データである走行軌跡データ、走行軌跡データ系列および走行軌跡リストは、以下のように生成される。
図3(A)に例示するように、運転者D(i)が車両Cに乗車すると、移動端末20のプロセッサ203は、車両Cの速度あるいは位置等からなる走行データ、運転者IDおよび車両Cの車両IDを一定時間間隔(たとえば3秒間隔)で取得し、それらの取得時刻t(1)、t(2)・・・をそれぞれ付加した走行軌跡データM(1)、M(2)・・・を生成する。したがって、走行軌跡データM(1)、M(2)・・・の系列は、一定間隔で測定された走行データの変化を運転者および車両の組合せに紐付けたデータである。運転者D(i)が別の車両に乗り換えれば、走行軌跡データM(1)、M(2)・・・の系列の途中で車両IDが別の車両IDへ変化する。
管理サーバ10は、各車両の移動端末20から受信したパケットに格納された走行軌跡データを走行軌跡データ記録部102に蓄積する。走行軌跡データ記録部102には、業務管理や運行管理に十分な長さの期間における走行軌跡データが蓄積できればよい。以下、走行軌跡データ記録部102に蓄積された各運転者の走行軌跡データM(1)、M(2)・・・を「走行軌跡データ系列」と呼ぶ。走行軌跡データ記録部102には、登録された全ての運転者の走行軌跡データ系列が、パケット到着順あるいは各走行軌跡データの取得時刻順に蓄積されてもよいし、さらに運転者別あるいは車両別に分別して蓄積されてもよい。
プロセッサ104のデータ選択読出部105は、所定のタイミングになると、図4に示すように、走行軌跡データ記録部102に記録された運転者D(i)の走行軌跡データ系列から走行軌跡リストS(p)を選択的に読み出す。走行軌跡リストS(p)は、現時点から所定時間TPAST遡った時点から現時点pまでの期間に存在する一連の走行軌跡データである。図4では、所定時間TPAST前の時点から現時点までの間に時刻t(n+1)、t(n+2)・・・t(p)でそれぞれ取得された走行軌跡データM(n+1)、M(n+2)・・・M(p)が走行軌跡リストS(p)である。
以下、管理サーバ10によるデータ解析およびアラート制御について説明する。なお、便宜上、所定時間TPAST前から現時点までの走行軌跡リストS(p)を{M(1)、M(2)・・・M(p)}、その中の任意のj番目の走行軌跡データをM(j)と記すものとする。
上述したように、本実施形態によれば、走行軌跡データに運転者IDおよび車両IDが紐付いているので、運転者が交替または車両を乗り換えても、運転者ごとの稼働時間および休憩時間を正確に把握することができ、運転者が乗務している車両へ適切なアラートメッセージを送信することができる。
2.1)連続運転アラート管理(第1実施例)
連続運転に関しては、法令(「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号)第4条1項5号)によれば、4時間以内あるいは4時間経過直後に、1回が連続10分以上で、かつ合計が30分以上の運転中断が必要である。なお、連続運転の上限時間および規定の非運転時間(休憩時間)は法令により定められたものであり、それらの数値は法令の改正により変更され得る。本実施例によれば、連続運転時間(規定以上の休憩(例えば上記の30分)を取得していない状態での運転時間で、本実施形態では、規定未満の休憩(例えば10分)を取っていた場合には、休憩時間を除いた時間とする。)が規定値に近づくと、アラートを送信して運転者に休憩取得を促すように制御する。
図8において、まず、プロセッサ104は以下のフローで使用する変数を初期化する(動作401)。初期化により、運転時間TC-DRV =0、非運転時間TUN-DRV =0、停止時間TSTOP =0、非運転フラグFUN-DRV =Fとなる。なお、非運転フラグFUN-DRVは、運転状態であれば「F」あるいは“0”、非運転(休憩)状態であれば「True」あるいは”1”である。
管理サーバ10のアラート制御部107には、管理部13により早期設定値ALERTearlyおよび最終設定値ALERTfinalが予め設定されているものとする。たとえば連続運転時間の上限が4時間の場合、早期設定値ALERTearlyを3時間20分、最終設定値ALERTfinalを3時間40分に設定すれば、40分前に最初のアラートが届き、それでも運転を続ければ、20分前に最後のアラートが届く。
最終アラートメッセージを作成し(動作505)、図8の動作416で最終的に取得された対象車両へ最終アラートメッセージを送信して(動作506)、図6の動作312へ戻る。
「12分以上の休憩等を取得してください(連続運転時間3:20)」
という早期アラートメッセージが送信される。
「12分以上の休憩等を取得してください(連続運転時間3:40;非運転時間0:18)」
という最終アラートメッセージが送信される。
運転者の稼働時間に関しては、労働基準法34条1項が適用され、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間が必要である。なお、運転者の稼働時間は主として運転時間であり、上述した第1実施例における「運転時間」に対応する。また、これらの休憩時間は法令により定められたものであり、それらの数値は法令の改正により変更され得る。本実施例によれば、稼働時間が規定値に近づくと、アラートを送信して運転者に休憩取得を促すように制御する。
図11において、まず、プロセッサ104は以下のフローで使用する変数を初期化する(動作601)。初期化により、稼働時間TC-DRV =0、休憩時間TUN-DRV =0、停止時間TSTOP =0、休憩フラグFUN-DRV =Fとなる。なお、休憩フラグFUN-DRVは、運転状態であれば「F」あるいは“0”、休憩状態であれば「True」あるいは”1”である。
管理サーバ10のアラート制御部107には、管理部13により6時間アラート設定値ALERT(6H)および8時間アラート設定値ALERT(8H)が予め設定されているものとする。たとえば6時間アラート設定値ALERT(6H)を5時間40分、8時間アラート設定値ALERT(8H)を7時間40分に設定すれば、それぞれ20分前にアラートメッセージが届く。
「あと20分以内に10分以上の休憩を取得してください(勤務時間が8時間を超える場合)」というというアラートメッセージが送信される。
本発明は上述した実施例に限定されることなく、移動端末20から送信される走行軌跡データに運転者の業務内容(運転、荷役等)を設定しても良い。管理サーバ10は、走行軌跡データの業務内容を参照することで、図11の動作610において停止時間が休憩か荷役作業かを自動的に判定することができる。
11 無線通信ネットワーク
12 通信ネットワーク
13 管理部
20 移動端末
101 通信部
102 走行軌跡データ記録部
103 運転者テーブル
104 プロセッサ
105 データ選択読出部
106 解析部
107 アラート制御部
201 無線通信部
202 走行軌跡データ記録部
203 プロセッサ
204 表示部
Claims (11)
- 複数の車両に設けられた移動端末と、複数の車両の前記移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置と、からなる管理システムであって、
複数の車両の前記移動端末が、車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報を所定時間間隔で取得し、前記走行データと、前記運転者の識別情報と、前記車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含む走行軌跡データを前記管理装置へ送信し、
前記管理装置が、
複数の車両の前記移動端末からそれぞれ受信した前記走行軌跡データを記録する記録手段と、
前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行う処理手段と、
を有し、
前記処理手段は、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行することを特徴とする管理システム。
a)前記記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する - 前記b)において、
前記走行軌跡データの系列から順次読み出された前後の走行軌跡データの取得時刻差を差分時間として算出し、
前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両の運転状態を判定し、
前記運転状態ごとに前記差分時間を累積して前記運転状態ごとの計測時間を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。 - 前記b)において、
前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定し、
前記走行状態と判定された前記差分時間を加算して運転時間を計測し、前記停止状態と判定された前記差分時間を加算して停止時間を計測し、第一所定時間以上の停止時間を非運転時間として計測する、
ことを特徴とする請求項2に記載の管理システム。 - 上記b)において、
前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、
前記非運転時間が第二所定時間以上になると、前記運転時間および前記非運転時間をリセットする、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理システム。 - 上記b)において、前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、
上記c)において、前記運転時間がアラート条件を満たすか否かに応じてアラート状態であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理システム。 - 上記b)において、
前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、前記非運転時間が所定条件を満たすと前記運転時間に含め、前記非運転時間が所定条件を満たさなければ休憩時間と判定し、
上記c)において、
前記運転時間と前記休憩時間とが前記アラート条件を満たすか否かに応じてアラート状態であるか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項3に記載の管理システム。 - 複数の車両に設けられた移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置であって、
複数の車両の前記移動端末からそれぞれ受信した走行軌跡データを記録する記録手段と、
前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行う処理手段と、
を有し、前記走行軌跡データは、前記移動端末が所定時間間隔で取得した車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含み、
前記処理手段は、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行することを特徴とする管理装置。
a)前記記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する - 前記b)において、
前記走行軌跡データの系列から順次読み出された前後の走行軌跡データの取得時刻差を差分時間として算出し、
前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両の運転状態を判定し、
前記運転状態ごとに前記差分時間を累積して前記運転状態ごとの計測時間を取得する、
ことを特徴とする請求項7に記載の管理装置。 - 前記b)において、
前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定し、
前記走行状態と判定された前記差分時間を加算して運転時間を計測し、前記停止状態と判定された前記差分時間を加算して停止時間を計測し、第一所定時間以上の停止時間を非運転時間として計測する、
ことを特徴とする請求項8に記載の管理装置。 - 複数の車両に設けられた移動端末と、複数の車両の前記移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置と、からなる管理システムにおける管理方法であって、
複数の車両の前記移動端末が、それぞれ、
車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報を所定時間間隔で取得し、
前記走行データと、前記運転者の識別情報と、前記車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含む走行軌跡データを前記管理装置へ送信し、
前記管理装置が、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行することで前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行うことを特徴とする管理方法。
a)前記移動端末から受信した前記走行軌跡データを記録した記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する - 複数の車両に設けられた移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
記録手段が、複数の車両の前記移動端末のそれぞれから受信した走行軌跡データを記録し、前記走行軌跡データは、前記移動端末が所定時間間隔で取得した車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含み、
処理手段が、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行するように前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
a)前記移動端末から受信した前記走行軌跡データを記録した記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する
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