JP6961193B2 - 運転者を管理する方法、装置およびシステム - Google Patents

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Description

本発明は車両を運転する運転者および車両運行の管理システムに係り、特に法令その他規則に従って運転者を管理する技術に関する。
自動車運転者の労働条件の向上を目的として、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号)が策定され、運転者の拘束時間、休息時間、1日当たりの運転時間、連続運転時間等の制限が規定された(第4条1項)。たとえば、運転時間は、2日平均で1日当たり9時間が限度とされ、連続運転時間は4時間以内に制限されている。特に連続運転では、4時間以内あるいは4時間経過直後に、1回が連続10分以上で、かつ合計が30分以上の運転中断が必要である(第4条1項5号)。
また、休憩に関しては、労働基準法34条1項が適用され、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間が必要である。
このような法令を遵守するために、これまで種々の運行管理システムが提案されてきた。たとえば、特許文献1には、連続運転4時間以内に、1回が連続10分以上で、計30分以上の休憩を取得するタイミングを事前に案内するシステムが開示されている。特許文献2には、運転者の走行可能距離を運転者IDに紐付けて管理するシステムが開示されている。また、特許文献3には、自動車の運転距離あるいは運転時間が法令に定められた値を超えたとき、運転者の交替を促すメッセージが報知されるシステムが開示されている。
特開2008−108235号公報 特開2009−211186号公報 特開2019−159926号公報
しかしながら、上述した特許文献のいずれも、車両の走行距離や運転時間をキーとして運行管理を行っている。このために、ひとりの運転者がどの車両をどれだけの時間運転し、どのタイミングでどれだけ休憩を取るべきかを正確に管理することができない。すなわち、従来の方法では、ある運転者が別の車両に乗り換えて運転業務を継続する場合を考慮していないために、運転者ごとの正確な運行管理を行うことができなかった。
そこで、本発明の目的は、運転者毎の正確な管理が可能となる管理システム、管理方法および管理装置を提供することにある。
本発明の第一の態様による管理システムは、車両に設けられた移動端末と、前記移動端末と無線通信可能な管理装置と、からなる管理システムであって、前記移動端末が、車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報を所定時間間隔で取得し、前記走行データと、前記運転者の識別情報と、前記車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含む走行軌跡データを前記管理装置へ送信し、前記管理装置が、前記移動端末から受信した前記走行軌跡データを記録する記録手段と、前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行う処理手段と、を有し、前記処理手段が、a)前記記録手段から、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する、ことを特徴とする。
本発明の第二の態様による管理装置は、車両に設けられた移動端末と無線通信可能な管理装置であって、前記移動端末から受信した走行軌跡データを記録する記録手段と、前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行う処理手段と、を有し、前記走行軌跡データは、前記移動端末が所定時間間隔で取得した車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含み、前記処理手段が、a)前記記録手段から、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する、ことを特徴とする。
本発明の第三の態様による管理方法は、車両に設けられた移動端末と、前記移動端末と無線通信可能な管理装置と、からなる管理システムにおける管理方法であって、前記移動端末が、車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報を所定時間間隔で取得し、前記走行データと、前記運転者の識別情報と、前記車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含む走行軌跡データを前記管理装置へ送信し、前記管理装置が、a)前記移動端末から受信した前記走行軌跡データを記録した記録手段から、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する、ことで前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行うことを特徴とする。
本発明の第四の態様によるプログラムは、車両に設けられた移動端末と無線通信可能な管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、記録手段が、前記移動端末から受信した走行軌跡データを記録し、前記走行軌跡データは、前記移動端末が所定時間間隔で取得した車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含み、処理手段が、a)前記移動端末から受信した前記走行軌跡データを記録した記録手段から、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信する、ように前記コンピュータを機能させることを特徴とする。
上述したように、本発明によれば、走行軌跡データに運転者の識別情報および車両の識別情報が紐付いているので、運転者が交替または車両を乗り換えても、運転者ごとの稼働時間および休憩時間の正確な把握が可能となり、運転者が乗務している車両に対して適切なアラートメッセージを送信することができる。さらに、運転者の走行軌跡データの系列は所定時間間隔の運転状態を記録した基礎データであり、走行軌跡データの系列を用いて連続運転管理、休憩管理等の種々の管理を行うことができる。
本発明の実施態様によれば、上記b)において、前記走行軌跡データの系列から順次読み出された前後の走行軌跡データの取得時刻差を差分時間として算出し、前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両の運転状態を判定し、前記運転状態ごとに前記差分時間を累積して前記運転状態ごとの計測時間を取得することができる。さらに、上記b)において、前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定し、前記走行状態と判定された前記差分時間を加算して運転時間を計測し、前記停止状態と判定された前記差分時間を加算して停止時間を計測し、第一所定時間以上の停止時間を非運転時間として計測する。
上述したように、差分時間は任意の隣接する走行軌跡データ間の取得時刻差であり、走行データを取得する所定時間間隔に対応する時間の計測単位である。したがって、この差分時間での運転状態を判定し、その運転状態の差分時間を累積することで、複数の運転状態の各々の時間計測が所望の精度で可能となり、汎用性を向上させることができる。
本発明の別の実施態様によれば、上記b)において、前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、前記非運転時間が第二所定時間以上になると、前記運転時間および前記非運転時間をリセットする。
連続運転は非運転時間があると途切れるので、その非運転時間が第二所定時間以上になることを条件に運転時間の計測を初期状態に戻して再開することができる。
本発明の別の実施態様によれば、上記b)において、前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、上記c)において、前記運転時間がアラート条件を満たすか否かに応じてアラート状態であるか否かを判定する。
停車時間が短い場合は運転継続中とみなすことで、単なる一時停止を休憩と区別し、実際に即した連続運転時間の計測が可能となる。
本発明の別の実施態様によれば、上記b)において、前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、前記非運転時間が所定条件を満たすと前記運転時間に含め、前記非運転時間が所定条件を満たさなければ休憩時間と判定し、上記c)において、前記運転時間と前記休憩時間とが前記アラート条件を満たすか否かに応じてアラート状態であるか否かを判定する。
上記c)のアラート制御において、運転時間と休憩時間との組合せによりアラート状態の判定が可能となる。
図1は本発明の一実施形態による管理システムの概略的構成を示すネットワーク図である。 図2は本実施形態による管理システムにおける管理サーバと移動端末のより詳細な構成を示すブロック図である。 図3(A)は本実施形態における移動端末が測定する走行軌跡データの系列を示すタイムチャートであり、図3(B)は走行軌跡データを格納する送信パケットの一例を示す模式的なフォーマット図である。 図4は本実施形態による管理装置に蓄積された走行軌跡データの系列における走行軌跡リストの一例を模式的に示すタイムチャートである。 図5は管理装置に格納される走行軌跡リストの一例を示す図である。 図6は本実施形態による管理装置の動作を示すフローチャートである。 図7(A)は本発明の第1実施例による管理装置の一括休憩取得時の連続運転アラート動作の一例を示すタイムチャートであり、図7(B)は分散休憩取得時の連続運転アラート動作の一例を示すタイムチャートである。 図8は第1実施例による管理装置の連続運転時間計測方法の一例を示すフローチャートである。 図9は第1実施例による管理装置のアラート制御方法の一例を示すフローチャートである。 図10(A)は本発明の第2実施例による管理装置の一括休憩取得時の休憩アラート動作の一例を示すタイムチャートであり、図10(B)は分散休憩取得時の休憩アラート動作の一例を示すタイムチャートである。 図11は第2実施例による管理装置の稼働時間計測方法の一例を示すフローチャートである。 図12は第2実施例による管理装置のアラート制御方法の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成要素は単なる例示であって、本発明の技術範囲をそれらのみに限定する趣旨ではない。なお、本明細書内で使用される変数i,j,k,n,m,pはいずれも正の整数である。
1.一実施形態
1.1)システム構成
図1に例示するように、本発明の一実施形態による管理システムは、管理サーバ10が無線通信ネットワーク11を通して各車両の移動端末と通信可能であり、さらに通信ネットワーク12を通して管理部13と通信可能である。無線通信ネットワーク11は、たとえば複数の基地局を備えた移動体通信ネットワークである。通信ネットワーク12は、たとえばインターネットであり、インターネット上の仮想ネットワークであってもよい。後述するように、管理サーバ10は無線通信ネットワーク11を通して各車両の移動端末から送信パケットを収集して解析し、警告が必要と判断されれば特定の車両へアラートメッセージを送信することができる。
複数の車両(図1ではC1,C2)は、運転者により運転される自動車等であり、各車両には管理サーバ10と通信可能な移動端末20が搭載されている。移動端末20は、無線通信ネットワーク11と接続して管理サーバ10と通信可能であり、車両の固定端末でも運転者の携帯端末でもよい。移動端末20は、後述するように、走行軌跡データを順次記録する機能と、それらを無線通信ネットワーク11を通して管理サーバ10へ送信する機能と、を有する。
管理サーバ10は、通常の車両運行管理の他に、各運転者の稼働時間を管理する機能を有する。詳しくは後述するが、運転者D(i)が運転する車両を別の車両C2へ乗り換えたり、車両C1の運転を別の運転者D(j)と交替したりする場合にも各運転者の稼働時間を正しく管理することができる。以下、図2を参照しながら、管理サーバ10および移動端末20の構成をより詳細に説明する。
図2に例示するように、管理サーバ10は、無線通信ネットワーク11と接続するための通信部101と、各車両の移動端末20から受信した走行軌跡データを記録する走行軌跡データ記録部102と、複数の運転者を予め登録した運転者テーブル103と、配車データ108と、走行軌跡データ処理手段としてのプロセッサ104と、を有する。プロセッサ104は、図示しない記憶装置に格納されたコンピュータプログラムを実行することで、データ選択読出部105、解析部106およびアラート制御部107からなる機能を実現することができる。同等の機能はハードウエアで実現することも可能である。
配車データ108は、車両のID(識別情報)ごとの運転業務計画を管理部13の装置によって入力してなるもので、車両のIDに、荷物の積込または取卸の場所・時刻、配送の依頼者、運転をする運転者D(i)のID(識別情報)等を関連づけたデータである。
データ選択読出部105は、所定のタイミング、例えば、10分ごとなどの所定時間ごとに、走行軌跡データ記録部102から、現時点から所定時間TPAST遡った期間に相当する走行軌跡データを取得時刻に従った時系列で読み出し、走行軌跡リストS(p)を生成する。所定時間TPASTは、管理する労働時間・運転時間等のルールに応じて決定することができる。解析部106は走行軌跡リストS(p)を解析し、その解析結果に従ってアラート制御部107はアラート制御を行い、アラート条件に合致すればアラートメッセージを通信部101を通して移動端末20へ送信する。
移動端末20は、無線通信ネットワーク11に接続可能な無線通信部201と、走行軌跡データを格納する走行軌跡データ記録部202と、プロセッサ203と、表示部204と、を有する。プロセッサ203は、車両の走行データ、車両を実際に運転する運転者D(i)のIDおよび車両のIDを一定時間間隔で取得し、それらの取得時刻を付加した走行軌跡データを生成する。走行データは、少なくとも車両が走行しているか停止しているかを判定可能な情報であればよく、車両の速度計から速度情報を取得してもよいし、あるいはGPS(Global Positioning System)等の位置検出器からの位置情報から算出してもよい。運転者IDは運転者が携帯する端末あるいは社員カード等を移動端末20に接続することで取得できる。
生成された走行軌跡データは走行軌跡データ記録部202に記録されると共に、1個あるいは複数個の走行軌跡データが送信パケットに格納され、管理サーバ10へ送信される。管理サーバ10から受信したアラートメッセージは、移動端末20の表示部204に表示される。なお、アラートは、画像/動画による通知だけでなく、音声による通知を併せてもよい。
1.2)走行軌跡データ、走行軌跡データ系列、走行軌跡リスト
本実施形態の基礎データである走行軌跡データ、走行軌跡データ系列および走行軌跡リストは、以下のように生成される。
<走行軌跡データ>
図3(A)に例示するように、運転者D(i)が車両Cに乗車すると、移動端末20のプロセッサ203は、車両Cの速度あるいは位置等からなる走行データ、運転者IDおよび車両Cの車両IDを一定時間間隔(たとえば3秒間隔)で取得し、それらの取得時刻t(1)、t(2)・・・をそれぞれ付加した走行軌跡データM(1)、M(2)・・・を生成する。したがって、走行軌跡データM(1)、M(2)・・・の系列は、一定間隔で測定された走行データの変化を運転者および車両の組合せに紐付けたデータである。運転者D(i)が別の車両に乗り換えれば、走行軌跡データM(1)、M(2)・・・の系列の途中で車両IDが別の車両IDへ変化する。
図3(B)に示すように、走行軌跡データM(1)、M(2)・・・は、送信パケットに載せて移動端末20から管理サーバ10へ送信されるが、1つの走行軌跡データを1つのパケットで送信する必要はない。走行軌跡データM(1)、M(2)・・・は、走行軌跡データ記録部202に保持されているので、ネットワークの負荷を考慮しつつ、許容される個数の走行軌跡データを読み出し、1つのパケットに格納して送信することも可能である。1つの走行軌跡データM(n)には、上述したように、運転者ID、車両ID、取得時刻t(n)およびその時刻での走行データ(速度等)の情報が含まれる。
<走行軌跡データ系列>
管理サーバ10は、各車両の移動端末20から受信したパケットに格納された走行軌跡データを走行軌跡データ記録部102に蓄積する。走行軌跡データ記録部102には、業務管理や運行管理に十分な長さの期間における走行軌跡データが蓄積できればよい。以下、走行軌跡データ記録部102に蓄積された各運転者の走行軌跡データM(1)、M(2)・・・を「走行軌跡データ系列」と呼ぶ。走行軌跡データ記録部102には、登録された全ての運転者の走行軌跡データ系列が、パケット到着順あるいは各走行軌跡データの取得時刻順に蓄積されてもよいし、さらに運転者別あるいは車両別に分別して蓄積されてもよい。
図4に例示するように、走行軌跡データ記録部102には、各運転者の走行軌跡データ系列が蓄積されているので、任意の運転者D(i)のIDをキーとして、運転者D(i)の走行軌跡データ系列を選択的に読み出すことができる。なお、図4は運転者を基準とした系列であるが、車両を基準とすれば、各車両の走行軌跡データ系列を得ることができる。
<走行軌跡リスト>
プロセッサ104のデータ選択読出部105は、所定のタイミングになると、図4に示すように、走行軌跡データ記録部102に記録された運転者D(i)の走行軌跡データ系列から走行軌跡リストS(p)を選択的に読み出す。走行軌跡リストS(p)は、現時点から所定時間TPAST遡った時点から現時点pまでの期間に存在する一連の走行軌跡データである。図4では、所定時間TPAST前の時点から現時点までの間に時刻t(n+1)、t(n+2)・・・t(p)でそれぞれ取得された走行軌跡データM(n+1)、M(n+2)・・・M(p)が走行軌跡リストS(p)である。
過去に遡る所定時間TPASTは、走行軌跡データをどの目的で解析するかに依存して決定することができる。たとえば、後述するような連続運転アラートや休憩アラートであればTPAST=17時間に、2日間平均の運転時間の限度が9時間とするアラートであればTPAST=48時間に、それぞれ設定すればよい。
図5に例示するように、データ選択読出部105により読み出された走行軌跡リストS(p)は、走行軌跡データM(n+1)、M(n+2)・・・M(p)が取得時刻順に配列された集合である。後に詳述するように、相前後する2つの走行軌跡データ間の取得時刻差が計時単位となる差分時間Δである。たとえば、走行軌跡データM(n+1)とそれに続く走行軌跡データM(n+2)との取得時刻差t(n+2)−t(n+1)が差分時間Δであり、以下同様にして、所定時間TPAST前から現時点pまでの差分時間Δ〜Δp−1を算出できる。これらの差分時間Δの各々において、どの運転状態(たとえば車両の停止状態、連続運転/稼働状態、あるいは非運転/休憩状態)にあるかを判定し、対応する運転状態の経過時間を同じ状態と判定された差分時間Δの累積により計測することができる。
なお、差分時間Δは、任意の隣接する走行軌跡データ間の取得時刻差であるから、走行データを取得する所定時間間隔(たとえば3秒間隔)に対応する経過時間を計測する単位でもある。したがって、運転状態ごとに差分時間Δを累積して得られる計測時間のステップは、ネットワーク負荷も考慮しつつ、走行データを取得する所定時間間隔を設定することで決定できる。
1.3)動作
以下、管理サーバ10によるデータ解析およびアラート制御について説明する。なお、便宜上、所定時間TPAST前から現時点までの走行軌跡リストS(p)を{M(1)、M(2)・・・M(p)}、その中の任意のj番目の走行軌跡データをM(j)と記すものとする。
図6において、プロセッサ104のデータ選択読出部105は、運転者テーブル103と配車データ108から、現在、運転業務を行っている運転者D(i)の対象運転者リストを抽出する(動作301)。ここではk人の運転者D(1)〜D(k)のIDが読み出されたものとする。続いて、データ選択読出部105は対象運転者リストから運転者を順次選択し、選択された運転者D(i)の走行軌跡リストS(p)を生成する(動作303)。解析部106およびアラート制御部107は、走行軌跡リストS(p)に対して以下の動作304〜312を実行する。ここでは、解析部106がデータ解析P1(動作304〜309)を実行し、アラート制御部107がアラート制御P2(動作310〜311)を実行する。
データ解析P1において、解析部106は計測に使用する変数を初期化(動作304)した後、走行軌跡リストS(p)の先頭から走行軌跡データM(j)を順次選択する(動作305;j=1,2,・・・p)。すなわち、走行軌跡リストS(p)から取得時刻tの古い順に走行軌跡データM(j)が読み出される。解析部106は、相前後する2つの走行軌跡データ間の取得時刻差t(j)−t(j−1)を差分時間Δとして算出する(動作306)。差分時間Δの運転状態は、走行軌跡データM(j)の走行データに従って判定され、判定された運転状態の累積差分時間TSTATEに今回の差分時間Δが加算される(動作307;TSTATE=TSTATE +Δ)。続いて、解析部106は、最後に読み出した走行軌跡データM(j)の車両IDを対象車両とし(動作308)、走行軌跡リストS(p)の全ての走行軌跡データが選択完了するまで上記動作305〜309を繰り返す(動作309のYES)。
こうして、アラート判定対象の累積差分時間が得られると(動作309のNO)、アラート制御部107はアラート制御P2を実行する。すなわち、アラート判定対象の累積差分時間がアラート判定基準を満たしているか否かを判断し(動作310)、満たしている場合は「アラート状態」と判定し(動作310のYES)、現在選択している運転者D(i)が乗車している車両、すなわち動作308で対象車両とされた最後の車両IDの車両へアラートメッセージを送信する(動作311)。
こうして運転者D(i)についてのアラート処理が終了すると、次の運転者D(i+1)が読み出され(動作302)、以下同様の処理(動作302〜311)が全ての運転者の処理が終了するまで繰り返される(動作312のYES)。以上の動作301〜312は、管理部13からアラート制御開始指示があると、一定時間(たとえば10分)毎に繰り返され、対象車両の移動端末20へアラートが送信される。なお、管理部13は、こうして得られたアラート判定対象の計測時間を通信ネットワーク12を通してモニタ可能である。
以上述べた動作301〜312は、プロセッサ104がプログラムを実行することにより実現することができる。この場合、動作301〜312はそれらを実現する1つあるいは複数の処理ステップにそれぞれ対応する。動作301〜312を実現するプログラムは、管理部13から管理サーバ10へオンラインで提供され、インストールされても良い。あるいは、動作301〜312を実現するプログラムがコンパクトディスクやDVD等の記録媒体に記録され、この記録媒体を用いて管理サーバ10に上記プログラムがインストールされてもよい。
1.4)効果
上述したように、本実施形態によれば、走行軌跡データに運転者IDおよび車両IDが紐付いているので、運転者が交替または車両を乗り換えても、運転者ごとの稼働時間および休憩時間を正確に把握することができ、運転者が乗務している車両へ適切なアラートメッセージを送信することができる。
また、本実施形態によれば、任意の隣接する走行軌跡データ間の取得時刻差を差分時間Δとして算出し、走行データから差分時間Δがどの運転状態であるかを判定することができる。したがって、アラート判定対象の運転状態の差分時間を累積して運転または休憩の継続時間を計測することができ、その継続時間に基づいてアラート制御を行うことができる。
背景技術の項で述べた特許文献1〜3では、連続運転時間、停車時間等を計測する計測手段を有するが、連続運転、一時的な停止、休憩のための停止等の種々の事象が発生する毎に、その事象の前回の数値を参照し、事象の変化を認識する。たとえば特許文献1の図4によれば、走行状態を検出すると、前回の状態を参照し、前回が停車であれば走行開始と判断し、それまでの停車時間の判定を行う。このような時間の計測方法は対象とする事象の計測に特化しているために、連続運転管理、労働時間管理などの目的別にシステムを構築する必要があり、このために汎用性の低いシステムとならざるを得ない。
これに対して、本発明の実施形態によれば、相前後する2つの走行軌跡データ間の差分時間Δがどの運転状態にあるかを判定し、判定された状態の累積差分時間を計測できる。したがって、本実施形態は、運転時間、休憩時間あるいは就業時間等の種々の管理対象に適用可能であり、汎用性の高いシステムを提供できる。
以下の実施例で説明するように、上述した図6に示すデータ解析P1およびアラート制御P2の一部を管理対象に応じて変更するだけで、たとえば連続運転アラート管理、休憩アラート管理等を容易に実現することができる。また、同じ走行軌跡データ系列を用いて異なるアラート管理を並列で実行することも可能である。
2.実施例
2.1)連続運転アラート管理(第1実施例)
連続運転に関しては、法令(「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(平成元年労働省告示第7号)第4条1項5号)によれば、4時間以内あるいは4時間経過直後に、1回が連続10分以上で、かつ合計が30分以上の運転中断が必要である。なお、連続運転の上限時間および規定の非運転時間(休憩時間)は法令により定められたものであり、それらの数値は法令の改正により変更され得る。本実施例によれば、連続運転時間(規定以上の休憩(例えば上記の30分)を取得していない状態での運転時間で、本実施形態では、規定未満の休憩(例えば10分)を取っていた場合には、休憩時間を除いた時間とする。)が規定値に近づくと、アラートを送信して運転者に休憩取得を促すように制御する。
図7(A)は、4時間の連続運転の直後に30分の非運転状態、すなわち休憩、を一括で取得する例を示す。休憩は連続10分以上の非運転状態であるから、10分未満の非運転状態は単なる停止状態、すなわち連続運転の継続と判定される。本実施例による管理サーバ10では、連続運転が4時間に近づくと、そのTa時間前にアラートメッセージを生成し、対象車両の移動端末20へ送信する。30分の休憩を一括で取ると、連続運転時間の計測はリセットされる。
図7(B)は、4時間の連続運転の途中で10分以上の休憩を分散して取得する例を示す。連続10分以上の休憩t1,t2を連続運転の4時間が経過する前に取得した場合、本実施例による管理サーバ10では、連続運転時間が4時間に近づくと、あるいは連続運転時間に休憩時間を加えた運転継続時間が(4時間+t1+t2)に近づくと、そのTa時間前にアラートメッセージを生成し、対象車両の移動端末20へ送信する。取得済みの休憩時間を差し引いた残りの(30分−t1−t2)の休憩を取り終わると、連続運転時間の計測はリセットされる。
なお、アラート設定値Taは複数個設定しても良い。たとえば、本実施例では、早期設定値ALERTearlyと最終設定値ALERTfinalが設定され、運転者の注意を二段階で促すように制御する。
以上述べた連続運転アラート管理は、プロセッサ104上で、図8に示すデータ解析P1と図9に示すアラート制御P2により実現される。図8に示すフローは、図6におけるデータ解析P1のフローを連続運転アラート管理用に具体化したものであり、特に図6の動作307は図8の動作404〜415に対応する。
<データ解析>
図8において、まず、プロセッサ104は以下のフローで使用する変数を初期化する(動作401)。初期化により、運転時間TC-DRV =0、非運転時間TUN-DRV =0、停止時間TSTOP =0、非運転フラグFUN-DRV =Fとなる。なお、非運転フラグFUN-DRVは、運転状態であれば「F」あるいは“0”、非運転(休憩)状態であれば「True」あるいは”1”である。
初期化の後、運転者D(i)の走行軌跡リストS(p)から、取得時刻tの古い順に走行軌跡データM(j)が読み出される(動作402)。続いて、読み出された走行軌跡データM(j)の取得時間t(j)と、その一つ前の取得時刻の走行軌跡データM(j−1)の取得時刻t(j−1)とから差分時間Δが算出される(動作403)。続いて、走行軌跡データM(j)の走行データを参照して、算出した差分時間Δで車両が走行しているのか停止しているのかが判定される(動作404)。
車両が走行していれば(動作404の「走行」)、非運転時間TUN-DRV が規定時間(30分)未満であるか否かが判断される(動作405)。非運転時間TUN-DRV が規定時間(30分)未満であれば(動作405のYES)、運転時間TC-DRV に停止時間TSTOPが加算される(動作406)。最初の差分時間Δでは、運転時間TC-DRV =0および停止時間TSTOP =0であるから運転時間TC-DRV =0であるが、後述するように停止時間TSTOPが所定時間(10分)未満であれば、その停止時間が運転時間TC-DRV に加算される。
非運転時間TUN-DRV が規定時間(30分)以上であれば(動作405のNO)、規定の休憩時間が取得されたので、運転時間TC-DRVおよび非運転時間TUN-DRVの両方が初期値0にリセットされ(動作407)、上述した動作406へ進む。
動作406で運転時間TC-DRV に停止時間TSTOPが加算された後、停止時間TSTOPと非運転フラグFUN-DRVがそれぞれ初期化され(動作408)、続いて運転時間TC-DRV に差分時間Δが加算される(動作409)。すなわち、運転時間TC-DRV の計測が差分時間Δの単位で継続される。
上述した動作404において、算出された差分時間Δが車両の停止状態を示す場合(動作404の「停止」)、非運転フラグFUN-DRV =True(すなわち非運転(休憩)状態)であるか否かが判断される(動作410)。非運転フラグFUN-DRV がTrueでなければ、すなわち現在の停車が運転中の停車状態であれば(動作410のNO)、停止時間TSTOPに差分時間Δが加算され(動作411)、その結果の停止時間TSTOPが所定の時間(ここでは10分)未満であるか否かが判断される(動作412)。
停止時間TSTOPが所定の時間(10分)以上である場合(動作412のNO)、非運転フラグFUN-DRV を「True」すなわち非運転(休憩)状態とし、非運転時間TUN-DRVに停止時間TSTOPが加算され(動作413)、続いて停止時間TSTOPが初期化される(動作414)。
上述した動作404において、算出された差分時間Δが車両の停止状態を示し(動作404の「停止」)、非運転フラグFUN-DRV =True(すなわち非運転(休憩)状態)である場合(動作410のYES)、非運転時間TUN-DRVに差分時間Δが加算される(動作415)。
上述した動作409、動作414あるいは動作415が終了すると、読み出された走行軌跡データM(j)の車両IDを対象車両に設定し(動作416)、走行軌跡リストS(p)の全ての走行軌跡データについて選択完了するまで上記動作402〜417を繰り返す(動作417のYES)。こうして、走行軌跡リストS(p)の全ての走行軌跡データについて解析が終了すると(動作417のNO)、最終的に得られた運転時間TC-DRV を用いて、次に述べるアラート制御が実行される。
<アラート制御>
管理サーバ10のアラート制御部107には、管理部13により早期設定値ALERTearlyおよび最終設定値ALERTfinalが予め設定されているものとする。たとえば連続運転時間の上限が4時間の場合、早期設定値ALERTearlyを3時間20分、最終設定値ALERTfinalを3時間40分に設定すれば、40分前に最初のアラートが届き、それでも運転を続ければ、20分前に最後のアラートが届く。
図9において、上述した連続運転時間の計測により最終的に得られた運転時間TC-DRV は最終設定値ALERTfinalと比較され(動作501)、ALERTfinal未満であれば(動作501のYES)、さらに早期設定値ALERTearlyと比較される(動作502)。運転時間TC-DRV が早期設定値ALERTearly以上であれば(動作502のNO)、早期アラートメッセージを作成し(動作503)、図8の動作416で最終的に取得された対象車両へ早期アラートメッセージを送信して(動作504)、図6の動作312へ戻る。また、運転時間TC-DRV が早期設定値ALERTearly未満であれば(動作502のYES)、アラートメッセージを送信せずに、図6の動作312へ戻る。
運転時間TC-DRV が最終設定値ALERTfinal以上であれば(動作501のNO)、
最終アラートメッセージを作成し(動作505)、図8の動作416で最終的に取得された対象車両へ最終アラートメッセージを送信して(動作506)、図6の動作312へ戻る。
一例として、早期設定値ALERTearlyが3時間20分、最終設定値ALERTfinalが3時間40分にそれぞれ設定され、現時点で非運転時間TUN-DRV =18分の休憩を取得済みである場合、乗務開始から3時間38分後に、
「12分以上の休憩等を取得してください(連続運転時間3:20)」
という早期アラートメッセージが送信される。
さらに乗務開始から3時間58分後に、
「12分以上の休憩等を取得してください(連続運転時間3:40;非運転時間0:18)」
という最終アラートメッセージが送信される。
移動端末20はナビゲーションシステムに接続されているか、あるいは一体型であることが望ましい。この場合、移動端末20の表示部204はナビゲーションシステムの表示部を利用でき、上記アラートメッセージをナビゲーションシステムの表示部に表示することができる。また、早期アラートメッセージは一定時間経過後に自動的に非表示になり、最終アラートメッセージは運転者が確認ボタンを押すまで表示し続けることが望ましい。
2.2)休憩アラート管理(第2実施例)
運転者の稼働時間に関しては、労働基準法34条1項が適用され、労働時間が6時間を超える場合は少なくとも45分、8時間を超える場合は少なくとも1時間の休憩時間が必要である。なお、運転者の稼働時間は主として運転時間であり、上述した第1実施例における「運転時間」に対応する。また、これらの休憩時間は法令により定められたものであり、それらの数値は法令の改正により変更され得る。本実施例によれば、稼働時間が規定値に近づくと、アラートを送信して運転者に休憩取得を促すように制御する。
図10(A)は、稼働時間が6時間の場合には直後の45分、8時間の場合には直後に60分の休憩を一括で取得する例を示す。ただし、貨物自動車等の運転者は、単なる一時的な停止だけでなく、荷役作業を行うために停止する場合があり、この荷役作業の時間を稼働時間に含めることが必要である。本実施例による管理サーバ10では、稼働時間が6時間に近づくと、そのTa時間前にアラートメッセージを生成し、対象車両の移動端末20へ送信する。45分の休憩を一括で取れば、アラートメッセージの送信は行われない。
図10(B)は、6時間あるいは8時間以内に1回以上の休憩を分散して取得した例を示す。本実施例による管理サーバ10では、稼働時間が6時間に近づくと(あるいは稼働時間に休憩時間を加えた稼働継続時間が(6時間+t2)に近づくと)、そのTa時間前に残りの休憩時間を示すアラートメッセージを生成し、対象車両の移動端末20へ送信する。
なお、第1実施例で説明したように、アラート設定値Taは複数個設定し、早期アラートと最終アラートというように運転者へ二段階の注意を促すことも可能である。
以上述べた休憩アラート管理は、プロセッサ104上で、図11に示すデータ解析P1と図12に示すアラート制御P2により実現される。図11に示すフローは、図6におけるデータ解析P1のフローを連続運転アラート管理用に具体化したものであり、特に図6の動作307は図11の動作604〜613に対応する。
<データ解析>
図11において、まず、プロセッサ104は以下のフローで使用する変数を初期化する(動作601)。初期化により、稼働時間TC-DRV =0、休憩時間TUN-DRV =0、停止時間TSTOP =0、休憩フラグFUN-DRV =Fとなる。なお、休憩フラグFUN-DRVは、運転状態であれば「F」あるいは“0”、休憩状態であれば「True」あるいは”1”である。
初期化の後、運転者D(i)の走行軌跡リストS(p)から、取得時刻tの古い順に走行軌跡データM(j)が読み出される(動作602)。続いて、読み出された走行軌跡データM(j)の取得時間t(j)と、その一つ前の取得時刻の走行軌跡データM(j−1)の取得時刻t(j−1)とから差分時間Δが算出される(動作603)。続いて、走行軌跡データM(j)の走行データを参照して、算出した差分時間Δで車両が走行しているのか停止しているのかが判定される(動作604)。
車両が走行していれば(動作604の「走行」)、稼働時間TC-DRV に停止時間TSTOPが加算される(動作605)。続いて停止時間TSTOPと休憩フラグFUN-DRVがそれぞれ初期化され(動作606)、稼働時間TC-DRV に差分時間Δが加算される(動作607)。すなわち、稼働時間TC-DRV の計測が差分時間Δの単位で継続される。
上述した動作604において、算出された差分時間Δが車両の停止状態を示す場合(動作604の「停止」)、休憩フラグFUN-DRV =True(すなわち休憩状態)であるか否かが判断される(動作608)。休憩フラグFUN-DRV がTrueでなければ、すなわち現在の停車が運転中の停止状態であれば(動作608のNO)、停止時間TSTOPに差分時間Δが加算され(動作609)、この停止時間が休憩であるか否かが判定される(動作610)。休憩であるか荷役作業であるかは、例えば、運転者が、「積込」「待機」「取卸」「附帯作業」など動態を操作ボタンにより入力することにより判定可能である。
停止が休憩であると判定されると(動作610のYES)、休憩フラグFUN-DRV を「True」すなわち休憩状態とし、休憩時間TUN-DRVに停止時間TSTOPが加算され(動作611)、続いて停止時間TSTOPが初期化される(動作612)。休憩でなければ(動作610のNO)、動作611および612は実行されない。
上述した動作604において、算出された差分時間Δが車両の停止状態を示し(動作604の「停止」)、休憩フラグFUN-DRV =True(すなわち休憩状態)である場合(動作608のYES)、休憩時間TUN-DRVに差分時間Δが加算される(動作613)。
上述した動作610で休憩ではない場合(NO)、あるいは動作607、動作612あるいは動作613が終了した場合、読み出された走行軌跡データM(j)の車両IDを対象車両に設定し(動作614)、走行軌跡リストS(p)の全ての走行軌跡データについて選択完了するまで上記動作602〜615を繰り返す(動作615のYES)。こうして、走行軌跡リストS(p)の全ての走行軌跡データについて解析が終了すると(動作615のNO)、最終的に得られた稼働時間TC-DRV および休憩時間TUN-DRVを用いて、次に述べるアラート制御が実行される。
<アラート制御>
管理サーバ10のアラート制御部107には、管理部13により6時間アラート設定値ALERT(6H)および8時間アラート設定値ALERT(8H)が予め設定されているものとする。たとえば6時間アラート設定値ALERT(6H)を5時間40分、8時間アラート設定値ALERT(8H)を7時間40分に設定すれば、それぞれ20分前にアラートメッセージが届く。
図12において、まず、最終的に得られた稼働時間TC-DRVが8時間アラート設定値ALERT(8H)未満であるか、または、休憩時間TUN-DRVが第一の規定休憩時間(ここでは60分)以上であるか、が判定される(動作701)。いずれか一方の条件が真であれば(動作701のYES)、さらに稼働時間TC-DRVが6時間アラート設定値ALERT(6H)未満であるか、または、休憩時間TUN-DRVが第二の規定休憩時間(ここでは45分)以上であるか、が判定される(動作702)。
動作702において両方の条件のいずれも偽であれば(動作702のNO)、45分から既に取得された休憩時間TUN-DRVを差し引いた残りの休憩時間を示す第一のアラートメッセージを作成する(動作703)。第一のアラートメッセージは、図11の動作614で最終的に取得された対象車両へ送信され(動作704)、図6の動作312へ戻る。また、動作701における条件のいずれか一方が真であれば(動作701のYES)、第一のアラートメッセージを送信せずに、図6の動作312へ戻る。
動作701における両方の条件のいずれも偽であれば(動作701のNO)、60分から既に取得された休憩時間TUN-DRVを差し引いた残りの休憩時間を示す第二のアラートメッセージを作成する(動作705)。第二のアラートメッセージは、図11の動作614で最終的に取得された対象車両へ送信され(動作706)、図6の動作312へ戻る。
一例として、6時間アラート設定値ALERT(6H)が5時間40分、8時間アラート設定値ALERT(8H)が7時間40分にそれぞれ設定され、休憩時間TUN-DRVが50分取得済みである場合、乗務開始から8時間30分後に、休憩アラートとして、
「あと20分以内に10分以上の休憩を取得してください(勤務時間が8時間を超える場合)」というというアラートメッセージが送信される。
3.他の実施例
本発明は上述した実施例に限定されることなく、移動端末20から送信される走行軌跡データに運転者の業務内容(運転、荷役等)を設定しても良い。管理サーバ10は、走行軌跡データの業務内容を参照することで、図11の動作610において停止時間が休憩か荷役作業かを自動的に判定することができる。
10 管理サーバ
11 無線通信ネットワーク
12 通信ネットワーク
13 管理部
20 移動端末
101 通信部
102 走行軌跡データ記録部
103 運転者テーブル
104 プロセッサ
105 データ選択読出部
106 解析部
107 アラート制御部
201 無線通信部
202 走行軌跡データ記録部
203 プロセッサ
204 表示部

Claims (11)

  1. 複数の車両に設けられた移動端末と、複数の車両の前記移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置と、からなる管理システムであって、
    複数の車両の前記移動端末が、車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報を所定時間間隔で取得し、前記走行データと、前記運転者の識別情報と、前記車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含む走行軌跡データを前記管理装置へ送信し、
    前記管理装置が、
    複数の車両の前記移動端末からそれぞれ受信した前記走行軌跡データを記録する記録手段と、
    前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行う処理手段と、
    を有し、
    前記処理手段は、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行することを特徴とする管理システム。
    a)前記記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
    b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
    c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信す
  2. 前記b)において、
    前記走行軌跡データの系列から順次読み出された前後の走行軌跡データの取得時刻差を差分時間として算出し、
    前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両の運転状態を判定し、
    前記運転状態ごとに前記差分時間を累積して前記運転状態ごとの計測時間を取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の管理システム。
  3. 前記b)において、
    前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定し、
    前記走行状態と判定された前記差分時間を加算して運転時間を計測し、前記停止状態と判定された前記差分時間を加算して停止時間を計測し、第一所定時間以上の停止時間を非運転時間として計測する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の管理システム。
  4. 上記b)において、
    前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、
    前記非運転時間が第二所定時間以上になると、前記運転時間および前記非運転時間をリセットする、
    ことを特徴とする請求項3に記載の管理システム。
  5. 上記b)において、前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、
    上記c)において、前記運転時間がアラート条件を満たすか否かに応じてアラート状態であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の管理システム。
  6. 上記b)において、
    前記停止時間が前記第一所定時間未満であれば前記運転時間に含め、前記非運転時間が所定条件を満たすと前記運転時間に含め、前記非運転時間が所定条件を満たさなければ休憩時間と判定し、
    上記c)において、
    前記運転時間と前記休憩時間とが前記アラート条件を満たすか否かに応じてアラート状態であるか否かを判定する、
    ことを特徴とする請求項3に記載の管理システム。
  7. 複数の車両に設けられた移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置であって、
    複数の車両の前記移動端末からそれぞれ受信した走行軌跡データを記録する記録手段と、
    前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行う処理手段と、
    を有し、前記走行軌跡データは、前記移動端末が所定時間間隔で取得した車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含み、
    前記処理手段は、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行することを特徴とする管理装置。
    a)前記記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
    b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
    c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信す
  8. 前記b)において、
    前記走行軌跡データの系列から順次読み出された前後の走行軌跡データの取得時刻差を差分時間として算出し、
    前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両の運転状態を判定し、
    前記運転状態ごとに前記差分時間を累積して前記運転状態ごとの計測時間を取得する、
    ことを特徴とする請求項7に記載の管理装置。
  9. 前記b)において、
    前記読み出された走行軌跡データの走行データを参照して前記差分時間での前記車両が走行状態であるか停止状態であるかを判定し、
    前記走行状態と判定された前記差分時間を加算して運転時間を計測し、前記停止状態と判定された前記差分時間を加算して停止時間を計測し、第一所定時間以上の停止時間を非運転時間として計測する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の管理装置。
  10. 複数の車両に設けられた移動端末と、複数の車両の前記移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置と、からなる管理システムにおける管理方法であって、
    複数の車両の前記移動端末が、それぞれ、
    車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報を所定時間間隔で取得し、
    前記走行データと、前記運転者の識別情報と、前記車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含む走行軌跡データを前記管理装置へ送信し、
    前記管理装置が、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行することで前記走行軌跡データを用いて各運転者の走行管理を行うことを特徴とする管理方法。
    a)前記移動端末から受信した前記走行軌跡データを記録した記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
    b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
    c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信す
  11. 複数の車両に設けられた移動端末のそれぞれと無線通信可能な管理装置としてコンピュータを機能させるプログラムであって、
    記録手段が、複数の車両の前記移動端末のそれぞれから受信した走行軌跡データを記録し、前記走行軌跡データは、前記移動端末が所定時間間隔で取得した車両の走行データ、運転者の識別情報および車両の識別情報と、これらの取得時刻と、を少なくとも含み、
    処理手段が、一の運転者の識別情報を選択し、選択した一の運転者の識別情報について、下記a)〜c)の各処理を実行する処理を、各対象運転者について繰り返す処理を、所定時間ごとに実行するように前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
    a)前記移動端末から受信した前記走行軌跡データを記録した記録手段の複数の車両についての前記走行軌跡データから、一の運転者の識別情報をキーとして、現時点から所定時間前の時点までの一の運転者の走行軌跡データを前記取得時刻に従った時系列で読み出し、
    b)前記走行軌跡データの系列から順次読み出された走行軌跡データを解析することで、前記所定時間前から前記現時点までの間の運転状態ごとの計測時間と、前記一の運転者が現時点で乗務している対象車両の識別情報と、を取得し、
    c)少なくとも1つの運転状態の計測時間に基づいてアラート条件を満たすか否かを判定し、アラート条件を満たす場合にアラートメッセージを前記対象車両の移動端末へ送信す
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