JP6960092B2 - 固体電池 - Google Patents

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Description

本発明は、固体電池に関する。
近年、電池の信頼性向上や低コスト化等が求められるなか、電荷担体の移動媒体として固体電解質を用いた固体電池の開発が加速している(特許文献1,2参照)。例えば特許文献1には、正極活物質として層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物を含んだ正極と、負極活物質として黒鉛系材料を含んだ負極と、上記正極と上記負極との間に介在する固体電解質層と、を備えたリチウム固体電池が開示されている。
特開2012−146506号公報 特開2017−054615号公報
しかし、本発明者の検討によれば、大電流で急速充電(ハイレート充電)を繰り返す態様での使用を考慮すると、特許文献1の技術には更なる改善の余地が認められた。すなわち、ハイレート充電時において、上記のようなリチウム固体電池では黒鉛系材料の表面での反応、言い換えれば固体電解質中のLiイオンが黒鉛系材料に挿入される反応が律速となる。このため、充電時には、黒鉛系材料の表面にLiが析出し易くなる。したがって、固体電解質と黒鉛系材料との界面でLiイオンをより迅速に移動させて、黒鉛系材料の表面におけるLi析出を抑制することが求められている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ハイレート充電時のLi析出が抑制された固体電池を提供することにある。
本発明により、正極活物質として層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物を含んだ正極と、負極活物質として黒鉛系材料を含んだ負極と、上記正極と上記負極との間に介在する固体電解質層と、を備え、上記黒鉛系材料が、10nm以上20nm以下の平均厚みを有する炭酸リチウムの層で被覆されている、固体電池が提供される。
上記固体電池の負極では、負極活物質としての黒鉛系材料が上記平均厚みを有する炭酸リチウムの層でコートされている。上記平均厚みを有する炭酸リチウムの層は、充電時に黒鉛系材料へのLiイオンの挿入をアシストするように作用する。このことにより、固体電解質と黒鉛系材料との界面でLiイオンをより迅速に移動させることができる。その結果、ハイレート充電時においても、黒鉛系材料の表面におけるLi析出を好適に抑制することができる。したがって、本発明によれば、ハイレート充放電を繰り返す態様においても容量劣化が抑えられ、充放電特性の優れた固体電池を実現することができる。
一実施形態に係る固体電池の模式的な断面図である。 一実施形態に係る黒鉛系材料の模式的な断面図である。
以下、ここで開示される固体電池の好適な実施形態を説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。ここで開示される固体電池は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、本明細書において数値範囲をA〜B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、A以上B以下を意味するものとする。
図1は、固体電池1の模式的な断面図である。固体電池1は、正極2と、負極4と、固体電解質層6と、を備えている。固体電解質層6は、正極2と負極4との間に介在している。正極2と負極4と固体電解質層6とは、物理的に一体化されている。固体電池1は、例えばリチウム固体電池である。固体電池1は、典型的には充放電可能な二次電池、例えばリチウム二次電池である。
正極2は、正極集電体2aと、正極集電体2aの表面に固着された正極活物質層2bと、を備えている。正極集電体2aは、導電性部材である。図示は省略するが、正極集電体2aは外部接続用の正極端子に電気的に接続されている。正極集電体2aは、例えば、Al、Ti、ステンレス鋼(SUS)等の、導電性の良好な金属箔である。なお、正極2は正極集電体2aを有していなくてもよい。
正極活物質層2bは、正極活物質を含んでいる。正極活物質は、電荷担体(例えばLiイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。正極活物質は、ここでは粒子状である。正極活物質は、少なくとも、層状岩塩型の結晶構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物21を含んでいる。層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物21は、例えば、リチウムニッケルコバルトマンガン含有複合酸化物(三元系材料)、リチウムニッケル含有複合酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト含有複合酸化物(例えばLiCoO)、リチウムニッケルコバルト含有複合酸化物(例えばLiNiCoO)等であってもよい。正極活物質は、層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物21に加えて、必要に応じてそれ以外の材料を含んでいてもよい。例えば、層状岩塩型以外の結晶構造(例えばスピネル型の結晶構造)を有するリチウム遷移金属複合酸化物を含んでいてもよい。
正極活物質層2bは、正極活物質に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、固体電解質材料、バインダ、導電材、各種添加剤等をさらに含んでいてもよい。正極活物質層2bは、ここでは固体電解質材料22を含んでいる。固体電解質材料22は、ここでは粒子状である。固体電解質材料22としては、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等が例示される。より具体的には、固体電解質層6の構成材料として後述する硫化物固体電解質材料、例えば、リン(P)元素と硫黄(S)元素とを含有するP,S含有化合物が挙げられる。固体電解質材料22は、固体電解質層6と同種の材料で構成されていてもよい。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(PVdF−HFP)等のハロゲン化ビニル樹脂や、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム類が例示される。導電材としては、例えば、気相法炭素繊維、カーボンブラック等の炭素材料が例示される。
負極4は、負極集電体4aと、負極集電体4aの表面に固着された負極活物質層4bと、を備えている。負極集電体4aは、導電性部材である。図示は省略するが、負極集電体4aは外部接続用の負極端子に電気的に接続されている。負極集電体4aは、例えば、Cu、Ti、ステンレス鋼(SUS)等の、導電性の良好な金属箔である。なお、負極4は負極集電体4aを有していなくてもよい。
負極活物質層4bは、負極活物質を含んでいる。負極活物質は、電荷担体(例えばLiイオン)を可逆的に吸蔵および放出可能な材料である。負極活物質は、ここでは粒子状である。負極活物質の平均粒径(D50)は、概ね1〜30μm、例えば2〜20μmであってもよい。負極活物質は、少なくとも、黒鉛系材料41を含んでいる。なお、黒鉛系材料41とは、黒鉛構造、すなわち、炭素の六角網面が積層された層状の構造を有する材料全般をいう。黒鉛系材料41は、黒鉛の占める割合が概ね50質量%以上、例えば80質量%以上であってもよい。黒鉛系材料41は、黒鉛であってもよい。黒鉛系材料41は、例えば、黒鉛と黒鉛以外の炭素材料(例えば非晶質炭素)とを含んだ黒鉛系炭素材料であってもよい。
図2に示すように、黒鉛系材料41は、炭酸リチウム(LiCO)の層41aで被覆されている。言い換えれば、図2は、黒鉛系材料41がコア部を構成し、炭酸リチウムの層41aが被覆部を構成した、複合粒子の状態をなしている。炭酸リチウムの層41aの平均厚みTは、10〜20nmである。本発明者の検討によれば、平均厚みTが薄すぎると、黒鉛系材料41の表面での反応(黒鉛系材料41へのLiイオンの挿入)にバラつきが生じ、かえってLi析出耐性が悪化する。また、平均厚みTが厚すぎると炭酸リチウムの層41a自体が抵抗体となり、かえってLi析出耐性が悪化する。炭酸リチウムの層41aの平均厚みTを10〜20nmとすることで、充電時に黒鉛系材料41へのLiイオンの挿入を好適にアシストすることができる。なお、炭酸リチウムの層41aは、従来公知の方法、例えば、ゾルゲル法等の液相法、メカノフュージョン法、化学的気相成長法(CVD法)、物理的気相成長法(PVD法)等で形成することができる。
負極活物質は、黒鉛系材料41に加えて、必要に応じてそれ以外の材料を含んでいてもよい。例えば、Si、Ti、In、Sn等の金属材料や、これら金属元素を含む金属化合物、金属酸化物、Li金属化合物、Li金属酸化物等を含んでいてもよい。
負極活物質層4bは、負極活物質に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、固体電解質材料、バインダ、導電材、各種添加剤等を含んでもよい。負極活物質層4bは、ここでは固体電解質材料42を含んでいる。固体電解質材料42は、ここでは粒子状である。固体電解質材料42としては、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等が例示される。より具体的には、固体電解質層6の構成材料として後述する硫化物固体電解質材料、例えば、リン(P)元素と硫黄(S)元素とを含有するP,S含有化合物が挙げられる。固体電解質材料42は、固体電解質層6と同種の材料で構成されていてもよい。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(PVdF−HFP)等のハロゲン化ビニル樹脂や、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム類が例示される。導電材としては、例えば、気相法炭素繊維、カーボンブラック等の炭素材料が例示される。
固体電解質層6は、正極活物質層2bと負極活物質層4bとの間に配置され、正極2と負極4とを絶縁している。言い換えれば、固体電解質層6は、絶縁性である。固体電解質層6は、室温(25℃)で固体状である。固体電解質層6は、イオン伝導性(例えばLiイオン伝導性)を有する。
固体電解質層6は、固体電解質材料を含んでいる。固体電解質材料は、ガラス質(非結晶質)であってもよく、結晶化ガラス質であってもよく、結晶質であってもよい。固体電解質材料は、例えば、硫化物固体電解質材料、酸化物固体電解質材料、窒化物固体電解質材料、ハロゲン化物固体電解質材料等であってよい。硫化物固体電解質材料としては、例えば、リン(P)元素と硫黄(S)元素とを含有するP,S含有化合物が挙げられる。具体的には、LiS−P系材料;LiS−GeS−P系材料;LiPO−P系材料;等が挙げられる。上記P,S含有化合物はハロゲン元素をさらに含有してもよい。固体電解質材料のLiイオン伝導度は、室温(25℃)において、例えば、1×10−5S/cm以上、さらには、1×10−4S/cm以上であるとよい。
固体電解質層6は、固体電解質材料に加えて、必要に応じてそれ以外の成分、例えば、バインダ、各種添加剤等を含んでもよい。バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー(PVdF−HFP)等のハロゲン化ビニル樹脂や、アクリレートブタジエンゴム(ABR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等のゴム類が例示される。
以上のように、固体電池1の負極4では、負極活物質としての黒鉛系材料41の表面が炭酸リチウムの層41aで被覆されている。このことにより、充電時に、炭酸リチウムの層41aが黒鉛系材料41へのLiイオンの挿入をアシストするように作用する。そのため、固体電解質6と黒鉛系材料41との界面でLiイオンをより迅速に移動させることができる。言い換えれば、黒鉛系材料41へのLiイオンの挿入が進行し易くなる。その結果、ハイレート充電時においても、黒鉛系材料41の表面におけるLi析出を好適に抑制することができる。したがって、固体電池1は、ハイレート充放電を繰り返す態様においても容量劣化が小さく、優れた充放電特性を長期にわたって発揮することができる。
ここに開示される固体電池1は、各種用途に利用可能である。例えば、車両に搭載されるモーター用の動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されるものではないが、典型的には自動車、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。
以下、本発明に関するいくつかの実施例を説明するが、本発明をかかる具体例に示すものに限定することを意図したものではない。
〔正極の作製〕
まず、正極活物質としてのLiNi1/3Co1/3Mn1/3と、固体電解質材料としてのP,S含有化合物と、を含んだ正極スラリーを調製した。この正極スラリーを、アルミニウム箔(正極集電体)の表面に塗工し、乾燥させることにより、正極集電体上に正極活物質層が固着された正極を作製した。
〔負極活物質の被覆〕
まず、負極活物質としての黒鉛粒子を用意した。例1,2および比較例1,2では、この黒鉛粒子を0.01〜0.04質量%のLiOH水溶液に3時間浸漬して、黒鉛の表面にそれぞれLiOHを付着させた。次に、LiOH付きの黒鉛を、大気雰囲気下において、150℃で4時間、加熱乾燥させた。これにより、LiOHを炭酸リチウム(LiCO)へと変化させた。このようにして、黒鉛(負極活物質)の表面に炭酸リチウムの層を形成した。そして、炭酸リチウムの層の平均厚みをXPS(X線光電子分光法)で分析した。結果は表1に示す。
〔負極の作製〕
まず、例1,2および比較例1,2では、炭酸リチウムの層を備えた黒鉛と、固体電解質材料としてのP,S含有化合物と、を含んだ負極スラリーを調製した。この負極スラリーを、銅箔(負極集電体)の表面に塗工し、乾燥させることにより、負極集電体上に負極活物質層が固着された負極(例1,2、比較例1,2)を作製した。また別途、参考例として、黒鉛粒子のみ(炭酸リチウムの層なし)を負極活物質として用いたこと以外は上記例1,2および比較例1,2と同様にして、負極(参考例)を作製した。
〔固体電池の構築〕
まず、固体電解質材料としてのP,S含有化合物を含んだ固体電解質スラリーを調製した。この固体電解質スラリーをアルミニウム箔(支持基材)の表面に塗工し、乾燥させることにより、支持基材上に固体電解質層を形成した。次に、固体電解質層の上に上記作製した正極を重ねてプレスした。次に、固体電解質層の表面に付いている支持基材を剥がし、露出した面に負極を重ねて再びプレスした。このようにして、正極と、固体電解質層と、負極と、がこの順に積層された積層構造を有する固体電池(参考例、例1,2、比較例1,2)を構築した。
Figure 0006960092
〔ハイレートサイクル後の容量維持率の測定〕
まず、25℃において、上記構築した固体電池の初期容量を測定した。次に、各電池に対して、ハイレートサイクル充放電を行った。具体的には、SOC(State of Charge)が10%〜80%の電圧範囲において、2Cの充放電レートで、合計50サイクルのハイレート充放電を実施した。次に、各電池のハイレート充放電後の電池容量を測定した。次に、各電池につき、初期容量を100%としてハイレート充放電後の容量維持率(%)を算出した。そして、参考例の容量維持率を1(基準)として、参考例の容量維持率に対する例1,2および比較例1,2の容量維持率の比率を算出した。算出結果を表1に示す。
表1に示すように、炭酸リチウムの層の平均厚みを5nmとした比較例1では、ハイレートサイクル後の容量維持率が参考例よりも低かった。言い換えれば、参考例よりもLi析出耐性が悪化していた。この理由としては、炭酸リチウムによる被覆が不十分であったために、黒鉛の表面におけるLiイオンの挿入が不均質になり、黒鉛の表面にLiが析出してしまったことが考えられる。
また、炭酸リチウムの層の平均厚みを30nmとした比較例2でも、ハイレートサイクル後の容量維持率が参考例よりも低かった。言い換えれば、参考例よりもLi析出耐性が悪化していた。この理由としては、炭酸リチウムによる被覆が厚すぎ(被覆量が多すぎ)たために、炭酸リチウムの層自体が抵抗体となり、Liイオンが黒鉛に挿入されにくくなったことが考えられる。またその結果、ハイレート充電時にLiイオンを黒鉛に吸蔵しきれず、黒鉛の表面に金属Liが析出してしまったことが考えられる。
これら比較例に対して、炭酸リチウムの層の平均厚みを10〜20nmとした例1,2では、驚くべきことに、ハイレートサイクル後の容量維持率が参考例よりも高かった。言い換えれば、参考例よりもLi析出耐性が向上していた。この理由としては、黒鉛の表面に上記平均厚みで炭酸リチウムの層を形成したことによって、炭酸リチウムの層が黒鉛へのLiイオンの挿入をアシストするように作用したことが考えられる。その結果、固体電解質と黒鉛との界面でLiイオンをより迅速に移動させることができ、黒鉛の表面におけるLi析出を抑制することができたことが考えられる。かかる結果は、ここに開示される技術の意義を示している。
以上、本発明を詳細に説明したが、上記実施形態および実施例は例示にすぎず、ここに開示される発明には上述の具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
1 固体電池、 2 正極、 4 負極、 6 固体電解質層、 41 黒鉛系材料、 41a 炭酸リチウムの層

Claims (1)

  1. 正極活物質として層状岩塩型のリチウム遷移金属複合酸化物を含んだ正極と、負極活物質として黒鉛系材料を含んだ負極と、前記正極と前記負極との間に介在する固体電解質層と、を備え、
    前記黒鉛系材料が、10nm以上20nm以下の平均厚みを有する炭酸リチウムの層で被覆されている、
    固体電池。
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