JP6959992B2 - タービン及びターボチャージャ - Google Patents
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Description
タービンインペラと、
前記タービンインペラを覆うように設けられ、前記タービンインペラの外周側に位置するスクロール流路及び前記スクロール流路の内周側境界を画定する内周壁部を含むハウジングと、
排ガス流れ方向において前記スクロール流路の下流側且つ前記タービンインペラの上流側に位置する中間流路に設けられる複数のノズルベーンと、
前記内周壁部に対して軸方向に隙間を空けて前記中間流路側に、前記中間流路に面して設けられるプレートと、
を備え、
前記プレートは、前記中間流路と前記隙間とを連通させる少なくとも1つの貫通孔を有し、
前記少なくとも1つの貫通孔は、前記プレートのうち前記中間流路に対向する面上において、前記複数のノズルベーンのうち少なくとも1つの負圧面に対して径方向外側の位置に開口する。
この点、上記(1)の構成によれば、上述の中間流路と隙間とを連通させるとともに、中間流路側においてノズルベーンの負圧面に対して径方向外側の位置に開口する貫通孔をプレートに設けたので、該貫通孔を介して、中間流路のノズルベーンの負圧面近傍と、隙間とが均圧化される。よって、ノズルベーンの負圧面近傍と隙間との間の圧力差に起因する、隙間からプレートの外周端を経由してノズルベーンの負圧面へ向かう乱れを伴う流れが抑制されるので、タービンにおける圧力損失を低減することができる。
また、ノズルベーンの負圧面近傍と隙間との間に上述の圧力差がある場合、この圧力差に起因してノズルベーンがプレートに向かって傾斜し、ノズルベーンとプレートとの間で摩擦が生じることがある。この点、上記(1)の構成によれば、上述の貫通孔を介して中間流路と隙間とが均圧化されるので、上述の圧力差に起因するノズルベーンの傾斜を抑制することができ、ノズルベーンとプレートとの間の摩耗を抑制することができる。
前記複数のノズルベーンは、前記中間流路内において周方向に配列されるとともに、前記軸方向に沿って延びる回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記周方向に隣接する一対のノズルベーンの各々のコード方向がなす角度をAとし、前記複数のノズルベーンの各々の開度が最大であるときの前記角度をA1としたとき、
前記角度Aが0.5×A1以上となるノズルベーンの大開度域の少なくとも一部において、前記少なくとも1つの貫通孔は、前記面上において、前記負圧面に対して径方向外側の位置に開口する。
この点、上記(2)の構成では、上述の角度Aが0.5×A1以上となるノズルベーンの大開度域の少なくとも一部において、貫通孔は、プレートのうち中間流路に対向する面上において、ノズルベーンの負圧面に対して径方向外側の位置に開口するようにしたので、ノズルベーンの大開度域において、該貫通孔を介して、中間流路のノズルベーンの負圧面近傍と、隙間とを確実に均圧化させることができる。よって、上述の圧力差に起因する隙間からプレートの外周端を経由してノズルベーンの負圧面へ向かう乱れを伴う流れを抑制して、タービンにおける圧力損失をより効果的に低減することができる。
前記複数のノズルベーンは、前記軸方向に沿った回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記少なくとも1つの貫通孔は、前記プレートの前記面上において、前記少なくとも1つのノズルベーンの前記回動軸よりも周方向において前記排ガス流れ方向の上流側の位置に開口する。
前記複数のノズルベーンは、前記中間流路内において周方向に配列されるとともに、前記軸方向に沿った回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記周方向に隣接する一対のノズルベーンの各々のコード方向がなす角度をAとし、前記複数のノズルベーンの開度が最大であるときの前記角度をA1としたとき、
前記角度Aが0.75×A1となる前記複数のノズルベーンの開度において、前記少なくとも1つの貫通孔と前記少なくとも1つのノズルベーンの前記負圧面との間の径方向における距離Lが前記少なくとも1つの貫通孔の直径D以下である。
前記複数のノズルベーンは、前記中間流路内において周方向に配列されるとともに、前記軸方向に沿った回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記複数のノズルベーンの各々の開度が最大であるときに、前記少なくとも1つの貫通孔の少なくとも一部は、前記プレートの前記面において、前記少なくとも1つのノズルベーンから前記径方向の外側にずれて位置する。
よって、ノズルベーンの開度が最大であるときであっても、中間流路のうちノズルベーンの負圧面近傍の領域と隙間とを、貫通孔を介して確実に連通させることができる。これにより、該貫通孔を介して、中間流路のノズルベーンの負圧面近傍と隙間とを均圧化させることができ、ノズルベーンの負圧面近傍と隙間との間の圧力差に起因する、隙間からノズルプレートの外周端を経由してノズルベーンの負圧面へ向かう乱れを伴う流れをより効果的に抑制することができる。
前記軸方向に直交する断面において、前記タービンの回転軸を中心として、スクロール舌部の位置における角度を0度とし、周方向における前記排ガス流れの向きを正の角度方向としたとき、前記少なくとも1つの貫通孔は、220度以上360度以下の範囲内に位置する。
この点、上記(6)の構成によれば、周方向における上述の角度が220度以上360度以下の範囲内(即ちスクロール流路の出口付近)に、上述の貫通孔を設けたので、当該周方向領域において、該貫通孔を介して、中間流路のノズルベーンの負圧面近傍と隙間とが均圧化される。よって、ノズルベーンの負圧面近傍と隙間との間の圧力差に起因する、隙間からプレートの外周端を経由してノズルベーンの負圧面へ向かう乱れを伴う流れを効果的に抑制して、タービンにおける圧力損失を効果的に低減することができる。
前記軸方向を含む断面において、前記少なくとも1つの貫通孔は、前記少なくとも1つのノズルベーンの前記負圧面の延在方向に沿って延びている。
前記軸方向を含む断面において、前記負圧面は、前記軸方向に対して傾斜して延在し、前記少なくとも1つの貫通孔は、前記負圧面の前記軸方向に対する傾斜方向に沿って延びている。
上記(1)乃至(8)の何れかに記載のタービンと、
前記タービンによって駆動されるように構成された圧縮機と、を備える。
また、ノズルベーンの負圧面近傍と隙間との間に上述の圧力差がある場合、この圧力差に起因してノズルベーンがプレートに向かって傾斜し、ノズルベーンとプレートとの間で摩擦が生じることがある。この点、上記(9)の構成によれば、上述の貫通孔を介して中間流路と隙間とが均圧化されるので、上述の圧力差に起因するノズルベーンの傾斜を抑制することができ、ノズルベーンとプレートとの間の摩耗を抑制することができる。
図1は、一実施形態に係るターボチャージャの回転軸Oに沿った概略断面図である。図1に示すように、ターボチャージャ100は、不図示のエンジンからの排ガスにより回転駆動されるように構成されたタービンインペラ4を含むタービン1と、軸受3によって回転可能に支持される回転シャフト2を介してタービン1と接続されたコンプレッサ(不図示)と、を備える。コンプレッサは、タービンインペラ4の回転により同軸駆動されて、エンジンへの吸気を圧縮するように構成されている。
ハウジング6は、タービンインペラ4の外周側に位置するスクロール流路8と、スクロール流路8の内周側境界9を画定する内周壁部22と、を含む。なお、図1に示すように、ハウジング6は、タービンインペラ4を収容する部分であるタービンハウジング6aと、軸受3を収容する部分である軸受ハウジング6bと、を含んでいてもよい。
ドライブリング19は、アクチュエータ(不図示)により駆動されて回転軸Oを中心として回転可能になっている。ドライブリング19が回転すると、各レバープレート18が回転し、これに伴い、ノズルシャフト20が、軸方向に沿った回動軸Qを中心として回動して、該ノズルシャフト20を介してノズルベーン14の開度(翼角)が変化するように構成されている。
また、ノズルベーン14の開度を、タービン1に流入する排ガス流量に応じて適切に変化させることにより、ハウジング6内の排ガス通路面積を変化させて、タービンインペラ4への排ガスの流速を調節し、良好なタービン効率を得ることができる。
図1及び図2に示すように、ノズルプレート12(プレート)は、ハウジング6の内周壁部22に対して、軸方向に隙間24を空けて中間流路10側に、該中間流路10に面して設けられる。該ノズルプレート12には、中間流路10と隙間24とを連通させる少なくとも1つの貫通孔28が形成されている。そして、この貫通孔28は、ノズルプレート12のうち中間流路10に対向する面13上において、複数のノズルベーン14のうち少なくとも1つ(以下、「貫通孔28に対応するノズルベーン14」等ともいう。)の負圧面40に対して径方向外側の位置に開口する。
この点、上述の実施形態に係るタービン1では、中間流路10と隙間24とを連通させるとともに、中間流路10側においてノズルベーン14の負圧面40に対して径方向外側の位置に開口する貫通孔28をプレートに設けたので、該貫通孔28を介して、中間流路10のノズルベーン14の負圧面40近傍と隙間24とが均圧化される。よって、ノズルベーン14の負圧面40近傍と隙間24との間の圧力差に起因する、隙間24からノズルプレート12の外周端を経由してノズルベーン14の負圧面40へ向かう乱れを伴う流れ(図6参照)が抑制されるので、タービン1における圧力損失を低減することができる。
この点、上述の実施形態に係るタービン1では、上述の貫通孔28を介して中間流路10と隙間24とが均圧化されるので、上述の圧力差に起因するノズルベーン14の傾斜を抑制することができ、ノズルベーン14とノズルプレート12との間の摩耗を抑制することができる。
この点、上述の実施形態では、上述の角度Aが0.5×A1以上となるノズルベーン14の大開度域の少なくとも一部において、貫通孔28が、ノズルプレート12の面13上において、ノズルベーン14の負圧面40に対して径方向外側の位置に開口するようにしたので、ノズルベーン14の大開度域において、該貫通孔28を介して、中間流路10のノズルベーン14の負圧面40近傍と隙間24とを確実に均圧化させることができる。よって、上述の圧力差に起因する隙間24からノズルプレート12の外周端を経由してノズルベーン14の負圧面40へ向かう乱れを伴う流れS(図6参照)を抑制して、タービン1における圧力損失をより効果的に低減することができる。
よって、ノズルベーン14の開度が最大であるときであっても、中間流路10のうちノズルベーン14の負圧面40近傍の領域と、隙間24とを、貫通孔28を介して確実に連通させることができる。これにより、該貫通孔28を介して、中間流路10のノズルベーン14の負圧面40近傍と隙間24とを均圧化させることができ、ノズルベーン14の負圧面40近傍と隙間24との間の圧力差に起因する、隙間24からノズルプレート12の外周端を経由してノズルベーン14の負圧面40へ向かう乱れを伴う流れS(図6参照)をより効果的に抑制することができる。
また、幾つかの実施形態では、例えば図4に示すように、軸方向を含む断面において、ノズルベーン14の負圧面40は、軸方向に対して傾斜して延在しており、貫通孔28は、該負圧面40の軸方向に対する傾斜方向に沿って延びている。
なお、スクロール舌部32とは、ハウジング6のうち、スクロール流路8を形成するスクロール部の巻き始めと巻き終わりの接続部である。
この点、上述の実施形態では、周方向における上述の角度が220度以上360度以下の範囲R1内(即ちスクロール流路8の出口付近)に少なくとも1つの貫通孔28を設けたので、当該周方向領域において、該貫通孔28を介して、中間流路10のノズルベーン14の負圧面40近傍と隙間24とが均圧化される。よって、ノズルベーン14の負圧面40近傍と隙間24との間の圧力差に起因する、隙間24からノズルプレート12の外周端を経由してノズルベーン14の負圧面40へ向かう乱れを伴う流れを効果的に抑制して、タービン1における圧力損失を効果的に低減することができる。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 回転シャフト
3 軸受
4 タービンインペラ
5 動翼
6 ハウジング
6a タービンハウジング
6b 軸受ハウジング
7 排気出口
8 スクロール流路
9 内周側境界
10 中間流路
12 ノズルプレート
13 面
14 ノズルベーン
16 ノズルマウント
17 ハブ
18 レバープレート
19 ドライブリング
20 ノズルシャフト
22 内周壁部
24 隙間
26 シール部材
28 貫通孔
28a 開口
30 入口流路
32 スクロール舌部
34 前縁
36 後縁
38 圧力面
40 負圧面
100 ターボチャージャ
Claims (7)
- タービンインペラと、
前記タービンインペラを覆うように設けられ、前記タービンインペラの外周側に位置するスクロール流路及び前記スクロール流路の内周側境界を画定する内周壁部を含むハウジングと、
排ガス流れ方向において前記スクロール流路の下流側且つ前記タービンインペラの上流側に位置する中間流路に設けられる複数のノズルベーンと、
前記内周壁部に対して軸方向に隙間を空けて前記中間流路側に、前記中間流路に面して設けられるプレートと、
前記軸方向にて前記内周壁部と前記プレートの間に設けられ、前記スクロール流路から前記タービンインペラの下流側の空間への排ガスの漏れを抑制するためのシール部材と、
を備え、
前記隙間は、前記スクロール流路を介して前記中間流路に連通し、
前記プレートは、前記中間流路と前記隙間とを連通させる少なくとも1つの貫通孔を有し、
前記少なくとも1つの貫通孔は、前記プレートのうち前記中間流路に対向する面上において、前記複数のノズルベーンのうち少なくとも1つの負圧面に対して径方向外側の位置に開口し、
前記複数のノズルベーンは、前記軸方向に沿った回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記少なくとも1つの貫通孔は、前記プレートの前記面上において、前記少なくとも1つのノズルベーンの前記回動軸よりも周方向において前記排ガス流れ方向の上流側の位置に開口し、
前記複数のノズルベーンは、前記中間流路内において周方向に配列されるとともに、前記軸方向に沿った回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記複数のノズルベーンの各々の開度が最大であるときに、前記少なくとも1つの貫通孔の少なくとも一部は、前記プレートの前記面において、前記少なくとも1つのノズルベーンから前記径方向の外側にずれて位置するとともに、前記軸方向から視て、前記プレートの前記面上における前記貫通孔の開口と、前記少なくとも1つのノズルベーンとが部分的に重なる
タービン。 - 前記複数のノズルベーンは、前記中間流路内において周方向に配列されるとともに、前記軸方向に沿って延びる回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記周方向に隣接する一対のノズルベーンの各々のコード方向がなす角度をAとし、前記複数のノズルベーンの各々の開度が最大であるときの前記角度をA1としたとき、
前記角度Aが0.5×A1以上となるノズルベーンの大開度域の少なくとも一部において、前記少なくとも1つの貫通孔は、前記面上において、前記負圧面に対して径方向外側の位置に開口する
請求項1に記載のタービン。 - 前記複数のノズルベーンは、前記中間流路内において周方向に配列されるとともに、前記軸方向に沿った回動軸の周りを回動可能に設けられ、
前記周方向に隣接する一対のノズルベーンの各々のコード方向がなす角度をAとし、前記複数のノズルベーンの開度が最大であるときの前記角度をA1としたとき、
前記角度Aが0.75×A1となる前記複数のノズルベーンの開度において、前記少なくとも1つの貫通孔と前記少なくとも1つのノズルベーンの前記負圧面との間の径方向における距離Lが前記少なくとも1つの貫通孔の直径D以下である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタービン。 - 前記軸方向に直交する断面において、前記タービンの回転軸を中心として、スクロール舌部の位置における角度を0度とし、周方向における前記排ガス流れの向きを正の角度方向としたとき、前記少なくとも1つの貫通孔は、220度以上360度以下の範囲内に位置する
ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のタービン。 - 前記軸方向を含む断面において、前記少なくとも1つの貫通孔は、前記少なくとも1つのノズルベーンの前記負圧面の延在方向に沿って延びている
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のタービン。 - 前記軸方向を含む断面において、前記負圧面は、前記軸方向に対して傾斜して延在し、前記少なくとも1つの貫通孔は、前記負圧面の前記軸方向に対する傾斜方向に沿って延びている
ことを特徴とする請求項5に記載のタービン。 - 請求項1乃至6の何れか一項に記載のタービンと、
前記タービンによって駆動されるように構成された圧縮機と、を備える
ことを特徴とするターボチャージャ。
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