JP6959648B2 - 散水ノズル - Google Patents
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Description
このような散水ノズルでは、操作レバー15とノズル本体6との間に、操作レバー15の接近離間運動を開閉弁の開閉運動に変換する中レバー16を配置したものがあった。
この散水ノズルの操作レバー15を握り込むと、ノズル本体6に取り付けた係止アーム17の係止片18が、操作レバー15に取り付けた係止ガイド19の側面に沿って摺動し係止凹部21に係止されることで、ノズル本体6に対する操作レバー15の位置が固定される。操作レバー15の位置が固定されると、中レバー16を介して開閉弁体13も位置固定されるため、開閉弁を弁開状態でロックすることができた。
また、このロック状態から再度操作レバー15を握り込むことで、係止片18が係止凹部21から外れ、ロック状態を解除して開閉弁を再び弁閉状態にすることができた。
従来の散水ノズルにおいて弁開状態でロックすると、係止ガイド19が係止アーム17によってロックされた際、係止ガイド19と操作レバー15との取り付け箇所で0.2〜0.4mmの嵌合ギャップが生じる。また、操作レバー15とノズル本体6との取り付け箇所でも0.2〜0.4mmの嵌合ギャップが生じる。そして、これらの嵌合ギャップを経て位置決めされた操作レバー15が中レバー16に当接して開閉弁体13の位置を保持する。なお、操作レバー15がノズル本体6に対して接近離間する範囲は2〜3cmである。
したがって、操作レバー15をノズル本体6にかなり接近させてロック機構によりロックしても、開閉弁体13が比較的弁閉に近い状態で保持されてしまい、ロック状態の通水量が小さくなってしまうという問題があった。
また、本発明は、ロック機構のロックと開閉弁の開閉とのギャップ(ずれ)が小さい散水ノズルを提供することを目的とする。
第1の発明は、導入口から散水口までを接続する水の流路を内部に形成したノズル本体と、上記ノズル本体に接近離間可能に取り付けられた操作レバーと、上記流路中に配置されるとともに上記操作レバーに連動し、上記操作レバーと上記ノズル本体との位置関係に応じて上記流路を開閉する開閉弁と、上記操作レバーの接近離間運動を上記開閉弁の開閉運動に変換する中レバーとを有する散水ノズルであって、上記ノズル本体に設けられた係止片と、上記操作レバーに設けられ、上記操作レバーの接近離間に伴って上記係止片が摺動する摺動路を形成するとともに、この摺動路の経路中に上記係止片が係止して上記操作レバーと上記ノズル本体との位置関係を保持する係止凹部を有する係止ガイドとからなるロック機構を設け、かつ、上記中レバーが上記係止ガイドの移動経路上に配置されるとともに、上記係止ガイドが、上記操作レバーの上記ノズル本体への接近離間運動の少なくとも一時点において上記中レバーの少なくとも一部を収容する切り欠きを有することを特徴とする。
この散水ノズルは、園芸、農業、清掃、その他の用途において、ホースを介して水道等の給水設備の先端に接続されて散水を行う器具であって、使用者が手に持って使用するものである。
図2に示すように、ノズル本体6の内部には、導入口2から散水口5まで延在する水の流路10が形成されている。
ノズル本体6は、内部に流路10を有する通水パイプ7、ホースニップル8、および吐水ヘッド9などに外周を覆う複数のカバーを組み付けてなるが、これらのうちいくつかについて一体に成形したものであってもよい。
ノズル本体6の基端部では、ホースに取り付けられた受け具(図示せず)と連結するための凹凸やOリング外周面に設けるとともに、その中心に給水設備からの水を導入する導入口2を開口したホースニップル8が通水パイプ7の下方に取り付けられている。
開閉弁は、通水パイプ7のノズル本体6側の流路10に配置された開閉弁体13を有している。開閉弁体13は、通水パイプ7に内接する有蓋円筒状に形成され、蓋の上部に突起状の弁体部13aを形成している。
この弁体部13aは、図2(b)に示すように、先端に近づくにつれて段階的に径が小さくなる段差形状に形成されている。弁体部13aは、このように段差形状に形成するほか、先端に近づくにつれて徐々に径が小さくなる略円錐形状に形成してもよい。
弁体部13aには、開閉弁座7aに当接して流路10を閉塞するためのOリング13bが取り付けられている。
図2(a)に示すように、開閉弁体13の外周面の2箇所にはOリング13c、13cを配設して開閉弁体13の外周を水が流れないようにするとともに、Oリング13c、13cより上の外周面に通水口13dを開口している。通水パイプ7の基端(下方)から供給された水は、開閉弁体13の内部を通過して通水口13dより外周に流出し、下流へ流れるようになっている。
図7に示すように、この付勢力に反して弁体部13aが開閉弁座7aから離間させられると、流路10が開放され、散水口5から散水することができる。
開閉弁体13の弁体部13aが段差形状に形成されていることにより、開閉弁座7aから開閉弁体13が離間するのにしたがって、開閉弁を通過する水の流量が徐々に増加する。
通水パイプ7の開口は常時開閉弁体13の2つのOリング13c、13cの中間に位置するため、水が開口から通水パイプ7の外側へ漏れることはない。
ロック機構は、図1、図6に示すようにノズル本体6の通水パイプ7に取り付けられた係止アーム17と、操作レバー15に取り付けられた係止ガイド19とからなる。
図4に示すように、係止アーム17は、前方に延びる左右一対のアーム部17aを有する平面視略U字状に成形され、各アーム部17aの先端には内方に向かって突出する一対の係止片18、18を有している。
なお、本明細書において左右方向とは、操作レバー15とノズル本体6との接近離間方向を前後方向と定義した場合の左右方向をいうものとする。
係止ガイド19の高さ中央では、係止アーム17の係止片18が摺動する摺動路20を左右の両側面にそれぞれ形成している。
この摺動路20では、横倒しにしたハート形状のハートカム部19cが係止ガイド19の側面から立設され、ハートカム部19cの周囲を係止片18が摺動するようになっている。ハートカム部19cの中心には、係止片18を係止する係止凹部21が後方に凹設されている。
この係止凹部21は、ハートカム部19cに前後方向に凹設するほかに、上下方向に凹設したものであってもよい。
ハートカム部19cの前方には、係止片18の摺動方向を制御するための山部19dが設けられている。
また、係止ガイド19の上部からは、中レバー16に当接して押圧するための押圧部19bが後方に向かって突設されている(図5(b)(d))。
図1(b)、図2(b)に示すように、散水ノズルにおいて、中レバー16と係止ガイド19とは同じ高さに配置される。中レバー16が係止ガイド19のすぐ後方に配置され、中レバー16の支点16a(回動軸)よりも上の部分は係止ガイド19中央の収容部22に収容されている。すなわち、図1のように左右から見た場合には、中レバー16の支点16aよりも上の部分が、係止ガイド19の摺動路20の形成箇所に重なって見える。
また、中レバー16の上部が係止ガイド19の押圧部19bに当接している。
また、使用者による操作レバー15の回動にしたがって、係止片18は摺動路20を摺動する。
操作レバー15がノズル本体6に接近して開閉弁を開放すると、係止片18がハートカム部19cの上側の摺動路20を前方に摺動し、係止凹部21より前方かつ山部19dの上側に到達する。
次いで使用者が操作レバー15を開放すると、係止片18がハートカム部19cの下側の摺動路20を摺動し、ハートカム部19c後方の当初の位置に戻ることでロックが解除される。このとき、コイルスプリング14によって開閉弁が止水状態に戻るとともに、中レバー16および係止ガイド19を介して操作レバー15が前方に押圧され、ノズル本体6から離間する(図1、図2)。
したがって、操作レバー15の形状をコンパクト化することができ、結果として散水ノズル全体も小型化することができる。
たとえば、従来生じていた係止ガイド19と操作レバー15との0.2〜0.4mmの嵌合ギャップ、および操作レバー15とノズル本体6との0.2〜0.4mmの嵌合ギャップの双方が削減された結果、開閉弁体13が弁座から遠い位置でロックされる。これによって開閉弁の最小流路断面積が従来から5.6〜7.1mm2増加して、従来比1.2倍となった。この結果、静水圧0.3MPaの使用条件下での通水量(散水量)を、従来の毎分6リットルから、毎分7リットルに向上させることができた。
中レバー16とこれを押圧して回動させる部材との間では接触部分に摩擦が生じるため、従来の散水ノズルでは中レバー16に接触する操作レバー15にABS等の高い耐磨耗性を備える材料を用いる必要があった。しかし、第一実施形態の散水ノズルでは操作レバー15が中レバー16に接触しないため、比較的大型で多くの材料を要する操作レバー15にPP(ポリプロピレン)等の耐磨耗性の低い安価な材料も使用することができ、材料コストを低下させることができる。代わりに係止ガイド19に高い耐磨耗性が必要となるが、係止ガイド19は係止片18を摺動させるために従来から耐磨耗性を備える材料を使用していたため、これによる材料コストの増加はない。
図8に示す第二実施形態に係る散水ノズルは、第一実施形態と同様に、係止ガイド19の背面中央に中レバー16を収容するための切り欠きである収容部22が設けられている。散水ノズルを組み立てると、中レバー16が係止ガイド19のすぐ後方に配置され、中レバー16の支点16a(回動軸)よりも上の部分は係止ガイド19の収容部22に収容されている。すなわち、左右から見た場合には、中レバー16の支点16aよりも上の部分が係止ガイド19の摺動路20の形成箇所に重なって見える。
他方で、第一実施形態と異なり、係止ガイド19は押圧部を備えていないため、中レバー16を押圧することはない。操作レバー15を握り込んでノズル本体6に接近させると、操作レバー15が中レバー16の上部に当接して押圧して回動させ、開閉弁の開放を行う。
しかし、変形例として、操作レバー15がノズル本体6から最も離間した状態では中レバー16が係止ガイド19の後方に離れて配置され収容部22に収容されていないが、操作レバー15をノズル本体6に接近させると収容部22に収容されるようにしてもよい(図示せず)。
この場合、係止ガイド19には収容部22を設けるだけでなく、摺動路20を有する左右の側壁を繋いでいる中央部分も適宜切り欠いて(図示せず)、中レバー16を前方に通過させることができるようにしておく。
図9に示す第三実施形態に係る散水ノズルは、ホース等に接続されて水を導入する導入口2を形成した基端部から上方に延びる略筒状に形成されたグリップ部3と、このグリップ部3の上端から前方に延びるとともに先端に散水口5を形成したノズル部4とからなり、全体としてL字形、くの字形もしくはピストル形等の屈曲形状に形成されたノズル本体6を有している。
グリップ部3の向きは垂直であってもよいが、図9のように垂直な向きから傾斜して上方に延びたものであってもよい。
ノズル部4は、グリップ部3の上端から前方に延びる略筒状に形成されている。ノズル部4の先端には吐水ヘッド9が取り付けられ、吐水ヘッド9の先端には散水口5が形成されている。
他方で、第三実施形態の散水ノズルでは、係止ガイド19から上方に突出した板状の押圧部19bが設けられ、これが中レバー16の上部に前方から当接している。
また、第一実施形態と異なり、操作レバー15は、上端を固定端としてグリップ部3の上部に取り付けられ、下端を自由端としているため、使用者がグリップ部3を持った手で握り込むことにより前後方向に回動可能となっている。
6 ノズル本体
7 通水パイプ
7a 開閉弁座
10 流路
13 開閉弁体
13a 弁体部
13b Oリング
14 コイルスプリング
15 操作レバー
16 中レバー
16a 支点
17 係止アーム
17a アーム部
18 係止片
19 係止ガイド
19a 突出部
19b 押圧部
19c ハートカム部
19d 山部
20 摺動路
21 係止凹部
22 収容部
Claims (2)
- 導入口から散水口までを接続する水の流路を内部に形成したノズル本体と、
上記ノズル本体に接近離間可能に取り付けられた操作レバーと、
上記流路中に配置されるとともに上記操作レバーに連動し、上記操作レバーと上記ノズル本体との位置関係に応じて上記流路を開閉する開閉弁と、
上記操作レバーの接近離間運動を上記開閉弁の開閉運動に変換する中レバーとを有する散水ノズルであって、
上記ノズル本体に設けられた係止片と、
上記操作レバーに設けられ、上記操作レバーの接近離間に伴って上記係止片が摺動する摺動路を形成するとともに、この摺動路の経路中に上記係止片が係止して上記操作レバーと上記ノズル本体との位置関係を保持する係止凹部を有する係止ガイドとからなるロック機構を設け、かつ、
上記中レバーが上記係止ガイドの移動経路上に配置されるとともに、上記係止ガイドが、上記操作レバーの上記ノズル本体への接近離間運動の少なくとも一時点において上記中レバーの少なくとも一部を収容する切り欠きを有することを特徴とする散水ノズル。 - 導入口から散水口までを接続する水の流路を内部に形成したノズル本体と、
上記ノズル本体に接近離間可能に取り付けられた操作レバーと、
上記流路中に配置されるとともに上記操作レバーに連動し、上記操作レバーと上記ノズル本体との位置関係に応じて上記流路を開閉する開閉弁と、
上記操作レバーの接近離間運動を上記開閉弁の開閉運動に変換する中レバーとを有する散水ノズルであって、
上記ノズル本体に設けられた係止片と、
上記操作レバーに設けられ、上記操作レバーの接近離間に伴って上記係止片が摺動する摺動路を形成するとともに、この摺動路の経路中に上記係止片が係止して上記操作レバーと上記ノズル本体との位置関係を保持する係止凹部を有する係止ガイドとからなるロック機構を設け、かつ、
上記中レバーが上記係止ガイドの移動経路上に配置されるとともに、上記操作レバーが上記ノズル本体に接近すると、上記中レバーが上記係止ガイドに押圧されることにより上記開閉弁を開放することを特徴とする散水ノズル。
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