JP6959220B2 - 携帯型電波時計 - Google Patents

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Description

本発明は、衛星等から信号を受信する携帯型電波時計に関する。
GPS(Global Positioning System)等を構成する衛星からの送信信号に含まれる時刻情報を受信して時刻を修正する携帯型の電波時計が実用に供されている。電波の受信のためのアンテナの種類および配置は、時計の機能を損なわずかつ必要な受信感度が得られるように決定されている。
特許文献1の図8には、風防ガラスの外周縁の裏側に無給電素子423(アンテナ)を配置することが開示されている。無給電素子423は、誘電体上に形成された円弧状の給電素子410により非接触で給電される。無給電素子423と給電素子410との間には、誘電体であるダイヤルリング83が配置されている。
特許文献2には、環状の誘電体401上に設けられた無給電素子402と給電体403とからなるアンテナ体40が開示されている。アンテナは風防ガラスには配置されておらず、アンテナ体40と風防ガラスとの間には、ダイヤルリング83が配置されている。
特開2014−163666号公報 特開2014−62844号公報
本願発明者らは、UHF帯向けのリング状の高感度アンテナを腕時計のような携帯時計に搭載することを検討している。この場合、アンテナのサイズを携帯時計に収めるために誘電体により波長を短縮する必要がある。ここで、特許文献1の図8に示されるように無給電素子(アンテナ)と給電素子との間に誘電体を配置すると、誘電体により高周波の受信信号にロスが生じてしまう。また、誘電体がない場合もその距離により受信感度が低下してしまう。一方、特許文献2に示されるように風防ガラスから離れた位置にアンテナを配置すると、携帯時計のケースや回路などの影響を受けやすくなってしまい、感度が低下するか厚みが増加することになる。
本発明は上述の事情を考慮してなされたものであって、その目的は、高感度かつ薄型の携帯型の電波時計を提供することである。
(1)風防ガラスと、前記風防ガラスの周縁の裏側に前記周縁にそって形成されたアンテナ電極と、受信回路と、前記アンテナ電極と前記受信回路とを接続する接続回路の少なくとも一部を構成するアンテナ接続線であって、前記アンテナ電極の裏面に直接接続され前記風防ガラスから遠ざかる方向に延びるアンテナ接続線と、前記アンテナ電極の下に設けられ、平面視において前記アンテナ電極の少なくとも一部を覆う誘電体と、を含む携帯型電波時計。
(2)(1)において、前記風防ガラスがはめ込まれるベゼルをさらに含み、前記誘電体は、前記ベゼルの一部であり、前記アンテナ電極の直下に配置される、携帯型電波時計。
(3)(1)において、前記風防ガラスがはめ込まれるベゼルをさらに含み、前記誘電体は前記ベゼルの一部であり、前記アンテナ電極と前記誘電体との間に絶縁性の部材が配置される、携帯型電波時計。
(4)(1)において、前記風防ガラスがはめ込まれ、前記アンテナ電極の下にある誘電体を含むベゼルと、前記誘電体と前記アンテナとの間に配置され前記誘電体と誘電率の異なる誘電部材と、をさらに含む、携帯型電波時計。
(5)(1)において、前記風防ガラスがはめ込まれ、金属部材と誘電体部材とを含むベゼルをさらに含む、携帯型電波時計。
(6)(1)から(5)において、前記アンテナ電極と前記風防ガラスとの間に設けられる目隠し部材をさらに含む、携帯型電波時計。
(7)(1)から(6)において、前記風防ガラスの周縁の表側は傾斜を有する、携帯型電波時計。
本発明によれば、携帯型電波時計は、電波を高感度に受信し、かつ薄型とすることができる。
本発明の実施形態にかかる衛星電波腕時計の一例を示す平面図である。 図1に示される衛星電波腕時計のII−II切断線における断面図である。 図1に示される衛星電波腕時計に含まれる回路基板およびバラン基板を示す平面図である。 衛星電波腕時計の回路構成の概略を示すブロック図である。 図2に示される断面の部分拡大図である。 ベゼルおよび見返しリングの部分平面図である。 図1に示される衛星電波腕時計のVII−VII切断線における断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。 衛星電波腕時計の他の一例を示す部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下では本発明の実施形態にかかる衛星電波腕時計1について説明する。本実施形態に係る衛星電波腕時計1は、時刻情報を含んだ衛星電波を受信し、当該受信された衛星電波に含まれる時刻情報を用いて自身が計時している時刻の修正や測位を行う。
図1は、本発明の実施形態にかかる衛星電波腕時計1の外観の一例を示す平面図であり、図2は、図1に示される衛星電波腕時計1のII−II切断線における断面図である。これらの図に示されるように、衛星電波腕時計1は、風防ガラス31と、風防ガラス31を保持するベゼル32と、円筒状の胴38と、胴38の下に設けられる裏蓋39とを含む。これらは衛星電波腕時計1の外形を構成している。胴38およびベゼル32は、風防ガラス31および裏蓋39に挟まれている。以下では、衛星電波腕時計1の中心から風防ガラス31へ向かう向きを上、裏蓋39へ向かう向きを下と表記する。
胴38は金属からなり、上下にそれぞれ穴を有する。ベゼル32は胴38の上の穴の形状に応じたリング状のセラミックスであり、ベゼル32はその上の穴にはめ込まれることで胴38に接続されている。また裏蓋39は金属からなり胴38の下の穴の形状に応じた平面を有し、裏蓋39はその下の穴にはめ込まれている。風防ガラス31は、ベゼル32の上側の開口の形状に応じた平面形状を有し、ベゼル32のその開口にはめ込まれている。風防ガラス31とベゼル32とはパッキン33を介して接しており、パッキン33により風防ガラス31が固定されている。またベゼル32と胴38とはパッキン37を介して接しており、パッキン37によりベゼル32が固定されている。
また、衛星電波腕時計1は、アンテナ10a,10b、2本の導電ピン41、リング状の見返しリング34、文字板51、時針52a、分針52b及び秒針52c、ソーラーセル53、地板54、バラン基板43、同軸ピン45、回路基板47、モーター49を含む。これらは、風防ガラス31、ベゼル32、胴38、裏蓋39に囲まれた空間に配置されている。
アンテナ10a,10bは、風防ガラス31の下側(裏側)に、風防ガラス31の周縁に沿って延びるように配置されている。図1の例では、アンテナ10a,10bのそれぞれは円弧状であり、風防ガラス31の裏側に貼り付けられている。アンテナ10a,10bは衛星から送信される衛星信号を受信する。特に本実施形態では、アンテナ10a,10bはいわゆるダイポールアンテナであり、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される周波数約1.6GHzの電波を受信する。GPSは、衛星測位システムの一種であって、地球の周囲を周回する複数のGPS衛星によって実現されている。
導電ピン41はいわゆるプローブピンである。2本の導電ピン41はアンテナ10a,10bと1対1で対応しており、アンテナ10a,10bのそれぞれは、対応する導電ピン41によりバラン基板43と電気的に接続されている。導電ピン41の両端はスプリングにより伸縮し、2本の導電ピン41の上端はアンテナ10a,10bに接触している。また2本の導電ピン41の下端はそれぞれバラン基板43上に設けられた2つの接続端子に接触している。導電ピン41は、見返しリング34および地板54により、平面視における位置を固定されており、また2本の導電ピン41は互いに平行に配置されている。図2の例では、導電ピン41は見返しリング34を上下方向に貫通する穴の中に固定されている。アンテナ10a,10bからみて、導電ピン41は、風防ガラス31から遠ざかる方向に延びている。
図3は、衛星電波腕時計1の回路構成の概略を示すブロック図である。バラン回路21は、ダイポールアンテナのような平衡型アンテナを不平衡な特性を有する同軸ピン45や受信回路22に接続するために、アンテナ10a,10bが受信した信号を変換する。受信回路22は同軸ピン45を介してバラン回路21に接続されている。受信回路22はアンテナ10a,10bが受信した信号を復号し、復号の結果得られる衛星信号の内容を示すビット列(受信データ)を出力する。より具体的には、受信回路22は高周波回路(RF回路)及びデコード回路を含んでいる。高周波回路は、高周波数で動作し、アンテナ10a,10bが受信したアナログ信号に対して増幅、検波を行って、ベースバンド信号に変換する。デコード回路は、高周波回路が出力するベースバンド信号を復号してGPS衛星から受信したデータの内容を示すビット列を生成し、制御回路26に対して出力する。
制御回路26は、衛星電波腕時計1に含まれる各種回路や機構を制御する回路であり、例えば、マイクロコントローラと、モータ駆動回路と、RTC(Real Time Clock)とを含む。制御回路26は、受信データやRTCが出力するクロックに基づいて時刻を取得し、取得された時刻にあわせて駆動機構28に含まれるモーター49を駆動する。駆動機構28は、ステップモータであるモーター49と、輪列と、を含んで構成される。モーター49は回路基板47の文字板51側の面に設けられている。モーター49の回転を輪列が伝達することによって、例えば時針52a、分針52b、及び秒針52cのうちいずれかを回転させる。これにより現在時刻が表示される。
次に、バラン回路21、受信回路22等の配置について説明する。図4は、図1に示される衛星電波腕時計1に含まれる回路基板47およびバラン基板43を示す平面図である。図4に示されるII−II切断線は、図2に示される断面に対応する。また、図5は、図2に示される断面の部分拡大図である。バラン基板43は回路基板47の上に配置されている。バラン基板43の下側の面には、アンテナ10a,10bと接続されるバラン回路21が配置されており、回路基板47上には受信回路22が配置されている。図4の例では、平面視で、受信回路22はバラン基板43の隣に配置されている。なお、バラン基板43は、平面視でモーター49や電池と重なっていない。
バラン基板43と回路基板47の間には樹脂製のスペーサ46が配置されており、スペーサ46によりバラン基板43と回路基板47との間隔が保たれている。バラン基板43と回路基板47とは平行に配置されている。バラン回路21と回路基板47との間にはスペーサ46が存在するが、例えばGND配線のような金属部材は配置されていない。なお、文字板51の直下にはソーラーセル53が配置され、ソーラーセル53と、バラン基板43または回路基板47との間には地板54等が配置されている。
アンテナ10a,10bとバラン回路21とは、導電ピン41およびバラン基板43上の中間配線により接続されている。中間配線は、バラン基板43上を、導電ピン41との接続端子から延びる配線である。中間配線は、接続端子から見て、胴38から離れるように延びている。また、バラン回路21と受信回路22とは、RF接続配線により接続されている。RF接続配線は、同軸ピン45と、同軸ピン45とバラン回路21とを接続するバラン基板43上の配線と、同軸ピン45と受信回路22とを接続する回路基板47上の配線とを含む。同軸ピン45は、バラン基板43上の配線と回路基板47上の配線とを電気的に接続する。同軸ピン45は、平面視で導電ピン41よりも文字板51の中央に近く、導電ピン41に比べて胴38から離れている。導電ピン41、中間配線、バラン回路21、RF接続配線は、アンテナ10a,10bと受信回路22とを接続する接続回路である。また導電ピン41はアンテナ10a,10bとバラン回路21とを接続する配線の一種である。
また、ベゼル32は、内周面において導電ピン41が通過する位置に切欠き42が設けられている。図6は、ベゼル32および見返しリング34の部分平面図である。ベゼル32には、平面視で風防ガラス31の周縁より外側にある部分と、その外側の部分から内側に張り出している張出部35(図7参照)とを含む。導電ピン41の近傍では張出部35に切欠き42が設けられている。平面視で、その切欠き42の位置にはベゼル32の内周側にある見返しリング34が存在し、見返しリング34のうち切欠き42に重なる領域には、導電ピン41を固定するための構造として2つの穴が設けられている。そして、2つの導電ピン41はその2つの穴を通過するように配置される。
次に、アンテナ10a,10bと周辺の部材との関係についてより詳細に説明する。図7は、図1に示される衛星電波腕時計1のVII−VII切断線における断面図である。図7では、導電ピン41は断面の向こう側にあり、図中では破線で示されている。
ベゼル32は、誘電体であるセラミックスにより形成されており、張出部35は、平面視で風防ガラス31の周縁にあるアンテナ10a,10bの少なくとも一部を覆っている。張出部35は、そのアンテナ10a,10bの少なくとも一部の直下に配置され、切りかかれたリングの形状を有する。本実施形態の例では、張出部35は、アンテナ10a,10bのうち導電ピン41と接続される部分を除く部分の直下に配置されている。また見返しリング34は絶縁性の部材、例えば樹脂からなり、ベゼル32の内周に隣接するように配置されている。また見返しリング34は張出部35の下にも隣接するように配置されている。
本実施形態では、風防ガラス31の裏側にアンテナ10a,10bを配置し、またアンテナ10a,10bの下に誘電体でありベゼル32(特に張出部35)を配置している。本実施形態では、アンテナ10a,10bの下の誘電体(ここではベゼル32)で波長短縮効果を得つつ、導電ピン41とアンテナ10a,10bとを直接的に接続することにより誘電体による感度の低下も抑えられている。これにより、これらの構成を含まないものに比べて、衛星電波腕時計1をより薄型かつ高感度にすることが可能になる。
また、図7に示すように、風防ガラス31の表側(上面)の周縁には傾斜のある傾斜領域が設けられており、アンテナ10a,10bはその傾斜領域に覆われている。また、傾斜領域の内側には、法線が上向きとなる平面領域が設けられている。より具体的には、傾斜領域は、平面視で、風防ガラス31の表側の端からアンテナ10a,10bのr方向内側の端より内側まで存在する。傾斜領域においては、その法線は上方向から外側に傾いており、傾斜領域の外側の端は、内側の端より下側にある。これにより、アンテナ10a,10bを視認しづらくすることができ、装飾性を高めることが可能になる。本図の例では衛星電波腕時計1の中心を通る断面において、傾斜領域の傾斜角度は一定である。
ここで、アンテナ10a,10bと、誘電体との関係はこれまでに説明されたものと異なっていてもよい。
図8は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図7に対応する断面図である。以下では主に図7の例との違いについて説明する。図8の例では、張出部35とアンテナ10a,10bとの間に見返しリング34が配置されている。そのため、図8の例では、ベゼル32の張出部35は文字板51の上面の上に出ないように配置されている。なお、見返しリング34のうち張出部35に対向する部分を薄くし、張出部35のうちを上側にしてもよい。図8の例では、図7の例に比べて誘電体による波長短縮効果は低いものの、図7の例と同様に感度の低下を防ぐことができる。
図9は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図である。本図は図7に対応し、以下では主に図7の例との違いについて説明する。図9の例では、張出部35とアンテナ10a,10bとの間に、張出部35より誘電率の異なる高誘電体36が配置されており、高誘電体36がアンテナ10a,10bの直下に配置されている。高誘電体36の誘電率は、張出部35に比べて高いことが好ましい。高誘電体36の材質は、例えば、アルミナや窒化ケイ素(誘電率8〜10)、ジルコニア(誘電率28〜33)であってもよいし、酸化チタン(誘電率60〜100)であってもよい。また高誘電体36の材質は誘電率の高いその他のセラミックス材料や樹脂材料であってもよい。図9の例では、誘電体による波長短縮効果をさらに得つつ、衛星電波腕時計1をより薄型かつ高感度にすることが可能になる。図9の例では、見返しリング34は、平面視で必ず張出部35の内側になるように配置されている。
図23は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図である。本図は図9に対応し、以下では主に図9の例との違いについて説明する。図23の例では、見返しリング34の上側に凹部34rが設けられており、凹部34rの内部に高誘電体36が配置されている。高誘電体36は一般的にセラミックスなどの脆弱性のある材料である。図23の例では、高誘電体36が他の部材から独立しており、見返しリング34によって高誘電体36の位置を容易に定めることができる。これにより、アンテナ10a,10bと高誘電体36との位置合わせが容易になり、製造ばらつきを抑えることができる。また、高誘電体36の下面と見返しリング34の凹部34rの底との間に緩衝材71が配置されている。緩衝材71は、高誘電体36をアンテナ10a,10bに押し付けており、高誘電体36とアンテナ10a,10bとを接触させている。緩衝材71により、アンテナ10a,10bと高誘電体36とが接するため、誘電率による波長短縮効果をより確実に得やすい。緩衝材71により、脆弱性を有する高誘電体36に加わる衝撃を抑え、衛星電波腕時計1の破損の可能性を下げることができる。なお、緩衝材71の代わりに弾力性のあるバネなどが配置されてもよい。
また、アンテナ10a,10bのうち導電ピン41と接続する部分の幅が広くなっていてもよい。図10は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図5に対応する図である。図10の例では、導電ピン41の近傍の領域にも張出部35が存在し、導電ピン41が図5の例と比べてさらに内側に配置されている。また、導電ピン41とアンテナ10a,10bとの接続を可能とするために、導電ピン41の近傍において、平面視でアンテナ10a,10bの内側に張出部35に覆われない領域を有している。図10の例では、張出部35をベゼル32の内周側の全体に設けることができ、より確実な耐久性や気密性を得ることが可能になる。
ここで、図7等の例と異なり、アンテナ10a,10bを目立たなくするために、衛星電波腕時計1の中心を通る断面において、風防ガラス31の上面の少なくとも周縁が曲線を有するようにしてもよい。
図11は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図7に対応する図である。本図では、図7の例と異なり、風防ガラス31の側壁と平面領域とが、傾斜の向き(法線)が連続的に変化する曲面により接続されている。この曲面は、平面視で図7の傾斜領域と同じ領域に配置されている。図11の例においても、アンテナ10a,10bを視認しづらくすることができる。
図12は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図7に対応する図である。本図では、図7の例と異なり、風防ガラス31の上側の面の全体が曲面により構成されており、風防ガラス31の上側の面のうち周縁は、上側の面のうち中央に比べて下側になっている。図13は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図12に対応する図である。図13の例においては、図12の例と異なり、風防ガラス31の下側の面の全体も曲面により構成されており、風防ガラス31の下側の面のうち周縁は、下側の面のうち中央に比べて下側になっている。図12や図13の例においても、アンテナ10a,10bを視認しづらくすることができる。
ここで、アンテナ10a,10bを目立たなくするために、風防ガラス31に印刷や表面加工により目隠し領域を設けてもよい。この手法によってもアンテナ10a,10bを視認しづらくすることができる。
図14は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図7に対応する図である。図14では、図7の例と異なり、風防ガラス31の上面のうち法線が上向きとなる平面領域が、アンテナ10a,10bを覆っている。代わりに、風防ガラス31の上面の周縁には、印刷により形成された目隠し領域61が設けられている。目隠し領域61はアンテナ10a,10bを覆っている。なお、目隠し領域61を、風防ガラス31の表面を加工して反射率を高めることにより設けてもよい。
図15は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図14に対応する図である。図15の例では、図14の例と異なり、目隠し領域62が風防ガラス31の下面に接するように配置され、アンテナ10a,10bを覆っている。より具体的には、目隠し領域62は風防ガラス31の下面の周縁に印刷により形成され、目隠し領域62の下面にアンテナ10a,10bが貼り付けられている。図15の例においても、目隠し領域62を、風防ガラス31の表面を、反射率を高めるように加工することで設けてもよい。なお、目隠し領域62と風防ガラス31の間に、例えば都市表示、時差表示、メモリ、受信に関する表示といった情報表示のための印字や装飾印刷を施してもよい。
図16は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図7に対応する図である。図16では、図7の例と異なり、風防ガラス31の上面のうち法線が上向きとなる平面領域が、平面視でアンテナ10a,10bと重なっている。代わりに、風防ガラス31の上面と下面の間の周縁(側壁)には、平面視でアンテナ10a,10bと重なる溝が設けられ、その溝に挿入された部材が挿入されている。この素材により目隠し領域63が設けられている。目隠し領域63はアンテナ10a,10bを覆っている。
図17は、衛星電波腕時計1の他の一例を示す部分断面図であり、図7に対応する図である。図17の例では、風防ガラス31は他の部分より色が濃く、反射率が大きいまたは透過率の低い有色部66を含む。有色部66は風防ガラス31の周縁の部分であり、アンテナ10a,10bを覆っている。
図14から図17の例において、アンテナ10a,10bを目隠し領域によって外部から見えないように隠している。ソーラーセル53の受光面積を確保するために、この目隠し領域は平面視でソーラーセル53より外側に配置されることが望ましい。
これまでに説明した例ではベゼル32の全体がセラミックスにより形成されていたが、ベゼル32がセラミックスなどの誘電体により形成される部分と金属により形成される部分とを含み、それらの部分が接合されていてもよい。
図18は、衛星電波腕時計1の他の一例を概略的に示す部分断面図であり、図7に対応する断面を示す図である。図18の例では、図7で説明された例と異なり、ベゼル32は、セラミックス等の誘電体からなる誘電体部320と、金属からなる金属部321とを含む。誘電体部320は、断面が長方形のリングのうち上側かつ内側の長方形の領域を切りかいた形状をしている。この切り欠かれた領域に風防ガラス31が固定される。誘電体部320は、平面視で上面と下面とを有するリング状の第1の部分と、その第1の部分の外周縁から上方向に延びる第2の部分とを有する。第1の部分は、平面視でアンテナ10a,10bと重なる。また第2の部分は、アンテナ10a,10bの側方に隣接している。上下方向でみると、アンテナ10a,10bは、第2の部分の上端と下端の間に配置される。金属部321は、胴38にはめ込まれ、誘電体部320の第1の部分を支える横部分と、誘電体部320の側壁(外側の側壁)を囲む縦部分とを含む。なお、見返しリング34は、誘電体部320の第2の部分の内側の側壁に接するように設けられている。
ベゼル32のうちアンテナ10a,10bに近い部分をセラミックスなどの誘電体により形成することにより、衛星電波腕時計1を高感度かつ薄型にしつつ、ベゼル32のうち金属により形成される部分により衝撃に対する耐性を高めることができる。特に、高感度と耐衝撃性という2つの特性を共存させることが可能になる。
図19は、衛星電波腕時計1の他の一例を概略的に示す部分断面図であり、図18に対応する図である。図19の例では、図18の例と異なり、ベゼル32に含まれる誘電体部322は第2の部分に相当する部分を含まず、誘電体部322はアンテナ10a,10bの側方に隣接していない。ベゼル32に含まれる金属部323は、胴38にはめ込まれ、誘電体部322の第1の部分を支える横部分と、誘電体部322の側壁と風防ガラス31の側壁とに隣接しベゼル32の外側の側壁を構成する縦部分とを含む。
図20は、衛星電波腕時計1の他の一例を概略的に示す部分断面図であり、図18に対応する図である。図20の例では、ベゼル32に含まれる誘電体部324は、平面視で上面と下面とを有するリング状の第1の部分と、その第1の部分の外周縁から上方向に延びる第2の部分とを有する。図20の例では、図18の例と異なり、誘電体部324はベゼル32の外周側の側壁も構成している。ベゼル32に含まれる金属部325は、誘電体部324の下面に接合され、胴38にはめ込まれており、誘電体部324の側壁を囲ってはいない。
図21は、衛星電波腕時計1の他の一例を概略的に示す部分断面図であり、図20に対応する図である。図21の例では、図20の例と同様に、ベゼル32に含まれる誘電体部326は、ベゼル32の外周側の側壁も構成している。一方、図21の例では、図20の例と異なり、誘電体部326は、平面視で上面と下面とを有するリング状の第1の部分と、その第1の部分の外周端から上方向に延びる第2の部分と、だけでなく、第1の部分の外周端から下方向に延びる第3の部分も含む。そして、第3の部分の側壁の下端は胴38の外周の側壁の上端に接しており、金属部327はベゼル32の側面には露出していない。なお、金属部327は第2の部分の下面と第3の部分の側面の下端および下面に接するように接続され、胴38にはめ込まれている。図21の例では、金属部327が露出しないため、金属部327と誘電体部326の接合箇所を目立たなくすることが可能になる。
図22は、衛星電波腕時計1の他の一例を概略的に示す部分断面図であり、図19に対応する図である。図22の例では、ベゼル32に含まれる誘電体部328は、図19の見返しリング34に相当する部分も含むように一体的に整形されている。金属部329は、胴38にはめ込まれ、誘電体部322の第1の部分を支える横部分と、誘電体部322の側壁と風防ガラス31の側壁とに隣接しベゼル32の外側の側壁を構成する縦部分とを含む。
図19や図22の例においては、アンテナ10a,10bの側面に誘電体がない。この構成でより強い波長短縮を効かせるために、高誘電体からなるパッキンを配置することが望ましい。また、金属部323、329によるアンテナ10a,10bの受信信号への影響を低減するために、導電ピン41は、アンテナ10a,10bの幅方向の中心よりも外側に給電することが好ましい。また、図22以外の例においても、ベゼル32と見返しリング34とが一体になっていてもよい。
これまでに、衛星電波腕時計1に本発明を適用した場合について説明したが、例えば腕時計と異なる携帯用の小型の時計にも適用できる。

Claims (7)

  1. 風防ガラスと、
    前記風防ガラスの周縁の裏側に前記周縁にそって形成されたアンテナ電極と、
    受信回路と、
    前記アンテナ電極と前記受信回路とを接続する接続回路の少なくとも一部を構成するアンテナ接続線であって、前記アンテナ電極の裏面に直接接続され前記風防ガラスから遠ざかる方向に延びるアンテナ接続線と、
    前記アンテナ電極の下に当該アンテナ電極と離間して設けられ、前記風防ガラスの周縁に沿って形成されかつ平面視において前記アンテナ電極と重畳する誘電体と、
    を含む携帯型電波時計。
  2. 請求項1に記載の携帯型電波時計において、
    前記風防ガラスがはめ込まれるベゼルをさらに含み、
    前記誘電体は、前記ベゼルの一部であり、前記アンテナ電極の直下に配置される、
    携帯型電波時計。
  3. 請求項1に記載の携帯型電波時計において、
    前記風防ガラスがはめ込まれるベゼルをさらに含み、
    前記誘電体は前記ベゼルの一部であり、前記アンテナ電極と前記誘電体との間に絶縁性の部材が配置される、
    携帯型電波時計。
  4. 請求項1に記載の携帯型電波時計において、
    前記風防ガラスがはめ込まれ、前記アンテナ電極の下にある誘電体を含むベゼルと、
    前記誘電体と前記アンテナとの間に配置され前記誘電体と誘電率の異なる誘電部材と、をさらに含む、
    携帯型電波時計。
  5. 請求項1に記載の携帯型電波時計において、
    前記風防ガラスがはめ込まれ、金属部材と誘電体部材とを含むベゼルをさらに含む、
    携帯型電波時計。
  6. 請求項1から5に記載の携帯型電波時計において、
    前記アンテナ電極と前記風防ガラスとの間に設けられる目隠し部材をさらに含む、
    携帯型電波時計。
  7. 請求項1から6に記載の携帯型電波時計において、
    前記風防ガラスの周縁の表側は傾斜を有する、
    携帯型電波時計。
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