以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という)について図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る電波時計を示す平面図である。図1には、電波時計100の外装(時計ケース)である胴1、胴1内に配置された文字板2と時刻を示す指針である時針3、分針4、秒針5が示されている。また、胴1の3時側の側面にはユーザが種々の操作を行うための竜頭6、ボタン7が配置されている。胴1の12時側及び6時側の側面からは、バンドを固定するためのバンド固定部8が伸びている。
なお、図1に示した電波時計100のデザインは一例である。ここで示したもの以外にも、例えば、胴1を丸型でなく角型にしてもよいし、竜頭6やボタン7の有無、数、配置は任意である。また、本実施形態では、指針を時針3、分針4、秒針5の3本としているが、これに限定されず、秒針5を省略しても、あるいは、曜日、タイムゾーンやサマータイムの有無、電波の受信状態や電池の残量、各種の表示を行う指針や、日付表示等を追加したりしてもよい。
本実施形態では、電波時計100として、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される衛星信号を受信し、その衛星信号に含まれる日付や時刻に関する情報に基づいて内部時刻を修正する機能を有する腕時計を用いて説明をする。ただし、腕時計に限られるものではなく、時計機能を有する他のウェアラブル端末であってもよい。なお、内部時刻とは、電波時計100内部の時計回路が保持する時刻情報(現在の時刻及び日付を含む)である。
図2は、図1のA−A線による断面図である。電波時計100の文字板2を覆うように風防9が胴1に取り付けられ、また、風防9の反対側では、裏蓋10が胴1に取り付けられる。風防9の材質は、ガラス等の透明な材料であり、非磁性かつ非導電性である。また、胴1及び裏蓋10の材質は、特に限定はされないが、本実施形態では金属である。本実施形態では、以降、電波時計100の風防9が配置される方向(図2における上方向)を風防側、裏蓋10が配置される方向(図2における下方向)を裏蓋側と呼ぶ。
文字板2の裏蓋側には、太陽電池(光起電パネル)11が配置され、風防側から入光した光により発電がなされる。そのため、文字板2はある程度光線を透過する材質で形成されるとよい。本実施形態では、文字板2は、太陽電池11を挟むようにして、ベース部材12に固定される。
ベース部材12は、合成樹脂等の非磁性かつ非導電性の材質からなり、パッチアンテナ14や指針を駆動するための歯車機構25等、各種部材を支持する。パッチアンテナ14には、その厚み方向を貫くように給電ピン14bが設けられ、風防側の面が衛星からの電波を受信する受信面14aとなっている。
ベース部材12の裏蓋側には、回路基板24が配置され、さらにその裏蓋側には電池26が配置される。本実施形態では、電池26は充電可能な二次電池であり、ボタン型のリチウムイオン二次電池を用いている。そして、太陽電池11により発電された電力が蓄積されるようになっている。また、回路基板24には歯車機構25の駆動源であるモータ23も取り付けられている。なお、電池26の形状はボタン型に限定されず、任意である。さらに、二次電池としてリチウムイオン二次電池以外のもの、例えば、リチウムイオンキャパシタやニッケル水素畜電池を用いてもよい。
ここで、図2に示されるようにパッチアンテナ14の受信面14aは太陽電池11の受光面と平行に設けられており、いずれも風防側を向いている。また、図1に示されるように太陽電池11は概略円形をなし、その外周の一部が矩形状に切りかかれている。そして、この部分にパッチアンテナ14が配置されている。このため、パッチアンテナ14の受信面14aと太陽電池11の受光面は、いずれも文字板2の裏面に直接対向している。本実施形態では、太陽電池11の発電量を電波時計100の受光量としている。強い光が文字板2にあたっている状況は、日中の屋外や窓際など、パッチアンテナ14が衛星に向いており、衛星信号の受信に適した環境にある可能性が高い。
図3は、本実施形態に係る電波時計の回路構成及びシステム構成を示す図である。図3に示す回路要素は、主に回路基板24上に配置される。パッチアンテナ14により受信された衛星信号は、高周波回路46によりベースバンド信号に変換され、デコーダ回路53により時刻に関する情報、具体的には時刻や日付を示す情報が抽出され、制御部47へと受け渡される。高周波回路46及びデコーダ回路53により受信回路(受信手段)31が構成される。制御部47は、モータ23のドライバ、揮発性及び不揮発性メモリ、時計回路、各種AD変換器等を内蔵したマイクロコンピュータであり、各種の制御は不揮発性メモリに記憶されたプログラムに従って実行される。ここで、制御部47に内蔵される揮発性メモリには、日時修正情報が格納される。日時修正情報は、衛星信号から抽出されるものであり、後述の週内時刻TOWや、現在の閏秒に関する情報、将来の閏秒に関する情報を含むものである。
また、太陽電池11はスイッチ29を介して電池26に接続されており、制御部47からの指示によりスイッチ29が太陽電池11と電池26とを導通させている状態では、太陽電池11により発電された電力は、電池26に蓄積される。そして、電池26からは、高周波回路46、デコーダ回路53及び制御部47に電力が供給される。
また、太陽電池11はスイッチ29を介して発電量検出部30にも接続されており、制御部47からの指示によりスイッチ29が太陽電池11と発電量検出部30を導通させている状態では、太陽電池11により生じる電流は発電量検出部30に流れる。発電量検出部30はこの電流を電圧に変換するとともに、この電圧をさらにデジタル値に変換し、制御部47に供給する。
スイッチ56は、受信回路31、すなわち高周波回路46及びデコーダ回路53への電力供給のオン/オフを切り替えるスイッチであり、制御部47により制御される。高周波数で動作する高周波回路46とデコーダ回路53はその消費電力が大きいため、制御部47は、衛星信号を受信する時のみスイッチ56をオンとして受信回路31、すなわち高周波回路46及びデコーダ回路53を動作させ、それ以外の時はスイッチ56をオフとして、消費電力を低減する。
ここで、電波時計100の日時修正に用いられるGPS衛星が送信する衛星信号(航法データ)について説明する。図4は、GPS衛星が送信する衛星信号における1のサブフレームの構成を示す図である。
GPS衛星は、計25フレーム(ページ)を1セットとする衛星信号を繰り返し時間順に送信している。各フレームは30秒分の信号を含んでおり、GPS衛星は、全25フレームの信号を12.5分周期で送信する。さらに、各フレームは、5個のサブフレームSFから構成される。1のフレームが30秒なので、1のサブフレームSFは6秒分の信号に相当する。1のサブフレームSFは全体で300ビット分の情報を含んでいる。さらに、1のサブフレームSFは10ワードから構成され、1のサブフレームは6秒なので、1のワードは0.6秒分の信号に相当する。
各サブフレームSFの先頭ワードは、TLM(TeLeMetry word)と呼ばれ、TLMは、各サブフレームSFの先頭を示すコードと、地上管制局の情報を含んでいる。TLMの先頭部分(すなわち、サブフレームSF全体の先頭部分)には、当該サブフレームSFの開始位置を示すプリアンブルが含まれる。
各サブフレームSFの2番目のワードは、HOW(HandOver Word)と呼ばれ、HOWの先頭部分には、週の始まり(日曜日の午前0:00)を起点としたGPS時刻、すなわち現在の時刻に関する情報である週内時刻TOW(Time Of Week)が含まれている。HOWに続く情報は、サブフレームSF毎に異なっており、サブフレームSF1には、HOWに続いて週番号WN(Week Number)が含まれている。週番号WNは、週内時刻TOWにより表される時刻が属する週の番号を示す情報であって、週に1度、日曜日の午前0:00になる度にカウントアップされる。
なお、サブフレームSF2及びサブフレームSF3には、HOWに続いてエフェメリスと呼ばれる各GPS衛星の軌道情報が含まれ、サブフレームSF4及びSF5には、HOWに続いてアルマナックと呼ばれる全GPS衛星の概略軌道情報が含まれているが、その詳細な説明については省略する。
さらに、図3に戻って説明を続ける。電波時計100は、1又は複数のGPS衛星から衛星信号を受信する。そして、制御部47が、受信した衛星信号から抽出した週内時刻TOWの情報を、内蔵される揮発性メモリに格納し、格納された週内時刻TOWの情報に基づいて、内部時刻を修正し、内部時刻に基づいてモータ23を駆動する。モータ23により発生した回転動力は、輪列を経て指針(時針3、分針4及び秒針5)へと伝達され、時刻表示がなされる。
また、内部時刻を修正する情報として、現在の閏秒に関する情報がある。閏秒とはGPS衛星の原子時計の出力する時刻とUTC(Universal Time, Coordinated)とのずれを調整するものである。制御部47は、予め衛星信号から抽出した現在の閏秒に関する情報を、内蔵される揮発性メモリに格納し、格納された現在の閏秒に関する情報に基づいて、内部時刻を修正している。
また、内部時刻を修正する情報として、将来の閏秒に関する情報(以下、LS情報ともいう)がある。LS情報は、次回の閏秒修正が行われる閏秒更新予定日時の情報や、次回の閏秒修正における修正量に関する情報等を含む情報である。制御部47は、衛星信号から抽出したLS情報を、内蔵される揮発性メモリに格納し、格納されたLS情報に基づいて、閏秒更新予定日時に内部時刻を修正する。すなわち、制御部47は、週内時刻TOWや現在の閏秒に関する情報に加えて、閏秒更新予定日時までに取得した将来の閏秒に関する情報に基づいて、閏秒更新予定日時に内部時刻を修正する。なお、閏秒更新予定日は、例えば、6月末日や12月末日である。また、LS情報は不定期に更新されるものであるが、例えば、閏秒更新予定日前の1ヶ月間のみGPS衛星から送信される衛星信号に含まれる。以降、閏秒更新予定日前の1ヶ月の期間、すなわち、LS情報が衛星信号に含まれて送信される期間を、LS受信可能期間と呼ぶ。
電波時計100が屋内にある等、衛星信号の受信に適さない環境にある場合、受信動作を実行しても、衛星信号を受信できない可能性が高い。そのような環境にある場合に、受信動作を実行すると不要に電力を消費してしまう。そこで、本実施形態においては、電波時計100が受信環境に適した環境にあるか否かの判定をするための受信環境チェックを行い、電波時計100が受信環境に適した環境にあると判定された場合、すなわち、受信動作の環境条件を満たす場合、受信動作を実行する構成とした。
制御部47は、発電量検出部30の検出結果に基づいて、衛星信号の受信動作を受信回路31に実行させる。具体的には、発電量検出部30が検出した検出値(発電量)が所定の閾値以上であるか否かを所定の間隔で判定し、所定の閾値以上の検出値が検出された場合、衛星信号の受信動作を受信回路31に実行させる。発電量検出部30が検出した検出値が所定の閾値以上であれば、電波時計100が屋外や窓際など受信に適した環境にある可能性が高いといえるためである。
図5を参照して、本実施形態における時刻情報受信動作について説明する。図5は、本実施形態における時刻情報受信動作について説明する図である。ここで、時刻情報受信動作とは、週内時刻TOWを受信するための受信動作をいう。なお、図5においては、制御部47による受信環境チェックが行われたタイミングを矢印で示す。また、発電量検出部30が検出した検出値が所定の閾値以上であった場合を「OK」で示し、所定の閾値未満であった場合を「NG」で示す。後述の図6についても同様とする。
図5においては、「OK」判定が2回連続でなされた時に環境条件を満たし、その後時刻情報受信動作が6秒間継続して実行される例を示している。2回連続して「OK」判定がなされると、制御部47が図3に示すスイッチ56をオン状態に切り替える。そして、受信回路31が起動し、衛星信号を受信する。すなわち、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作が実行される。
上述したように週内時刻TOWは全てのサブフレームSFに含まれている。そのため、いずれのタイミングで時刻情報受信動作を開始した場合であっても、その受信動作を少なくとも6秒間継続することで、週内時刻TOWを取得し得る。図5に示す例においては、ページ2のサブフレームSF3に含まれる週内時刻TOWが取得される。なお、取得する週内時刻TOWが含まれるサブフレームSFは任意である。すなわち、サブフレームSF1〜5のいずれに含まれる週内時刻TOWを取得するタイミングで時刻情報受信動作を行っても構わない。例えば、仮に、図5に示す例において、ページ1のサブフレームSF4のタイミング及びその10秒後のタイミング(ページ2のサブフレームSF1の先頭部分のタイミング)で行った受信環境チェックにおいて、「OK」判定がなされた場合、ページ2のサブフレームSF2に含まれる週内時刻TOWを取得可能なタイミングで時刻情報受信動作を行うとよい。また、図5においては、10秒間隔で受信環境チェックを行う例について示すが、これに限られるものではなく10秒間隔よりも長くても短くても構わない。なお、例えば、受信環境チェックの検出間隔を10秒間隔とする場合、分針4の駆動タイミングも10秒に1ステップとするとよい。このように、受信環境チェックの検出間隔と、指針を駆動する間隔を合わせることにより、制御部47(マイクロコンピュータ)の起動タイミングを同じとすることができる。その結果、制御部47を起動させる頻度を少なくすることができ、消費電力を低減することが可能となる。
図6を参照して、本実施形態における閏秒情報受信動作について説明する。図6は、本実施形態における閏秒情報受信動作について説明する図である。
LS情報は、衛星信号のサブフレームSF4が25回(ページ1〜25)送信されるうち1回のみに含まれている。具体的には、LS情報は、ページ18のサブフレームSF4のみに含まれている。サブフレームSF1〜5はそれぞれ6秒かけて送信されるので、LS情報は12.5分に1回送信されることになる。なお、LS情報は、サブフレームSF4のTLMから4〜5秒経過後に含まれる。電波時計100においては、GPS衛星からLS情報を取得して、週番号WNの情報と組み合わせることで、GPS衛星の原子時計の出力する時刻とUTC(Universal Time, Coordinated)とのずれを調整することができる。すなわち、LS情報に基づいて正しく閏秒修正をするためには、ページ18のサブフレームSF1に含まれる週番号WNも取得する必要がある。図6においては、10秒間隔で環境チェックを行い、「OK」判定が2回連続でなされた後、LS情報が含まれるサブフレームSFのサブフレーム5つ分前から閏秒情報受信動作の実行を開始する例について示す。具体的には、ページ17のサブフレームSF4の先頭から閏秒情報受信動作を開始し、ページ18のサブフレームSF5の終わりまで、36秒間継続して閏秒情報受信動作を実行する例について示す。なお、週番号WNを電波時計100の内部に保持することも可能であり、その場合は、少なくともページ18のサブフレームSF4を受信すればよい。その場合、サブフレームSF4のTLM直前から受信動作を開始すればよく、閏秒情報受信動作の実行時間を短縮することができ消費電力を抑制することが可能となる。なお、上述したように、週内時刻TOWは全てのサブフレームSFに含まれているため、閏秒情報受信動作が実行された場合においては、週内時刻TOWも合わせて取得することができる。
ここで、上述したように、LS情報は12.5分に1回しか送信されないため、閏秒情報受信動作の実行を開始するのに適したタイミングは限定的であり、その適したタイミング以外のタイミングで閏秒情報受信動作の実行を開始すると、受信動作の実行時間が長くなり、消費電力が増大してしまう。例えば、ページ10のサブフレームSF1のタイミングで閏秒情報受信動作の実行を開始すると、LS情報を受信するためには、ページ10からページ18のサブフレームSF4まで受信動作を継続する必要があり、受信動作の実行時間に約270秒(30秒×9フレーム分)を要することとなってしまう。また、例えば、ページ10のサブフレームSF1のタイミングで受信動作の環境条件を満たすと判定された場合において、直後には受信動作を開始せず、ページ17まで待機した後実行を開始することも可能であるが、その場合、受信動作を実行する際に環境条件を満たしていないおそれがある。受信動作を実行する際に環境条件を満たしていないと、受信動作を実行したとしても、衛星信号の受信に失敗する可能性が高い。受信動作を実行したにも関わらず、受信に失敗すると不要に電力消費をすることとなってしまう。
そこで、本実施形態においては、受信動作の環境条件を満たすとの判定された際の内部時刻に対応する衛星信号のページ(信号単位)に基づいて、時刻情報受信動作又は閏秒情報受信動作のいずれかを実行するか否かを選択する構成を採用した。以下、図3、図7〜図12を参照して具体的に説明する。
図7は、受信動作の環境条件を満たすとの判定がされた際の内部時刻に対応する衛星信号のページがページ1〜15、18〜25のいずれかの場合において選択される受信動作について説明する図である。図8は、受信動作の環境条件を満たすとの判定がされた際の内部時刻に対応する衛星信号のページがページ16又は17の場合において選択される受信動作について説明する図である。図9は、図7及び図8で示す条件1の場合において選択される受信動作を示す図である。図10は、図7及び図8で示す条件2の場合において選択される受信動作を示す図である。図11は、図7及び図8で示す条件3、5、7の場合において選択される受信動作を示す図である。図12は、図7及び図8で示す条件4、6、8の場合において選択される受信動作を示す図である。
図3に示すように、制御部47は、環境判定部47aと、取得部47bと、信号判定部47cと、選択部47dとを含む。
環境判定部47aは、発電量検出部30が検出した検出値に基づいて、衛星信号の受信動作の環境条件を満たすか否かを判定する。本実施形態においては、図5及び図6を参照して上述したように、発電量検出部30が所定の閾値以上の検出値を2回連続して検出した場合(2回連続で「OK」判定がなされた場合)、環境判定部47aが衛星信号の受信動作の環境条件を満たすと判定する。なお、図5及び図6で示す環境条件については一例であり、これに限られるものではなく、例えば、「OK」判定が1回なされた場合に環境条件を満たすとしてもよいし、5回検出したうちの3回以上「OK」判定がなされた場合に環境条件を満たすとしてもよい。
取得部47bは、環境判定部47aにより衛星信号の受信動作の環境条件を満たすとの判定がなされた際の、電波時計100が保持する内部時刻を取得する。本実施形態において、衛星信号の受信動作の環境条件を満たすとの判定がなされた際とは、環境判定部47aが2回連続で「OK」判定であると判定した場合の2回目に「OK」判定がなされたタイミングである。
信号判定部47cは、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号のページを判定する。例えば、図5に示す例においては、ページ2が、衛星信号の受信動作の環境条件を満たすとの判定がなされた際の内部時刻に対応するページに該当し、図6に示す例においては、ページ17が、衛星信号の受信動作の環境条件を満たすとの判定がなされた際の内部時刻に対応するページに該当する。
選択部47dは、信号判定部47cが判定したページに基づいて、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作、LS情報を受信するための閏秒情報受信動作のいずれを受信回路31に実行させるか、又は実行させないかを選択する。
上述のように、LS情報は、ページ18のサブフレームSF4に含まれる。そのため、本実施形態においては、受信動作の実行時間の長期化を抑制するために、閏秒情報受信動作は、受信動作の環境条件を満たすと判定された際の内部時刻に対応するページが、ページ18のサブフレームSF4の直前であるページ16又はページ17である場合のみにおいて選択されることとした。その上で、後述の各判定要素に基づいて、いずれの受信動作を実行するか、又は実行しないかを選択する構成とした。
本実施形態においては、図7、図8に示すように、LS受信可能期間(閏秒更新予定日前の1ヶ月間)内か否か、LS情報を受信済みか否か、閏秒情報受信動作を前回実行してからの経過日数(図中のLS:経過日数)、及び時刻情報受信動作を前回実行してからの経過日数(図中のTOW:経過日数)を、いずれの受信動作を実行するか又は実行しないかを選択するための判定要素として用いる。
LS情報は、閏秒更新予定日前の1ヶ月のみGPS衛星から送信される衛星信号に含まれる。閏秒更新予定日は、6月末日や12月末日である。すなわち、LS情報を受信可能な時期は、6月1日〜6月末日、12月1日〜12月末日である。したがって、その他の時期(1月〜5月、7月〜11月)においては、閏秒情報受信動作を実行しても正確なLS情報を取得することができない場合がある。したがって、本実施形態においては、LS受信可能期間内か、LS受信可能期間外かに基づいて、いずれの受信動作を実行するか又は実行しないかを判定することとした。なお、LS受信可能期間は、上述したように6月中や12月中であることが一般的であるが、あくまで一例であり、この期間は不定期に変更され得るものである。
また、LS情報は1回受信されると、そのLS情報に基づいて閏秒更新予定日に内部時刻が修正される。そのため、LS情報を既に受信済みである場合は、以降受信する必要がない。したがって、本実施形態においては、LS情報を受信済みか、未受信かによって、いずれの受信動作を実行するか又は実行しないかを判定することとした。
また、閏秒情報受信動作を高頻度で実行すると、消費電力が増大してしまう。したがって、前回閏秒情報受信動作を実行してから、ある程度日にちを空けて、次回閏秒情報受信動作を実行するとよい。本実施形態においては、前回閏秒情報受信動作を実行してから3日(第1日数)以上経過したか否かによって、閏秒情報受信動作を実行するか否かを判定することとした。
また、時刻情報受信動作についても高頻度で実行すると、消費電力が増大してしまう。したがって、前回時刻情報受信動作を実行してから、ある程度日にちを空けて、次回時刻情報受信動作を実行するとよい。なお、週内時刻TOWは、LS情報と異なり、受信可能な時期が制限されていない。そのため、時刻情報受信動作の実行頻度を、閏秒情報受信動作の実行頻度よりも低く設定するとよい。それにより、過度な消費電力を抑制することができる。本実施形態においては、前回時刻情報受信動作を実行してから6日(第2日数)以上経過したか否かによって、時刻情報受信動作を実行するか否かを判定することとした。なお、これは一例であり、いずれの受信動作を実行するかの判定基準となる経過日数については適宜変更しても構わない。上述の閏秒情報受信動作についても同様である。
なお、受信動作を前回実行してからの経過日数は、電波時計100が内蔵するカウンタ(不図示)を用いて行うとよい。また、電波時計100は、時刻情報受信動作を前回実行してからの経過日数をカウントするカウンタと、閏秒情報受信動作を前回実行してからの経過日数をカウントするカウンタとをそれぞれ有するとよい。それらカウンタは、例えば、毎日午前6時にカウントを1上げ、受信動作が行われた場合カウントをゼロに設定するとよい。
また、閏秒更新予定日までの残日数が少なくなるほど、閏秒情報受信動作の実行頻度を上げるよう設定するとよい。例えば、閏秒更新予定日まで2週間以内となった場合、閏秒情報受信動作が前回実施されてか2日以上経過したか否かによって、閏秒情報受信動作を実行するか否かを判定するとよい。実行頻度を上げることにより、閏秒更新予定日までにLS情報を受信できる確度を向上することができる。なお、閏秒更新予定日までにLS情報を取得できなかった場合、将来の閏秒修正がなされた正確な時刻を電波時計100に表示させるため、ユーザが手動で電波時計100の時刻を調整する必要等が生じる。
以下、図7、図9〜図12を参照して、受信動作の環境条件を満たすとの判定がされた際の内部時刻に対応する衛星信号のページがページ1〜15、18〜25のいずれかの場合において選択される受信動作について具体的に説明する。
図7の条件1に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してから3日以上経過しており、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図9参照)。
図7の条件2に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してから3日以上経過しており、前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する(図10参照)。
図7の条件3に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してからの経過日数が3日未満であり、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図11参照)。
図7の条件4に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してからの経過日数が3日未満であり、前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する(図12参照)。
図7の条件5に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を受信済みであり、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図11参照)。
図7の条件6に示すように示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を受信済みであり、前回時刻情報受信動作を実行してから経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する(図12参照)。
図7の条件7に示すように、LS受信可能期間外であって、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図11参照)。
図7の条件8に示すように、LS受信可能期間外であって、前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する(図12参照)。
次に、図8〜図12を参照して、受信動作の環境条件を満たすとの判定がされた際の内部時刻に対応する衛星信号のページがページ16又はページ17の場合において選択される受信動作について具体的に説明する。
図8の条件1に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してから3日以上経過しており、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、LS情報を受信するための閏秒情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図9参照)。
図8の条件2に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してから3日以上経過しており、前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、LS情報を受信するための閏秒情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図10参照)。
図8の条件3に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してからの経過日数が3日未満であり、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図11参照)。
図8の条件4に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を未受信であって、前回閏秒情報受信動作を実行してからの経過日数が3日未満であり、前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する(図12参照)。
図8の条件5に示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を受信済みであり、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図11参照)。
図8の条件6に示すように示すように、LS受信可能期間内であって、LS情報を受信済みであり、前回時刻情報受信動作を実行してから経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する(図12参照)。
図8の条件7に示すように、LS受信可能期間外であって、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、選択部47dは、週内時刻TOWを受信するための時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(図11参照)。
図8の条件8に示すように、LS受信可能期間外であって、前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合、選択部47dは、受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する(図12参照)。
以上説明したように、本実施形態においては、受信動作の環境条件を満たすとの判定がなされた際の内部時刻に対応するページに基づいて、いずれの受信動作を実行するか、又は実行しないかを選択する構成を採用した。これにより、実行時間が不要に長期化しないタイミングで閏秒情報受信動作を実行することができ、その結果、消費電力が増大することを抑制することができる。
さらに、図13を参照して、本実施形態における受信環境チェックから受信動作の実行までの制御部47の動作フローについて説明する。図13は、本実施形態における制御部の動作を示すフローチャートである。
まず、環境判定部47aが、発電量検出部30が検出した検出値に基づいて(受信環境チェック:ステップS1)、電波時計100が衛星信号を受信可能な環境にあるか否かを判定する。すなわち、環境判定部47aが受信動作の環境条件を満たすか否かを判定する(ステップS2)。環境判定部47aが受信動作の環境条件を満たすと判定した場合(ステップS2のYES)、取得部47bが、環境判定部47aにより受信動作の環境条件を満たすと判定された際の内部時刻を取得する(ステップS3)。なお、環境判定部47aが受信動作の環境条件を満たさないと判定した場合(ステップS2のNO)、受信環境チェックを継続する(ステップS1)。
さらに、信号判定部47cが、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号のページを判定する(ステップS4)。信号判定部47cが判定したページがページ16又はページ17である場合において(ステップS5のYES)、LS情報受信可能期間内であり(ステップS6のYES)、LS情報を未取得であり(ステップS7のNO)、前回閏秒情報受信動作を実行してから3日以上経過している場合(ステップS8のYES)、選択部47dが閏秒情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(ステップS9)。
一方、信号判定部47cが判定したページがページ16又はページ17以外(ステップS5のNO)、LS情報受信可能期間外(ステップS6のNO)、LS情報を取得済(ステップS7のYES)、前回閏秒情報受信動作を実行してからの経過日数が3日未満(ステップS8のNO)のいずれかに該当する場合、前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が判定される(ステップS10)。そして、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合(ステップS10のYES)、選択部47dが受信回路31に時刻情報受信動作を実行させることを選択する(ステップS11)。前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合(ステップS10のNO)、選択部47dが受信回路31にいずれの受信動作も実行させないことを選択する(ステップS12)。
次に、図14を参照して本実施形態の第1変形例について説明する。図14は、本実施形態の第1変形例における制御部の動作を示すフローチャートである。上述の本実施形態においては、10秒間隔で常に受信環境チェックを行う例について説明したが、第1変形例においては、受信動作を行う必要がある場合にのみ受信環境チェックを行う構成とした。第1変形例においては、直前に既に受信動作を実行している場合等、受信動作を行う必要のない場合、受信環境チェックを行わないため、受信環境チェックに要する消費電力を抑制することが可能となる。
第1変形例においては、LS情報受信可能期間内であり(ステップS21のYES)、LS情報を未取得であり(ステップS22のNO)、前回閏秒情報受信動作を実行してから3日以上が経過している場合(ステップS23のYES)、後述のステップS29の判定で用いられる閏秒情報受信動作の実行フラグを立てた上で、受信環境チェックを行う(ステップS25)。一方、LS情報受信可能期間外(ステップS21のNO)、LS情報を取得済み(ステップS22のYES)、前回閏秒情報受信動作を実行してからの経過日数が3日未満(ステップS23のNO)のいずれかに該当する場合、前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過していか否かを判定する(ステップS24)。前回時刻情報受信動作を実行してから6日以上経過している場合、後述のステップS32の判定で用いる時刻情報受信動作の実行フラグを立てた上で、受信環境チェックを行う(ステップS25)。前回時刻情報受信動作を実行してからの経過日数が6日未満の場合(ステップS24のNO)、ステップS21に戻る。
受信環境チェックを行った後、環境判定部47aが受信動作の環境条件を満たすか否かを判定する(ステップS26)。環境判定部47aが受信動作の環境条件を満たすと判定した場合(ステップS26のYES)、取得部47bが、環境判定部47aにより受信動作の環境条件を満たすと判定された際の内部時刻を取得する(ステップS27)。なお、環境判定部47aが受信動作の環境条件を満たさないと判定した場合(ステップS26のNO)、ステップS21に戻る。
さらに、信号判定部47cが、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号のページを判定する(ステップS28)。そして、閏秒情報受信動作の実行フラグが立っているか否かを判定する(ステップS29)。閏秒情報受信動作の実行フラグが立っている場合(ステップS29のYES)、信号判定部47cが判定したページがページ16又はページ17であるか否かを判定する(ステップS30)。信号判定部47cが判定したページがページ16又はページ17である場合(ステップS30のYES)、選択部47dが閏秒情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(ステップS31)。なお、閏秒情報受信動作の実行は、ページ17のサブフレームSF4又は5まで待ってから開始するとよい(図6参照)。一方、閏秒情報受信動作の実行フラグが立っていない場合(ステップS29のNO)、又は、閏秒情報受信動作の実行フラグが立っているが、信号判定部47cが判定したページがページ16又はページ17でない場合(ステップS30のNO)、時刻情報受信動作の実行フラグが立っているか否かを判定する(ステップS32)。時刻情報受信動作の実行フラグが立っている場合(ステップS32のYES)、選択部47dが時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(ステップS32)。時刻情報受信動作の実行フラグが立っていない場合(ステップS32のNO)、選択部47dが受信回路31に受信動作を実行させないことを選択する。
さらに、図15を参照して、本実施形態に第2変形例について説明する。図15は、本実施形態の第2変形例における制御部の動作を示すフローチャートである。第2変形例においては、受信環境チェックを行う前に内部時刻を取得し、その内部時刻に対応する衛星信号のページに基づいて、受信環境チェックを行うか否かを判定する構成とした。第2変形例においては、受信環境チェックに適したタイミングでない場合、受信環境チェックを行わないため、受信環境チェックに要する消費電力を抑制することが可能となる。なお、第1変形例と同じステップについては同じ符号を付して、その説明は省略する。
制御部47は、ステップS23又はステップS24を実行した時点における内部時刻を取得する(ステップS40)。そして、取得した内部時刻に基づいて、各受信動作に応じた受信環境チェックに適したタイミングか否かを判定する(ステップS41)。受信環境に適した時間であると判定された場合(ステップS41のYES)、具体的には、ステップS23において、前回閏秒情報受信動作から3日以上経過したと判定された場合においては、ステップS40において取得した内部時刻に対応する衛星信号のページが15〜17のいずれかの場合、受信環境チェックを行う(ステップS25)。受信環境チェック前の内部時刻に対応するページが、閏秒情報受信動作の実行を開始するのに適したタイミングであるページ16〜17の直前である場合、閏秒情報受信動作に応じた受信環境チェックに適したタイミングといえるためである。また、ステップS24において、前回時刻情報受信動作から6日以上経過したと判定された場合においては、ステップS40において取得した内部時刻に対応するページがいずれのページであっても、受信環境チェックに適した時間であると判定し(ステップS41のYES)、受信環境チェックを行う(ステップS25)。受信環境チェックを行った後、さらに、第1変形例と同様に、取得部47bが、環境判定部47aにより受信動作の環境条件を満たすと判定された際の内部時刻を取得し(ステップS27)、信号判定部47cが、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号のページを判定する(ステップS28)。そして、閏秒情報受信動作の実行フラグが立っている場合であって(ステップS29のYES)、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号のページが16又は17である場合(ステップS30のYES)、選択部47dが閏秒情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(ステップS32)。なお、閏秒情報受信動作の実行は、ページ17のサブフレームSF4又は5まで待ってから開始するとよい(図6参照)。一方、閏秒情報受信動作の実行フラグが立っていない場合(ステップS29のNO)、又は閏秒情報受信動作の実行フラグが立っているが、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号のページが16又は17でない場合、選択部47dが時刻情報受信動作を受信回路31に実行させることを選択する(ステップS33)。
なお、ステップS27における内部時刻の取得は、受信動作の環境条件を満たすとの判定がされた際の内部時刻を直接取得することにより行ってもよいし、ステップS40において取得した内部時刻にステップS25〜ステップS26に要する時間を加味することにより算出して行ってもよい。
なお、図13〜図15で示した各ステップの進捗をユーザが確認できる構成としてもよい。具体的には、例えば、受信環境チェックを停止している状態を示す停止表示や、受信環境チェックが開始されたことを示す開始表示や、受信環境チェックに成功し、受信回路31が起動したことを示す受信中表示などを文字板2に設け、それらを指針により指し示すことによりユーザが確認できる構成とするとよい。これにより、受信環境に適した環境に電波時計100を移動させること等をユーザに促すことが可能となる。また、同様に、LS情報を受信済みであることの表示、未受信であることの表示を文字板2に設け、それらを指針により指し示すことによりユーザがLS情報を受信済みか否かを確認できる構成とするとよい。また、LS情報を未受信であって、閏秒更新予定日までの残日数が少ないことを示す警告表示を文字板2に設け、LS情報を受信可能な環境に電波時計100を移動させることをユーザに促す構成とするとよい。さらに、残日数が20日、10日、5日のように少なくなるに従い、ユーザが警告表示に気づきやすいように警告レベルを切り替える構成とするとよい。例えば、残日数が少なくなるに従い、運針の動きを大きくしたり、運針の回転速度を早くしたり、警告表示に用いる指針を目立つものに切り替えたりするとよい。また、LS情報を未受信の場合、竜頭6やボタン7等の入力手段によるユーザからの要求により強制的に受信動作を開始する構成としても良い。
なお、本実施形態及び各変形例においては、信号単位をページとし、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号のページ毎に、いずれの受信動作を実行するかを判定する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、信号単位をサブフレームSFとし、取得部47bが取得した内部時刻に対応するサブフレームSF毎に、いずれの受信動作を実行するかを判定してもよい。具体的には、取得部47bが取得した内部時刻に対応する衛星信号がページ16のサブフレームSF3〜ページ17のサブフレームSF3の場合のみ閏秒情報受信動作を実行し、それ以外のサブフレームSFの場合は時刻情報受信動作を実行する又はいずれの受信動作も実行しないとしてもよい。
なお、上記実施形態及び各変形例においては、太陽電池11を用いて光検出を行う例について説明したがこれに限られるものではなく、例えば、紫外線センサを用いて、太陽光の有無を判定することにより受信環境を判定する構成としてもよい。又は、カメラ等のイメージセンサを用いて、画像解析を行うことにより、受光量を検出し、受信環境を判定する構成としてもよい。
また、上記実施形態及び各変形例においては、受信動作の環境条件を満たすか否かの判定を、発電量検出部30が検出した発電量(受光量)に基づいて行う例について説明したがこれに限られるものではなく、電波時計100が屋外にあるか屋内にあるか等を判定可能な情報であれば、他の情報に基づいて行ってもよい。例えば、加速度センサを検出手段として用い、電波時計100のユーザがランニングをしている等と判定される情報を加速度センサが出力した場合、電波時計100は屋外にあり、電波時計100は衛星信号を受信するのに適した環境にあると判定できる。すなわち、受信動作の環境条件を満たすと判定できる。また、例えば、音センサを検出手段として用い、その音センサが電波時計100周辺の環境音を取得し、電波時計100が屋外にあると判定される情報が検出された場合、電波時計100は衛星信号を受信するのに適した環境にあると判定できる。
なお、受信環境チェックは、10秒間隔で常に行われていてもよいし、時間帯によって行われる時間と行われない時間が分けられていてもよい。例えば、深夜の時間帯においては、受信環境チェックを行わないよう設定しておくとよい。また、受信環境チェックは、竜頭6やボタン7等の入力手段によるユーザからの要求がなされた時に行われてもよい。
なお、電波時計100は、発振器の発振周波数に基づいて時刻を計時し、電波時計100の使用環境温度を測定する温度測定器をさらに備えてもよい。発振器は温度特性を有し、異常温度(例えば、−10℃以下又は60℃以上)の環境下においては、歩度ずれを生じるおそれがある。そのため、異常温度の環境下においては、内部時刻の精度が低下し、受信動作を行っても目的とする衛星信号を受信できない場合がある。また、異常温度の環境下においては、受信動作自体が正常に実行されない可能性がある。したがって、温度測定器が異常温度を検出した場合においては、受信環境チェックが実行されないこととするとよい。それにより、受信環境チェックに要する電力消費を抑制することができる。なお、異常温度の環境下でなくなった場合、例えば、温度測定器が5℃〜40℃を検出した場合、受信環境チェックの実行を可能とするとよい。
なお、電波時計100が受信する信号はGPS衛星から送信されるものに限られず、例えば、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System、準天頂衛星システム:みちびき)やGLONASS(Global Navigation Satellite System)が送信する信号であってもよく、これら複数の衛星に対応した受信を可能な構成としてもよい。また、これら衛星のうち軌道上に配置される数が多い衛星を選択し、選択した衛星から送信されるLS情報を含む信号を受信する構成とすることで、LS情報の受信の成功率の向上が期待できる。なお、LS情報の更新タイミングはGPS衛星からの衛星信号が最も早いことより、複数の衛星に対応した構成とする場合においては、GPS衛星を優先的に選択することが好ましい。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、この実施形態に示した具体的な構成は一例として示したものであり、本発明の技術的範囲をこれに限定することは意図されていない。当業者は、これら開示された実施形態を適宜変形してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。