<第1の実施の形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2及び図3はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
図1に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を形成する外枠11と、この外枠11に取り付けられた遊技機主部12とを有している。
外枠11は板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより、遊技場の島設備に設置される。なお、パチンコ機10において外枠11は必須の構成ではなく、遊技場等の島設備に外枠11が備え付けられた構成としてもよい。
この外枠11によって遊技機主部12が開閉可能な状態で支持されている。具体的には、図1に示すように、外枠11における上枠部と左枠部との連結部分に上側支持金具17が固定されており、さらに外枠11における下枠部と左枠部との連結部分に下側支持金具18が固定されている。これら上側支持金具17及び下側支持金具18により支持機構が構成され、当該支持機構により外枠11に対して遊技機主部12がパチンコ機10の正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側としてパチンコ機10の前方へ回動可能とされている。
図2に示すように、遊技機主部12は、ベース体としての内枠13と、その内枠13の前方に配置される前扉枠14と、内枠13の後方に配置される裏パックユニット15(図3参照)とを備えている。なお、遊技機主部12のうち内枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。
内枠13における回動基端側の端部には、前扉枠14が回動可能に取り付けられており、同前扉枠14は正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として前方へ回動可能とされている。また、内枠13における回動基端側の端部には、図3に示すように、裏パックユニット15が回動可能に取り付けられており、同裏パックユニット15が正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として後方へ回動可能とされている。
次に、前扉枠14について説明する。図2に示すように、前扉枠14は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす合成樹脂製の枠体20と、枠体20の前面に取り付けられ各種装飾等が施されたカバー体21とを主体に構成されており、内枠13における前面側のほぼ全域を覆っている。前扉枠14の中央部分には後述する遊技領域PEのほぼ全域を遊技機前方から視認することができるようにした略楕円状の窓部22(図1参照)が形成されており、その窓部22はガラスユニット30によって同前扉枠14の背面側から覆われている。
図2に示すように、枠体20には窓部22を囲むようにしてガラスユニット設置部23が形成されている。詳しくは、ガラスユニット設置部23は、枠体20の背面側に配されているとともにパチンコ機10の前方に向けて凹んでおり、その底部に上記窓部22が配設されている。ガラスユニット30は、ガラスユニット設置部23に嵌まることで上下方向及び左右方向への変位が規制されている。
ガラスユニット30は、透明性を有する前後一対のガラスパネル31と、それらガラスパネル31を保持するガラスホルダ32とを備えている。ガラスホルダ32は、窓部22に沿って形成された環状の枠部を有しており、同枠部によって囲まれた領域にガラスパネル31が収容されている。
再び図1を参照して説明すれば、窓部22の周囲には各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部22の周縁に沿ってLED等の発光手段を内蔵した環状電飾部24が設けられている。環状電飾部24では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。より詳しくは、環状電飾部24の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯する機能が付与されたトップランプ部25が設けられ、窓部22の左右両側には賞球払出中に点灯する機能が付与されたサイドランプ部26が設けられている。また、トップランプ部25の左右両側には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部27が設けられている。
前扉枠14における窓部22の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部28と下側膨出部29とが上下に並設されている。上側膨出部28には上方に開口した上皿33が設けられており、下側膨出部29には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射機構側へ導く機能を有している。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有している。
上側膨出部28において上皿33の右側となる部位には、遊技者等により手動操作される返却レバー42が設けられている。返却レバー42が操作されることにより、上皿33に貯留されている遊技球が下皿34へと返却されることとなる。例えば、遊技を終了する際に上皿33に遊技球が残存している場合には、この返却レバー42を操作することにより、残存球(特にアクセスの難しい部分(後述する整列通路)に残っている遊技球)を回収することができる。
上側膨出部28において上皿33(遊技球の貯留領域)よりも前側となる部位には、遊技者等により手動操作される操作ボタンユニット40及びコントローラユニット41が配設されている。操作ボタンユニット40は図柄表示装置94等と連動して所定の遊技演出等を実行する機能が付与されており、コントローラユニット41については遊技者の操作に基づいて遊技モードの選択を行う機能や光量、音量等の各種パラメータを調整を行う機能が付与されている。操作ボタンユニット40の具体的な構成については後に詳しく説明する。
下側膨出部29と横並びとなる位置には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル45が設けられている。遊技球発射ハンドル45が操作されることにより、後述する遊技球発射機構から遊技球が発射される。
下側膨出部29において下皿34と遊技球発射ハンドル45との間にはスピーカ部46(詳しくはウーハー)が設けられており、カバー体21にはスピーカ部46を囲むようにして当該スピーカ部46用の収容部47が形成されている。上述の如く中/高音域に対応したスピーカ部27を遊技機上部に配置したのは、当該スピーカ部27の音を遊技者の耳に届けやすくするための工夫であり、低音域に対応したスピーカ部46を遊技機下部に配置したのは遊技者の体に近い位置にて重低音を出力することにより、その振動を遊技者の身体(体幹)に伝えやすくする工夫である。
前扉枠14の背面には、図2に示すように、通路形成ユニット50が取り付けられている。通路形成ユニット50は、合成樹脂により成形されており、上皿33に通じる前扉側上皿通路と、下皿34に通じる前扉側下皿通路とを有している。通路形成ユニット50の上側隅部には後方に突出し上方に開放された受口部53が形成されており、当該受口部53を仕切壁54によって左右に仕切ることで前扉側上皿通路の入口部分と前扉側下皿通路の入口部分とが形成されている。前扉側上皿通路及び前扉側下皿通路は上流側が後述する遊技球分配部に通じており、前扉側上皿通路に入った遊技球は上皿33に導かれ、前扉側下皿通路に入った遊技球は下皿34に導かれる。
次に、図4に基づき内枠13について詳細に説明する。図4は内枠13の正面図である。なお、図4においては、図2と同様にパチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
内枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース60を主体に構成されている。樹脂ベース60の前面における回動基端側(図4の左側)には、その上端部及び下端部に内枠金具71,72が取り付けられている。また、前扉枠14の背面における回動基端側(図1の左側)には、それら内枠金具71,72に対応させて軸受け金具57,58が設けられている。内枠金具71,72には軸部が形成されており、それら軸部が前扉枠14の軸受け金具57,58の軸受け孔に挿入されることで内枠13に対して前扉枠14が回動可能に支持されている。つまり、これら内枠金具71,72及び軸受け金具57,58は内枠13に対する組付機構を構成している。
内枠13の前面には施錠装置75が設けられている。施錠装置75は、前扉枠14に向けて延びる複数の前扉用鉤部材76を有している。これら前扉用鉤部材76に対応させて、前扉枠14の背面には内枠13側に延びる鉤受け部材59が複数設けられている(図2参照)。前扉用鉤部材76が鉤受け部材59に引っ掛かることにより前扉枠14が閉じた状態で施錠される。また、図3に示すように、施錠装置75は、内枠13の後方へ延びる内枠用鉤部材77を有している。これら内枠用鉤部材77が外枠11の鉤受け部材19に引っ掛かることにより遊技機主部12が外枠11に対して閉じた状態で施錠される。
樹脂ベース60の右下隅部には、施錠装置75の解錠操作を行うためのシリンダ錠78が設置されている。シリンダ錠78は施錠装置75に一体化されており、その先端部分(鍵穴部分)が上記前扉枠14に設けられた孔部を通じてパチンコ機10の前方に露出している。シリンダ錠78の鍵穴に差し込んだキーを右に回すことで内枠13に対する前扉枠14の施錠が解除され、同キーを左に回すことで外枠11に対する内枠13の施錠が解除される。
樹脂ベース60の前面における略中央部分には、遊技盤ユニット80を収容する遊技盤収容部61が形成されている。遊技盤収容部61は、パチンコ機10の後方に凹み、遊技盤ユニット80を収容する収容空間を区画形成しており、樹脂ベース60に取り付けられた遊技盤ユニット80がその収容空間に嵌まった状態となっている。
遊技盤ユニット80は透明な合成樹脂材料からなる遊技領域形成体80aを有してなり、当該遊技領域形成体80aの前面が遊技盤収容部61の開放部分を通じて樹脂ベース60の正面側に露出している。この露出している部位、すなわち遊技領域形成体80aの前面には、遊技球が流下する遊技領域PEが形成されている。既に説明したように遊技領域PEはガラスパネル31によって覆われている。後側のガラスパネル31は、遊技盤ユニット80の前面との隙間が遊技球の直径よりも僅かに大きくなるように、すなわち遊技領域PEを流下する遊技球が同遊技領域PEの同一箇所にて前後に並ばないように配置されている。これにより、遊技領域PEでの球詰まりを抑制している。なお、遊技盤ユニット80は合成樹脂製に限定されるものではなく、木製とすることも可能である。
以下、図5に基づき遊技盤ユニット80(特に遊技領域PEに配された各種構成)について説明する。図5は遊技盤ユニット80の正面図である。
遊技盤ユニット80には、自身の厚さ方向(前後方向)に貫通する大小複数の開口が形成されている。各開口には、一般入賞口81、可変入賞装置82、作動口83a,83b、スルーゲート84及び可変表示ユニット85等がそれぞれ設けられている。一般入賞口81、可変入賞装置82及び作動口83a,83bに遊技球が入ると、それら遊技球が後述する検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤ユニット80の最下部にはアウト口86が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口86を通って遊技領域PEから排出される。
また、遊技盤ユニット80には、遊技球の流下経路を適宜分散,調整等するために多数の釘87が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。これら釘87や風車等の各種構成によって、遊技球の流下経路が分化され、上述した一般入賞口81等への入賞が適度な確率で発生するように調整されている。
可変入賞装置82は、通常は遊技球が入賞できない閉状態になっており、大当たりを契機として開閉実行モード(特別遊技状態)へ移行することにより、遊技球が入賞しやすい開状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置82の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、同可変入賞装置82の開放が複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返されるように設定されている。
可変表示ユニット85は遊技盤ユニット80の中央上寄りに配置されており、その下方に作動口83a,83bが配置されている。より詳しくは、作動口83a,83bは、作動口83aを上側、作動口83bを下側として上下に並設されている。下作動口83bには、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物89が設けられている。電動役物89は、下作動口83bへの入球が不可となる閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)と、当該閉鎖状態よりも遊技球の入球が容易となる開放状態(サポート状態又はガイド状態)とに切り替え可能となっており、上記スルーゲート84への入賞に基づく抽選に当選した場合に主制御装置によって開放状態となるように制御される。電動役物89の開閉態様としては、上作動口83a(以下、上作動口83aという)よりも下作動口83b(以下、下作動口83bという)への入賞頻度が低くなるように設定された低頻度サポートモードと、上作動口83aよりも下作動口83bへの入賞頻度が高くなるように設定された高頻度サポートモードとが設定されており、各作動口83a,83bへの入球に基づく抽選によって所定の当たり結果となった場合に低頻度サポートモードから高頻度サポートモードへ移行される構成となっている。
なお、可変入賞装置82及び電動役物89については、第1状態とそれよりも入球が困難な第2状態とに切替可能であれば足り、上述した閉状態及び閉鎖状態における入球の発生を否定するものではない。
可変表示ユニット85及び作動口83a,83bは、遊技性を司る部位であり遊技者の注意が集まりやすい。それら可変表示ユニット85及び作動口83a,83bを遊技機中央において上下に並べて配置することで両者間での視線の移動量を抑え、遊技者の目に生じる負担の低減に貢献している。
可変表示ユニット85は、作動口83a,83bへの入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示装置94を備えている。図柄表示装置94は、液晶ディスプレイ(表示画面94a)を備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置によりその表示内容が制御されている。具体的には、表示画面94aにおいては、左,中,右に並べて図柄が表示され、これらの図柄が上下方向にスクロールされるようにして変動表示される。そして、大当たり発生時には、予め設定されている有効ライン上に所定の組合せの図柄が停止表示され、上記開閉実行モードへ移行する。なお、表示画面94aにおける表示態様を以下のように変更してもよい。すなわち、上段,中段,下段に並べて図柄を表示し、それら図柄を左右方向にスクロールさせるようにして変動表示させてもよい。
また、可変表示ユニット85は、図柄表示装置94を囲むようにして形成されたセンターフレーム95を備えている。センターフレーム95は、遊技領域形成体80aに対してその前面側から固定されており、このように固定された状態では遊技領域形成体80aの前面から起立した状態となることで当該センターフレーム95と上記ガラスユニット30との間の隙間寸法が遊技球の直径寸法よりも小さくなるように構成されている。これにより、遊技領域PEを流下する遊技球が図柄表示装置94に衝突することが回避され、且つ遊技領域PEを流下する遊技球の流下経路が可変表示ユニット85(詳しくはセンターフレーム95)を右側から迂回するルートと、左側から迂回するルートに大別されている。
センターフレーム95の下部を構成している枠部の上面には、遊技球が左右に転動可能なステージ部が形成されている。センターフレーム95の左右の左枠部に形成された流入口から流入した遊技球は、同じくセンターフレーム95に形成されたワープ通路を通じてステージ部上に排出される。ステージ部については、当該ステージ部に到達した遊技球が比較的上作動口83aへと流入しやすくなるように構成されており、このステージ部上での遊技球の動きに対する遊技者の注目度向上に貢献している。
再び図4を用いて説明すれば、樹脂ベース60における遊技盤収容部61(遊技盤ユニット80)の下方には、遊技球発射ハンドル45の操作に基づいて遊技領域PEへ遊技球を発射する遊技球発射機構110が設けられている。遊技球発射機構110は、所定の発射待機位置に配置された遊技球を打ち出すソレノイド111と、同ソレノイド111によって打ち出された遊技球の発射方向を規定する発射レール112と、上記発射待機位置に遊技球を供給する球送装置113と、それら各種構成111〜113が装着されているベースプレート114とを主要な構成として備えており、同ベースプレート114が樹脂ベース60に取り付けられている。
発射レール112は、遊技盤ユニット80側に向けて上り傾斜となるように、斜めに傾いた状態でベースプレート114に固定されている。発射レール112の下流側の端部(すなわち下端部)寄りとなる位置には、球送装置113から供給された遊技球を上述した発射待機位置に留める球ストッパが配されている。球ストッパよりも更に下流側となる位置に、上記ソレノイド111が配置されている。
ソレノイド111は、後述する電源・発射制御装置に対して電気的に接続されている。その電源・発射制御装置からの電気的な信号の出力に基づいてソレノイド111の出力軸が伸縮方向に往復動することにより、発射待機位置に置かれた遊技球が遊技盤ユニット80側、詳しくは遊技盤ユニット80に装着された誘導レール100に向けて打ち出される。
誘導レール100は、遊技盤ユニット80に固定された遊技領域区画部材90と共に遊技領域PEを同遊技領域PEの外形が略円形状となるように区画形成している。また、誘導レール100は、遊技球の直径よりも若干大きな隙間を隔てて対峙するように配置された内レール101及び外レール102からなり、それら両レール101,102によって一条の誘導通路103が区画形成されている。誘導通路103は、発射レール112の先端側(斜め下方)に開放された入口部分104と、遊技領域PEの上部に位置する出口部分105とを有している。ソレノイド111の動作に基づいて発射された遊技球は、発射レール112→誘導レール100(入口部分104→出口部分105)の順に移動することにより遊技領域PEに導かれる。なお、遊技盤ユニット80において出口部分105の先側、詳しくは内レール101の先端付近には、遊技領域PEに到達した遊技球の同誘導通路103内への逆戻りを防止する逆戻り防止部材106が取り付けられており、先んじて遊技領域PEに至った遊技球によって後続する遊技球の打ち出しが妨げられることを抑制している。
誘導レール100及び発射レール112は、同誘導レール100の入口部分104と発射レール112の先端部分とが隙間を隔てて斜めに対峙するように配置されている。このようにして形成された隙間よりも下側にはファール球通路55(図3参照)が配設されている。ファール球通路55は前扉枠14の通路形成ユニット50に一体成形されている。仮に遊技球発射機構110から発射された遊技球が遊技領域PEまで至らずファール球として誘導通路103内を逆戻りする場合には、それらファール球が上記隙間を介してファール球通路55内に入ることとなる。ファール球通路55は前扉側下皿通路に通じており、ファール球通路55に入った遊技球は図1等に示した下皿34に排出される。これにより、ファール球と次に発射される遊技球との干渉が抑制される。
遊技領域区画部材90においてガラスパネル31と対向している部分には、所定の絵柄等が表示される主表示ユニット91が設けられている。主表示ユニット91には、上作動口83aへの入賞に基づいた抽選結果を表示する上作動口用表示部と、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた抽選結果を表示する下作動口用表示部とを有する主表示部Dが設けられている。
上作動口用表示部では、上作動口83aへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口83aへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。上作動口83aへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、上作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
下作動口用表示部では、下作動口83bへの入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、下作動口83bへの入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が明示される。下作動口83bへの入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、下作動口用表示部にて変動表示が停止され、停止結果として所定の絵柄が表示された後に、上記開閉実行モードへ移行される。
ここで、いずれかの作動口83a,83bへの入賞に基づいて、対応する作動口用表示部にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示し上記変動表示が停止されるまで(詳しくは確定表示が終了するまで)が遊技回の1回に相当する。但し、遊技回の1回は、上記の内容に限定されることはなく、例えば、単一の表示領域が設けられ、いずれの作動口83a,83bへの入賞が発生したとしてもその単一の表示領域にて変動表示が行われる構成においては、当該単一の表示領域にて変動表示が開始され、所定の停止結果を表示した状態で上記変動表示が停止されるまでを遊技回の1回とすることも可能である。
また、主表示ユニット91の主表示部Dには両作動口用表示部以外に、スルーゲート84への入賞に基づいた抽選結果を表示するスルーゲート用表示部が併設されている。スルーゲート用表示部では、スルーゲート84への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート84への入賞に基づいて行われた内部抽選(サポート抽選)の結果が明示される。スルーゲート84への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、スルーゲート用表示部にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口83bに設けられた上記電動役物89が所定の態様で開放される。
更に、本実施の形態においては遊技球がスルーゲート84を通過した回数は最大4回まで保留される構成が採用されているが、主表示ユニット91の主表示部Dにはその保留個数を表示する保留数用表示部が設けられている。
これら各表示部(主表示部D)については、前扉枠14のガラスユニット30を通じてパチンコ機10前方から視認可能となっているとともに、これら各種表示部の前方を遊技球が移動することが回避されることで視認性が担保されている。
樹脂ベース60には、遊技盤収容部61からの遊技盤ユニット80の取り外しを不可とするロック状態と、同遊技盤ユニット80の取り外しを許容するアンロック状態とに切替可能なロック装置が複数設けられている。ロック装置はロック状態にて遊技盤ユニット80の前面に当接する当接部を有しており、同当接部が遊技盤ユニット80の前面に当接することによって遊技盤ユニット80の前扉枠14側への変位が抑えられることとなる。
樹脂ベース60において発射レール112の左方(詳しくは前扉枠14を支持している側)には樹脂ベース60を前後方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔を覆うようにして通路形成部材121が配設されている。通路形成部材121は、樹脂ベース60に対してネジ止めされており、本体側上皿通路122と本体側下皿通路123とを有している。それら本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123の上流側は、後述する遊技球分配部に通じている。また、通路形成部材121の下方には前扉枠14に取り付けられた通路形成ユニット50の受口部53(図2参照)が入り込んでおり、本体側上皿通路122の下方には前扉側上皿通路が配置され、本体側下皿通路123の下方には前扉側上皿通路が配置されている。
樹脂ベース60において通路形成部材121の下方には、本体側上皿通路122及び本体側下皿通路123からの遊技球の流出を規制するシャッタ124が設けられている。シャッタ124は、両通路の出口部分を狭め遊技球の流出を阻止する阻止位置と、遊技球の流出を許容する許容位置との両位置に切り替え可能な状態で樹脂ベース60によって支持されている。また、樹脂ベース60にはシャッタ124を阻止位置に向けて付勢する付勢部材が取り付けられており、前扉枠14を内枠13に対して開いた状態では付勢部材の付勢力によってシャッタ124が阻止位置に留まる構成となっている。これにより、本体側上皿通路122又は本体側下皿通路123に遊技球が貯留されている状態で前扉枠14を開放した場合に、その貯留球がこぼれ落ちてしまうといった不都合が回避されている。これに対し、前扉枠14を閉じた状態では、前扉枠14の通路形成ユニット50に設けられた受口部53により上記付勢力に抗してシャッタ124が許容位置に押し戻される。この状態では、本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路と、本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路とがそれぞれ連通し、遊技球の移動が許容されることとなる。
次に、図6を参照して内枠13(樹脂ベース60及び遊技盤ユニット80)の背面構成について説明する。図6は内枠13の背面図である。
樹脂ベース60の背面における回動基端側(図6の右側)には、軸受け金具132が取り付けられている。軸受け金具132には、上下に離間させて軸受け部133が形成されており、これら軸受け部133により内枠13に対して裏パックユニット15が回動可能に取り付けられている。また、樹脂ベース60の背面には、裏パックユニット15を内枠13に固定するための固定レバー134が複数設けられている。
既に説明したように樹脂ベース60における遊技盤収容部61の底部分には樹脂ベース60の厚さ方向に貫通し同樹脂ベース60の背面側に開放された中央開口64が形成されており、その中央開口64が遊技盤収容部61に収容された遊技盤ユニット80によって内枠13の正面側から覆われている。遊技盤ユニット80の背面には制御装置等の各種構成が搭載されており、それら各種構成は中央開口64を通じて内枠13の背側に露出した状態となっている。ここで、図7に基づき遊技盤ユニット80の背面の構成について詳細に説明する。図7は遊技盤ユニット80を後方から見た斜視図である。
遊技盤ユニット80の背面には、可変表示ユニット85(図5参照)を遊技盤ユニット80に対して搭載する合成樹脂製の台座部材141が固定されている。台座部材141は、遊技盤ユニット80側に開放された略箱状をなしており遊技盤ユニット80の背面のほぼ全域を覆っている。台座部材141の一部は樹脂ベース60の中央開口64を通じて同樹脂ベース60の背面側に突出しており、その突出した部分に対して上述した図柄表示装置94(図5参照)と、その図柄表示装置94を駆動するための表示制御装置とが取り付けられている。これら図柄表示装置94及び表示制御装置は前後方向(樹脂ベース60の厚さ方向)に図柄表示装置94が前側且つ表示制御装置が後側となるように重ねて配置されている。さらに、遊技盤ユニット80には、表示制御装置の後方に位置するようにして報知・演出制御装置ユニットが搭載されている。報知・演出制御装置ユニットは、報知・演出制御装置142と、取付台144とを具備する構成となっており、取付台144上に報知・演出制御装置142が装着されている。
報知・演出制御装置142は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る報知・演出制御基板を具備しており、報知・演出制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス145に収容されて構成されている。
報知・演出制御装置ユニットの下方には、台座部材141を後方から覆うようにして主制御装置ユニット160が設けられている。主制御装置ユニット160は、遊技盤ユニット80の背面に固定された合成樹脂製の取付台161と、その取付台161に搭載された主制御装置162とを有している。主制御装置162は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックス163に収容されて構成されている。
基板ボックス163は、略直方体形状のボックスベース(表ケース体)とこのボックスベースの開口部を覆うボックスカバー(裏ケース体)とを備えている。これらボックスベースとボックスカバーとは封印手段としてのボックス封印部164によって開封不能に連結され、これにより基板ボックス163が封印されている。ボックス封印部164は、基板ボックス163の短辺部に複数設けられ、そのうち少なくとも1つが用いられて封印処理が行われる。
ボックス封印部164はボックスベースとボックスカバーとを開封不能に結合する構成であれば任意の構成が適用できるが、ボックス封印部164を構成する係止孔部に係止ピンを挿入することでボックスベースとボックスカバーとが開封不能に結合されるようになっている。ボックス封印部164による封印処理は、その封印後の不正な開封を防止し、また万一不正開封が行われてもそのような事態を早期に且つ容易に発見可能とするものであって、一旦開封した後でも再度封印処理を行うこと自体は可能である。すなわち、複数のボックス封印部164のうち、少なくとも1つの係止孔部に係止ピンを挿入することにより封印処理が行われる。そして、収容した主制御基板の不具合発生の際や主制御基板の検査の際など基板ボックス163を開封する場合には、係止ピンが挿入されたボックス封印部と基板ボックス163本体との連結部分を切断する。これにより、基板ボックス163のボックスベースとボックスカバーとが分離され、内部の主制御基板を取り出すことができる。その後、再度封印処理する場合は他の係止孔部に係止ピンを挿入する。基板ボックス163の開封を行った旨の履歴を当該基板ボックス163に残しておけば、基板ボックス163を見ることで不正な開封が行われた旨が容易に発見できる。
基板ボックス163と取付台161とは台座封印部165によって開封不能に連結されている。詳しくは、台座封印部165は、ボックス封印部164と同様に係止孔部及び係止ピンを有しており、係止孔部に対して係止ピンが挿入されることで基板ボックス163と取付台161とが分離不能に結合されるようになっている。これにより、基板ボックス163の不正な取り外しが行われた場合に、その事実を把握しやすくなっている。
台座部材141において遊技盤ユニット80の背面と対向している部分には、前記一般入賞口81,可変入賞装置82,上作動口83a,下作動口83bの遊技盤開口部に対応し且つ下流側で1カ所に集合する回収通路が形成されている。これにより、一般入賞口81等に入賞した遊技球は何れも回収通路を介して遊技盤ユニット80の下方に集合する構成となっている。つまり、台座部材141には各種入賞口に入賞した遊技球を回収する機能が付与されている。
遊技盤ユニット80の下方には後述する排出通路が配されており、回収通路によって遊技盤ユニット80の下方に集合した遊技球は排出通路内に導出される。なお、アウト口86についても同様に排出通路に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球はアウト口86を介して排出通路内に導出される。
また、上記回収通路には、遊技盤ユニット80表側の一般入賞口81に入賞した遊技球を検知する入賞口スイッチと、可変入賞装置82に入賞した遊技球を検知するカウントスイッチと、作動口83a,83bに入った遊技球を検知する作動口スイッチとが装着されており、それら各種スイッチによって入賞検知機構が構成されている。更に、台座部材141において可変表示ユニット85の左右両側には、スルーゲート84を通過する遊技球を検知するゲートスイッチが設けられている。これら各種スイッチは主制御装置162に対して電気的に接続されており、各スイッチによる検知情報が同主制御装置162に出力される構成となっている。
次に、図3及び図8に基づき裏パックユニット15について説明する。図8は裏パックユニット15の正面図である。
図3に示したように、内枠13は裏パックユニット15によって後方から覆われている。裏パックユニット15は、図8に示すように、裏パック201を備えており、当該裏パック201に対して、払出機構部202、排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。
裏パック201は透明性を有する合成樹脂により成形されており、払出機構部202などが取り付けられるベース部211と、パチンコ機10後方に突出し略直方体形状をなす保護カバー部212とを有する。保護カバー部212は左右側面及び上面が閉鎖され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくとも可変表示ユニット85を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部211には、その右上部に外部端子板(図示略)が設けられている。外部端子板には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。また、ベース部211にはパチンコ機10後方からみて右端部に上下一対の掛止ピン214が設けられており、掛止ピン214を内枠13に設けられた前記軸受け部133に挿通させることで、裏パックユニット15が内枠13に対して回動可能に支持されている。ベース部211には、内枠13に設けられた固定レバー134が挿通される複数の挿通部215が形成されており、固定レバー134が挿通部215に挿通された状態にてベース部211に後方から当接することにより内枠13に対して裏パックユニット15が固定されている。
ベース部211には、保護カバー部212を迂回するようにして払出機構部202が配設されている。払出機構部202には、裏パック201の最上部に配されているとともに上方に開口したタンク221が設けられており、遊技ホールの島設備から供給される遊技球がそのタンク221に逐次補給される。タンク221の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール222が連結され、タンクレール222の下流側には上下方向に延びるケースレール223が連結されている。ケースレール223の最下流部には払出装置224が設けられている。払出装置224より払い出された遊技球は、当該払出装置224の下流側に設けられた図示しない払出通路を通じて、裏パック201のベース部211に設けられた遊技球分配部225に供給される。
遊技球分配部225は、払出装置224より払い出された遊技球を上皿33、下皿34又は後述する排出通路の何れかに振り分けるための機能を有し、内側の開口部が上述した本体側上皿通路122及び前扉側上皿通路を介して上皿33に通じ、外側の開口部が本体側下皿通路123及び前扉側下皿通路を介して下皿34に通じるように形成されている。
ベース部211の下端部には、当該下端部を前後に挟むようにして排出通路盤及び制御装置集合ユニット204が取り付けられている。排出通路盤には、制御装置集合ユニット204と対向する面に後方に開放された排出通路が形成されており、当該排出通路の開放部は制御装置集合ユニット204によって塞がれている。排出通路は、遊技ホールの島設備等へ遊技球を排出するように形成されており、上述した回収通路等から排出通路に導出された遊技球は当該排出通路を通ることでパチンコ機10外部に排出される。
制御装置集合ユニット204は、横長形状をなす取付台241を有し、取付台241に払出制御装置242と電源・発射制御装置243とが搭載されている。これら払出制御装置242と電源・発射制御装置243とは、払出制御装置242がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。
払出制御装置242においては基板ボックス244内に払出装置224を制御する払出制御基板が収容されており、当該払出制御基板に設けられた状態復帰スイッチ245が基板ボックス244外に突出している。例えば、払出装置224における球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ245が押されると、球詰まりの解消が図られるようになっている。
電源・発射制御装置243は、基板ボックス246内に電源・発射制御基板が収容されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル45の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。また、電源・発射制御装置243には電源スイッチ247が設けられている。電源スイッチ247を操作することにより、パチンコ機10の電源を投入状態(オン状態)又は遮断状態(オフ状態)に切り替え可能となっている。
ここで、本パチンコ機10は各種データの記憶保持機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。例えば遊技ホールの営業終了の場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持される。上記主制御装置162には、RAM消去スイッチ166が設けられている。当該RAM消去スイッチ166を押しながら電源を投入すると、RAMデータが初期化されるようになっている。
(操作ボタンユニット40及びそれに関連する構成)
本実施の形態においては、前扉枠14の上側膨出部28に設けられた上記操作ボタンユニット40及びそれに関連する構成(例えば取付構造)が特徴的なものとなっている。そこで、以下の説明においては先ず、図9及び図10を参照して、操作ボタンユニット40及びその周辺構成の概要について補足説明する。図9は前扉枠14を正面側から見た斜視図、図10は操作ボタンユニット40及びその周辺構成を示す前扉枠14の線部分端面図である。
操作ボタンユニット40は、遊技者によって押圧操作される操作面部411が形成された操作ボタン401と、当該押圧操作に基づく操作ボタン401の変位(昇降)を許容した状態で当該操作ボタン401を保持するホルダ402とを有し、ホルダ402が金属製の取付フレーム460を介して枠体20に固定されることで前扉枠14に一体化されている。
操作ボタン401とホルダ402と間にはバネ部材が圧縮された状態で挟まれている。このバネ部材によって操作ボタン401が押圧操作の方向とは反対方向(上方)へ付勢されている。上側膨出部28には操作ボタン401の突出方向への変位を規制するストッパが形成されており、当該ストッパに対して操作ボタン401が押圧方向とは反対側(下側)から当接することにより、それ以上の突出方向への変位が規制されている。つまり、ストッパによって操作ボタン401の突出量、すなわち操作ボタン401の最大突出位置(待機位置)が規定されている。
押圧操作が行われた場合には、操作ボタン401に加わる操作力がバネ部材の付勢力を上回ることにより、操作ボタン401が当該付勢力に抗して待機位置から操作位置へ変位することとなる。
ここで、ホルダ402には、発光体422(詳しくはLED)が実装された発光基板421が搭載されている。発光基板421は、発光体422の実装面が操作ボタン401の操作面部411に対峙するようにして配置されており、発光体422からの光は操作面部411に照射される構成となっている。操作ボタン401は透明な合成樹脂材料によって形成されており、発光体422からの光は操作面部411を通じて操作ボタンユニット40の外部(上方)へ射出される。
操作面部411の内面412にはシール部材450が取り付けられている。シール部材450を操作ボタンユニット40内に収容して外部への露出を抑えることにより、摩耗等の劣化が抑制されている。図11(a)の概略図に示すように、シール部材450は、シート状の基材451を有し、当該基材451の一方の面(操作面部411の内面412と対向している面)が接着剤の塗布面(接着面452)、他方の面(操作面部411とは反対の面)が操作方法(押圧操作)を示す情報(詳しくは「PUSH」の文字)の印字面453となっている。印字面453については、印字範囲がそれ以外の範囲と比べて光の拡散度合いが高くなるように構成されている。このため、発光体422からの光がシール部材450を通過する際に拡散されることで、上記「PUSH」の文字が目立ちやすくなるように構成されている。
発光基板421は報知・演出制御装置142に接続されており(図12参照)、報知・演出制御装置142によって発光体422の点灯状態/消灯状態の切り替えが可能となっている。発光体422については、基本的に消灯状態に維持されており、遊技回演出にて操作ボタンユニット40の操作に対応した操作対応演出が実行される場合(詳しくは操作の受付を開始する場合)に消灯状態→点灯状態に切り替えられることとなる。図11(b)に示すように点灯状態への切り替えによって「PUSH」の文字を際立たせることにより、操作を行うべき状況であることが示唆され、操作対応演出の見逃しの抑制を図っている。
本実施の形態においては、図柄表示装置94の表示画面94aにて図柄の変動表示等が実行される場合に当該表示に関連したBGMや効果音等の演出音がスピーカ部27,46から出力される構成となっており、画像と演出音との連携によって遊技の演出効果の向上が図られている。
ここで、図12を参照して、パチンコ機10の電気的構成について説明し、その後、操作ボタンユニット40の操作に対応したBGMの選択候補の切り替えに係る構成について説明する。
主制御装置162に設けられた主制御基板801には、MPU802が搭載されている。MPU802には、当該MPU802により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM803と、そのROM803内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM804と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU802には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU802の入力側には、主制御装置162に設けられた停電監視基板805、払出制御装置242及びその他図示しないスイッチ群などが接続されている。停電監視基板805には電源・発射制御装置243が接続されており、MPU802には停電監視基板805を介して電力が供給される。また、スイッチ群の一部として、作動口83a,83bや可変入賞装置82等の各種入球部に対応する検知センサが各々接続されており、主制御装置162のMPU802において入球部への入球判定が行われる。また、MPU802では、入球部のうち作動口83a,83bへの入球に基づいて大当たり発生抽選を実行する。
ここで、MPU802にて大当たり発生抽選等を行う上での電気的な構成について説明する。
MPU802は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、主表示ユニット91の作動口用表示部の発光色の設定や、図柄表示装置94の図柄表示の設定などを行うこととしており、具体的には、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり状態や通常大当たり状態等の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置94が外れ変動する際のリーチ抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、主表示ユニット91の作動口用表示部に表示される色の切り替えを行う期間及び図柄表示装置94における図柄の変動表示時間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。
このうち、カウンタC1〜C3,CINI,CSは、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM804の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM804には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納バッファが設けられており、これらの各エリアには、作動口83a,83bへの遊技球の入球履歴に合わせて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値が時系列的に格納されるようになっている。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜676の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり676)に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜676)。大当たり乱数カウンタC1は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入球したタイミングでRAM804の保留球格納バッファに格納される。
大当たり種別カウンタC2は、0〜49の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり49)に達した後0に戻る構成となっている。そして、本実施の形態では、大当たり種別カウンタC2によって、大当たり状態が終了した後に、確変状態(高確率状態)とするか通常状態(低確率状態)とするかを決定することとしている。大当たり種別カウンタC2は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入球したタイミングでRAM804の保留球格納バッファに格納される。
ここで、確変状態とは、大当たり状態の終了後において予め定められた終了条件が成立するまで、大当たり状態の発生確率が通常状態よりも高くなる遊技状態のことをいう。具体的には、通常状態では、大当たり状態が発生することとなる乱数の値の数は2個で、その値は「337,673」であり、確変状態では、大当たり状態が発生することとなる乱数の値の数は10個で、その値は「67,131,199,269,337,401,463,523,601,661」である。
また、本パチンコ機10では、大当たり状態の終了後に通常状態となる通常大当たり状態(第1特別遊技状態)と、大当たり状態の終了後に確変状態となる確変大当たり状態(第2特別遊技状態)とで、図柄表示装置94の表示画面94aにおいて変動表示後に停止表示される図柄の態様が異なっている。具体的には、通常大当たり状態が発生する場合には第1特別表示結果としての通常大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の偶数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示され、確変大当たり状態が発生する場合には第2特別表示結果としての確変大当たり図柄の組み合わせ(より具体的には、同一の奇数が付された図柄の組み合わせ)が停止表示される。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり238)に達した後0に戻る構成となっている。リーチ乱数カウンタC3は定期的に更新され、遊技球が作動口83a,83bに入球したタイミングでRAM804の保留球格納バッファに格納される。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。
変動種別カウンタCSによってリーチ表示に際して発生するリーチ演出の種別やその他大まかな図柄変動態様といった図柄表示装置94の表示態様が決定される。つまり、本パチンコ機10(具体的には、MPU802)はリーチ演出の種別を抽選する演出種別抽選手段を備えている。
ここで、リーチ表示(リーチ状態)とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置94を備え、変動表示後の停止表示結果が特別表示結果となった場合に、遊技状態が遊技者に有利な特別遊技状態となる遊技機において、図柄表示装置94における図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)が開始されてから停止表示結果が導出表示される前段階で、前記特別表示結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
換言すれば、図柄表示装置94の表示画面94aに表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性があるリーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態のことである。
より具体的には、図柄の変動表示を終了させる前段階として、図柄表示装置94の表示画面94a内の予め設定された有効ライン上に、大当たり状態の発生に対応した大当たり図柄の組み合わせが成立する可能性のあるリーチ図柄の組み合わせを停止表示させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において最終停止図柄列により図柄の変動表示を行うことである。
また、リーチ表示には、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面94aの略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。因みに、本パチンコ機10では、各種リーチ演出又はリーチ予告演出の一部として、操作ボタンユニット40(操作ボタン401)の操作に応じて異なる操作対応演出表示を行う操作対応演出が設定されている。
主制御装置162におけるMPU802の出力側には、停電監視基板805、払出制御装置242及び報知・演出制御装置142が接続されている。払出制御装置242には、例えば、上記入球部への入球判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。
報知・演出制御装置142には、変動開始コマンド、種別コマンド、停止表示コマンド、大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンドなどの各種コマンドが出力される。ここで、変動開始コマンド及び種別コマンドは、保留球格納バッファに格納されている情報に基づいて主表示部Dの作動口用表示部における切替表示を開始する場合に、報知・演出制御装置142に出力される。この場合、変動開始コマンドには、図柄の変動表示時間、大当たり発生の有無の情報、リーチ表示の有無の情報、リーチ種別の情報などが含まれており、種別コマンドには、停止表示させる図柄の種類の情報が含まれている。また、停止表示コマンドは、主表示部Dの作動口用表示部における切替表示を終了する場合に、報知・演出制御装置142に出力される。また、大当たり開始コマンドは、大当たり状態に移行する場合に、報知・演出制御装置142に出力され、大当たり終了コマンドは、大当たり状態が終了する場合に、報知・演出制御装置142に出力される。
また、MPU802の出力側には、可変入賞装置82に設けられた駆動部などが接続されており、大当たり状態においては当該駆動部の駆動制御が実行され、可変入賞装置82の開閉が実行される。このように大当たり状態において可変入賞装置82の開閉が実行されることにより多数の遊技球が遊技者に払い出されることとなる。つまり、特別遊技状態としての大当たり状態を、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態とすることができる。
停電監視基板805は、主制御基板801と電源・発射制御装置243とを中継し、また電源・発射制御装置243から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。
払出制御装置242は、払出装置224により賞球や貸し球の払出制御を行うものであり、上記賞球コマンドを入力した場合には、その賞球コマンドに対応した数の遊技球が払い出されるように払出装置224を駆動制御する。換言すれば、払出制御装置242は、賞球コマンドを入力した場合には、払出制御処理を実行して払出装置224を駆動制御することで、賞球コマンドに対応した数の遊技球を払い出す。つまり、本パチンコ機10は、遊技結果に基づいて遊技球の払い出しを実行する払出機能を有している。
電源・発射制御装置243は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板801や払出制御装置242等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を二重線矢印で示す経路を通じて供給する。また、電源・発射制御装置243は、遊技球発射機構110の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構110は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
報知・演出制御装置142には、スピーカ部27,46、ランプ部24〜26、操作ボタンユニット40、表示制御装置143を制御するMPU812が搭載された報知・演出制御基板811が設けられている。MPU812には、当該MPU812により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM813と、そのROM813内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM814と、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路が内蔵されている。
MPU812には入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU812の入力側には、主制御装置162及び操作ボタンユニット40に設けられた操作検知センサ431が接続されている。操作ボタンユニット40の押圧操作が行われた場合には、その旨を示す情報(信号)が操作検知センサ431から報知・演出制御装置142のMPU812に入力される。
MPU812の出力側には、図柄表示装置94を制御する表示制御装置143、操作ボタンユニット40に設けられた発光基板421が接続されている。MPU812からの信号に基づいて発光基板421の点灯/消灯の発光制御等が実行される。つまり、報知・演出制御装置142のMPU812は、発光基板421の発光制御を行う発光制御手段として機能している。
MPU812では、主制御装置162から出力された演出用コマンド(変動開始コマンド、種別コマンド、停止表示コマンド、大当たり開始コマンド及び大当たり終了コマンド等)を受信した場合に、同コマンドを解析し又は同コマンドに基づき所定の演算処理を行って演出態様を決定し、その演出態様にて表示演出が行われるように表示制御を実行する。
ROM813に設けられた各種エリアとしては、例えば各種テーブル記憶エリア821が設定されている。各種テーブル記憶エリア821には、主制御装置162から入力された変動開始コマンドに基づいて図柄の変動表示を開始する場合に変動表示の概要を決定するテーブルやその変動表示回(遊技回)において操作対応演出を行う場合にその演出内容の詳細を特定するためのテーブルが記憶されている。
また、報知・演出制御装置142のROM813には音源データ記憶エリア823が設けられており、この音源データ記憶エリア823には遊技演出にて使用される各種BGMが記憶されている。但し、それらBGMの一部(特殊BGM)については使用が制限されており、操作ボタンユニット40にて予め設定された操作(後述する特殊操作)が実行されることにより使用が許可される構成となっている。
具体的には、図13に示すように、音源データ記憶エリア823には、通常遊技状態にて参照される音源データとして、BGM1〜BGM3が記憶されている。これらBGMのうちBGM1及びBGM2は使用が制限されていない。これに対して、BGM3は使用が制限された特殊BGMとなっている。つまり、BGM3の使用が制限されている状況下においては、通常遊技状態にて設定されるBGMの候補はBGM1及びBGM2に限定されている。これに対して、BGM3の使用制限が解除された状況下においては、通常遊技状態にて設定されるBGMの候補がBGM1〜BGM3に拡張されることとなる。
音源データ記憶エリア823には、開閉実行モード(特別遊技状態)にて参照される音源データとして、BGM4〜BGM6が記憶されている。これらBGMのうちBGM4及びBGM5は使用が制限されていない。これに対して、BGM6は使用が制限された特殊BGMとなっている。つまり、BGM6の使用が制限されている状況下においては、開閉実行モードにて設定されるBGMの候補はBGM4及びBGM5に限定されている。これに対して、BGM6の使用制限が解除された状況下においては、開閉実行モードにて設定されるBGMの候補がBGM4〜BGM6に拡張されることとなる。
ここで、図14のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置142のMPU812にて実行されるBGM制限用処理について説明する。BGM制限用処理は、MPU812において定期処理の一環として実行される処理である。
(BGM制限用処理)
BGM制限用処理においては先ず、ステップS101にてBGM制限中であるか否かを判定する。ステップS101にて肯定判定をした場合には、ステップS102に進む。ステップS102では上記操作ボタンユニット40が発光中であるか否かを判定する。本実施の形態においては、操作対応演出が実行時には操作受付中であることを示すべく操作ボタンユニット40(詳しくは発光体422)が点灯状態となるように構成されている。ステップS102では操作対応演出用の操作の受付中である場合には否定判定し、操作対応演出用の操作の受付中でない場合には肯定判定する。ステップS102にて肯定判定をした場合には、そのまま本BGM制限用処理を終了する。ステップS102にて否定判定をした場合には、ステップS103に進む。
ステップS103では上述した特殊操作が実行された否か、詳しくは報知・演出制御装置142のRAM814に設けられたタイマカウンタを参照して操作ボタン401が1分間に亘って押圧操作されたか否かを判定する。ステップS103にて否定判定をした場合には、そのまま本BGM制限用処理を終了する。ステップS103にて肯定判定をした場合にはステップS104に進む。
ステップS104ではBGM制限解除処理を実行する。具体的には、RAM814の各種フラグ格納エリア831に制限解除フラグを格納する。これにより、図13に示した特殊BGM(BGM3及びBGM6)の使用制限が解除され、以降の遊技においては所定の終了条件が成立するまでそれら特殊BGMが設定候補に含まれることとなる。
ステップS101の説明に戻り、当該ステップS101にて否定判定をした場合、すなわち制限中ではないと判定した場合には、ステップS105に進む。ステップS105では、デモ表示への切り替えが発生したか否か、電源OFF操作が行われた否かを判定する。本実施の形態においては、所定時間に亘って遊技が行われたなかった場合には、消費電力が抑えられた省エネモードへと移行する。これにより、図柄表示装置94の表示画面94aでは待機中である旨を示すデモ表示が実行される構成となっている。
ステップS105にて否定判定をした場合には、そのまま本BGM制限用処理を終了する。ステップS105にて肯定判定をした場合には、ステップS106にてBGM制限処理を実行した後、本BGM制限用処理を終了する。ステップS105のBGM制限処理では、RAM814の各種フラグ格納エリア831に格納されている制限解除フラグを消去する。これにより、以降は制限解除フラグが再格納されるまで上記特殊BGM(BGM3及びBGM6)は設定候補から外れることとなる。
このような特殊操作に関する情報については、パチンコ機10の導入(納入)からある程度の時間が経過したタイミングで遊技機メーカ等からインターネットや情報誌を通じて遊技者に公開されることとなる。予め用意されているBGMの使用を敢えて制限し、ある程度の時間が経過したタイミングで解放する構成とすることにより、遊技の新鮮味の低下を抑制し、遊技機への注目度の向上を図っている。
但し、情報を公開したとしてもそれが遊技者に伝わらなければ、上述したような効果が上手く発揮されなくなると懸念される。本実施の形態に示す操作ボタンユニット40にはこのような事情に配慮した工夫がなされていることを特徴の1つとしている。以下、図15及び図16を参照して、当該工夫に係る構成について説明する。図15(a)はシール部材450の接着面452を示す概略図、図15(b)は経過時間と接着剤の透明度との関係を示す概略図、図16は時間の経過に伴う操作ボタンユニット40の外観の変化を示した概略図である。
操作ボタン401の操作面部411、詳しくは操作面部411にて操作ボタンユニット40の内方を向いている面(内面412)には上述したシール部材450が貼り付けられている。図15(a)に示すように、シール部材450の接着面452は、そのほぼ全域が接着材(詳しくは糊)の塗布領域GEとなってはいるものの、上記「PUSH」の文字が配設されている箇所との重なりが回避された一部が当該接着剤の非塗布領域NEになっている。より詳しくは、図15(a)における下側部分が塗布領域GEと非塗布領域NEが混在する領域(「所定領域」に相当)となっている。
この非塗布領域NEによって、上述した特殊操作の内容を示す所定のメッセージ(詳しくは「長押1分」)が形成されている。つまり、接着材が塗布されていないブランク部分によって所定のメッセージが構成されている。図15(a)においては、塗布領域GEと非塗布領域NEとの差を明示すべく、非塗布領域NEにドットハッチングを付与した状態で表示している。但し、本実施の形態における接着剤については無色透明であり、少なくとも製造当初(劣化が発生していない又は無視できる程度の劣化にとどまっている場合)はシール部材450の外観から塗布領域GEと非塗布領域NEとの差を識別することは困難となっている。
ここで、本実施の形態に示す接着剤は、時間の経過に伴って外観が変化し得る。具体的には、製造時は透明であるものの、熱や光等の外的要因によって僅かながら変色したりくすんだり(白濁)したりする。つまり、図15(b)に示すように、時間の経過に伴って塗布領域GEの外観が変化し、非塗布領域NEと塗布領域GEとのコントラストが大きくなる。
図16(a)→図16(b)→図16(c)に示すように、時間の経過に伴って接着剤の外観が変化して接着剤の塗布領域GEと非塗布領域NEとのコントラストが大きくなると、製造時には実質的に目視による識別が困難であった特殊操作の内容を示すメッセージ(詳しくは「長押1分」)が識別容易となる。なお、図16においては、白濁部分にドットハッチングを付与することで、塗布領域GEと非塗布領域NEとのコントラストを強調させている。
本実施の形態に示すパチンコ機10においては、上述した特殊操作に関する情報公開が導入後1年を目途に実行されるのに対して、操作ボタンユニット40に内包されたシール部材450については個体差等はあるものの製造から1年を経過した辺りから外観が大きく変化する(図15(b)参照)。このため、遊技者は雑誌やインターネット等を通じて公開された特殊操作に関する情報を取得できていない場合であっても、操作ボタンユニット40に出現したメッセージから特殊操作の内容を把握することができる。
上述したタイプの遊技機においては、人気のあるものほど設置年数が長くなる傾向にあるが、そのような長期の稼働を考慮した場合には、経年劣化による遊技機の見栄えの低下(接着剤の変色等に起因した見栄えの変化)が遊技機に対する注目度の低下を招く一因になると懸念される。ここで、本実施の形態に示すパチンコ機10においては、時間の経過に伴う接着剤の劣化によって接着剤の塗布領域と非塗布領域とで見た目の差が大きくなる。これにより、目視による所定情報の識別が容易となる。つまり、遊技機の導入当初に隠されていた所定情報が、ある程度の時間を経過することで遊技者の目につきやすくなる(公開される)。このようにして、所定情報(例えば遊技に関する情報)が事後的に公開される構成とすれば、導入からある程度の時間が経過した場合であっても遊技機の新鮮味の低下を抑えることができる。これにより、長期稼働となった遊技機への注目度の低下を抑制できる。つまり、時間の経過に伴って接着剤の色の種類、濃淡、透明度等が変化する点を逆手にとって当該変化を利用すれば、そのような変化が単なる劣化であるとの印象を与えにくくすることができる。これにより長期稼働の遊技機が古びた印象となることを抑制できる。
シール部材450においては、所定情報(詳しくは「長押1分」)が形成されている領域と所定情報が形成されていない領域とを比較した場合、前者よりも後者の方が面積が大きくなっている。そして、面積が小さい側を接着剤の非塗布領域NEとしている。このような構成とすれば、所定情報を形成する上で接着剤の塗布領域GEを極力大きくすることができる。これにより、シール部材450の貼り付け機能が低下して接着対象からの浮き上がり等が発生することを好適に抑制できる。
所定情報が形成されている上記所定領域については、シール部材450の外縁から離れており、非塗布領域NEが外縁を含んでいない。このため、非塗布領域NEによって所定情報を潜ませる場合であっても、外縁部分からシール部材450がはがれやすくなることを抑制できる。
接着剤の劣化については遊技機が設置されている環境によって左右されやすい。このような差によって所定情報が提示されるタイミングに大きな差が生じることは好ましくない。そこで、本実施の形態に示すようにシール部材450を操作ボタンユニット40内に収容し、外部に晒されることを回避することにより、設置された環境による差を緩和できる。これにより、所定情報が提供されるタイミングに大きな差が生じることを抑制できる。
因みに、本実施の形態に示す操作ボタン401については、紫外線の透過を抑制するUVカット機能を有しており、遊技機外部からの光がシール部材450に照射されて劣化が促進されることを抑制している。これは、遊技ホール等にて遊技機の設置環境が相違することが劣化に及ぼす影響の差になることを抑える工夫である。
また、シール部材450は、操作面部411の内面412に貼り付けられており、遊技者が直接触れることができない構成となっている。これにより、所定情報が出現する前にシール部材450が摩耗する等して当該所定情報が提供さなくなることが回避される。
シール部材450の印字面453には操作を示唆する文字(「PUSH」)が印刷されている。上述した所定情報については、この文字との重なりが回避される位置に形成されているため、当該所定情報によって上記文字が見えづらくなることが抑制されている。
なお、上述した第1の実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第1の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第1の実施の形態に対して適用してもよい。
<変形例1>
上記第1の実施の形態では、接着材の非塗布領域NEによって文字を形成したが、塗布領域GE及び非塗布領域NEのコントラストによって文字を表示する上では、接着剤の塗布領域GEによって文字を形成することも可能である。但し、この場合、接着剤の塗布領域GEを稼ぐことが困難になり得る。そこで、接着面452の大半を塗布領域GEとした上で、残りの範囲を塗布領域GE及び非塗布領域NEで分ける構成とするとよい。
<変形例2>
上記第1の実施の形態では、塗布領域GE及び非塗布領域NEのコントラストによって文字を表示する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、塗布領域GE及び非塗布領域NEのコントラストによってキャラクタや模様等の装飾を表示する構成とすることも可能である。
<変形例3>
接着面452において塗布領域GE及び非塗布領域NEのコントラストによりメッセージを表示する表示領域(上記所定領域)と、印字面453において「PUSH」の文字が印字された印字領域とを重ねる構成とすることも可能である。なお、上記第1の実施の形態では、印字面453における印字部分については当該印字面453における他の部分よりも光透過性を低く設定した上で、当該他の部分に重なるようにして表示領域を設定したが、これを変更し、印字面453における印字部分が他の部分よりも光透過性が高くなるように設定した上で、当該他の部分に重なるようにして表示領域を設定することも可能である。
<変形例4>
上記第1の実施の形態では、情報公開がなされるタイミングよりも後に所定のメッセージが浮かび上がる構成について例示したが、情報公開がなされるタイミングよりも前に所定のメッセージが浮かび上がる構成を否定するものではない。
<変形例5>
経時劣化に伴う塗布領域GEと非塗布領域NEとのコントラストを利用して文字や模様等の絵柄を表示させる上では、少なくとも外観に差が生じるのであれば足り、必ずしも白濁による透明度の差を利用する必要はない。例えば、経時劣化に伴って色の濃さ(退色)や種類(変色)に差が生じるのであれば、その差を利用して絵柄を表示させる構成とすることも可能である。
<変形例6>
上記第1の実施の形態ではシール部材450を接着面452が手前側且つ印字面453が奥側となるように構成したが、これに限定されるものではない。シール部材の印字面が手前側且つ接着面が奥側となるように構成してもよい。この場合であっても、シール部材を通じてその背後を視認可能となるように構成する上では、接着剤の劣化に伴う見栄えの変化が目につくと想定される。このような構成であっても、第1の実施の形態に示した技術的思想を適用することにより、接着剤の劣化に起因した見栄えの低下を好適に抑制できる。
<変形例7>
上記第1の実施の形態では、接着剤の劣化によって遊技に関する情報が視認可能となるように構成したが、これに限定されるものではない。例えば、接着剤の劣化によって模様や絵柄等の装飾が視認可能となるように構成してもよい。
<変形例8>
上記第1の実施の形態では、透明な接着剤を用いることで、接着剤の塗布領域GEと非塗布領域NEとの外観上の違いを小さくし、接着剤の透明度が高い製造初期の段階すなわち導入時は「長押1分」の文字が実質的に識別不可(視認不可)となるように構成したが、少なくとも経年劣化によって透明度が低下することにより「長押1分」の文字の識別性が高くなる構成であれば足り、導入時に「長押1分」の文字が完全に識別不可(視認不可)となっている構成を否定するものではない。
<変形例9>
上記第1の実施の形態においては、操作ボタンユニット40にシール部材450を内包する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、シール部材450を操作ボタンユニット40の外周面(具体的には操作面部411の上面)に貼り付ける構成とすることも可能である。
<変形例10>
上記第1の実施の形態においては、シール部材450の貼り付け対象として操作ボタン401を例示したが、他の遊技部品に貼り付けられるシール部材に同様の機能を付与してもよい。例えばガラスパネル31に飛散防止用のシート部材を貼り付ける場合には、このシート部材の接着材の劣化に伴って所定の模様が浮かび上がるように接着剤の塗布領域及び非塗布領域を設定してもよい。シール部材を透明として、その背後を視認可能とすることにより、遊技者がシール部材に目を向ける機会を増やすことができる。これは、上記所定情報が出現している状態にて当該情報の見逃しを抑制する上で有利である。
<第2の実施の形態>
本実施の形態においては、遊技盤ユニット80に係る構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図17を参照して、本実施の形態における遊技盤ユニット80について説明する。図17は遊技盤ユニット80の正面図である。
遊技盤ユニット80の中央には可変表示ユニット85(詳しくはセンターフレーム95)が配設されており、遊技領域PEにおける遊技球の流下経路は当該センターフレーム95を左側から迂回する左ルートと右側から迂回する右ルートとに大別されている。
左ルートには下作動口83aが配設されており、左ルート及び右ルートの合流箇所には下可変入賞装置82aが配設されている。下作動口83aへの入賞に基づく抽選にて大当たり結果となった場合には、下可変入賞装置82aが非受入状態から受入状態に切り替えられ、当該下可変入賞装置82aへの入賞が発生することで遊技者に賞球が付与される構成となっている。
右ルートの途中位置には、電動役物89が付属する右作動口83bとスルーゲート84とが設けられており、スルーゲート84への入賞に基づくサポート抽選にて当選した場合には電動役物89が非案内状態から案内状態に切り替わる。右ルートの最下流部分には、右可変入賞装置82bが配設されており、右作動口83bへの入賞に基づく抽選にて特別当たり結果(小当たり結果)となった場合には、右可変入賞装置82bが非受入状態から受入状態に切り替わる。そして、右可変入賞装置82bに設けられた後述する有利入球部への入賞が発生した場合には、下可変入賞装置82aが非受入状態から受入状態に切り替わり、多量の遊技球を獲得するチャンスとなる。
ここで、図18を参照して、右可変入賞装置82bに係る構成について補足説明する。図18(a)は図17における右可変入賞装置82b及びその周辺部位を示す部分拡大図、図18(b)は右可変入賞装置82bを正面側から見た斜視図である。
図18(a)に示すように、遊技領域形成体80aにおいて可変表示ユニット85の右側となる部位には遊技領域形成体80aの厚さ方向に貫通する開口部92が形成されており、この開口部92に対して右可変入賞装置82bが遊技機前方から嵌まっている。このようにして右可変入賞装置82bが配置された状態では、当該右可変入賞装置82bの前面部を構成し且つ遊技領域形成体80aに対する取付部としての機能が付与されたベースユニット500によって当該開口部92が覆われている。
ベースユニット500は、開口部92の縁部に沿って形成された枠体501を備えている。枠体501は遊技領域形成体80aの前面と対向する略環状の対向板部501aと当該対向板部501aから遊技機後方に起立するとともに開口部92の内面に沿うようにして形成された筒状部501bとを有している(図18(b)参照)。対向板部501aが遊技領域形成体80aの前面に対して当接した状態で当該遊技領域形成体80aにネジ止めされることにより、右可変入賞装置82bが遊技領域形成体80aに一体化されている。
枠体501(詳しく対向板部501a)において当該枠体501の中央開口部分よりも上方となる部位には、右ルートを流下する遊技球が流入可能な右大入賞口502が形成されており、この右大入賞口502を遊技機前方から覆うようにして開閉扉503が取り付けられている。また、枠体501には開閉扉503を開閉駆動させる可変入賞駆動部504(詳しくはソレノイド)が搭載されている(図18(b)参照)。可変入賞駆動部504は主制御装置162に接続されており、可変入賞駆動部504が主制御装置162からの駆動信号に基づいて動作することにより右可変入賞装置82bが遊技球が流入する受入状態と遊技球の流入が不可となる非受入状態とに切り替わることとなる。
右大入賞口502は、左右に延びる横長状をなしており、その一端部(詳しくは遊技領域PEの中央側となる端部)の奥側には同右大入賞口502へ流入した遊技球を検知する検知センサ505(詳しくは磁気センサ)が配設されている(図19参照)。検知センサ505は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該検知センサ505からの検知信号(検知情報)が同主制御装置162に出力される。主制御装置162では、この検知信号に基づいて右大入賞口502への入賞の有無を特定する。
ベースユニット500において右大入賞口502の下方には、枠体501の中央開口部分(すなわち上記筒状部501bの前側開口部)を覆うようにして前面パネル506が設けられている。前面パネル506は、枠体501に対して固定されており、前面パネル506の背後には、右大入賞口502へ流入した遊技球であって上記検知センサ505による検知領域を通過した遊技球を集合板(詳しくは回収通路)へと案内する案内通路520が設けられている。前面パネル506は透明性を有しており、当該前面パネル506を通じて案内通路520を通過する遊技球が視認可能となっている。
ここで、図19を参照して案内通路520について説明する。図19は案内通路520を示す右可変入賞装置82bの正面図であり、右可変入賞装置82bの内部構造の一部を破線によって表示している。
案内通路520はベースユニット500と当該ベースユニット500の後方に配置された通路形成ユニット530とが組み合わされることにより形成されている。より具体的には、通路形成ユニット530は、前面パネル506と所定の隙間を隔てて対向する平板状の基部531を有している。基部531において前面パネル506と対向している部分には、前面パネル506側へ起立する起立壁部532が複数形成されている。これら起立壁部532は遊技球の直径寸法よりも僅かに大きな隙間を隔てて相対向しており、同起立壁部532によって前面パネル506側(遊技機前方)に開放された溝部が形成されている。そして、この溝部における遊技機前方への開放部分が前面パネル506によって塞がれることで、上記案内通路520が形成されている。
案内通路520は、ベースユニット500の上記右大入賞口502に連通する上流側通路521を有してなる。上流側通路521は、当該上流側通路521の入口部分から遊技領域PEの中央側へ向けて下り傾斜している。同入口部から上流側通路521に流入した遊技球は、上記起立壁部532において上流側通路321の底部を形成している部位に沿って流下する。
上流側通路521における下流側の端部には第1下流側通路522が連なっている。第1下流側通路522は鉛直方向に延びており、上流側通路521を経由して当該第1下流側通路522に達した遊技球は、自重により同第1下流側通路522に沿って落下することとなる。
第1下流側通路522の出口部分には、当該第1下流側通路522へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第1下流側通路522における第1検知領域DE1を通過する遊技球を検知可能な)第1検知センサ525が設けられている。第1検知センサ525には、第1検知領域DE1を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第1検知センサ525は主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第1検知センサ525からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第1検知領域DE1における遊技球通過の有無、すなわち第1下流側通路522への入球の有無を主制御装置162にて特定可能となっている。
また、案内通路520は第1下流側通路522の途中位置から分岐する第2下流側通路523を有している。具体的には、第1下流側通路522を形成する起立壁部532には、第2下流側通路523への入口部としての開口535が形成されている。この開口535は、第1下流側通路522及び第2下流側通路523の両者に連通しており、同開口535を通じた第1下流側通路522から第2下流側通路523への遊技球の流入が許容されている。
第2下流側通路523の途中位置には、当該第2下流側通路523へ流入した遊技球を検知する(詳しくは同第2下流側通路523における第2検知領域DE2を通過する遊技球を検知可能な)第2検知センサ526が設けられている。第2検知センサ526には、第2検知領域DE2を遊技球が通過した場合に生じる磁場の変化を把握可能な磁気センサが採用されている。また、第2検知センサ526は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、当該第2検知センサ526からの検知信号(検知情報)が主制御装置162に入力される。これにより、第2検知領域DE2における遊技球通過の有無、すなわち第2下流側通路523への遊技球流入の有無を主制御装置162にて特定可能となっている。
本実施の形態においては、第2下流側通路523への入賞によって大当たりとなり、下可変入賞装置82aを対象とした開閉実行モードへ移行する。これにより、下可変入賞装置82aが受入状態に切り替わり、多量の賞球を獲得するチャンスとなる。このように、第2下流側通路523への入賞が大当たりの発生契機となっている点に鑑みれば、第2下流側通路523は遊技者に有利な有利入球部を構成しているといえる。以下の説明では、説明の便宜上、第2下流側通路523を有利入球部523と称する。
右大入賞口502に流入した遊技球は先ず上流側の検知センサ505によって検知され、その後、下流側の第1検知センサ525又は第2検知センサ526によって検知される。上流側の検知センサ505によって右大入賞口502への入球が検知されると、同入球に応じて予め定められた数の遊技球が払い出される。このように、上流/下流の各検知センサ505,525,526のうち上流側の検知センサ505による検知結果にもとづいて遊技球の払出しを行う構成とすることにより、下流側の検知センサ525,526による検知結果に基づいて遊技球の払出しを行う構成と比較して、払出しの迅速化に貢献している。
また、上述した分岐位置には、上流側通路521から第1下流側通路522に流入した遊技球を第2下流側通路523へと誘導する誘導状態と同誘導を行わない非誘導状態とに切替可能な切替部材541が設けられている。切替部材541は、非誘導状態においては案内通路520(詳しくは第1下流側通路522)への突出が抑えられており、誘導状態に切り替わることで、同第1下流側通路522を塞ぎ上記第1検知領域DE1への遊技球の到達を不可とする位置へと突出する。
通路形成ユニット530の後方には、切替部材541を案内通路520への突出が抑えられた位置に向けて付勢する付勢部材と、同付勢部材の付勢力に抗して切替部材541を突出位置へと移動させるソレノイド式の切替部材用駆動部と、それら各種構成を収容する収容ケースとを有してなる駆動ユニットが設けられている。
切替部材用駆動部は、主制御装置162に対して電気的に接続されており、同主制御装置162から出力される信号に基づいて駆動する。本実施の形態においては、通常は付勢部材の付勢力によって切替部材541が非誘導状態にて保持され、上記右作動口83bへの入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に切替部材用駆動部が駆動することで同切替部材541が誘導状態へと切り替る。つまり、第2下流側通路523への遊技球の流入が許容されることとなる。
ここで、開閉扉503及び切替部材541の動作について説明する。開閉扉503は右作動口83bへの入賞に基づく抽選にて特別当たりが発生した場合に可変入賞駆動部が駆動することにより非受入状態から受入状態に切り替わり、これと同期して切替部材用駆動部が駆動することで切替部材541が誘導状態へと切り替る。これに対して、開閉扉503及び切替部材541の初期状態への復帰タイミングについては同タイミングとならないように設定されている。具体的には、先ず切替部材541が非誘導状態に切り替わり、同切替タイミングから所定の期間が経過した後、開閉扉503が非受入状態へと切り替る。このため、右大入賞口502に流入した遊技球は必ずしも第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2の一方にのみ到達するのではなく、右大入賞口502への流入タイミングによって第1検知領域DE1及び第2検知領域DE2のどちらに到達するかが振り分けられる構成となっている。詳しくは、開閉扉503の開放直後に流入した遊技球は第2検知領域DE2へと案内されやすく、開閉扉503の閉鎖直前に流入した遊技球は第1検知領域DE1へと案内されやすくなるように開閉扉503及び切替部材541の動作態様が定められている。
本実施の形態に示す右可変入賞装置82bにおいては、その前面部を構成する前面パネル506及びそれに付随する構成が特徴的なものとなっている。以下、図19及び図20を参照して、前面パネル506及びそれに付随する構成について説明する。図20(a)は前面パネル506及びそれに付随する構成を示す概略図、図20(b)は前面パネル506を主要な構成毎に分解して示す分解斜視図である。
図20(a)に示すように、前面パネル506は、前後一対の導光板551,552と、それら導光板551,552の間に配設された装飾シート553とを有し、導光板551,552によって装飾シート553を挟み込んだ状態でそれら導光板551,552を固定することで一体化されてなる。つまり、装飾シート553は導光板551,552の両方に対して面接触している。
導光板551,552の端部と対向する位置には、多数の発光体が実装されてなる発光基板560が配設されている。発光基板560は上記枠体501に固定されており、発光基板560に配設された発光体によって前側の導光板551(以下、第1導光板551という)の端面へ光を供給する第1発光部561と後側の導光板552(以下、第2導光板552という)の端面へ光を供給する第2発光部562とが構成されている。発光基板560は、報知・演出制御装置142に接続されており、報知・演出制御装置142によって発光部561,562の点灯/消灯が個別に制御される構成となっている。
導光板551,552は透明な合成樹脂からなり、内部を光が通過可能となるように構成されている。第1導光板551の前面部には、微細な凹みが多数形成されてなる光放出部551aが設けられており、第1発光部561から第1導光板551の端面へ照射された光は、光放出部551aを通じて遊技機正面側へ放出されることとなる。光放出部551aは星を模した絵柄となっており、前面部の全域に散在している。光放出部551aから光が放出されることで、案内通路520と重なる位置等に星を模した絵柄が浮かび上がる(表示される)こととなる。
装飾シート553についても透明な合成樹脂材料からなり、光を透過可能となるように構成されている。装飾シート553にて上述した有利入球部523に前方から重なる位置には、当該有利入球部523を示す絵柄553a(「V」の文字)が配設されている(図19等参照)。この絵柄553aについては有色半透明となっており、背後を通過する遊技球を当該絵柄553aを通じて視認可能となるように構成されている。つまり、装飾シート553には有利入球部523の位置を教示する教示手段としての機能が付与されている。
第2導光板552の前面部にも、第1導光板551と同様に微細な凹みが多数形成されてなる光放出部552aが設けられており、第2発光部562から第2導光板552の端面へ照射された光は、光放出部552aを通じて装飾シート553側へ放出されることとなる。光放出部552aは、上述した絵柄553aに対して後方から重なる位置に配されており、当該絵柄553aよりも一回り大きな「V」の文字を形成している。光放出部552aから装飾シート553側へ放出された光は、装飾シート553における絵柄553a及びその周辺部分を通過して第1導光板551へ向かい当該第1導光板551を通じて遊技機前方へ放出されることとなる。
ここで、装飾シート553においては絵柄553aが形成されている部位はその周辺部位と比べて光透過性が低くなっている。このため、第2導光板552の光放出部552aからの光の通過箇所に応じて明るさに差が生じる。具体的には、絵柄553aよりもその周辺部位の方が明るく光っているように見えることとなる。つまり、第2導光板552は、装飾シート553の絵柄553aを発光させる機能と、当該絵柄553aの周辺を発光させることで強調表示(エフェクト表示)を行う機能とを併有している。
ここで、図21(a)を参照して、前面パネル506の導光機能について補足説明する。上述したように導光板551,552及び装飾シート553は透明性を有している点で共通となっている。但し、装飾シート553についてはその屈折率が導光板551,552よりも低くなるように差が設けられている。このため、第1発光部561から第1導光板551に照射された光が第1導光板551内で反射を繰り返す際に光放出部551a以外の部分(装飾シート553との接触箇所)から装飾シート553側へ逃げる(漏れる)こと、第2発光部562から第2導光板552に照射された光が第2導光板552内で反射を繰り返す際に光放出部552a以外の部分(装飾シート553との接触箇所)から装飾シート553側へ逃げる(漏れる)ことを好適に抑制できる。
また、本実施の形態に示すように、複数の導光板551,552を近づけて配置した場合には、第1発光部561からの光が第2導光板552に供給されたり、第2発光部562からの光が第1導光板551に供給されたりすることで上述した表示切替機能が上手く発揮されなくなると懸念される。特に、発光基板560(発光部561,562)と前面パネル506との距離が大きくなれば、そのような不都合の発生が顕著になると懸念される。この点、本実施の形態に示す前面パネル506においては、図21(a)に示すように発光基板560と対峙している箇所では装飾シート553の端部が導光板551,552から延出しており、この延出部分には、光の透過を不可とする遮光部553bが形成されている。第1発光部561については遮光部553bよりも前側に位置し、第2発光部562については遮光部553bよりも後側に位置している。これにより、第1発光部561からの光が第2導光板552に供給されたり、第2発光部562からの光が第1導光板551に供給されたりすることを抑制している。
次に、図21(b)のフローチャートを参照して、報知・演出制御装置142のMPU812にて実行される右可変入賞装置82b用の発光制御処理(以下、可変入賞装置用発光制御処理という)について説明する。可変入賞装置用発光制御処理は、MPU812にて2msec周期の定期処理の一環として実行される処理である。
可変表示装置用発光制御処理においては先ず、ステップS201にてパチンコ機10の電源がONになったタイミングであるか否か、すなわち報知・演出制御装置142が起動したタイミングであるか否かを判定する。ステップS201にて肯定判定をした場合には、ステップS202にて第1発光部561の点灯処理を実行する。これにより、第1発光部561が点灯状態且つ第2発光部562が消灯状態となり、前面パネル506の表示態様が第1導光板551に星の絵柄が表示された第1表示態様に切り替わる。このようにして第1表示態様への切り替えを行った後、本発光制御処理を終了する。
ステップS201にて否定判定をした場合には、ステップS203に進む。ステップS203では、前面パネル506の表示態様が第1表示態様となっているか否かを判定する。ステップS203にて肯定判定をした場合には、ステップS204に進む。ステップS204では、右可変入賞装置82bを対象とした開閉実行モードへの移行タイミングであるか否かを判定する。ステップS204にて否定判定をした場合には、そのまま本発光制御処理を終了する。ステップS204にて肯定判定をした場合には、ステップS205に進む。
ステップS205では第1発光部561の消灯処理を実行する。これにより、第1発光部561及び第2発光部562がともに消灯状態となり、前面パネル506の表示態様が装飾シート553の絵柄553aのみが表示された第2表示態様に切り替わる。このようにして、第2表示態様への切り替えを行った後、本発光制御処理を終了する。
ステップS203の説明に戻り、当該ステップS203にて否定判定をした場合には、ステップS206に進む。ステップS206では、前面パネル506の表示態様が第2表示態様となっているか否かを判定する。ステップS206にて肯定判定をした場合には、ステップS207に進む。ステップS207では、有利入球部523への入賞が発生したか否かを判定する。ステップS207にて肯定判定をした場合には、ステップS208に進む。ステップS208では、第2発光部562の点灯処理を実行する。これにより、第1発光部561が消灯状態且つ第2発光部562が点灯状態となり、前面パネル506の表示態様が装飾シート553の絵柄に重なるようにして第2導光板552の光放出部552aが発光した第3表示態様に切り替わる。このようにして第3表示態様への切り替えを行った後、本発光制御処理を終了する。
ステップS206及びステップS206の何れかにて否定判定をした場合には、ステップS209に進む。ステップS209では、右可変入賞装置82bの開放を終了するタイミングであるか否かを判定する。ステップS209にて否定判定をした場合には、そのまま本発光制御処理を終了する。ステップS209にて肯定判定をした場合には、ステップS210に進む。
ステップS210では第2発光部562の消灯処理を実行し、続くステップS211では第1発光部561の点灯処理を実行する。これにより、第1発光部561が点灯状態且つ第2発光部562が消灯状態となり、前面パネル506の表示態様が上記第1表示態様に切り替わる。その後は、本発光制御処理を終了する。
ここで、図22のタイミングチャート及び図23の概略図を参照して遊技進行に伴う表示態様の切り替わりの様子について説明する。
図22に示すように、通常遊技状態においては、第1発光部561が点灯状態且つ第2発光部562が消灯状態である第1表示態様となっている。図23に示すように、第1表示態様においては、第1導光板551(詳しくは光放出部551a)に絵柄が表示される。光放出部551aについては、装飾シート553の絵柄553aと重なる位置に配置されているものを含んでおり、当該光放出部551aが発光することにより、その背後に位置する絵柄553aの視認性が低下する。つまり、装飾シート553の絵柄553aを目視で確認しようとした場合には、光放出部551aからの光に邪魔されて当該絵柄553aの確認が難しくなる。
第1導光板551に形成された光放出部551aについては、装飾シート553の絵柄553aと重なるようにして配設されているものと、絵柄553aとの重なりが回避されるようにして配設されているものとが混在してなる。これにより、絵柄553aの視認性を好適に低下させることができる。
通常遊技状態にて実行された抽選にて特別当たり結果となり、ta1のタイミングにて右可変入賞装置82b対応の開閉実行モードへ移行すると、これに併せて第1発光部561が消灯状態に切り替わる。これにより、前面パネル506の表示態様が第1表示態様から第2表示態様に切り替わる。第2表示態様においては、第1導光板551からの光の放出が回避されるため、装飾シート553に形成された絵柄553aについて視認性が回復する(図23参照)。これにより、右可変入賞装置82bにおける有利入球部523の位置が遊技者に明示され、有利入球部523を狙うべき状況であることが示唆される。
ta2のタイミングにて右可変入賞装置82bが受入状態に切り替わり、右大入賞口502が開放される。その後、ta3のタイミングにて有利入球部523への入賞が発生すると、第2発光部562が点灯状態に切り替わる。これにより、前面パネル506の表示態様が第2表示態様から第3表示態様に切り替わる。第3表示態様においては、第2導光板552から光が放出され、装飾シート553の絵柄553aが強調表示される。これにより、遊技者に有利入球部523への入賞が発生したことが明示される。ta4のタイミングにて右可変入賞装置82bが非受入状態に切り替わると、それに併せて第2発光部562が消灯状態に切り替わり、第1発光部561が点灯状態に切り替わる。これにより、前面パネル506の表示態様が第3表示態様から第1表示態様に切り替わる。第1表示態様への切り替えによって有利入球部523を狙うべき状況が終了した旨が明示される。
以上詳述した第2の実施の形態によれば、以下の優れた効果が期待できる。
一組の導光板551,552(「導光体」に相当)とその間に配設された装飾シート553(「装飾体」に相当)とを併用することにより、例えば導光板と装飾との連携表示や各構成による個別表示を実行することができる。これにより、装飾を有する発光表示手段の表示機能の多様化に貢献できる。
装飾シート553の厚さは導光板551,552よりも薄くなっており、装飾シート553はそれら導光板551,552によって挟み込まれている。本実施の形態に示すように装飾体をシート状にする等して薄型化を図ることは、発光表示装置の配置自由度を向上させる上で好ましい。しかしながら、このような構成では、装飾体に歪み等が発生しやすくなる。これは、装飾の見栄えを低下させる要因になると懸念される。そこで、装飾体を導光板551,552によって挟み込む構成とすれば、装飾体の薄型化を促進しつつも両導光体によって上記歪み等の変形を抑制できる。これにより、発光表示手段の薄型化に起因した見栄えの低下を回避することができる。
ここで、導光板551,552と装飾シート553とを当接させている場合には、導光板551,552へ供給された光が当接箇所を通じて装飾シート553へ移ることで光漏れが生じ得る。これは、光放出部551a,552aへの光の供給効率を低下させる要因になると懸念される。この点、本実施の形態に示したように、装飾シート553の屈折率を導光板551,552の屈折率よりも小さくすることにより、サンドイッチ構造による上記効果を享受しつつ、それに起因した光の供給効率の低下を好適に抑制できる。
第1導光板551は、導光板551,552及び装飾シート553の並び方向にて第1光放出部551aの少なくとも一部が装飾シート553の絵柄553aと重なるように形成されている。このような構成によれば、第1導光板551の第1光放出部551aから光が放出されることにより、その背後に位置する装飾の視認性が低下することとなる。つまり、疑似的に装飾を目立ちにくくさせることができる。このように、第1光放出部551aからの光を利用して、絵柄553aの視認性を調整可能となれば、常駐タイプの絵柄553aであっても遊技状況等によって視認が容易な状態と視認が困難な状態を作り出すことができる。
ここで、全ての第1光放出部551aが絵柄553aに合せて形成されている場合には、第1光放出部551aが発光している場合の発光模様についても装飾と大差がなくなる。これでは、表示態様の差が小さくなり、見た目の変化が陳腐化すると想定される。そこで、本実施の形態に示したように、第1光放出部551aを、導光板551,552及び装飾シート553の並び方向にて絵柄553aと重なる部分及び重なりが回避される部分の両方に形成することにより、第1光放出部551aが発光した際の絵柄553aからの見た目を大きく変化させることができ、上記不都合の発生を抑制できる。
有利入球部523への入球が可能となる場合には、第1発光部561及び第2発光部562が消灯することで当該有利入球部523を示す絵柄553aによって有利入球部523を狙うべき状況であることを教示できる。有利入球部523への入球が発生すると第2発光部562が発光することにより、絵柄553a及び第2光放出部552aによってエフェクトにより強調された絵柄(「V」の文字)が表示される。これにより、有利入球部523への入球が発生した旨が教示されることとなる。これに対して、有利入球部523を狙うべき状況ではない場合には、第1発光部561が発光することにより絵柄553aの視認性が低下する。これにより、遊技者が有利入球部523を狙うべき状況であると誤認することを抑制できる。
なお、上述した第2の実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第2の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第2の実施の形態に対して適用してもよい。
<変形例1>
上記第2の実施の形態では、導光板551,552によって装飾シート553を挟み込む構成としたが、これに限定されるものではなく、導光板551,552の間に装飾シート553が配設されている構成であれば足りる。
なお、導光板551,552及び装飾シート553については、必ずしも1ユニット化する必要はなく、これら各種構成を個別にベースユニット500に取り付ける構成とすることも可能である。
<変形例2>
上記第2の実施の形態では、導光板551,552の間に装飾シート553を配設したが、少なくとも光透過性を有しており、第2導光板552から放出された光が透過する位置に装飾や文字等の絵柄が配設されているのであれば足りる。つまり、導光板551,552の間に配設される中間部材については、必ずしもシート状とする必要はなく、例えば板状とすることも可能である。但し、前面パネル506の薄型化を図りつつ各導光板551,552の導光機能を確保する上では、中間部材をシート状とすることに技術的意義がある。
<変形例3>
上記第2の実施の形態では、有利入球部523を狙うべき状況となった場合に、第1発光部561を消灯状態に切り替える構成とし、通常は第1発光部561を点灯状態に維持する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、通常は第1発光部561を消灯状態に維持し、特定の状況となった場合に当該第1発光部561を点灯状態に切り替える構成とすることも可能である。
また、上記第2の実施の形態では、第1発光部561及び第2発光部562を異なる期間にて点灯状態とする構成としたが、これら発光部561,562の両方が点灯状態となる期間を設けてもよい。
<変形例4>
上記第2の実施の形態では、第1導光板551の光放出部551aの一部が装飾シート553の絵柄553aに重なる構成としたが、これに限定されるものではない。少なくとも光放出部551aからの光によって絵柄553aの視認性を低下させることができるのであれば、光放出部551aと絵柄553aとの重なりを回避する構成としてもよい。
<変形例5>
上記第2の実施の形態では、装飾シート553の絵柄553aが光透過性を有し、第2導光板552の光放出部552aから放出された光が絵柄553aを通過する構成としたが、これに限定されるものではない。光放出部552aからの光によって絵柄553aの見栄えを変化させることができるのであれば、絵柄553aが光透過性を有する必要は必ずしもない。
<変形例6>
上記第2の実施の形態では、遊技機正面視にて第1導光板551の光放出部551aと第2導光板552の光放出部552aとが重なる構成としたが、これら光放出部551a,552aの重なりを回避する構成としてもよい。第2導光板552の光放出部552aからの光が第1導光板551の光放出部551aによって歪められることを抑制できるため、第2導光板552及び装飾シート553によって表示される絵柄等の見栄えをクリアにすることができる。
<変形例7>
上記第2の実施の形態では、導光板551,552及び装飾シート553と発光基板560とからなる表示ユニットを右可変入賞装置82bに適用した構成について例示したが、当該表示ユニットの適用対象については右可変入賞装置82bに限定されるものではない。例えば、図柄表示装置94の表示画面94aを遊技機前方から覆うカバーに上記表示ユニットに係る技術的思想を適用してもよいし、遊技領域PEを遊技機前方から覆うガラスパネルに上記表示ユニットに係る技術的思想を適用してもよい。
<変形例8>
上記第2の実施の形態では、積層される導光板551,552(「導光体」に相当)及び装飾シート553(「装飾体」に相当)を平面状としたが、これらを曲面状とすることも可能である。また、「導光体」については板状に形成するのではなく、シート状に形成してもよいし、ブロック状に形成してもよい。同様に、「装飾体」については、シート状に形成してもよいし、ブロック状に形成してもよい。
<第3の実施の形態>
本実施の形態においては、遊技盤ユニット80に係る構成が第1の実施の形態と相違している。以下、図24を参照して、本実施の形態における遊技盤ユニット80について説明する。図24は遊技盤ユニット80の正面図である。
遊技盤ユニット80の中央には可変表示ユニット85(詳しくはセンターフレーム95)が配設されており、遊技領域PEにおける遊技球の流下経路は当該センターフレーム95を左側から迂回する左ルートと右側から迂回する右ルートとに大別されている。
左ルートには上作動口83aが配設され、右ルートにはスルーゲート84及び可変入賞装置82が配設され、左ルートと右ルートとの合流箇所には電動役物89が付属する下作動口83bが配設されている。遊技状態によって遊技者に有利なルートが変化する構成とし、遊技者に遊技球の発射先の変更を促す構成とすることで遊技の単調化が抑制されている。具体的には、電動役物89によるサポートモードが低頻度サポートモードとなっている場合には左ルートへ向けて遊技球を発射して上作動口83aを狙うことにより右ルートへ向けて遊技球を発射する場合よりも遊技を有利に進めることができ、電動役物89によるサポートモードが高頻度サポートモードとなっている場合又は開閉実行モードとなっている場合には右ルートへ向けて遊技球を発射して下作動口83b(スルーゲート84)又は可変入賞装置82を狙うことにより左ルートへ向けて遊技球を発射する場合よりも遊技を有利に進めることができる構成となっている。
スルーゲート84及び可変入賞装置82は右ルートにおける下流部分に配設されており、右ルートの上流部分〜中流部分には当該下流部分へ遊技球を案内する1条の案内通路601が形成されている。以下、図24〜図26を参照して案内通路601に係る構成について説明する。図25は図24の部分拡大図、図26(a)は案内通路601を通過する遊技球の動きを示す概略図、図26(b)は図25のA−A線部分断面図である。
図24に示すように、センターフレーム95にて図柄表示装置94の右側となる部分、すなわち遊技領域区画部材90と図柄表示装置94との間となる部分には、案内通路601を形成する通路形成部600が設けられている。
案内通路601の入口部分は返し部材93の直下流に位置しており、右ルートへ発射された遊技球は返し部材93へ衝突して減速された後に案内通路601へ流入するように構成されている。
案内通路601は、通路形成部600を構成する奥壁部611、左壁部612、右壁部613、前壁部614によって区画形成されており、通路幅等が同一箇所を複数の遊技球が同時に通過できないように規定されている。
案内通路601は、図柄表示装置94を迂回すべく、右側に凸となるように僅かに湾曲している。案内通路601を形成する左右の壁部612,613のうち遊技領域PEの中央側に位置する左壁部612には、案内通路601側に突出する突起617が複数形成されており、案内通路601の通路幅が部分的に小さくなっている。案内通路601を通過する遊技球は、突起617に衝突することで右壁部613側へ跳ね返り、右壁部613に衝突することで左壁部612側へ跳ね返る。このような動きを繰り返すことにより、案内通路601を通過する遊技球が蛇行し、流下速度が過度に早くならないように制限される(図26(a)参照)。
本実施の形態においては、右ルートへ遊技球を発射すべき状況となった場合には、その旨を教示する構成が設けられていることを特徴の1つとしている。以下、当該教示に係る構成について説明する。
案内通路601の前壁部614は光透過性を有しており、案内通路601を通過する遊技球を前壁部614を通じて視認可能となっている。前壁部614の左右の端部は、左右の壁部612,613の前端部に対して遊技機前方から対峙しており、前壁部614に対して案内通路601の湾曲外側となる位置には、発光基板650が配設されている。発光基板650には案内通路601の通路方向に並べて複数の発光体651が実装されており、これら発光体651からの光が前壁部614における右側の端面へ光を照射するように構成されている。
前壁部614は、他の壁部611〜613とは別体で設けられたカバー体であり、平板状のベース部621の前面にシール部材622が貼り付けられてなる。ベース部621の前面には微細な凹部が多数形成されてなる光放出部623が複数形成されており、シール部材622によってこれら光放出部623が覆われている。シール部材622にて光放出部623と重なる位置には、光放出部623に合せて有色透明な絵柄624(詳しくは下向きの矢印)が設けられている。
発光体651から前壁部614(詳しくはベース部621)へ照射された光は、当該ベース部621を通過し、光放出部623からシール部材622へ照射される。シール部材622へ照射された光はシール部材622の絵柄624を通過して遊技機前方へ放出される。これにより、シール部材622の絵柄624が発光しているように見せることができる。
上記光放出部623及び絵柄624の組合せは、案内通路601に沿って略等間隔となるように配列されており、発光体651についてもそれら組合せに対応させて配列されている(図25参照)。ここで案内通路601の通路方向にて光放出部623及び絵柄624の組合せが配設されている箇所では上述した前壁部614と各壁部612,613の先端部との間にスリット618が形成されている。つまり、上記組合せとそれに対応した発光体651との間では前壁部614と側壁部612,613との接触が回避されている。本実施の形態においては、各壁部611〜614が同じ合成樹脂材料を用いて形成されており、屈折率も同一となっている。そこで、上記スリット618を形成することにより、光が前壁部614から側壁部612,613へ逃げる(漏れる)ことを抑制している。
発光基板650は報知・演出制御装置142に接続されており、報知・演出制御装置142のMPU812においては絵柄624を用いたルート表示用の処理(以下、ルート表示制御処理)が実行される。以下、図27(a)のフローチャートを参照して、ルート表示制御処理について説明する。ルート表示制御処理は、報知・演出制御装置142のMPU812にて定期処理の一環として実行される処理である。
ルート表示制御処理においては先ず、ステップS301にてルート表示中であるか否かを判定する。具体的には、右ルートに沿って配列された絵柄を発光させることで右ルートを狙って遊技球を発射するように教示している状況であるか否かを判定する。ステップS301にて否定判定をした場合にはステップS302に進む。
ステップS302では、開閉実行モード又は高頻度サポートモードへの移行タイミングであるか否かを判定する。ステップS302にて否定判定をした場合には、そのまま本ルート表示制御処理を終了する。ステップS302にて肯定判定をした場合には、ステップS303にてルート表示開始処理を実行した後、本ルート表示制御処理を終了する。
ルート表示開始処理では、全ての発光体651を点灯状態に切り替えた後、所定の発光体651(例えば案内通路601の通路方向における最上流に位置する発光体651)を除いた残りの発光体651を消灯状態に切り替える。
ステップS301の説明に戻り、当該ステップS301にて肯定判定をした場合、すなわちルート表示中である場合には、ステップS304に進む。ステップS304では開閉実行モード又は高頻度サポートモードの終了タイミングであるか否かを判定する。ステップS304にて否定判定をした場合には、ステップS305に進む。ステップS305では発光表示の更新タイミングであるか否かを判定する。ステップS305にて否定判定をした場合にはそのまま本ルート表示制御処理を終了する。ステップS305にて肯定判定をした場合にはステップS306にて発光対象のシフト処理を実行する。
発光対象のシフト処理においては、ROM813に記憶されている発光制御テーブルを参照して、各発光体651のは発光制御を行う。具体的には、発光対象となる発光体651を案内通路601の下流側へシフトさせるべく各発光体651について点灯状態/消灯状態の切り替えを行う。
ステップS304の説明に戻り、当該ステップS304にて肯定判定をした場合には、ステップS307に進み、ルート表示終了処理を実行する。具体的には、全ての発光体651を消灯状態に切り替える。
右ルートの広域に亘ってルート表示を行う構成によれば、当該ルート表示の見逃しの機会を減らすことが可能である。これは、遊技者の不利益を抑制する上で好ましい。特に、ルート表示が遊技球によって遮られることを回避して、教示機能を発揮させることができる。但し、案内通路601の前方にてルート表示が行われる構成では、発光している絵柄と遊技球とが重なることにより、絵柄の背後に位置する遊技球が視認しづらくなることが懸念される。遊技球の動きを目で追うことが遊技機本来の面白さである点に鑑みた場合、遊技球の視認性が低下することは好ましくない。ここで、本実施の形態においては、上述した絵柄のシフト態様を工夫することにより、そのような不都合の発生を抑制している。
既に説明したように案内通路601については、返し部材93によって減勢された遊技球が流入する構成となっており、更には案内通路601内での加速が突起617によって制限されている。図27(b)に示すように、これらの減速手段によって案内通路601を通過する遊技球の移動速度(流下速度)については、およそ30〜40mm/secとなるように規定されている。これに対して、案内用の発光絵柄のシフト速度は、50mm/secとなっており、遊技球の移動速度と不一致となるように構成されている。このため、図28に示すように、案内通路601を遊技球が通過している状況下にて上記ルート表示を実行したとしても、絵柄と遊技球とが重なった状態が続くことが回避される。つまりルート表示を実行することが遊技球の視認性を著しく低下させる要因になることがない。
また、減速手段によって遊技球の流下速度が過度に早くならないよう抑えることは、案内先に配設されたスルーゲート84や可変入賞装置82の保護を図る上で好ましい。しかしながら、遊技球の動きが遅くなることは、遊技者に遊技球の動きが無駄に遅延されているかのような印象を与える要因になり得る。この点、発光絵柄のシフト速度を早くすることにより、遊技のテンポが遅くなっているとの印象を遊技者に与えにくくし、特別遊技状態における爽快感の低下を抑制できる。
以上詳述した第3の実施の形態によれば、発光体651からの光が案内通路601の前壁部614の端部に照射される。前壁部614には導光機能が付与されており、当該発光体651からの光は前壁部614の光放出部623から放出される。これにより、案内通路601と重なる位置にて発光表示(右可変入賞装置82b等へ向けて遊技球を発射すべき状況であることの教示)が実行される。このようにして案内通路601用の前壁部614を利用して教示を行う構成とすれば、案内通路601を通過する遊技球の視認性を担保しつつ教示用の表示領域を確保し、限られたスペースにて遊技球の流下領域と表示領域とを共存させることが可能となる。
また、遊技状態によって遊技者に有利な遊技球の発射先が変化する構成においては、遊技の単調化を抑制することができる反面、遊技への理解度の低さから投資が無駄に嵩む可能性がある。この点、本実施の形態に示す構成においては、教示内容が遊技球に隠れて見えづらくなることがない。このため、例えば特別遊技状態の終了に伴って教示を終えたにも関わらず、それに気づかない遊技者が遊技球の発射を継続して投資が無駄に嵩むことを抑制できる。これは遊技の多様化を実現する上で好ましい構成である。
光放出部623は、凹凸状をなしており、前壁部614にて案内通路601を形成している側とは反対側の壁面に形成されている。このため、案内通路601を通過する遊技球と光放出部623との干渉を回避できる。これは、光放出部623の保護と、案内通路601を通過する遊技球の挙動の安定化とを実現する上で好ましい。
光放出部623をシール部材622によって覆い、光放出部623からの光がシール部材622の絵柄624を通過する構成とすれば、絵柄624を発光させることができ、前壁部614における表示の見栄えを好適に向上させることができる。また、シール部材622によって光放出部623が保護されるため、例えば清掃等のメンテナンス作業の際に作業者が光放出部623に触れることを回避できる。故に、表示機能の追加によって作業効率が低下することを抑制できる。
なお、前壁部614(詳しくはシール部材622)とガラスパネル31との隙間は遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成されており、遊技領域PEを流下する遊技球がシール部材622に接触することを回避して、絵柄624の保護を図っている。
上述したように前壁部614のベース部621を導光部として利用する構成においては、シール部材622における光の屈折率を前壁部614のベース部621における光の屈折率よりも低くなるように構成することにより、光放出部623から外れた位置にてシール部材622側への光漏れが生じることを抑制できる。これにより、絵柄624に対応した箇所(光放出部623)へ届く光の量が少なくなることを抑制できる。
発光体651からの光が前壁部614(詳しくはベース部621)の端部へ供給される構成においては、仮にベース部621を通過する光が側壁部612,613側へ漏れると光放出部623への光の供給効率が低下する。そこで、側壁部612,613と前壁部614との間にスリット618を形成することで、そのような漏れを軽減して光の供給効率の向上に貢献できる。なお、このスリット618については遊技球が通過不可となる大きさとなっているため、当該スリット618から遊技球のこぼれ等が発生することはない。
案内通路601の通路方向に発光体651を並べて配置することで表現力の強化を実現する上では、上述したように案内通路601の湾曲外側に発光体651(発光基板650)を配設することにより湾曲内側に同様の構成を配設する場合と比べて発光体651の配置自由度を高くすることができる。これにより、複数の発光体651を併用した表現力の強化に好適に寄与できる。
なお、上述した第3の実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第3の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第3の実施の形態に対して適用してもよい。
<変形例1>
上記第3の実施の形態においては、シール部材622によって光放出部623を覆う構成としたが、シール部材622を不具備とすることも可能である。この場合、絵柄624に相当する構成をベース部621に配設することが好ましい。
<変形例2>
上記第3の実施の形態では、右ルートにてルート表示を行う構成について例示したが、これに限定されるものではない。遊技球を案内する他の案内通路が設けられており、この案内通路に前壁部が形成されている場合には、当該前壁部に光放出部623等の構成を適用することも可能である。
<変形例3>
上記第3の実施の形態では、発光絵柄のシフト速度を案内通路601における遊技球の流下速度よりも速くなるように設定することで速度差を確保したが、これに限定されるものではない。シフト速度を遊技球の流下速度よりも遅くなるように設定することで速度差を確保してもよい。
<変形例4>
上記第3の実施の形態では、遊技機側方に凸となるように湾曲している案内通路601に対して湾曲外側となる位置に発光基板650を配設したが、これに限定されるものではない。湾曲内側となる位置に発光基板を配設することも可能である。
<変形例5>
上記第3の実施の形態では、案内通路601を形成する前壁部614に光放出部623及び絵柄624を配設したが、これに限定されるものではない。それら光放出部623及び絵柄624に相当する構成を奥壁部611に配設してもよい。但し、このような構成とする場合には、光放出部や絵柄等を保護する保護カバー等を併用することが好ましい。
<変形例6>
上記第3の実施の形態では、側壁部612,613の先端部と前壁部614との間にスリット618を形成することで両者の境界部分での光漏れを抑制したが、光漏れを抑制するための具体的な構成は任意である。例えば、側壁部612,613と前壁部614とを別体で構成している場合には、側壁部612、613の屈折率を前壁部614の屈折率よりも低くなるように構成すれば両者を接触させてもそれら接触箇所からの光漏れを抑制できる。
<変形例7>
上記第3の実施の形態では、発光対象となる発光体651(光源)を切り替えることにより発光絵柄をシフトさせる構成としたがこれに限定されるものではない。発光体651(発光基板650)を案内通路601の通路方向に移動させる駆動機構を用いて、発光絵柄をシフトさせる構成とすることも可能である。
<変形例8>
上記第3の実施の形態では、センターフレーム95によって案内通路601を形成したが、これを変更し、センターフレーム95及び遊技領域区画部材90によって案内通路601を形成することも可能である。例えば、左壁部612をセンターフレーム95によって構成し、右壁部613を遊技領域区画部材90によって形成するとよい。
<変形例9>
上記第3の実施の形態においては、発光絵柄の数を1つとしたが、これに限定されるものではない。例えば図29の概略図に示すように、表示される絵柄の数を増やし且つ1の発光絵柄当たりの光量を減らしつつ全体としての光量を維持することにより、以下の効果が期待できる。すなわち、ルート表示の見逃を抑制しつつ、1つ当たりの光量低下によって仮に発光絵柄の背後に遊技球が位置する場合であっても当該遊技球の視認性を向上させることができる。
<第4の実施の形態>
上記第1の実施の形態では、手動操作によってパチンコ機10の音量や光量等を任意に変更可能としたが、本実施の形態においては遊技者による音声操作(音声認識)によって音量や光量等を任意に変更可能となっている点で第1の実施の形態と構成が相違している。以下、図30及び図31を参照して、音声認識に係る構成を第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。図30は第4の実施の形態におけるパチンコ機10の正面図、図31は遊技ホールの島設備を示す概略図である。なお、説明の便宜上、図30においては遊技者を二点鎖線によって例示しており、図31においてはマイクロフォンの収音範囲を一点鎖線によって例示している。
上記第1の実施の形態にて説明したように、パチンコ機10の前面部を構成している前扉枠14は、枠体20と当該枠体20の前面に取り付けられ各種装飾等が施されたカバー体21とを主体に構成されている。カバー体21については窓部22を囲むようにして遊技機前方へ膨出しており(図9参照)、窓部22の左側に位置する左側膨出部701L及び窓部22の右側に位置する右側膨出部701Rには、マイクロフォン711が各々設けられている。
また、前扉枠14には音声操作スイッチ751が設けられている。この音声操作スイッチ751が操作されることにより音声操作モードへ移行し、上述したコントローラユニット41に代えてマイクロフォン711を利用した音声操作が可能となる。音声操作スイッチ751は、遊技球は遊技球発射ハンドル45の近傍に配設されており、遊技球発射ハンドル45における遊技球の発射操作を行いながら、操作可能となるように構成されている。
マイクロフォン711は、収音範囲が当該マイクロフォン711の正面(図30に示す配置状態においては遊技機前方)の狭い範囲となるように設定されたに設定された狭指向性(鋭指向性又は超指向性)の収音手段であり、当該収音範囲に窓部22正面の所定位置SPが含まれるようにして遊技機前方を向けて配置されている。詳しくは、上述したようにパチンコ機10には図柄組合せ等によって遊技者に遊技結果を報知する図柄表示装置94(表示画面94a)が設けられており、この図柄表示装置94の前方に当該パチンコ機10にて遊技中の遊技者Pの顔(詳しくは口元)が位置することを想定して構成されている。このような事情に鑑みてマイクロフォン711の収音範囲については遊技者Pの顔(詳しくは口元)の想定位置(上記所定位置SP)を含むように設定されている。
遊技ホールの島設備には多数の遊技機が配設されることが多く、他の遊技機からの演出音や店内放送更には遊技機の作動音等の様々な音が混在する。そこで、マイクロフォン711を狭指向性として収音範囲を絞ることにより、すなわち本パチンコ機10にて遊技中の遊技者に目標を定めることにより、外乱等によって音声認識の確からしさが低下することを抑制している。
図31に示すように、左側のマイクロフォン711Lの収音範囲CELについては正面から見て右側に傾いており、右側のマイクロフォン711Rの収音範囲CERについては正面から見て左側に傾いている。そして、これら収音範囲CEL,CERが上記所定位置にて交差するように構成されている。このような構成とすることにより、左側のマイクロフォン711L及び右側のマイクロフォン711Rの両方にて当該パチンコ機10にて遊技中の遊技者の声を拾うことが可能となっている。
ここで、遊技ホールの島設備においては、図31に示すように遊技機が対向するようにして配置されることが多い。このような設置状況に配慮した場合には、マイクロフォン711R,711Lに入力される音が相違し得る。図31の例では、左側のマイクロフォン711Lの収音範囲CELに右後ろのパチンコ機10RRが位置している。このため、左側のマイクロフォン711Lにおいては当該右後ろのパチンコ機10RRの音を拾う可能性がある。また、右側のマイクロフォン711Rの収音範囲CERに左後ろのパチンコ機10RLが位置している。このため、右側のマイクロフォン711Rにおいては当該左後ろのパチンコ機10RLの音を拾う可能性がある。これら他の遊技機の音については正確な音声認識を行う上で外乱になり得る。詳細については後述するが、本実施の形態においては、左右のマイクロフォン711R,711Lに入力された音を対比することにより、外乱と遊技者の声とを判別する。
また、パチンコ機10においては、遊技進行に伴ってBGMや効果音等の各種演出音が出力される。このため、マイクロフォン711R,711Lにはパチンコ機10自身が出力している演出音が入力される可能性がある。そこで、上述した音声認識を行う場合には、パチンコ機10自身が出力している演出音を考慮することにより外乱を特定し、音声認識の確からしさの向上を図っている。以下、本実施の形態におけるパチンコ機10の音声認識に係る電気的構成について説明する。
図32のブロック図に示すように、マイクロフォン711R,711Lは報知・演出制御装置142に接続されており、マイクロフォン711R,711Lに入力された音声は、電気信号(以下、音声データという)に変換された状態で報知・演出制御装置142に入力される。報知・演出制御装置142のRAM814には、マイクロフォン711R,711Lから取得した音声データを個別に記憶する収音データ記憶エリア834が設けられている。報知・演出制御装置142のMPU812では収音データ記憶エリア834に記憶されている音声データに基づいて音声認識を行う構成となっている。
また、報知・演出制御装置142の入力側には音声操作スイッチ751が接続されており、音声操作スイッチ751から操作検知信号が報知・演出制御装置142に入力される構成となっている。報知・演出制御装置142のMPU812では操作検知信号を受信したことに基づいて、操作モードを手動操作モードから音声操作モードへ切り替える。
報知・演出制御装置142の出力側には上記スピーカ部27,46が接続されており、報知・演出制御装置142のMPU812では遊技進行に応じてそれらスピーカ部27,46の駆動制御を行う。スピーカ部27,46から出力されるBGMや効果音等の演出音については出力パターンが報知・演出制御装置142のMPU812にて決定される構成となっている。つまり、通常遊技状態においては当該通常遊技状態に対応させて演出音の出力パターンが決定され、開閉実行モードにおいては当該開閉実行モードに対応させて演出音の出力パターンが決定される。
通常遊技状態における決定ついて補足説明すると、表示画面94aにおける図柄の変動表示態様の概要が主制御装置162からのコマンドを参照して報知・演出制御装置142のMPU812により特定され、その特定結果に基づいて変動表示態様の詳細及びそれに対応した演出音の出力パターンが報知・演出制御装置142のMPU812により決定される構成となっている。詳しくは、報知・演出制御装置142のMPU812では、所定の周期(例えば2msec)で起動される定期処理の一環として変動表示制御処理が実行され、この変動表示制御処理にて図柄の変動表示態様の概要等が特定される。ここで、図33〜図35を参照して、通常遊技状態における演出音の出力パターンの決定の流れを変動表示制御処理に基づいて説明する。
(変動表示制御処理)
変動表示制御処理においては、先ずステップS1001にて遊技回中であるか否か、すなわち図柄表示装置94にて1遊技回分の図柄の変動表示又は確定表示が実行されているか否かを判定する。遊技回中でないと判定した場合にはステップS1002に進み、主制御装置162から送信された変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する。
ステップS1002にて否定判定をした場合には、そのまま本変動表示制御処理を終了する。一方、ステップS1002にて肯定判定をした場合には、ステップS1003にて後述の変動開始用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。
ステップS1001の説明に戻り、当該ステップS1001にて肯定判定をした場合、すなわち遊技回中であると判定した場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004では主制御装置162から送信された変動終了コマンドを受信しているか否かを判定する。ステップS1004にて否定判定をした場合には、ステップS1005にて変動中用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動中用処理は、変動開始用処理によって開始された遊技回において各種演出の実行や決定された演出の変更を行う処理である。
ステップS1004にて肯定判定をした場合にはステップS1006に進み、当該ステップS1006にて変動終了用処理を実行した後に、本変動表示制御処理を終了する。変動終了用処理では、図柄の変動表示や実行されている演出を当該遊技回に係る保留情報に対応するようにして終了させる(確定停止させる)。かかる処理では、スピーカ部27,46やランプ部24を駆動制御することで確定停止に対応する演出を行う。そして、確定コマンドを表示制御装置143に出力してから、本変動終了用処理を終了する。表示制御装置143のMPUでは、受信した確定コマンドに基づき図柄表示装置94にて図柄を確定停止させるよう制御する。
(変動開始用処理)
ここで、図34のフローチャートを参照して、ステップS1003の変動開始用処理について補足説明する。変動開始用処理は、主制御装置162から変動開始コマンドを受信したことに基づき、遊技回用の演出を開始させるための処理である。変動開始用処理では、先ずステップS1101にて今回受信した変動開始コマンドを読み出し、当該コマンドからリーチ発生の有無の情報及び変動表示時間の情報を特定する。また、既に説明したように主制御装置162から変動開始コマンドが送信される場合には種別コマンドも併せて送信される。ステップS1101では、今回受信した変動開始コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該種別コマンドから、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報又は外れ結果の情報といった遊技結果の情報を特定する。そして、ステップS1101では、上記特定した情報から、大当たり当選の有無の情報、大当たり当選である場合には大当たり種別の情報、大当たり非当選である場合にはリーチ発生の有無の情報、及び変動表示時間の情報を把握し、その把握した情報をMPU812のレジスタに記憶する。
続くステップS1102では、ステップS1101にて把握した情報に基づいて、今回開始する遊技回の遊技結果が大当たり結果に対応する遊技結果であるか否かを判定する。大当たり結果である場合、すなわち確変大当たり結果又は通常大当たり結果である場合には、続くステップS1103にて、大当たり用の演出設定処理を実行する。
大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の停止結果を決定する(停止結果決定処理を行う)。停止結果決定処理においては、確変大当たり結果である場合に、一の有効ライン上に同一の特定図柄(奇数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。また、通常大当たり結果である場合には、一の有効ライン上に同一の非特定図柄(偶数が付された主図柄)の組合せが成立する停止結果を、本遊技回の停止結果として決定する。
大当たり結果となった場合に停止表示される主図柄の種類や有効ラインは抽選等によってランダムに決定される。ROM813の各種テーブルエリアに記憶された最終停止ラインテーブルには、各有効ラインとアドレス情報とが記憶されており、上記処理にて決定された最終停止ラインはRAM814に設けられた最終停止ラインアドレス記憶エリアにアドレス情報として記憶される。またこの際、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。なお、以下の説明でも各種停止結果決定処理にて決定した停止結果のアドレス情報がRAM814の停止結果アドレス記憶エリアに記憶される。
また、大当たり用の演出設定処理では大当たり用の図柄の変動表示態様を決定する(変動表示態様決定処理(演出パターン決定処理)を行う)。既に説明したとおり、大当たり結果となった場合、その結果はリーチ表示を経て報知される構成となっている。リーチ表示用の変動表示態様決定処理では、ROM813の各種テーブルエリアに記憶されているリーチ表示用の変動表示パターンテーブルを取得し、今回受信している変動開始コマンドの変動表示時間及び種別コマンドにおける遊技結果に対応したノーマルリーチ表示又はスーパーリーチ表示の演出パターンを決定する。また、決定した変動表示態様のアドレス情報をRAM814の演出パターン記憶エリア(パターンアドレス記憶エリア)833に記憶する処理を実行する。
なお、以下に示す変動表示態様決定処理においてもROM813の変動表示パターンテーブル記憶エリアから対応する変動表示パターンテーブルを取得して変動表示時間及び遊技結果に対応した演出パターンを決定する。そして、演出パターン決定処理にて決定した演出パターンのアドレス情報をRAM814の演出パターン記憶エリア833に記憶する。
ステップS1102にて大当たり結果ではないと判定した場合にはステップS1104に進む。ステップS1104では、今回の遊技回にてリーチが発生するか否かを把握する。リーチが発生する場合にはステップS1105に進み、リーチ発生用の演出設定処理を実行する。リーチ発生用の演出設定処理では演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。前者については、上記ステップS1103の処理と同様であるため説明を援用する。本処理は外れリーチに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せとならないように停止図柄を決定する。すなわち、一の有効ライン上に外れリーチ図柄の組合せが成立する停止結果を、今回の停止結果として決定する。この場合、外れリーチ図柄の組み合わせの種類や有効ラインは抽選などによってランダムに決定される。また、この決定に際しては、いずれの有効ライン上にも同一の図柄の組合せが成立することなく、且つ、リーチラインを形成する図柄と同じ中図柄列の図柄をリーチラインに対して前又は後にずれた停止位置で最終停止させるように有効ライン上の停止結果を決定する。その後、決定した停止結果の情報を停止結果アドレス記憶エリアに記憶する処理を実行する。
ステップS1104にてリーチ発生ではないと判定した場合は、ステップS1106に進む。ステップS1106では、完全外れ用の演出の概要と最終停止させる図柄の組み合わせ等を決定する。本処理は完全外れに対応するものなので、大当たり結果に対応する図柄組合せが形成されないようにして停止図柄を決定する。
ステップS1103、ステップS1105、ステップS1106のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1107に進む。ステップS1107では、ステップS1103、ステップS1105、ステップS1106にて決定した停止結果及び演出パターンの情報を含むコマンドを、それぞれ停止結果コマンド、パターンコマンドとして表示制御装置143へ出力する処理を実行する。表示制御装置143のMPUでは、その受信した停止結果コマンド及びパターンコマンドに基づき、今回の遊技回における演出を実行するべく図柄表示装置94の表示制御を行う。
ステップS1107の処理を実行した後は、続くステップS1108にて、遊技回用の演出を開始する処理を実行した後、本変動開始用処理を終了する。具体的には、上記ステップS1103、ステップS1105、ステップS1106にて決定した演出パターンに基づいてスピーカ部27,46やランプ部24の駆動制御を開始して、遊技回用の演出を開始する。
ここで、図35に基づき図柄表示装置94(表示画面94a)にて表示される図柄の変動表示態様及び演出音の出力パターンについて補足説明する。図35(a)は変動表示態様の種類を示す概略図、図35(b)群は各変動表示態様の概要を示す概略図である。
図35(a)に示すように、表示画面94aにて実行される図柄の変動表示態様は、完全外れ,ノーマルリーチA,ノーマルリーチB,スーパーリーチA,スーパーリーチB,スーパーリーチCの5つに大別される。これら各変動表示態様については、変動表示時間が異なるように設定されており、主制御装置162からのコマンドに付与され変動表示時間に係る情報に基づいて遊技回毎の変動表示態様の概要を把握可能となっている。
具体的には、完全外れの変動表示時間については「3sec〜8sec」(保留数に応じて差が設定されている)、ノーマルリーチAの変動表示時間については「10sec」、ノーマルリーチBの変動表示時間についてはノーマルリーチAの変動表示時間よりも長い「15sec」、スーパーリーチAの変動表示時間についてはノーマルリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「16sec」、スーパーリーチBの変動表示時間についてはスーパーリーチAの変動表示時間よりも長い「17sec」、スーパーリーチCの変動表示時間については他のスーパーリーチA,Bの変動表示時間よりも長い「18sec」となっている。例えば、主制御装置162からのコマンドに付与された変動表示時間に関する情報が「15sec」である場合には、報知・演出制御装置142にてノーマルリーチBを実行すべき旨が把握されることとなる。
なお、大当たり結果に対応する遊技回では、スーパーリーチC > スーパーリーチB > スーパーリーチA > ノーマルリーチB > ノーマルリーチA の順に選択されやすくなるようになっており、外れ結果に対応する遊技回では、完全外れ > ノーマルリーチA > ノーマルリーチB > スーパーリーチA > スーパーリーチB > スーパーリーチC の順に選択されやすい構成となっている。つまり、変動表示時間が長くなるにつれて大当たりの当選期待度が高くなる設定となっている。
ここで、図35(b1)を参照してノーマルリーチA,Bの変動表示態様について説明する。ノーマルリーチA,Bが選択された場合には、先ず停止表示されている全ての図柄列の変動表示(スクロール表示)を開始し、その後、上段の図柄列において図柄の変動表示を終了し(停止表示させ)、さらに下段の図柄列において図柄の変動表示を終了する(停止表示させる)。このようにして上下の図柄列を停止表示した状態において、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された主図柄が停止表示されることでリーチラインが形成される。そして、当該リーチラインが形成されている状況下において中段の図柄列の変動表示が行われることでリーチ表示(リーチ変動表示)となる。リーチ表示となった後、中段の図柄列を停止表示することにより、変動表示が終了する。そして、リーチライン上に当該リーチ表示を構成している図柄と同一の図柄が停止することで大当たりに当選した旨が報知され、同リーチライン上にそれ以外の図柄が停止することで大当たりに当選していない旨が報知されることとなる。このようにして、最終停止表示された図柄の組み合わせについては所定期間に亘ってそのまま維持される。つまり、停止表示期間が経過するまでは今回の遊技回が続いており、当該停止表示期間が経過することにより次の遊技回への移行が許容されることとなる。
本実施の形態においてはリーチラインが形成された後の中図柄列の変動表示時間に差を設定することにより、ノーマルリーチAとノーマルリーチBとの変動表示時間の差が確保されているが、両者の差の設定の仕方については任意である。例えば、変動表示が開始されてからリーチラインが形成されるまでの時間に差を設定することにより、上記変動表示時間の差を確保することも可能である。
次に、上述したノーマルリーチA,Bの変動表示態様を踏まえてスーパーリーチA,B,Cの変動表示態様について説明する。図35(b2)〜(b4)に示すように、スーパーリーチA,B,Cについては、ノーマルリーチA,Bと同様の過程を経て上述したリーチラインを形成する。そして、リーチラインを形成した後、中図柄列の変動表示に併せて、所定のキャラクタを動画として表示することによりリーチ演出を行う構成となっている。具体的には、スーパーリーチAにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に妖精を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチBにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に男の子を模したキャラクタが表示され、スーパーリーチCにおいてはリーチラインが形成された後、中図柄列の変動表示領域の中央(変動表示領域MEの中央)に女の子を模したキャラクタが表示されることとなる。
ここで、完全外れに対応した演出パターンはカットイン等の付加演出の有無等によって演出パターン1〜演出パターン10に大別される。これらの演出パターンでは、音源データとしてBGM#1が使用される点では共通であるものの、効果音の出力の有無や出力タイミング等が異なっている。
同様に、ノーマルリーチAに対応した演出パターンは音源データとしてBGM#2が使用される点では共通であるものの効果音の出力の有無や出力タイミング等によって演出パターン11〜演出パターン20に大別され、ノーマルリーチBに対応した演出パターンは音源データとしてBGM#3が使用される点では共通であるものの効果音の出力の有無や出力タイミング等によって演出パターン21〜演出パターン30に大別され、スーパーリーチAに対応した演出パターンは音源データとしてBGM#3が使用される点では共通であるものの効果音の出力の有無や出力タイミング等によって演出パターン31〜演出パターン40に大別され、スーパーリーチBに対応した演出パターンは音源データとしてBGM#4が使用される点では共通であるものの効果音の出力の有無や出力タイミング等によって演出パターン41〜演出パターン50に大別され、スーパーリーチCに対応した演出パターンは音源データとしてBGM#5が使用される点では共通であるものの効果音の出力の有無や出力タイミング等によって演出パターン51〜演出パターン60に大別されている。
RAM814の演出パターン記憶エリア833には、これら演出パターン1〜演出パターン60のうち何れかを示す情報が記憶されることとなる。演出パターン記憶エリア833においては演出パターンを示す情報を時系列順に複数記憶可能となっており、MPU812においては現在及び過去の演出パターンを特定可能となっている。なお、記憶可能な情報の数については、音声操作の受付時間(有効時間)と演出の総実行時間とを比較した場合に、前者よりも後者の方が長くなるように設定されている。具体的には、詳細については後述するが音声操作の受付時間は5secとなっており、1遊技回の最短時間は2secとなっている。このような事情から、記憶数は上限が「3」となるように設定されている。
報知・演出制御装置142のMPU812では、定期処理の一環として音声操作用処理が実行される。音声操作用処理は、操作モードを音声操作モード/通常操作モード(手動操作モード)に切り替える操作モード切替処理(ステップS1201)と、マイクロフォン711から音声データを取得するデータ取得処理(ステップS1202)と、取得した音声データから音声認識を行う音声判定用処理(ステップS1203)と、音声判定の判定結果に基づく操作対応処理(ステップS1204)とで構成されている(図36参照)。
ここで、図37のフローチャートを参照して、操作モード切替処理について説明する。操作モード切替処理においては先ず、ステップS1301にて音声操作モードとなっているか否かを判定する。具体的には、RAM814の各種フラグ格納エリア831に音声操作モードフラグが格納されているか否かを判定する。ステップS1301にて否定判定をした場合にはステップS1302に進む。
ステップS1302では、音声操作スイッチ751からの信号に基づいて音声操作モードの開始操作が行われたか否かを判定する。ステップS1302にて否定判定をした場合には、そのまま本操作モード切替処理を終了する。ステップS1302にて肯定判定をした場合には、ステップS1303に進む。ステップS1303では、音声操作モードへの切替処理を実行する。音声操作モードへの切替処理においてはRAM814の各種フラグ格納エリア831に音声操作モードフラグを格納する。
ステップS1301の説明に戻り、当該ステップS1301にて肯定判定をした場合には、ステップS1304に進む。ステップS1304では音声操作モードの終了条件が成立したか否かを判定する。音声操作モードの終了条件としては、(1)音声操作が完了したこと、(2)音声操作スイッチ751が再び操作されたこと(解除操作)が設定されている。ステップS1304にて否定判定をした場合には、そのまま操作モード切替処理を終了する。ステップS1304にて肯定判定をした場合には、ステップS1305に通常操作モードへの切替処理を実行する。通常操作モードへの切替処理においては、RAM814の各種フラグ格納エリア831に格納されている音声操作モードフラグを消去する。
ここで、図38の概略図を参照して、音声操作モードにおける音声操作の流れについてその概要を説明する。
報知・演出制御装置142のMPU812では、音声操作モードフラグが格納されていることに基づいて、表示画面94aに操作メニューを表示する(図38参照)。本実施の形態においては、操作メニューが(1)光量変更、(2)音量変更、(3)演出カスタマイズ、(4)履歴表示、(5)係員呼出の5つに分かれている。操作メニューを表示した後は、遊技者にメニューの選択を促すメッセージ(詳しくは「ピッと鳴ったらメニューを選択して下さい」)を表示し、操作受付を開始した旨を示す受付開始音をスピーカ部27から出力させる。その後は、音声操作の受付時間(詳しくは5sec)を経過するまでマイクロフォン711から音声データを取得し、受付時間の経過後に受付を終了した旨を示す受付終了音をスピーカ部27から出力する。そして、音声データから音声認識を行い、音声認識の結果に基づいて次のメニューを表示する。
例えば、遊技者が光量変更を選択した場合には、光量を低/中/高の3段階の何れとするかの選択を促すメッセージ(詳しくは「ピッと鳴ったら光量を選択して下さい」)を表示する。遊技者の要望を特定した場合には、それに応じて光量の変更を行う。そして、メニューを非表示とし、操作モードを音声操作モードに切り替える。
次に、図39(a)のフローチャートを参照して、ステップS1202のデータ取得処理について説明する。
データ取得処理においては先ず、ステップS1401にて音声操作の受付中であるか否かを判定する。ステップS1401にて否定判定をした場合には、ステップS1402に進む。ステップS1402では音声操作の受付開始タイミングであるか否かを判定する。なお、ステップS1402にて否定判定をした場合には、そのまま本データ取得処理を終了する。ステップS1402にて肯定判定をした場合には、ステップS1403に進む。ステップS1403では録音開始処理を実行する。具体的には、マイクロフォン711から取得した音声データをRAM814の収音データ記憶エリア834に記憶する。続くステップS1404では、今回の遊技回の演出パターンにおけるどの時点で録音を開始したかを示す情報として参照ポイントをRAM814の演出パターン記憶エリア833に記憶する。これにより、受付中に再生された演出音、詳しくはスピーカ部27,46へ出力された音声データを事後的に特定可能となる(図39(b)参照)
ステップS1401の説明に戻り、当該ステップS1401にて肯定判定をした場合、すなわち音声操作の受付中である場合には、ステップS1405に進む。ステップS1405では受付時間を経過したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1405にて否定判定をした場合には、そのまま本データ取得処理を終了する。ステップS1405にて肯定判定をした場合には、ステップS1406にて録音終了処理を実行する。なお、収音データ記憶エリア834に記憶されている音声データについては、ステップS1203の音声判定用処理が実行されるまで記憶保持される。
次に、図40(a)のフローチャートを参照して、ステップS1203の音声判定用処理について説明する。
音声判定用処理においては先ず、ステップS1501にてマイクロフォン711を用いた音声データの取得を完了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS1501にて否定判定をした場合には、ステップS1502に進む。ステップS1502では録音中(受付中)にスピーカ部27,46から出力された演出音(BGM及び効果音)を特定する。具体的には、RAM814の演出パターン記憶エリア833に記憶されている演出パターンを示す情報と、上記参照ポイントと、ROM813の音源データ記憶エリア823に記憶されている音源データとに基づいて、受付中にスピーカ部27,46から出力しようとした演出音をMPU812にて出力データとして再現する。
続くステップS1503では、ステップS1502にて再現した出力データを用いてフィルタ処理を実行する。具体的には、音声データと出力データとを対比することにより、音声データに含まれる演出音を特定し、これを除去する(図41参照)。より詳しくは、左側のマイクロフォン711Lに係る音声データと出力データとを対比することにより、左側のマイクロフォン711Lに係る音声データに含まれる演出音を除去し、右側のマイクロフォン711Rに係る音声データと出力データとを対比することにより、右側のマイクロフォン711Rに係る音声データに含まれる演出音を除去する。
続くステップS1504では、ステップS1503にてフィルタ処理を行った左側のマイクロフォン711Lに係る音声データと右側のマイクロフォン711Rに係る音声データとを対比し、予め定められている閾値を用いて両音声データの一致部分と相違部分とに分ける。上述したように、左側のマイクロフォン711Lの収音範囲CELと右側のマイクロフォン711Rの収音範囲CERとは、所定位置から遠くなる程ずれ(乖離)が大きくなるように構成されている。このため、各音声データに含まれるノイズについては明らかに相違することとなる。そこで、一致部分と相違部分とに分類し、一致部分のみを抽出する(図41参照)。
このような抽出を実行した後は、ステップS1505にて音声解析処理を実行する。音声解析処理では、遊技者の声から選択候補のうちどの候補が選択されたかを特定する。音声解析処理にて選択候補を特定した場合には、その特定結果に基づいて音声操作対応用の処理(ステップS1204)を実行する。例えば、遊技者が光量を下げる指示を行ったことを特定した場合には、図柄表示装置94やランプ部24等の光量の引き下げを行う。
以上詳述した第4の実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
パチンコ機等の遊技機には、カスタマイズ用の操作部を手動操作することにより、例えば音量や光量等の各種パラメータを遊技者が任意に調整可能な構成となっているものがある。この種の遊技機では、遊技者の様々なニーズへ対応することができるため、遊技者の満足度の向上に寄与できる。しかしながら、遊技中は遊技球発射ハンドル45や返却レバー42等の操作が必要になる等の事情によって他の操作部を操作することが困難になる場合がある。故に、例えば上述した調整機能等を備えるとしても、操作に係る遊技者の利便性の向上を図る上では未だその構成に改善の余地がある。ここで、本実施の形態に示す構成においては、マイクロフォン711により取得した音声データから遊技者の声(指示)を特定し(音声認識)、その声に基づいて所定の遊技処理が実行される構成となっている(以下、音声操作という)。このような音声操作が可能となれば、遊技者の利便性を飛躍的に向上させることができる。
但し、本実施の形態に示す遊技機においてはBGMや効果音等の各種演出音を付属のスピーカ部27,46から出力することで遊技の興趣向上が図られている。マイクロフォン711にてこのような演出音を拾った場合には、演出音が外乱(ノイズ)となって遊技者の声が紛れてしまう。これは、遊技者の声の識別を困難とする要因になる。このような事情によって音声認識が上手く行われなくなることは、音声操作機能の利用の妨げになると懸念される。この点、上述したように遊技機に予め記憶されている演出音の音源データを参照して、マイクロフォン711によって取得した音声データのフィルタリング等を行うことにより、音声認識の確からしさを向上させて、遊技者の利便性の向上に貢献できる。
また、このような構成では、出力中の演出音の音量を一時的に引き下げるといった所謂ミュート機能が不要となる。これは、遊技機の演出機能と音声操作機能との共存を図る上で好ましい。
予め設定された演出パターンに従って遊技演出が進行するタイプの遊技機においては、その演出パターンから出力対象となった音源データを特定することが可能である。そこで、演出パターンから音源データの絞り込みを行うことにより、音声データとの対比(例えばフィルタリング)を速やかに実行することができ、遊技者の声を識別する際の所要時間を短縮できる。これは、音声操作に係る応答性を向上させる上で好ましい。
特に、遊技演出の進行パターンにおけるどのタイミングから音声データの取得が開始されたかを特定する構成となっているため、音声データの対比にて必要になる音源データを正確且つ速やかに特定することができる。なお、この場合、音源データからスピーカへの出力データを再現することにより、記憶された音声データとの対比を適切に行うことができる。
本実施の形態に示す遊技機においては、抽選結果に対応した図柄組合せが図柄表示装置94の表示画面94aに表示され、当該表示画面94aが遊技者の顔の正面に位置するようにして設計されている。そこで、狭指向性のマイクロフォン711を収音範囲CEが表示画面94aの前方の所定位置SP(遊技者の口元を想定した位置)を通過するようにして配置することにより、遊技者の声を好適に取得することが可能となる。但し、狭指向性のマイクロフォン711については、狙った音(遊技者の声)を取得する上では有用であるものの、その特性上、マイクロフォン711が向いている先で外乱(ノイズ)となる音が様々に発生している状況下では、それらの音を拾う可能性を否定できない。そこで、本実施の形態においては、このようなマイクロフォン711を2つ併用し、両者の収音範囲CEを所定位置SPにて交差させる構成としている。このようにして配置されたマイクロフォン711については、取得した音声データに共通となる部分(例えば遊技者の声)と非共通となる部分(例えば他の遊技機からの音)とが含まれる。このように一部共通する2つの音声データを併用して(例えば比較して)音声認識を行う構成とすれば、音声認識の精度を向上させることができ、音声操作の誤作動等を抑制して遊技者の利便性の向上に貢献できる。
左側のマイクロフォン711Lから取得した音声データと、右側のマイクロフォン711Rから取得した音声データとに共通する部分と非共通となる部分とが生じる。収音範囲CEL,CERが遊技者の口元付近で交差する構成となっている場合には、遊技者の声は両音声データにて含まれることとなる(共通となる)。そこで、これらの音声データを対比することで遊技者の声を識別する構成とすれば、音声認識の精度を好適に向上させることができる。より詳しくは、それらの音声データを対比して相対的に類似度の高い部分を特定し、その部分に基づいて遊技者の声を識別する構成とすれば、音声認識の精度を好適に向上させることができる。
音声データの比較等によって遊技者の声を識別する上では、各音声データに含まれる他の音(外乱)が大きく異なる方が好ましい。上述の如く遊技者の口元を狙って収音範囲CEを交差させる場合には、窓部22を挟んだ左右両側にマイクロフォン711を配設することにより、収音範囲CEの交差角度を大きくすることができる。これにより、各音声データに含まれる外乱を大きく異ならせることができるため、音声認識の精度を好適に向上させることができる。特に、遊技機前方へ膨出した部分(膨出部701)にマイクロフォン711を配置することで、収音範囲CEの交差角度を更に大きくすることができる。
狭指向性のマイクロフォン711を用いる場合には、遊技者の顔の向きが正面からずれることにより、各マイクロフォン711にて遊技者の声を上手く拾えなくなることが懸念される。そこで、この種のマイクロフォン711を用いる場合には、音声データを取得する場合に、図柄表示装置94の表示画面94aにて音声操作に関する情報を表示することにより、遊技者の顔の向きが正面からずれることを抑え、上記不都合の発生を抑制することができる。
なお、上述した第4の実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第4の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第4の実施の形態に対して適用してもよい。
<変形例1>
上記第4の実施の形態では、各音声データについてフィルタ処理を実行した後にそれらフィルタ適用後の音声データ同士を対比することで、音声データに含まれる遊技者の声を特定する構成とした。これを変更し、各音声データを対比して一致部分を抽出した後に、フィルタ処理を実行する構成としてもよい。
<変形例2>
上記第4の実施の形態では、音声操作の受付終了後に録音されている音声データに対応した出力データを作成する構成としたが、これに限定されるものではない。音声データの録音に並行して、報知・演出制御装置142からスピーカ部27,46に出力される出力信号を出力データとして記憶する構成とすることも可能である。このような構成とすれば、音声認識の応答性を向上させることができる。
<変形例3>
上記第4の実施の形態においては、左右のスピーカ部27から出力される演出音を共通とした上で(モノラル)、フィルタ用の出力データを左右の各マイクロフォン711に係る音声データで共通としたが、左右のスピーカ部27から出力される演出音に違いがある場合(ステレオ)には、マイクロフォン711の向きや収音範囲に応じて、フィルタ用の出力データをマイクロフォン711毎に個別とすることが好ましい。
なお、ステレオ型の音声出力を行う場合には、各スピーカから各マイクロフォンまでの距離を相違させることにより、各マイクロフォンにて取得される演出音に違いを生じさせることができる。これにより、各マイクロフォンに係る音声データの対比によって遊技者の声を識別する上で外乱となる演出音の混同を好適に抑制できる。
<変形例4>
ROM813の音源データ記憶エリア823に記憶されている音源データから作成された出力データと、スピーカ部27,46から出力された音をマイクロフォン711で拾った音声データとでは音量や取得される音域等に違いが生じ得る。そこで、音声操作が行われない状況下にて上記違いを特定する準備用の処理を実行し、その特定した情報に基づいてフィルタ用のデータ又は録音データを補正する構成としてもよい。これにより、一致部分/相違部分の判定精度の向上に寄与できる。
<変形例5>
上記第4の実施の形態では、マイクロフォン711を左右対称となるように配置したが、各マイクロフォン711の収音範囲CEが遊技者の口元を想定した所定位置を含むように設定され且つ異なる方向を向いているのであれば足り、2つのマイクロフォン711のを左右非対称となるように配置してもよい。例えば、左右のマイクロフォン711では高さ位置が相違する配置としてもよいし、一方のマイクロフォンを所定位置の上側且つ他方のマイクロフォンを所定位置の下側に配置してもよい。
<変形例6>
上記第4の実施の形態では、音声データに含まれるBGM及び効果音の両方を除去すべくフィルタリングを行ったが、フィルタリングによる除去すべき対象にこれら2つの演出音を含む必要は必ずしもなく、それら2つの演出音の少なくとも一方をフィルタリングによって除去する構成を否定するものではない。
<変形例7>
上記第4の実施の形態においては、通常遊技状態中に音声操作モードへ移行した場合に受付時間が複数の遊技回に跨ることを許容したが、受付時間が1の遊技回内に収まるように制限してもよい。このような構成とすれば、音声認識用の処理負荷を軽減し、音声認識の応答性の向上に寄与できる。
<第5の実施の形態>
本実施の形態においては、遊技者による音声操作が可能となっている点では上記第4の実施の形態と構成が一致しているものの、マイクロフォン711の配置が上記第4の実施の形態と相違している。以下、図42及び図43を参照して、本実施の形態における特徴的な構成を第4の実施の形態との相違点を中心に説明する。図42は第5の実施の形態におけるパチンコ機の正面図、図43はパチンコ機を側方から見た概略図である。
図42に示すように、前扉枠14にて窓部22の直下に位置する上側膨出部28の上面部にはマイクロフォン711が左右に並べて設けられている。これらマイクロフォン711は、上記第4の実施の形態と同様に狭指向性の収音手段であり、収音範囲CEがガラスパネル31の前方を通過するように上向きに配置されている。
左側のマイクロフォン711Lは上側膨出部28の左部分(操作ボタンユニット40の左側)に位置し、右側のマイクロフォン711Rは上側膨出部28の右部分(操作ボタンユニット40の右側)に位置している。左側のマイクロフォン711Lは、収音範囲CELが所定位置SPを含むように右側へ僅かに傾いており、右側のマイクロフォン711Rは収音範囲CERが所定位置SPを含むように左側へ僅かに傾いている。これにより、両収音範囲CEL,CERが所定位置SPにて交差し、所定位置SPから離れることで大きく乖離するように構成されている。
図43に示すように、窓部22の下方に位置する上側膨出部28については、窓部22の上方に位置するスピーカ部27よりも前側へ膨出しており、スピーカ部27は各収音範囲CEL,CERから外れている。これにより、マイクロフォン711がスピーカ部27からの演出音を拾いやすくなることを回避し、遊技者の声が演出音に紛れにくくしている。
図31に示したように、パチンコ機10が遊技ホールの島設備に設置された状態では、当該パチンコ機10の後方に他の遊技機が設置される可能性が高い。そこで、本実施の形態に示すように狭指向性のマイクロフォン711を天井を向くように(上向きとなるように)配置する構成とすれば、収音範囲CEに他の遊技機が入ることを回避できる。
但し、遊技ホールにおいては、天井部分に空調装置の送風口やスピーカ等が配設されていることがある。仮に収音範囲CEにそれら各種構成が位置している場合には、当該構成にて発生した音がマイクロフォン711に入力される可能性を否定できない。この点、遊技ホールの天井に近い位置では各収音範囲CEL,CERが大きく離れるため、同一の音源からのノイズが各マイクロフォン711に入力されることが好適に回避される。故に、各マイクロフォン711L,711Rに係る音声データを比較することで、上記ノイズによって音声認識の確からしさが損なわれることを好適に回避できる。
なお、上述した第5の実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記第5の実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記第5の実施の形態に対して適用してもよい。
<変形例1>
上記第5の実施の形態では、2つのマイクロフォン711R,711Lを窓部22の下方に設けられた上側膨出部28に配設したが、少なくとも遊技者の口元を想定した所定位置SPよりも下側に位置するのであれば、マイクロフォン711L,711Rの配設対象については任意である。
<変形例2>
上記第5の実施の形態ではマイクロフォン711を上向きとなるように配置することで、周辺の遊技機からの演出音がマイクロフォン711に入力されることを抑制したが、このような効果を発揮させる上では狭指向性のマイクロフォンを下向きとなるように配置することも可能である。例えば、前扉枠14にて窓部22よりも上側となる部分が遊技機前方に膨出している場合には(図9参照)、この膨出部分にマイクロフォンを配設するとよい。但し、この場合にも左右に並べて2つのマイクロフォンを併用することが好ましい。足元にはドル箱等が詰まれる場合があり、係員の作業音を拾う可能性があるからである。
<その他の実施の形態>
なお、上述した各実施の形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を個別に上記各実施の形態に対して適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて上記各実施の形態に対して適用してもよい。また、上記各実施の形態に示した各種構成の全て又は一部を任意に組み合わせることも可能である。この場合、組み合わせの対象となる各構成の技術的意義(発揮される効果)が担保されることが好ましい。実施の形態の組み合わせからなる新たな構成に対して以下の各構成を個別に適用してもよく、一部又は全部を組み合わせて適用することも可能である。
(1)上記各実施の形態では、上側膨出部28に「操作手段」としての操作ボタンユニット40を配設したが、遊技者が操作できる位置であれば操作ボタンユニット40の配置箇所については任意である。例えば、前扉枠14の下側膨出部に操作ボタンユニット40に相当する構成を配設することも可能である。
(2)上記第1〜第3の実施の形態では、エッジング加工によって導光板551,552や前壁部614に「光放出部」としての凹凸を形成したが、凹凸をどのようにして形成するかについては任意である。例えば、レーザー加工やモールド成形によって形成してもよいし、印刷によって形成してもよい。
(3)上記第4〜第5の実施の形態では、音声操作スイッチ751が操作されたことに基づいて音声操作モードに移行する構成としたが、これに限定されるものではない。例えば、音声操作モードへの移行を指示する所定の音声を取得した場合に音声操作モードへ移行する構成としてもよい。また、通常操作モード中であっても音声操作を可能としてもよい。
(4)上記第4〜第5の実施の形態では、マイクロフォン711L,711Rを複数併用したが、マイクロフォンの数については任意である。例えば、マイクロフォンの数を1つとしてもよい。
(5)上記各実施の形態では、報知・演出制御装置142と表示制御装置143とを別々に設けたが、これら各制御装置142,143の機能を統合した1の制御装置を設けてもよい。
(6)前扉枠14等に下皿34から排出(遊技者に返却)された遊技球を検知する検知センサを設け、報知・演出制御装置142ではこの検知センサからの検知情報に基づいて遊技球の排出数を特定する構成とし、排出数が遊技状態に応じて定められた基準数に達した場合に貯留箱の交換を遊技者に示唆する構成としてもよい。例えば、払い出された遊技球の数が所定数となっている状況下にて大当たり結果となった場合には、大当たり結果によって獲得される遊技球の数を上記所定数に加味したものが上記基準数に達することを条件として上記示唆を行う構成とするとよい。このような構成とすれば、時間的に余裕をもって貯留箱の交換を行うことが可能となり、遊技者の利便性を好適に向上させることができる。また、大当たり結果によって獲得される遊技球の数を上記所定数に加味しても上記基準数に到達しない場合には、上記示唆が回避される構成とすることで、貯留箱が中途半端に交換されることを抑制できる。
上記第3の実施の形態では、高頻度サポートモード中や開閉実行モード中は遊技者の注目が右ルートに向きやすい。そこで、右ルートの前壁部にて貯留箱の交換を示唆する(例えば、「箱を交換して下さい」等のメッセージを表示する)構成とするとよい。
また、遊技ホールにおいては、係員を呼び出して貯留箱の交換を依頼することができるが、開閉実行モードにおいては、遊技者の手が塞がる等して、呼び出し操作が難しくなる可能性がある。そこで、上記第4〜第5の実施の形態に示した構成との組合せにおいては、上記基準数に達した場合に、音声操作を有効化し、遊技者に係員の呼び出しを行うか否かを尋ねる構成とすることで遊技者の利便性を飛躍的に向上させることができる。
なお、上記基準数については、貯留箱の大きさ等によって左右されるが、貯留箱の大きさについては遊技ホールの営業形態等によって様々になる。そこで、遊技ホールの係員や遊技者が基準数を設定可能とすることにより、上記示唆の確からしさを向上させることができる。
(7)上記各実施の形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物89が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも、本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
更に、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも本発明を適用できる。
<上記各実施の形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施の形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記実施の形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
下記の特徴A群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、遊技領域が形成された遊技盤と、遊技者による発射操作に基づいて当該遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段とを備えているものがある。遊技球発射手段から発射された遊技球が遊技領域に設けられた入球部へ入球することにより、所定数の遊技球の払い出し等の特典が遊技者に付与される。この種の遊技機においては、例えば入球部への入賞を契機として図柄の変動表示を行う図柄表示装置や図柄の変動表示に連動してBGM等の演出音を出力する音響装置を設け、それら各種装置にて遊技演出を実行することにより、遊技への注目度の向上が図られている(例えば特許文献1:特開2008−29764号公報参照)。」という背景技術について、「ここで、上述したタイプの遊技機においては、稼働が長期に亘る等した場合に時間の経過に伴った遊技への注目度の低下を抑制する上で、その構成に未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴A1.遊技機前方から視認可能となるようにして配設されたシール部材(シール部材450)を備えている遊技機であって、
前記シール部材の接着面(接着面452)における所定領域(例えば「PUSH」の文字との重なりが回避されている範囲)には、接着剤が塗布された塗布領域(塗布領域GE)及び前記接着剤が塗布されていない非塗布領域(非塗布領域NE)の何れかによって絵柄及び文字の少なくとも一方を含む所定情報(「長押1分」の文字)が形成されており、
前記接着剤の変化(例えば透明度の変化)により前記所定情報の目視による識別が容易となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、時間の経過に伴う接着剤の変化(劣化)によって接着剤の塗布領域と非塗布領域とで見た目の差が大きくなる。これにより、目視による所定情報の識別が容易となる。つまり、それまで隠されていた所定情報が、ある程度の時間を経過することで遊技者の目につきやすくなる(公開される)。このようにして、所定情報(例えば遊技に関する情報)が事後的に公開される構成とすれば、導入からある程度の時間が経過した場合であっても遊技機の新鮮味の低下を抑えることができる。これにより、長期稼働となった遊技機への注目度の低下を抑制できる。
特徴A2.前記接着剤は、時間の経過に伴って色及び透明度の少なくとも何れかが変化する構成となっていることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
接着剤が変色等して見栄えが変化することは、遊技機が古くなっている等の印象を遊技者に与える要因になり得る。これは、長期稼働等において遊技機に対する注目度の低下を抑制する上で好ましくない。この点、特徴A1に示した技術的思想を適用すれば、すなわち時間の経過に伴って接着剤の色の種類、濃淡、透明度等が変化する点を逆手にとって当該変化を利用すれば、そのような変化が単なる劣化であるとの印象を与えにくくすることができる。これにより長期稼働の遊技機が古びた印象となることを抑制できる。
特徴A3.前記接着剤は、遊技機の製造当初は前記塗布領域及び前記非塗布領域の外観の差がないと遊技者に認識されるように構成されており、
時間の経過に伴って前記接着剤の外観が変化することにより、前記所定領域に前記所定情報が出現するように構成されていることを特徴とする特徴A1又は特徴A2に記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、遊技機の製造当初(導入当初)は上記所定情報を目につかないように隠し、製造からある程度の時間が経過した場合に所定情報が出現することとなる。このように、初期は所定情報を積極的に隠す構成とすることにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A4.前記接着剤は、透明性を有し、少なくとも製造当初は前記塗布領域と前記非塗布領域との境界の識別が困難となっており、当該接着剤の劣化によって透明性が低下した状態となることにより前記塗布領域と前記非塗布領域との境界が視認容易となるように構成されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A3のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、遊技機の製造当初(導入当初)は上記所定情報を目につかないように隠し、製造からある程度の時間が経過した場合に所定情報が出現することとなる。このように、初期は所定情報を積極的に隠す構成とすることにより、特徴A1等に示した効果を好適に発揮させることができる。
特徴A5.前記接着剤は、透明性を有し、
前記シール部材は、当該シール部材を通じて当該シール部材の背後を視認可能となるように構成されていることを特徴A1乃至特徴A4のいずれか1つに記載の遊技機。
シール部材を通じてその背後(例えば取付対象)を視認可能な構成によれば、遊技者の目がシール部材側へ向く機会を増やすことができる。これにより、所定情報の識別が容易となったにも関わらず当該所定情報が見逃されるといった不都合を抑制できる。
また、背後を視認可能とする場合には、経時劣化によって透明性が低下することは遊技機の見栄えを低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示す構成に特徴A1等に示した技術的思想を適用すれば、接着剤の透明性が低下することが単なる劣化とは異なる意味を持つこととなり、遊技者の注目度の向上に寄与できる。
特徴A6.前記接着面にて前記所定情報が形成されている部分と前記所定情報が形成されていない部分とは面積が異なっており、
前記所定情報が形成されている部分及び前記所定情報が形成されていない部分のうち面積の大きい方を前記塗布領域とし且つ面積の小さい方を前記非塗布領域としていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A5のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、所定情報を形成する上で接着剤の塗布領域を極力大きくすることができる。これにより、シール材の貼り付け機能が低下して接着対象からの浮き上がり等が発生することを好適に抑制できる。
特徴A7.前記接着面にて前記所定情報が形成されている部分は、前記所定情報が形成されていない部分よりも面積が小さくなっており、
前記所定情報が形成されている部分は、前記非塗布領域となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、所定情報を形成する上で接着剤の塗布領域を極力大きくすることができる。これにより、シール材の貼り付け機能が低下して接着対象からの浮き上がり等が発生することを好適に抑制できる。
特徴A8.前記所定領域は、前記シール部材の外縁部分から離れていることを特徴とする特徴A7に記載の遊技機。
特徴A8によれば、シール部材の外縁部分を接着剤の塗布領域とすることができる。これは、シール部材の剥がれ等を抑制する上で好ましい。
特徴A9.前記接着面にて前記所定情報が形成されている部分は、前記所定情報が形成されていない部分よりも大きくなっており、
前記所定情報が形成されている部分は、前記塗布領域となっていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A6のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、所定情報を形成する上で接着剤の塗布領域を極力大きくすることができる。これにより、シール材の貼り付け機能が低下して接着対象からの浮き上がり等が発生することを好適に抑制できる。
特徴A10.前記シール部材は、遊技機外部への露出が回避された箇所に収容されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A9のいずれか1つに記載の遊技機。
例えば接着剤の変化(劣化)については遊技機が設置されている環境によって左右されやすい。このような差によって所定情報が提示されるタイミングに大きな差が生じることは好ましくない。そこで、本特徴に示すようにシール部材が外部に晒されることを回避することにより、設置された環境による差を緩和し、所定情報が提供されるタイミングに大きな差が生じることを抑制できる。
特徴A11.所定の実行条件が成立した場合に所定の演出用処理を実行する演出用処理実行手段を備え、
前記所定情報は、前記所定の実行条件を示す情報であることを特徴とする特徴A1乃至特徴A10のいずれか1つに記載の遊技機。
本特徴に示す構成によれば、遊技機の導入からある程度の時間が経過して接着剤の変化(劣化)が進むと、シール部材に所定情報が出現し、この所定情報に従って所定の実行条件を成立させることにより所定の演出用処理が実行される。このような構成とすれば、ある程度の時間が経過したタイミングにて遊技機の挙動を変化させることができる。これは、遊技者の注目度の低下を抑制する上で好ましい構成である。
特徴A12.前記所定情報は、前記シール部材における印刷範囲との重なりが回避される位置に配設されていることを特徴とする特徴A1乃至特徴A11のいずれか1つに記載の遊技機。
シール部材には装飾等の印刷が施されていることが一般的である。そこで、特徴A1に示したように所定情報を出現させる場合には、その出現位置を印刷範囲から外すことにより、印刷された装飾の見栄えが低下することを抑制できる。
特徴A13.遊技機前方から視認可能となるようにして配設されたシール部材(シール部材450)を備えている遊技機であって、
前記シール部材の接着面(接着面452)における所定領域(例えば「PUSH」の文字との重なりが回避されている範囲)には、接着剤が塗布された塗布領域(塗布領域GE)及び前記接着剤が塗布されていない非塗布領域(非塗布領域NE)の何れかによって絵柄又は文字が形成されており、
前記接着剤の変化(例えば透明度の変化)により目視による前記絵柄又は前記文字の識別が容易となるように構成されていることを特徴とする遊技機。
特徴A1によれば、時間の経過に伴う接着剤の変化(劣化)によって接着剤の塗布領域と非塗布領域とで見た目の差が大きくなる。これにより、所定領域における絵柄又は文字の識別性が高くなる。つまり、それまで隠されていた絵柄又は文字が、ある程度の時間を経過することで遊技者の目につきやすくなる。このようにして、絵柄又は文字が出現させる構成とすれば、遊技機の見栄えを変化させることができる。故に、遊技機への注目度の低下を抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技機前方から視認可能となるようにして配設されたシール部材(シール部材450)を備えている遊技機であって、前記シール部材の接着面(接着面452)における所定領域(例えば「PUSH」の文字との重なりが回避されている範囲)には、接着剤が塗布された塗布領域(塗布領域GE)及び前記接着剤が塗布されていない非塗布領域(非塗布領域NE)の何れかによって装飾が形成されており、前記接着剤の変化(例えば透明度の変化)により目視による前記装飾の識別が容易となるように構成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴A14.遊技機前方から視認可能となるようにして配設され、遊技に関する情報を表示する表示部(操作ボタンユニット40)を備えている遊技機であって、
前記表示部に表示される前記情報の目視による識別性を時間の経過に伴って高める識別性可変手段を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A14によれば、時間の経過に伴って目視による情報の識別が容易となる。このような構成では、例えば遊技機の導入当初は情報を隠しておき、導入からある程度の時間が経過することで当該情報を公開させることができる。これにより、長期稼働等に起因した飽きを抑制させることができる。
<特徴B群>
下記の特徴B群に記載された発明は、「パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、遊技機前方から視認可能となる部位に配され、遊技の進行に伴って表示態様が変化する発光部や表示部等の演出装置が設けられているものがある。これら演出装置には、遊技進行等に応じて表示態様を様々に変化させることで遊技中の演出効果を高める機能が付与されている(例えば特許文献1:特開2004−24447号公報参照)。」という背景技術について、「しかしながら、上述した演出装置を用いて演出効果を高めようとしても、その多くは似かよったものになりやすく、表示演出の見栄え等の向上によって遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴B1.遊技進行に伴って発光表示を行う発光表示手段(前面パネル506、発光基板560及び報知・演出制御装置142)を備え、
前記発光表示手段は、
光透過性を有し、絵及び文字の少なくとも何れかを含む装飾(絵柄553a)が形成された面状の装飾体(装飾シート553)と、
光透過性を有し、前記装飾体の一方の面部に対向して設けられた面状の第1導光体(導光板551)と、
光透過性を有し、前記装飾体の他方の面部に対向して設けられた面状の第2導光体(導光板552)と、
前記第1導光体の端面へ光を供給する第1発光部(第1発光部561)と、
前記第2導光体の端面へ光を供給する第2発光部(第2発光部562)と、
前記第1発光部及び前記第2発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置142)と
を有し、
前記第1導光体には、当該第1導光体にて前記装飾体側とは反対を向いている板面に形成され、前記第1発光部から供給され当該第1導光体内にて反射する光を透過させて又は乱反射させて放出する第1光放出部(光放出部551a)が形成されており、
前記第2導光体には、当該第2導光体にて前記装飾体側を向いている板面に形成され、前記第2発光部から供給され当該第2導光体内にて反射する光を透過させて又は乱反射させて放出する第2光放出部(光放出部552a)が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴B1によれば、一組の導光体とその間に配設された装飾体とを併用することにより、例えば導光体と装飾体との連携表示や各構成による個別表示を実行することができる。これにより、装飾を有する発光表示手段の表示機能の多様化に貢献できる。
なお、本特徴に示す構成を「遊技進行に伴って発光表示を行う発光表示手段(前面パネル506、発光基板560及び報知・演出制御装置142)を備え、前記発光表示手段は、絵柄(絵柄553a)を表示する面状の絵柄表示部(装飾シート553)と、光透過性を有し、前記絵柄表示部の一方の面部に対向して設けられた面状の第1導光部(導光板551)と、光透過性を有し、前記絵柄表示部の他方の面部に対向して設けられた面状の第2導光部(導光板552)と、前記第1導光部の端面へ光を供給する第1発光部(第1発光部561)と、前記第2導光部の端面へ光を供給する第2発光部(第2発光部562)と、前記第1発光部及び前記第2発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置142)とを有し、前記第1導光部には、当該第1導光部にて前記絵柄表示部側とは反対を向いている板面に形成され、前記第1発光部から供給され当該第1導光部内にて反射する光を透過させて又は乱反射させて放出する第1光放出部(光放出部551a)が形成されており、前記第2導光部には、当該第2導光部にて前記絵柄表示部側を向いている板面に形成され、前記第2発光部から供給され当該第2導光部内にて反射する光を透過させて又は乱反射させて放出する第2光放出部(光放出部552a)が形成されていることを特徴とする遊技機。」とすることも可能である。
特徴B2.前記装飾体の厚さは、前記第1導光体及び前記第2導光体よりも薄くなっており、
前記装飾体は、前記第1導光体と前記第2導光体とによって挟み込まれていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
例えば装飾体をシート状にする等して薄型化を図ることは、発光表示手段の配置自由度を向上させる上で好ましい。しかしながら、このような構成では、装飾体に歪み等が発生しやすくなる。これは、装飾の見栄えを低下させる要因になると懸念される。そこで、装飾体を導光板によって挟み込む構成とすれば、装飾体の薄型化を促進しつつも両導光体によって上記歪み等の変形を抑制できる。これにより、発光表示手段の薄型化に起因した見栄えの低下を回避することができる。
特徴B3.前記装飾体と前記第1導光体及び前記第2導光体とが当接しており、
前記装飾体の屈折率は、前記第1導光体及び前記第2導光体の屈折率よりも小さくなっていることを特徴とする特徴B1又は特徴B2に記載の遊技機。
例えば装飾体をシート状にする等して薄型化を図ることは、発光表示手段の配置自由度を向上させる上で好ましい。しかしながら、このような構成では、装飾体に歪み等が発生しやすくなる。これは、装飾の見栄えを低下させる要因になると懸念される。そこで、装飾体を導光板によって挟み込む構成とすれば、装飾体の薄型化を促進しつつも両導光体によって上記歪み等の変形を抑制できる。これにより、発光表示手段の薄型化に起因した見栄えの低下を回避することができる。
ここで、導光体と装飾体とを当接させている場合には、導光体へ供給された光が当接箇所を通じて装飾体へ移ることで光漏れが生じ得る。これは、光放出部への光の供給効率を低下させる要因になると懸念される。この点、本特徴に示すように、装飾体の屈折率を導光体の屈折率よりも小さくすることにより、サンドイッチ構造による上記効果を享受しつつ、それに起因した光の供給効率の低下を好適に抑制できる。
特徴B4.前記装飾体と前記第1導光体及び前記第2導光体との間には隙間が形成されていることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B4に示すように、装飾体と各導光体との間に隙間を確保することにより、導光体へ供給された光が装飾体を通じて漏れることを抑制できる。これにより、導光体の間に装飾体を介在させる構成であっても、光放出部への光の供給効率が低下することを好適に抑制できる。
特徴B5.前記第1導光体は、前記第1導光体、前記第2導光体及び前記装飾体の並び方向にて前記第1光放出部の少なくとも一部が前記装飾体の前記装飾と重なるように形成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B5によれば、第1導光体の第1光放出部から光が放出されることにより、その背後に位置する装飾の視認性が低下することとなる。つまり、疑似的に装飾を目立ちにくくさせることができる。このように、第1光放出部からの光を利用して、装飾の視認性を調整可能となれば、常駐タイプの装飾であっても遊技状況等によって視認が容易な状態と視認が困難な状態を作り出すことができる。
特徴B6.前記第1光放出部は、前記第1導光体において前記第1導光体、前記第2導光体及び前記装飾体の並び方向にて前記装飾体の前記装飾と重なる部分及び重なりが回避される部分の両方に形成されていることを特徴とする特徴B1乃至特徴B4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B6によれば、第1導光体の第1光放出部から光が放出されることにより、その背後に位置する装飾の視認性が低下することとなる。つまり、疑似的に装飾を目立ちにくくさせることができる。このように、第1光放出部からの光を利用して、装飾の視認性を調整可能となれば、常駐タイプの装飾であっても遊技状況等によって視認が容易な状態と視認が困難な状態を作り出すことができる。
ここで、第1光放出部全体が装飾部に合せて形成されている場合には、第1光放出部が発光している場合の発光模様についても装飾と大差がなくなる。これでは、表示態様の差が小さくなり、見た目の変化が陳腐化すると想定される。そこで、本特徴に示すように、第1導光体において装飾と重なる部分及び重なりが回避される部分の両方に第1光放出部を形成することにより、見た目を大きく変化させることができ、上記不都合の発生を抑制できる。
特徴B7.前記第2光放出部は、当該第2光放出部の一部が前記第1導光体、前記第2導光体及び前記装飾体の並び方向にて前記装飾体の前記装飾と重なる部分に形成されており、
前記装飾体は光透過性を有し、前記第2光放出部からの光が透過する構成となっており、
前記第2発光部から光が供給されている状態となることにより、当該第2光放出部の発光模様と前記装飾との組合せによって所定の絵柄が形成されることを特徴とする特徴B1乃至特徴B6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B7に示す構成によれば、第2光放出部から放出された光は装飾及びその周辺等を通過することとなる。このようにして、第2光放出部からの光と装飾とによって所定の絵柄を構成することにより、表示態様を変化させた場合のインパクトを強化できる。例えば、第2光放出部から光が放出されることで装飾が強調された所定の絵柄が形成される構成とするとよい。
特徴B8.前記発光制御手段は、
前記第1発光部を発光させ且つ前記第2発光部を消灯させる第1制御手段と、
前記第1発光部を消灯させ且つ前記第2発光部を発光させる第2制御手段と、
前記第1発光部及び前記第2発光部の両方を消灯させる第3制御手段と
を有していることを特徴とする特徴B1乃至特徴B7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴B8によれば、各発光部を消灯させて装飾単体での表示を行う表示態様と、第1発光部からの光によって装飾の視認性を低下させる表示態様と、第2発光部からの光によって装飾の視認性を高める表示態様とを切り替えることができる。
特徴B9.遊技領域(遊技領域PE)が形成された遊技盤(遊技盤ユニット80)を備えている遊技機であって、
遊技球が入球可能な受入状態と、当該受入状態よりも入球が困難な非受入状態とに切替可能な可変入球部(右可変入賞装置82bの有利入球部523)を有し、
前記装飾は、前記可変入球部を示す装飾であり、
前記第3制御手段は、前記可変入球部が前記非受入状態に維持されている場合に、前記第1発光部を発光させるようにして発光制御を行い、
前記第1制御手段は、前記可変入球部が前記受入状態に切り替わる場合に、前記第1発光部及び前記第2発光部を消灯させるようにして発光制御を行い、
前記第2制御手段は、前記可変入球部への入球が発生した場合に、前記第2発光部を発光させるようにして発光制御を行うことを特徴とする特徴B8に記載の遊技機。
可変入球部が受入状態となる場合には、第1発光部及び第2発光部が消灯することで当該可変入球部を示す装飾によって可変入球部を狙うべき状況であることを教示できる。可変入球部への入球が発生すると第2発光部が発光することにより、装飾及び第2光放出部によって所定の絵柄が表示される。これにより、可変入球部への入球が発生した旨が教示されることとなる。これに対して、可変入球部を狙うべき状況ではない場合には、第1発光部が発光することにより装飾の視認性が低下する。これにより、遊技者が可変入球部を狙うべき状況であると誤認することを抑制できる。
なお、以上詳述した特徴B群に特徴A群に示した技術的思想を適用することも可能である。
<特徴C群>
下記の特徴C群に記載された発明は、「パチンコ機やスロットマシン等の遊技機には、遊技機前方から視認可能となる部位に配され、遊技の進行に伴って表示態様が変化する発光部や表示部等の表示装置が設けられているものがある。これら表示装置には、遊技進行等に応じて表示態様を様々に変化させることで遊技中の演出効果を高める機能が付与されている(例えば特許文献1:特開2004−24447号公報参照)。」という背景技術について、「しかしながら、上述した表示装置を用いて演出効果を高めようとしても、その多くは似かよったものになりやすく、見栄え等の向上によって遊技への注目度を高める上で未だ改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴C1.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)とを備え、前記遊技領域における所定位置(例えば右可変入賞装置82b)へ遊技球を案内する案内通路(右ルートの案内通路601)を形成する案内通路形成部(センターフレーム95の通路形成部600)が設けられている遊技機であって、
前記案内通路形成部にて前記案内通路における前側の壁部を形成する前壁部(前壁部614)は光透過性を有し、前記案内通路を通過する遊技球を当該前壁部を通じて視認可能となっており、
前記前壁部の端部へ光を供給する発光部(発光基板650)と、
前記発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置142)と
を備え、
前記前壁部には、前記発光部から供給され当該前壁部内にて反射する光を透過させて又は乱反射させて遊技機前方へ放出する光放出部(光放出部623)が形成されていることを特徴とする遊技機。
特徴C1によれば、発光部からの光が案内通路の前壁部の端部に照射される。前壁部には導光機能が付与されており、当該発光部からの光は前壁部の光放出部から放出される。これにより、案内通路と重なる位置にて発光表示がなされる。このようにして案内通路用の前壁部を利用して発光表示を行う構成とすれば、案内通路を通過する遊技球の視認性を担保しつつ報知/演出等の表示領域を確保し、限られたスペースにて遊技球の流下領域と表示領域とを共存させることが可能となる。これにより、遊技への注目度の向上に寄与できる。
特徴C2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)とを備え、前記遊技領域における所定位置(例えば右可変入賞装置82b)へ遊技球を案内する案内通路(右ルートの案内通路601)を形成する案内通路形成部(センターフレーム95の通路形成部600)が設けられている遊技機であって、
前記案内通路形成部にて前記案内通路における前側の壁部を形成する前壁部(前壁部614)は光透過性を有し、前記案内通路を通過する遊技球を当該前壁部を通じて視認可能となっており、
前記前壁部の端部へ光を供給する発光部(発光基板650)と、
前記発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置142)と
を備え、
前記前壁部には、前記発光部から供給され当該前壁部内にて反射する光を透過させて又は乱反射させて遊技機前方へ放出する光放出部(光放出部623)が形成されており、
前記発光制御手段は、所定の遊技状態となっている場合に、前記発光部の発光態様を所定態様とすることにより、前記所定位置へ向けて遊技球を発射すべき状況であることを教示する教示手段(報知・演出制御装置142のMPU812にてルート表示制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C2によれば、発光部からの光が案内通路の前壁部の端部に照射される。前壁部には導光機能が付与されており、当該発光部からの光は前壁部の光放出部から放出される。これにより、案内通路と重なる位置にて発光表示(所定位置へ向けて遊技球を発射すべき状況であることの教示)が実行される。このようにして案内通路用の前壁部を利用して教示を行う構成とすれば、案内通路を通過する遊技球の視認性を担保しつつ教示用の表示領域を確保し、限られたスペースにて遊技球の流下領域と表示領域とを共存させることが可能となる。
また、遊技状態によって遊技者に有利な遊技球の発射先が変化する構成においては、遊技の単調化を抑制することができる反面、遊技への理解度の低さから投資が無駄に嵩む可能性がある。この点、本特徴に示す構成においては、教示内容が遊技球に隠れて見えづらくなることがない。このため、例えば所定の遊技状態の終了に伴って教示を終えたにも関わらず、それに気づかない遊技者が遊技球の発射を継続して投資が無駄に嵩むことを抑制できる。これは遊技の多様化を実現する上で好ましい構成である。
特徴C3.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、
遊技者の発射操作に基づいて前記遊技領域へ遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、
所定の移行条件が成立したことに基づいて遊技状態を通常よりも遊技者に有利な特別遊技状態(例えば開閉実行モード)へ移行させる遊技状態移行手段(主制御装置162のMPU802にて遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記遊技領域に設けられ、当該遊技領域を流下する遊技球が入球可能な受入状態及び入球が不可となる非受入状態に切替可能な入球部(右可変入賞装置82b)と、
前記特別遊技状態となっている場合に前記入球部を前記受入状態に切り替える切替手段(主制御装置162のMPU802にて開閉処理を実行する機能)と、
前記遊技領域にて前記入球部よりも上流側となる位置に設けられ、前記入球部へ遊技球を案内する案内通路(右ルートを構成する案内通路601)を形成する案内通路形成部(センターフレーム95の通路形成部600)と
を備え、
前記案内通路形成部にて前記案内通路における前側の壁部を形成する前壁部(前壁部614)は光透過性を有し、前記案内通路を通過する遊技球を当該前壁部を通じて視認可能となっており、
前記前壁部の端部へ光を供給する発光部(発光基板650)と、
前記発光部の発光制御を行う発光制御手段(報知・演出制御装置142)と
を備え、
前記前壁部には、前記発光部から供給され当該前壁部内にて反射する光を透過させて又は乱反射させて遊技機前方へ放出する光放出部(光放出部623)が形成されており、
前記発光制御手段は、前記特別遊技状態となっている場合に、前記発光部の発光態様を所定態様とすることにより、前記入球部へ向けた遊技球の発射を示唆する手段(報知・演出制御装置142のMPU812にてルート表示制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C3によれば、発光部からの光が案内通路の前壁部の端部に照射される。前壁部には導光機能が付与されており、当該発光部からの光は前壁部の光放出部から放出される。これにより、案内通路と重なる位置にて発光表示(所定位置へ向けて遊技球を発射すべき状況であることの教示)が実行される。このようにして案内通路用の前壁部を利用して教示を行う構成とすれば、案内通路を通過する遊技球の視認性を担保しつつ教示用の表示領域を確保し、限られたスペースにて遊技球の流下領域と表示領域とを共存させることが可能となる。
また、遊技状態によって遊技者に有利な遊技球の発射先が変化する構成においては、遊技の単調化を抑制することができる反面、遊技への理解度の低さから投資が無駄に嵩む可能性がある。この点、本特徴に示す構成においては、教示内容が遊技球に隠れて見えづらくなることがない。このため、例えば所定の遊技状態の終了に伴って教示を終えたにも関わらず、それに気づかない遊技者が遊技球の発射を継続して投資が無駄に嵩むことを抑制できる。これは遊技の多様化を実現する上で好ましい構成である。
特徴C4.前記光放出部は、凹凸状をなしており、前記前壁部にて前記案内通路を形成している側とは反対側の壁面に形成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C3のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C4によれば、案内通路を通過する遊技球と光放出部との干渉を回避できる。これは、光放出部の保護と、案内通路を通過する遊技球の挙動の安定化とを実現する上で好ましい。
特徴C5.前記光放出部は凹凸状をなしており、
前記前壁部の前面側には、光透過性を有し所定の絵柄が形成された装飾部が設けられており、
前記装飾部によって前記光放出部が覆われており、前記光放出部から放出された光は前記所定の絵柄を通過する構成となっていることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
光放出部を装飾部(所定の絵柄)によって覆い、光放出部からの光が所定の絵柄を通過する構成とすれば、所定の絵柄を発光させることができ、前壁部における表示の見栄えを好適に向上させることができる。また、装飾部によって光放出部が保護されるため、例えば清掃等のメンテナンス作業の際に作業者が光放出部に触れることを回避できる。故に、表示機能の追加によって作業効率が低下することを抑制できる。
特徴C6.前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)を備え、前記扉体に配設された透明パネル(ガラスパネル31)を通じて前記遊技領域が視認可能となっている遊技機であって、
前記装飾部と前記透明パネルとの隙間は遊技球の直径寸法よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、遊技領域を流下する遊技球が装飾部に接触することを回避して、装飾部の保護に貢献できる。
特徴C7.前記装飾部における光の屈折率は、前壁部における光の屈折率よりも低くなるように構成されていることを特徴とする特徴C5又は特徴C6に記載の遊技機。
特徴C1等に示したように前壁部を導光部として利用する構成においては、装飾部の屈折率を前壁部の屈折率よりも低くすることにより、光放出部から外れた位置にて前壁部から装飾部への光漏れが生じることを抑制できる。これにより、所定の絵柄に対応した箇所(光放出部)へ届く光の量が少なくなることを抑制できる。
特徴C8.前記案内通路形成部は、前記前壁部の端部が前記案内通路の側壁部の前方へ延出しており、
前記案内通路の側壁部と前記前壁部との境界部分において、少なくとも前記発光部と前記光放出部との間となる部分には、隙間(スリット618)が形成されていることを特徴とする特徴C1乃至特徴C7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C1等に示したように発光部からの光が前壁部の端部へ供給される構成においては、仮に前壁部を通過する光が側壁部へ漏れると光放出部への光の供給効率が低下する。そこで、側壁部と前壁部との間にスリット等の隙間(例えば空隙)を形成することで、そのような漏れを軽減して光の供給効率の向上に貢献できる。
特徴C9.前記隙間は、遊技球が通過不可となる大きさであることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
案内通路を形成している壁部間の隙間が大きくなってしまった場合には、当該隙間から遊技球のこぼれ等が発生し得る。これでは、案内通路における遊技球の案内機能が上手く発揮されなくなる。そこで、特徴C7に示した隙間については遊技球が通過不可となる大きさいに制限することが好ましい。
特徴C10.前記光放出部は、前記案内通路の通路方向に複数配設されており、
前記発光部は、前記通路方向に配設された複数の発光体(発光体651)を有してなることを特徴とする特徴C1乃至特徴C9のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴C10によれば、各光放出部へ光を供給する上で、供給経路が過度に長くなる等して発光レベルに差が生じることを抑制できる。これは、表示する所定の絵柄の数等を増やして表現力を強化する上で好ましい。
特徴C11.前記案内通路は、前記遊技領域の外側に凸となるようにして湾曲しており、
前記発光部は、前記案内通路に対して外側となる位置に配設されていることを特徴とする特徴C10に記載の遊技機。
特徴C10に示したように通路方向に発光体を並べて配置することで表現力の強化を実現する上では、本特徴に示すように湾曲外側に発光部を配設することにより湾曲内側に発光部を配設する場合と比べて発光体の配置自由度を高くすることができる。これにより、複数の発光体を併用した表現力の強化に好適に寄与できる。
特徴C12.前記案内通路を通過する遊技球の通過速度が所定速度となるように規定する規定部(返し部材93及び突起617)を備え、
前記発光制御手段は、複数の前記発光体のうち発光対象とするものをシフトさせるシフト手段(MPU812にてシフト処理を実行する機能)を有し、
前記シフト手段によるシフト速度は、前記所定速度と不一致となるように設定されていることを特徴とする特徴C10又は特徴C11に記載の遊技機。
特徴C12に示すように、発光態様のシフト速度と遊技球の通過速度とが不一致となるように構成すれば、発光絵柄の裏に遊技球が隠れる等して当該遊技球の視認が難しくなることを抑制できる。
なお、本特徴に示す構成を「前記案内通路を通過する遊技球の通過速度が所定速度となるように規定する規定部(返し部材93及び突起617)を備え、前記発光制御手段は、複数の前記発光体のうち消灯対象とするものをシフトさせるシフト手段を有し、前記シフト手段によるシフト速度は、前記所定速度と不一致となるように設定されていることを特徴とする特徴C10又は特徴C11に記載の遊技機。」とすることも可能である。
特徴C13.前記シフト手段によるシフト速度は、前記所定速度よりも速くなるように構成されていることを特徴とする特徴C12に記載の遊技機。
シフト速度を遊技球の通過速度よりも速くなるように工夫すれば、案内表示が遊技球によって追い越されることを抑制できる。これは、上述した教示機能を発揮させる上で好ましい。
なお、以上詳述した特徴C群に特徴A群〜特徴B群に示した技術的思想を適用することも可能である。
<特徴D群>
下記の特徴D群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1:特開2005−074175号公報参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技者の利便性の向上を図る上で未だその構成に改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴D1.遊技機前面部(前扉枠14)に配設されたマイクロフォン(マイクロフォン711)と、
前記マイクロフォンにより取得した音声データを記憶する音声データ記憶手段(報知・演出制御装置142のRAM814における収音データ記憶エリア834)と、
前記音声データ記憶手段により記憶された音声データに基づいて音声認識を行う音声認識手段(報知・演出制御装置142のMPU812における音声認識機能)と、
前記音声認識手段による音声認識の結果に基づいて所定の遊技処理(例えば光量調整)を実行する遊技処理実行手段(報知・演出制御装置142のMPU812にて操作対応処理を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
演出音(BGMや効果音)を出力可能なスピーカ(スピーカ部27,46)と、
前記演出音の音源データを記憶する音源データ記憶手段(報知・演出制御装置142のROM813における音源データ記憶エリア823)と、
前記音源データ記憶手段に記憶されている音源データに基づいて遊技進行に応じた演出音が出力されるように前記スピーカを制御する演出制御手段(報知・演出制御装置142のMPU812における変動中用処理等を実行する機能)と
を備え、
前記音声認識手段は、前記音声データ記憶手段により記憶されている音声データと、前記音源データ記憶手段に記憶されている音源データとに基づいて前記音声認識を実行することを特徴とする遊技機。
パチンコ機等の遊技機には、十字キー等の操作部を手動操作することにより、例えば音量や光量等の各種パラメータを遊技者が任意に調整可能な構成となっているものがある。この種の遊技機では、遊技者の様々なニーズへ対応することができるため、遊技者の満足度の向上に寄与できる。しかしながら、遊技中は遊技球発射ハンドル(遊技球発射ハンドル45)等の操作が必要になる等の事情によって他の操作部を操作することが困難になる場合がある。故に、例えば上述した調整機能等を備えているとしても、操作に係る遊技者の利便性の向上を図る上では未だその構成に改善の余地がある。ここで、本特徴に示す構成においては、マイクロフォンにより取得した音声データから遊技者の声(指示)を特定し(音声認識)、その声に基づいて所定の遊技処理が実行される構成となっている(以下、音声操作という)。このような音声操作が可能となれば、遊技者の利便性を飛躍的に向上させることができる。
但し、遊技機においてはBGMや効果音等の各種演出音を付属のスピーカから出力することで遊技の興趣向上が図られている。マイクロフォンにてこのような演出音を拾った場合には、演出音が外乱(ノイズ)となって遊技者の声が紛れてしまう。これは、遊技者の声の識別を困難とする要因になる。このような事情によって音声認識が上手く行われなくなることは、音声操作機能の利用の妨げになると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、遊技に予め記憶されている演出音の音源データを参照して、例えばマイクロフォンによって取得した音声データのフィルタリング等を行うことができる。これにより、音声認識の確からしさを向上させて、遊技者の利便性の向上に貢献できる。
また、このような構成では、出力中の演出音の音量を一時的に引き下げるといった所謂ミュート機能が不要となる。これは、遊技機の演出機能と音声操作機能との共存を図る上で好ましい。
特徴D2.遊技機前面部(前扉枠14)に配設されたマイクロフォン(マイクロフォン711)と、
前記マイクロフォンにより取得した音声データを記憶する音声データ記憶手段(報知・演出制御装置142のRAM814における収音データ記憶エリア834)と、
前記音声データ記憶手段により記憶された音声データに基づいて音声認識を行う音声認識手段(報知・演出制御装置142のMPU812における音声認識機能)と、
前記音声認識手段による音声認識の結果に基づいて所定の遊技処理(例えば光量調整)を実行する遊技処理実行手段(報知・演出制御装置142のMPU812における操作対応処理を実行する機能)と
を備えている遊技機であって、
演出音(BGMや効果音)を出力可能なスピーカ(スピーカ部27,46)と、
前記演出音の音源データを記憶する音源データ記憶手段(報知・演出制御装置142のROM813における音源データ記憶エリア823)と、
前記音源データ記憶手段に記憶されている音源データに基づいて遊技進行に応じた演出音が出力されるように前記スピーカを制御する演出制御手段(報知・演出制御装置142のMPU812にて音声出力用の処理を実行する機能)と、
前記音声認識手段により前記音声認識が実行される場合に、前記音源データ記憶手段に記憶されている音源データのうち前記音声データの取得中に出力された演出音に対応した音源データを前記演出制御手段による制御内容に基づいて特定する音源データ特定手段(報知・演出制御装置142のMPU812にて使用音源データを特定する機能)と
を備え、
前記音声認識手段は、前記音声データ記憶手段に記憶されている音声データと、前記音源データ特定手段により特定された音源データとに基づいて前記音声認識を実行することを特徴とする遊技機。
パチンコ機等の遊技機には、十字キー等の操作部を手動操作することにより、例えば音量や光量等の各種パラメータを遊技者が任意に調整可能な構成となっているものがある。この種の遊技機では、遊技者の様々なニーズへ対応することができるため、遊技者の満足度の向上に寄与できる。しかしながら、遊技中は遊技球発射ハンドル(遊技球発射ハンドル45)等の操作が必要になる等の事情によって他の操作部を操作することが困難になる場合がある。故に、例えば上述した調整機能等を備えるとしても、操作に係る遊技者の利便性の向上を図る上では未だその構成に改善の余地がある。ここで、本特徴に示す構成においては、マイクロフォンにより取得した音声データから遊技者の声(指示)を特定し(音声認識)、その声に基づいて所定の遊技処理が実行される構成となっている(以下、音声操作という)。このような音声操作が可能となれば、遊技者の利便性を飛躍的に向上させることができる。
但し、遊技機においてはBGMや効果音等の各種演出音を付属のスピーカから出力することで遊技の興趣向上が図られている。マイクロフォンにてこのような演出音を拾った場合には、演出音が外乱(ノイズ)となって遊技者の声が紛れてしまう。これは、遊技者の声の識別を困難とする要因になる。このような事情によって音声認識が上手く行われなくなることは、音声操作機能の利用の妨げになると懸念される。この点、本特徴に示す構成においては、遊技に予め記憶されている演出音の音源データを参照して、例えばマイクロフォンによって取得した音声データのフィルタリング等を行うことができる。これにより、音声認識の確からしさを向上させて、遊技者の利便性の向上に貢献できる。
また、このような構成では、出力中の演出音の音量を一時的に引き下げるといった所謂ミュート機能が不要となる。これは、遊技機の演出機能と音声操作機能との共存を図る上で好ましい。
特徴D3.遊技演出の進行パターンを決定する進行パターン決定手段(報知・演出制御装置142のMPU812にて演出パターンを決定する機能)を備え、
前記演出制御手段は、前記進行パターン決定手段により決定された進行パターンに従って前記演出音を出力させるものであり、
前記音源データ特定手段は、前記音声データの取得中に前記演出制御手段による出力対象となった音源データを前記進行パターン決定手段により決定された進行パターンに基づいて特定する構成となっていることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
特徴D3に示すように予め設定された演出パターンに従って遊技演出が進行するタイプの遊技機においては、その演出パターンから出力対象となった音源データを特定することが可能である。そこで、演出パターンから音源データの絞り込みを行うことにより、音声データとの対比(例えばフィルタリング)を速やかに実行することができ、遊技者の声を識別する際の所要時間を短縮できる。これは、音声操作に係る応答性を向上させる上で好ましい。
特徴D4.前記音源データ特定手段は、実行中の遊技演出における進行パターンにて前記音声データの取得が開始された開始タイミングを示すタイミング情報を記憶するタイミング情報記憶手段を有し、当該タイミング情報記憶手段によって記憶されたタイミング情報と前記進行パターン決定手段により決定された進行パターンとに基づいて対象となる音源データを特定する構成となっていることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、遊技演出の進行パターンにおけるどのタイミングから音声データの取得が開始されたかを特定可能となる。このような構成とすれば、音声データの対比にて必要になる音源データを正確且つ速やかに特定することができるため、音声操作に係る応答性の向上に寄与できる。
特徴D5.前記音声認識手段は、前記音源データ特定手段によって特定された音源データに基づいて前記音声データの取得中に前記スピーカに出力された出力データを再現する手段と、その再現された出力データと前記音声データとを対比によって音声データに含まれる演出音を識別する手段とを有していることを特徴とする特徴D2乃至特徴D4のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴D5に示すように、音源データからスピーカへの出力データを再現することにより、記憶された音声データとの対比を適切に行うことができる。
特徴D6.前記音源データと、当該音源データに対応する演出音が前記スピーカから出力され、当該演出音を前記マイクロフォンによって取得した音声データとの対応関係を示す対応関係情報を記憶する情報記憶手段を備え、
前記音声認識手段は、前記音声データ及び前記音源データの何れかを前記対応関係情報に基づいて補正する補正手段を有し、補正後のデータを用いて前記識別を行う構成となっていることを特徴とする特徴D5に記載の遊技機。
スピーカへ入力された出力データと、実際にスピーカから出力された音をマイクロフォンにて取得した音声データとの間には、個体差等の様々な要因によって違いが生じ得る。そこで、本特徴に示すように、そのような違いに合せてデータを補正することにより、音声認識の確からしさを向上させることができる。
特徴D7.前記演出制御手段によって前記演出音が出力されていない状況下にて、所定の音源データに対応する所定音を前記スピーカから出力させる手段と、前記所定音が出力されている場合に、前記マイクロフォンによって音声データを取得する手段と、それら音源データと音声データとを対比することにより前記対応関係情報を設定する手段とを備えていることを特徴とする特徴D6に記載の遊技機。
特徴D6に示したようにデータの補正を行う場合には、音源データと音声データとの関係を示す対応関係情報(例えば補正値)の確からしさが低下することで、補正結果の確からしさも低下する。そこで、このような対応関係情報を設定する上では、演出音が出力されていない状況下にて基準となる所定音をスピーカから出力させ、スピーカから出力された音をマイクロフォンにて取得する構成とすることで、上記懸念を払拭できる。
特徴D8.前記マイクロフォンとして、第1マイクロフォン(例えば左側のマイクロフォン711L)及び第2マイクロフォン(例えば右側のマイクロフォン711R)を有し、
前記情報記憶手段は、前記対応関係情報として、前記音源データと当該音源データに基づいて前記スピーカから実際に出力された演出音を前記第1マイクロフォンによって取得した音声データとの関係を示す第1情報と、前記音源データと当該音源データに基づいて前記スピーカから実際に出力された演出音を前記第2マイクロフォンによって取得した音声データとの関係を示す第2情報とを記憶する構成となっていることを特徴とする特徴D6又は特徴D7に記載の遊技機。
スピーカから出力された音がどのようにしてマイクロフォンに入力されるかは、スピーカとマイクロフォンとの位置関係等の様々な要因によって左右される。そこで、特徴D6等に示した補正を行う場合には、各マイクロフォンについて音源データと音声データとの関係を示す対応関係情報を個別に記憶する構成とすることにより、複数のマイクロフォンを併用して音声認識の確からしさを向上させるという効果を好適に発揮させることができる。
なお、以上詳述した特徴D群に特徴A群〜特徴C群に示した技術的思想を適用することも可能である。
<特徴E群>
下記の特徴E群に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面にて絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えているものがある。この種の遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口への入賞を契機として、当たり状態等の遊技者にとって有利な特定遊技状態を発生させるか否かの抽選が行われるとともに、絵柄の変動表示が開始される。抽選に当選した場合には、表示画面に特定の絵柄組合せ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特定遊技状態に移行する(例えば特許文献1:特開2005−074175号公報参照)。」という背景技術について、「上述したタイプの遊技機においては、遊技者の利便性の向上を図る上で未だその構成に改善の余地がある。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
特徴E1.絵柄を可変表示する絵柄表示手段(図柄表示装置94)が設けられた遊技機本体(内枠)と、当該遊技機本体を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)とを備え、前記扉体の中央に形成された視認部(ガラスパネル31)を通じて前記可変表示装置を視認可能となるように構成され、前記絵柄表示手段にて停止表示された絵柄組合せによって遊技に関する抽選結果が遊技者に報知される遊技機であって、
前記扉体に配設された狭指向性のマイクロフォン(マイクロフォン711)と、
前記マイクロフォンにより取得した音声データを記憶する音声データ記憶手段(報知・演出制御装置142のRAM814における収音データ記憶エリア834)と、
前記音声データ記憶手段により記憶された音声データに基づいて音声認識を行う音声認識手段(報知・演出制御装置142のMPU812における音声認識機能)と、
前記音声認識手段による音声認識の結果に基づいて所定の遊技処理(例えば光量調整)を実行する遊技処理実行手段(報知・演出制御装置142のMPU812における操作対応処理を実行する機能)と
を備え、
前記マイクロフォンとして第1マイクロフォン(例えば左側のマイクロフォン711L)及び第2マイクロフォン(例えば右側のマイクロフォン711R)を有し、
前記第1マイクロフォンの収音範囲(収音範囲CEL)と、前記第2マイクロフォンの収音範囲(収音範囲CER)とが前記視認部の前方となる所定位置(所定位置SP)にて交差していることを特徴とする遊技機。
パチンコ機等の遊技機には、十字キー等の操作部を手動操作することにより、例えば音量や光量等の各種パラメータを遊技者が任意に調整可能な構成となっているものがある。この種の遊技機では、遊技者の様々なニーズへ対応することができるため、遊技者の満足度の向上に寄与できる。しかしながら、遊技中は遊技球発射ハンドル(遊技球発射ハンドル45)等の操作が必要になる等の事情によって他の操作部を操作することが困難になる場合がある。故に、例えば上述した調整機能等を備えるとしても、操作に係る遊技者の利便性の向上を図る上では未だその構成に改善の余地がある。ここで、本特徴に示す構成においては、マイクロフォンにより取得した音声データから遊技者の声(指示)を特定し(音声認識)、その声に基づいて所定の遊技処理が実行される構成となっている(以下、音声操作という)。このような音声操作が可能となれば、遊技者の利便性を飛躍的に向上させることができる。
ここで、抽選結果に対応した絵柄組合せが絵柄表示手段にて停止表示されるタイプの遊技機については、当該絵柄表示手段が遊技者の顔の正面に位置するようにして遊技機が設計/配置されることが一般的である。そこで、狭指向性のマイクロフォンを収音範囲が視認部の前方の所定位置(遊技者の口元を想定した位置)を通過するようにして配置することにより、遊技者の声を好適に取得することが可能となる。但し、狭指向性のマイクロフォンについては、狙った音(遊技者の声)を取得する上では有用であるものの、その特性上、マイクロフォンが向いている先で外乱(ノイズ)となる音が様々に発生している状況下では、それらの音を拾う可能性を否定できない。そこで、本特徴においては、このようなマイクロフォンを2つ併用し、両者の収音範囲を視認部の前方にて交差させる構成としている。このようにして配置されたマイクロフォンについては、取得した音声データに共通となる部分(例えば遊技者の声)と非共通となる部分(例えば他の遊技機からの音)とが含まれる。このように一部共通する2つの音声データを併用して(例えば比較して)音声認識を行う構成とすれば、音声認識の精度を向上させることができ、音声操作の誤作動等を抑制して遊技者の利便性の向上に貢献できる。
特徴E2.遊技領域(遊技領域PE)が形成されている遊技盤(遊技盤ユニット80)と、前記遊技盤を遊技機前方から覆う扉体(前扉枠14)とを備え、前記扉体の中央に形成された視認部(ガラスパネル31)を通じて前記遊技領域が視認可能となるように構成された遊技機であって、
前記扉体に配設された狭指向性のマイクロフォン(マイクロフォン711)と、
前記マイクロフォンにより取得した音声データを記憶する音声データ記憶手段(報知・演出制御装置142のRAM814における収音データ記憶エリア834)と、
前記音声データ記憶手段により記憶された音声データに基づいて音声認識を行う音声認識手段(報知・演出制御装置142のMPU812における音声認識機能)と、
前記音声認識手段による音声認識の結果に基づいて所定の遊技処理(例えば光量調整)を実行する遊技処理実行手段(報知・演出制御装置142のMPU812における操作対応処理を実行する機能)と
を備え、
前記マイクロフォンとして第1マイクロフォン(例えば左側のマイクロフォン711L)及び第2マイクロフォン(右側のマイクロフォン711R)を有し、
前記第1マイクロフォンの収音範囲(収音範囲CEL)と、前記第2マイクロフォンの収音範囲(収音範囲CER)とが前記視認部の前方の所定位置(所定位置SP)にて交差していることを特徴とする遊技機。
パチンコ機等の遊技機には、十字キー等の操作部を手動操作することにより、例えば音量や光量等の各種パラメータを遊技者が任意に調整可能な構成となっているものがある。この種の遊技機では、遊技者の様々なニーズへ対応することができるため、遊技者の満足度の向上に寄与できる。しかしながら、遊技中は遊技球発射ハンドル(遊技球発射ハンドル45)等の操作が必要になる等の事情によって他の操作部を操作することが困難になる場合がある。故に、例えば上述した調整機能等を備えるとしても、操作に係る遊技者の利便性の向上を図る上では未だその構成に改善の余地がある。ここで、本特徴に示す構成においては、マイクロフォンにより取得した音声データから遊技者の声(指示)を特定し(音声認識)、その声に基づいて所定の遊技処理が実行される構成となっている(以下、音声操作という)。このような音声操作が可能となれば、遊技者の利便性を飛躍的に向上させることができる。
ここで、抽選結果に対応した絵柄組合せが可変表示手段にて停止表示されるタイプの遊技機については、当該可変表示手段が遊技者の顔の正面に位置するようにして遊技機が設計/配置されることが一般的である。そこで、狭指向性のマイクロフォンを収音範囲が視認部の前方の所定位置(遊技者の口元を想定した位置)を通過するようにして配置することにより、遊技者の声を好適に取得することが可能となる。但し、狭指向性のマイクロフォンについては、狙った音(遊技者の声)を取得する上では有用であるものの、その特性上、マイクロフォンが向いている先で外乱(ノイズ)となる音が様々に発生している状況下では、それらの音を拾う可能性を否定できない。そこで、本特徴においては、このようなマイクロフォンを2つ併用し、両者の収音範囲を視認部の前方にて交差させる構成としている。このようにして配置されたマイクロフォンについては、取得した音声データに共通となる部分(例えば遊技者の声)と非共通となる部分(例えば他の遊技機からの音)とが含まれる。このように一部共通する2つの音声データを併用して(例えば比較して)音声認識を行う構成とすれば、音声認識の精度を向上させることができ、音声操作の誤作動等を抑制して遊技者の利便性の向上に貢献できる。
特徴E3.前記音声認識手段は、前記第1マイクロフォンから取得した第1音声データと、前記第2マイクロフォンから取得した第2音声データとを対比することにより、遊技者の声を識別することを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
第1マイクロフォンから取得した第1音声データと、第2マイクロフォンから取得した第2音声データとに共通する部分と非共通となる部分とが生じる。収音範囲が遊技者の口元付近で交差する構成となっている場合には、遊技者の声は両音声データにて含まれることとなる(共通となる)。そこで、これらの音声データを対比することで遊技者の声を識別する構成とすれば、音声認識の精度を好適に向上させることができる。
特徴E4.前記音声認識手段は、
前記第1マイクロフォンから取得した第1音声データと前記第2マイクロフォンから取得した第2音声データとを対比することによりそれら第1音声データ及び第2音声データを第1部分と当該第1部分よりもデータ間の類似度の高い第2部分とに分類する手段と、
前記第2部分に基づいて遊技者の声を識別する手段と
を有していることを特徴とする特徴E1又は特徴E2に記載の遊技機。
第1マイクロフォンから取得した第1音声データと、第2マイクロフォンから取得した第2音声データとに共通する部分と非共通となる部分とが生じる。収音範囲が遊技者の口元付近で交差する構成となっている場合には、遊技者の声は両音声データに含まれることとなる(共通又は類似となる)。そこで、これらの音声データを対比して相対的に類似度の高い第2部分を特定し、その第2部分に基づいて遊技者の声を識別する構成とすれば、音声認識の精度を好適に向上させることができる。
特徴E5.前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンの一方は前記視認部の左側に配設され、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンの他方は前記視認部の右側に配設されていることを特徴とする特徴E3又は特徴E4に記載の遊技機。
音声データの比較等によって遊技者の声を識別する上では、各音声データに含まれる他の音(外乱)が大きく異なる方が好ましい。上述の如く遊技者の口元を狙って収音範囲を交差させる場合には、視認部を挟んだ左右両側にマイクロフォンを配設することにより、収音範囲の交差角度を大きくすることができる。これにより、各音声データに含まれる外乱を大きく異ならせることができるため、音声認識の精度を好適に向上させることができる。
特徴E6.前記扉体の本体部において前記視認部の周辺となる部分には遊技機前方に膨出する膨出部(左側膨出部701Lや右側膨出部701R)が形成されており、前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンは、前記膨出部に配設されていることを特徴とする特徴E3乃至特徴E5のいずれか1つに記載の遊技機。
音声データの比較等によって遊技者の声を識別する上では、各音声データに含まれる他の音(外乱)が大きく異なる方が好ましい。上述の如く遊技者の口元を狙って収音範囲を交差させる場合には、遊技機前方へ膨出した膨出部にマイクロフォンを配置することで、収音範囲の交差角度を大きくすることができる。これにより、各音声データに含まれる外乱を大きく異ならせることができるため、音声認識の精度を好適に向上させることができる。
特徴E7.演出音を出力可能な第1スピーカ部(左側のスピーカ部27L)及び第2スピーカ部(右側のスピーカ部27R)を有し、前記第1スピーカ部及び前記第2スピーカ部から異なる演出音を出力可能な構成となっており、
前記第1スピーカから前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンまでの各距離が相違し、且つ前記第2スピーカから前記第1マイクロフォン及び前記第2マイクロフォンまでの各距離が相違していることを特徴とする特徴E3乃至特徴E6のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E7に示すように所謂ステレオ型の音声出力装置が搭載された遊技機においては、各スピーカから各マイクロフォンまでの距離を相違させることにより、各マイクロフォンにて取得される演出音に違いを生じさせることができる。これにより、各マイクロフォンに係る音声データの対比によって遊技者の声を識別する上で外乱となる演出音の混同を好適に抑制できる。
特徴E8.前記視認部の後方には絵柄を可変表示する絵柄表示手段が設けられており、
前記音声データ記憶手段により音声データを取得する場合に、音声操作に関する情報を前記絵柄表示手段にて表示させる手段を備えていることを特徴とする特徴E1乃至特徴E7のいずれか1つに記載の遊技機。
特徴E1等に示したように狭指向性のマイクロフォンを用いる場合には、遊技者の顔の向きが正面からずれることにより、各マイクロフォンにて遊技者の声を上手く拾えなくなることが懸念される。そこで、この種のマイクロフォンを用いる場合には、音声データを取得する場合に、絵柄表示手段にて音声操作に関する情報を表示することにより、遊技者の顔の向きが正面からずれることを抑え、上記不都合の発生を抑制することができる。
なお、以上詳述した特徴E群に特徴A群〜特徴D群に示した技術的思想を適用することも可能である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル45)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射機構110)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域(遊技領域PE)に導く球通路(誘導レール100の誘導通路103)と、遊技領域内に配置された各遊技部品(釘87等)とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部(一般入賞口81等)を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにした遊技機。
球使用ベルト式遊技機:複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄列を最終停止表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段の操作に起因して図柄の変動が開始され、停止用操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより図柄の変動が停止され、その停止時の最終停止図柄が特定図柄であることを必要条件として遊技者に有利な特別遊技状態(ボーナスゲーム等)を発生させるようにし、さらに、球受皿を設けてその球受皿から遊技球を取り込む投入処理を行う投入装置と、前記球受皿に遊技球の払出を行う払出装置とを備え、投入装置により遊技球が投入されることにより前記始動用操作手段の操作が有効となるように構成した遊技機。