JP6957896B2 - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料 Download PDF

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Description

本発明は、マトリックス樹脂にリン酸エステルまたは有機リン酸塩を含み、硬化物が特定のゴム状態弾性率を有するエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料に関する。
炭素繊維、ガラス繊維などを強化繊維とし、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂をマトリックス樹脂とした複合材料において、強化繊維を樹脂に含浸させた中間基材、いわゆるプリプレグが、釣竿、テニスやバドミントンのラケットなどスポーツ・レジャー用品から、各種工業機器、土木建築、航空宇宙分野まで、幅広い用途に使用されている。しかし、大抵の熱硬化性樹脂は燃えやすく、火災の原因となるため、特に航空機や車両などの構造材料においては、着火燃焼による事故を防ぐために、難燃性の熱硬化性樹脂が求められている。また、電子・電気機器においても内部からの発熱により、筐体や部品が発火燃焼して、事故に繋がるのを防ぐために、材料の難燃化が求められている。
マトリックス樹脂を難燃化する手段として、多くの場合、材料を燃えにくくする添加剤、いわゆる難燃剤を添加する。難燃剤として、ハロゲン化合物、リン化合物、金属水酸化物、ケイ素化合物、窒素化合物などが一般的に用いられるが、なかでもリン化合物は得られる硬化物の物性が優れることから、いくつかのリン化合物が工業的に利用されている。その様なリン化合物として、赤リンやリン酸エステルあるいは有機リン酸塩をエポキシ樹脂組成物に添加する難燃化技術が報告されている。
特許文献1には、赤リンを用いた難燃化技術が報告されている。赤リンはリン原子の含有率が高いために、比較的少量で難燃効果を示すが、赤色で樹脂に不溶の固体であり、配合すると、得られる硬化物は赤リンの色味が残って、不透明の赤色となる。このため、表面外観が悪くなるうえ、製造における装置や器具の洗浄に手間がかかり、生産効率が低下するといった問題がある。
一方、特許文献2には、リン酸エステルを用いた難燃化技術が報告されている。リン酸エステルは化合物中に含まれるリン原子の含有率が低いために、十分な難燃性を確保するためには多量の配合が必要となり、力学特性や耐熱性が低下するといった問題がある。
このため、特許文献3では、フェノールノボラック型エポキシ樹脂をベース樹脂とすることにより、リン酸エステル配合によるTgの低下をカバーしている。しかしながら、リン原子含有率が1.2〜4質量%と、依然として多量のリン酸エステルを配合しており、力学特性や耐熱性の低下の懸念がある。
特許文献4には、リン化合物を含み、十分な硬化度を有する熱硬化性樹脂とすることにより、低分子量体を少なくし、分解ガス発生を抑えて難燃性を高める技術が報告されている。
リン酸エステルは、エポキシ樹脂とアミン系硬化剤の硬化を阻害する作用があるため、特許文献5には、ノボラック型エポキシ樹脂にリン系難燃剤として、リン酸エステルと硬化を促進するホスファフェナントレンを添加し、硬化性を制御して、成形性を確保し、さらに難燃助剤として金属水酸化物を添加する技術が報告されている。
また、特許文献6には、エポキシ化合物を含む樹脂に難燃剤として相溶性のリン酸エステルと非相溶性の有機リン酸塩を用いた難燃化技術が報告されている。
これらリン酸エステルや有機リン酸塩を用いた場合には、十分な難燃性を得るために、多量の難燃剤を配合しているため、力学特性が大きく低下することに問題があった。
国際公開第2005/082982号 特許第3647293号公報 国際公開第2010/109957号 特開2012−86578号公報 特開2003−206392号公報 特開2015−86329号公報
本発明は、上記の問題点を解決すること、すなわち、少量のリン酸エステルまたは有機リン酸塩の添加で高い難燃性を有し、力学特性に優れたエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料を提供すること、を課題とする。
本発明においては、前記課題を解決するため、次の構成を有する。すなわち、次の成分[A]〜[C]を含むエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂組成物中のリン原子の含有率が0.1〜1.0質量%であり、エポキシ樹脂組成物の硬化物のゴム状態弾性率が12MPa以下である、エポキシ樹脂組成物である。
[A]:2官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂
[B]:ジアミノジフェニルスルホン
[C]:レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートまたはトリスジエチルホスフィン酸アルミニウム
[D]熱可塑性樹脂
また、本発明のプリプレグは、上記のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグである。
さらに、本発明の繊維強化複合材料は、上記のプリプレグを硬化してなる繊維強化複合材料、または、前記のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物、および強化繊維を含む繊維強化複合材料である。
本発明によれば、リン酸エステルまたは有機リン酸塩を含むエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物のゴム状態弾性率が特定の範囲になるように、樹脂組成を調整することにより、前記リン酸エステルまたは有機リン酸塩を少量添加した場合でも、高い難燃性が得られ、優れた力学特性を確保できるエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび繊維強化複合材料を提供することが可能となる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、次の成分[A]〜[C]を含む。
[A]:2官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂
[B]:ジアミノジフェニルスルホン
[C]:リン酸エステルまたは有機リン酸塩。
本発明で用いられる成分[A]のエポキシ樹脂としては、グリシジル基を1分子内に2個有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂であれば特に限定は無いが、耐熱性や剛性の観点から、1分子中に芳香環を1つ以上有するものが好ましい。そのような例として、N,N−ジグリシジル−4−フェノキシアニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−メチルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(3−メチルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(2−メチルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−エチルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(3−エチルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(2−エチルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−プロピルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−tert−ブチルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−シクロヘキシルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(3−シクロヘキシルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(2−シクロヘキシルフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−メトキシフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(3−メトキシフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(2−メトキシフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−フェノキシフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(3−フェノキシフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−[4−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、N,N−ジグリシジル−4−[3−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、N,N−ジグリシジル−4−[2−(トリフルオロメチル)フェノキシ]アニリン、N,N−ジグリシジル−p−(2−ナフチルオキシフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−p−(1−ナフチルオキシフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−[(1,1’−ビフェニル−4−イル)オキシ]アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(4−ニトロフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(3−ニトロフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−4−(2−ニトロフェノキシ)アニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、N,N−ジグリシジルアニリン、などのモノアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。これらの2官能グリシジル基を有するエポキシ樹脂を用いることにより、高い耐熱性と弾性率を有する硬化物が得られるため、航空宇宙用途に好適に用いられる。
これらのエポキシ樹脂は単独で用いてもよく、また2種類以上を混合して用いることも可能である。
本発明では上記成分[A]以外のエポキシ樹脂を含有してもよい。そのような例として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂、N,N,O−トリグリシジル−m−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−p−アミノフェノール、N,N,O−トリグリシジル−4−アミノ−3−メチルフェノール、などのアミノフェノール型エポキシ樹脂、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−2,2’−ジエチル−4,4’−メチレンジアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、などのジアミン型エポキシ樹脂を挙げることができる。なかでも、上記に挙げたアミノフェノール型エポキシ樹脂や、ジアミン型エポキシ樹脂は、1分子中に3個以上のグリシジル基を有するため、高い耐熱性と弾性率を有する硬化物が得られるため、航空宇宙用途に好適に用いられる。
本発明で硬化剤として用いられる成分[B]は、ジアミノジフェニルスルホンである。航空宇宙用途の場合、耐熱性、弾性率などの力学特性に優れ、さらに線膨張係数の小さい硬化物が得られる3,3’−ジアミノジフェニルスルホンおよび4,4’−ジアミノジフェニルスルホンを用いることが好ましい。これらの芳香族アミンは単独で用いてもよく、また2種類以上を混合して用いることも可能である。
成分[B]の添加量は、成分[A]および成分[A]以外のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂の総量100質量部に対して、10〜100質量部であることが、優れた耐熱性と力学特性を確保する点から好ましく、さらに好ましくは25〜100質量部である。
本発明における成分[C]は、リン酸エステルまたは有機リン酸塩であり、これらをエポキシ樹脂組成物に添加することにより、難燃性が付与される。リン酸エステルとは、リン酸とアルコール化合物またはフェノール化合物とのエステル化合物をいい、なかでも、下記式(1)で表されるリン酸エステルであることが好ましい。
Figure 0006957896
(式(1)中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、フェニル基、メチルフェニル基、ジフェニルフェニル基のいずれかであり、Rは、フェニレン基、メチルフェニレン基、ジメチルフェニレン基のいずれかである。)
リン酸エステルの具体例としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)ホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリス(フェニルフェニル)ホスフェート、トリナフチルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、ジフェニル(2−エチルヘキシル)ホスフェート、ジ(イソプロピルフェニル)フェニルホスフェート、モノイソデシルホスフェート、2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、ジフェニル−2−アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル−2−メタクリロイルオキシエチルホスフェート、メラミンホスフェート、ジメラミンホスフェート、メラミンピロホスフェート、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリクレジルホスフィンオキサイド、メタンホスホン酸ジフェニル、フェニルホスホン酸ジエチル、レゾルシノールポリフェニルホスフェート、レゾルシノールポリ(ジ−2,6−キシリル)ホスフェート、ビスフェノールAポリクレジルホスフェート、ハイドロキノンポリ(2,6−キシリル)ホスフェートならびにこれらの縮合物などの縮合リン酸エステルを挙げることができる。縮合リン酸エステルとしては、例えば、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)などが挙げられる。レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートの市販品としては、PX−200(大八化学工業(株)製)が挙げられる。レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)の市販品としては、CR−733S(大八化学工業(株)製)が挙げられる。ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)の市販品としては、CR−741(大八化学工業(株)製)が挙げられる。なかでも、硬化性および耐熱性に優れる点から、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートが好ましく用いられる。
有機リン酸塩としては、公知のものがいずれも使用できるが、ホスフィン酸金属塩、リン酸アンモニウム化合物、および、シクロホスファゼンを開環重合して得られるポリホスファゼン化合物、からなる群から選ばれる1種以上のものであることが好ましい。このうち、耐熱性と燃焼時の炭化物形成性の点から、ホスフィン酸金属塩が好ましく、なかでも、下記式(2)で表されるホスフィン酸金属塩であることが、特に好ましい。
Figure 0006957896
(式(2)中、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、メチル基、エチル基、フェニル基のいずれかであり、Xはアルミニウム、亜鉛のいずれかであり、nはXがアルミニウムの場合、3であり、Xが亜鉛の場合、2である。)
ホスフィン酸金属塩の具体例としては、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、トリスジメチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジメチルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛等が挙げられる。
本発明における成分[C]の配合量は、エポキシ樹脂組成物中のリン原子含有率として0.1〜1.0質量%であると、得られる硬化物や繊維強化複合材料の難燃性と力学特性を両立できる。好ましくは、0.3〜0.7質量%である。ここでいうリン原子含有率(質量%)は、全エポキシ樹脂組成物中のリン原子の質量(g)/全エポキシ樹脂組成物の質量(g)×100で求められる。リン原子の質量は、リン酸エステルまたは有機リン酸塩の1分子あたりのリン原子の質量を、リン原子の原子量から求め、これに、全エポキシ樹脂組成物中に含まれる、リン酸エステルまたは有機リン酸塩の分子数をモル数から求めて掛け算することにより、得られる。なお、エポキシ樹脂組成物中のリン原子含有率は、上述の計算方法により求めることも、エポキシ樹脂組成物や樹脂硬化物の有機元素分析やICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析)などにより求めることもできる。
また、成分[C]の配合量は成分[A]および成分[A]以外のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂の総量100質量部に対して、1〜30質量部とすることが、得られる硬化物や繊維強化複合材料の難燃性と力学特性を両立する点から好ましく、より好ましくは3〜20質量部である。
本発明においては、得られるプリプレグのタック性の制御、エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸する際の樹脂の流動性の制御、および得られる繊維強化複合材料に靱性を付与するために、成分[D]として熱可塑性樹脂を配合することができる。かかる熱可塑性樹脂としては、ポリアリールエーテル骨格で構成される熱可塑性樹脂が好ましく、例えば、ポリスルホン、ポリフェニルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルエーテルスルホンなどを挙げることができ、これらのポリアリールエーテル骨格で構成される熱可塑性樹脂は単独で用いてもよいし、適宜併用して用いてもよい。なかでも、ポリエーテルスルホンおよびポリエーテルイミドは得られる繊維強化複合材料の耐熱性や力学物性を低下することなく靭性を付与することができるため好ましく用いることができる。
本発明においては、得られる繊維強化複合材料の耐衝撃性を向上させるために、熱可塑性樹脂を主成分とする粒子を配合することもできる。
熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミドが最も好ましく、ポリアミドのなかでも、ポリアミド12、ポリアミド6、ポリアミド11、ポリアミド66、ポリアミド6/12共重合体、特開平1−104624号公報の実施例1記載のエポキシ化合物にてセミIPN化されたポリアミド(セミIPNポリアミド)は特に良好なエポキシ樹脂との接着強度を与える。ここで、IPNとは相互侵入高分子網目構造体(Interpenetrating Polymer Network)の略称で、ポリマーブレンドの一種である。ブレンド成分ポリマーが橋架けポリマーであって、それぞれの異種橋架けポリマーが部分的あるいは全体的に相互に絡み合って多重網目構造を形成しているものをいう。セミIPNとは、橋架けポリマーと直鎖状ポリマーによる重網目構造が形成されたものである。セミIPN化した熱可塑性樹脂粒子は、例えば熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を共通溶媒に溶解させ、均一に混合した後、再沈等により得ることができる。エポキシ樹脂とセミIPN化したポリアミドからなる粒子を用いることにより、優れた耐熱性と耐衝撃性をプリプレグに付与することができる。これら熱可塑性樹脂粒子の形状としては、球状粒子でも非球状粒子でも、また多孔質粒子でもよいが、球状の方が樹脂の流動特性を低下させないため粘弾性に優れ、また応力集中の起点がなく、高い耐衝撃性を与えるという点で好ましい態様である。ポリアミド粒子の市販品としては、SP−500、SP−10、TR−1、TR−2、842P−48、842P−80(以上、東レ(株)製)、“オルガソール(登録商標)”1002D、2001UD、2001EXD、2002D、3202D、3501D,3502D、(以上、アルケマ社製)等を使用することができる。これらのポリアミド粒子は、単独で使用しても複数を併用してもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を妨げない範囲で、カップリング剤や、熱硬化性樹脂粒子、あるいはシリカゲル、カーボンブラック、クレー、カーボンナノチューブ、グラフェン、カーボン粒子、金属粉体といった無機フィラー等を配合することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させることにより得られる硬化物のゴム状態弾性率は12MPa以下であり、好ましくは、11MPa以下である。ここでいうゴム状態弾性率とは、動的粘弾性測定を行い、得られた貯蔵弾性率(G’)−温度のグラフにおいて、220℃〜270℃の温度域で貯蔵弾性率が平坦となる領域での値である。発明者らは、本発明において、ゴム状態弾性率を12MPa以下にすることによって、高い難燃性が得られることを見出した。その理由は定かではないが、ゴム状態弾性率が低い、すなわち、高温で変形しやすいことによって、着火の際に、樹脂の分解ガスによる発泡が安定化し、その発泡層の断熱効果により樹脂の熱分解が抑制されることが考えられる。また、ゴム状態弾性率は経験的に高分子の架橋密度と相関があることが知られており、ゴム状態弾性率が低い、すなわち、架橋密度が低いことによって、燃焼中に成分[C]が樹脂表面に移動しやすくなり、表面で濃縮された層を形成して、リン酸エステルまたは有機リン酸塩によるチャー形成が促進されることが考えられる。
本発明のプリプレグは、上述したエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂とし、この樹脂組成物を強化繊維と複合させたものである。強化繊維は、炭素繊維、黒鉛繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等を好ましく挙げることができるが、なかでも力学特性の点から炭素繊維が特に好ましい。
本発明のプリプレグは、様々な公知の方法、例えばウエット法やホットメルト法などにより製造することができるが、ホットメルト法が本発明の効果を発揮できる点において好ましい。
ホットメルト法とは、溶媒を用いずに、加熱により低粘度化し、強化繊維に含浸させる方法である。ホットメルト法には、加熱により低粘度化したマトリックス樹脂を、直接強化繊維に含浸する方法、または一旦マトリックス樹脂を離型紙などの上に塗布した樹脂フィルム付きの離型紙シートをまず作製し、次いで、これを強化繊維の両側あるいは片側から重ねて、加熱加圧してマトリックス樹脂を強化繊維に含浸させる方法などがある。
本発明のプリプレグにおいては、強化繊維の目付が100〜1000g/mであることが好ましい。強化繊維目付が100g/m未満では、繊維強化複合材料成形の際に所定の厚みを得るために積層枚数を多くする必要があり、積層作業が煩雑になることがある。一方、1000g/mを超える場合は、プリプレグのドレープ性が悪くなる傾向がある。また、繊維質量含有率は、好ましくは40〜90質量%であり、より、より好ましくは50〜80質量%である。繊維質量含有率が40質量%未満では樹脂の比率が多すぎるため、強化繊維の優れた機械特性の利点を活かすことができないことや、繊維強化複合材料の硬化時の発熱量が高くなりすぎる可能性がある。また、繊維質量含有率が90質量%を超える場合、樹脂の含浸不良を生じるため、得られる繊維強化複合材料はボイドが多いものとなる恐れがある。
本発明のプリプレグの形態は、UDプリプレグでも、織物プリプレグ、またシートモールディングコンパウンド等の不織布等いずれでもよい。
本発明の繊維強化複合材料は、前記本発明のプリプレグを所定の形態で積層した後、加熱加圧して樹脂を硬化させることにより得ることができる。ここで、熱および圧力を付与する方法としては、オートクレーブ成形法、プレス成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法など公知の方法を用いることができる。
また、プリプレグを用いずに、強化繊維基材に直接液状のエポキシ樹脂を含浸させ、硬化させる方法として、例えば、レジントランスファーモールディング法、フィラメントワインディング法、プルトルージョン法、ハンド・レイアップ法などを挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例および比較例において用いられた材料を次に示す。
<成分[A]:2官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂>
・N,N−ジグリシジルアニリン(GAN、日本化薬(株)製)。
<成分[A]以外のエポキシ樹脂>
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”825、三菱化学(株)製)
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“EPICLON(登録商標)”830、DIC(株)製)
・テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)
・テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“スミエポキシ(登録商標)”ELM434、住友化学(株)製)
・トリグリシジル−m−アミノフェノール(“アラルダイト(登録商標)”MY0610、ハンツマン・アドバンスト・マテリアルズ社製)
・o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(OPP−G、三光(株)製)
・フェノールノボラック型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”154、三菱化学(株)製)。
<成分[B]:ジアミノジフェニルスルホン>
・4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(セイカキュアS、和歌山精化工業(株)製)
・3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(小西化学(株)製)。
<成分[B]以外の硬化剤>
・ジシアンジアミド(Dicy7、三菱化学(株)製)
・2,4’−トルエンビス(3,3’−ジメチルウレア)(“オミキュア(登録商標)”24、ピイ・ティ・アイ・ジャパン(株)製)。
<成分[C]:リン酸エステルまたは有機リン酸塩>
・レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート(PX−200、大八化学工業(株)製)
・トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム(EXOLIT OP930、クラリアント・ジャパン(株)製)
・トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム(EXOLIT OP945、クラリアント・ジャパン(株)製)。
<成分[C]以外の難燃剤>
・ホスホニトリル酸フェニルエステル(SPB−100、大塚化学(株)製)
・赤燐(“ノーバレッド(登録商標)”120UF、燐化学工業(株)製)。
<成分[D]:熱可塑性樹脂>
・ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P、住友化学(株)製)
・ポリエーテルスルホン(“VIRANTAGE(商標登録)”VW−10700RFP、Solvay Advanced Polymers社製)
・ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(YP−50P、新日鉄住金化学(株)製)
・ビスフェノールA型・F型共重合フェノキシ樹脂(YP−70、新日鉄住金化学(株)製)。
(1)エポキシ樹脂組成物の調製方法
混練装置中に、表1に記載の成分[A]に該当するエポキシ樹脂、成分[A]以外のエポキシ樹脂、および成分[C]に該当するリン酸エステルまたは有機リン酸塩、熱可塑性樹脂を投入後、加熱混練を行い、成分[C]と熱可塑性樹脂を溶解させた。次いで、80℃以下の温度まで降温させ、表1に記載の成分[B]のジアミノジフェニルスルホンを加えて撹拌し、エポキシ樹脂組成物を得た。
(2)樹脂硬化物の難燃性評価
熱重量測定TGAによる難燃性の評価は以下の様にして行った。
(1)で調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で、所定の硬化条件で硬化させて、厚さ2mmのエポキシ樹脂硬化物を得た。難燃性の評価は熱重量測定装置TG−DTA(ブルカーAXS社WS003システム)を用いて行った。エポキシ樹脂硬化物から約10mgの試験片を切り出し、昇温速度10℃/minで単純昇温し、600℃におけるチャー生成率(%)を難燃性の指標とした。ここでいうチャー生成率とは、(600℃における熱分解残渣の質量(g))/(測定前のエポキシ樹脂硬化物の質量(g))×100で表される値である。
コーンカロリーメータによる難燃性の評価は以下の様にして行った。
(1)で調製したエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、1mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み1mmになるように設定したモールド中で、所定の硬化条件で硬化させて、厚さ1mmのエポキシ樹脂硬化物を得た。難燃性の評価はコーンカロリーメータ試験装置Cone Calorimeter C3((株)東洋精機製作所製)を用いて行った。エポキシ樹脂硬化物から100mm×100mmの試験片を切り出し、ヒーター輻射量を50kW/mとして試験を行い、最大発熱速度(kW/m)を難燃性の指標とした。
(3)樹脂硬化物のゴム状態弾性率
(2)で作製したエポキシ樹脂硬化物を12.7mm×50mmのサイズにカットした試験片のゴム状態弾性率を、動的粘弾性測定装置(ARES、ティーエイ・インスツルメント社製)を用いてねじりDMA測定を行って算出した。ねじり振動周波数1.0Hz、発生トルク3〜200gf・cm、昇温速度5.0℃/min、温度範囲40〜300℃の条件でねじりDMA測定を行い、得られた貯蔵弾性率(G’)−温度のグラフにおいて、220〜270℃の温度域で貯蔵弾性率が一定となった値を、ゴム状態弾性率とした。
(4)樹脂硬化物の力学特性評価
(2)で作製したエポキシ樹脂硬化物を10mm×60mmのサイズにカットした試験片の3点曲げ試験をJIS K7171(2006)に基づいて行い、力学特性を評価した。インストロン5565万能試験機(インストロン社製)を用いて、クロスヘッドスピード2.5mm/min、スパン長40mm、圧子径10mm、支点径4mmの条件で曲げ試験を行い、曲げ弾性率とたわみを測定した。
(実施例1)
表1に示すとおり、成分[A]として、N,N−ジグリシジルアニリン(GAN)35質量部、成分[A]以外のエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721)65質量部、成分[B]として、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン51質量部、成分[C]として、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート(PX−200)10質量部、成分[D]として、ポリエーテルスルホン(“VIRANTAGE(商標登録)”VW−10700RFP)28質量部を用いて、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、180℃の温度で2時間硬化させて得られた樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。難燃性に関して、600℃におけるチャー生成率は12%であった。ゴム状態弾性率は10.1MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.8GPa、たわみ量4.6mmであった。
(実施例2)
表1に示すとおり、成分[C]として、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム(EXOLIT OP930)を4.0質量部用いたこと以外は、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。難燃性に関して、600℃におけるチャー生成率は9%であった。ゴム状態弾性率は10.4MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.6GPa、たわみ量3.4mmであった。
(実施例3)
表1に示すとおり、成分[C]として、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム(EXOLIT OP945)を4.0質量部用いたこと以外は、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。難燃性に関して、600℃におけるチャー生成率は18%であった。ゴム状態弾性率は9.3MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.6GPa、たわみ量4.1mmであった。
(比較例1)
特許文献4(特開2012−86578号公報)の実施例20に記載のエポキシ樹脂、硬化剤、熱可塑性樹脂を用いる方法、すなわち、成分[A]を含まず、成分[A]以外のエポキシ樹脂として、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”825)20質量部、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(“EPICLON(登録商標)”830)20質量部、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721)60質量部、成分[B]の硬化剤として4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(セイカキュアS)46質量部、成分[D]の熱可塑性樹脂として、ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P)17質量部を用いたこと以外は、実施例1と同様にした。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。得られた樹脂硬化物の難燃性評価に関して、600℃におけるチャー生成率は7%であった。ゴム状態弾性率は13.6MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率3.6GPa、たわみ量5.9mmであった。
(比較例2)
成分[C]として、トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム(EXOLIT OP930)を3.6質量部用いたこと以外は、比較例1と同様にした。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。得られた樹脂硬化物の難燃性評価に関して、600℃におけるチャー生成率は4%であった。ゴム状態弾性率は14.0MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率3.4GPa、たわみ量6.5mmであった。
(比較例3)
特許文献3(国際公開第2010/109957号)の実施例18に記載のエポキシ樹脂および硬化剤を用いる方法、すなわち、成分[A]を含まず、成分[A]以外のエポキシ樹脂として、フェノールノボラック型エポキシ樹脂(“jER(登録商標)”154)100質量部、成分[B]を含まず、成分[B]以外の硬化剤として、ジシアンジアミド(Dicy7)5質量部、2,4’−トルエンビス(3,3−ジメチルウレア)(“オミキュア(登録商標)”24)4質量部、成分[C]として、レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェート(PX−200)6.6質量部、成分[D]として、ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(YP−50P)を用いて、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、150℃の温度で3分、その後130℃の温度で2時間硬化させて得られた樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。難燃性に関して、600℃におけるチャー生成率は6%であった。ゴム状態弾性率は20.9MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.2GPa、たわみ量3.5mmであった。
(比較例4)
特許文献3(国際公開第2010/109957号)の実施例18に記載の方法で得られた樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は1.7%であった。難燃性に関して、600℃におけるチャー生成率は32%であった。ゴム状態弾性率は20.0MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率3.7GPa、たわみ量3.5mmであった。
(比較例5)
特許文献1(国際公開第2005/082982号)の実施例20に記載の方法で得られた樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は2.0%であった。難燃性に関して、600℃におけるチャー生成率は25%であった。ゴム状態弾性率は17.1MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率3.5GPa、たわみ量4.1mmであった。
(比較例6)
表1に示すとおり、成分[C]の配合量を26質量部としたこと以外は、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は1.1%であった。難燃性に関して、600℃におけるチャー生成率は24%であった。ゴム状態弾性率は7.5MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.2GPa、たわみ量3.9mmであった。
Figure 0006957896
(実施例4)
表2に示すとおり、実施例1において得られた樹脂硬化物の難燃性をコーンカロリーメータ試験で評価した。最大発熱速度は835kW/mであった。
(実施例5)
表2に示すとおり、実施例3で得られた樹脂硬化物の難燃性をコーンカロリーメータ試験で評価した。最大発熱速度は715kW/mであった。
(比較例7)
表2に示すとおり、成分[A]を含まず、成分[A]以外のエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721)100質量部、成分[B]として、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン49質量部、とする以外は、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。難燃性に関して、コーンカロリーメータ試験による最大発熱速度は860kW/mであった。ゴム状態弾性率は20.0MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.2GPaであった。
(比較例8)
表2に示すとおり、成分[A]を含まず、成分[A]以外のエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721)65質量部、トリグリシジル−m−アミノフェノール(“アラルダイト(登録商標)”MY0610)35質量部、成分[B]として、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン54質量部、成分[D]として、ポリエーテルスルホン(“スミカエクセル(商標登録)”PES5003P)17質量部、とする以外は、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。難燃性に関して、コーンカロリーメータ試験による最大発熱速度は971kW/mであった。ゴム状態弾性率は17.3MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.5GPaであった。
(比較例9)
表2に示すとおり、成分[A]を含まず、成分[A]以外のエポキシ樹脂として、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン(“アラルダイト(登録商標)”MY721)65質量部、o−フェニルフェノールグリシジルエーテル(OPP−G)35質量部、成分[B]として、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン41質量部、成分[D]として、ポリエーテルスルホン(“VIRANTAGE(商標登録)”VW−10700RFP)27質量部、とする以外は、実施例1と同様に、エポキシ樹脂組成物の調製を行い、樹脂硬化物の難燃性評価、ゴム状態弾性率の測定、力学特性評価を行った。全エポキシ樹脂中のリン原子の含有率は0.5%であった。難燃性に関して、コーンカロリーメータ試験による最大発熱速度は918kW/mであった。ゴム状態弾性率は5.2MPa、力学特性に関して、曲げ弾性率4.8GPaであった。
(比較例10)
表2に示すとおり、比較例3において得られた樹脂硬化物の難燃性をコーンカロリーメータ試験で評価した。最大発熱速度は1070kW/mであった。
Figure 0006957896

Claims (4)

  1. 下記成分[A]〜[]を含むエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂組成物中のリン原子の含有率が0.1〜1.0質量%であり、エポキシ樹脂組成物の硬化物の動的粘弾性測定による220℃〜270℃の温度域でのゴム状態弾性率が12MPa以下である、エポキシ樹脂組成物。
    [A]:2官能のグリシジルアミン型エポキシ樹脂
    [B]:ジアミノジフェニルスルホン
    [C]:レゾルシノールビス(ジ2,6−キシリル)ホスフェートまたはトリスジエチルホスフィン酸アルミニウム
    [D]熱可塑性樹脂
  2. 請求項に記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグ。
  3. 請求項に記載のプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。
  4. 請求項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる樹脂硬化物、および強化
    繊維を含む繊維強化複合材料。
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