JP6957409B2 - 非水電解液二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解液二次電池に関する。
非水電解液二次電池、特にリチウムイオン二次電池は、エネルギー密度が高いのでパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯情報端末などに用いる電池として広く使用され、また最近では車載用の電池として開発が進められている。
非水電解液二次電池として、例えば、特許文献1に記載されたようなポリオレフィンを主成分とする多孔質フィルムを備える非水電解液二次電池が知られている。
特開平11−130900号公報
特許文献1に開示されたような従来の多孔質膜からなる非水電解液二次電池用セパレータを備える非水電解液二次電池においては、充放電に伴う電池性能の低下を改善することが求められていた。
本発明は、以下の[1]および[2]に示す発明を含む。
[1]単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーが、300J/mol/μm以上、900J/mol/μm以下である非水電解液二次電池用セパレータと、
下記式(A)で表されるイオン電導度低下率Lが1.0%以上、6.0%以下である添加剤を0.5ppm以上、300ppm以下含有する非水電解液と、を備える非水電解液二次電池。
L=(LA−LB)/LA・・・(A)
(式(A)中、LAは、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=3/5/2(体積比)の割合で含む混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させた参照用電解液のイオン電導度(mS/cm)を表し、
LBは、前記参照用電解液に、添加剤を1.0重量%溶解させた電解液のイオン電導度(mS/cm)を表す。)
[2]100サイクル後の容量維持率が90%以上である、[1]に記載の非水電解液二次電池。
本発明の一態様によれば、充放電に伴う電池特性の低下を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に関して以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態に関しても本発明の技術的範囲に含まれる。なお、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上、B以下」を意味する。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池は、後述する非水電解液二次電池用セパレータ、および後述する非水電解液を備える。本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池を構成する部材等について以下に詳述する。
[非水電解液二次電池用セパレータ]
本発明の一実施形態における非水電解液二次電池用セパレータは、その内部に連結した細孔を多数有しており、一方の面から他方の面に気体や液体を通過させることが可能となっている。本発明の一実施形態における非水電解液二次電池用セパレータは、通常、ポリオレフィン多孔質フィルムを含み、好ましくは、ポリオレフィン多孔質フィルムからなる。ここで、「ポリオレフィン多孔質フィルム」とは、ポリオレフィン系樹脂を主成分とする多孔質フィルムである。また、「ポリオレフィン系樹脂を主成分とする」とは、多孔質フィルムに占めるポリオレフィン系樹脂の割合が、多孔質フィルムを構成する材料全体の50体積%以上、好ましくは90体積%以上であり、より好ましくは95体積%以上であることを意味する。前記ポリオレフィン多孔質フィルムは、本発明の一実施形態における非水電解液二次電池用セパレータの基材となり得る。
前記ポリオレフィン系樹脂には、重量平均分子量が3×10〜15×10の高分子量成分が含まれていることがより好ましい。特に、ポリオレフィン系樹脂に重量平均分子量が100万以上の高分子量成分が含まれていると、前記ポリオレフィン多孔質フィルムを含む非水電解液二次電池用セパレータの強度が向上するのでより好ましい。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムの主成分であるポリオレフィン系樹脂は、特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂である、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン等の単量体が重合されてなる単独重合体(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン)または共重合体(例えば、エチレン−プロピレン共重合体)が挙げられる。
ポリオレフィン多孔質フィルムは、これらのポリオレフィン系樹脂を単独にて含む層、又は、これらのポリオレフィン系樹脂の2種以上を含む層であり得る。このうち、過大電流が流れることをより低温で阻止(シャットダウン)することができるため、ポリエチレンを含むことが好ましく、特に、エチレンを主体とする高分子量のポリエチレンを含むことがより好ましい。なお、ポリオレフィン多孔質フィルムは、当該フィルムの機能を損なわない範囲で、ポリオレフィン以外の成分を含むことを妨げない。
前記ポリエチレンとしては、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状ポリエチレン(エチレン−α−オレフィン共重合体)、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレン等が挙げられ、このうち、重量平均分子量が100万以上の超高分子量ポリエチレンがさらに好ましく、重量平均分子量が5×10〜15×10の高分子量成分が含まれていることがさらに好ましい。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムの膜厚は、特に限定されないが、4〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。前記ポリオレフィン多孔質フィルムの膜厚が4μm以上であれば、電池の内部短絡を十分に防止することができるという観点から好ましい。一方、前記ポリオレフィン多孔質フィルムの膜厚が40μm以下であれば、非水電解液二次電池の大型化を防ぐことができるという観点から好ましい。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムの単位面積当たりの重量目付は、電池の、重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができるように、通常、4〜20g/mであることが好ましく、5〜12g/mであることがより好ましい。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムの透気度は、十分なイオン透過性を示すという観点から、ガーレ値で30〜500sec/100mLであることが好ましく、50〜300sec/100mLであることがより好ましい。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムの空隙率は、電解液の保持量を高めると共に、過大電流が流れることをより確実に阻止(シャットダウン)する機能を得ることができるように、20体積%〜80体積%であることが好ましく、30〜75体積%であることがより好ましい。
前記ポリオレフィン多孔質フィルムが有する細孔の孔径は、十分なイオン透過性、および、電極を構成する粒子の入り込みを防止するという観点から、0.3μm以下であることが好ましく、0.14μm以下であることがより好ましい。
〔単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギー〕
本発明において、非水電解液二次電池用セパレータの単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーは、非水電解液二次電池の作動時に、前記非水電解液二次電池用セパレータを電荷担体であるイオン(例えば、Li)が通過する際の活性化エネルギー(障壁エネルギー)を当該非水電解液二次電池用セパレータの膜厚で除した値である。前記単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーは、前記非水電解液二次電池用セパレータにおけるイオンの透過のし易さを示す指標である。
前記単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーが小さい場合は、前記非水電解液二次電池用セパレータ内をイオンが透過し易いといえる。すなわち、非水電解液二次電池用セパレータ内部の樹脂壁とイオンとの相互作用が弱いといえる。一方、前記単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーが大きい場合は、前記非水電解液二次電池用セパレータ内をイオンが透過し難いといえる。すなわち、非水電解液二次電池用セパレータ内部の樹脂壁とイオンとの相互作用が強いといえる。
本発明の一実施形態における非水電解液二次電池用セパレータの単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーが300J/mol/μm以上、900J/mol/μm以下であることによって、当該非水電解液二次電池用セパレータを組み込んだ非水電解液二次電池の作動時に、電荷担体であるイオンが当該非水電解液二次電池用セパレータを透過する速度を適度な速度に制御することができる。
前記イオン透過障壁エネルギーが過剰に低く、上述のイオンが非水電解液二次電池用セパレータを透過する速度が過剰に速い場合には、充放電サイクルを繰り返した際に、電極(正極)においてイオンが枯渇し、そのことに起因して電極が劣化することにより、非水電解液二次電池の電池特性は低下すると考えられる。
従って、前記非水電解液二次電池用セパレータの単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーが300J/mol/μm以上であることによって、上述の電極の劣化を防止し、充放電サイクルを繰り返した際の電池特性を向上させることができる。係る観点から、非水電解液二次電池用セパレータの単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーは、好ましくは320J/mol/μm以上、より好ましくは、350J/mol/μm以上である。
一方、前記イオン透過障壁エネルギーが過剰に高く、上述のイオンの透過性が過剰に低い場合には、充放電サイクルを繰り返す際、イオンが通過するときに非水電解液二次電池用セパレータにかかるストレスが大きくなり、その結果、当該非水電解液二次電池用セパレータの細孔構造が変化するため、非水電解液二次電池の電池特性は低下すると考えられる。
また、前記イオン透過障壁エネルギーが過剰に高い場合には、当該非水電解液二次電池用セパレータ内部の樹脂壁の極性が過剰に高いことが考えられる。その時には、非水電解液二次電池の作動時に発生する、非水電解液に由来する極性の高い副生成物が、非水電解液二次電池用セパレータの空隙を閉塞することによって、非水電解液二次電池の電池特性が低下する場合がある。
従って、係る観点から、前記非水電解液二次電池用セパレータの単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーは、好ましくは800J/mol/μm以下であり、より好ましくは780J/mol/μm以下である。
〔単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーの測定方法〕
本発明の一実施形態における非水電解液二次電池用セパレータの単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーは、以下に示す方法にて算出される。
まず、前記非水電解液二次電池用セパレータをφ17mmの円盤状に切断し、厚み0.5mm、φ15.5mmのSUS板2枚で挟み込み、電解液を注液してコインセル(CR2032型)を作製する。前記電解液には、LiPFを、エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)/ジエチルカーボネート(DEC)=3/5/2(体積比)の割合で混合された混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/Lの濃度となるように溶解させた溶液を用いる。
次に、作製したコインセルを、後述する所定の温度に設定した恒温槽に設置し、ソーラトロン社製交流インピーダンス装置(FRA 1255B)およびセルテストシステム(1470E)を用い、周波数1MHz〜0.1Hz、振幅10mVでナイキストプロットを算出し、X切片の値から各温度での非水電解液二次電池用セパレータの液抵抗rを求める。得られた値を用いて、下記の式(1)および(2)からイオン透過障壁エネルギーを算出する。恒温槽の温度は、50℃、25℃、5℃、−10℃に設定する。
ここで、イオン透過障壁エネルギーは下記式(1)で表される。
k=1/r=Aexp(−Ea/RT) (1)
Ea:イオン透過障壁エネルギー(J/mol)
k:反応定数
:液抵抗(Ω)
A:頻度因子
R:気体定数=8.314J/mol/K
T:恒温槽の温度(K)
式(1)の両辺の自然対数をとると下記式(2)となる。当該式(2)に基づき、温度の逆数(1/T)に対してln(1/r)をプロットし、当該プロットから最小二乗法にて得られる直線の傾きである−Ea/Rを求め、−Ea/Rの値に気体定数Rを乗じてEaを算出する。その後、算出したEaを非水電解液二次電池用セパレータの膜厚で除して、単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーを算出する。
ln(k)=ln(1/r)=lnA−Ea/RT (2)
なお、頻度因子Aは、前記非水電解液二次電池用セパレータ内部を通過するイオンの態様、電荷量、大きさ、等によって決定される、温度変化によって変動しない固有の値である。頻度因子Aは、(1/T)=0の場合のln(1/r)の値であり、前記プロットから実験的に算出される。
前記非水電解液二次電池用セパレータの膜厚は、特に限定されないが、4〜40μmであることが好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
前記非水電解液二次電池用セパレータの膜厚が4μm以上であれば、電池の内部短絡を十分に防止することができるという観点から好ましい。
一方、非水電解液二次電池用セパレータの膜厚が40μm以下であれば、非水電解液二次電池の大型化を防ぐことができるという観点から好ましい。
前記非水電解液二次電池用セパレータの単位面積当たりの重量目付は、電池の、重量エネルギー密度や体積エネルギー密度を高くすることができるように、通常、4〜20g/mであることが好ましく、5〜12g/mであることがより好ましい。
前記非水電解液二次電池用セパレータの透気度は、十分なイオン透過性を示すという観点から、ガーレ値で30〜500sec/100mLであることが好ましく、50〜300sec/100mLであることがより好ましい。
前記非水電解液二次電池用セパレータの空隙率は、電解液の保持量を高めると共に、過大電流が流れることをより低温で確実に阻止(シャットダウン)する機能を得ることができるように、20体積%〜80体積%であることが好ましく、30〜75体積%であることがより好ましい。
前記非水電解液二次電池用セパレータが有する細孔の孔径は、十分なイオン透過性、および、電極を構成する粒子の入り込みを防止するという観点から、0.3μm以下であることが好ましく、0.14μm以下であることがより好ましい。
本発明の一実施形態における非水電解液二次電池用セパレータは、前記ポリオレフィン多孔質フィルム以外に、必要に応じて、耐熱層や接着層、保護層等をさらに備えていてもよい。
[ポリオレフィン多孔質フィルムの製造方法]
前記ポリオレフィン多孔質フィルムの製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、ポリオレフィン系樹脂と、石油樹脂と、可塑剤とを混練した後に押し出すことで、シート状のポリオレフィン樹脂組成物を作製し、当該ポリオレフィン樹脂組成物を延伸した後、適当な溶媒にて可塑剤の一部または全てを除去し、乾燥・熱固定する方法が挙げられる。
具体的には、以下に示す方法を挙げることができる。
(A)ポリオレフィン系樹脂と、石油樹脂とを混練機に加えて溶融混練し、溶融混合物を得る工程、
(B)得られた溶融混合物に、さらに可塑剤を加えて混練し、ポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、
(C)得られたポリオレフィン樹脂組成物を押し出し機のTダイより押し出し、冷却しながらシート状に成形し、シート状のポリオレフィン樹脂組成物を得る工程、
(D)得られたシート状のポリオレフィン樹脂組成物を、延伸する工程、
(E)延伸されたポリオレフィン樹脂組成物を、洗浄液を用いて洗浄する工程、
(F)洗浄されたポリオレフィン樹脂組成物を、乾燥・熱固定することにより、ポリオレフィン多孔質フィルムを得る工程。
工程(A)において、ポリオレフィン系樹脂の使用量は、得られるポリオレフィン樹脂組成物の重量を100重量%とした場合、6重量%〜45重量%であることが好ましく、9重量%〜36重量%であることがより好ましい。
石油樹脂としては、イソプレン、ペンテン、およびペンタジエンなどのC5石油留分を主原料に重合された脂肪族炭化水素樹脂;インデン、ビニルトルエン、およびメチルスチレンなどのC9石油留分を主原料に重合された芳香族炭化水素樹脂;それらの共重合樹脂;前記樹脂を水素化した脂環族飽和炭化水素樹脂;並びにそれらの混合物が挙げられる。石油樹脂は、好ましくは脂環族飽和炭化水素樹脂である。前記石油樹脂は、ラジカルを生成しやすい不飽和結合や第三級炭素を構造中に多数有するため、酸化され易いという特徴を有する。
石油樹脂をポリオレフィン樹脂組成物に混合することによって、得られるポリオレフィン多孔質フィルム内部の樹脂壁と、電荷担体との相互作用を調整することができる。すなわち、非水電解液二次電池用セパレータのイオン透過障壁エネルギーを好適に調節することができる。
ポリオレフィン系樹脂よりも酸化され易い成分である石油樹脂を混合することによって、得られるポリオレフィン多孔質フィルム内部の樹脂壁を適度に酸化することができる、つまり、石油樹脂を加えない場合に比較して、石油樹脂を加えた場合には、得られる非水電解液二次電池用セパレータのイオン透過障壁エネルギーは大きくなる。
前記石油樹脂は、軟化点が90℃〜125℃のものを使用することが好ましい。前記石油樹脂の使用量は、得られるポリオレフィン樹脂組成物の重量を100重量%とした場合、0.5重量%〜40重量%であることが好ましく、1重量%〜30重量%であることがより好ましい。
可塑剤としては、フタル酸ジオクチルなどのフタル酸エステル類、オレイルアルコール等の不飽和高級アルコール、パラフィンワックスやステアリルアルコール等の飽和高級アルコール、並びに、流動パラフィン等が挙げられる。
工程(B)において、可塑剤を混練機に加える際の混練機内部の温度は、好ましくは135℃以上、200℃以下、より好ましくは140℃以上、170℃以下である。
混練機内部の温度を上述の範囲に制御することによって、ポリオレフィン系樹脂と石油樹脂とが好適に混合された状態で可塑剤を加えることができる。その結果、ポリオレフィン系樹脂と石油樹脂とを混合する効果をより好適に得ることができる。
例えば、可塑剤を加える際の混練機内部の温度が、低すぎると、ポリオレフィン系樹脂と石油樹脂との均一な混合ができず、ポリオレフィン多孔質フィルム内部の樹脂壁を適度に酸化することができない場合がある。一方、前記温度が高すぎる場合(例えば200℃以上)には、樹脂の熱劣化が起こる場合がある。
工程(D)において延伸は、MD方向のみに行ってもよいし、TD方向のみに行ってもよいし、MD方向とTD方向の両方の方向に行ってもよい。MD方向とTD方向の両方の方向に延伸する方法としては、MD方向に延伸した後、続いてTD方向に延伸する逐次二軸延伸、およびMD方向とTD方向の延伸を同時に行う同時二軸延伸が挙げられる。
延伸には、チャックでシート状のポリオレフィン樹脂組成物の端を掴んで引き伸ばす方法を用いてもよいし、シート状のポリオレフィン樹脂組成物を搬送するロールの回転速度を変えることで引き伸ばす方法を用いてもよいし、一対のロールを用いてシート状のポリオレフィン樹脂組成物を圧延する方法を用いてもよい。
工程(D)において、前記シート状のポリオレフィン樹脂組成物を、MD方向に延伸する際の延伸倍率は、好ましくは、3.0倍以上、7.0倍以下であり、より好ましくは4.5倍以上、6.5倍以下である。MD方向に延伸されたシート状のポリオレフィン樹脂組成物をさらにTD方向に延伸する際の延伸倍率は、好ましくは、3.0倍以上、7.0倍以下であり、より好ましくは4.5倍以上、6.5倍以下である。
延伸温度は、130℃以下が好ましく、110℃〜120℃がより好ましい。
工程(E)において、洗浄液は、可塑剤等を除去できる溶媒であれば特に限定されないが、例えば、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの脂肪族炭化水素、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン、1,2−ジクロロプロパンなどのハロゲン化炭化水素などを挙げることができる。
工程(F)において、洗浄したポリオレフィン樹脂組成物を特定の温度にて熱処理することによって、乾燥・熱固定を行う。
乾燥・熱固定は、通常、大気下で、通風乾燥機又は加熱ロール等を用いて行われる。
前記乾燥・熱固定は、ポリオレフィン多孔質フィルム内部の樹脂壁の酸化度合をさらに微調整し、ポリオレフィン多孔質フィルム内部の樹脂壁と電荷担体との相互作用を好適に制御する観点から、好ましくは100℃以上、150℃以下、より好ましくは110℃以上、140℃以下、さらに好ましくは120℃以上135℃以下の温度にて実施される。また、前記乾燥・熱固定は、好ましくは1分以上、60分以下、より好ましくは1分以上、30分以下の時間をかけて行われる。
〔積層体〕
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池が備える非水電解液二次電池用セパレータは、前記〔非水電解液二次電池用セパレータ〕の項で述べた非水電解液二次電池用セパレータにおけるポリオレフィン多孔質フィルムの、片面または両面に絶縁性多孔質層を備える態様であってもよい。以下、当該態様の非水電解液二次電池用セパレータを「積層体」と称することがある。また、前記〔非水電解液二次電池用セパレータ〕の項で述べた非水電解液二次電池用セパレータを「セパレータ1」と称することがある。
[絶縁性多孔質層]
前記絶縁性多孔質層は、通常、樹脂を含んでなる樹脂層であり、好ましくは、耐熱層または接着層である。絶縁性多孔質層(以下、単に、「多孔質層」とも称する)を構成する樹脂は、電池の電解液に不溶であり、また、その電池の使用範囲において電気化学的に安定であることが好ましい。
多孔質層は、必要に応じて、前記ポリオレフィン多孔質フィルムの片面または両面に積層され、積層体を構成する。前記ポリオレフィン多孔質フィルムの片面のみに多孔質層が積層される場合には、当該多孔質層は、好ましくは、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池において、前記ポリオレフィン多孔質フィルムにおける正極と対向する面に積層され、より好ましくは、正極と接する面に積層される。
多孔質層を構成する樹脂としては、例えば、ポリオレフィン;(メタ)アクリレート系樹脂;含フッ素樹脂;ポリアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;ゴム類;融点またはガラス転移温度が180℃以上の樹脂;水溶性ポリマー等が挙げられる。
上述の樹脂のうち、ポリオレフィン、ポリエステル系樹脂、アクリレート系樹脂、含フッ素樹脂、ポリアミド系樹脂および水溶性ポリマーが好ましい。ポリアミド系樹脂としては、全芳香族ポリアミド(アラミド樹脂)が好ましい。ポリエステル系樹脂としては、ポリアリレートおよび液晶ポリエステルが好ましい。
多孔質層は、微粒子を含んでもよい。本明細書における微粒子とは、一般にフィラーと称される有機微粒子または無機微粒子のことである。従って、多孔質層が微粒子を含む場合、多孔質層に含まれる上述の樹脂は、微粒子同士、並びに微粒子と多孔質フィルムとを結着させるバインダー樹脂としての機能を有することとなる。また、前記微粒子は、絶縁性微粒子が好ましい。
多孔質層に含まれる有機微粒子としては、樹脂からなる微粒子が挙げられる。
多孔質層に含まれる無機微粒子としては、具体的には、例えば、炭酸カルシウム、タルク、クレー、カオリン、シリカ、ハイドロタルサイト、珪藻土、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、窒化チタン、アルミナ(酸化アルミニウム)、窒化アルミニウム、マイカ、ゼオライトおよびガラス等の無機物からなるフィラーが挙げられる。これらの無機微粒子は、絶縁性微粒子である。前記微粒子は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記微粒子のうち、無機物からなる微粒子が好適であり、シリカ、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、アルミナ、マイカ、ゼオライト、水酸化アルミニウム、またはベーマイト等の無機酸化物からなる微粒子がより好ましく、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン、水酸化アルミニウム、ベーマイトおよびアルミナからなる群から選択される少なくとも1種の微粒子がさらに好ましく、アルミナが特に好ましい。
多孔質層における微粒子の含有量は、多孔質層の1〜99体積%であることが好ましく、5〜95体積%であることがより好ましい。微粒子の含有量を前記範囲とすることにより、微粒子同士の接触によって形成される空隙が、樹脂等によって閉塞されることが少なくなる。よって、十分なイオン透過性を得ることができると共に、単位面積当たりの目付を適切な値にすることができる。
微粒子は、粒子または比表面積が互いに異なる2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
多孔質層の厚さは、一層あたり、0.5〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。
多孔質層の厚さが一層あたり0.5μm未満であると、電池の破損等による内部短絡を十分に防止することができない場合がある。また、多孔質層における電解液の保持量が低下する場合がある。一方、多孔質層の厚さが一層あたり15μmを超えると、電池特性が低下する場合がある。
多孔質層の単位面積当たりの重量目付は、一層あたり1〜20g/mであることが好ましく、一層あたり4〜10g/mであることがより好ましい。
また、多孔質層の1平方メートル当たりに含まれる多孔質層構成成分の体積は、一層あたり0.5〜20cmであることが好ましく、一層あたり1〜10cmであることがより好ましく、一層あたり2〜7cmであることがさらに好ましい。
多孔質層の空隙率は、十分なイオン透過性を得ることができるように、20〜90体積%であることが好ましく、30〜80体積%であることがより好ましい。また、多孔質層が有する細孔の孔径は、電極を構成する粒子の細孔への入り込みを防止するという観点から、3μm以下であることが好ましく、1μm以下であることがより好ましい。
本発明の一実施形態における積層体の膜厚は、5.5μm〜45μmであることが好ましく、6μm〜25μmであることがより好ましい。
本発明の一実施形態における積層体の透気度は、ガーレ値で30〜1000sec/100mLであることが好ましく、50〜800sec/100mLであることがより好ましい。
尚、本発明の一実施形態における積層体は、前記ポリオレフィン多孔質フィルムおよび絶縁性多孔質層の他に、必要に応じて、さらに耐熱層や接着層、保護層等の公知の多孔膜(多孔質層)を、本発明の目的を損なわない範囲で含んでいてもよい。
本発明の一実施形態における積層体は、前記セパレータ1と同じ特定の範囲の、単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーを有する。よって、当該積層体を含む非水電解液二次電池の充放電サイクルを繰り返した後の抵抗増加率を低下させ、サイクル特性を向上させることができる。当該積層体の単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーは、例えば、当該積層体に含まれる前記セパレータ1の単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーを、前記の方法(石油樹脂をポリオレフィン樹脂組成物に混合すること)によって調整することにより、制御することができる。
[積層体の製造方法]
本発明の一実施形態における積層体の製造方法としては、例えば、後述する塗工液を前記ポリオレフィン多孔質フィルムの表面に塗布し、乾燥させることによって多孔質層を析出させる方法が挙げられる。
なお、前記塗工液を前記ポリオレフィン多孔質フィルムの表面に塗布する前に、当該ポリオレフィン多孔質フィルムの塗工液を塗布する表面に対して、必要に応じて親水化処理を行うことができる。
本発明の一実施形態における積層体の製造方法に使用される塗工液は、通常、上述の多孔質層に含まれ得る樹脂を溶媒に溶解させると共に、上述の多孔質層に含まれ得る微粒子を分散させることにより調製され得る。ここで、樹脂を溶解させる溶媒は、微粒子を分散させる分散媒を兼ねている。ここで、樹脂は溶媒に溶解せずエマルションとして前記塗工液中に含まれていてもよい。
前記溶媒(分散媒)は、ポリオレフィン多孔質フィルムに悪影響を及ぼさず、前記樹脂を均一かつ安定に溶解し、前記微粒子を均一かつ安定に分散させることができればよく、特に限定されるものではない。前記溶媒(分散媒)としては、具体的には、例えば、水および有機溶媒が挙げられる。前記溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
塗工液は、所望の多孔質層を得るのに必要な樹脂固形分(樹脂濃度)や微粒子量等の条件を満足することができれば、どのような方法で形成されてもよい。塗工液の形成方法としては、具体的には、例えば、機械攪拌法、超音波分散法、高圧分散法、メディア分散法等が挙げられる。また、前記塗工液は、本発明の目的を損なわない範囲で、前記樹脂および微粒子以外の成分として、分散剤や可塑剤、界面活性剤、pH調整剤等の添加剤を含んでいてもよい。尚、添加剤の添加量は、本発明の目的を損なわない範囲であればよい。
塗工液のポリオレフィン多孔質フィルムへの塗布方法、つまり、ポリオレフィン多孔質フィルムの表面への多孔質層の形成方法は、特に制限されるものではない。多孔質層の形成方法としては、例えば、塗工液をポリオレフィン多孔質フィルムの表面に直接塗布した後、溶媒(分散媒)を除去する方法;塗工液を適当な支持体に塗布し、溶媒(分散媒)を除去して多孔質層を形成した後、この多孔質層とポリオレフィン多孔質フィルムとを圧着させ、次いで支持体を剥がす方法;塗工液を適当な支持体に塗布した後、塗布面にポリオレフィン多孔質フィルムを圧着させ、次いで支持体を剥がした後に溶媒(分散媒)を除去する方法等が挙げられる。
塗工液の塗布方法としては、従来公知の方法を採用することができ、具体的には、例えば、グラビアコーター法、ディップコーター法、バーコーター法、およびダイコーター法等が挙げられる。
溶媒(分散媒)の除去方法は、乾燥による方法が一般的である。また、塗工液に含まれる溶媒(分散媒)を他の溶媒に置換してから乾燥を行ってもよい。
[正極]
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池に備えられる正極としては、一般に非水電解液二次電池の正極として使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、正極活物質およびバインダー樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える正極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に導電剤および/または結着剤を含んでもよい。
前記正極活物質としては、例えば、リチウムイオンまたはナトリウムイオン等の金属イオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、具体的には、例えば、V、Mn、Fe、CoおよびNi等の遷移金属を少なくとも1種類含んでいるリチウム複合酸化物が挙げられる。
前記導電剤としては、例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、熱分解炭素類、炭素繊維および有機高分子化合物焼成体等の炭素質材料等が挙げられる。前記導電剤は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ素系樹脂、アクリル樹脂、並びに、スチレンブタジエンゴムが挙げられる。なお、結着剤は、増粘剤としての機能も有している。
前記正極集電体としては、例えば、Al、Niおよびステンレス等の導電体が挙げられる。中でも、薄膜に加工し易く、安価であることから、Alがより好ましい。
シート状の正極の製造方法としては、例えば、正極活物質、導電剤および結着剤を正極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて正極活物質、導電剤および結着剤をペースト状にした後、当該ペーストを正極集電体に塗工し、乾燥した後に加圧して正極集電体に固着する方法;等が挙げられる。
[負極]
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池に備えられる負極としては、一般に非水電解液二次電池の負極として使用されるものであれば、特に限定されないが、例えば、負極活物質およびバインダー樹脂を含む活物質層が集電体上に成形された構造を備える負極シートを使用することができる。なお、前記活物質層は、更に導電剤を含んでもよい。
前記負極活物質としては、例えば、リチウムイオンまたはナトリウムイオン等の金属イオンをドープ・脱ドープ可能な材料が挙げられる。当該材料としては、例えば、炭素質材料等が挙げられる。炭素質材料としては、天然黒鉛、人造黒鉛、コークス類、カーボンブラック、および熱分解炭素類等が挙げられる。
前記負極集電体としては、例えば、Cu、Niおよびステンレス等の導電体が挙げられ、リチウムと合金を作り難く、かつ薄膜に加工し易いことから、Cuがより好ましい。
シート状の負極の製造方法としては、例えば、負極活物質を負極集電体上で加圧成型する方法;適当な有機溶剤を用いて負極活物質をペースト状にした後、当該ペーストを負極集電体に塗工し、乾燥した後に加圧して負極集電体に固着する方法;等が挙げられる。前記ペーストには、好ましくは前記導電剤、および、前記結着剤が含まれる。
[非水電解液]
本発明の一実施形態における非水電解液は、下記式(A)で表されるイオン電導度低下率Lが1.0%以上、6.0%以下である添加剤を0.5ppm〜300ppm含有する。
L=(LA−LB)/LA・・・(A)
式(A)中、LAは、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=3/5/2(体積比)の割合で含む混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させた参照用電解液のイオン電導度(mS/cm)を表し、LBは、前記参照用電解液に、添加剤を1.0重量%溶解させた電解液のイオン電導度(mS/cm)を表す。
前記添加剤は、前記要件(式(A)で表されるイオン電導度低下率Lが1.0%以上、6.0%以下であること)を充足する化合物であれば特に限定されない。前記要件を充足する化合物としては、具体的には、ペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]、トリエチルフォスフェイト、ビニレンカーボネート、プロパンサルトン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、6−[3−(3−t−Butyl−4−hydroxy−5−methylphenyl)propoxy]−2,4,8,10−tetra−t−butyldibenzo[d,f][1,3,2]dioxaphosphepin、リン酸トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)、2−[1−(2−Hydroxy−3,5−di−tert−pentylphenyl)ethyl]−4,6−di−tert−pentylphenyl acrylate、ジブチルヒドロキシトルエン等を挙げることができる。
本発明の一実施形態における非水電解液は、一般に非水電解液二次電池に使用される非水電解液と同様に、電解質と有機溶媒とを含む。前記電解質としては、例えば、LiClO、LiPF、LiAsF、LiSbF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO、Li10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム塩およびLiAlCl等のリチウム塩、等の金属塩が挙げられる。前記電解質は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記非水電解液を構成する有機溶媒としては、例えば、カーボネート類、エーテル類、エステル類、ニトリル類、アミド類、カーバメート類および含硫黄化合物、並びにこれらの有機溶媒にフッ素基が導入されてなる含フッ素有機溶媒等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。前記有機溶媒は、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記有機溶媒は、前記参照用電解液と同様に、EC等の環状化合物とEMC、DEC等の鎖状化合物とを含む混合溶媒であることが好ましい。前記混合溶媒は、前記環状化合物と、前記鎖状化合物とを、好ましくは環状化合物:鎖状化合物=2:8〜4:6(体積比)の割合で含み、より好ましくは、2:8〜3:7(体積比)の割合で含み、特に好ましくは3:7(体積比)の割合で含む。なお、環状化合物:鎖状化合物=3:7(体積比)の割合にて混合した混合溶媒は、非水電解液二次電池の非水電解液に、特に一般に使用される有機溶媒である。
本発明の一実施形態における添加剤は、前記参照用電解液のイオン伝導度を低下させるものである。
本発明の一実施形態における添加剤を非水電解液に添加することにより、電池特性の低下を抑制できる理由は明確ではないが、例えば、前記添加剤を添加することによって、充放電時、特に高速で電池を作動させた際、電極(正極)近傍におけるイオンの解離度を低下させ、電極(正極)近傍におけるイオン枯渇を低減させることができ、それによって、充放電に伴う、電池特性の低下を抑制できる、といった理由が考えられる。
電極近傍におけるイオン枯渇を低減させるという観点から、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池において、前記非水電解液は、前記添加剤を0.5ppm以上含有し、20ppm以上含有することが好ましく、45ppm以上含有することがより好ましい。
一方、前記添加剤の含有量が過剰に多い場合、上述の電極近傍におけるイオン枯渇を低減させることのみにとどまらず、本発明の一実施形態における電解液全体のイオンの解離度が過剰に低下し、非水電解液二次電池全体におけるイオンの流れが阻害され、かえって電池特性が低下すると考えられる。
上述の非水電解液二次電池全体におけるイオンの流れの阻害を抑制するとの観点から、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池において、前記非水電解液は、前記添加剤を300ppm以下含有し、250ppm以下含有することが好ましく、180ppm以下含有することがより好ましい。
ここで、前記添加剤を0.5ppm以上、300ppm以下含有する非水電解液を備える、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池においては、充放電を繰り返した際、特に高速で電池を作動させた際における電極(正極)付近のイオンの解離度は、前記有機溶媒の誘電率よりも、前記添加剤とイオンとの相互作用の強さ(親和性)に強く影響を受ける。
従って、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池は、本発明の一実施形態における非水電解液の種類に関係なく、電極(正極)付近のイオンの解離度を好適に小さくすることができる。すなわち、当該非水電解液に含まれる電解質の種類、量、および、含まれる有機溶媒の種類に関係なく、前記添加剤を0.5ppm以上、300ppm以下含有することにより、電極(正極)付近のイオンの解離度を好適に小さくすることができる。その結果、充放電に伴う、電池特性の低下を抑制することができる。
すなわち、前記のとおり非水電解液二次電池用セパレータのイオン透過障壁エネルギーを適切な範囲に調整すると共に、非水電解液に含まれる添加剤のイオン伝導低下率および含有量を特定の範囲に調整することで、これらを備える非水電解液二次電池におけるイオンの流れを好適なものに調整し、その結果、非水電解液二次電池の電池特性の低下を十分に抑制することができる。
前記非水電解液における添加剤の含有量を0.5ppm以上、300ppm以下に制御する方法は、特に限定されないが、例えば、後述する非水電解液二次電池の製造方法にて、非水電解液二次電池の筐体となる容器に注入する前記非水電解液に、前記添加剤を、その含有量が0.5ppm以上、300ppm以下となるように、前もって溶解させる方法等を挙げることができる。
[非水電解液二次電池の製造方法]
本発明の一実施形態に係る非水二次電池の製造方法としては、従来公知の製造方法を採用することができる。従来公知の製造方法としては、例えば、前記正極、前記非水電解液二次電池用セパレータ、および負極をこの順で配置することにより非水電解液二次電池用部材を形成し、非水電解液二次電池の筐体となる容器に当該非水電解液二次電池用部材を入れ、次いで、当該容器内を前記非水電解液で満たした後、減圧しつつ密閉することにより、本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池を製造する方法を挙げることができる。
以下、実施例および比較例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定方法]
実施例および比較例にて製造された非水電解液二次電池用セパレータの物性等、並びに、非水電解液二次電池のサイクル特性を、以下の方法を用いて測定した。
(1)膜厚(単位:μm):
非水電解液二次電池用セパレータの膜厚は、株式会社ミツトヨ製の高精度デジタル測長機(VL−50)を用いて測定した。
(2)透気度(単位:sec/100mL):
非水電解液二次電池用セパレータの透気度は、JIS P8117に準拠して測定した。
(3)非水電解液二次電池用セパレータの単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギー(単位:J/mol/μm)
非水電解液二次電池用セパレータをφ17mmの円盤状に切断し、厚み0.5mm、φ15.5mmのSUS板2枚で挟み込み、電解液を注液してコインセル(CR2032型)を作成した。ここで、電解液としては、エチレンカーボネート(EC)/エチルメチルカーボネート(EMC)/ジエチルカーボネート(DEC)=3/5/2(体積比)の割合で混合された混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/Lの濃度となるようにLiPFを溶解させた溶液を用いた。
作製したコインセルを、後述する所定の温度に設定した恒温槽に設置した。続いて、ソーラトロン社製 交流インピーダンス装置(FRA 1255B)およびセルテストシステム(1470E)を用い、周波数1MHz〜0.1Hz、電圧振幅10mVでナイキストプロットを算出し、X切片の値から各温度での非水電解液二次電池用セパレータの液抵抗rを求めた。得られた値を用いて、下記の式(1)および(2)からイオン透過障壁エネルギーを算出した。恒温槽の温度は、50℃、25℃、5℃、−10℃に設定した。
ここで、イオン透過障壁エネルギーは下記式(1)で表される。
k=1/r=Aexp(−Ea/RT) (1)
Ea:イオン透過障壁エネルギー(J/mol)
k:反応定数
:液抵抗(Ω)
A:頻度因子
R:気体定数=8.314J/mol/K
T:恒温槽の温度(K)
式(1)の両辺の自然対数をとると下記式(2)となる。当該式(2)に基づき、温度の逆数に対してln(1/r)をプロットし、当該プロットから最小二乗法にて得られる直線の傾きである−Ea/Rを求め、−Ea/Rの値に気体定数Rを乗じてEaを算出した。その後、算出したEaを非水電解液二次電池用セパレータの膜厚で除して、単位膜厚あたりのイオン透過障壁エネルギーを算出した。
ln(k)=ln(1/r)=lnA−Ea/RT (2)
(4)イオン伝導度低下率(%)
エチレンカーボネート(EC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)を3:5:2(体積比)の割合で混合した混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させることにより、参照用電解液を調製した。
参照用電解液のイオン伝導度は、株式会社堀場製作所製の電気伝導率計(ES−71)を用いて測定し、添加剤を添加する前の参照用電解液のイオン伝導度(LA)とした。
実施例、比較例にて使用した各添加剤を、20.0重量%になるようにジエチルカーボネートに添加し、溶解させた後、前記参照用電解液を加えることで、前記参照用電解液に1.0重量%の濃度で添加剤が溶解された電解液(以下、「1.0重量%添加液」と称する)を調製した。
その後、前記電気伝導率計(ES−71)を用いて、当該1.0重量%添加液のイオン伝導度を測定し、添加剤を添加した後の参照用電解液のイオン伝導度(LB)とした。
前記添加剤を添加した前後の参照用電解液のイオン伝導度から、以下の式(A)に基づき、イオン伝導度低下率を算出した。
L=(LA−LB)/LA ・・・(A)
L:イオン伝導度低下率(%)
LA:添加剤を添加する前の参照用電解液のイオン伝導度(mS/cm)
LB:参照用電解液に添加剤を添加した後の電解液のイオン伝導度(mS/cm)
(5)サイクル特性:容量維持率
以下に示す方法にて、実施例、比較例にて製造した非水電解液二次電池の100サイクル後の容量維持率を測定し、サイクル特性を評価した。
実施例、比較例にて製造した充放電サイクルを経ていない非水電解液二次電池に対して、25℃で電圧範囲;4.1〜2.7V、電流値;0.2C(1時間率の放電容量による定格容量を1時間で放電する電流値を1Cとする、以下も同様)を1サイクルとして、4サイクルの初期充放電を行った。
まず、初期充放電を行った非水電解液二次電池の容量(初期容量)を測定した。続いて、初期容量を測定した後の非水電解液二次電池に対して、55℃にて、充電電流値;1C、放電電流値;10Cの定電流で充放電を行うことを1サイクルとして、100サイクルの充放電を行った。そして、100サイクルの充放電を行った非水電解液二次電池の容量(100サイクル後の容量)を測定した。
前記方法にて測定した初期容量に対する100サイクル後の容量の比率を算出し、100サイクル後の容量維持率とした。
[実施例1]
[非水電解液二次電池用セパレータの製造]
超高分子量ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン145M、三井化学株式会社製)を18重量部、構造中に多数の3級炭素原子を有する石油樹脂(軟化点90℃の脂環式飽和炭化水素樹脂)2重量部を準備した。ブレンダーを用いて、前記超高分子量ポリエチレン粉末と、前記石油樹脂とを、粉末の粒径が同じになるまで破砕混合し、混合物1を得た。
次に、混合物1を定量フィーダーより二軸混練機に加えて溶融混練した。この時、流動パラフィンを投入する直前の二軸混練機内部の温度を144℃に設定し、流動パラフィン80重量部をポンプで二軸混練機にサイドフィードした。なお、「二軸混練機内部の温度」とは、二軸混練機におけるセグメントタイプのバレル内部の部分の温度をいう。セグメントタイプのバレルは、任意の長さに連結可能なブロック型のバレルを指す。
その後、溶融混練した混合物1を、ギアポンプを経て、210℃に設定したTダイからシート状に押し出し、シート状のポリオレフィン樹脂組成物1とした。押し出されたシート状のポリオレフィン樹脂組成物1は、冷却ロールに抱かせて冷却した。冷却後、シート状のポリオレフィン樹脂組成物1を、MD方向に6.4倍にて延伸した後、TD方向に6.0倍にて延伸する逐次延伸を行い、延伸されたポリオレフィン樹脂組成物2を得た。
延伸されたポリオレフィン樹脂組成物2を、洗浄液(ヘプタン)を用いて洗浄した後、118℃の通風オーブンに1分間静置することにより、洗浄後のシート(シート状のポリオレフィン樹脂組成物)の乾燥・熱固定を行い、ポリオレフィン多孔質フィルムを得た。得られたポリオレフィン多孔質フィルムを非水電解液二次電池用セパレータ1とした。
その後、上述の測定方法にて、得られた非水電解液二次電池用セパレータ1の物性を測定した。非水電解液二次電池用セパレータ1の膜厚は23μm、透気度は128sec/100mLであった。測定した非水電解液二次電池用セパレータ1の物性を表1に示す。
[非水電解液二次電池の作製]
(正極の作製)
LiNi0.5Mn0.3Co0.2/導電剤/PVDF(重量比92/5/3)をアルミニウム箔に塗布することにより製造された市販の正極を用いた。前記市販の正極を、正極活物質層が形成された部分の大きさが40mm×35mmであり、かつその外周に幅13mmで正極活物質層が形成されていない部分が残るように、アルミニウム箔を切り取って正極とした。正極活物質層の厚さは58μm、密度は2.50g/cmであった。
(負極の作製)
黒鉛/スチレン−1,3−ブタジエン共重合体/カルボキシメチルセルロースナトリウム(重量比98/1/1)を銅箔に塗布することにより製造された市販の負極を用いた。前記市販の負極を、負極活物質層が形成された部分の大きさが50mm×40mmであり、かつその外周に幅13mmで負極活物質層が形成されていない部分が残るように、銅箔を切り取って負極とした。負極活物質層の厚さは49μm、の密度は1.40g/cmであった。
(電解液の作製)
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを3:5:2(体積比)で混合した混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解して、電解液原液1(Liイオンを含む非プロトン性極性溶媒電解液)とした。
添加剤であるペンタエリトリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート](イオン電導度低下率:4.0%)10.2mgにジエチルカーボネートを加え、溶解させて5mLとし、添加液1とした。90μLの添加液1と1910μLの電解液原液1とを混合し、電解液1とした。なお、以下の実施例および比較例で用いた電解液における添加剤の含有量は、後述する表1に示した。
(非水電解液二次電池の組み立て)
前記正極、前記負極および非水電解液二次電池用セパレータ1および電解液1を使用して、以下に示す方法にて非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池1とした。
ラミネートパウチ内で、前記正極、非水電解液二次電池用セパレータ1、および負極をこの順で積層(配置)することにより、非水電解液二次電池用部材1を得た。このとき、正極の正極活物質層における主面の全部が、負極の負極活物質層における主面の範囲に含まれる(主面に重なる)ように、正極および負極を配置した。
続いて、非水電解液二次電池用部材1を、予め作製していた、アルミニウム層とヒートシール層とが積層されてなる袋に入れ、さらにこの袋に電解液1を0.23mL入れた。そして、袋内を減圧しつつ、当該袋をヒートシールすることにより、非水電解液二次電池1を作製した。
その後、非水電解液二次電池1のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例2]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
添加剤であるジブチルヒドロキシトルエン(イオン電導度低下率:5.3%)10.3mgにジエチルカーボネートを加え、溶解させて5mLとし、添加液2とした。90μLの添加液2と1910μLの電解液原液1とを混合し、電解液2とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに電解液2を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池2とした。
その後、非水電解液二次電池2のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例3]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
45μLの添加液1と1955μLの電解液原液1とを混合し、電解液3とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに電解液3を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池3とした。
その後、非水電解液二次電池3のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例4]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
180μLの添加液1と1820μLの電解液原液1とを混合し、電解液4とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液4を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池4とした。
その後、非水電解液二次電池4のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例5]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
添加剤であるビニレンカーボネート(イオン電導度低下率:1.3%)10.0mgにジエチルカーボネートを加え、溶解させて5mLとし、添加液3とした。90μLの添加液3と1910μLの電解液原液1を混合し、電解液5とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液5を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池5とした。
その後、非水電解液二次電池5のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例6]
[非水電解液二次電池用セパレータの製造]
洗浄液(ヘプタン)を用いて洗浄したシートの乾燥・熱固定を134℃にて16分間かけて行ったこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリオレフィン多孔質フィルムを得た。得られたポリオレフィン多孔質フィルムを非水電解液二次電池用セパレータ2とした。
その後、上述の測定方法にて、非水電解液二次電池用セパレータ2の物性を測定した。非水電解液二次電池用セパレータ2の膜厚は12μm、透気度は124sec/100mLであった。また、測定した非水電解液二次電池用セパレータ2の物性を表1に示す。
[非水電解液二次電池の作製]
非水電解液二次電池用セパレータ1の代わりに、非水電解液二次電池用セパレータ2を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を作製した。作製した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池6とした。
その後、非水電解液二次電池6のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例7]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
20μLの添加液1と1980μLの電解液原液1とを混合し、電解液6とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液6を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池7とした。
その後、非水電解液二次電池7のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例8]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
50μLの電解液6と1950μLの電解液原液1とを混合し、電解液7とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液7を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を作製した。作製した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池8とした。
その後、非水電解液二次電池8のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例9]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートを3:7(体積比)で混合した混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解して、電解液原液2とした。90μLの添加液1と1910μLの電解液原液2とを混合し、電解液8とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液8を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を作製した。作製した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池9とした。
その後、非水電解液二次電池9のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例10]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを4:4:2(体積比)で混合した混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解して、電解液原液3とした。90μLの添加液1と1910μLの電解液原液3とを混合し、電解液9とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液9を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を作製した。作製した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池10とした。
その後、非水電解液二次電池10のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[実施例11]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
エチレンカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを2:5:3(体積比)で混合した混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解して、電解液原液4とした。90μLの添加液1と1910μLの電解液原液4とを混合し、電解液10とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液10を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を作製した。作製した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池11とした。
その後、非水電解液二次電池11のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例1]
[非水電解液二次電池用セパレータの製造]
超高分子量ポリエチレン粉末(ハイゼックスミリオン145M、三井化学株式会社製)を20重量部、石油樹脂を無添加とし、流動パラフィンを二軸混練機に投入する直前の二軸混練機内部の温度を134℃に設定したこと以外は、実施例1と同様の方法にてポリオレフィン多孔質フィルムを得た。得られたポリオレフィン多孔質フィルムを非水電解液二次電池用セパレータ3とした。
その後、上述の測定方法にて、非水電解液二次電池用セパレータ3の物性を測定した。非水電解液二次電池用セパレータ3の膜厚は24μm、透気度は160sec/100mLであった。測定した非水電解液二次電池用セパレータ3の物性を表1に示す。
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
添加剤であるトリエチルフォスフェイト(イオン電導度低下率:2.3%)10.0mgにジエチルカーボネートを加え、溶解させて5mLとし、添加液4とした。45μLの添加液4と1955μLの電解液原液1とを混合し、電解液11とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
非水電解液二次電池用セパレータ1の代わりに非水電解液二次電池用セパレータ3を使用し、電解液1の代わりに電解液11を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池12とした。
その後、非水電解液二次電池12のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例2]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
180μLの添加液4と1820μLの電解液原液1とを混合し、電解液12とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
非水電解液二次電池用セパレータ1の代わりに非水電解液二次電池用セパレータ3を使用し、電解液1の代わりに電解液12を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造された非水電解液二次電池を非水電解液二次電池13とした。
その後、非水電解液二次電池13のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
[非水電解液二次電池の作製]
非水電解液二次電池用セパレータ1の代わりに非水電解液二次電池用セパレータ3を使用し、電解液1の代わりに実施例2にて調製した電解液2を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池14とした。
その後、非水電解液二次電池14のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例4]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
添加剤としてトリス−(4−t−ブチル−2,6−ジ−メチル−3−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレイト(イオン電導度低下率:6.1%)10.8mgを用い、当該添加剤にジエチルカーボネートを加え、溶解させて5mLとし、添加液5とした。90μLの添加液5と1910μLの電解液原液1とを混合し、電解液13とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液13を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池15とした。
その後、非水電解液二次電池15のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例5]
[非水電解液二次電池の作製]
非水電解液二次電池用セパレータ1の代わりに、非水電解液二次電池用セパレータ3を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池16とした。
その後、非水電解液二次電池16のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例6]
[非水電解液二次電池の作製]
(電解液の作製)
400μLの添加液1と1600μLの電解液原液1とを混合し、電解液14とした。
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液14を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を製造した。製造した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池17とした。
その後、非水電解液二次電池17のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[比較例7]
[非水電解液二次電池の作製]
(非水電解液二次電池の組み立て)
電解液1の代わりに、電解液原液1を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、非水電解液二次電池を作製した。作製した非水電解液二次電池を非水電解液二次電池18とした。
その後、非水電解液二次電池18のサイクル特性、すなわち100サイクル後の容量維持率(%)の測定を行った。その結果を表1に示す。
[結果]
実施例1〜7、比較例1〜7で用いた、非水電解液二次電池用セパレータの物性値(単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギー、単位:J/mol/μm)、イオン伝導度低下率、電解液における添加剤の含有量(表中、「添加剤の含有量」と記載する)、および、非水電解液二次電池のサイクル特性(100サイクル後の容量維持率、単位:%)を、以下の表1に示す。
Figure 0006957409
実施例1〜11にて製造した非水電解液二次電池は、単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーが300J/mol/μm以上、900J/mol/μm以下である非水電解液二次電池用セパレータ、および、1.0重量%溶解させたときの参照用電解液のイオン伝導度低下率が1.0%以上、6.0%以下である添加剤を0.5ppm以上、300ppm以下含有する非水電解液を備える。比較例1〜7にて製造した非水電解液二次電池は、単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギー、前記イオン伝導度低下率および前記添加剤の含有量のうちの1つが上述の範囲外である。表1に示す結果から、実施例1〜11にて製造した非水電解液二次電池は、比較例1〜7にて製造された非水電解液二次電池よりも、サイクル特性に優れ、充放電に伴う電池特性の低下をより抑制できることが分かった。
本発明の一実施形態に係る非水電解液二次電池は、サイクル特性に優れるため、パーソナルコンピュータ、携帯電話および携帯情報端末などに用いる電池、並びに、車載用電池として好適に利用することができる。

Claims (2)

  1. 単位膜厚当たりのイオン透過障壁エネルギーが、300J/mol/μm以上、900J/mol/μm以下である非水電解液二次電池用セパレータと、
    下記式(A)で表されるイオン電導度低下率Lが1.0%以上、6.0%以下である添加剤を0.5ppm以上、300ppm以下含有する非水電解液と、を備える非水電解液二次電池。
    L=(LA−LB)/LA・・・(A)
    (式(A)中、LAは、エチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート/ジエチルカーボネート=3/5/2(体積比)の割合で含む混合溶媒に、LiPFの濃度が1mol/LとなるようにLiPFを溶解させた参照用電解液のイオン電導度(mS/cm)を表し、
    LBは、前記参照用電解液に、添加剤を1.0重量%溶解させた電解液のイオン電導度(mS/cm)を表す。)
  2. 100サイクル後の容量維持率が90%以上である、請求項1に記載の非水電解液二次電池。
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