JP6956873B2 - 細胞培養装置、細胞培養方法及びプログラム - Google Patents

細胞培養装置、細胞培養方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP6956873B2
JP6956873B2 JP2020528639A JP2020528639A JP6956873B2 JP 6956873 B2 JP6956873 B2 JP 6956873B2 JP 2020528639 A JP2020528639 A JP 2020528639A JP 2020528639 A JP2020528639 A JP 2020528639A JP 6956873 B2 JP6956873 B2 JP 6956873B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
culture
cell
unit
information indicating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2020528639A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2020008606A1 (ja
Inventor
修 高原
小出来 一秀
彰 守川
哲史 東
竹村 研治郎
佑太 倉科
弦一郎 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Keio University
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Keio University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp, Keio University filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2020008606A1 publication Critical patent/JPWO2020008606A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6956873B2 publication Critical patent/JP6956873B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M35/00Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion
    • C12M35/04Mechanical means, e.g. sonic waves, stretching forces, pressure or shear stimuli
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M35/00Means for application of stress for stimulating the growth of microorganisms or the generation of fermentation or metabolic products; Means for electroporation or cell fusion
    • C12M35/02Electrical or electromagnetic means, e.g. for electroporation or for cell fusion
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N13/00Treatment of microorganisms or enzymes with electrical or wave energy, e.g. magnetism, sonic waves
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q3/00Condition responsive control processes

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Sustainable Development (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

本発明は、細胞培養装置、細胞培養方法及びプログラムに関する。
再生医療で用いられる動物細胞の培養方法として、浮遊系培養技術の適用が検討されている。例えば、特許文献1には、撹拌翼で培養液を撹拌しながら、細胞塊を細分化するために細胞塊に超音波を照射する細胞培養装置が開示されている。当該細胞培養装置において培養液を撹拌する目的は、培養液内の栄養成分及び溶解酸素の偏在を緩和すること、及び細胞の沈降に起因する細胞の密集を抑制することである。
特許文献1に開示された細胞培養装置のように撹拌翼で培養液を撹拌すると、撹拌翼によって細胞を傷めてしまうおそれがある。撹拌翼で細胞を傷めることを避けるために、特許文献2には、超音波を照射することで細胞懸濁液を撹拌する培養装置が開示されている。
国際公開第2017/056695号 実開昭63−013600号公報
特許文献2に開示された培養装置では、細胞懸濁液を撹拌するために超音波が常時照射される。超音波を常時照射すると、細胞懸濁液に含まれる細胞への影響が懸念されるうえ、培養液の温度が上昇し、細胞に悪影響を及ぼすおそれがある。
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、超音波による撹拌において培養液への不要な超音波の照射を防いで細胞を効率よく培養することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る細胞培養装置は、照射部と、取得部と、制御部と、を備える。照射部は、培養容器に細胞とともに保持された培養液に向かって超音波を照射する。取得部は、培養液における細胞の沈降状態を示す情報を取得する。制御部は、細胞の沈降状態を示す情報に基づいて照射部の動作を制御する。
本発明によれば、培養液における細胞の沈降状態に応じて超音波が培養液に照射される。これにより、細胞が沈降している場合には超音波によって培養液が撹拌され、細胞が十分に浮遊している場合には超音波が照射されない。よって、超音波による撹拌において培養液への不要な超音波の照射を防いで細胞を効率よく培養することができる。
本発明の実施の形態1に係る細胞培養装置の構成を示す図 図1に示す細胞培養装置の一部を示す斜視図 図1に示す制御装置のハードウエア構成を示すブロック図 図1に示す細胞培養装置において超音波振動子に印加される駆動電圧の波形を示す図 図1に示す制御装置が備えるCPUが実現する機能を示すブロック図 画像解析による沈降速度の算出の概念図 図1に示す細胞培養装置による撹拌処理のフローチャート 図1に示す細胞培養装置で培養開始から超音波を間欠的に照射して培養した場合及び超音波を全く照射しない場合の培養時間に対する細胞の個数を示す図 図1に示す細胞培養装置による回収処理のフローチャート 培養容器の一例としての細胞培養フラスコを示す斜視図 本発明の実施の形態1に係る他の細胞培養装置の構成を示す図 本発明の実施の形態2に係る細胞培養装置の構成を示す図 培養液を撮像した画像を示す図 図12に示す細胞培養装置による撹拌処理のフローチャート 図12に示す細胞培養装置による回収処理のフローチャート 本発明の実施の形態3に係る細胞培養装置の構成を示す図 蛍光物質を含む培養液を撮像した画像を示す図 図16に示す細胞培養装置による撹拌処理のフローチャート 本発明の実施の形態4に係る細胞培養装置による撹拌処理のフローチャート 本発明の実施の形態4に係る他の細胞培養装置の構成を示す図 本発明の実施の形態5に係る細胞培養装置の構成を示す図 本発明の実施の形態6に係る細胞培養装置の構成を示す図 図22に示す細胞培養装置による撹拌処理のフローチャート 本発明の実施の形態7に係る細胞培養装置の構成を示す図
以下、本発明の実施の形態に係る細胞培養装置について図面を参照して詳細に説明する。なお図面中、同一又は同等の部分には同一の符号を付す。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る細胞培養装置100の構成を示す図である。細胞培養装置100は、培養容器1に保持された細胞2を培養するための装置である。細胞2の培養において、細胞培養装置100は、培養容器1に細胞2とともに保持された培養液3を撹拌する。培養容器1は、底面が円である円筒状で、上面が開口している。培養容器1はポリカーボネート製である。
細胞2は、浮遊系で培養できる動物細胞である。細胞2は、細胞分裂後に複数の細胞2が凝集して細胞塊4を形成することがある。培養液3は、細胞2の培養に適した組成である。培養液3には、液体培地の他、有機物、pH緩衝液、血清、各種ミネラル、抗生物質及びpH指示薬等が含まれている。以下において、細胞2には、細胞塊4が含まれるものとする。
図2に示すように、培養容器1は、上面が開口した水槽5の内部に配置される。水槽5は液体6で満たされる。液体6は、水又は油である。開口した水槽5の上面は蓋7で覆われる。
細胞培養装置100は、培養液3を撮像する光学センサ8と、酸素の濃度を測定する培養液センサ9と、超音波を照射する超音波振動子10と、制御装置11と、細胞2を回収する細胞回収装置12と、を備える。制御装置11は、光学センサ8、培養液センサ9、超音波振動子10及び細胞回収装置12の動作を制御する。なお、以下では、超音波振動子を単に「振動子」と表記する。
光学センサ8は、制御装置11に接続されている。光学センサ8は、培養容器1に保持された細胞2を含む培養液3を撮像する。光学センサ8によって撮像された画像に対応する画像データは、制御装置11に伝送される。
培養液センサ9は、蓋7を貫通して、培養液3に浸されている。培養液センサ9は、培養液3に溶解している酸素の濃度を測定する。培養液センサ9は、制御装置11に接続されている。培養液センサ9によって測定された酸素の濃度を示す情報は制御装置11に伝送される。
振動子10は水槽5の底面に取り付けられた粘弾性体に埋め込まれることで、水槽5に設置されている。振動子10は圧電素子を備える。駆動電圧を印加された圧電素子が振動子10の中心軸の方向に振動することで、振動子10は超音波(疎密波)を照射する。照射された超音波は中心軸に沿って伝搬する。振動子10から照射される超音波の中心軸は、水槽5の底面に対して垂直である。振動子10は培養液3に向かって超音波を照射する照射部として機能する。ここでの超音波とは、周波数が20kHz以上の弾性振動波である。
振動子10は制御装置11に接続されている。図3に示すように、制御装置11は、超音波振動子制御回路110、記憶部111、RAM(Random Access Memory)112、CPU(Central Processing Unit)113及びバス114を備える。超音波振動子制御回路110、記憶部111、RAM112及びCPU113は、バス114で接続されている。
超音波振動子制御回路110は、振動子10から照射される超音波の周波数及び振幅に対応する駆動電圧を生成する。制御装置11は、超音波振動子制御回路110で生成した駆動電圧を振動子10に印加する。振動子10は、駆動電圧に応じて振動する。なお、細胞2の死滅及び減少を抑制するため、制御装置11は、駆動電圧の振幅を制御し、超音波に起因して培養容器1内に生じる音圧を300kPa以下にする。
制御装置11は、図4に示すように、間欠的に駆動電圧を振動子10に印加する。これにより、振動子10は、一定の間隔で駆動及び停止を繰り返す。より詳細には、制御装置11は、振動子10を30秒間駆動させた後、90秒間停止させる。超音波の周波数は158kHzである。
記憶部111は、ROM、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を備え、制御プログラム115の他、各種データを記憶している。
RAM112は、CPU113のメインメモリとして機能する。CPU113による制御プログラム115の実行に際し、RAM112で制御プログラム115が展開される。
CPU113が制御プログラム115の他、記憶部111に記憶された各種ソフトウェアプログラムをRAM112に読み出し、ソフトウェアプログラムを実行することで、制御装置11は、光学センサ8、培養液センサ9、振動子10及び細胞回収装置12に以下の動作を実行させる。
図5は、CPU113が実現する機能を示すブロック図である。制御プログラム115は、CPU113に、培養液3中の細胞2を検出する検出部13、培養液3における細胞2の沈降状態を示す情報を取得する取得部14、細胞2の沈降状態を示す情報に基づいて振動子10の動作を制御する制御部15、としての機能を実現させる。
検出部13は、光学センサ8によって撮像された画像に対して画像認識手法であるエッジ検出法を用いて、画像における細胞2と培養液3との境界面を抽出する。検出部13は、境界面を縁とする形状と、あらかじめ記憶部111に記憶された細胞2とみなされる形状との間に一定以上の相似性が認められた場合に、当該境界面を縁とする形状を細胞2として検出する。
検出部13は、画像データ及び当該画像データに対応する画像における細胞2と培養液3との境界面に関する情報を、当該画像が撮像された時刻に関連付けて記憶部111に記憶させる。
また、検出部13は、培養液センサ9を介して培養液3に含まれる酸素の濃度を検出する。検出部13は、酸素の濃度を示す情報を制御部15に出力する。
取得部14は、光学センサ8によって撮像された画像に含まれる細胞2の培養容器1内での位置情報を取得する。位置情報の取得において、取得部14は、記憶部111に記憶された画像データに対応する画像上に、培養容器1の底面からの高さ方向及び水平方向それぞれに対応する座標軸を設定する。取得部14は、画像における座標平面上での細胞2の座標を位置情報として取得する。細胞2の位置情報は、例えば、細胞2として検出された形状の縁の座標平面上における座標の範囲である。
取得部14は、画像データに関連付けて、当該画像データに対応する画像に含まれる細胞2の位置情報を記憶部111に記憶させる。画像データに対応する画像に含まれる細胞2が複数個の場合、取得部14は、各細胞2に識別番号を付与し、識別番号に対応させて位置情報を記憶部111に記憶させる。
取得部14は、細胞2の沈降状態を示す情報として、検出部13によって検出された細胞2の単位時間あたりの沈降距離、すなわち沈降速度を算出する。ここで、図6を参照して沈降速度の算出について説明する。取得部14は、記憶部111に記憶された時刻t1に撮像された画像p1に対応する画像データ及び時刻t2に撮像された画像p2に対応する画像データを参照する。取得部14は、画像p1及び画像p2それぞれに、培養容器1の水平断面における中心を基準とするx軸及び培養容器1の底面を基準とする高さ方向であるy軸を設定する。画像p1及び画像p2に設定されたx軸及びy軸は、尺度が等しい座標軸である。
取得部14は、画像p1に含まれる細胞2の位置情報、すなわち座標(x1,y1)と、画像p2に含まれる細胞2の座標(x2,y2)とから細胞2の底面方向への移動距離を沈降距離として算出する。続いて、取得部14は、沈降距離をt2からt1を減じた経過時間tで除して細胞2の沈降速度を算出する。取得部14は、算出した沈降速度を示す情報を制御部15に出力する。
また、取得部14は、検出部13によって検出された細胞2の大きさを測定する。詳細には、取得部14は、記憶部111に記憶された画像データを参照し、画像の倍率及び細胞2の画像上の直径又は面積から細胞2の大きさを測定する。取得部14は、得られた細胞2の大きさを示す情報を制御部15に出力する。
制御部15は、細胞2の沈降状態を示す情報に基づいて振動子10の動作を制御する。制御部15は、細胞2の沈降状態を示す情報としての細胞2の沈降速度と、あらかじめ記憶部111に記憶された閾値Nとを比較する。細胞2の沈降速度がN以上の場合、沈降が進み、細胞2を浮遊させないと細胞2が培養容器1の底面に密集してしまい、細胞2の増殖が抑制され得る。よって、細胞2の沈降速度がN以上の場合、制御部15は、駆動電圧を振動子10に印加する。
制御部15が振動子10に駆動電圧を印加すると、超音波が培養液3に向かって照射される。より詳細には、振動子10の振動によって生じた音響放射圧が、振動子10の端面に接する液体6中を伝搬する。音響放射圧は、培養容器1の底面を介して培養液3にさらに伝搬する。培養液3には、音響放射圧に基づく音響流が生じる。この結果、音響流によって培養容器1内の細胞2の沈降が抑制され、あるいは細胞2が浮遊し、培養容器1の底面に密集することを防ぐことができる。
制御部15は、細胞2の大きさを示す情報に基づいて振動子10の動作を制御する。細胞2が大きくなると、沈降速度が速くなる傾向がある。このため、細胞2の大きさに伴い、超音波の照射時間を長くすることで、細胞2の沈降を効果的に抑制することができる。制御部15は、細胞2の大きさに応じて振動子10から超音波が照射される時間を長くする。より詳細には、細胞2の大きさの範囲と超音波の照射時間と対応付けられたテーブルが記憶部111に記憶されている。当該テーブルでは、細胞2の大きさに比例して長い照射時間が対応付けられている。制御部15は、テーブルを参照し、取得部14によって取得された細胞2の大きさに対応する照射時間の間、振動子10を介して超音波を照射する。
制御部15は、酸素の濃度を示す情報に基づいて照射部の動作を制御する。具体的には、制御部15は、検出部13によって検出された酸素の濃度と、あらかじめ記憶部111に記憶された閾値Noxyとを比較する。酸素の濃度がNoxy以下の場合、酸素が不足し、細胞2の増殖効率が低下するおそれがある。よって、酸素の濃度がNoxy以下の場合、制御部15は振動子10を介して超音波を照射する。超音波の照射によって培養液3に生じる音響流によって、培養液3は撹拌される。これにより、雰囲気中の酸素の培養液3への取り込みを促進させることができる。培養液3の撹拌によっても培養液3への酸素の取り込みが不十分な場合には、散気管を培養液3に浸して強制的にエアレーションを行うことで培養液3に酸素を供給してもよい。
制御部15は、振動子10の他に、光学センサ8、培養液センサ9及び細胞回収装置12を制御する。
細胞回収装置12は、管120と、吸引ポンプ121と、吸引ポンプコントローラ122と、回収用バッグ123と、開閉弁124と、を備える。細胞回収装置12は、吸引ポンプコントローラ122を介して制御装置11に接続されている。制御部15は、細胞回収装置12を介して細胞2を回収する回収部として機能する。
両端が開口した管120の一端は吸入口125である。管120は、蓋7を貫通しており、吸入口125が培養液3内に入っている。管120の他端は吸引ポンプ121に接続されている。吸引ポンプ121は吸引ポンプコントローラ122に接続されている。
吸引ポンプコントローラ122は、図示しないCPUと、外部記憶装置と、RAMと、を備える。制御部15による制御のもと、CPUが外部記憶装置に記憶されたソフトウェアプログラムをRAMに読み出し、ソフトウェアプログラムを実行制御することで、吸引ポンプコントローラ122は吸引ポンプ121の動作を制御する。
回収用バッグ123は、開閉弁124を介して吸引ポンプ121に接続されている。開閉弁124を閉めると、吸引ポンプ121から回収用バッグ123への空気の流入が遮断される。一方、開閉弁124を開けると、吸引ポンプ121から回収用バッグ123への空気の流入が可能になる。
開閉弁124が開いた状態で、吸引ポンプコントローラ122が吸引ポンプ121を駆動すると、吸引ポンプ121は吸入口125から吸引する。吸入口125は培養液3に入っているため、培養容器1内の細胞2が培養液3とともに吸入口125から吸引される。吸引された培養液3及び細胞2は、回収用バッグ123に移送される。これにより、細胞培養装置100は細胞2を回収することができる。
細胞2の回収にあたって、取得部14は、検出部13によって検出された培養液3に含まれる細胞2の個数の変化を示す情報を取得する。具体的には、取得部14が画像p1に含まれる細胞2の個数及び画像p2に含まれる細胞2の個数を計数する。続いて、取得部14は、画像p1に含まれる細胞2の個数と画像p2に含まれる細胞2の個数とから経過時間tにおける細胞2の個数の変化率を算出する。取得部14は、細胞2の個数の変化を示す情報として細胞2の個数の変化率を示す情報を制御部15に出力する。
制御部15は、細胞2の個数の変化を示す情報に基づいて細胞2を回収する。ここでは、制御部15は、変化率とあらかじめ記憶部111に記憶された閾値Nとを比較する。変化率がN以下の場合、細胞2の個数の変動が小さくなっており、培養液3における細胞2の増殖が定常期となっている。定常期には細胞2は大幅に増加することはない。よって、制御部15は、吸引ポンプコントローラ122に、細胞2の回収を指示する指示データを伝送する。
制御部15から指示データを受けて、吸引ポンプコントローラ122は、細胞2を回収する。吸引ポンプコントローラ122は、回収用バッグ123に回収された培養液3が規定の量になったら、吸引ポンプ121による吸引を停止する。開閉弁124を閉めると、細胞2を保持する回収用バッグ123が得られる。
次に、本実施の形態における細胞培養装置100の使用方法及び動作について説明する。細胞培養装置100は、二酸化炭素の濃度が5%に維持された37℃の空気の雰囲気下に設置される。また、細胞培養装置100は、培養液3が外部から汚染されないために密閉空間内に設置される。
細胞培養装置100を設置し、水槽5内に配置された培養容器1に保持された培養液3が雰囲気下で安定するのを待つ。続いて、10個以上の細胞2を滅菌ピペットで培養液3に播種する。
図7は、細胞培養装置100による撹拌処理のフローチャートである。培養開始から一定時間経過後、検出部13は、培養液3中の細胞2を検出する(ステップS1)。取得部14は、位置情報に基づいて沈降速度を算出する(ステップS2)。制御部15は、細胞2の沈降速度がN以上であるか否かを判定する(ステップS3)。沈降速度がN未満の場合(ステップS3;No)、制御部15は、ステップS6に進む。
一方、沈降速度がN以上の場合(ステップS3;Yes)、取得部14は、細胞2の大きさを測定する(ステップS4)。制御部15は、超音波の照射時間を細胞2の大きさに対応する照射時間として、振動子10を介して超音波を培養液3に向かって照射する(ステップS5)。
次に、制御部15は、培養液センサ9を介して培養液3に溶解している酸素の濃度を測定する(ステップS6)。制御部15は、酸素の濃度がNoxy閾値以下であるか否かを判定する(ステップS7)。酸素の濃度がNoxy以下の場合(ステップS7;Yes)、制御部15は、振動子10を介して超音波を培養液3に向かって照射する(ステップS8)。一方、酸素の濃度がNoxyを超える場合(ステップS7;No)、制御部15は、撹拌処理を終了する。
細胞培養装置100を用いて、培養開始から超音波を間欠的に照射して培養した場合と、超音波を全く照射しない場合の細胞2の個数の経時変化を図8に示す。細胞2は、0日目に培養液3に播種され、3日目に回収された。回収後、交換した培養液3に細胞2が播種され、6日目に回収された。超音波を全く照射せずに培養した場合と比較して、細胞培養装置100で超音波を間欠的に照射して培養した場合に、細胞2の増殖効率が向上した。
続いて、図9を参照しながら、細胞培養装置100による細胞2の回収処理について説明する。まず、検出部13は、培養液3中の細胞2を検出する(ステップS11)。取得部14は、画像p1に含まれる細胞2の個数と画像p2に含まれる細胞2の個数を計数する(ステップS12)。
続いて取得部14は、細胞2の個数の変化率を算出する(ステップS13)。制御部15は、細胞2の個数の変化率がN以下であるか否かを判定する(ステップS14)。細胞2の個数の変化率がN以下の場合(ステップS14;Yes)、制御部15は、細胞2の回収を指示し(ステップS15)、回収処理を終了する。これにより、細胞2が回収用バック123に回収される。一方、細胞2の個数の変化率がNを超える場合(ステップS14;No)、制御部15は、ステップS11に戻る。
以上説明したとおり、本実施の形態1に係る細胞培養装置100によれば、培養液3における細胞2の沈降状態に応じて超音波が培養液3に照射される。これにより、細胞2が沈降している場合には培養液3が撹拌され、細胞2が十分に浮遊している場合には撹拌されない。細胞2の培養においては、常時撹拌しなくても、細胞2の沈降を抑制する程度に撹拌すれば十分である。よって、培養液3への不要な超音波の照射を防ぐことができる。
細胞培養装置100によれば、培養液3における細胞2の沈降状態に応じて超音波が培養液3に照射されるため、超音波を常時照射した場合の液体6及び培養液3の温度上昇を抑制し、培養液3の温度を細胞2の培養に適した37℃付近に維持することができる。これにより、細胞2に過度なストレスを与えることなく、細胞2の増殖率及び生存率の低下を抑えることができる。
また、細胞培養装置100は、経過時間tにおける細胞2の個数の変化率に応じて、細胞2を回収する。これにより、細胞2の対数増殖期であって増殖が不十分である場合には培養が継続され、細胞2が十分に増殖した定常期に細胞2を回収することができるので、効率よく細胞2を培養することができる。なお、上記の経過時間tは、任意であって、細胞2の増殖速度及び特性を考慮して決定される。
また、細胞培養装置100は、培養液3の撹拌に撹拌翼を使用せずに超音波を用いる。このため、撹拌翼の使い回しによる汚染の発生を抑制することができる。
なお、本実施の形態では、培養容器1の材質はポリカーボネートに限定されず、オートクレーブによる滅菌が可能な他のプラスチック又はガラスでもよい。例えば、培養容器1の材質としては、ポリスチレンが挙げられる。
なお、本実施の形態では、培養容器1は、底面が円である円筒状としたが、培養容器1は、特に限定されず、例えば図10に示される細胞培養フラスコ7aでもよい。水槽5の形状は、培養容器1の形状に合わせて適宜変更される。
また、液体6は水又は油としたが、液体6の代わりに音響インピーダンスが培養容器1に近い物質を用いてもよい。例えば、当該物質の音響インピーダンスは水の音響インピーダンスと等しい。
なお、本実施の形態では、培養液3に10個以上の細胞2を播種したが、播種する細胞2の個数は、培養容器1の容量及び細胞2の増殖速度に応じて適宜調整すればよい。
なお、光学センサ8は、紫外領域から赤外領域に対応するものであればよく、有感波長帯は任意である。光学センサ8は、CCDカメラ等の画像を撮像できるセンサが望ましいが、必ずしも画像を撮像できるセンサでなくてもよい。細胞培養装置100は、光学センサ8の代わりに、細胞2の濃度を測定する濁度法に用いられる分光光度計を備えてもよい。分光光度計を用いる場合、細胞2の濃度の測定に適した波長の吸光度を、培養容器1の底面付近及び培養液3の液面付近において測定する。この場合、例えば、培養液3における細胞2の沈降状態を示す情報として、液面付近の吸光度から算出される細胞2の濃度D1に対する底面付近の吸光度から算出される細胞2の濃度D2の割合D2/D1を用いることができる。D2/D1が閾値よりも大きい場合に、制御部15は、超音波を培養液3に照射すればよい。
なお、細胞2の沈降速度は、光学センサ8で撮像される画像における細胞2の沈降距離をリアルタイムに計測することで算出してもよい。
なお、光学センサ8による画像の撮像は、常時でも間欠的であってもよい。光学センサ8による画像データのCPU113への伝送は、逐次でもよいし間欠的であってもよい。取得部14は、記憶部111に記憶された、任意の画像データから培養液3における細胞2の沈降状態を示す情報を取得することができる。また、本実施の形態では、撹拌処理を開始するタイミングを培養開始から一定時間経過後としたが、当該一定時間は、細胞2の播種数、増殖速度及び特性に応じて設定される。撹拌処理は、使用者の指示を契機に開始してもよい。
なお、上記撹拌処理では、沈降速度がN未満の場合(ステップS3;No)、ステップS6に進むようにしたが、制御部15は、ステップS1に戻ってもよい。
回収処理を開始するタイミングも任意に設定できる。例えば、撹拌処理において超音波が照射され、培養液3が撹拌された直後に、制御部15は回収処理を開始してもよい。こうすることで、撹拌によって培養液3中にばらけた状態で細胞2が撮像されているため、検出部13による細胞2の検出精度が高くなる。また、回収処理において、細胞2の個数の変化率がNを超える場合(ステップS14;No)、制御部15はステップS11に戻ることとしたが、制御部15は回収処理を終了してもよい。
また、本実施の形態では、細胞培養装置100を密閉空間内に設置したが、培養容器1内に温度調整装置を設置し、培養容器1内の二酸化炭素濃度を調整する手段を講じることで密閉空間内に細胞培養装置100を設置しなくてもよい。
また、本実施の形態では、振動子10から照射される超音波の中心軸を、水槽5の底面に対して垂直としたが、これに限らない。振動子10の設置に際し、超音波の中心軸を水槽5の底面に対して任意の角度に調整すればよい。超音波の照射によって細胞2の沈降を抑えるために、振動子10から照射される超音波の中心軸が水槽5の底面に平行とならないほうがよい。なお、本実施の形態では、超音波の周波数を158kHzとしたが、これに限定されず、使用する振動子10の特性に応じて、任意の周波数を用いればよい。
なお、本実施の形態では、制御部15が振動子10の間欠照射の条件を30秒間駆動させた後、90秒間停止させることとしたが、間欠照射の条件は限定されない。例えば、間欠照射の条件として、1回の超音波の照射後、当該照射時間の9倍の時間にわたって超音波の照射を停止することが挙げられる。
なお、制御部15は、細胞2の沈降速度に応じて、照射時間に限らず、振動子10の駆動電圧、駆動時間及び駆動電圧の印加頻度を適宜調整することで、柔軟に振動子10を制御すればよい。
また、本実施の形態では、細胞2の沈降速度に加え、培養液3に含まれる物質(第3の物質)としての酸素の濃度に応じて超音波の照射を制御することとした。この他、培養液3に含まれる物質として、水素イオン(pH)、細胞2から排出される老廃物、例えば二酸化炭素、アンモニア、尿素及び乳酸の濃度に応じて、超音波の照射を制御してもよい。培養液3における老廃物の過度の蓄積は、細胞2の増殖速度に大きな影響を与えるため、例えば、老廃物の偏在を検出した場合に、超音波を照射することで、老廃物の偏在を解消し、細胞2が増殖しやすい環境を構築することができる。
なお、本実施の形態では、取得部14は、画像の倍率及び細胞2の画像上の直径又は面積から細胞2の大きさを測定するようにしたが、細胞2の最大径を測定してもよい。また、取得部14は、細胞2の大きさとして、複数の細胞2の大きさの平均値及び中央値等の代表値を取得してもよい。
また、検出部13は、境界面を縁とする形状と、細胞2とみなされる形状との間の相似性に基づいて細胞2を検出することとした。細胞2とみなされる形状は、細胞2の形状であってもよいし、例えば、細胞2の形状に近似する形状として、円形、楕円形、四角及びひし形でもよい。また、検出部13による細胞2の検出では、エッジ検出法を用いて細胞2と培養液3との境界面を抽出したが、エッジ検出法以外の公知の画像認識手法を用いてもよい。
また、制御部15は、細胞2の沈降速度及び培養液3における酸素の濃度に基づいて振動子10を順次制御するようにしたが、細胞2の沈降速度のみに基づいて振動子10を制御してもよい。また、制御部15による細胞2の沈降速度及び培養液3における酸素の濃度に基づく制御の順序は任意である。また、制御部15は、超音波の照射する基準として、細胞2の沈降速度に加えて、培養液3における酸素の濃度を合わせて用いてもよい。この場合、例えば、制御部15は、細胞2の沈降速度がN以上、かつ培養液3における酸素の濃度がNoxy以下の場合に振動子10を介して超音波を照射する。
なお、本実施の形態では、制御部15は、細胞2の個数の変化率に基づいて細胞2を回収することとしたが、使用者の判断で細胞2を回収してもよい。また、細胞培養装置100は、細胞回収装置12を備えず、細胞2の増殖特性に応じて、十分な増殖が見込める時間経過後に細胞2を使用者が手作業で回収してもよい。
また、振動子10は、1個に限らず、複数個であってもよい。例えば、図11は、細胞培養装置100の構成に、振動子10と同じ振動子10aを1個追加した細胞培養装置200の構成の一部を示す。制御部15は、振動子10及び振動子10aを制御することで、より柔軟に培養液3を撹拌できる。例えば、制御部15は、振動子10及び振動子10aそれぞれから交互に超音波を照射させる。
なお、振動子10は、水槽5の底面ではなく、側面に配置してもよい。水槽5の側面に複数個の振動子10を配置する場合、好ましくは、各振動子10が培養容器1の中心を対称の中心とする回転対称の位置関係に配置される。振動子10を側面に配置する場合も、超音波の照射によって細胞2の沈降を有効に抑えるために、振動子10から照射される超音波の中心軸が水槽5の底面に平行とならないほうがよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る細胞培養装置300について、上記実施の形態1に係る細胞培養装置100と異なる点を主に説明する。図12に示すように、細胞培養装置300は、細胞培養装置100の構成に加えて出力部16を備える。
出力部16は、制御装置11に接続されている。出力部16は、制御部15によって制御される。出力部16は、スピーカを備え、制御部15から伝送される指示データに基づいて、スピーカから警告音及び通知音を発する。警告音は、培養容器1内の細胞2の個数が下限値Nminに達していないことを警告するための音である。通知音は、培養容器1内の細胞2の個数が上限値Nmaxに達したことを通知するための音である。記憶部111は、Nmin及びNmaxを記憶している。
取得部14は、細胞2の沈降状態を示す情報として、検出部13によって検出された細胞2の培養容器1における分布から培養容器1における細胞2の沈降度合いを示す情報を取得する。取得部14は、記憶部111に記憶された時刻t3に撮像された画像p3に対応する画像データを参照する。図13に示す画像p3の上端は培養液3の液面で、下端は培養容器1の底面であって、画像p3には培養容器1内の培養液3の全体が示されている。取得部14は、画像p3全体に検出された細胞2の個数N1及び画像p3の下端から上端までの高さの50%に設定した高さ以下に存在する細胞2の個数N2を計数する。取得部14は、N2をN1で除することで得られるnを細胞2の沈降度合いを示す情報として取得する。培養容器1において底面付近に存在する細胞2の割合が増加するにつれて、nは大きくなる。取得部14は、n及びN1を示す情報を制御部15に出力する。
取得部14は、検出部13によって検出された培養液3における細胞2の個数に相関する情報も取得する。細胞2の個数に相関する情報は、画像p3に含まれる細胞2の個数、すなわち上記N1である。なお、細胞2の個数に相関する情報は、細胞2の画像上の面積の総和であってもよいし、細胞2の濃度であってもよい。
制御部15は、細胞2の濃度に相関する情報に基づいて使用者に通知を行う。より詳細には、制御部15は、N1とあらかじめ記憶部111に記憶されたNmin及びNmaxとを比較する。N1がNmin以下の場合、細胞2の増殖が進んでおらず、培養条件が細胞2に適していないおそれがある。N1がNmin以下の場合、制御部15は、出力部16を介して警告音を出力する。N1がNmax以上の場合、細胞2が十分に増殖しているため、制御部15は、出力部16を介して警告音とは異なる通知音を出力する。
制御部15は、細胞2の沈降度合いを示す情報に基づいて振動子10の動作を制御する。制御部15は、nとあらかじめ記憶部111に記憶された閾値N0とを比較する。nがN0以上の場合、沈降の度合いが高く、細胞2を浮遊させないと細胞2の増殖が抑制され得る。よって、nが閾値以上の場合、制御部15は、振動子10を介して超音波を培養液3に向かって照射する。
制御部15は、細胞2の沈降状態を示す情報、すなわちnの変化率に基づいて細胞2を回収する。制御部15は、画像3pから取得されたn及び画像p3よりもt分前に撮像された画像p4から同様に取得されたnからnの変化率を算出する。制御部15は、nの変化率とあらかじめ記憶部111に記憶された閾値Ncとを比較する。nの変化率がNc以下の場合、細胞2の沈降度合いがほとんど変化していない、すなわち細胞2の分布が変動しておらず、細胞2がすでに十分に増殖している。このため、制御部15は、吸引ポンプコントローラ122に細胞2の回収を指示する。制御部15からの指示を受けて、吸引ポンプコントローラ122は、細胞2を回収する。一方、変化率がNcを超えている場合、細胞2が対数増殖期にあって十分に増殖していないため、制御部15は細胞2を回収せずに培養を継続する。
次に、本実施の形態における細胞培養装置300の動作について説明する。図14は、細胞培養装置300による撹拌処理のフローチャートである。培養中、検出部13は、培養液3中の細胞2を検出する(ステップS21)。取得部14は、N1及びN2を計数する(ステップS22)。続いて、取得部14は、nを取得する(ステップS23)。制御部15は、N1がNmin以下であるか否かを判定する(ステップS24)。N1がNmin以下である場合(ステップS24;Yes)、制御部15は、出力部16を介して警告音を出力し(ステップS25)、撹拌処理を終了する。
一方、N1がNminを超える場合(ステップS24;No)、制御部15は、N1がNmax以上であるか否かを判定する(ステップS26)。N1がNmax以上である場合(ステップS26;Yes)、制御部15は、出力部16を介して通知音を出力し(ステップS27)、撹拌処理を終了する。
N1がNmax未満である場合(ステップS26;No)、制御部15は、nがN0以上であるか否かを判定する(ステップS28)。nがN0以上である場合(ステップS28;Yes)、制御部15は、振動子10を介して超音波を培養液3に向かって照射し(ステップS29)、撹拌処理を終了する。一方、nがN0未満の場合(ステップS28;No)、制御部15はステップS21に戻る。
続いて、図15を参照しながら、細胞培養装置300による細胞2の回収処理について説明する。検出部13は、ステップS21をステップS31として実行し、取得部14は、ステップS22及びステップS23をステップS32及びステップS33として実行する。続いて、制御部15は、nの変化率を算出する(ステップS34)。制御部15は、nの変化率がNc以上であるか否かを判定する(ステップS35)。nの変化率がNc以下の場合(ステップS35;Yes)、制御部15は、細胞回収装置12を介して細胞2を回収し(ステップS36)、培養処理を終了する。これにより、細胞2が回収用バック123に回収される。一方、nの変化率がNcを超える場合(ステップS35;No)、制御部15は、ステップS31に戻る。
以上説明したとおり、本実施の形態に係る細胞培養装置300によれば、培養容器1内における細胞2の沈降度合いが高い場合に超音波が照射され、低い場合には照射されない。こうすることで、培養液3中で沈降している細胞2を浮遊させて、細胞2の培養に最適な状態を維持することができる。
また、細胞培養装置300では、画像p3で検出された細胞2の個数N1がNmin以下の場合に、警告音を出力することとした。これにより、使用者は、細胞2の増殖が促進されておらず、細胞2の培養条件に不具合があることを知ることができる。また、細胞2の個数N1がNmax以上の場合に、通知音を出力することとした。N1がNmax以上であることは細胞2が十分に増殖していることを示す。したがって、使用者は、通知音を契機に培養液3を交換したり、細胞2を回収したりすることができる。なお、出力部16は、スピーカとともに、あるいはスピーカに代えて、表示灯を備えてもよい。この場合、出力部16は、制御部15から伝送される指示データに基づいて、表示灯を点灯させる。
また、細胞培養装置300では、細胞2の沈降状態を示す情報に基づいて細胞2を回収することとした。こうすることで、細胞2が十分に増殖した適切なタイミングで細胞2を回収することができる。
なお、Nmax、Nmin及びNcは、培養容器1、培養対象である細胞2及び培養液3に応じて予備実験を行うことで使用者が任意に決定することができる。また、本実施の形態では、画像p3の上端から下端までの高さの50%に設定した高さ以下に存在する細胞2の個数を計数してN2を取得したが、設定した高さは、細胞2の種類によって適宜調整される。
また、取得部14は、画像p3全体に検出された細胞2の個数N1に対する画像p3の下端から上端までの高さの50%に設定した高さ以下に存在する細胞2の個数N2の割合nを、細胞2の沈降度合いを示す情報として取得したが、画像p3全体に検出された細胞2の面積に対する画像p3の下端から所定の高さ以下に存在する細胞2の面積の割合を細胞2の沈降度合いを示す情報として取得してもよい。また、細胞2の回収処理において、制御部15は、nの変化率がNc以上であるか否かを判定したが、画像p3全体に検出された細胞2の面積に対する画像p3の下端から所定の高さ以下に存在する細胞2の面積の割合に基づいて細胞2を回収してもよい。
なお、制御部15は、細胞2の沈降速度に応じて、振動子10による超音波の照射時間をさらに調整してもよい。また、本実施の形態に係る撹拌処理において、超音波を照射する際も、制御部15は、細胞2の大きさに基づいて超音波の照射時間を調整してもよい。
また、本実施の形態では、撹拌処理と回収処理とを独立して実行したが、撹拌処理に続けて回収処理を実行してもよい。例えば、撹拌処理において、nがN0未満の場合(ステップS28;No)、制御部15は、回収処理のステップS34に進んでもよい。こうすることで、培養液3において細胞2が飽和しているために沈降の度合いが低い場合に、細胞2を適切なタイミングで回収することができる。
なお、細胞培養装置300では、撹拌処理のステップS23の後、ステップS24〜S29と並行して回収処理のS34以降を実行してもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る細胞培養装置400は、図16に示すように、上記実施の形態1に係る細胞培養装置100の構成に、さらに光源17を備える。以下では、細胞培養装置400について、上記実施の形態2に係る細胞培養装置100と異なる点を主に説明する。
細胞培養装置400は、制御装置11に接続された光源17をさらに備える。光源17は、制御部15に制御されて培養容器1全体に紫外線等の励起光を照射する。
培養液3には、蛍光物質18が含まれる。蛍光物質18の比重は細胞2の比重と同じで、蛍光物質18の体積も細胞2と同程度である。このため、蛍光物質18は、培養液3において細胞2と同じ分布となる。ここで、同じ分布とは、培養液3に細胞2と蛍光物質18とが同数含まれている状態で、培養液3の撹拌直後に培養容器1内の任意の位置で採取した培養液3に含まれる細胞2の個数と、蛍光物質18の個数と、が同程度であることを意味する。蛍光物質18は、励起光が照射されることによって発光する。
光源17から照射される励起光の波長帯は、励起光の照射によって蛍光物質18から発光する光の波長帯と重ならない波長帯である。光学センサ8は、蛍光物質18が発光する光の波長に適した受光素子を備える。
検出部13は、培養液3に含まれる蛍光物質18を検出する。より詳細には、光源17が励起光を培養容器1に照射した状態で光学センサ8によって撮像された細胞2及び培養液3を含む画像に対応する画像データについて、検出部13は、エッジ検出法を用いて、画像における蛍光物質18を検出する。
検出部13は、画像データと、当該画像データに対応する画像における蛍光物質18の位置に関する情報とを関連付けて記憶部111に記憶させる。
取得部14は、細胞2の沈降状態を示す情報として、検出部13によって検出された蛍光物質18の培養容器1における分布から培養容器1における蛍光物質18の沈降度合いを示す情報を取得する。まず、取得部14は、記憶部111に記憶された画像データを参照する。図17に示す時刻t4に撮像された画像p4には、上記画像p3と同様に培養液3の全体が示されている。取得部14は、画像p4全体に検出された蛍光物質18の個数N3及び画像p4の下端から上端までの高さの50%に設定した高さ以下に存在する蛍光物質18の個数N4を計数する。取得部14は、N4をN3で除することで得られる値mを、培養容器1における蛍光物質18の沈降度合いを示す情報として取得する。蛍光物質18は、培養液3中で細胞2と同じ分布となるため、蛍光物質18の沈降度合いを示す情報は、細胞2の沈降状態を示す情報として用いることができる。
制御部15は、mとあらかじめ記憶部111に記憶された閾値Nとを比較する。mがN以上か否かを判定する。制御部15は、pがN以上の場合、振動子10を介して超音波を培養容器1に照射する。
次に、細胞培養装置400の撹拌処理について図18に示したフローチャートを参照して説明する。培養液3に10個以上の細胞2を播種するとともに、蛍光物質18を培養液3に添加する。培養開始から一定時間経過後、制御部15は、光源17を介して励起光を培養容器1に照射する(ステップS41)。検出部13は、培養液3中の蛍光物質18を検出する(ステップS42)。取得部14は、N3及びN4を計数する(ステップS43)。
続いて、取得部14は、mを取得する(ステップS44)。制御部15は、mがN以上であるか否かを判定する(ステップS45)。mがN以上である場合(ステップS45;Yes)、制御部15は、振動子10を介して超音波を培養液3に向かって照射し(ステップS46)、撹拌処理を終了する。一方、mがN未満の場合(ステップS45;No)、制御部15はステップS41に戻る。
以上説明したとおり、本実施の形態に係る細胞培養装置400によれば、培養容器1における細胞2と同じ分布となる蛍光物質18の沈降度合いを示す情報を取得することで、培養容器1における細胞2の沈降状態を示す情報を間接的に取得できる。励起光の照射に対して蛍光物質18から発せられる光は感度よく検出することができるため、細胞2の分布を正確に推定することができる。蛍光物質18の位置から把握される培養容器1内の細胞2の沈降度合いが高い場合に超音波が照射されるため、沈降している細胞2を浮遊させて、細胞2の培養に最適な状態を維持することができる。
なお、本実施の形態に係る細胞培養装置400においても、上記細胞培養装置300と同様に、画像p3において検出される細胞2の個数N1に基づいて警告音及び通知音を出力することとしてもよい。また、警告音及び通知音に限らず、細胞培養装置400において、検出される細胞2の個数N1に基づいて、表示灯を点灯させてもよい。また、本実施の形態に係る細胞培養装置400においても、上記細胞培養装置300と同様に、nの変化率に基づいて細胞2の回収処理を行ってもよい。
また、光源17による励起光の照射によって、細胞2が損傷又は劣化する場合、常時照射でなく、光学センサ8による撮像のタイミングに光源17による励起光の照射を同期させるのが好ましい。
本実施の形態では、画像p4の上端から下端までの高さの50%に設定した高さ以下に存在する細胞2の個数を計数してN4を取得したが、設定した高さは、細胞2の種類によって適宜設定される。
細胞2と同じ分布となる物質(第1の物質)は、蛍光物質18に限らず、当該物質は、例えば、細胞2の表面に吸着する性質を有する蛍光色素含有物質であってもよいし、細胞2内に取り込まれ、細胞2の増殖に影響を与えないマーカー物質又は発光体であってもよい。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る細胞培養装置500は、上記実施の形態1に係る細胞培養装置100の構成と同様の構成である。したがって、細胞培養装置500の構成に関しては、細胞培養装置100を細胞培養装置500に読み替えた図1を参照する。以下では、細胞培養装置500について、細胞培養装置100と異なる点を主に説明する。
細胞2は増殖する過程において酸素を消費する。このため、培養液3において酸素の濃度が小さい領域では細胞2の濃度が大きく、酸素の濃度が大きい領域では細胞2の濃度が小さい。すなわち、培養液3における酸素の濃度と細胞2の濃度とは反比例の関係にある。よって、培養液3における酸素の濃度分布を計測すれば、培養容器1における細胞2の分布を間接的に取得できる。細胞培養装置500は、培養液3における酸素の濃度分布に基づいて超音波の照射を制御する。
培養液3における酸素の濃度の計測には、インジゴカルミンを用いる。インジゴカルミンは、水に溶解すると青色であるが中性条件で酸素と結合すると波長550nmに吸収を持ち、緑色に変化する。このため、インジゴカルミンを含む培養液3において細胞2を培養すると、緑色に着色した領域は青色に着色した領域よりも酸素の濃度が高い、つまり、青色に着色した領域のほうが緑色に着色した領域よりも細胞2の濃度が高いことを示す。
検出部13は、培養液3における細胞2の分布に応じて培養液3に分布する酸素を検出する。検出部13は、公知の色解析手法を用いて、光学センサ8によって撮像された画像における青色に着色した領域を検出する。
検出部13は、画像データと、当該画像データに対応する画像における青色に着色した領域の位置に関する情報とを関連付けて記憶部111に記憶させる。
取得部14は、記憶部111に記憶された画像データを参照する。当該画像データに対応する画像には、上記画像p3と同様に培養液3の全体が示されている。取得部14は、画像の下端から上端までの高さの50%に設定した高さ以下の領域の内、青色に着色した領域の割合rを細胞2の沈降状態を示す情報として取得する。rは、培養液3における酸素の分布を示す情報である。
制御部15は、rとあらかじめ記憶部111に記憶された閾値Bとを比較する。制御部15は、rがB以上か否かを判定する。制御部15は、rがB以上の場合、振動子10を介して超音波を培養液3に向かって照射する。
続いて、細胞培養装置500の撹拌処理について図19に示したフローチャートを参照して説明する。培養液3に10個以上の細胞2を播種するとともに、インジゴカルミンを0.1重量%の濃度で培養液3に添加する。まず、制御部15が振動子10を介して超音波を培養容器1に照射する(ステップS51)。これにより、培養液3には、音響放射圧に基づく音響流が生じる。音響流によって細胞2を培養液3中で拡散させることができる。振動子10が停止した後、時間経過につれて細胞2は次第に培養容器1の底部に沈降する。これに伴い、培養液3の液面付近に比べて培養液3の底部が青色に着色する。
検出部13は、光学センサ8によって撮像された画像における青色に着色した領域を検出する(ステップS52)。次に、取得部14はrを取得する(ステップS53)。制御部15は、rがB以上であるか否かを判定する(ステップS54)。rがB以上である場合(ステップS54;Yes)、制御部15は、振動子10を介して超音波を培養液3に向かって照射し(ステップS55)、撹拌処理を終了する。超音波の照射により、細胞2が培養溶3全体に拡散される。一方、rがB未満の場合(ステップS54;No)、制御部15はステップS52に戻る。
以上説明したとおり、本実施の形態に係る細胞培養装置500によれば、培養容器1における細胞2の分布に応じて培養液3に分布する酸素の濃度が低い領域を示す情報を取得することで、培養容器1における細胞2の位置に関する情報を間接的に取得できる。細胞2を直接検出するよりも容易に検出できる物質を用いることで、培養容器1における細胞2の分布を把握することができる。
なお、培養液3における細胞2の分布に応じて培養液3に分布する物質(第2の物質)は、例えば、細胞2の濃度に比例して増加する物質であってもよいし、細胞2の濃度に反比例して増加する物質であってもよい。本実施の形態では、細胞2の分布に応じて培養液3に分布する物質としての酸素をインジゴカルミンで検出したが、培養液3の水素イオンの濃度の分布、すなわちpHの分布を検出してもよい。例えば、pH指示薬としてフェノールフタレインを用いた場合、通常はpH8.3以上で赤色となっているが、細胞2の近傍は酸性となり無色となることから、無色になっている領域は細胞2が多いことを示す。この場合、検出部13は、培養液3における細胞2の分布に応じて培養液3に分布するpHを検出し、取得部14は、画像の下端から上端までの高さの50%に設定した高さ以下の領域の内、無色の領域の割合を細胞2の沈降状態を示す情報として取得すればよい。
なお、本実施の形態では、インジゴカルミンを0.1重量%の濃度で培養液3に添加したが、インジゴカルミンの濃度は適宜調整される。
また、他の実施の形態では、培養液3における細胞2の分布に応じて培養液3に分布する物質の検出には、光学センサ8を用いるのではなく、培養液センサ9を用いる。例えば、図20に示すように、細胞培養装置600は、細胞培養装置100の構成に培養液センサ9aを加えた構成である。培養液センサ9は、培養液3の上部のpHを測定する。培養液センサ9aは、培養液3の下部のpHを測定する。培養液センサ9、9aによって測定されたpHを示す情報は制御装置11に伝送される。制御部15は、培養液3の上部のpHよりも下部のpHが酸性を示す場合に、超音波を培養液3に向かって照射すればよい。これにより、細胞培養装置600は、培養容器1における細胞2の沈降を簡便に防ぐことができる。
なお、培養液センサ9、9aはpHを測定可能な電極でもよいし、酸素濃度を計測可能な電極であってもよい。また、培養液センサ9、9aは細胞2が排出する老廃物を計測可能なセンサであってもよい。また、細胞培養装置600は、他の実施の形態で説明した機能を併用してもよい。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る細胞培養装置700の構成は、図21に示すように、光学センサ8を備えていない点を除いて、細胞培養装置100と同じ構成である。以下では、細胞培養装置700について、上記実施の形態1に係る細胞培養装置100と異なる点を主に説明する。
取得部14は、沈降状態を示す情報として、細胞2の終端速度を算出する。ここでの終端速度は、細胞2が体積力と速度に依存する抗力を受けるときに、それらの力がつりあって変化しなくなったときの速度をいう。終端速度は細胞2の観測初期分布状態からストークスの式(式1)で求めることができる。ストークスの式は小さな粒子が流体中を沈降する際の終端速度を表す。
=D (ρ−ρ)・g/18η (式1)
ここでV:終端速度[m/s]、D:粒子径[m]、ρ:粒子の密度[kg/m]、ρ:流体の密度[kg/m]、g:重力加速度[m/s]、η:流体の粘度[Pa・s]である。
、ρ、ρ、g及びηは、予備実験又は理論値であらかじめ決定できる値である。取得部14は、あらかじめ与えられたD、ρ、ρ、g及びηの値から算出された終端速度V及び培養液3の高さに基づいて細胞2が沈降するまでの時間を算出することができる。ここで、細胞2の観測初期分布状態とは、培養の開始直後又は培養液3を撹拌した直後の細胞2の培養液3内での分布をいう。観測初期分布状態では、培養容器1内に細胞2が一様に分布するものとする。
観測初期分布状態から一定の時間経過後、培養液3中の細胞2の沈降速度は一定となるため、取得部14は、経時的な細胞2の分布を推定できる。制御部15は、推定された細胞2の分布において細胞2が沈降するタイミングで、振動子10を介して培養液3に超音波を照射する。
超音波の照射によって、沈降している細胞2を浮遊させることができるので、培養容器1内の細胞2の過度の沈降を防ぐことができる。
以上説明したとおり、本実施の形態に係る細胞培養装置700によれば、光学センサ8を備えていなくても、沈降状態を示す情報を取得することができる。このため、細胞培養装置700の構成を簡略化しつつ、超音波による撹拌において培養液3への不要な超音波の照射を防ぐことができ、効率よく細胞2を培養することができる。
なお、細胞培養装置700は、培養液センサ9を備えなくてもよい。また、細胞培養装置700は、光学センサ8を備え、他の実施の形態で説明した機能を併用してもよい。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6に係る細胞培養装置800について、上記実施の形態1に係る細胞培養装置100と異なる点を主に説明する。図22に示すように、細胞培養装置800は、細胞培養装置100の構成に加えて、容器情報設定部19を備える。
容器情報設定部19は、使用者が培養容器1の容量に関する情報を入力する入力装置を備える。容器情報設定部19は、制御装置11に接続されている。容器情報設定部19は、使用者によって入力装置を介して入力された培養容器1に関する情報を制御装置11に伝送する。
ここでの培養容器1に関する情報は、培養容器1の高さ及び底面積である。取得部14は、培養容器1の高さ及び底面積から、培養容器1の容量に関する情報として、培養容器1の容量を算出する。制御部15は、培養容器1の容量に基づいて振動子10の動作を制御する。制御部15は、培養容器1の容量に応じて、超音波の照射時間を調整する。例えば、制御部15は、培養容器1の容量があらかじめ記憶部111に記憶された閾値C以上の場合には、超音波の照射時間をT1として超音波を照射し、培養容器1の容量がC未満の場合には、超音波の照射時間をT1よりも短いT2として超音波を照射する。
続いて、細胞培養装置800の撹拌処理について図23に示したフローチャートを参照して説明する。なお、培養の開始前に容器情報設定部19を介して培養容器1に関する情報が細胞培養装置800にあらかじめ入力されているものとする。取得部14は、入力された培養容器1に関する情報から培養容器1の容量を算出し、培養容器1の容量を記憶部111に記憶させている。
培養中、検出部13は、培養液3中の細胞2を検出する(ステップS61)。取得部14は、位置情報に基づいて沈降速度を取得する(ステップS62)。制御部15は、細胞2の沈降速度がN以上であるか否かを判定する(ステップS63)。沈降速度がN以上の場合(ステップS63;Yes)、制御部15は、記憶部111を参照し、培養容器1の容量がC以上か否かを判定する(ステップS64)。
培養容器1の容量がC以上の場合(ステップS64;Yes)、制御部15は、照射時間をT1として超音波を培養液3に向かって照射し(ステップS65)、撹拌処理を終了する。一方、培養容器1の容量がC未満の場合(ステップS64;No)、制御部15は、照射時間をT2として超音波を培養液3に向かって照射し(ステップS66)、撹拌処理を終了する。
以上説明したとおり、本実施の形態に係る細胞培養装置800によれば、培養容器1の容量に応じて培養液3に照射される超音波の照射時間が調整される。培養容器1の容量が多い場合には、細胞2を浮遊させるために必要な超音波が照射される一方で、培養容器1の容量が少ない場合には、可能な限り超音波の照射を抑えて、細胞2を浮遊させることができる。よって、培養液3への不要な超音波の照射を防ぎつつ、細胞2の培養に適した培養液3の状態を維持することができる。
なお、培養容器1に関する情報は、細胞培養に汎用される培養容器を識別するコードであってもよい。この場合、取得部14は、あらかじめ記憶部111に記憶されたコードと当該コードで識別される培養容器の容量とが対応付けられたテーブルを参照し、使用者によって入力されたコードから培養容器の容量を取得する。細胞培養装置800は、他の実施の形態で説明した機能を併用してもよい。
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7に係る細胞培養装置900について、上記実施の形態1に係る細胞培養装置100と異なる点を主に説明する。図24に示すように、細胞培養装置900は、細胞培養装置100の構成に加えて、定在波を生成する定在波生成部20をさらに備える。
定在波は、波の進行があたかも止まっているように観測される波である。定在波で、「腹」の位置で振幅が最大となり、振動が繰り返し行われ、「節」の位置で振幅が最小となる。培養液3に生じた定在波の節に細胞2を留めることができる。
定在波生成部20の動作は制御部15によって制御される。制御部15は、定在波生成部20から照射される超音波の波長、周波数及び振幅を調整することで、定在波の節を培養液3の任意の位置に生じさせる。吸入口125の近くに定在波の節を生じさせることで、節に集められた細胞2を細胞回収装置12で効率よく回収できる。
次に、細胞培養装置900の動作について説明する。制御部15によって細胞2の沈降状態を示す情報に基づいて振動子10の動作が制御されながら、細胞2が培養される。培養が終了したら、制御部15は、定在波生成部20を介して定在波を照射する。そして、定在波の節に細胞2が留まるまで待つ。
吸入口125は、細胞2が集まる定在波の節の位置付近に配置されている。吸引ポンプコントローラ122が吸引ポンプ121を駆動することで、定在波の節に集められた細胞2が回収用バッグ123に回収される。
以上説明したように、本実施の形態に係る細胞培養装置900では、定在波を用いて細胞2を任意の位置に集めることができる。したがって、吸入口125の位置に細胞2を集めることで、細胞2を効率的に回収することができる。なお、細胞培養装置900は、吸入口125を培養容器1内の任意の位置に移動させる駆動機構を備えてもよい。細胞培養装置900は、駆動機構を介して、吸入口125を定在波によって細胞2が集められる位置に移動させることで、効率よく細胞2を回収できる。
定在波生成部20は、細胞培養装置200における構成において、振動子10から照射される超音波U1の進行方向と、振動子10aから照射される超音波U2の進行方向とを対向させることでも実現できる。この場合、超音波U1の波長、周波数及び振幅と、U2の波長、周波数及び振幅とがそれぞれ等しい場合、超音波U1と超音波U2とが干渉して、定在波が合成される。
また、振動子10から照射される超音波を振動子10に向けて反射する反射部材を配置することでも、定在波生成部20を実現できる。振動子10から照射される超音波と、反射部材によって反射された超音波とで、定在波を生じさせることができる。
なお、上記すべての実施の形態における振動子10又は10aの超音波の照射方向は、手動又はモータ等を用いた自動の位置決め機構で変えることとしてもよい。
また、上記すべての実施の形態における振動子10の駆動及び停止を繰り返す制御において、制御部15は、駆動の時間と停止の時間との比率を細胞2の沈降状態を示す情報及び細胞2の大きさを示す情報に基づいて変更してもよい。例えば、制御部15は、細胞2が大きくなるにつれて、駆動の時間に対して停止の時間を短くすればよい。
制御装置11で用いられる制御プログラム115及び各種ソフトウェアプログラムは、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、光磁気ディスク(Magneto-Optical Disc)、USB(Universal Serial Bus)メモリ、メモリカード、HDD等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布することが可能である。そして、制御プログラム115及び各種ソフトウェアプログラムを特定の又は汎用のコンピュータにインストールすることによって、当該コンピュータを制御装置11として機能させることが可能である。
また、制御プログラム115及び各種ソフトウェアプログラムをインターネット上の他のサーバが有する記憶装置に格納しておき、当該サーバから制御プログラム115及び各種ソフトウェアプログラムがダウンロードされるようにしてもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
1 培養容器、2 細胞、3 培養液、4 細胞塊、5 水槽、6 液体、7 蓋、7a 細胞培養フラスコ、8 光学センサ、9,9a 培養液センサ、10,10a 振動子、11 制御装置、12 細胞回収装置、13 検出部、14 取得部、15 制御部、16 出力部、17 光源、18 蛍光物質、19 容器情報設定部、20 定在波生成部、110 超音波振動子制御回路、111 記憶部、112 RAM、113 CPU、114 バス、115 制御プログラム、120 管、121 吸引ポンプ、122 吸引ポンプコントローラ、123 回収用バッグ、124 開閉弁、125 吸入口、100,200,300,400,500,600,700,800,900 細胞培養装置、p1,p2,p3,p4 画像。

Claims (15)

  1. 培養容器に細胞とともに保持された培養液に向かって超音波を照射する照射部と、
    前記培養液における前記細胞の沈降状態を示す情報を取得する取得部と、
    前記細胞の前記沈降状態を示す情報に基づいて前記照射部の動作を制御する制御部と、
    を備える、細胞培養装置。
  2. 前記取得部は、
    前記沈降状態を示す情報として、前記細胞の終端速度を算出する、
    請求項1に記載の細胞培養装置。
  3. 前記培養液中の前記細胞を検出する検出部をさらに備え、
    前記取得部は、
    前記沈降状態を示す情報として、前記検出部によって検出された前記細胞の沈降速度を算出する、
    請求項1又は2に記載の細胞培養装置。
  4. 前記取得部は、
    前記検出部によって検出された前記細胞の大きさを示す情報を取得し、
    前記制御部は、
    前記細胞の大きさを示す情報に基づいて前記照射部の動作を制御する、
    請求項3に記載の細胞培養装置。
  5. 前記取得部は、
    前記細胞の前記沈降状態を示す情報として、前記検出部によって検出された前記細胞の前記培養容器における分布から前記培養容器における前記細胞の沈降度合いを示す情報を取得する、
    請求項3又は4に記載の細胞培養装置。
  6. 前記培養液は、
    該培養液において前記細胞又は該細胞が凝集した細胞塊と同じ分布となる第1の物質を含み、
    前記検出部は、
    前記培養液における前記第1の物質を検出し、
    前記取得部は、
    前記細胞の前記沈降状態を示す情報として、前記検出部によって検出された前記第1の物質の前記培養容器における分布から前記培養容器における前記第1の物質の沈降度合いを示す情報を取得する、
    請求項3から5のいずれか一項に記載の細胞培養装置。
  7. 前記検出部は、
    前記培養液における前記細胞又は該細胞が凝集した細胞塊の分布に応じて前記培養液に分布する第2の物質を検出し、
    前記取得部は、
    前記細胞の前記沈降状態を示す情報として、前記培養液における前記第2の物質の分布を示す情報を取得する、
    請求項3から6のいずれか一項に記載の細胞培養装置。
  8. 前記取得部は、
    前記検出部によって検出された前記培養液における前記細胞の個数に相関する情報を取得し、
    前記制御部は、
    前記細胞の個数に相関する情報に基づいて使用者に通知を行う、
    請求項3から7のいずれか一項に記載の細胞培養装置。
  9. 前記検出部は、
    前記培養液に含まれる第3の物質の濃度を検出し、
    前記制御部は、
    前記第3の物質の濃度に基づいて前記照射部の動作を制御する、
    請求項3から8のいずれか一項に記載の細胞培養装置。
  10. 前記培養容器内の前記細胞を回収する回収部をさらに備え、
    前記回収部は、
    前記細胞の前記沈降状態を示す情報に基づいて前記細胞を回収する、
    請求項1から9のいずれか一項に記載の細胞培養装置。
  11. 前記培養容器内の前記細胞を回収する回収部をさらに備え、
    前記取得部は、
    前記検出部によって検出された前記培養液に含まれる前記細胞の個数の変化を示す情報を取得し、
    前記回収部は、
    前記細胞の個数の変化を示す情報に基づいて前記細胞を回収する、
    請求項3から9のいずれか一項に記載の細胞培養装置。
  12. 定在波を生成する定在波生成部をさらに備え、
    前記回収部は、
    前記定在波で集められた前記細胞を回収する、
    請求項10又は11に記載の細胞培養装置。
  13. 前記取得部は、
    前記培養容器の容量に関する情報を取得し、
    前記制御部は、
    前記培養容器の容量に関する情報に基づいて前記照射部の動作を制御する、
    請求項1から12のいずれか一項に記載の細胞培養装置。
  14. 培養容器に細胞とともに保持された培養液における前記細胞の沈降状態を示す情報を取得する取得ステップと、
    前記細胞の前記沈降状態を示す情報に基づいて、前記培養液に向かって超音波を照射する照射部の動作を制御する制御ステップと、
    を含む、細胞培養方法。
  15. 培養容器に細胞とともに保持された培養液に向かって超音波を照射する照射部を制御するコンピュータを、
    前記培養液における前記細胞の沈降状態を示す情報を取得する取得部、
    前記細胞の前記沈降状態を示す情報に基づいて前記照射部の動作を制御する制御部、
    として機能させる、プログラム。
JP2020528639A 2018-07-05 2018-07-05 細胞培養装置、細胞培養方法及びプログラム Active JP6956873B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/025577 WO2020008606A1 (ja) 2018-07-05 2018-07-05 細胞培養装置、細胞培養方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020008606A1 JPWO2020008606A1 (ja) 2021-02-15
JP6956873B2 true JP6956873B2 (ja) 2021-11-02

Family

ID=69060797

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020528639A Active JP6956873B2 (ja) 2018-07-05 2018-07-05 細胞培養装置、細胞培養方法及びプログラム

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20210054330A1 (ja)
JP (1) JP6956873B2 (ja)
CN (1) CN112313324B (ja)
WO (1) WO2020008606A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2023013485A1 (ja) * 2021-08-04 2023-02-09

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0420240Y2 (ja) * 1986-07-14 1992-05-08
JPH07298869A (ja) * 1994-03-08 1995-11-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 微生物の付着および沈澱を防止して培養する方法
JPH10113167A (ja) * 1996-10-11 1998-05-06 Hitachi Ltd 付着性動物細胞のマイクロキャリア培養方法
CN102906244B (zh) * 2010-07-29 2014-01-29 泰尔茂株式会社 片状细胞培养物解离装置
CN102061260B (zh) * 2010-12-01 2013-03-20 汪华 一种医用细胞自动化生产装置及其生产方法
US20170191022A1 (en) * 2012-03-15 2017-07-06 Flodesign Sonics, Inc. Bioreactor using acoustic standing waves
US9952122B2 (en) * 2015-08-03 2018-04-24 Palo Alto Research Center Incorporated Polysensing bioelectronic test plate
JP2019000001A (ja) * 2015-09-29 2019-01-10 株式会社日立製作所 細胞培養装置
JP2019122261A (ja) * 2016-05-19 2019-07-25 東洋製罐グループホールディングス株式会社 細胞調製方法、及び細胞培養容器

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020008606A1 (ja) 2020-01-09
US20210054330A1 (en) 2021-02-25
JPWO2020008606A1 (ja) 2021-02-15
CN112313324A (zh) 2021-02-02
CN112313324B (zh) 2024-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5854999B2 (ja) シート状細胞培養物解離システム
JP4932703B2 (ja) 細胞培養評価システム、細胞培養評価方法および細胞培養評価プログラム
KR20180010216A (ko) 정재파장에서 입자의 음향 조작
JP5460241B2 (ja) 生体細胞の培養方法及び培養装置
JP3825501B2 (ja) 微小物質保持担体、その懸濁系、微小物質操作装置及び微小物質位置制御方法
JP6956873B2 (ja) 細胞培養装置、細胞培養方法及びプログラム
WO2007052716A1 (ja) 細胞培養装置、細胞培養方法、細胞培養プログラム、及び細胞培養システム
CN107850536A (zh) 凝集监视装置、凝集监视方法以及凝集系统
KR101912521B1 (ko) 연속식 실시간 기상 부유균 측정장치.
CN103958744A (zh) 用于使用聚焦声制备纳米晶体组合物的系统和方法
WO2020213338A1 (ja) 光分析方法および光分析システム
JP2012005381A (ja) 捕集機構、検出装置、捕集方法および検出方法
JP2011182731A (ja) 藻類増殖量自動測定装置
KR101157176B1 (ko) 세포 또는 바이러스의 농축 또는 정제용 미세유동장치 및방법
CN106471355B (zh) 凝集监视装置、凝集监视方法以及凝集系统
CN110935686B (zh) 悬吊式超声波—低频振动联合清洗方法
JP6606961B2 (ja) 凝集モニタリング装置、凝集モニタリング方法および凝集処理システム
CN108138100A (zh) 声学灌注装置
JP2003035655A (ja) 浮遊粒子状物質の測定方法および装置
JP2019000001A (ja) 細胞培養装置
WO2021100619A1 (ja) サンプル分散装置、サンプル分散方法、サンプル分取キット及び微小粒子分取装置
JP2003254888A (ja) 浮遊粒子状物質の測定方法
JP2019180265A (ja) 撹拌装置、細胞培養装置及び撹拌方法
EP2504092A1 (en) Ultrasonic merging of particles in microwells
CN220413423U (zh) 一种全自动悬浮细胞培养工作站

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200908

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20211005

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6956873

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350