JP6956493B2 - 複合磁性体、磁性部品、および複合磁性体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合磁性体、磁性部品、および複合磁性体の製造方法に関する。
扁平形状を有する軟磁性金属粉末と、バインダとを含む複合磁性体が知られている。このような複合磁性体は、所定の形状に切断されており、切断面(特に、主面に対して垂直な端面)が粗くなっているため、その切断面(端面)から軟磁性金属粉末が脱落する可能性がある。そのため、複合磁性体を回路基板に実装した後に、切断面(端面)から軟磁性金属粉末が脱落して回路基板に付着した場合、回路の動作に悪影響を与えてしまう可能性がある。
特許文献1は、打ち抜き断面領域からの磁性粉末の脱落を防止できるアンテナモジュール用磁芯部材を開示している。また、特許文献1の図9には、端面において磁性粉末を磁路に沿うように傾けて配向させたアンテナモジュール用磁心部材が開示されている。
特開2005−269599号公報
特許文献1は、製品を切断した後、打ち抜き断面をフライス加工等で平滑化することによって、打ち抜き断面からの軟磁性粉末の脱落を防止している。しかしながら、軟磁性粉末の脱落を防止するための処理を、製品を切断する工程とは別の工程で行った場合、製造工程が煩雑になる可能性がある。
本発明の目的は、切断面を加工する新たな工程を追加することなく軟磁性金属粉末の脱落を防止する複合磁性体、磁性部品、および複合磁性体の製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様の複合磁性体は、各々が扁平形状を有し、所定の配向方向に配向された複数の軟磁性金属粒子が、前記配向方向と直交する積層方向に少なくとも2層、結合剤によって結合された複合磁性体であって、前記複合磁性体の表面は、前記積層方向に対して垂直で、かつ前記配向方向と平行な主面と、前記配向方向に対して垂直な端面と、を備え、前記端面の近傍における少なくとも一部の軟磁性金属粒子は、前記配向方向から前記積層方向の一方向に向けて所定の角度範囲だけ部分的に折れ曲がった湾曲構造を有している、複合磁性体。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、前記所定の角度範囲が、10度以上、90度未満の範囲であることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、前記湾曲構造が前記端面から内側に向かう前記配向方向において、前記端面から3μm以上、30μm以下の範囲内にあることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、前記複数の軟磁性金属粒子の各々のアスペクト比が、10以上、50以下であることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、前記複数の軟磁性金属粒子の含有量が、前記複合磁性体の全体積に対して55体積%以上であり、前記複合磁性体は、前記複合磁性体の全体積に対して、10体積%以上、25体積%以下の空孔を含むことが好ましい。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、ISO7619−typeDによるゴム硬度が、92以上、96以下であることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、ヤング率が10GPa以上、90GPa以下であることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、電気抵抗率が100Ω・m以上であることが好ましい。
また、本発明の第1の態様の複合磁性体は、前記複合磁性体の表面の少なくとも一部を、樹脂またはフィルムで被覆してなることが好ましい。
本発明の第2の態様の磁性部品は、本発明の第1の態様の複合磁性体のいずれかを少なくとも1つ含む。
本発明の第3の態様の磁性部品は、本発明の第1の態様の複合磁性体のいずれかを筐体形状に形成してなる。
本発明の第4の態様の複合磁性体の製造方法は、各々が扁平形状を有し、所定の配向方向に配向された複数の軟磁性金属粒子が、前記配向方向と直交する積層方向に少なくとも2層、結合剤によって結合された複合磁性体を製造する方法であって、前記複数の軟磁性金属粒子を前記所定の配向方向に配向させた状態で、前記複数の軟磁性金属粒子を前記積層方向に前記結合剤を介して少なくとも2層積層させて、前記積層方向に対して垂直で、かつ前記配向方向と平行な主面を持つ、シート状の複合磁性体を準備する工程と、前記シート状の複合磁性体を、前記配向方向に垂直に切断して前記主面と直交する端面を形成する工程であって、前記端面近傍における少なくとも一部の軟磁性金属粒子が、前記主面に対して前記配向方向から前記積層方向の一方向に向けて所定の角度範囲だけ部分的に折れ曲がった湾曲構造を有するように切断する工程と、を含む。
本発明によれば、切断面を加工する新たな工程を追加することなく軟磁性金属粉末の脱落を防止する軟磁性複合磁性体、磁性部品、および複合磁性体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る複合磁性体を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る複合磁性体の切断箇所を示す模式図である。 本発明の実施形態に係る複合磁性体の断面写真である。 本発明の実施形態に係る軟磁性金属粉末の湾曲構造を示す模式図である。 本発明の実施形態の変形例に係る複合磁性体の断面写真である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、各図において同一または相当する部分には同一の符号を付して適宜説明を省略する。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る複合磁性体の一例を示す模式図である。
ここでは、図1に示すように、直交座標系(x,y,z)を使用している。図1に図示した状態では、直交座標系(x,y,z)において、x軸方向は左右方向(幅方向)であり、y軸方向は前後方向(奥行方向)であり、z軸方向は上下方向(高さ方向)である。
複合磁性体10は、軟磁性金属粉末1とバインダ(図示しない)を含み、第1の主面11と、第1の主面11に対向する第2の主面(図示しない)と、第1の端面12と、第2の端面13と、第1の端面12に対向する第3の端面(図示しない)と、第2の端面13に対向する第4の端面(図示しない)と、を有する。すなわち、本実施形態において、複合磁性体10は直方体である。なお、複合磁性体10の形状に制限はなく、複合磁性体10は、円柱形状、線状、およびシート状等の形状であってもよい。
軟磁性金属粉末1は、扁平形状を有しており、複合磁性体10において左右方向に配向されている。軟磁性金属粉末1は、特に限定されないが、Fe系、Fe-Si系、Fe-Si-Cr系、Fe-Si-Al系、Fe-Ni系合金等の粉末を用いることができる。
バインダは、熱硬化性を有するバインダ成分、溶媒、および増粘剤を含む。バインダ成分は、熱硬化性を有し、無機物としてシロキサン結合を主に含むものであればよく、特に限定されないが、メチル系シリコーンレジン、メチルフェニル系シリコーンレジン等が好ましい。溶媒は、バインダ成分を溶解できるものであればよく、特に限定されないがメタノール、エタノール、トルエン、キシレン等が好ましい。増粘剤は、軟磁性金属粉末1を安定的に分散するものであればよく、特に限定されないが、セルロース誘導体、多糖類、ポリビニルアルコール等が好ましい。なお、バインダ成分に含まれる有機物成分は、複合磁性体10を得る際の酸素または窒素を含有する雰囲気下の熱処理によって熱分解するので、ほとんど消失する。そのため、熱処理後には、バインダ成分としては、酸化ケイ素を主成分とするガラス質からなるバインダ成分、すなわち無機物成分が複合磁性体10の内部に残留する。これにより、複合磁性体10は、その内部において、軟磁性金属粉末1が無機物成分により結着され、かつ空孔を有する構造となる。
第1の主面11および第2の主面は、軟磁性金属粉末1が第1の主面11および第2の主面に対して平行に配向されている主面である。すなわち、本実施形態において主面とは、複合磁性体10の各面の内、軟磁性金属粉末1が面に対して平行に配向されている面のことを意味する。すなわち、第1の主面11および第2の主面は、他の面に比べて面積が大きい必要はないので、第1の主面11および第2の主面の面積は他の面に比べて小さくてもよい。
第1の端面12および第3の端面、第2の端面13および第4の端面は、第1の主面11および第2の主面に対して垂直であり、かつ軟磁性金属粉末1の配向方向と垂直な面である。また、第1の端面12および第3の端面、第2の端面13および第4の端面は、複合磁性体10を切断した際の切断面であり、その面からは切断された軟磁性金属粉末1が露出している。具体的には後述するが、第1の端面12および第3の端面、第2の端面13および第4の端面から露出する軟磁性金属粉末1は、その長手方向の途中で部分的に折れ曲がった湾曲構造を有している。
図2および図3を参照して、複合磁性体10における軟磁性金属粉末1の配向方向について説明する。図2は、軟磁性金属粉末1の配向方向を確認する領域を説明するための模式図である。領域14は、複合磁性体10において、軟磁性金属粉末1の配向方向を確認する領域である。具体的には、領域14は、A1、A2、A3、およびA4を通過するように第1の主面11から第2の主面に向かって垂直に切断され、A1、A2、A3、およびA4によって囲われた領域である。ここで、A1およびA2は第2の端面13上の任意の位置を示しており、A3およびA4は複合磁性体10の内部の位置を示している。すなわち、領域14は、第2の端面13から複合磁性体10の内部に亘る領域である。
図3は、図2に示した領域14に含まれる軟磁性金属粉末1の断面写真である。なお、図3において、軟磁性金属粉末1の配向方向は、左右方向である。
第2の端面13近傍における軟磁性金属粉末1は、長手方向の途中で折れ曲がっており、第1の主面11および第2の主面に対して湾曲した構造を有している。これは、成形体を切断する際に応力が生じ、その応力によって軟磁性金属粉末1が部分的に折れ曲がったためである。すなわち、本実施形態は、成形体を切断すると共に、第2の端面13近傍における軟磁性金属粉末1を部分的に湾曲させている。
図4は、領域14における軟磁性金属粉末1の湾曲構造を示す模式図である。図4に示すように、軟磁性金属粉末1は、第2の端面13から内側に向かう配向方向における所定の範囲内において、一方向に向かって所定の角度範囲だけ部分的に折れ曲がった湾曲構造を有している。さらに、第2の端面13近傍における複数の軟磁性金属粉末1は、それぞれ、所定の範囲内であれば折れ曲がっている位置が異なっていてもよい。なお、図4は、第2の端面13近傍における軟磁性金属粉末1の数を限定するものではなく、第2の端面13近傍には任意の数の軟磁性金属粉末1が含まれていてよい。
以下、図3および図4を参照しつつ、第2の端面13近傍における軟磁性金属粉末1の湾曲構造について詳細に説明する。
軟磁性金属粉末1が部分的に湾曲した構造を持つことで、複合磁性体10は、第2の端面13近傍において、上下方向で隣接する軟磁性金属粉末1の内、上に位置する軟磁性金属粉末1が、下に位置する軟磁性金属粉末1に覆い被さった構造を有する。すなわち、第2の端面13において、上下方向で隣接する軟磁性金属粉末1の内、上に位置する軟磁性金属粉末1が下に位置する軟磁性金属粉末1に覆い被さった構造が連続している。このような構造を持つことによって、複合磁性体10は、第2の端面13における軟磁性金属粉末1同士の結着強度を向上させることができる。そのため、複合磁性体10は、第2の端面13における、軟磁性金属粉末1の脱落を防止することができる。すなわち、関連技術のように、端面において軟磁性粉末の全体を傾けて配向させるだけでは、本発明の効果を奏することはできない。なお、第1、第3、および第4の端面も第2の端面13と同様の構造を有している。
第2の端面13近傍における軟磁性金属粉末1の湾曲構造は、例えば切削抵抗の比較的大きいダイシングブレードで成形体を切断することによって形成することができる。具体的には、ダイシングブレードは、軟磁性金属粉末1の長手方向に対して垂直に回転するので、成形体と、ダイシングブレードとの間の切削抵抗によって軟磁性金属粉末1の長手方向に垂直な応力が加わり、その応力によって軟磁性金属粉末1が湾曲する。切削抵抗は、例えば切断速度、ダイシングブレードの回転速度、ダイシングブレードの刃先の角度、および切れ込み量等を適宜変更することによって調整することができる。
具体的には、切削抵抗は切断速度の増加ないし、ダイシングブレードの回転速度を低下させることによって大きくすることができる。これは、切断速度の増加ないし、ダイシングブレードの回転速度の低下により、ダイシングブレード1回転当たりの切断量が増えることによって、切削屑が十分に除去されずダイシングブレードの目詰まりが発生するためである。また、切削抵抗は、ダイシングブレードの刃先をV字形状に形成し、切れ込みの溝を深くすることによって大きくすることができる。これは、溝を深くした場合、成形体を切断する際に発生する屑が溝に溜まりやすくなり、ダイシングブレードと屑との間で摩擦が生じるためである。
さらに、軟磁性金属粉末1に湾曲を生じさせるためには、「軟磁性金属粉末1の長手方向の長さ/軟磁性金属粉末1の短手方向の長さ」を軟磁性金属粉末1のアスペクト比とした場合、アスペクト比は10以上、50以下であることが好ましく、15以上、30以下であることが更に好ましい。これは、アスペクト比が10未満となると、軟磁性金属粉末1に湾曲を生じさせることができない可能性があるためである。また、アスペクト比が50を超えると、成形体を切断する際に生じる応力によって軟磁性金属粉末1が折れてしまう可能性があるためである。
角度Nは、第2の端面13近傍における軟磁性金属粉末1の湾曲の角度を示している。角度Nは、例えば複合磁性体10の内部の軟磁性金属粉末1の配向方向に対する、第2の端面13近傍の軟磁性金属粉末1の両端を結ぶ線の角度として定義される。ここで、角度Nは、10度以上、90度未満であることが好ましく、30度以上、60度未満であれば、より好ましい。これは、角度Nが小さすぎると、軟磁性金属粉末1の脱落を防止することができない可能性があるためである。また、角度Nを大きくし過ぎると、軟磁性金属粉末1が折れてしまう可能性があるためである。また、第2の端面13近傍のおける軟磁性金属粉末1の全てが同一の角度で湾曲していなくてもよい。
範囲Lは、第2の端面13から複合磁性体10の内部に向かう方向において、軟磁性金属粉末1に湾曲が生じさせる範囲を示している。範囲Lは、3μm以上、30μm以下であることが好ましい。これは、湾曲の範囲が狭すぎれば、切断面からの軟磁性金属粉末1の脱落を防止するという効果が小さくなってしまう可能性があるためである。また、複合磁性体10が損傷を受けない程度に第2の端面13へ与える切削抵抗を制限する必要があるため、湾曲の範囲には上限が存在するためである。
軟磁性金属粉末1は、第2の端面13近傍では湾曲しており、複合磁性体10の中央部に近づくに従って、第1の主面11および第2の主面に対して徐々に平行になる。すなわち、複合磁性体10の内部の中央部付近では、軟磁性金属粉末1は第1の主面11および第2の主面に対して平行に配向されている。なお、複合磁性体10は、その内部の中央部付近の全ての軟磁性金属粉末1が第1の主面11および第2の主面に対して平行に配向されている必要はなく、少なくとも一部の軟磁性金属粉末1が第1の主面および第2の主面に対して平行に配向されていればよい。
複合磁性体10は、上記構造を有することによって、ISO7619−typeDによるゴム硬度が92以上、96以下である。
複合磁性体10は、上記構造を有することによって、ヤング率が10GPa以上、90GPa以下である。
複合磁性体10は、上記構造を有することによって、100Ω・m以上の高い電気抵抗率を有し、同時に良好な絶縁性をも有する。
複合磁性体10は、軟磁性金属粉末の充填率を向上させることができ、飽和磁束密度、比透磁率および熱伝導率を向上させることができる。具体的には、磁気特性を保ちつつ充分な熱伝導率を得るためには、複合磁性体10において、複合磁性体10を100体積%とした場合に、軟磁性金属粉末の体積比率は55体積%以上、85体積%以下であることが好ましい。軟磁性金属粉末1の充填率がこの範囲にあるとき、複合磁性体10は、高い飽和磁束密度、高い比透磁率、および高い熱伝導率を併せ持つことができる。
なお、強度または意匠性向上のために、複合磁性体10を複数重ねて圧着または接着して、磁性部品としてもよい。具体的には、複数の複合磁性体10を組み合わせて、筐体形状の磁性部品を形成することができる。
同様に、強度または意匠性向上のために、複合磁性体10または複合磁性体10からなる磁性部品の表面に樹脂やフィルムを被覆してもよい。被覆する樹脂やフィルムは、製品の使用温度に耐えられる一般的な材料から用途や意匠に応じて適宜選択して用いるのが好ましく、特にポリイミド系樹脂やシリコーン系樹脂、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂が好ましい。
[変形例]
ここで、図5を参照して、本発明の実施形態の変形例について説明する。図5は、本発明の実施形態の変形例に係る複合磁性体10Aの断面図である。また、図5は、図3に示した複合磁性体10の領域14と同様の領域における断面写真である。図5に示すように、複合磁性体10Aは、軟磁性金属粉末1よりもアスペクト比の小さい形状の軟磁性金属粉末1Aを含んでいる。複合磁性体10Aにおいても、角度Nを10度以上、90度未満にし、範囲Lを3μm以上、30μmにすることによって、第2の端面13からの軟磁性金属粉末1Aの脱落を防止することができる。すなわち、第2の端面13近傍の軟磁性金属粉末を長径方向の途中で折り曲げて湾曲させることによって、複合磁性体が含む軟磁性金属粉末の大きさによらずに第2の端面13からの軟磁性金属粉末の脱落を防止することができる。
[製造方法]
次に実施形態に係る複合磁性体10の製造方法について説明する。
まず、扁平形状の軟磁性金属粉末1と、バインダ成分を混合してスラリーを作成し、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に塗布した後、乾燥させて板状の予備成形体を得る。なお、バインダ成分は、塗布された状態では熱硬化性バインダ成分および溶媒、増粘剤を含む。バインダ成分の溶媒は、乾燥により除去される。
次に、予備成形体を所定の大きさに切断する。この時、砥粒を荒くしたり、フラットブレードを用いたりすることなどにより切削抵抗を比較的大きくしたダイシングブレード等で成形体を切断することによって、軟磁性金属粉末1の配向方向と垂直な端面における軟磁性金属粉末1に応力が生じ、その応力によって軟磁性金属粉末1に部分的な湾曲構造を生じさせることができる。そして、切断した成形体を必要に応じて積層し、図示しない治具で挟持して圧縮成形し、成形体を得る。ここで、治具は、例えば分割金型からなる。
圧縮成形の条件は、150℃の温度下において、200MPaの成型圧力で1時間の加圧成型を施すのが好ましい。
次に、成形体を、治具に固定し、少なくとも酸素または窒素を含有する雰囲気下で熱処理して、複合磁性体10を得る。治具は、強度および耐熱性に優れ、かつ成形体を熱処理雰囲気にさらすことが可能な材質からなるものであればいずれも用いることができ、たとえばステンレスからなるメッシュ板を組み合わせたものが好ましい。また、前工程の圧縮成形に用いた分割金型の一部を外して用いてもよい。熱処理の条件は、例えば窒素雰囲気中で600℃、1時間行うのが好ましい。
以上、本発明を、実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細は、請求項に記載された本発明の範囲内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
1,1A・・・軟磁性金属粉末
10,10A・・・複合磁性体
11・・・第1の主面
12・・・第1の端面
13・・・第2の端面
N・・・角度
L・・・範囲

Claims (9)

  1. 板状の予備成形体を切断することにより得られ、各々が扁平形状を有し、所定の配向方向に配向された複数の軟磁性金属粒子が、前記配向方向と直交する積層方向に少なくとも2層、結合剤によって結合された複合磁性体であって、
    前記複合磁性体の表面は、前記積層方向に対して垂直で、かつ前記配向方向と平行な主面と、前記配向方向に対して垂直な端面と、を備え、
    前記予備成形体を、切削抵抗の大きいダイシングブレードを用いて前記配向方向に垂直に切断することにより、前記端面の近傍における少なくとも一部の軟磁性金属粒子は、前記配向方向から前記積層方向の一方向に向けて所定の角度範囲だけ部分的に折れ曲がって、当該一方向に隣接する他の軟磁性金属粒子に覆いかぶさる湾曲構造を有し、
    前記所定の角度範囲は、10度以上、90度未満の範囲であり、
    前記湾曲構造は、前記端面から内側に向かう前記配向方向において、前記端面から3μm以上、30μm以下の範囲内にあり、
    前記複数の軟磁性金属粒子の各々のアスペクト比は、10以上、50以下である、複合磁性体。
  2. 前記複数の軟磁性金属粒子の含有量が、前記複合磁性体の全体積に対して55体積%以上であり、
    前記複合磁性体は、前記複合磁性体の全体積に対して、10体積%以上、25体積%以下の空孔を含む、請求項に記載の複合磁性体。
  3. ISO7619−typeDによるゴム硬度が、92以上、96以下である、請求項1または2に記載の複合磁性体。
  4. ヤング率が10GPa以上、90GPa以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の複合磁性体。
  5. 電気抵抗率が100Ω・m以上である、請求項1〜のいずれか1項に記載の複合磁性体。
  6. 前記複合磁性体の表面の少なくとも一部を、樹脂またはフィルムで被覆してなる、請求項1〜のいずれか1項に記載の複合磁性体。
  7. 請求項1〜のいずれか1項に記載の複合磁性体を少なくとも1つ含む、磁性部品。
  8. 請求項1〜のいずれか1項に記載の複合磁性体を筐体形状に形成してなる、磁性部品。
  9. 各々が扁平形状を有し、所定の配向方向に配向された複数の軟磁性金属粒子が、前記配向方向と直交する積層方向に少なくとも2層、結合剤によって結合された複合磁性体を製造する方法であって、
    前記複数の軟磁性金属粒子を前記所定の配向方向に配向させた状態で、前記複数の軟磁性金属粒子を前記積層方向に前記結合剤を介して少なくとも2層積層させて、前記積層方向に対して垂直で、かつ前記配向方向と平行な主面を持つ、シート状の複合磁性体を準備する工程と、
    前記シート状の複合磁性体を、切削抵抗の大きいダイシングブレードを用いて前記配向方向に垂直に切断して前記主面と直交する端面を形成する工程であって、前記端面近傍における少なくとも一部の軟磁性金属粒子が、前記主面に対して前記配向方向から前記積層方向の一方向に向けて所定の角度範囲だけ部分的に折れ曲がって、当該一方向に隣接する他の軟磁性金属粒子に覆いかぶさる湾曲構造を有するように切断する工程と、を含み、
    前記所定の角度範囲は、10度以上、90度未満の範囲であり、
    前記湾曲構造は、前記端面から内側に向かう前記配向方向において、前記端面から3μm以上、30μm以下の範囲内にあり、
    前記複数の軟磁性金属粒子の各々のアスペクト比は、10以上、50以下である、複合磁性体の製造方法。
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