以下、本開示にかかる照明装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下では、照明装置として、道路の側部に設けられた高欄の上面等に設置される低位置照明装置を例示するとともに、光源としてLED光源を用いたものを例示する。
本実施形態にかかる照明装置1は、図1に示すように、道路80の側部に設けられた高欄(設置台)82の上面(設置面)82aに設置されており、道路80の路面81を照射することで、夜間等における車両90の走行を支援するものである。
なお、図1には、道路80として、4つの車線81aを有する4車線(片側2車線)の自動車専用道路(高速道路等)を例示している。
道路80の路面81は、図1に示すように、車両90が走行する帯状の車線81aと、端側の車線81の側方に設けられた路肩81bと、車線81aを往復方向別に分離する中央帯81cと、で構成されている。
図1では、端側(図1の左側)の車線81aと路肩81bとを左側の白線実線により区画しており、中央側(図1の右側)の車線81aと中央帯81cとを右側の白線実線により区画している。また、片側の2つの車線81a,81aを白線破線によって区画している。
また、中央帯81cは、縁石81eが設けられた分離帯81dと、分離帯81dの両側に設けられた側帯81fと、を有しており、縁石81eには対向車線側の車両の進入等を抑制するガードレール81gが形成されている。
さらに、道路80の側部には、高欄82および遮音壁83が、道路80の延伸方向に沿って形成されている。高欄82は、例えば、コンクリートを用いて形成することができ、この高欄82によって、路肩81bの車線81a側とは反対側が区画されている。
そして、高欄82の上面82aには、複数の照明装置1が道路80の延伸方向に沿って略等間隔に配置されている。このとき、一列に配置された複数の照明装置1がケーブル(配線)61により互いに接続されており、このケーブル(配線)61を介して電力が各照明装置1に外部から供給されるようになっている。
本実施形態では、照明装置1は、水平方向に細長い略直方体状の本体部10を有しており、この本体部10の内部には、光源部21および反射部30が配置されている(図4参照)。そして、光源部21から出射した光L1は、反射部30にて反射されて、本体部10に形成された貫通穴(窓部)12を介して外部に照射されるようになっている。
したがって、本実施形態では、本体部10の長手方向を道路80の延伸方向に略一致させるとともに、貫通穴(窓部)12を道路80側に向けた状態で、各照明装置1を高欄82の上面82aに設置している。そして、各照明装置1の貫通穴(窓部)12を介して照射された光L1によって道路80の路面81が照射されるようにしている。
このとき、各照明装置1は、道路80の路面81における片側の車線81a(各照明装置1と中央帯81cとの間に存在する2つの車線81a)の幅方向における全領域を照明できるような範囲に光L1を出射できるようにするのが好ましい。
また、各照明装置1を、道路80を走行する小型車の平均的な運転手の目線の高さより低い高さ位置に設置するのが好ましい。目線の高さとしては、例えば、1.2mとすることができ、照明装置1の高さとしては、例えば、1.1m程度とすることができる。
そして、路面81から各照明装置1の上面までの高さを、道路80を走行する小型車の平均的な運転手の目線の高さよりも低くした上で、光L1を水平よりも高く進行させないようにするのが好ましい。こうすれば、光L1が道路80を走行する車両90の運転手の目に到達してしまうのを抑制することができるようになる。
なお、図1に示す道路80の構造は一例に過ぎず、他の構造をした道路に照明装置1を設置することも可能である。また、高欄82の上面82aに照明装置1を設置させる必要はなく、照明装置1の設置場所は、道路の構造に応じて適宜決定することができる。
次に、本実施形態にかかる照明装置1の具体的な構成について、主として図2〜図5を用いて説明する。
照明装置1は、図2に示すように、略直方体状をした本体部10と、本体部10を高欄82の上面82a等に設置するための設置部材50と、を備えている。
本体部10は、外郭を構成するハウジング11を有しており、このハウジング11は、例えば、アルミニウム等を含む金属材料を用いて形成することができる。
本実施形態では、ハウジング11は、水平方向に細長い形状をしており、高欄82に設置した際に道路80側に配置される前壁11aと、水平方向に細長い形状をしており、高欄82に設置した際に道路80とは反対側に配置される後壁11bと、を備えている。また、前壁11aおよび後壁11bの長手方向の両側には、前壁11aと後壁11bとを連結する側壁11c,11cが、それぞれ設けられている。そして、前壁11aおよび後壁11bの上端には、前壁11aと後壁11bとを連結する天壁11dが設けられており、前壁11aおよび後壁11bの下端には、前壁11aと後壁11bとを連結する底壁11eが設けられている。
このように、ハウジング11は、長手方向を有する中空の直方体状に形成されており、道路80の延伸方向に沿う長さaと、道路80に対する水平方向の奥行きbと、高さcと、を有している。このハウジング11の各寸法は、例えば、長さaを1.3m、奥行きbを10cm、高さcを22cm程度とすることができる。
そして、ハウジング11によって画成された本体部10の内部には、光源部21および反射部30が配置されている。さらに、本体部10の内部には、端子台71および電源部72等の電子部品が配置されている。
また、ハウジング11の正面、すなわち、ハウジング11の前壁11aには、前後方向に貫通する貫通穴(窓部)12が形成されている。本実施形態では、この貫通穴(窓部)12は、水平方向に細長い長方形状をしており、輪郭形状が水平方向に細長い長方形の縁となる前壁11aの中央に形成されている。すなわち、ハウジング11の前壁11aの形状は、水平方向に細長い長方形の枠状をしている。
さらに、本実施形態では、前壁11aに形成された貫通穴(窓部)12が、光源部21から出射した光L1を透過可能な透過板13によって閉塞されるようにしている。
透過板13は、透明な平板であり、貫通穴(窓部)12よりも一回り大きい長方形状をしている。この透過板13は、例えば、ガラス、樹脂材料等を用いて形成することができる。
そして、透過板13の周縁部を、前壁11aにおける貫通孔(窓部)12の周縁領域に外側(前側)から接触させることで、貫通穴(窓部)12が透過板13によって閉塞されるようにしている。
さらに、透過板13は、ヒンジ17によってハウジング11に回動可能に取り付けられており、透過板13をハウジング11から取り外すことなく、貫通穴(窓部)12の開閉を行えるようにしている。
本実施形態では、図3(b)に示すように、複数(本実施形態では3つ)のヒンジ17を用い、透過板13の上部をハウジング11の正面の上部(前壁11aの上部)に取り付けることで、透過板13をハウジング11に回動可能に取り付けている。このとき、各ヒンジ17は、一方がねじ17aによってハウジング11の前壁11aに固定され、他方がねじ17bによって透過板13の上部に固定されている。
かかる構成とすることで、透過板13をヒンジ17を中心として外側(前側)に回動させた際には、透過板13の下部が前方かつ上方に移動し、透過板13による貫通穴(窓部)12の閉塞が解除されて、貫通穴(窓部)12が開かれることとなる。
このように、本実施形態では、透過板13を、照明装置1の設置時の結線作業や照明装置1の保守管理等を行う際に、貫通穴(窓部)12を開閉するための蓋として機能させている。
また、本実施形態では、透過板13が貫通穴(窓部)12を閉塞した状態で、透過板13の下部を、複数(本実施形態では3つ)の固定板18によってハウジング11の正面の下部(前壁11aの下部)に固定している。具体的には、各固定板18の下部をねじ18aによってハウジング11の前壁11aの下部に固定し、各固定板18の上部をねじ18bによって透過板13の下部に固定することで、透過板13の下部をハウジング11の正面の下部に固定している。
このように、貫通穴(窓部)12を閉塞した状態で、透過板13の下部をハウジング11の下部正面に固定することで、透過板13の意図せぬ回動(貫通穴12が開かれてしまうこと)を抑制できるようにしている。なお、ねじ18aを取り外し、各固定板18の下部と前壁11aの下部との固定を解除した状態で、透過板13を回動させれば、貫通穴(窓部)12を開くことができる。
また、前壁11aにおける貫通穴(窓部)12の周縁部には段部14が形成されており、この段部14には防塵用のパッキン15が形成されている。
また、透過板13には、光L1の透過を遮断する遮光部16が形成されている。本実施形態では、図4に示すように、上側遮光板16aを透過板13の上部に内側(後側)から取り付けるとともに、下側遮光板16bを透過板13の下部に内側(後側)から取り付けることで、遮光部16を形成している。上側遮光板16aおよび下側遮光板16bは、水平方向に延在する帯状をしており、例えば、アルミニウム等を含む金属材料の表面に黒ツヤ消し塗装を施すことで形成することができる。なお、上側遮光板16aはねじ16cによって、下側遮光板16bはねじ16dによって透過板13に取り付けられている。
そして、本実施形態では、上述した光源部21が、発光ダイオード(LED)ユニットとしてのランプ20に組み込まれている。
このようなランプ20としては、従来公知のものを用いることができる。本実施形態では、略四角柱状をしており、道路80の延伸方向に沿う長さと、奥行きと、高さと、を有するランプ20を例示している。このランプ20の各寸法は、例えば、長さを56cm、奥行きを3cm、高さを1.8cm程度とすることができる。
なお、光源部21が、一方向に延伸する矩形平板状の実装基板と、発光部と、コネクタと、を備えていてもよい。
発光部は、例えば、実装基板の表面に配列される複数のLEDと、複数のLEDを封止する封止材と、で構成することができる。
コネクタは、実装基板の表面に形成された配線パターンを介して発光部の複数のLEDに電気的に接続されるとともに、本体部10の内部に配置された電源部72に電気的に接続されるものである。
このような光源部21を用いれば、電源部72に接続されたコネクタを介して複数のLEDに電源が供給されて、複数のLEDが発光することで封止材の蛍光体が励起され、光源部21から、例えば白色の光が出射されることとなる。
反射部30は、光源部21からの光L1を反射させて、反射させた光L1を、透過板13(貫通穴12)を介して本体部10の外部に向けて照射させるものであり、本体部10の内部に配置されている(図4参照)。
本実施形態では、反射部30は、反射面31aが形成される反射板31を有しており、この反射板31は、水平方向に細長い長方形状の板を湾曲させた形状をしている。
そして、反射部30は、照明装置1を高欄82の上面82aに設置した際に、反射板31の長手方向が道路80の延伸方向に略一致するとともに、反射面31aが道路80側を向くように、本体部10の内部に取り付けられている。すなわち、反射板31は、反射面31aが前面を向くように、本体部10の内部に取り付けられている。
なお、反射板31は、長手方向の両端が一対のエンド板(図示せず)に固定されている。このように、エンド板によって反射面31aの長手方向両端を固定することで、反射面31aの長手方向両端の変形を抑制できるようにし、反射面31aの長手方向両端における歪みの発生が抑制されるようにしている。
そして、反射部30および光源部21(ランプ20)は、固定部材40を介してハウジング11に取り付けられている。
ここで、本実施形態では、光源部21および反射部30を1枚の固定部材40に固定し、光源部21および反射部30が固定された固定部材40をハウジング11に取り付けることで、光源部21および反射部30がハウジング11に固定されるようにしている。すなわち、反射部30をハウジング11に固定する固定部材としての機能と、光源部21をハウジング11に固定する固定部材としての機能と、を1枚の固定部材40に持たせている。
この固定部材40は、例えば、1枚の金属板を屈曲および湾曲させることで形成することができ、光源部21(ランプ20)が固定される光源部側固定部41と、反射部30が固定される反射部側固定部42と、を備えている。
光源部側固定部41は、下面に光源部21(ランプ20)が固定される光源部側固定部本体41aと、光源部側固定部本体41aの前端から上方に向けて立設された光源部側垂直片41bと、を備えている。
一方、反射部側固定部42は、光源部側固定部本体41aの後端に連設されて、反射板31を背面側から支持する反射部側固定部本体42aと、反射部側固定部本体42aの前端から下方に向けて垂設された反射部側垂直片42bと、を備えている。
そして、ランプ20を光源部側固定部本体41aの下面に固定するとともに、反射部30の反射板31を、ねじ42cを用いて反射部側固定部本体42aに固定している。こうすることで、光源部21および反射部30が、固定部材40によって一体化されることとなる。
このように、光源部21および反射部30を固定部材40によって一体化(ユニット化)させれば、固定部材40をハウジング11に取り付けるだけで、光源部21および反射部30を、本体部10の内部の所望の位置に固定することができるようになる。
具体的には、光源部側垂直片41bを、ハウジング11の天壁11dに形成された上側ブラケット43にねじ43aを用いて固定することで、一体化した固定部材40をハウジング11の天壁11dに固定している(図4参照)。
そして、反射部側垂直片42bを、ハウジング11の底壁11eに形成された下側ブラケット44にねじ44aを用いて固定することで、一体化した固定部材40をハウジング11の底壁11eに固定している(図4参照)。
なお、本実施形態では、図4に示すように、光源部側固定部本体41aを後方かつ上方に傾斜させているため、ランプ20は、光L1の出射方向が後側(背面側)の下方を向くように固定されている。
そして、このランプ20の下方には、反射板31が、反射面31aがランプ20と対向するように配置されている。したがって、光源部21から出射する光L1は、反射板31に向けて出射されることとなり、反射板31の反射面31aで反射した光L1が、透過板13(貫通穴12)を介して本体部10の外方(正面方向の道路の路面)に向けて照射されることとなる。
設置部材50は、ハウジング11の下面に取り付けられる略L字状の本体部側ブラケット51と、本体部側ブラケット51に連結され、高欄82の上面82a等に固定される略L字状の設置面側ブラケット52と、を備えている(図2および図3参照)。この本体部側ブラケット51および設置面側ブラケット52は、例えば、金属板を直角に屈曲させることで形成することができる。
そして、本体部側ブラケット51の水平方向に延在する部位が、ねじ51aにより、ハウジング11の下面における長手方向の両端側に固定されている。
また、本体部側ブラケット51および設置面側ブラケット52のそれぞれの垂直方向に延在する部位が、2種類のねじ52a,52bにより、互いに固定されている。
そして、設置面側ブラケット52の水平方向に延在する部位が、ねじ52cにより、例えば高欄82の上面82aに固定されている。
このように、本体部側ブラケット51および設置面側ブラケット52を互いに固定し、本体部側ブラケット51をハウジング11に固定するとともに、設置面側ブラケット52を高欄82の上面82aに固定することで、照明装置1が高欄82に設置される。
なお、本実施形態では、ねじ52bをねじ52aの上方に配置するとともに、ねじ52aを中心とする円弧状となるように、ねじ52bを通すための貫通孔を形成している。このとき、ねじ52bを通すための貫通孔は、ねじ52bに対して余裕を持って形成するのが好ましい。
こうすることで、照明装置1を設置した状態で、ねじ52aを通り、道路80の延伸方向に沿う回転軸に対して所定の範囲(水平方向に対して上方に角度θ、下方に角度θの範囲)で、本体部10を回動させることができるようになる(図5参照)。なお、角度θは、例えば5°程度とすることができる。
このように、本実施形態では、高欄82の上面82aに設置した照明装置1の姿勢を調整することで、照明装置1による道路80の路面81への照射範囲を調整することができるようになっている。
また、本実施形態では、上述したように、複数の照明装置1が一列に配置されており、互いに隣り合う照明装置1が1本のケーブル(配線)61によって互いに接続されている。
本実施形態では、互いに隣り合う照明装置1に設けられている端子台71に、1本のケーブル(配線)61の端部61aをそれぞれ接続(結線)させている。こうすることで、各照明装置1に設けられている端子台71がケーブル(配線)61を介して電気的に接続されて、各照明装置1に外部から電力を供給できるようになる。なお、ハウジング11の側壁11cには、ケーブル(配線)61の端部61aを引き入れるケーブル挿通部62が形成されている。
また、本実施形態では、各照明装置1に設けられた端子台71へのケーブル(配線)61の接続(結線)作業を、反射板30を取り外すことなく行えるようにしている。
具体的には、反射部30をハウジング11に固定した状態で、本体部10を正面から視た際に、貫通穴(窓部)12の領域内における反射部30から外れた位置に端子台71を設けるようにしている。
すなわち、透過板13をヒンジ17を中心として外側(前側)に回動させて、貫通穴(窓部)12を開いた際に、正面視で端子台71を視認できるようにしている。
こうすることで、反射板30を取り外さずに、端子台71へのケーブル(配線)61の接続(結線)作業を行えるようにしている。その結果、照明装置1の設置作業を行うことで、反射板30と光源部21とが位置ずれしてしまったり、反射板30が変形してしまったりするのを抑制することができ、照明装置1の照射精度が低下してしまうのを抑制することができるようになる。
また、端子台71を正面視で反射部30から外れた位置に配置することで、反射部の裏側に端子台71やケーブル(配線)61の設置スペースを設ける必要がなくなるため、照明装置1の厚さを薄くすることが可能となる。その結果、外側に幅狭の高欄しか設けることのできない道路等にも、照明装置1を設置することが可能となる。
さらに、本実施形態では、1つの照明装置1に2つの端子台71を設けている。具体的には、本体部10の長手方向の一方側における反射部30から外れた位置に1つの端子台71を設けている。
こうすることで、照明装置1の高さを極力低くできるようにしている。このように、照明装置1の高さを低くすれば、野外等に設置した際に照明装置1が風等の影響を受けてしまうのを抑制できるようになって、照明装置1を、道路等の野外に、より安定した状態で設置することができるようになる。
さらに、本体部10の長手方向の他方側における反射部30から外れた位置に他の端子台71を設けている。
そして、長手方向の一方側の端子台71と長手方向の他方側の端子台71とを接続用配線(送り配線)63によって電気的に接続している。本実施形態では、接続用配線63が反射板31の裏側(後側)を通っており、かかる状態で、両端63a,63aがそれぞれ一方側の端子台71および他方側の端子台71に電気的に接続されている。すなわち、接続用配線63は、端子台71に接続される端部63aを除くほとんどの部分が反射板31の裏側に配置されている。
こうすることで、各照明装置において、長手方向の一方側の端子台71および長手方向の他方側の端子台71にケーブル(配線)61をそれぞれ接続するだけで、互いに隣り合う照明装置1同士を結線させることができるようにしている。すなわち、照明装置1同士の結線作業をより容易に行えるようにしている。
また、図3(a)に示すように、少なくとも一方の端子台71と電源部72とが配線64を介して電気的に接続されている。したがって、複数のLEDには、ケーブル(配線)61、端子台71、および電源部72を介して外部電源から電源が供給されることとなる。
なお、一方側の端子台71および他方側の端子台71への接続用配線63の接続(結線)は、反射板30をハウジング11に固定する前に予め行っておくのが好ましい。
ここで、本実施形態では、図6および図7に示すように、照明装置1が、本体部10の高欄(設置台)82から路面81への落下を抑制する落下抑制部材100を備えるようにしている。
このように、照明装置1が落下抑制部材100を備えることで、設置部材50による本体部10の高欄(設置台)82の上面(設置面)82aへの設置が解除された際に、本体部10が高欄(設置台)82から落下してしまうのを抑制できるようにしている。なお、設置部材50による本体部10の高欄82の上面82aへの設置が解除される要因としては、設置部材50の破損や、ねじのゆるみによる各部材の固定の外れ(例えば、本体部側ブラケット51と本体部10との固定の外れ)などが考えられる。
本実施形態では、照明装置1は、2つの落下抑制部材100を備えており、各落下抑制部材100は、ハウジング11の下面(本体部10)に取り付けられる略L字状の本体部側ブラケット(本体部側取付部)110をそれぞれ備えている。また、各落下抑制部材100は、高欄82の上面82a等に固定される略L字状の設置面側ブラケット(設置台側取付部)120をそれぞれ備えている。これらの本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120は、例えば、金属板を直角に屈曲させることで形成することができる。
そして、各本体部側ブラケット110の水平方向に延在する部位には、取付孔110bがそれぞれ形成されている。そして、この取付孔110bにねじ111を挿入することで、ハウジング11の下面(本体部10)における設置部材50よりも長手方向の内側に、各本体部側ブラケット110の水平方向に延在する部位がそれぞれ固定されている(図3(b)参照)。
一方、各設置面側ブラケット120の水平方向に延在する部位には、取付孔120bがそれぞれ形成されている。そして、この取付孔120bにねじ121を挿入することで、例えば、高欄(設置台)82の上面(設置面)82aに、各設置台側ブラケット120の水平方向に延在する部位がそれぞれ固定されている。
また、本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120のそれぞれの垂直方向に延在する部位には、挿通孔110a,120aがそれぞれ形成されている。そして、設置部材50により本体部10を高欄82の上面82aに設置し、本体部側ブラケット110を本体部10に、設置面側ブラケット120を高欄82の上面82aに固定した状態で、挿通孔110a,120aが連通するようにしている。このように、本実施形態では、本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120の両方(本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120のうち少なくともいずれか一方の取付部)に、挿通孔110a,120aが形成されている。
さらに、本実施形態では、落下抑制部材100は、挿通孔110a,120aに挿通される軸部と、軸部に設けられて、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部と、を有する保持部材130を備えている。
そして、軸部を挿通孔110a,120aに挿通させ、抜止部によって軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制することで、保持部材130が、本体部側ブラケット110と設置面側ブラケット120とを相対回動可能に保持している。
保持部材130は、図7に示すように、ボルト頭部131aとボルト軸部131bとを有するボルト131と、ボルト軸部131bに取り付けられるナット132と、を備えている。
本実施形態では、ボルト軸部131bの先端にねじ溝131cが形成されており、このねじ溝131cにナット132を螺合させることで、ボルト軸部131bにナット132が取り付けられる(締結される)ようになっている。なお、本実施形態では、輪郭形状が略六角形のボルト頭部131aおよびナット132を例示しているが、ボルト頭部やナットの輪郭形状は、これに限るものではなく、様々な形状(例えば略円形等)とすることができる。
また、保持部材130は、ボルト軸部131bが挿入される貫通孔133aを有し、ボルト頭部131aとナット132とで挟持される筒状のスペーサ133を有している。本実施形態では、ワッシャ134およびワッシャ135を用いてナット132をボルト131に取り付けて(締結して)いる。すなわち、ボルト軸部131bにナット132を取り付けた(締結した)状態で、スペーサ133の軸方向の両端面がワッシャ134およびワッシャ135に接触するようにしている。このように、本実施形態では、スペーサ133は、ワッシャ134およびワッシャ135を介して、ボルト頭部131aおよびナット132によって挟持されている。
また、本実施形態では、ボルト131は、ボルト頭部131aの外径が、スペーサ133の貫通孔133aの内径よりも大きく、ボルト軸部131bの外径が、スペーサ133の貫通孔133aの内径よりも小さくなるように形成されている。そして、ナット132は、外径がスペーサ133の貫通孔133aの内径よりも大きくなるように形成されている。
また、スペーサ133の外径は、挿通孔110a,120aの連通部分に挿入することができる大きさとなっている。
本実施形態では、挿通孔110a,120aは、内径がほぼ同径の円形に形成されている。そして、設置部材50により本体部10を高欄82の上面82aに設置し、本体部側ブラケット110を本体部10に、設置面側ブラケット120を高欄82の上面82aにそれぞれ固定した状態で、挿通孔110a,120aのほぼ全体が連通するようにしている。したがって、本実施形態では、スペーサ133は、外径が挿通孔110a,120aの内径よりも小さくなるように形成されている。
また、ワッシャ134およびワッシャ135の外径は、挿通孔110a,120aの連通部分への挿入が規制される大きさとなっている。すなわち、本実施形態では、ワッシャ134およびワッシャ135は、外径が挿通孔110a,120aの内径よりも大きくなるように形成されている。なお、ボルト頭部131aの外径およびナット132の外径は、挿通孔110a,120aの内径よりも大きいのが好ましいが、挿通孔110a,120aの内径以下であってもよい。
さらに、スペーサ133は、軸方向の長さが、ボルト軸部131bの軸方向の長さよりも小さくなるようにしている。こうすることで、貫通孔133aに挿通させたボルト軸部131bの先端がスペーサ133から突出するようにしている。
また、スペーサ133は、軸方向の長さが、本体部側ブラケット110の垂直方向に延在する部位の厚さと設置面側ブラケット120の垂直方向に延在する部位の厚さとの和よりも大きくなるようにしている。こうすることで、貫通孔133aに挿通させたボルト軸部131bにナット132を取り付けた(締結した)際に、本体部側ブラケット110と設置面側ブラケット120との相対移動が保持部材130によって規制されてしまわないようにしている。
このように、本実施形態では、保持部材130は、本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120に対して相対移動できるようにした状態で、本体部側ブラケット110と設置面側ブラケット120とを保持している。こうすることで、保持部材130が、本体部側ブラケット110と設置面側ブラケット120との相対回動を邪魔してしまうのを抑制できるようにしている。
このような保持部材130は、例えば、下記のようにして組み付けることができる。
まず、ボルト軸部131bをワッシャ134の貫通孔に挿入し、スペーサ133の貫通孔133aに挿通する。
次に、ボルト軸部133bが挿通されたスペーサ133を、互いに連通させた挿通孔110a,120aに挿通させる。
そして、ボルト軸部131bのスペーサ133から突出した先端にワッシャ135を取り付ける。その後、ボルト軸部131bのスペーサ133から突出した先端に形成されたねじ溝131cにナット132を螺合させる。
こうして、挿通孔110a,120aに挿通される軸部と、軸部に設けられて、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部と、を有する保持部材130が組み付けられる。
なお、保持部材130の組み付け方法は、上記の方法に限られるものではなく、様々な方法で組み付けることができる。
また、本実施形態では、スペーサ133を、挿通孔110a,120aに挿通される軸部として機能させ、ワッシャ134およびワッシャ135を、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部として機能させている。すなわち、本実施形態では、スペーサ133が、互いに連通させた挿通孔110a,120aに挿通される軸部の少なくとも一部を構成している。そして、ワッシャ134およびワッシャ135が、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部の少なくとも一部を構成している。
このような構成をした落下抑制部材100を設けることで、設置部材50による本体部10の高欄(設置台)82の上面(設置面)82aへの設置が解除された際には、本体部10は、例えば、図8に示すように回動することとなる。
すなわち、設置部材50による本体部10の設置が解除された場合、本実施形態では、本体部10が2つの落下抑制部材100のみによって高欄82上に保持されることとなる。
このとき、落下抑制部材100は、上述したように、本体部側ブラケット110と設置面側ブラケット120との相対移動が保持部材130によって規制されてしまわないようになっている。そして、保持部材130の軸部として機能するスペーサ133は、外径が挿通孔110a,120aの内径よりも小さくなるように形成されている。
したがって、本体部10を落下抑制部材100のみで高欄82上に保持した場合、本体部10は、自重によって、図9(a)に示すように、距離d1(挿通孔110a,120aの内径とスペーサ133の外径との差)だけ落下することになる。このとき、本体部10に固定されている本体部側ブラケット110も、距離d1(挿通孔110a,120aの内径とスペーサ133の外径との差)だけ落下することになる(図9(b)参照)。
さらに、保持部材130は、本体部側ブラケット110と設置面側ブラケット120とを相対回動可能に保持しているため、本体部側ブラケット110が設置面側ブラケット120に対して相対回動することとなる。このとき、本体部側ブラケット110には本体部10が取り付けられている(固定されている)ため、本体部側ブラケット110の設置面側ブラケット120に対する相対回動に伴って本体部10も回動することとなる。
このように、本実施形態では、設置部材50による本体部10の高欄(設置台)82の上面(設置面)82aへの設置が解除された際には、本体部10が設置面側ブラケット120に対して相対回動することとなる。なお、本体部10の相対回動の方向は、図8に示す方向とは反対側となることもある。
このような構成とすれば、設置部材50による本体部10の高欄(設置台)82の上面(設置面)82aへの設置が解除された際に、本体部10が路面81上に落下してしまうのを抑制することができる。また、本体部10が回動により傾くことになるため、設置部材50による設置が解除されていること(例えば、設置部材50が破損していることなど)を目視により確認することができる。
なお、本実施形態では、保持部材130は、本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120に対して相対移動できるようになっている。そのため、保持部材130は、挿通孔120a内を落下する際に、平行移動せずに一端が下方を向くように傾斜する場合もある。そして、保持部材130が傾斜した状態で落下した場合、本体部10および本体部側ブラケット110が距離d1以上落下する可能性もある。
しかしながら、保持部材130は、抜け止めがなされた状態で本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120を保持している。そのため、本実施形態にかかる落下抑制部材100を用いれば、本体部10の落下距離をスペーサ133の軸方向の長さよりも短くすることができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる照明装置1は、光源部21を有する本体部10と、本体部10を高欄(設置台)82に設置する設置部材50と、本体部10の落下を抑制する落下抑制部材100と、を備えている。
また、落下抑制部材100は、本体部10に取り付けられる本体部側ブラケット(本体部側取付部)110と、高欄(設置台)82に取り付けられる設置面側ブラケット(設置台側取付部)120と、を備えている。
そして、落下抑制部材100は、本体部側ブラケット(本体部側取付部)110と設置面側ブラケット(設置台側取付部)120とを相対回動可能に保持する保持部材130を備えている。
こうすれば、設置部材50による本体部10の高欄(設置台)82への設置が解除された際に、本体部10が路面81上に落下してしまうのを抑制することができる。また、ワイヤを用いて吊り下げる構成とした場合のように、通常の設置状態において、撓んだワイヤが本体部からはみ出してしまうことが生じることがなくなるため、見栄えをより向上させることができる。
このように、本実施形態によれば、高欄(設置台)82からの落下を抑制しつつ、見栄えをより向上させることのできる照明装置1を得ることができる。
また、本実施形態のように、本体部10の落下を抑制するために、本体部10を設置面側ブラケット120に対して相対回動させるようにすれば、ワイヤを用いて吊り下げる構成とした場合と較べて、本体部10の落下距離を小さくすることができる。すなわち、本実施形態によれば、本体部10の落下距離を比較的小さくすることができる。そのため、設置部材50による本体部10の高欄(設置台)82への設置が解除された際に、落下防止部材100に加えられる荷重が比較的小さくなる。その結果、落下抑制部材100の強度を高くしたり、落下抑制部材100の数を多くしたりする必要がなくなるため、コストの削減を図ることができる。
また、本実施形態では、本体部側ブラケット(本体部側取付部)110および設置面側ブラケット(設置台側取付部)120のうち少なくともいずれか一方の取付部に挿通孔110a,120aが形成されている。そして、保持部材130は、挿通孔110a,120aに挿通される軸部と、軸部に設けられ、軸部の挿通孔110a,120aからの抜けを抑制する抜止部と、を備えている。
こうすれば、本体部10を回動させる落下抑制部材100の構成を簡素化させることができ、より容易に落下抑制部材100を得ることができる。
また、本実施形態では、本体部側ブラケット(本体部側取付部)110および設置面側ブラケット(設置台側取付部)120に挿通孔110a,120aがそれぞれ形成されている。そして、保持部材130は、ボルト頭部131aとボルト軸部131bとを有するボルト131と、ボルト軸部131bに取り付けられるナット132と、を備えている。
さらに、保持部材130は、ボルト軸部131bが挿入される貫通孔133aを有し、ボルト頭部131aとナット132とで挟持される筒状のスペーサ133を備えている。そして、スペーサ133が、互いに連通させた挿通孔110a,120aに挿通される軸部の少なくとも一部を構成している。
こうすれば、既存の部品を用いて落下抑制部材100を形成することができるため、コストのより一層の削減を図ることができる。
また、本実施形態では、保持部材130が、本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120に対して相対移動できるようにした状態で、本体部側ブラケット110と設置面側ブラケット120とを保持している。すなわち、保持部材130、本体部側ブラケット110および設置面側ブラケット120がそれぞれ独立して他の部材に対して相対移動できるようになっている。こうすれば、保持部材130と本体部側ブラケット110とを固定する部位や保持部材130と設置面側ブラケット120とを固定する部位が形成されることがない。そのため、設置部材50による本体部10の高欄(設置台)82への設置が解除されて、保持部材130に本体部10の荷重が加えられた際に、応力集中が生じてしまうのを抑制することができる。その結果、落下抑制部材100が破損してしまうのをより確実に抑制することができる。
なお、上記実施形態で示した保持部材130に替えて、図10に示す保持部材130Aを用いてもよい。
図10に示す保持部材130Aは、ボルト頭部131aAとボルト軸部131bAとを有するボルト131Aと、ボルト軸部131bAに取り付けられるナット132と、を備えている。なお、図10では、輪郭形状が略円形のボルト頭部131aAを例示しているが、上記実施形態で示したように、輪郭形状が六角形のボルト頭部としてもよい。
また、図10では、ボルト軸部131bAは、ボルト頭部131aA側に形成される太径部131cAと、太径部131cAの先端側に同心状に連設される細径部131dAと、を備えている。さらに、図10では、細径部131dAの全体にねじ溝131eAが形成されている。そして、細径部131dAの全体に形成されたねじ溝131eAにナット132を螺合させることで、細径部131dAにナット132が取り付けられる(締結される)ようになっている。
また、図10に示す保持部材130Aにおいても、ワッシャ135が用いられており、細径部131dAにナット132を取り付けた(締結した)状態で、太径部131cAの先端面がワッシャ135に接触するようにしている。
また、ボルト131Aは、ボルト頭部131aAの外径が挿通孔110a,120aの連通部分への挿入が規制される大きさとなっている。具体的には、ボルト頭部131aAの外径は、太径部131cAの外径および挿通孔110a,120aの内径よりも大きくなるように形成されている。また、太径部131cAは、外径が挿通孔110a,120aの連通部分に挿入することができる大きさとなっている。すなわち、太径部131cAの外径が、挿通孔110a,120aの内径よりも小さくなるように形成されている。
また、ワッシャ135の外径は、挿通孔110a,120aの連通部分への挿入が規制される大きさとなっている。すなわち、ワッシャ135は、外径が挿通孔110a,120aの内径よりも大きくなるように形成されている。なお、ナット132の外径は、挿通孔110a,120aの内径よりも大きいのが好ましいが、挿通孔110a,120aの内径以下であってもよい。
さらに、太径部131cAは、軸方向の長さが、本体部側ブラケット110の垂直方向に延在する部位の厚さと設置面側ブラケット120の垂直方向に延在する部位の厚さとの和よりも大きくなるようにしている。
このように、図10に示す保持部材130Aにおいては、太径部131cAを、挿通孔110a,120aに挿通される軸部として機能させている。そして、ボルト頭部131aAおよびワッシャ135を、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部として機能させている。
このような保持部材130Aは、例えば、下記のようにして組み付けることができる。
まず、ボルト軸部131bの太径部131cAを、互いに連通させた挿通孔110a,120aに挿通させる。
そして、ボルト軸部131bの細径部131dAにワッシャ135を取り付ける。その後、ボルト軸部131bの細径部131dAに形成されたねじ溝131eAにナット132を螺合させる。
こうして、挿通孔110a,120aに挿通される軸部と、軸部に設けられて、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部と、を有する保持部材130Aが組み付けられる。
なお、保持部材130Aの組み付け方法は、上記の方法に限られるものではなく、様々な方法で組み付けることができる。
このような保持部材130Aを用いても、上記実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
また、図11に示す保持部材130Bを用いてもよい。
図11に示す保持部材130Bは、ボルト頭部131aBとボルト軸部131bBとを有するボルト131Bと、ボルト軸部131bBに取り付けられるEリング132Bと、を備えている。なお、図11では、輪郭形状が略円形のボルト頭部131aBを例示しているが、上記実施形態で示したように、輪郭形状が六角形のボルト頭部としてもよい。
また、図11では、ボルト軸部131bBの先端側には、Eリング132Bが取り付けられる溝部131cBが形成されている。
また、ボルト131Bは、ボルト頭部131aBの外径が挿通孔110a,120aの連通部分への挿入が規制される大きさとなっている。すなわち、ボルト頭部131aBの外径が挿通孔110a,120aの内径よりも大きくなるように形成されている。また、ボルト軸部131bBは、外径が挿通孔110a,120aの連通部分に挿入することができる大きさとなっている。すなわち、ボルト軸部131bBの外径が、挿通孔110a,120aの内径よりも小さくなるように形成されている。
また、Eリング132Bの外径は、挿通孔110a,120aの連通部分への挿入が規制される大きさとなっている。すなわち、Eリング132Bは、外径が挿通孔110a,120aの内径よりも大きくなるように形成されている。
さらに、ボルト軸部131bBは、溝部131cBよりもボルト頭部131aB側の軸方向の長さが、本体部側ブラケット110の垂直方向に延在する部位の厚さと設置面側ブラケット120の垂直方向に延在する部位の厚さとの和よりも大きくなっている。
このように、図11に示す保持部材130Bにおいては、ボルト軸部131bBにおける溝部131cBよりもボルト頭部131aB側を、挿通孔110a,120aに挿通される軸部として機能させている。そして、ボルト頭部131aBおよびEリング132Bを、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部として機能させている。
このような保持部材130Bは、例えば、下記のようにして組み付けることができる。
まず、ボルト131Bのボルト軸部131bBを、互いに連通させた挿通孔110a,120aに挿通させる。そして、ボルト軸部131bBの溝部131cBにEリング132Bを取り付ける。
こうして、挿通孔110a,120aに挿通される軸部と、軸部に設けられて、軸部が挿通孔110a,120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部と、を有する保持部材130Bが組み付けられる。
なお、保持部材130Bの組み付け方法は、上記の方法に限られるものではなく、様々な方法で組み付けることができる。
このような保持部材130Bを用いても、上記実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
また、上記実施形態で示した落下抑制部材100に替えて、図12に示す落下抑制部材100Cを用いてもよい。
図12に示す落下抑制部材100Cは、ハウジング11の下面(本体部10)に取り付けられる略L字状の本体部側ブラケット(本体部側取付部)110Cを備えている。また、落下抑制部材100Cは、高欄82の上面82a等に固定される略L字状の設置面側ブラケット(設置台側取付部)120を備えている。これらの本体部側ブラケット110Cおよび設置面側ブラケット120は、例えば、金属板を直角に屈曲させることで形成することができる。
また、本体部側ブラケット110Cの水平方向に延在する部位には、取付孔110bが形成されており、取付孔110bにねじ111を挿入することで、本体部側ブラケット110Cの水平方向に延在する部位がハウジング11の下面に固定されている。
一方、設置面側ブラケット120の水平方向に延在する部位には取付孔120bが形成されており、取付孔120bにねじ121を挿入することで、設置台側ブラケット120の水平方向に延在する部位が高欄82の上面82aに固定されている。
また、本体部側ブラケット110Cおよび設置面側ブラケット120のうち少なくともいずれか一方の取付部である設置面側ブラケット120の垂直方向に延在する部位には、挿通孔120aが形成されている。
そして、他方の取付部である本体部側ブラケット110Cの垂直方向に延在する部位には、保持部材130Cの軸部136が一体に形成されている。保持部材130Cは、挿通孔120aに挿通される軸部136と、軸部136に設けられて、軸部136が挿通孔120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部と、を有している。
そして、軸部136を挿通孔120aに挿通させ、抜止部によって軸部136が挿通孔120aから抜けてしまうのを抑制することで、保持部材130Cが、本体部側ブラケット110Cと設置面側ブラケット120とを相対回動可能に保持している。
図12に示す軸部136は、本体部側ブラケット110C側に形成される太径部136aと、太径部136aの先端側に同心状に連設される細径部136bと、を備えている。さらに、図12では、細径部136bの全体にねじ溝136cが形成されている。そして、細径部136bの全体に形成されたねじ溝136cにナット132を螺合させることで、細径部136bにナット132が取り付けられる(締結される)ようになっている。
また、図12に示す保持部材130Cにおいても、ワッシャ135が用いられており、細径部136bにナット132を取り付けた(締結した)状態で、太径部136aの先端面がワッシャ135に接触するようにしている。
また、太径部136aの外径が挿通孔120aの内径よりも小さくなるように形成されており、ワッシャ135の外径が挿通孔120aの内径よりも大きくなるように形成されている。なお、ナット132の外径は、挿通孔120aの内径よりも大きいのが好ましいが、挿通孔120aの内径以下であってもよい。
さらに、太径部136aは、軸方向の長さが、設置面側ブラケット120の垂直方向に延在する部位の厚さよりも大きくなるようにしている。
このように、図12に示す保持部材130Cにおいては、太径部136aを、挿通孔120aに挿通される軸部136として機能させ、ワッシャ135を、軸部136が挿通孔120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部として機能させている。
このような保持部材130Cは、例えば、下記のようにして組み付けることができる。
まず、太径部136aを挿通孔120aに挿通させる。そして、細径部136bにワッシャ135を取り付ける。その後、細径部136bに形成されたねじ溝136cにナット132を螺合させる。
こうして、挿通孔120aに挿通される軸部136と、軸部136に設けられて、軸部136が挿通孔120aから抜けてしまうのを抑制する抜止部と、を有する保持部材130Cが組み付けられる。
なお、保持部材130Cの組み付け方法は、上記の方法に限られるものではなく、様々な方法で組み付けることができる。
また、本体部側ブラケット110Cを挿通孔が形成される一方の取付部とし、設置面側ブラケット120を軸部が一体に形成される他方の取付部となるようにしてもよい。
このような保持部材130Cを用いても、上記実施形態とほぼ同様の作用、効果を奏することができる。
以上、本開示の好適な実施形態について説明したが、上記各実施形態には限定されず、種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態およびその変形例では、照明装置として、道路の側部に設けられた高欄の上面等に設置される低位置照明装置を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、台上に据え置く据置タイプの照明装置に本開示を適用することも可能である。
また、上記実施形態およびその変形例では、LEDを光源として用いたものを例示したが、半導体光源等を用いることも可能である。
また、上記実施形態およびその変形例では、ワッシャ134およびワッシャ135を抜止部として機能させたものを例示したが、ボルト軸部やナットを抜止部として機能させるようにしてもよい。
また、上記実施形態およびその変形例で示した構成を適宜組み合わせて落下抑制部材を形成することも可能である。
また、設置部材や本体部、その他細部のスペック(形状、大きさ、レイアウト等)も適宜に変更可能である。