JP6531466B2 - 照明器具、及び照明器具の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、塗装済みの部材同士を容易に電気的に接続でき、接地構造を簡易化し易くした照明器具、及び照明器具の製造方法を提供することを目的とする。
また本発明は、上記照明器具において、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との間に防水パッキンを有することを特徴とする。
また、塗装済みの複数の筐体部から構成される筐体は、前記筐体部として、接地されている第1の筐体部と、前記第1の筐体部に接続される第2の筐体部とを有し、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部の少なくとも一方には、他方の筐体部の表面を削り塗装面を剥がして当接する突起部が設けられているので、塗装済みの部材同士を容易に電気的に接続でき、接地構造を簡易化し易くなる。
図1は本実施形態に係る照明器具の使用態様を模式的に示す図である。
この照明器具10は、道路100の側方に設置された壁部101に設置され、道路100の路面102を照明する道路照明器具である。
道路100は、車両の進行方向が共に同一方向とされた第1車線103、及び第2車線104が併設され、同一方向に2つの車両通行帯を有する、いわゆる片側2車線道路である。なお、図1中、符号W1は、第1車線103、及び第2車線104の車線幅(本実施例では3.5m(メートル))を示し、道路幅は2×W1である。また、図1中、符号100L、100Rは道路100の端部を示している。なお、本実施形態の照明器具10は片側1車線の対面通行道路にも適用可能である。
この設置高さH1にすることにより、既存の壁部101を利用して照明器具10を設置できるとともに、照明器具1を支えるポールが不要となり、低コスト化に有利となる。
そこで、この照明器具10は、運転者への眩しさ対策を行うとともに、低コスト化に有利な接地構造を備えるようにしている。以下、この照明器具10について説明する。
照明器具10は、この照明器具10の筐体を構成する器具ケース21を備えている。器具ケース21は、正面が開口するとともに上下長に比して左右長が長い横長の矩形箱状ケースに形成されている。この器具ケース21は、アルミニウム合金からなる金属製ケースの表面に、耐候性を有する塗料(本実施形態ではポリエステル粉体塗料)を塗装した塗装済みの金属部品となっている。これによって、十分な耐食性、及び熱伝導性を得ている。
前面ガラス23は、器具ケース21内への雨水等の浸入を防止する透明の蓋部材として機能し、上板部21Bに設けた左右一対のヒンジ部25を介して開閉自在に取り付けられ、底板部21Cに設けた左右一対の留め具26により閉状態に保持される。また、器具ケース21の左右には、この器具ケース21を壁部101に取り付けるためのステー27が着脱自在に取り付けられる。
光源ユニット31は、LED41(後述する図6)を光源とするユニットであり、その詳細は後述するが、本構成では同構成の光源ユニット31が左右に隣接して同じ高さに取り付けられる。電源端子台32は、器具ケース21の外から引き込まれた配線(図3(A)中、符号35Aを付して示す)と、電源ボックス33の配線(不図示)とを結線する部材である。
図3(A)及び図3(C)に示すように、器具ケース21の底板部21Cには、2つの防水型ケーブルクランプ28A,28Bが設けられている。一方の防水型ケーブルクランプ28Aには上記配線35Aがクランプされ、他方の防水型ケーブルクランプ28Bにはアース線35Bがクランプされる。アース線35Bは、防水型ケーブルクランプ28Bを介して器具ケース21内に引き込まれ、器具ケース21の後述するケース本体部52に電気的に接続され、ケース本体部52をグランド(基準電位)に接地させる。
図3(A)に示すように、電源ボックス33は、光源ユニット31の上方に配置され、電源ボックス33及び光源ユニット31の側方に、電源端子台32が配置されている。
次に、器具ケース21の接地構造を説明する。
図4は器具ケース21の右端部の分解斜視図を示している。図3(A)〜図3(E)及び図4に示すように、器具ケース21は、3つの筐体部品(筐体部)を結合して構成されている。つまり、器具ケース21は、左右の側板部21Dを構成する左右一対のケース端板51(第2の筐体部)と、ケース本体部52(第1の筐体部)とを結合して構成されている。なお、左右のケース端板51は同一部品であり、左右で上下を反転させて使用する。同一部品であるため、製造するために必要な金型が一種類で足り、部品の共通化が図られコスト削減の効果がある。なお、左右で重複する説明は省略する。
左右一対のケース端板51は、同一部品で形成されており、ケース本体部52の左右開口を塞ぐように連結される金属部品である。このケース端板51についても、器具ケース21の組立前に、上述した塗料(ポリエステル粉体塗料)で塗装された塗装部品とされている。
この防水パッキン54により、ケース本体部52とケース端板51との間から雨水等が浸入することが確実に防止される。また、各ネジ55とケース端板51との間にはシール座金56が介挿され、これによって、各ネジ55とケース端板51との間から雨水等が浸入することも防止される。このようにして器具ケース21内への雨水等の浸入を効果的に防止することができる。
これにより、ケース端板51、及びケース本体部52の各下孔に付着した塗膜が除去され、導体であるセルフタップネジ55Xを介してケース端板51とケース本体部52とを適切に電気的に接続することが可能になる。
なお、本実施形態では4本のネジ55のうち1本をセルフタップネジとしているが、セルフタップネジを複数使用してもよい。
また、残りの3本のネジ55には、公知の締結用ネジ(セルフタップネジを除く)が用いられる。このため、3本のネジ55が締結される箇所(ケース本体部52の後述する孔部52H)には、予めタッピング加工により雌ねじが形成され、この雌ねじにネジ55が締結される。次いで、セルフタップネジ55Xを含むネジ55の締結構造について詳述する。
なお、上側2箇所の孔部52Hは、上板部21Bの内側面に一体に設けられており、ケース本体部52の奥行方向に平行に間隔を空けて設けた孔である。また、下側2箇所の孔部52Hは、底板部21Cの内側面に一体に設けられ、ケース本体部52の奥行方向に平行に間隔を空けて設けられた孔である。上下の孔部52Hの間隔は、同一の間隔とされ、共通のケース端板51を連結可能に構成されている。
図5(A)に示すように、ケース端板51には、ケース本体部52の上記4個の孔部52Hに連通する孔部である4個のネジ挿通部51A〜51Dが形成される。これらネジ挿通部51A〜51Dのうち、セルフタップネジ55Xが挿通されないネジ挿通部51B〜51Dは、ネジ55が遊びを持って挿通される遊嵌孔を有している。
このように、下孔部51Sを、セルフタップネジ55Xが挿通されるネジ挿通部51Aの途中に設けることにより、セルフタップネジ55Xの螺合時に除去された塗膜が逃げる領域(内径D2の領域に相当)を下孔部51Sの両側に確保することができる。これにより、除去された塗膜を下孔部51Sの外に逃がし、電気的接続をより確実に確保し易くなる。
従って、下孔部51Sの長さLSについては、十分な接続長と、締結に要する力とのバランスを考慮して適宜に設定すれば良い。なお、左側のケース端板51は、右側のケース端板51と同一部品であるため、左側のケース端板51においては、ネジ挿通部51Cが、下孔部51Sを有する箇所となり、このネジ挿通部51Cにセルフタップネジ55Xが締結され(図3(A)、図3(C)参照)、残りのネジ挿通部51A、51B、51Dに、締結用ネジであるネジ55が締結される。
なお、本実施形態ではネジ挿通部51Aの一部だけに下孔部51Sを設けているが、ネジ挿通部51Aの少なくとも一部に下孔部51Sを設けるようにすれば良い。
続いて、光源ユニット31について説明する。
図6は光源ユニット31を周辺構成と共に示す側断面図である。
光源ユニット31は、左右に間隔を空けて同じ高さにLED41が実装されたユニット基板42と、LED41の光を反射する反射鏡43と、ユニット基板42、及び反射鏡43が固定される板状のベース板45とを備えている。なお、図6中、符号LHはLED41を通る水平面を示し、符号LLはLED41の光軸を示している。また、図6の右側が正面側(道路100側)であり、図6の左側が図1に示す壁部101側である。
この上下の反射面46S、47Sにより図1に示す道路幅方向Mの配光が制御される。また、上側反射鏡46、及び下側反射鏡47は、断面を押し出した形状、つまり、同一断面で幅方向(図2に示す道路長手方向Jに相当)に延びる形状に形成され、道路長手方向Jに広く光を照射することが可能である。なお、道路長手方向Jは、車両の進行方向と後退方向を含んでいる。
反射鏡43の各反射面46S、47S、48Sは、アルミ蒸着された面とされる。これにより、拡散反射成分を抑えた反射面にすることができ、上方光束の増加を抑え易くなる。なお、各反射面46S、47S、48Sは、アルミ蒸着された面に限らず、正反射成分が主であり、拡散成分が少ない反射面であれば良い。
また、LED41は、左右(走行方向や道路長手方向Jに相当)に間隔を空けて水平に一列に並んでおり、単数で用いる場合と比べて、左右への照射角度、つまり、水平角を広くできるとともに、各LED41を垂直方向にずらして配置する場合と比べて、上方光束の増加及び運転者への眩しさを抑えている。
図8(A)に示すように、上側反射面46Sは、LED41側の基端部46RからLED41と反対側の先端部46Fに向かって概ね下方に傾斜し、先端部46Fが、LED41と水平な位置である水平面LHよりも下側まで延伸している。このため、器具正面視で、上側反射鏡46がLED41の発光中心を覆う。
すなわち、上側反射鏡46はLED41の発光中心が正面から見えないようにする遮蔽部材を兼ねる。これにより、LED41から上方向への光束を抑制するとともに、LED41を正面から運転者が直視できないようにすることができる。従って、運転者への眩しさを効果的に抑制することができる。
また、LED41は上側反射面46S寄りに設けられ、上側反射面46Sへの入射角度が過度に大きくならないようにしている。また、上側反射面46Sは、LED41の上方に隙間SSを開けて配置され、誘導雷サージの影響を受けづらくするように上側反射面46Sとユニット基板42上のLED41の底面の通電部とを十分に離間させている。
また、この基端部反射面Y1は、なだらかに連続する連続面に形成されているので、道路長手方向Jに延びる縞状のムラを抑制することができる。
なお、この先端側反射面Y2がLED41を通る水平面LHを横断することで、上側反射鏡46を、LED41の発光中心を正面から見えないようにする遮蔽部材として機能させるようになっている。なお、上述した反射角度は、照明器具10の設置高さH1や路肩の幅W2が変わった場合には、その変更に合わせて適宜に変更しても良い。
このように、上側反射面46SのLED41から離れた先端側反射面Y2を、LED41寄りの基端側反射面Y1よりも水平方向下側に光を反射するように構成したので、光源であるLED41を正面から見えないようにしながら、上側反射面46Sにより、道路幅方向Mに広く配光制御し易くなる。
この下側反射面47Sは、LED41から下向きに出射される光を少なくとも水平方向よりも下向きに反射する反射面であり、道路100の異なる領域を狙う複数の放物形状の反射面(基端側反射面Z1、先端側反射面Z2)を組み合わせた形状に形成されている。
すなわち、下側反射面47Sは、基端側の領域Z1で示される基端側反射面(「基端側反射面Z1」と表記する)と、先端側の領域Z2で示される先端側反射面(「先端側反射面Z2」と表記する)とからなる2つの反射面を有している。
また、基端側反射面Z1と先端側反射面Z2の2つのピークの合成により見かけ上幅の広いピークができることから、道路長手方向Jに延びる縞状のムラを抑制することができる。
例えば、図9に示すように、下側反射面47Sの基端側反射面Z1の地点P1には、LED41から角度8.05°の幅を持つ光が入射するので、拡散がなかったとしても、地点P1からは角度8.05°のばらつきを持つ光が出射される。
なお、目標の路面照度と路面均斉度とを両立できる範囲で、最大光度の範囲を調整しても良く、発明者等の検討によると、鉛直角度78°〜86°の範囲に最大光度を有するように設定することにより、目標の路面照度と路面均斉度とを両立することが可能であった。
例えば、上述した実施形態において、発光素子の一例として、LEDを例示したが、有機EL等の任意の発光素子を用いることができる。また、LEDの一例として、高輝度化に有利なCOB型LED等の高出力型のLEDを用いるようにしても良く、任意のLEDを用いることができる。
また、上述した器具ケース21の接地構造は、ケース本体部52とケース端板51の少なくとも一部をセルフタップネジ55Xで固定することによって、ケース本体部52とケース端板51とを電気的に接続する場合を説明したが、この接地構造に限定されない。
図10に示すように、ケース端板51には、ケース本体部52に向けて突出する複数の突起部57が一体に設けられている。これら突起部57は、ケース端板51を、防水パッキン54を介してケース本体部52に当接させた場合に、防水パッキン54の内側を通ってケース本体部52に当接し、ケース本体部52の当接箇所の塗膜を削ってケース本体部52に接触する。
また、これら突起部57は、薄板状に形成され、ネジ55を用いてケース端板51とケース本体部52とを締結する際に作用する力で容易に変形し、ケース端板51とケース本体部52との間の隙間を適切に閉塞することができる。これらにより、塗装済みのケース端板51とケース本体部52とを容易に電気的に接続でき、簡易な接地構造を得ることができる。
また、上述した照明器具10が具備する反射鏡43についても、上側反射鏡46及び下側反射鏡47が一体の構成に限らず、別体の構成であっても良く、適宜に変更が可能である。
21 器具ケース(筐体)
31 光源ユニット
32 電源端子台
33 電源ボックス
41 LED(発光素子)
43 反射鏡
46 上側反射鏡
46S 上側反射面
47 下側反射鏡
47S 下側反射面
51 ケース端板(第2の筐体部)
52 ケース本体部(第1の筐体部)
54 防水パッキン
55 ネジ(締結部材)
55X セルフタップネジ
100 道路
101 壁部
102 路面
103 第1車線
104 第2車線
Claims (5)
- 塗装済みの複数の筐体部から構成される筐体を備えた照明器具において、
前記筐体は、前記筐体部として、接地されている第1の筐体部と、前記第1の筐体部に接続される第2の筐体部とを有し、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部の双方に、セルフタップネジで削られる下孔が設けられ、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との少なくとも一部は、双方の前記下孔に螺合した共通の前記セルフタップネジで固定されていると共に前記セルフタップネジを介して電気的に接続されていることを特徴とする照明器具。 - 前記第1の筐体部と前記第2の筐体部のうち、前記セルフタップネジが挿入される側の筐体部の、前記セルフタップネジの挿通部の少なくとも一部には、前記下孔として、前記セルフタップネジの外径よりも小さい径の部分が形成されていることを特徴とする請求項1記載の照明器具。
- 前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との間に防水パッキンを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
- 前記第2の筐体部は、前記第1の筐体部に締結する複数のネジが挿通される複数のネジ挿通部を有し、
前記複数のネジ挿通部はネジ挿通長に相当する肉厚が異なり、相対的に大きい肉厚の前記ネジ挿通部が前記第2の筐体部側の前記下孔であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の照明器具。 - 塗装済みの複数の筐体部から構成される筐体を備え、
前記筐体は、前記筐体部として、接地されている第1の筐体部と、前記第1の筐体部に接続される第2の筐体部とを有した照明器具の製造方法において、
前記第1の筐体部と前記第2の筐体部の双方に、セルフタップネジで削られる下孔を設け、
双方の前記下孔に共通の前記セルフタップネジを螺合して、前記第1の筐体部と前記第2の筐体部との少なくとも一部を、前記セルフタップネジで固定すると共に前記セルフタップネジを介して電気的に接続することを特徴とする照明器具の製造方法。
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