JP6955945B2 - 液面検知装置、液面検知方法、アダプターキット、凍結物の製造システム、及び凍結物の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1は、静電容量式のセンサーを用いて、液体の液面を検知する装置を開示している。特許文献2は、液位検出装置用のフロートセンサーを開示している。特許文献2に記載の技術は、フロートセンサーを液面の変動に追従させ、フロートセンサーの位置から液面を検出している。
特許文献1に記載の装置の他にも、LED式液面センサーを用いて液体の液面を検知する装置が知られている。
また、特許文献2に記載のフロートセンサーを用いて、低温液体の液面を検知しようとすると、フロートセンサーの表面に氷が付着し、フロートセンサーが液面の変動に追従して動かなくなる。そのため、特許文献2に記載のフロートセンサーにあっては、低温液体の液面を検出する際に、誤検出が起きる。
以上説明したように、特許文献1,2に記載の技術は、大気環境下で低温液体の液面を検知する用途に適していない。
[1] 液体の液面を検知する装置であって、状態変化する物質と、前記物質が封入された密閉容器と、前記密閉容器と前記液面とが接触した際に起きる、前記物質の状態変化を検出するとともに、前記密閉容器に封入された検出手段と、を備える液面検知装置。
[2] 前記物質が、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、フロンガスからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む気体である、[1]の液面検知装置。
[3] 前記密閉容器内の圧力を調節する圧力調節手段を備える、[1]又は[2]の液面検知装置。
[4] 液体の液面を検知する装置であって、気体状態の物質と、前記物質が封入された密閉容器と、前記密閉容器と前記液面とが接触した際に起きる、前記密閉容器内の圧力変化を検出するとともに、前記密閉容器に封入された圧力検出手段と、を備える液面検知装置。
[5] 液体の液面を検知する方法であって、状態変化する物質と、前記物質の状態変化を検出する検出手段と、を密閉容器に封入し、前記密閉容器と、前記液面とが接触した際に起きる前記状態変化を、前記検出手段を用いて検出する、液面検知方法。
[6] 前記物質が、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、フロンガスからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む気体である、[5]の液面検知方法。
[7] 前記密閉容器内の圧力を、前記物質の飽和蒸気圧以上とする、[5]又は[6]の液面検知方法。
[8] 液体の液面を検知する方法であって、気体状態の物質と、前記物質の圧力変化を検出する圧力検出手段と、を密閉容器に封入し、前記密閉容器と、前記液面とが接触した際に起きる、前記圧力変化を、前記圧力検出手段を用いて検出する、液面検知方法。
[9] 液面を検出する液面センサーに装着して用いるアダプターキットであって、前記液面センサーが封入される密閉容器と、前記密閉容器の温度変化により液化する物質と、前記物質を前記密閉容器内に封入する封入手段と、を備える、アダプターキット。
[10] 気体の圧力変化を検出する圧力センサーに装着して用いるアダプターキットであって、前記圧力センサーが封入される密閉容器と、前記密閉容器の温度変化により圧力が変化する気体と、前記気体を前記密閉容器内に封入する封入手段と、を備える、アダプターキット。
[11] [1]〜[4]のいずれかの液面検知装置と、低温液体を貯留する貯留槽と、前記低温液体に被凍結物を供給する供給装置と、を備える、凍結物の製造システム。
[12] [1]〜[4]のいずれかの液面検知装置を用いて、低温液体の液面を監視しながら、前記低温液体に被凍結物を供給する、凍結物の製造方法。
本発明によれば、誤検出が起きにくく、メンテナンス作業の低減を可能とする液面検知装置を提供できる。
以下、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態に係る液面検知装置1の構成の一例を示す模式図である。図1に示すように、液面検知装置1は、状態変化する物質が封入された密閉容器2と、物質の状態変化を検出するとともに、密閉容器2に封入された検出手段3と、状態変化を監視する監視手段4と、物質を密閉容器2内に封入するための封入管5と、封入管5の開閉を制御する開閉弁6と、密閉容器2と封入管5とを接続する接続部7と、監視手段4に設けられたランプ8とを備えて概略構成されている。
液体に変化する気体の物質としては、空気;水蒸気;窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、フロンガス等の不活性ガスが例示される。
固体に変化する気体の物質としては、二酸化炭素ガス等が例示される。
検出手段3は、密閉容器2と、検知対象である液体の液面とが接触した際に起きる、密閉容器2内の不活性ガスの状態変化を検出する。これにより、液面検知装置1は、検知対象である液体の液面を検知できる。
検出手段3としては、LED式液面センサー、静電容量式液面センサー、フロートセンサー等が例示される。検出手段3は、不活性ガスの状態変化を検出すると、監視手段4に検知信号を送信する。
監視手段4は、検出手段3と電気的に接続されている。これにより、監視手段4は、検出手段3が送信した検知信号を電気的に受信できる。監視手段4は、ランプ8を有している。ランプ8は、監視手段4が検知信号を受信したときに点灯する。これにより、液面検知装置1の使用者は、検出手段3が検知信号を送信したことを容易に認識できる。
このように、本実施形態では、不活性ガスの状態変化を検出する検出器が、検出手段3と、監視手段4と、ランプ8とを有して構成されている。
封入管5には、開閉弁6が設けられている。開閉弁6は、封入管5の開閉を調節できる形態であれば特に限定されない。
本実施形態では、開閉弁6は、封入管5の開閉度を調節し、密閉容器2内の圧力を調節する圧力調節手段の一形態例である。開閉弁6によって、密閉容器2内の圧力を調節すると、液面検知装置1は、検知対象である液体の温度TLと、密閉容器2内の初期温度T0との温度差△Tが小さい場合であっても、不活性ガスの液化を速やかに起こすことができる。
なお、液面検知装置1は、接続部7を備えない形態であってもよい。すなわち、液面検知装置1は、封入管5と密閉容器2とが直接接続している形態であってもよい。
なお、封入手段は、開閉弁6を有さない形態であってもよい。すなわち、封入手段は、不活性ガスが密閉容器2内に封入された状態で、封入管5が溶接等によって封止されている形態であってもよい。
液相lの形成が、検出手段3によって密閉容器2内で検出されると、検知信号が検出手段3から監視手段4に送信される。監視手段4が検知信号を受信すると、ランプ8が点灯する。これにより、使用者は、液面検知装置1が低温液体Lの液面を検知したことを認識できる。
以上説明したようにして、第1の実施形態に係る液面検知方法では、液面検知装置1を用いて、低温液体Lの液面を検知する。
第1の実施形態に係るアダプターキットは、液面を検出する液面センサーに装着して用いるアダプターキットである。本実施形態のアダプターキットは、液面センサーが封入される密閉容器と、前記密閉容器の温度変化により液化する物質と、前記物質を前記密閉容器内に封入する封入手段とを備える。
液面センサーが封入される密閉容器としては、上述した密閉容器2を採用できる。
前記密閉容器の温度変化により液化する物質としては、上述した不活性ガスを採用できる。
不活性ガスを密閉容器内に封入する封入手段としては、上述した封入管5と、開閉弁6と、接続部7とを有している形態を採用できる。
まず、液面センサーを密閉容器内に封入する。次に、液面センサーが密閉容器内に封入された状態で、封入手段を用いて不活性ガスを密閉容器2内に封入する。これにより、液面検知装置1と同様の構成を備える液面検知装置が得られる。
このようにして得られた液面検知装置は、第1の実施形態に係る液面検出方法で説明した内容と同様の方法で低温液体Lの液面を検知する用途に利用できる。
よって、第1の実施形態に係るアダプターキットによれば、大気中の水分が凍結して氷が発生しても、低温液体の液面を高精度で検出でき、誤検出を低減でき、氷を取り除く等のメンテナンス作業が低減される。
図4は、第1の実施形態に係る凍結物の製造システム30の構成の一例を示す図である。図4に示すように、凍結物の製造システム30は、液面検知装置1と、低温液体Lを貯留する貯留槽9と、低温液体Lの供給源10と、低温液体Lに被凍結物を供給する供給装置20と、を備えて概略構成されている。
第1の実施形態に係る凍結物の製造システム30は、被凍結物iを低温液体Lによって凍結し、凍結物jを製造する。
供給源10は、電磁弁11を備えている。電磁弁11は低温液体Lの供給の開始と停止を制御できる形態であれば特に限定されない。
電磁弁11は、液面検知装置1が備える監視手段4と電気的に接続されている。
液面検知装置1は、低温液体Lの液面が下降して低温液体Lの液面を検知しなくなると、低下信号を電磁弁11に送信する。電磁弁11は、低下信号を受信すると、開となり、低温液体Lの供給が開始する。
図4に示すように、本実施形態では、供給装置20が上下に運動する。これにより、供給装置20は、被凍結物iを低温液体に浸漬して供給する操作と、凍結物jを低温液体Lから回収する操作を繰り返すことができる。
低温液体Lの液面が上昇し、液面検知装置1が液面を検知すると、検知信号が電磁弁11に送信される。電磁弁11が検知信号を受信すると、電磁弁11が閉となり、低温液体Lの供給が停止する。
低温液体Lの液面が下降し、液面検知装置1が液面を検知しなくなると、低下信号が電磁弁11に送信される。電磁弁11が低下信号を受信すると、電磁弁11が開となり、低温液体Lの供給が開始する。
このように液面検知装置1を用いて、貯留槽9の低温液体Lの液面を監視しながら、低温液体Lに被凍結物iを供給する。
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態の説明において、第1の実施形態で説明した構成と、同一の構成については、同一の語、及び同一の符号を用い、その説明を省略する。
第2の実施形態に係る液面検知装置は、液面検知装置1が備える検出手段3が、気体状態の物質である不活性ガスが封入された密閉容器2内の圧力変化を検出する圧力検出手段と置換されている点以外は、液面検知装置1と同一の構成を備えている。
すなわち、第2の実施形態に係る液面検知装置は、気体状態の物質である不活性ガスと、不活性ガスが封入された密閉容器2と、密閉容器2内の圧力変化を検出する圧力検出手段と、を備えている。
圧力検出手段は、密閉容器2と検知対象である液体の液面とが接触した際に起きる、密閉容器2内の圧力変化を検出する。これにより、第2の実施形態に係る液面検知装置は、検知対象である液体の液面を検知できる。
以上説明したようにして、第2の実施形態に係る液面検知方法では、第2の実施形態に係る液面検知装置を用いて、低温液体Lの液面を検知する。
第2の実施形態に係るアダプターキットは、装着対象が、気体の圧力変化を検出する圧力センサーである点と、密閉容器の温度変化により圧力が変化する気体として、不活性ガスを備えている点以外は、第1の実施形態に係るアダプターキットと同一の構成を備えている。
第2の実施形態に係るアダプターキットは、第1の実施形態に係るアダプターキットと同様の用途に適用できる。
第2の実施形態に係るアダプターキットは、第1の実施形態に係るアダプターキットと同様の効果を奏する。
第2の実施形態に係る凍結物の製造システムは、凍結物の製造システム30が備える液面検知装置1が、第2の実施形態に係る液面検知装置と置換されている点以外は、凍結物の製造システム30と同一の構成を備えている。
第2の実施形態に係る凍結物の製造方法は、第1の実施形態に係る凍結物の製造方法と同様の効果を奏する。
以下、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態の説明において、第1の実施形態、及び第2の実施形態で説明した構成と、同一の構成については、同一の語、及び同一の符号を用い、その説明を省略する。
第3の実施形態では、第1の実施形態、及び第2の実施形態と異なり、△Tが正の値である場合、すなわち、初期温度T0より高い温度の液体の液面を液面検知装置が検知する場合に関して詳しく説明を行う。
液体に変化する固体の物質としては、氷;固体の油脂;水酸化ナトリウム、炭酸カリウム等の無機化合物の結晶;フェノール、キシレン等の有機化合物の結晶等が例示される。
気体に変化する固体の物質としては、ドライアイス;固体のヨウ素等が例示される。
気体に変化する液体の物質としては、水;食塩水等の無機塩の水溶液;液化窒素、液化酸素、液化アルゴン、液化ヘリウム、液体のフロン等の不活性ガス;液化空気等が例示される。
密閉容器2内の物質の液化を検出する検出手段としては、LED式液面センサー、静電容量式液面センサー、フロートセンサー等が例示される。
密閉容器2内の物質の気化を検出する検出手段としては、超音波センサー、圧力センサー、反射式レーザーセンサー等が例示される。
第3の実施形態に係る液面検知方法では、液体の液面と密閉容器2との接触により、密閉容器2が加温される。これにより、密閉容器2内の物質が加熱され、状態変化する。このように、第3の実施形態では、液体の液面と密閉容器2との接触により、密閉容器2内の物質の状態を変化させる。さらに、第3の実施形態では、第3の実施形態に係る検出手段によって、密閉容器2内の物質の状態変化を検出し、液体の液面を検知する。
以上説明した第3の実施形態に係る液面検知方法は、第1の実施形態に係る液面検知方法と同様の作用効果を奏する。
また、以上説明した実施形態の液面検知装置は、密閉容器内の圧力を管理する圧力計をさらに備えてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
実施例1では、上述した第1の実施形態に係る液面検知装置1を、より具体的にその効果とともに説明する。
実施例1では、不活性ガスとして、窒素ガスを使用した。密閉容器2として、外形が9.52mm、長さが100mmである管状容器を使用した。管状容器の材質は、SUS304である。検出手段3として、LED式液面センサー(クールテクノス社製)を使用した。実施例1では、密閉容器2内の圧力を200kPaGとして、窒素ガスを封入した。
以上説明した構成を有する実施例1の液面検知装置を用いて、凍結物であるアイスクリームの製造システムを構築した。実施例1では、大気開放型の貯留槽に、液化窒素を貯留し、実施例1の液面検知装置を用いて、液化窒素の液面を監視した。
実施例2では、上述した第2の実施形態に係る液面検知装置を、より具体的にその効果とともに説明する。
検出手段として、密閉容器内の圧力変化を検出する圧力センサー(長野計器社製「デジタル連成計GC−61」)を用い、密閉容器2内の圧力を188kPaGとして、窒素ガスを封入した以外は、実施例1と同様にして、実施例2の液面検知装置を作製した。
以上説明した構成を有する実施例2の液面検知装置を用いて、アイスクリームの製造システムを構築した。実施例2では、大気開放型の貯留槽に、液化窒素を貯留し、実施例2の液面検知装置を用いて、液化窒素の液面を監視した。
なお、大気圧下での液化窒素の沸点は、−196℃(77K)である。−196℃における密閉容器内の窒素ガスの飽和蒸気圧は、101.3kPaGである。
液面検知装置の周囲の液化窒素の液面上には、アイスクリームの粒、アイスクリーム由来の乳成分、及びその油分が浮遊していたが、液面検知装置の誤作動、精度の低下等は起きなかった。
Claims (9)
- 低温液体の液面を検知する装置であって、
液体に状態変化する気体の物質と、
前記気体の物質が封入された密閉容器と、
前記密閉容器に封入された液面センサーと、
を備え、
前記液面センサーは、前記密閉容器の外側の前記低温液体の液面と前記密閉容器とが接触した際に起きる前記気体の物質の液化にともなう液相の形成を、前記密閉容器内で検出する、液面検知装置。 - 前記気体の物質が、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及びフロンガスからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む気体である、請求項1に記載の液面検知装置。
- 前記密閉容器内の圧力を調節する圧力調節手段をさらに備える、請求項1又は2に記載の液面検知装置。
- 低温液体の液面を検知する方法であって、
液体に状態変化する気体の物質と、前記気体の物質の状態変化を検出する液面センサーと、を密閉容器に封入し、
前記密閉容器の外側の前記低温液体の液面と前記密閉容器とが接触した際に起きる前記気体の物質の液化にともなう液相の形成を、前記液面センサーを用いて前記密閉容器内で検出する、液面検知方法。 - 前記気体の物質が、空気、二酸化炭素ガス、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス及びフロンガスからなる群より選ばれる少なくとも一つを含む気体である、請求項4に記載の液面検知方法。
- 前記密閉容器内の圧力を、前記気体の物質の飽和蒸気圧以上とする、請求項4又は5に記載の液面検知方法。
- 液面を検出する液面センサーに装着して用いるアダプターキットであって、
前記液面センサーが封入される密閉容器と、
前記密閉容器の温度変化により液化する気体の物質と、
前記気体の物質を前記密閉容器内に封入する封入手段と、
を備え、
前記液面センサーは、前記密閉容器の外側の低温液体の液面と前記密閉容器とが接触した際に起きる前記気体の物質の液化にともなう液相の形成を、前記密閉容器内で検出する、アダプターキット。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液面検知装置と、
低温液体を貯留する貯留槽と、
前記低温液体に被凍結物を供給する供給装置と、
を備える、凍結物の製造システム。 - 請求項1〜3のいずれか一項に記載の液面検知装置を用いて、低温液体の液面を監視しながら、前記低温液体に被凍結物を供給する、凍結物の製造方法。
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