JP6955531B2 - バイオリアクタプロセスの制御 - Google Patents

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2014年7月11日出願の米国特許出願第14/329,881号の利益
を主張し、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明の態様は、例えば、連続及び定常状態操作を達成するための、エタノールへのC
O含有基質の微生物発酵のためのプロセスの開始に関する。特定の態様は、操作パラメー
タが制御され、有利な結果につながる様式に関する。
化石燃料温室効果ガス(GHG)放出に関する環境問題は、再生可能エネルギー源のま
すますの強調につながっている。結果として、エタノールが、世界中で急速に主要な水素
に富む液体輸送燃料になっている。燃料エタノール産業に対する世界市場における継続的
成長は、欧州、日本、及び米国、ならびにいくつかの発展途上国におけるエタノール生産
のさらなる強調に基づいて、近い将来見込まれている。例えば、米国では、エタノールが
、E10、ガソリン中エタノールの10%混合物を生産するのに使用されている。E10
ブレンド中、エタノール構成成分は、酸素化剤の役割を果たし、燃焼の効率を改善し、大
気汚染物質の生成を減少させる。ブラジルでは、エタノールは、ガソリン中にブレンドさ
れた酸素化剤として、及びそれ自体で純粋な燃料としての両方で、輸送燃料要求のおおよ
そ30%を満たしている。さらに、欧州連合(EU)は、その加盟国の各々に対して、バ
イオマス由来のエタノール等の持続可能な輸送燃料の消費の義務的目標を持っている。
燃料エタノールの大部分は、サトウキビから抽出されたスクロースまたは穀類作物から
抽出されたデンプン等の、作物由来の炭水化物を主な炭素源として使用する従来のイース
トベースの発酵プロセスを介して生産される。しかしながら、これらの炭水化物供給原料
のコストは、競合する用途のため、具体的に言えば、ヒト及び動物の両方のための食料源
としての、市場におけるこれらの価値によって影響を受ける。さらに、エタノール生成の
ためのデンプンまたはスクロースを生成する作物の栽培は、現地の地価及び気候の両方の
相関関係であるため、すべての地形で経済的に持続可能ではない。これらの理由のため、
特に注目されるのは、より低いコスト及び/またはより豊富な炭素源を燃料エタノールに
変換するための技術の開発である。その点、一酸化炭素(CO)は、石炭、油、及び油由
来生成物等の有機物質の不完全燃焼の主なエネルギーに富む副生成物である。COに富む
廃ガスは、様々な産業プロセスから生じる。例えば、豪州の鉄鋼産業は、年間500,0
00メートルトンを超えるCOを生成し、大気中に放出すると報告されている。
最近になって、工業規模でのCOからエタノールを生成するための微生物(細菌)ベー
スのプロセス代替手段が、商業的関心及び投資の対象になっている。COが唯一の炭素源
である、微生物培養物が成長する能力は、1903年に最初に発見された。この特質は、
独立栄養増殖のアセチル補酵素A(アセチルCoA)生化学的経路(ウッド−リュングダ
ール(Woods−Ljungdahl)経路及び一酸化炭素デヒドロゲナーゼ/アセチ
ルCoAシンターゼ(CODH/ACS)経路としても知られている)の生物の使用に存
することが断定された。以来、カルボキシド栄養性生物、光合成生物、メタン生成活性生
物、及び酢酸生成生物を含む多数の嫌気性生物が、COを代謝することが示されている。
Clostridium属の細菌などの嫌気性細菌は、アセチルCoA生化学的経路を介
してCO、CO、及びHからエタノールを生成することが知られている。例えば、ガ
スからエタノールを生成する様々なClostridium ljungdahliiの
株は、国際公開第00/68407号、欧州特許第1117309Al号、米国第5,1
73,429号、同第5,593,886号、同第6,368,819号、国際公開第9
8/00558号、及び同第02/08438号に記載されている。細菌のClostr
idium autoethanogenum種もまた、ガスからエタノールを生成する
ことが知られている(Abrini et al,ARCHIVES OF MICRO
BIOLOGY 161:345−351(1994))。
生物の各酵素が、本質的に完璧な選択性を用いてその指定された生物学的変換を促進す
るため、微生物合成ルートは、従来の触媒ルートと比較して、より低いエネルギーコスト
でより高い収率を達成することができる。例えば、非選択的副反応から生じた副生成物を
所望の生成物から分離するためのエネルギー必要量が、低減され得る。さらに、反応媒体
中の不純物に起因する触媒の中毒に関する懸念が、減少する。
しかしながら、これらの明白な利益にも関わらず、当該技術分野は、特に、生成率が他
の技術に対抗することを確実にすることに関して、COからのエタノールの微生物合成に
関わる特定の困難に対処しなければならない。COをこれらの炭素源として使用するとき
、上述の嫌気性細菌は、発酵によりエタノールを生成するが、嫌気性細菌は、少なくとも
1つの代謝物、例えば、CO、H、メタン、n−ブタノール、及び/または酢酸も生
成する。これらの代謝物のうちのいずれかの形成は、利用可能な炭素が代謝物(複数可)
になって失われ、所望の最終生成物の生成効率が損なわれるため、所与のプロセスの生産
性及び経済的実行可能性全体に著しい影響を与える可能性がある。さらに、微生物発酵プ
ロセスのその場で代謝物(例えば、酢酸)自体に価値がない限り、廃棄物処理の問題を引
き起こし得る。エタノールを作成するためのCO含有ガスの嫌気的発酵における所望の最
終生成物以外の生成物の形成に対処するための様々な提案が、国際公開第2007/11
7157号、同第2008/115080号、及び同第2009/022925号で論じ
られている。
所与の発酵プロセスが経済的に魅力的であるかどうかに関する主な決定要因であるエタ
ノール生成率は、細菌成長のための適切な条件の管理に大きく依存する。例えば、CO含
有基質が、最適な微生物成長及び/または所望の代謝物生成をもたらす速度で微生物培養
に提供されなければならないことは、国際公開第2010/093262号から知られて
いる。不十分な基質が提供された場合、微生物成長は遅くなり、発酵生成物の収率はエタ
ノールを犠牲にして酢酸に移行する。過剰な基質が提供された場合、微生物成長不良及び
/または細胞の死を生じ得る。これらのプロセスにおける操作パラメータ間の関係に関す
るさらなる情報は、国際公開第2011/002318号に見出される。
操作パラメータの制御は、処理目標が、細胞培養を十分なレベルにまで成長させ、かつ
連続操作のための他の条件を確立することにだけでなく、生成物及び副生成物生産性の均
衡を保つことにも焦点を合わせる最初の操作の期間の間に、特に重要である。連続バイオ
リアクタ操作の前のバッチ培養操作を行うために必要な時間の低減は、プロセス経済性の
改善に重大な意味を持つ。これは、CO含有ガスで成長する能力のある微生物は、一般に
糖類を食料源として用いる競合する技術において使用される微生物よりも遅い速度で成長
するという事実の点から、特に正しい。発酵プロセスの操作の商業の点から見て、微生物
個体群が確立する、例えば、生成物の経済的に好ましいレベルの合成に十分に高い細胞密
度に達するのに必要な時間は、利益性全体に影響を与える重要な運転費を表す。例えば、
バッチ条件下での最初の操作期間の間の培養成長速度及び/または生産性を向上させ、こ
れにより、所望の細胞密度及び/または生成レベルに達するのに必要な時間を短縮させる
能力は、CO含有廃ガスからエタノールを生成するための生物学的プロセスの商業化にお
ける成功全体の重要な決定要因である。
本発明の態様は、利用可能なデータに基づいて生物学的CO変換プロセスの開始を制御
するための方法に関する。通常、そのようなプロセスの開始時に、バイオリアクタを、(
例えば、COからエネルギーを得る能力を有する)カルボキシド栄養性細菌を含む培養液
で満たす(植え付ける)。典型的なプロセスに従って、エタノールが、所望の最終生成物
であるのに対し、酢酸塩が酢酸の形態の望ましくない代謝物として生成される。上で論じ
られたように、COは、競合する目標を達成するために、慎重にバイオリアクタに供給さ
れなければならない。具体的には、COの供給不足が、エタノールを消費して過剰な酢酸
塩形成を生じ得るのに対し、COの供給過剰は、細菌成長に負の影響を与え得る。これら
の留意事項の点から、COまたはCO含有ガスの経時的流量の特定のプロファイルが、バ
ッチ操作の間の予期される細菌成長に基づいて、他のプロセスから得られた情報と組み合
わせて、使用され得る。
最初の操作期間(例えば、バッチ操作期間)の間の最優先操作目標は、培養液内で細菌
(バイオマス)の濃度を上昇させることである。したがって、バッチ操作期間の間のガス
流プロファイルは、通常、控えめであり、COの供給過剰を避けるように努める。これは
、著しい量の酢酸の形成を生じ得、場合によっては、所望されるエタノール最終生成物の
量を超え得る。細菌変換プロセスをとおして生成されたあらゆる酢酸が培養液のpH値を
下げるため、水酸化アンモニウム溶液等の塩基性中和剤が、導入されてもよい。中和剤が
、細菌成長に好適な培養液のpH値(例えば、5.0のpH)を維持するために、バイオ
リアクタに添加されてもよい。
本発明の実施形態は、COをエタノール等の所望の最終生成物に変換するための生物学
的発酵プロセスに対し、CO含有基質及び塩基性中和剤(例えば、水酸化アンモニウム溶
液)の両方を、カルボキシド栄養性細菌を含む培養液を備えるバイオリアクタに供給する
ことを含む。このプロセスは、培養液内の許容できないpHレベルを避けるために、所望
の最終生成物と、中和剤によって(例えば、酢酸アンモニウム等の塩に)変換される酸性
代謝物(例えば、酢酸)と、の両方を生成する。1つの代表的な実施形態に従って、塩基
性中和剤の流量は、培養液内のカルボキシド栄養性細菌または酸性代謝物の測定された濃
度または測定された生産性等の測定された特性に基づいて、制御されてもよい。あるいは
、そのような測定された特性が利用可能でない場合、例えば、好適なオンラインサンプリ
ング及び分析装置がない場合、塩基性中和剤の流量は、CO含有基質の測定された流量に
基づいて、またはさもなければこの基質の設定値に基づいて制御されてもよい。
本発明の他の実施形態は、上述のように培養液の測定された特性に基づいて、もしくは
代替的には、CO含有基質の測定された流量に基づいて、またはさもなければこの基質の
設定値に基づいてのいずれかで、バイオリアクタ及びバイオリアクタへの塩基性中和剤の
流量を制御するように構成された制御装置を備えるシステムに対する。培養液の測定され
た特性に基づく制御の場合、システムは、単離された試料を分析するように構成された分
析装置に加えて、分析のためにバイオリアクタから培養液の試料を単離するように構成さ
れた必要なサンプリング装置をさらに備えてもよい。上記の制御方法代替手段のいずれか
において、典型的なシステムは、任意選択的に、測定されたpH値に基づいてCO含有基
質流量を制御するように構成された第2の制御装置、バイオリアクタから培養液の試料を
単離するように構成されたサンプリング装置、及び/または試料を分析し、次いで制御装
置に測定されたpH値を入力するように構成された分析装置を含んでもよい。
本発明のさらなる実施形態は、非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピ
ュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を備える、コンピュータプログ
ラム製品に対する。これらのコンピュータプログラムは、プロセッサに本明細書に記載さ
れる制御プロセスを実行するのに必要なステップを行わせるための命令を含む。これらの
プロセスには、バイオリアクタへの塩基性中和流量を制御するように構成された制御装置
への入力である情報の受信が含まれる。この様式で受信及び入力されてもよい情報には、
上述のように測定された特性に関してバイオリアクタからの培養液試料を分析するように
構成された分析装置から受信された情報が含まれる。あるいは、この情報は、この流れを
測定するように構成された流量センサまたは測定デバイスから受信された、CO含有基質
の測定された流量でもよい。この受信された情報は、CO含有基質の流量設定値も含んで
もよい。制御装置に受信及び入力された情報の種類に関わらず、典型的なプロセスは、例
えば、培養液のpHを直接、またはさもなければバイオリアクタからの培養液の試料のp
Hを測定するように構成されたpH計または他の分析装置から、測定されたpH値を受信
することをさらに含んでもよい。測定されたpH値が制御の基準である測定されたpH値
は、CO含有基質流量を制御するように構成された第2の制御装置に入力されてもよい。
本発明に関係するこれらの実施形態及び態様、ならびに他の実施形態及び態様は、以下
の発明を実施するための形態から明らかである。
本発明の例となる実施形態のより完全な理解及びその利益は、付属の図を考慮して以下
の説明を参照することにより得られ得る。
CO含有基質をエタノールに変換するための生物学的プロセスの操作パラメータを制御するための代表的な方法のフローチャートである。 従来の制御方法を使用した、CO含有基質をエタノールに変換するための生物学的プロセスの、培養液内のエタノール、カルボキシド栄養性細菌、及び酢酸の経時的な測定された濃度のグラフである。 本明細書に記載される制御方法を使用した、CO含有基質をエタノールに変換するための生物学的プロセスの、培養液内のエタノール、カルボキシド栄養性細菌、及び酢酸の経時的な測定された濃度のグラフである。 従来の制御方法及び本明細書に記載される制御方法を使用した、CO含有基質をエタノールに変換するための生物学的プロセスの、経時的なCO含有基質流量の比較グラフである。 従来の制御方法及び本明細書に記載される制御方法を使用した、CO含有基質をエタノールに変換するための生物学的プロセスの、経時的な培養液内のカルボキシド栄養性細菌濃度の比較グラフである。 本明細書に記載される代表的な制御方法を使用した、CO含有基質をエタノールに変換するための生物学的プロセスの、培養液内のエタノール、カルボキシド栄養性細菌、及び酢酸の経時的な測定された濃度、ならびに新しい培養液の測定された流量グラフである。 本明細書に記載される代替制御方法を使用した、CO含有基質をエタノールに変換するための生物学的プロセスの、培養液内の経時的なエタノール、カルボキシド栄養性細菌、及び酢酸の測定された濃度、ならびにNHOH中和剤溶液及びCO含有基質の測定された流量のグラフである。
本発明は、カルボキシド栄養性細菌を含む培養液を備えるバイオリアクタにCO含有基
質中のCOを供給することにより、エタノール等の所望の最終生成物を生成するためのプ
ロセスに関する。所望の最終生成物に加えて、典型的なプロセスは、望ましくない代謝物
またはより望ましくない代謝物をさらに生成する。エタノール等の所望の生成物に加えて
生成され得る酸性代謝物の例は、酢酸塩(例えば、酢酸の形態)である。典型的なカルボ
キシド栄養性細菌または微生物(例えば、COからエネルギー及び炭素を得る微生物)は
、Moorella属、Clostridia属、Ruminococcus属、Ace
tobacterium属、Eubacterium属、Butyribacteriu
m属、Oxobacter属、Methanosarcina属、Methanosar
cina属、及びDesulfotomaculum属のものである。Clostrid
iaである細菌の特定の例には、C.ljundahlii、C.autoethano
genum、C.ragsdalei、及びC.beijerenckeiが含まれる。
代表的なCO含有基質には、広く、成長及び/または発酵のために細菌の1つ以上の株
が一酸化炭素を利用できるあらゆるCO含有ガス、または場合により液体が含まれる。そ
のようなCO含有基質は、好ましくは、そのような汚染物質がカルボキシド栄養性細菌の
成長に悪影響を与え得る程度まで汚染物質を含まない(例えば、1つ以上の汚染物質(複
数可)が、成長速度が所与の一組の条件下で、同じ条件下だが汚染物質(複数可)を含ま
ない成長速度と比較して、10%超減速されるような濃度または量で存在しない)。代表
的な気体CO含有基質は、典型的に、かなりの割合のCO、好ましくは少なくとも5体積
%〜100体積%のCOを含有する。そのような基質は、多くの場合、鋼製造プロセスま
たは非鉄製品製造プロセス等の産業プロセスの廃棄物として生成される。気体CO含有基
質が生成される他のプロセスには、メタン、エタン、プロパン、石炭、天然ガス、原油、
石油精製所(石油コークスもしくはペトコークス(petcoke)を含む)からの低価
値残渣、固形都市廃棄物、またはバイオマスなどの有機物のガス化が含まれる。バイオマ
スには、サトウキビからの砂糖、もしくはトウモロコシまたは穀物からのデンプン等の食
料品の抽出及び処理の間に得られる副生成物、または林業によって生成される非食品バイ
オマス廃棄物が含まれる。これらの炭素質物質のうちのいずれも、ガス化、例えば、酸素
で部分的に燃焼されて、合成ガス(synthesis gas)(かなりの量のH
びCOを含む合成ガス(syngas))を生成することができる。有利に、これらのプ
ロセスからのガス流は、本明細書に記載されるように、エタノール等の有用な最終生成物
の有益な生成のために使用され得る。他の実施形態において、COを含む基質は、炭化水
素の水蒸気改質から得ることができる。これらのプロセスは、米国特許出願公開第US2
013/0045517A1号、同第US2013/0210096A1号、同第US2
013/0203143A1号、及び同第US2013/0316411A1号、ならび
に米国特許第US8,383,376号にさらに詳細に記載され、これらのすべての内容
は、参照によりその全体が組み込まれる。
CO含有基質が少しも水素を含有する必要はない一方で、Hの存在は、通常、所望の
最終生成物の形成に悪影響をもたらさない。特定の実施形態において、CO含有基質は、
低濃度のH、例えば、10体積%未満、5体積%未満、または1体積%未満のHを含
んでもよい。CO含有基質は、いくらかのCO、例えば、1体積%〜80体積%、1体
積%〜50体積%、または1体積%〜30体積%のCOも含有してもよい。気体CO含
有基質等のいずれかのCO含有基質は、生物学的変換プロセスにおけるその使用の前に処
理されて、概してカルボキシド栄養性細菌または生物学的変換プロセスに悪影響をもたら
し得る、塵粒子または他の固体、液体、もしくは気体の汚染物質等のあらゆる望ましくな
い不純物を除去されてもよい。例えば、気体CO含有基質は、既知の方法を使用して、濾
過またはスクラブされてもよい。
酢酸である酸性代謝物の文脈において、「酢酸」または「酢酸塩」という用語は、その
アニオンの(解離)形態(例えば、酢酸塩イオンもしくはCHCOOとして)または
遊離分子酢酸(CHCOOH)の形態のいずれかで、これらの形態がシステムのpHに
依存する比率で、培養液中に存在する総酢酸塩を指す。「バイオリアクタ」という用語は
、本明細書に記載される生物学的プロセスを実行するために使用され得るカルボキシド栄
養性細菌の培養を含むための任意の好適な容器を含み、これはまた、発酵プロセスが一般
に嫌気的に実施される範囲において、発酵プロセスとも称され得る。好適なバイオリアク
タは、連続撹拌槽型反応器(CSTR)、固定化細胞反応器(ICR)、トリクルベッド
反応器(TBR)、移動床生物膜反応器(MBBR)、気泡塔、ガスリフト発酵槽、中空
繊維膜バイオリアクタ(HFMBR)等の膜反応器、静的ミキサーでもよいか、または、
(例えば、生物学的変換を実施するのに好ましい溶解及び物質輸送動態を用いて)CO含
有基質を細菌培養液に接触させるのに好適な他の容器またはデバイス(例えば、塔または
配管)を含み得る。
他の好適なプロセスの流れ、操作パラメータ、及び本明細書に記載される生物学的プロ
セスで使用するための装置は、米国特許出願公開第US2011/0212433号に記
載され、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本発明は、特にCOをエタノール等の価値のある最終生成物に変換するための、(i)
規定の流量での新しい培養液の添加、もしくは目標を開始する別のプロセスのいずれかに
よって区別され得る連続操作を達成する前に、バッチ操作期間もしくは他の最初の操作期
間に必要な時間が、予想外に短縮され、かつ/または(ii)所望の最終生成物の生産性
もしくは別のプロセス性能パラメータ(例えば、細菌成長速度)が、このバッチ操作期間
もしくは他の最初の操作期間の間に予想外に改善された、生物学的プロセスの発見に関連
する。バッチ操作から連続操作への転換は、新しい培養液の本プロセスで使用されるバイ
オリアクタへの添加の開始によって区別される。あるいは、新しい培養液添加の速度が、
慎重な時点で開始されるよりもむしろ徐々に増加する場合、バッチから連続操作への転換
は、バイオリアクタへの新しい培養液添加の目標速度を達成することによって、及び/ま
たはバイオリアクタからの細菌含有培養液取り出しの目標速度を達成することによって区
別されてもよい。新しい培養液添加及び/または細菌含有培養液取り出しの目標速度は、
定常状態操作、例えば、条件が所望の最終生成物の生成の長い期間(例えば、少なくとも
3日、または少なくとも10日)にわたって実質的に一定で維持される操作と関連した速
度でもよい。さもなければ、これらの目標速度は、定常状態操作と関連した速度の少なく
とも60%、少なくとも75%、または少なくとも90%でもよい。
新しい培養液の目標速度以外に、最初の操作期間と定常状態または「稼働中の」操作期
間とを区別するために使用されてもよい他のプロセス開始目標は、所望の生成物(例えば
、エタノール)、カルボキシド栄養性細菌、または酸性代謝物の培養液濃度を含み得る。
プロセス開始目標は、所望の生成物、カルボキシド栄養性細菌、または酸性代謝物の生産
性も含んでもよい。プロセス開始目標は事前に決定、例えば、プロセスの始めから確立さ
れ、場合により、新しい培養液の添加の監視及び/または制御を含む、生物学的プロセス
の監視及び/または制御のために使用されるコンピュータプログラム(ソフトウェア)製
品を含む制御システムへの入力として使用されてもよい。
本発明の特定の実施形態は、自動化されてもよいある特定の制御方法が、CO含有基質
流量と培養液の測定された特性とを効果的に適合させることができるという研究結果に基
づく。これらの方法は、最初の操作期間(例えば、バッチ操作期間)に使用されるとき、
または一般的に使用されるとき、COの供給過剰の回避に加えて、酢酸または酢酸塩生成
の低減の点から、大幅に改善された平衡を有利に提供する。驚くべきことに、バッチ操作
期間または他の最初の操作期間の目標は、最初からCO含有ガス流量プロファイルの確立
の従来と比較して、はるかにより早く、また、所望の最終生成物及び望ましくない代謝物
(複数可)の両方の生産性の点からはるかにより効率的に達成され得る。いくつかの実施
形態に従って、プロセス経済性全体が、連続操作への移行を可能にする培養液中の細菌濃
度を達成するための始動時間の短縮の結果として、大幅に改善され得る。例えば、バイオ
リアクタの植え付けから所与のバイオマス細菌濃度が達成されるまでの時間は、プロセス
パラメータを制御するための従来の行為を使用して達成される結果と比較して、少なくと
も20%(例えば、20%〜80%)、典型的には、少なくとも35%(例えば、35%
〜75%)、多くの場合少なくとも50%(例えば、50%〜70%)まで短縮され得る
1つの特定の制御方法に従って、最初の操作期間(例えば、バッチ操作期間)の間、ま
たは何らかの他の操作期間(例えば、連続、定常状態、または通常操作期間)の間に測定
された培養液の特性は、塩基性中和剤(例えば、水酸化アンモニウム溶液)の流量の制御
の基準として使用される。代表的な特性には、酸性代謝物(例えば、酢酸または酢酸塩)
の濃度、酸性代謝物の生産性、カルボキシド栄養性細菌の濃度、カルボキシド栄養性細菌
の生産性、またはそのような特性の組み合わせが含まれる。一般に、これらの特性のうち
のいずれかの上昇は、一方向に塩基性中和剤の流量の増加をもたらす。1つの特定の実施
形態において、塩基性中和剤の流量は、培養液中の目標の酸性代謝物濃度に基づいて制御
され、次にこれは、カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度から決定される。このよう
に、制御方法は、塩基性中和剤の消費、具体的には、細菌培養物を培養することによる窒
素の増加した利用からなる。これは、好ましい生成物収率分布で細菌培養物を迅速に培養
させるという目標に特別に適合された始動の間(例えば、バッチ操作期間)の条件を有利
に提供する。
細胞培養液の特性は、連続的または断続的に、例えば、定期的に測定されてもよく、各
々の一連の測定間の期間は、一般に0.1秒〜120秒に1回、典型的には0.5秒〜6
0秒に1回、多くの場合1秒〜10秒に1回である。測定された特性は、カルボキシド栄
養性細菌または酸性代謝物の培養液中の濃度のオンライン分析によって得られてもよい。
一連の測定間の時間間隔と共に(例えば、1リットル当たりのグラム数、g/lでの)濃
度の一連の測定に基づいて、(例えば、1日当たりの1リットル当たりのグラム数、g/
l・日−1での)カルボキシド栄養性細菌または酸性代謝物の生産性を計算することがで
きる。例えば、カルボキシド栄養性細菌の濃度が連続する間隔で判定された場合、指定さ
れた時間1及び時間2、次いで、時間2の時点でのカルボキシド栄養性細菌の生産性は、
次のように表現され得る:(時間2の時点での濃度−時間1の時点での濃度)/(時間2
−時間1)。
一般に、酸性代謝物濃度は、濾過または膜分離の結果として、カルボキシド栄養性細菌
を含まないか、または実質的に含まない培養液試料中で測定される。例えば、(例えば、
0.05μm〜1μmの範囲の)細菌を除去するのに好適な細孔の大きさを有するフィル
タが、反応器の動作を自動的かつ別個に監視するために、異なる時間に細胞不含培養液を
単一の反応器から取り出すように構成されたか、あるいはさもなければ、そのような液体
を複数の反応器(例えば、直列もしくは並列で動作することができるか、またはさもなけ
れば独立して動作する4〜6個の反応器等の2〜10個の反応器)から取り出すように構
成されたサンプリングシステムの試料ライン上に組み込まれてもよい。他の実施形態に従
って、培養液の細胞不含試料は、細胞に富む濃縮水流がバイオリアクタへと再循環される
膜分離システムからの透過水流として利用可能でもよい。透過水は、分析のために使用さ
れない場合、通常、(例えば、直列で動作する)第2のバイオリアクタへと流れてもよい
。バイオリアクタから得られた細胞不含濾液または透過水は、最終生成物(例えば、エタ
ノール)濃度または酸性代謝物(例えば、酢酸もしくは酢酸塩)濃度の特性のオンライン
測定のために使用される典型的な試料を提供することができる。これらの濃度は、クロマ
トグラフィー(例えば、高圧液体クロマトグラフィー、またはHPLC)等の既知の分析
法によって判定されてもよい。
測定された特性としてカルボキシド栄養性細菌濃度の場合、培養液は、分析のために使
用されない場合、例えば、通常(例えば、直列で動作する)第2のバイオリアクタへ流れ
てもよいブリード流として、バイオリアクタから直接取り出されてもよい。細胞培養液の
取り出しのためのブリード流または他の流れからの試料ラインは、カルボキシド栄養性細
菌濃度の特性のオンライン測定のための好適な分析デバイスに流体接続されてもよい。代
表的なデバイスは、吸光度もしくは試料をとおした電磁エネルギーの伝達(例えば、分光
光度計)、試料のある特定の生物学的活動(例えば、プレートリーダー)、または使い捨
てもしくは再利用可能なプローブ(例えば、オンラインバイオマスプローブ)内の試料の
別の特性(例えば、電気抵抗/静電容量)を測定するものを含む。ブリード流または他の
流れからの試料ラインは、反応器の動作を自動的かつ別個に監視するために、異なる時間
に培養液を単一の反応器から取り出すように構成されたか、あるいはさもなければ、その
ような液体を複数の反応器(例えば、直列もしくは並列で動作することができるか、また
はさもなければ独立して操作される4〜6個の反応器等の2〜10個の反応器)から取り
出すように構成されたサンプリングシステムの一部でもよい。
1つまたは複数のバイオリアクタからの培養液のオンライン分析のためのサンプリング
システムは、所望の時間に所望の反応器の自動サンプリングを可能にするための好適な導
管(例えば、管類またはパイプ)弁、ポンプ、及びアクチュエータと、正確な結果を得る
ために試料ラインをフラッシング(パージ)するための好適なデバイスと、を含む。例え
ば、エタノールもしくは酢酸塩の濃度を得るために細胞不含培養液を分析する場合、上述
のように、濾過した液体または膜透過水を、少なくとも断続的に、しかし好ましくは連続
的に、オンライン分析のために構成された好適な試料容器をとおして供給してもよい(例
えば、蠕動ポンプを使用して注入してもよい)。例えば、そのような試料容器(例えば、
試料バイアル)と流体連通している注入ライン及び送出ラインは、培養液の濾過された流
れを試料容器に、及び試料容器から連続的に導いてもよい。いくつかの実施形態に従って
、試料容器をとおした培養液の連続供給は、バイオリアクタの動作のある期間にわたって
、例えば、少なくとも3分、少なくとも5分、または少なくとも10分にわたって、上述
のように、試料容器注入口から試料容器をとおり、試料容器出口に細胞不含透過水または
濾液流が流れることを伴う。特定の実施形態に従って、例えば、濾過された細胞不含培養
液は、フィルタの詰まりを防ぐために、試料容器をとおって9分間連続的に供給され、続
いて試料ライン上で1分のフィルタのバックフラッシュを行ってもよい。サンプリングさ
れず、試料容器出口をとおって流れる過剰培養液は、廃棄物として廃棄されてもよい。
このように、試料容器内に存在する液体は、試料容器内の細胞不含培養液の分析の時点
での、この細胞を含む培養液中の所望の最終生成物(例えば、エタノール)及び代謝物(
複数可)(例えば、酢酸または酢酸塩)の濃度の点から、バイオリアクタ内の細胞を含む
培養液を表す。試料ラインの長さは、バイオリアクタ内の最終生成物及び/または代謝物
(複数可)の実際の濃度(複数可)と、分析の時点での試料容器内の細胞不含培養液の測
定された濃度(複数可)との間のあらゆるオフセットを最小化するために、最短化されて
もよい。いくつかの実施形態に従って、最終生成物及び/または代謝物の実際の濃度と、
測定された濃度との間のオフセットは、10%未満、5%未満、または2%未満になる。
したがって、細胞不含培養液の試料は、本質的にリアルタイムでバイオリアクタ内の最終
生成物及び代謝物(複数可)の濃度(複数可)を判定するために、試料容器から取り出さ
れ、分析されてもよい。例えば、自動サンプリングは、一定間隔で試料容器の上部上のゴ
ム封止体に突き刺し、細胞不含培養液の試料を取り出すためのサンプリング針の使用を伴
ってもよく、一連の測定間の期間は、上述のとおりである。自動サンプリング装置は、直
列もしくは並列で動作してもよいか、またはさもなければ独立して動作してもよい同数の
バイオリアクタからの培養液をサンプリングするための、例えば、4〜6個の試料容器等
の2〜10個の試料容器を含んでもよい。
より一般的には、自動サンプリング装置は、好適な導管(例えば、管類またはパイプ)
弁、ポンプ、及びアクチュエータを使用して、上述のように反応器の動作を自動的かつ別
個に監視するために、異なる時間に複数の反応器(直列もしくは並列で動作するか、また
はさもなければ独立して動作してもよい、例えば、4〜6個の反応器等の2〜10個の反
応器)の細胞培養液及び細胞不含培養液の両方の分析のために構成されてもよい。代謝物
(複数可)(例えば、酢酸もしくは酢酸塩)の濃度及び生産性、ならびに/またはカルボ
キシド栄養性細菌の濃度及び生産性を含む培養液の特性は、一定間隔で自動的に判別され
てもよく、一連の測定間の期間は、上述のとおりである。有利に、オンライン自動サンプ
リング及び分析の使用は、分析結果が、ヒトの介入なしに(例えば、塩基性中和剤の流量
を制御するための)関連制御装置に直接入力されることを可能にする。さらに、本明細書
に記載される自動サンプリング装置は、操作者が、例えば、希釈及び/またはピペット操
作を行うことによって、複数のバイオリアクタからの複数の液体試料を追跡及び取り扱う
必要なしに、基本的にリアルタイムで、バイオリアクタ培養液、または複数のバイオリア
クタ培養液の特性の監視を可能にする。これにより、信頼性及びデータ再現精度、ならび
にバイオリアクタ(複数可)の動作全体が、大幅に改善される。
好ましくは、本明細書に記載される制御方法は、自動化され、プロセッサにこれらの制
御方法を実施するために必要な信号を制御装置に送信させるための適切な命令を伴う、コ
ンピュータプログラムの使用を伴う。特定の制御方法に従って、培養液の測定された特性
は、塩基性中和剤(例えば、水酸化アンモニウム溶液、または他の無機塩基もしくは有機
塩基等の水酸化物化合物)の流量制御の基準として使用される。そのような制御方法は、
従来の制御方法と比較して、所望の最終生成物(例えば、エタノール)の定義済み取り出
し速度、または他の定義済み操作パラメータによって区別されてもよい、例えば、定常状
態または連続操作の期間前の、最初の操作期間(例えば、バッチ操作期間)の時間を有利
に短縮することができる。理論に束縛されるものではないが、時間の短縮は、カルボキシ
ド栄養性細菌が塩基性中和剤を利用または消費する(例えば、塩基性中和剤中の窒素を利
用する)という事実に、少なくとも部分的に起因し得る。したがって、一般に、本明細書
に記載される制御方法は、培養液への少なくとも2つの供給流(例えば、CO含有基質及
び塩基性中和剤の両方)が、その中に含まれる細菌によって消費されるか、代謝されるか
、またはさもなければ利用されるバイオリアクタプロセスにおいて、特に有利である。他
の実施形態において、本明細書に記載される制御方法は、バッチ操作期間及び連続操作期
間の両方、または連続操作期間のみに使用されてもよい。
代表的な特性としては、酸性代謝物(例えば、酢酸もしくは酢酸塩)、またはカルボキ
シド栄養性細菌の、(例えば、グラム/リットルもしくはグラム・リットル等の質量/
体積の単位での)測定された濃度、または(例えば、グラム/(リットル・日)もしくは
グラム・リットル−1・日−1等の質量/(体積・時間)の単位での)測定された生産性
が挙げられる。好ましい実施形態に従って、測定された特性は、酸性代謝物の測定された
濃度または測定された生産性である。上記特性のうちのいずれかは、上述のように、ある
測定頻度を用いてサンプリング技術を使用して、最初の操作期間(例えば、バッチ操作期
間)または他の期間の間、連続的または断続的(例えば、定期的)に測定されてもよい。
例えば、細胞不含または少なくとも実質的に細胞不含である透過水流の試料は、HPLC
を使用して、酸性代謝物のその濃度を分析されてもよい。
塩基性中和剤の流量の制御は、より具体的には、上述の培養液の測定された特性のうち
のいずれかと、これらの対応する設定値との間の差異に基づいてもよい。例えば、酸性代
謝物の測定された濃度が制御の基準である場合には、塩基性中和剤の流量は、培養液中の
酸性代謝物の測定された濃度と、酸性代謝物の設定濃度との間の差異に基づいて制御され
てもよい。同様に、酸性代謝物の測定された生産性、カルボキシド栄養性細菌の測定され
た濃度、またはカルボキシド栄養性細菌の測定された生産性が制御の基準である場合には
、塩基性中和剤の流量は、(i)酸性代謝物の測定された生産性と、酸性代謝物の設定生
産性との間の差異、(ii)カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度と、カルボキシド
栄養性細菌の設定濃度との間の差異、または(iii)カルボキシド栄養性細菌の測定さ
れた生産性と、カルボキシド栄養性細菌の設定生産性との間の差異に基づいて制御されて
もよい。
酸性代謝物の設定濃度が判定される場合、例えば、酸性代謝物の測定された濃度がこの
設定(または目標)濃度を超えた場合、この制御方法は、塩基性中和剤の流量の一方向の
減少をもたらし得る。これは、最終的に、塩基性中和剤の減少した流量が培養液のpHを
低下させるため、培養液中の酸性代謝物の濃度を減少させる。好適な実施形態に従って、
CO含有基質流量は、(例えば、オンラインpH計を使用し得て得られた)培養液の測定
されたpH値に基づいて制御されてもよい。したがって、(例えば、4.0、4.5、5
.0、5.5、または6.0等のpH値の設定値または目標未満への)測定されたpH値
の減少は、CO含有基質流量の増加をもたらし得る。培養液がCO含有基質の増加した流
れで供給されるようになったとき、酸性代謝物生産性は、エタノール生産性に有利に減少
し、酸性代謝物濃度を、例えば、酸性代謝物の設定濃度に向かって一方向に減少させ、p
H値を上昇させる。反対に、酸性代謝物の測定された濃度が決められた設定(または目標
)濃度未満に落ちた場合、制御方法は、塩基性中和剤の流量の一方向の増加をもたらし得
る。これは、最終的に、塩基性中和剤の上昇した流量が培養液のpHを上昇させるため、
培養液中の酸性代謝物の濃度を上昇させる。CO含有基質流量は、上述のように、培養液
の(例えば、オンラインpH計を使用して得られた)測定されたpH値に基づいて制御さ
れてもよい。したがって、(例えば、4.2、4.7、5.2、5.7、または6.2等
のpH値設定値または目標超への)測定されたpH値の上昇は、CO含有基質流量の減少
をもたらし得る。培養液がCO含有基質の減少した流れで供給されるようになったとき、
酸性代謝物生産性は、エタノール生産性を犠牲にして増加し、酸性代謝物濃度を、例えば
、酸性代謝物の設定濃度に向かって一方向に上昇させ、pH値を減少させる。
類似した制御方法は、上述のように培養液の他の測定された特性に従って塩基性中和剤
の流れを制御することにより、可能である。例えば、(i)酸性代謝物の測定された生産
性が対応する設定(または目標)生産性を超えた場合、この制御方法は、塩基性中和剤の
流量の一方向の減少をもたらし得るか、(ii)カルボキシド栄養性細菌の測定された濃
度が対応する設定(または目標)濃度を超えた場合、この制御方法は、塩基性中和剤の流
量の一方向の増加をもたらし得るか、または(iii)カルボキシド栄養性細菌の測定さ
れた生産性が対応する設定(または目標)濃度を超えた場合、この制御方法は、塩基性中
和剤の流量の一方向の増加をもたらし得る。図1は、塩基性中和剤、水酸化アンモニウム
溶液(NHOH)の流量が、酸性代謝物、酢酸の測定された生産性に基づく代表的な制
御方法を描写する。次に、NHOH流量は、培養液のpHに影響を与える。NHOH
流量における何らかの変化に対する対応が培養液のpHの管理である(例えば、pHが「
平坦」である)場合には、CO含有基質流量は、変わらないままである。しかしながら、
そのような対応が培養液のpHをその設定値を超えて上昇させた(例えば、pHが「高い
」)場合には、CO含有基質の流れは減少され、酢酸生産性が増加し、pHをその設定値
に戻す。そのような対応が培養液のpHをその設定値未満に減少させた(例えば、pHが
「低い」)場合には、CO含有基質の流れは増加され、酢酸生産性が減少し、pHをその
設定値に戻す。
次に、培養液の特性の設定値のうちのいずれか(例えば、酸性代謝物の設定濃度、酸性
代謝物の設定生産性、カルボキシド栄養性細菌の設定濃度、またはカルボキシド栄養性細
菌の設定生産性)が、バイオリアクタプロセスの1つ以上の他の測定された操作パラメー
タ(例えば、測定された流量、濃度、及び/もしくは生産性、またはpH)に基づいて判
定されてもよい。例えば、カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度またはカルボキシド
栄養性細菌の測定された生産性が、設定値を判定するために使用されてもよい。特定の実
施形態に従って、かつ本発明に関係するある特定の発見に基づいて、設定値は、カルボキ
シド栄養性細菌の測定された濃度またはカルボキシド栄養性細菌の測定された生産性に比
例し得る。酸性代謝物の設定生産性は、例えば、式
Figure 0006955531
によって独立して判定されてもよく、式中、A及びAは、設定値と、カルボキシド
栄養性細菌の測定された濃度(BIOCONmv)またはカルボキシド栄養性細菌の測定
された生産性(BIOPRODmv)との間の比例定数をそれぞれ表し、B及びB
、オフセットを表す。定数A及びB、またはA及びBは、実験データ、例えば、
同じバイオリアクタを使用して得られたか、またはさもなければ同じ変換プロセス(例え
ば、エタノールへのCOの変換)を実施するための微生物培養液を含むバイオリアクタを
使用して得られた以前のデータから実験的に決定されてもよく、より具体的には、これら
の定数はそのような以前のデータの回帰分析を行うことにより得られてもよい。BIOC
ONmvまたはBIOPRODmvを決定する場合、カルボキシド栄養性細菌濃度を判定
するためのサンプリング及び分析は、上述のように行われてもよい。
したがって、例となる実施形態において、カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度(
BIOCONmv)またはカルボキシド栄養性細菌の測定された生産性(BIOPROD
mv)は、オンラインバイオマスプローブまたは他のサンプリングデバイス及び試料分析
装置を使用して得ることができる。BIOCONmvまたはBIOPRODmvの値から
、酸性代謝物の設定濃度(もしくは目標濃度)または酸性代謝物の設定生産性(もしくは
目標生産性)が、例えば、上記に提供される式に従って判定されてもよい。
新しい培養液等の希釈剤は、一般的に、最初でない場合には、生物学的変換プロセスの
間のある後の時点でバイオリアクタに添加される。希釈剤は、バイオリアクタへの1つ以
上の他の供給物(例えば、CO含有基質及び/または塩基性中和剤)が最初に導入される
ときに一緒に最初に導入、例えば、希釈剤流が開始されてもよい。さもなければ、希釈剤
は、バイオリアクタへの1つ以上の他の供給物(例えば、CO含有基質及び/または塩基
性中和剤)が最初に導入された後のある時点(例えば、少なくとも2時間後、少なくとも
6時間後、または少なくとも12時間後)に、最初に導入されてもよい。新しい培養液流
は、上述のプロセス開始目標のうちのいずれかと同じでもよい好適な培養液開始目標を達
成した後に、開始されてもよい。そのような目標には、例えば、カルボキシド栄養性細菌
または酸性代謝物のいずれかの規定の濃度または生産性が含まれてもよい。一般に、所与
の質量流量または体積流量での新しい培養液等の希釈剤の添加は、同等の質量流量または
体積流量での、所望の最終生成物及び任意の代謝物を含む(例えば、同時の)培養液の取
り出しを伴う。取り出された培養液は、(i)(例えば、濾過もしくは膜分離によって分
離される場合)カルボキシド栄養性細菌を含み得ないか、もしくは実質的に含み得ないか
、または(ii)(例えば、分離せずに取り出された場合)バイオリアクタ内に含まれる
培養液中と同じもしくは実質的に同じ濃度でカルボキシド栄養性細菌を含み得る。いくつ
かの事例では、取り出された培養液は、(i)及び(ii)の両方の部分(例えば、別個
の流れ)を含み得る。いずれにしても、(i)及び(ii)のいずれかまたは両方が、同
じ生物学的なCOからエタノールへの変換プロセスを実施するために、(例えば、第1の
バイオリアクタと一緒に直列で動作することによって)第2のバイオリアクタに供給され
てもよい。
好ましくは、希釈剤の流量は、本明細書に定義されるように、バッチ操作期間のすべて
または一部の間、徐々に増加される。しかしながら、希釈剤流が後の(例えば、連続)操
作期間の間にだけ添加されるように、またはバイオリアクタへの希釈剤の導入がバッチ操
作期間から連続操作期間への移行を区別するために使用されるように、何らかの希釈剤流
がこの期間の間に添加される必要はない。
塩基性中和剤の流量と同様に、希釈剤流量は、上述のように、培養液の測定された特性
のうちのいずれかに基づいて、制御方法のうちのいずれかを使用して制御されてもよい。
特定の実施形態に従って、バイオリアクタへの希釈剤流量は、培養液中のカルボキシド栄
養性細菌の測定された濃度またはカルボキシド栄養性細菌の測定された生産性に基づいて
、制御されてもよい。本発明に関するある特定の発見に基づいて、希釈剤流量設定値が、
指数関数に従って判定されてもよく、測定された濃度または測定された生産性が、指数で
ある。例えば、希釈剤流量設定値は、式
Figure 0006955531
のうちの1つに従って判定されてもよく、式中、BIOCONmv及びBIOPROD
mvは、それぞれカルボキシド栄養性細菌の測定された濃度及びカルボキシド栄養性細菌
の測定された生産性をそれぞれ表し、C及びCは、定数である。定数C及びC
、実験データから、例えば、同じバイオリアクタを使用して得られたか、またはさもなけ
れば同じ変換プロセス(例えば、エタノールへのCOの変換)を実施するための微生物培
養を含むバイオリアクタを使用して得られた以前のデータから実験的に決定されてもよく
、BIOCONmvまたはBIOPRODmvを決定する場合、カルボキシド栄養性細菌
濃度を判定するためのサンプリング及び分析は、上述のように行われてもよい。
第2の特定の制御方法に従って、培養液の特性の測定は、必要ではない。むしろ、以前
のデータを使用して、カルボキシド栄養性細菌の濃度及び生産性、酸性代謝物の目標生産
性をもたらす所与の組成物のCO含有ガス(または基質)の対応する流れ、及び培養液の
pHを維持する塩基性中和剤流の変数間の関係を確立してもよい。以前のデータは、例え
ば、同じバイオリアクタを使用して、またはさもなければ同じ変換プロセス(例えば、エ
タノールへのCOの変換)を実施するための微生物培養を含むバイオリアクタを使用して
得ることができる。CO含有基質の対応する流量に加えて、カルボキシド栄養性細菌濃度
及び生産性を含む他の生物学的なCOからエタノールへの変換プロセスからの情報を使用
して、塩基性中和剤の流量を、所望の酸性代謝物生産性に関して推定してもよい。さらに
、そのような情報を使用して、CO含有基質流量が、所与のカルボキシド栄養性細菌濃度
を供給し、所望の酸性代謝物生産性を達成するために推定され得る。
プロセス変数間の特定の関係は、例えば、以下の等式:
Figure 0006955531
に基づき得、式中、BIOPROD、METPROD、NEUTFLO、及びCOFL
Oは、それぞれ、カルボキシド栄養性細菌の生産性、酸性代謝物の生産性、バイオリアク
タへの塩基性中和剤の流量、及びバイオリアクタへのCO含有基質流量を表し、W、X、
Y、及びZは、上述のように以前のデータに基づいて実験的に決定された定数である。よ
り具体的には、これらの定数はそのような以前のデータの回帰分析を行うことにより得ら
れてもよい。生産性は、(例えば、カルボキシド栄養性細菌濃度もしくは生産性の場合、
分光光度計、プレートリーダー、もしくはバイオマスプローブを使用して、かつ/または
酸性代謝物濃度もしくは生産性の場合、HPLCを使用して)上述のように測定すること
ができる。
したがって、特定の実施形態に従って、バイオリアクタへのCO含有基質及び塩基性中
和剤の両方を供給するバッチ操作期間、または他の操作期間の間、塩基性中和剤の流量は
、CO含有基質流量に基づいて制御される。例えば、塩基性中和剤の流量は、測定された
値(例えば、CO含有基質の測定された流量)またはさもなければ設定値(例えば、CO
含有基質の流量設定値)のいずれかに基づいて制御されてもよい。つまり、塩基性中和剤
の流量の設定値は、そのような測定された値または設定値に従って決定されてもよい。あ
る特定の実施形態に従って、上記のプロセス変数の関係から明らかなように、塩基性中和
剤の流量設定値は、CO含有基質の測定された流量またはCO含有基質の流量設定値のい
ずれかと共に、直線的に変化し得る。さらにより具体的には、塩基性中和剤の流量設定値
は、式:
Figure 0006955531
に従って決定されてもよく、式中、COFLOmv及びCOFLOspは、それぞれ、
CO含有基質の測定された流量及びCO含有基質の流量設定値を表す。Y及びZは、定数
、具体的には、Yの場合、COFLOmvまたはCOFLOspと塩基性中和剤の流量設
定値との間の比例定数、及びZの場合、オフセットを表す。
特定の種類のこれらの制御方法において、次にCO含有基質流量は、培養液のpH値に
基づいて制御されてもよい。例えば、培養液のpHの測定された値がpH設定値(例えば
、上に示される特定のpH値のうちの1つ)未満に減少した場合、培養液が過度に酸性に
なり、それに応答して、より多くのCOを細菌培養液に供給し、酸性代謝物の生産性を減
少させるために、(例えば、CO含有基質注入ライン上の制御弁の開口率を自動的に上昇
させることによって)CO含有基質流量が増加される。反対に、培養液のpHの測定され
た値がこのpH設定値を超えて上昇した場合、培養液が過度にアルカリ性になり、それに
応答して、より少量のCOを細菌培養液に供給し、酸性代謝物の生産性を上昇させるため
に、(例えば、CO含有基質注入ライン上の制御弁の開口率を自動的に減少させることに
よって)CO含有基質流量が減少される。
あるいは、CO含有流量設定値は、培養液の測定されたpH値から決定してもよく、こ
の設定値は、CO含有流量の測定された値からの偏差を表す。これらの留意事項の点から
、培養液の測定されたpH値が塩基性中和剤の流量に加えて、CO含有基質流量の両方の
設定値を生成することが可能であり得る。しかしながら、CO含有基質の測定された流量
、(流量設定値に対して)この測定された流量が塩基性中和剤の流量の設定値を決定する
ために使用されることが、一般に好まれる。培養液のpH値は、例えば、オンラインpH
分析装置を使用して、連続的または断続的のいずれかで(例えば、一定間隔で)測定され
てもよい。さもなければ、このpH値は、手作業で測定されてもよい。
以下の実施例は、本発明を代表するものとして記載される。これらの実施例は、これら
の実施形態及び他の同等の実施形態が本開示及び添付の特許請求の点から明らかになると
おり、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきではない。
実施例1
従来の「時間ベースの」始動と本発明の「自動」始動との比較
C.ljundahliiを含む培養液を接種することによって、COからエタノール
への変換の生物学的プロセスを開始した。培養液のpHは、酢酸が生成されるに従い、低
下し始めた。培養液のpHが5.0に達したとき、バイオリアクタへのCO含有基質及び
水酸化アンモニウム供給を開始した。始動の間中のCO含有基質流量を、CO供給過剰の
回避が主な目標であった従来の規定の時間ベースのプロファイルによって管理した。比較
目的のため、水酸化アンモニウムの流量が培養液中の(酢酸の形態の)酢酸塩の濃度に基
づいて制御され、HPLCによって自動的かつ定期的に測定された、本明細書に記載され
る制御方法を使用して同じプロセスを開始した。これらの比較始動の進捗を、2日の期間
にわたる培養液中のエタノール、細菌、及び酢酸の濃度を提供する図2及び図3に示す。
この情報は、本発明の代表的な実施形態に従った、従来の時間ベースの始動の場合(図2
−「時間ベースの制御」)、及び自動始動の場合(図3−「自動制御」)で提供される。
図2と図3との比較から明らかであるように、所望の生成物、エタノールの濃度は、時
間ベースの始動の1日目に2グラム/リットル(g/l)未満であり、この濃度は、自動
始動ではこの時点で既にほぼ8g/lである。さらに、図4に図示されるように、時間ベ
ースの始動と比較して、自動始動がはるかに早いCO含有基質流量の増加をもたらすこと
は明らかである。これは、細菌成長に悪影響をもたらす供給過剰をせずに、細菌培養液へ
の、エタノール生成のために必要な量のCOの連続供給に起因する。時間ベースのプロフ
ァイルの場合、CO含有基質流量は、CO供給過剰の回避を確実にするために、特徴的に
控えめであった。しかしながら、結果として、CO供給不足は避けられず、エタノールよ
りもむしろ酢酸が主な生成物である。図5は、これら2つの制御方法を使用したこれらの
始動プロセスの経時的な細菌の濃度を比較する。明らかであるように、自動始動の場合の
より多いCO流量を用いてさえ、微生物成長は抑制されず、実際、高められた。
これらの結果に基づいて、本明細書に記載される制御方法は、特に、所望の酢酸濃度ま
たは細菌濃度等の所与のプロセス目標を達成するのに必要な時間の短縮に関して、大きな
プロセス利益をもたらすことができる。目標は、バッチ操作期間等の最初の始動期間の完
了と関連してもよく、その場合、連続操作への移行が、より迅速かつ効率的に達成され得
る。これは、材料消費の低減及び運営費全体の低減を含む重要な商業利益につながる。細
胞再循環システムを装備した2つの反応器を用いて動作するプロセスの場合、いずれのさ
らなる処理をせずに、例えば、試料濾過または遠心分離をせずに、反応器から細胞不含透
過水を直接サンプリングして、これらの試料を自動HPLCに供給することが、可能であ
り得る。その一方、従来の試料調製方法は、HPLCへの注入前に、特定の酸または塩基
の添加、続いて遠心分離または濾過が必要である。これは、複雑にし、結果により多くの
エラーを生じる手作業のピペット操作を伴う。
実施例2
自動始動−測定された濃度に基づいたNHOH流の制御
C.ljundahlnを含む培養液を接種することによって、COからエタノールへ
の変換の生物学的プロセスを開始した。培養液のpHは、酢酸が生成されるに従い、低下
し始めた。培養液のpHが5.0に達したとき、バイオリアクタへのCO含有基質及び水
酸化アンモニウム供給を開始した。バイオリアクタ内の測定された細菌濃度に基づいて、
酢酸塩(酢酸)目標濃度及び希釈剤流量を以下の等式に従って決定し、
Figure 0006955531
式中、A、B、及びCは、先のプロセスで得られた情報から、実験的に決定した
。オンラインHPLCを使用して測定した酢酸濃度に基づいて、水酸化アンモニウムの流
量を自動的に調節、例えば、細菌による酢酸生成を増加させるために増加させたか、また
は酢酸生成を減少させるために減少させた。培養液のpHを目標pH=5.0に維持する
ように、気体CO含有基質の流れを自動的に増加または減少させた。希釈剤の流量に加え
て、経時的エタノール、細菌、及び酢酸の濃度を、図6に示す。
実施例3
自動始動−測定されたpH及びCO含有基質流量のみに基づく
生物学的プロセスの先の始動データに基づいて、C.ljundahliiを含む培養
液にCOを供給することによりCOをエタノールに変換した実施例1に記載されるように
、反応器内の所与の細菌濃度と、目標酢酸生産性を得るためにそれを必要とした所与の組
成物のCO含有基質の対応する流量と、培養液のpHを所与の目標に維持するために必要
な、必要とされる水酸化アンモニウム流量との間の関係を確立した。これらの関係は、以
下のとおりであった:
Figure 0006955531
式中、BIOPROD、METPROD、NEUTFLO、及びCOFLOは、それぞ
れ、細菌(バイオマス)生産性、酢酸(酢酸塩)生産性、バイオリアクタへのNHOH
の流量、及びバイオリアクタへのCO含有基質流量を表した。因数、W、X、Y、及びZ
を、細菌生産性測定が連続時間間隔で測定された濃度に基づいた以前のプロセスで得られ
た情報から、(線形回帰を使用して)実験的に決定した。つまり、測定された細菌生産性
を、時間2の時点での細菌濃度−時間1の時点での細菌濃度)/(時間2−時間1)で算
出した。これらの以前のプロセスで、細菌濃度を分光光度計またはプレートリーダーまた
はバイオマスプローブを使用して測定し、測定された酢酸生産性を、時間2の時点での酢
酸濃度−時間1の時点での酢酸濃度)/(時間2−時間1)で算出した。酢酸及びエタノ
ール濃度を、HPLCによって測定した。これらの以前のプロセスから生成されたデータ
に従って、以下の因数を決定した:W=1.2、X=1.5、Y=1.46、及びZ=3
.21。
したがって、自動始動のために使用した関係は、NEUTFLO=1.46・COFL
O+3.21であった。培養液のpHを、PID制御装置を使用してCO含有基質の流れ
を自動的に調節することによって、5.0に維持した。上記の関係を、CO含有基質の測
定された流量に基づいて水酸化アンモニウム流量を設定するために使用した。
水酸化アンモニウム及びCO含有基質流量に加えて経時的エタノール、細菌、及び酢酸
の濃度を、図7に示す。有利に、1日目をとおして細菌成長は高く、2.9グラム/(リ
ットル・日)であり、酢酸生産性は低く、2.8グラム/(リットル・日)であった。エ
タノール生産性及び濃度を最大化した。これらの観察は、連続プロセスを確立する前に重
要である、生物学的CO変換プロセスの成功した始動と一致した。重要なことには、バイ
オリアクタ内の細菌及び酢酸の測定された濃度は、この制御方法で直接使用しなかった。
むしろ、作業の進捗を確認するためだが自動操作へのフィードバックがない範囲内におい
てのみ、これらの濃度を監視した。
全体的に、本発明の態様は、CO含有基質がエタノール等のより高い価値のある生成物を生成するために使用される生物学的発酵プロセスの制御方法に対する。本制御方法は、バイオリアクタの植え付け後、従来の制御方法(例えば、CO含有基質流の時間ベースのプロファイル)を使用して必要とされる期間と比較して、より短い期間で(例えば、所与のプロセス開始目標を達成したら)連続生成に到達できるように、これらのプロセスの開始または始動を有利に短縮し得る。これらの制御方法は、代替的に、または加えて、所望の最終生成物の生産性を向上させ得、かつ/または、開始もしくは始動の間、細菌の成長速度を向上させ得る。本開示から得られた知識を有する当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更が制御方法、システム、及びコンピュータプログラム製品に加えられ得ることを認識するであろう。

本発明の様々な実施形態を以下に示す。
1.最終生成物へのCOの変換を開始及び実施するためのプロセスであって、
CO含有基質及び塩基性中和剤の両方を、カルボキシド栄養性細菌を含む培養液を備えるバイオリアクタに供給して、前記最終生成物及び酸性代謝物を生成することを含み、
塩基性中和剤の流量は、前記培養液の特性に基づいて制御され、前記特性は、酸性代謝物の測定された濃度、酸性代謝物の測定された生産性、カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度、カルボキシド栄養性細菌の測定された生産性、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、プロセス。
2.前記塩基性中和剤の流量は、前記培養液内の前記酸性代謝物の測定された濃度、または前記培養液内の前記酸性代謝物の測定された生産性に基づいて制御される、上記1に記載のプロセス。
3.前記塩基性中和剤の流量は、前記培養液内の前記酸性代謝物の測定された濃度に基づいて制御される、上記2に記載のプロセス。
4.前記酸性代謝物の測定された濃度は、前記バッチ操作期間の間に断続的または連続的に判定される、上記3に記載のプロセス。
5.前記塩基性中和剤の流量は、前記培養液内の前記酸性代謝物の測定された濃度と、前記培養液内の酸性代謝物の設定濃度との間の差異に基づいて制御される、上記3に記載のプロセス。
6.前記酸性代謝物の設定濃度は、式:
Figure 0006955531
に従って決定され、式中、BIOCONmvは、前記培養液内のカルボキシド栄養性細菌の測定された濃度を表し、A 及びB は、定数である、上記5に記載のプロセス。
7.前記定数A及びBは、実験データから実験的に決定される、上記6に記載のプロセス。
8.前記カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度は、断続的または連続的に判定される、上記6に記載のプロセス。
9.前記バイオリアクタへの希釈剤流量は、前記培養液内のカルボキシド栄養性細菌の測定された濃度に基づいて制御される、上記3に記載のプロセス。
10.希釈剤流量設定値は、式:
Figure 0006955531
に従って決定され、式中、BIOCONmvは、前記培養液内のカルボキシド栄養性細菌の測定された濃度を表し、C は、実験データから実験的に決定された定数である、上記9に記載のプロセス。
11.CO含有基質流量は、前記培養液の測定されたpH値に基づいて制御される、上記1に記載のプロセス。
12.最終生成物へのCOの変換を開始及び実施するためのプロセスであって、
CO含有基質及び塩基性中和剤の両方を、カルボキシド栄養性細菌を含むバイオリアクタに供給することを含み、
塩基性中和剤の流量は、CO含有基質の測定された流量またはCO含有基質の流量設定値に基づいて制御される、プロセス。
13.塩基性中和剤の流量設定値は、前記CO含有基質の測定された流量または前記CO含有基質の流量設定値と共に直線的に変化する、上記12に記載のプロセス。
14.前記塩基性中和剤の流量設定値は、式:
Figure 0006955531
に従って決定され、式中、COFLOmv及びCOFLOspは、それぞれ前記CO含有基質の測定された流量及び前記CO含有基質の流量設定値を表し、Y及びZは、実験データから実験的に決定された定数である、上記13に記載のプロセス。
15.前記塩基性中和剤の流量は、前記CO含有基質の流量設定値に基づいて制御される、上記12に記載のプロセス。
16.前記CO含有基質の流量設定値は、前記バイオリアクタ内に含まれる培養液の測定されたpH値から決定される、上記15に記載のプロセス。
17.前記塩基性中和剤の流量は、前記CO含有基質の測定された流量に基づいて制御される、上記12に記載のプロセス。
18.前記プロセスは、バッチ操作期間の間に行われる、上記1または上記12に記載のプロセス。
19.連続プロセス開始目標を達成した後に、新しい培養液を前記バイオリアクタに添加し、前記バイオリアクタから前記最終生成物を引き出すことをさらに含む、上記18に記載のプロセス。
20.前記CO含有基質は、鋼製造プロセス、非鉄製品製造プロセス、石油精製プロセス、バイオ燃料生成プロセス、石炭ガス化プロセス、電力生産プロセス、カーボンブラック生成プロセス、アンモニア生成プロセス、メタノール生成プロセス、有機物のガス化、炭化水素の水蒸気改質、及びコークス製造プロセスからなる群から選択される産業プロセスから得られる、上記1または上記12に記載のプロセス。
21.前記酸性代謝物は、酢酸である、上記1に記載のプロセス。
22.前記最終生成物は、エタノールである、上記1または上記12に記載のプロセス。
23.前記塩基性中和剤は、水酸化アンモニウム溶液である、上記1または上記12に記載のプロセス。
24.システムであって、
バイオリアクタと、
前記バイオリアクタから、培養液の試料を単離するように構成されたサンプリング装置と、
前記試料を分析するように構成された分析装置と、
前記分析装置から受信された前記培養液の測定された特性に基づいて、前記バイオリアクタへの塩基性中和剤の流量を制御するように構成された制御装置と、を備え、
前記測定された特性は、酸性代謝物の測定された濃度、酸性代謝物の測定された生産性、カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度、カルボキシド栄養性細菌の測定された生産性、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、システム。
25.システムであって、
バイオリアクタと、
前記バイオリアクタへのCO含有基質の測定された流量またはCO含有基質の流量設定値に基づいて、前記バイオリアクタへの塩基性中和剤の流量を制御するように構成された制御装置と、を備える、システム。
26.測定されたpH値に基づいてCO含有基質流量を制御するように構成された第2の制御装置をさらに備える、上記25に記載のシステム。
27.前記バイオリアクタから、培養液の試料を単離するように構成されたサンプリング装置と、
前記試料を分析し、前記制御装置に前記測定されたpH値を入力するように構成された分析装置と、をさらに備える、上記26に記載のシステム。
28.非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラムを有する前記非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサに、
バイオリアクタからの培養液の試料を分析するように構成された分析装置から、前記培養液の測定された特性を受信するステップと、
前記バイオリアクタへの塩基性中和剤の流量を制御するように構成された制御装置に、制御の基準として、前記培養液の前記測定された特性を入力するステップと、を行わせるための命令を含み、
前記測定された特性は、酸性代謝物の測定された濃度、酸性代謝物の測定された生産性、カルボキシド栄養性細菌の測定された濃度、カルボキシド栄養性細菌の測定された生産性、またはこれらの組み合わせからなる群から選択される、コンピュータプログラム製品。
29.非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラムを有する前記非一時的コンピュータ可読媒体を備えたコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータプログラムは、プロセッサに、
バイオリアクタへのCO含有基質の測定された流量またはCO含有基質の流量設定値を受信するステップと、
前記バイオリアクタへの塩基性中和剤の流量を制御するように構成された制御装置に、制御の基準として、前記CO含有基質の測定された流量または前記CO含有基質の流量設定値を入力するステップと、を行わせるための命令を含む、コンピュータプログラム製品。
30.前記コンピュータプログラムは、前記プロセッサに
測定されたpH値を受信するさらなるステップと、
CO含有基質流量を制御するように構成された第2の制御装置に、制御の基準として、前記測定されたpH値を入力するさらなるステップと、を行わせるための命令を含む、上記29に記載のコンピュータプログラム製品。
31.前記測定されたpH値は、前記バイオリアクタからの培養液の試料を分析するように構成された分析装置から受信される、上記29に記載のコンピュータプログラム製品。

Claims (1)

  1. 発酵プロセスへの塩基性中和剤の供給を最適化するプロセスに用いるためのコンピュータプログラム製品であって、
    前記プロセスが、
    a)CO含有基質及び塩基性中和剤を、液体栄養培地中のカルボキシド栄養性細菌培養
    物を含むバイオリアクタに供給し、
    b)培養物を発酵させ、ここで前記基質中のCOの少なくとも一部がエタノール及び酸性代謝物を含む生成物に変換され、
    c)前記生成物の生産を、前記コンピュータプログラム製品により最適化することを含み、
    前記コンピュータプログラム製品が、非一時的コンピュータ可読媒体上に具現化されたコンピュータプログラムを有する前記非一時的コンピュータ可読媒体を備え、前記コンピュータプログラムは、プロセッサに、
    バイオリアクタからの培養液の試料を分析するように構成された分析装置から、前記培養液の測定された特性を受信するステップと、
    前記バイオリアクタへの塩基性中和剤の流量を制御するように構成された制御装置に、制御の基準として、前記培養液の前記測定された特性を入力するステップと、を行わせるための命令を含み、
    前記測定された特性は、酸性代謝物の測定された濃度及びカルボキシド栄養性細菌の測定された生産性であり、前記塩基性中和剤の流量が、
    1)式(1):
    Figure 0006955531

    (式中、BIOPRODmvは、カルボキシド栄養性細菌の測定された生産性を表し、A
    1 及びB 1 は定数を表す。)
    に従って酸性代謝物設定値濃度を決定し、
    2)酸性代謝物濃度が酸性代謝物設定値濃度未満である場合、塩基性中和剤流量を増加
    させ、そして
    3)酸性代謝物濃度が酸性代謝物設定値濃度よりも高い場合、塩基性中和剤流量を減少
    させること、
    により制御される、
    コンピュータプログラム製品。
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