JP6955222B2 - 障害物検出装置、及び、障害物検出方法 - Google Patents

障害物検出装置、及び、障害物検出方法 Download PDF

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Description

本発明は、障害物を検出する障害物検出装置、及び、障害物検出方法に関する。
超音波により障害物を検出する障害物検出装置は、超音波センサと、超音波センサの検出結果から障害物を検出する制御部と、を備える。超音波センサは、圧電振動子と、圧電振動子に駆動信号を出力することで圧電振動子から超音波を送信させる送信部と、反射波により圧電振動子に生じる受信信号を検出する受信部と、を備える。制御部は、超音波の送信から反射波を受信するまでの時間から障害物の有無の判定や、障害物までの距離を算出する。
超音波センサから超音波を送信すると、圧電振動子に残響が生じる。残響は、送信部からの駆動信号の出力が停止した後にも継続する。超音波センサの近くに障害物が存在している場合、残響により生じる受信信号と反射波により生じる受信信号とが合成されるおそれがある。すると、残響と反射波とを区別することができず、障害物を検出できないおそれがある。
特許文献1に記載の障害物検出装置では、基準残響時間を設定し、残響時間が基準残響時間よりも長いか否かを判定している。超音波センサの近くに障害物が存在している場合、反射波の影響で残響時間が長くなる。このため、基準残響時間よりも残響時間が長い場合には、超音波センサの近くに障害物が存在していると判断することができる。
特開2016−31354号公報
ところで、公差などの影響で、同一製品の超音波センサであっても残響時間には、ばらつきが生じる。従って、特許文献1に記載の障害物検出装置では、超音波センサ毎に個別の基準残響時間を設定する必要があり、手間が掛かる。
本発明の目的は、容易に近距離領域の障害物を検出できる障害物検出装置、及び、障害物検出方法を提供することにある。
上記課題を解決する障害物検出装置は、超音波を送信し、障害物によって反射された反射波を受信する超音波センサと、前記超音波センサの検出結果から障害物を検出する制御部と、を備えた障害物検出装置であって、前記制御部は、前記超音波センサに駆動指令を送る駆動指令部と、前記超音波の送信による残響が収まるまでに前記超音波センサにより前記反射波が受信される領域を近距離領域とすると、前記近距離領域の障害物を検出する近距離障害物検出部と、を備え、前記近距離障害物検出部は、前記超音波センサの残響が収まるまでの時間である残響終了時間を算出する残響終了時間算出部と、前記残響終了時間が算出される毎に前記残響終了時間の平均値、及び、前記残響終了時間の標準偏差を算出する標準偏差算出部と、前記標準偏差が閾値を超えた場合に前記近距離領域に障害物が存在すると判定する判定部と、を備える。
近距離領域に障害物が存在していると、反射波の影響で残響時間が長くなる。更に、超音波が空気中を伝播すると、空気中の原子量に依存して超音波の減衰量が変化する。これにより、近距離領域の障害物からの反射波を受信した場合、減衰量の異なる反射波によって残響終了時間がばらつくことになる。一方で、近距離領域に障害物が存在していない場合、反射波が残響終了時間に与える影響がなく、近距離領域に障害物が存在していない場合に比べて残響終了時間がばらつきにくい。従って、近距離領域に障害物が存在していない場合に比べて、近距離領域に障害物が存在している場合の方が残響終了時間の標準偏差は大きくなる。障害物検出装置は、標準偏差が閾値を超えたか否かを判定することで近距離領域に障害物が存在するか否かを判定することができる。
前述したように、残響終了時間のばらつきは、超音波が空気中を伝播することに起因するものである。従って、残響終了時間の標準偏差は、公差による超音波センサの個体差に影響されにくく、標準偏差に閾値を設定する場合、超音波センサの個体差に関わらず同一の閾値を設定すればよい。このため、超音波センサの個体差に応じて個別の閾値を設定する場合に比べて、容易に近距離領域の障害物を検出できる。
上記障害物検出装置について、前記近距離領域よりも前記超音波センサから離れた領域の障害物を検出する障害物検出部を備えていてもよい。近距離領域よりも離れた領域に障害物が存在する場合、残響が収まった後に反射波が受信されることになる。従って、障害物検出部は、空気中での超音波の伝播速度と、超音波の送信から反射波の受信までに要した時間から障害物を検出することができる。近距離領域の障害物に加えて、近距離領域よりも離れた領域の障害物も検出できるため、広範囲に亘って障害物の検出を行うことができる。
上記障害物検出装置について、前記標準偏差算出部は、前記標準偏差を前記平均値で補正してもよい。これによれば、近距離領域の障害物の検出精度を向上させることができる。
上記課題を解決する障害物検出方法は、超音波を送信し、障害物によって反射された反射波を受信する超音波センサの検出結果から障害物を検出する障害物検出方法であって、前記超音波センサに駆動指令を送り、前記超音波センサの残響が収まるまでの時間である残響終了時間を算出し、前記残響終了時間が算出される毎に前記残響終了時間の平均値、及び、前記残響終了時間の標準偏差を算出し、前記超音波の送信による残響が収まるまでに前記超音波センサにより前記反射波が受信される領域を近距離領域とすると、前記標準偏差が閾値を超えた場合に前記近距離領域に障害物が存在すると判定する。これによれば、容易に近距離領域の障害物を検出できる。
本発明によれば、容易に近距離領域の障害物を検出できる。
障害物検出装置が搭載されるフォークリフトの概略側面図。 フォークリフトの構成を示すブロック図。 障害物検出装置の構成を示すブロック図。 近距離領域に障害物が存在しない場合の駆動信号、受信信号、及び、デジタル信号の関係を示す図。 近距離領域に障害物が存在する場合の駆動信号、受信信号、及び、デジタル信号の関係を示す図。 障害物検出装置が行う処理を示すフローチャート。 温度と標準偏差の関係、及び、温度と変動係数の関係を示す図。
以下、障害物検出装置、及び、障害物検出方法の一実施形態について説明する。
図1に示すように、フォークリフト10は、車体11と、車体11の前方に設けられた荷役装置12と、車体11の後方に設けられたカウンタウェイト13と、を備える。なお、フォークリフト10は、搭乗者による運転が行われるフォークリフトであってもよいし、自動で運転が行われるフォークリフトであってもよい。
図2に示すように、フォークリフト10は、メインコントローラ17と、荷役装置12を動作させる荷役機構14と、フォークリフト10を走行させる駆動機構15と、フォークリフト10の起動状態と停止状態とを切り替えるキースイッチ16と、を備える。
メインコントローラ17は、CPU18、及び、メモリ19を備える。メモリ19には、フォークリフト10を動作させるためのプログラム等が記憶されている。メインコントローラ17は、キースイッチ16によりフォークリフト10が起動状態にされている場合、駆動機構15や荷役機構14を制御することで荷役動作や走行動作をフォークリフト10に行わせる。一方で、メインコントローラ17は、キースイッチ16によりフォークリフト10が停止状態にされている場合、荷役動作や走行動作をフォークリフト10に行わせない。
フォークリフト10には、障害物検出装置20が搭載されている。障害物検出装置20は、超音波センサ21と、超音波センサ21を制御する制御ECU30と、を備える。超音波センサ21は、超音波を送信し、送信した超音波の反射波を受信する。制御部としての制御ECU30は、CPUと、RAM及びROM等からなる記憶部と、を備える電子制御ユニット:Electronic Control Unitである。記憶部には、障害物検出装置20を制御するための種々のプログラムが記憶されている。制御ECU30は、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する専用のハードウェア、例えば、特定用途向け集積回路:ASICを備えていてもよい。制御ECU30は、コンピュータプログラムに従って動作する1つ以上のプロセッサ、ASIC等の1つ以上の専用のハードウェア回路、あるいは、それらの組み合わせを含む回路として構成し得る。プロセッサは、CPU、並びに、RAM及びROM等のメモリを含む。メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコードまたは指令を格納している。メモリ、即ち、コンピュータ可読媒体は、汎用または専用のコンピュータでアクセスできるあらゆるものを含む。制御ECU30は、メインコントローラ17と相互に通信可能に接続されている。なお、本実施形態では、制御ECU30はメインコントローラ17とは別体で形成されているが、一体とされていてもよい。
図1に示すように、超音波センサ21は、カウンタウェイト13に取り付けられている。超音波センサ21は、カウンタウェイト13に穴を設けて、穴に超音波センサ21を挿入することで取り付けられていてもよいし、ネジ留めによって取り付けられていてもよい。超音波センサ21は、車体11の後方に超音波を送信するように取り付けられている。従って、本実施形態の障害物検出装置20により検出される障害物は、フォークリフト10の後方に存在する障害物である。
図3に示すように、超音波センサ21は、圧電振動子22と、送信部23と、受信部24と、A/D変換部27と、を備える。超音波センサ21は、1つの圧電振動子22を送信と受信で兼用する送受信兼用型の超音波センサである。送信部23は、駆動信号を圧電振動子22に出力する。送信部23としては、例えば、バースト信号である駆動信号を出力する発信部、及び、駆動信号を増幅するトランスによって構成されている。圧電振動子22は、駆動信号を与えられることにより振動し、超音波を送信する。圧電振動子22は、送信した超音波の反射波を受信して振動することにより反射波に基づいた受信信号を出力する。受信部24は、圧電振動子22に生じる受信信号を検出する。
受信部24は、受信信号を増幅する増幅回路25と、増幅回路25によって増幅された受信信号が出力される検波部26と、を備える。増幅回路25は、例えば、オペアンプによって構成されている。検波部26は、増幅回路25で増幅された受信信号から包絡線を取得する包絡線検波部である。検波部26は、受信信号から取得した包絡線をA/D変換部27に出力する。
A/D変換部27は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。本実施形態のデジタル信号は、Highレベル、又は、Lowレベルに二値化された二値化信号である。A/D変換部27は、受信レベルが下限閾値以上、かつ、上限閾値未満の包絡線が入力された場合にはHighレベルのデジタル信号を出力する。A/D変換部27は、受信レベルが下限閾値未満の包絡線、及び、受信レベルが上限閾値以上の包絡線が入力された場合にはLowレベルのデジタル信号を出力する。A/D変換部27は、例えば、複数のコンパレータによって構成されている。
図4に示すように、後述する駆動指令部31から超音波センサ21に駆動指令が与えられると、送信部23は駆動信号Dを出力し、超音波センサ21は超音波を送信する。圧電振動子22の振動により超音波が送信されている間は、受信信号R1も生じることになる。また、駆動信号Dの出力が停止した後も圧電振動子22の振動は継続する。この振動が残響である。残響の影響により、駆動信号Dが停止した後にも受信信号R1が生じ、Highレベルのデジタル信号D1が出力されることになる。なお、超音波の送信により生じる受信信号R1は、残響信号とも言う。
障害物に超音波が当たると、超音波は反射波となって圧電振動子22に戻ることになる。圧電振動子22に反射波が当たると、圧電振動子22は振動する。この振動によって受信信号R2が生じ、Highレベルのデジタル信号D2が出力されることになる。
上記した超音波センサ21は、用途が限定された専用品ではなく、多くの用途が存在する汎用品である。即ち、本実施形態の超音波センサ21は、障害物検出装置20に用いるために設計されたものではない既製品である。
図3に示すように、制御ECU30は、超音波センサ21に駆動指令を出力する駆動指令部31を備える。駆動指令部31が駆動指令を出力することで、超音波センサ21は駆動する。駆動指令部31は、キースイッチ16によりフォークリフト10が起動状態にされている際に定期的に駆動指令を出力する。駆動指令部31は、制御ECU30の一機能として実現されており、制御ECU30は、駆動指令を出力する機能を備えていると捉えることもできる。
制御ECU30は、超音波センサ21の検出結果から近距離領域の障害物を検出する近距離障害物検出部40と、超音波センサ21の検出結果から近距離領域より離れた領域の障害物を検出する障害物検出部32と、を備える。近距離障害物検出部40、及び、障害物検出部32は、制御ECU30の一機能として実現されており、制御ECU30は、これらの障害物検出機能を備えていると捉えることもできる。
近距離領域とは、当該領域に障害物が存在している場合、残響が収まるまでに反射波が圧電振動子22に受信される領域である。言い換えれば、残響と反射波の合成波による受信信号が生じる領域である。近距離領域は、圧電振動子22の特性や、超音波センサ21の使用される環境などで、その大きさが変化する。
近距離領域より離れた領域とは、当該領域に障害物が存在している場合、残響が収まった後に反射波が圧電振動子22に受信される領域である。本実施形態のように、フォークリフト10の後方に存在する障害物を検出する場合、近距離領域より離れた領域とは、近距離領域よりも後方の領域である。
図4に示すように、障害物検出部32は、A/D変換部27から出力されるデジタル信号から、近距離領域より離れた領域の障害物を検出する。障害物検出部32は、超音波センサ21が超音波を送信してから、障害物からの反射波を受信するまでの時間T1を算出する。超音波センサ21が超音波を送信した時刻tdは、駆動指令部31が駆動指令を出力した時刻である。なお、時刻tdは、Highレベルのデジタル信号D1が立ち上がる時刻としてもよい。反射波を受信した時刻trは、Highレベルのデジタル信号D2が立ち上がる時刻である。障害物検出部32は、超音波センサ21が超音波を送信した時刻tdと、超音波センサ21が反射波を受信した時刻trまでの期間を超音波センサ21が超音波を送信してから、反射波を受信するまでの時間T1として算出する。
障害物検出部32は、駆動信号Dの出力によるHighレベルのデジタル信号D1が立ち下がった後、Highレベルのデジタル信号D2が立ち上がると、障害物が存在すると判断する。更に、障害物検出部32は、空気中での超音波の伝播速度と、算出した時間T1から超音波センサ21から障害物までの距離を演算する。障害物検出部32は、検出結果をメインコントローラ17に出力する。障害物検出部32による障害物の検出は、フォークリフト10が起動状態の間、継続して行われる。
次に、近距離障害物検出部40について、障害物検出方法とともに説明する。
図3に示すように、近距離障害物検出部40は、残響終了時間を算出する残響終了時間算出部41と、残響終了時間の標準偏差を算出する標準偏差算出部42と、近距離領域に障害物が存在するか否かを判定する判定部43と、を備える。
図4に示すように、残響終了時間算出部41は、残響終了時間T2を算出する。残響終了時間T2とは、予め定められた計測開始時刻tsから残響終了時刻teまでの時間である。本実施形態では、計測開始時刻tsを、駆動指令を出力した時刻tdとしている。なお、計測開始時刻tsは、駆動信号Dを出力したときに生じるHighレベルのデジタル信号D1の立ち上がり時刻としてもよい。残響終了時刻teは、Highレベルのデジタル信号D1の立ち下がり時刻である。本実施形態では、残響終了時間T2は、Highレベルのデジタル信号D1の出力される時間と同一である。
標準偏差算出部42は、残響終了時間T2が算出される毎に残響終了時間T2の標準偏差を算出する。また、標準偏差算出部42は、残響終了時間T2が算出される毎に残響終了時間の平均値を算出する。標準偏差算出部42は、残響終了時間T2の平均値で残響終了時間T2の標準偏差を補正することで、変動係数を算出する。具体的にいえば、標準偏差算出部42は、標準偏差を平均値で除算することで変動係数を得る。
ここで、図5に示すように、近距離領域に障害物が存在していると、残響終了時間T2のばらつきが大きくなる。近距離領域に障害物が存在していると、残響中に反射波が受信されることになり、残響による振動に加えて反射波による振動が生じることになる。受信信号R1は、残響による受信信号と反射波による受信信号との合成波となり、残響時間が長くなることになる。例えば、図4では、近距離領域に障害物が存在していないため、受信信号R1には、駆動信号Dの停止後に継続する3周期分の残響による波が含まれることになる。これに対し、図5では残響による振動に加えて反射波による振動により、受信信号R1には、駆動信号Dの停止後に継続する5周期分の残響の波が含まれ、残響終了時間T2が長くなっている。なお、本実施形態では、受信信号R1は正弦波状としているが、受信信号R1の形状は、超音波センサ21の種類や、周辺環境によって異なる場合がある。従って、受信信号R1は、正弦波状に限られずパルス状などの他の形状であってもよい。
更に、超音波が空気中を伝播すると、空気中の原子量に依存して超音波の減衰量が変化する。このため、近距離領域の障害物からの反射波を受信した場合、減衰量の異なる反射波によって残響終了時間T2がばらつくことになる。一方で、近距離領域に障害物が存在していない場合、反射波が残響終了時間T2に与える影響がなく、近距離領域に障害物が存在していない場合に比べて残響終了時間T2がばらつきにくい。このため、近距離領域に障害物が存在している場合、近距離領域に障害物が存在していない場合よりも残響終了時間T2の標準偏差が大きな値となる。
判定部43は、図6に示す処理を行うことで、近距離領域に障害物が存在するか否かを判定する。
図6に示すように、ステップS1において、判定部43は、変動係数が閾値を越えているか否かを判定する。前述したように、近距離領域に障害物が存在していない場合に比べて、近距離領域に障害物が存在している場合のほうが残響終了時間T2の標準偏差は大きい。
更に、残響終了時間T2は、超音波センサ21を構成する部材の温度特性によって変化する。また、超音波は、空気中を伝播する際の減衰量に温度依存性がある。従って、環境温度によって残響終了時間T2の標準偏差は変化する。
例えば、図7に示すように、環境温度以外の条件を同一とした上で、環境温度が−40°の場合と、環境温度が+20°の場合で残響終了時間T2の標準偏差を算出すると、環境温度が−40°の場合の方が残響終了時間T2の標準偏差は大きくなる。
本実施形態では、環境温度による標準偏差の影響を抑えるために、標準偏差を平均値で補正して、変動係数を算出している。変動係数は、平均値に対する相対的なばらつきの大きさを示している。近距離領域に障害物が存在しない場合に比べて、近距離領域に障害物が存在する場合の方が変動係数は大きくなる。図7に示すように、変動係数は、環境温度の影響によるばらつきが少ない。変動係数を用いることで、環境温度の影響による障害物の有無の誤判定を抑止できる。
閾値としては、近距離領域に障害物が存在している場合に算出される変動係数を実験やシミュレーションにより測定した上で、この値に基づいて設定される。例えば、閾値としては、近距離領域に障害物が存在している場合に算出されると予想される変動係数よりも若干小さい値に設定される。
図6に示すように、ステップS1の判定結果が肯定の場合、判定部43は、ステップS2において、近距離領域に障害物が存在すると判断し、処理を終了する。一方で、ステップS1の判定結果が否定の場合、判定部43は、ステップS3の処理を行う。
ステップS3において、判定部43は、残響終了時間T2の算出回数が所定回数を超えているか否かを判定する。即ち、残響終了時間T2の標準偏差、及び、残響終了時間T2の平均値の母集団の数が所定回数を超えているか否かを判定する。ステップS3の判定結果が否定の場合、判定部43は、ステップS1の処理を行う。残響終了時間T2の標準偏差を算出する回数を1回のみとすると、近距離領域に障害物が存在しているにも関わらず、偶発的に残響終了時間T2の標準偏差が小さくなる場合がある。このため、残響終了時間T2の算出回数が所定回数を越えるまで判定を行うことで、近距離領域内の障害物の有無を精度良く検出することが可能となる。所定回数としては、残響終了時間T2のばらつきが得られると予想される回数に設定される。例えば、所定回数は、10回〜20回に設定される。
ステップS3の判定結果が肯定の場合、判定部43は、ステップS4において、近距離領域に障害物は存在していないと判断し、処理を終了する。近距離障害物検出部40は、処理を終えると、障害物の有無をメインコントローラ17に出力する。本実施形態において、近距離障害物検出部40による処理は、キースイッチ16によりフォークリフト10の停止状態が起動状態に切り替えられたことを契機として1回行われる。これは、キースイッチ16によりフォークリフト10が停止状態から起動状態にされたときが近距離領域の障害物を最も検出しにくいためである。フォークリフト10が起動状態にされている場合、障害物検出部32によって近距離領域より離れた領域の障害物を検出可能である。従って、フォークリフト10が起動状態にされている場合、フォークリフト10の移動により近距離領域に障害物が入る前に、障害物検出部32により障害物を検出可能である。
これに対して、フォークリフト10が停止状態から起動状態に切り替えられた際に近距離領域に障害物が存在する場合、当該障害物を障害物検出部32によって検出することができない。即ち、フォークリフト10が停止状態から起動状態に切り替えられた際に近距離領域に存在する障害物は、近距離障害物検出部40によって検出する必要がある。このため、近距離領域に障害物が存在するか否かの判定は、キースイッチ16によりフォークリフト10の停止状態が起動状態に切り替えられたことを契機として1回のみ行われる。
メインコントローラ17は、障害物検出部32及び近距離障害物検出部40の検出結果から障害物の有無や、障害物の位置を認識する。メインコントローラ17は、障害物とフォークリフト10との相対位置に応じて、障害物が近い旨の報知、速度制限の実施などを行う。
実施形態の作用について説明する。
近距離障害物検出部40は、残響終了時間T2の標準偏差から近距離領域の障害物を検出する。超音波センサ21には、公差による個体差で超音波を送信した際の残響時間に差が生じる場合があり、同一条件で超音波を送信したとしても残響終了時間T2の絶対値に差が生じる場合がある。仮に、残響終了時間T2の絶対値から近距離領域の障害物を検出しようとすると、超音波センサ21の個体差に合わせて残響終了時間T2の閾値を設定する必要がある。
これに対して、残響終了時間T2の標準偏差から近距離領域の障害物を検出する場合、残響終了時間T2のばらつきから障害物の検出が行われる。残響終了時間T2のばらつきは、超音波センサ21が空気中を伝播することに起因するものである。従って、標準偏差に閾値を設定する場合、超音波センサ21の個体差に関わらず同一の閾値を設定すれば近距離領域の障害物を検出できる。
なお、受信信号の信号レベルの標準偏差から近距離領域の障害物を検出することも考えられる。この場合、A/D変換前のアナログ信号から信号レベルを算出する必要がある。すると、受信信号の信号レベルを超音波センサ21に出力させる必要があり、超音波センサ21の複雑化などを招く。
本実施形態のように、超音波センサ21から出力されるデジタル信号から近距離領域の障害物を検出する場合、汎用の超音波センサを用いることができる。このため、本実施形態の障害物検出装置20のみに用いることを想定した専用の超音波センサを用いる必要がない。
実施形態の効果について説明する。
(1)判定部43は、標準偏差が閾値を超えるか否かによって近距離領域に障害物が存在しているか否かを判定している。標準偏差は、超音波センサ21の個体差に依存しないため、超音波センサ21の個体差を考慮せずに閾値を設定することができる。従って、超音波センサ21の個体差を考慮して、個別の閾値を設定する場合に比べて、容易に近距離領域の障害物を検出できる。
(2)近距離障害物検出部40は、近距離領域よりも離れた領域の障害物も検出する。従って、近距離領域に加えて近距離領域よりも離れた領域の障害物も検出することができ、広範囲に亘って障害物の検出を行うことができる。
(3)標準偏差を平均値で補正することで変動係数を算出し、この変動係数を用いて障害物を検出している。変動係数は、環境温度による影響を受けにくい。このため、近距離領域の障害物の検出精度を向上させることができる。なお、温度センサにより環境温度を検出し、環境温度と閾値との対応関係を示すマップから閾値を導出することで同様の効果を得ることができる。しかしながら、この場合、温度センサの増加を招き、環境温度と閾値との対応関係を示すマップを作成する必要もある。これに対して、変動係数を用いることで、温度センサの増加を抑制することができ、マップを作成する必要もない。従って、製造コストの増加を抑制できる。
(4)汎用の超音波センサ21を用いて近距離領域の障害物を検出することができる。制御ECU30が行う処理を追加することで近距離領域の障害物を検出できる。このため、汎用の超音波センサ21に部材を追加したり、専用の超音波センサを製造する場合に比べて、製造コストの増加を抑制しつつ、近距離領域の障害物を検出することができる。
実施形態は、以下のように変更して実施することができる。実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○平均値による補正を行っていない標準偏差から近距離領域の障害物を検出してもよい。この場合、障害物検出装置20の使用される環境の温度を考慮して標準偏差の閾値を設定することが好ましい。
また、温度に応じて閾値を変動させてもよい。判定部43は、フォークリフト10に備えられる温度センサの検出結果から環境温度を把握する。障害物検出装置20は、環境温度と閾値とを対応付けたマップや、環境温度と閾値との関係式が記憶されたメモリを備える。判定部43は、環境温度から閾値を導出し、導出された閾値を標準偏差が越えるか否かによって障害物の有無を判定する。
○障害物検出装置20は、近距離領域の障害物の有無を検出できればよく、近距離領域よりも離れた領域の障害物を検出しなくてもよい。この場合、近距離領域よりも離れた領域の障害物は、障害物検出装置20とは異なる装置によって検出することが好ましい。
○近距離領域の障害物の検出は、フォークリフト10が起動状態の間、定期的に行われてもよい。この場合、近距離領域に障害物が存在するか否かの判定が行われる毎に、残響終了時間T2、及び、残響終了時間T2の算出回数をリセットする。
○超音波センサ21は、送信用の圧電振動子と、受信用の圧電振動子と、を備える超音波センサであってもよい。この場合であっても、送信用の圧電振動子から送信された超音波が受信用の圧電振動子に受信されたり、送信用の圧電振動子の振動が受信用の圧電振動子に伝わることで受信用の圧電振動子に残響が生じる。この場合であっても、実施形態と同様に、受信用の圧電振動子の残響終了時間から標準偏差を算出することで近距離領域の障害物を検出することができる。
○障害物検出装置20は、乗用車、トーイングトラクタ等の産業車両、自律移動するロボット等、障害物の検出を要する装置であれば、どのような装置に搭載されていてもよい。
○障害物検出装置20は、フォークリフト10の前方や、フォークリフト10の側方に存在する障害物を検出するものでもよい。この場合、障害物を検出したい方向に超音波が照射されるように超音波センサ21をフォークリフト10に取り付ければよい。なお、障害物検出装置20としては、前方、後方、及び、側方のうちいずれかの方向の障害物を検出するものであってもよいし、複数の方向の障害物を検出するものであってもよい。
○A/D変換部27は、受信レベルが下限閾値以上、上限閾値未満の包絡線が入力された場合にはLowレベルのデジタル信号を出力し、それ以外の場合にHighレベルの信号を出力するものであってもよい。
○A/D変換部27は、上限閾値が設定されていないものであってもよい。即ち、A/D変換部27は、受信レベルが下限閾値以上の包絡線が入力された場合にHighレベルのデジタル信号を出力し、それ以外の場合にLowレベルのデジタル信号を出力するものであってもよい。
20…障害物検出装置、21…超音波センサ、30…制御ECU(制御部)、31…駆動指令部、32…障害物検出部、40…近距離障害物検出部、41…残響終了時間算出部、42…標準偏差算出部、43…判定部。

Claims (4)

  1. 超音波を送信し、障害物によって反射された反射波を受信する超音波センサと、
    前記超音波センサの検出結果から障害物を検出する制御部と、を備えた障害物検出装置であって、
    前記制御部は、
    前記超音波センサに駆動指令を送る駆動指令部と、
    前記超音波の送信による残響が収まるまでに前記超音波センサにより前記反射波が受信される領域を近距離領域とすると、前記近距離領域の障害物を検出する近距離障害物検出部と、を備え、
    前記近距離障害物検出部は、
    前記超音波センサの残響が収まるまでの時間である残響終了時間を算出する残響終了時間算出部と、
    前記残響終了時間が算出される毎に前記残響終了時間の平均値、及び、前記残響終了時間の標準偏差を算出する標準偏差算出部と、
    前記標準偏差が閾値を超えた場合に前記近距離領域に障害物が存在すると判定する判定部と、を備える障害物検出装置。
  2. 前記近距離領域よりも前記超音波センサから離れた領域の障害物を検出する障害物検出部を備える請求項1に記載の障害物検出装置。
  3. 前記標準偏差算出部は、前記標準偏差を前記平均値で補正する請求項1又は請求項2に記載の障害物検出装置。
  4. 超音波を送信し、障害物によって反射された反射波を受信する超音波センサの検出結果から障害物を検出する障害物検出方法であって、
    前記超音波センサに駆動指令を送り、
    前記超音波センサの残響が収まるまでの時間である残響終了時間を算出し、
    前記残響終了時間が算出される毎に前記残響終了時間の平均値、及び、前記残響終了時間の標準偏差を算出し、
    前記超音波の送信による残響が収まるまでに前記超音波センサにより前記反射波が受信される領域を近距離領域とすると、前記標準偏差が閾値を超えた場合に前記近距離領域に障害物が存在すると判定する障害物検出方法。
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