JP6954978B2 - チタンベースの渦巻き計時器ぜんまい - Google Patents

チタンベースの渦巻き計時器ぜんまい Download PDF

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Description

本発明は、渦巻き計時器ぜんまい、特に、二相構造を有する主ぜんまいまたはひげぜんまいに関する。
本発明はまた、渦巻き計時器ぜんまいの製造方法に関する。
本発明は、計時器ぜんまい、特に、主ぜんまいまたはモータぜんまいまたは打ち込みぜんまいなどのエネルギ貯蔵ぜんまい、または、ひげぜんまいなどの振動子ぜんまいの製造分野に関する。
時計用のエネルギ貯蔵ぜんまいの製造には、
−非常に高い弾性限界を得る必要性、
−低弾性率を得る必要性、
−製造、特に線引きの容易さ、
−優れた耐疲労性、
−耐久性、
−小さな断面、
−局所的な弱さと製造の困難性とを備えた、コアフックとスリップぜんまい両端の配置
のように、一見すると両立困難と思われる制約がある。
ひげぜんまいの生産は、規則正しいクロノメトリ性能を確保するために、ゼロに近い熱弾性係数を得る必要がある、温度補償に関する懸念に集中している。
したがって、これらの点の少なくとも1つ、特に使用される合金の機械的強度の改善は、大幅な進歩を意味する。
本発明は、特定の材料の選択に基づいて新しいタイプの渦巻き計時器ぜんまいを定義し、適切な製造方法を開発することを提案する。
この目的のために、本発明は、請求項1に記載の二相構造を有する渦巻き計時器ぜんまいに関する。
本発明はまた、請求項10に記載のそのような渦巻き計時器ぜんまいの製造方法に関する。
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読むと明らかになるであろう。
図1は、初めて巻かれる前の、本発明による渦巻きぜんまいである主ぜんまいの概略平面図である。 図2は、本発明による渦巻きぜんまいであるひげぜんまいの概略図である。 図3は、本発明による方法の主要な動作のシーケンスを表す図である。
本発明は、二相構造を有する渦巻き計時器ぜんまいに関する。
本発明によれば、この渦巻きぜんまいの材料は、ニオブを含むチタンベースの二元合金である。
有利な変形実施形態では、この合金は、
− 100%になるまでの残材であるニオブと、
− 質量割合が厳密に全体の60.0%より大きく、全体の85.0%以下であるチタンと、
− O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの他の微量成分とを含み、これら微量成分のおのおのは、全体における質量が、0から1600ppmの間に含まれ、これら微量成分の総和が、質量で0.3%以下である。
特に、この合金は、質量割合が全体の65.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含む。
特に、この合金は、質量割合が全体の70.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含む。特に、さらに、代替として、この合金は、質量割合が全体の70.0%以上で、全体の75.0%以下であるチタンを含む。
特に、さらに、別の代替として、この合金は、質量割合が厳密に全体の76.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンを含む。
特に、この合金は、質量割合が全体の80.0%以下であるチタンを含む。
特に、さらに、この合金は、質量割合が厳密に全体の76.0%より大きく、全体の78.0%以下であるチタンを含む。
有利なことに、この渦巻きぜんまいは、β相体心立方ニオブおよびα相六方最密チタンを含む二相微細構造を有する。特に、この渦巻きぜんまいは、ニオブおよびβ相チタンの固溶体(体心立方構造)と、ニオブおよびα相チタンの固溶体(六方最密構造)とからなる二相構造を有し、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きい。
ぜんまいの生産に適したこのタイプの構造を得るには、熱処理によりα相の一部を析出させる必要がある。
チタンの含有量が多いほど、熱処理によって析出できるα相の最大割合が高くなり、これが、高い割合のチタンを求める動機である。
特に、チタンとニオブの合計質量割合は、全体の99.7%から100%の間に含まれる。
特に、酸素の質量割合は、全体の0.10%以下、または全体の0.085%以下である。
特に、タンタルの質量割合は、全体の0.10%以下である。
特に、炭素の質量割合は、全体の0.04%以下、特に全体の0.020%以下、または全体の0.0175%以下である。
特に、鉄の質量割合は、全体の0.03%以下、特に全体の0.025%以下、または全体の0.020%以下である。
特に、窒素の質量割合は、全体の0.02%以下、特に全体の0.015%以下、または全体の0.0075%以下である。
特に、水素の質量割合は、全体の0.01%以下、特に全体の0.0035%以下、または全体の0.0005%以下である。
特に、ニッケルの質量割合は、全体の0.01%以下である。
特に、シリコンの質量割合は、全体の0.01%以下である。
特に、ニッケルの質量割合は、全体の0.01%以下、特に全体の0.16%以下である。
特に、延性材料または銅の質量割合は、全体の0.01%以下、特に全体の0.005%以下である。
特に、アルミニウムの質量割合は、全体の0.01%以下である。
この渦巻きぜんまいは、1000MPa以上の弾性限界を有する。
特に、渦巻きぜんまいは、1500MPa以上の弾性限界を有する。
特に、さらに、渦巻きぜんまいは、2000MPa以上の弾性限界を有する。
有利なことに、この渦巻きぜんまいは、60GPaより高く、80GPa以下の弾性率を有する。
製造中に適用される処理に応じて、このように決定された合金は、特に弾性限界が1500MPa以上の場合に、弾性限界が1000MPa以上のひげぜんまいまたは主ぜんまいである渦巻きぜんまいの生産を可能にする。
ひげぜんまいへの適用には、そのようなひげぜんまいを組み込んだ腕時計の使用中に温度の変動があっても、クロノメトリック性能を維持できる特性が必要である。したがって、合金の熱弾性係数(英語ではTEC)は非常に重要である。合金の冷間加工されたβ相は、強い正の熱弾性係数を有し、強い負の熱弾性係数を有するα相の析出により、二相合金はゼロに近い熱弾性係数になり、これは、特に有利である。CuBeまたはニッケル銀で製造されたてん輪でクロノメトリック振動子を形成するには、+/−10ppm/°Cの熱弾性係数を達成する必要がある。合金の熱弾性係数と、ひげぜんまいおよびてん輪の膨張係数とをリンクする式は次の通りである。
CT=dM/dT=((1/2E)(dE/dT)−β+(3/2)α)×86400(s/J°C))
変数MおよびTは、それぞれ率および温度である。Eはひげぜんまいのヤング率であり、この式では、E、β、およびαは°C-1で表される。CTは振動子の温度係数(通常、英語ではTC)であり、(1/E.dE/dT)はひげぜんまい合金の熱弾性係数、βはてん輪の膨張係数、αはひげぜんまいの膨張係数である。
本発明はさらに、以下のステップが連続して実施されることを特徴とする、渦巻き計時器ぜんまいの製造方法に関する。
− ニオブとチタンとを含む合金からブランクを生産するステップ(10)であって、ブランクは、ニオブを含む二元チタンベース合金であって、
− 100%になるまでの残材であるニオブと、
− 質量割合が厳密に全体の60.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンと、
− O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの他の微量成分とを含み、前記微量成分のおのおのは、全体における質量が、0から1600ppmの間に含まれ、前記微量成分の総和が、質量で0.3%以下である、ステップ(10)。
− ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることからなる変形/析出熱処理シーケンスのペアを、前記合金に適用するステップ(20)であって、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は1000MPa以上であり、弾性率は60GPaよりも大きく、80GPa以下である、ステップ(20)。
− ローラ圧縮またはワインダアーバの入口断面と適合し、主ぜんまいの場合には、さらなる処理動作のために、巻き取られてリングに挿入される準備ができた、円形断面かつ長方形形状に非成形圧延されたワイヤを得るために線引きするステップ(30)。
− 主ぜんまいを形成するために、最初の巻き取り前に、高音部記号の形状のコイルを形成する、またはひげぜんまいを形成するために巻く、または主ぜんまいを形成するためにリングに挿入して熱処理するステップ(40)。
特に、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理(22)と交互に行われる変形(21)を加えることを含む、変形/析出熱処理シーケンスのペアが、この合金に適用され(20)、α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は、2000MPa以上である。特に、この場合、処理サイクルは、合金の構造全体がベータになるように、所定の直径における事前ベータ焼入れ処理(15)と、その後の、変形/析出熱処理シーケンスの一連のペアとを含む。
これら変形/析出熱処理シーケンスのペアでは、各変形は、1から5の間に含まれる所定の変形率で実行され、変形率は、従来式2ln(d0/d)に一致し、d0は、最後のベータ焼入れの直径であり、dは、冷間加工ワイヤの直径である。一連の相全体にわたる変形の全体的な蓄積は、1から14の間に含まれる合計変形率を与える。変形/析出熱処理シーケンスの全ペアは、毎回、α相Tiの析出熱処理(300〜700°C、1h〜30h)を含む。
ベータ焼入れを含むこの方法の変形は、特に主ぜんまいの製造に適している。特に、このベータ焼入れは、真空下で700°Cから1000°Cの間に含まれる温度で、5分から2時間の間に含まれる持続時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われる。
特に、さらに、ベータ焼入れは、真空下において800°Cで、1時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われる。
変形/析出熱処理シーケンスのペアに戻り、特に、変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、350°Cから700°Cの間に含まれる温度で、1時間から80時間の間に含まれる持続時間の析出熱処理を含む。特に、この持続時間は、380°Cから650°Cの間に含まれる温度で、1時間から10時間の間に含まれる。特に、さらに、この持続時間は、380°Cの温度で、1時間から12時間である。好ましくは、たとえば、350°Cから500°Cの間に含まれる温度で、15時間から75時間の間に含まれる持続時間実行される熱処理である、長時間の熱処理が適用される。たとえば、熱処理は、350°Cにおいて75時間から400時間、400°Cにおいて25時間、または480°Cにおいて18時間適用される。
特に、この方法は、1から5、好ましくは3から5の、変形/析出熱処理シーケンスのペアを含む。
特に、変形/析出熱処理シーケンスの第1のペアは、断面が少なくとも30%減少した第1の変形を含む。
特に、変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、第1のペアを除いて、断面が少なくとも25%減少した2つの析出熱処理間の1つの変形を含む。
特に、前記合金ブランクの生産後、線引き前に、追加のステップ25において、引っ張り、線引き、および非成形圧延によって成形を容易にするために、銅、ニッケル、キュプロニッケル、キュプロマンガン、金、銀、ニッケル−リンNi−P、およびニッケル−ボロンNi−B等から選択される延性材料の表面層がブランクに追加される。線引き後、または非成形圧延後、またはその後のカレンダ加工、圧縮または巻き取り動作、または主ぜんまいの場合にはリングへの挿入および熱処理の後、ステップ50において、延性材料の層は、特にエッチングによってワイヤから除去される。
主ぜんまいについては、実際には、リングへの挿入と熱処理によって製造を実行することが可能であり、リングへの挿入が、カレンダ加工に代わる。主ぜんまいは一般に、リングへの挿入後、またはカレンダ加工後に熱処理される。
通常、ひげぜんまいは、巻き取り後にも熱処理される。
特に、最後の変形相は、平坦な非成形圧延の形態をとり、最後の熱処理は、圧延された、またはリングへ挿入された、または巻き取られたぜんまいに対して実行される。特に、線引き後、実際のぜんまいがカレンダ加工または巻き取りまたはリングへの挿入によって生産される前に、ワイヤが平坦に延ばされる。
変形例では、延性材料の表面層を堆積して、ピッチがストリップの厚さの倍数ではないひげぜんまいを形成する。別の変形例では、延性材料の表面層が堆積されて、ピッチが可変のぜんまいを形成する。
したがって、特定の時計用途では、延性材料または銅が、所定の時間に堆積されて、引っ張りおよび線引きによるワイヤの成形が容易になり、0.3から1ミリメートルである最終直径で、ワイヤの厚さが10から500マイクロメートルを維持することができる。延性材料または銅の層は、特にエッチングによってワイヤから除去され、その後、実際のぜんまいが生産される前に平坦に延ばされる。
延性材料または銅の追加は、ガルバニックまたは機械的なプロセスである場合があり、その後、粗い直径のニオブ−チタン合金バーに取り付けられ、その後、複合バーを変形させるステップ中に薄められる、延性材料または銅のスリーブまたはチューブとなる。
この層は、特にエッチングにより、シアン化物または酸ベースの溶液である、たとえば硝酸で除去することができる。
したがって、本発明は、典型的にはチタンの質量が60%のニオブ−チタン合金で製造された渦巻きぜんまいを生産することを可能にする。
変形ステップと熱処理ステップの適切な組合せにより、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む、非常に薄く、層状の二相微細構造(特に、ナノメートルの微細構造)を得ることが可能となる。α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きい。この合金は、ワイヤに対して少なくとも1000MPaよりも大きい、または1500MPaよりも大きい、さらには2000MPaよりも大きい非常に高い弾性限界と、60GPaから80GPaのオーダの非常に低い弾性率とを組み合わせる。この特性の組合せは、主ぜんまいまたはひげぜんまいに非常に適している。このニオブ−チタン合金は、延性材料または銅で容易にコーティングでき、線引きによる変形を大幅に促進する。
このような合金は知られており、磁気共鳴イメージングデバイスや粒子加速器などの超伝導体の製造に使用されているが、時計には使用されていない。その薄い二相微細構造は、物理的理由から超伝導体の場合に望まれ、合金の機械的特性を改善するという歓迎すべき副作用を有する。
そのような合金は、主ぜんまいを生産するのに特に適しており、ひげぜんまいを生産するのにも適している。
本発明を実施するために上述したタイプのニオブとチタンを含む二元合金は、渦巻ワイヤとして使用することもでき、エリンバと同様の効果があり、腕時計の通常の動作温度範囲内で熱弾性係数が実質的にゼロであり、温度補償ひげぜんまいの製造のために、特に、60%から最大85%までの質量割合のチタンを有するニオブ−チタン合金のために適している。
10 ニオブとチタンとを含む合金からブランクを生産するステップ
15 所定の直径における事前ベータ焼入れ処理
20 ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることからなる変形/析出熱処理シーケンスのペアを、前記合金に適用するステップ
21 変形
22 熱処理
30 ローラ圧縮またはワインダアーバの入口断面と適合し、主ぜんまいの場合には、さらなる処理動作のために、巻き取られてリングに挿入される準備ができた、円形断面かつ長方形形状に非成形圧延されたワイヤを得るために線引きするステップ
40 主ぜんまいを形成するために、最初の巻き取り前に、高音部記号の形状のコイルを形成する、またはひげぜんまいを形成するために巻く、または主ぜんまいを形成するためにリングに挿入して熱処理するステップ

Claims (14)

  1. 渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法であって、連続して実施される以下のステップ、すなわち
    − ニオブとチタンとを含む二元合金から、ブランクを生産するステップであって、前記ブランクは、
    − 100%になるまでの残材であるニオブと、
    − 質量割合が厳密に全体の60.0%以上で、全体の85.0%以下であるチタンと、
    − O、H、C、Fe、Ta、N、Ni、Si、Cu、Alからの他の微量成分とを含み、前記微量成分のおのおのは、全体における質量が、0から1600ppmの間に含まれ、前記微量成分の総和が、質量で0超から0.3%以下である、ステップと、
    − 前記合金の構造全体がベータになるようにする事前ベータ焼入れ処理と、その後、ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることを含む、変形/析出熱処理シーケンスの一連のペアを、前記合金に適用することとを含む処理サイクルを実行するステップであって、前記α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は1000MPa以上であり、弾性率は60GPaよりも大きく、80GPa以下である、ステップと、
    − 所望サイズの円形断面かつ長方形形状に非成形圧延されたワイヤを得るために線引きするステップと、
    − 前記得られたワイヤで高音部記号の形状のコイルを形成し、リングに挿入して熱処理を行って、主ぜんまいを形成するステップ、または
    − 前記得られたワイヤを巻き取り、その後熱処理してひげぜんまいを形成するステップと
    を有することを特徴とする、渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  2. 前記処理サイクルを実行するステップの前記変形/析出熱処理シーケンスの一連のペアの内の最後の変形処理は、平坦な非成形圧延の形態で実行され、最後の熱処理は、カレンダ加工、またはリングへの挿入、または巻き取りがなされた前記ぜんまいに対して実行されることを特徴とする、請求項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  3. ニオブおよびβ相チタンの固溶体と、ニオブおよびα相チタンの固溶体とを含む二相微細構造が得られるまで、熱処理と交互に行われる変形を加えることを含む、変形/析出熱処理シーケンスのペアが、前記合金に対して行われ、前記α相チタンの含有量は、体積で10%よりも大きく、弾性限界は、2000MPa以上であり、前記処理サイクルは、合金の構造全体がベータになるようにする事前ベータ焼入れ処理と、その後の、前記変形/析出熱処理シーケンスの一連のペアとを含み、各変形は、変形前後の直径比で示されるとともにあらかじめ決定された1から5で示される5段階の内のいずれかの変形率をもって行われ、各変形の変形率の合計は1から14であり、前記変形/析出熱処理シーケンスのペアは、毎回、α相Tiの析出熱処理を含むことを特徴とする、請求項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  4. 前記ベータ焼入れは、真空下で700°Cから1000°Cの間に含まれる温度で、5分から2時間の間に含まれる持続時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われることを特徴とする、請求項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  5. 前記ベータ焼入れは、真空下において800°Cで1時間行われる溶体化処理であり、その後ガス冷却が行われることを特徴とする、請求項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  6. 変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、350°Cから700°Cの間に含まれる温度で、1時間から80時間の間に含まれる持続時間の析出処理を含むことを特徴とする、請求項から請求項のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  7. 変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、380°Cから650°Cの間に含まれる温度で、1時間から10時間の間に含まれる持続時間の析出処理を含むことを特徴とする、請求項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  8. 変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、450°Cにおいて、1時間から12時間の間の持続時間の析出処理を含むことを特徴とする、請求項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  9. 前記方法は、1から5で示される5段階の変形率を有する前記変形/析出熱処理シーケンスのペアを含むことを特徴とする、請求項から請求項のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  10. 前記変形/析出熱処理シーケンスの第1のペアは、前記ブランクのあらかじめ決定した位置の断面が少なくとも30%減少した第1の変形を含むことを特徴とする、請求項から請求項のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  11. 前記変形/析出熱処理シーケンスの各ペアは、前記第1のペアを除いて、断面が少なくとも25%減少した2つの析出熱処理間の1つの変形を含むことを特徴とする、請求項10に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  12. 前記合金ブランクの生産後、前記線引きする前に、引っ張りおよび非成形圧延によって前記ワイヤの成形を容易にするために、銅、ニッケル、キュプロニッケル、キュプロマンガン、金、銀、ニッケル−リンNi−P、およびニッケル−ボロンNi−Bから選択される延性材料の表面層が、前記ブランクに追加され、前記線引き後、または前記非成形圧延後、またはその後のカレンダ加工または巻き取りまたはリングへの挿入動作の後、延性材料の前記層は、エッチングによって前記ワイヤから除去されることを特徴とする、請求項から請求項11のいずれか一項に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  13. 前記線引き後、実際のぜんまいが、カレンダ加工または巻き取りまたはリングへの挿入によって生産される前に、前記ワイヤが平坦に延ばされることを特徴とする、請求項12に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
  14. 延性材料の前記表面層を堆積して、ピッチが一定であり、ストリップの厚さの倍数ではないぜんまいを形成することを特徴とする、請求項12または請求項13に記載の渦巻き計時器ぜんまいを製造するための方法。
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