JP6954935B2 - 上側コンクリートポール、型枠、及び該型枠により上側コンクリートポールを製造する方法 - Google Patents
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このような第1の従来の分割式コンクリートポールを使用すれば上述した運搬時の通行許可の申請や誘導車の設置の義務は負わないが、1本もののコンクリートポールを使用する場合に比べてフランジ結合式継手部のコストが高いため全体の製品コストが2倍以上かかってしまうという問題点がある。
しかしながら、この従来例によれば、キャップ全体が鋼製であるため、単なるコンクリート製のキャップを使用することを仮定したときこれに比して2倍程度のコストを要するという問題点があった。
即ち、図1及び図2中、上側コンクリートポール21A(上方に行くに従って徐々に径が小さくなるテーパー形状を有する)は、複数の軸方向鉄筋1a及びらせん鉄筋1bよりなる鉄筋籠1と、この鉄筋籠1を被包する筒形コンクリート部12と、仕切板3Aを溶接固着したテーパー形状継手鋼管2Aとを具備し、軸方向鉄筋1aの下端をナット9により仕切板3Aに固着したものである。この上側コンクリートポール21Aの継手鋼管2Aの下方穴に、下方より下側コンクリートポール22が挿入嵌合されて、両コンクリートポール21A及び22が接合されて分割式コンクリートポールが完成する。次に、この上側コンクリートポール21Aの製造方法について説明する。
次に、図2に示す如く、継手鋼管2Aの下方穴から、複数の継足し棒10を挿入して、各継足し棒10上端部を継手11により上記軸方向鉄筋1aの突出した下端部に接続固着する。続いて、軸方向鉄筋1aの上端及び継足し棒10の下端に夫々、末口端板5及び元口端板6をナット7及び8により固着する。
次に、コンクリート部12が固化した後に、コンクリート部12が付着された上記組立体を型枠4Aから取り出し、両端板5及び6、更には継足し棒10を取り外す。これにより、鉄筋1aの張力が解放されるので、コンクリート部12が圧縮力を付与されて強化され、上側コンクリートポール21Aが完成する。
即ち、図3中、継足し棒10が無いと、鉄筋1aに軸方向張力を付与するために末口端板5側のナット7を締め付けると、本来は継手鋼管2Aは、その外径テーパー形状が型枠4Aの内径テーパー形状に対して、両テーパー形状間の間隙の存在に起因して図中上方へ若干距離だけ引っ張られ移動されるが上記間隙が消失した時点の所定の軸方向位置(図3中二点鎖線参照)で停止するはずである。
筒形コンクリート部(12)と、
該筒形コンクリート部(12)に埋設された、軸方向鉄筋(1a)及びらせん筋(1b)からなる鉄筋籠(1)と、
該筒形コンクリート部(12)の下部に連結される継手金属管(2B)と、
該継手金属管(2B)に固着され、前記軸方向鉄筋(1a)の下端が結合固着される仕切板部材(3B)とを具備し、
前記継手金属管(2B)及び筒形コンクリート部(12)の境界において、該継手金属管(2B)の外径寸法(D2)が、該筒形コンクリート部(12)の外径寸法(d)より大きいことにより、該筒形コンクリート部(12)及び継手金属管(2B)の継ぎ目に、前記二つの外径寸法の差(D2−d)に基づく外周段差部(13A)であって、前記筒形コンクリート部(12)を形成するために前記鉄筋籠(1)と前記仕切板部材(3B)を有する前記継手金属管(2B)とを型枠(4B)内に収納したときに、該型枠(4B)の段差部(13B)に当接し得る前記外周段差部(13A)が形成されることを特徴とする。
好ましくは、前記筒形コンクリート部(12)及び前記継手金属管(2B)は夫々上側へ行くに従って徐々に径が小さくなるテーパー形状を有する。
又好ましくは、前記仕切板部材(3B)は、前記継手金属管(2B)の内周に溶接固着される。
更に好ましくは、前記継手金属管(2B)の材料は鋼である。
本発明の目的を達成するための第2の本発明の構成は、下側コンクリートポール(22)と結合されて一本のコンクリートポールを形成する上側コンクリートポール(21B)を成型する型枠(4B)であって、前記上側コンクリートポール(21B)は、筒形コンクリート部(12)により被包される軸方向鉄筋(1a)及びらせん筋(1b)からなる鉄筋籠(1)と、該軸方向鉄筋(1a)下端が結合固着された仕切板部材(3B)と外周段差部(13A)とを有する継手金属管(2B)とを具備するような、前記型枠(4B)において、前記型枠(4B)は、
前記鉄筋籠(1)を収納する上側型枠(4B1)と、継手金属管(2B)を収納する下側型枠(4B2)とから構成され、
前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)の境界において、前記下側型枠(4B2)の内径寸法(D2)が、前記上側型枠(4B1)の内径寸法(d)より大きいことにより、該下側型枠(4B2)及び上側型枠(4B1)の継ぎ目に、前記二つの内径寸法の差(D2−d)に基づく段差部(13B)であって、前記継手金属管(2B)の外周段差部(13A)に当接し得る前記段差部(13B)が形成されることを特徴とする。
更に好ましくは、前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)は、軸芯位置合わせ用のガイド部分((4d、4e)を形成される。
本発明の目的を達成するための第3の本発明の構成は、下側コンクリートポール(22)と結合されて一本のコンクリートポールを形成する上側コンクリートポール(21B)を、型枠(4B)により製造する上側コンクリートポール(21B)の方法であって、
(1)前記上側コンクリートポール(21B)のための軸方向鉄筋(1a)及びらせん筋(1b)からなる鉄筋籠(1)を形成する段階と、
(2)仕切板部材(3B)を有する継手金属管(2B)を形成する段階であって、前記継手金属管(2B)及び筒形コンクリート部(12)の境界において、前記継手金属管(2B)の外径寸法(D2)が、後続工程で前記鉄筋籠(1)を包んで形成される筒形コンクリート部(12)の外径寸法(d)より大きいことにより、前記継手金属管(2B)に、前記二つの外径寸法の差(D2−d)に基づく外周段差部(13A)が形成される、前記継手金属管(2B)を形成する段階と、
(3)前記軸方向鉄筋(1a)の上端に末口端板(5)を取付け、且つ該軸方向鉄筋(1a)の下端を前記仕切板部材(3B)に結合固着する段階と、
(4)前記型枠(4B)が、上側型枠(4B1)と下側型枠(4B2)とを組合せて形成される段階であって、前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)の境界において、前記下側型枠(4B2)の内径寸法(D2)が、前記上側型枠(4B1)の内径寸法(d)より大きいことにより、該下側型枠(4B2)及び上側型枠(4B1)の継ぎ目に、前記二つの内径寸法の差(D2−d)に基づく段差部(13B)が形成される、前記型枠(4B)を形成する段階と、
(5)前記鉄筋籠(1)及び継手金属管(2B)を夫々、前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)内に、前記二つの段差部(13A及び13B)どうしを当接させた状態で、収納する段階と、
(6)前記末口端板(5)から突出した前記軸方向鉄筋(1a)を締め付けて該軸方向鉄筋(1a)に張力を付与する段階と、
(7)前記鉄筋籠(1)及び継手金属管(2B)を収納した前記上側型枠(4B1)内に、コンクリート(12)を注入して高速回転させることにより、前記鉄筋籠(1)を包んだ前記コンクリート部(12)を形成する段階と、
(8)コンクリート部(12)の固化後に、前記鉄筋籠(1)、コンクリート部(12)及び継手金属管(2B)からなる上側コンクリートポール(21B)を前記型枠(4B)から取り外して、前記コンクリート部(12)に圧縮力を付与された前記上側コンクリートポール(21B)を得る段階と、を具備する。
更に好ましくは、前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)は、軸芯位置合わせ用のガイド部分((4d、4e)を形成される。
(2)筒形コンクリート部12及び継手金属管2Bは夫々上側へ行くに従って徐々に径が小さくなるテーパー形状を有するため、全体として重量を軽減し得る。
(3)仕切板部材3Bは、継手金属管2Bの内周に溶接固着されているため、取付作業が容易で作業費を低減し得る。
(4)継手金属管2Bの材料は鋼であるから、強度を向上し得る。
(5)第2の本発明によれば、型枠4Bの上側型枠4B1及び下側型枠4B2の継ぎ目に段差部13Bが設けられているため、この型枠4B内に鉄筋籠1及び金属継手管2Bの組立体が収納される時に上記段差部13Bに対して、上記組立体の外周段差部13Aが当接するため、引き続いて、鉄筋籠1の軸方向鉄筋1aに付与した軸方向緊張力は、これら段差部13A及び13Bの当接部分により受けることができ、従って、従来の継足し棒10(図2参照)の如き部材が不要となるから、継足し棒10を着脱させる困難な作業が不要となり、作業効率を向上し得且つ継足し棒10が不要になる分材料費を低減し得る。また、上側型枠4B1は従来の型枠4Aをそのまま流用できるので、一層コストを低減し得る。
(6)筒形コンクリート部12及び継手金属管2Bは夫々上側へ行くに従って徐々に径が小さくなるテーパー形状を有するため、全体として重量を軽減し得る。
(7)下側型枠4B2の軸方向長さは、継手金属管2Bの軸方向長さより短いため、それだけ材料費を低減し得る。
(8)上側型枠4B1及び下側型枠4B2は、軸芯位置合わせ用のガイド部分4d、4eを形成されているため、軸芯位置合わせ作業が容易である。
(9)上側型枠4B1及び下側型枠4B2は単一部材により形成されるため、製作コストを低減し得る。
(10)第3の本発明によれば、鉄筋籠1及び金属継手管2Bの組立体を形成する際に、後続工程で形成されるコンクリート部12と金属継手管2Bの継ぎ目に外周段差部13Aが形成され、しかも型枠4Bの上側型枠4B1及び下側型枠4B2の継ぎ目に段差部13Bが形成されているため、鉄筋籠1及び金属継手管2Bの組立体が型枠4B内に収納される時に、上記外周段差部13Aが型枠4Bの段差部13Bに当接するため、引き続いて、鉄筋籠1の軸方向鉄筋1aに付与した軸方向緊張力は、これら段差部13A及び13Bの当接部分により受けることができる。
最初に、図5及び図6に基づいて、本実施の形態に係る上側コンクリートポール21Bの構造について説明するが、各図中、図1及び図2と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
本発明の継手鋼管2Bは、従来の継手鋼管2Aに比して、後述する段差部13Aを形成する目的のために、前者の上端部の外径寸法D2(図6)が後者の上端部の外形寸法D1(図2)よりも大きいが(D2>D1)、この各継手鋼管2A、2Bの上端位置において、上側型枠4B1の内径寸法d(図6)及び従来型枠4Aの内径寸法d(図2)は互いに等しい。
次に、本発明の型枠4Bは、従来の型枠4Aが単一構造であったのに比して、別部材の上側型枠4B1及び下側型枠4B2を、互いのフランジ部分4b及び4cを突き合わせ、ボルト及びナット(図示せず)により結合してなる。
即ち、本発明の上側型枠4B1の形状及び寸法は、従来例の型枠4Aの継手鋼管2A上端部よりも上方の部分と同一で良いから、各継手鋼管2A、2Bの上端部位置における上側型枠4B1の内径寸法d(図6)及び従来型枠4Aの内径寸法d(図2)は互いに等しい。
次に、本発明の上側コンクリートポール21Bの製造方法について説明する。
(1)最初に、上側コンクリートポール21Bのための、らせん筋1aと複数の軸方向鉄筋1aとを編んで鉄筋籠1を形成する。
(3)軸方向鉄筋1aの上端に末口端板5をナット7により取付け、且つ該軸方向鉄筋1aの下端を前記仕切板部材3Bに対してナット9により結合固着する。
(7)しかる後に、図9に示す如く、型枠4Bを回転駆動手段23上に載置して、その上側型枠4B1内に、コンクリート12を注入しつつ高速回転させる。これにより、コンクリート12を上側型枠4B1内面に付着させて、鉄筋籠1を包んだコンクリート部12を形成する。なお、注入されたコンクリート12は上型枠4B1内部から下側型枠4B2内部まで至るが、仕切板3Bにより遮られるので、これ以上進出することはない。
本発明の継手鋼管2Bの外径寸法D2とコンクリート部12の外形寸法dとの差(D2―d)は、継手鋼管2B上端とコンクリート部12下端の継ぎ目の段差は単に鋼管厚み幅分と小さいので、半径方向段差が比較的小さくなって、外観を損ねることがない。
1a 軸方向鉄筋
1b らせん筋
2A、2B 継手鋼管
2a 継手鋼管2A上端部
4A、4B 型枠
4B1 上側型枠
4B2 下側型枠
4X、4Y 型枠半体
4a めり込み部
4b、4c フランジ部
4d、4e 位置合せガイド部
5 末口端板
6 元口端板
7、8、9 ナット
10 継足し棒
11 継手
12 コンクリート部
13A,13B 段差部
21A、21B 上側コンクリートポール
22 下側コンクリートポール
23 回転駆動手段
Claims (9)
- 下側コンクリートポール(22)と結合されて一本のコンクリートポールを形成する上側コンクリートポール(21B)において、前記上側コンクリートポール(21B)は、
筒形コンクリート部(12)と、
該筒形コンクリート部(12)に埋設された、軸方向鉄筋(1a)及びらせん筋(1b)からなる鉄筋籠(1)と、
該筒形コンクリート部(12)の下部に連結される継手金属管(2B)と、
該継手金属管(2B)に固着され、前記軸方向鉄筋(1a)の下端が結合固着される仕切板部材(3B)とを具備し、
前記継手金属管(2B)及び筒形コンクリート部(12)の境界において、該継手金属管(2B)の外径寸法(D2)が、該筒形コンクリート部(12)の外径寸法(d)より大きいことにより、該筒形コンクリート部(12)及び継手金属管(2B)の継ぎ目に、前記二つの外径寸法の差(D2−d)に基づく外周段差部(13A)であって、前記筒形コンクリート部(12)を形成するために前記鉄筋籠(1)と前記仕切板部材(3B)を有する前記継手金属管(2B)とを型枠(4B)内に収納したときに、該型枠(4B)の段差部(13B)に当接し得る前記外周段差部(13A)が形成されることを特徴とする、上側コンクリートポール。 - 請求項1に記載の上側コンクリートポールにおいて、
前記筒形コンクリート部(12)及び前記継手金属管(2B)は夫々上側へ行くに従って徐々に径が小さくなるテーパー形状を有する、上側コンクリートポール。 - 請求項1又は2に記載の上側コンクリートポールにおいて、
前記仕切板部材(3B)は、前記継手金属管(2B)の内周に溶接固着される、上側コンクリートポール。 - 請求項1乃至3の何れかに記載の上側コンクリートポールにおいて、
前記継手金属管(2B)の材料は鋼である、上側コンクリートポール。 - 下側コンクリートポール(22)と結合されて一本のコンクリートポールを形成する上側コンクリートポール(21B)を、型枠(4B)により製造する上側コンクリートポール(21B)の製造方法であって、
(1)前記上側コンクリートポール(21B)のための軸方向鉄筋(1a)及びらせん筋(1b)からなる鉄筋籠(1)を形成する段階と、
(2)仕切板部材(3B)を有する継手金属管(2B)を形成する段階であって、前記継手金属管(2B)及び筒形コンクリート部(12)の境界において、前記継手金属管(2B)の外径寸法(D2)が、後続工程で前記鉄筋籠(1)を包んで形成される筒形コンクリート部(12)の外径寸法(d)より大きいことにより、前記継手金属管(2B)に、前記二つの外径寸法の差(D2−d)に基づく外周段差部(13A)が形成される、前記継手金属管(2B)を形成する段階と、
(3)前記軸方向鉄筋(1a)の上端に末口端板(5)を取付け、且つ該軸方向鉄筋(1a)の下端を前記仕切板部材(3B)に結合固着する段階と、
(4)前記型枠(4B)が、上側型枠(4B1)と下側型枠(4B2)とを組合せて形成される段階であって、前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)の境界において、前記下側型枠(4B2)の内径寸法(D2)が、前記上側型枠(4B1)の内径寸法(d)より大きいことにより、該下側型枠(4B2)及び上側型枠(4B1)の継ぎ目に、前記二つの内径寸法の差(D2−d)に基づく段差部(13B)が形成される、前記型枠(4B)を形成する段階と、
(5)前記鉄筋籠(1)及び継手金属管(2B)を夫々、前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)内に、前記二つの段差部(13A及び13B)どうしを当接させた状態で、収納する段階と、
(6)前記末口端板(5)から突出した前記軸方向鉄筋(1a)を締め付けて該軸方向鉄筋(1a)に張力を付与する段階と、
(7)前記鉄筋籠(1)及び継手金属管(2B)を収納した前記上側型枠(4B1)内に、コンクリート(12)を注入して高速回転させることにより、前記鉄筋籠(1)を包んだ前記コンクリート部(12)を形成する段階と、
(8)コンクリート部(12)の固化後に、前記鉄筋籠(1)、コンクリート部(12)及び継手金属管(2B)からなる上側コンクリートポール(21B)を前記型枠(4B)から取り外して、前記コンクリート部(12)に圧縮力を付与された前記上側コンクリートポール(21B)を得る段階と、
を具備する上側コンクリートポール(21B)を製造する方法。 - 請求項5に記載の製造方法において、
前記筒形コンクリート部(12)、前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)の各内径は夫々、上側へ行くに従って径が徐々に小さくなるテーパー形状を有する、製造方法。 - 請求項5又は6に記載の製造方法において、
前記下側型枠(4B2)の軸方向長さは、前記継手金属管(2B)の軸方向長さより短い、製造方法。 - 請求項5乃至7の何れかに記載の製造方法において、
前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)は、軸芯位置合わせ用のガイド部分(4d,4e)を形成された、製造方法。 - 請求項5乃至7の何れかに記載の製造方法において、
前記上側型枠(4B1)及び下側型枠(4B2)は一体的部材により形成された、製造方法。
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