JP6954782B2 - 環境付加価値の証券化システム - Google Patents

環境付加価値の証券化システム Download PDF

Info

Publication number
JP6954782B2
JP6954782B2 JP2017149065A JP2017149065A JP6954782B2 JP 6954782 B2 JP6954782 B2 JP 6954782B2 JP 2017149065 A JP2017149065 A JP 2017149065A JP 2017149065 A JP2017149065 A JP 2017149065A JP 6954782 B2 JP6954782 B2 JP 6954782B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
environmental
power
added
generator
securities
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017149065A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019028827A (ja
Inventor
高村 幸宏
幸宏 高村
英弘 市川
英弘 市川
良啓 加藤
良啓 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Electric Power Co Inc
Original Assignee
Chubu Electric Power Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chubu Electric Power Co Inc filed Critical Chubu Electric Power Co Inc
Priority to JP2017149065A priority Critical patent/JP6954782B2/ja
Publication of JP2019028827A publication Critical patent/JP2019028827A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6954782B2 publication Critical patent/JP6954782B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y04INFORMATION OR COMMUNICATION TECHNOLOGIES HAVING AN IMPACT ON OTHER TECHNOLOGY AREAS
    • Y04SSYSTEMS INTEGRATING TECHNOLOGIES RELATED TO POWER NETWORK OPERATION, COMMUNICATION OR INFORMATION TECHNOLOGIES FOR IMPROVING THE ELECTRICAL POWER GENERATION, TRANSMISSION, DISTRIBUTION, MANAGEMENT OR USAGE, i.e. SMART GRIDS
    • Y04S10/00Systems supporting electrical power generation, transmission or distribution
    • Y04S10/50Systems or methods supporting the power network operation or management, involving a certain degree of interaction with the load-side end user applications

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Financial Or Insurance-Related Operations Such As Payment And Settlement (AREA)

Description

本発明は、環境付加価値の証券化システムに係り、詳しくは、グリーン電力発電者と環境付加価値の購入者とが証券化により円滑に取引できるシステムに関する。
石炭、石油、天然ガスなどの化石燃料を使ったエネルギー供給システムは、化石燃料の枯渇が問題とされているだけでなく、二酸化炭素の排出の増大による地球の温暖化にも影響を与えているとされている点も大きな問題となっている。かかる化石燃料消費に起因する問題の深刻化に伴い、化石燃料に依存しない新エネルギーへの期待が年々高まっている。
例えば原子力発電も化石燃料を消費しない点でメリットがあるが、近年、再生可能エネルギーを用いた発電、例えば、地熱発電、潮汐発電、波力発電、風力発電、水力発電、太陽光発電などであれば、資源が枯渇する心配もなく、燃焼による二酸化炭素の排出を伴わない。さらに、エネルギーの輸入を伴わず、その上、安全性や環境性が高いとされていることから期待が大きい。
さらに、再生可能エネルギーによる発電のうち、水力発電、地熱発電、潮汐発電、風力発電などは一般的に大規模な設備が必要であるが、これらと比較して太陽光発電は、設備投資の単位が小さく、小規模な事業としても参入しやすくなっている。また、我が国としても、遊休地の活用にもなるため、このような小規模の太陽光発電を奨励するために発電した電力を一定の価格で買い上げるような政策も採用された。さらに、供給が不安定な小規模発電事業者の発電する電力もスマートメーターを用いてリアルタイムで詳細に管理することで電力の売買が容易になってきている。
このような化石燃料の燃焼を伴わず、二酸化炭素の排出を伴わない発電による電力は、グリーン電力と呼ばれ、化石燃料の燃焼による二酸化炭素の排出を伴う発電による電力に比べて、環境に対する負荷のコストが低く付加価値を生み出すとして、この価値が「環境付加価値」、「環境価値」若しくは「グリーン電力付加価値」などと呼ばれている。
このようなことから、例えば特許文献1に示すように、グリーン電力発電者の環境付加価値を電力の供給とは切り離して、通信システムを介して環境付加価値の売買を行うようなシステムが提案された。
図7は、従来の証券化した環境付加価値及び電力の取引を示す模式図である。図の上側は、通信回線を通じた環境付加価値に関する情報の流れを示し、下側は、実際の電力の取引の流れを示す。
従来の再生可能エネルギーを市場に導入促進する仕組みとしては、グリーン電力発電者102は、太陽光発電をしてグリーン電力GEを送配電事業者107に販売する。一方送配電事業者107は、グリーン電力発電者102から購入したグリーン電力GEに対する対価(購入電力料)を支払う。
グリーン電力発電者102は、グリーン発電して生じた環境付加価値EVをグリーン電力証書発行事業者105に移転するとともに、グリーン電力証書発行事業者105を介して、第三者機関である財団法人日本エネルギー経済研究所・クリーンエネルギー認証センター106に発電設備や電力量の申請を行う。グリーンエネルギー認証センター106では、グリーン電力発電者102の設備を認証し電力量を認証する。この認証を受けて、グリーン電力証書発行事業者105が、電力需要者である証書購入者103からのグリーン電力証書TGCの購入申し込みがあった場合に、グリーン電力証書発行事業者105が保有する環境付加価値EVに基づいて、環境付加価値EVを証書購入者103に移転して、その証しとなるグリーン電力証書TGCを発行する。証書購入者103は移転を受けた環境付加価値EVに応じた対価を支払う。
証書購入者103は、再生可能エネルギー以外の化石燃料による発電による非グリーン電力EPを送配電事業者108から供給を受けていた場合でも、グリーン電力証書TGCを有する範囲内で、グリーン電力GEの供給を受けていたものと看做される。
すなわち大口電力需要者である証券購入者103は、電力とは切り離され証券化された「グリーン電力証書TGC」を購入することで、自らが供給を受けた非グリーン電力EPの発電方法の如何を問わず、グリーン電力GEを用いたのと同等なものとして、環境に貢献したものと社会から認知される。
特開2003−108655号公報
従来、我が国は政策的に固定価格買取制度が採用され、電力は定額で一律に買い上げられていた。そのために、環境付加価値も発電量に応じて定率で発生したため、その取引が比較的単純で、小口の環境付加価値をまとめて一定単位で証券化することも容易であった。
しかしながら、グリーン電力の市場が開放され、固定価格買取制度が終了すると電力の価格が変動する。そうすると、それに伴い環境付加価値の価格も変動することとなる。さらに、環境付加価値と電力とは切り離されて取引される。そのため、小規模発電事業者により単位時間ごとに小口で価格の決まっていないおびただしい数の環境付加価値が発生することとなり、これらが市場に出回わる。これらをリアルタイムで取引しようとすると、その処理が膨大で複雑になるため、現在の方法では、対応できないものとなることが予想される。
そこで、本発明では、小規模なグリーン電力発電者であっても、需要者と小さな単位で証券化した環境価値の取引をネットワーク上で円滑・容易にできる環境価値の証券化システムを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の環境付加価値の証券化システムでは、複数のグリーン電力を発電する発電者の発電者端末と、複数の電力の需要者の需要者端末と、環境証券取引所の取引サーバとを有するブロックチェーンを構成するコンピュータネットワークを備え、前記取引サーバは、前記グリーン電力発電者の発電量の情報を受信し、当該発電量に応じて生じた環境付加価値に応じた環境付加価値ポイントを付与した環境証券を発電者端末に付与し、前記需要者端末は、電力需要者により購入された仮想通貨ポイントを保持し、前記取引サーバは、前記発電者端末から前記環境証券を前記仮想通貨ポイントに交換する要求である売り注文と、前記需要者端末から前記仮想通貨ポイントを前記環境証券に交換する要求である買い注文とを受信したときに、特定の集計時間帯における前記売り注文の数量と買い注文の数量に基づいて交換レートを算出するとともに、前記集計時間帯に基づいて算出された交換レートで、その後の一定の売買時間帯に新たに受けた売り注文に対し環境証券を仮想通貨ポイントに交換をして前記発電者端末に仮想通貨ポイントを付与し、買い注文に対し仮想通貨ポイントを環境証券に交換して前記需要者端末に環境証券を付与し、当該取引は、前記取引サーバによりブロックにまとめられブロックチェーンのリストに登録されることを要旨とする。
本発明によれば、環境付加価値を保有することを証明する環境証券が、ブロックチェーンにおいて仮想的に発行され付与されるため、ブロックチェーンの参加者は、その記録が容易に閲覧できるとともに、不正や改竄が防止される。
また、見えない環境付加価値がネットワーク上で環境証券として証券化されるため、可視化されてネットワーク上で容易かつ瞬時に取引を行うことができる。
そして、交換レートの決定と、その交換レートによる環境証券と仮想通貨ポイントとの交換が連続的に行われるため、グリーン電力発電者及び電力需要者は、環境証券の需給状況が反映された適切な交換レートが確定した条件で、環境証券の売買ができる。
本発明は、望ましくは、前記発電者の発電した発電量は、各発電者に配置されたスマートメーターにより検出されて積算され、一定時間ごとに前記環境証券取引所の取引サーバにスマートメーターデータが送信されることで、一定時間ごとに取引サーバが対応する発電者に環境証券を付与する。
さらに、本発明は、望ましくは、前記集計時間帯に、その終了後次の集計時間帯が連続しており、前記売買時間帯に、その終了後次の売買時間帯が連続する。
また、望ましくは、前記発電者に発生した環境付加価値と、前記需要者に発生した環境付加価値の必要量が、前記取引サーバが各発電者と各需要者に一定時間ごとに比較可能に提示する。
本発明によれば、小規模なグリーン電力発電者であっても、大口需要者と小さな単位で証券化した環境価値をネットワーク上で円滑・容易の取引することができる。
電力自体の取引を示す模式図。 環境付加価値の取引を示す模式図。 本発明の環境付加価値の証券化システムによる環境付加価値の取引について説明する図。 発生する環境付加価値ポイントEptと潜在的に必要とされる環境価値ポイントEptの需給関係を表す表。 環境証券TECの売り注文と買い注文に基づいて算出される交換レートXを示す表。 集計時間帯Taと処理時間帯Tbと売買時間帯Tcを説明するタイムチャート。 従来の証券化した環境付加価値及び電力の取引を示す模式図。
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した環境付加価値の証券化システムの一実施形態を図1〜図6を参照して説明する。図1は、電力自体の取引を示す模式図であり、図2は、環境付加価値の取引を示す模式図である。
<環境価値の証券化システムの全体構成>
図1に示すように、環境付加価値の証券化システムは、全体として発電者端末21、需要者端末31、CIS端末41、SMサーバ51、取引サーバ61を含む複数の各参加者のコンピュータを備えた、ブロックチェーン1として構成される。各コンピュータは、ネットワークの端末として構成され、図示しない周知の入力手段、記憶手段、表示手段、通信手段、これらを制御するCPUを備える。また、通信方法は、インターネットや専用回線を利用し、クラウドコンピューティングを利用することができる。
<ブロックチェーン>
本発明のブロックチェーン1は、分散型台帳技術であり、個々の取引(トランザクション)は、複数個まとめられブロックと呼ばれるセットとされる。このブロックをチェーンのように順序付けられた連続的に増加するリストを持つ。リストへのブロックの追加は各参加者の端末に対して同時に行われるため、各参加者の端末には同一のリストが記憶される。各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンクが含まれている。あるブロックの内容は直前のブロックのハッシュ値に依存するため、いったんチェーンに追加されたブロックを改竄することは(それ以降のブロックを全て破棄しない限り)できないとされているため、理論上、一度記録すると、ブロック内のデータを遡及的に変更することはできない。そのため、ブロックチェーンデータベースはP2Pネットワークと分散型タイムスタンプサーバーの使用により特定の管理者がいなくても自律的に管理される。
ブロックのリストへの記録はマイナーと呼ばれるいずれかの参加者が行う。そこで、マイナーとなる参加者を決定するマイニングが行われるが、その決定方法には、一般に特定の問題の回答時間によって決まるProof of Work(POW)や、仮想コインの所有の多寡により決まるProof of Stakes(POS)などがあるが、重要な役割を果たす参加者が固定的にマイナーとなるProof of Importance(POI)とすることもでき、本実施形態ではその処理能力と管理のため、環境証券取引所6の取引サーバ61が常時マイナーの機能を果たす。
また、一般にブロックチェーンには、仮想通貨のような参加の許可が不要な許可不要タイプ(Permission−lessタイプ・オープンタイプ)もある。本発明のブロックチェーン1は、環境証券取引所6にのみより参加の許可が与えられる許可タイプ(Permissionedタイプ・クローズドタイプ)であるPrivate型となっている。
なお、本発明のブロックチェーン1は、マイナーが固定されたPOIタイプのブロックチェーンであるが、従来のいわゆる中央集権型のサーバーシステムと比較すると、以下のようなメリットがある。すなわち、ブロックチェーンは多重台帳であるため記録の喪失や改変等に対して安全性が高い。中央集権型のシステムのように環境証券取引所6の取引サーバ61を万全を期すために高価な多重化を行う必要がなくなり、システム導入コストが削減できる。
また、ブロックチェーンの取引履歴の改竄が困難であることは、仮想通貨の運用などから公的に認められており,国税処理等に係る公的証明や人件費を軽減することが可能となる。
また、本発明のブロックチェーン1では、各参加者が、その取引残高を直接閲覧できるだけでなく、複雑な取引においてその契約内容自体をブロックチェーン1に書き込み・閲覧ができるスマートコントラクトを採用しているため、各参加者間での契約を記録・閲覧ができるようになっている。そのため、各参加者が各種契約の存否などの確認を随時容易に行うことができ、取引の安全性も格段に向上する。
<発電者端末>
発電者端末21は、ソーラーパネル22等でグリーン電力GEを発電する複数のグリーン電力発電者である各発電者2にそれぞれ配置される。
<需要者端末>
需要者端末31は、電力EPの供給を希望する工場などの複数の電力需要者である各需要者3にそれぞれ配置される。
<CIS端末>
CIS(Customer Information System)端末41は、各発電者2と電力の小売販売の契約を結んで電力を小売りする小売電気事業者4に配置される。CIS端末41は、電力を小売りする各発電者2の契約情報を記憶する。環境証券取引所6の取引サーバ61からの情報の照会などにも応じる。
<SMサーバ>
SMサーバ51は、スマートメーター制御管理センター5に配置され発電者2に配置されたスマートメーター23を制御して、スマートメーター23から送信された発電量であるSMデータを読取り、必要な端末に必要なSMデータを送信するサーバコンピュータである。
<取引サーバ>
取引サーバ61は、環境証券取引所6に配置されSMサーバ51から受信したSMデータに基づいて、この環境付加価値EVに応じた環境証券TECを発行する。また、現実の通貨との交換により仮想通貨ポイントVptを発行する。かつ相場を形成して交換、譲渡するサーバコンピュータである。また、常時ブロックチェーン1のマイナーとなる。
<送配電事業者・送配電事業者の端末>
図1に示す、発電者2から電力を買い取る送配電事業者7と、需要者3に電力を供給する送配電事業者8は、ここでいう環境付加価値の証券化システムを構成するブロックチェーンの必須構成要素ではない。但し、電力料などを仮想通貨ポイントVptで支払うなどの流通先としてブロックチェーンに含めることもできる。
<スマートメーター>
スマートメーター23、32は、本来は広く電気、ガス、水道等をデジタルで計測するものであるが、本実施形態では、さらにメーター内に通信機能を持ち、自律的に送信先に電力量などをSMデータとして送信することができる電力量計をいう。発電者2若しくは需要者3に配置され、発電者2が発電した電力を買い取り又は供給する送配電事業者7や、需要者3が電力の供給を受けた送配電事業者8にSMデータを送信し、検針業務の自動化を行う。例えば、好適なスマートメーターとしては、三菱電機株式会社製、三菱スマートメーター(登録商標)などが挙げられる。
加えて、EMS(Energy Management System)若しくはHEMS(Home Energy Management System)などを通じて電気使用状況の可視化を可能にする。これらによって各発電者2における電力が制御され、例えば、晴天の日中は送電し、夜間などは電力の供給を受ける場合があるが、スマートメーター23では、その双方を検出して積算する。
本実施形態では、スマートメーターで計測した電力(kWh)の積算データは、SMデータとして30分ごとに、スマートメーター制御管理センター5のSMサーバ51を介して環境証券取引所6の取引サーバ61に送信され、環境付加価値EVの需給状況などが計算される。
<ブロックチェーン参加者>
次に、ブロックチェーン1の各端末が配置されている参加者について説明する。なお、本明細書においては、各参加者のコンピュータから他の参加者のコンピュータに対する通信は、各参加者同士の通信と表現する場合がある。
<グリーン電力発電者>
グリーン電力発電者である発電者2は、本実施形態においては太陽光発電を一例として挙げているが、太陽光発電に限定されるものではなく、小規模風力発電や小規模水力発電など、環境付加価値EVを生じるグリーン発電であればよい。
本実施形態では、発電者2は、ソーラーパネル22を備え、ここで発電した電力を送電線により送配電事業者7に送電する。この時の発電量はスマートメーター23に記録される。
また、発電者2の発電者端末21は、プライベートネットワークとしてのブロックチェーンに接続されるコンピュータであるが、もちろん、インターネット(図示せず)に接続して各種の取引ができることもいうまでもない。
発電者2では、太陽光発電や自己消費電力などをHEMSで管理し、スマートメーター23は、送電した電力(kWh)を例えば30分ごとに自動検針してSMサーバ51に送信する。送信方法は、インターネットの利用の外、無線マルチホップ方式によりネットワークインフラを利用することなく、スマートメーターの端末のみでネットワークを構成して無線送信を行うことができる。また、通信キャリアの無線回線を利用した1:N無線方式や、商用電力の電力線を利用したPLC(Power Line Communication)方式など、特に通信手段は問わない。さらにハンディタイプの保守用ハンディターミナルでスマートメーター23からSMデータを読み出すこともできる。
なお、夜間など、発電をしていない場合は、HEMSにより送配電事業者7から電力の供給を受ける。この場合もスマートメーター23により記録され、送配電事業者7に対してSM情報が送信され、対価が発生する。
<スマートメーター制御管理センター>
スマートメーター制御管理センター5のSMサーバ51は、スマートメーター23から送信されたスマートメーターデータ(SMデータ)を受信する。SMデータには、時間情報、識別ID、30分間の送電量(kWh)が含まれる。
受信したSMデータは、ブロックチェーン端末としての環境証券取引所6の取引サーバ61に送信される。
また、小売電気事業者4のCIS端末41を介して送配電事業者7に対して、発電者2の電力の販売/購買の情報を送信する。
<小売電気事業者>
小売電気事業者4は、発電者2と送配電事業者7との間で、電力の売買契約を締結し、これを管理する。このため、CIS端末41では、記憶手段に契約情報を記憶している。契約情報には、契約年月日、発電者の氏名、住所、発電設備、容量が含まれる。一の買取価格について、固定価格買取制度(FIT)による買い取り価格は、発電設備の認定を受けた年度と発電設備容量により決まる。このため、環境証券取引所6の取引サーバ61は、これらの情報も記憶している。環境証券取引所6の取引サーバ61から照会があった場合は、小売電気事業者4のCIS端末41は、発電者2が販売したグリーン電力が、固定価格買取制度(FIT)による買い取り対象か否かを判断するため、発電設備の認定を受けた年度と発電設備容量に関する情報を提供する。
<環境証券取引所>
環境証券取引所6は、環境付加価値証券化システムを構成するブロックチェーン1の端末として取引サーバ61を備える。取引サーバ61は、複数の発電者2のスマートメーター23からスマートメーター制御管理センター5のSMサーバ51を介して逐次送信されるSMデータに基づいて、逐次環境付加価値EVの譲渡を受ける。この対価として環境付加価値ポイントEptを発電者2に付与し、その証しとして環境証券TECを発行する。但し、証券といっても、紙によるものではなく、ブロックチェーン1において、当該発電者2が環境証券TECを保有している旨の電子的な記録である。
この環境付加価値EVについては、予め発電者2が小売電気事業者4との間で、結んでいる電力売買契約とともに環境付加価値EVの売買契約を結んでいる。取引サーバ61は、CIS端末41にこの発電者2の契約情報を照合し、固定価格買取制度FITの対象であるか判断し、固定価格買取制度FITの対象外であって、変動価格で買い取る環境付加価値EVであると判断したときには、SMデータに基づいた発電量に応じた環境付加価値ポイントEptが付与されたバーチャルの環境証券TECを発行する。
取引サーバ61は、売買時間帯Tc(図6参照)に、発電者2の発電者端末21から環境証券TECの売り注文があった場合は、環境証券TECを受領するとともに、提示した交換レートXで、環境証券TECの有する環境付加価値ポイントEptに応じて、仮想通貨ポイントVptを付与する。
一方、取引サーバ61は、需要者3(証券購入者)の需要者端末31から環境証券取引市場に環境証券TECの買い注文があった場合は、提示した交換レートXで必要な仮想通貨ポイントVptと引き換えに環境証券TECを引き渡す。
取引サーバ61は、売り手買い手双方の注文から、同時進行する集計時間帯Ta(図6参照)において、その需給に基づいて環境証券取引相場を形成し、次の売買時間帯Tcに用いる交換レートXを算出する。
つまり、取引サーバ61は、売買時間帯Tcとして提示した交換レートXで売り注文と買い注文に対応する。これと同時に同じ売り注文と買い注文は、集計時間帯Taとして、売り注文と買い注文との需給関係から次の交換レートXを算出する基礎となっている。
<需要者(証券購入者)>
証券購入者である需要者3は、基本的に送配電事業者8から非グリーン電力ECの供給を受けている。この電力量は、発電者2と同様、スマートメーター32により記録され、30分ごとにスマートメーター制御管理センター5のSMサーバ51にSMデータとして送信される。SMデータは、送配電事業者8に送信され、送配電事業者8はこの電力使用量に基づき対価である電気使用量を請求する。
需要者3は、使用した非グリーン電力EPの発電に際して二酸化炭素の発生が伴うことから、自然に対してこれに対応すべき費用として掛かるコストに対して負担責任がある。そこで、そのコストをグリーン電力GEの発電により生じた環境付加価値を購入することで、社会的な責任を果たす。
上述のように、需要者3の送配電事業者8から供給を受けた電力量はスマートメーター32によりSMサーバ51に送信されているが、このSMデータは、環境証券取引者6の取引サーバ61にも送信されている。そのため、取引サーバ61において、この需要者3が必要とする環境付加価値EVが把握される。
需要者3が、この環境付加価値EVを得たい場合は、環境証券取引所6の取引サーバ61におけるバーチャルな環境取引市場EXにおいて、取引されるが、環境付加価値EVは、環境証券TECの環境付加価値ポイントEptと仮想通貨ポイントVptとの交換により取引が行われる。
仮想通貨ポイントVptは、環境証券取引所6において、現実の通貨(例えば日本円)と、1円=1Vptとして、固定相場で取引される。需要者3は、この必要な環境付加価値EVに相当する環境付加価値ポイントEptを得るために、予め現実の通貨により必要な仮想通貨ポイントVptを環境証券取引所6から取得してブロックチェーン1に登録する。
<送配電事業者>
送配電事業者7は、前述のようにグリーン電力GEの発電者2と小売電気事業者4の仲介で契約を結び、発電者2が発電したグリーン電力GEを買い取る。なお、契約により発電者2において、その自家使用した電力が発電したグリーン電力GEを上回った場合は、HEMSにより、送配電事業者7から電力の供給をうけることもできる。送配電事業者7は、基本的にブロックチェーン1の必須の参加者ではないが、ブロックチェーン1に参加することで、電力料金を仮想通貨ポイントVptにより精算ができるなど、その利便性を高めることができる。
<送配電事業者>
ここでは、送配電事業者8は、大口電気需要者である需要者3に、再生可能エネルギー以外の火力発電による非グリーン電力EPを供給する。送配電事業者8も、基本的にブロックチェーン1の必須の参加者ではないが、ブロックチェーン1に参加することで、電力料金を仮想通貨ポイントVptにより精算ができるなど、その利便性を高めることができる。
なお、送配電事業者7と送配電事業者8は、もちろん同一の送配電事業者であることを妨げないが、本明細書では説明の簡便のため、区別している。
<環境付加価値の証券化システムによる取引>
次に、図3は、本発明の環境付加価値の証券化システムによる環境付加価値の取引について説明する図である。図1〜3を参照して取引手順を説明する。なお、参加者による取引等は、処理・物理的な送信などをそれぞれのコンピュータが行う。それぞれの手順にS1、S2…と符号を付す。
<環境証券取引手順(例)>
まず、発電者2は、ソーラーパネル22やスマートメーター23の準備が出来たら、小売電気事業者4と電力の売買契約を結び、契約情報を小売電気事業者4に送信する(S1)。契約情報には、契約年月日、発電者の氏名、住所、発電設備、容量が含まれる。
小売電気事業者4は、環境証券取引所6に発電者2毎の契約情報を送信する(S2)。
発電者2は、発電をして送配電事業者7に送電すると、それに応じて記録された電力量を0.01kWhの単位で、スマートメーター23によりSMデータとして30分ごとにスマートメーター制御管理センター5に送信する(S3)。SMデータを受信したスマートメーター制御管理センター5は、このSMデータを環境証券取引所6に集計して送信する(S4)。
SMデータを受信した環境証券取引所6は、0.01kWh=0.01Eptに換算して、この電力量(kWh)に応じて発生した環境付加価値EVを発電者2から移転を受ける。そして、対応する環境付加価値ポイントEptを発電者2に、グリーン電力発電量0.01kWh=環境付加価値ポイントEpt0.01ポイントの比率で付与し、その証しに環境証券TECを発行、送信する(S5)。
環境証券取引所6は、予め集計時間帯Ta(図6参照、ここでは2時間)において売り注文及び買い注文の実績に基づいて、処理時間帯Tbにおいて(図6参照、ここでは30分)、交換レートXを算出する(S6)。算出した交換レートXを発電者2及び需要者3に提示する(S7)。この交換レートXでの売り注文(S8)及び買い注文(S11)は、この提示から売買時間帯Tc(図6参照、ここでは2時間)の間、受け付ける。
環境証券TECを売却したい発電者2は、環境証券取引所6に売り注文を出す(S8)。環境証券取引所6は、売り注文があった場合には(S8)、環境証券TECを受領とともに環境付加価値EVの移転を受けて(S9)、注文受領時に表示した交換レートXで、環境証券TECの環境付加価値ポイントEptに相当する仮想通貨ポイントVptを付与する(S10)。
一方、環境証券TECを入手したい需要者3(証券購入者)は、環境証券取引所6に買い注文を出す(S11)。買い注文があった場合は(S11)、注文受領時に提示した交換レートXで、買い注文のEptポイント数に応じて必要な仮想通貨ポイントVptを要求し(S12)、仮想通貨ポイントVptを受領したら(S13)、環境証券TECを需要者に付与し、環境付加価値ポイントEpt相当の環境付加価値EVを移転する(S14)。
<環境証券取引相場形成の手順>
図4は、取引サーバが受信するSMデータに基づいて、ブロックチェーン1内に発生する環境付加価値EVと潜在的に必要とされる環境付加価値EVとの需給バランスを表す表である。図5は、環境証券TECの売買において、環境証券TECの売り注文と買い注文の注文量に基づいて算出される交換レートXを示す表である。 図6は、環境証券取引相場形成の手順において、集計時間帯Taと処理時間帯Tbと売買時間帯Tcを説明するタイムチャートである。環境証券取引相場形成(S6)の手順について、図4〜6を参照して詳しく説明する。
<ブロックチェーン内で発生するEptの需給バランス>
図4に示すように、取引サーバ61はSMサーバ51から受けるSMデータでA,B,Cの各発電者2のグリーン発電の発電量(kWh)から、ブロックチェーン1の参加者による環境付加価値EVの発生量(供給量)が分かる。そこで、この発生した環境付加価値EVに基づいて、どれだけの環境付加価値ポイントEptを有した環境証券TECが発行されるかを掌握している。
一方、X,Yの各需要者3が使用した非グリーン電力EPは、各需要者3に設置されたスマートメーター32により記録され、これが取引サーバ61にフィードバックされることで、ブロックチェーン1内で需要者3が完全なグリーン電力GE使用したとみなされるまでに必要な環境付加価値EVのポイント数も掌握する。これらは、30分ごとに集計されている。すなわち、環境付加価値EVの潜在的な需要量が分かる。このデータは、時間ごとに取引サーバ61において発電者2及び需要者3に提示される。
本発明においては、環境付加価値ポイントEptと仮想通貨ポイントVptの交換レートXは、実際になされた買い注文・売り注文に基づいて決定されるが、これらの発生量で直ちに交換レートXが決定されるものではない。したがってこの情報は、買い注文若しくは売り注文のタイミングについても需給バランスを判断する参考データという位置づけである。A,B,Cの各発電者2とX,Yの各需要者3は、この需給バランスを見ながら環境証券TECの売り注文と買い注文のタイミングを決定することとなる。この注文数のバランスにより次の交換レートXが決定される。
<交換レートXの算出>
図5は、図4に示す環境付加価値ポイントのうち、A,B,Cの環境証券TECの売り注文と、X,Yの需要者が必要とする環境証券TECの買い注文を示す。
注文は、例えば、取引開始から30分ごとに、経過時間により「0:00-0:30」、「0:30−1:00」のように時間帯が区分される。この時間帯ごとに、売り注文と買い注文が登録される。例えば、「0:00−0:30」の時間帯では、発電者Aが0.15ポイントの売り注文を、発電者Bが0.10ポイントの売り注文をしている。また、需要者Xは、1.00ポイント、需要者Yは、2.00ポイントの買い注文を出している。このようにして、取引開始から、2:00経過するまでの4つの時間帯の売り注文と買い注文を2:00に締切り、この0:00−2:00の集計時間帯Ta(図6参照)の間の注文を「2:00−2:30」の処理時間帯Tb(図6参照)の間に集計する。
交換レートXは、この実施形態の例では基本的に買い注文のポイント数を売り注文のポイント数で除することで、比率を求める。表5では、売り注文(0.15+0.10+0.15+0.10+0.07)に対して、買い注文(1.00+2.00+1.00+2.00+1.00)であるので、交換レートX=買い注文/売り注文=7.00/0.57≒12.28(小数第2を四捨五入する)。そこで、交換レートX=12.28と決定する。
そして、2:30に発電者端末21と需要者端末31に交換レートXを提示する。そして、2:30−4:30の売買時間帯Tc(図6参照)に受け付けた買い注文と売り注文は、この交換レートXにより環境証券TECの環境付加価値ポイントEptが仮想通貨ポイントVptに交換される。
なお、ここでの計算は、説明のためその価値を一例として単純な反比例で算出したが、調整のため、係数をかけたり、手数料など定額を差し引いたりすることは妨げるものではなく、高度な予測値の計算モデルに基づいたようなものでも良いことは言うまでもない。
また、交換レートXを決定する買い注文・売り注文と、実際に交換レートXで交換する買い注文・売り注文とが異なるため、環境証券取引所6において、差益若しくは差損が生じる場合があるが、売り注文と買い注文の交換レートXを異なるものとして、この差額を解消するようにしてもよい。
<集計時間帯Taと処理時間帯Tbと売買時間帯Tc>
図6を参照して、次に、このような取引をタイムチャートで説明する。まず、最初の集計時間帯Ta1の0:00−2:00の間の取引を、上記したような方法で処理時間帯Tb1の2:00−2:30の間に集計して交換レートX1を算出する。そして、経過時間が2:00の時点で、各発電者端末21と各需要者端末31に提示する。そして、売買時間帯Tc1の2:30−4:30の間に受け付けた売り注文及び買い注文は、この交換レートX1で環境付加価値ポイントEptが仮想通貨ポイントVptに交換される。
これと並行して、環境証券取引所6の取引サーバ61は、次の集計時間帯Ta2の2:00−4:00の間の取引を、同様に処理時間帯Tb2の4:00−4:30の間に集計して交換レートX2を算出する。そして、経過時間が4:00の時点で、各発電者端末21と各需要者端末31に提示する。そして、売買時間帯Tc2の4:30−6:30の間に受け付けた売り注文及び買い注文は、この交換レートX2で環境付加価値ポイントEptが仮想通貨ポイントVptに交換される。
このようにして、集計時間帯Ta1、Ta2、Ta3、Ta4…は、隙間なくすべての取引を集計する。また、売買時間帯Tc1、Tc2、Tc3、Tc4…は、隙間なくすべての注文を売買する。
したがって、発電者2及び需要者3は、環境証券取引所6が過去の買い注文及び売り注文に基づいて、売買時間帯Tcの開始に提示する一定の交換レートXで、常に全件取引が円滑に行われる。
なお、交換レートXの決定と、実際の環境付加価値ポイントEptと仮想通貨ポイントVptの交換は時間差があり、売買時間帯Tcではすべての買い注文と売り注文を受けて交換することから、環境証券TECの買越により市場の環境証券TECが不足する場合もある。環境証券TECの裏付けとなる環境付加価値EVは、グリーン電力の発電により生じる実体のあるものであるので、空売りは望ましくない。そこで、環境証券取引所6は、予め環境証券TECが不足することが無いように十分な剰余分をストックしておく。
<相対取引>
基本的には、需要者3は、環境証券取引所6の取引サーバ61を介して発電者2から環境証券TECを買い取る。しかしながら、例えば、需要者3が特定の発電者2から直接定額で継続的に安定した取引を望むような場合がある。このような場合は、特定の発電者2と特定の需要者3の間で、直接相対取引契約(S15)を交わしてもよい。相対取引については、個別の売買契約により環境証券取引所6が提示する交換レートXに従うことも自由であるし、一定期間交換レートXを固定してもよい。
図2、図3に示すように、特定の発電者2は、環境証券TECを特定の需要者3に引き渡し(S16)、この需要者3は、個別契約にしたがって仮想通貨ポイントVptをこの発電者2に付与する(S17)。この場合、ブロックチェーン1はスマートコントラクトが採用されているので、この個別の相対取引契約の内容も、環境証券TECや仮想通貨ポイントVptの移転についても、ブロックチェーン1に詳細な記録が確実に残る。
<仮想通貨ポイントVpt>
本実施形態では、仮想通貨ポイントVptを得た発電者2は、環境証券取引所6において現金と交換できるが、ブロックチェーン1の参加者であれば、送配電事業者7に対して、電力の買い越しの状態のときに仮想通貨ポイントVptにより電気料金の精算に用いることもできる。さらに、ブロックチェーン1の参加者として、発電用の太陽光パネルの販売業者がいれば、発電者2は蓄積された仮想通貨ポイントVptを用いて、発電用の太陽光パネルを購入することができる。
上記実施形態の環境付加価値の証券化システムによれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) 本実施形態によれば、環境付加価値EVを保有することを証明する環境証券TECが、ブロックチェーン1において仮想的に発行され付与されるため、ブロックチェーン1の参加者である発電者2、需要者3は、その記録が容易に閲覧できるとともに、改竄が防止される。
(2)また、見ることができない環境付加価値EVがネットワーク上で環境証券TECとして証券化されるため、ネットワーク上で可視化され容易かつ瞬時に環境付加価値EVの取引を行うことができる。
(3)そして、確定した交換レートXを提示しつつ、その交換レートXによる環境証券TECの環境付加価値ポイントEptと仮想通貨ポイントVptとの交換が連続的に行われるため、グリーン電力発電者2及び電力需要者3は、環境証券TECの需給状況が反映された適切な交換レートXが確定した条件で、環境証券TECの売買ができる。
(4)本実施形態では、発電者2が発電したグリーン電力量をスマートメーター23により30分ごとに、ブロックチェーン1の参加者である環境証券取引所6に送信する。このことで、発電者2により発生した環境付加価値EVは、取引サーバ61で逐次環境証券TECが発行され、環境付加価値EVに応じた一定の環境付加価値ポイントEptを含むものとして証券化されて取引が容易になる。
(5)スマートメーター23を用いることで、一定時間ごと、例えば30分ごとの電力量を0.01kWhの単位で把握できるため、零細な太陽光発電者2であっても、環境証券取引所6により環境付加価値EVを証券化することができる。
(6)環境証券TECの取引は、実際の紙の証書を扱わず、基本的にはバーチャルなブロックチェーン1上の記録であるため、取引や管理が容易である。
(7)環境証券TECの売買は、ブロックチェーン1において仮想通貨ポイントVptを用いて行われるため、実際の現金によらず行うことができる。仮想通貨ポイントVptは、環境証券取引所6において現金と交換できるため、取引に必要な仮想通貨ポイントVptや現金を相互に交換できる。
(8)また、本実施形態では、ブロックチェーン1の参加者として送配電事業者7や送配電事業者8が参加できるが、その場合は、電気料金を仮想通貨ポイントVptで精算するようにすることができる。
(9)さらに、発電用ソーラーパネルの販売業者をブロックチェーン1の参加者とすることで、発電者2がグリーン発電により得た環境付加価値EVを証券化して仮想通貨ポイントVptに交換することで、発電用ソーラーパネルを購入できるようにすることができる。
(10)本実施形態では、予め一定の集計時間帯Taの売り注文と買い注文の量で注文量を集計し、処理時間帯Tbで交換レートXを算出し、その後に、売買時間帯Tcで一定のこの交換レートXで一律に買い注文と売り注文を捌いているため、大量の注文があっても直ちに処理をすることができる。
(11)売買時間帯Tc1、Tc2、Tc3、Tc4…は連続しており常時売買が可能であるので、注文を滞貨させることなく、直ちに処理をすることができる。
(12)また、集計時間帯Ta1、Ta2、Ta3、Ta4…は連続しており、売買時間帯Tc1、Tc2、Tc3、Tc4…も連続しているので、交換レートXを算出した根拠なる集計時間帯Ta間の注文と、実際に売買する売買時間帯Tcでの注文は異なるが、長期間取引を続けることで平均化する。
(13)1つの売買時間帯Tcの時間内では、常に同じ交換レートXが表示され、直ちに売買ができるので、発電者2も需要者3も、安心して取引結果が確定した取引をすることができる。
(14)ブロックチェーン1は多重台帳であるため、従来の中央集権型のシステムのように、環境証券取引所6の取引サーバ61が万全を期すために高価な多重化を行う必要がなくなり、システム導入コストが削減できる。
(15)また、ブロックチェーン1の取引履歴が改ざん困難であることは、仮想通貨の運用などから公的に認められており,国税処理等に係る証明や人件費を軽減可能となる。
(16)また、本実施形態のブロックチェーン1では、各参加者が、その取引残高を直接閲覧できるだけでなく、複雑な取引においてその契約内容自体をブロックチェーン1に書き込むことができるスマートコントラクトを採用しているため、各構成要素間での契約を記録・閲覧ができるようになっている。そのため、各参加者が各種契約の存否などの確認を容易に行うことができ、取引の安全性も格段に向上する。
(17)そのため、知らない相手でも、スマートコントラクトを用いて、売買契約を記録し、改竄ができないため、安心して相対取引などができる。相対取引であれば、特定の需要者が特定の発電者から変動相場に左右されず定額で取引を継続することもできる。
(18)本実施形態では、ブロックチェーン1の参加者において、スマートメーター23により発電者2に発生した環境付加価値EVと、スマートメーター32により需要者3に発生した環境付加価値EVの必要量が、取引サーバ61が各発電者2と各需要者3に一定時間ごとに提示する。このため、各発電者2と各需要者3は、環境証券TECの需給関係を見ながら、環境証券TECの売り注文と買い注文のタイミングを決定することができる。
なお、上記実施形態は当業者により本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で付加し、省略し、置き換えて実施できることは言うまでもない。
1…ブロックチェーン、2…(グリーン電力)発電者、3…需要者(証書購入者)、4…小売電気事業者、5…スマートメーター制御管理センター、6…環境証券取引所、7…送配電事業者、8…送配電事業者、21…発電者端末、22…ソーラーパネル、23…スマートメーター、31…需要者端末、32…スマートメーター、41…CIS端末、51…SMサーバ、61…取引サーバ、
EV…環境付加価値、Ept…環境付加価値ポイント、Vpt…仮想通貨ポイント、GE…グリーン電力、EP…非グリーン電力、TEC…環境証券、Ta…集計時間帯、Tb…処理時間帯、Tc…売買時間帯

Claims (3)

  1. 複数のグリーン電力を発電する発電者の発電者端末と、複数の電力の需要者の需要者端末と、環境証券取引所の取引サーバとを有するブロックチェーンを構成するコンピュータネットワークを備え、
    前記取引サーバは、前記グリーン電力を発電する発電者の発電量の情報を受信し、当該発電量に応じて生じた環境付加価値に応じた環境付加価値ポイントを付与した環境証券を発電者端末に付与し、
    前記需要者端末は、電力の需要者により購入された仮想通貨ポイントを保持し、
    前記取引サーバは、前記発電者端末から前記環境証券を前記仮想通貨ポイントに交換する要求である売り注文と、前記需要者端末から前記仮想通貨ポイントを前記環境証券に交換する要求である買い注文とを受信したときに、
    特定の集計時間帯における前記売り注文の数量と買い注文の数量に基づいて交換レートを算出するとともに、
    前記集計時間帯に基づいて算出された交換レートで、その後の一定の売買時間帯に新たに受けた売り注文に対し環境証券を仮想通貨ポイントに交換をして前記発電者端末に仮想通貨ポイントを付与し、買い注文に対し仮想通貨ポイントを環境証券に交換して前記需要者端末に環境証券を付与し、
    当該交換は、前記取引サーバによりブロックにまとめられブロックチェーンのリストに登録され
    前記集計時間帯に、その終了後次の集計時間帯が連続しており、
    前記売買時間帯に、その終了後次の売買時間帯が連続していることを特徴とする環境付加価値の証券化システム。
  2. 前記発電者に発生した環境付加価値と、前記需要者に発生した環境付加価値の必要量が、前記取引サーバが各発電者と各需要者に一定時間ごとに比較可能に提示することを特徴とする請求項1に記載の環境付加価値の証券化システム。
  3. 前記発電者の発電した発電量は、各発電者に配置されたスマートメーターにより検出されて積算され、一定時間ごとに前記環境証券取引所の取引サーバにスマートメーターデータが送信されることで、一定時間ごとに取引サーバが対応する発電者に環境証券を付与することを特徴とする請求項1又は2に記載の環境付加価値の証券化システム。
JP2017149065A 2017-08-01 2017-08-01 環境付加価値の証券化システム Active JP6954782B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017149065A JP6954782B2 (ja) 2017-08-01 2017-08-01 環境付加価値の証券化システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017149065A JP6954782B2 (ja) 2017-08-01 2017-08-01 環境付加価値の証券化システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019028827A JP2019028827A (ja) 2019-02-21
JP6954782B2 true JP6954782B2 (ja) 2021-10-27

Family

ID=65478582

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017149065A Active JP6954782B2 (ja) 2017-08-01 2017-08-01 環境付加価値の証券化システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6954782B2 (ja)

Families Citing this family (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6963239B2 (ja) * 2018-10-31 2021-11-05 克彦 内藤 環境価値取引プラットフォーム
JP7362204B2 (ja) * 2019-05-23 2023-10-17 日東工業株式会社 計測情報取引システム
JP7355528B2 (ja) * 2019-06-10 2023-10-03 清水建設株式会社 電力計画管理システム及び電力計画管理方法
JP7413674B2 (ja) * 2019-08-05 2024-01-16 中国電力株式会社 電気預かりポイントシステム
JP6980288B2 (ja) * 2019-08-20 2021-12-15 株式会社chaintope 情報処理方法、情報処理システム、及びサーバシステム
JP7467916B2 (ja) 2019-12-27 2024-04-16 株式会社レゾナック 給電システム
JP2021105926A (ja) * 2019-12-27 2021-07-26 中部電力株式会社 太陽光発電設備の利用権買取支援システム及び方法
WO2021187165A1 (ja) * 2020-03-19 2021-09-23 株式会社リコー 仲介サーバ、取引システム、仲介方法、及びプログラム
EP4123556A4 (en) * 2020-03-19 2023-12-20 Ricoh Company, Ltd. NODES, TRANSACTION SYSTEM, PROCESSING METHOD, PROGRAM AND BLOCKCHAIN NETWORK
JP6863508B1 (ja) * 2020-03-19 2021-04-21 株式会社リコー 仲介サーバ、取引システム、仲介方法、及びプログラム
JP6842025B1 (ja) * 2020-03-19 2021-03-17 株式会社リコー ノード、取引システム、処理方法、プログラム及びブロックチェーンネットワーク
JP7460422B2 (ja) 2020-03-27 2024-04-02 本田技研工業株式会社 電力取引システム、および管理装置
WO2021220499A1 (ja) * 2020-04-30 2021-11-04 株式会社日立製作所 環境価値取引システム及び方法
JP6977844B1 (ja) 2020-09-29 2021-12-08 株式会社リコー ノード、取引システム、ブロックチェーンネットワーク、処理方法、及びプログラム
JP6945904B1 (ja) * 2021-03-17 2021-10-06 幸彦 高田 脱炭素管理システム及び脱炭素対処方法
JP2023005284A (ja) * 2021-06-28 2023-01-18 啓介 黒瀬 商品売買システム、商品売買方法及びプログラム
JP7201857B1 (ja) * 2022-03-11 2023-01-10 本田技研工業株式会社 暗号資産管理装置、制御方法、プログラム、及び記録媒体

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6006266A (en) * 1996-06-03 1999-12-21 International Business Machines Corporation Multiplexing of clients and applications among multiple servers
JP2009070083A (ja) * 2007-09-12 2009-04-02 Nec Corp 二酸化炭素排出量削減システム及び二酸化炭素排出量削減方法
JP2010086027A (ja) * 2008-09-29 2010-04-15 Daiwa House Industry Co Ltd 二酸化炭素排出権取引システム及び二酸化炭素排出権取引方法
JP2010128525A (ja) * 2008-11-25 2010-06-10 Sekisui Chem Co Ltd グリーン電力の流通システム
JP2010244107A (ja) * 2009-04-01 2010-10-28 Sustainergy Co グリーンエネルギー認証システム
JP2011164900A (ja) * 2010-02-09 2011-08-25 Sony Corp グリーン発電装置、携帯機器、蓄電装置、及びグリーン電力情報の管理方法
JP5845815B2 (ja) * 2011-10-31 2016-01-20 ソニー株式会社 情報処理装置、サーバ装置、電力取引決済システム、電力取引の決済方法、及び情報処理方法
WO2014040063A1 (en) * 2012-09-10 2014-03-13 Skibo Systems Llc Methods to provide substitute products for inelastic markets
WO2017066431A1 (en) * 2015-10-13 2017-04-20 TransActive Grid Inc. Use of blockchain based distributed consensus control

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019028827A (ja) 2019-02-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6954782B2 (ja) 環境付加価値の証券化システム
Hua et al. A blockchain based peer-to-peer trading framework integrating energy and carbon markets
Hahn et al. Smart contract-based campus demonstration of decentralized transactive energy auctions
Zhou et al. Framework design and optimal bidding strategy for ancillary service provision from a peer-to-peer energy trading community
Khalid et al. A blockchain-based load balancing in decentralized hybrid P2P energy trading market in smart grid
US20190164236A1 (en) Method of matching renewable energy production to end-user consumption via blockchain systems
Oprea et al. Two novel blockchain-based market settlement mechanisms embedded into smart contracts for securely trading renewable energy
JP6630425B1 (ja) 電力取引履歴生成システム
KR20180065410A (ko) 스마트 그리드 기반의 발전측 전력 거래 장치 및 소비측 전력 거래 장치
Faizan et al. Decentralized bottom-up energy trading using Ethereum as a platform
JP7246186B2 (ja) 電力取引システム
Heo et al. Development of operator-oriented peer-to-peer energy trading model for integration into the existing distribution system
JP6895588B2 (ja) リソース融通支援システム、リソース融通支援方法、および、リソース融通支援装置
JP6941530B2 (ja) 環境価値取引システム、環境価値取引方法及び環境価値取引プログラム
Zhou et al. Peer-to-peer energy trading in microgrids and local energy systems
KR20240017959A (ko) 정보 처리 방법
Lin Analysis of blockchain-based smart contracts for peer-to-peer solar electricity transactive markets
Talari et al. The role of various market participants in blockchain business model
CN117011039A (zh) 一种基于区块链的碳资产交易方法
Tanaka et al. A Proposal on an Electricity Trading Platform Using Blockchain
Good et al. Business cases
Tavares et al. Operation and simulation of a renewable energy community based on a local post-delivery pool market
CN114266568A (zh) 一种基于区块链的碳排放权分配系统
Rutovitz et al. Virtual trials of local network charges and local electricity trading: summary report
Shrivastava et al. Peer-to-peer decentralised local energy trading markets using blockchain

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200702

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210430

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210820

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6954782

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150