JP6953494B2 - ヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンの合成方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒドロキノンの化学的合成方法に関し、より詳細には、ヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノン化合物の合成方法に関する。
主にカテコール誘導体で構成される抗がん剤は、II型組織タンパク質デアセチラーゼを阻害することができることが研究により明らかになっている。したがって、カテコール誘導体は、II型組織タンパク質デアセチラーゼを発現できる腫瘍の治療可能性があり、主要の抗がん剤のいくつかとして使用することができる。しかしながら、現在のカテコール誘導体の合成方法は、カテコールに基づいており、このカテコールは室温で光と水によって容易に酸化される油性(オイル)の混合物であり、長期安定性が悪いという問題がある。
1991年にミヤコシらは、C15炭素鎖の3置換カテコールの主構造を有するトリエンラクロールの合成方法を提案した(Bull.Chem.Soc.Jpn.,64,2560-2562,1991.)。しかし、この合成方法で用いる前駆体のカテコールは、フタル酸の非安定物質であり、1,2−ジメトキシベンゼンから合成され、ペンタデシルトリエニルホスホノベンゼンとして合成される。ペンタデシルトリフェニルホスホリルフェノールの側鎖がアラゾールアミド基に修飾されている場合、II型組織タンパク質デアセチラーゼを阻害することができるので、II型組織タンパク質デアセチラーゼを発現する腫瘍に対して治療可能性を秘めているが、本発明のヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンとは異なる。ペンタデシルトリエニルアルキルホスホリルフェノールは、上記で説明した合成方法による脱アセチル化により最終生成物を得ることができるが、この方法は、本発明の最終工程には適用されず、前述の脱アセチル化によりペースト状の製品となり、本発明は、固体製品を得ることができるように改良することができる。
また、ヒドロキノンを主体とした抗がん剤がII型トポイソメラーゼを阻害することについて研究されており、II型トポイソメラーゼはあらゆる腫瘍細胞の増殖に必要とされるが、この化合物は、主に台湾産の漆の木(Rhus succedanea)から抽出されるものであるため、原材料の入手が困難で資源が限られているため生産に限界がある。
上記のような現状に鑑みて、当技術分野においては、先行技術の欠陥を改善するための新規の化学合成方法を提供することが必要である。
Bull.Chem.Soc.Jpn.,64,2560-2562, 1991.
本明細書は、本発明の基本的な技術的内容を読み手が理解できるように、簡単な説明を提供するものに過ぎず、本発明のあらゆる形態を開示するものではない。したがって、本明細書は、本発明の技術的特徴または範囲を限定的に解釈することを意図するものではない。
先行技術の課題を解決するために、本発明は、ヒドロキノンの新規な調整方法を提案するものであり、オキソジエチルオキシベンゼンの合成と、ヘプタジエン−トリフェニルホスフィンとのウィッティヒ反応によりヘプタデカトリエニルメトキシカルボニルベンゼンを調製することができ、最終的な固体の純粋なヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンは、メタノール中のナトリウムメトキシドを介して調製することができる。本発明の利点は、ヒドロキノンがカテコールよりも安定な物質であり、かつ最終生成物は非油性でありながら固体であることである。第2に、先行技術の脱アセチル化保護方法(主にカテコール誘導体で構成される抗がん剤)は、LiAlH4によって脱アセチル化するが、この方法では最終生成物のヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンを調製することができない。一方、本発明では、ナトリウムメトキシドを使用して脱アセチル化することにより高純度の固体生成物を回収することができるので、ヒドラゾン結合に他の酸化作用をもたらすことがないという点で、先行技術のLiAlH4による脱アセチル化より優れている。
本発明の一実施形態のヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンの合成方法は、ジメトキシベンゼンのアルキル化および脱メチル化により式(3)に示す化合物を調製するステップ(a)と、
Figure 0006953494
前記式(3)に示す化合物をヨウ素化反応させた後に、酸化することにより式(5)に示す化合物を調製するステップ(b)と、
Figure 0006953494
式(5)に示す化合物およびヘプタジエン−1−トリフェニルホスフィン化合物をウィッティヒ反応および脱アセチル化反応することによりヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンを調製するステップ(c)と、を含むことを特徴とする。
Figure 0006953494
本発明の一実施形態において、ヘプタジエン−1−トリフェニルホスホニウムヨージドは、式(10)に示す化合物である。
Figure 0006953494
本発明のさらに別の実施形態によれば、前記ヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンを調製するステップ(c)は、前記式(5)に示す化合物と、前記式(10)に示す化合物との重水素化反応(ウィッティヒ反応)によって式(11)に示す化合物を調製する。
Figure 0006953494
本発明のさらに別の実施形態によれば、ステップ(c)の脱アセチル化反応は、前記式(11)に示す化合物の脱アセチル化によって式(12)に示す化合物を調製することにより行われる。
Figure 0006953494
本発明のさらに別の実施形態によれば、ステップ(c)の脱アセチル化反応は、室温でメタノール中のナトリウムメトキシドと反応させることによって行われる。
本発明のさらに別の実施形態によれば、ステップ(a)は、n−ブチルリチウムにより活性化されたジメトキシベンゼンが1,10−ジブロモデカンによってアルキル化されて式(1)に示す化合物を調製するステップと、
Figure 0006953494
前記式(1)に示す化合物を三臭化ホウ素反応で脱メチル化することにより式(2)に示す化合物を調製するステップと、
Figure 0006953494
前記式(2)に示す化合物と無水酢酸をピリジン存在下で反応させることにより式(3)に示す化合物を調製するステップとを含む。
Figure 0006953494
本発明のさらに別の実施形態によれば、前記ステップ(b)のヨウ素化反応は、式(3)に示す化合物に対してヨウ化ナトリウムを加えて式(4)に示す化合物を調製することにより行われる。
Figure 0006953494
本発明のさらに別の実施形態によれば、ステップ(b)の酸化反応は、前記式(4)に示す化合物をジメチルスルホキシドおよびベンゼンと混合し、炭化水素ナトリウムを添加して還流下で加熱することにより式(5)に示す化合物を調製する。
本発明の利点は、ヒドロキノンがカテコールよりも安定な物質であり、かつ最終生成物は非油性でありながら固体であることである。第2に、本発明では、ナトリウムメトキシドを使用して脱アセチル化することにより高純度の固体生成物を回収することができる。
本発明の中心概念、使用される技術的手段、および様々な実施形態は、以下の説明を考慮して当業者によって完全に理解され得る。
本発明の上記の特徴並びに他の目的、特徴および利点は、後述の実施形態によってより明確に理解される。
本発明の一実施形態において、式(5)に示す化合物の調製手順を示すフローチャートである。 本発明の一実施形態において、式(10)に示す化合物の調製手順を示すフローチャートである。 本発明の実施形態において、式(12)に示す化合物の調製手順を示すフローチャートである。
本発明をより詳細かつ過不足なく十分に説明するために、本発明の例示を意図した特定の実施形態において以下に説明する。
本明細書で使用される科学用語および技術用語は、他に明示的な記載がない限り当業者の理解する内容と同一の意味で用いている。さらに、本明細書で使用される名称は、特に明示的な記載がない限り、単数および複数の両方を網羅することを意図している。
本明細書で使用される「約」という用語は、一般的に、実際の値が特定の値の上下±10%、5%、1%または0.5%以内であることを意味する。本明細書における「約」という用語は、実際の値が、本発明の属する技術分野における当業者によって決定される平均の標準誤差の許容範囲内に収まることを意図して使用されている。本明細書で使用される範囲、数、数値および%は、特に明記しない限り、「約」という用語により一定の幅をもつ範囲として解釈される。したがって、特に明記しない限り、本明細書および特許請求の範囲に開示されている数値またはパラメータは、おおよその値に過ぎず、必要に応じて適宜変更可能である。
本発明は、ヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンの化学的な合成方法を提供するものであり、安定なメチル基で保護されたヒドロキノン(1,4−ジメトキシベンゼン)を出発物質として、臭素化、脱メチル化およびアセチル化保護、ヨウ素化、側鎖の酸化を経て2−(10’−オキソ)−1,4−ジエチルオキシベンゼン(2−(10’−oxononyl)−1,4−diacetoxyl benzene)を調製し、さらに、(3E,5Z)−3,5−ヘプタジエン−1−トリフェニルホスホニウムヨージドによるウィッティヒ反応および脱アセチル化によりヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンが調製される。
本発明の一実施形態を示す技術的な内容は、下記の式(12)に示す化合物の製造方法に関するものであり、図1〜図3に詳細な調製手順を示している。
Figure 0006953494
式(12)に示す化合物を調製するために、まず、中間生成物を調製する必要がある。まず、図1を参照して、氷浴中で1,4−メトキシベンゼンを1,10−ジブロモデカンと混合してアルキル化し、さらに、三臭化ホウ素により脱メチル化を行う。そして、無水酢酸とともに還流下で加熱することによりアセチル化して式(3)に示す化合物を調製する。次に、ヨウ素化反応を行い、続いてベンゼン溶液中のDMSO−NaHCO3中で酸化反応を行うことにより式(5)に示す化合物を調製する。
図2を参照し、3―ブロモプロパノールおよびトリフェニルホスフィンを開始物質として双極子を形成し、続いてブチルアルデヒドで重水素化することによりヘプタジエノールを形成し、次に、メタンスルホン酸で置換反応を行い、さらにヨウ素化反応を行い、最後にトリフェニルホスフィンとの双極子反応により式(10)に示す化合物を調製する。
図3を参照し、式(5)に示す化合物および式(10)に示す化合物(3,5−ヘプタジエン−1−トリフェニルホスホニウムヨージド、合成手順は図2参照)をウィッティヒ反応することにより式(11)に示す化合物を調製する。さらに、この化合物をメタノール中のナトリウムメトキシドと反応させて、室温で一晩撹拌することにより式(12)に示す化合物を調製する。
(実施例1:式(12)に示すヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンの製造方法)
Figure 0006953494
(実施例1.1:式(1)に示す化合物の調製)
1,4−ジメトキシベンゼン(10g、72.4mmol)およびn−ブチルリチウム(5.8g、90.5mmol)を丸底フラスコに投入した。次に、溶媒のテトラヒドロフラン(200mL)を入れた後、丸底フラスコを低温反応器に入れ、−78℃で1時間攪拌した。その後、室温に移して1時間攪拌した。これとは別に追加で一口フラスコを準備し、1,10−ジブロモデカンを秤量した(65.17g、217.2mmol)。次に、この1,10−ジブロモデカンをテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させて、この溶液を元の溶液にゆっくりと滴下し、室温で14時間攪拌した。その後、シリカゲルカラムで精製することにより、17gの2−(10'−ブロモインドリル)−1,4−ジメトキシベンゼン(式(1)に示す化合物)を生成物として回収した。収率は65%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ6.75−6.76(d,J=4Hz,1H, 6−H),6.72(d,J=2.5Hz,1H,3−H),6.67(dd,J=9,2.5Hz,1H,5−H),3.77(s,6H,1−OCH3 and 4−OCH3),3.40(t,J=6.5Hz,2H,10’−CH2),2.56(t,J=7.5 Hz,2H,1‘−CH2),1.84(m,2H,9’−CH2),1.53−1.58(m,2H,2‘−CH2),1.38−1.43(m,2H,8’−CH2),1.28−1.37(m,10H,3’to7’−(CH25)。
(実施例1.2:式(2)に示す化合物の調製)
丸底フラスコ中のジクロロメタン(300mL)に、式(1)の化合物(5g、14.0mmol)を溶解させた後に、氷浴中で三臭化ホウ素(4mL、42mmol)を徐々に滴下した。そして、室温で16時間撹拌し、続いてシリカゲルカラムで精製することにより3.5gの2−(10’−ブロモインドリル)−1,4−ジヒドロオキシベンゼン(式(2)に示す化合物)の生成物を得た。収率は76%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ6.3−6.65(d,J=8.5Hz,1H,6−H),6.62(d,J=2.5Hz,1H,3−H),6.53−6.56(dd,J=8.5,2.5Hz,1H,5−H),3.40(t,J=6.5 Hz,2H,10’−CH2),2.54(t,J=7.5Hz,2H,1’−CH2) ,1.85(m,2H,9‘−CH2),1.56−1.60(m,2H,2’−CH2),1.38−1.43(m,2H,8’−CH2)1.25−1.33(m,10H,3’to7’−(CH25)。
(実施例1.3:式(3)に示す化合物の調製)
丸底フラスコ内のピリジン(100mL)に、式(2)に示す化合物(16g、48.6mmol)を溶解させて、室温で無水酢酸(7.1mL、97.2mmoL)を添加し、110℃で5時間還流した。その後、減圧下で濃縮し、シリカゲルカラムで精製することにより、2−(10’−ブロモインドリル)−1,4−ジアセチルベンゼン(式(3)に示す化合物)の生成物を得た。収率は64%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.00−7.02(d,J=8.5Hz, 1H,6−H),6.96(d,J=2.5Hz,1H,3−H),6.91−6.94(dd,J=8.5,2.5Hz,1H,5−H),3.40(t,J=6.5Hz,2H,10’−CH2),2.48(t,J=7.5Hz,2H,1’−CH2),2.30(s, 3H, 1−COCH3),2.28(s,3H,4−COCH3),1.85(m,2H,9’−CH2),1.52−1.55(m,2H,2’−CH2),1.39−1.43(m, 2H,8‘−CH2)1.28−1.37(m,10H,3’to7‘−(CH25)。
(実施例1.4:式(4)に示す化合物の調製)
丸底フラスコ中のアセトニトリルに、式(3)に示す化合物(5.0g、12.1mmol)を溶解させて、ヨウ化ナトリウム(2.7g、18.2mmol)を添加し、16時間撹拌することにより反応を完了させた。その後、シリカゲルカラムで精製することにより、2−(10’−ヨード)−1,4−ジエチルオキシベンゼン(4g)(式(4)に示す化合物)を得た。収率は71%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ7.00−7.02(d,J=8Hz,1H,6−H),6.96(d, J=3Hz,1H,3−H),6.91−6.94(dd,J=8.5,2 Hz,1H,5−H),3.18(t,J=6.5Hz,2H,10’−CH2),2.48(t,J=7.5Hz,2H,1’−CH2),2.30(s,3H,1−COCH3),2.28 (s,3H,4−COCH3),1.81(m,2H, 9’−CH2),1.52−1.57(m,2H,2’−CH2),1.35−1.39(m, 2H,8’−CH2)1.28−1.34(m,10H,3’to7’−(CH25)。
(実施例1.5:式(5)に示す化合物の調製)
式(4)に示す化合物(2g、4.3mmol)を秤量し、溶媒としてジメチルスルホキシド(100mL)およびベンゼン(100mL)を丸底フラスコに加えるとともに炭酸水素ナトリウムを加え、還流下において90℃で4時間撹拌した。その後、水(100mL)を加えた後に有機相を除去し、0.1Nの塩酸で2回洗浄し、さらに飽和食塩水で1回洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで除去した。得られた混合物を減圧下で濃縮し、生成物をシリカゲルカラムで精製することにより2−(10’−オキソ)−1,4−ジエチルオキシベンゼン(1.4g)(式(5)に示す化合物)を得た。収率は96%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ9.76(s,1H,10’−H),7.00−7.02(d,J=8Hz,1H,6−H),6.96(d,J= 3Hz,1H,3−H),6.91−6.94(dd,J=8.5,2Hz,1H,5−H),2.48(t,J=7.5Hz,2H,9‘−CH2),2.41(t,J=7.5Hz,2H,1’−CH2),2.31(s,3H,1−COCH3),2.28(s,3H,4−COCH3),1.60(m,2H,8‘−CH2),1.51−1.56(m,2H, 2’−CH2),1.24−1.36(m,10H, 3‘to 7’−(CH25)。
(実施例1.6:式(6)に示す化合物の調製)
3−ブロモプロパノール(55.6g、0.4mol)およびトリフェニルホスフィン(150g、0.6mol)を丸底フラスコに入れてトルエン(200mL)に溶解させた。この溶液を110℃で16時間撹拌し、室温に冷却した後に、ジエチルエーテルを加えて生成物を沈殿させることにより(3−ヒドロキシプロピル)トリフェニルホスホニウムブロミド(式(6)に示す化合物)を160g得た。収率は99%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,DMSO−D6)δ7.59−7.92(m,15H,−(phenyl)3),3.52−3.61(m,4H,2,3−CH2CH2),1.63−1.70(m,2H,1−CH2)。
(実施例1.7:式(7)に示す化合物の調製)
式(6)に示す化合物(103g、0.26mol)を無水テトラヒドロフラン(100mL)に溶解させて、さらに0℃の氷浴中でn−ブチルリチウム(208mL、2.5Mヘキサン、0.52mol)を加え、0℃の氷浴中で30分間撹拌した。その後、ブチルアルデヒド(25.8 mL、0.31mol)を加えて1時間撹拌した後に、飽和塩化アンモニウム(100mL)を加えて反応を停止させた。得られた混合物をジエチルエーテルで2回(50mL×2)濃縮乾固させて減圧下で有機相を抽出し、生成物をシリカゲルカラムで精製することにより、(3E、5E)−3,5−ヘプタジエン−1−オール(18.6g)(式(7)に示す化合物)を得た。収率は62%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ=1.55−1.78(d,3H,7−CH3),2.31−2.47(dt,2H,2−CH2),3.67(m,2H,1−CH2OH),5.48−5.54(dt,1H,6−=CH−CH3),5.63−5.76(dq,1H,3−CH=CH),6.01−6.34(m,2H,4−=CH−CH and 5−CH=CH)。
(実施例1.8:式(8)に示す化合物の調製)
式(7)に示す化合物(0.5g、4.46mmol)をジクロロメタン(100mL)に溶解させた後に、0℃の氷浴中でメタンスルホニルクロリド(414.1mL,5.35mmol)およびトリエチルアミン(932.4mL、6.69mmol)を添加し、室温で3時間攪拌した。次に、ジクロロメタン(100mL)を加えて溶液を希釈し、1M塩酸(50mL)で2回洗浄し、炭酸ナトリウム(50mL)で2回洗浄し、最後に飽和食塩水(50mL)で洗浄した後、有機相を抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させた後に減圧下で濃縮することにより(3E,5E)−3,5−ヘプタジエン−1−メチルスルホン酸(式(8)に示す化合物)630mgを得た。収率は74%であった。
Figure 0006953494
(実施例1.9:式(9)に示す化合物の調製)
丸底フラスコで、式(8)に示す化合物(620mg、3.26mmol)をアセトン(50mL)に溶解させた後に、0℃の氷浴下で、ヨウ化ナトリウム(1.46g、9.78mmol)および銅粉(6.9mg、0.1mmol)を加えた。その後、60℃の還流下で3時間反応させた後に、チオ硫酸ナトリウム飽和液(50mL)を加え、ジクロロメタン(50mL)で抽出することにより有機相を濃縮した。その後、シリカゲルカラムで精製することにより、(2E、4E)−7―ヨード―2、4―ヘプタジエン(600mg)(式(9)に示す化合物)を得た。収率は82%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ=1.72−1.78(d,3H,1−CH3),2.60−2.77(dt,2H,6−CH2),3.15(m,2H,7−CH2),5.43−5.49(dt,1H,2−CH=CH),5.63−5.78(dq,1H,5−=CH−CH2),6.00−6.09(m,2H,3−=CH−CH and 4−CH=CH)。
(実施例1.10:式(10)に示す化合物の調製)
式(9)に示す化合物(2.2g、9.9mmol)をアセトニトリル(200mL)に溶解させ、さらにトリフェニルホスフィン(3.9g、14.8mmol)を加えて90℃の還流下で16時間撹拌した。撹拌後に、溶液を濾過した後、溶液を減圧下で濃縮することにより生成物を精製し、ジエチルエーテルで洗浄して乾燥させることにより油性生成物(3E,5E)−3,5−ヘプタジエン−1−トリフェニルホスホニウムブロミド(式(10)に示す化合物)2.5gを得た。収率は70%であった。
Figure 0006953494
実施例1.11:式(11)に示す化合物の調製)
式(10)に示す化合物(0.6g、1.7mmol)およびn−ブチルリチウム(0.16g、2.5mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させた。その後、室温で30分間撹拌することにより双極生成物を回収した。別の反応フラスコを用意し、式(5)に示す化合物(0.59g、1.7mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解させた。その後、0℃で攪拌しながら双極生成物を反応フラスコに注ぎ30分間攪拌した。このようにして得られた生成物を塩化アンモニウムで急冷し、ベンゼンで抽出し、硫酸マグネシウムで脱水した後に濃縮して乾燥させて、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で精製することにより、2−(10’Z、13’E、15’E)−10’、13’、15’−ヘプタデカトリエニル−1,4−p−ジエチルベンゼン(341mg)(式(11)に示す化合物)を得た。収率は32%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ=1.26−1.33(m,12H,3’to8’−(CH26),1.51−1.57(m,2H,2’−CH2),1.71−1.78(d,3H,17’−CH3),1.97−2.08(m,2H,9’−CH2),2.28(s,3H,Acetyl−CH3),2.31 (s,3H, Acetyl−CH3),2.48(t,2H,1’−CH2),2.79(t,2H,12’−CH2),5.26−5.45(m,2H,10’−CH= and11’―=CH),5.49−5.62(m,2H,13’−CH=and 16’―=CH),5.93−6.05(m,2H,14’to15’−=CH−CH=),6.91−6.94(dd,1H,5−ArH),6.96(d,1H,3−ArH),7.01(d,1H,6−ArH)。
(実施例1.12:式(12)に示す化合物の調製)
式(11)に示す化合物(22.5g、52.7mmol)をメタノール(300mL)中のナトリウムメトキシド(0.6g、10.5mmol)と反応させて、室温で20時間撹拌した後に酸性樹脂で中和した。溶液をろ過した後にベンゼンで抽出し、最後に有機溶液を減圧下で乾燥させた。そして、高速液体クロマトグラフィーによる精製により、固体生成物2−(10’Z,13’E,15’E)−10’,13’,15’,−ヘプタデカトリエニル−1、4−p−ジフェノール(7.2g)(式(12)に示す化合物)を得た。収率は39%であった。
Figure 0006953494
1H NMR(500MHz,CDCl3)δ=1.27−1.34(m,12H,3’to8’−(CH26),1.54−1.61(m,2H, 2’−CH2),1.78−1.71(d,3H,17’−CH3),1.96−2.08(m,2H,9’−CH2),2.53(t,2H,1’−CH2),2.79(t,2H,12’−CH2),4.31−4.33(s,2H,1and 4−ArOH),5.33−5.45(m, 2H,10’−CH=and 11’−=CH),5.49−5.62(m,2H,13’−CH=and16’−=CH),5.95−6.05(m, 2H,14’to15’−=CH−CH=),6.55(dd,1H,5−ArH),6.61(d,1H,3−ArH),6.64(d,1H,6−ArH);13C NMR(500MHz,CDCl3)δ=18.15(C−17’),27.27(C−9’),29.4(C−2’),29.58−29.82(C−3’to8’),30.19(C−1’),30.45(C−12’),113.15(ArC−5),116.1(ArC−6),116.93(ArC−3),127.08 (C−11’), 127.34(C−16’),130.1(C−13’),130.19(ArC−2),130.59(C−14’),131.1(C−10’),131.68(C−15’), 147.49(ArC−1),149.48(ArC−4)。
(実施例2:式(12’)に示す化合物の調製)
低温(−50℃)のテトラヒドロフラン溶媒中で、LiAlH4(1.6g、42.9mmol)およびtert−ブタノール(12.3mL、128.7mmol)を30分間反応させ、別に式(11)に示す化合物(2g、4.68mmol)を溶解させた。次に、LiAlH4溶液をテトラヒドロフランに加えて、低温で1時間撹拌し、メタノールを加えることにより反応を停止させて飽和塩化アンモニウム(30mL)を加えた。続いて酢酸エチルで抽出し、得られた有機相を蒸発乾固させてシリカゲルカラムで精製することにより、式(12’)に示す粗化合物(1.1g)を得た。収率は72%であった。この粗化合物は、分離と精製は極めて困難な不純な反応物であった。NMRおよび質量分析(MASS)の結果から、この粗化合物では、脱アセトム化が完全に反応していなかった。この反応によって得られた生成物はペースト状であった。
Figure 0006953494
上記の例から、本発明によって提案された合成方法は、技術的優位性が存在し、この方法により安定なメチル基によって保護されたヒドロキノン(1,4−ジメトキシベンゼン)が得られることが確認できた。出発物質は、化学合成においてより安定であり、最終の脱アセチル化の工程において非常に高収率であるため、長鎖オレフィン置換基を有するヒドロキノンの調製に適用することにより純粋な固体化合物を得ることができる。
上記において本発明の内容を開示したが、上記の開示内容は本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本発明の技術分野に属する通常の知識を有するものは、本発明の技術的背景に即して特許請求の範囲から逸脱することのない範囲で、種々の変更および修正を加えることができる。したがって、本発明の範囲は特許請求の範囲のみによって規定される。

Claims (7)

  1. ジメトキシベンゼンのアルキル化および脱メチル化により式(3)に示す化合物を調製するステップ(a)と、
    Figure 0006953494
    前記式(3)に示す化合物をヨウ素化反応させた後に、酸化することにより式(5)に示す化合物を調製するステップ(b)と、
    Figure 0006953494
    式(5)に示す化合物およびヘプタジエン−1−トリフェニルホスホニウムヨージドをウィッティヒ反応および脱アセチル化反応することによりヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンを調製するステップ(c)とを含む、ヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンの製造方法。
  2. 前記ヘプタジエン−1−トリフェニルホスホニウムヨージドは、式(10)に示す化合物である、請求項1に記載の製造方法。
    Figure 0006953494
  3. 前記ヘプタデカトリエン側鎖のヒドロキノンを調製するステップ(c)は、前記式(5)に示す化合物と、前記式(10)に示す化合物とのウィッティヒ反応によって式(11)に示す化合物を調製する請求項2記載の製造方法。
    Figure 0006953494
  4. 前記ステップ(c)の脱アセチル化反応は、前記式(11)に示す化合物を、室温でメタノール中のナトリウムメトキシドと反応させることによって式(12)に示す化合物を調製することにより行われる請求項3に記載の製造方法。
    Figure 0006953494
  5. 前記ステップ(a)は、n−ブチルリチウムにより活性化されたジメトキシベンゼンが1,10−ジブロモデカンと反応することによって式(1)に示す化合物を調製するステップと、
    Figure 0006953494
    前記式(1)に示す化合物を三臭化ホウ素反応で脱メチル化することにより式(2)に示す化合物を調製するステップと、
    Figure 0006953494
    前記式(2)に示す化合物と無水酢酸をピリジン存在下で反応させることにより式(3)に示す化合物を調製するステップとを含む請求項1に記載の製造方法。
    Figure 0006953494
  6. 前記ステップ(b)のヨウ素化反応は、式(3)に示す化合物に対してヨウ化ナトリウムを加えて式(4)に示す化合物を調製することにより行われる請求項5に記載の製造方法。
    Figure 0006953494
  7. 前記ステップ(b)の酸化反応は、前記式(4)に示す化合物をジメチルスルホキシドおよびベンゼンと混合し、炭化水素ナトリウムを添加することによって式(5)に示す化合物を調製することにより行われる請求項6に記載の製造方法。
    Figure 0006953494
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