以下、一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
一実施形態に係る電子機器は、例えば自動車などの乗り物に設置したセンサ部により、センサ部の周囲に存在する対象物とセンサ部との間の距離を測定する。センサ部は、検出波として例えば電波などの送信波を送信する。また、センサ部は、送信波のうち対象物によって反射された反射波を受信する。一実施形態に係る電子機器は、センサ部が送信する送信波及びセンサ部が受信する受信波に基づいて、センサ部と対象物との間の距離を測定する。
以下、典型的な例として、一実施形態に係る電子機器が、乗用車のような自動車に搭載される構成について説明する。しかしながら、一実施形態に係る電子機器が搭載されるのは、自動車などに限定されない。一実施形態に係る電子機器は、バス、トラック、オートバイ、自転車、船舶、航空機、及び歩行者など、種々の移動体に搭載されてよい。また、一実施形態に係る電子機器が搭載されるのは、必ずしも自ら移動する移動体にも限定されない。一実施形態に係る電子機器は、センサ部及び対象物の少なくとも一方が移動し得るような状況において、センサ部と対象物との間の距離を測定することができる。また、一実施形態に係る電子機器は、センサ部及び対象物の双方が静止していても、センサ部と対象物との間の距離を測定することは当然できる。
図1は、一実施形態に係る電子機器の使用態様を説明する図である。図1は、一実施形態に係るセンサ部を自動車の車両に設置した例を示している。
図1に示す車両100及び車両200は、それぞれ一実施形態に係るセンサ部を設置してある。図1に示す車両100及び車両200は、乗用車のような自動車の車両としてよいが、それぞれ任意のタイプの車両としてよい。図1において、車両100及び車両200は、矢印で示す進行方向に移動していてもよいし、移動せずに静止していてもよい。
図1に示すように、車両100及び車両200は、それぞれ、センサ部10A、センサ部10B、センサ部10C、及びセンサ部10Dを設置してある。センサ部10Aは、車両100及び車両200のそれぞれ前方に設置してある。センサ部10Bは、車両100及び車両200のそれぞれ左側に設置してある。センサ部10Cは、車両100及び車両200のそれぞれ右側に設置してある。センサ部10Dは、車両100及び車両200のそれぞれ後方に設置してある。以下の説明において、センサ部10A、センサ部10B、センサ部10C、及びセンサ部10Dのそれぞれを区別しない場合、単に「センサ部10」と総称する。なお、センサ部10が車両に設置される位置は、図1に示す位置に限定されるものではなく、適宜、他の位置としてもよい。
車両100及び車両200は、それぞれ、センサ部10A、センサ部10B、センサ部10C、及びセンサ部10Dを設置することで、自車両の周囲360度において、所定の距離内に存在する対象物を検出することができる。例えば、車両100は、図1に示すように、いずれかのセンサ部10によって、車両200を対象物として検出することができる。具体的には、車両100に設置されたセンサ部10は、車両100の周囲に対象物である車両200が存在することを検出する。また、車両100に設置されたセンサ部10によって、自車両である車両100と、対象物である車両200との間の距離が測定される。また、車両100は、いずれかのセンサ部10によって、車両100の周囲に存在する歩行者及び障害物なども、対象物として検出することができる。
同様に、車両200は、図1に示すように、いずれかのセンサ部10によって、車両100を対象物として検出することができる。また、車両200は、いずれかのセンサ部10によって、車両200の周囲に存在する歩行者及び障害物なども、対象物として検出することができる。
図2は、一実施形態に係るセンサ部、及び当該センサ部が送信する送信波を示す図である。
図2は、車両100に設置されたセンサ部10A、センサ部10B、センサ部10C、及びセンサ部10Dが、それぞれ送信波のビームを形成している様子を模式的に示している。センサ部10は、典型的には、電波を送受信するレーダ(RADAR(Radio Detecting and Ranging))センサとしてよい。しかしながら、センサ部10は、レーダセンサに限定されない。一実施形態に係るセンサ部10は、例えば光波によるLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)の技術に基づくセンサとしてもよい。また、一実施形態に係るセンサ部10は、例えば音波によるSONAR(Sound Navigation and Ranging)の技術に基づくセンサとしてもよい。センサ部10は、例えばパッチアンテナなどを含んで構成することができる。センサ部10の構成については、さらに後述する。
図2に示すように、車両100の前方に設置されたセンサ部10Aは、車両100の前方に送信波のビームBaを形成する。ビームBaの送信波の周波数は、例えばAとする。車両100の左側に設置されたセンサ部10Bは、車両100の左側に送信波のビームBbを形成する。ビームBbの送信波の周波数は、例えばBとする。車両100の右側に設置されたセンサ部10Cは、車両100の右側に送信波のビームBcを形成する。ビームBcの送信波の周波数は、例えばCとする。車両100の後方に設置されたセンサ部10Dは、車両100の後方に送信波のビームBdを形成する。ビームBdの送信波の周波数は、例えばDとする。
図2に示すように、センサ部10は、それぞれ、放射角が180度に近いビームを形成するように、送信波を送信してよい。このようなセンサ部10を4つ用いることで、図2に示すように、車両100の周囲全てが、センサ部10の送信波のビームによって囲まれる。一方、センサ部10の設置個所、及びセンサ部10の放射角は、図2に示すような態様に限定されない。例えば、放射角が180度よりも狭いセンサ部10を、車両100に設置してもよい。この場合、4つより多くのセンサ部10を車両100に設置することで、車両100の周囲全てがセンサ部10の送信波のビームによって囲まれるようにしてもよい。また、車両100の周囲の全てがセンサ部10の送信波のビームによって囲まれる必要がない場合、適宜、センサ部10によるビームの放射角を狭くしたり、センサ部10の設置数を少なくしたりしてもよい。
図3は、一実施形態に係る電子機器の構成を概略的に示す機能ブロック図である。以下、一実施形態に係る電子機器の構成について説明する。
図3に示すように、一実施形態に係る電子機器1は、少なくとも制御部3を備えている。上述したセンサ部10A、センサ部10B、センサ部10C、及びセンサ部10Dは、それぞれ、制御部3に接続される。さらに、制御部3には、方位検出部5、及び報知部7が接続される。
制御部3は、種々の機能を実行するための制御及び処理能力を提供するために、例えばCPU(Central Processing Unit)のような、少なくとも1つのプロセッサを含んでよい。制御部3は、まとめて1つのプロセッサで実現してもよいし、いくつかのプロセッサで実現してもよいし、それぞれ個別のプロセッサで実現してもよい。プロセッサは、単一の集積回路として実現されてよい。集積回路は、IC(Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、複数の通信可能に接続された集積回路及びディスクリート回路として実現されてよい。プロセッサは、他の種々の既知の技術に基づいて実現されてよい。一実施形態において、制御部3は、例えばCPU及び当該CPUで実行されるプログラムとして構成してよい。制御部3は、制御部3の動作に必要なメモリのような記憶部を適宜含んでもよい。この記憶部は、制御部3において実行されるプログラム、及び、制御部3において実行された処理の結果などを記憶してよい。また、この記憶部は、制御部3のワークメモリとして機能してよい。一実施形態に係る制御部3の動作は、さらに後述する。
方位検出部5は、例えば電子機器1が搭載された車両の方位を検出する。方位検出部5は、地磁気を検出する電子コンパスなどとしてよい。また、方位検出部5は、GNSS(Global Navigation Satellite System)技術等に基づいて、電子機器1の位置情報を取得してもよい。GNSS技術は、例えばGPS(Global Positioning System)、GLONASS、Galileo、及び準天頂衛星(QZSS)等のいずれか衛星測位システムを含んでよい。例えば、方位検出部5は、GPSモジュールなどの位置情報所得デバイスを内蔵してよい。このような場合、方位検出部5は、電子機器1の位置情報を取得することにより、当該位置情報の時間変化に基づいて、電子機器1が搭載された車両の方位を検出してもよい。また、方位検出部5は、GPSモジュールなどの位置情報所得デバイスに代えて、又は当該デバイスとともに、ジャイロスコープのようなセンサを含んでもよい。また、例えば電子機器1が搭載された車両にカーナビゲーションシステムも搭載されている場合、このカーナビゲーションシステムから、車両の方位を検出してもよい。
一実施形態において、方位検出部5は、例えば電子機器1を搭載した車両100が東西南北いずれの方位に向いているか検出してよい。これにより、制御部3は、方位検出部5が検出した方位(の情報)を取得することができる。
報知部7は、電子機器1が距離の測定を行った結果などを、電子機器1のユーザなどに報知する。報知部7は、ユーザに報知する情報に応じて、種々の構成を想定することができる。例えば、電子機器1が距離の測定を行った結果などを、文字及び/又は画像などの視覚的な情報によって報知する場合、報知部7は、液晶ディスプレイ(LCD)、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等のような表示デバイスとしてよい。また、例えば、電子機器1が距離の測定を行った結果などを、より簡潔な視覚情報によって報知する場合、報知部7は、発光ダイオード(LED)等のような発光デバイスとしてよい。また、例えば、電子機器1が距離の測定を行った結果などを、音又は音声などの聴覚的な情報によって報知する場合、報知部7は、任意のスピーカ又はブザーなどとしてよい。報知部7は、上述したような機能部を少なくとも1つ含んで構成してよい。
一実施形態において、報知部7は、例えば車両100の周囲において、所定の対象物が所定の距離内に検出されたら、その旨を文字及び/又は画像などによって報知してもよい。また、報知部7は、所定の対象物が所定の距離内に検出されたら、車両100の運転者に注意喚起する表示などを行ってもよい。また、報知部7は、所定の対象物が所定の距離内に検出されたら、車両100の周囲において所定の対象物が検出された位置を、文字及び/又は画像などによって報知してもよい。さらに、報知部7は、所定の対象物が所定の距離内に検出されたら、所定の対象物と車両100との間の距離を、数値又はイメージ図などによって表示してもよい。
また、一実施形態において、報知部7は、例えば車両100の周囲において、所定の対象物が所定の距離内に検出されたら、所定の警告灯を点灯させるのみでもよい。さらに、一実施形態において、報知部7は、例えば車両100の周囲において、所定の対象物が所定の距離内に検出されたら、所定の警告及び/又は各種情報を、音声情報によって報知してもよい。
一実施形態に係る電子機器1は、最小の構成としては、制御部3のみを備えるものとしてよい。一方、一実施形態に係る電子機器1は、制御部3の他に、図3に示すような、少なくとも1つのセンサ部10、方位検出部5、及び報知部7の少なくともいずれかを含んで構成してもよい。このように、一実施形態に係る電子機器1は、種々の構成態様とすることができる。また、一実施形態に係る電子機器1が車両100に搭載される場合、制御部3、方位検出部5、及び報知部7は、車両100内部などの適当な場所に設置されてよい。一方、一実施形態においては、制御部3、方位検出部5、及び報知部7の少なくともいずれかは、車両100の外部に設置されてもよい。
次に、一実施形態に係るセンサ部10について説明する。以下、一実施形態に係るセンサ部10が、電波を送受信するレーダセンサである場合について説明する。
図4は、一実施形態に係るセンサ部10の構成を概略的に示す機能ブロック図である。以下、図4を参照して、一実施形態に係るセンサ部10について説明する。図4においては、図1〜図3に示したセンサ部10A、センサ部10B、センサ部10C、及びセンサ部10Dのうち、代表例として、1つのセンサ部10を示す。
図4に示すように、一実施形態に係るセンサ部10は、大まかに、送信部20及び受信部30を含んで構成される。図4は、送信部20の送信アンテナ26が送信波Tを送信する様子を模式的に示している。図4においては、送信波Tのうち、対象物50によって反射された波動を、反射波Rとして示してある。ここで、対象物50は、車両200のような、車両100以外の他の車両としてもよいし、歩行者又は障害物など、車両100以外の任意の物体としてもよい。また、図4は、受信部30の受信アンテナ31が反射波Rを受信する様子も模式的に示している。図4に示す記憶部12及びシンセサイザ14は、それぞれ、送信部20に含めてもよいし、受信部30に含めてもよいし、送信部20又は受信部30とは別に設けてもよい。
シンセサイザ14は、電子的な高周波合成を用いた発振回路であり、レーダの信号源となる。シンセサイザ14は、例えば周波数シンセサイザIC又は周波数シンセサイザ回路などで構成してよい。
記憶部12は、半導体メモリ又は磁気メモリ等で構成されてよい。記憶部12は、制御部3に接続されてよい。記憶部12は、各種情報及び制御部3で実行されるプログラム等を記憶する。記憶部12は、制御部3のワークメモリとして機能してよい。また、記憶部12は、制御部3に含まれてもよい。
送信部20及び受信部30は、記憶部12及びシンセサイザ14を含めて、既知のレーダセンサと同様の構成することができ、既知のレーダセンサと同様の機能部を採用することができる。したがって、以下、既知のレーダセンサと同様になる説明は、適宜、簡略化又は省略する。
図4に示すように、送信部20は、例えば、クロック発生部21、信号生成部22、直交変調部23、ミキサ24、送信増幅器25、及び送信アンテナ26を含んで構成することができる。
送信部20において、クロック発生部21は、制御部3の制御により、クロック信号CLKを発生する。クロック発生部21によって発生されたクロック信号は、信号生成部22に供給される。また、記憶部12には、制御部3の制御により、方位検出部5が検出した方位情報に基づいて生成された送信信号列が記憶されているものとする。
信号生成部22は、クロック発生部21によって発生されたクロック信号、及び、記憶部12から読み出された送信信号列に基づいて、送信信号を生成する。信号生成部22が生成する信号は、例えば周波数変調連続波(FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave))方式のレーダ信号とすることができる。一方、信号生成部22が生成する信号はFM−CW方式の信号に限定されない。信号生成部22が生成する信号は、例えば、パルス方式、パルス圧縮方式(スペクトラム拡散方式)、又は周波CW(Continuous Wave)方式など、各種の方式の信号としてもよい。記憶部12に記憶される送信信号列は、これら各種の方式によって異なるものとしてよい。例えば、上述のFM−CW方式のレーダ信号の場合、時間サンプルごとに周波数が増加する信号及び減少する信号を使用してよい。上述の各種の通信方式は、公知の技術を適宜適用することができるため、より詳細な説明は省略する。
また、信号生成部22は、送信信号を生成する際に、例えば制御部3の制御により、送信信号の周波数を割り当てる。一実施形態において、信号生成部22が送信信号の周波数を割り当てる際に使用する帯域は、以下のようにして決定する。
例えば、79GHz帯のミリ波レーダを使用する場合、帯域幅4GHzのミリ波、すなわち、77GHzから81GHzまでの帯域に割り当てられた4GHz帯域を使用することが規定されている。なお、以下の説明では、xを任意の数として、帯域幅xGHzのミリ波のことをxGHz帯域のミリ波ともいう。また、以下の説明では、xを任意の数として、帯域幅xGHzのことをxGHz帯域ともいう。この場合、77GHzから81GHzまでの帯域に割り当てられた4GHz帯域の一部として、例えば1GHz帯域を使用することもできる。したがって、一実施形態において、送信波Tを第1の帯域W1とする動作モードを、「第1帯域モード」と記す。また、一実施形態において、送信波Tを、第1の帯域W1よりも広い第2の帯域W2とする動作モードを、「第2帯域モード」と記す。上述のように、例えば第1帯域モードにおいては、送信波Tとして、1GHz帯のミリ波が送信されてもよい。また、例えば第2帯域モードにおいては、送信波Tとして、4GHz帯のミリ波が送信されてもよい。第1帯域モード及び第2帯域モードについては、さらに後述する。このようにして、信号生成部22によって生成された送信信号は、直交変調部23に供給される。
直交変調部23は、信号生成部22から供給された送信信号の直交変調を行う。直交変調部23によって直交変調された信号は、送信部20のミキサ24及び受信部30のミキサ34に供給される。
ミキサ24は、直交変調部23によって直交変調された信号を、シンセサイザ14から供給される信号と混合して周波数変換を行い、送信信号の周波数をミリ波の中心周波数まで上昇させる。ミキサ24によって周波数変換された送信信号は、送信増幅器25に供給される。
送信増幅器25は、ミキサ24によって周波数変換された送信信号の送信電力を増大させる。送信増幅器25によって送信電力が増大した送信信号は、送信アンテナ26から送信波Tとして送信される。
図4に示すように、送信アンテナ26から送信された送信波Tが届く範囲に対象物50が存在する場合、送信波Tの一部は、対象物50によって反射されて、反射波Rとなる。
また、図4に示すように、受信部30は、例えば、受信アンテナ31、受信増幅器32、ミキサ33、ミキサ34、ローパスフィルタ35、AD変換部36、及びFFT処理部37を含んで構成することができる。
受信部30において、受信アンテナ31は、反射波Rを受信する。受信アンテナ31によって受信された反射波Rに基づく受信信号は、受信増幅器32に供給される。受信増幅器32は、低雑音増幅器としてよく、受信アンテナ31から供給された受信信号を低雑音で増幅する。受信増幅器32によって増幅された受信信号は、ミキサ33に供給される。
ミキサ33は、受信増幅器32から供給されるRF周波数の受信信号を、シンセサイザ14から供給される信号と混合して周波数変換を行い、受信信号の周波数をIF周波数まで低下させる。ミキサ33によって周波数変換された送信信号は、ミキサ34に供給される。
ミキサ34は、ミキサ33によって周波数変換された送信信号を、直交変調部23によって直交変調された信号と掛け合わせることにより、ビート信号を生成する。ミキサ34によって生成されたビート信号は、ローパスフィルタ35に供給される。
ローパスフィルタ35は、ミキサ34から供給されるビート信号のノイズを除去する。ローパスフィルタ35によってノイズ除去されたビート信号は、AD変換部36に供給される。
AD変換部36は、任意のアナログ−デジタル変換回路(Analog to Digital Converter(ADC))で構成してよい。AD変換部36は、ローパスフィルタ35によってノイズ除去されたアナログのビート信号をデジタル化する。AD変換部36によってデジタル化されたビート信号は、FFT処理部37に供給される。
FFT処理部37は、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform(FFT))処理を行う任意の回路又はチップなどで構成してよい。FFT処理部37は、AD変換部36によってデジタル化されたビート信号に対してFFT処理を行う。FFT処理部37によってFFT処理された結果は、制御部3に供給される。
ここで、FFT処理部37は、上述した第1の帯域W1又は第1の帯域W1よりも広い第2の帯域W2においてFFT処理を行う。すなわち、上述した第1帯域モードにおいて、信号生成部22は第1の帯域W1の送信信号を生成するとともに、FFT処理部37は第1の帯域W1において受信信号のFFT処理を行う。また、上述した第2帯域モードにおいて、信号生成部22は第1の帯域W1よりも広い第2の帯域W2の送信信号を生成するとともに、FFT処理部37は第2の帯域W2において受信信号のFFT処理を行う。
FFT処理部37によってビート信号をFFT処理した結果として、周波数スペクトルが得られる。この周波数スペクトルから、制御部3は、センサ部10が発するビームの範囲内に所定の対象物50が存在するか否かを判定することができる。すなわち、制御部3は、FFT処理されたビート信号に基づいて、センサ部10が発するビームの範囲内に所定の対象物50が存在するか否かを判定することができる。また、制御部3は、FFT処理されたビート信号に基づいて、所定の対象物50が存在する場合に、センサ部10と対象物50との距離を測定することもできる。さらに、制御部3は、FFT処理されたビート信号に基づいて、所定の対象物50が存在する場合に、センサ部10と対象物50との位置関係も判定することもできる。このように、一実施形態において、送信波Tとして送信される信号、及び反射波Rとして受信される信号から得られるビート信号に基づいて、対象物50との間の距離を測定してよい。例えば79GHz帯などのミリ波レーダを利用して取得したビート信号に基づいて、距離を測定する測距技術そのものは公知であるため、より詳細な説明は省略する。
次に、一実施形態に係る電子機器1の動作について説明する。
上述のように、電子機器1は、送信波Tとして送信される信号と、送信波Tのうち対象物50によって反射された反射波Rとして受信される信号とに基づいて、対象物50との間の距離を測定する。また、電子機器1は、上述の第1帯域モードと、上述の第2帯域モードとで、動作可能である。ここで、第1帯域モードにおいては、第2の帯域W2よりも狭い第1の帯域W1の電波を用いて距離の測定を行う。したがって、第1帯域モードの測定は、測定に係る消費電力が比較的小さいものの、測定の距離分解能が比較的低い。一方、第2帯域モードにおいては、第1の帯域W1よりも広い第2の帯域W2の電波を用いて距離の測定を行う。したがって、第2帯域モードの測定は、測定の距離分解能が比較的高いものの、測定に係る消費電力が比較的大きい。そこで、一実施形態において、制御部3は、第1帯域モードと、第2帯域モードとを、切り替え可能に制御する。以下、一実施形態に係る電子機器1の動作について、さらに説明する。具体的には、帯域を切り替える方法として、反射物体が存在すると判断した場合に、送信する信号を切り替える方法を採用してよい。反射物体が存在すると判断する方法として、例えば以下のような方法を採用してよい。すなわち、送信信号と受信信号とを掛けたビート信号にFFT(高速フーリエ変換)を行うと、その遅延時間相当の周波数にピークが立つ。そのピークが閾値以上の場合、反射物体が存在すると判断することができる。このような閾値は、各種のシミュレーション又は実験などにより、予め設定しておいてよい。
図5は、一実施形態に係る電子機器1の動作を説明するフローチャートである。
図5に示す処理は、例えば電子機器1によって距離を測定する際に開始してよい。
図5に示す処理が開始すると、まず、制御部3は、電子機器1の動作モードを第1帯域モードに設定するように制御する(ステップS1)。すなわち、ステップS1において、制御部3は、例えば1GHz帯のような、第1の帯域W1の信号生成及び信号処理を行う動作モードに設定される。上述したように、第1帯域モードの動作においては、測定の距離分解能が比較的低くなるが、測定に係る消費電力は比較的小さくなる。したがって、電子機器1は、通常時の動作に係る消費電力を抑制することができる。
ステップS1において第1帯域モードに設定されると、制御部3は、センサ部10から送信する送信信号を生成するように制御する(ステップS2)。ステップS2においては、主として、図4で説明した送信部20のクロック発生部21による動作から、送信増幅器25による動作までを行うことにより、送信信号を生成する。以下、図4においてすでに説明した内容については、さらなる説明を省略する。
ステップS2において送信信号が生成されると、制御部3は、送信アンテナ26から送信信号を電波で送信するように制御する(ステップS3)。ステップS3においては、主として、図4で説明した送信増幅器25による動作から、送信アンテナ26による動作までを行うことにより、電波を送信する。
電子機器1が複数のセンサ部10から信号を送信する場合、ステップS2及びステップS3において、制御部3は、複数のセンサ部10が信号を同時ではなく順次送信するように制御してよい。
ステップS3において電波が送信されると、制御部3は、受信アンテナ31から反射波を受信するように制御する(ステップS4)。ステップS4においては、主として、図4で説明した受信部30の受信アンテナ31による動作から、受信増幅器32による動作までを行うことにより、反射波を受信する。ここで、受信アンテナ31は、上述のように、送信アンテナ26から送信された送信波のうち、対象物50によって反射された反射波を受信する。
ステップS4において反射波が受信されたら、制御部3は、受信した反射波に基づく受信信号を処理するように制御する(ステップS5)。ステップS5においては、主として、図4で説明した受信増幅器32による動作から、FFT処理部37による動作までを行うことにより、受信信号を処理する。ステップS5における動作によって、制御部3は、センサ部10から所定の距離内において、所定の対象物50が存在するか否かを認識することができる。また、ステップS5における動作によって、制御部3は、センサ部10から所定の距離内に所定の対象物50が存在する場合に、センサ部10から所定の対象物50までの距離も認識することができる。ここで、所定の対象物50は、上述のように、周囲の車両(同じ車線の前後の車両又は対向車)、歩行者、及び障害物など、各種の物体としてよい。
ステップS5において受信信号が処理されたら、制御部3は、対象物50が所定の距離内に検出されたか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において、所定の距離は、例えば電子機器1を搭載した車両100が対象物50に衝突せずに安全に停止できる距離を考慮して定めてもよい。また、この所定の距離は、規定値としてもよいし、可変値としてもよい。一般的に、車両100が自動車などである場合、走行する速度が速くなるにつれて、制動距離は長くなる。したがって、例えば、制御部3は、電子機器1を搭載した車両100の移動速度が速くなるに従って、所定の距離が長くなるように制御してもよい。ステップS6において、対象物50が所定の距離内に検出されたか否かを判定する具体的な技法の例は、さらに後述する。
ステップS6において所定の距離内に対象物50が検出されていないと判定された場合、制御部3は、ステップS1に戻って第1帯域モードの動作(距離の測定)を続行する。一方、ステップS6において所定の距離内に対象物50が検出されたと判定された場合、制御部3は、電子機器1の動作を第2帯域モードに設定するように制御する(ステップS7)。すなわち、ステップS7において、制御部3は、例えば4GHz帯のような、第1の帯域W1よりも広い第2の帯域W2の信号生成及び信号処理を行う動作モードに設定される。上述したように、第2帯域モードの動作においては、測定に係る消費電力は比較的大きくなるが、測定の距離分解能が比較的高くなる。したがって、この場合、電子機器1は、距離の測定における測定精度を向上させることができる。
ステップS7において第2帯域モードに設定されると、制御部3は、ステップS2〜ステップS5の動作を行うことにより、送信信号を送信波として送信し、受信した反射波に基づく受信信号を処理する。これにより、電子機器1は、距離の測定における測定精度を向上させることができる。また、第2帯域モードにおいて、電子機器1は、距離分解能が向上することにより、複数物体を同時に測距することも可能になる。
このように、一実施形態において、制御部3は、第1帯域モードと、第2帯域モードとを、切り替え可能に制御する。また、一実施形態において、制御部3は、第1帯域モードにおいて、対象物50が所定の距離内に検出されたら、第2帯域モードに切り換えるように制御する。
以上説明したように、一実施形態に係る電子機器1によれば、広帯域レーダの送信を常時行うことはなくなるため、消費電力を低減することができる。また、一実施形態に係る電子機器1は、所定の対象物50が所定の距離内に検出されないうちは、距離分解能が比較的低いラフな測距を行う。一方、一実施形態に係る電子機器1は、所定の対象物50が所定の距離内に検出されると、距離分解能が高い緻密な測距を行う。したがって、一実施形態に係る電子機器1によれば、望ましい測定の精度を低下させることなく、測定の効率を向上させることができるため、利便性を高めることができる。
次に、図5のステップS6に関連して、対象物50が所定の距離内に検出されたか否かの判定について、さらに説明する。
一般的に、レーダ信号処理において目標の自動検出を行うための技法として、CFAR(Constant False Alarm Rate)処理が知られている。また、受信信号が、目標信号と受信機雑音等の白色雑音とを含む場合においては、CA(Cell Averaging)CFAR処理が有効であることも知られている。
上述のように、一実施形態に係る電子機器1において、図4に示すミキサ34の処理の結果得られるビート信号に、FFT処理部37がFFT処理を施すと、周波数スペクトルが得られる。そこで、一実施形態において、制御部3は、このようにして取得された周波数スペクトルにおいて、当該周波数スペクトルにおけるピークを除く平均の雑音強度との比が、閾値を超える場合に、対象物50が所定の距離内に検出されたと判定してもよい。ここで、周波数スペクトルにおける平均電力は、時間に従って変動する。したがって、ピークと平均電力との比の閾値も、時間に従って変動する可変の閾値としてもよい。なお、この雑音強度の求め方は、CFRA−CA(ピーク近傍を除く周辺の平均雑音電力)やCRAF−OS(ピーク近傍を除く周辺の雑音電力のうち、低いほうからN番目を雑音電力とする)といった方法を用いることができる。これらの方法は、公知の技術を適宜適用することができるため、より詳細な説明は省略する。
このように、一実施形態において、制御部3は、ビート信号に基づいて得られる周波数スペクトルにおけるピークと、当該周波数スペクトルにおけるピークを除く平均の雑音強度との比が、所定の閾値を超える場合、対象物50が所定の距離内に検出されたと判定してもよい。
次に、一実施形態に係る第1帯域モードの具体例について、さらに説明する。
上述のように、第1帯域モードにおいては、第2の帯域W2(例えば4GHz帯)よりも狭い、第1の帯域W1(例えば1GHz帯)の電波を用いて距離の測定を行う。そこで、一実施形態において、複数のセンサ部10を用いて距離を測定する場合、第1帯域モードにおける電波の第1の帯域W1を、複数のセンサ部10ごとに、それぞれ異なる帯域を割り当てて測定してもよい。例えば図2に示した車両100は、センサ部10A、センサ部10B、センサ部10C、及びセンサ部10Dの4つのセンサ部10を設置してある。この場合、例えば、4つのセンサ部10が発信するそれぞれの電波の周波数を、異なる帯域の周波数帯としてもよい。この場合、異なる帯域のそれぞれは、同じ帯域幅としてもよい。以下、このような具体例について説明する。
図6は、一実施形態に係る複数のセンサ部10が送信する送信波の周波数帯を説明する図である。一実施形態に係る第1帯域モードにおいて、例えば図6に示すように、77GHzから81GHzまでの帯域に割り当てられた4GHz帯域を、1GHzずつ、図2に示した4つのセンサ部10に割り当ててもよい。すなわち、図6に示す80〜81GHzの1GHz帯(周波数Aとする)を、図2に示したセンサ部10Aが送信する電波に割り当ててよい。また、図6に示す79〜80GHzの1GHz帯(周波数Bとする)を、図2に示したセンサ部10Bが送信する電波に割り当ててよい。また、図6に示す78〜79GHzの1GHz帯(周波数Cとする)を、図2に示したセンサ部10Cが送信する電波に割り当ててよい。また、図6に示す77〜78GHzの1GHz帯(周波数Dとする)を、図2に示したセンサ部10Dが送信する電波に割り当ててよい。図6に示す例においては、4GHz帯域を、1GHzずつ、図2に示した4つのセンサ部10に割り当てているが、4GHz帯域を、1GHzとは異なる帯域で分割としてもよいし、分割数も4つに限られない。
以上説明したように、第1帯域モードにおいては、複数のセンサ部10のそれぞれにおいて、77GHzから81GHzまでの帯域に割り当てられた1GHz帯域のいずれかの電波を用いて、距離の測定を行ってよい。また、この場合、第2帯域モードにおいては、複数のセンサ部10の少なくとも1つにおいて、77GHzから81GHzまでの帯域に割り当てられた4GHz帯域の電波を用いて、距離の測定を行ってよい。
このように、一実施形態に係る第1帯域モードにおいて、制御部3は、複数の送信部(センサ部10)から送信される送信波Tの第1の帯域W1を、それぞれ異なる帯域にしてもよい。
以上のような周波数の割り当てを行った際、電子機器1がそれぞれ搭載された複数の車両が第1帯域モードにおいて電波を送信すると、限定された状況においては、干渉が発生する恐れも想定される。
例えば、図2に示した車両100の前方(進行方向)には、センサ部10Aが設置されている。センサ部10Aは、第1帯域モードにおいて、図6に示した80〜81GHzの1GHz帯の電波(周波数A)を送信する。ここで、図1に示した車両200も、車両100と同じ電子機器1を搭載している場合について想定する。この場合、車両200の前方(進行方向)にも、センサ部10Aが設置されている。車両200のセンサ部10Aも、車両100のセンサ部10Aと同様に、第1帯域モードにおいて、図6に示した80〜81GHzの1GHz帯の電波(周波数A)を送信する。また、図1に示したように、車両100と車両200とは、互いに対向車の位置関係にある。このような場合でも、車両100のセンサ部10Aと、車両200のセンサ部10Aとが電波を送信するタイミングが異なれば、干渉の問題は生じない。しかしながら、車両100のセンサ部10Aと、車両200のセンサ部10Aとが電波を送信するタイミングがたまたま重なると、干渉の問題が生じ得る。
そこで、一実施形態において、制御部3は、それぞれの車両に搭載された電子機器1において、複数の車両同士で同じ方向に設置されたセンサ部10が送信する電波の帯域が、異なるように制御してもよい。以下、このような制御について、さらに具体的に説明する。
図3において説明したように、電子機器1の制御部3は、方位検出部5が検出した方位(の情報)を取得することができる。このため、制御部3は、複数のセンサ部10がそれぞれ例えば車両100に設置された部位に基づいて、複数のセンサ部10が送信波を送信するそれぞれの方位(方角)を把握することができる。
図7は、一実施形態に係るセンサ部及び送信波を示す図である。図7に示すように、車両100は、例えば図に示す進行方向(東方向)に走行しているとする。この場合、制御部3は、方位検出部5による検出に基づいて、車両100の前方が東方向に向いていることを把握することができる。このため、制御部3は、センサ部10Aが車両100の前方に設置されている場合、センサ部10Aが送信波を送信する方位は主として東向きであることが把握できる。同様に、制御部3は、車両100の左側に設置されたセンサ部10Bは、主として北向き送信波を送信すると把握できる。同様に、制御部3は、車両100の右側に設置されたセンサ部10Cは、主として南向きに送信波を送信すると把握できる。同様に、制御部3は、車両100の後方に設置されたセンサ部10Dは、主として西向きに送信波を送信すると把握できる。
そこで、車両100に搭載された電子機器1の制御部3は、複数のセンサ部10から送信される送信波Tの第1の帯域W1を、それぞれの方角に応じて異なる帯域となるように制御してもよい。例えば、図7に示す東向きのセンサ部10Aには、図6に示す80〜81GHzの1GHz帯(周波数A)を割り当ててよい。同様に、図7に示す北向きのセンサ部10Bには、図6に示す79〜80GHzの1GHz帯(周波数B)を割り当ててよい。同様に、図7に示す南向きのセンサ部10Cには、図6に示す78〜79GHzの1GHz帯(周波数C)を割り当ててよい。同様に、図7に示す西向きのセンサ部10Dには、図6に示す77〜78GHzの1GHz帯(周波数D)を割り当ててよい。
また、一実施形態において、例えば図1に示す車両200にも、車両100に搭載されたのと同様の電子機器1が搭載されてよい。この場合、車両200に設置された複数のセンサ部10にも、車両100の場合と同様の帯域を割り当ててよい。例えば、図7に示す車両100に対向する車両200を想定すると、対向する車両200の前方に設置されたセンサ部10は西向きとなる。この場合、対向する車両200の前方に設置された西向きのセンサ部10には、図6に示す77〜78GHzの1GHz帯(周波数D)を割り当ててよい。
以上のような制御により、東方向に走行する車両100の前方に設置されたセンサ部10Aからは、80〜81GHzの1GHz帯(周波数A)の電波が送信される。また、車両100に対向して西方向に走行する車両200の前方に設置されたセンサ部10Aからは、77〜78GHzの1GHz帯(周波数D)の電波が送信される。したがって、例えば車両100のセンサ部10Aと、車両200のセンサ部10Aとが電波を送信するタイミングがたまたま重なったとしても、干渉の問題は回避又は抑制される。
このように、一実施形態に係る第1帯域モードにおいて、制御部3は、複数のセンサ部10から送信される送信波Tの第1の帯域W1を、送信波Tが送信される方位に応じて異なる帯域にしてもよい。この場合、制御部3は、送信波Tが送信される方位を、上述した方位検出部5が検出する方位に基づいて判定してもよい。
以上説明したように、一実施形態に係る電子機器1によれば、各車両において設置されるセンサ部10が電波を送信する方位に応じて、送信波の帯域が異なるように制御される。このため、一実施形態に係る電子機器1によれば、複数の車両同士が対向して走行していても、それぞれのセンサ部10が送信する電波が干渉したり混信したりしにくくなる。
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形又は修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形又は修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各機能部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能である。複数の機能部等は、1つに組み合わせられたり、分割されたりしてよい。上述した本開示に係る各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施され得る。つまり、本開示の内容は、当業者であれば本開示に基づき種々の変形および修正を行うことができる。したがって、これらの変形および修正は本開示の範囲に含まれる。例えば、各実施形態において、各機能部、各手段、各ステップなどは論理的に矛盾しないように他の実施形態に追加し、若しくは、他の実施形態の各機能部、各手段、各ステップなどと置き換えることが可能である。また、各実施形態において、複数の各機能部、各手段、各ステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。また、上述した本開示の各実施形態は、それぞれ説明した各実施形態に忠実に実施することに限定されるものではなく、適宜、各特徴を組み合わせたり、一部を省略したりして実施することもできる。
上述した実施形態は、電子機器1としての実施のみに限定されるものではない。例えば、上述した実施形態は、電子機器1のような機器の制御方法として実施してもよい。さらに、例えば、上述した実施形態は、電子機器1のような機器の制御プログラムとして実施してもよい。
また、例えば、上述の実施形態において、電波の送受信に基づいて距離を測定する例について説明した。しかしながら、上述のように、一実施形態において、光波の送受信に基づいて距離を測定してもよいし、音波の送受信に基づいて距離を測定してもよい。
[付記1]
前記制御部は、前記第1帯域モードにおいて、複数の送信部から送信される送信波の第1の帯域を、それぞれ異なる帯域にする、電子機器。
[付記2]
前記制御部は、前記第1帯域モードにおいて、前記複数の送信部から送信される送信波の第1の帯域を、前記送信波が送信される方位に応じて異なる帯域にする、電子機器。
[付記3]
前記制御部は、前記送信波が送信される方位を、方位検出部が検出する方位に基づいて判定する、電子機器。