JP6952289B2 - 抵抗器とその製造方法 - Google Patents

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本開示は、抵抗器およびその製造方法に関する。
絶縁基板と、その絶縁基板に設けられた一対の電極と、絶縁基板に設けられて一対の電極を電気的に接続する抵抗体とを有する抵抗器、いわゆるチップ抵抗器が知られている。また、そのチップ抵抗器の抵抗値の調整方法(修正方法)として、レーザトリミングが知られている。レーザトリミングは、例えば特許文献1および2に記載するように、レーザ光を用いて抵抗体にトリミング溝を形成することによって抵抗体の抵抗値を調整し、それによってチップ抵抗器の抵抗値が調整される方法である。特許文献1には、抵抗体の端面から延在するL字形状やJ字形状のトリミング溝が開示されている。また、特許文献2には、それぞれが抵抗体の端面から延在し、終端が互いに対向し合うL字形状および逆L字形状のトリミング溝が開示されている。
特開2007−165518号公報 特開2013−179212号公報
しかしながら、近年、二次電池の残量検出用の抵抗値の低い抵抗器として、抵抗体に金属材料(金属箔)を用いたチップ抵抗器(金属箔抵抗器)が使用されている。このような抵抗器の抵抗体は、除去加工が困難な金属材料から構成され、また厚みが大きい。そのため、抵抗体を貫通して絶縁基板にまで達する深さを備えるトリミング溝(すなわち底面が絶縁基板の表面であるトリミング溝)を形成することが難しい。その結果として、抵抗値を調整することが困難であった。そのため、やむをえず、抵抗体を貫通せずに絶縁基板にまで達しない深さを備える(抵抗体内に底面を備える)トリミング溝を形成することがあった。
しかしながら、抵抗体内に底面を備えるトリミング溝をレーザ光によって形成すると、レーザ光によって除去された材料が、トリミング溝の幅方向の両端で盛り上がり、ドロスを形成する。そのドロスが後工程で抵抗体上に形成される絶縁層(保護層)の厚みを越える高さであると、抵抗器の絶縁不良が発生する。
そこで、本開示は、抵抗器について、レーザ光を用いて抵抗体にトリミング溝を形成する際に発生するドロスを原因とする絶縁不良の発生を抑制することを課題とする。
上述の課題を解決するために、本開示の一態様によれば、
絶縁基板と、前記絶縁基板に設けられた一対の電極と、前記絶縁基板に設けられて前記一対の電極を電気的に接続する抵抗体と、前記抵抗体を覆う保護層とを有する抵抗器の製造方法であって、
前記抵抗体の抵抗値を測定しつつ、その測定値が所定値なるまで第1のレーザ光を照射して前記抵抗体の表面にトリミング溝を形成し、
前記トリミング溝の幅方向の両側に発生したドロスに対して第2のレーザ光を照射して前記ドロスを除去し、
前記トリミング溝が完成し、且つ、前記ドロスが除去された前記抵抗体の表面に保護層を形成する、抵抗器の製造方法が提供される。
また、本開示の別態様によれば、
絶縁基板と、
前記絶縁基板に設けられた一対の電極と、
前記絶縁基板に設けられて前記一対の電極を電気的に接続する抵抗体と、
前記抵抗体の表面に設けられた保護層と、を有し、
前記抵抗体が、その表面に形成されたトリミング溝、および、前記トリミング溝の幅方向の両側に形成されたドロス除去溝を備える、抵抗器が提供される。
本開示によれば、抵抗器について、レーザ光を用いて抵抗体にトリミング溝を形成する際に発生するドロスを原因とする絶縁不良の発生を抑制することができる。
本開示の一実施の形態に係る抵抗器の上面図 図1AにおけるA−A線に沿った抵抗器の断面図 レーザトリミング装置の概略図 DOEにから出射されたメインビームのスポットとサブビームのスポットを示す図 メインビームによって形成途中のトリミング溝とサブビームによって形成途中のドロス除去溝とを示す図 抵抗器の製造手順を示すフロー図 トリミング溝の幅方向の両側に形成されたドロスを示すトリミング溝の断面図 ドロスが除去された状態のトリミング溝の断面図
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1Aは、一実施の形態に係る抵抗器の上面図、図1Bは、図1AのA−A線に沿った抵抗器の断面図である。なお、理解を容易にするために、図面にはX−Y−Z座標系が示されている。
図1Aおよび図1Bに示す抵抗器10は、いわゆる金属箔チップ抵抗器であって、絶縁基板12と、絶縁基板12上に設けられた抵抗体14と、抵抗体14の表面14a上に間隔をあけて設けられた一対の電極16と、抵抗体14を覆う保護層18とを有する。また、抵抗器10は、電極16を覆う電極メッキ20を有する。
絶縁基板12は、本実施の形態の場合、プリプレグや絶縁性の樹脂材料から作製された上面視(Z軸方向視で)矩形状の基板である。抵抗体14は、一対の電極16間を電気的に接続するように方形状に設けられ、CuMn12Ni、CuMn7SnなどのCu系合金箔によって形成されている。一対の電極16は、抵抗体14の表面14aの両端部それぞれに設けられ、Cu材料によって形成されている。保護層18は、少なくとも電極16の一部が露出し、かつ抵抗体14を覆い、ガラスまたはエポキシ樹脂によって形成された絶縁層である。電極メッキ20は、電極16を覆い、Sn−Ni合金などの半田付けしやすい材料によって形成されている。
抵抗器10の抵抗値を調整(修正)するために、抵抗体14の表面14aにはトリミング溝30が形成されている。また、理由は後述するが、トリミング溝30の幅方向(X軸方向)の両側に、ドロス除去溝32が形成されている。
図2は、抵抗体にトリミング溝およびドロス除去溝32を形成するためのレーザトリミング装置を概略的に示している。
図2に示すように、レーザトリミング装置50は、レーザ発振器52と、ガルバノスキャナ54と、fθレンズ56と、fθレンズ56を移動させるレンズ移動装置58と、DOE(DOE:Diffractive Optical Element)59と、レーザトリミング中に抵抗体14の抵抗値を測定する抵抗測定器60とを有する。
図2に示すように、レーザ発振器52は、ガルバノスキャナ54に向かってレーザ光(平行光)Lを出射する、例えば、Q−SWパルスレーザによって高いピーク強度が得られ、パルス幅が100ns以下であって、繰り返し周波数が1000kHz以下での発振が可能なパルスレーザ発振器である。本実施の形態の場合、レーザ発振器52から出射されるレーザ光Lの波長は、1064nmである。
ガルバノスキャナ54は、内部に2軸のミラーを備え、そのミラーを用いてレーザ発振器52からのレーザ光LをX軸方向およびY方向に走査する。
fθレンズ56は、固定治具62に固定された抵抗器10(保護層18と電極メッキ20が形成される前の抵抗器)における抵抗体14の表面14aに、ガルバノスキャナ54からのレーザ光Lを集光するレンズである。fθレンズ56がレンズ移動装置58によって移動されることにより、焦点位置や焦点距離が調節される。本実施の形態の場合、fθレンズ56の焦点距離は160mmである。
DOE59は、fθレンズ56を通過したレーザ光Lを回折して1つのメインビームLm(第1のレーザ光)と2つのサブビームLsに回折する(分岐させる)回折格子である。図3には、そのDOE59から出射したメインビームLmによる抵抗体14の表面14a上のスポットSmと、サブビームLsによるスポットSsとが示されている。また、図4には、1つのメインビームLmによって形成途中のトリミング溝30と、2つのサブビームLsによって形成途中のドロス除去溝32とが示されている。
図3および図4に示すように、メインビームLmおよびサブビームLsは、トリミング溝30およびドロス除去溝32を形成するために、これらの溝の延在方向(Y軸方向)に走査される(矢印MA方向にスポットが移動する)。メインビームLmは、サブビームLsに比べてパルスエネルギが大きく、サブビームLsに対して先行する。また、トリミング溝30の幅方向(X軸方向)の両側にドロス除去溝32を形成するために、メインビームLmに対してトリミング溝30の幅方向の両側にサブビームLsが位置する。なお、トリミング溝30とドロス除去溝32の詳細については後述する。
抵抗測定器60は、抵抗器10の一対の電極16それぞれに接触するプローブ64を備え、抵抗器10の抵抗値を測定するように構成されている。また、抵抗測定器60は、測定した抵抗値が所定値になると、停止信号をレーザ発振器52に送信して該レーザ発振器52のレーザ出射を停止させるように構成されている。レーザの出射を、パルス単位で停止させることができる。
次に、抵抗器10の製造手順について説明する。図5は、抵抗器の製造手順を示すフロー図である。
図5に示すように、まず、ステップS1において、バルク基板に抵抗体が貼り付けられる。次に、ステップS2において、抵抗体をパターニングする。続くステップS3において、その抵抗体上に電極を形成してパターニングする。それにより、電極および抵抗体の表面を露出させる。ステップS4において、露出した抵抗体表面に、レーザトリミング装置を用いてトリミング溝およびドロス除去溝を形成し、抵抗値を調整する。ステップS5において、トリミング溝が形成された抵抗体表面に絶縁性の保護層を形成する。ステップS6において、バルク基板を複数のチップにダイシングする。そして、ステップS7において、複数のチップそれぞれの電極上に電極メッキを形成する。これにより、図1Aおよび図1Bに示す抵抗器10が作製される。
ここからは、トリミング溝とドロス除去溝のさらなる詳細について説明する。
トリミング溝およびドロス除去溝の形成方法を詳細に説明する。
図2に示すように、レーザ発振器52から出射されたレーザ光Lはガルバノスキャナ54によって偏向され、偏向されたレーザ光Lは、fθレンズ56を透過し、DOE59によって1つのメインビームLmと2つのサブビームLsに回折(分岐)される。
メインビームLmおよびサブビームLsは、抵抗器10の抵抗体14の表面14a上に照射される。このとき、fθレンズ56およびDOE59により、メインビームLmおよびサブビームLsそれぞれの焦点は、抵抗体14の表面14a上あるいは表面14aから所定量ずらした位置に調整されている。
メインビームLmの照射点近傍の抵抗体14が溶融、蒸発することでトリミング溝30が形成される。その際、図6に示すように、トリミング溝30の幅方向(X軸方向)の両側にドロス34が形成される。
具体的に説明すると、トリミング溝30を形成する際、メインビームLmを抵抗体14の照射点に集光することによって発生した高熱により該照射点の金属材料が蒸発し、その蒸発の反作用で照射点近傍の溶融した金属材料が外側に向けて押し出される。その押し出された金属材料が盛り上がって硬化することにより、ドロス34が形成される。そのドロス34の抵抗体14の表面14aからの突出高さが、図1Bに示すように抵抗体14の表面14a上に保護層18の厚みを越えると、絶縁不良が発生する。その結果として、抵抗器10は、所定の抵抗値を得ることができないという問題が発生する。
図3および図4に示すようにメインビームLmがサブビームLsに対して先行するので、メインビームLmによるトリミング溝30の形成によって発生したドロス34に対して、サブビームLsが照射される。それにより、図7に示すように、ドロス34が少なくとも部分的に除去される。そのドロス34の除去の形跡として、ドロス除去溝32が形成される。
なお、レーザ発振器52がパルスレーザ発振器である場合、図3に示すように、メインビームLmとサブビームLsの走査方向、すなわちトリミング溝30の延在方向(Y軸方向)の距離pe(照射点間距離)は、パルス間のピッチと同一であるのが好ましい。これにより、あるパルスタイミングで発振されたメインビームLmによって形成されたドロス34が固まる前に、次のパルスタイミングのサブビームLsをそのドロス34に照射することができる。ドロス34が固まる前にサブビームLsが照射されるため、小さなパルスエネルギでそのドロス34を除去することができる。すなわち、ドロス34が固まると、その除去するために必要なパルスエネルギが大きくなり、またその周囲に熱が伝わり新たなドロスを発生させうるので、なるべくドロス34が形成された直後にサブビームLsを照射するのが好ましい。
また、メインビームLmとサブビームLsのトリミング溝30の幅方向(X軸方向)の距離pwは、トリミング溝30の幅方向の中点とドロス34の最頂点との間の距離と同一であるのが好ましい。これにより、サブビームLsがドロス34の最頂点に照射され、ドロス34を効率的に除去することができる。
さらに、メインビームLmによって除去された抵抗体14の金属材料全てがドロス34を形成する可能性を考慮すると、トリミング溝30の幅方向の一方側に形成されるドロス34は、トリミング溝30の容積の半分の体積を持つ。実際にはメインビームLmによって除去された金属材料の一部は蒸発するけれども、サブビームLsのパルスエネルギは、メインビームLmのパルスエネルギの0.1%以上50%以下が好ましい。ドロス34の組成やサブビームLs照射時の温度などにもよるが、サブビームLsのパルスエネルギは、少なくともドロス34を除去できる程度のエネルギである必要がある。
このようなトリミング溝30を形成するトリミング加工は、プローブ64を介して抵抗器10の抵抗値を測定しながら行われる。測定された抵抗値が所定値に達した時点でレーザ出射を停止することにより、抵抗値の調整(修正)が完了する。
抵抗値は、トリミング溝30の深さやトリミング溝30の本数で調整することができる。抵抗値が所定値になるまで、複数本のトリミング溝30を形成し続けることにより、および/または、トリミング溝30を段階的に深く掘り進めることにより、抵抗値が調整される。抵抗値が所定値に達すると、レーザ光Lの照射が停止し、トリミング加工が完了する。
なお、トリミング溝30は、絶縁基板12まで到達しない深さで抵抗体に形成されるのが好ましい。これにより、絶縁基板12に到達する深さまでトリミング溝30を形成する場合に比べて、大きい(高い)ドロス34の発生を抑制することができる。
また、トリミング溝の幅は、図1Aおよび図1Bに示すように、トリミング溝の形成後に保護層18が形成されるので、その保護層の材料がトリミング溝内に入りやすい30μm以上にするのが好ましい。また、トリミング溝の断面形状(延在方向と直交する断面の形状)は、保護層形成時に先端に気泡が残りやすいV字形状などの鋭角な形状よりも、U字形状などの曲線形状が好ましい。
2つのドロス除去溝32は、トリミング溝30の形成時に発生するドロス34を除去するために形成されるものであるので、1つのドロス除去溝32のサイズはトリミング溝30に比べて小さいサイズで済む。すなわち、1つのドロス除去溝32の溝幅または溝深さは、トリミング溝30の溝幅または溝深さに比べて小さい。なお、当然ながら、ドロス除去溝32の延在方向長さは、トリミング溝30の延在方向長さに対して同一である。
ドロス除去溝32のサイズをトリミング溝30のサイズに比べて大きく形成しても、トリミング溝30の形成によって発生したドロス34を除去することができるが、この場合、ドロス除去溝32自体が、トリミング溝30の形成によって発生するドロスに比べて大きなドロスをその幅方向両側に発生させることになる。したがって、ドロス除去溝32のサイズは、トリミング溝30の形成によって発生したドロス34を除去できる最小限のサイズでよく、そのため、ドロス除去溝32のサイズ(溝幅または溝深さ)は、トリミング溝30のサイズに比べて小さい。
以上、上述の実施の形態によれば、抵抗器について、レーザ光を用いて抵抗体にトリミング溝を形成する際に発生するドロスを原因とする絶縁不良の発生を抑制することができる。
なお、レーザ発振器は、上述の実施の形態の場合、Q−SWパルスレーザによって高いピーク強度が得られるパルス幅が100ns以下のパルスレーザ発振器であるが、これに限らない。例えば、パルス幅が1ns〜50nsのQ−SW YAGレーザであってもよい。さらに、パルス幅が50ps以下のピコ秒レーザを用いる場合には、更に高いピーク強度を得ることができ、またトリミング溝加工時に熱伝導に使用される熱が少ないために熱影響を低減することができ、更にドロスを小さくすることができる。
レーザ光の波長やfθレンズの焦点距離は、抵抗体の材料や要求される抵抗値の調整精度によって様々に選択される。例えばfθレンズ以外のレンズが使用されてもよい。
レーザ光に関して、ドロス除去溝を形成するサブビームの焦点は、メインビームの焦点に対して高いレベル(Z軸方向)に位置するのが好ましい。これにより、メインビームによるトリミング溝形成時に発生するドロスが小さい(低い)場合にはサブビームによるそのドロスの除去が行われず、ドロスが大きい(高い)場合にそのドロスにサブビームがフォーカスして該ドロスが除去される。メインビームの焦点とサブビームの焦点との間のレベル差は、サブビームのスポット系によって多少変化するが、例えば、後工程で抵抗体に形成される保護層の厚み分に設定される。これにより、ドロスの高さが保護層の厚みを越えることを抑制することができる。
また、上述の実施の形態の場合、レーザ光を回折してメインビームとサブビームとを発生させるためにDOEが使用されているが、本開示の実施の形態はこれに限らない。例えば、結像系で三点の穴が形成されたマスクを抵抗体の表面に転写する、メインビームとサブビームとで異なる光学系(異なるレーザ発振器)を使用するなど、トリミング溝を形成するためのメインビームとドロスを除去するためのサブビームとを発生させることができるのであれば、その形態は問わない。
さらに、レーザ光の照射回数は1回に限らず、抵抗値が所定値になるまで複数回レーザ光を照射してもよい。レーザ光の照射回数や照射位置は、抵抗体の形状や材料によって様々に選択される。抵抗体や電極の材料についても、上述の実施の形態に使用した材料に限らず、様々に選択される。
さらにまた、上述の実施の形態の場合、トリミング溝の形成によって発生したドロスを除去するためにドロス除去溝が形成されるが、本開示の実施の形態はこれに限らない。例えば、ドロス除去溝を形成することなく、抵抗体の表面から盛り上がったドロスだけを除去してもよい。なお、ドロス除去溝が形成された場合、保護層がより強い密着強度で抵抗体に密着する。すなわち、保護層の形成時にドロス除去溝内に進入した該保護層の材料(樹脂やガラス等)が硬化すると、そのドロス除去溝内の保護層の部分がアンカーとして機能し、保護層が抵抗体から剥離しにくくなる。その結果として、信頼性が高い抵抗器を得ることができる。
加えて、上述の実施の形態の場合、抵抗器において、一対の電極は、絶縁基板上に直接的に設けられておらず、抵抗体上に設けられている、すなわち、間接的に絶縁基板に設けられている。これに代わって、一対の電極は、絶縁基板上に直接的に設けられてもよい。この場合、一対の電極の間に位置するように抵抗体が絶縁基板上に設けられ、その抵抗体が一対の電極を電気的に接続する。
以上のように、本開示における技術の例示として、実施形態を説明した。そのために、添付図面及び詳細な説明を提供した。したがって、添付図面及び詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、上述の技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれ得る。そのため、それらの必須ではない構成要素が添付図面や詳細な説明に記載されていることをもって、直ちに、それらの必須ではない構成要素が必須であるとの認定をするべきではない。
また、上述の実施形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲又はその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略等を行うことができる。
本開示にかかる抵抗器とその製造方法は、レーザ光によって抵抗体にトリミング溝を形成することによって該抵抗体の抵抗値が調整(修正)される抵抗器に適用可能である。
10 抵抗器
12 絶縁基板
14 抵抗体
14a 表面
16 電極
18 保護層
30 トリミング溝
Lm 第1のレーザ光(メインビーム)
Ls 第2のレーザ光(サブビーム)

Claims (9)

  1. 絶縁基板と、前記絶縁基板に設けられた一対の電極と、前記絶縁基板に設けられて前記一対の電極を電気的に接続する抵抗体と、前記抵抗体を覆う保護層とを有する抵抗器の製造方法であって、
    前記抵抗体の抵抗値を測定しつつ、その測定値が所定値なるまで第1のレーザ光を照射して前記抵抗体の表面にトリミング溝を形成し、
    前記トリミング溝の幅方向の両側に発生したドロスに対して第2のレーザ光を照射して、ドロス除去溝を形成することにより、前記ドロスを除去し、
    前記トリミング溝が完成し、且つ、前記ドロスが除去された前記抵抗体の表面に保護層を形成し、
    前記ドロス除去溝の溝幅が、前記トリミング溝に比べて狭い、抵抗器の製造方法。
  2. 前記第2のレーザ光は、前記第1のレーザ光によって発生した前記ドロスが固まる前に、前記ドロスに対して照射される請求項1に記載の抵抗器の製造方法。
  3. 前記第2のレーザ光の焦点は、前記第1のレーザ光の焦点に比べて高いレベルに位置する、請求項1または2に記載の抵抗器の製造方法。
  4. 前記第2のレーザ光の前記焦点は、前記第1のレーザ光の前記焦点に比べて前記保護層の厚み分、高いレベルに位置する、請求項に記載の抵抗器の製造方法。
  5. 前記トリミング溝が、前記絶縁基板まで到達していない深さで前記抵抗体に形成される、請求項1からのいずれか一項に記載の抵抗器の製造方法。
  6. 前記抵抗体は、Cu系合金箔で構成される、請求項1からのいずれか一項に記載の抵抗器の製造方法。
  7. 絶縁基板と、
    前記絶縁基板に設けられた一対の電極と、
    前記絶縁基板に設けられて前記一対の電極を電気的に接続する抵抗体と、
    前記抵抗体の表面に設けられた保護層と、を有し、
    前記抵抗体が、その表面に形成されたトリミング溝、および、前記トリミング溝の幅方向の両側に形成されたドロス除去溝を備え
    前記ドロス除去溝の溝幅が、前記トリミング溝に比べて狭い、抵抗器。
  8. 前記ドロス除去溝の溝深さが、前記トリミング溝に比べて浅い、請求項に記載の抵抗器。
  9. 前記抵抗体は、Cu系合金箔で構成される、請求項7または8に記載の抵抗器。
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