JP6952225B2 - T細胞レセプターとその利用 - Google Patents
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<1> 下記(i) 〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプター
(i) 配列番号:1〜3に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:6〜8に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(ii) 配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(iii) 配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる。
<2> HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを認識する、<1>に記載のT細胞レセプター。
<3> 下記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質
(i) 配列番号:1〜3に記載のアミノ酸配列を有する
(ii) 配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有する
(iii) 配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有する。
<4> 下記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(i) 配列番号:6〜8に記載のアミノ酸配列を有する
(ii) 配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有する
(iii) 配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する。
<5> <3>及び<4>のうちのいずれか一に記載のタンパク質をコードするDNA。
<6> <5>に記載のDNAを発現可能に含有するベクター。
<7> <5>に記載のDNAが導入された形質転換細胞。
<8> <3>に記載のタンパク質をコードするDNA及び<4>に記載のタンパク質をコードするDNAが導入された形質転換細胞であって、HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを結合して多量体化した分子によって検出することができる形質転換細胞。
<9> リンパ球である、<7>又は<8>に記載の形質転換細胞。
<10> <9>に記載の形質転換細胞を有効成分とする、survivin−2B陽性の癌を治療するための医薬組成物。
<11> 以下の(a)〜(c)のいずれかに記載の分子に特異的に結合する抗体。
(a)<3>に記載のT細胞レセプターα鎖タンパク質
(b)<4>に記載のT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(c)<1>又は<2>に記載のT細胞レセプター
<12> <1>又は<2>に記載のT細胞レセプターを結合して多量体化した分子。
<13> HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを検出又は捕捉するための薬剤であって、<12>に記載の分子を含む薬剤。
<14> HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを検出するためのキットであって、以下の(a)〜(h)の少なくとも1つの構成要素を含むキット。
(a)<3>に記載のT細胞レセプターα鎖タンパク質
(b)<4>に記載のT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(c)<1>又は<2>に記載のT細胞レセプター
(d)<5>に記載のDNA
(e)<6>に記載のベクター
(f)<7>〜<9>のいずれかに記載の形質転換細胞
(g)<11>に記載の抗体
(h)<12>に記載の分子
<15> HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを結合して多量体化した分子の品質管理方法であって、該分子と<7>〜<9>のいずれかに記載の形質転換細胞との反応性を確認する工程を含む方法。
<16> 下記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプター
(i) 配列番号:11〜13に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:16〜18に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(ii) 配列番号:14に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:19に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(iii) 配列番号:15に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:20に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる。
<17> HLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドを認識する、<16>に記載のT細胞レセプター。
<18> 下記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質
(i) 配列番号:11〜13に記載のアミノ酸配列を有する
(ii) 配列番号:14に記載のアミノ酸配列を有する
(iii) 配列番号:15に記載のアミノ酸配列を有する。
<19> 下記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(i) 配列番号:16〜18に記載のアミノ酸配列を有する
(ii) 配列番号:19に記載のアミノ酸配列を有する
(iii) 配列番号:20に記載のアミノ酸配列を有する。
<20> <18>及び<19>のうちのいずれか一に記載のタンパク質をコードするDNA。
<21> <20>に記載のDNAを発現可能に含有するベクター。
<22> <20>に記載のDNAが導入された形質転換細胞。
<23> <18>に記載のタンパク質をコードするDNA及び<19>に記載のタンパク質をコードするDNAが導入された形質転換細胞であって、HLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドを結合して多量体化した分子によって検出することができる形質転換細胞。
<24> リンパ球である、<22>又は<23>に記載の形質転換細胞。
<25> <24>に記載の形質転換細胞を有効成分とする、PBF陽性の癌を治療するための医薬組成物。
<26> 以下の(a)〜(c)のいずれかに記載の分子に特異的に結合する抗体。
(a)<18>に記載のT細胞レセプターα鎖タンパク質
(b)<19>に記載のT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(c)<16>又は<17>に記載のT細胞レセプター
<27> <16>又は<17>に記載のT細胞レセプターを結合して多量体化した分子。
<28> HLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドを検出又は捕捉するための薬剤であって、<27>に記載の分子を含む薬剤。
<29> HLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドを検出するためのキットであって、以下の(a)〜(h)の少なくとも1つの構成要素を含むキット。
(a)<18>に記載のT細胞レセプターα鎖タンパク質
(b)<19>に記載のT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(c)<16>又は<17>に記載のT細胞レセプター
(d)<20>に記載のDNA
(e)<21>に記載のベクター
(f)<22>〜<24>のいずれかに記載の形質転換細胞
(g)<26>に記載の抗体
(h)<27>に記載の分子
<30> HLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドを結合して多量体化した分子の品質管理方法であって、該分子と<22>〜<24>のいずれかに記載の形質転換細胞との反応性を確認する工程を含む方法。
本発明は、T細胞レセプター(TCR)、並びにそれを構成するT細胞レセプターα鎖タンパク質(TCRα鎖)及びT細胞レセプターβ鎖タンパク質(TCRβ鎖)を提供する。
(i) 配列番号:1〜3に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:6〜8に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(ii) 配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる、又は
(iii) 配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなるT細胞レセプターであり、当該TCRの典型的な特徴は、HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドに対する認識である。
(i) 配列番号:11〜13に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:16〜18に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(ii) 配列番号:14に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:19に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる、又は
(iii) 配列番号:15に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:20に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなるT細胞レセプターであり、当該TCRの典型的な特徴は、HLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドに対する認識である。
本発明は、また、上記TCRα鎖タンパク質をコードするDNA、及び上記TCRβ鎖タンパク質をコードするDNAを提供する。これらDNAを発現ベクターに組み込んで細胞に導入することにより、上記TCRα鎖タンパク質、上記TCRβ鎖タンパク質、またはこれらタンパク質からなるTCR複合体を、細胞において発現させることができる。これらタンパク質を細胞に発現させるためのベクターとしては、本実施例に示したベクターを用いることができるが、それに制限されない。例えば、2種類の遺伝子をIRESを介して単一mRNAから翻訳可能なベクターpIRES(TaKaRa Bio社)やMammalian PowerExpress System(東洋紡)のベクター等を利用することもできる。ベクターは、上記TCRα鎖タンパク質をコードするDNAと上記TCRβ鎖タンパク質をコードするDNAのいずれかを発現可能に含有するベクターであってもよく、両者を発現可能に含有するベクターであってもよい。上記ベクターを導入する細胞としては特に制限はなく、目的に応じて種々の細胞を用いることができる。細胞への遺伝子導入は、エレクトロポレーション法等当業者に公知の方法で行うことができる。
また、本発明は、上記TCRα鎖タンパク質に特異的に結合する抗体、上記TCRβ鎖タンパク質に特異的に結合する抗体、及びこれらタンパク質からなるTCRに特異的に結合する抗体を提供する。
本発明は、また、上記TCRを結合して多量体化した分子を提供する。当該分子の調製は、例えば、次の通り、行うことができる。TCRの細胞外領域をコードするDNAを発現ベクターに組み込み、人工的にTCRα鎖及びβ鎖の組み換えタンパク質を作製し、TCRα鎖あるいはβ鎖のC末端を酵素反応を利用してビオチン化する。ビオチン化されたTCRをカラムクロマトグラフィー法で精製し、これをアビジンと反応させることで多量体化した分子を調製できる。さらに、後述の実施例12に示す通り、TCRα鎖及びβ鎖のヘテロ二量体化を促進するため、これらタンパク質に多量体形成能を有するモチーフ(ロイシンジッパー領域等)を融合させてもよい。また、アビジンを予めFITC、PEあるいはAPC等の蛍光物質で標識することでフローサイトメーターや蛍光顕微鏡を用いて、特異的なMHC/ペプチド複合体を発現する細胞の検出が可能である。
本発明は、また、HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチド又はHLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドを検出するためのキットであって、以下の(a)〜(h)の少なくとも1つの構成要素を含むキットを提供する。
(a)本発明のTCRα鎖タンパク質
(b)本発明のTCRβ鎖タンパク質
(c)本発明のTCR複合体
(d)(a)又は(b)のタンパク質をコードするDNA
(e)(d)のDNAを発現可能に保持するベクター
(f)(d)のDNAが導入された形質転換細胞
(g)(a)若しくは(b)のタンパク質又は(c)の複合体に特異的に結合する抗体
(h)(c)の複合体を結合して多量体化した分子
ここで「HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチド」及び「HLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチド」とは、上記の通り、これらペプチドが細胞表面上に存在する場合、及び単離若しくは精製された分子(例えば、多量体化されたTCRにこれらペプチドが拘束された分子)として存在する場合の双方を含む意である。本発明のキットにおいては、さらに、当該キットの使用説明書が含まれていてもよい。
本発明は、また、HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを結合して多量体化した分子又はHLA−A*24:02に拘束されたPBFペプチドを結合して多量体化した分子の品質管理方法であって、当該分子と上記本発明の形質転換細胞との反応性を確認する工程を含む方法を提供する。本発明の品質管理方法における反応性の確認は、例えば、本実施例8〜11に記載の方法で実施することができる。その結果、反応性が維持されている場合には、当該分子の品質が維持されていると評価することができ、一方、反応性が低下した場合には、当該分子の品質が劣化したと評価することができる。なお、反応性の維持は、例えば、陽性率の維持及び/又はS/N比(signal noise ratio)の維持を指標に判定することができる。S/N比は陽性細胞集団のMFI(平均蛍光強度、mean fluorescence intensity)を陰性細胞集団のMFIで割った値から算出される。また、いずれかの指標の低下で、その品質の欠陥点を推認し、改善策を立てることができる。
本発明者らは、先ず、2003年に報告されたKaraniksらの論文(J.Immunol.2003;171:4898−4904)を参考に検証と改良を繰り返し、限界希釈条件下で効率よく癌抗原特異的CTLを増殖培養するMLPC法(mixed lymphocyte−peptide cultures)を確立した。MLPC法はPBMCに抗原ペプチドを直接添加して培養する方法であり、血液提供者の体内に存在するメモリーT細胞、あるいはメモリー/エフェクターT細胞を刺激して増殖させていると考えられる。したがって試験管内で調製した抗原提示細胞を利用した場合に心配されるような、ナイーブT細胞を人為的なプライミングにより刺激増殖してしまうリスクは低いと考えられる。本発明者らは、HLA−A*24:02 survivin−2Bペプチド特異的CTL line及びHLA−A*24:02 PBFペプチド特異的CTL lineの誘導を、次の通り、本発明者らが実際に患者検体を用いて免疫モニタリングを実施する際に使用している方法にて行った。
これらの細胞集団は、FACSAriaII(Becton Dickinson社)を用いてシングルセルソーティングを行い、マイトジェンとしてよく使用されるPHA(phytohemagglutinin)にて刺激して約1ヶ月間培養を続けた。更に、X線照射したHLA−A*24:02保持健常人由来PBMCにペプチドをパルスした細胞を添加混合培養する事で増殖刺激し2週間培養を続けた。
抗CD8抗体陽性かつHLA−A*24:02 PBF テトラマー試薬特異的なCTLが細胞集団中に占める割合は98.8%であり、HLA−A*24:02 HIV envテトラマー試薬での陽性率が0.00%であることから、抗CD8抗体陽性かつHLA−A*24:02 PBFテトラマー試薬陽性細胞について、クローン化が完了したと考えられた。
図2Aに示した通り、ITG−MT3にはHLA−A*24:02 survivin−2Bテトラマー試薬と反応するTCRを有する細胞が87.7%の比率で存在することが明らかとなった。また、図2Bに示した通り、FKS−D11Pについては、HLA−A*24:02 PBFテトラマー試薬と反応するTCRを有する細胞が98.8%の比率で存在することが明らかとなった。
Eはターゲット細胞とエフェクター細胞を共培養した時のCFSE陽性細胞集団中のAnnexxin V陽性細胞率を示し、T0はターゲット細胞のみを培養した時のCFSE陽性細胞集団中のAnnexxin V陽性細胞率を示す。
本発明者らは、遺伝子を取得する過程でPCRを繰り返し行うことによる予測不可能な変異の挿入を避けるために、遺伝子情報を抽出する前に取得可能な情報を得ておくべきと考えた。この目的のため、TCRβ鎖のVβ領域を特異的に認識することが可能な抗体を用いたフローサイトメトリーにより24種類のVβ領域をレパトア分析することが可能なキット(IOTest beta Mark TCR Vβ Repertoire Kit、Beckman Coulter社)を利用した。このキットに含まれているTCRVβ領域に特異的な抗体は、Vβ1、Vβ2、Vβ3、Vβ4、Vβ5.1、Vβ5.2、Vβ5.3、Vβ7.1、Vβ7.2、Vβ8、Vβ9、Vβ11、Vβ12、Vβ13.1、Vβ13.2、Vβ13.6、Vβ14、Vβ16、Vβ17、Vβ18、Vβ20、Vβ21.3、Vβ22、Vβ23の24種類である。このキットはTCRβ鎖のVβ領域の約70%を検出可能であり、TCRβ鎖のVβ領域のみの情報が判別できる。
−TCR遺伝子のクローニング−
本発明者らは、IMGTに登録されているTCRの遺伝子情報を網羅的に分析し、全てのTCRのα鎖とβ鎖の全長をクローニングできるように多数のプライマーを設計した。この方法の優位点は1回のPCRで全長配列が取得できることである。この方法では、PCR産物を基に得られたDNA配列情報に従ってプライマーを設計する必要が無いため、変異が含まれる可能性は最小限にとどめられている。しかしながら、プライマーの組合せが膨大になり、少ないcDNAを用いて検証できるPCRの回数は限られている。そこで、PCR反応をお互いに阻害しないことを確認したプライマーを10〜11種類混合させたプライマーミックスを用いてPCRを実施し、遺伝子産物が得られたプライマーミックスの全ての組合せでPCRを実施して、全長配列が得られるように工夫した。プライマーミックスの組合せとPCRの反応温度条件の設定は、既にTCRのレパトアが報告されているJurkat細胞、未処理のヒトPBMC、及び特定のVβ鎖を発現するT細胞のそれぞれから調製したcDNAを用いて行った。特定のVβ鎖を発現するT細胞は、ヒトPBMCよりVβ鎖抗体を用いて自動磁気分離装置で分離濃縮して調製した。
Fisher Scientific社)を用いてpCR2.1−TOPOに遺伝子断片を挿入した後、定法に従ってDNA配列を解析した。その結果、ITG−MT3のTCRβ鎖では、TRBV12−3/BC1、TRBV12−3/BC2、TRBV12−4/BC1、TRBV12−4/BC2の4種のPCR産物がいずれも同一のDNA配列であった。IMGTのデータベースを用いてレパトア解析を行った結果、ITG−MT3由来のTCRβ鎖は1種類同定され、Vβ/Dβ/Jβ/Cβの構成は、TRBV12−4/TRBD2/TRBJ2−1/TRBC2(以下、「B12−4」と記す)であった(図15A参照のこと)。また、FKS−D11PのTCRβ鎖は、1種類同定され、Vβ/Dβ/Jβ/Cβの構成は、TRBV9/TRBD1/TRBJ1−1/TRBC1(以下、「B9」と記す)であった(図15B参照のこと)。
ITG−MT3由来の2種類のTCRα鎖(A4とA13−2)と1種類のβ鎖(B12−4)の正しい組合せを解明する為に、哺乳動物細胞用発現ベクターであるpcDNA3.1(Thermo Fisher Scientific社)とpEF6/Myc−His(Thermo Fisher Scientific社)にcDNAをサブクローニングした。コントロールとして、本発明者らが過去に同定したHLA−A*24:02 WT1特異的TCRのα鎖及びβ鎖のcDNAを用い、同様に発現ベクターを構築した(特開2014−143982,Biomed Res. 2013;34:41−50)。
Scientific社)を用いてエレクトロポレーション法で実施した。3日間静置培養後、細胞集団の一部を分取し、HLA−A*24:02 survivin−2Bテトラマー試薬若しくはHLA−A*24:02 PBFテトラマー試薬にて染色し、フローサイトメーターにて分析した。
陽性像が得られた細胞集団survivin−2B TCR A4/B12−4及びPBF TCR A1−2/B9に、各ベクターの耐性薬剤であるG418(Roche社)と、Blastisidin(Thermo Fisher Scientific社)を添加し、薬剤耐性のTCR遺伝子発現形質転換細胞株SMT3S,PD11Sをそれぞれ樹立した。SMT3SのMHCテトラマー試薬に対する反応性を検証した結果を図8Aに示した。PD11SのMHCテトラマー試薬に対する反応性を検証した結果を図8Bに示した。これらの図面において、X軸にFITC標識抗CD8抗体の染色強度(logスケール)を、Y軸にPE標識MHCテトラマー試薬の染色強度(logスケール)を示した。各ドットプロット上部に使用したMHCテトラマー試薬の種類を示した。各ドットプロットを四分割した右上に存在する抗CD8抗体陽性かつMHCテトラマー試薬陽性細胞の生細胞中での存在率(%)を示した。
SMT3S細胞を用いたHLA−A*24:02 survivin−2Bテトラマー試薬の評価の正確性及びPD11S細胞を用いたHLA−A*24:02 PBFテトラマー試薬の評価の正確性を確認する目的で添加回収試験を行った。実験方法は、SMT3S又はPD11Sと、TCR遺伝子を導入していない親株細胞とを混合し、HLA−A*24:02テトラマー試薬で染色後、その陽性率と混合率から期待される陽性率とを比較した。培養中のSMT3S、PD11S及びこれら形質転換細胞の親細胞株から各々20μLの細胞浮遊液を分取し、20μLのTrypan Blue Stain 0.4%(Thermo Fisher Scientific社)を加え血球計算盤にて生細胞数をカウントした。次いで、測定した生細胞数に基づき、SMT3S又はPD11Sと親細胞株とを各々混合し、SMT3S又はPD11Sの存在比率が100%、50%、25%、12.5%、6.3%、3.1%、1.6%、0.8%、0.4%、0%の細胞集団を調整した。各細胞集団から5×105個細胞をエッペンドルフチューブに分取し、400×gで5分間遠心処理後、上清を注意深く廃棄した。1mLのFCMバッファーを添加し、再懸濁後、400×gで5分間遠心し、上清を注意深く廃棄した。20μLのFCMバッファーと10μLのClear Back Human FcR blocking reagentを加え良く攪拌後、室温にて5分間反応させた。10μLのHLA−A*24:02 survivin−2Bテトラマー試薬あるいはHLA−A*24:02 PBFテトラマー試薬を加え穏やかに攪拌後、4℃で30分間反応させた。10μLのCD8(clone T8)−FITCを加え、4℃で20分間反応させた。適量のFCMバッファーを加え400×gで5分間遠心した。上清を注意深く捨て、7−AADを1%添加したFCMバッファーを400μL加えて細胞を懸濁し、フローサイトメーターで細胞を取込み分析した。なお、解析はFSC−H/SSC―Hドットプロット展開図中で選択した領域をR1とし、FSC―H/7−AADドットプロット展開図での生細胞領域(すなわち、7−AAD陰性細胞集団)をR2として、「R1かつR2」の細胞集団において行った。得られた結果を図9A及びBに示した。これらの図面において、X軸にFITC標識抗CD8抗体の染色強度(logスケール)を、Y軸にPE標識MHCテトラマー試薬の染色強度(logスケール)を示した。図9AはHLA−A*24:02 survivin−2Bテトラマー試薬を用いて染色した結果である。SMT3Sの各混合率のドットプロット展開図を四分割した右上に陽性率を示した。SMT3Sが100%の時の陽性率が91.0%であったことから、混合率から期待される陽性率を、ドットプロット展開図を四分割した右上のカッコ内に示した。図9BはHLA−A*24:02 PBFテトラマー試薬を用いて染色した結果である。PD11Sが100%の時の陽性率が92.8%であったことから、混合率から期待される陽性率を、ドットプロット展開図を四分割した右上のカッコ内に示した。これらの添加回収試験の結果より、SMT3S,PD11Sの混合率はHLA−A*24:02テトラマー試薬によって正確に陽性率として検出されることが明らかとなった。
フローサイトメーターで使用するMHCテトラマー試薬の保存安定性を確認するためには、ポジティブコントロール細胞が必須である。ポジティブコントロール細胞は、常に試薬に対して同一の反応性を示すことが重要である。SMT3SやPD11Sのようにテトラマー試薬が特異的に結合するTCR遺伝子が導入された安定的形質転換細胞は理想的なポジティブコントロール細胞といえる。そこで、本発明者らはSMT3SとPD11Sを利用して、survivin−2Bテトラマー試薬及びPBFテトラマー試薬の保存安定性試験の実施方法を検証した。MHCテトラマー試薬の保存安定性は、フローサイトメトリーで期待される陽性率が保たれる期間として評価できる。SMT3SとPD11Sの陽性率をそれぞれ5〜15%に調整し、定期的に試薬の希釈系列により反応性を確認し、HLA−A*24:02 テトラマー試薬陽性率、MFI、CV値を分析することで保存安定性の検証を行った。
実施例6で使用した細胞株のうち、J.RT3−T3.5はMHCとTCRの結合を補佐するCD8分子を発現していない細胞株である。この細胞株にTCRを遺伝子導入し、テトラマー試薬で反応性が確認できた場合、そのTCRにおいてはMHC分子との結合の際にCD8分子の補佐を必須としないことが証明できる。MHC分子との結合の際にCD8分子の影響が低いTCRを取得することは、TCRテトラマーやTCRマルチマー等、取得したTCR遺伝子をツール化する上で非常に重要である。TCR遺伝子配列survivin−2B TCR A4/B12−4とPBF TCR A1−2/B9に関して、いかにその後の開発に有用な配列であるかを確認するため、J.RT3−T3.5にこれらのTCR遺伝子を遺伝子導入し、発現確認を行った。その結果、図11A及びBに示す通り、survivin−2B TCR A4/B12−4とPBF TCR A1−2/B9のいずれにおいても各テトラマー試薬との反応が確認された。
Coulter社)と、阻害的に働くことが知られているCD8抗体クローンRFT−8(SouthernBiotech社)の2種類のクローンを用いて、今回取得したTCRのテトラマー染色性に差が見られるかを確認した。その結果を図11Cに示す。なお、染色には今回樹立したSMT3S、PD11Sの存在比率を約10%に調製した細胞集団をそれぞれ使用した。
HLAに目的とするペプチド断片が提示されているかどうかの判定は非常に難しく、抗HLA/ぺプチド複合体抗体やTCRマルチマー等の研究が盛んに行われている。現在世界中で200種類以上のがんペプチドワクチン療法の臨床試験が進められているが、接種するペプチドの選択は、患者癌検体を用いたPCR法によるmRNAレベルの判定、又は癌抗原タンパク質そのものに対する抗体を用いた組織染色による癌抗原タンパク質の検出が主たる解析方法として用いられている。しかしながら、癌を特異的に認識するCTLは癌抗原タンパク質そのものを認識して癌細胞を殺傷するのではなく、癌抗原タンパク質が癌細胞内で分解され、そのペプチド断片がHLAに結合して細胞膜表面上に提示されている場合に癌細胞を認識して殺傷する。すなわち、癌細胞膜表面上でHLAとペプチドが複合体を形成している状態を認識している。HLAとペプチドが複合体を形成している状態を検出可能な試薬は、がん免疫療法を実施する上で、適切な癌抗原を選択する為に必須の分析ツールとなり得る。発明者らは本発明により同定したTCR遺伝子を用いてこの様な分析ツールとして利用できないかについて、検討を実施した。
癌抗原特異的TCR遺伝子を発現させた安定形質転換細胞株を利用して、目的とするHLAとペプチドの複合体を発現している抗原提示細胞、あるいは癌細胞を検出する方法を実施例11に示した。しかしながら、特異的なTCR遺伝子を発現させた安定形質転換細胞株を利用する方法では、常に安定形質転換細胞株を良好な条件下で培養維持する必要がある。加えて安定形質転換細胞株では継代を重ねることで遺伝子の脱落など予測不可能な現象が生じる可能性があり、必ずしも安定した実験系が複数の施設で実施できるかについては保証できない。そのため、特異的なTCRと反応するMHCテトラマー試薬のように、人工的に合成した試薬で代用できることが望ましい。
図16に示す通り、先ず、ITG−MT3 TCRα鎖又はFKS−D11P TCRα鎖の細胞外領域のC末端側にリンカーを介してFosのロイシンジッパー領域及び6×His−tagが付加されてなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を設計した。またITG−MT3 TCRβ鎖又はFKS−D11P TCRβ鎖の細胞外領域のC末端側にリンカーを介してJunのロイシンジッパー領域及びビオチン結合部位(BirA認識サイト)が付加されてなるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列も設計した。
次に、上記の通りにして設計した可溶性TCRを発現させるべく、前記発現ベクターを培養細胞株に導入した。遺伝子導入に使用した培養細胞株は、Chinese Hamster CHO−K1SV GSKO(Lonza社)を用いた。なお、CHO−K1SV GSKOはCHO−K1SV細胞のグルタミン合成酵素(GS)の欠失変異株で、GSをコードする上記発現ベクター(pXC17.4)と組み合わせて用いることにより、当該合成酵素系を指標としてクローンの選択を行うこと(GS Gene Expression System(登録商標))が可能である。また、遺伝子導入は、Neon Transfection System (Thermo Fisher Scientific社)を用いてエレクトロポレーション法で実施した。このようにして遺伝子導入を行った後、限界希釈法により可溶性TCRを発現する細胞を単クローン化し、可溶性TCRを高発現する安定形質転換細胞株を取得した。なお、可溶性TCRの発現確認は、抗His−tag抗体を用いたELISA法で行った。
上記の通りにして得られたTCRマルチマーの染色性評価のため、先ずHLA−A*24:02とsurvivin−2Bペプチドとの複合体を形成する細胞の調製を行った。抗原提示細胞として、HLA−A*24:02を発現する上述のC1R−A24を用い、当該細胞に最終濃度10μg/mLのsurvivin−2Bペプチドと混合し、またはネガティブコントロールとして同濃度のHIVペプチドと混合し、37℃の5%CO2インキュベータで24時間培養することで、HLA−A*24:02へペプチドをパルスした。
HLA−A*24:02−PBF特異的TCRマルチマーの反応性を評価するため、HLA−A*24:02とPBFペプチドとの複合体を形成する細胞の調製を行った。抗原提示細胞として、HLA−A*24:02を発現するC1R−A24を用い、当該細胞に最終濃度0μg/mL、0.1μg/mL、1μg/mL、10μg/mL、100μg/mLのPBFペプチドと混合し、37℃の5%CO2インキュベータで24時間培養することで、HLA−A*24:02へペプチドをパルスした。
C1R−A24細胞は、HLA−A*24:02を発現するリンパ腫細胞株であるが、他にもHLA−A*02:01、HLA−B*35:03、HLA−C*04:01を有する。そこで、HLA−A*24:02に対する特異性を確認する目的で、抗HLA−A24抗体をHLA−A24とエピトープペプチドとの複合体に結合させた場合に、TCRマルチマーの反応性に変化が生じることを確認した。
上記にて製造したTCRマルチマーのうち、反応性の高かったHLA−A*24:02−PBF特異的TCRマルチマーに関して、蛍光顕微鏡による観察を行った。抗原提示細胞として、HLA−A*24:02を発現するC1R−A24を用い、当該細胞に最終濃度0μg/mL、0.1μg/mL、10μg/mLのPBFペプチド又は10μg/mLのHIVペプチドと混合し、37℃の5%CO2インキュベータで24時間培養することで、HLA−A*24:02へペプチドをパルスした。ペプチドパルスを行ったC1R−A24細胞の適量に対して、TCRマルチマーを可溶性TCRモノマー濃度で換算して終濃度20μg/mLになるように添加して穏やかに混合し、4℃で30分静置した。1.5mLのFCMバッファーを加え撹拌後、3,000rpmで5分間遠心分離し、上清を吸引廃棄後、細胞をFCMバッファーに再懸濁し、うち100μLを3cmのGLASS BASE DISH(IWAKI社)に分取した。これらの細胞をHSオールインワンBZ9000蛍光顕微鏡(KEYENCE社)にて観察した。得られた結果を図21Aに示す。なお、図21Aにおいて、「TCR−multimer」は、TCRマルチマーの標識色素に由来する蛍光シグナルを検出した結果を示す(図21Bにおいても同じ)。
<223> ITG−MT3 TCRα鎖のCDR1
配列番号:2
<223> ITG−MT3 TCRα鎖のCDR2
配列番号:3
<223> ITG−MT3 TCRα鎖のCDR3
配列番号:4
<223> ITG−MT3 TCRα鎖の可変領域
配列番号:5
<223> 可溶性ITG−MT3 TCRα鎖
配列番号:6
<223> ITG−MT3 TCRβ鎖のCDR1
配列番号:7
<223> ITG−MT3 TCRβ鎖のCDR2
配列番号:8
<223> ITG−MT3 TCRβ鎖のCDR3
配列番号:9
<223> ITG−MT3 TCRβ鎖の可変領域
配列番号:10
<223> 可溶性ITG−MT3 TCRβ鎖
配列番号:11
<223> FKS−D11P TCRα鎖のCDR1
配列番号:12
<223> FKS−D11P TCRα鎖のCDR2
配列番号:13
<223> FKS−D11P TCRα鎖のCDR3
配列番号:14
<223> FKS−D11P TCRα鎖の可変領域
配列番号:15
<223> 可溶性FKS−D11P TCRα鎖
配列番号:16
<223> FKS−D11P TCRβ鎖のCDR1
配列番号:17
<223> FKS−D11P TCRβ鎖のCDR2
配列番号:18
<223> FKS−D11P TCRβ鎖のCDR3
配列番号:19
<223> FKS−D11P TCRβ鎖の可変領域
配列番号:20
<223> 可溶性FKS−D11P TCRβ鎖
配列番号:21
<223> ITG−MT3 TCRα鎖
配列番号:23
<223> ITG−MT3 TCRβ鎖
配列番号:25
<223> FKS−D11P TCRα鎖
配列番号:27
<223> FKS−D11P TCRβ鎖
配列番号:29
<223> HLA−A*24:02拘束性survivin−2Bペプチド
配列番号:30
<223> HLA−A*24:02拘束性PBFペプチド
配列番号:31
<223> HLA−A*24:02拘束性HIV envペプチド
配列番号:32
<223> HLA−A*24:02
Claims (15)
- 下記(i) 〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプター
(i) 配列番号:1〜3に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:6〜8に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(ii) 配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる
(iii) 配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質と配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質とからなる。 - HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを認識する、請求項1に記載のT細胞レセプター。
- 下記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプターα鎖タンパク質
(i) 配列番号:1〜3に記載のアミノ酸配列を有する
(ii) 配列番号:4に記載のアミノ酸配列を有する
(iii) 配列番号:5に記載のアミノ酸配列を有する。 - 下記(i)〜(iii)のいずれかの特徴を有するT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(i) 配列番号:6〜8に記載のアミノ酸配列を有する
(ii) 配列番号:9に記載のアミノ酸配列を有する
(iii) 配列番号:10に記載のアミノ酸配列を有する。 - 請求項3及び4のうちのいずれか一項に記載のタンパク質をコードするDNA。
- 請求項5に記載のDNAを発現可能に含有するベクター。
- リンパ球に請求項5に記載のDNAが導入されてなる形質転換細胞。
- 請求項3に記載のタンパク質をコードするDNA及び請求項4に記載のタンパク質をコードするDNAが導入されたリンパ球であって、HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを結合して多量体化した分子によって検出することができる形質転換細胞。
- 前記DNAが導入されるリンパ球が、Jurkat、Jurkat/MA、HPB−ALL、HPB−MLT、J.RT3−T3.5、又はSup−T1である、請求項7又は8に記載の形質転換細胞。
- 請求項7〜9のうちのいずれか一項に記載の形質転換細胞を有効成分とする、survivin−2B陽性の癌を治療するための医薬組成物。
- 以下の(a)〜(c)のいずれかに記載の分子に特異的に結合する抗体。
(a)請求項3に記載のT細胞レセプターα鎖タンパク質
(b)請求項4に記載のT細胞レセプターβ鎖タンパク質
(c)請求項1又は2に記載のT細胞レセプター - 請求項1又は2に記載のT細胞レセプターを結合して多量体化した分子。
- HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを検出又は捕捉するための薬剤であって、請求項12に記載の分子を含む薬剤。
- HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを検出するためのキットであって、以下の(a)〜(e)の少なくとも1つの構成要素を含むキット。
(a)請求項1又は2に記載のT細胞レセプター
(b)請求項3に記載のタンパク質をコードするDNA及び請求項4に記載のタンパク質をコードするDNA、又は、請求項3に記載のタンパク質及び請求項4に記載のタンパク質をコードするDNA
(c)請求項3に記載のタンパク質をコードするDNAを発現可能に含有するベクター及び請求項4に記載のタンパク質をコードするDNAを発現可能に含有するベクター、又は、請求項3に記載のタンパク質及び請求項4に記載のタンパク質をコードするDNAを発現可能に含有するベクター
(d)リンパ球に、請求項3に記載のタンパク質をコードするDNA及び請求項4に記載のタンパク質をコードするDNAが導入されてなる形質転換細胞
(e)請求項12に記載の分子 - HLA−A*24:02に拘束されたsurvivin−2Bペプチドを結合して多量体化した分子の品質管理方法であって、該分子と請求項7〜9のいずれかに記載の形質転換細胞との反応性を経時的に検証し、前記反応性が維持されている場合には、前記分子の品質が維持されていると評価し、一方、前記反応性が低下した場合には、当該分子の品質が劣化したと評価する工程を含む方法。
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