以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において、同一又は同等の要素には同一符号が用いられ、重複する説明は省略される。図面にはXYZ直交座標系が示される。
[第1実施形態]
図1は、蓄電モジュールを備える蓄電装置の一実施形態を示す概略断面図である。同図に示す蓄電装置10は、例えばフォークリフト、ハイブリッド自動車、電気自動車等の各種車両のバッテリとして用いられる。蓄電装置10は、複数(本実施形態では3つ)の蓄電モジュール12を備えるが、単一の蓄電モジュール12を備えてもよい。蓄電モジュール12は例えばバイポーラ電池である。蓄電モジュール12は、例えばニッケル水素二次電池、リチウムイオン二次電池等の二次電池であるが、電気二重層キャパシタであってもよい。以下の説明では、ニッケル水素二次電池を例示する。
複数の蓄電モジュール12は、例えば金属板等の導電板14を介して積層され得る。積層方向D1から見て、蓄電モジュール12及び導電板14は例えば矩形形状を有する。各蓄電モジュール12の詳細については後述する。導電板14は、蓄電モジュール12の積層方向D1(Z方向)において両端に位置する蓄電モジュール12の外側にもそれぞれ配置される。導電板14は、隣り合う蓄電モジュール12と電気的に接続される。これにより、複数の蓄電モジュール12が積層方向D1に直列に接続される。積層方向D1において、一端に位置する導電板14には正極端子24が接続されており、他端に位置する導電板14には負極端子26が接続されている。正極端子24は、接続される導電板14と一体であってもよい。負極端子26は、接続される導電板14と一体であってもよい。正極端子24及び負極端子26は、積層方向D1に交差する方向(X方向)に延在している。これらの正極端子24及び負極端子26により、蓄電装置10の充放電を実施できる。
導電板14は、蓄電モジュール12において発生した熱を放出するための放熱板としても機能し得る。導電板14の内部に設けられた複数の空隙14aを空気等の冷媒が通過することにより、蓄電モジュール12からの熱を効率的に外部に放出できる。各空隙14aは例えば積層方向D1に交差する方向(Y方向)に延在する。積層方向D1から見て、導電板14は、蓄電モジュール12よりも小さいが、蓄電モジュール12と同じかそれより大きくてもよい。
蓄電装置10は、交互に積層された蓄電モジュール12及び導電板14を積層方向D1に拘束する拘束部材16を備え得る。拘束部材16は、一対の拘束プレート16A,16Bと、拘束プレート16A,16B同士を連結する連結部材(ボルト18及びナット20)と、を備える。各拘束プレート16A,16Bと導電板14との間には、例えば樹脂フィルム等の絶縁フィルム22が配置される。各拘束プレート16A,16Bは、例えば鉄等の金属によって構成されている。積層方向D1から見て、各拘束プレート16A,16B及び絶縁フィルム22は例えば矩形形状を有する。絶縁フィルム22は導電板14よりも大きくなっており、各拘束プレート16A,16Bは、蓄電モジュール12よりも大きくなっている。積層方向D1から見て、拘束プレート16Aの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔H1が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。同様に、積層方向D1から見て、拘束プレート16Bの縁部には、ボルト18の軸部を挿通させる挿通孔H2が蓄電モジュール12よりも外側となる位置に設けられている。積層方向D1から見て各拘束プレート16A,16Bが矩形形状を有している場合、挿通孔H1及び挿通孔H2は、拘束プレート16A,16Bの角部に位置する。
一方の拘束プレート16Aは、負極端子26に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられ、他方の拘束プレート16Bは、正極端子24に接続された導電板14に絶縁フィルム22を介して突き当てられている。ボルト18は、例えば一方の拘束プレート16A側から他方の拘束プレート16B側に向かって挿通孔H1に通され、他方の拘束プレート16Bから突出するボルト18の先端には、ナット20が螺合されている。これにより、絶縁フィルム22、導電板14及び蓄電モジュール12が挟持されてユニット化されると共に、積層方向D1に拘束荷重が付加される。
図2は、図1の蓄電装置を構成する蓄電モジュールを示す概略断面図である。同図に示す蓄電モジュール12は、複数のバイポーラ電極(電極)32が積層された積層体30を備える。バイポーラ電極32の積層方向D1から見て積層体30は例えば矩形形状を有する。隣り合うバイポーラ電極32間にはセパレータ40が配置され得る。バイポーラ電極32は、電極板34と、電極板34の一方面に設けられた正極36と、電極板34の他方面に設けられた負極38とを含む。積層体30において、一のバイポーラ電極32の正極36は、セパレータ40を挟んで積層方向D1に隣り合う一方のバイポーラ電極32の負極38と対向している。一のバイポーラ電極32の負極38は、セパレータ40を挟んで積層方向D1に隣り合う他方のバイポーラ電極32の正極36と対向している。積層方向D1において、積層体30の一端には、内側面に負極38が配置された電極板34(負極側終端電極)が配置され、積層体30の他端には、内側面に正極36が配置された電極板34(正極側終端電極)が配置される。負極側終端電極の負極38は、セパレータ40を介して最上層のバイポーラ電極32の正極36と対向している。正極側終端電極の正極36は、セパレータ40を介して最下層のバイポーラ電極32の負極38と対向している。これら終端電極の電極板34はそれぞれ隣り合う導電板14(図1参照)に接続される。
蓄電モジュール12は、積層方向D1に延在する積層体30の側面30aにおいて電極板34の縁部34aを保持する枠体50を備える。枠体50は、積層方向D1から見て積層体30の周囲に設けられている。すなわち、枠体50は、積層体30の側面30aを取り囲むように構成されている。枠体50は、電極板34の縁部34aを保持する第1樹脂部52と、積層方向D1から見て第1樹脂部52の周囲に設けられる第2樹脂部54とを備え得る。
枠体50の内壁を構成する第1樹脂部52は、各バイポーラ電極32の電極板34の一方面(正極36が形成される面)から縁部34aにおける電極板34の端面にわたって設けられている。積層方向D1から見て、各第1樹脂部52は、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34a全周にわたって設けられている。隣り合う第1樹脂部52同士は、各バイポーラ電極32の電極板34の他方面(負極38が形成される面)の外側に延在する面において当接している。その結果、第1樹脂部52には、各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aが埋没して保持されている。各バイポーラ電極32の電極板34の縁部34aと同様に、積層体30の両端に配置された電極板34の縁部34aも第1樹脂部52に埋没した状態で保持されている。これにより、積層方向D1に隣り合う電極板34,34間には、当該電極板34,34と第1樹脂部52とによって気密に仕切られた空間Vが形成されている。当該空間Vには、例えば水酸化カリウム水溶液等のアルカリ溶液からなる電解液(不図示)が収容されている。
枠体50の外壁を構成する第2樹脂部54は、積層方向D1を軸方向として延在する筒状部である。第2樹脂部54は、積層方向D1において積層体30の全長にわたって延在する。第2樹脂部54は、積層方向D1に延在する第1樹脂部52の外側面を覆っている。第2樹脂部54は、積層方向D1から見て内側において第1樹脂部52に溶着されている。
電極板34は、例えばニッケルからなる矩形の金属箔である。電極板34の縁部34aは、正極活物質及び負極活物質が塗工されない未塗工領域となっている。当該未塗工領域は、枠体50の内壁を構成する第1樹脂部52に埋没して保持される領域となっている。正極36を構成する正極活物質としては、例えば水酸化ニッケルが挙げられる。負極38を構成する負極活物質としては、例えば水素吸蔵合金が挙げられる。電極板34の他方面における負極38の形成領域は、電極板34の一方面における正極36の形成領域に対して一回り大きくなっている。
セパレータ40は、例えばシート状に形成されている。セパレータ40を形成する材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、ポリプロピレン等からなる織布又は不織布等が例示される。また、セパレータ40は、フッ化ビニリデン樹脂化合物等で補強されたものであってもよい。
枠体50(第1樹脂部52及び第2樹脂部54)は、例えば絶縁性の樹脂を用いた射出成形によって矩形の筒状に形成されている。枠体50を構成する樹脂材料としては、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等が挙げられる。蓄電モジュール12の枠体50は、積層方向D1に延在する側面50sを有する。側面50sは積層方向D1から見て外側に位置する面である。よって、第2樹脂部54が枠体50の側面50sを有することになる。
図3は、枠体に接続されている圧力調整弁を示す概略断面図である。図4は、弁体、スペーサ部材及び防水通気フィルタを示す分解斜視図である。図3では、積層方向D1に隣り合う一対の電極板34間に形成される空間Vに接続される一の圧力調整弁60を示している。なお、蓄電モジュール12は、複数の電極板34によって形成される複数の空間Vを有している。そのため、複数の空間Vのそれぞれに圧力調整弁60が接続され得る。図3に示すように、圧力調整弁60は、枠体50に形成された開口50aに接続される。開口50aは、枠体50を貫通する貫通孔であり、隣り合う電極板34間の空間V(内部)と外部空間と連通している。開口50aは、各空間Vに電解液を注入するための注液口として機能すると共に、電解液が注入された後は、圧力調整弁60の接続口として機能する。圧力調整弁60は、ケース部材(ケース体)61と、カバー部材(ケース体)63と、弁体(弾性部材)65と、スペーサ部材67と、防水通気フィルタ69とを含んでいる。
ケース部材61は、開口50aに接続される連通口62が設けられた内部空間SPを含む。例えば、ケース部材61は、周壁61aと側壁61bとを有する。周壁61aは、軸方向に一様な径を有する円筒形状をなしている。本実施形態では、周壁61aの内側が、内部空間SPを構成している。側壁61bは、周壁61aの軸方向において、周壁61aの一端に形成される。図示例では、軸方向において枠体50に面する側に側壁61bが形成されている。側壁61bの中央には、側壁61bを軸方向に貫通する連通口62が形成されている。連通口62は、ケース部材61の内部空間SPと外部の空間とを連通している。圧力調整弁60が枠体50に固定された状態では、枠体50の開口50aと連通口62とが接続される。すなわち、連通口62と空間Vとが連通する。
連通口62の周縁には第1突出部61dが形成されている。第1突出部61dは、例えば円環状をなしており、側壁61bにおける内部空間側の壁面61cにおいて、連通口62の周囲を全周にわたって囲んでいる。側壁61bの壁面61cでは、第1突出部61dが内部空間側に突出している。
カバー部材63は、ケース部材61における周壁61aの他端を塞ぐように、周壁61aの他端に接合される。カバー部材63は、例えば円形の板状をなしている。また、カバー部材63の中央には、カバー部材63を厚さ方向に貫通する排気口64が設けられている。カバー部材63がケース部材61に接合された状態では、連通口62及び排気口64のみによって、ケース部材61の内部空間SPとケース部材61の外部の空間とが連通され得る。連通口62と排気口64とは互いに対向する位置に設けられている。
ケース部材61及びカバー部材63は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。カバー部材63をケース部材61に接合する方法は特に限定されないが、例えばレーザ溶着、熱板溶着、及びボルト等の締結部材を用いた締結等を用い得る。
排気口64の周縁には第2突出部63bが形成されている。第2突出部63bは、例えば円環状をなしており、カバー部材63における内部空間側の側面63aにおいて、排気口64の周囲を全周にわたって囲んでいる。カバー部材63の側面63aでは、第2突出部63bが内部空間側に突出している。
弁体65は、軸方向における径が一様な円柱状をなしている。弁体65は、例えばゴム等の弾性材料によって形成されており、弾性を有している。弁体65はケース部材61の周壁61aの内径よりも小さな径を有している。
防水通気フィルタ69は、液体を通過させることなく、気体を通過させるフィルタである。すなわち、防水通気フィルタ69は、電解液を通過させることなく、発生したガスのみ通過させる。防水通気フィルタ69は、例えば円形状をなしている。一例として、防水通気フィルタ69は、少なくとも排気口64よりも大きな径を有している。本実施径形態では、防水通気フィルタ69は第2突出部63bの外径よりも大きな径を有している。
スペーサ部材67は、円筒形状をなす本体部67aを含む。本体部67aの内径は、例えば、第2突出部63bの内径よりも小さくなっている。また、本体部67aの外径は第2突出部63bの外径よりも大きくなっている。一例として、本体部67aの外径は弁体65の径と同じであってもよい。本体部67aの周壁67bには本体部67aの内外を連通する連通部67dが形成されている。本実施形態では、複数の連通部67dが周方向に均等に配置されている。スペーサ部材67は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。
カバー部材63がケース部材61に接合された状態では、弁体65、スペーサ部材67及び防水通気フィルタ69は内部空間SP内に収容されている。この状態では、弁体65によって連通口62が塞がれるように、カバー部材63は弁体65を連通口62に向けて押圧する。すなわち、弁体65は、連通口62を閉塞するように配置されている。弁体65は、弾性材料によって形成されているため、軸方向に圧縮されている。軸方向において弁体65の一方側の側面65aは第1突出部61dに当接している。弁体65の圧縮率は、予め調整されている。そのため、電極板34間の空間Vの圧力が設定値以上となった場合に、弁体65による連通口62の閉塞が解除される。弁体65において軸方向の他方側の側面65bはスペーサ部材67に当接している。また、弁体65の側面65cと周壁61aの内面との間には隙間Gが形成されている。
防水通気フィルタ69は、弁体65とカバー部材63との間において排気口64の全体を覆うように配置されている。なお、図示例では、防水通気フィルタ69及びスペーサ部材67が弁体65とカバー部材63との間に配置されている。スペーサ部材67は、弁体65と防水通気フィルタ69との間に配置されている。スペーサ部材67及び防水通気フィルタ69は、弁体65の弾性力によって、カバー部材63に向けて押圧されている。この場合、本体部67aにおける軸方向一方側の端面は、防水通気フィルタ69を押圧する押圧面67cを構成している。押圧面67cは、排気口64の周縁が全周にわたって防水通気フィルタ69に密着するように、防水通気フィルタ69をカバー部材63(第2突出部63b)に向けて押圧する。防水通気フィルタ69は、スペーサ部材67と第2突出部63bとによって円環状に挟持されている。
本実施形態では、スペーサ部材67における本体部67aの内側部分67eと連通部67dとによって、防水通気フィルタ69を介して排気口64と内部空間SPとを連通する連通路68が構成されている。
以上説明した圧力調整弁60では、ケース部材61の内部空間SPに弁体65及び防水通気フィルタ69が配置されている。弁体65はカバー部材63によって連通口62に押しつけられており、これによって連通口62が閉塞されている。電極板34間の空間Vの圧力が一定以上になると、弁体65の一部(具体的には、連通口62を塞ぐ部分及びその周辺部分)が連通口62から離間するように変形する。これにより、ガスが内部空間SPに排出される。ガスの排出によって空間V内の圧力が下がると、連通口62は再び弁体65によって閉塞される。
カバー部材63に形成された排気口64は、防水通気フィルタ69によって覆われている。また、排気口64と内部空間SPとは防水通気フィルタ69を介して連通路68によって連通されている。そのため、内部空間SPに排出されたガスは、連通路68を通って外部に排出され得る。防水通気フィルタ69は押圧面67cによってカバー部材63に向けて押圧されており、排気口64の周縁(図示例では第2突出部63b)に密着している。すなわち、内部空間SPから排気口64を介して外部に向かうためには、防水通気フィルタ69を必ず通過することになる。電解液は防水通気フィルタ69を通過できないので、連通口62からガスと共に電解液が排出されたとしても、電解液が排気口64から外部へ漏出することが抑制される。
連通口62の周縁には、連通口62を全周にわたって囲み、内部空間SP側に突出する第1突出部61dが形成されている。弁体65は第1突出部61dに当接している。この構成では、第1突出部61dが弁体65に食い込むことにより、弁体65と連通口62との間が封止され易くなる。
排気口64の周縁には、排気口64を全周にわたって囲み、内部空間SP側に突出する第2突出部63bが形成されている。防水通気フィルタ69は、第2突出部63bに密着している。この構成では、第2突出部63bに力が集中することによって、第2突出部63bと防水通気フィルタ69とをより容易に密着させることができる。
弁体65と防水通気フィルタ69との間には、押圧面67c及び連通路68が形成されたスペーサ部材67が配置されている。スペーサ部材67を用いることによって、押圧面及び連通路を同時に備える構造を容易に実現できる。
[第2実施形態]
本実施形態は、一つの圧力調整弁が複数の弁体を含む点において第1実施形態と相違している。以下、主として第1実施形態と相違する点について説明し、同一の要素や部材については同一の符号を付して詳しい説明は省略する。
図5は、蓄電モジュール12を示す概略斜視図である。図6は、枠体50の開口50aに接続される圧力調整弁160の分解斜視図である。積層方向D1から見て枠体50の一辺を形成する一の側面50s(ここでは、枠体50の長手方向(X方向)を向く一の側面50s)には、複数(ここでは4つ)の開口50a(開口50a1〜50a4)が設けられている。
図6に示されるように、1つの開口50aは、第1樹脂部52に設けられた第1開口52aと、第2樹脂部54に設けられた第2開口54aとによって構成されている。各第1開口52aは、隣り合うバイポーラ電極32間の空間Vと連通している。第1樹脂部52には複数(ここでは6つ)の第1開口52aが設けられており、第2樹脂部54には、複数の第1開口52aを覆うように広がる単一の第2開口54aが設けられている。第1開口52aは各第1樹脂部52に設けられてもよいし、隣り合う第1樹脂部52間に設けられてもよい。各第1開口52a及び第2開口54aの形状は例えば矩形である。なお、本実施形態では、第2開口54aの上部に、圧力調整弁160のベース部材70が入り込むための切欠き部54bが形成されている。
図7は、各開口50a1〜50a4を示す図(X方向から見た図)である。図7では、第1樹脂部52の周囲の第2樹脂部54の図示を省略している。本実施形態では、蓄電モジュール12には、24個の空間Vが形成されており、1つの開口50aは、積層方向D1における高さ位置が4段ずつずれた6つの空間Vと連通している。各空間Vは、4つの開口50a1〜50a4のうちのいずれか1つと連通している。図7に示されるように、1つの開口50aには、6つの第1開口52aが、枠体50の短手方向(Y方向)に2列に分かれて配置されている。各列には、3つの第1開口52aが積層方向D1(Z方向)に沿って配置されている。
例えば、各開口50aにおける第1開口52aの配置は、連通した空間Vのセットを1段ずつずらすように構成され得る。以下の説明では、便宜上、24個の空間Vを識別するために、積層体30の他端(図2の図示下側)から一端(図2の図示上側)へと向かう順に、空間V1〜V24と表記する。
図7の(A)に示されるように、開口50a1の第1列(図示左側の列。以下同じ。)には、空間V4,V12,V20と連通した第1開口52a4,52a12,52a20が設けられている。開口50a1の第2列(図示右側の列。以下同じ。)には、空間V8,V16,V24と連通した第1開口52a8,52a16,52a24が設けられている。
図7の(B)に示されるように、開口50a2の第1列には、空間V3,V11,V19と連通した第1開口52a3,52a11,52a19が設けられている。開口50a2の第2列には、空間V7,V15,V23と連通した第1開口52a7,52a15,52a23が設けられている。
図7の(C)に示されるように、開口50a3の第1列には、空間V2,V10,V18と連通した第1開口52a2,52a10,52a18が設けられている。開口50a3の第2列には、空間V6,V14,V22と連通した第1開口52a6,52a14,52a22が設けられている。
図7の(D)に示されるように、開口50a4の第1列には、空間V1,V9,V17と連通した第1開口52a1,52a9,52a17が設けられている。開口50a4の第2列には、空間V5,V13,V21と連通した第1開口52a5,52a13,52a21が設けられている。
上記のような第1開口52aの配置(すなわち、第1開口52a1〜52a24と空間V1〜V24との対応付け)によれば、全ての空間Vが互いに異なる第1開口52aに連通した構成が実現される。
続いて、図6及び図8〜図11を参照して、枠体50の開口50aに接続される圧力調整弁160の構成について説明する。図8は、圧力調整弁160の構成を示す概略断面図である。図8は、空間V12に対応する連通路(第1開口52a12、第1連通口74、及び第2連通口84により形成される連通路)の断面を含む断面図である。図6及び図8に示されるように、圧力調整弁160は、ベース部材70と、ケース部材80と、それぞれ複数(ここでは6つ)の弁体65、スペーサ部材67、及び防水通気フィルタ69と、カバー部材100とを有している。
ベース部材70は、略直方体状の外形を有しており、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。ベース部材70は、開口50aに接続される。X方向から見て、ベース部材70の下面及び両側面が、第2開口54aによって位置決めされる。ベース部材70は、例えば、側面71と第1樹脂部52との接触部分の一部または全部が溶着されることにより、開口50aに対して固定される。側面71と第1樹脂部52との溶着は、例えば熱板溶着、レーザ透過溶着、及び超音波溶着等により行われる。
図9の(A)は、側面71を示す平面図であり、図9の(B)は、ベース部材70の側面72(第1側面)を示す平面図である。側面72は、開口50a側とは反対側の側面であり、ケース部材80に対向している。図8及び図9に示されるように、ベース部材70には、側面71から側面72にかけて貫通する複数(ここでは6つ)の第1連通口73〜78が設けられている。第1連通口73〜78は、第1開口52a4,52a12,52a20,52a24,52a16,52a8と連通した連通口である。第1連通口76〜78の構成は、第1連通口73〜75の構成と同様である。具体的には、第1連通口76〜78は、側面71,72の中心を通り側面71,72に直交する軸Aに対して、第1連通口73〜75と点対称に構成されている。したがって、以下では、第1連通口73〜75について説明し、第1連通口76〜78の説明を省略する。
中段に位置する第1連通口74は、X方向に沿って延びた直方体状に形成されている。
下段に位置する第1連通口73は、X方向に沿って延びた直方体状の連通部73bと、X方向に沿ってケース部材80に向かうにつれて上下幅(Z方向の幅)が大きくなるテーパ状に形成されたテーパ部73cと、を有する。テーパ部73cは、X方向に沿ってケース部材80に向かうにつれて第1連通口73,74間の間隔が小さくなるように設けられている。連通部73bは、第1連通口73の開口50a側の開口端73aから第1連通口73の途中位置までの区間を形成しており、テーパ部73cは、当該途中位置から第1連通口73のケース部材80側の開口端73dまでの区間を形成している。なお、テーパ部73cは、第1連通口73とケース部材80に設けられた第2連通口83とを連通させるための位置調整の役割を果たしている。
上段に位置する第1連通口75は、X方向に沿って延びた直方体状の連通部75bと、X方向に沿ってケース部材80に向かうにつれて上下幅(Z方向の幅)が大きくなるテーパ状に形成されたテーパ部75cと、を有する。テーパ部75cは、X方向に沿ってケース部材80に向かうにつれて第1連通口74,75間の間隔が小さくなるように設けられている。連通部75bは、第1連通口75の開口50a側の開口端75aから第1連通口75の途中位置までの区間を形成しており、テーパ部75cは、当該途中位置から第1連通口75のケース部材80側の開口端75dまでの区間を形成している。なお、テーパ部75cは、第1連通口75とケース部材80に設けられた第2連通口85とを連通させるための位置調整の役割を果たしている。
第1連通口73〜75の開口端73a〜75aは、X方向から見て、第1開口52a4,52a12,52a20を含む大きさに形成されている。開口端73a〜75aの上下幅d1は、いずれも同一である。
開口50a1〜50a4における6つの第1開口52aの配置は、上述したように1段ずつずれている。このため、全ての開口50a1〜50a4に対して同一規格(共通形状)の圧力調整弁160を使用するためには、圧力調整弁160のベース部材70がどの開口50a1〜50a4に接続された場合にも、第1連通口73〜78が、対応する第1開口52aと連通する必要がある。例えば、ベース部材70の第1連通口73は、第1開口52a4に連通しているが、当該ベース部材70が開口50a2に接続された際には第1開口52a3に連通する必要があり、当該ベース部材70が開口50a3に接続された際には第1開口52a2に連通する必要があり、当該ベース部材70が開口50a4に接続された際には第1開口52a1に連通する必要がある。
そこで、本実施形態では、開口端73a〜75aの上下幅d1は、積層体30において繰り返される構造1つ分の幅(すなわち、上述した1段分のずれ幅)と開口50aの数との乗算値以上に設定されている。本実施形態では、積層体30において繰り返される構造1つ分の幅は、1つの電極板34と1つの空間Vとを合わせた部分の積層方向D1の幅d2(図2参照)である。すなわち、本実施形態では「d1≧d2×4」の関係が成立している。これにより、ベース部材70がどの開口50a1〜50a4に接続された場合にも、X方向から見て、各開口端73a〜75aの内側に、対応する第1開口52aが収まるようになっている。その結果、どの開口50a1〜50a4に対しても同一のベース部材70(すなわち、同一の圧力調整弁160)を使用することが可能となっている。これにより、必要となる部材の種類を減らすことができる。また、開口50a毎に異なる規格の圧力調整弁160を使用する必要がなくなるため、開口50aに対して適合しない規格の圧力調整弁160を接続してしまうといった誤組み付けの発生を防止することもできる。
さらに、図9の(A)に示されるように、複数の開口端73a〜78a(第1開口端)は、側面71の中心を通り側面71に直交する軸Aに対して、点対称に配置されている。この構成によれば、軸Aに対して互いに反転関係にあるベース部材70の2つの状態(姿勢)のいずれにおいても、開口50aに対する複数の開口端の位置関係が同一となる。このため、上記2つの状態のいずれにおいても、ベース部材70を開口50aに正常に接続することができる。具体的には、ベース部材70を、図9の(A)に示される状態から軸Aを回転軸として反転(180度回転)させても、当該ベース部材70を開口50a1に接続することができる。例えば、第1開口52a4と連通していた第1連通口73は、上記反転後の状態においては、第1開口52a24に連通することになる。その結果、開口50aへのベース部材70の接続を容易に行うことが可能となる。また、開口50aに対して誤った向きでベース部材70を接続してしまうといった誤組み付けの発生を防止することもできる。
図9の(B)に示されるように、ベース部材70の側面72には、ベース部材70とケース部材80との接続方向D2(すなわちX方向)から見て複数の第1連通口73〜78の各々を仕切るように接続方向D2に沿って延びた第1接合用突起部72A,72Bが設けられている。
第1接合用突起部72Aは、矩形状の各開口端73d〜75dのY方向に沿って延びた縁部に立設された4つの壁部72A1と、各開口端73d〜75dのZ方向に沿って延びた縁部に立設された2つの壁部72A2と、を有する。同様に、第1接合用突起部72Bは、矩形状の各開口端76d〜78dのY方向に沿って延びた縁部に立設された4つの壁部72B1と、各開口端76d〜78dのZ方向に沿って延びた縁部に立設された2つの壁部72B2と、を有する。
また、側面72の四隅には、接続方向D2に延びた柱状の第1測定用突起部72Cが設けられている。第1測定用突起部72Cは、後述するケース部材80の第2接合用突起部81A,81B及び第2測定用突起部81Cと干渉しないように設けられている。すなわち、第1測定用突起部72Cは、接続方向D2から見て、第2接合用突起部81A,81B及び第2測定用突起部81Cと重ならない位置に設けられている。
ケース部材80は、略直方体状の外形を有する箱状部材であり、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。ケース部材80は、箱の底面に相当する側面81(第2側面)においてベース部材70の側面72に接合される。図10は、ケース部材80の側面81を示す分解斜視図である。図11の(A)は、側面81を示す平面図であり、図11の(B)は、ケース部材80をカバー部材100側から見た平面図である。
図10及び図11に示されるように、ケース部材80には、側面81から内側面82にかけて貫通する複数(ここでは6つ)の第2連通口83〜88が設けられている。第2連通口83〜88は、円柱状に形成されている。各第2連通口83〜88は、対応する第1連通口73〜78を介して、それぞれ1つの空間Vと連通している。
図10及び図11の(A)に示されるように、ケース部材80の側面81には、接続方向D2(X方向)から見て複数の第2連通口83〜88の各々を仕切るように接続方向D2に沿って延びた第2接合用突起部81A,81Bが設けられている。
第2接合用突起部81A,81Bは、第1接合用突起部72A,72Bに対応する形状を有しており、接続方向D2から見て第1接合用突起部72A,72Bと重なるように設けられている。すなわち、第2接合用突起部81Aは、4つの壁部72A1に対応する4つの壁部81A1と、2つの壁部72A2に対応する2つの壁部81A2と、を有する。同様に、第2接合用突起部81Bは、4つの壁部72B1に対応する4つの壁部81B1と、2つの壁部72B2に対応する2つの壁部81B2と、を有する。
また、側面81の四隅には、接続方向D2に延びた柱状の第2測定用突起部81Cが設けられている。第2測定用突起部81Cは、第1接合用突起部72A,72B及び第1測定用突起部72Cと干渉しないように設けられている。すなわち、第2測定用突起部81Cは、接続方向D2から見て、第1接合用突起部72A,72B及び第1測定用突起部72Cと重ならない位置に設けられている。
ベース部材70とケース部材80とは、第1接合用突起部72A,72Bの端部と第2接合用突起部81A,81Bの端部とを熱板溶着することにより、互いに接合されている。これにより、ベース部材70の側面72とケース部材80の側面81とは、接続方向D2から見て複数の第1連通口73〜78と複数の第2連通口83〜88とにより形成される複数の連通路の各々を仕切るように接続方向D2に沿って延びた仕切壁Wを介して接続されている。仕切壁Wは、第1接合用突起部72A,72Bと第2接合用突起部81A,81Bとが熱板溶着されることにより、側面72と側面81とを接続するように形成された壁部である。
なお、上記熱板溶着において、第1接合用突起部72A,72Bの端部に対して平行となるように熱板が押し当てられる。この際、第1測定用突起部72Cの端部にも同様に熱板が押し当てられることにより、第1測定用突起部72Cの端部は、上記熱板溶着により溶融した後に固まった状態となっている。同様に、上記熱板溶着において、第2接合用突起部81A,81Bの端部に対して平行となるように熱板が押し当てられる。この際、第2測定用突起部81Cの端部にも同様に熱板が押し当てられることにより、第2測定用突起部81Cの端部は、上記熱板溶着により溶融した後に固まった状態となっている。
図9の(B)及び図11の(A)に示されるように、ベース部材70の側面72に設けられた複数の開口端73d〜78d、及びケース部材80の側面81に設けられた複数の開口端83a〜88aはいずれも、軸Aに対して、点対称に配置されている。また、第1接合用突起部72A,72B及び第2接合用突起部81A,81Bも、軸Aに対して、点対称に配置されている。一方、第1測定用突起部72Cと第2測定用突起部81Cとは、軸Aに対して互いに点対称とはならないように配置されている。図9の(B)に示されるように、本実施形態では、第1測定用突起部72Cは、側面72の四隅において、Z軸方向に沿った縁部(短辺側)に設けられている。一方、図11の(A)に示されるように、本実施形態では、第2測定用突起部81Cは、側面81の四隅において、Y軸方向に沿った縁部(長辺側)に設けられている。このように、第1測定用突起部72Cと第2測定用突起部81Cとは、ベース部材70に対してケース部材80を上下反転(軸A周りに180度回転)させても、接続方向D2から見て互いに重ならないように配置されている。
図6及び図11の(B)に示されるように、ケース部材80の内側には、第2連通口83〜88の内側の開口端83b〜88b(開口端83a〜88aとは反対側の第2開口端)の各々を包囲すると共に各開口端83b〜88bを塞ぐための弁体65を収容する筒状部89が設けられている。弁体65は、筒状部89に収容された状態において、接続方向D2に沿って延びている。筒状部89は、弁体65の形状に合わせて略円筒状に形成されている。なお、本実施形態では、複数の開口端83b〜88bの各々に対応する複数の筒状部89は互いに連結している(一部を他の筒状部89と共有している)が、互いに分離していてもよい。
筒状部89の内径は、弁体65の直径よりも大きくなっている。また、筒状部89の内側面には、弁体65の側面65cに当接し、弁体65を筒状部89に対して固定するための複数の突起部89aが形成されている。各突起部89aは、X方向に沿って延びている。また、複数(ここでは6つ)の突起部89aは、X方向から見て等間隔(筒状部89の中心軸周りに60度間隔)に設けられている。弁体65の側面65cが6つの突起部89aに支持されることにより、弁体65の側面65cと筒状部89の内側面との間に、突起部89aの大きさに応じた隙間Gが安定的に設けられている(図8参照)。
カバー部材100は、ケース部材80の開口80aを塞ぐように、ケース部材80の端部80bに接合される板状部材である。ケース部材80とカバー部材100とは、複数の弁体65、スペーサ部材67、及び防水通気フィルタ69が収容される内部空間Sが形成されるように、互いに接続されている。カバー部材100は、複数の弁体65を各開口端83b〜88bに押し当てるように、接続方向D2に沿って複数の弁体65をケース部材80に対して押圧する押圧部材としても機能する。カバー部材100は、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、又は変性ポリフェニレンエーテル(変性PPE)等によって形成されている。カバー部材100をケース部材80の端部80bに接合する方法は特に限定されないが、例えばレーザ溶着、熱板溶着、及びボルト等の締結部材を用いた締結等を用い得る。
また、カバー部材100には、複数の弁体65にそれぞれ対応する位置に、カバー部材100を厚さ方向に貫通する排気口101が設けられている。カバー部材100がケース部材80に接合された状態では、第2連通口83〜88及び複数の排気口101のみによって、内部空間Sの内外が連通され得る。
排気口101の周縁には第2突出部102aが形成されている。第2突出部102aは、例えば円環状をなしており、カバー部材100における内部空間側の側面102において、排気口101の周囲を全周にわたって囲んでいる。カバー部材100の側面102では、第2突出部102aが内部空間側に突出している。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、6つの弁体65とカバー部材100との間にそれぞれスペーサ部材67及び防水通気フィルタ69が配置されている。筒状部89に収容された弁体65は、スペーサ部材67及び防水通気フィルタ69を介してカバー部材100に押圧されることによって、開口端84bを塞ぐように配置されている。図示のように、内側面82は、開口端84bを全周にわたって囲む第1突出部82aを有する。第1突出部82aは、円環状をなしており、弁体65側に盛り上がった形状をなしている。そのため、軸方向(X方向)において弁体65の一方側の側面65aは第1突出部82aに当接している。
防水通気フィルタ69は、弁体65とカバー部材100との間において排気口101の全体を覆うように配置されている。なお、図示例では、防水通気フィルタ69及びスペーサ部材67が弁体65とカバー部材100との間に配置されている。スペーサ部材67は、弁体65と防水通気フィルタ69との間に配置されている。スペーサ部材67及び防水通気フィルタ69は、弁体65の弾性力によって、カバー部材100に向けて押圧されている。この場合、押圧面67cは、排気口101の周縁が全周にわたって防水通気フィルタ69に密着するように、防水通気フィルタ69をカバー部材100に向けて押圧する。防水通気フィルタ69は、スペーサ部材67と第2突出部102aとによって円環状に挟持されている。
図8に示される開口端84bに着目し、圧力調整弁160の動作について説明する。第2連通口84は、第1連通口74及び第1開口52a12を介して、対応する空間V12と連通している。弁体65による開口端84bの閉塞の解除は、対応する空間V12内の圧力が予め定められた設定値以上となった場合に行われるように、弁体65の圧縮率が規定されている。このため、対応する空間V12内の圧力が設定値未満である場合には、図8に示されるように、開口端84bが弁体65によって塞がれた閉弁状態が維持される。
一方、空間V12内の圧力が上昇して設定値以上となった場合には、弁体65の一部(具体的には、開口端84bを塞ぐ部分及びその周辺部分)が開口端84bから離間するように変形し、開口端84bの閉塞が解除された開弁状態となる。その結果、閉塞が解除された開口端84bから空間V12内のガスが放出される。その後、空間V12内の圧力が設定値未満となった場合には、弁体65が元の状態に戻る。内部空間Sに排出されたガスは、いずれかの連通路68を通って、排気口101から外部に排出され得る。第1実施形態と同様に、内部空間Sから排気口101を介して外部に向かうためには、防水通気フィルタ69を必ず通過することになる。電解液は防水通気フィルタ69を通過できないので、開口端84bからガスと共に電解液が排出されたとしても、電解液が排気口101から外部へ漏出することが抑制される。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、円筒状の本体部と本体部に形成された連通部とを有するスペーサ部材を示したが、スペーサ部材は他の形状であってもよい。すなわち、スペーサ部材は、ケース部材と協働して排気口の全体を防水通気フィルタで被覆する機能、及び、内部空間から排気口までの連通路としての機能、を備えていれば形状は限定されない。例えば、上記実施形態では、周壁の貫通孔が連通部を構成しているが、連通部は切欠き状であってもよい。また、弁体に連通路を形成することで、弁体にスペーサ部材と同様の機能を付加してもよい。
また、第2実施形態では、6つの弁体に対応する6つのスペーサ部材及び6つの防水通気フィルタを備えている圧力調整弁の例を示したが、これに限定されない。例えば、6つのスペーサ部材は、一体的に形成された1つの部材であってもよい。同様に、6つの防水通気フィルタも、一体的に形成された1つの部材であってよい。
また、第2実施形態では、ケース部材80がベース部材70を介して枠体50の開口50aに接続されている例を示したが、これに限定されない。ケース部材80においては、第2連通口83〜88がそれぞれ対応する一つの空間Vと接続されていればよく、例えば、ベース部材70が省略されていてもよい。