JP6951204B2 - 燃料電池モジュール及びこれに使用される流体供給装置 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明によれば、燃料電池セルスタックとハウジングとの間が完全に断熱材によって熱的に分離されているため、この断熱材を貫通する各配管を通過するガスによる熱の流入を除いては、熱伝達を完全に遮断することができる。
このように構成された本発明によれば、ハウジング内において、燃料電池セルスタックに隣接する壁面に燃焼器が設けられているので、燃料電池セルスタックから燃料排出配管を介してハウジング側に排出された残余燃料を最短距離で燃焼器に供給することができる。これにより、ハウジング内の構造を単純化することができる。また、燃料電池セルスタックに隣接する一方の壁面に燃焼器が設けられているので、燃焼器により発生した燃焼ガスを、ハウジング内の他方の壁面に向けて流動させることができ、燃焼ガスの熱を有効に利用することができる。
このように構成された本発明によれば、ハウジングが燃料電池セルスタックの上方に並べて配置され、燃焼器はハウジングの底壁面に設けられているので、ハウジングの底壁面近傍で発生した燃焼ガスを、ハウジング内全体に対流させることができ、燃焼ガスの熱を有効に利用することができる。また、一般に、燃料電池セルスタックは、改質器や燃焼器を収容したハウジングよりも重量が大きいので、ハウジングの上方に燃料電池セルスタックを並べて配置した場合に比べ、燃料電池モジュールの安定性が良く、また、上方の装置を容易に支持することができる。さらに、燃料電池セルスタックの側方にハウジングを並べて配置した場合に比べ、断熱材を通してハウジング内で発生した熱が漏れた場合でも、燃料電池セルスタックに温度ムラが発生しにくくすることができる。
このように構成された本発明によれば、酸化剤ガス熱交換器がハウジングの上壁面及び側壁面に設けられているので、酸化剤ガス熱交換器内を流れる酸化剤ガスと、ハウジングの底壁面近傍で発生し、上方に流れる燃焼ガスとの間で、カウンターフローにより熱交換することができ。この結果、酸化剤ガスに効率良く熱を与えることができ、酸化剤ガスを十分に加熱することができる。
一般に、蒸発器は水を気化させるために多くの熱を消費する。このため、蒸発器をハウジング内に配置すると、燃焼器において生成された熱が蒸発器によって多量に消費され、ハウジング内の改質器に温度ムラが発生しやすくなる。上記のように構成された本発明によれば、蒸発器がハウジングの外部に配置されているので、蒸発器の消費する熱によりハウジング内に温度ムラが発生しにくく、改質器の温度分布を容易に制御することができる。
一般に平板型セルスタックは、それ自体が密閉構造を有し、燃料ガス及び酸化剤ガスが流れる流路が内部に形成されているので、これらの流路と各配管を接続するだけで、ハウジング側から簡単に流体を供給したり、排出したりすることができる。これにより、燃料電池モジュールの構造をシンプルにすることができる。
図1は本発明の実施形態による燃料電池モジュール全体の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本発明の実施形態による燃料電池モジュール1は、発電反応を行う燃料電池セルスタック2と、この燃料電池セルスタック2に、原燃料ガスを改質した燃料ガス、及び加熱した酸化剤ガスである空気を供給する流体供給装置4と、を有する。
なお、図1においては、断熱材8はひとつづきのものとして記載しているが、複数の断熱材で構成されるものであってもよい。例えば、燃料電池セルスタック2及びハウジング6を包囲する断熱材と、燃料電池セル2とハウジング6との間に設ける断熱材とは、異なる断熱材であってもよい。
さらに断熱材は、異なる断熱性能を有する部材を複数組み合わせて用いてもよく、重ねあわせや配置方法は、適宜要求される仕様に応じて設計することができる。
また、燃料電池セル2とハウジング6との間に設ける断熱材は、必ずしも燃料電池セル2とハウジング6との間を完全に覆うものでなくてもよく、少なくとも必要に応じて部分的に配置することで効果を奏するものである。
図2は本発明の実施例による燃料電池モジュール全体を示す斜視図である。図3は、本発明の実施例による燃料電池モジュールの全断面図である。図4は、図3におけるIV−IV線に沿う断面図であり、図5は、図3におけるV−V線に沿う断面図であり、図6は、図3におけるVI−VI線に沿う断面図である。なお、図2においては、燃料電池セルスタック等を包囲する断熱材を省略して示している。
図2に示すように、本発明の実施例による燃料電池モジュール1は、発電反応を行う燃料電池セルスタック2と、この燃料電池セルスタック2に原燃料ガスを改質した燃料ガス、及び加熱した酸化剤ガスである空気を供給する流体供給装置4と、を有する。また、流体供給装置4は、蒸発器4a及び改質・加熱器4bから構成されている。蒸発器4aは、供給された水を蒸発させて水蒸気を生成すると共に、この水蒸気を原燃料ガスと混合するように構成されており、改質・加熱器4bは蒸発器4aから供給された混合ガスを水蒸気改質して、水素を含む燃料ガスを生成し、燃料電池セルスタック2に供給するように構成されている。
図2及び図3に示すように、本実施例においては、燃料電池セルスタック2は平板型セルスタックであり、複数の長方形の平板型燃料電池セル2aを積層して構成されている。即ち、各燃料電池セル2aは、酸化物イオン導電体で構成された平板状の電解質の両面に、燃料極及び空気極(酸化剤ガス極)の電極を夫々設けることにより構成され、各燃料電池セル2aの間にはセパレータが配置されている(以上、図示せず)。また、積層された複数の燃料電池セル2aの上端にはトップエンドプレート10aが配置され、下端にはボトムエンドプレート10bが配置されている。このように複数の燃料電池セル2aを積層して得られた燃料電池セルスタック2の内部には、各燃料電池セル2aに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給通路(図示せず)と、酸化剤ガスである空気を供給するための酸化剤ガス供給通路(図示せず)が形成されている。また、燃料電池セルスタック2の上部及び底部からは、発電された電力を取り出すための2本のバスバー2bが夫々延びている。
次に、図2及び図3を参照して、蒸発器4aの構造を説明する。図2に示すように蒸発器4aには、水を供給するための水供給用配管20と、原燃料ガスを供給するための原燃料ガス供給配管22と、排気ガスを排出するための排気ガス排出管24が接続されている。また、改質・加熱器4bのハウジング6と、その外部の蒸発器4aとは配管により接続されており、この配管は改質・加熱器4bから蒸発器4aへ排気ガスを供給する排気ガス配管26と、この内側に配置された混合ガス導管28の二重管構造となっている(図3)。混合ガス導管28は、蒸発器4a内で生成された水蒸気と、蒸発器4aに供給された原燃料ガスを混合した混合器を改質・加熱器4b内に導入するように構成されている。また、蒸発器4aの側面周囲三辺には、蒸発器4aを補助的に加熱するための電気ヒータ29が巻回されている。
次に、図2乃至図6を参照して、改質・加熱器4bの構造を説明する。
図2に示すように、改質・加熱器4bは、金属製のハウジング6によって囲まれた直方体状の箱形に形成されており、その上面には発電用の酸化剤ガスである空気を供給するための空気供給パイプ32が接続されている。また、上述したように、ハウジング6の上面には排気ガス配管26と混合ガス導管28の二重管(図3)、底面には、燃料供給配管12、燃料排出配管14、酸化剤ガス供給配管16、及び酸化剤ガス排出配管18が接続されている。また、ハウジング6の一方の側面には、点火用のセラミックヒータ34が取り付けられている。
図3に示すように、改質・加熱器4bを形成するハウジング6の内部には、改質器36と、燃焼器38を収容する密閉空間が形成されている。
残余燃料ガスマニホルド38aは、ハウジング6の一端部の底壁面に取り付けられた箱形の部材であり、ハウジング6の底壁面に接続された燃料排出配管14からの残余燃料ガスが内部に流入するように構成されている。
次に、図3及び図4を参照して、改質・加熱器4bに備えられた酸化剤ガス熱交換器を説明する。
図3及び図4に示すように、ハウジング6はその壁面の一部が二重壁構造に構成されており、この二重壁の内側に発電用の空気を流すことにより、燃焼器38が生成した燃焼ガスで内部を流れる空気を加熱している。即ち、ハウジング6の上面の一部、長手方向の側壁面の一部、及び底壁面の一部は、内壁板6aと、外壁板6bの二枚の金属板から形成されている。これら内壁板6aと外壁板6bの間には、伝熱用のフィン40が配置されており、内壁板6aの熱が内壁板6aと外壁板6bの間の空間に効率良く伝わるようになっている。従って、内壁板6a、外壁板6b、及び伝熱用のフィン40は、供給された酸化剤ガスである空気を、燃焼器38によって生成された燃焼ガスにより加熱して燃料電池セルスタック2に供給する酸化剤ガス熱交換器として機能する。
次に、本発明の実施例による燃料電池モジュール1の作用を説明する。
まず、燃料電池モジュール1の起動時においては、原燃料ガス供給配管22を介して流体供給装置4の蒸発器4aに原燃料ガスが供給されると共に、空気供給パイプ32を介して発電用の空気が流体供給装置4の改質・加熱器4bに供給される。図3に示すように、供給された原燃料ガスは、蒸発器4aの蒸発室30a、混合室30bを通って混合ガス導管28に流入し、さらに、改質・加熱器4bの改質器36の中に流入する。なお、燃料電池モジュール1の起動初期においては、改質器36の温度が低いため、原燃料ガスを改質する反応は発生しない。改質器36に流入した原燃料ガスは、燃料供給配管12(図5)を通って燃料電池セルスタック2の内部に流入する。
本発明の実施例の燃料電池モジュール1によれば、燃料電池セルスタック2及び金属製のハウジング6が断熱材8によって夫々包囲されて熱的に隔離され、この断熱材8を貫通して燃料供給配管12、酸化剤ガス供給配管16、燃料排出配管14、及び酸化剤ガス排出配管18が、燃料電池セルスタック2とハウジング6の間に延びている(図3)。このため、燃料電池セルスタック2は、実質的に、燃料供給配管16及び酸化剤ガス供給配管16内を流れる流体を介してのみ熱を受けるので、燃焼器38等から放射される輻射熱等に基づいて燃料電池セルスタック2に温度ムラが発生することがない。また、燃料電池セルスタック2は、実質的に、流体を介してのみ加熱されるので、燃料電池セルスタック2の温度分布は供給する流体の温度及び流量によって規定され、ハウジング6内の改質器36、燃焼器38等の配置変更等により、燃料電池セルスタック2の温度分布が影響を受けることはない。このため、燃料電池セルスタック2と、ハウジング6内の改質器36、燃焼器38等を独立して設計することが可能になる。
2 燃料電池セルスタック
2a 燃料電池セル
2b バスバー
4 流体供給装置
4a 蒸発器
4b 改質・加熱器
6 ハウジング
6a 内壁板
6b 外壁板
8 断熱材
10a トップエンドプレート
10b ボトムエンドプレート
12 燃料供給配管
14 燃料排出配管
16 酸化剤ガス供給配管
18 酸化剤ガス排出配管
20 水供給用配管
22 原燃料ガス供給配管
24 排気ガス排出管
26 排気ガス配管
28 混合ガス導管
29 電気ヒータ
30a 蒸発室
30b 混合室
30c 排気ガス室
30d 通路
30e フィン
32 空気供給パイプ
34 セラミックヒータ
36 改質器
36a 改質触媒
38 燃焼器
38a 残余燃料ガスマニホルド
38b 残余燃料ガス分配管
38c 残余空気分散板
40 フィン
Claims (8)
- 供給された燃料ガスと酸化剤ガスを反応させることにより発電する燃料電池モジュールであって、
複数の燃料電池セルと、これらの各燃料電池セルに燃料ガスを供給するための燃料ガス供給通路と、酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス供給通路と、を備えた燃料電池セルスタックと、
供給された水を蒸発させ、水蒸気改質用の水蒸気を生成する蒸発器と、
この蒸発器によって生成された水蒸気により、原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を含む燃料ガスを生成し、上記燃料電池セルスタックに供給する改質器と、
上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った残余燃料ガスを、上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った残余酸化剤ガスによって燃焼させ、上記改質器を加熱する燃焼器と、
上記改質器及び上記燃焼器を収容する密閉空間が内部に形成され、上記燃料電池セルスタックと並べて配置された金属製のハウジングと、
このハウジングに設けられ、供給された酸化剤ガスを、上記燃焼器によって生成された燃焼ガスにより加熱して上記燃料電池セルスタックに供給する酸化剤ガス熱交換器と、
上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングとを包囲するように設けられるとともに、上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングとの間に設けられ、上記燃料電池セルスタックを上記ハウジングから熱的に隔離する断熱材と、
上記改質器において改質された燃料ガスを上記燃料電池セルスタックに供給する燃料供給配管と、
上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った上記残余燃料ガスを上記燃焼器に排出する燃料排出配管と、
上記酸化剤ガス熱交換器により加熱された酸化剤ガスを上記燃料電池セルスタックに供給する酸化剤ガス供給配管と、
上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った上記残余酸化剤ガスを上記ハウジング側に排出する酸化剤ガス排出配管と、を有し、
上記燃料電池セルスタックは上記ハウジングの外部に配置され、上記燃料供給配管、上記燃料排出配管、上記酸化剤ガス供給配管、及び上記酸化剤ガス排出配管は、上記断熱材を超えて、上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングの間に延びていることを特徴とする燃料電池モジュール。 - 上記断熱材は上記燃料電池セルスタック及び上記ハウジングを夫々包囲するように設けられ、
上記燃料供給配管、上記燃料排出配管、上記酸化剤ガス供給配管、及び上記酸化剤ガス排出配管は、上記断熱材を貫通して、上記燃料電池セルスタックと上記ハウジングの間に延びている請求項1記載の燃料電池モジュール。 - 上記燃焼器は上記ハウジングの内部において、上記ハウジングの上記燃料電池セルスタックに隣接する壁面に隣接して設けられている請求項1又は2に記載の燃料電池モジュール。
- 上記ハウジングは上記燃料電池セルスタックの上方に並べて配置されており、上記燃焼器は上記ハウジングの底壁面に設けられている請求項3記載の燃料電池モジュール。
- 上記酸化剤ガス熱交換器は、上記ハウジングの、少なくとも上壁面及び側壁面に設けられている請求項4記載の燃料電池モジュール。
- 上記蒸発器は上記ハウジングの外部に配置され、さらに、上記ハウジングと上記蒸発器を接続する排気ガス配管を有し、上記蒸発器は、上記燃焼器によって生成され、上記排気ガス配管によって供給された燃焼ガスにより加熱される請求項1乃至5の何れか1項に記載の燃料電池モジュール。
- 上記燃料電池セルスタックは、複数の平板型燃料電池セルを積層して構成された平板型セルスタックである請求項1乃至6の何れか1項に記載の燃料電池モジュール。
- 原燃料ガスを改質した燃料ガス及び加熱された発電用の酸化剤ガスを燃料電池セルスタックに供給するための流体供給装置であって、
供給された水を蒸発させ、水蒸気改質用の水蒸気を生成する蒸発器と、
この蒸発器によって生成された水蒸気により、原燃料ガスを水蒸気改質して、水素を含む燃料ガスを生成する改質器と、
上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った残余燃料ガスを、上記燃料電池セルスタックにおいて発電に使用されずに残った残余酸化剤ガスによって燃焼させ、上記改質器を加熱する燃焼器と、
上記改質器及び上記燃焼器を収容する密閉空間が内部に形成された金属製のハウジングと、
このハウジングに設けられ、供給された酸化剤ガスを、上記燃焼器によって生成された燃焼ガスにより加熱して上記燃料電池セルスタックに供給する酸化剤ガス熱交換器と、
上記燃料電池セルスタックを上記ハウジングから熱的に隔離する断熱材と、を有し、
上記改質器によって生成された燃料ガスは上記断熱材を超えて延びる燃料供給配管を介して上記燃料電池セルスタックに供給され、上記残余燃料ガスは上記断熱材を超えて延びる燃料排出配管を介して上記ハウジング側に排出され、上記酸化剤ガス熱交換器によって加熱された酸化剤ガスは上記断熱材を超えて延びる酸化剤ガス供給配管を介して上記燃料電池セルスタックに供給され、上記残余酸化剤ガスは上記断熱材を超えて延びる酸化剤ガス排出配管を介して上記ハウジング側に排出され、
上記燃料供給配管、上記燃料排出配管、上記酸化剤ガス供給配管、及び上記酸化剤ガス排出配管は、上記ハウジングの単一の面に接続されていることを特徴とする流体供給装置。
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