JP6950163B2 - 容器 - Google Patents
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Description
また、特許文献2には、ガスバリア性に優れる圧力容器として、内側から順にポリアミド層、接着性樹脂層及び高密度ポリエチレン層の3層構成のライナーの外側に繊維強化樹脂層を備える容器が提案されている。
[1]内層と、外層と、前記内層と前記外層の間に形成された中間層とを備える多層構成の容器であって、前記外層が、密度が0.938g/cm3以上であるポリエチレン系樹脂で形成された層であり、前記中間層が、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂で形成された層であり、前記内層が、ポリプロピレン系樹脂で形成された層である、容器。
[2]前記外層の外側に、強化繊維とマトリクス樹脂とを含有する繊維強化樹脂材料で形成された外殻をさらに備える、[1]に記載の容器。
[3]前記ポリプロピレン系樹脂のJIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定された荷重たわみ温度(HDT)が120℃以上である、[1]又は[2]に記載の容器。
[4]前記内層、前記中間層及び前記外層の積層部分がダイレクトブロー成形品からなる容器である、[1]〜[3]のいずれかに記載の容器。
外層は、密度が0.938g/cm3以上であるポリエチレン系樹脂(以下、ポリエチレン系樹脂(A)ともいう。)で形成された層である。本発明の容器がポリエチレン系樹脂(A)で形成された外層を備えることで、優れたガスバリア性が得られる。
ポリエチレン系樹脂(A)の密度の上限値は、入手性の点から、0.950g/cm3が好ましい。
なお、ポリエチレン系樹脂のMFRは、JIS K6911に準拠し、荷重21.6kg、温度190℃の条件で測定される値である。
なお、本発明におけるビカット軟化点は、JIS K7206に準拠し、10Nの条件で測定される値である。
外層の厚みは、1〜10mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。
中間層は、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂(以下、ポリオレフィン系樹脂(B)ともいう。)で形成された層である。中間層により、内層と外層とが高い接着性で接着される。
ポリオレフィン系樹脂(B)は、ポリオレフィン樹脂を酸無水物で変性した樹脂を主成分とする。ポリオレフィン系樹脂(B)には、必要に応じて粘着付与成分等が配合されていてもよい。
なお、ポリオレフィン系樹脂(B)のMFRは、ISO R1133に準拠し、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定される値である。
中間層の厚みは、0.01〜1mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。
石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、又はそれらの共重合体、及びこれらの水素添加物等が挙げられる。
石油樹脂の骨格としては、C5樹脂、C9樹脂、C5/C9共重合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体、オレフィン/ビニル置換芳香族化合物の共重合体、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体、あるいはこれらの水素添加物などが挙げられる。
テルペン樹脂としては、例えば、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の芳香族テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、及びそれらの水素添加物等が挙げられる。
粘着付与成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
内層は、ポリプロピレン系樹脂で形成された層である。本発明の容器がポリプロピレン系樹脂で形成された内層を備えることで、優れた耐熱性が得られる。そのため、外層の外側に繊維強化樹脂材料による外殻を形成する場合でも、熱劣化等による耐圧性の低下を抑制することができる。
ポリプロピレン系樹脂のHDTは、JIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定される。
なお、ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K7210に準拠し、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定される値である。
内層に用いるポリプロピレン系樹脂には、EPM、EPDM等のゴムや、クレイ、マイカ、黒鉛等のフィラーが配合されていてもよい。
内層の厚みは、1〜10mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。
強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、有機高弾性率繊維(アラミド繊維、超高強力ポリエステル繊維等)、金属繊維、セラミック繊維等が挙げられる。炭素繊維としては、ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN系)、レーヨン系等が挙げられる。なかでも、特に高い弾性率が得られやすい点ではピッチ系炭素繊維が好ましく、高い強度が得られやすい点ではPAN系炭素繊維が好ましい。
強化繊維としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
マトリクス樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
以下、本発明の容器の一例として、外殻を備える容器1について図1及び図2に基づいて説明する。容器1は、圧力容器として使用できる。
容器1は、樹脂製の容器本体(ライナー)2と、容器本体2の外側に形成された外殻3と、金属製の口金4とを備えている。
外殻3は、容器本体2における外層14の外側に、強化繊維とマトリクス樹脂とを含有する繊維強化樹脂材料によって形成されている。
口金4は貫通孔を有する略円筒状である。口金4の内面の形状は、口金4内に取り付けられるバルブ等の形状に応じて設計される。例えば、口金4の貫通孔における上端寄りの内周面に雌螺子を形成し、ガス供給・取出用のバルブ等をねじ込みにより取り付け可能にすることができる。
本発明の容器の製造方法としては、ダイレクトブロー成形法を利用することが好ましい。具体的には、ポリエチレン系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)及びポリプロプレン系樹脂を用いたダイレクトブロー成形法により、内層、中間層及び外層を備える容器を製造することが好ましい。
外殻を形成するためのFW法、テープワインディング法等の捲回方法は、特に限定されない。積層には、ヘリカル巻、フープ巻、レーベル巻等用いられ、これらを組み合わせてもよい。
また、本発明の容器は、ポリアミド層やポリエステル層を形成しなくてもよいため、吸水によって物性変化も抑制することができる。
[密度]
樹脂の密度は、JIS−K7112に準拠して、水中置換法にて測定した。
樹脂のHDTは、JIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定した。
各例において、外殻を形成する繊維強化樹脂材料を構成するエポキシ樹脂組成物の硬化後に、容器本体の変形の有無を確認した。
ポリエチレン系樹脂(A1):日本ポリエチレン社製、ノバテックHD HB111R、MFR:6g/10g(190℃、21.6kg)、密度:0.945g/cm3、ビカット軟化点:123℃。
ポリエチレン系樹脂(A2):Lyondellbasell社製、Lupolen4261AGUV60005、MFR:6g/10g(190℃、21.6kg)、密度:0.945g/cm3、ビカット軟化点:125℃。
ポリオレフィン系樹脂(B1):三菱化学社製、モディックF563、MFR:3.0g/10g(190℃、2.16kg)、密度:0.93g/cm3、ビカット軟化点:58℃。
ポリオレフィン系樹脂(B2):三菱化学社製、モディック730T、MFR:2.0g/10g(190℃、2.16kg)、密度:0.88g/cm3。
ポリプロピレン系樹脂(C1):日本ポリプロ社製、ノバテックPP EC9EV、MFR:0.5g/10g(230℃、2.16)、密度:0.9g/cm3、HDT:122℃。
表1に記載の原料を使用し、成形温度210℃、ブロー圧力0.6MPa、金型温度20℃、吹込時間300秒の条件のダイレクトブロー成形法により図1に例示した形状の樹脂製ライナーを製造した。該樹脂製ライナーにおいては、ポリエチレン系樹脂(A1)層(外層)/ポリオレフィン樹脂(B1)層(中間層)/ポリプロピレン系樹脂(C1)層(内層)の3種3層とした。各層の厚みは、外層が2.5mm、中間層が0.15mm、内層が2.5mmであった。また、破裂圧力の測定のため、上記条件で各樹脂を1時間滞留させた後に、同様の条件で樹脂製ライナーを製造した。
樹脂製ライナーの上端部に、アルミニウム合金製口金を接着剤(3M社製商品名スコッチウェルド DP8005)を用いて接着し、それをフィラメントワインディング機に設置し、炭素繊維(Mitsubishi Rayon Carbon Fiber and Compsite社製37−800)にエポキシ樹脂組成物(ビスA型エポキシ樹脂/酸無水物硬化剤系)を含浸した材料を巻き回し、95℃で3時間硬化した後に冷却して圧力容器を製造した。
表1に記載の原料に変更した以外は実施例1と同様にして圧力容器を製造した。
表1に記載の原料に変更した以外は実施例1と同様にして圧力容器を製造した。
一方、中間層及び内層を備えない比較例1では、外殻を形成する繊維強化樹脂材料を構成するエポキシ樹脂組成物の硬化時に容器本体が変形してしまい、充分な耐圧性が得られなかった。
また、外層がポリプロピレン系樹脂で形成され、内層がポリエチレン系樹脂で形成された比較例2においても、外殻を形成する繊維強化樹脂材料を構成するエポキシ樹脂組成物の硬化時に容器本体が変形してしまい、充分な耐圧性が得られなかった。
Claims (4)
- 内層と、外層と、前記内層と前記外層の間に形成された中間層とを備える多層構成の容器であって、
前記外層が、密度が0.938g/cm3以上であるポリエチレン系樹脂で形成された層であり、
前記中間層が、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂で形成された層であり、
前記内層が、ポリプロピレン系樹脂で形成された層であり、前記ポリプロピレン系樹脂のJIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定された荷重たわみ温度(HDT)が120℃以上であり、
前記外層の外側に、強化繊維とマトリクス樹脂とを含有する繊維強化樹脂材料で形成された外殻をさらに備える、容器。 - 前記密度が0.950g/cm 3 以下である、請求項1に記載の容器。
- 前記強化繊維が炭素繊維である、請求項1又は2に記載の容器。
- 前記内層、前記中間層及び前記外層の積層部分がダイレクトブロー成形品ある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器。
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