JP6950163B2 - 容器 - Google Patents

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Description

本発明は、容器に関する。
例えば、自動車等の車輌に搭載される燃料タンクや、天然ガスや水素ガスの貯蔵や輸送に利用されるタンクとしては、軽量性及び強度に優れる点から、熱可塑性樹脂を円筒状の容器形状に成形したライナーを繊維強化樹脂層で補強した圧力容器が利用されている。
圧力容器のライナーのような大型の樹脂製容器は、通常、ダイレクトブロー成形法によって形成される。繊維強化樹脂層は、熱硬化性樹脂を含浸させた長尺の強化繊維束をフィラメントワインディング法(以下、FW法という。)によりライナーの外側に積層し、これを硬化させることにより形成される。強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維等が用いられる。なかでも、炭素繊維は、比強度が高く圧力容器を軽量化しやすいために天然ガスの貯蔵タンクに好適に使用されている。
圧力容器のライナーとしては、ガスバリア性に優れる点から、ポリエチレンが広く用いられている。しかし、ポリエチレンは耐熱性が低いため、ポリエチレンからなる単層のライナーとすると、繊維強化樹脂層の形成時の硬化の際にポリエチレンの結晶が融解することで、容器の耐圧性が低下する。
特許文献1には、強度に優れる圧力容器として、ポリエチレン層とポリアミド層の2層構成のライナーの外側に繊維強化樹脂層を備える容器が提案されている。また、ガスバリア性に優れるものとして、ポリエチレン層と塩化ビニル層、ポリエステル層とポリアミド層、又はポリエチレン層とポリアミド層の2層構成のライナーの外側に繊維強化樹脂層を備える容器も提案されている。
また、特許文献2には、ガスバリア性に優れる圧力容器として、内側から順にポリアミド層、接着性樹脂層及び高密度ポリエチレン層の3層構成のライナーの外側に繊維強化樹脂層を備える容器が提案されている。
特開平3−89098号公報 特表2014−513250号公報
しかし、ポリアミド層やポリエステル層を備える多層ライナーでは、肉厚が不均一になりやすく、また成形時に押出機内で樹脂が滞留している際にゲル、ブツが発生したり、樹脂が熱劣化したりする問題があり、成形性が劣る。
本発明は、耐圧性に優れ、かつ成形性に優れる容器を提供することを目的とする。
本発明は以下の構成を有する。
[1]内層と、外層と、前記内層と前記外層の間に形成された中間層とを備える多層構成の容器であって、前記外層が、密度が0.938g/cm以上であるポリエチレン系樹脂で形成された層であり、前記中間層が、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂で形成された層であり、前記内層が、ポリプロピレン系樹脂で形成された層である、容器。
[2]前記外層の外側に、強化繊維とマトリクス樹脂とを含有する繊維強化樹脂材料で形成された外殻をさらに備える、[1]に記載の容器。
[3]前記ポリプロピレン系樹脂のJIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定された荷重たわみ温度(HDT)が120℃以上である、[1]又は[2]に記載の容器。
[4]前記内層、前記中間層及び前記外層の積層部分がダイレクトブロー成形品からなる容器である、[1]〜[3]のいずれかに記載の容器。
本発明の容器は、耐圧性に優れるうえ、成形性にも優れている。
本発明の容器の一例を示した断面図である。 図1の容器の胴部を拡大した断面図である。
本発明の容器は、内層と、外層と、前記内層と前記外層の間に形成された中間層とを備える多層構成の容器である。
(外層)
外層は、密度が0.938g/cm以上であるポリエチレン系樹脂(以下、ポリエチレン系樹脂(A)ともいう。)で形成された層である。本発明の容器がポリエチレン系樹脂(A)で形成された外層を備えることで、優れたガスバリア性が得られる。
ポリエチレン系樹脂(A)の密度の下限値は、0.938g/cmであり、0.0940g/cmが好ましく、0.0943g/cmがより好ましい。ポリエチレン系樹脂(A)の密度が下限値以上であれば、優れたガスバリア性が得られる。
ポリエチレン系樹脂(A)の密度の上限値は、入手性の点から、0.950g/cmが好ましい。
ポリエチレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR)は、1〜9g/10分が好ましく、5〜7g/10分がより好ましい。ポリエチレン系樹脂(A)のMFRが前記範囲内であれば、優れた成形性が得られやすい。
なお、ポリエチレン系樹脂のMFRは、JIS K6911に準拠し、荷重21.6kg、温度190℃の条件で測定される値である。
ポリエチレン系樹脂(A)のビカット軟化点は、120〜140℃が好ましく、125〜135℃がより好ましい。ポリエチレン系樹脂(A)のビカット軟化点が下限値以上であれば、圧力容器の耐熱性が保たれる。ポリエチレン系樹脂(A)のビカット軟化点が上限値以下であれば、成形性が確保される。
なお、本発明におけるビカット軟化点は、JIS K7206に準拠し、10Nの条件で測定される値である。
外層に用いるポリエチレン系樹脂(A)は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
外層の厚みは、1〜10mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。
(中間層)
中間層は、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂(以下、ポリオレフィン系樹脂(B)ともいう。)で形成された層である。中間層により、内層と外層とが高い接着性で接着される。
ポリオレフィン系樹脂(B)は、ポリオレフィン樹脂を酸無水物で変性した樹脂を主成分とする。ポリオレフィン系樹脂(B)には、必要に応じて粘着付与成分等が配合されていてもよい。
ポリオレフィン系樹脂(B)におけるポリオレフィン樹脂としては、例えば、炭素数2〜8のα−オレフィン(エチレン、プロピレン、1−ブテン等)の単独重合体又は共重合体、それら炭素数2〜8のα−オレフィンと、他のα−オレフィン、酢酸ビニル、ビニルアルコール(酢酸ビニル共重合体鹸化物を含む)、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等との共重合体等が挙げられる。
ポリオレフィン樹脂の具体例としては、例えば、ポリオレフィン樹脂として具体的には、例えば、ポリエチレン(低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン等)、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体(エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物を含む)等が挙げられる。ポリオレフィン樹脂が共重合体の場合、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体等のいずれの態様であってもよい。
酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水ハイミック酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。なかでも、無水マレイン酸が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂(B)のメルトフローレート(MFR)は、0.3〜6g/10分が好ましく、0.7〜4g/10分がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂(B)のMFRが前記範囲内であれば、優れた成形性が得られやすい。
なお、ポリオレフィン系樹脂(B)のMFRは、ISO R1133に準拠し、荷重2.16kg、温度190℃の条件で測定される値である。
ポリオレフィン系樹脂(B)のビカット軟化点は、40〜140℃が好ましく、40〜120℃がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂(B)のビカット軟化点が下限値以上であれば、変形等の不具合が減じる。ポリオレフィン系樹脂(B)のビカット軟化点が上限値以下であれば、被着体になじみやすい。
中間層に用いるポリオレフィン系樹脂(B)は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
中間層の厚みは、0.01〜1mmが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。
中間層に用いる酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂には、必要に応じて、石油樹脂、ロジン樹脂、テルペン樹脂等の粘着付与成分等が配合されていてもよい。
石油樹脂としては、例えば、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、又はそれらの共重合体、及びこれらの水素添加物等が挙げられる。
石油樹脂の骨格としては、C5樹脂、C9樹脂、C5/C9共重合樹脂、シクロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の重合体、オレフィン/ビニル置換芳香族化合物の共重合体、シクロペンタジエン系化合物/ビニル置換芳香族系化合物の共重合体、あるいはこれらの水素添加物などが挙げられる。
ロジン樹脂としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン等の天然ロジン、該天然ロジンから誘導される重合ロジン等が挙げられる。
テルペン樹脂としては、例えば、ポリテルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等の芳香族テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、及びそれらの水素添加物等が挙げられる。
粘着付与成分は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
(内層)
内層は、ポリプロピレン系樹脂で形成された層である。本発明の容器がポリプロピレン系樹脂で形成された内層を備えることで、優れた耐熱性が得られる。そのため、外層の外側に繊維強化樹脂材料による外殻を形成する場合でも、熱劣化等による耐圧性の低下を抑制することができる。
ポリプロピレン系樹脂の荷重たわみ温度(HDT)は、100℃以上が好ましい。ポリプロピレン系樹脂のHDTが下限値以上であれば、優れた耐熱性が得られやすい。より好ましくは120℃以上である。
ポリプロピレン系樹脂のHDTは、JIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定される。
ポリプロピレン系樹脂のメルトフローレート(MFR)は、0.5〜30g/10分が好ましく、0.5〜2.0g/10分がより好ましい。ポリプロピレン系樹脂のMFRが前記範囲内であれば、優れた成形性が得られやすい。
なお、ポリプロピレン系樹脂のMFRは、JIS K7210に準拠し、荷重2.16kg、温度230℃の条件で測定される値である。
内層に用いるポリプロピレン系樹脂は、1種のみであってもよく、2種以上であってもよい。
内層に用いるポリプロピレン系樹脂には、EPM、EPDM等のゴムや、クレイ、マイカ、黒鉛等のフィラーが配合されていてもよい。
内層の厚みは、1〜10mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。
本発明の容器は、前述した外層の外側に、強化繊維とマトリクス樹脂とを含有する繊維強化樹脂材料で形成された外殻をさらに備えることが好ましい。このような外殻を備える容器は、車輌の燃料タンクや天然ガス等の貯蔵タンク等に利用される圧力容器として有用である。
外殻を形成する繊維強化複合材料としては、例えば、強化繊維を配列させた強化繊維基材とマトリクス樹脂を含有する繊維強化複合材料が挙げられる。
強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、有機高弾性率繊維(アラミド繊維、超高強力ポリエステル繊維等)、金属繊維、セラミック繊維等が挙げられる。炭素繊維としては、ピッチ系、ポリアクリロニトリル(PAN系)、レーヨン系等が挙げられる。なかでも、特に高い弾性率が得られやすい点ではピッチ系炭素繊維が好ましく、高い強度が得られやすい点ではPAN系炭素繊維が好ましい。
強化繊維としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
マトリクス樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂ポリイミド樹脂、ビニルエステル樹脂等の熱硬化性又は光硬化性樹脂;ポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイドなどのエンジニアリングプラスチック、ポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテンなどのポリオレフィン樹脂等の熱可塑性樹脂;が挙げられる。
マトリクス樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明の容器においては、前記内層、前記中間層及び前記外層の積層部分はダイレクトブロー成形品であることが好ましい。
(実施形態例)
以下、本発明の容器の一例として、外殻を備える容器1について図1及び図2に基づいて説明する。容器1は、圧力容器として使用できる。
容器1は、樹脂製の容器本体(ライナー)2と、容器本体2の外側に形成された外殻3と、金属製の口金4とを備えている。
容器本体2は、円筒状の胴部の両端に半球状の肩部(鏡部)が形成された形状になっている。容器本体2は、内側から順に内層10、中間層12及び外層14を備えている。内層10は、ポリプロピレン系樹脂で形成された層である。中間層12は、ポリオレフィン系樹脂(B)で形成された層である。外層14はポリエチレン系樹脂(A)で形成された層である。
外殻3は、容器本体2における外層14の外側に、強化繊維とマトリクス樹脂とを含有する繊維強化樹脂材料によって形成されている。
口金4は、容器本体2における一方の肩部の先端部において、容器本体2と外殻3で挟まれるようにして密着固定されている。
口金4は貫通孔を有する略円筒状である。口金4の内面の形状は、口金4内に取り付けられるバルブ等の形状に応じて設計される。例えば、口金4の貫通孔における上端寄りの内周面に雌螺子を形成し、ガス供給・取出用のバルブ等をねじ込みにより取り付け可能にすることができる。
口金を構成する金属としては、特に限定されず、公知の金属を用いることができる。例えば、アルミニウム合金、ステンレス鋼(SUS)、炭素鋼、合金鋼、黄銅等が挙げられる。
(製造方法)
本発明の容器の製造方法としては、ダイレクトブロー成形法を利用することが好ましい。具体的には、ポリエチレン系樹脂(A)、ポリオレフィン系樹脂(B)及びポリプロプレン系樹脂を用いたダイレクトブロー成形法により、内層、中間層及び外層を備える容器を製造することが好ましい。
本発明の容器が外層の外側に外殻を備える場合、外殻を形成する方法は、特に限定されず、公知の方法を採用することができる。例えば、強化繊維を配列させた強化繊維基材とマトリクス樹脂を含浸させたものをFW法、テープワインディング法等によって容器本体(ライナー)の外側に巻き付け、必要に応じて硬化反応を行って外殻を形成する方法が挙げられる。また、本発明の容器が口金を備える場合には、容器本体の上端部に口金を配した状態で外殻を形成し、容器本体と外殻で挟むようにして口金を密着固定する。
外殻を形成するためのFW法、テープワインディング法等の捲回方法は、特に限定されない。積層には、ヘリカル巻、フープ巻、レーベル巻等用いられ、これらを組み合わせてもよい。
前述したように、従来のポリエチレンの単層からなる容器本体(ライナー)を備える容器では、容器本体の耐熱性が不充分であるため、例えば繊維強化樹脂材料で外殻を形成する際の硬化時におけるポリエチレンの結晶融解等によって剛性が低下し、変形し性能が低下することがある。また、ポリエチレン層にポリアミド層やポリエステル層を組み合わせた多層構成の容器では、充分な成形性が得られにくい。また、ポリアミド層やポリエステル層を備える多層ライナーは、吸水によって物性が変化しやすい問題もある。
これに対して、本発明の容器においては、ポリエチレン系樹脂(A)で形成された外層の内側に、ポリオレフィン系樹脂(B)で形成された中間層を介して、ポリプロピレン系樹脂で形成された内層が形成されている。ポリプロピレン系樹脂はポリエチレン系樹脂(A)に比べて耐熱性に優れるため、外殻を形成する際に硬化を行う場合でも内層には不具合が生じないことから、優れた耐圧性が得られる。また、ポリプロピレン系樹脂は、ポリアミドやポリエステルに比べて、押出機内で長時間滞留してもゲルやブツが発生しにくく、熱劣化も起きにくいため、優れた成形性を確保することができる。このように、本発明の容器では、優れた耐圧性と成形性を両立することができる。
また、本発明の容器は、ポリアミド層やポリエステル層を形成しなくてもよいため、吸水によって物性変化も抑制することができる。
なお、本発明の容器は、前記した容器1には限定されない。例えば、本発明の容器は、繊維強化樹脂材料による外殻を備えない容器であってもよい。
以下、実施例によって本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[密度]
樹脂の密度は、JIS−K7112に準拠して、水中置換法にて測定した。
[荷重たわみ温度(HDT)]
樹脂のHDTは、JIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定した。
[外殻形成後の容器形状]
各例において、外殻を形成する繊維強化樹脂材料を構成するエポキシ樹脂組成物の硬化後に、容器本体の変形の有無を確認した。
[原料]
ポリエチレン系樹脂(A1):日本ポリエチレン社製、ノバテックHD HB111R、MFR:6g/10g(190℃、21.6kg)、密度:0.945g/cm、ビカット軟化点:123℃。
ポリエチレン系樹脂(A2):Lyondellbasell社製、Lupolen4261AGUV60005、MFR:6g/10g(190℃、21.6kg)、密度:0.945g/cm、ビカット軟化点:125℃。
ポリオレフィン系樹脂(B1):三菱化学社製、モディックF563、MFR:3.0g/10g(190℃、2.16kg)、密度:0.93g/cm、ビカット軟化点:58℃。
ポリオレフィン系樹脂(B2):三菱化学社製、モディック730T、MFR:2.0g/10g(190℃、2.16kg)、密度:0.88g/cm
ポリプロピレン系樹脂(C1):日本ポリプロ社製、ノバテックPP EC9EV、MFR:0.5g/10g(230℃、2.16)、密度:0.9g/cm、HDT:122℃。
[実施例1]
表1に記載の原料を使用し、成形温度210℃、ブロー圧力0.6MPa、金型温度20℃、吹込時間300秒の条件のダイレクトブロー成形法により図1に例示した形状の樹脂製ライナーを製造した。該樹脂製ライナーにおいては、ポリエチレン系樹脂(A1)層(外層)/ポリオレフィン樹脂(B1)層(中間層)/ポリプロピレン系樹脂(C1)層(内層)の3種3層とした。各層の厚みは、外層が2.5mm、中間層が0.15mm、内層が2.5mmであった。また、破裂圧力の測定のため、上記条件で各樹脂を1時間滞留させた後に、同様の条件で樹脂製ライナーを製造した。
樹脂製ライナーの上端部に、アルミニウム合金製口金を接着剤(3M社製商品名スコッチウェルド DP8005)を用いて接着し、それをフィラメントワインディング機に設置し、炭素繊維(Mitsubishi Rayon Carbon Fiber and Compsite社製37−800)にエポキシ樹脂組成物(ビスA型エポキシ樹脂/酸無水物硬化剤系)を含浸した材料を巻き回し、95℃で3時間硬化した後に冷却して圧力容器を製造した。
[実施例2〜3]
表1に記載の原料に変更した以外は実施例1と同様にして圧力容器を製造した。
[比較例1〜2]
表1に記載の原料に変更した以外は実施例1と同様にして圧力容器を製造した。
製造条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 0006950163
表1に示すように、ポリエチレン系樹脂(A)で形成された外層、ポリオレフィン系樹脂(B)で形成された中間層、及びポリプロピレン系樹脂で形成された内層を備える実施例1〜3では、外殻を形成する繊維強化樹脂材料を構成するエポキシ樹脂組成物の硬化後においても容器本体が変形しておらず、優れた耐圧性が得られた。
一方、中間層及び内層を備えない比較例1では、外殻を形成する繊維強化樹脂材料を構成するエポキシ樹脂組成物の硬化時に容器本体が変形してしまい、充分な耐圧性が得られなかった。
また、外層がポリプロピレン系樹脂で形成され、内層がポリエチレン系樹脂で形成された比較例2においても、外殻を形成する繊維強化樹脂材料を構成するエポキシ樹脂組成物の硬化時に容器本体が変形してしまい、充分な耐圧性が得られなかった。
1 容器、2 容器本体(ライナー)、3 外殻、4 口金、10 内層、12 中間層、14 外層。

Claims (4)

  1. 内層と、外層と、前記内層と前記外層の間に形成された中間層とを備える多層構成の容器であって、
    前記外層が、密度が0.938g/cm以上であるポリエチレン系樹脂で形成された層であり、
    前記中間層が、酸無水物変性ポリオレフィン系樹脂で形成された層であり、
    前記内層が、ポリプロピレン系樹脂で形成された層であり、前記ポリプロピレン系樹脂のJIS−K7192−2に準拠して0.45MPaの条件で測定された荷重たわみ温度(HDT)が120℃以上であり、
    前記外層の外側に、強化繊維とマトリクス樹脂とを含有する繊維強化樹脂材料で形成された外殻をさらに備える、容器。
  2. 前記密度が0.950g/cm 以下である、請求項1に記載の容器。
  3. 前記強化繊維が炭素繊維である、請求項1又は2に記載の容器。
  4. 前記内層、前記中間層及び前記外層の積層部分がダイレクトブロー成形品ある、請求項1〜3のいずれか一項に記載の容器。
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