以下、本発明の一実施形態を、図1を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図1には、一実施形態に係る情報出力装置700の構成がブロック図にて示されている。情報出力装置700は、移動体MV内に配置される。本実施形態では、移動体MVには、情報出力装置700に加えて、位置検出部910と、走行動作検出部920とが配置されている。
上記の位置検出部910は、移動体MVの現在位置を逐次検出する。そして、位置検出部910は、検出された移動体MVの現在位置を情報出力装置700へ送る。
上記の走行動作検出部920は、移動体MVの現在の走行動作を逐次検出する。そして、走行動作検出部920は、検出された移動体MVの現在の走行動作を情報出力装置700へ送る。本実施形態では、移動体MVの走行動作には、移動体MVの速度が含まれている。
<情報出力装置700の構成>
上記の情報出力装置700の構成について、説明する。
情報出力装置700は、図1に示されるように、記憶部710と、走行情報取得部715と、撮像部720と、解析部725と、通信部730とを備えている。また、情報出力装置700は、事象情報取得部740と、特定部750と、決定部760と、判定部770とを備えている。さらに、情報出力装置700は、選択部775と、生成部780と、報知部785と、制御部790とを備えている。
上記の記憶部710は、不揮発性の記憶素子を備えて構成される。当該記憶部710には、地図情報が記憶される。記憶部710には、事象情報取得部740、特定部750、決定部760及び判定部770がアクセス可能となっている。
地図情報には、ノード(交差点等)位置情報及びノード間を結ぶ道路リンク情報、並びに、POI(Point Of Interests)情報等が含まれている。ここで、道路リンク情報には、道路リンクの車線数の情報が含まれている。そして、当該道路リンクの車線数の情報には、直進車線、左折車線、右折車線等の車線区分の情報、及び、車線変更禁止区間の情報等が含まれている。また、POI情報には、施設名、施設位置等が含まれている。
上記の走行情報取得部715は、位置検出部910から送られた移動体MVの現在位置を取得する。また、走行情報取得部715は、走行動作検出部920から送られた移動体MVの現在の速度を含む走行情報を取得する。そして、走行情報取得部715は、移動体MVの現在位置の情報を事象情報取得部740、特定部750及び決定部760へ送る。また、走行情報取得部715は、移動体MVの現在位置及び速度の情報を制御部790へ送る。
上記の撮像部720は、移動体MVの進行方向を含む撮像視野で、移動体MVの少なくとも前方の画像を撮像する。当該撮像部720は、例えば、移動体MVにおける前方の部分に設置された広視野角のカメラを備えて構成される。撮像部720により撮像された撮像画像は、解析部725へ送られる。
上記の解析部725は、撮像部720から送られた撮像画像を受ける。そして、解析部725は、当該撮像画像を解析して、移動体MVの進行方向側の当該移動体MVの走行妨害となり得る事象の情報(以下、「事象情報」とも記す)に関する情報を導出する。こうして導出された事象情報に関する情報は、事象情報取得部740へ送られる。
ここで、移動体MVの走行妨害となり得る「事象」(以下、「妨害事象」とも記す))としては、施設への入庫待ち渋滞や信号待ち渋滞等の「渋滞列」が挙げられる。また、解析部725が導出する「事象情報に関する情報」は、当該事象の発生を判断するための情報である。そして、「事象情報に関する情報」には、移動体MVの前方に位置する他の移動体のハザードランプの点滅の有無、方向指示器(以下、「ウインカ」と記す)の点滅の有無、及び、ブレーキランプの点灯の有無が含まれている。なお、以下の説明では、ハザードランプの点滅の有無、ウインカの点滅の有無、及び、ブレーキランプの点灯の有無を総称して、「表示灯の点灯・点滅の有無」とも記す。
また、「事象情報に関する情報」には、移動体MVの前方に位置する他の移動体の属性を示す属性情報が含まれている。本実施形態では、当該属性情報には、移動体の色情報、種別情報及び型式情報が含まれている。
上記の通信部730は、外部機器との間で通信を行い、当該外部機器から事象情報に関する情報を受信する。本実施形態では、通信部730は、不図示の外部サーバとの間、及び、移動体MVの周辺に存在している不図示の他の移動体との間で通信を行い、事象情報に関する情報を受信するようになっている。そして、通信部730は、当該受信された事象情報に関する情報を事象情報取得部740へ送る。
ここで、通信部730と通信可能な他の移動体は、当該他の移動体の表示灯の点灯・点滅の有無、当該他の移動体の属性情報及び当該他の移動体の現在位置を、外部サーバ及び当該他の移動体の周辺の存在している移動体へ送信するようになっている。
なお、他の移動体が、撮像部720と同様に構成された撮像部と、解析部725と同様に構成された解析部を備えている場合には、当該他の移動体の前方の画像を解析して導出された事象情報に関する情報を、外部サーバ及び当該他の移動体の周辺に存在している移動体へ送信するようにしてもよい。
また、通信部730は、移動体MVの駆動を制御する不図示の駆動制御部から送られた移動体MVの表示灯の点灯・点滅の有無の情報及び移動体MVの現在位置の情報を受けるようになっている。そして、通信部730は、当該移動体MVの表示灯の点灯・点滅の有無の情報及び移動体MVの現在位置の情報を、外部サーバ及び移動体MVの周辺に存在している他の移動体へ送信するようになっている。
上記の事象情報取得部740は、解析部725から送られた事象情報に関する情報を受ける。また、事象情報取得部740は、通信部730から送られた事象情報に関する情報を受ける。さらに、事象情報取得部740は、走行情報取得部715から送られた移動体MVの現在位置を受ける。
そして、事象情報取得部740は、記憶部710に記憶された地図情報及び移動体MVの現在位置を参照して、事象情報に関する情報(以下、「事象発生判断情報」とも記す)に基づき、車線ごとに渋滞列の有無を含む事象情報を導出して取得する。
例えば、近接する所定数以上の他の移動体が道路上でブレーキランプを点灯させているといった事象発生判断情報を受けたときには、事象情報取得部740は、当該近接する他の移動体の周辺で渋滞列が発生していると判断する。また、近接する所定数以上の他の移動体が道路上で左ウインカを点滅させて停止しているといった事象発生判断情報を受けたときには、事象情報取得部740は、当該近接する他の移動体の周辺で左折進行のための渋滞列が発生していると判断する。
ここで、所定数は、渋滞の発生を検知するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
渋滞列が存在すると判断した場合には、事象情報取得部740は、当該渋滞列の区間を、渋滞列による走行妨害区間に特定する。次いで、事象情報取得部740は、走行妨害区間の先頭が施設の駐車場入口等の施設の入場口に位置するときには、発生している渋滞は「施設への入庫待ち渋滞(以下、「入庫待ち渋滞」とも記す)」であると特定する。また、事象情報取得部740は、案内着目地点において渋滞列が存在する場合には、発生している渋滞は、入庫待ち渋滞ではない渋滞(以下、「案内着目地点付近の渋滞」とも記す)であると特定する。ここで、発生している渋滞が「入庫待ち渋滞」であると特定した場合には、事象情報取得部740は、地図情報を参照して、案内着目地点と施設の入場口との間の距離(以下、「施設間距離」とも記す)を導出する。
そして、事情情報取得部740は、案内着目地点に関する情報、渋滞列の有無、並びに、渋滞の種類、施設間距離の情報及び渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報を含んだ走行妨害区間の情報を含めた事象情報を、判定部770、選択部775及び制御部790へ送る。
上記の特定部750は、走行情報取得部715から送られた移動体MVの現在位置を受ける。そして、特定部750は、記憶部710内の地図情報を参照して、移動体MVが複数車線の道路を走行して案内着目地点に接近している場合に、移動体MVが走行している走行車線を特定する。こうして特定された移動体MVの走行車線の情報は、判定部770へ送られる。
ここで、案内着目地点は、不図示の探索部により探索された移動体MVの経路中の道路上の誘導案内を行う地点であり、例えば、交差点が挙げられる。
上記の決定部760は、走行情報取得部715から送られた移動体MVの現在位置を受ける。そして、決定部760は、記憶部710内の地図情報を参照して、移動体MVが複数車線の道路を走行して案内着目地点に接近している場合に、案内着目地点への進入予定方向と当該案内着目地点からの退出予定方向とから、現在位置から案内着目地点までの間で移動体MVが走行すべき進行車線を決定する。こうして決定された移動体MVの進行車線の情報は、判定部770へ送られる。
ここで、案内着目地点が交差点であり、移動体MVが、案内着目地点である交差点を左折することが予定されている場合には、進行車線は、一般に、最左の左折車線となる。また、案内着目地点が交差点であり、移動体MVが、案内着目地点である交差点を右折することが予定されている場合には、進行車線は、一般に、最右の右折車線となる。
上記の判定部770は、特定部750から送られた移動体MVの走行車線の情報を受ける。また、判定部770は、決定部760から送られた移動体MVの進行車線の情報を受ける。さらに、判定部770は、事象情報取得部740から送られた事象情報を受ける。これらの情報を受けると、判定部770は、移動体MVの走行車線、進行車線及び事象情報の内容に応じて、移動体MVの車線変更の要否を判定する。そして、判定部770は、当該判定結果の内容を生成部780へ送る。判定部770による処理の詳細については、後述する。
上記の選択部775は、事象情報取得部740から送られた事象情報を受ける。そして、選択部775は、入庫待ち渋滞が「有」との情報が事象情報に含まれている場合に、渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報の内容から、渋滞列において特徴的な属性を有する渋滞移動体を目標移動体として選択する。そして、選択部775は、選択された目標移動体の属性情報を含めた選択結果を制御部790へ送る。なお、目標移動体が選択されなかった場合には、選択部775は、その旨を制御部790へ送るようになっている。
上記の生成部780は、判定部770から送られた判定結果を受ける。また、生成部780は、制御部790から送られた案内情報出力指令を受ける。そして、生成部780は、判定結果の内容及び案内情報出力指令に従って、走行すべき道路上の車線に関する案内情報を生成する。こうして生成された案内情報は、報知部785へ送られる。生成部780による処理の詳細については、後述する。
上記の報知部785は、表示部、音出力部等を備えて構成される。当該報知部785は、生成部780から送られた案内情報を受ける。そして、報知部785は、当該案内情報に基づいて、移動体MVが走行すべき道路上の車線に関する案内の表示出力、音声出力等の報知を行う。
上記の制御部790は、事象情報取得部740から送られた走行妨害区間の情報を含む事象情報を受ける。また、制御部790は、走行情報取得部715から送られた移動体MVの現在位置及び速度の情報を受ける。さらに、制御部790は、選択部775から送られた選択結果を受ける。そして、制御部790は、事象情報の内容及び選択結果の内容、並びに、移動体MVの現在位置及び速度の情報に応じた案内情報出力指令を生成する。そして、制御部790は、当該案内情報出力指令を生成部780へ送り、生成部780を介して報知部785が案内情報を報知するタイミングを制御する。制御部790による処理の詳細については、後述する。
本実施形態では、走行妨害区間への到達前であって、走行妨害区間の最後尾の位置(すなわち、案内着目地点から最も遠い位置であり、案内着目地点に接近している移動体MVからは近接する位置)から、移動体MVの進行方向と逆方向側へ所定距離だけ離れた地点に移動体MVが位置するときに、制御部790は、案内出力指令を生成し、当該案内出力指令を生成部780へ送るようになっている。ここで、所定距離は、移動体MVの速度に応じて定まり、移動体MVの速度が速いほど、所定距離は長くなるようになっている。
なお、移動体MVの速度と所定距離との関係は、安全に車線変更を行うとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
[動作]
上記のように構成された情報出力装置700の動作について、制御部790による処理に主に着目して説明する。
情報出力装置700では、不図示の探索部が、現在位置から目的地までの経路を探索しているものとする。そして、探索部は、目的地までの経路に沿って、例えば、左折する交差点や右折する交差点を、案内着目地点に設定しているものとする。
また、情報出力装置700では、走行情報取得部715が、位置検出部910から送られた移動体MVの現在位置、及び、走行動作検出部920から送られた移動体MVの速度の情報を取得しているものとする。そして、走行情報取得部715は、当該移動体MVの現在位置を、逐次、事象情報取得部740、特定部750及び決定部760へ送っているものとする。また、走行情報取得部715は、当該移動体MVの現在位置及び速度の情報を、逐次、制御部790へ送っているものとする。
走行情報取得部715から送られた移動体MVの現在位置を受けた特定部750は、記憶部710内の地図情報を参照して、移動体MVが複数車線の道路を走行して案内着目地点に接近している場合に、移動体MVが現在走行している走行車線を特定しているものとする。そして、特定部750は、当該特定された移動体MVの走行車線の情報を、判定部770へ送っているものとする。
また、走行情報取得部715から送られた移動体MVの現在位置を受けた決定部760は、地図情報を参照して、移動体MVが複数車線の道路を走行して案内着目地点に接近している場合に、進行車線を決定しているものとする。そして、決定部760は、当該決定された移動体MVの進行車線の情報を、判定部770へ送っているものとする。
さらに、情報出力装置700では、撮像部720が、移動体MVの少なくとも前方の画像を撮像し、解析部725へ送っているものとする。そして、解析部725が、当該撮像画像を解析して事象発生判断情報を導出し、当該事象発生判断情報を事象情報取得部740へ送っているものとする。
また、情報出力装置700では、通信部730が、外部サーバとの間及び移動体MVの周辺に存在している他の移動体との間で通信を行い、事象発生判断情報を受信すると、当該事象発生判断情報を事象情報取得部740へ送っているものとする。
そして、事象情報取得部740は、解析部725から送られた事象発生判断情報、及び、通信部730から送られた事象発生判断情報から、車線ごとの渋滞列の有無、並びに、渋滞の種類、施設間距離の情報及び渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報を含んだ走行妨害区間の情報を含めた事象情報を導出して、当該事象情報を、判定部770、選択部775及び制御部790へ送っているものとする。
案内情報の生成及び出力処理に際しては、判定部770は、移動体MVの走行中に、移動体MVの現在位置の時間変化及び地図情報から、移動体MVが、案内着目地点に接近しているか否かを判定する。そして、判定部770は、当該判定の結果が肯定的であった場合に、走行車線及び進行車線の情報、並びに、事象情報に基づいて、移動体MVの車線変更の要否を判定する。
かかる車線変更の要否の判定に際して、判定部770は、入庫待ち渋滞列が「有」との情報が事象情報に含まれ、進行車線上に渋滞列が存在し、かつ、走行車線が進行車線である場合には、移動体MVが走行妨害区間に到達する前に、第1の車線変更が必要と判定する。そして、案内着目地点に近接する側の走行妨害区間の先頭から案内着目地点までの間の区間が、車線変更禁止区間でないときには、判定部770は、当該走行妨害区間を通過した後に、進行車線への第2の車線変更が必要と更に判定する。そして、判定部770は、当該判定結果を生成部780へ送る。
一方、案内着目地点に近接する側の走行妨害区間の先頭から案内着目地点までの間の区間が、車線変更禁止区間のときには、判定部770は、当該走行妨害区間を通過した後の進行車線への第2の車線変更が不可能であるため不要と判定する。そして、判定部770は、当該判定結果を生成部780へ送る。本実施形態では、第2の車線変更が不要と判定した場合には、判定部770は、案内着目地点からの退出予定方向を走行しない目的地までの経路の再探索が必要と判定し、不図示の探索部に対して、再探索指令を送るようになっている。
また、かかる車線変更の要否の判定に際して、判定部770は、入庫待ち渋滞列が「有」との情報が事象情報に含まれ、進行車線上に渋滞列が存在し、かつ、走行車線が進行車線ではない場合には、上述した第2の車線変更が必要か否かを判定する。そして、判定部770は、当該判定結果を生成部780へ送る。なお、第2の車線変更が不要と判定した場合には、判定部770は、案内着目地点からの退出予定方向を走行しない目的地までの経路の再探索が必要と判定し、不図示の探索部に対して、再探索指令を送るようになっている。
また、かかる車線変更の要否の判定に際して、判定部770は、案内着目地点における渋滞列が「有」との情報が事象情報に含まれ、進行車線上に渋滞列が存存し、かつ、走行車線が進行車線ではない場合には、移動体MVの位置が走行妨害区間である渋滞列の最後尾になるように、進行車線への車線変更が必要と判定する。そして、判定部770は、当該判定結果を生成部780へ送る。
次に、選択部775が、入庫待ち渋滞列が「有」との情報が事象情報に含まれている場合に、渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報の内容から、特徴的な属性を有する渋滞移動体を目標移動体として選択する。そして、選択部775は、選択結果を制御部790へ送る。なお、目標移動体が選択されなかった場合には、選択部775は、その旨を制御部790へ送る。
次いで、制御部790が、案内情報出力指令を生成する。かかる案内情報出力指令の生成に際して、制御部790は、入庫待ち渋滞列が「有」との情報が事象情報に含まれている場合には、まず、案内目標移動体を決定する。本実施形態では、制御部790は、移動体MVの速度が予め定められた所定速度未満のときには、渋滞列の先頭の移動体を案内目標移動体に決定する。
一方、移動体の速度が所定速度以上のときには、制御部790は、施設間距離に応じて案内目標移動体を決定する。本実施形態では、施設間距離が第1距離未満のときには、制御部790は、渋滞列の最後尾の移動体を案内目標移動体に決定する。また、施設間距離が第1距離以上かつ第2距離未満のときには、制御部790は、渋滞列の先頭の移動体と最後尾の移動体とを除いた移動体(以下、「中間移動体」とも記す)の中から、選択部775により選択された目標移動体を案内目標移動体に決定する。さらに、施設間距離が第2距離以上のときには、制御部790は、渋滞列の先頭の移動体を案内目標移動体に決定する。
ここで、第1及び第2距離は、移動体MVの速度に応じて定まり、移動体MVの速度が速いほど、第1及び第2距離は長くなるようになっている。そして、所定速度、並びに、移動体MVの速度と第1及び第2距離との関係は、車線変更の運転操作を開始するタイミングに関する情報を利用者に適切に提供するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
こうして案内目標移動体を決定すると、制御部790は、当該案内目標移動体に関する情報を含んだ案内情報出力指令を生成する。そして、案内情報を報知するタイミングになると、制御部790は、生成された案内情報出力指令を生成部780へ送る。本実施形態では、制御部790は、走行妨害区間の最後尾の位置から、移動体MVの進行方向と逆方向側へ所定距離だけ離れた地点に移動体MVが位置するときに、案内出力指令を生成部780へ送るようになっている。
なお、選択部775により目標移動体が選択されなかった場合には、制御部790は、案内着目地点に関する情報を含んだ案内情報出力指令を生成するようになっている。
また、かかる案内情報出力指令の生成に際して、案内着目地点付近の渋滞列が「有」との情報が事象情報に含まれている場合には、制御部790は、案内目標移動体を決定しない。そして、案内情報を報知するタイミングになると、制御部790は、案内情報出力指令を生成し、当該案内情報出力指令を生成部780へ送る。
生成部780は、制御部790から送られた案内出力指令を受けると、判定部770から送られた判定結果の内容及び案内情報出力指令に従って、案内情報を生成する。そして、生成部780は、生成された案内情報を報知部785へ送る。この結果、報知部785から、入庫待ち渋滞が発生しているときには、案内目標移動体の情報又は案内着目地点の情報を含んだ移動体MVが走行すべき道路上の車線に関する案内が報知される。
以上説明したように、本実施形態では、事象情報取得部740が、解析部725及び通信部730から送られた移動体MVの走行進行方向側の移動体MVの走行の妨害となり得る事象情報に関する情報を受ける。そして、事象情報取得部740は、当該情報から、車線ごとの入庫待ち渋滞列の有無及び案内着目地点付近の渋滞の有無、施設間距離の情報、並びに、渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報を含んだ走行妨害区間の情報を含めた事象情報を導出する。引き続き、判定部770は、走行車線及び進行車線の情報、並びに、事象情報に基づいて、車線変更の要否を判定する。
かかる車線変更の要否の判定に際して、判定部770は、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在し、かつ、走行車線が進行車線である場合には、移動体MVが入庫待ち渋滞列に到達する前に、第1の車線変更が必要と判定する。そして、移動体MVが当該入庫待ち渋滞列を通過した後に、案内着目地点に近接する側の入庫待ち渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が車線変更禁止区間でないときには、判定部770は、当該入庫待ち渋滞列を通過した後に、進行車線への第2の車線変更が必要と更に判定する。また、判定部770は、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在し、かつ、走行車線が進行車線ではない場合には、案内着目地点に近接する側の入庫待ち渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が車線変更禁止区間でないときに、移動体MVが入庫待ち渋滞列を通過した後に進行車線への車線変更が必要と判定する。
次に、選択部775が、入庫待ち渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報の内容から、入庫待ち渋滞列において特徴的な属性を有する渋滞移動体を目標移動体として選択する。次いで、制御部790が、移動体MVの速度が所定速度以上であり、施設間距離が第1距離以上かつ第2距離未満のときには、選択部775により選択された目標移動体を案内目標移動体に決定する。引き続き、制御部790は、当該案内目標移動体に関する情報を含んだ案内情報出力指令を生成する。そして、案内情報を報知するタイミングになると、制御部790は、当該生成された案内情報出力指令を生成部780へ送る。
生成部780は、当該案内出力指令を受けると、判定部770の判定結果の内容及び案内情報出力指令に従って、案内情報を生成する。
このように本実施形態では、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在し、かつ、走行車線が進行車線である場合には、移動体MVが入庫待ち渋滞列に到達する前に、第1の車線変更が必要であることを、移動体MVを運転操作する運転手が認識することができる。そして、移動体MVが当該入庫待ち渋滞列を通過した後に、案内着目地点に近接する側の入庫待ち渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が車線変更禁止区間でないときには、運転者は、当該入庫待ち渋滞列を通過した後に、進行車線への第2の車線変更が必要であることを認識することができる。
すなわち、本実施形態では、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在する場合に、運転者は、入庫待ち渋滞列の存在を把握するとともに、現在位置から案内着目地点を通過する際の一貫した運転操作情報を事前に把握することができる。このように本実施形態では、運転手が車線変更の運転操作を開始するための事前の準備情報や、車線変更の運転操作を開始するタイミングに関する情報を、移動体MVを利用する利用者(特に、運転操作する運転手)に適切に提供することができるため、利用者は余裕のある運転操作を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、入庫待ち渋滞列に含まれる渋滞移動体の中から、特徴的な属性を有する移動体を目標移動体として選択する。そして、選択された目標移動体を含めた案内情報を生成し、利用者に当該案内情報を提示する。このため、利用者は案内情報を把握しやすくなり、例えば、滞列が長いとき等には、運転手が車線変更の運転操作を開始する事前の準備や、車線変更の運転操作を開始するタイミングが分らなくなるといった事態の発生を低減することができる。このため、利用者は余裕のある運転操作を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、案内着目地点に近接する側の入庫待ち渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が、車線変更禁止区間のときには、判定部770は、当該入庫待ち渋滞列を通過した後の進行車線への車線変更が不可能であるため不要と判定する。そして、当該進行車線への車線変更が不要と判定した場合には、判定部770は、退出予定方向を走行しない目的地までの経路の再探索が必要と判定し、探索部に対して、再探索指令を送る。このため、本実施形態では、交通法規を遵守した安全運転に資する適切な誘導案内を行いつつ、目的地までの新たな経路の再探索を行うことができる。
このような場合には、運転手は、案内着目地点の手前で発生している入庫待ち渋滞列に到達する前に、入庫待ち渋滞列の存在を認識することができる。また、この場合には、運転者は、当該入庫待ち渋滞列を通過した後の進行車線への車線変更が不可能であり、目的地までの経路の再探索が行われることを認識することができる。すなわち、運転者は、入庫待ち渋滞列の存在を把握するとともに、進入車線への車線変更を行わずに再経路探索が行われることを含めた案内着目地点を通過する際の一貫した運転操作情報を事前に把握することができる。このため、案内着目地点を走行するに際して、運転操作に関する事前の情報を運転手に適切に提供することができるため、運転者は余裕のある運転操作を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、車線変更の要否の判定に際して、判定部770は、案内着目地点付近の進行車線上に渋滞列が存存し、かつ、走行車線が進行車線ではない場合には、移動体MVの位置が渋滞列の最後尾になるように、進行車線への車線変更が必要と判定する。そして、生成部780は、判定部770から送られた判定結果の内容の案内情報を生成する。このため、本実施形態では、案内着目地点付近の進行車線上に渋滞列が存在する場合に、道路上の車線走行に関する的確な案内情報を提供することができる。
また、本実施形態では、制御部790は、渋滞列の最後尾の位置から、移動体MVの進行方向とは逆方向側へ所定距離だけ離れた地点に移動体MVが位置するときに、案内出力指令を生成し、当該案内出力指令を生成部780へ送る。このため、安全運転に資する適切なタイミングで、走行する車線に関する案内情報を提供することができる。
このため、本実施形態によれば、入庫待ち渋滞列や信号待ち渋滞列が発生する場合に、利用者に、当該渋滞発生を認識させることができるとともに、渋滞を回避するための走行車線に関する案内情報を事前に提供することができる。
したがって、本実施形態によれば、走行する車線に関する案内情報を利用者に適切に提供することができる。
[実施形態の変形]
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、移動体の走行の妨害となり得る妨害事象を、「渋滞列」とした。これに対し、当該妨害事象として、道路工事等の移動体の走行の妨害となる事象を加えてよいことは勿論である。なお、道路工事による車両の走行妨害については、実施形態における「入庫待ち渋滞」の場合と同様の処理を行うようにすればよい。
また、上記の実施形態では、案内着目地点を交差点としたが、案内着目地点に道路の合流地点を含めるようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、選択部は、渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの色情報、種別情報及び型式情報に基づいて、目標移動体を選択した。これに対し、選択部は、色情報、種別情報及び型式情報の少なくとも1つの情報に基づき、目標移動体を選択するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、特定部は、移動体の現在位置に基づき、地図情報を参照して、移動体が走行している走行車線を特定した。これに対し、特定部は、撮像部が撮像した移動体MVの前方の画像を解析して、移動体が走行している走行車線を特定するようにしてもよい。また、特定部は、地図情報を参照しつつ、移動体の現在位置及び撮像部が撮像した移動体MVの前方の画像の解析結果に基づいて、走行車線を特定するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、撮像部が撮像した撮像画像に基づく事象情報に関する情報を、外部に送信しないことにしたが、当該事象情報に関する情報を、外部サーバや他の移動体に送信するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、渋滞列の最後尾の位置から、移動体の進行方向と逆方向側へ所定距離だけ離れた地点に移動体が位置するときに、制御部は、案内出力指令を生成した。そして、当該所定距離は、移動体の速度に応じて定まり、移動体の速度が速いほど、所定距離は長くなるようにした。これに対し、所定距離を、移動体の速度及び加速度に応じて定めるようにしてもよい。この場合には、移動体の速度が速いほど、所定距離を長くするとともに、移動体の加速度が大きいほど、所定距離を長くするようにすればよい。
また、当該所定距離を、走行妨害区間の長さに応じて定めるようにしてもよい。この場合には、走行妨害区間が短いほど、所定距離を長くするようにすればよい。
また、上記の実施形態では、判定部は、案内着目地点に近接する側の渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が車線変更禁止区間のときには、当該渋滞列を通過した後の車線変更が不可能であるため不要と判定した。これに対し、案内着目地点に近接する側の渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が、追い越し禁止区間のときにも、当該渋滞列を通過した後の車線変更が不要と判定するようにしてもよい。
なお、上記の実施形態における情報出力装置の走行情報取得部、解析部、特定部、決定部、事象情報取得部、判定部、選択部、生成部、制御部及び探索部を、中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)等を備えた演算手段としてのコンピュータとして構成し、予め用意されたプログラムを当該コンピュータで実行することにより、上記の実施形態における生成部及び制御部の一部又は全部の機能を実現するようにしてもよい。このプログラムはハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該コンピュータによって記録媒体から読み出されて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
以下、本発明の一実施例を、図2〜図13を参照して説明する。なお、以下の説明及び図面においては、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[構成]
図2には、一実施例に係る情報出力装置100の概略的な構成がブロック図にて示されている。情報出力装置100は、上述した一実施形態に係る情報出力装置700(図1参照)の一態様となっている。当該情報出力装置100は、車両CR内に配置される。
情報出力装置100は、図2に示されるように、処理制御ユニット110と、記憶ユニット120とを備えている。また、情報出力装置100は、音出力ユニット130と、表示ユニット140とを備えている。さらに、情報出力装置100は、GPS(Global Positioning System)受信ユニット150と、センサユニット160と、無線通信ユニット170と、撮像ユニット180とを備えている。
上記の処理制御ユニット110は、情報出力装置100の全体を統括制御するとともに、様々な処理を実行する。当該処理制御ユニット110は、演算手段としての中央処理装置(CPU)、DSP(Digital Signal Processor)及びその周辺回路を備えて構成されている。処理制御ユニット110が様々なプログラムを実行することにより、情報出力装置100としての各種機能が実現されるようになっている。こうした機能の中には、上述した実施形態における走行情報取得部715、解析部725、特定部750、決定部760、事象情報取得部740、判定部770、選択部775、生成部780、制御部790及び探索部の機能も含まれている。
また、処理制御ユニット110は、車両CRの駆動を制御する不図示の駆動制御ユニットを接続されている。そして、処理制御ユニット110は、駆動制御ユニットから送られた車両CRの表示灯の点灯・点滅の有無の情報を受けるようになっている。こうして取得された車両CRの表示灯の点灯・点滅の有無の情報は、車両CRの現在位置とともに、無線通信ユニット170を介して、外部サーバ及び車両CRの周辺に存在している他の車両へ送信するようになっている。すなわち、処理制御ユニット110は、上述した通信部730の機能の一部を果たすようになっている。かかる処理制御ユニット110が実行する処理の詳細については、後述する。
なお、処理制御ユニット110が実行するプログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、当該記録媒体からロードされて実行される。また、このプログラムは、CD−ROM、DVD等の可搬型記録媒体に記録された形態で取得されるようにしてもよいし、インターネットなどのネットワークを介した配信の形態で取得されるようにしてもよい。
上記の記憶ユニット120は、ハードディスク装置等の不揮発性の記憶装置を備えて構成され、情報出力装置100において利用される様々な情報データが記憶される。こうした情報データには、地図情報MPI、案内目標車両決定用テーブルTST等が含まれている。記憶ユニット120には、処理制御ユニット110がアクセスできるようになっている。すなわち、記憶ユニット120は、上述した記憶部710の機能を果たすようになっている。
上記の地図情報MPIには、ノード(交差点等)位置情報及びノード間を結ぶ道路リンク情報等が含まれている。ここで、道路リンク情報には、直進車線、左折車線、右折車線等の車線区分の情報、及び、車線変更禁止区間の情報等を含んだ道路リンクの車線数の情報が含まれている。
上記の案内目標車両決定用テーブルTSTには、図3に示されるように、車両CRの車速の範囲(ΔVj)と当該車速の範囲(ΔVj)に対応付けられた施設間距離の範囲(ΔXFj,k)との組み合わせで決定される案内目標車両となる渋滞車両の種類が含まれている。また、案内目標車両決定用テーブルTSTには、車両CRの車速の範囲(ΔVj)に応じて定まる所定距離XAjの情報が含まれている。
ここで、先頭車両とは渋滞列の先頭の車両であり、最後尾車両とは渋滞列の最後尾の車両である。また、中間車両とは、渋滞列の車両(以下、「渋滞車両」とも記す)のうちから、先頭車両と最後尾車両とを除いた車両である。図3のテーブルの案内目標車両の決定については、施設間距離が短いときには最後尾車両を案内目標車両に決定し、施設間距離が長いときには先頭車両を案内目標車両に決定との観点から、施設間距離に関する所定値XF2,1,XF2,2,XF3,1,XF3,2,XF4,1,XF4,2を定めている。
そして、所定値XF2,1,XF3,1,XF4,1は、車両CRの速度に応じて定まり、車両CRの速度が速いほど長くなっている。すなわち、「XF2,1<XF3,1<XF4,1」の関係が成立している。また、所定値XF2,2,XF3,2,XF4,2についても、車両CRの速度に応じて定まり、車両CRの速度が速いほど長くなっている。すなわち、「XF2,2<XF3,2<XF4,2」の関係が成立している。
これらの車速に関する所定値V1〜V3と、施設間距離に関する所定値XF2,1,XF2,2,XF3,1,XF3,2,XF4,1,XF4,2との関係は、車線変更の運転操作を開始するタイミングに関する情報を利用者に適切に提供するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
また、所定距離XAjは、車両CRの速度が速いほど長くなるようになっている。すなわち、「XA1<XA2<XF3<XF4」の関係が成立している。そして、これらの車速V1〜V3と、所定距離XA1〜XF4との関係は、安全に車線変更を行うとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
図2に戻り、上記の音出力ユニット130は、スピーカを備えて構成される。音出力ユニット130は、処理制御ユニット110から送られた出力音データを受ける。そして、音出力ユニット130は、当該出力音データに対応する出力音を出力する。すなわち、音出力ユニット130は、上述した報知部785の機能の一部を果たすようになっている。
上記の表示ユニット140は、液晶ディスプレイパネル等の表示デバイスを備えて構成される。表示ユニット140は、処理制御ユニット110から送られた表示データを受ける。そして、表示ユニット140は、当該表示データに対応する画像を表示する。すなわち、表示ユニット140は、上述した報知部785の機能の一部を果たすようになっている。
上記のGPS受信ユニット150は、複数のGPS衛星から送信された電波の受信結果に基づいて、車両CRの現在位置を算出する。また、GPS受信ユニット150は、GPS衛星から送出された日時情報に基づいて、現在時刻を計時する。これらの現在位置および現在時刻に関する情報は、GPSデータとして処理制御ユニット110へ送られる。ここで、GPS受信ユニット150は、上述した位置検出部910の機能を果たすようになっている。
上記のセンサユニット160は、車速センサ、加速度センサ等を備えて構成される。センサユニット160が備える各種センサによる検出結果は、センサデータとして処理制御ユニット110へ送られる。ここで、センサユニット160は、上述した走行動作検出部920の機能を果たすようになっている。
上記の無線通信ユニット170は、不図示のアンテナ等を備えて構成される。無線通信ユニット170は、当該アンテナが受信した受信信号を処理して、処理制御ユニット110で処理可能なデジタルデータ信号に変換する。また、無線通信ユニット170は、処理制御ユニット110から送られた送信信号を処理して、無線信号に対応する信号に変換し、アンテナへ送る。
無線通信ユニット170を利用し、不図示の外部サーバから、車両CRの進行方向側における走行の妨害となり得る事象情報に関する情報(事象発生判断情報)を受信する。こうして受信された事象情報に関する情報は、処理制御ユニット110へ送られる。
また、無線通信ユニット170を利用し、車両CRの周辺に存在する不図示の他の車両に配置された機器との間で通信を行い、事象情報に関する情報(事象発生判断情報)を受信する。そして、無線通信ユニット170は、当該事象情報に関する情報を処理制御ユニット110へ送る。すなわち、無線通信ユニット170は、上述した通信部730の一部の機能を果たすようになっている。
上記の撮像ユニット180は、不図示の車載カメラと、不図示のデータ処理部とを備えて構成されている。車載カメラは、例えば、ルームミラーの裏側に配置される。そして、車載カメラは、車両CRの進行方向の周辺画像を動画で撮像する。データ処理部は、車載カメラによる撮像結果をデジタル画像データに変換する。こうして撮像された車両CRの周辺画像のデジタル画像データは、撮像画像として、処理制御ユニット110へ送られる。
[動作]
以上のようにして構成された情報出力装置100の動作について、処理制御ユニット110による走行車線に関する案内情報の生成及び報知処理に主に着目して説明する。
前提として、処理制御ユニット110は、現在位置から目的地までの経路探索を行っているものとする。そして、処理制御ユニット110は、目的地までの経路に沿って、左折する交差点や右折する交差点等を、案内着目地点に設定しているものとする。
また、GPS受信ユニット150からは、車両CRの現在位置及び現在時刻に関する情報が、GPSデータとして処理制御ユニット110へ送られているものとする。また、センサユニット160からは、各種センサによる検出結果が、センサデータとして、処理制御ユニット110へ逐次送られているものとする。さらに、無線通信ユニット170からは、事象情報に関する情報(事象発生判断情報)が、処理制御ユニット110へ送られているものとする。
さらに、情報出力装置100では、撮像ユニット180が、車両CRの進行方向の周辺画像を撮像し、撮像結果をデジタル画像データに変換して、処理制御ユニット110へ送っているものとする。
なお、以下の説明では、車両CRの走行の妨害となり得る妨害事象としては、「入庫待ち渋滞列」及び「案内着目地点付近の渋滞列」とする。
走行車線に関する案内情報の生成及び報知処理に際しては、図4に示されるように、まず、ステップS11において、処理制御ユニット110が、車両CRが片側複数車線を走行し、案内着目地点に接近して、案内着目地点までの距離が判定距離以内になったか否かを判定する。ここで、判定距離は、渋滞列に対応した車線に関する案内情報を適切に提供するとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいて、予め定められる。
この判定の結果が否定的であった場合(ステップS11:N)には、ステップS11の処理が繰り返される。車両CRが案内着目地点に接近し、案内着目地点までの距離が判定距離となり、ステップS11における判定の結果が肯定的(ステップS11:Y)になると、処理はステップS12へ進む。
ステップS12では、処理制御ユニット110が、車両CRの進行方向側に、車両CRの走行の妨害となり得る渋滞列が発生しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS12:N)には、処理はステップS11へ戻る。
ステップS12における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS12:Y)には、処理はステップS13へ進む。ステップS13では、処理制御ユニット110が、「渋滞列発生に伴う車線に関する案内情報の生成及び報知処理」を行う。かかるステップS13の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS13の処理が終了すると、処理はステップS11へ戻る。以後、ステップS11〜S13の処理が繰り返される。
<渋滞列発生に伴う車線に関する案内情報の生成及び報知処理>
上述したステップS13における「渋滞列発生に伴う車線に関する案内情報の生成及び報知処理」について、説明する。
この「渋滞列発生に伴う車線に関する案内情報の生成及び報知処理」は、図5に示されるように、まず、ステップS21において、処理制御ユニット110が、地図情報MPIを参照して、現在位置に基づき車両CRが走行している走行車線を特定する。引き続き、ステップS22において、処理制御ユニット110が、地図情報MPIを参照して、案内着目地点への進入予定方向と当該案内着目地点からの退出予定方向とから、現在位置から案内着目地点までの間で車両CRが走行すべき進行車線を決定する。次いで、ステップS23において、処理制御ユニット110が、地図情報MPIを参照して、現在位置及び事象情報に基づき、渋滞列が発生している車線である発生車線を特定する。この後、処理はステップS24へ進む。
ステップS24では、処理制御ユニット110が、発生車線が進行車線に一致しているか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS24:N)には、処理はステップS25へ進む。ステップS25では、処理制御ユニット110が、現在走行している走行車線と妨害事象が発生している発生車線とが同じか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS25:Y)には、処理はステップS26へ進む。
ステップS26では、処理制御ユニット110が、「進行車線へ車線変更する」旨の案内情報を生成する。引き続き、処理制御ユニット110は、当該案内情報の内容に対応する表示データ及び出力音データを生成する。そして、処理制御ユニット110は、当該表示データを表示ユニット140へ送り、当該出力音データを音出力ユニット130へ送る。
この結果、表示ユニット140に、表示データに対応する案内情報の画像が表示される。また、音出力ユニット130から、出力音データに対応する案内情報の出力音が出力される。こうして「進行車線へ車線変更する」旨の案内情報が出力されると、ステップS26の処理が終了する。ステップS26の処理が終了すると、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
一方、ステップS25における判定の結果が否定的であった場合(ステップS25:N)には、処理はステップS27へ進む。ステップS27では、処理制御ユニット110が、「車線を維持する」旨の案内情報を生成する。引き続き、処理制御ユニット110は、当該案内情報の内容に対応する表示データ及び出力音データを生成する。そして、処理制御ユニット110は、当該表示データを表示ユニット140へ送り、当該出力音データを音出力ユニット130へ送る。
この結果、表示ユニット140に、表示データに対応する案内情報の画像が表示される。また、音出力ユニット130から、出力音データに対応する案内情報の出力音が出力される。こうして「車線を維持する」旨の案内情報が出力されると、ステップS27の処理が終了する。ステップS27の処理が終了すると、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
上述したステップS24における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS24:Y)には、処理はステップS28へ進む。ステップS28では、処理制御ユニット110が、「渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理」を行う。ステップS28の処理が終了すると、ステップS13の処理が終了する。そして、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
《渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理》
上述したステップS28における「渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理」について、説明する。
この「渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理」は、図6に示されるように、まず、ステップS31において、処理制御ユニット110が、渋滞列が「入庫待ち渋滞列」であるか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS31:Y)には、処理はステップS32へ進む。
ステップS32では、処理制御ユニット110が、「入庫待ち渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理」を行う。かかるステップS32の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS32の処理が終了すると、ステップS28の処理及び図5のステップS13の処理が終了し、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
ステップS31における判定の結果が否定的であった場合(ステップS31:N)には、処理はステップS33へ進む。
ステップS33では、処理制御ユニット110が、「案内着目地点付近の渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理」を行う。かかるステップS33の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS33の処理が終了すると、ステップS28の処理及び図5のステップS13の処理が終了し、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
(入庫待ち渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理)
上述したステップS32における「入庫待ち渋滞列に対応した案内情報の生成処理」について、説明する。
この「入庫待ち渋滞に対応した案内情報の生成及び報知処理」は、図7に示されるように、まず、ステップS41において、処理制御ユニット110が、現在走行している走行車線と入庫待ち渋滞列が発生している発生車線とが異なるか否かを判定することにより、入庫待ち渋滞列の回避が不要か否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS41:Y)には、処理は後述するステップS45へ進む。ステップS41における判定の結果が否定的であった場合(ステップS41:N)には、処理はステップS42へ進む。
ステップS42では、処理制御ユニット110は、「入庫待ち渋滞を回避するために車線変更する」旨の案内情報を生成する。引き続き、ステップS43において、処理制御ユニット110は、当該案内情報の内容に対応する表示データ及び出力音データを生成する。そして、処理制御ユニット110は、当該表示データを表示ユニット140へ送り、当該出力音データを音出力ユニット130へ送る。この結果、表示ユニット140に、表示データに対応する案内情報の画像が表示される。また、音出力ユニット130から、出力音データに対応する案内情報の出力音が出力される。この後、処理はステップS44へ進む。
ステップS44では、処理制御ユニット110が、地図情報MPIを参照して、現在位置に基づき、入庫待ち渋滞を回避するための車線変更が行われたか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS44:N)には、ステップS44の処理が繰り返される。入庫待ち渋滞を回避するための車線変更が行われ、ステップS44における判定の結果が肯定的になると(ステップS44:Y)、処理はステップS45へ進む。
ステップS45では、処理制御ユニット110が、地図情報MPIを参照して、案内着目地点と施設の入場口との間の距離である施設間距離XFを導出する。引き続き、ステップS46において、処理制御ユニット110が、施設間距離XF及び車速Vに基づき、目標車両特定用テーブルTSTを参照して、渋滞例に含まれる渋滞車両のそれぞれの属性情報の内容から、特徴的な属性を有する渋滞車両を案内目標車両に決定するか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS46:N)には、処理はステップS47へ進む。
ステップS47では、処理制御ユニット110は、渋滞車両の属性情報を考慮せずに、案内目標車両を決定する。例えば、車速Vが所定値V3以上であり、施設間距離XFが所定値XF4,2以上のときには、先頭車両を案内目標車両に決定する。この後、処理は後述するステップS49へ進む。
ステップS46における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS46:Y)には、処理はステップS48へ進む。ステップS48では、処理制御ユニット110が、「属性情報を考慮した案内目標車両の決定処理」を行う。かかるステップS48の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS48の処理が終了すると、処理はステップS49へ進む。
ステップS49では、処理制御ユニット110が、進行車線への車線変更を行う位置が車線変更禁止区間であるか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS49:N)には、処理はステップS50へ進む。
ステップS50では、処理制御ユニット110が、「進行車線への進入案内情報の生成処理」を行う。かかるステップS50の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS50の処理が終了すると、処理はステップS51へ進む。
ステップS51では、処理制御ユニット110が、「案内情報の報知処理」を行う。かかるステップS51の処理の詳細については、後述する。そして、ステップS51の処理が終了すると、ステップS32の処理が終了する。こうしてステップS32の処理が終了すると、上述した図6のステップS28及び図5のステップS13が終了する。そして、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
一方、ステップS49における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS49:Y)には、処理はステップS52へ進む。ステップS52では、処理制御ユニット110は、案内着目地点からの退出予定方向を走行しない目的地までの新たな経路を再探索する。
ステップS52の処理が終了すると、ステップS32の処理が終了する。こうしてステップS32の処理が終了すると、上述した図6のステップS28及び図5のステップS13が終了する。そして、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
((属性情報を考慮した案内目標車両の決定処理))
上述したステップS48における「属性情報を考慮した案内目標車両の決定処理」について、説明する。
この「属性情報を考慮した案内目標車両の決定処理」は、図8に示されるように、まず、ステップS61において、処理制御ユニット110が、入庫待ち渋滞列に含まれる渋滞車両の属性情報を収集する。引き続き、ステップS62において、渋滞車両の中から最初の候補車両を選択する。本実施例では、渋滞列の中央の車両を最初の候補車両に選択するようになっている。この後、処理はステップS63へ進む。
ステップS63では、処理制御ユニット110が、選択された車両の属性が特徴的であるか否かを判定する。ここで、車両の属性が特徴的であるかの判定は、渋滞列中の他の車両の属性と相違しており運転者が当該車両に気付きやすいとの観点から、実験、シミュレーション、経験等に基づいたものとなっている。
この判定の結果が否定的であった場合(ステップS63:N)には、処理はステップS64へ進む。ステップS64では、処理制御ユニット110が、すべての渋滞車両を選択したか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS64:N)には、処理はステップS65へ進む。
ステップS65では、処理制御ユニット110が、渋滞車両の中から次の候補車両を選択する。この後、処理はステップS63へ進む。本実施例では、2回目の選択は最初に選択した車両の前後いずれかの車両を選択するようになっている。そして、例えば、2回目の選択で、最初に選択した車両の1つ前の車両を選択したときには、3回目の選択では、最初に選択した車両の1つ後の車両を選択するようになっている。以後の選択についても、中央側から順に選ぶようになっている。
すべての渋滞車両が選択されてステップS64における判定の結果が肯定的になると(ステップS64:N)、処理制御ユニット110は、特徴的な渋滞車両は無かったと判断し、ステップS48の処理が終了する。そして、処理は上述した図7のステップS49へ進む。
一方、ステップS63における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS63:Y)には、処理はステップS66へ進む。ステップS66では、処理制御ユニット110が、ステップS63において属性が特徴的であると判定された車両を案内目標車両に決定する。
ステップS66の処理が終了すると、ステップS48の処理が終了する。そして、処理は上述した図7のステップS49へ進む。
((進行車線への進入案内情報の生成処理))
上述したステップS50における「進入車線への進入案内情報の生成処理」について、説明する。
この「進入車線への進入案内情報の生成処理」は、図9に示されるように、まず、ステップS71において、処理制御ユニット110が、案内目標車両を決定したか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS71:Y)には、処理はステップS72へ進む。ステップS72では、処理制御ユニット110が、渋滞車両の属性情報を考慮して案内目標車両を決定したか否かを判定する。この判定の結果が肯定的であった場合(ステップS71:Y)には、処理はステップS73へ進む。
ステップS73では、処理制御ユニット110が、案内目標車両の属性情報を含んだ案内情報を生成する。ステップS73の処理が終了すると、ステップS50の処理が終了する。そして、処理は上述した図7のステップS51へ進む。
ステップS73において生成される案内情報の例としては、「『赤いワンボックスカー』の2台前の車を過ぎてから、左折車線に侵入してください」等が挙げられる。
ステップS72における判定の結果が否定的であった場合(ステップS72:N)には、処理はステップS74へ進む。ステップS74では、処理制御ユニット110が、案内目標車両の属性情報を含まない案内情報を生成する。ステップS74の処理が終了すると、ステップS50の処理が終了する。そして、処理は上述した図7のステップS51へ進む。
ステップS74において生成される案内情報の例としては、「渋滞列の先頭車両を通過後、左車車線に侵入してください」や「渋滞列の最後尾車両が見えています。最後尾車両の7台前の車を過ぎてから、左折車線に進入してください」等が挙げられる。
上述したステップS71における判定の結果が否定的であった場合(ステップS71:N)には、処理はステップS75へ進む。ステップS75では、処理制御ユニット110が、現在位置から渋滞例の先頭までの距離に関する案内情報を生成する。ステップS75の処理が終了すると、ステップS50の処理が終了する。そして、処理は上述した図7のステップS51へ進む。
ステップS75において生成される案内情報の例としては、「左折する交差点まで100メートルです。左折車線に進入する準備をしてください」等が挙げられる。
((案内情報の報知処理))
上述したステップS51における「案内情報の報知処理」について、説明する。
この「案内情報の報知処理」は、図10に示されるように、まず、ステップS81において、処理制御ユニット110が、車両CRの位置が報知地点になったか否かを判定することにより、案内情報の出力タイミングとなったか否かを判定する。本実施例では、走行妨害区間の最後尾の位置から、車両CRの進行方向とは逆方向側へ所定距離だけ離れた地点を、報知地点としている。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS81:N)には、ステップS81の処理が繰り返される。
案内情報の出力タイミングとなり、ステップS81における判定の結果が肯定的になると(ステップS81:N)、処理はステップS82へ進む。ステップS82では、処理制御ユニット110が、案内情報の内容に対応する表示データ及び出力音データを生成する。そして、処理制御ユニット110は、当該表示データを表示ユニット140へ送り、当該出力音データを音出力ユニット130へ送る。
この結果、表示ユニット140に、表示データに対応する案内情報の画像が表示される。また、音出力ユニット130から、出力音データに対応する案内情報の出力音が出力される。こうして案内情報が出力されると、ステップS82の処理が終了する。ステップS82の処理が終了すると、ステップS51の処理がする。こうしてステップS51の処理が終了すると、上述した図7のステップS32の処理、図6のステップS28の処理、及び、図5のステップS13の処理が終了する。そして、処理は上述した図3のステップS11へ戻る。
(案内着目地点付近の渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理)
上述したステップS33における「案内着目地点付近の渋滞列に対応した案内情報の生成及び報知処理」について、説明する。
この「案内着目地点付近の渋滞列に対応した案内情報の生成処理」は、図11に示されるように、まず、ステップS91において、処理制御ユニット110が、現在走行している走行車線と渋滞列が発生している発生車線とが同じか否かを判定する。この判定の結果が否定的であった場合(ステップS91:N)には、処理はステップS92へ進む。
ステップS92では、処理制御ユニット110が、「車両CRの位置が渋滞列の最後尾になるように、進行車線への車線変更が必要」と車線変更関連情報を生成する。この後、処理は後述するステップS94へ進む。
ステップS91における判定の結果が肯定的であった場合(ステップS91:Y)には、処理はステップS93へ進む。ステップS93では、処理制御ユニット110が、「車線を維持して、車両CRの位置が渋滞列の最後尾になるようにする」旨の車線変更関連情報を生成する。この後、処理はステップS94へ進む。
ステップS94では、処理制御ユニット110が、ステップS92又はステップS93において生成された車線変更関連情報の内容に基づいて、走行すべき道路上の車線に関する案内情報を生成する。この後、処理はステップS95へ進む。
ステップS95では、処理制御ユニット110が、「案内情報の報知処理」を行う。かかるステップS95の処理は、上述したステップS51の処理と同様して行われる。そして、ステップS95の処理が終了すると、ステップS33の処理が終了する。こうしてステップS33の処理が終了すると、上述した図6のステップS28及び図5のステップS13が終了する。そして、処理は上述した図4のステップS11へ戻る。
<進入車線への進入案内情報の画像表示例>
図12及び図13には、図7のステップS51の処理により、表示ユニット140に表示される案内情報の画像の例が示されている。ここで、車線に関する案内情報の画像表示例の説明では、車両CRの走行予定経路は、案内着目地点である交差点を左折することが予定されているものとする。このため、車両CRの進行車線は、左折車線に決定されているものとする。また、入庫待ち渋滞が発生している発生車線は、左折車線であるとする。
図12の例では、施設間距離XF及び車速Vに基づき、目標車両特定用テーブルTSTを参照して、渋滞列の先頭の車両が案内目標車両に決定した例となっている。この場合には、案内目標車両を強調表示するとともに、「渋滞列の先頭車両を通過後、左車車線に侵入してください」との音声案内を行う。
図13の例では、施設間距離XF及び車速Vに基づき、目標車両特定用テーブルTSTを参照して、中間車両を案内目標車両にすることとし、特徴的な属性を有する渋滞車両が案内目標車両に決定された例となっている。この場合には、案内目標車両を強調表示するとともに、「『赤いワンボックスカー』の2台前の車を過ぎてから、左折車線に侵入してください」との音声案内を行う。
以上説明したように、本実施例では、処理制御ユニット110が、撮像ユニット180が撮像した撮像画像を解析して、入庫待ち渋滞列の有無及び案内着目地点付近の渋滞の有無、施設間距離の情報、並びに、渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報を含んだ走行妨害区間の情報を含めた事象情報を導出する。また、処理制御ユニット110は、無線通信ユニット170から送られた事象情報に関する情報(事象発生判断情報)から、入庫待ち渋滞列の有無及び案内着目地点付近の渋滞の有無、施設間距離の情報、並びに、渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報を含んだ走行妨害区間の情報を含めた事象情報を導出する。そして、処理制御ユニット110は、走行車線及び進行車線の情報、並びに、事象情報に基づいて、車線変更の要否を判定する。
かかる車線変更の要否の判定に際して、処理制御ユニット110は、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在し、かつ、走行車線が進行車線である場合には、車両CRが入庫待ち渋滞列に到達する前に、第1の車線変更が必要と判定する。そして、車両CRが当該入庫待ち渋滞列を通過した後に、案内着目地点に近接する側の入庫待ち渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が車線変更禁止区間でないときには、処理制御ユニット110は、当該入庫待ち渋滞列を通過した後に、進行車線への第2の車線変更が必要と更に判定する。また、処理制御ユニット110は、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在し、かつ、走行車線が進行車線ではない場合には、案内着目地点に近接する側の入庫待ち渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が車線変更禁止区間でないときに、車両CRが入庫待ち渋滞列を通過した後に進行車線への車線変更が必要と判定する。
次に、処理制御ユニット110が、入庫待ち渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの属性情報の内容から、入庫待ち渋滞列において特徴的な属性を有する渋滞車両を案内目標車両に決定する。そして、処理制御ユニット110は、当該案内目標車両に関する情報を含んだ案内情報を利用者に提供する。
すなわち、本実施例では、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在する場合に、運転者は、入庫待ち渋滞列の存在を把握するとともに、現在位置から案内着目地点を通過する際の一貫した運転操作情報を事前に把握することができる。このように本実施例では、運転手が車線変更の運転操作を開始するための事前の準備情報や、車線変更の運転操作を開始するタイミングに関する情報を、車両CRの利用者に適切に提供することができるため、利用者は余裕のある運転操作を行うことが可能となる。
また、本実施例では、入庫待ち渋滞列に含まれる渋滞車両列の中から、特徴的な属性を有する車両を案内目標車両として選択する。そして、選択された案内目標車両を含めた案内情報を生成し、利用者に当該案内情報を提示する。例えば、「『赤いワンボックスカー』の2台前の車を過ぎてから、左折車線に侵入してください」といった案内目標車両の情報を付加して、利用者に車線に関する案内情報を提示する。このため、利用者は案内情報を把握しやすくなり、例えば、滞列が長いとき等には、運転手が車線変更の運転操作を開始する事前の準備や、車線変更の運転操作を開始するタイミングが分らなくなるといった事態の発生を低減することができる。このため、利用者は余裕のある運転操作を行うことが可能となる。
このように本実施例では、進行車線上に入庫待ち渋滞列が存在する場合に、車線変更の運転操作を開始するタイミングに関する情報を利用者に適切に提供することができる。
また、本実施例では、案内着目地点に近接する側の入庫待ち渋滞列の先頭から案内着目地点までの間の区間が車線変更禁止区間のときには、処理制御ユニット110は、当該入庫待ち渋滞列を通過した後の進行車線への車線変更が不可能であるため不要と判定する。そして、当該入庫待ち渋滞列を通過した後の進行車線への車線変更が不要と判定した場合には、処理制御ユニット110は、退出予定方向を走行しない目的地までの経路の再探索を行う。このため、本実施例では、交通法規を遵守した安全運転に資する適切な誘導案内を行いつつ、目的地までの新たな経路の再探索を行うことができる。
このような場合には、運転手は、案内着目地点の手前で発生している入庫待ち渋滞列に到達する前に、入庫待ち渋滞列の存在を認識することができる。また、この場合には、運転者は、当該入庫待ち渋滞列を通過した後の進行車線への車線変更が不可能であり、目的地までの経路の再探索が行われることを認識することができる。すなわち、運転者は、入庫待ち渋滞列の存在を把握するとともに、進入車線への車線変更を行わずに再経路探索が行われることを含めた案内着目地点を通過する際の一貫した運転操作を事前に把握することができる。このため、案内着目地点を走行するに際して、運転操作に関する事前の情報を運転手に適切に提供することができるため、運転者は余裕のある運転操作を行うことが可能となる。
また、本実施例では、車線変更の要否の判定に際して、処理制御ユニット110は、案内着目地点付近の進行車線上に渋滞列が存存し、かつ、走行車線が進行車線ではない場合には、車両CRの位置が走行妨害区間である渋滞列の最後尾になるように、進行車線への車線変更が必要と判定する。このため、本実施例では、進行車線上に渋滞列が存在する場合に、道路上の車線走行に関する的確な案内情報を提供することができる。
また、本実施例では、処理制御ユニット110は、渋滞列の最後尾の位置から、車両CRの進行方向とは逆方向側へ所定距離だけ離れた地点に車両CRが位置するときに、案内情報を出力する。このため、安全運転に資する適切なタイミングで、走行する車線に関する案内情報を提供することができる。
このため、本実施例によれば、入庫待ち渋滞列や信号待ち渋滞列が発生する場合に、利用者に、当該渋滞発生を認識させることができるとともに、渋滞を回避するための走行車線の案内情報を事前に提供することができる。
したがって、本実施例によれば、走行する車線に関する案内情報を利用者に適切に提供することができる。
[実施例の変形]
本発明は、上記の実施例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記の実施例では、車両の走行の妨害となり得る妨害事象を、「入庫待ち渋滞列」及び「交差点等の案内着目地点の滞列」とした。これに対し、当該妨害事象として、道路工事等の車両の走行の妨害となり得る事象を加えてよいことは勿論である。なお、道路工事による車両の走行妨害については、実施例における「入庫待ち渋滞」の場合と同様の処理を行うようにすればよい。
また、上記の実施例では、案内着目地点を交差点としたが、案内着目地点に道路の合流地点を含めるようにしてもよい。
なお、進行車線への進入の目標として車両を採用したが、進行車線への進入の目標として、建造物等を採用するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、渋滞列に含まれる渋滞移動体のそれぞれの色情報、種別情報及び型式情報に基づいて、案内目標車両を決定した。これに対し、色情報、種別情報及び型式情報の少なくとも1つの情報に基づき、案内目標車両を決定するようにしてもよい。
また、上記の実施例では、処理制御ユニットは、案内着目地点に近接する側の走行妨害区間の先頭から案内着目地点までの間の区間が、車線変更禁止区間のときには、当該走行妨害区間を通過した後の車線変更が不可能であるため不要と判定した。これに対し、案内着目地点に近接する側の走行妨害区間の先頭から案内着目地点までの間の区間が、追い越し禁止区間のときにも、当該走行妨害区間を通過した後の車線変更が不要と判定するようにしてもよい。
また、上記の実施例については、上述した実施形態に対する変形と同様の変形を適宜施すことができる。