JP6949105B2 - 試薬容器用アダプタ - Google Patents

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Description

本発明は、試薬容器を試薬容器ホルダに適合させるための試薬容器用アダプタに関する。
自動分析装置は、一般に、多数の試薬容器を収納する試薬容器ホルダを装置内に備える。該ホルダに収納された試薬容器からは、適切な試薬が試薬ノズルで吸引され、その後、反応容器に吐出されて分析に使用されている。自動分析装置においては、試薬容器ホルダの適切な位置に適切な状態で試薬容器を設置することが重要である。不適切にホルダに設置された試薬容器は、ホルダ内で傾いたり、位置がずれることがあり、これにより試薬吸引の失敗による測定不能や試薬ノズルの汚染、さらに場合によっては試薬ノズルや容器の破損という問題が生じることがある。特許文献1には、自動分析装置のサンプルトレイに搭載する検体容器を保持する筒状のアダプタが開示されている。
自動分析装置の試薬容器における別の問題は、容器からの試薬の蒸発による分析精度への影響である。特許文献2には、サンプリングノズルが挿脱可能な大きさの小孔を有するサンプルカップ用キャップが開示されている。特許文献3〜4には、開口部に取り付けられた該開口部から容器内に延びる管を備える液体容器が開示されている。
特開2004−239892号公報 特開昭58−189559号公報 特開平1−111657号公報 特開2011−099769号公報
本発明は、試料の分析に用いる試薬容器の操作性を改善するための試薬容器用アダプタを提供する。より詳細には、試薬容器をホルダに安定的に固定するとともに該試薬容器からの試薬の蒸発を抑制することができる試薬容器用アダプタを提供する。
本発明は、以下を提供する。
〔1〕試薬容器用アダプタであって、
該試薬容器用アダプタは、第1の内径を有する第1の管状部分と、第2の内径を有する第2の管状部分とを備え、
該第1の管状部分の一端は、該第2の管状部分に、該第1の管状部分の内孔と該第2の管状部分の内孔とが連通するように接続されており、
該第2の内径の平均値は該第1の内径の平均値以下であり、
該試薬容器用アダプタを試薬容器に装着したときに、該第1の管状部分の内孔には該試薬容器が収納され、かつ該第1の管状部分は該試薬容器の側面を保持し、かつ該第2の管状部分は該試薬容器の開口部上に配置される、
試薬容器用アダプタ。
〔2〕前記第2の管状部分に接続され、かつ前記第1の管状部分の内孔内へと延びる第3の管状部分をさらに備え、該第3の管状部分の内孔は、該第1の管状部分の内孔、及び該第2の管状部分の内孔と連通する、請求項1記載の試薬容器用アダプタ。
〔3〕前記第3の管状部分が前記第2の管状部分の内孔に挿通される管状部材である、〔2〕記載の試薬容器用アダプタ。
〔4〕前記第3の管状部分が、前記第2の管状部分に接続されていない側の端部に向かって細くなっている、〔2〕又は〔3〕に記載の試薬容器用アダプタ。
〔5〕前記第1の管状部分が、その内面に、試薬容器を保持するための突起又はリブを有する、〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
〔6〕前記第1の管状部分が側面に少なくとも1つの窓を有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
〔7〕前記第1の管状部分が、その外面に、試薬容器ホルダにおける試薬容器用アダプタの向きを定めるための凹部又は凸部を有する、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
〔8〕前記第2の管状部分が、蓋、弁、又はその内孔を狭窄する狭窄部を有する、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
〔9〕試薬容器に装着されており、かつ該試薬容器の内部と前記第1の管状部分の内孔とが連通しないように、前記第2の管状部分と該試薬容器の開口部が当接されている、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
〔10〕〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタを備える自動分析装置。
〔11〕〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタと、該試薬容器用アダプタの内孔に収納された試薬容器とを備える、アダプタ付き試薬容器。
〔12〕試薬容器からの試薬の吸引方法であって、
〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタが装着された試薬容器から、試薬ノズルにて試薬を吸引することを含み、
該試薬ノズルは、該試薬容器用アダプタの第2の管状部分の内孔を通って該試薬容器内に挿入される、方法。
〔13〕試薬容器の自動分析装置への架設方法であって、
〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタを装着した試薬容器を、自動分析装置の試薬容器ホルダに設置すること、
を含み、
該試薬容器は、外面に識別子を有し、該試薬容器用アダプタは、該第1の管状部分の側面に窓を有し、該識別子は、該窓から表示されるように配置されており、かつ該試薬容器は、該試薬容器ホルダに、該識別子が自動分析装置の識別部によって読み取り可能なように設置されている、
方法。
本発明の試薬容器用アダプタは、試薬容器を試薬容器ホルダに安定的に固定させる機能と、該容器からの試薬の蒸発を抑制する機能とを有する。本発明のアダプタは、特に自動分析装置において、容器からの試薬の正確なサンプリング(吸引)を実現し、該試薬を用いた分析の精度を向上させ得る。また本発明のアダプタは、自動分析装置における試薬容器の識別エラーを低減させ得る。さらに本発明のアダプタは、試薬容器ホルダへの試薬容器の着脱を容易にし、かつ着脱の際における操作者の試薬への接触、又は試薬をこぼすことによる装置の汚染もしくは試薬の損失等のリスクを低減する。
本発明の試薬容器用アダプタの一実施形態の斜視図。 本発明の試薬容器用アダプタの一実施形態。A:正面図、B:右側面図、C:左側面図、D:上面図、E:下面図、F:DのB-B線における断面図。 本発明の試薬容器用アダプタの一実施形態の斜視図。 本発明の試薬容器用アダプタの一実施形態。A:正面図、B:右側面図、C:左側面図、D:上面図、E:下面図、F:DのB-B線における断面図。 2つの窓を有する試薬容器用アダプタの斜視図。 試薬容器に装着された本発明の試薬容器用アダプタの模式図。 A:第3の管状部分を有する試薬容器用アダプタの模式図、B:管状部材を挿入した状態の試薬容器用アダプタの模式図。 A:第2の管状部分に蓋を設けた試薬容器用アダプタの模式図。B:蓋の上面図、(上)十字形のスリットを有する蓋、(下)孔を有する蓋。 試薬容器ホルダに設置された試薬容器用アダプタを示す模式図。 識別部による識別子の読み取りの様子を示す概念図。 自動分析装置で試薬容器から試薬を吸引する様子を示す模式図。 本発明の試薬容器用アダプタ又は蒸発防止器具を取り付けた試薬容器における3日後及び7日後の相対蒸発量。
通常の自動分析装置においては、反応容器(以下、「セル」ともいう)内に所定量の試料と試薬を分注し、所定条件下で試料と試薬を反応させて反応液の物理変化(例えば、特定波長での吸光度変化量)を測定することで、試料を分析している。自動分析装置での分析に用いられる試薬の種類は多様であり、これらの試薬を含む多数の試薬容器(以下、単に「容器」ともいう)は、一般的に、当該装置の試薬庫内に、多数の穴を有する試薬容器ホルダ(以下、「ホルダ」ともいう)に設置されて並べられている。セルへの試薬の分注は、当該装置に配置された試薬ノズル(以下、「ノズル」ともいう)を用いて、目的の試薬を含む容器から試薬を所定量だけ吸引し、セルに所定量を吐出する方式が一般的である。
いくつかの自動分析装置においては、複数の供給元から提供される試薬が使用可能である。その結果として、これらの自動分析装置に適用され得る試薬容器の形状はまちまちであり、その外径や高さは標準化されていない。このようなタイプの自動分析装置のホルダの穴は、適用可能な容器のうち最大のものが設置できるサイズに設計されなければならない。
一般的な自動分析装置では、ノズルで試薬を吸引する場合、試薬容器を設置したホルダの穴の中央上にノズルを移動させ、次いでノズル先端が容器内の液面下に達するまでノズルを下降させた後、試薬を吸引する。この一連の動作において、ノズルが容器に接触してしまうと、ノズル破損、吸引エラー、試薬汚染等のトラブルをもたらす。したがって、ホルダの穴の中央に試薬容器を配置し、試薬容器の開口部の中心をノズル位置に合わせることが重要である。ホルダ内での容器の傾きや位置ずれは、試薬の正確な吸引を妨げ、分析の精度を低下させ得る。従来、ホルダの穴よりも小さいサイズの容器を用いる場合、しばしば容器に専用のアダプタを装着し、穴の中央に容器を配置させていた。
自動分析装置は、通常、分析に用いる適切な試薬を吸引するために、試薬容器ホルダに設置された試薬容器を自動で識別する識別部を備える。そのため、自動分析装置に適用される容器の外側面には、識別部に読み取らせるための識別子(バーコード、二次元コード等)が付いている。ホルダ内の各容器は、その識別子が識別部で読みとり可能な位置に設置されなければならない。例えば、いくつかの自動分析装置においては、試薬容器ホルダは円盤状(又はカルーセル)であり、その円周部に沿って容器が設置され、容器の識別子はその円盤の外側を向いて配置される。識別部は該試薬容器ホルダを収納する試薬庫の壁に設置されており、円盤が回転することにより各容器は識別部に識別される。しかし、円盤の回転と停止は、ホルダ内での容器の位置ずれ又は回転を引き起こし、それによる識別エラーをもたらす可能性がある。これを防ぐためには、ホルダの穴内に容器を固定する必要がある。
自動分析装置の試薬容器ホルダに設置される試薬容器は、ノズルとの接触を避けるため、ある程度の大きさの内径のある開口部を有し、かつ、その蓋はノズルによる試薬の吸引を可能にするため通常取り外されている。さらに蓋を外したままの容器を試薬庫内に長時間放置することも少なくない。これらの状況は、試薬の蒸発による劣化又は濃縮をもたらし、分析精度低下の原因となり得る。特許文献4には、単位時間当り試薬蒸発量が容器断面積に比例し、容器長さに反比例することが記載されている。つまり、容器開口部の内径を小さくすると試薬の蒸発を抑えることができるが、ノズルと容器との接触リスクは増大する。
装置の省スペース化、及び試薬庫の冷却に要する電力の節約の観点からは、自動分析装置の試薬庫はできるだけ小さく構成されることが望ましい。試薬庫の中になるべく多くの試薬容器を収納させるため、試薬容器は互いに密接して配置されることになる。多数の容器が密接して配置された試薬庫は、庫内への試薬容器の出し入れの操作性を低下させ、また操作者の手が試薬容器の開口部に接触することによる試薬及び操作者の汚染のリスクを増大させる。
本発明は、試薬容器ホルダに設置される試薬容器の位置の安定化および試薬吸引時のトラブル防止を可能にする器具又は方法を提供する。より詳細には、本発明は、試薬容器用アダプタならびにそれらを用いた試薬の吸引方法を提供する。本発明の試薬容器用アダプタ(以下、単に「アダプタ」ともいう)は、試薬容器を試薬容器ホルダに安定的に固定させる機能と、該容器からの試薬の蒸発を抑制する機能とを有する。これらの機能は、試薬容器からの試薬の正確な吸引を可能にし、該試薬を用いた分析の精度を向上させ得る。
また本発明のアダプタは、自動分析装置における試薬容器の識別エラーの低減、及び容器からの試薬の正確なサンプリングを実現し、それによって当該装置による分析の精度を向上させ得る。さらに本発明のアダプタは、自動分析装置の試薬庫内での試薬容器ホルダへの試薬容器の着脱操作を容易にし、さらに着脱の際の試薬及び操作者の汚染リスクを低減する。
したがって、本発明のアダプタは、試料の分析に用いる試薬容器の操作性を改善する。代表的には、本発明のアダプタは、上述した自動分析装置における試薬容器の操作性に関する諸問題を改善する。ただし、本発明のアダプタの適用及び有用性は、自動分析装置での使用に制限されるものではない。本発明のアダプタは、手動で試薬を吸引する試薬の容器に適用しても、試薬吸引の操作性、及び試薬の蒸発抑制の点で効果的である。
本明細書における「試薬」とは、分析の際に検体ノズルや試薬ノズルで定量吸引する各種液体をいい、希釈試料調製等の前処理に用いる液体、試料と混合して反応に供する液体およびノズル洗浄用液体などを包含する。
本明細書における「試薬容器」とは、上記で規定した試薬の収容容器をいい、その材質や形状は特に限定されない。例えば、本発明の試薬容器用アダプタが適用され得る試薬容器は、樹脂製、ガラス製などであり得、またその形状としては、円柱状、角柱状、広口瓶、バイアル瓶形状などが挙げられるが、これらに限定されない。試薬容器のサイズとしては、例えば高さ40〜70mm、幅(外径)20〜30mm程度が挙げられるが、これに限定されない。該試薬容器は、その外面に、自動分析装置の識別部により読み取られる識別子(例えばバーコード、二次元コード等)を有していてもよい。
本明細書において、本発明の試薬容器用アダプタの向きは、該アダプタを装着する試薬容器の向きを基準として表される。例えば、本発明の試薬容器用アダプタを装着した試薬容器を立てて置いたときに、試薬容器の開口部から底に向かう向きが、該アダプタの「下向き」であり、その逆向きが該アダプタの「上向き」である。また、該アダプタにおいて、試薬容器の底により近い位置は、より「下側」であり、逆に試薬容器の底から遠い位置ほど、より「上側」である。
また本明細書において、本発明の試薬容器用アダプタに関する「長軸」及び「長軸方向」とは、それぞれ、本発明の試薬容器用アダプタを装着した試薬容器を立てて置いたときに、該アダプタの第2の管状部分の上端の開口部中心から下向きに下した垂線、及びその方向をいう。また該アダプタ、及びその各部に関する「長さ」及び「幅」は、それぞれ該長軸方向の距離、及び該長軸方向と直交する方向の距離をいう。
本発明の試薬容器用アダプタは、第1の内径を有する第1の管状部分と、第2の内径を有する第2の管状部分とを備える。該第1の管状部分と該第2の管状部分は、いずれも中空の管であり、該第2の内径の平均値は該第1の内径の平均値以下である。該第1の管状部分の一端は、該第2の管状部分に接続されており、これによって該第1の管状部分の内孔と該第2の管状部分の内孔とが連通している。言い換えると、本発明のアダプタは、全体で、径の異なる2つの管状部分を含む1個の管状構造を有し得る。
本発明のアダプタは、1個の試薬容器を収納及び保持する。本発明のアダプタを試薬容器に装着したとき、該試薬容器は、該第1の管状部分の内孔に収納され、該試薬容器の側面が該第1の管状部分に保持される。このとき、該第2の管状部分は、該試薬容器の開口部上に配置される。
本発明のアダプタにおいて、該第1の管状部分は、第1の内径を有し、両端が開口した管である。該第1の管状部分の一方の端は、該第2の管状部分に接続されており、もう一方の端は、試薬容器の挿入口として機能する。本発明のアダプタを試薬容器に装着する場合、試薬容器は、該容器の開口部を先にして、該挿入口から該第1の管状部分の内孔へと挿入される。本発明のアダプタを装着した試薬容器を立てて置いたとき、該第2の管状部分は、該試薬容器の上に配置される。この場合、該挿入口側が、該第1の管状部分の底となる。
本発明のアダプタの第1の管状部分の形状は、基本的にはそれが適用される試薬容器及び試薬容器ホルダの穴のサイズ及び形状に依存する。より詳細には、該第1の管状部分の内孔のサイズ及び形状は、本発明のアダプタが適用される試薬容器のサイズ及び形状に依存し、また、該第1の管状部分の外側のサイズ及び形状は、本発明のアダプタが適用される試薬容器ホルダの穴のサイズ及び形状に依存する。但し、該第1の管状部分が、後述する内面に設けられた突起又はリブを有する場合、該第1の管状部分の内孔のサイズ及び形状は、試薬容器の寸法ばらつきを考慮した設計とする。
好ましくは、該第1の管状部分の形状は、断面が円形又は多角形の筒形であり、より好ましくは円筒形である。さらに該第1の管状部分は、その上部に、第2の管状部分との接続部に向かって直径が小さくなるテーパー構造を有していてもよい。さらに好ましくは、該第1の管状部分は、その内面に、試薬容器の肩部を係止するための構造を有していてもよい。そのような構造としては、上述したテーパー構造、又は、内面上の該第2の管状部分との接続部周囲に形成された螺合溝もしくは嵌合用凹凸などが挙げられる。
本発明のアダプタで試薬容器を保持した状態において、該第1の管状部分の下端は、試薬容器の高さ方向の中央以下、かつ試薬容器の底よりも上に位置することが好ましい。該第1の管状部分の長さが長すぎても短すぎても、試薬容器ホルダ内に試薬容器を設置したときの安定性が低下する。また、該第1の管状部分の下に試薬容器の底が突出していることにより、本発明のアダプタを装着した試薬容器を試薬容器ホルダに設置する際、該アダプタをホルダに押し込む力と、ホルダ穴の底が試薬容器を押し返す力とによって、該アダプタの内部で、試薬容器の開口部と第2の管状部分が密接し、さらに、試薬容器ホルダ穴と本発明のアダプタと試薬容器との位置関係が良好に保たれる。
本発明のアダプタにおいて、該第2の管状部分は、第2の内径を有し、両端が開口した管である。該第2の管状部分の形状は、断面が円形又は多角形の筒形であり、より好ましくは円筒形である。該第2の管状部分の内径は、一定であってもなくともよい。例えば、第2の管状部分は、一定の内径を有する円筒であってもよいが、内径が上に向かって太く又は細くなる、テーパーのついた円筒であってもよく、又はそれらの組み合わせであってもよい。
該第2の管状部分の内径は、試薬ノズルを該第2の管状部分の内壁に接触させることなく試薬容器内に挿入することができる大きさ以上であればよい。このような大きさは、ノズルの外形状、ノズルのたわみ、ノズルの試薬容器に対する位置決めの精度などを考慮して決定することができる。他方、試薬容器からの試薬の蒸発抑制の観点からは、該第2の管状部分の内径は小さいほど好ましく、好適には15mm以下である。ノズルの挿入及び試薬の蒸発抑制の観点から、好ましくは、該第2の管状部分の内径は4〜11mm程度である。
いずれの場合も、該第2の内径の平均値は、該第1の内径の平均値以下である。好ましい実施形態において、該第2の内径は、最大でも、該第1の内径の最大径より小さい。より好ましくは、該第2の内径の最大値は該第1の内径の最小値以下である。また好ましくは、該第2の内径は、該第1の管状部分との接続部において、本発明のアダプタを適用する試薬容器の開口部の内径以下である。より好ましい実施形態において、該第2の管状部分は、該第1の管状部分より細い管であり、該第2の管状部分の外径の最大値は該第1の管状部分の外径の最小値以下である。
一方、試薬容器からの試薬の蒸発抑制の観点から、該第2の管状部分の長さは長いほうが好ましい。しかし、該第2の管状部分の長さが長すぎると、自動分析装置の試薬庫の天面カバーに接触したり、ノズルの通過時に支障をきたすことがある。好ましい実施形態において、該第2の管状部分の、該第1の管状部分よりも上に位置する部位の長さは、10〜40mm程度である。
該第2の管状部分の一方の端は、本発明のアダプタを装着した試薬容器にノズルを挿入するための入口となる。言い換えると、ノズルは、本発明のアダプタの第2の管状部分の内孔を通って試薬容器内に挿入される。該第2の管状部分のもう一方の端は、該第1の管状部分の一端に接続されているか、又は第3の管状部分に接続されている。一実施形態において、該第2の管状部分のもう一方の端は、該第1の管状部分の一端に接続され、それによって該第1の管状部分の内孔と該第2の管状部分の内孔とが直接的に連通する。別の一実施形態において、該第2の管状部分のもう一方の端は、第3の管状部分に接続され、それによって、該第1の管状部分の内孔と該第2の管状部分の内孔とが、該第3の管状部分を介して間接的に連通する。
該第3の管状部分は、該第2の管状部分に接続され、かつ該第1の管状部分の内孔内へと延びる管である。該第3の管状部分は、両端が開口した中空の管であり、該第3の管状部分の内孔は、該第1の管状部分の内孔、及び該第2の管状部分の内孔と連通する。好ましくは、該第3の管状部分の形状は、該第2の管状部分と同形の断面を有する筒形であり、より好ましくは円筒形である。好ましくは、該第3の管状部分の形状は、一定の内径を有する円筒であってもよいが、該第2の管状部分に接続されていない側の端部に向かって細くなっている、テーパーのついた円筒であってもよい。他方、該第3の管状部分の長さについては、その下端が、本発明のアダプタを装着する試薬容器の底に接しない位置にあればよい。
一実施形態において、該第3の管状部分は、該第1の管状部分および該第2の管状部分と一体成形された管である。好ましい実施形態において、該第3の管状部分は、第2の管状部分の内孔に挿通される管状部材である。好ましくは、該管状部材の長さは、該第2の管状部分よりも長い。好ましくは、該管状部材の外径は、該第2の管状部分の内径以下である。より好ましくは、該管状部材は、該第2の管状部分の内孔に嵌合されることによって、該第2の管状部分に固定される。該管状部材と第2の管状部分との嵌合により、該第2の管状部分の内孔内に延びる管状部材の方向性が定まり、また、本発明のアダプタを試薬容器に装着したとき、該管状部材を該試薬容器内に真っ直ぐに挿入できるようになる。本発明のアダプタが該管状部材を備える場合、試薬ノズルは、該管状部材の内孔を通って該試薬容器内に至る。
本発明のアダプタを試薬容器に装着した状態においては、該第1〜第3の管状部分のいずれかが、該試薬容器の開口部と当接する。より詳細には、本発明のアダプタを試薬容器に装着した状態において、該第1の管状部分の内面上部、該第2の管状部分の内面もしくは下端、又は該第3の管状部分の外面が、該試薬容器の開口部の全周に当接する。好ましくは、該第1〜第3の管状部分のいずれかと試薬容器が、本発明のアダプタを装着した試薬容器の内部と、該第1の管状部分の内孔との間に実質的に通気が生じない程度に密接している。当該該第1〜第3の管状部分のいずれかと該試薬容器の開口部との当接によって、該試薬容器の内部は、該第2の管状部分の内孔とは連通するが、該第1の管状部分の内孔に対して封止され、また該第1の管状部分の内孔と該第2の管状部分の内孔との連通は遮断される。
一実施形態において、本発明のアダプタを試薬容器に装着したとき、該試薬容器の内部と該第1の管状部分の内孔とは連通しないように、好ましくは、その間に実質的に通気が生じない程度に、該第2の管状部分(好ましくはその内面もしくは下端)と該試薬容器の開口部が当接される。別の一実施形態において、本発明のアダプタが第3の管状部分を備える場合、該第2の管状部分と該試薬容器の開口部が当接する代わりに、該第3の管状部分の外面が該試薬容器の開口部と当接し得る。
本発明のアダプタの一実施形態において、該第1の管状部分は、側面(管壁)に少なくとも1つの窓を有する。該窓により、本発明のアダプタからの試薬容器の取り出しが容易になる。さらに、該窓により、試薬容器の側面に表示された、自動分析装置の識別部により読み取られる識別子を露出させることができる。該少なくとも1つの窓の各々は、全周を該第1の管状部分の側面に囲まれていてもよく、又は下枠のない窓であってもよい。好ましくは、該少なくとも1つの窓は、該第1の管状部分の側面に囲まれている。該各々の窓の形状は、同一であっても異なっていてもよい。
識別子の露出のためには、通常1つの窓があれば足り、かつ該窓のサイズは、識別子よりも大きければよい。これらの例では識別子を露出させるために、窓部がホルダから露出するように設けるが、例えば、アダプタの外側面に識別子を取り付ける、あるいは、アダプタにRFIDのような識別手段を付加させることによって、窓部の配置に自由度をもたらすこともできる。
他方、アダプタからの試薬容器の取り出しの観点からは、該窓の数は2つ以上が好ましく、2つがより好ましい。例えば、2つの窓の双方から容器に指をかけ、アダプタを固定しつつ、試薬容器をその底方向に引っ張ることにより、アダプタから試薬容器を容易に取り出すことができる。試薬容器の取り出しの観点からは、該窓のサイズは、操作者の指が入る大きさ、例えば長さ15mm以上かつ幅10mm以上であることが好ましい。長さ15mm未満であると、取り外しの操作性が低下する。他方、試薬容器の保持性の観点からは、該窓のサイズは、長さが該第1の管状部分の80%以下、幅が該第1の管状部分周囲長さの30%以下であることが好ましい。また試薬容器の取り出しの観点からは、該2つ以上の窓は、互いに離れて配置されることが好ましい。好ましくは、該アダプタは、その長軸を中心に120°以上離れて配置された2つ以上の窓を有し、より好ましくは、実質的に対向する2つの窓を有する。
本発明のアダプタの一実施形態において、該第1の管状部分は、その内面に突起又はリブを有する。例えば、当該突起又はリブは、該第1の管状部分の内面上に長軸方向に、又はそれと直交する方向に沿って設けられたリブもしくは複数の突起である。好ましくは、本発明のアダプタは、該第1の管状部分の内面上に長軸方向に延びる1つ以上のリブを有し、該リブの数は、好ましくは2個以上、より好ましくは3個、さらに好ましくは4個である。好ましくは、各リブは互いに並行して設けられる。当該突起又はリブは、本発明のアダプタを試薬容器に装着したときに、該試薬容器の側面を保持し、該第1の管状部分の内孔に試薬容器を係止させる係止部としての役割を果たし得る。さらに試薬容器の係止力を上げるために、該突起又はリブの表面を粗くしたり、又はアダプタの上部に向かって該突起又はリブの突出量を大きくしたりしてもよい。
本発明のアダプタの一実施形態において、該第1の管状部分は、試薬容器ホルダにおける本発明のアダプタの向きを定めるためのガイドを有する。該ガイドは、試薬容器ホルダに対する該アダプタの位置合わせの指針となるものであればよく、その種類は特に限定されない。該ガイドの例としては、該第1の管状部分の外面に形成された凹部もしくは凸部、平面、マーク、及びそれらの組み合わせが挙げられる。例えば、該ガイドが第1の管状部分の外面に形成された凹部もしくは凸部、又は平面である場合、それらの凸凹や平面の形状は試薬容器ホルダ穴の形状と対応している。該凸凹や平面が該ホルダ穴に適切に嵌るように本発明のアダプタを該ホルダに設置すれば、該ホルダ内で本発明のアダプタが一定の向きに配置される。好ましくは、該ガイドに合わせて自動分析装置の試薬容器ホルダに設置された本発明のアダプタは、その窓が、該自動分析装置の識別部に面するように配置される。
本発明のアダプタの一実施形態において、該第2の管状部分は、蓋、弁、又はその内孔を狭窄する狭窄部を有していてもよい。該蓋、弁及び狭窄部は、試薬容器からの試薬の蒸発抑制にとって有利である。該蓋、弁及び狭窄部の形状は、特に限定されず、該第2の管状部分の開口部を覆う膜、カバー、キャップもしくは栓、又は内孔の途中に設けられた膜などであり得る。好ましくは、該蓋、弁及び狭窄部は、該第2の管状部分の開口部又は内孔の途中に設けられた、スリット又は孔を有する膜であり、該スリット又は孔を通過して、ノズルが試薬容器内へと挿入される。該スリット及び孔の形状は、ノズルが通過できる形状である限り特に限定されないが、ノズルの外径よりも大きい直径を有する孔、又は一文字形、十字形、星形等のスリットであり得る。該蓋、弁及び狭窄部は、着脱可能な部材であってもよいが、該第2の管状部分と一体形成されていてもよい。
本発明のアダプタの材料としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂などの樹脂、及びこれらの組み合わせを使用することができる。耐薬品性、成形性、加工性、及び経済性の観点からは、ポリエチレン樹脂及びポリプロピレン樹脂が好適である。本発明のアダプタにおいて、該第1〜第3の管状部分は、同一の材料で製造されていてもよいが、それぞれ異なる材料で製造されていてもよい。本発明のアダプタは、適用する試薬容器に含まれる試薬に合わせて、耐薬品性の高い材料で製造されることが好ましい。さらに、該アダプタの第3の管状部分など試薬と接液する可能性のある部位は、該アダプタを装着する試薬容器に収容される試薬に対して不活性な樹脂で製造されていることが好ましい。また、材料として透明な材料を選択すると、本発明のアダプタを装着した試薬容器の状態を外部から認識することが可能になるため好ましい。
本発明のアダプタの第1の管状部分、第2の管状部分、及び第3の管状部分は、一体成形されていてもよく、又は別個の部品として別々に成形されていてもよい。当該成形には、金型成形、光造形、3Dプリンタ、切削加工などの手法を用いることができる。一実施形態において、該第1の管状部分と第2の管状部分は一体成形されている。一実施形態において、該第1〜第3の管状部分は一体成形されている。好ましい実施形態において、該第1の管状部分と第2の管状部分は一体成形されており、該第3の管状部分は別部品である。
該第1の管状部分と第2の管状部分が別個の部品である場合、一実施形態において、該第1の管状部分は上部に開口部を有し、そこに該第2の管状部分の下端の開口部が接続される。別の一実施形態においては、該第2の管状部分は該第1の管状部分に挿通され、該第1の管状部分の上方及び内孔内に延びる管を構築するように、該第2の管状部分が該第1の管状部分に接続される。さらに、該第1〜第3の管状部分の各々が、2つ以上の部材から構成されていてもよい。いずれの場合でも、該第1の管状部分と第2の管状部分を接続したとき、該第1の管状部分の内孔と第2の管状部分の内孔とが連通し、かつ該第1の管状部分と第2の管状部分が、その接続部に実質的に通気が生じない程度に密接していることが好ましい。
本発明のアダプタは、操作者が試薬容器に触れることなく、試薬容器を試薬容器ホルダに着脱することを可能にする。さらに、本発明のアダプタの第2の管状部分は、試薬容器ホルダからのアダプタの着脱の際に、該アダプタの把持部として機能し得る。該第2の管状部分を把持することにより、操作者は、容易に、かつアダプタ内及び周囲の試薬容器、さらには試薬容器ホルダや試薬庫の壁にも触れることなく、試薬容器ホルダから試薬容器を着脱することができる。
本発明のアダプタを設置する試薬容器ホルダの形状は、本発明のアダプタに適合した穴を1つ以上有しているものであれば特に限定されない。一実施形態において、該ホルダは、少なくとも1つの穴を有し、該穴の各々には、本発明のアダプタを介して1つの試薬容器を設置することができる。一実施形態において、該ホルダの該少なくとも1つの穴には、少なくとも1つの試薬容器が設置され、このとき該試薬容器は、本発明のアダプタに保持され、かつ該アダプタを介して該ホルダの穴に設置される。該試薬容器ホルダの好ましい例としては、自動分析装置等で用いられるような、円周に沿って試薬容器を収めるための多数の穴を有する円盤状のホルダ(いわゆるカルーセル)、あるいは試料用ラック、検体ラックなどが挙げられる。
試薬容器ホルダが自動分析装置に組み込まれている場合、該ホルダは、試薬容器を識別する識別部と組み合わせて使用され得る。一実施形態において、本発明は、試薬容器の自動分析装置への架設方法を提供する。該方法は、本発明の試薬容器用アダプタを装着した試薬容器を、自動分析装置の試薬容器ホルダに設置することを含む。該自動分析装置は、試薬容器の識別子を読み取って試薬容器を識別する識別部を備える。該試薬容器は、外面に、該容器の自動識別のための識別子を有し、該試薬容器用アダプタは、該第1の管状部分の側面に窓を有し、該識別子は、該窓から表示されるように配置されている。該試薬容器は、該試薬容器ホルダに、該識別子が該自動分析装置の識別部によって読み取り可能なように設置されている。好ましくは、該アダプタは上述したガイドを有する。該ガイドを有するアダプタに対して、その窓内に識別子が配置されるように試薬容器を装着し、次いでこのアダプタを該ガイドに従って試薬容器ホルダに設置することにより、試薬容器の識別子が識別部で読み取り可能な位置に配置される。
本発明のアダプタを介して試薬容器ホルダに設置された試薬容器から、試薬ノズルにて試薬を吸引することができる。一実施形態において、本発明は、本発明のアダプタを用いた、試薬容器からの試薬の吸引方法を提供する。該方法においては、本発明の試薬容器用アダプタが装着された試薬容器から、試薬ノズルにて試薬を吸引する。該ノズルは、該アダプタの第2の管状部分の内孔を通って該試薬容器内に挿入される。一実施形態において、当該試薬吸引動作は、試薬容器を識別する識別部を備えた自動分析装置にて行われる。この場合、該試薬容器の識別子は、該アダプタの窓内に配置され、さらに試薬容器が試薬容器ホルダに設置されたとき、該識別部で読み取り可能な位置に配置される。識別部は識別子を読み取り、その結果をもとに適切な試薬容器を選択し、試薬ノズルは、選択された試薬容器内の試薬を吸引する。
以下に図面を参照しながら本発明の態様を更に詳しく説明するが、図面に示された本発明の実施態様は、あくまで本発明を例示するものであり、本発明はこれら実施態様にのみ限定されるものではない。本発明は、説明した実施態様により直接的に示されるものに加え、それぞれの実施態様で示されたものの組み合わせや、特許請求の範囲内で当業者によりなされる各種の改良・変更を包含するものであることは言うまでもない。各図面で共通の要素には同じ参照番号を付して重複する説明を省いた。
図1、2に、本発明の試薬容器用アダプタの一実施形態を示す。図1は斜視図、図2A〜Eは、それぞれ正面図(A)、右側面図(B)左側面図(C)、上面図(D)及び下面図(E)を表し、図2Fは、図2DのB-B線における断面図を表す。試薬容器用アダプタ1は、上部にテーパーの付いた円筒形の第1の管状部分2、及び第1の管状部分2の上部に配置された第2の管状部分3を備える。第1の管状部分2の底は開口しており、また内部は中空であり、ここに試薬容器が収納される。第2の管状部分3は、第1の管状部分2よりも細い中空の管であり、上端は開口している。第2の管状部分3の下端は第1の管状部分2の上部開口部と接続されており、これにより第1の管状部分の内孔と第2の管状部分の内孔は連通している。図1、2において、第1の管状部分2は側面に1つの窓4を有し、内面に4個のリブ5を有し、また外面には凸部(6a)と平面(6b)からなるガイドを有する。図1、2においては、窓4は第1の管状部分2の側面に囲まれているが、窓4はアダプタの下端まで続いていてもよい。第1の管状部分2の内部におけるリブ5より内側の領域(図2Eの点線で囲まれた領域)は、アダプタに挿入される試薬容器の外形より若干小さい。そのため、第1の管状部分2に挿入された試薬容器は、アダプタの弾性変形により側面を保持され、第1の管状部分2内に係止される。
図3、4に、本発明の試薬容器用アダプタの別の一実施態様を示す。図3は斜視図、図4A〜Eは、それぞれ正面図(A)、右側面図(B)左側面図(C)、上面図(D)及び下面図(E)を表し、図4Fは、図3DのB-B線における断面図を表す。図3、4のアダプタは、第1の管状部分2の内孔内に延びている第3の管状部分7を有する。図3、4において、第1の管状部分2は側面に1つの窓4を、内面に4個のリブ5を、かつ外面には凸部(6a)と平面(6b)からなるガイドを有する。
図5は、2つの窓を有する本発明の試薬容器用アダプタの斜視図を示す。図5のアダプタにおいて、第1の管状部分2は、側面の対向する位置に2つの窓4を有する。
図6に、試薬容器に装着された図1に示す試薬容器用アダプタの模式図を示す。第1の管状部分2の底は開口しており、ここから第1の管状部分2の内孔に試薬容器10が挿入される。容器10はバイアル型の瓶であり、試薬20を含む。容器10の開口部の縁は第2の管状部分3の下端と接しており、これにより容器10の内部と第1の管状部分2の内孔は隔離され、蒸発した試薬が第1の管状部分2の内孔に流入することを防ぐ。第2の管状部分3は容器10の開口部上に配置され、該開口部の上に円筒を形成する。これは試薬の蒸発抑制に有効である(特許文献4)。また、本実施形態のアダプタは、試薬に接触することがないので、再利用することも可能である。
図7A及びBは、図3に示す第3の管状部分7を有するアダプタ(A)、及び管状部材7を装着した状態のアダプタ(B)の模式図である。容器10の開口部の縁は、第3の管状部分又は管状部材7の外面と接している。図7Bの管状部材7は、第2の管状部分3とは別部材から構成されている。また図7Bの管状部材7は、下端に向けて細くなるテーパー構造を有する。第1の管状部分の内孔内に延伸した第3の管状部分又は管状部材7の存在により、試薬の蒸発はさらに抑制される。
図8Aは、第2の管状部分3に蓋8を設けた試薬容器用アダプタの模式図である。蓋8は、図8Aでは第2の管状部分3の中ほどに設けられているが、第2の管状部分3の上端又は下端に設けてもよい。また蓋8は、第2の管状部分3に対して着脱可能であってもよく、又は第2の管状部分3と一体成形されていてもよい。図8Bは、蓋8の例示的実施形態の上面図である。図8Bに示す蓋には、試薬ノズルを通過させるためのスリット又は孔が設けられている。
図9は、試薬容器ホルダに設置された試薬容器用アダプタを上面からみた模式図である。図9に示す試薬容器ホルダ11は、図中にはその一部のみが図示されているが、円盤状(カルーセル)であり、円周に沿って試薬容器アダプタ1を収めるホルダ穴11aを有する。隣接する穴11aの間の隔壁は一部削られており、その削られた部分にアダプタ1の凸部6aが嵌まる。アダプタ1がホルダ11に設置されたとき、凸部6aは、隣のアダプタの平面6bに対向するので、ホルダ上で隣り合うアダプタ同士が干渉することなく、複数のアダプタをホルダに設置することができる。
図10Aは、試薬容器ホルダに収められ、第2の管状部分の窓から試薬容器の識別子を露出させた状態の試薬容器用アダプタを示す概念図である。図10Bは、窓から露出させた識別子の識別部による読み取りの様子を示す概念図であり、ホルダ11は図示していない。本例では、図10Aのように、識別子9は二次元コードの付いたラベルであり、また試薬容器ホルダ11は外側面の一部が開放されており、ここに窓4が向くようにホルダ11にアダプタ1が配置される。結果、窓4の枠内に入るように配置された試薬容器10の識別子9は、ホルダ外部に向けて露出され、識別部12で読み取り可能である(図10B)。
図11は、自動分析装置のホルダに設置した試薬容器用アダプタに保持された試薬容器から試薬ノズルで試薬を吸引する様子を示す模式図である。自動分析装置100は、試薬容器ホルダ11、識別部12、及び吸引部13を備える。試薬容器10は、アダプタ1に保持され、装置100のホルダ11に設置される。試薬容器10は、識別子9(二次元コードの付いたラベル)を有し、識別子9は、識別部12で読み取り可能に露出している。ホルダ11は、円盤状(カルーセル)であり、円周に沿って試薬容器アダプタ1を収める穴を有する。ホルダ11が回転すると、ホルダの穴に設置された各試薬容器10は、順に識別部12から読み取り可能な位置に移動する。識別部12はホルダ11に設置された容器10を識別し、その結果に基づいて、装置100は試薬を吸引すべき試薬容器を選択する。選択された容器に対して、吸引部13の試薬ノズル14が移動し、試薬の吸引が行われる。
上述の実施例では自動分析装置用の試薬容器ホルダに基づいて説明してきたが、本発明のアダプタはこれに限られず、検体ラックや試料ラックなどその他のホルダへの固定などに利用することができる。
試験例1
アダプタに保持させた試薬容器からの液体の蒸発量に対する本発明の試薬容器用アダプタの第2の管状部分の形状の影響を調べた。試薬容器には高さ59mm、外径22mm、開口部の内径が11mmのバイアル形状の容器を用い、これに水を5mL充填した。試薬容器用アダプタには図1と同形で、ただし第2の管状部分の長さと内径が異なるものを用いた。第2の管状部分の長さは、アダプタの第1の管状部分の上端より上の部位の長さとした。蓋を外した試薬容器を各アダプタに入れ同じ環境下に静置した。試験開始日、3日後、及び7日後に液体を含む容器重量を測定し、その減少分を蒸発量として算出した。なお、各アダプタについての測定は同時に実施された。対照の試薬容器(開栓、アダプタなし)からの蒸発量を100%としたときの相対値として、各容器からの蒸発量を求めた。この数値が小さいほど蒸発量が少ないことを示している。結果を表1に示す。第2の管状部分が長いほど、また内径が小さいほど蒸発は抑制された。
Figure 0006949105
試験例2
試薬容器からの液体の蒸発量を、本発明の試薬容器用アダプタと他の蒸発防止器具とで比較した。試薬容器には高さ59mm、外径22mm、開口部の内径が11mmのバイアル形状の容器を用い、これに水を5mL充填した。本発明の試薬容器用アダプタには、図1と同形で、ただし第2の管状部分の長さが18mm、内径が9mmのものを用いた。第2の管状部分の長さは、アダプタの第1の管状部分の上端より上の部位の長さとした。比較例1として、試薬容器の開口部から試薬容器内に挿入された管(全長39mmで、試薬容器の開口部より上に位置する部位の長さは1mm、内径8mm)を用いた。比較例2として、バイアル瓶の開口部内(バイアル瓶の肩部より上)に挿入された、穴の開いた栓(全長7mm、内径9mmの円柱体、その全体が開口部内に配置されている)を用いた。蓋を外した試薬容器にアダプタ又は器具を取り付け、次いで試験例1と同様の手順で、3日後と7日後の蒸発量を測定し、対照の試薬容器(開栓、アダプタなし)の蒸発量を100%としたときの相対値を求めた。結果を図12に示す。本発明の試薬容器用アダプタ(本発明)は、容器内に挿入された管(比較例1)と同等、かつ穴の開いた栓(比較例2)よりも高い蒸発抑制効果を有していた。またこの結果は、アダプタの第1の管状部分の内孔内に延びる第3の管状部分を有する図3のアダプタが、さらに高い蒸発抑制効果を持つことを示す。
1 試薬容器用アダプタ
2 第1の管状部分
3 第2の管状部分
4 窓
5 リブ
6a ガイド(凸部)
6b ガイド(平面)
7 第3の管状部分(又は管状部材)
8 蓋
9 識別子
10 試薬容器
11 試薬容器ホルダ
11a ホルダ穴
12 識別部
13 吸引部
14 試薬ノズル
20 試薬
100 自動分析装置

Claims (12)

  1. 試薬容器用アダプタであって、
    該試薬容器用アダプタは、第1の内径を有する第1の管状部分と、第2の内径を有する第2の管状部分とを備え、
    該第1の管状部分の一端は、該第2の管状部分に、該第1の管状部分の内孔と該第2の管状部分の内孔とが連通するように接続されており、
    該第2の内径の平均値は該第1の内径の平均値以下であり、
    該試薬容器用アダプタを試薬容器に装着したときに、該第1の管状部分の内孔には該試薬容器が収納され、かつ該第1の管状部分は該試薬容器の側面を保持し、かつ該第2の管状部分は該試薬容器の開口部上に配置され、かつ、該試薬容器の内部と該第1の管状部分の内孔とが連通しないように、該第2の管状部分と該試薬容器の開口部が当接される、
    試薬容器用アダプタ。
  2. 前記第2の管状部分に接続され、かつ前記第1の管状部分の内孔内へと延びる第3の管状部分をさらに備え、該第3の管状部分の内孔は、該第1の管状部分の内孔、及び該第2の管状部分の内孔と連通する、請求項1記載の試薬容器用アダプタ。
  3. 前記第3の管状部分が前記第2の管状部分の内孔に挿通される管状部材である、請求項2記載の試薬容器用アダプタ。
  4. 前記第3の管状部分が、前記第2の管状部分に接続されていない側の端部に向かって細くなっている、請求項2又は3記載の試薬容器用アダプタ。
  5. 前記第1の管状部分が、その内面に、試薬容器を保持するための突起又はリブを有する、請求項1〜4のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
  6. 前記第1の管状部分が側面に少なくとも1つの窓を有する、請求項1〜5のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
  7. 前記第1の管状部分が、その外面に、試薬容器ホルダにおける試薬容器用アダプタの向きを定めるための凹部又は凸部を有する、請求項1〜6のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
  8. 前記第2の管状部分が、蓋、弁、又はその内孔を狭窄する狭窄部を有する、請求項1〜7のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタ。
  9. 請求項1〜のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタを備える自動分析装置。
  10. 請求項1〜のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタと、該試薬容器用アダプタの内孔に収納された試薬容器とを備える、アダプタ付き試薬容器。
  11. 試薬容器からの試薬の吸引方法であって、
    請求項1〜のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタが装着された試薬容器から、試薬ノズルにて試薬を吸引することを含み、
    該試薬ノズルは、該試薬容器用アダプタの第2の管状部分の内孔を通って該試薬容器内に挿入される、方法。
  12. 試薬容器の自動分析装置への架設方法であって、
    請求項1〜のいずれか1項記載の試薬容器用アダプタを装着した試薬容器を、自動分析装置の試薬容器ホルダに設置すること、
    を含み、
    該試薬容器は、外面に識別子を有し、該試薬容器用アダプタは、該第1の管状部分の側面に窓を有し、該識別子は、該窓から表示されるように配置されており、かつ該試薬容器は、該試薬容器ホルダに、該識別子が自動分析装置の識別部によって読み取り可能なように設置されている、
    方法。
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