JP6947210B2 - プリフォーム製造方法及びプリフォーム製造装置 - Google Patents

プリフォーム製造方法及びプリフォーム製造装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6947210B2
JP6947210B2 JP2019519028A JP2019519028A JP6947210B2 JP 6947210 B2 JP6947210 B2 JP 6947210B2 JP 2019519028 A JP2019519028 A JP 2019519028A JP 2019519028 A JP2019519028 A JP 2019519028A JP 6947210 B2 JP6947210 B2 JP 6947210B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
reinforcing fiber
base material
fiber base
temperature
preform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019519028A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2019188417A1 (ja
Inventor
亮 宮内
亮 宮内
鮫島 禎雄
禎雄 鮫島
康 渡邊
康 渡邊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Publication of JPWO2019188417A1 publication Critical patent/JPWO2019188417A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6947210B2 publication Critical patent/JP6947210B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29BPREPARATION OR PRETREATMENT OF THE MATERIAL TO BE SHAPED; MAKING GRANULES OR PREFORMS; RECOVERY OF PLASTICS OR OTHER CONSTITUENTS OF WASTE MATERIAL CONTAINING PLASTICS
    • B29B15/00Pretreatment of the material to be shaped, not covered by groups B29B7/00 - B29B13/00
    • B29B15/08Pretreatment of the material to be shaped, not covered by groups B29B7/00 - B29B13/00 of reinforcements or fillers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C43/00Compression moulding, i.e. applying external pressure to flow the moulding material; Apparatus therefor
    • B29C43/32Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C43/34Feeding the material to the mould or the compression means
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/04Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising reinforcements only, e.g. self-reinforcing plastics
    • B29C70/06Fibrous reinforcements only
    • B29C70/10Fibrous reinforcements only characterised by the structure of fibrous reinforcements, e.g. hollow fibres
    • B29C70/16Fibrous reinforcements only characterised by the structure of fibrous reinforcements, e.g. hollow fibres using fibres of substantial or continuous length
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C70/00Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts
    • B29C70/04Shaping composites, i.e. plastics material comprising reinforcements, fillers or preformed parts, e.g. inserts comprising reinforcements only, e.g. self-reinforcing plastics
    • B29C70/28Shaping operations therefor
    • B29C70/30Shaping by lay-up, i.e. applying fibres, tape or broadsheet on a mould, former or core; Shaping by spray-up, i.e. spraying of fibres on a mould, former or core
    • B29C70/38Automated lay-up, e.g. using robots, laying filaments according to predetermined patterns

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Composite Materials (AREA)
  • Robotics (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

本発明は、所望の形状の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、強化繊維基材を所定形状に賦形するためのプリフォームの製造方法及びプリフォームの製造装置に関する。
本願は、2018年3月27日に、日本に出願された特願2018−059903号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
所定形状の繊維強化樹脂成形品を得る方法として、強化繊維及びマトリックス樹脂を含む強化繊維基材を所定形状に賦形して、一旦、プリフォームを製造し、このプリフォームを成形する方法が知られている。プリフォームの製造方法としては、例えば、強化繊維に未硬化の熱硬化性樹脂を含浸させたシート状の強化繊維基材を複数枚積層し、加熱、加圧することにより賦形する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
プリフォーム製造の際には、賦形した強化繊維基材の形状を保持するため、プリフォームを冷却した後、プリフォーム製造装置から取り出す技術が知られている(例えば、特許文献2)。
これらの技術により、様々な形状のプリフォームを製造し、その形状を保持しながら取り扱うことができるようになっている。
日本国特開2009−83128号公報 日本国特表2016−503098号公報
これらの従来技術を利用し、強化繊維基材、例えば強化繊維が一方向に引き揃えられた一方向材を積層することにより作製したシート状のプリプレグを賦形して、形状の複雑な三次元形状のプリフォームを製造する際には、加熱によって樹脂粘度を低下させて強化繊維基材を変形させやすくする。しかし、強化繊維基材を加熱すると、過剰に変形しやすくなることによりシワを生じたり、強化繊維間の拘束力が低下し、繊維の配列に乱れが生じたり、さらにはプリプレグが割れたりすることがあった。
また、強化繊維を織ったクロス材にマトリックス樹脂を含浸させたプリプレグを賦形する際には、加熱によって変形しやすくなることで、賦形の際に力が加わった時にクロス材の目が乱れてシワが生じ、意匠性を損なうことがあった。
これらの問題は、強化繊維に樹脂を含浸させた強化繊維基材に限らず、強化繊維束を熱融着性バインダによって接着したRTM(レジントランスファーモールディング)用の強化繊維基材等においても生じる。
そこで、本発明においては、プリフォームの製造方法及びプリフォームの製造装置において、強化繊維基材のシワの発生や割れを抑制して、強化繊維に乱れのない高品位のプリフォームを製造することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1]所望の形状の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、強化繊維と、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分とを含む強化繊維基材を所定の形状に賦形してプリフォームを得るプリフォームの製造方法であって、前記強化繊維基材を賦形する際、前記強化繊維基材の圧接範囲内に温度差を生じさせる、プリフォームの製造方法。
[2]前記強化繊維基材の一部を加熱処理することにより、前記強化繊維基材に温度差を生じさせる、[1]に記載のプリフォームの製造方法。
[3]前記強化繊維基材の一部を冷却処理することにより、前記強化繊維基材に温度差を生じさせる、[1]に記載のプリフォームの製造方法。
[4]前記強化繊維基材の一部を加熱処理すると共に前記強化繊維基材の残りの一部を冷却処理することにより、前記強化繊維基材に温度差を生じさせる、[1]に記載のプリフォームの製造方法。
[5]前記冷却処理では、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の気体を前記強化繊維基材に吹き付ける、[4]に記載のプリフォームの製造方法。
[6]前記冷却処理では、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の冷却用部材を前記強化繊維基材に接触させる、[4]又は[5]に記載のプリフォームの製造方法。
[7]前記加熱処理における加熱温度を、前記樹脂成分を昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度測定した際、粘度が10000Pa・s以下になる温度にする、[2]及び[4]〜[]のいずれか一に記載のプリフォームの製造方法。
]前記温度差を、下記方法により求めた前記樹脂成分の粘度ηHと粘度ηLとの比(ηH/ηL)が1.5以上1000以下の範囲内となる温度差にする、[1]〜[]のいずれか一に記載のプリフォームの製造方法。
(粘度ηHと粘度ηLを求める方法)
前記樹脂成分について、あらかじめ、昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度を測定して、温度に対する粘度変化を求める。前記強化繊維基材における低温部分の温度T1及び温度T1より高温部分の温度T2を各々測定する。前記温度T1、T2と、樹脂成分の温度に対する粘度変化とから、温度T1における粘度ηH及び温度T2における粘度ηLを求める。
]前記プリフォームを得る際に、前記強化繊維基材を賦形するプリフォームの製造装置を用い、前記プリフォームの製造装置が、前記プリフォームの形状に対応する表面形状を有する固定型と、前記強化繊維基材を前記固定型の表面上に圧接するエンドエフェクタと、前記強化繊維基材の一部を加熱する加熱器と、前記強化繊維基材の残りの一部を冷却する冷却器とを備え、前記固定型の表面に前記強化繊維基材を配置し、前記加熱器を用いて前記強化繊維基材の一部に加熱処理を施すと共に前記冷却器を用いて前記強化繊維基材の残りの一部に冷却処理を施し、前記固定型の表面形状に沿って前記エンドエフェクタを移動させる、[1]〜[]のいずれか一に記載のプリフォームの製造方法。
10]前記プリフォームを得る際に、前記強化繊維基材を賦形するプリフォームの製造装置を用い、前記プリフォームの製造装置が、前記プリフォームの形状に対応する表面形状を有する一対の固定型と、前記強化繊維基材の一部を加熱する加熱器と、前記強化繊維基材の残りの一部を冷却する冷却器とを備え、前記加熱器を用いて前記強化繊維基材の一部に加熱処理を施すと共に前記冷却器を用いて前記強化繊維基材の残りの一部に冷却処理を施し、前記強化繊維基材を前記一対の固定型によってプレス成形する、[1]〜[]のいずれか一に記載のプリフォームの製造方法。
11]前記プリフォームを得る際に、前記強化繊維基材を賦形するプリフォームの製造装置を用い、前記プリフォームの製造装置が、前記プリフォームの形状に対応する表面形状を有する固定型と、前記強化繊維基材の一部を加熱する加熱器と、前記強化繊維基材の残りの一部を冷却する冷却器とを備え、前記固定型の表面に前記強化繊維基材を配置し、前記強化繊維基材に成形用フィルムを被せて前記固定型と前記成形用フィルムとの間の空間に前記強化繊維基材を保持し、前記加熱器を用いて前記強化繊維基材の一部に加熱処理を施すと共に前記冷却器を用いて前記強化繊維基材の残りの一部に冷却処理を施し、前記空間を減圧して前記強化繊維基材を前記固定型の表面形状に密着させる、[1]〜[]のいずれか一に記載のプリフォームの製造方法。
12]所望の形状の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、強化繊維、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分を含む強化繊維基材を所定の形状に賦形してプリフォームを得るプリフォームの製造装置であって、前記強化繊維基材を賦形する際に使用する固定型と、前記強化繊維基材の一部を前記固定型により賦形する前又は賦形する最中に加熱処理する加熱器を備える、プリフォームの製造装置。
13] 所望の形状の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、強化繊維、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分を含む強化繊維基材を所定の形状に賦形してプリフォームを得るプリフォームの製造装置であって、前記強化繊維基材を賦形する際に使用する固定型と、前記強化繊維基材の一部を前記固定型により賦形する前又は賦形する最中に冷却処理する冷却器を備える、プリフォームの製造装置。
14]所望の形状の繊維強化樹脂成形品を得るべくその本成形に先立って、強化繊維、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分を含む強化繊維基材を所定の形状に賦形してプリフォームを得るプリフォームの製造装置であって、前記強化繊維基材を賦形する際に使用する固定型と、前記強化繊維基材の一部を前記固定型により賦形する前又は賦形する最中に加熱処理する加熱器と、前記強化繊維基材の残りの一部を前記加熱器による加熱処理と同時に冷却処理する冷却器と、を備える、プリフォームの製造装置。
本発明のプリフォームの製造方法及び本発明のプリフォームの製造装置によれば、強化繊維基材のシワの発生や割れを抑制して、強化繊維に乱れのない高品位のプリフォームを製造できる。
第一形態のプリフォーム製造装置を横から見た際の模式図である。 第一形態のプリフォーム製造装置を用いたプリフォームの製造方法の一工程を示す模式図である。 第一形態のプリフォーム製造装置を用いたプリフォームの製造方法の一工程を示す模式図である。 第一形態のプリフォーム製造装置を用いたプリフォームの製造方法の一工程を示す模式図である。 第一形態のプリフォーム製造装置を用いたプリフォームの製造方法の一工程を示す模式図である。 第二形態のプリフォーム製造装置を横から見た際の模式図である。 第三形態のプリフォーム製造装置を横から見た際の模式図である。 第二形態のプリフォーム製造装置において使用されるエンドエフェクタの圧接子の配置例を示す概略図である。
<プリフォームの製造方法>
以下、本発明のプリフォームの製造方法の一態様について説明する。但し、本発明は、以下の態様に限定されない。
本態様のプリフォームの製造方法は、所望の形状の繊維強化樹脂成形品を得るための成形に先立って、強化繊維と、マトリックス樹脂またはバインダ樹脂からなる樹脂成分とを含む強化繊維基材を所定の形状に賦形してプリフォームを得る、プリフォームの製造方法である。また、本態様のプリフォームの製造方法は、強化繊維基材を賦形する際、強化繊維基材の圧接範囲内に温度差を生じさせるプリフォームの製造方法である。例えば、本態様のプリフォームの製造方法において、強化繊維基材の一部を加熱処理する、若しくは強化繊維基材の一部を冷却処理する、又は強化繊維基材の一部を加熱処理すると共に強化繊維基材の残りの一部を冷却処理することにより、強化繊維基材に温度差を生じさせることができる。
以下、本態様のプリフォームの製造方法について詳細に説明する。
(強化繊維基材)
本態様において使用される強化繊維基材は、強化繊維と、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分とを含む。強化繊維基材の具体例としては、例えば、下記に示す基材が挙げられる。
・強化繊維を引き揃え、バインダ樹脂により強化繊維を拘束したノンクリンプファブリック。
・強化繊維のファブリックをバインダ樹脂により拘束したもの。
・強化繊維を一方向に引き揃え、マトリックス樹脂を含浸させたUDプリプレグ。
・強化繊維のクロスにマトリックス樹脂を含浸させたクロスプリプレグ。
・短い強化繊維及び短い繊維束の少なくとも一方をランダムにシート状に散布し、バインダ樹脂により前記繊維及び前記繊維束を拘束したもの。
・短い強化繊維及び短い繊維束の少なくとも一方をランダムにシート状に散布し、マトリックス樹脂を強化繊維及び/又は繊維束に含浸させたもの。
強化繊維基材は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて積層して1つの強化繊維基材としてもよい。
また、UDプリプレグを使用する場合には、繊維方向が異なるように複数枚を積層して使用してもよい。
強化繊維基材を繊維方向が異なるように複数枚積層する場合には、各強化繊維基材の厚みが0.03mm以上1mm以下であることが好ましく、0.1mm以上0.5mm以下であることがより好ましい。
強化繊維基材の厚みは、0.1mm以上5.0mm以下であることが好ましく、0.2mm以上2.0mm以下であることがより好ましい。
強化繊維基材の厚みが前記下限値以上であれば、十分な厚みを有することによってプリフォームの形状保持を容易としやすく、また、プリフォームの割れを防止しやすい。強化繊維基材の厚みが前記上限値以下であれば、厚すぎずに賦形を容易としやすく、得られるプリフォームのシワ、繊維の蛇行、割れの発生を抑制しやすい。
強化繊維基材及びプリプレグの厚みは、外側マイクロメーター又はペーパマイクロメーターによって測定することができる。
強化繊維基材の大きさの例としては、幅が0.1m以上2m以下、長さが0.1m以上200m以下の大きさが挙げられる。
強化繊維基材を構成する強化繊維としては、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、高強度ポリエステル繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、窒化珪素繊維、ナイロン繊維等が挙げられる。強化繊維は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記強化繊維のなかでも、比強度及び比弾性に優れることから、炭素繊維が好ましい。
強化繊維基材中の強化繊維の含有量は、強化繊維基材の100質量%のうち、50質量%以上80質量%以下であることが好ましく、65質量%以上75質量%以下であることがより好ましい。
強化繊維基材を構成するマトリックス樹脂としては、未硬化の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂を用いることができる。具体的には、マトリックス樹脂としては、未硬化の熱硬化性樹脂のみを用いてもよいし、熱可塑性樹脂のみを用いてもよいし、未硬化の熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の両方を用いてもよい。得られるプリフォームの外観や生産性に優れる点では、マトリックス樹脂として未硬化の熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
強化繊維基材は、使用するマトリックス樹脂に適合する硬化剤、内部離型剤、脱泡剤等の各種添加剤を含んでもよい。
複数枚の強化繊維基材を積層する場合、各強化繊維基材同士を熱融着性バインダ、すなわちバインダ樹脂によって固定してもよい。
熱融着性バインダとしては、熱可塑性樹脂の粒子若しくは繊維、前記繊維を用いたクロス若しくは不織布等を用いることができる。熱融着性バインダは、マトリックス樹脂に悪影響を及ぼさないものであって、強化繊維を熱融着できる樹脂であれば特に制限はない。
(強化繊維基材の賦形)
本態様のプリフォームの製造方法においては、強化繊維基材を、目的の賦形形状に対応する表面形状を有する固定型の上に配置した後、強化繊維基材を固定型に押し当てる。これにより、固定型に強化繊維基材を圧接して密着させ、固定型の表面形状を強化繊維基材に転写して目的形状に賦形する。
強化繊維基材の固定型への配置は、手作業によって行ってもよいし、自動搬送装置等の機械を用いて行ってもよい。
本態様では、固定型を用いて強化繊維基材を賦形する際に、強化繊維基材の圧接範囲内に温度差を生じさせる。強化繊維基材の一部を加熱処理したり、強化繊維基材の一部を冷却処理したり、強化繊維基材の一部を加熱処理すると共に強化繊維基材の残りの一部を冷却処理したりすることによって、強化繊維基材の温度差を生じさせることができる。
本態様における強化繊維基材の加熱処理は、賦形方法及び強化繊維基材の種類等に応じて適切な処理を選択すればよい。
加熱処理の例としては、固定型の上方に配置した加熱器によって強化繊維基材全体を加熱する方法、固定型上に配置する前に強化繊維基材をあらかじめ加熱する方法、固定型に加熱器を内蔵させて固定型によって強化繊維基材を加熱する方法等が挙げられる。
具体的な加熱方法としては、例えば、熱風を強化繊維基材に吹き付ける方法、赤外線等の熱線を照射する方法、発熱体を接触させる方法等が挙げられる。
強化繊維基材において、加熱処理する部分は、賦形の際に変形させる部分である。
強化繊維基材を加熱処理する際には、強化繊維基材を構成するマトリックス樹脂の硬化温度以下かつ軟化温度以上に加熱して強化繊維基材を軟化させることが好ましい。
強化繊維基材が熱融着性バインダを含む場合には、熱融着性バインダの軟化温度以上に加熱することが好ましい。
マトリックス樹脂及び熱融着性バインダを軟化温度以上に加熱すれば、強化繊維基材を容易に且つ短時間に変形できる。
加熱処理における加熱温度は、前記樹脂成分を昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度測定した際、粘度が10000Pa・s以下になる温度にすることが好ましく、100Pa以下になる温度にすることがより好ましい。
加熱温度を前記温度にすれば、強化繊維基材をより変形させることができ、より賦形しやすくなる。
また、加熱処理における加熱温度は、前記樹脂成分を昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度測定した際、粘度が10Pa・s以下になる温度にすることがさらに好ましい。
加熱温度を、前記粘度が10Pa・s以下になる温度にする場合には、強化繊維基材を慎重に取り扱う必要が生じるものの、生産速度が顕著に向上するため、好ましい。
一方、加熱温度が高すぎる場合、マトリックス樹脂の硬化が進行したり、強化繊維基材が柔らかくなりすぎて型に付着して脱型しにくくなったりすることがある。そのため、加熱温度は、少なくとも後工程で行う硬化温度よりも低い温度にすることが好ましく、さらには固定型からの脱型に支障が生じない温度にすることがより好ましい。
具体的な加熱温度の下限値は、固定型の表面処理に応じて異なるが、例えば、加熱処理における加熱温度を、樹脂成分を昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度測定した際、粘度が1Pa・s以上になる温度にすることができる。
本態様における強化繊維基材の冷却処理としては、例えば、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の空気を利用した冷却処理、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の冷却用部材を利用した冷却処理等が挙げられる。
具体的には、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の気体を強化繊維基材に吹き付ける冷却処理、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の冷却用部材を強化繊維基材に接触させる冷却処理が挙げられる。これらの処理は、簡便であり、実用的であるため、好ましい。通常、加熱処理の加熱温度よりも低い温度の気体は大気である。
気体を強化繊維基材に吹き付ける場合、その気体は、強化繊維基材の上方から吹き付けてもよいし、固定型に形成した吹出し口から吹き付けてもよい。固定型に形成した吹出し口から気体を吹き付ける方法は、局所的に冷却できるため、好ましい。
低い温度の冷却用部材を強化繊維基材に接触させる場合、低い温度の冷却用部材を得る方法としては、冷却用部材内に冷媒を循環させる機構を設けて冷却用部材を冷却する方法、冷却用部材を熱伝導率が高い材料により構成する方法、冷却用部材に放熱板を設ける方法等が挙げられる。
これら方法のうち2つ以上を組み合わせてもよい。
冷却処理は、前記冷却処理のうち1つの冷却処理のみを適用してもよいし、2つ以上の冷却処理を組み合わせて適用してもよい。2つ以上の冷却処理を組みわせると、冷却処理効果が高くなり、強化繊維基材に温度差をより生じさせやすくなる。
強化繊維基材の冷却処理する部分は、賦形の際に変形量が小さい部分及び変形させたくない部分であり、例えば、固定のために後述する把持装置によって把持される部分(以下、「把持部」という。)である。強化繊維樹脂の把持部を冷却すれば、把持部における強化繊維基材の破れやばらけを抑制できる。
把持部など変形させたくない部分については、冷却処理において、30℃以下に冷却することが好ましく、20℃以下に冷却することがより好ましい。
強化繊維基材を賦形する際の温度差は、形状の変形量等に応じて適宜調整することが好ましい。
具体的な温度差としては、冷却処理している部分(低温部分)の樹脂成分の粘度ηと加熱処理している部分(高温部分)の樹脂成分の粘度ηとの比(η/η)が特定範囲内となる温度差にすることが好ましい。前記比(η/η)が小さすぎると、変形量に差が生じにくい。前記比(η/η)が大きすぎるのは、製造上、現実的でない。
しかし、賦形中の強化繊維基材に含まれる樹脂の粘度を測定することは困難であるから、前記比(η/η)の範囲を規定することも困難である。本態様では、強化繊維基材に使用する樹脂成分について、あらかじめ測定した粘度を利用し、好ましい温度差を規定する。
すなわち、賦形前にあらかじめ、樹脂成分について、昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度を測定する。これにより、樹脂成分の温度に対する粘度変化を得ることができる。
強化繊維基材を賦形する際の冷却処理している部分と加熱処理している部分の温度を測定することは可能である。冷却処理している部分の温度T、加熱処理している部分の温度Tを各々測定し、あらかじめ測定した、樹脂成分の温度に対する粘度変化より、前記温度T、Tにおける粘度を求める。温度Tにおける粘度をηとし、温度Tにおける粘度をηとする。ここで、T>Tであり、η>ηである。
強化繊維基材を賦形する際の温度差は、粘度ηと粘度ηとの比(η/η)が1.5以上1000以下の範囲内となる温度差にすることが好ましい。
前記比(η/η)が1.5以上であれば、変形量に差が生じることを確認できる。前記比(η/η)が2.0以上であれば、変形量の差が明確になり、5.0以上であれば、変形量の差がより明確になる。
強化繊維基材の加熱処理及び/又は冷却処理は、賦形している最中に強化繊維基材に施してもよいし、賦形する前に強化繊維基材に施してもよい。
強化繊維基材を賦形する際には、強化繊維基材の一部を把持し、その賦形に応じて把持部の位置を制御して強化繊維基材にかかる張力を調整してもよい。また、強化繊維基材にかかる張力に応じて張力を緩和させて張力を調整してもよい。
<プリフォームの製造装置>
上述したプリフォームの製造方法においては、例えば、下記形態のプリフォーム製造装置(以下、「製造装置」という。)を用いることができる。
図1に、第一形態の製造装置を示す。
第一形態の製造装置1は、一対の固定型10、10と、強化繊維基材Aの一部を加熱する加熱器20と、強化繊維基材Aの残りの一部を冷却する冷却器30とを備える製造装置である。本形態では、固定型10の近傍に、具体的には固定型10の横に加熱器20及び冷却器30が設置されている。本形態では、強化繊維基材Aは、加熱器20により加熱処理及び冷却器30により冷却処理された後に、搬送装置(図示せず)によって、一対の固定型10、10の間に移動されるようになっている。すなわち、強化繊維基材Aを賦形する前に加熱処理及び冷却処理を施すようになっている。また、本形態において使用される冷却器30は、加熱温度より低い温度の空気を強化繊維基材Aに吹き付けるための吐出ノズル31と、強化繊維基材Aに吹き付けた空気を吸い出すための吸引ノズル32とを有する。本形態における各冷却器30においては、1つの吸引ノズル32の両側に2つの吐出ノズル31が設けられている。吐出ノズル31の出口の幅及び吸引ノズル32の入口の幅は、強化繊維基材Aを冷却する部分の長さに応じて適宜決められる。
第一形態の製造装置1を用いたプリフォームの製造方法では、まず、強化繊維基材Aを一対の固定型10、10によってプレス成形する前に、固定型10、10から離れた位置にて、図2に示すように、加熱器20を用いて強化繊維基材Aの一部に加熱処理を施すと共に冷却器30を用いて強化繊維基材Aの残りの一部に冷却処理を施す。冷却処理の際には、吐出ノズル31から、加熱温度よりも低い温度の空気を吐出して強化繊維基材Aに吹き付け、吹き付けた空気を吸引ノズル32より吸引して回収する。このように加熱処理及び冷却処理を施して強化繊維基材Aの圧接範囲内に温度差を生じさせる。
次いで、図3に示すように、温度差を生じさせた強化繊維基材Aを一対の固定型10、10の間に移動させる。
次いで、図4に示すように、強化繊維基材Aを一対の固定型10、10で挟んでプレス成形して、強化繊維基材Aを固定型10、10の表面形状に沿うように圧接し、変形させて賦形する。
次いで、賦形した強化繊維基材Aを冷却した後、図5に示すように、固定型10から脱型することにより、プリフォームBを得る。
図6に、第二形態の製造装置を示す。
第二形態の製造装置2は、固定型10と、固定型10の表面上に強化繊維基材Aを圧接するエンドエフェクタ40と、エンドエフェクタ40を移動させる制御部50と、強化繊維基材Aの一部を加熱する加熱器20と、強化繊維基材Aの残りの一部を冷却する冷却器30とを備える。本形態では、加熱器20がエンドエフェクタ40に取り付けられている。冷却器30は、強化繊維基材Aの、後述する把持装置によって把持される把持部に向けて、加熱温度より低い温度の空気を吹き付けて冷却処理するように配置されている。
第二形態の製造装置2を用いたプリフォームの製造方法では、まず、強化繊維基材Aを固定型10の表面上に配置する。
次いで、制御部50を利用してエンドエフェクタ40を強化繊維基材A上に移動させながら、強化繊維基材Aを固定型10の表面に圧接して沿わせる。これにより、強化繊維基材Aを固定型10の表面形状に沿うように変形させて、プリフォームを得る。
強化繊維基材Aを賦形する最中には、エンドエフェクタ40に取り付けた加熱器20によって強化繊維基材Aに接触する部分に加熱処理を施す。これと同時に、冷却器30より、加熱温度より低い温度の空気を強化繊維基材Aの把持部に吹き付けて冷却処理を施す。これにより、強化繊維基材Aの圧接範囲内に温度差を生じさせる。
第二形態の製造装置2を用いたプリフォームの製造方法では、強化繊維基材Aを固定型10に沿わせる際に強化繊維基材Aの一部を拘束して変形をコントロールしてもよい。また、強化繊維基材Aを保護する目的で、強化繊維基材Aとエンドエフェクタ40との間に保護シートPを配置してもよい。
図7に、第三形態の製造装置を示す。
第三形態の製造装置3は、固定型10と、強化繊維基材Aの一部を加熱する加熱器20と、強化繊維基材Aの残りの一部を冷却する冷却器30とを備える。本形態で使用される固定型10には、空気吸引用の孔11が形成されている。孔11は、真空ポンプ(図示せず)に接続されている。本形態では、固定型10の上方に加熱器20及び冷却器30が設置されている。本形態における冷却器30は、第一形態における冷却器30と同様に吐出ノズル31及び吸引ノズル32を有する。
第三形態の製造装置3を用いたプリフォームの製造方法では、まず、固定型10上に強化繊維基材Aを配置し、その強化繊維基材Aの上に成形用フィルムFを配置する。これにより、固定型10と成形用フィルムFとの間の空間Sに強化繊維基材Aを保持する。
次いで、真空ポンプを作動させて固定型10の孔11から空間Sの空気を吸引して、固定型10と成形用フィルムFとの間の空間S内の空気を除去して減圧する。空間S内を減圧すると、成形用フィルムFが固定型10に沿うように変形するため、成形用フィルムFより内側に配置されている強化繊維基材Aを固定型10の表面に沿わせて圧接させることができる。これにより、強化繊維基材Aに固定型10の表面形状を転写し、強化繊維基材Aを賦形して、プリフォームを得る。強化繊維基材Aを賦形する最中には、加熱器20を用いて強化繊維基材Aの一部に加熱処理を施す。それと同時に、吐出ノズル31から、加熱温度よりも低い温度の空気を吐出して強化繊維基材Aに吹き付け、吹き付けた空気を吸引ノズル32より吸引して回収することにより強化繊維基材Aに冷却処理を施す。これにより、強化繊維基材Aの圧接範囲内に温度差を生じさせる。
以下、前記形態の製造装置について説明する。
(固定型)
前記形態の製造装置を構成する固定型は、強化繊維基材が賦形される所定の形状に対応する表面形状を有する。
すなわち、固定型は目的とするプリフォームの形状に対応する表面形状を有している。
前記形態の製造装置を用いてプリフォームを製造する際には、固定型の表面上に強化繊維基材が配置される。
前記形態の製造装置においては、固定型に強化繊維基材を沿わせる過程で固定型に力がかかるため、固定型はその繰り返しの力に十分耐えうる強度を有する必要がある。また、強化繊維基材の賦形を行っている間は十分に固定されている必要がある。
固定型の材質としては、特に限定されず、金属、樹脂、金属以外の金属化合物等が挙げられる。前記材質のなかでも、材料が安価であること、及び加工が容易であることから、樹脂が好ましく、樹脂のなかでもケミカルウッドが好ましい。また、複雑な形状にも容易に対応できることから、3Dプリンターに用いることが可能な材料を用いることも好ましい。3Dプリンターに用いることが可能な材料としては、例えば、青銅、鋼、ニッケル、チタン、ABS樹脂、ナイロン樹脂、ポリカーボネート樹脂、石膏、ワックス等が挙げられる。
固定型は、単軸レール又は搬送ベルトなどによって移動できるものであってもよい。固定型が移動可能なものである場合には、強化繊維基材を賦形した後、得られたプリフォームを脱型する前に移動させ、別の固定型を搬入し、次の強化繊維基材の配置及び賦形を行うことができ、これを繰り返すことにより、複数のプリフォームを連続して製造することができる。
例えば、第一の固定型及び第二の固定型からなる2つの固定型が各々移動可能になっており、第一の固定型を用いて強化繊維基材を賦形してプリフォームを作製した後、第一の固定型を移動させ、第一の固定型が配置されていた場所に第二の固定型を移動させることができる。移動させた第一の固定型においては、プリフォームを冷却した後、プリフォームを脱型する。
第一の固定型からプリフォームを脱型すると同時に、第二の固定型の表面上に新たな強化繊維基材を配置し、第二の固定型を用いて強化繊維基材を賦形してプリフォームを得ることができる。
前記の第一の固定型と第二の固定型とは同一形状の固定型である必要はなく、第一の固定型及び第二の固定型が各々異なる形状であってもよい。固定型は3個以上であってもよく、全ての固定型が同一形状であってもよいし、2つ以上の固定型が各々異なる形状であってもよい。
また、固定型が搬送により移動可能なものである場合には、賦形する工程を複数の工程とし、各工程において各々異なる製造装置及び製造方法を適用してもよい。例えば、一段目の工程にて図1に示す製造装置1を使用し、二段目の工程にて図6に示す製造装置2を使用してもよい。このように、賦形する工程を複数とし、各工程において各々異なる製造装置を使用する混流生産の場合には、強化繊維基材の賦形形状に応じて適切な製造装置を採用することができ、より高品位のプリフォームを製造できる。
(加熱器及び冷却器)
加熱器は、強化繊維基材を賦形する前又は賦形する最中に強化繊維基材を加熱処理する機器である。
加熱器としては、例えば、赤外線を照射することにより加熱する機器、熱風を吹き付けることにより加熱する機器、発熱する機器等を用いることができる。
また、強化繊維基材の種類によっては、加熱器として、誘電加熱によって加熱する機器、誘導加熱によって加熱する機器を用いることができる。
加熱器は、固定型の近傍、例えば固定型の上方に配置されてもよいし、固定型に内蔵されてもよい。例えば、赤外線を照射することにより加熱する機器は、通常、固定型の上方に配置される。熱風を吹き付けることにより加熱する機器は、固定型の近傍に配置されてもよいし、固定型に吹き出し口が設けられて固定型に内蔵されてもよい。
第一形態の製造装置1及び第三形態の製造装置3における加熱器20としては、強化繊維基材Aの上方に設置された赤外線ランプを用いることが好ましい。赤外線ランプによって強化繊維基材Aに赤外線を照射すれば、空気を吹き付けて冷却処理する場合でも強化繊維基材Aを容易に加熱できる。
第二形態の製造装置2を用いる場合には、加熱器がエンドエフェクタ40に取り付けられた熱風加熱器であることが好ましい。
加熱器によって強化繊維基材を加熱処理する際には、加熱範囲を選択的に限定してもよい。
加熱範囲を選択的に限定する方法は加熱器の種類に応じて適宜選択することができる。
例えば、熱風を吹き付ける加熱器を用いる場合には、熱風を遮断する遮蔽部を設ける方法を適用でき、赤外線を照射する加熱器を用いる場合には、熱線を反射又は遮断する遮蔽部を設ける方法を適用できる。熱風を遮断する遮蔽部としては、例えば、樹脂板、金属板等が挙げられる。また、熱風を配管又はダクトに通すことによっても、熱風を遮断できる。熱線を反射又は遮断する遮蔽部としては、鏡面を有する金属板、例えばアルミニウム板等が挙げられる。
冷却器は、強化繊維基材の残りの一部を加熱器による加熱処理と同時に強化繊維基材を冷却する機器である。冷却器を用いることにより、強化繊維基材を賦形する際に加熱が不要な部分の温度上昇を確実に抑制でき、強化繊維基材の易変形部を限定できる。
冷却器としては、例えば、図1,6,7に示すような、加熱処理の加熱温度よりも低い温度の気体を強化繊維基材Aに吹き付ける冷却器30が挙げられる。
加熱処理の加熱温度よりも低い温度の気体を強化繊維基材に吹き付ける冷却器は、固定型の近傍、例えば固定型の上方に配置されてもよいし、固定型に吹き出し口を設けて固定型に内蔵されてもよい。前記冷却器が固定型の上方に設置される場合には、強化繊維基材の上方から強化繊維基材に向けて空気が吹き付けられる。前記冷却器が固定型に内蔵されている場合には、固定型に設けられた吹き出し口から、固定型に接する強化繊維基材に向けて空気が吹き付けられる。
また、他の冷却器としては、加熱処理の加熱温度よりも低い温度の冷却用部材等が挙げられる。冷却用部材は強化繊維基材に接触させることにより、強化繊維基材を冷却する。冷却用部材は、その内部に形成された流路に冷媒が流されることによって冷却されることが好ましい。また、冷却用部材は熱伝導率が高い材料(例えば金属)で構成して冷却効果を高めてもよいし、冷却用部材に放熱板を設けて冷却効果を高めてもよい。
前記冷却用部材は、固定型の近傍に配置され、強化繊維基材を冷却処理するときのみに強化繊維基材に接触するものでもよい。また、前記冷却用部材は、固定型の表面近傍に内蔵されてもよい。冷却用部材が固定型の表面近傍に内蔵されている場合には、固定型の表面形状に強化繊維基材を沿わせて接触させている際に固定型に内蔵された冷却用部材によって強化繊維基材を冷却することができる。
(把持装置)
前記形態の製造装置は、強化繊維基材を把持する把持装置を備えてもよい。把持装置が強化繊維基材を把持することによって強化繊維基材に張力を付与できる。把持装置は、把持装置を制御する把持装置制御機構を備えることが好ましい。
図6に示す第二形態の製造装置2においては、強化繊維基材Aを把持して強化繊維基材に張力を付与する把持装置60を備えている。
把持装置は、多軸ロボットに取り付けられてもよい。多軸ロボットにより強化繊維基材を複数個所把持すると、賦形中の強化繊維基材への張力が最適な状態となるように、強化繊維基材に付与する張力を容易に制御できる。
また、把持装置は、強化繊維基材の所定の方向に所定の張力がかかるように、紐やワイヤー等で強化繊維基材を把持して引っ張る構成としてもよい。
把持装置としては、特に限定されないが、多軸ロボットに取り付けて使用される各種ハンド、例えばエアチャックの他、マグネットを利用した挟み込み機構等が好ましく使用できる。
第二形態の製造装置においては、エンドエフェクタと強化繊維基材の位置関係に応じて、強化繊維基材を賦形している間であっても強化繊維基材に最適な張力がかかるように、把持装置は強化繊維基材における把持位置を変更できるようになっていてもよい。
強化繊維基材を把持して張力を加えながら賦形すると、マトリックス樹脂や熱融着性バインダの軟化時に、強化繊維基材を伸長させることができるので、得られるプリフォームのシワの発生や繊維の蛇行、割れのさらなる抑制が可能となる。本態様においては、把持装置によって把持される強化繊維基材を、冷却器を用いて十分に冷却することで、強化繊維基材の把持部が割れることを防止できる。
(エンドエフェクタ)
第二形態において使用されるエンドエフェクタは、固定型上に配置された強化繊維基材を固定型の表面上に圧接して、強化繊維基材を変形させる機能を有するものである。この機能を有していれば、エンドエフェクタの形状及び方式は特に限定されない。
具体的に、第二形態におけるエンドエフェクタ40は、強化繊維基材Aを圧接する複数の圧接子41と、圧接子41を保持する圧接子保持部42と、エンドエフェクタ40を制御部50に接続する接続部43とを備える。各圧接子41は、その一部が圧接子保持部42から突出するように圧接子保持部42に保持されている。
圧接子の少なくとも一部はそれぞれバネを有してもよい。圧接子がバネを有していると、強化繊維基材に接触することで固定型からの反力を受けた際、その反力に応じて突出長を変化させることが可能となる。これにより、エンドエフェクタは、凹凸のある三次元形状を有する固定型の表面形状に沿った動きをすることがより容易になる。
圧接子の突出長を変化させる機構としては、上記のようにバネにより突出長を変化させる機構、位置センサを用いて圧接子と固定型の位置関係を検出して、その突出長を制御する機構、力センサにより圧接子にかかる反力を検出して、圧接子の位置をエア制御若しくは電気制御して突出長を制御する機構が挙げられる。
前記機構のなかでも、バネにより圧接子の突出長を変化させる機構を採用することが、経済的に優れており、好ましい。バネとしては、コイルバネや板バネを挙げることができる。
図8は、第二形態の製造装置を構成するエンドエフェクタにおける圧接子の配置の状態の一例を示す図であって、圧接子の保持方向から見た図である。なお、図中の矢印はエンドエフェクタの進行方向を示す。
隣り合う圧接子41,41の間には間隔が空いており、圧接子が固定型を圧接する面は一時的には斑になる。そのため、エンドエフェクタの複数の圧接子41は、エンドエフェクタを固定型の表面形状に沿って一方向(進行方向)に移動させた際に、強化繊維基材の表面全体が実質的に圧接されるように配置されていることが好ましい。
例えば、エンドエフェクタの進行方向側の最前列に位置する複数の圧接子は、エンドエフェクタの進行方向と同じ方向に間隔を空けて強化繊維基材を圧接する。エンドエフェクタの進行方向から見た、それより後方の列に位置する複数の圧接子は、上記の間隔を埋めるように強化繊維基材を圧接する。つまり、最前列の圧接子が隣り合う圧接子同士の間隔により圧接できなかった部分を、それより後列の圧接子が圧接する。複数の圧接子を前記のようにエンドエフェクタに配置すれば、エンドエフェクタを通過させた後には、上記の間隔が残されることなく、エンドエフェクタが通過した部分の強化繊維基材全体を圧接できる。
図8においては、圧接子41の先端形状が円形となっているが、圧接子の先端形状は円形に限定されるわけではなく、三角形や六角形などの多角形であってもよく、正六角形を隙間なく配置することも可能である。そのほか、圧接子41の先端形状が楕円でもよい。また、圧接子の先端部分の縁が強化繊維基材又はフィルムを傷つけないように丸みを帯びていたり、面取りがなされていたりすると好ましい。
エンドエフェクタにおける圧接子は、単なる棒状のものであって、強化繊維基材上を圧接子が滑る形状でもよいし、圧接子の先端に、例えば円柱体や球体等の回転体が取り付けられていてもよい。この回転体は、エンドエフェクタの移動に伴って回転してもよく、回転しなくてもよい。
しかし、回転体が抵抗なく回転すると圧接子と強化繊維基材との接触部分で充分な滑りが発生せず、強化繊維基材表面のシワを伸ばしにくくなる。したがって、圧接子の先端に回転体が取り付けられる場合には、回転体の回転に適度な抵抗をつけることが好ましい。回転体の回転に適度な抵抗をつけると、エンドエフェクタが固定型の表面形状に沿って移動する際に、圧接子と強化繊維基材との接触部分で充分な滑りを発生させることができ、強化繊維基材表面のシワを伸ばしやすくなる。
それぞれの圧接子の先端形状は全てが同一の形状であってもよい。また、いくつかの種類の異なる先端形状を有する圧接子を同時に使用することもできる。すなわち、複数の圧接子のうちの一部の圧接子の先端形状は、他の圧接子の先端形状と異なる形状とされていてもよい。
例えば、固定型の表面形状に含まれる細かい凹凸部に追従させるため、エンドエフェクタの外周部の圧接子の径を小さくするとともにそのピッチも小さくし、エンドエフェクタの中央部の圧接子の径を大きくするとともにそのピッチを大きくすることができる。
(保護シート)
エンドエフェクタを用いる場合、強化繊維基材を賦形する際には、強化繊維基材とエンドエフェクタとの間に保護シートを配置することが好ましい。
強化繊維基材上をエンドエフェクタが移動すると、圧接子の材質や圧接力によっては、強化繊維基材中の強化繊維の配向が乱れたり、その表面に凹凸状の跡が残ったりする不具合が発生することがある。これらの不具合を抑制するため、図6に示すように、強化繊維基材Aとエンドエフェクタ40の圧接子41との間に保護シートPを配置した状態で強化繊維基材Aを賦形することが好ましい。
保護シートの材質としては特に限定されないが、強化繊維基材の賦形条件下における柔軟性と耐久性に優れる点から、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリテトラフルオロエチレンなどの熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
保護シートの厚みは、シート材質によって異なるが、シートの柔軟性が得られる範囲であれば特に限定されず、例えば、15μm以上200μm以下の範囲である。一般的な熱可塑性樹脂シートであれば、15μm以上200μm以下の範囲とするのが、得られるプリフォームのシワの発生や繊維の蛇行、割れの抑制に優れ、好ましい。また、保護シートの厚さは25μm以上100μm以下の範囲とすると、シートの耐久性との両立が可能となるため、さらに好ましい。
保護シートは、強化繊維基材に含まれるマトリックス樹脂に対して離型性を有することが好ましい。保護シートに離型性を持たせるためには、保護シート表面に離型処理を施す方法が挙げられる。また、保護シートにエンボス加工を施すことによっても、離型性を高めることができる。
保護シートには、所定のパターンの切れ込みが形成されていてもよい。保護シートに切れ込みが形成されていると、保護シートの変形限界に影響されることなく、より複雑な形状に強化繊維基材を賦形できる。
所定のパターンの切れ込みとしては、シートの変形限界を適度に開放できる切れ込みパターンであればよく、例えば、強化繊維基材を賦形する際の伸長方向に対して略垂直な方向の切れ込みが挙げられる。このような切れ込みが保護シートに形成されていれば、強化繊維基材の賦形を阻害することなく、保護シートを変形させることができる。
切れ込みのピッチは、保護シートの硬さ及び変形のしやすさに応じて適宜選択すればよい。すなわち、保護シートが柔らかく、変形し易ければ、ピッチを大きくすることが好ましい。保護シートが硬く、変形しにくければ、ピッチを小さくすることが好ましい。必要以上に切れ込みを長くすると、シート間の距離が大きく開きやすくなり、エンドエフェクタが保護シートを介さずに強化繊維基材に直接接触する可能性が高くなる。したがって、切れ込みの長さは、必要十分な長さにすることが好ましく、賦形する強化繊維基材の形状に応じて、適宜試行錯誤することで切れ込みの長さを設定すればよい。
(制御部)
制御部は、エンドエフェクタを制御して移動させる機能を有する。図6に示す第二形態の製造装置2においては、制御部50はエンドエフェクタ40に接続されて、エンドエフェクタ40が強化繊維基材Aを固定型10の表面上に圧接するように、エンドエフェクタ40を移動させる。制御部50によって、エンドエフェクタ40を、強化繊維基材Aを固定型10の表面上に圧接するように移動させることにより、強化繊維基材Aを目的形状のプリフォームに賦形できる。
制御部は、賦形の精度を向上させるために、エンドエフェクタの固定型への圧接力を制御する機構を有していてもよい。
但し、エンドエフェクタの固定型への圧接力は、圧接子に使用するバネの圧縮長又はバネ張力の調整等によっても制御できる。エンドエフェクタの固定型への圧接力は、前記いずれかの方法を用いて制御してもよいし、複数の方法を併用して制御してもよい。
制御部は、強化繊維基材が固定型の表面上に圧接するようにエンドエフェクタを移動させる際に、エンドエフェクタの進行方向より後方側に配置された圧接子の突出長がより小さくなるようにエンドエフェクタを傾斜させる機構を有していてもよい。なお、図6においては、図面左から右への方向が、エンドエフェクタ40の進行方向である。
制御部がエンドエフェクタを傾斜させると、エンドエフェクタが移動する際に、固定型を圧接する反力と摩擦抵抗との合力を圧接子の軸方向にかけることが可能となり、圧接子の突出長を円滑に変化させることができる。そのため、得られるプリフォームの表面の平滑性をより高めることができ、さらに、圧接子の材料として、曲げ剛性が高く、汎用的でない材料を用いる必要がなくなるため、コスト面にも有利である。
エンドエフェクタの傾斜角度は、圧接子の材質、圧接子と強化繊維基材との摩擦係数、又は圧接子とシートとの摩擦係数、エンドエフェクタの圧接力等により、適宜検討して決定することができる。
制御部としては特に限定されず、例えば、6軸ロボット、スカラロボット、パラレルリンクロボット、7軸ロボットなどの多軸ロボットの他、単軸駆動レール又は回転台を単体であるいは複数本組合せたものを使用できる。
制御部として使用できる装置の選定にあたっては、経済性、精度、形状に対する適合性を考慮する必要があるが、6軸ロボット又は7軸ロボットが好ましい。6軸ロボット又は7軸ロボットは、凹凸のある三次元型形状を有する固定型の表面形状に沿って、強化繊維基材が固定型の表面上に圧接するようにエンドエフェクタを容易に移動させることができる。
(成形用フィルム)
図7に示す第三形態の製造装置3においては、成形用フィルムFを用いる。成形用フィルムとしては限定されず、賦形する際の温度に耐え、固定型に沿うことができる樹脂フィルムを選定すればよい。固定型の形状によっては成形用フィルムが伸縮性を有することが好ましいため、通気性のないゴムフィルムを用いることもできる。
<本態様の作用効果>
本態様のプリフォームの製造方法及び製造装置では、三次元形状のプリフォームの製造に際して、強化繊維基材の変形させたい部分に加熱処理を施して、マトリックス樹脂あるいは熱融着性バインダを軟化させ、変形しやすくする。この加熱処理と同時に、強化繊維基材の変形させたくない部分に冷却処理を施して、マトリックス樹脂あるいは熱融着性バインダが軟化することを抑制する。
通常、シート状の強化繊維基材を目的の三次元形状に賦形する際、強化繊維基材の全体にわたって変形量が均一になることは少なく、変形量が大きい部分と、変形量が小さい部分及び変形させない部分とが生じる。
本態様では、強化繊維基材を賦形する際に変形量が大きい部分に加熱処理を施すと共に、賦形の際に変形量が小さい部分及び変形させない部分に冷却処理を施すことにより、強化繊維基材の変形量に応じた温度に調整できる。そのため、均一なプレス圧及び均一な張力を強化繊維基材に加えたときでも、強化繊維基材の変形量を部分的に容易に変えることができる。これにより、設計した方向に強化繊維を確実に向けることができ、強化繊維基材のシワの発生や割れを抑制できる。よって、本態様の製造方法によれば、強化繊維に乱れのない高品位のプリフォームを製造できる。
<その他の態様>
本発明は、上記の態様、すなわち強化繊維基材に加熱処理と冷却処理の両方を施す態様に限定されない。
例えば、強化繊維基材を賦形する際に、強化繊維基材に冷却処理を施さずに強化繊維基材に温度差を生じさせてもよい。具体的には、強化繊維基材の変形させたい部分の加熱温度を高くし、強化繊維基材の変形させたくない部分の加熱温度を相対的に低くすることにより、強化繊維基材に温度差を生じさせることができる。加熱温度を部分的に変えることによって強化繊維基材に温度差を生じさせても、前記態様と同様の効果が得られる。
1、2、3 製造装置
10 固定型
11 孔
20 加熱器
30 冷却器
31 吐出ノズル
32 吸引ノズル
40 エンドエフェクタ
41 圧接子
42 圧接子保持部
43 接続部
50 制御部
60 把持装置
A 強化繊維基材
B プリフォーム
F 成形用フィルム
P 保護シート
S 空間

Claims (13)

  1. 強化繊維と、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分と、を含む強化繊維基材を、固定型の表面に圧接することによって所定の形状に賦形するプリフォームの製造方法であって、
    前記強化繊維基材の一部の加熱処理と残りの一部の冷却処理を同時に行い得るように配置された加熱器及び冷却器を用いて、賦形する前又は最中に、前記強化繊維基材の圧接範囲内に温度差を生じさせる、プリフォーム製造方法。
  2. 前記冷却処理では、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の気体を前記強化繊維基材に吹き付ける、請求項1に記載のプリフォーム製造方法。
  3. 前記冷却処理では、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の冷却用部材を前記強化繊維基材に接触させる、請求項1又は2に記載のプリフォーム製造方法。
  4. 前記加熱処理における加熱温度を、前記樹脂成分を昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度測定した際、粘度が10000Pa・s以下になる温度にする、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリフォーム製造方法。
  5. 前記温度差を、下記方法により求めた前記樹脂成分の粘度ηHと粘度ηLとの比(ηH/ηL)が1.5以上1000以下の範囲内となる温度差にする、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリフォーム製造方法。
    (粘度ηHと粘度ηLを求める方法)
    前記樹脂成分について、あらかじめ、昇温速度2℃/分で昇温しながら粘度を測定して、温度に対する粘度変化を求める。前記強化繊維基材における低温部分の温度T1及び温度T1より高温部分の温度T2を各々測定する。前記温度T1、T2と、樹脂成分の温度に対する粘度変化とから、温度T1における粘度ηH及び温度T2における粘度ηLを求める。
  6. 前記賦形は、前記強化繊維基材を一対の固定型によってプレス成形することによりなされる、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリフォーム製造方法。
  7. 前記強化繊維基材が賦形の際に固定のために把持される部分を有し、前記冷却処理が前記把持される部分に対し施される、請求項1〜のいずれか一項に記載のプリフォーム製造方法。
  8. 前記冷却処理により前記把持される部分が30℃以下に冷却される、請求項に記載のプリフォーム製造方法。
  9. UDプリプレグまたはクロスプリプレグである強化繊維基材を、固定型の表面に圧接することによって所定の形状に賦形する前または最中に、前記強化繊維基材の圧接範囲内に温度差を生じさせるプリフォームの製造方法であって、前記強化繊維基材が賦形の際に固定のために把持される部分を有し、前記把持される部分には冷却処理が施される、プリフォーム製造方法。
  10. 強化繊維と、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分と、を含む強化繊維基材を、固定型の表面に圧接することによって所定の形状に賦形する前または最中に、前記強化繊維基材の圧接範囲内に温度差を生じさせるプリフォームの製造方法であって、前記強化繊維基材が賦形の際に固定のために把持される部分を有し、前記把持される部分には冷却処理が施され、前記冷却処理により前記把持される部分が30℃以下に冷却される、プリフォーム製造方法。
  11. 強化繊維と、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分と、を含む強化繊維基材を、固定型の表面に圧接することによって所定の形状に賦形してプリフォームを得るプリフォーム製造装置であって、
    前記固定型と、賦形する前又は最中に前記強化繊維基材の一部の加熱処理と残りの一部の冷却処理とを同時に行い得るように配置された加熱器及び冷却器と、を備える、プリフォーム製造装置。
  12. 前記冷却器は、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の空気を前記強化繊維基材に吹き付けるための吐出ノズルと、前記強化繊維基材に吹き付けた空気を吸い出すための吸引ノズルとを有する、請求項11に記載のプリフォーム製造装置。
  13. 強化繊維と、マトリックス樹脂又はバインダ樹脂からなる樹脂成分と、を含む強化繊維基材を、固定型の表面に圧接することによって所定の形状に賦形してプリフォームを得るプリフォーム製造装置であって、
    前記プリフォーム製造装置は、前記固定型と、前記強化繊維基材の一部を加熱処理する加熱器と、前記強化繊維基材の残りの一部を冷却処理する冷却器とを備え、
    前記冷却器は、前記加熱処理の加熱温度よりも低い温度の空気を前記強化繊維基材に吹き付けるための吐出ノズルと、前記強化繊維基材に吹き付けた空気を吸い出すための吸引ノズルとを有する、プリフォーム製造装置。
JP2019519028A 2018-03-27 2019-03-15 プリフォーム製造方法及びプリフォーム製造装置 Active JP6947210B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018059903 2018-03-27
JP2018059903 2018-03-27
PCT/JP2019/010851 WO2019188417A1 (ja) 2018-03-27 2019-03-15 プリフォームの製造方法及びプリフォームの製造装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019188417A1 JPWO2019188417A1 (ja) 2020-04-30
JP6947210B2 true JP6947210B2 (ja) 2021-10-13

Family

ID=68060641

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019519028A Active JP6947210B2 (ja) 2018-03-27 2019-03-15 プリフォーム製造方法及びプリフォーム製造装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6947210B2 (ja)
WO (1) WO2019188417A1 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4126978B2 (ja) * 2001-07-06 2008-07-30 東レ株式会社 プリフォームおよびそれからなるfrpならびにfrpの製造方法
JP2007126793A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Toho Tenax Co Ltd 積層体の裁断方法とプリフォーム基材及びそれを用いたプリフォームの製造方法
JP5162227B2 (ja) * 2007-12-19 2013-03-13 三菱レイヨン株式会社 プリフォームの製造方法
WO2013118534A1 (ja) * 2012-02-08 2013-08-15 東レ株式会社 プリフォームおよびその製造方法
US10272620B2 (en) * 2014-03-28 2019-04-30 Honda Motor Co., Ltd. Fiber-reinforced composite material and method for manufacturing same
EP3492248B1 (en) * 2016-07-27 2021-08-25 Mitsubishi Chemical Corporation Preform production apparatus and preform production method

Also Published As

Publication number Publication date
JPWO2019188417A1 (ja) 2020-04-30
WO2019188417A1 (ja) 2019-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10604633B2 (en) Thermoplastic prepreg and laminate
US10189214B2 (en) Freespace composite manufacturing process and device
JP6048730B2 (ja) プリフォームの製造方法
JP4952056B2 (ja) プリフォームの製造方法およびプリフォームの製造装置
JP4132676B2 (ja) 複合物品成形方法
JP6428947B2 (ja) プリフォームの製造装置、及びプリフォームの製造方法
JP5353099B2 (ja) 繊維強化プラスチックの製造方法
US20090174118A1 (en) Method and device for nano-imprinting
US10358943B2 (en) Apparatus for manufacturing a flanged composite component and methods of manufacturing the same
JP2008279753A (ja) 繊維強化プラスチックの製造方法
JP2017501057A5 (ja)
JP7449084B2 (ja) 複合材料を接合するための電磁誘導溶接装置および関連の接合方法
JP6947210B2 (ja) プリフォーム製造方法及びプリフォーム製造装置
JP6697819B2 (ja) 複合材料成形装置及び複合材料成形方法
JP2008279685A (ja) プラスチックシートの真空成形方法及び装置
JP6075675B1 (ja) 繊維強化複合材料成形品の脱型方法
JP6334795B1 (ja) ダブルベルトプレス装置および誘導加熱プレスモジュール
JP2009291949A (ja) 熱可塑性樹脂の成形方法および成形装置
JP6665814B2 (ja) 成形体の製造方法
JP6762212B2 (ja) 成形体の製造方法
JP5554170B2 (ja) 熱ナノインプリント方法
WO2022024359A1 (ja) 賦形装置および賦形方法
JP7175820B2 (ja) プリプレグ成形方法
US20230302746A1 (en) A composite part production system
WO2023286759A1 (ja) 成形装置および成形方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190408

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210126

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210817

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210830

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6947210

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151