JP6946784B2 - スクリュ式射出装置及びバックフロー検知方法 - Google Patents

スクリュ式射出装置及びバックフロー検知方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出成形に用いられるスクリュ式射出装置及び該スクリュ式射出装置におけるバックフロー検知方法に関するものである。
従来、射出成形に用いられるスクリュ式射出装置100は、図7に示すように、先端部側の所定領域に螺旋状のフライトを有するスクリュ102と、内部にスクリュ102が挿入される空間を有する加熱バレル104と、スクリュ102を軸を中心として回転させるための可塑化モータ(図示せず)と、スクリュ102を軸方向に沿って進退させるための射出モータ(図示せず)とを備えている。
従来のスクリュ式射出装置100は、可塑化モータによってスクリュ102を回転させることで、ホッパ(図示せず)から投入された加熱バレル104内の樹脂材料をスクリュ102の先端側の領域(貯留部)に向けて搬送し、この搬送過程において、加熱バレル104による加熱及びスクリュ102の回転によるせん断熱によって樹脂材料を可塑化(溶融)させるよう構成されている。また、従来のスクリュ式射出装置100は、スクリュ102を回転させながら後退させることで計量を行い、計量完了後にスクリュ102を前進させることで、貯留部に貯留された溶融樹脂を加熱バレル104の射出ノズルから射出させるよう構成されている。
このような従来のスクリュ式射出装置100において、スクリュ102には、図7に示すように、射出時における溶融樹脂のバックフロー(逆流)を防止するために、逆流防止弁110が設けられている(特許文献1等)。従来の逆流防止弁110は、スクリュ102の周囲に相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能に配されたチェックリング112と、スクリュ102に固定されたチェックシート114とを備えている。スクリュ102の先端部には、周方向に所定の間隔をおいて複数の溝部103が形成されており、該溝部103によって、スクリュ102とチェックリング112との間に樹脂流路が形成されるよう構成されている。チェックシート114は、チェックリング112に当接した際に、スクリュ102とチェックリング112との間の樹脂流路を閉塞するよう構成されている。
以上の構成を有する従来の逆流防止弁110は、スクリュ102が回転しながら後退する計量時において、図7(a)に示すように、スクリュ102の回転により先端部側に搬送される溶融樹脂の圧力によって、チェックリング112がチェックシート114から離間し、チェックリング112とチェックシート114との間及びスクリュ102とチェックリング112との間を介して、貯留部に溶融樹脂が送り込まれるよう構成されている。また、従来の逆流防止弁110は、スクリュ102が前進する射出時において、図7(b)に示すように、貯留部に貯留された溶融樹脂からの反力によってチェックリング112がチェックシート114に押し付けられ、スクリュ102とチェックリング112との間の樹脂流路が閉塞されることで、貯留部からの溶融樹脂のバックフローを防止するよう構成されている。
ところで、従来の逆流防止弁110では、チェックリング112やチェックシート114の摩耗や損傷等の要因によりバックフローが発生し、これらの摩耗等が進行すると、成形不良を引き起こす程のバックフロー量まで増大するおそれがある。このため、成形不良を引き起こす程のバックフロー量に到達する前にバックフローを検知し、チェックリング112やチェックシート114を交換する必要がある。
そこで、近年、バックフローを検知するための方法として、スクリュ102を前進させる射出工程中におけるスクリュ回転角度を検出し、この検出したスクリュ回転角度に基づいて、逆流防止弁110を介して逆流しようとする溶融樹脂のバックフロー量を推定する方法が提案されている(特許文献2)。また、バックフローを検知するための他の方法として、保圧工程における実測射出速度データを監視し、この実測射出速度が略一定である時間が所定時間を超えた場合にバックフローが生じていると判定する方法や(特許文献3)、保圧工程におけるスクリュー前進速度が許容最大値を超えた場合にバックフローが生じていると判定する方法が提案されている(特許文献4)。
特開平10−100211号公報 特開2010−741号公報 特開2009−96045号公報 特開平01−281912号公報
しかしながら、射出開始後、開放状態の逆流防止弁110が閉塞状態に至るまでの間における射出工程中のバックフローを検知する特許文献2の方法や、射出工程後の保圧工程中におけるバックフローを検知する特許文献3及び4の方法では、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中のバックフローの検知については何ら考慮されていない。
そして、上述したような、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中に生じるバックフローは、樹脂材料の種類や射出条件に依っては、射出工程中及び保圧工程中に生じるバックフローよりも量が多い場合があり、計量精度や成形品重量に大きな影響を与えるおそれがある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中におけるバックフローを検知することが可能なスクリュ式射出装置及びバックフロー検知方法を提供することにある。
本発明に係るスクリュ式射出装置は、軸を中心として回転可能かつ軸方向に沿って進退可能なスクリュと、該スクリュに設けられた逆流防止弁とを備え、該スクリュの回転動作により該逆流防止弁よりも先端側の貯留部に樹脂材料を搬送可能で、かつ、該スクリュの前進動作により該貯留部に貯留された樹脂材料を射出可能に構成されたスクリュ式射出装置であって、前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留されるまで、前記スクリュを回転させながら後退させる計量制御と、前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留された後に前記スクリュを前進又は後退させるスクリュ移動制御とを実行可能な制御部を更に備え、前記制御部は、前記計量制御の完了時から前記スクリュ移動制御の開始時までの間における前記貯留部内の樹脂圧の変位を監視する監視制御を実行可能に構成されていることを特徴とする。
本発明に係るスクリュ式射出装置において、前記制御部は、前記計量制御の完了時から前記スクリュ移動制御の開始時までの間における前記貯留部内の樹脂圧の変位を計測し、該変位が所定値を超えた際にバックフロー過大信号を出力するよう構成されることが好ましい。この場合において、前記制御部は、前記計量制御の完了時における前記貯留部内の第1樹脂圧と、前記スクリュ移動制御の開始時における前記貯留部内の第2樹脂圧との差圧が所定の閾値を超えた際に、前記バックフロー過大信号を出力するよう構成されることが好ましい。
また、本発明に係るスクリュ式射出装置において、前記制御部は、1又は複数の成形サイクル毎に前記貯留部内の樹脂圧の前記変位を計測可能で、かつ、計測された複数の前記変位に基づいて、該変位の将来推移を予測可能に構成されることが好ましい。
この場合において、前記制御部は、予測した前記将来推移と、予め定めた交換設定値とに基づいて、前記貯留部内の樹脂圧の前記変位が前記交換設定値に到達するまでの成形サイクル数を算出可能に構成されることが更に好ましい。
本発明に係るスクリュ式射出装置は、前記スクリュが軸方向に受ける力を検出可能なロードセルを更に備え、前記ロードセルにより、前記貯留部内の前記樹脂圧を計測可能に構成されるとしても良い。また、これに代えて、前記スクリュを進退させる射出モータを更に備え、前記射出モータのトルクにより、前記貯留部内の前記樹脂圧を計測可能に構成されるとしても良い。さらに、これらに代えて、前記スクリュを進退させる油圧シリンダを更に備え、前記油圧シリンダの油圧により、前記貯留部内の前記樹脂圧を計測可能に構成されるとしても良い。
また、本発明に係るバックフロー検知方法は、軸を中心として回転可能かつ軸方向に沿って進退可能なスクリュと、該スクリュに設けられた逆流防止弁とを備え、該スクリュの回転動作により該逆流防止弁よりも先端側の貯留部に樹脂材料を搬送可能で、かつ、該スクリュの前進動作により該貯留部に貯留された樹脂材料を射出可能に構成されたスクリュ式射出装置におけるバックフロー検知方法であって、前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留されるまで、前記スクリュを回転させながら後退させる計量工程と、前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留された後に前記スクリュを前進又は後退させるスクリュ移動工程と、前記計量工程の完了時から前記スクリュ移動工程の開始時までの間における前記貯留部内の樹脂圧の変位を監視する樹脂圧変位監視工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係るバックフロー検知方法は、前記樹脂圧変位監視工程において前記変位が所定値を超えた際にバックフロー過大信号を出力するバックフロー過大信号出力工程を更に備えることが好ましい。この場合において、前記樹脂圧変位監視工程は、前記計量工程の完了時における前記貯留部内の第1樹脂圧と、前記スクリュ移動工程の開始時における前記貯留部内の第2樹脂圧との差圧を算出する工程であり、前記バックフロー過大信号出力工程は、前記樹脂圧変位監視工程により算出された前記差圧が所定の閾値を超えた際に、前記バックフロー過大信号を出力する工程であることが好ましい。
また、本発明に係るバックフロー検知方法において、前記スクリュ移動工程は、前記スクリュを前進させる射出工程であるとしても良いし、前記スクリュを後退させるサックバック工程であるとしても良い。
さらに、本発明に係るバックフロー検知方法は、1又は複数の成形サイクル毎に前記貯留部内の樹脂圧の前記変位を計測して記録する記録工程と、前記計測された複数の前記変位に基づいて、該変位の将来推移を予測する予測工程とを更に備えることが好ましい。
この場合において、前記予測工程により予測した前記将来推移と、予め定めた交換設定値とに基づいて、前記貯留部内の樹脂圧の前記変位が前記交換設定値に到達するまでの成形サイクル数を算出する交換時期予測工程を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中におけるバックフローを検知することが可能なスクリュ式射出装置及びバックフロー検知方法を提供することができる。
第1実施形態に係るスクリュ式射出装置の概略構成に示す図である。 樹脂圧の変位の実際の推移及び予測推移の一例を示すグラフである。 第1実施形態に係るバックフロー検知方法の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態に係るバックフロー検知方法における、交換時期予測の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態に係るスクリュ式射出装置の概略構成に示す図である。 第3実施形態に係るスクリュ式射出装置の概略構成に示す図である。 逆流防止弁の一例を概略的に示す図であり、図7(a)は、逆流防止弁が開放された状態を示し、図7(b)は、逆流防止弁が閉塞された状態を示している。
以下、本発明を実施するための好適な実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
本発明に係るスクリュ式射出装置は、逆流防止弁を有するスクリュを備え、該逆流防止弁よりも先端側の貯留部に貯留される溶融樹脂(可塑化樹脂)の圧力を直接又は間接的に検知することが可能な射出装置であれば、種々の射出装置を採用することが可能である。以下、このようなスクリュ式射出装置として、3つの実施形態(第1〜第3実施形態)を例に挙げて説明するが、これらに限定されるものではない。
[第1実施形態に係るスクリュ式射出装置]
まず、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1について、図1及び図2を用いて説明する。第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1は、射出モータによりスクリュを進退させる電動式射出装置であり、スクリュ30の基端部に配されたロードセル等の圧力検知手段により、貯留部36に貯留される溶融樹脂の圧力(樹脂圧)を直接的に検知可能に構成されている。
具体的には、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1は、図1に示すように、ベース部(図示せず)に固定的に立設された固定プレート10と、固定プレート10に対して進退可能に設けられた移動プレート20と、軸を中心として回転可能な状態で移動プレート20に支持されたスクリュ30と、固定プレート10に固定された加熱バレル34と、移動プレート20を固定プレート10に対して進退させる射出駆動機構40と、スクリュ30を回転させる計量駆動機構(図示せず)と、射出駆動機構40及び計量駆動機構を制御する制御部(図示せず)とを備える2プレート方式のインラインスクリュ式射出装置である。
固定プレート10は、図1に示すように、ベース部の前方側に固定的に立設されたプレート状部材であり、その前方側の面に加熱バレル34の基端部が取り付けられている。移動プレート20は、ベース部に敷設された一対のレール(図示せず)上にスライダを介して配置されたプレート状部材であり、その前方側の面の略中央部に、圧力検知手段(図示せず)が埋設された軸受け部材22と、計量駆動機構の後述する従動プーリ50が設けられた駆動軸24とが取り付けられている。駆動軸24は、一端部がスクリュ30の後端部に相対回転不能な状態で連結され、他端部が回転自在な状態で軸受け部材22に支持されている。
圧力検知手段は、ロードセル等の圧力センサからなり、貯留部36に貯留された溶融樹脂からの反力によりスクリュ30が軸方向に受ける力(スクリュ30に付与される荷重)を駆動軸24を介して検出することで、貯留部36内の樹脂圧を直接的に計測可能に構成されている。なお、圧力検知手段は、種々の圧力センサを採用することが可能であるため、その詳細な説明を省略する。
スクリュ30は、図1に示すように、先端部側の所定領域に螺旋状のフライト30aが設けられたスクリュ軸部材である。スクリュ30の先端部には、可塑化した溶融樹脂を加熱バレル34の射出ノズル34aから射出する際の逆流を防止するための逆流防止弁32が設けられており、また、逆流防止弁32が開放状態となった際に樹脂流路を形成するための溝部(図示せず)が形成されている。なお、スクリュ30は、図示の構成に限定されず、逆流防止弁32を有するものであれば、種々の構成を採用することが可能である。
逆流防止弁32は、従来の逆流防止弁110と同様に、スクリュ30の周囲に相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能に配されたチェックリングと、スクリュ30に固定されたチェックシートとを備えている。また、逆流防止弁32は、従来の逆流防止弁110と同様に、スクリュ30が回転しながら後退する計量時において、スクリュ30の回転により先端部側に搬送される溶融樹脂の圧力によって、チェックリングがチェックシートから離間し、チェックリングとチェックシートとの間及びスクリュ30とチェックリングとの間を介して、貯留部36に溶融樹脂が送り込まれるよう構成されている。さらに、逆流防止弁32は、スクリュ30が前進する射出時において、貯留部36に貯留された溶融樹脂からの反力によってチェックリングがチェックシートに押し付けられ、スクリュとチェックリングとの間の樹脂流路が閉塞されることで、貯留部36からの溶融樹脂のバックフローを防止するよう構成されている。なお、逆流防止弁32は、図示の構成に限定されず、溶融樹脂のバックフローを防止可能なものであれば、種々の構成を採用することが可能である。
加熱バレル34は、図1に示すように、スクリュ30のフライト30aが設けられた所定領域が挿入される中空空間を有する筒状部材であり、先端部が前方に向けて延出するよう、その基端部が固定プレート10に固定されている。加熱バレル34の基端部側の周面には、中空空間内に連通する材料供給孔(図示せず)が形成されており、該材料供給孔と整合する位置に取り付けられる着脱可能なホッパ等の任意の材料供給部を介して、ペレット状の樹脂材料を中空空間内に投入可能に構成されている。加熱バレル34の周面には、バンドヒータ等の種々の加熱手段が配置されており、該加熱手段により加熱されるよう構成されている。なお、加熱バレル34は、図示の構成に限定されず、種々の構成を採用することが可能である。
計量駆動機構は、移動プレート20に取り付けられたサーボモータ等の可塑化モータ(図示せず)と、可塑化モータの出力軸に取り付けられた駆動プーリ(図示せず)と、移動プレート20の駆動軸24に取り付けられた従動プーリ50と、駆動プーリと従動プーリ50とに亘って掛け渡され、駆動プーリの動力により従動プーリ50を回転させるプーリベルト(図示せず)とを備えている。以上の構成を有する計量駆動機構は、可塑化モータの回転力を駆動プーリ、プーリベルト及び従動プーリ50を介して駆動軸24に伝達させ、駆動軸24を回転させることにより、これに連結されたスクリュ30を一体として回転させるよう構成されている。
射出駆動機構40は、図1に示すように、移動プレート20に取り付けられたサーボモータ等の射出モータ(図示せず)と、射出モータの動力により移動プレート20を固定プレート10に対して進退させる一対のボールねじ機構41と、射出モータの出力軸に取り付けられた駆動プーリ(図示せず)と、一対のボールねじ機構41にそれぞれ取り付けられた従動プーリ46と、駆動プーリ及び一対の従動プーリ46に亘って掛け渡され、駆動プーリの動力により一対の従動プーリ46を同時に回転させるプーリベルト48とを備えている。
一対のボールねじ機構41は、図1に示すように、それぞれ、固定プレート10に埋設されたボールねじナット42と、固定プレート10及び移動プレート20を貫通して設けられたボールねじ軸44とを備えている。ボールねじ軸44は、前方側の端部近傍がボールねじナット42に螺合されており、後方側の端部に従動プーリ46が取り付けられている。
以上の構成を有する射出駆動機構40は、射出モータの回転力を駆動プーリ、プーリベルト48及び一対の従動プーリ46を介して一対のボールねじ軸44に伝達させ、一対のボールねじ軸44を正方向又は逆方向に回転させることにより、移動プレート20及びこれに連結されるスクリュ30を固定プレート10に対して進退させるよう構成されている。
制御部は、例えば、CPU、各種制御プログラム等を格納するROM(不揮発性記憶媒体)、演算結果等を格納する読み書き可能なRAM(揮発性記憶媒体)、ハードディスク等の記憶部及びタイマ等を備えるコンピュータであり、ROM等に格納された制御プログラムをCPUで実行させることにより、射出駆動機構40及び計量駆動機構等に関する各種処理を実行するよう構成されている。
制御部は、計量駆動機構を所定の制御プログラムに基づいて制御することにより、貯留部36に所定量の溶融樹脂が貯留されるまで、スクリュ30を回転させながら後退させる計量制御を実行するよう構成されている。
具体的には、制御部は、制御前進限位置(スクリュ30の制御上の限界前進位置)にスクリュ30を位置させた状態において、計量駆動機構によってスクリュ30を回転させることで、材料供給部から投入された加熱バレル34内の溶融樹脂をスクリュ30の先端側に向けて搬送し、この搬送過程において、加熱バレル34の外周に配置された加熱手段(図示せず)による加熱及びスクリュ30の回転によるせん断熱によって溶融樹脂を可塑化(溶融)させるよう構成されている(可塑化制御)。また、制御部は、可塑化制御(スクリュ30の回転)と並行して、スクリュ30の先端部と加熱バレル34の先端側の内壁との間の空間(貯留部36)に貯留される樹脂量の増加に伴うスクリュ30の後退を、所定の後退抵抗力(背圧)を付与させた状態で許容させ、スクリュ30が所定の計量完了位置まで後退した際(すなわち、貯留部36に1回の射出充填に必要な樹脂量が貯留された際)に、スクリュ30の回転及び移動を停止させるよう構成されている(計量制御)。
また、制御部は、計量制御の完了後に射出駆動機構40を所定の制御プログラムに基づいて制御することにより、スクリュ30を前進又は後退させるスクリュ移動制御(射出制御又はサックバック制御)を実行するよう構成されている。
具体的には、制御部は、計量制御後にサックバック制御を実行する場合には、射出駆動機構40によって一対のボールねじ軸44を逆方向に回転させることにより、移動プレート20及びこれに連結されるスクリュ30を固定プレート10に対して後退させるよう構成されている(サックバック制御)。ここで、サックバック制御とは、計量制御と並行して実行される、前の成形サイクルで製造された成形品の取り出しに伴う、射出ノズル34aからの金型内(ランナやゲート部)への溶融樹脂の噴出を防止するために、スクリュ30を後退させて貯留部36の樹脂圧を略大気圧まで低下させるための制御であり、特に、金型側又は射出ノズル34aにシャットオフゲートバルブが設けられていない小型の射出成形装置において実行される制御である。
また、制御部は、サックバック制御を実行しない場合には計量制御後に、サックバック制御を実行する場合にはサックバック制御後に、射出駆動機構40によって一対のボールねじ軸44を正方向に回転させることにより、移動プレート20及びこれに連結されるスクリュ30を固定プレート10に対して前進させ、可塑化した溶融樹脂を加熱バレル34の射出ノズル34aから金型キャビティ内へ射出させるよう構成されている(射出制御)。ここで、射出制御は、スクリュ30を所定の射出速度で前進させる射出速度制御と、金型キャビティ内が溶融樹脂で満たされたタイミング又は位置(VP切換点)において、所定の射出圧力で制御前進限位置までのスクリュ30の前進動作を維持させる射出圧力制御及び保圧制御との多段階で実行される。なお、1成形サイクルにおいて実行されるこれら可塑化制御、計量制御、射出速度制御、射出圧力制御及び保圧制御は、いずれも公知であるため、その詳細な説明を省略する。
さらに、制御部は、計量制御の完了時からスクリュ移動制御の開始時までの間における貯留部36内の樹脂圧の変位を圧力検知手段により計測し、該変位が所定値(閾値)を超えた際にバックフロー過大信号を出力するよう構成されている。具体的には、本実施形態に係る制御部は、計量制御の完了時における貯留部36内の第1樹脂圧P1を圧力検知手段により計測する第1樹脂圧計測処理と、スクリュ移動制御の開始時における貯留部36内の第2樹脂圧P2を圧力検知手段により計測する第2樹脂圧計測処理と、これら第1樹脂圧P1と第2樹脂圧P2との差圧P3を算出する差圧算出処理と、該差圧P3が所定の閾値P4を超えるか否かを判定する判定処理と、該差圧P3が所定の閾値P4を超えた際に、バックフロー過大信号を出力してエラー報知を行う信号出力処理とを実行するよう構成されている。なお、エラー報知の態様としては、操作画面上にエラーを表示する態様が挙げられるが、これに限定されず、警報手段による聴覚的な報知や、ランプ等の点灯による視覚的な報知の態様等の種々の報知手段を採用することが可能である。また、閾値P4は、実験や実測等に基づいて設定されても良いし、計算式等により算出された値に基づいて設定されても良い。
また、制御部は、上述した1回の成形サイクル内におけるバックフローの検知制御だけではなく、図2に示すように、1成形サイクル毎又は複数の成形サイクル毎に、貯留部36内の樹脂圧の変位(差圧P3)を計測して記憶(プロット)し、この複数の変位(差圧P3)の変位率(上昇率)を算出することで、変位(差圧P3)の将来推移を予測する予測制御を実行するよう構成されている。
さらに、制御部は、図2に示すように、予測制御により予測した将来推移と、予め定めた交換設定値(図2の閾値P5,P6)とに基づいて、貯留部36内の樹脂圧の変位(差圧P3)が交換設定値P5,P6に到達するまでの成形サイクル数を算出し、操作画面等で告知(アナウンス)するよう構成されている。本実施形態に係る制御部では、告知(アナウンス)を行う交換設定値P5,P6として、交換が必須となる前の警告を行う時期(予測警告サイクル)を意味する警告レベル値P5と、交換が必須となる時期(予測交換サイクル)を意味する交換レベル値P6との2種類が設定され、2段階の告知を行っているが、これに限定されず、1種類のみの交換設定値が設定されても良いし、3種類以上の交換設定値が設定されても良い。また、図2では、図を簡単にするために、複数の変位(差圧P3)の実際の推移及びこれに基づく将来推移を一次直線で図示しているが、これに限定されず、二次曲線や、過渡応答時のような過渡曲線(ある値に収束する曲線)である場合もある。
[バックフロー検知方法]
次に、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1におけるバックフロー検知方法について、図3及び図4を用いて説明する。
本実施形態に係るバックフロー検知方法では、まず、貯留部36に所定量の溶融樹脂が貯留されるまで、スクリュ30を回転させながら後退させる(計量工程、S1)。次いで、計量制御が完了した時点、すなわち、スクリュ30の回転及び後退が停止した時点(回転停止時T1)における貯留部36内の第1樹脂圧P1を圧力検知手段により計測し、記録する(第1樹脂圧計測工程、S2)。
次いで、サックバック工程が行われる場合にはスクリュ30を後退させ、サックバック工程が行われずに射出工程が行われる場合にはスクリュ30を前進させる。また、このスクリュの移動(スクリュ移動工程)が開始された時点(移動開始時T2)における貯留部36内の第2樹脂圧P2を圧力検知手段により計測し、記録する(第2樹脂圧計測工程、S3)。
そして、スクリュ30の移動制御と並行して、回転停止時T1における第1樹脂圧P1と、移動開始時T2における第2樹脂圧P2との差圧P3を算出し(差圧算出工程、S4)、該差圧P3が所定の閾値P4を超えるか否かを判定する(判定工程、S5)。
そして、この判定工程により差圧P3が所定の閾値P4を超えると判定された場合には、制御部からバックフロー過大信号が出力され、上述した適宜の方法でエラーの報知が行われる(報知工程、S6)。なお、この場合において、エラー報知のみが行われ、スクリュ30の移動制御(サックバック制御や射出制御)が継続されるとしても良いし、エラー報知と共にスクリュ30の移動制御が停止されるとしても良い。
一方、判定工程により差圧P3が所定の閾値P4を超えないと判定された場合には、バックフローが生じていないか又は許容範囲であるため、バックフローに関するエラーの報知がなされることなく、スクリュ30の移動制御(サックバック制御や射出制御)が継続される。
以上の工程により、1成形サイクル内において、バックフローが発生したか否かを検出することができる。特に、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中に生じるバックフローが、射出工程中や保圧工程中に生じるバックフローよりも量が多い場合、射出工程中や保圧工程中にバックフローを検出する従来の方法では検出することが難しいバックフローを検出することが可能となる。
また、本実施形態に係るバックフロー検知方法では、逆流防止弁32等の消耗部品を交換する時期を予測する交換時期予測工程が実行される。具体的には、上述した工程により1成形サイクルにおける差圧P3を記録し、これを1成形サイクル毎又は複数の成形サイクル毎に繰り返し実行することで、複数の成形サイクルにおける差圧P3を蓄積する(記録工程、S10)。次いで、蓄積した複数の成形サイクルにおける差圧P3から、差圧P3の増加傾向(変位率、上昇率)を算出し(S11)、該増加傾向に基づいて、次回以降の成形サイクルにおける差圧P3の推移(将来推移)を予測する(予測工程、S12)。
そして、予測制御により予測した将来推移と、予め定めた交換設定値(図2の閾値P5,P6)とに基づいて、差圧P3が警告レベル値P5に到達するまでの成形サイクル数を算出し、操作画面等で告知(アナウンス)する(S13)。また、同様にして、差圧P3が交換レベル値P6に到達するまでの成形サイクル数を算出し、操作画面等で告知(アナウンス)する(交換時期予測工程、S14)。これにより、逆流防止弁32等の消耗部品の交換時期の予測を前もって作業者等に知らせることが可能となる。
以上説明したとおり、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1では、制御部が、計量制御の完了時からスクリュ移動制御の開始時までの間における貯留部36内の樹脂圧の変位(差圧P3)を監視する監視制御を実行可能に構成されている。特に、スクリュ式射出装置1では、この樹脂圧の変位(差圧P3)が所定値を超えた際にバックフロー過大信号を出力するよう構成されている。このように構成されたスクリュ式射出装置1によれば、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中におけるバックフローを検知することが可能となる。特に、この待機中に生じるバックフローが、射出工程中や保圧工程中に生じるバックフローよりも量が多い場合、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1によれば、射出工程中や保圧工程中にバックフローを検出する従来の方法では検出することが難しいバックフローを検出することが可能となる。
また、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1では、制御部が、1又は複数の成形サイクル毎に貯留部36内の樹脂圧の変位(差圧P3)を計測可能で、かつ、計測された複数の変位(差圧P3)に基づいて、該変位(差圧P3)の将来推移を予測可能に構成されているため、例えば上述したとおり、逆流防止弁32等の消耗部品の交換時期の予測をすることが可能となる。
[第2実施形態に係るスクリュ式射出装置]
次に、第2実施形態に係るスクリュ式射出装置1’について、図5を用いて説明する。第2実施形態に係るスクリュ式射出装置1’は、射出モータによりスクリュを進退させる電動式射出装置であり、射出モータのトルクを計測することにより、貯留部36’に貯留される溶融樹脂の圧力(樹脂圧)を間接的に検知可能に構成されている。すなわち、貯留部36’に貯留された溶融樹脂からの反力によりスクリュ30’に付与される荷重と、これに伴い増加する射出モータのトルクとは相関があるため、第2実施形態に係るスクリュ式射出装置1’では、当該相関に基づいて、貯留部36’に貯留される溶融樹脂の圧力(樹脂圧)を検知するよう構成されている。
以下、第2実施形態に係るスクリュ式射出装置1’において、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1と共通する構成については、その詳細な説明を省略する。また、第2実施形態に係るスクリュ式射出装置1’におけるバックフロー検知方法は、射出モータのトルクを計測することで貯留部36’内の樹脂圧の変位を計測する点を除き、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1におけるバックフロー検知方法と同様であるため、その説明を省略する。
第2実施形態に係るスクリュ式射出装置1’は、図5に示すように、固定プレート10’及び移動プレート20’を備える2プレート方式のインラインスクリュ式射出装置であり、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1と同様に、フライト30a’及び逆流防止弁32’を有するスクリュ30’と、射出ノズル34a’、材料供給孔及び加熱手段を有する加熱バレル34’と、射出モータ、一対のボールねじ機構41’、駆動プーリ、従動プーリ46’及びプーリベルト48’を有する射出駆動機構40’と、可塑化モータ、駆動プーリ、従動プーリ50’及びプーリベルトを有する計量駆動機構と、射出駆動機構40’及び計量駆動機構を制御する制御部とを備えている。
移動プレート20’には、図5に示すように、ベアリングを介して駆動軸24’が貫通して設けられており、駆動軸24’の前方側の端部にスクリュ30’の後端部が相対回転不能かつ着脱可能に連結され、後方側の端部に従動プーリ50’が取り付けられている。
射出駆動機構40’の一対のボールねじ機構41’は、移動プレート20’に埋設されたボールねじナット42’と、前方側の端部がベアリングを介して固定プレート10’に連結され、他方側の端部近傍がボールねじナット42’に螺合されたボールねじ軸44’とを備えている。射出モータは、固定プレートに取り付けられており、その出力軸に駆動プーリが取り付けられている。
制御部は、貯留部36’内の樹脂圧の変位をロードセル等の圧力センサで直接的に計測するのではなく、射出モータのトルクを計測することにより、貯留部36’内の樹脂圧の変位を間接的に計測するよう構成されている。それ以外の制御については、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1の制御部における制御と同様であるため、その説明を省略する。
以上の構成を有する第2実施形態に係るスクリュ式射出装置1’においても、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1と同様に、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中におけるバックフローを検知することが可能となる。また、同様に、樹脂圧の変位(差圧P3)の将来推移を予測可能であり、これにより、例えば逆流防止弁32’等の消耗部品の交換時期の予測をすることが可能となる。
[第3実施形態に係るスクリュ式射出装置]
次に、第3実施形態に係るスクリュ式射出装置1’’について、図6を用いて説明する。第3実施形態に係るスクリュ式射出装置1’’は、油圧によりスクリュを進退させる油圧式射出装置であり、射出用油圧シリンダ60の油圧を計測することにより、貯留部36’’に貯留される溶融樹脂の圧力(樹脂圧)を間接的に検知可能に構成されている。すなわち、貯留部36’’に貯留された溶融樹脂からの反力によりスクリュ30’’に付与される荷重と、これに伴い増加する射出用油圧シリンダ60の油圧とは相関があるため、第3実施形態に係るスクリュ式射出装置1’’では、当該相関に基づいて、貯留部36’’に貯留される溶融樹脂の圧力(樹脂圧)を検知するよう構成されている。
以下、第3実施形態に係るスクリュ式射出装置1’’において、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1と共通する構成については、その詳細な説明を省略する。また、第3実施形態に係るスクリュ式射出装置1’’におけるバックフロー検知方法は、射出用油圧シリンダ60の油圧を計測することで貯留部36’’内の樹脂圧の変位を計測する点を除き、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1におけるバックフロー検知方法と同様であるため、その説明を省略する。
第3実施形態に係るスクリュ式射出装置1’’は、図6に示すように、ベース部(図示せず)に固定的に立設された射出用油圧シリンダ60と、射出用油圧シリンダ60に対して進退可能に設けられた移動プレート20’’と、軸を中心として回転可能な状態で移動プレート20’’に支持されたスクリュ30’’と、射出用油圧シリンダ60に固定された加熱バレル34’’と、射出用油圧シリンダ60を駆動する油圧回路(射出駆動機構)40’’と、スクリュ30’’を回転させるサーボモータ等の計量モータ52’’と、油圧回路40’’及び計量モータ52’’を制御する制御部(図示せず)とを備えている。スクリュ30’’は、フライト30a’’及び逆流防止弁32’’を有しており、加熱バレル34’’は、射出ノズル34a’’、材料供給孔及び加熱手段を有している。
射出用油圧シリンダ60は、図6に示すように、一対の油室を有するブロック状部材であり、油室毎に、各油室をロッド側油室60a及びヘッド側油室60bに仕切ると共に、油室内を前進又は後退するピストン62と、ピストン62からロッド側油室60a側に向けて伸びるシリンダロッド(動力伝達軸)64とを有している。一対のシリンダロッド64の先端部は、移動プレート20’’に連結されており、油圧回路40’’からの油圧により一対のピストン62を前進又は後退させることで、移動プレート20’’及びこれに連結されるスクリュ30’’を射出用油圧シリンダ60に対して進退させるよう構成されている。
油圧回路40’’は、所望の流量及び圧力の作動油を供給可能に構成された油圧供給源41’’と、スクリュ30’’の前進と後退を切り替える射出前後進切替弁42’’と、各ロッド側油室60aに送り込む作動油の流量を微調整するサーボ弁43’’と、各ロッド側油室60aの油圧を検知可能に構成された油圧検知手段(圧力センサ)44’’と、各ロッド側油室60a及び各ヘッド側油室60bから排出された作動油を受け入れる第1のオイルタンク45’’と、各ロッド側油室60aから排出された作動油を受け入れる第2のオイルタンク46’’とを備えている。なお、油圧検知手段44’’としては、計量制御時における背圧及び射出制御時における射出圧を検知可能な既存の圧力センサを流用することが可能である。
油圧供給源41’’は、電気モータにより回転する油圧ポンプや流量調整弁及び圧力調整弁等から構成されている。射出前後進切替弁42’’は、油圧供給源41’’と各ロッド側油室60a及び各ヘッド側油室60bとの間に配された方向切換弁であり、ポートを切り替えることによりスクリュ30’’の前進と後退を切り替えるよう構成されている。サーボ弁43’’は、射出前後進切替弁42’’と各ロッド側油室60aとの間に配されており、各ロッド側油室60aに送り込む作動油の流量を微調整することにより、スクリュ30’’の前進速度(射出充填速度)及び圧力を微調整可能に構成されている。また、サーボ弁43’’は、第2のオイルタンク46’’とも回路接続されており、計量工程において、各ロッド側油室60aから第2のオイルタンク46’’に流出する作動油の流量を調整することで、スクリュ30’’が後退する際の抵抗(背圧)を制御可能に構成されている。
以上の構成を有する油圧回路40’’は、油圧供給源41’’から各ロッド側油室60aに対して作動油を供給することで、一対のピストン62を前進させ、これにより、移動プレート20’’及びこれに連結されるスクリュ30’’を射出用油圧シリンダ60に対して前進させるよう構成されている。また、油圧回路40’’は、油圧供給源41’’から各ヘッド側油室60bに対して作動油を供給するか、又は、各ヘッド側油室60bから作動油を排出させることで、一対のピストン62を後退させ、これにより、移動プレート20’’及びこれに連結されるスクリュ30’’を射出用油圧シリンダ60に対して後退させるよう構成されている。
制御部は、貯留部36’’内の樹脂圧の変位をロードセル等の圧力センサで直接的に計測するのではなく、油圧検知手段44’’によって各ロッド側油室60aの油圧を計測することにより、貯留部36’’内の樹脂圧の変位を間接的に計測するよう構成されている。それ以外の制御については、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1の制御部における制御と同様であるため、その説明を省略する。
以上の構成を有する第3実施形態に係るスクリュ式射出装置1’’においても、第1実施形態に係るスクリュ式射出装置1と同様に、計量工程が完了してから射出工程に移行するまでの待機中におけるバックフローを検知することが可能となる。また、同様に、樹脂圧の変位(差圧P3)の将来推移を予測可能であり、これにより、例えば逆流防止弁32’’等の消耗部品の交換時期の予測をすることが可能となる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上記各実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
例えば、上述した第1〜第3実施形態に係るスクリュ式射出装置の構成に限定されず、軸を中心として回転可能かつ軸方向に沿って進退可能なスクリュと、該スクリュに設けられた逆流防止弁とを備え、該スクリュの回転動作により該逆流防止弁よりも先端側の貯留部に樹脂材料を搬送可能で、かつ、該スクリュの前進動作により該貯留部に貯留された樹脂材料を射出可能に構成されたスクリュ式射出装置であれば、種々のスクリュ式射出装置を採用することが可能である。
上述した第1〜第3実施形態では、制御部が、計量制御の完了時における貯留部内の第1樹脂圧と、スクリュ移動制御の開始時における貯留部内の第2樹脂圧との差圧が所定の閾値を超えた際に、バックフロー過大信号を出力するよう構成されるものとして説明したが、これに限定されず、計量制御の完了時からスクリュ移動制御の開始時までの間における貯留部内の樹脂圧の変位を監視する監視制御を実行可能であれば良い。例えば、計量制御の完了からスクリュ移動制御の開始までの間における任意の2時点における差圧を閾値と比較する態様としても良い。また、例えば、計量制御の完了からスクリュ移動制御の開始までの間における樹脂圧の推移をリアルタイムで監視しながら、該樹脂圧の実際の推移波形と予め定められた理想波形とを比較し、これら実際の推移波形と理想波形との差が所定の閾値以上となった際にバックフロー過大信号を出力する態様や、リアルタイムで監視している樹脂圧が所定の閾値以下となった際にバックフロー過大信号を出力する態様としても良い。
上述した第1〜第3実施形態では、監視制御により監視した樹脂圧の変位に基づいて、制御部が、バックフロー過大信号を出力したり、該変位の将来推移を予測して交換時期を告知したりするものとして説明したが、これに限定されず、監視制御により監視した樹脂圧の変位データは、種々の制御及び目的に利用することが可能である。
上述した第1〜第3実施形態では、スクリュが加熱バレルに収容されるものとして説明したが、これに限定されず、例えば、スクリュ式射出装置が取り付けられる金型等にホットランナを設け、該ホットランナにスクリュを直接収容させる構成としても良い。
上述した第1及び第2実施形態では、射出駆動機構及び計量駆動機構として、駆動プーリ、従動プーリ及びプーリベルトを備えるベルト式伝達機構を例示したが、これに限定されず、種々の回転伝達機構を採用することが可能である。例えば、歯車及びチェーンで構成されるチェーン式伝達機構を採用としても良いし、歯車のみで構成されるギア式伝達機構を採用しても良い。
上記のような変形例が本発明の範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
1,1',1'' スクリュ式射出装置、30,30',30'' ,スクリュ、32,32',32'' 逆流防止弁、36,36',36'' 貯留部、60 射出用油圧シリンダ

Claims (8)

  1. 軸を中心として回転可能かつ軸方向に沿って進退可能なスクリュと、該スクリュに設けられた逆流防止弁とを備え、該スクリュの回転動作により該逆流防止弁よりも先端側の貯留部に樹脂材料を搬送可能で、かつ、該スクリュの前進動作により該貯留部に貯留された樹脂材料を射出可能に構成されたスクリュ式射出装置であって、
    前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留されるまで、前記スクリュを回転させながら後退させ、前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留された後に前記スクリュの回転及び移動を停止させる計量制御と、該回転及び移動を停止している状態から前記スクリュを前進させる射出制御又は後退させるサックバック制御とを実行可能な制御部を更に備え、
    前記制御部は、前記計量制御の完了時から前記射出制御又は前記サックバック制御の開始時までの、前記スクリュの回転及び移動が停止している間における前記貯留部内の樹脂圧の変位を計測し、該変位が所定値を超えた際にバックフロー過大信号を出力するよう構成されている
    ことを特徴とするスクリュ式射出装置。
  2. 前記制御部は、前記計量制御の完了時における前記貯留部内の第1樹脂圧と、前記射出制御又は前記サックバック制御の開始時における前記貯留部内の第2樹脂圧との差圧が所定の閾値を超えた際に、前記バックフロー過大信号を出力するよう構成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のスクリュ式射出装置。
  3. 前記制御部は、1又は複数の成形サイクル毎に前記貯留部内の樹脂圧の前記変位を計測可能で、かつ、計測された複数の前記変位に基づいて、該変位の将来推移を予測可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のスクリュ式射出装置。
  4. 前記制御部は、予測した前記将来推移と、予め定めた交換設定値とに基づいて、前記貯留部内の樹脂圧の前記変位が前記交換設定値に到達するまでの成形サイクル数を算出可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項に記載のスクリュ式射出装置。
  5. 軸を中心として回転可能かつ軸方向に沿って進退可能なスクリュと、該スクリュに設けられた逆流防止弁とを備え、該スクリュの回転動作により該逆流防止弁よりも先端側の貯留部に樹脂材料を搬送可能で、かつ、該スクリュの前進動作により該貯留部に貯留された樹脂材料を射出可能に構成されたスクリュ式射出装置におけるバックフロー検知方法であって、
    前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留されるまで、前記スクリュを回転させながら後退させ、前記貯留部に所定量の前記樹脂材料が貯留された後に前記スクリュの回転及び移動を停止させる計量工程と、
    該回転及び移動を停止している状態から前記スクリュを前進させる射出工程又は後退させるサックバック工程と、
    前記計量工程の完了時から前記射出工程又は前記サックバック工程の開始時までの、前記スクリュの回転及び移動が停止している間における前記貯留部内の樹脂圧の変位を計測する樹脂圧変位監視工程と、
    前記変位が所定値を超えた際にバックフロー過大信号を出力するバックフロー過大信号出力工程と
    を備えることを特徴とするバックフロー検知方法。
  6. 前記樹脂圧変位監視工程は、前記計量工程の完了時における前記貯留部内の第1樹脂圧と、前記射出工程又は前記サックバック工程の開始時における前記貯留部内の第2樹脂圧との差圧を算出する工程であり、
    前記バックフロー過大信号出力工程は、前記樹脂圧変位監視工程により算出された前記差圧が所定の閾値を超えた際に、前記バックフロー過大信号を出力する工程である
    ことを特徴とする請求項に記載のバックフロー検知方法。
  7. 1又は複数の成形サイクル毎に前記貯留部内の樹脂圧の前記変位を計測して記録する記録工程と、
    前記計測された複数の前記変位に基づいて、該変位の将来推移を予測する予測工程と
    を更に備えることを特徴とする請求項5又は6に記載のバックフロー検知方法。
  8. 前記予測工程により予測した前記将来推移と、予め定めた交換設定値とに基づいて、前記貯留部内の樹脂圧の前記変位が前記交換設定値に到達するまでの成形サイクル数を算出する交換時期予測工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項に記載のバックフロー検知方法。
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