本発明は、1又は2以上のキナーゼ、さらに詳細にはMNKを阻害することができる縮合ピロロピリミジン化合物に関する。
「アルキル」は、本明細書では直鎖状又は分岐状アルキルラジカルであり、好ましくはC1−20アルキル、より好ましくはC1−12アルキルであり、さらにより好ましくはC1−10アルキル又はC1−6アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルと定義される。
「シクロアルキル」は、本明細書では単環式アルキル環であり、好ましくはC3−7−シクロアルキル、より好ましくはC3−6−シクロアルキルであると定義される。好ましい例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル若しくはシクロヘプチル、又はノルボルナンなどの縮合二環式環系が挙げられる。
「ハロゲン」は、本明細書ではクロロ、フルオロ、ブロモ又はヨードと定義される。
本明細書では、用語「アリール」は、ベンゾ縮合されていてもよいC6−12芳香族基であり、例えばフェニル又はナフチルである。
「ヘテロアリール」は、本明細書では酸素、窒素又は硫黄など(同じでも異なってもよい)1又は2以上のヘテロ原子を含む単環式又は二環式C2−12芳香族環と定義される。適当なヘテロアリール基の例としては、チエニル、フラニル、ピロリル、ピリジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、トリアゾリル、チアジアゾリルなど、及びそれらのベンゾ誘導体、具体的にはベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、インドリル、イソインドリル、インダゾリルなど;又はピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニルなど、及びそれらのベンゾ誘導体、具体的にはキノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ナフチリジニルなどが挙げられる。
「ヘテロシクロアルキル」は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1又は2以上のヘテロ原子を含有する単環式又は二環式脂肪族基を指し、環において1若しくは2以上の−(CO)−基が挟まれていてもよく、かつ/又は環において1若しくは2以上の二重結合が含まれていてもよい。好ましくは、ヘテロシクロアルキル基はC3−7ヘテロシクロアルキル、より好ましくはC3−6ヘテロシクロアルキルである。あるいは、ヘテロシクロアルキル基はC4−7ヘテロシクロアルキル、より好ましくはC4−6ヘテロシクロアルキルである。好ましいヘテロシクロアルキル基としては、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルが挙げられるが、これらに限定されない。
好ましい一実施形態において、R12はそれぞれ独立して、OH、アルコキシ、ハロアルキル、NH2、NHR10、NR10R11、及びヘテロシクロアルキルから選択され、前記ヘテロシクロアルキルは、1又は2以上のR10基によってさらに置換されていてもよい。
好ましい一実施形態において、
Z1、Z2、Z3及びZ4はすべてCであり、
R4、R5、R6及びR7はそれぞれ独立して、H、アルキル、アルコキシ、及びハロゲンから選択される。
好ましい一実施形態において、
Z1、Z2、Z3及びZ4はすべてCであり、
R4、R5、R6及びR7はすべてHであり、又は
R4、R6及びR7はすべてHであり、R5はハロゲンである。
好ましい一実施形態において、Z1、Z2、Z3及びZ4はすべてCであり、R4、R6及びR7はすべてHであり、R5はフルオロである。
好ましい一実施形態において、
Z1はNであり、Z2、Z3及びZ4はすべてCであり、
R4は存在せず、R5、R6及びR7はすべてH又はハロゲンである。
好ましい一実施形態において、R3は、アルキル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルから選択され、これらのそれぞれは、フルオロ、OH及びメトキシから選択される1又は2以上の基によって置換されていてもよいことがある。
好ましい一実施形態において、R3はアルキル、より好ましくはイソプロピルである。
極めて好ましい一実施形態において、Z1、Z2、Z3及びZ4はすべてCであり、R4、R6及びR7はすべてHであり、R5はフルオロであり、R3はイソプロピルである。
極めて好ましい一実施形態において、R1はHである。
好ましい一実施形態において、R1はCO−NR8R9であり、R8及びR9はそれぞれ独立して、H、アルキル、シクロアルキル及び単環式又は二環式ヘテロシクロアルキルから選択され、前記アルキル基は、1又は2以上のR12基によって置換されていてもよく、前記ヘテロシクロアルキルは、R10及びR12から選択される1又は2以上の基によって置換されていてもよい。
より好ましい実施形態において、R1はCO−NR8R9であり、R8及びR9の一方はHであり、他方は、NR10R11及びヘテロシクロアルキルから選択される1又は2以上の基によって置換されていてもよいアルキルであり、前記ヘテロシクロアルキルは、1又は2以上のR10基によって置換されていてもよい。好ましくは、ヘテロシクロアルキルはピペリジニル又はピペラジニルであり、これらのそれぞれは、1又は2以上のR10基によって置換されていてもよい。
極めて好ましい一実施形態において、R1はCO−NR8R9であり、R8及びR9の一方はHであり、他方は、NMe2によって置換されていてもよいアルキルである。
好ましい一実施形態において、R2はH及びアルキルから選択され、前記アルキルは、OH及びアルコキシから選択される1又は2以上の基によって置換されていてもよい。
より好ましい実施形態において、R2は、H、メチル、エチル、イソプロピル、ヒドロキシエチル及びメトキシエチルから選択される。
より好ましい実施形態において、R13はH又はCl、より好ましくはHである。
一実施形態において、本発明の化合物は、以下
及びそれらの薬学的に許容される塩から選択される。
治療的適用
本発明の別の態様は、医薬品における使用のための上記化合物に関する。
本発明の別の態様は、増殖性障害を治療する際に使用するための上記化合物に関する。
好ましい一態様において、本発明の化合物は、制御されない細胞増殖(growth)、増殖(proliferation)及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫反応、又は不適切な細胞性炎症反応の疾患の治療における使用のためのものであり、特に、制御されない細胞増殖(growth)、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫反応、又は不適切な細胞性炎症反応は、MKNK−1経路によって媒介される。
好ましい一実施形態において、制御されない細胞増殖(growth)、増殖及び/若しくは生存、不適切な細胞性免疫反応、又は不適切な細胞性炎症反応の疾患は、血液腫瘍、固形腫瘍及び/又はその転移である。
より好ましくは、化合物は、白血病及び骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、脳腫瘍及び脳転移を含む頭頸部腫瘍、非小細胞及び小細胞肺腫瘍を含む胸郭腫瘍、胃腸腫瘍、内分泌腫瘍、乳房及び他の婦人科腫瘍、腎、膀胱及び前立腺腫瘍を含む泌尿器系腫瘍、皮膚腫瘍、及び肉腫、並びに/又はそれらの転移から選択される障害を治療する際に使用するためのものである。
MNKは、eIF4Eをリン酸化することが知られている唯一のキナーゼであるので、MNKの阻害によりeIF4Eリン酸化を阻害することは、これらの経路に悪影響を及ぼし、したがってがんの進行及び転移に干渉するものと期待される。驚くべきことに、MNK1/2ダブルKOマウスは明確な表現型を示さない。これは、eIF4Eの中心的役割を考えれば予想外のことである。それにもかかわらず、キナーゼ不活性型MNK1ではなく、常時活性型MNK1の過剰発現が、マウス胚性線維芽細胞における腫瘍形成を促進することが明らかになったので、Serin 209におけるeIF4EのMNKリン酸化はeIF4Eの発がん活性にとって重要であると考えらている(Chrestensen, C. A., et al. (2007). "Loss of MNK function sensitizes fibroblasts to serum-withdrawal induced apoptosis." Genes Cells 12(10): 1133-1140)。キナーゼデッド型ではなく、常時活性型MNK1が、造血幹細胞でEμ−Mycトランスジェニックモデルにおける腫瘍増殖(growth)を助長することも明らかにされた。逆に、PTENの損失によって誘導されるリンパ腫モデルにおいて、MNKの欠損(ダブルKO)が、腫瘍の発生を遅延させることが明らかにされた(Ueda, T., et al. (2010). "Combined deficiency for MAP kinase-interacting kinase 1 and 2 (Mnk1 and Mnk2) delays tumor development." Proc Natl Acad Sci U S A 107(32): 13984-13990)。これは、eIF4Eの変異型を使用して得られる結果と一致している。eIF4E S209Dは、eIF4Eのリン酸化されたものによく似ているが、eIF4E S209Aは、リン酸化され得ない。S209A変異体を発現する細胞で再構成されたマウスは、腫瘍形成を促進する点で不完全であった。対照的に、リン酸化模倣S209D変異体を発現する細胞で再構成されたマウスは、腫瘍発症の促進した(Wendel, H. G., et al. (2007). "Dissecting eIF4E action in tumorigenesis." Genes Dev 21(24): 3232-3237)。
抗真菌剤セルコスポラミドを使用してMNKを薬理学的に阻害することによって、正常マウス組織及び異種移植腫瘍において、経口投与後30分以内にeIF4Eリン酸化が効率的に遮断され、HCT116異種移植モデルにおいて腫瘍の増殖を低減され、B16メラノーマの肺への転移の広がりが抑制されることが明らかになった。まとめると、これらのデータは、Mnk機能及びeIF4Eリン酸化を遮断することが魅力的な抗がん戦略となり得るという考えを実証するものである(Konicek, B. W., et al. (2011). "Therapeutic inhibition of MAP kinase interacting kinase blocks eukaryotic initiation factor 4E phosphorylation and suppresses outgrowth of experimental lung metastases." Cancer Res 71(5): 1849-1857)。この考えは、白血病細胞モデルにおいてより特異的なMNK阻害化合物を使用することによってさらに裏付けられ、MNK阻害剤には、抗増殖効果があることも明らかにされた(Teo, T., et al. (2015). "Pharmacologic Inhibition of MNKs in Acute Myeloid Leukemia." Mol Pharmacol 88(2): 380-389、Teo, T., et al. (2015). "Pharmacologic co-inhibition of Mnks and mTORC1 synergistically suppresses proliferation and perturbs cell cycle progression in blast crisis-chronic myeloid leukemia cells." Cancer Lett 357(2): 612-623)。
がんに加えて、MNKは、抗炎症治療に対する有望な標的である。MNKは、TNF産生を転写後レベルで調節することに関与していることが明らかになった。TNF発現は、そのmRNAの3’UTRにおけるAUリッチ領域を介して調節される。MNK阻害又はMNK1のノックダウンはジャーカット細胞におけるTNF産生を阻害することが明らかになった。一方TNFの3’UTRの過剰発現によって、レポーター構築物の発現も増強されることがわかった(Buxade, M., et al. (2005). "The Mnks are novel components in the control of TNF alpha biosynthesis and phosphorylate and regulate hnRNP A1." Immunity 23(2): 177-189)。様々なTLRアゴニストによるマクロファージ細胞株RAW264.7の刺激において、MNK阻害剤の存在下では、LPS又はCpG DNAで刺激しても、TNFの産生が減少した。また、これは、TNF mRNA分解機構における増進と相関していた(Rowlett, R. M., et al. (2008). "MNK kinases regulate multiple TLR pathways and innate proinflammatory cytokines in macrophages." Am J Physiol Gastrointest Liver Physiol 294(2): G452-459)。クローン病様回腸炎の自然発症マウスモデルから単離されたBMDMにおいて、MNK阻害剤で処置すると、TNF及びIL−6の産生が阻害された。単球系細胞株THP−1の研究において、志賀毒素によって誘導されるIL−1β及びIL−8の放出が、MNK阻害剤CGP57380によって73〜96%遮断されることが示された(Cherla, R. P., et al. (2006). "Shiga toxin 1-induced cytokine production is mediated by MAP kinase pathways and translation initiation factor eIF4E in the macrophage-like THP-1 cell line." J Leukoc Biol 79(2): 397-407)。好中球では、MNKがLPS及びTNF刺激に応答した好中球の活性化においてある役割を果たすことが明らかになった。MNK阻害は、好中球によるサイトカイン産生に影響を及ぼすだけでなく、TNF及びLPSの好中球への抗アポトーシス効果を阻害した。
別の研究では、MNK阻害剤CGP57380の存在下でケラチノサイトにおいてIL−1β及びIL−6の発現の低減と共TNF産生が減少することが示された。このことにより、MNKが炎症性皮膚疾患における炎症促進性サイトカイン発現を調節することに関与していることが明らかになった(Kjellerup, R. B., et al. (2008). "Pro-inflammatory cytokine release in keratinocytes is mediated through the MAPK signal-integrating kinases." Exp Dermatol 17(6): 498-504)。インターロイキン17は、TNF及びIL−1βと相乗的に作用する炎症促進性サイトカインである。MNK阻害剤の存在下でTh17条件下に活性化されたマウスCD4 T細胞において、eIF−4Eリン酸化の遮断が検出され、結果としてIL−17 mRNAに影響を及ぼすことなくIL−17産生が減少した(Noubade, R., et al. (2011). "Activation of p38 MAPK in CD4 T cells controls IL-17 production and autoimmune encephalomyelitis." Blood 118(12): 3290-3300)。RANTESはT細胞の最終分化に関与するケモカインであるが、その主要な転写制御因子RFLAT1を介してMNKによって間接的に調節されることがわかった。MNKの阻害によって、RFLAT1産生が減少することが示された(Nikolcheva, T., et al. (2002). "A translational rheostat for RFLAT-1 regulates RANTES expression in T lymphocytes." J Clin Invest 110(1): 119-126)。
本発明の別の態様は、神経変性障害、より好ましくはタウオパチーを治療する際に使用するための上記化合物に関する。
タウオパチーは、ヒト脳におけるタウタンパク質の病的凝集を伴う神経変性疾患の一群である。これらの疾患のうち最もよく知られているのはアルツハイマー病(AD)であり、タウタンパク質が神経原線維濃縮体(NFT)の形でニューロン内に沈着している。濃縮体(tangles)は、タウと呼ばれる微小管結合タンパク質を過剰リン酸化により不溶性の形で凝集させることによって形成される。このような過剰リン酸化したタウタンパク質の凝集体は、PHF又は「対らせん状細線維」と呼ばれることもある。
本発明の好ましい一実施形態において、タウオパチーはアルツハイマー病である。
別の態様は、神経変性障害の治療薬又は予防薬の調製における上記化合物の使用に関する。好ましくは、神経変性障害はアルツハイマー病である。
別の態様は、増殖性障害、好ましくはがん又は白血病の治療薬又は予防薬の調製における上記化合物の使用に関する。
好ましくは、1又は2以上のキナーゼ、好ましくはMNK1及び/又はMNK2を阻害するのに十分な量の化合物が投与される。
好ましい一実施形態において、MNK1を阻害する量の化合物が投与される。
好ましい一実施形態において、MNK2を阻害する量の化合物が投与される。
もう1つの態様は、生物学的標的に対する何らかの活性異常によって起こる、それと関連がある、又はそれを伴う障害の予防薬又は治療薬の調製における本発明の化合物の使用であって、標的がキナーゼ、より好ましくはMNKである使用に関する。
本発明の別の態様は、タンパク質キナーゼに関連した疾患又は障害を治療する方法に関する。本発明のこの態様による方法は、上述したように、それを必要とする対象に、治療有効量の本発明の化合物を投与することによって達成される。これの化合物は、そのまま又はより好ましくは例えば薬学的に許容される担体と混合された医薬組成物の一部分として投与される。
本発明のもう1つの態様は、タンパク質キナーゼの阻害によって軽減される病状を有する哺乳動物を治療する方法であって、哺乳動物に治療有効量の本発明による化合物を投与することを含む方法に関する。
好ましくは、病状は、タンパク質キナーゼMNKの阻害によって軽減される。
好ましくは、哺乳動物はヒトである。
用語「方法」は、所与の課題を達成するための様式、手段、技術及び手順を指し、化学、薬理学、生物学、生化学及び医学技術の専門家に公知の様式、手段、技法及び手順、又は化学、薬理学、生物学、生化学及び医学技術の専門家によって容易に展開される公知の様式、手段、技法及び手順から容易に展開される様式、手段、技術及び手順を含むが、これらに限定されない。
本明細書において用語「投与すること」は、本発明の化合物とタンパク質キナーゼを、化合物がタンパク質キナーゼの酵素活性に影響を及ぼすことができるような様式で一緒にする方法を指し、タンパク質キナーゼ自体と相互作用することによって直接的に、又はタンパク質キナーゼの触媒活性が依存している別の分子と相互作用することによって間接的に影響を及ぼすことを示す。本明細書において、投与は、インビトロで、すなわち試験管中で、又はインビボで、すなわち生体の細胞又は組織内で行うことができる。
本明細書において、用語「治療すること」は、疾患若しくは障害の進行を抑止する、実質的に阻害する、遅らせる又は回復させること、疾患若しくは障害の臨床症状を実質的に改善すること、或いは疾患若しくは障害の臨床症状の出現を実質的に予防することを包含する。
本明細書において、用語「予防すること」は、有機体がそもそも障害又は疾患を獲得するのを妨げる方法を指す。
用語「治療有効量」は、治療中の1又は2以上の疾患又は障害の症状をある程度緩和する投与される化合物の量を指す。
本発明で使用されるいかなる化合物に対して、治療有効量は、本明細書において治療上有効用量とも呼ばれるが、初期的には細胞培養アッセイをもとに推定することができる。例えば、動物モデルにおいて細胞培養で決定されたIC50又はIC100を含む血中濃度範囲を達成する用量を配合(formulated)することができる。そのような情報を使用して、ヒトにおける有用な用量をより正確に決定することができる。初回投与量もインビボデータをもとに推定することができる。当業者であれば、これら初回のガイドラインを使用して、ヒトにおける有効投与量を決定することができる。
さらに、本明細書に記載される化合物の毒性及び治療有効性は、細胞培養物又は実験動物において標準薬剤学手順により、例えばLD50及びED50を決定することによって、決定することができる。毒性と治療効果の用量比は治療係数であり、LD50とED50の比として表すことができる。高治療指数を示す化合物が好ましい。これらの細胞培養物アッセイ及び動物試験から得られるデータは、ヒトにおける使用に対して毒性がない用量範囲を配合する際に使用することができる。そのような化合物の投与量は、好ましくは毒性がわずかしかない又はないED50を含む血中濃度の範囲内である。投与量は、この範囲内で、使用される剤形及び利用される投与経路に応じて変わることがある。適切な製剤、投与経路及び投与量を、個々の医師が患者の状態に鑑みて選択することができる。(例えば、Fingl et al, 1975, The Pharmacological Basis of Therapeutics, chapter 1, page 1を参照のこと)。
治療効果を維持するのに十分な活性化合物の血漿中レベルをもたらすように、投与量及び間隔を個々に調整することができる。通常の患者の経口投与量は、約50〜2000mg/kg/日、通常は約100〜1000mg/kg/日、好ましくは約150〜700mg/kg/日、最も好ましくは約250〜500mg/kg/日の範囲である。好ましくは、治療上有効な血清レベルは、多回用量を毎日投与することによって達成される。局所投与又は選択的取込みの場合、有効な薬物局所濃度は、血漿中濃度と関係のない可能性がある。当業者は、治療上有効な局所投与量を過度の実験なしに最適化することができる。
本明細書において、「キナーゼに関連した疾患又は障害」は、本明細書に定義するようにキナーゼの不適切な活性又はキナーゼの過活性によって特徴付けられる疾患又は障害を指す。不適切な活性は、(i)普通はキナーゼを発現しない細胞における前記キナーゼの発現、(ii)望ましくない細胞増殖、分化及び/若しくは増殖(growth)を招くキナーゼ発現の増加、又は(iii)細胞増殖、分化及び/若しくは増殖において望ましくない低減を招くキナーゼ発現の低減を指す。キナーゼの過活性は、特定のキナーゼをコードしている遺伝子の増幅又はあるレベルのキナーゼ活性の産生を指し、これらは細胞増殖、分化及び/若しくは増殖障害と相関している(すなわち、キナーゼのレベルが上がるにつれて、1又は2以上の細胞障害の症状の重症度が上がる)。過活性は、リガンド結合を担うキナーゼのフラグメントの欠失ような突然変異の結果として生じるリガンド非依存性又は恒常的活性化の結果でもあり得る。
予防する際に本明細書に記載される化合物が有用であり得る好ましい疾患又は障害としては、アルツハイマー病などの神経変性障害及びがんなどの増殖性障害が挙げられる。
したがって、本発明は、MNKを阻害することが望ましい疾患の治療薬の製造のための本明細書に定義される化合物の使用をさらに提供する。そのような疾患としては、上記のように、増殖性障害及びアルツハイマー病などの神経変性障害が挙げられる。
医薬組成物
本発明による使用として、本明細書に記載される化合物又はそれらの生理学的に許容される塩、エステル若しくは他の生理学的機能性誘導体を、化合物又はそれらの生理学的に許容される塩、エステル若しくは他の生理学的機能性誘導体とそれらのための1又は2以上の薬学的に許容される担体、並びに任意選択で他の治療成分及び/又は予防成分を含む医薬製剤として提示することができる。担体は、製剤の他成分と適合性があり、その服用者に有害でないという意味で許容されるものでなければならない。医薬組成物は、人間医学及び獣医学においてヒト又は動物に使用するためのものであり得る。
本明細書に記載される医薬組成物の異なる様々な形態に適したそのような賦形剤の例は、“Handbook of Pharmaceutical Excipients, 2nd Edition, (1994), Edited by A Wade and PJ Wellerで見られる。
治療的使用に許容される担体又は希釈剤は、医薬分野において周知であり、例えばRemington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載されている。
適当な担体の例としては、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、マンニトール、ソルビトールなどが挙げられる。適当な希釈剤の例としては、エタノール、グリセロール及び水が挙げられる。
医薬用担体、賦形剤又は希釈剤の選択は、対象となる投与経路及び標準薬務に関連して選択することができる。医薬組成物は、担体、賦形剤若しくは希釈剤として、又はそれに加えて、適当な結合剤、滑沢剤、懸濁化剤、コーティング剤、可溶化剤、緩衝剤、矯味剤、表面活性薬剤、粘稠化剤、保存剤(抗酸化剤を含む)など、及び製剤を対象となる服用者の血液と等張にする目的で含まれている物質を含んでもよい。
適当な結合剤の例としては、デンプン、ゼラチン、グルコース、無水ラクトース、易流動性ラクトース、β−ラクトースなどの天然糖、コーン甘味料、アカシア、トラガカント又はアルギン酸ナトリウムなどの天然及び合成ゴム、カルボキシメチルセルロース並びにポリエチレングリコールが挙げられる。
適当な滑沢剤の例としては、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。
保存剤、安定剤、色素、さらには矯味剤を医薬組成物に用いることができる。保存剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、及びp−ヒドロキシ安息香酸のエステルが挙げられる。抗酸化剤及び懸濁化剤も使用することができる。
医薬製剤としては、経口投与、局所投与(経皮、頬側及び舌下を含む)、直腸内又は非経口投与(皮下、皮内、筋肉内及び静脈内を含む)、例えば吸入による経鼻及び経肺投与に適した製剤が挙げられる。製剤は、必要に応じて、便利につかえるように、別々の投与単位で提供することができ、薬学技術分野において周知のいかなる方法で調製することができる。方法はすべて、活性化合物と液体担体若しくは微細化固体担体又は両方を結合させ、次いで、必要なら生成物を所望の製剤に造形するステップを含む。
担体が固体である経口投与に適した医薬製剤は、ボーラス、カプセル剤又は錠剤などのそれぞれが所定量の活性化合物を含有する単位用量製剤とするが最も好ましい。錠剤は、1又は2以上の副成分を含んでいてもよく、打錠又は成型により作製することができる。打錠は、結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、滑沢剤、表面活性薬剤又は分散剤と混合されていてもよい粉末又は顆粒など自由に流動する形の活性化合物を適当な機械で打錠することにより調製することができる。成型錠は、活性化合物を不活性な液体希釈剤と成形することによって作製することができる。錠剤はコーティングされていてもよいことがあり、コーティングされていない場合、刻み目をつけていてもよい。カプセル剤は、活性化合物を単独で又は1若しくは2以上の副成分と混合してカプセルシェルに充填し、次いでそれらを通常の方法で密封することによって調製することができる。カシェ剤はカプセル剤と類似しており、活性化合物がいずれかの副成分と一緒にライスペーパーエンベロープに密封されている。活性化合物は分散性顆粒として製剤化することもでき、例えば、投与する前に水に懸濁し、又は食品に散布することができる。顆粒は、例えばサシェに包装することができる。担体が液体である経口投与に適した製剤を、水性若しくは非水性液体中の溶液若しくは懸濁液として、又は水中油型液体乳濁液として提供することができる。
経口投与用製剤としては、調節放出剤形、例えば活性化合物が適切な放出調節性マトリックスで製剤化され、又は適当な放出調節性フィルムでコーティングされる錠剤が挙げられる。そのような製剤は、特に予防的使用に好都合であり得る。
担体が固体である直腸投与に適した医薬製剤を単位用量坐剤として提供することが最も好ましい。適当な担体としては、カカオバター、及び当技術分野においてよく使用される他の材料が挙げられる。坐剤は、好都合には活性化合物を軟化又は溶融させた担体と混和し、続いて金型で冷却及び造形することによって形成することができる。非経口投与に適した医薬製剤としては、水性又は油性媒体中の活性化合物の滅菌溶液又は懸濁液が挙げられる。
注射製剤をボーラス注射又は持続注入用に適合させることができる。そのような調合剤は、使いやすいように単位用量容器で又は複数回用量容器で提供され、製剤の導入後、使用するのに必要とされるまで密封される。あるいは、活性化合物は粉末の形をとることができ、使用前に無菌パイロジェンフリー水など適当な媒体とで構成される。
活性化合物を長時間作用型のデポー剤として製剤化することもでき、筋肉内注射又は注入によって、例えば皮下又は筋肉内に投与することができる。デポー調製剤としては、例えば適当なポリマー若しくは疎水性材料、又はイオン交換樹脂を含ませることができる。そのような長時間作用型の製剤は、特に予防的使用に好都合である。
頬腔を介した経肺投与に適した製剤は、活性化合物を含有する、望ましくは0.5〜7ミクロンの範囲の直径を有する粒子が服用者のレシピエントの気管支樹に送達されるようなものが提供される。
1つの可能性として、そのような製剤は微粉砕粉末の形をとり、使いやすいように吸入デバイスにおける使用のためのカプセルであって、適切に例えばゼラチン製の穿刺可能なカプセルで提供することができ、あるいは活性化合物、適当な液体又は気体噴射剤、並びに任意選択に界面活性剤及び/又は固体希釈剤など他の成分を含む自己推進式製剤として提供することができる。適当な液体噴射剤としては、プロパン及びクロロフルオロカーボンが挙げられ、適当な気体噴射剤としては、二酸化炭素が挙げられる。活性化合物が溶液又は懸濁液の小滴の形で調合されている自己推進式製剤も使用することができる。
そのような自己推進式製剤は、当技術分野において公知であるものと類似しており、確立した手順で調製することができる。それらの製剤は、所望の噴霧特性を有する手動操作可能なバルブ又は自動的に機能するバルブが設けられている容器で提供されることが適当である。バルブは、その各操作によって一定の体積、例えば25〜100マイクロリットルを送達する計量式バルブであることが有利である。
別の可能性として、活性化合物は、噴霧器又はネブライザーに使用するための溶液又は懸濁液の形をとることができ、噴霧器又はネブライザーでは、加速気流又は超音波撹拌を使用して、吸入用の微小滴ミストが生成されている。
経鼻投与に適した製剤としては、経肺投与用の上記調合剤に概して似ている調合剤が挙げられる。調合されたとき、そのような製剤は、鼻腔における保持を確実にするために望ましくは10〜200ミクロンの範囲の粒子径を有するべきである。これは、適宜、適当な粒径の粉末の使用又は適切なバルブの選択によって達成することができる。適当な他の製剤としては、鼻まで接近して保持された容器から鼻道を通過する急速吸入による投与のための20〜500ミクロンの範囲の粒子径を有する粗粉末、及び水性又は油性の溶液又は懸濁液中0.2〜5(重量/体積)%の活性化合物を含む点鼻剤が挙げられる。
薬学的に許容される担体は当業者に周知である。それらとしては、0.1M、好ましくは0.05Mリン酸緩衝液又は0.8%生理食塩水が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、そのような薬学的に許容される担体は、水性又は非水性の溶液、懸濁液、及び乳濁液とすることができる。非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物性油、及びオレイン酸エチルなど注射可能な有機エステルである。水性担体としては、水、アルコール/水性溶液、乳濁液又は懸濁液が挙げられ、生理食塩水及び緩衝媒体が含まれる。非経口媒体としては、塩化ナトリウム溶液、リンゲルデキストロース、デキストロース及び塩化ナトリウム、乳酸加リンゲル油又は不揮発性油が挙げられる。例えば、抗微生物剤、抗酸化剤、キレート化剤、不活性ガスなど保存剤及び他の添加剤が存在していてもよい。
局所製剤に適した製剤は、例えばゲル剤、クリーム剤又は軟膏剤として提供することができる。例えば、創傷又は潰瘍に、そのような調合剤を、創傷又は潰瘍の表面に直接に塗り広げて、或いは治療するべき領域にまたその一面に当てることができる包帯、ガーゼ、メッシュなど適当な支持体上に保持させて、塗布することができる。
治療するべき部位、例えば創傷又は潰瘍上に直接に噴霧又は散布することができる液体又は粉末製剤を提供することもできる。あるいは、包帯、ガーゼ、メッシュなどの担体に製剤を噴霧又は散布し、次いで治療するべき部位に塗布することができる。
本発明の別の態様によれば、上記の医薬又は獣医組成物の調製方法であって、活性化合物と担体を、例えば混和によって結合させるステップを含む方法が提供される。
一般に、製剤は、活性薬剤を液体担体若しくは微細化固体担体又は両方と均一にかつ密接に結合させ、次いで必要なら生成物を成型することによって調製される。本発明は、医薬組成物を調製する方法であって、一般式(I)の化合物を薬学的又は獣医学的に許容される担体又は媒体と連結又は結合させるステップを含む方法にまで及ぶ。
塩/エステル
本発明の化合物は、塩又はエステル、特に薬学的かつ獣医学的に許容される塩又はエステルとして存在することができる。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩としては、それらの適当な酸付加塩又は塩基塩が挙げられる。適当な医薬塩の概説は、Berge et al, J Pharm Sci, 66, 1-19 (1977)で見られる。塩は、例えば鉱酸などの無機強酸、例えばハロゲン化水素酸、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩及びヨウ化水素酸塩、硫酸、リン酸、硫酸塩、硫酸水素塩、ヘミ硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩及びスルホン酸;強有機カルボン酸、具体的には1〜4個の炭素原子を有する非置換又は(例えば、ハロゲンによって)置換されているアルカンカルボン酸など、具体的には酢酸など;飽和又は不飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸又はテレフタル酸;ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はクエン酸;アミノ酸、例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸;安息香酸;或いは有機スルホン酸、具体的には非置換又は(例えば、ハロゲンによって)置換されている(C1−C4)−アルキル−又はアリール−スルホン酸など、具体的にはメタン−又はp−トルエンスルホン酸などを用いて形成される。薬学的にも獣医学的にも許容されない塩が、なお中間体として役立つことがある。
好ましい塩としては、例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩、グルコン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、パントテン酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、酪酸塩、ジグルコン酸塩、シクロペンタンカルボン酸塩(cyclopentanate)、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、シュウ酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、ニコチン酸塩、パモ酸塩(palmoate)、ペクチン酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、酒石酸塩、ラクトビオン酸塩、ピバル酸塩、カンファー酸塩、ウンデカン酸塩及びコハク酸塩、有機スルホン酸塩、具体的にはメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−クロロベンゼンスルホン酸塩及びp−トルエンスルホン酸塩など;並びに無機酸塩、具体的には塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、ヘミ硫酸塩、チオシアン酸塩、過硫酸塩、リン酸塩及びスルホン酸塩が挙げられる。
エステルは、エステル化される官能基に応じて有機酸又はアルコール/水酸化物を使用して形成される。有機酸としては、カルボン酸、具体的には1〜12個の炭素原子を有する非置換又は(例えば、ハロゲンによって)置換されているアルカンカルボン酸、具体的には酢酸;飽和又は不飽和ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸又はテトラフタル酸;ヒドロキシカルボン酸、例えばアスコルビン酸、グリコール酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸又はクエン酸;アミノ酸、例えばアスパラギン酸又はグルタミン酸;安息香酸;或いは有機スルホン酸、具体的には非置換又は(例えば、ハロゲンによって)置換されている(C1−C4)−アルキル−又はアリール−スルホン酸、具体的にはメタン−又はp−トルエンスルホン酸が挙げられる。適当な水酸化物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウムなどの無機水酸化物が挙げられる。アルコールとしては、1〜12個の炭素原子を有する非置換又は(例えば、ハロゲンによって)置換されていてもよいアルカンアルコールが挙げられる。
鏡像異性体/互変異性体
先に述べた本発明のすべての態様において、本発明は、適切な場合に本発明の化合物のすべての鏡像異性体、ジアステレオマー及び互変異性体を包含する。当業者は、光学特性(1又は2以上のキラル炭素原子)又は互変異性特性を有する化合物を識別する。対応する鏡像異性体及び/又は互変異性体は、当技術分野において公知である方法で単離/調製することができる。
鏡像異性体は、それらのキラル中心の絶対配置を特徴とし、Cahn、Ingold、及びPrelogのR−及びS−の順位則によって記述される。そのような慣習は、当技術分野において周知である(例えば、‘Advanced Organic Chemistry’, 3rdedition, ed. March, J., John Wiley and Sons, New York, 1985を参照のこと)。
キラル中心を含む本発明の化合物は、ラセミ混合物、一方の鏡像異性体を多く含む混合物(enantiomerically enriched mixture)として使用することができ、又は周知の技法を用いてラセミ混合物を分別することができ、個々の鏡像異性体を単独で使用することができる。
立体異性体及び幾何異性体
本発明の化合物のいくつかは、立体異性体及び/又は幾何異性体として存在することができ、例えば1又は2以上の不斉及び/又は幾何中心を有することができ、したがって2又は3以上の立体異性及び/又は幾何異性の形で存在することができる。本発明は、化合物の個々の立体異性体及び幾何異性体すべて、及びそれらの混合物の使用を企図する。特許請求の範囲で使用される用語はこれらの形を包含する。ただし、前記形が適切な機能活性を(必ずしも同じ程度にというわけではないが)保持することを条件とする。
本発明は、化合物又は薬学的に許容されるその塩の適当な同位体変種もすべて包含する。本発明の化合物又は薬学的に許容されるその塩の同位体変種は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号を有するが、通常自然界に見られる原子質量と異なる原子質量を有する原子によって置換されているものと定義される。作用剤及び薬学的に許容されるその塩に組み込むことができる同位体の例としては、水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素及び塩素の同位体、具体的にはそれぞれ2H、3H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F及び36Clなどが挙げられる。作用剤及び薬学的に許容されるその塩のいくつかの同位体変種、例えば3H又は14Cなどの放射性同位体が組み入れられているものは、薬物及び/又は基質の組織分布の研究において有用である。トリチウム、すなわち3H同位体、及び炭素−14、すなわち14C同位体は、それらの調製のしやすさ及び検出性のために特に好ましい。さらに、重水素、すなわち2Hなどの同位体で置換すると、代謝安定性の向上、例えばインビボ半減期の延長又は必要用量の低減によっていくつかの治療上の利点が生じることが可能になり、したがって状況によって好ましいことがある。例えば、本発明は、いかなる水素原子でも重水素原子で置換されている一般式(I)の化合物を包含する。本発明の作用剤及び本発明の薬学的に許容されるその塩の同位体変種は、一般的に適当な試薬の適切な同位体変種を使用して通常の手順によって調製することができる。
プロドラッグ
本発明は、プロドラッグの形の本発明の化合物、すなわち一般式(I)による活性親薬物を生体内で放出する共有結合されている化合物をさらに包含する。そのようなプロドラッグは、一般的に、本発明の化合物の1又は2以上の適切な官能基が修飾されているが、ヒト又は哺乳類の対象に投与されるとその修飾がもとに戻る本発明の化合物である。もとに戻ることは、通常そのような対象中に自然に存在している酵素によって行われるが、もとに戻ることを生体内で行うために、そのようなプロドラッグと一緒に第2の作用剤を投与することができる。そのような修飾の例としては、エステル(例えば、上記のいかなるエステルでも)が挙げられ、その逆行はエステラーゼなどによって実施することができる。他のそのような系は当業者に周知である。
溶媒和物
本発明は、溶媒和物の形の本発明の化合物も包含する。特許請求の範囲で使用される用語はこれらの形を包含する。
多形体
本発明はさらに、様々な結晶形、結晶多形及び(非)水和形の本発明の化合物にも関する。そのようないかなる形の化合物でも、そのような化合物の合成調製で使用される溶媒からの精製及び/又は単離の方法をわずかに変更することによって単離できることは、医薬産業内で十分に確立されている。
投与
本発明の医薬組成物を、直腸内、経鼻、気管支内、局所(頬側及び舌下を含む)、腟内又は非経口(皮下、筋肉内、静脈内、動脈内及び皮内を含む)、腹腔内又は髄腔内投与用に適合させることができる。好ましくは、製剤は経口投与製剤である。製剤は、使いやすいように単位投与剤形で提供され、より具体的には、単位用量で、又は単位用量を複数若しくはサブ単位として含む別々の形で提供される。例として、製剤は、錠剤及び徐放カプセル剤の形をとることができ、薬学技術分野において周知のいかなる方法で調製することができる。
本発明における経口投与用の製剤は、カプセル剤、ゲル剤、ドロップ剤、カシェ剤、丸剤若しくは錠剤などのそれぞれが所定量の活性薬剤を含有する別々の単位;粉末若しくは顆粒;水性液体若しくは非水性液体中の活性薬剤の溶液、乳濁液若しくは懸濁液;又は水中油型液体乳濁液若しくは油中水型液体乳濁液;又はボーラスなどとして提供することができる。これらの組成物は、用量当たり好ましくは1〜250mg、より好ましくは10〜100mgの活性成分を含有する。
経口投与(例えば、錠剤及びカプセル剤)用の組成物では、用語「許容される担体」は、媒体、具体的には一般的な賦形剤など、例えば結合剤、例えばシロップ、アカシア、ゼラチン、ソルビトール、トラガカント、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース及びデンプン;充填剤及び担体、例えばトウモロコシデンプン、ゼラチン、ラクトース、スクロース、微結晶セルロース、カオリン、マンニトール、リン酸二カルシウム、塩化ナトリウム及びアルギン酸;並びに滑沢剤、具体的にはステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム及び他のステアリン酸金属塩、ステアリン酸グリセロール、ステアリン酸、シリコーン油、タルク、ロウ、油及びコロイダルシリカを包含する。ペパーミント、ウィンターグリーン油、チェリーフレーバリングなどの矯味剤を使用することもできる。着色剤を添加して、剤形を容易に同定可能にすることが望ましいことがある。錠剤を、当技術分野において周知である方法でコーティングすることもできる。
錠剤は、1又は2以上の副成分を含んでいてもよく、打錠又は成型により作製することができる。打錠錠剤は、易流動性の粉末又は顆粒の活性薬剤を結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、保存剤、表面活性薬剤又は分散剤と適宜混合して適当な機械で打錠することによって調製することができる。成型錠は、粉末にした化合物を不活性な液体希釈剤で湿潤させた混合物を適当な機械で成型することによって作製することができる。錠剤は、コーティングしていても又は刻み目をつけていてもよいことがあり、活性薬剤の放出を遅く又は調節するために製剤化することができる。
経口投与に適した他の製剤としては、活性薬剤をフレーバー付き基剤、通常スクロース及びアカシア又はトラガカント中に含む薬用キャンディー剤;活性薬剤をゼラチン及びグリセリン又はスクロース及びアカシアなどの不活性基剤中に含むトローチ錠;並びに活性薬剤を適当な液体担体中に含む洗口剤が挙げられる。
他の投与形態は、静脈内、動脈内、くも膜下腔内、皮下、皮内、腹腔内又は筋肉内注射することができ、無菌溶液又は無菌化可能な溶液から調製される溶液又は乳濁液を含む。注射剤形は、典型的には用量当たり10〜1000mg、好ましくは10〜250mgの活性成分を含有する。
本発明の医薬組成物は、坐剤、膣坐剤、懸濁剤、乳剤、ローション剤、軟膏剤、クリーム剤、ゲル剤、噴霧剤、液剤又は散布剤の形をとることもできる。
代替の経皮投与手段は、皮膚貼付剤の使用による投与である。例えば、活性成分を、ポリエチレングリコール又は流動パラフィンの水性乳濁液からなるクリーム剤に組み込むことができる。活性成分は、必要とされる安定剤及び保存剤と一緒に白ロウ又は白色ワセリン基剤からなる軟膏剤に1〜10重量%の濃度で組み込むこともできる。
投与量
当業者は、対象に投与する本組成物のうちの1つの適切な用量を、過度の実験を行うことなく容易に決定することができる。典型的には、医師が個々の患者に最も適した実際の投与量を決定し、それは、使用する特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性及び作用の長さ、年齢、体重、全身的健康状態、性別、ダイエット、投与様式及び時期、排泄速度、薬物組合せ、特定の状態の重症度、及び受けている個々の療法を含む様々な因子によって決まる。本明細書に開示される投与量は、平均的な場合を代表するものである。当然、より高い又はより低い用量範囲が正当な個々の例が存在することがあり、そのような例は本発明の範囲内である。
本発明においては、特定の状態又は疾患に関与するキナーゼを阻害するのに有効な量の本発明の化合物を投与することができる。当然、この投与量は化合物の投与のタイプによってさらに改変される。例えば、急性期治療に「有効な量」を達成するには、一般式(I)の化合物の非経口投与が好ましい。水若しくは正常生理食塩水中5%デキストロース中の化合物、又は適当な賦形剤を含む同様な製剤の静脈内注入が最も有効であるが、筋肉内ボーラス注射も有用である。典型的には、非経口用量は、血漿中薬物濃度を、キナーゼを阻害するのに有効な濃度に維持する形で約0.01〜約100mg/kg、好ましくは0.1〜20mg/kgである。化合物を約0.4〜約400mg/kg/日の1日総量を達成するレベルで1日1〜4回投与することができる。本発明の化合物の正確な治療有効量及びそのような化合物が最もうまく投与される経路は、当業者が作用剤の血中レベルを、治療効果を及ぼすのに必要とされる濃度と比較することによって容易に決定される。
本発明の化合物を、薬物濃度が本明細書に開示される1又は2以上の治療的症状を達成するのに十分な程度である形で患者に経口投与することもできる。典型的には、化合物を含有する医薬組成物は、患者の状態と一致する形で約0.1〜約50mg/kgの経口用量が投与される。好ましくは、経口用量は約0.5〜約20mg/kgである。
本発明の化合物が本発明に従って投与されるとき、許容できない毒物学的効果は起きない。本発明の化合物は良好なバイオアベイラビリティを有することができ、いくつかの生物学的アッセイのうちの1つで試験して、所与の薬理作用を示すのに必要な化合物の濃度を決定することができる。
組合せ
特に好ましい実施形態において、本発明の1又は2以上の化合物は、1又は2以上の他の活性薬剤、例えば市場で入手可能な既存の薬物と組み合わせて投与される。そのような場合において、本発明の化合物を1又は2以上の他の活性薬剤と共に連続して、同時に又は順次投与することができる。
一般の薬物は、組み合わせて使用されるとより有効である。特に、併用療法は、主毒性、作用機序及び耐性機構の重複を避けるために望ましい。さらに、大部分の薬物は、それらの最大耐量をそのような用量間で最小の時間間隔をおいて投与することも望ましい。化学療法薬を組み合わせる主な利点は、生化学的相互作用を通して相加的又は可能な相乗的効果を促進することができ、耐性の出現を低減することもできることである。
被験化合物と特定の障害の治療に役立つと知られている又は思われている作用剤との阻害活性を検討することによって、有益な組合せを示唆することができる。この手順を使用して、作用剤の投与順序、すなわち送達の前、同時、又は後を決定することもできる。そのような投与計画を本明細書で同定される活性薬剤すべての特徴とすることができる。
好ましい一実施形態において、追加の活性薬剤は、抗糖尿病剤、脂質低下剤、心血管作用剤、抗高血圧剤、利尿剤、血小板凝集阻害剤、抗新生物剤及び抗肥満剤から選択される。
好ましい一実施形態において、追加の活性薬剤は、ヒスタミンアンタゴニスト、ブラジキニンアンタゴニスト、セロトニンアンタゴニスト、ロイコトリエン、抗喘息薬、NSAID、下熱剤、コルチコステロイド、抗生物質、鎮痛薬、尿酸排泄剤、化学療法剤、抗痛風剤、気管支拡張薬、シクロオキシゲナーゼ−2阻害剤、ステロイド、5−リポキシゲナーゼ阻害剤、免疫抑制剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、細胞分裂阻害剤、抗新生物剤、mTor阻害剤、チロシンキナーゼ阻害剤、サイトカイン及びサイトカイン受容体の可溶性部分(フラグメント)に対する抗体又はそれらのフラグメントから選択される。
アッセイ
本発明の別の態様は、1又は2以上のキナーゼ、より好ましくはMNKを阻害することができるさらなる候補化合物を同定するためのアッセイにおける上記化合物の使用に関する。
好ましくは、アッセイは競合的結合アッセイである。
より好ましくは、競合的結合アッセイは、本発明の化合物をキナーゼ、好ましくはMNK、及び候補化合物と接触させ、本発明による化合物とキナーゼとの相互作用のいかなる変化でも検出することを含む。
好ましくは、本発明の化合物の通常に行われる構造活性相関による改変によって、候補化合物が創生される。
本明細書において、用語「通常に行われる構造活性相関による改変」とは、所与の化合物を化学誘導体化により変更するための当技術分野において公知の標準方法を指す。
したがって、一態様において、同定された化合物は、他の化合物の開発のためのモデル(例えば、テンプレート)として働くことができる。そのような試験において使用される化合物は溶液状態で遊離し、固体支持体に取り付けられ、細胞表面上にあり、又は細胞内に位置していてもよい。活性の消滅又は化合物と試験中の作用剤の間における結合複合体の形成を測定することができる。
本発明のアッセイは、いくつかの作用剤を試験するスクリーンとすることができる。一態様において、本発明のアッセイ方法は、ハイスループットスクリーンである。
本発明は、競合薬スクリーニングアッセイの使用にも予定しており、そのようなアッセイ系においては、化合物と特異的に結合することができる中和抗体が、化合物との結合において被験化合物と競合する。
別のスクリーニング技法は、物質に対して適した結合親和性を有する作用剤のハイスループットスクリーニング(HTS)を行うものであり、国際公開第84/03564号パンフレットに詳述されている方法に基づいている。
本発明のアッセイ方法が、被験化合物の大小両規模のスクリーニングに適し、定量的アッセイにおいても適しているものと予想される。
好ましくは、競合的結合アッセイは、本発明の化合物とキナーゼを、前記キナーゼの公知の基質の存在下で接触させ、前記キナーゼと前記公知の基質との相互作用の変化を検出することを含む。
本発明の別の態様は、リガンドのキナーゼへの結合を検出する方法であって、
(i)リガンドとキナーゼを、前記キナーゼの公知の基質の存在下で接触させるステップと、
(ii)前記キナーゼと前記公知の基質との相互作用の変化を検出するステップと
を含み、前記リガンドが本発明の化合物である
方法を提供する。
本発明の一態様は、
(a)本明細書の以上に記載されるアッセイ方法を行うステップと、
(b)リガンド結合領域に結合することができる1又は2以上のリガンドを同定するステップと、
(c)ある量の前記1又は2以上のリガンドを調製するステップと
を含む方法に関する。
本発明の別の態様は、
(a)本明細書の以上に記載されるアッセイ方法を行うステップと、
(b)リガンド結合領域に結合することができる1又は2以上のリガンドを同定するステップと、
(c)前記1又は2以上のリガンドを含む医薬組成物を調製するステップと
を含む方法を提供することである。
本発明の別の態様は、
(a)本明細書の以上に記載されるアッセイ方法を行うステップと、
(b)リガンド結合領域に結合することができる1又は2以上のリガンドを同定するステップと、
(c)リガンド結合領域に結合することができる前記1又は2以上のリガンドを改変するステップと、
(d)本明細書の以上に記載されるアッセイ方法を行うステップと、
(e)必要に応じて前記1又は2以上のリガンドを含む医薬組成物を調製するステップと
を含む方法を提供することである。
本発明はまた、本明細書の以上に記載される方法で同定されるリガンドにも関する。本発明のもう1つの態様は、本明細書の以上に記載される方法で同定されるリガンドを含む医薬組成物に関する。
本発明の別の態様は、本明細書の以上に記載される方法で同定されるリガンドの、上記の1又は2以上の障害の治療における使用のための医薬組成物の調製における使用に関する。
上記の方法を使用して、1又は2以上のキナーゼの阻害剤として有用なリガンドを求めてスクリーニングすることができる。
本発明の化合物は、実験室ツールとしても治療剤としても有用である。実験室において、本発明のいくつかの化合物は、公知又は新発見のキナーゼが病状の確立又は進行時において重大又は少なくとも顕著な生化学的機能をもたらすかどうかを立証する、通常は「ターゲットバリデーション」と呼ばれる方法において有用である。
本発明を以下に示す実施例によって、さらに説明するが、本発明は、実施例に限定されない。
[実施例]
化合物の一般合成手順
クロマトグラフィー
Agilent社で作製された装置を使用して、分取高圧液体クロマトグラフィーを実施した。装置は、多波長UV検出器(G1365B、Agilent社製造)及びMM−ES+APCI質量分析計(G−1956A、Agilent社製造)を直列に連結して、クロマトグラフィーをモニターし、適切な基準に合う場合、自動フラクションコレクター(G1364B、Agilent社製造)によって試料を回収するように構築する。回収は、UV若しくは質量分析のいかなる組合せでも始動させることができ、又は時間に基づいた回収とすることができる。分離方法に典型的な条件は以下の通りである。クロマトグラフィーカラムはXbridge C−18(19×100mm)であった。グラジエントは流速40ml/分で7分かけて実行された(開始時のグラジエント:10%メタノール及び90%水、終了時のグラジエント:100%メタノール及び0%水;緩衝剤として、0.1%ギ酸、0.1%水酸化アンモニウム、又は0.1%トリフルオロ酢酸を水に加えた)。例えば、開始時又は終了時の溶媒組成を変更し、溶媒又は緩衝剤を改変し、実行時間を変更し、流速及び/又はクロマトグラフィーカラムを変更することによって、それぞれの具体的な化合物用に条件を改変することが必要な又は望ましいことがあるというのを当業者は認識している。
フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲルクロマトグラフィーを指し、SP4若しくはIsolara 4 MPLCシステム(Biotage社製造);プレパックシリカゲルカートリッジ(Biotage社供給)を使用して実施され、又は通常のガラスカラムクロマトグラフィーを使用して実施される。
分析方法
1H核磁気共鳴(NMR)分光は、別段の記載がない限り、ECX400分光計(JEOL社製造)を使用して、明示された溶媒中、およそ室温で実施した。すべての場合において、NMRデータは提案された構造と一致した。特徴的な化学シフト(δ)は、主ピークの指定に通常の略語、例えばs、一重線;d、二重線;t、三重線;q、四重線;dd、二重線の二重線;br、ブロードを使用して、百万分率で記載されている。
分析LCMSは、典型的にはC−18 Xbridgeカラムを備えたAgilent HPLC計器を使用して実施した(3.5μm、4.6×30mm、開始時のグラジエント:10%有機相及び90%水、終了時のグラジエント:100%有機相及び0%水;緩衝剤として、0.1%水酸化アンモニウム又は0.1%トリフルオロ酢酸を水に加えた)。有機溶媒はアセトニトリル又はメタノールであった。254及び210nmにおけるUV検出で、3mL/分の流速を用いた。
質量スペクトルは、MM−ES+APCI質量分析計(G−1956A、Agilent社製造)を使用して記録した。薄層クロマトグラフィー(TLC)が使用された場合、シリカゲルMK6F 60Åプレートを使用するシリカゲルTLCを指し、RfはTLCプレート上を化合物が移動した距離を溶媒が移動した距離で割った値である。
化合物調製
出発物質の調製が記載されていない場合、これらは市販されており、文献で公知であり、又は標準手順を用いて当業者が容易に得ることができるものである。化合物を以前の実施例又は中間体と同じようにして調製したことが示されている場合、それぞれの具体的な反応用に反応時間、試薬の当量数、溶媒、濃度及び温度を改変することができ、異なるワークアップ又は精製技法を使用することが必要な又は望ましいことがあるというのを当業者は認識している。
マイクロ波照射を利用して、反応が実施される場合、使用されるマイクロ波装置は、Biotage社から供給されるInitiator 60である。供給される実電力は、一定温度を維持するために反応中に変化する。
ThalesNano社によって製造されたH−Cube(登録商標)連続フロー式水素化反応器を使用して、いくつかの水素化を実施した。触媒は、カートリッジ「CatCarts」としてThalesNano社から供給される。圧力、流速、温度及びカートリッジを実験の部に示す。製造業者の操作手順に従って、機器を使用した。反応混合物の反復サイクルを実行し、場合によっては、カートリッジをサイクル間に取り替えて、反応の収率を改善することが必要な又は望ましいことがあるというのを当業者は認識する。
略語
よくみられる一部の略語のリストを以下に示す。列挙されていない他の略語が使用されている場合、これらは、当業者によって理解されるものである。
DCM = ジクロロメタン
DMF = N,N−ジメチルホルムアミド
THF = テトラヒドロフラン
MeOH = メタノール
TFA = トリフルオロ酢酸
Xantphos = 4,5−ビス(ジフェニルホスフィノ)−9,9−ジメチルキサンテン
HATU = N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウム−ヘキサフルオロホスフェート
EDCI = N3−(エチルカルボンイミドイル)−N1,N1−ジメチル−1,3−プロパンジアミン塩酸塩
DCC = 1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド
Pd2(dba)3 = トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)
TEA = トリエチルアミン
rm = 反応混合物
rt = 室温
AcOH = 酢酸
IPA = イソプロパノール
DIPEA = N,N−ジイソプロピルエチルアミン
TBSMSCl = 第三級ブチルジメチルシリルクロリド
MeCN = アセトニトリル
NH3 = アンモニア
EtOH = エタノール
EtOAc = 酢酸エチル
LCMS = 質量分析直結高圧液体クロマトグラフィー
UV = 紫外線
SCX = 強カチオン交換
TPAP = 過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム
DMSO = ジメチルスルホキシド
BINAP = 2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル
TPAP = 過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム
DIAD = アゾジカルボン酸ジイソプロピル
NMO = N−メチルモルホリンN−オキシド
中間体1
4−クロロ−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン
0℃で水素化ナトリウム(鉱油中の60%分散体)(1.625g、42mmol)のTHF(75ml)溶液に、4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(5g、32mmol)を添加し、1時間撹拌した。ヨードメタン(3.046ml、49mmol)を添加し、混合物を終夜撹拌した。混合物を濃縮し、EtOAcに溶解し、水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し、濃縮して、橙色固体(4.63g、85%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 4.07(s,3H)、6.66(d,J=3.20Hz,1H)、7.94(d,J=3.21Hz,1H)、8.56(s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)168/170。
中間体2
4−クロロ−5−エチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン
DMF(5ml)中の4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(150mg、0.98mmol)及び炭酸セシウム(637mg、1.96mmol)の溶液に、ブロモエタン(128mg、1.18mmol)を添加し、終夜撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、水で(3回)洗浄した。有機相を分離し、乾燥し、濃縮して、褐色固体(156mg、88%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.46(t,J=7.3Hz,3H)、4.50(q,J=6.9Hz,2H)、6.66(d,J=3.2Hz,1H)、7.47(d,J=3.2Hz,1H)、8.63(s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)182/184
中間体3
4−クロロ−5−プロピル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン
中間体2と同じようにして、4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン及び1−ブロモプロパンで中間体3を調製して、4−クロロ−5−プロピル−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを得た(収率69%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 0.96(t,J=7.3Hz,3H)、1.92(sxt,J=7.3Hz,2H)、4.45(t,J=7.3Hz,2H)、6.72(d,J=3.2Hz,1H)、7.49(d,J=3.2Hz,1H)、8.70(s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)196/198
中間体4
4−クロロ−5−イソプロピル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン
中間体2と同じようにして、4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン及び2−ブロモプロパンで中間体4を調製して、4−クロロ−5−イソプロピル−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを得た(収率63%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.57(d,J=6.0Hz,6H)、5.50(spt,J=6.9Hz,1H)、6.72〜6.78(m,1H)、7.69(d,J=3.6Hz,1H)、8.70(s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)196/198
中間体5
2−(4−クロロピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノール
中間体2と同じようにして、4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン及び2−ブロモエタノールで中間体5を調製して、2−(4−クロロピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル)エタノールを得た(収率37%)。1H NMR(400MHz,溶媒)δppm 3.89(t,J=5.5Hz,2H)、4.64(t,J=5.5Hz,2H)、6.69(d,J=3.2Hz,1H)、7.86(d,J=3.2Hz,1H)、8.56(s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)198/200
中間体6
4−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン
中間体2と同じようにして、4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン及び2−ブロモエチルメチルエーテルで中間体6を調製して、4−クロロ−5−(2−メトキシエチル)ピロロ[3,2−d]ピリミジンを得た。それを、さらに精製することなく次のステップで使用した。(MH+) 212/214
中間体7
3−イソプロポキシ−4−ニトロベンゾニトリル
0℃でIPA(1.01ml、13.3mmol)のTHF(150ml)の溶液に、LiHMDS(1M THF)(14.4ml、14.4mmol)を添加し、1時間撹拌した。3−フルオロ−4−ニトロベンゾニトリル(2g、12.0mmol)を添加し、混合物を終夜撹拌した。DCM及び水を添加し、有機層を分離し、乾燥し、濃縮して、橙色固体(2.42g、98%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.43(d,J=6.00Hz,6H)、4.71(spt,J=6.03Hz,1H)、7.28〜7.32(m,1H)、7.33〜7.37(m,1H)、7.80(d,J=8.20Hz,1H)
中間体8
2−イソプロポキシ−4−メチル−1−ニトロ−ベンゼン
中間体7と同じようにして、2−フルオロ−4−メチル−ニトロベンゼンで中間体8を調製して、2−イソプロポキシ−4−メチル−1−ニトロ−ベンゼンを得た。収率53%。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.40(d,J=6.0Hz,6H)、2.40(s,3H)、4.66(spt,J=6.0Hz,1H)、6.75〜6.81(m,1H)、6.87(s,1H)、7.72(d,J=8.2Hz,1H)
中間体9
2−イソプロポキシ−4−クロロ−1−ニトロ−ベンゼン
中間体7と同じようにして、2−フルオロ−4−クロロ−ニトロベンゼンで中間体9を調製して、2−イソプロポキシ−4−クロロ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。収率99%。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.41(d,J=6.0Hz,6H)、4.66(spt,J=6.0Hz,1H)、6.93〜7.00(m,1H)、7.03〜7.09(m,1H)、7.72〜7.81(m,1H)
中間体10
2−イソプロポキシ−4−メトキシ−1−ニトロ−ベンゼン
中間体7と同じようにして、2−フルオロ−4−メトキシ−ニトロベンゼンで中間体10を調製して、2−イソプロポキシ−4−メトキシ−1−ニトロ−ベンゼンを得た。収率98%。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.41(d,J=6.0Hz,6H)、3.82〜3.94(s,3H)、4.64(spt,J=6.0Hz,1H)、6.49(dd,J=8.9,2.5Hz,1H)、6.53(m,J=2.7Hz,1H)、7.94(d,J=8.9Hz,1H)
中間体11
3−イソプロポキシ−4−アミノベンゾニトリル
中間体7(200mg、0.97mmol)の50:50のEtOAc:MeOH(25ml)溶液をH−Cube(カートリッジ:10%Pd/Cカートリッジ;流速:1ml/分;温度:30℃;圧力:H2最高圧)に通した。最終溶液を濃縮して、淡黄色油(151mg、88%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.34(d,J=5.95Hz,6H)、4.31(br.s.,2H)、4.51(spt,J=6.03Hz,1H)、6.62〜6.66(m,1H)、6.92〜6.95(m,1H)、7.02〜7.08(m,1H)。
中間体12
2−イソプロポキシ−4−メチルアニリン
中間体11と同じようにして、中間体8から中間体12を調製して、2−イソプロポキシ−4−メチルアニリンを得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.34(d,J=6.0Hz,6H)、2.24(s,3H)、3.61(br.s.,2H)、4.50(spt,J=6.0Hz,1H)、6.56〜6.59(m,1H)、6.61〜6.64(m,2H)
中間体13
2−イソプロポキシ−4−メトキシアニリン
中間体11と同じようにして、中間体10で中間体13を調製して、2−イソプロポキシ−4−メトキシアニリンを得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.35(d,J=6.0Hz,6H)、3.73(s,3H)、4.49(spt,J=6.0Hz,1H)、6.31〜6.37(m,1H)、6.42〜6.47(m,1H)、6.62〜6.68(m,1H)
中間体14
4−クロロ−2−イソプロポキシ−アニリン
EtOH(30ml)中の中間体9(200mg、0.93mmol)及び酢酸(5ml)の溶液に、鉄粉を添加し、2時間撹拌した。化合物を濃縮し、残渣をMeOHに溶解し、SCXカートリッジに通し、生成物をMeOH中2M NH3メタノール溶液で溶出して、4−クロロ−2−イソプロポキシ−アニリンを得た。それを、さらに精製することなく次のステップで使用した。
中間体15
(1R,2R)−2−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェノキシ)シクロヘキサノール
LiHMDS(8.6ml、8.6mmol、THF中1M)を、室温でTHF(10ml)中の1,2−シクロヘキサンジオール、(1R,2R)−(1g、8.6mmol)にゆっくりと添加した。追加(5ml)のTHFを添加し、混合物を5分間撹拌し、次いで2,4−ジフルオロ−1−ニトロ−ベンゼン(0.943ml、8.6mmol)を滴下して加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物をEtOAc及び2M HCl水溶液で希釈し、有機層を分離し、2M NaOH水溶液で洗浄し、次いで相分離器により溶出し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、0〜15%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製すると、黄色固体(1.2g、55%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 0.97〜1.44(m,4H)、1.48〜1.65(m,2H)、1.69〜1.85(m,1H)、1.87〜2.10(m,1H)、3.41〜3.68(m,1H)、4.12〜4.41(m,1H)、4.92(br.s,1H)、6.76〜7.02(m,1H)、7.39(dd,J=11.45,2.75Hz,1H)、7.91(dd,J=9.16,6.41Hz,1H)
中間体16
(1R,2R)−2−(2−アミノ−5−フルオロ−フェノキシ)シクロヘキサノール
中間体15(1.2g、4.7mmol)の5:1のEtOH:EtOAc(120ml)溶液をH−Cube反応器(カートリッジ:10%Pd/C;流速:1ml/分;温度:室温;圧力:1バール)に通した。溶液を濃縮して、褐色ガム(1.05mg、99%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.16〜1.37(m,4H)、1.51〜1.64(m,2H)、1.78〜1.88(m,1H)、1.95(s,1H)、3.44〜3.56(m,1H)、3.69〜3.81(m,1H)、4.66(br.s.,2H)、5.04(d,J=4.58Hz,1H)、6.47(m,1H)、6.50〜6.58(m,1H)、6.65〜6.73(m,1H);LC−MS(ESI):(MH+)226.1
中間体17
4−フルオロ−2−[(1R,2R)−2−メトキシシクロヘキソキシ]−1−ニトロ−ベンゼン
中間体15(1.36g、5.33mmol)及びトリメチルオキソニウムテトラフルオロボレート(2.36g、16mmol)をDCM(30ml)中にまとめ、室温で終夜撹拌した。混合物を水で希釈し、有機層を分離し、MgSO4で脱水し、濃縮した。カラムクロマトグラフィーにより、2〜5%EtOAc/石油エーテルで溶離して精製すると、黄色油(1g、70%)が得られた。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.16〜1.43(m,3H)、1.50〜1.65(m,1H)、1.66〜1.85(m,2H)、2.01〜2.21(m,2H)、3.29〜3.41(m,4H)、4.14〜4.27(m,1H)、6.62〜6.72(m,1H)、6.87〜6.94(m,1H)、7.82〜7.91(m,1H)
中間体18
4−フルオロ−2−[(1R,2R)−2−メトキシシクロヘキソキシ]アニリン
中間体18を、中間体16と同じようにして調製して、4−フルオロ−2−[(1R,2R)−2−メトキシシクロヘキソキシ]アニリンを金色油(0.84g、95%)として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.18〜1.39(m,3H)、1.42〜1.56(m,1H)、1.63〜1.79(m,2H)、2.05〜2.18(m,2H)、3.28〜3.38(m,1H)、3.44(s,3H)、3.94(m,1H)、6.49〜6.58(m,1H)、6.63〜6.72(m,2H);(MH+)240.2。
中間体19
(1S,2S)−2−(5−フルオロ−2−ニトロ−フェノキシ)シクロヘキサノール
中間体19を、中間体15と同じようにして調整して、黄色固体(1.9g、29%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.14〜1.41(m,4H)、1.51〜1.63(m,2H)、1.75〜1.85(m,1H)、1.90〜2.01(m,1H)、3.44〜3.53(m,1H)、4.26〜4.35(m,1H)、4.94(d,J=5.04Hz,1H)、6.84〜6.92(m,1H)、7.39(dd,J=11.45,2.29Hz,1H)、7.91(dd,J=9.16,5.95Hz,1H)
中間体20
(1S,2S)−2−(2−アミノ−5−フルオロ−フェノキシ)シクロヘキサノール
中間体16と同じようにして調製して、褐色ガム(0.95g)を得た。それを、さらに精製することなく次のステップで使用した。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.16〜1.33(m,4H)、1.48〜1.66(m,2H)、1.78〜1.87(m,1H)、1.93〜2.04(m,1H)、3.45〜3.54(m,1H)、3.71〜3.80(m,1H)、4.63(s,2H)、5.04(d,J=4.58Hz,1H)、6.42〜6.49(m,1H)、6.50〜6.57(m,1H)、6.65〜6.72(m,1H);(MH+)226
中間体21
4−フルオロ−2−[(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキソキシ]−1−ニトロ−ベンゼン
中間体21を、中間体17と同じようにして調製して、黄色油(0.63g、66%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.22〜1.41(m,3H)、1.55(m,1H)、1.66〜1.81(m,2H)、2.02〜2.18(m,2H)、3.29〜3.41(m,4H)、4.13〜4.25(m,1H)、6.62〜6.72(m,1H)、6.91(dd,J=10.53,2.75Hz,1H)、7.82〜7.91(m,1H)
中間体22
4−フルオロ−2−[(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキソキシ]アニリン
中間体22を、中間体16と同じようにして調製して、4−フルオロ−2−[(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキソキシ]アニリンを褐色油(0.54g、97%)として得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.21〜1.39(m,3H)、1.42〜1.54(m,1H)、1.63〜1.81(m,2H)、2.03〜2.17(m,2H)、3.28〜3.36(m,1H)、3.44(s,3H)、3.88〜3.99(m,1H)、6.50〜6.58(m,1H)、6.65〜6.72(m,2H);(MH+)240.2
中間体23
4−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン
DMF(75ml)中の4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(5.0g、32.5mmol)及びナトリウムチオメトキシド(6.8g、97.4mmol)の混合物を室温で3時間撹拌した。混合物をEtOAc及び水で希釈し、有機相を水(3回)及び塩水(1回)で洗浄した。元の水相をDCMで再抽出した。DCM層を水で(2回)洗浄した。EtOAc及びDCM抽出液を1つにまとめ、乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上に事前に吸着させ、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより3:1のEtOAc:石油エーテル、次いでEtOAc、最後にEtOA中5%MeOHで精製すると、薄黄色固体2.97g(55%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 2.67(s,3H)、6.53〜6.62(m,1H)、7.67〜7.79(m,1H)、8.64(s,1H)、12.03(br.s.,1H)。
中間体24
5−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン
中間体25
エチル 5−[(4−メチルフェニル)スルホニル]−4−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
ヘキサン中の1.6M n−ブチルリチウム(14.7ml、23.6mmol)を、−78℃で中間体24(4.42g、13.9mmol)のTHF(250ml)の溶液に滴下して加えた。反応を−78℃で1.75時間撹拌させた。次いで、クロロギ酸エチル(2.93ml、30.5mmol)を滴下して加え、反応混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで0℃まで昇温した。混合物を0℃で30分間撹拌し、次いでを飽和NH4Cl水溶液でクエンチした。混合物をEtOAcで(2回)抽出し、有機抽出液を合わせて、塩水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより2:1の石油エーテル:EtOAcで精製すると、橙色固体2.87g(53%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.24(t,J=7.33Hz,3H)、2.40(s,3H)、2.55(s,3H)、4.33(q,J=6.87Hz,2H)、7.48(d,J=8.24Hz,2H)、7.57(s,1H)、7.96(m,2H)、8.90(s,1H)。
中間体26
エチル 4−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
ナトリウムエトキシドのエタノール溶液(21%(w/v)、4.74ml)を、氷冷した中間体25(2.87g、7.34mmol)のエタノール(80ml)溶液に添加し、混合物を0℃で2時間撹拌した。次いで、1M HClを添加して、pHを6に調整し、混合物を濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲル上に事前に吸着させた後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより2:1のEtOAc:石油エーテルと、続いてEtOAc中の2%〜50%MeOHのグラジエントで溶出して精製すると、薄褐色固体(1.43g、82%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.36(t,J=7.10Hz,3H)、2.66(s,3H)、4.39(q,J=7.33Hz,2H)、7.16〜7.20(m,1H)、8.73(s,1H)。
中間体27
エチル 5−メチル−4−(メチルスルファニル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
DMF(40ml)中の中間体26(1.03g、4.35mmol)、炭酸セシウム(3.07g、8.69mmol)及びヨードメタン(271μl、4.35mmol)の混合物を室温で4時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、EtOAcで(2回)抽出した。有機抽出液を合わせて、水(3回)、塩水(1回)で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上に事前に吸着させた後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより2:1の石油エーテル:EtOAcで溶離して精製すると、薄ピンク色固体(574mg、53%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.35(t,J=7.10Hz,3H)、2.69(s,3H)、4.32〜4.41(m,5H)、7.22(s,1H)、8.71(s,1H)。
中間体28
エチル 4,7−ジクロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
スルフリルクロリド(756μl、9.32mmol)のDCM(30ml)溶液を、氷冷した中間体27(468mg、1.86mmol)のアセトニトリル(30ml)溶液に添加して加えた。反応物を0℃で1.5時間撹拌した。飽和NaHCO3(水溶液)を添加して、pHを7超に調整した。水相をDCMで再抽出した。有機相を合わせて、水で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上に事前に吸着させた後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより3:1の石油エーテル:EtOAcで溶出して精製すると、薄黄色固体(409mg、80%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.39(t,J=7.10Hz,3H)、4.26(s,3H)、4.47(q,J=7.33Hz,2H)、8.81(s,1H)。
中間体29
エチル 7−クロロ−4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
IPA(15ml)中の中間体28(320mg、1.17mmol)、4−フルオロ−2−イソプロポキシアニリン(179μl、1.17mmol)及びPTSA(22mg、0.117mmol)の混合物を撹拌し、60℃で3時間加熱した。反応液を室温まで放冷し、次いで濃縮乾固した。残渣をDCMで希釈し、飽和NaHCO3(水溶液)で洗浄した。水相をDCMで再抽出した。有機相を合わせて、乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲル上に事前に吸着させた後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより40:1のDCM:IPAで溶出して精製すると、薄ベージュ色固体(395mg、83%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.27(d,J=5.95Hz,6H)、1.38(t,J=7.10Hz,3H)、4.31(s,3H)、4.37〜4.47(m,2H)、4.73(dt,J=12.02,6.13Hz,1H)、6.77〜6.86(m,1H)、7.07(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、8.27(dd,J=8.70,6.41Hz,1H)、8.38(s,1H)、8.43(s,1H)
中間体30
エチル 4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート
EtOAc(25ml)中の中間体29(230mg、0.565mmol)、ギ酸アンモニウム(712mg、11.3mmol)及びチャコール担持10%パラジウム(116mg)を撹拌し、1時間加熱還流した。反応混合物を室温に冷却し、セライトでろ過した。ろ液をEtOAcで希釈し、水及び塩水で洗浄し、有機相を乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより40:1のDCM:IPAで溶出して精製すると、薄褐色固体(155mg、74%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.26〜1.38(m,9H)、4.36(q,J=7.33Hz,2H)、4.44(s,3H)、4.75(五重線,J=6.07Hz,1H)、6.81(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、7.07(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、7.12(s,1H)、8.30〜8.42(m,3H)。
中間体31
4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボン酸
1:1のTHF:MeOH(12ml)中の中間体30(155mg、0.417mmol)及び1N NaOH(1.25ml、1.25mmol)の混合物を、室温で2時間撹拌した。反応液を氷浴中で冷却し、1M HClを添加して、pH=4/5にした。次いで、混合物を濃縮乾固した。固体残渣を水中に分散し、混合物をろ過して、薄ベージュ色固体127mg(89%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.29(d,J=5.95Hz,6H)、4.47(s,3H)、4.75(dt,J=11.91,5.95Hz,1H)、6.81(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、7.03〜7.11(m,2H)、8.26〜8.48(m,3H)。
中間体32
tert−ブチル 4−({[(4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−イル)カルボニル]アミノ}メチル)ピペリジン−1−カルボキシレート
DMF(5ml)中の中間体31(75mg、0.218mmol)、1−Boc−4−(アミノメチル)ピペリジン(47mg、0.218mmol)及びDIPEA(190μl、1.09mmol)の混合物を室温で10分間撹拌した。次いで、HATU(116mg、0.305mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、混合物を水で希釈し、EtOAcで抽出し、有機相を水(3回)及び塩水(1回)で洗浄し、乾燥し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより40:1〜20:1のDCM:2M NH3メタノール溶液で溶出して精製すると、灰白色固体82mg(70%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 0.96〜1.12(m,2H)、1.29(d,J=5.95Hz 6H)、1.39(s,9H)、1.63〜1.80(m,3H)、2.57〜2.80(m,2H)、3.17(t,J=6.18Hz,2H)、3.88〜4.00(m,2H)、4.37(s,3H)、4.68〜4.82(m,1H)、6.80(td,J=8.82,2.98Hz,1H)、6.96(s,1H)、7.06(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、8.23(s,1H)、8.33(s,1H)、8.44(dd,J=9.16,6.41Hz,1H)、8.75(t,J=5.72Hz,1H)。m/z(ES+APCI)+:541[M+H]+
中間体33
tert−ブチル 4−(2−{[(4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−イル)カルボニル]アミノ}エチル)ピペラジン−1−カルボキシレート
中間体32と類似した様式で中間体33を調製して、薄褐色固体を得た(収率48%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.29(d,J=5.95Hz,6H)、1.39(s,9H)、2.36〜2.44(m,4H)、3.19〜3.47(m,8H)、4.38(s,3H)、4.75(dt,J=12.25,6.01Hz,1H)、6.80(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、6.92(s,1H)、7.06(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、8.23(s,1H)、8.32(s,1H)、8.44(dd,J=9.16,6.41Hz,1H)、8.66(t,J=5.72Hz,1H)。m/z(ES+APCI)+:556[M+H]+
中間体34
7−クロロ−4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボン酸
中間体31と類似した様式で中間体34を調製して、白色固体を得た(収率93%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.27(d,J=5.95Hz,6H)、4.34(s,3H)、4.73(dt,J=11.91,5.95Hz,1H)、6.81(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、7.07(dd,J=10.76,2.52Hz,1H)、8.21〜8.49(m,3H)。m/z(ES+APCI)+:379/381[M+H]+
5−エチル−N−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−フェニル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
2−イソプロポキシ−4−フルオロアニリン(55mg、0.33mmol)、中間体2(54mg、0.30mmol)、ジオキサン中4M HCl(0.1ml)、及びIPA(2ml)をマイクロ波反応器中において140℃で20分間加熱した。混合物を濃縮し、分取LCMSにより精製して、白色固体(41mg、44%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.43(d,J=6.0Hz,6H)、1.61(t,J=7.3Hz,3H)、4.45(q,J=7.3Hz,2H)、4.68(spt,J=6.0Hz,1H)、6.60(d,J=3.2Hz,1H)、6.69(dd,J=10.0,2.7Hz,1H)、6.75(td,J=8.7,2.7Hz,1H)、7.24(d,J=3.2Hz,1H)、7.58(br.s,1H)、8.54(s,1H)、8.75(dd,J=8.9,6.2Hz,1H);LC−MS(ESI):(MH+)315.2
N−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−フェニル)−5−プロピル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例1と同じようにして、中間体3及び2−イソプロポキシ−4−フルオロアニリンで実施例2を調製して、N−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−フェニル)−5−プロピル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンを得た(5%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 0.99(t,J=7.3Hz,3H)、1.43(d,J=5.9Hz,6H)、2.01(sxt,J=7.1Hz,2H)、4.42(t,J=6.9Hz,2H)、4.70(spt,J=6.0Hz,1H)、6.69〜6.80(m,2H)、6.88(d,J=3.2Hz,1H)、7.40(d,J=3.2Hz,1H)、8.13(br.s,1H)、8.51〜8.58(m,1H)、8.66(s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)329.2
N−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−フェニル)−5−イソプロピル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例1と同じようにして、中間体4及び2−イソプロポキシ−4−フルオロアニリンで実施例3を調製して、生成物を得た(10%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.40〜1.45(d,J=6.0Hz,6H)、1.68(d,J=6.9Hz,6H)、4.68(spt,J=6.0Hz,1H)、4.96(spt,J=6.9Hz,1H)、6.65(d,J=3.2Hz,1H)、6.70(dd,J=10.0,2.7Hz,1H)、6.75(td,J=8.7,2.7Hz,1H)、7.45(d,J=3.2Hz,1H)、7.61(br.s,1H)、8.55(s,1H)、8.65〜8.73(m,1H);LC−MS(ESI):(MH+)329.2
2−[4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エタノール
実施例1と同じようにして、中間体5及び2−イソプロポキシ−4−フルオロアニリンで実施例4を調製して、2−[4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−5−イル]エタノールを得た(7%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.47(d,J=6.0Hz,6H)、4.09(t,J=4.8Hz,2H)、4.38(t,J=4.6Hz,2H)、4.67(spt,J=6.0Hz,1H)、6.07(d,J=3.2Hz,1H)、6.13(br.s.,1H)、6.62〜6.76(m,2H)、6.90(d,J=3.2Hz,1H)、8.16(dd,J=8.7,6.4Hz,1H)、8.20(s,1H)、8.58(br.s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)331.2
N−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−フェニル)−5−(2−メトキシエチル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例1と同じようにして、中間体6及び2−イソプロポキシ−4−フルオロアニリンで実施例5を調製して、所望の生成物(56mg、46%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.40(d,J=6.41Hz,6H)、3.34(s,3H)、3.79(t,J=5.00Hz,2H)、4.55(t,J=5.04Hz,2H)、4.62(spt,J=6.03Hz,1H)、6.61(d,J=3.21Hz,1H)、6.65〜6.74(m,2H)、7.22(d,J=3.20Hz,1H)、8.15(br.s,1H)、8.40〜8.48(m,1H)、8.51(s,1H);LC−MS(ESI):(MH+)345.2
N−(6−クロロ−2−イソプロポキシ−3−ピリジル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
ステップ1 (6−クロロ−2−イソプロポキシ−3−アミノ−ピリジン)
0℃で2−プロパノール(344mg、5.7mmol)のトルエン溶液に、鉱油中の60%水素化ナトリウム分散体(250mg、6.25mmol)を添加し、混合物を45分間撹拌した。次いで、2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジンを添加し、撹拌を終夜続けた。混合物を濃縮し、残渣をEtOAcに溶解し、水で洗浄し、乾燥し、濃縮して、6−クロロ−2−イソプロポキシ−3−ニトロ−ピリジンの黄色固体を得た。黄色固体を酢酸(0.3ml)及びエタノール(10ml)に溶解し、次いで鉄粉(520mg、9.26mmol)を添加し、混合物を3時間撹拌した。混合物をセライトプラグ、次いでシリカプラグでろ過した。ろ液を飽和NaHCO3水溶液で洗浄し、有機層を分離し、乾燥し、濃縮して、6−クロロ−2−イソプロポキシ−3−アミノ−ピリジンを得た。それを、さらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ2
中間体1(50mg、0.3mmol)、6−クロロ−2−イソプロポキシ−3−アミノ−ピリジン(67mg、0.36mmol)、4M HCl(0.1ml)ジオキサン溶液、及びIPA(2ml)をマイクロ波反応器中において140℃で20分間加熱した。混合物を濃縮し、HPLC精製に供して、N−(6−クロロ−2−イソプロポキシ−3−ピリジル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンの白色固体(22mg、23%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.43(d,J=6.20Hz,6H)、4.20(s,3H)、5.45(spt,J=6.18Hz,1H)、6.56(d,J=3.20Hz,1H)、6.96(d,J=8.20Hz,1H)、7.17(d,J=3.20Hz,1H)、7.70(br.s,1H)、8.53(s,1H)、9.04(d,J=8.20Hz,1H);LC−MS(ESI):(MH+)318/320。
3−イソプロポキシ−4−[(5−メチルピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]ベンゾニトリル
中間体11(63mg、0.36mmol)、中間体1(50mg、0.30mmol)、4M HClジオキサン溶液(0.1ml)、及びIPA(2ml)をマイクロ波反応器中において140℃で20分間加熱した。混合物を濃縮し、分取LCMSにより精製して、白色固体(10.5mg、11%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.46(d,J=6.00Hz,6H)、4.21(s,3H)、4.74(spt,J=6.03Hz,1H)、6.59(d,J=3.21Hz,1H)、7.13(d,J=1.37Hz,1H)、7.20(d,J=3.21Hz,1H)、7.36(dd,J=8.24,1.83Hz,1H)、8.15(s,1H)、8.59(s,1H)、8.96〜9.05(m,1H);LC−MS(ESI):(MH+)308。
N−(2−イソプロポキシ−4−メチル−フェニル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例7と同じようにして、中間体1及び中間体12で実施例8を調製して、N−(2−イソプロポキシ−4−メチル−フェニル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンを得た(収率22%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.40(d,J=6.0Hz,6H)、2.35(s,3H)、4.20(s,3H)、4.69(spt,J=6.0Hz,1H)、6.53(d,J=2.7Hz,1H)、6.75(d,J=1.8Hz,1H)、6.84(dd,J=8.2,0.9Hz,1H)、7.11(d,J=3.2Hz,1H)、7.83(br.s,1H)、8.50(s,1H)、8.61(d,J=8.2Hz,1H);LC−MS(ESI):(MH+)297.0
N−(4−クロロ−2−イソプロポキシ−フェニル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例7と同じようにして、中間体1及び中間体14で実施例9を調製して、N−(4−クロロ−2−イソプロポキシ−フェニル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンを得た(収率26%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.42(d,J=6.0Hz,6H)、4.22(s,3H)、4.68(spt,J=6.0Hz,1H)、6.55(d,J=3.2Hz,1H)、6.90(d,J=2.3Hz,1H)、7.01(dd,J=8.7,2.3Hz,1H)、7.14(d,J=2.7Hz,1H)、7.84(s,1H)、8.52(br.s,1H)、8.78(d,J=8.7Hz,1H);LC−MS(ESI):(MH+)317.1
N−(2−イソプロポキシ−4−メトキシ−フェニル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例7と同じようにして、中間体1及び中間体13で実施例10を調製して、所望の生成物を得た(収率34%)。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.41(d,J=6.0Hz,6H)、3.83(s,3H)、4.18(s,3H)、4.65(spt,J=6.0Hz,1H)、6.51(d,J=3.2Hz,1H)、6.53〜6.59(m,2H)、7.10(d,J=2.7Hz,1H)、7.66(br.s,1H)、8.49(s,1H)、8.61(d,J=8.7Hz,1H);LC−MS(ESI):(MH+)313.2
N−[4−フルオロ−2−[2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エトキシ]フェニル]−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例7と同じようにして、中間体1及び4−フルオロ−2−[2−フルオロ−1−(フルオロメチル)エトキシ]アニリンで実施例11を調製して、所望の生成物(7.3mg、7%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 4.15(s,3H)、4.68(q,J=1.98Hz,3H)、4.77〜4.84(m,2H)、6.50〜6.56(m,1H)、6.79(dd,J=9.62,2.75Hz,1H)、6.86(ddd,J=9.16,8.24,2.75Hz,1H)、7.13(d,J=3.21Hz,1H)、7.65(br.s,1H)、8.49(s,1H)、8.68〜8.77(m,1H);LC−MS(ESI):(MH+)337
4−[5−フルオロ−2−[(5−メチルピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ]シクロヘキサノール
実施例7と同じようにして、中間体1及び4−(2−アミノ−5−フルオロ−フェノキシ)シクロヘキサノールで実施例12を調製して、所望の生成物(12.9mg、12%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.46〜1.60(m,4H)、1.54(s,1H)、2.02〜2.14(m,2H)、2.19〜2.33(m,2H)、3.73〜3.84(m,1H)、4.18(s,3H)、4.28〜4.40(m,1H)、6.55(d,J=2.75Hz,1H)、6.70(dd,J=10.07,2.75Hz,1H)、6.75(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、7.14(d,J=3.21Hz,1H)、7.61(s,1H)、8.50(s,1H)、8.63〜8.70(m,1H)、8.67(s,1H)、);LC−MS(ESI):(MH+)357。
N−(4−フルオロ−2−テトラヒドロピラン−4−イルオキシ−フェニル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例7と同じようにして、中間体1及び4−フルオロ−2−テトラヒドロピラン−4−イルオキシ−アニリンで実施例13を調製して、所望の生成物(18.5mg、18%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.75(dtd,J=13.51,9.50,9.50,4.12Hz,2H)、2.10〜2.19(m,2H)、3.56(ddd,J=12.14,10.07,2.52Hz,2H)、3.97〜4.04(m,2H)、4.18(s,3H)、4.49〜4.57(m,1H)、6.55(d,J=3.21Hz,1H)、6.69(dd,J=10.07,2.75Hz,1H)、6.75(ddd,J=9.16,8.24,2.75Hz,1H)、7.11〜7.16(m,1H)、7.58〜7.69(m,1H)、8.50(s,1H)、8.67(dd,J=9.16,6.41Hz,1H);LC−MS(ESI):(MH+)343。
N−(1H−インダゾール−5−イル)−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例7と同じようにして、中間体1及び5−アミノインダゾールで実施例14を調製して、所望の生成物(24mg、30%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 4.16(s,3H)、6.40(d,J=3.21Hz,1H)、7.51(d,J=0.92Hz,2H)、7.53(d,J=3.21Hz,1H)、7.93〜7.98(m,1H)、8.01〜8.06(m,1H)、8.18(s,1H)、8.40(br.s.,1H);LC−MS(ESI):(MH+)357.2
[実施例15−24]
実施例7と同じようにして、中間体1及び適切なアミンから、実施例15〜24を調製した。
N−[2−(シクロペンチルオキシ)−4−フルオロフェニル]−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
4−クロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(60mg、0.36mmol)、p−TsOH.H2O(6.8mg、0.04mmol)、2−(シクロペンチルオキシ)−4−フルオロアニリン(70mg、0.36mmol)、及びIPA(1ml)をマイクロ波反応器バイアルに入れた。バイアルを密封し、Biotage I−60マイクロ波反応器中において140℃で15分間照射した。反応混合物を濃縮し、次いで10%MeOHDCM溶液に溶解し、Isolute−NH2カートリッジに通して溶出した。分取HPLCにより精製して、白色固体(48mg、41%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.55〜1.67(m,4H)、1.73〜1.80(m,2H)、1.90〜1.97(m,2H)、4.21(s,3H)、4.94〜4.98(m,1H)、6.41(d,J=2.7Hz,1H)、6.76〜6.81(m,1H)、6.99(dd,J=11.0,2.7Hz,1H)、7.54(d,J=2.7Hz,1H)、7.95〜7.97(m,1H)、8.27(s,1H)、8.43(dd,J=9.2,6.4Hz,1H);m/z(ES+APCI)+ 327[M+H]+。
[実施例26−35]
実施例25と同じようにして、中間体1及び適切なアミンから、実施例26〜31を調製した。反応をマイクロ波加熱ではなく60℃における通常の加熱で実施した点以外は実施例25と同様な様式で、実施例32〜35を実施した。
Xbridge C18カラム(粒径3.5μm及び4.6×30mm)及びダイオードアレイUV検出器を備えたAgilent 6120四重極型LC−MSを使用して、LCMSを実施した。流速3ml/分;a実行時間:3.2分:溶媒A:0.1%トリフルオロ酢酸水、溶媒B:アセトニトリル;グラジエント−10〜100%アセトニトリル;グラジエント時間:2.35分。b実行時間:3.2分:溶媒A:0.1%水酸化アンモニウム水、溶媒B:アセトニトリル;グラジエント−10〜100%アセトニトリル;グラジエント時間:2.35分。c実行時間:3.2分:溶媒A:0.1%水酸化アンモニウム水、溶媒B:メタノール;グラジエント−10〜100%メタノール;グラジエント時間:2.35分。
[実施例36]
(1S,2S)−2−[5−フルオロ−2−[(5−メチルピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)アミノ]フェノキシ]シクロヘキサノール
中間体20(81mg、0.36mmol)、4−クロロ−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン(60mg、0.36mmol)、pTsOH.H2O(7mg、0.036mmol)、及びIPA(2ml)を、密封したマイクロ波反応器バイアル中に混合し、Biotageマイクロ波反応器中において140℃で15分間加熱した。混合物を蒸発させ、分取LCMSにより精製して、白色固体(45mg、35%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.12〜1.40(m,4H)、1.53〜1.63(m,2H)、1.80〜1.89(m,1H)、2.01〜2.13(m,1H)、3.44〜3.54(m,1H)、4.02〜4.12(m,1H)、4.18(s,3H)、5.08(d,J=4.58Hz,1H)、6.36〜6.41(m,1H)、6.72〜6.80(m,1H)、7.04〜7.12(m,1H)、7.51〜7.57(m,1H)、8.08〜8.15(m,1H)、8.26(s,1H)、8.38〜8.48(m,1H);m/z(ES+APCI)+ 357.2
[実施例37]
N−[4−フルオロ−2−[(1S,2S)−2−メトキシシクロヘキソキシ]フェニル]−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例36と同じようにして、中間体29及び4−クロロ−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジンから実施例37を調製して、白色固体(30mg、22%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.09〜1.40(m,4H)、1.47〜1.64(m,2H)、1.92〜2.09(m,2H)、3.18(s,3H)、3.20〜3.27(m,1H)、4.17(s,3H)、4.24〜4.39(m,1H)、6.34〜6.41(m,1H)、6.70〜6.80(m,1H)、7.02〜7.13(m,1H)、7.49〜7.54(m,1H)、7.88〜7.99(m,1H)、8.19〜8.25(m,1H)、8.27〜8.35(m,1H);(MH+)371
[実施例38]
N−[4−フルオロ−2−[(1R,2R)−2−メトキシシクロヘキソキシ]フェニル]−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
実施例36と同じようにして、中間体18及び4−クロロ−5−メチル−ピロロ[3,2−d]ピリミジンから実施例38を調製して、白色固体(48mg、36%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.11〜1.41(m,4H)、1.47〜1.64(m,2H)、1.98(t,J=9.39Hz,2H)、3.18(s,3H)、3.20〜3.26(m,1H)、4.17(s,3H)、4.26〜4.37(m,1H)、6.34〜6.40(m,1H)、6.72〜6.80(m,1H)、7.04〜7.11(m,1H)、7.52(d,J=3.21Hz,1H)、7.96(s,1H)、8.23(s,1H)、8.26〜8.35(m,1H);(MH+)371。
[実施例39]
N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
ステップ1 (4−クロロ−5−(p−トリルスルホニル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン)
NaH(鉱油中60%、0.17g、4.23mmol)を、N2下に0℃で撹拌した4−クロロ−5H−ピロロピリミジン(0.5g、3.26mmol)のDMF(20ml)溶液に少しずつ添加した。溶液を0℃で10分間撹拌し、次いでp−トルエンスルホニルクロリド(683mg、0.04mmol)を添加し、反応液を室温で4時間撹拌した。反応混合物を0℃にて水(30ml)でクエンチし、DCMで(3回)抽出した。有機物を合わせて、水(3回×30ml)、塩水で洗浄し、(MgSO4)乾燥し、次いで溶媒を真空除去して、所望の生成物を白色固体(0.63g、48%)として得た。
ステップ2 (エチル 4−クロロ−5−(p−トリルスルホニル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート)
n−ブチルリチウム(ヘキサン中1.6M、1.38ml、2.21mmol)を、N2下に−78℃で撹拌した4−クロロ−5−(p−トリルスルホニル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン(0.4g、1.30mmol)のTHF(25ml)溶液に滴下して加えた。溶液を−78℃で2時間撹拌し、次いでクロロギ酸エチル(0.27μL、2.87mmol)を添加した。反応液を−78℃で1時間撹拌し、次いで0℃まで温め、1時間撹拌した。混合物を飽和NH4Cl(水溶液)でクエンチし、EtOAcで(2回)抽出し、有機層を合わせて、塩水で洗浄し、(MgSO4)乾燥し、留去した。フラッシュクロマトグラフィーにより10〜40%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製すると、黄色油(0.34g、70%)が得られた。
ステップ3 (エチル 4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート)
エチル 4−クロロ−5−(p−トリルスルホニル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(200mg、0.53mmol)、5−フルオロインドリン(217mg、1.58mmol)、p−TsOH.H2O(10mg、0.05mmol)、及びIPA(2ml)を密封したマイクロ波反応器バイアルに入れ、混合物に80℃で20分間照射した。反応混合物を2gのIsolute−NH2カートリッジ上に添加し、DCM:MeOH(1:1)で溶出し、ろ液を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより0〜5%2M NH3メタノール−DCM溶液で溶出して精製すると、黄色固体(160mg、93%)が得られた。
ステップ4 (エチル 4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート)
NaH(鉱油中60%、27mg、0.67mmol)を、N2下に0℃で撹拌したエチル 4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(137mg、0.42mmol)のDMF(5ml)溶液に少しずつ添加した。混合物を室温で45分間撹拌し、次いでSEMCl(111μL、0.63mmol)を添加し、混合物を室温で18時間撹拌した。反応混合物を水でクエンチすると、黄色沈澱物が得られた。固体をろ過し、水で洗浄し、次いでトルエン/MeCNと共沸することによって乾燥した。不純物を含む黄色固体(230mg)として、所望の生成物を単離した。
ステップ5 (4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボン酸)
撹拌したEtOH(10ml)及びTHF(10ml)中のエチル 4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート(230mg、0.50mmol)の溶液に、1N NaOH(1.2ml、1.2mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間撹拌し、次いで2M HClで酸性化し、乾固するまで溶媒を留去した。粗生成物を水にあけ、ろ過し、乾燥して、灰白色固体(216mg、100%)を得た。
ステップ6 (N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド)
4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5−(2−トリメチルシリルエトキシメチル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボン酸(220mg、0.51mmol)、HATU(231mg、0.61mmol)、DIPEA(0.49ml、2.80mmol)及びN,N−ジメチルアミノプロピルアミン(39μL、0.47mmol)をDCM(3ml)及びDMF(3ml)中に1つにまとめ、室温で18時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、分液し、水相をDCMで(2回)抽出した。溶媒を留去した後、粗生成物をEtOAcに溶解し、H2O(2回)、塩水で洗浄し、(MgSO4)乾燥し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーにより10〜20%2M NH3メタノール−DCM溶液で溶出して精製すると、120mg(46%)の生成物が得られた。それを次のステップで使用した。
ステップ7 (N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(実施例39))
N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4(5−フルオロインドリン−1−イル)−5−(2−トリメチルシリル−エトキシメチル)−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド(70mg、0.14mmol)のTHF(5ml)溶液に、エチレンジアミン(14μL、0.20mmol)及び1M TBAFのTHF溶液(0.17ml、0.16mmol)を添加した。混合物を2時間還流し、冷却し、濃縮し、HPLCにより精製して、実施例39(8mg、15%)を得た。1H NMR(400MHz,クロロホルム−d)δppm 1.79(quin,J=5.7Hz,2H)、2.38(s,6H)、2.59(t,J=5.50Hz,2H)、3.32(t,J=8.24Hz,2H)、3.59(q,J=5.50Hz,2H)、4.59(t,J=8.47Hz,2H)、6.76(s,1H)、6.90〜7.00(m,2H)、8.16(m,J=8.70Hz,1H)、8.54〜8.60(m,1H)、9.33(br.s.,1H)、9.43(br.t,J=1.00Hz,1H);LC−MS(ESI):(MH+)383.1
[実施例40]
N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
DCM(2ml)中の中間体31(30mg、0.087mmol)、3−(ジメチルアミノ)−1−プロピルアミン(11μl、0.087mmol)及びHOBt(12mg、0.087mmol)の混合物を室温で10分間撹拌した。EDC塩酸塩(17mg、0.087mmol)を添加し、反応混合物を室温で終夜撹拌した。次いで、反応混合物をSCXカートリッジに通して、MeOHで溶出した。生成物を2M NH3メタノール溶液で溶出し、溶出液を濃縮乾固した。残渣をシリカゲル上に事前に吸着させた後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより10:1のDCM:2M NH3メタノール溶液で溶出して精製すると、黄色固体が得られた。Et2O中で固体を洗浄することによって、白色固体(15mg、40%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.29(d,J=5.95Hz,6H)、1.67(五重線,J=7.10Hz,2H)、2.14(s,6H)、2.27(t,J=7.10Hz,2H)、3.22〜3.34(m,2H)、4.38(s,3H)、4.75(dt,J=12.25,6.01Hz,1H)、6.80(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、6.93(s,1H)、7.06(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、8.23(s,1H)、8.32(s,1H)、8.45(dd,J=8.70,6.41Hz,1H)、8.74(t,J=5.72Hz,1H)。m/z(ES+APCI)+:429[M+H]+
[実施例41]
4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
TFA(2ml)及びDCM(6ml)中の中間体32(78mg、0.144mmol)を室温で2時間撹拌した。次いで、反応混合物を濃縮乾固した。残渣をMeOHに溶解し、溶液をSCXカートリッジに通した。生成物を2M NH3メタノール溶液で溶出し、溶出液を濃縮した。残渣をシリカゲル上に予備吸収させた後、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーにより3:1のDCM:2M NH3メタノール溶液で溶出して精製すると、灰白色固体(42mg、66%)が得られた。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 0.97〜1.12(m,2H)、1.29(d,J=5.95Hz,6H)、1.55〜1.70(m,3H)、2.35〜2.46(m,2H)、2.87〜2.97(m,2H)、3.13(t,J=6.18Hz,2H)、4.37(s,3H)、4.75(dt,J=12.02,6.13Hz,1H)、6.80(td,J=8.93,2.75Hz,1H)、6.95(s,1H)、7.06(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、8.22(s,1H)、8.32(s,1H)、8.45(dd,J=8.93,6.64Hz,1H)、8.70(t,J=5.72Hz,1H)。m/z(ES+APCI)+:441[M+H]+
[実施例42]
4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−N−[2−(ピペラジン−1−イル)エチル]−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
実施例41と同様の方法で実施例42を調製して、灰白色固体(収率47%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.29(d,J=5.95Hz,6H)、2.26〜2.48(m,6H)、2.69(t,J=4.81Hz,4H)、3.27〜3.44(m,2H)、4.38(s,3H)、4.75(dt,J=12.02,6.13Hz,1H)、6.80(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、6.91(s,1H)、7.06(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、8.23(s,1H)、8.32(s,1H)、8.45(dd,J=8.70,6.41Hz,1H)、8.63(t,J=5.50Hz,1H)。m/z(ES+APCI)+:456[M+H]+
[実施例43]
7−クロロ−N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4−{[4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)フェニル]アミノ}−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
中間体32と同様の方法で、中間体29から実施例43を調製して、灰白色固体を得た(収率43%)。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 1.22〜1.31(m,6H)、1.70(五重線,J=6.98Hz,2H)、2.15(s,6H)、2.33(t,J=7.10Hz,2H)、3.28〜3.40(m,2H)、4.73(dt,J=12.25,6.01Hz,1H)、6.81(td,J=8.70,2.75Hz,1H)、7.06(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、8.26(s,1H)、8.31(dd,J=9.16,6.41Hz,1H)、8.35(s,1H)、8.81〜8.96(m,1H)。m/z(ES+APCI)+:463/465[M+H]+
[実施例44]
N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
ステップ1 (エチル 4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート)
4−クロロ−5−(p−トリルスルホニル)ピロロ[3,2−d]ピリミジン(400mg、1.06mmol)、4−フルオロ−2−(プロパン−2−イルオキシ)アニリン(184mg、1.11mmol)、pTsOH.H2O(20mg、0.11mmol)、及びIPA(1ml)に、Biotage I−60マイクロ波反応器中において100℃で20分間照射した。反応混合物を濃縮し、10%MeOHのDCM溶液に溶解し、Isolute−NH2カートリッジに通して溶出した。フラッシュクロマトグラフィーにより0〜50%EtOAc/石油エーテルで溶出して精製すると、黄色固体(195mg、52%)が得られた。
ステップ2 (4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボン酸)
撹拌したEtOH(5ml)及びTHF(5ml)中のエチル 4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキシレート)(171mg、0.48mmol)の溶液に、1N NaOH(2.39ml、2.39mmol)を添加した。反応混合物を70℃で1時間加熱し、冷却し、濃縮した。粗生成物を水に溶解し、1M HClで中和し、減圧下で濃縮して、固体(187mg)を得た。それを、さらに精製することなく次のステップで使用した。
ステップ3 N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボキサミド
4−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−アニリノ)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−6−カルボン酸(158mg、0.47mmol)、HATU(196mg、0.52mmol)、DIPEA(0.38ml、2.21mmol)及びN,N−ジメチルアミノプロピルアミン(46μL、0.37mmol)をDMF(5ml)中に混合し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、10%MeOHのDCM溶液に溶解し、Isolute−NH2カートリッジに通して溶出した。フラッシュクロマトグラフィーにより0〜15%1M NH3のメタノール/DCM溶液で溶出した後、続いて分取LCMSによって精製すると、白色固体(17mg、11%)が得られた。1H NMR(400MHz,CD3OD)δppm 1.27〜1.40(m,6H)、1.77〜1.91(m,2H)、2.24〜2.33(m,6H)、2.42〜2.48(m,2H)、3.37〜3.50(m,2H)、4.65(spt,J=6.11Hz,1H)、6.61〜7.08(m,3H)、7.75〜8.16(m,1H)、8.23(s,1H)。m/z(ES+APCI)+:415[M+H]+
[実施例45]
N−(4−フルオロ−2−イソプロポキシ−フェニル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン
4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミン(75mg、0.49mmol)、4−フルオロ−2−イソプロポキシアニリン(99mg、0.59mmol)、イソプロパノール(2ml)及びジオキサン中4M HCl(0.1ml)をバイアル中で混合し、Biotage Initiator 60マイクロ波反応器中において140℃で30分間照射した。混合物を濃縮し、分取HPLCにより精製して、灰白色固体(25mg、18%)を得た。1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 0.46(d,J=6.41Hz,6H)、3.78〜3.88(m,1H)、5.63(dd,J=2.75,1.83Hz,1H)、5.92〜5.98(m,1H)、6.20(dd,J=10.99,2.75Hz,1H)、6.80〜6.82(m,1H)、7.21(dd,J=8.93,6.64Hz,1H)、7.37(s,1H)、7.38〜7.40(m,1H)、10.78(br.s.,1H);m/z(ES+APCI)+:287[M+H]+
[実施例46]
4−(5−フルオロインドリン−1−イル)−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン
実施例45と同じようにして、5−フルオロインドリンと4−クロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−アミンを反応させることによって調製して、薄褐色固体を得た。m/z(ES+APCI)+ 1H NMR(400MHz,DMSO−d6)δppm 3.28〜3.37(m,2H)、4.60(t,J=8.70Hz,2H)、6.51(dd,J=3.21,1.83Hz,1H)、6.97〜7.04(m,1H)、7.11〜7.16(m,1H)、7.62(t,J=3.21Hz,1H)、8.34〜8.42(m,2H)、11.42(br.s.,1H):255[M+H]+
MNK1及び2のIC50生化学的アッセイ
化合物のMNK1及びMNK2活性への効果は、セリン/トレオニンキナーゼペプチド5FAM−RRRLSSLRA−NH2のリン酸化をモニターすることによる生化学的アッセイにおいて決定した。Caliper LabChip EZ Reader IIを使用するCaliper Mobility Shift Assayを利用して、リン酸化ペプチド産物及び非リン酸化ペプチド基質を検出した。
Caliper Mobility Shift Assay技術は、基質と産物の電気泳動分離並びにレーザー誘起蛍光検出によって蛍光性非リン酸化ペプチド基質のリン酸化産物への変換を測定するためのマイクロ流体チップの利用することに基づいている。LabChip EZ Readerソフトウェアは、基質と産物の相対ピーク高さを算出し、ピーク比(産物ピーク(P)を産物ピーク(P)と基質ピーク(S)の和で割った値)を示す。変換率(%)は100×[(P/(P+S)]として算出される。アッセイはすべて、基質変換率が最大10%であるで線形位相において実行されるように設定された。
試薬
すべてのスクリーニング活性に使用される酵素MNK1及びMNK2は、Carna Biosciences社から供給された(製品コードはそれぞれ02−145及び02−146)。これらは、バキュロウイルス発現系において発現し、グルタチオンセファロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製されたN末端GST融合タンパク質であった。具体的には、これらの構造は、完全長ヒトMNK1[1−424(終止)アミノ酸及びT344D、受託番号BAA19885.1]及び完全長ヒトMNK2[1−465(終止)アミノ酸及びT379D、受託番号NP_951009.1]から構成されている。FAM標識されたジェネリックser/thrキナーゼペプチド基質は、Anaspec社から購入した(5−FAM−RRRLSSLRA−NH2)。Caliper- LabChip EZ Reader 12-シッパー(カタログ番号760404)で使用するための検出試薬である分離用緩衝剤及びコーティング試薬−8(CR−8)は、Perkin Elmer社から購入した。他のアッセイ試薬はすべて、Sigma社から供給されたものである。
MNK1アッセイ
化合物をDMSOで段階希釈して、アッセイにおける最終最高濃度100μMで10点半対数希釈曲線を作成した。反応は、ポリプロピレン製384ウェルU字型底プレート(Thermo Scientific 4340)中において総容積30μLで行った。化合物を反応緩衝剤中で酵素及びペプチドと共に30分間プレインキュベートした後、ATPを添加して、反応を開始した。最終アッセイ濃度は、3nM MNK1、2μMペプチド基質、50μM ATP、50mM Hepes(pH7.0)、0.01%BSA、10mM MgCl2、1mMジチオトレイトールであった。プレートを室温でインキュベートし、基質変換率約10%が達成されたとき、2容量の(60μl)の50mM EDTAを添加することによって反応を止めた。
アッセイのインキュベーション時間は、使用するATPの濃度に応じて調整した。アッセイは、低(50μM)及び高(1mM)ATPで行った。標準アッセイのKm条件で実行して、他のキナーゼと相対効力を比較することができるように、低ATP値を選択した。高ATP濃度を、細胞ATP濃度の代表として、またATP競合の指標に選択した。この場合、Km条件に比べて、見かけ上の効力の(半対数より高い)著しい変化が予想される。記載されているIC50値はすべて、独立した実験の少なくとも2回の平均である。
MNK2アッセイ
アッセイにおいて10nM MNK2を使用して、上記のようにして反応を行った。標準アッセイでは、50μM ATPが含まれ、高濃度ATPアッセイでは、1mM ATPが含まれた。変換率10%を達成する時間は様々であった。他の条件はすべて同じであった。
MNK細胞活性ホスホ−eIF4E検出アッセイ
細胞におけるMNK活性は、細胞ライセート中において、MNK1/2の公知の内在性基質によるser209におけるeIF4Eのリン酸化をモニタリングすることによって測定した。増幅ルミネセンス近接ホモジニアスアッセイ(Alphascreen Surefire p-eIF4Eキット、Perkin Elmer社)を使用して、用量依存的反応を384フォーマット細胞ベースアッセイにおいて定量することができた。アッセイ検出は、ドナー及びアクセプタービーズにカップリングしている抗体サンドイッチ複合体が形成されることに基づいている。680nmにおける励起は、ドナー及びアクセプタービーズが検体(p−eIF4a−ser209)に結合することによって近傍に存在すると、ドナービーズとアクセプタービーズ間における一重項酸素種の移動によって引き起こされ、結果として520〜620nmの光を発する。
いくつかのがん細胞株を調査し、二重表現型B骨髄単球性白血病細胞株であるMV4.11細胞株(ATCC、CRL−9591)が、化合物のルーチンのプロファイリング用に選択された。化合物希釈液をIMDM−10%FBS培地で調製して、アッセイにおける最終最高濃度30μMから始めて、10点半対数段階希釈液を生成した。凍結細胞をIMDM−10%FBS培地に1.2×106/mlの濃度で懸濁した。4μl(ウェル当たり4,800細胞)を、384組織培養Proxiplateプレート(Perkin Elmer 6008238)の各ウェルに分注し、4μlの化合物培地希釈液を細胞に添加し、37℃、5%CO2で1.5時間インキュベートした。次いで、細胞を溶解し、製造業者の推奨に応じて、Aphascreen Surefireプロトコルに従った。8μlのアクセプタービーズ(キット活性化緩衝液で1:50希釈)を添加して、溶解し、150rpmで2分間振盪し、室温で1.5時間インキュベートした。次いで、3μlのドナービーズ(キット希釈緩衝液中、1:20希釈)を添加し、150rpmで2分間振盪し、室温でさらに1.5時間インキュベートし、その後、Alphascreen光学モジュールを使用するPherastar FSで、プレートを読み取った。
データを、コントロールのみの無処理DMSO及び実験中に2回反復された曲線に対して正規化した。記載されているデータは、独立した実験の少なくとも2回の平均である。
キナーゼ選択性スクリーン
Eurofins KinaseProfiler(商標)(www.eurofins.com/pharmadiscoveryを参照のこと)又は同様のそのようなサービス提供者など第三者のキナーゼプロファイリングサービスによって、市販の試薬及びプロトコルを使用して、キナーゼスクリーニングを実施した。
実施例40のキナーゼ選択性スクリーンの結果を表2に示す。データは、1μM化合物の存在下におけるそれぞれの特異的キナーゼの阻害(%)として表される。
本発明に述べられた態様の様々な改変及び変形は、本発明の範囲及び趣旨から逸脱することのない範囲で、当業者には自明であろう。本発明については、好ましい具体的な実施形態に関して説明してきたが、特許請求される本発明は、そのような具体的な実施形態に過度に限定されるべきではないと理解されたい。たしかに、説明された本発明の実施の形態の様々な改変であって、関連する分野における技術者に明白であるものについては、以下の特許請求の範囲内であることを意図するものである。
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