以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る遊技システム1が適用された遊技店の内部を示す模式図である。遊技店の一例は、パチンコ店であり、その内部は、パチンコ台等の遊技台2が複数設置された遊技ホールと、遊技店の店員用の事務所と、パチンコ玉等の遊技媒体と賞品とを交換するためのカウンターとに仕切られている。遊技システム1は、受付手段の一例としての台間機3と、管理手段の一例としての顧客管理サーバー4と、賞品管理機5とを含む。
台間機3は、遊技ホールにおいて、各遊技台2に1対1にて対応して設けられている。各台間機3は、その隣(図1では正面から見て右隣)の遊技台2に対する専用機であって、当該遊技台2に対して通信可能に接続されている。台間機3には、個々の台間機3を特定するための受付手段識別情報の一例としての号機番号が割り当たられている。以下では、図1における左端の台間機3の号機番号を「001」とし、左端から2番目、3番目、4番目および5番目の台間機3の号機番号を、順に「002」、「003」、「004」および「005」とする。図1において、各台間機3を指す符号の末尾の括弧書内の数字は、号機番号である。台間機3の号機番号は、台間機3に対応する遊技台2の識別情報でもある。
台間機3(001)を参照して、台間機3の本体3Aの正面には、紙幣投入口6と、液晶タッチパネル等からなる表示部7と、カード出入口8とが設けられている。遊技者が、紙幣を紙幣投入口6に投入して、遊技台2の上皿9の投出ボタン10を押すと、台間機3から指示を受けた遊技台2が、所定数の遊技媒体を上皿9に投出する。遊技者は、上皿9に投出された遊技媒体を用いて遊技台2にて遊技することができる。
遊技によって新たに獲得された遊技媒体は、遊技台2の下皿11に溜まる。台間機3は、下皿11の真下に配置された受皿12を含む。遊技者は、下皿11の底を開放することによって、下皿11内の遊技媒体を受皿12に落下させることができる。受皿12に落下した遊技媒体は、通路13を通って台間機3の本体3Aに送り込まれ、本体3A内の計数部(図示せず)によって計数される。計数された遊技媒体は、パチンコ玉の場合には、持玉となる。遊技店に会員登録していない遊技者(一般客)の持玉は、持玉が発生した当日中に限って有効であるが、遊技店に会員登録した遊技者(会員客)の持玉は、貯玉として翌日以降も有効である。以下の説明では、特に断りがない場合には、遊技者が会員客であるものとする。
表示部7には、遊技者向けの情報等が表示される。カード出入口8には、遊技者の記録媒体の一例であるカード14が出し入れされる。個々のカード14には、識別情報が割り当てられている。カード14の識別情報は、当該カード14が会員客向けの会員カードである場合には、そのカード14を所有する遊技者を識別するための会員コードでもある。なお、この実施形態では、カード14の識別情報と会員コードとが同じ情報として一致しているが、これらの情報は、1対1にて対応しているのであれば、同じ情報でなくてもよい。遊技者が自分のカード14をカード出入口8に挿入して受皿12の払出ボタン15を押すと、このカード14を受け付けた台間機3では、この遊技者が保有する持玉または貯玉が、台間機3の本体3Aから延びるノズル16を通って遊技台2の上皿9に払い出される。遊技者は、上皿9に払い出された持玉または貯玉を用いて遊技台2において遊技することができる。遊技を終えた遊技者が、上皿9の終了ボタン17を押すと、カード14がカード出入口8から排出されて遊技者に返却される。カード14が返却された遊技者は、別の遊技台2に台移動して、この遊技台2に対応する台間機3のカード出入口8にカード14を挿入することによって、自身の持玉や貯玉を用いて、この遊技台2にて再遊技することができる。持玉や貯玉を賞品に交換したい遊技者は、カード14を持ってカウンターへ向かう。
顧客管理サーバー4は、いわゆるパソコンであって、事務所に設置されている。顧客管理サーバー4は、有線または無線の通信回線によって構成されたLAN20(後述する図2参照)を介して、各台間機3に対して通信可能に接続されている。詳しくは後述するが、顧客管理サーバー4は、各遊技者の持玉や貯玉の数等を、遊技者の会員コードと対応付けて管理している。
賞品管理機5は、遊技店にて取り扱われる賞品の在庫を管理するPOS端末であって、カウンターに単数または複数設けられている。賞品管理機5は、キーボード等によって構成された操作部21と、液晶のタッチパネル等によって構成された表示操作部22とを含む。賞品管理機5は、LAN23(図2参照)を介して、顧客管理サーバー4に対して通信可能に接続されている。カウンターを担当する店員Aは、賞品管理機5に設けられたカードリーダー等の読取部24(図2参照)によって遊技者のカード14から識別情報を取得する。賞品管理機5は、取得した識別情報に対応する持玉や貯玉の数(残高)を顧客管理サーバー4から取得する。遊技者は、自身の持玉や貯玉の数の範囲内にて、交換したい賞品を指定することができる。店員は、遊技者によって指定された賞品を、操作部21や表示操作部22の操作によって選択し、当該賞品を遊技者に渡す。すると、賞品管理機5では、遊技者に渡された賞品の在庫が更新され、顧客管理サーバー4では、賞品に交換された持玉や貯玉の残高が更新される。
図2は、遊技システム1の電気的構成を示すブロック図である。以下での説明に関連して、各台間機3は、制御部25と、制御部25に電気的に接続されたカード処理部26および通信I/F部27とをさらに含む。制御部25は、CPUやROMやRAM等によって構成されており、取得手段および送信手段の一例として機能する。カード処理部26は、取得手段の一例として機能し、カード出入口8に挿入されたカード14から識別情報等の必要な情報を読み取ったり、遊技台2の終了ボタン17が押されたのに応じてカード14をカード出入口8から排出したりする。通信I/F部27は、制御部25が顧客管理サーバー4と通信するためのインターフェース部であって、送信手段の一例として機能し、LAN20に接続されている。
顧客管理サーバー4は、制御部29と、制御部29に電気的に接続された記憶部30、第1通信I/F部31および第2通信I/F部32とを含む。制御部29は、CPUやROMやRAM等によって構成されており、受信手段、通知情報出力手段および再出力手段の一例として機能する。記憶部30は、通知情報管理手段の一例として機能し、遊技者に関する様々な情報を記憶する。第1通信I/F部31は、制御部29が各台間機3と通信するためのインターフェース部であって、受信手段の一例として機能し、LAN20に接続されている。第2通信I/F部32は、制御部29が賞品管理機5と通信するためのインターフェース部であって、通知情報出力手段および再出力手段の一例として機能し、LAN23に接続されている。なお、LAN20およびLAN23が1つのLANにまとめられて、第1通信I/F部31および第2通信I/F部32が1つの通信I/F部にまとめられてもよい。
賞品管理機5は、制御部35と、制御部35に電気的に接続された記憶部36および通信I/F部37とをさらに含む。制御部35は、CPUやROMやRAM等によって構成されており、確認有無管理手段の一例として機能する。制御部35には、前述した操作部21、表示操作部22および読取部24も電気的に接続されている。制御部35は、店員による操作部21や表示操作部22の操作を受け付けたり、表示操作部22の表示を制御したりする。制御部35は、読取部24が遊技者のカード14から読み取った識別情報を取得する。記憶部36は、賞品の関する様々な情報(前述した在庫等)を記憶している。通信I/F部37は、制御部35が顧客管理サーバー4と通信するためのインターフェース部であって、LAN23に接続されている。
図3は、顧客管理サーバー4の記憶部30に記憶されたテーブル40を示す図である。テーブル40では、各遊技者の会員情報および通知情報という所定の情報が、遊技者の会員コード(遊技者のカード14の識別情報)に対応付けて管理されている。これらの情報は、店員による顧客管理サーバー4や賞品管理機5の操作によって、テーブル40に登録される。会員情報は、遊技者の氏名、性別、前回来店日、来店回数、貯玉の残高、持玉の残高および現在位置等を含む。遊技者の現在位置とは、当該遊技者のカード14を現在受け付けている台間機3の号機番号である。来店していない遊技者の現在位置や、カード14を台間機3のカード出入口8に挿入していない遊技者の現在位置は、未定なので、テーブル40において該当する現在位置の欄には、「‐(ハイフン)」が記録される(会員コード12345および67890の現在位置の欄を参照)。
通知情報とは、遊技店から遊技者に通知すべき情報(換言すれば、遊技者に対して対応すべき情報)に関するものである。通知情報は、タイトル(概要)と詳細内容とを含む。通知情報が存在しない遊技者の場合、テーブル40において該当する通知情報の欄には、「‐(ハイフン)」が記録される(会員コード12345の通知情報の欄を参照)。なお、1つの識別情報に対して複数の通知情報がテーブル40に記憶されてもよい。また、テーブル40では、送信フラグおよび再通知フラグが、各遊技者の会員コードに対応付けて管理されているが、これらのフラグについては、追って説明する。
図4は、台間機3において実施される処理の手順を示すフローチャートである。来店した遊技者が、いずれかの遊技台2の前に来て、この遊技台2に対応する台間機3のカード出入口8にカード14を挿入すると、この台間機3では、制御部25が、受け付けたカード14の識別情報を、カード処理部26によって取得し、このカード14を受付状態とする(ステップS1)。そして、制御部25は、取得した識別情報を、通信I/F部27によって顧客管理サーバー4に送信する(ステップS2)。その後、カード14がカード出入口8に引き続き挿入された状態において、制御部25は、遊技者の遊技のために、遊技媒体が上皿9に投出されるように遊技台2に指示したり、下皿11から受皿12に落下した遊技媒体を計数したり、持玉または貯玉を上皿9に払い出したりする。遊技者が終了ボタン17を押すと、制御部25は、カード処理部26によってカード14をカード出入口8から排出する。
次に、上述の受付状態に関する処理について、会員客だけでなく一般客も想定して詳述する。台間機3は、内部に発行可能な一般カード(一般客向けのカード14)を積層状態で貯留するカード貯留部(図示せず)を有しており、遊技者から受け付けた貨幣の価値や計数された遊技媒体数についての有価価値情報を新たな一般カードに関連付けて排出する機能を有している。待機状態の台間機3において、制御部25は、カード貯留部の最先(最上層)にある一般カードをカード処理部26の読み取り部に搬送して識別情報を所定間隔で読み取り、読み取った一般カードを受付中(受付状態)にあるカードとして内部で当該一般カードの識別情報を記憶するとともに、上位の顧客管理サーバー4に当該識別情報を通知する(ステップS2)。そして、読み取りが終了した一般カードは、カード貯留部に戻されて再び貯留される。この状態で貨幣が紙幣投入口6に挿入されると、制御部25は、受付中にあると記憶した先ほどの識別情報に対応付けて有価価値情報を記憶する処理を行う。
また、制御部25は、新たに一般カードをカード出入口8にて受け付けると、読み取り部で当該一般カードの識別情報を読み取り、この一般カードを受付中(受付状態)にあるカードとして内部で当該識別情報を記憶するとともに、顧客管理サーバー4に当該識別情報を通知する(ステップS2)。そして、制御部25は、受け付けた一般カードをカード貯留部まで搬送して以降の処理を行う。一方、制御部25は、新たに会員カードを受け付けた場合には、前述したように、カード処理部26の読み取り部で当該会員カードの識別情報を読み取り、この会員カードを受付中(受付状態)にあるカードとして内部で当該識別情報を記憶するとともに、顧客管理サーバー4に当該識別情報を通知する(ステップS2)。そして、制御部25は、受け付けた会員カードを読み取り部に保持したまま以降の処理を行う。さらに、台間機3では、カード14が受付状態となっているときに、本体3Aの正面に設けられた非接触リーダライタ(図示せず)に遊技者の所持する携帯端末(フィーチャーフォン、スマートフォン等)が翳されると、制御部25は、携帯端末に内蔵される非接触ICカードと非接触通信を行い、その固有の識別情報(IDm等)を取得できてもよい。この場合、制御部25は、受け付けた識別情報を顧客管理サーバー4に送信して当該識別情報について問い合わせを行う。当該識別情報が、顧客管理サーバー4において会員客の情報と対応付けて管理されている識別情報であれば、制御部25は、会員客が所持する貯玉による再プレイ等の処理を行い得る。なお、携帯端末を用いた処理を行った場合にも、カード14の受付状態は維持される。
また、台間機3は、一般カードが受付状態にある場合に、所定の条件(一定の操作後等)で会員カードを受け付けることにより、その時点で管理されていた有価価値や遊技媒体数の一部または全部を会員カードに関連付けて管理する機能も備えている。この場合の台間機3では、会員カードが処理後に排出される場合は、一般カードの受付状態が維持され、排出されない場合は、会員カードの受付状態に移行する。
上記のような処理により、次に台間機3から排出可能な状態にあるカード14(一般カードまたは会員カード)が、受付状態にあるとして台間機3および顧客管理サーバー4にて把握されて管理されている。
図5は、顧客管理サーバー4において実施される処理の手順を示すフローチャートである。先ほど台間機3によって取得された識別情報が顧客管理サーバー4に送信されると、顧客管理サーバー4の制御部29が、第1通信I/F部31によって、この識別情報を受信する。制御部29は、台間機3にて受付状態となったカード14の識別情報を受信すると(ステップS11においてYES)、この識別情報に対応する通知情報が記憶部30のテーブル40によって管理されているか否かを確認する(ステップS12)。なお、ステップS11からステップS12までのタイミングにおいて、受信した識別情報が会員カードの識別情報である場合には、制御部29は、テーブル40において、今回受信した識別情報に対応する来店回数をインクリメント(+1)したり(ただし、当日初めて当該識別情報を検出した場合に限る)、現在位置のデータに、当該識別情報に係るカード14を受け付けた台間機3の号機番号を記憶したりする。なお、受付状態となったカード14の識別情報を受信した場合以外でも、台間機3から会員情報と関連付けられた携帯端末の識別情報(前述したIDm等)を受信した場合には、制御部29は、テーブル40において当該会員情報に対応する識別情報についての現在位置のデータに、受け付けた台間機3の号機番号を関連付けて管理する。携帯端末の識別情報を受信した場合の現在位置のデータの管理に関して、制御部29が携帯端末の識別情報を受信してから所定時間が経過すると、先ほどのカード14の受付状態にリセットされる。なお、会員客の識別情報と台間機3の号機番号とを関連付けた情報は、顧客管理サーバー4に接続されたモニター等の表示画面(図示せず)でも検索・閲覧することができる。
受信された識別情報に対応する通知情報がテーブル40に存在する場合には(ステップS12においてYES)、制御部29は、当該通知情報を、第2通信I/F部32によってカウンターの賞品管理機5に送信する(ステップS13)。つまり、制御部29は、当該通知情報を、来店通知として、カウンターを担当する店員A(図1参照)へ向けて出力する。この際、制御部29は、通知情報を、この通知情報に対応する識別情報と、当該識別情報に係るカード14を受け付けた台間機3の号機番号とに対応付けて、店員Aへ向けて出力する。
このように通知情報を送信した制御部29は、テーブル40(図3参照)において、当該通知情報に対応する会員コードについての送信フラグを「送信済」にする(ステップS14)。送信フラグは、通知情報が賞品管理機5に送信済か未送信かを示している。テーブル40において、通知情報が存在しない場合の送信フラグの欄には、「‐(ハイフン)」が記録される(図3の会員コード12345の送信フラグの欄を参照)。
図6は、賞品管理機5において実施される処理の手順を示すフローチャートである。賞品の交換を望む遊技者がカウンターに来ると、カウンターを担当する店員Aは、この遊技者と向かい合って対応する対面処理の一環として、まず、この遊技者のカード14を賞品管理機5の読取部24に読み取らせる。なお、賞品管理機5には、カード14についての読取部24とは別に、遊技者の携帯端末から識別情報を読み取る通信部(図示せず)が設けられてもよく、その場合、通信部で携帯端末の識別情報を取得した場合の処理は、読取部24で識別情報を読みとった場合の処理と同様である。読取部24での識別情報の読み取りにより、賞品管理機5の制御部35は、このカード14の識別情報を取得して(ステップS21においてYES)、当該識別情報を、賞品管理機5において受付状態にあるカード14の情報として、通信I/F部37によって顧客管理サーバー4に送信する(ステップS22)。顧客管理サーバー4の制御部29は、受信した識別情報に対応付けてテーブル40において管理されている会員情報を賞品管理機5に送信し、賞品管理機5の制御部35は、ステップS22において、この会員情報を受信し、図7に示す賞品交換画面41を表示操作部22に表示する。賞品交換画面41には、例えば「賞品交換」という見出しが表示され、この見出しの下には、カウンターにいる遊技者の会員コードと、当該遊技者の会員情報の全部または一部とが表示されている。また、図示していないが、交換対象となっている遊技媒体数及び残りの遊技媒体数も表示されており、賞品が選択されたり、選択が解除されたり、媒体が新たに読み込まれることに応じて値が更新される。交換対象とする遊技媒体については、例えば「貯玉残高のみ」、「持玉残高のみ」、「貯玉残高と持玉残高の合計」、あるいは貯玉残高と持玉残高のいずれかを優先して使用するなどの選択肢の中から、遊技者の意思に基づき図示しない選択操作手段にて設定することができる。また、読み込んだ媒体に複数のレート(例えば、1玉を貸し出す場合の貸出単価である4円や1円)の遊技媒体が関連付けられている場合には、いずれのレートの遊技媒体を用いて賞品交換を行うかについても選択される。なお、複数枚の媒体(カード14またはレシート)を読み取って、それらの媒体によって示される遊技媒体数を合算しての賞品交換も可能であるが、複数枚の媒体のうちに、会員情報の異なる会員カードが複数枚含まれている場合には、二枚目以降に読み取られた会員カードを受付不能にしたり、賞品交換の処理全体がリセットされたりしてもよい。
図6に戻り、賞品交換画面41が表示された状態において、賞品管理機5の制御部35は、顧客管理サーバー4からの飛び込みの通知情報を受信すると(ステップS23においてYES)、新規の通知情報がある旨を示すマーク42(図7参照)を賞品交換画面41に表示することによって店員Aに報知する(ステップS24)。ただし、制御部35は、ステップS24において、マーク42を表示するものの、通知情報に関する他の処理は行わない。
賞品交換画面41が表示された状態において遊技者が賞品を指定すると、店員Aは、対面処理の続きとして、指定された賞品を操作部21や表示操作部22の操作によって選択する。賞品の選択があると(ステップS25においてYES)、制御部35は、選択された賞品の情報(図7ではお菓子)を賞品交換画面41に表示する(ステップS26)。このような対面処理の途中において、制御部35は、顧客管理サーバー4からの通知情報を受信すると(ステップS27においてYES)、ステップS28において、前述したマーク42を賞品交換画面41に表示することによって店員Aに報知するものの、通知情報に関する他の処理は行わない。
次の賞品の選択がなければ、店員Aは、操作部21または表示操作部22における完了キー(図示せず)にタッチして賞品を遊技者に渡す。このように賞品の選択が完了すると(ステップS29においてNO)、制御部35は、賞品交換処理として、遊技者に渡された賞品の在庫を更新したり、賞品に交換された持玉や貯玉の残高を更新するように顧客管理サーバー4に指示したりする(ステップS30)。これにより、カウンターでの賞品管理機5による通常処理である対面処理が完了する。なお、完了キーは、賞品との交換処理(会員の場合は貯遊技媒体処理も含む)の結果、交換対象の遊技媒体数の残遊技媒体数(残玉数)が設定された所定の値より小さい場合に操作可能となり、完了キーの操作によりその時点での残玉数を取り込み可能である。この完了キーの操作が可能となる遊技媒体数は、賞品交換される遊技媒体のレートごとに異なる数値を遊技店の管理者が設定できるようになっている。その後、制御部35は、図8に示す待機画面43を表示操作部22に切替表示して(ステップS31)、次の対面処理に備える。また、読取部24が識別情報を検知しない状態になった場合に、賞品管理機5では、対応するカード14の受付状態が解除される。また、上述した完了キーにタッチしてから所定時間が経っても読取部24が識別情報を検知する状態が継続している場合には、賞品管理機5では、カード14の取り忘れとして警告報知が行われる。待機画面43の上端には、例えば「待機中」という見出しと、カウンターを担当する店員の名前等が表示され、待機画面43の下端には、ログアウトキー44および通知キー45という2つのタッチキー等が表示されている。カウンターの担当者の交代時には、元の店員Aがログアウトキー44にタッチする。
マーク42が表示された状態における賞品交換画面41から待機画面43に切り替わった場合には、制御部35は、通知キー45を目立つ色等によって強調表示する(図8におけるハッチングを参照)。なお、賞品管理機5において待機画面43の表示中に制御部35が顧客管理サーバー4からの通知情報を受信した場合には、制御部35は、マーク42を表示せずに、通知キー45を強調表示する。店員が、強調表示された通知キー45にタッチすると、制御部35は、図9に示す通知画面50を表示操作部22に切替表示する。
通知画面50の上端には、例えば「通知リスト」という見出しと、カウンターを担当する店員Aの名前等が表示され、待機画面43の下端には、更新キー51というタッチキー等が表示されている。通知画面50において上端と下端との間の領域には、複数の通知タスクが表示されている。各通知タスクは、制御部35が顧客管理サーバー4から受信した通知情報と、当該通知情報が賞品管理機5にて受信された時刻と、当該通知情報に対応する会員コードつまりカード14の識別情報と、このカード14を受け付けた台間機3の号機番号とを含む。通知画面50における複数の通知タスクは、通知情報の受信時刻が新しい通知タスクが上段に位置するように上下に並んで表示されている。
通知画面50が表示された状態において、制御部35が、顧客管理サーバー4から追加の通知情報を受信すると、制御部35は、マーク42(破線で示したマーク42を参照)を通知画面50の上端に表示する。マーク42を見た店員Aが更新キー51にタッチすると、制御部35は、追加の通知情報に関する通知タスクが最上段に位置し、且つ、マーク42が消えるように通知画面50の表示内容を更新する。通知画面50では、各通知タスクの通知情報として、前述したタイトル(図3参照)だけが表示されている。通知画面50において、各通知タスクの右隣には、「詳細」と記された詳細キー52というタッチキーが表示されている。
店員Aが、いずれかの通知タスク(以下では会員コード34567についての通知タスク)を選択して当該通知タスクについての詳細キー52にタッチすると、制御部35は、図10に示す詳細画面55を表示操作部22に切替表示する。詳細画面55の上端には、例えば「通知情報(詳細)」という見出しが表示され、詳細画面55の下端には、プリントキー56およびキャンセルキー57という2つのタッチキー等が表示されている。詳細画面55において上端と下端との間の領域には、選択された通知タスクに含まれる会員コードと、当該会員コードの遊技者の会員情報(例えば氏名)と、当該通知タスクに含まれる通知情報の詳細内容(図3参照)と、現在位置キー58および再通知キー59という2つのタッチキーとが表示されている。また、詳細画面55の下端付近には、「プリントキーで印字、キャンセルキーで元の画面に戻ります。」という案内文が表示されている。
店員Aがプリントキー56にタッチすると、制御部35は、賞品管理機5に内蔵された印刷部(図示せず)によって、詳細画面55の内容を紙に印刷して店員に発行する。店員Aがキャンセルキー57にタッチすると、制御部35は、元の通知画面50を表示操作部22に切替表示する。切替表示後の通知画面50において、制御部35は、タッチされた詳細キー52の「詳細」という表示を「詳細済」に変更する(図9における会員コード56789の詳細キー52を参照)。つまり、制御部35は、詳細キー52における「詳細」および「詳細済」の表示によって、顧客管理サーバー4から出力された通知情報についての店員Aによる確認有無を管理している。
図10に示す詳細画面55を見た店員Aは、詳細画面55に表示された会員コードの遊技者の現在位置を知りたい場合には、現在位置キー58にタッチする。すると、制御部35は、例えば詳細画面55における現在位置キー58の右隣に、当該遊技者の現在位置、つまり、当該遊技者のカード14が挿入されている台間機3の号機番号(図10では「003号機」)を表示する。そして、詳細画面55を見た店員Aは、遊技ホールを担当する別の店員Bに言付けを指示し、店員Bは、当該号機番号の台間機3に赴いて、遊技者Cに通知情報の詳細内容を伝える(図1参照)。なお、店員Aが通知情報の詳細内容を遊技者Cに直接伝えにいってもよい。図10の場合には、店員Bは、遊技者Cに対して、継続遊技されるかどうか問い合わせ、継続遊技の場合には自己申告ロックの解除が必要な旨を通知する。これにより、通知すべき情報を遊技者Cに通知する対応が完了する。なお、遊技者Cに通知する情報は、通知情報の詳細内容そのものであってもよいし、詳細内容からアレンジした情報であってもよい。要は、遊技者Cに通知される情報は、通知情報の趣旨に沿った情報である。店員Aは、今回の対応が完了したことを店員Bから聞き取って、対応完了を賞品管理機5に入力する操作(完了操作)をする必要はない。なお、店員Bは、複数(例えば一度に100件)の通知情報を複数の遊技者に通知しに行ってもよい。その場合、店員Aは、通知画面50および詳細画面55を交互に見ることによって複数の通知情報を確認して店員Bに伝えて、複数の通知情報の通知を店員Bに指示する。
遊技者Cが台移動または退店したこと等によって店員Bが遊技者Cを見つけられなかった旨の報告があった場合、または、店員A自身が多忙のために、遊技者Cに通知情報を伝えるよう店員Bに指示する余裕がない場合に、店員Aは、再通知キー59にタッチする。すると、賞品管理機5の制御部35は、今回の通知情報を賞品管理機5に再送するよう顧客管理サーバー4に指示する。この指示を、以下では「再通知指示」という。再通知指示には、再送すべき通知情報に対応する識別情報(会員コード)が少なくとも含まれる。
顧客管理サーバー4の制御部29は、賞品管理機5からの再通知指示に応じて、テーブル40において、通知情報を再送すべき会員コードについての再通知フラグを「有」にする(図3参照)。再通知フラグは、通知情報を賞品管理機5に再送信すべきか否か示している。制御部29は、テーブル40において、送信フラグが「送信済」になってから所定時間が経過しても再通知指示がなかった通知情報についての再通知フラグを「無」にする。送信フラグの欄に「‐(ハイフン)」が記録された場合や、送信フラグが「未送信」である場合、再通知フラグの欄には、「‐(ハイフン)」が記録される(会員コード12345および67890の再通知フラグの欄を参照)。なお、複数の通知情報を複数の遊技者に通知しに行ったものの何件かの通知情報を通知できなかった旨を店員Bから聞き取った店員Aは、通知できなかった通知情報毎に詳細画面55を開いて再通知キー59にタッチして、通知できなかった通知情報についての再通知指示を顧客管理サーバー4に送信する。なお、店員Aは、通知できなかった複数の通知情報をまとめて選択した後に再通知キー59を一度だけタッチすることによって、これらの通知情報についての再通知指示が顧客管理サーバー4に一括送信されてもよい。
図11は、再通知フラグが「有」となった通知情報が存在する場合に顧客管理サーバー4において実施される処理の手順を示すフローチャートである。先ほど通知情報が通知されなかった遊技者Cが、台移動または再来店(当日の再来店でも翌日以降の再来店でもよい)によって台間機3のカード出入口8にカード14を挿入すると、当該台間機3によってカード14から取得された識別情報が顧客管理サーバー4に送信される。この場合、顧客管理サーバー4の制御部29は、同じ識別情報を再度受信するので(ステップS41においてYES)、テーブル40において、この識別情報に対応する送信フラグおよび再通知フラグを確認する(ステップS42)。具体的には、制御部29は、再度受信した同じ識別情報に対応する送信済みの通知情報について、再通知指示があるか否かを確認する。当該識別情報について、送信フラグが「送信済」であり、再通知フラグが「有」である場合には、送信済みの通知情報について再通知指示があるので(ステップS42においてYES)、制御部29は、当該通知情報を、2回目の来店通知として、カウンターの賞品管理機5に再送する(ステップS43)。
このように、ある識別情報についての通知情報(通知情報の一部でも全部でも構わない)が顧客管理サーバー4から賞品管理機5に一旦出力された後(図5のステップS13)、所定の再通知指示があってから、顧客管理サーバー4の制御部29が同じ識別情報を再度受信した場合には(ステップS41およびS42においてYES)、制御部29は、当該通知情報を、カウンターの店員へ向けて再度出力する(ステップS43)。逆に、ある識別情報についての通知情報の一部または全部が顧客管理サーバー4から賞品管理機5に一旦出力された後、再通知指示がない場合には(ステップS42においてNO)、顧客管理サーバー4の制御部29が同じ識別情報を再度受信した場合であっても、制御部29は、当該通知情報を、再度出力しない。なお、制御部29は、テーブル40において、再度出力つまり再送した通知情報についての再通知フラグを「有」から「無」に変更する。
通知情報が賞品管理機5に再送された場合、賞品管理機5の表示操作部22に表示された通知画面50には、図12に示すように、当該通知情報についての通知タスクが、新規の通知タスクとしてあらためて表示される(会員コード34567の通知タスクを参照)。なお、この通知タスクが再通知に係る通知タスクであることを店員に認識させるために、この通知タスクは、通知画面50において強調表示されてもよい。店員Aは、この通知タスクに係る通知情報を再度遊技者に伝え損ねた場合には、再通知キー59に再度タッチすればよい。その場合には、前述した手順に沿って、通知情報が、顧客管理サーバー4から賞品管理機5に再々送される。
賞品管理機5の制御部35は、通知画面50において詳細キー52の表示が「詳細済」となった通知タスクのうち、表示開始から所定時間経過しても再通知キー59がタッチされたかった通知タスクを、対応済みの通知タスクとして、通知画面50から自動消し込みしてもよいし、履歴として残しておいてもよい。また、顧客管理サーバー4の制御部29は、送信フラグが「送信済」であって再通知フラグが「無」である通知情報を、再通知フラグが「無」になったタイミング、または、当該タイミングから所定時間経過後においてテーブル40から削除してもよい。
以上のように、遊技システム1では、カウンターの店員Aは、出力された通知情報に基いて、必要な情報を遊技者に通知することができる。遊技者に情報を通知できない未対応の場合にのみ、店員Aは、遊技システム1に再通知指示をすればよい。顧客管理サーバー4は、通知情報を店員Aへ向けて一旦出力した後に再通知指示があってから、当該通知情報に対応する識別情報と同じ識別情報を再度受信した場合(遊技者によるカード14の挿入というトリガーがあった場合)には、当該通知情報を遊技店の店員に再送する。この構成であれば、多忙な状況にある店員Aは、再通知指示をすることによって、遊技者に情報を通知する対応を後回しして、落ち着いた状況になってから遊技者に情報をあらためて通知することができる。つまり、店員Aは、再通知指示によって、遊技者に情報を通知するタイミングを都合のよいタイミングに引き延ばすことができる。
また、再通知指示がない状態では、顧客管理サーバー4は、同じ識別情報を再度受信した場合であっても、通知情報を店員Aに再送しない。つまり、再通知指示をした場合にのみ通知情報が店員Aに再送されるので、既に遊技者に情報を通知した店員Aは、完了操作をしなくても、再通知指示をしなければ、顧客管理サーバー4からの通知情報の再送(遊技者への再通知の催促)を受けずに済む。また、店員Aは、各通知タスクについて、情報の通知が完了する毎に完了操作をする手間から解放される。例えば100件の通知タスクの全てについて対応有無を店員Bから聞き取って完了操作を最大で100回する場合と比べて、そのうちのわずか数件(例えば5件)の未対応分について店員Bから聞き取って再通知キー59を操作して当該数件分だけ再通知指示をする場合では、店員Aの負担を格段に減らすことができる。よって、遊技者に対して対応すべき情報に関して利便性の向上を図れる。
また、顧客管理サーバー4は、遊技者のカード14を受け付けた台間機3から識別情報を受信した場合において、当該識別情報に対応する通知情報を、当該台間機3の号機番号に対応付けて店員Aへ向けて出力する。そのため、店員Aは、情報を通知すべき遊技者の現在位置を号機番号に基いて把握できるので、この遊技者のところに赴いて速やかに情報を通知することができる。よって、遊技者に対して対応すべき情報に関して利便性の一層の向上を図れる。
また、顧客管理サーバー4が店員Aへ向けて出力した通知情報についての確認有無が、詳細キー52における「詳細」または「詳細済」の表示によって、賞品管理機5において管理される(図9参照)。そのため、店員Aが通知情報を確認したか否かを、確認有無の管理内容(ここでは詳細キー52の表示)に基いて把握できる。よって、遊技者に対して対応すべき情報に関して利便性の向上を図れる。
図13を参照して、前述した自己申告ロックについて説明する。遊技者は、自己申告ロックプログラムとして、所定期間(例えば1週間や1ヶ月)に遊技に使用できる金額の上限(例えば3万円)を遊技店に自己申告することができる。この上限と、当該所定期間と、所定期間内に遊技者が実際に使用した金額とは、遊技者の会員コードに対応付けて顧客管理サーバー4の記憶部30(前述したテーブル40等)に記憶される。所定期間が始まって遊技者が遊技に使用した金額が上限に到達すると、顧客管理サーバー4の制御部29は、この遊技者は、当日は上限を超過しても遊技できるものの翌日以降は遊技できないように自己申告ロックを設定する。制御部29は、記憶部30において、この遊技者の会員コードに対応する自己申告ロックを「有」にする。そのため、翌日以降に来店した遊技者が、カード14を台間機3のカード出入口8に挿入しても、遊技ができない。具体的には、台間機3の制御部25が、このカード14の識別情報を顧客管理サーバー4に送信すると、顧客管理サーバー4の制御部29は、この遊技者の会員コードに対応付けられた持玉および貯玉を使用できないようにするとともに、紙幣投入口6に投入される紙幣を無視するよう台間機3に指示する。
また、顧客管理サーバー4の制御部29は、所定期間が経過するまで遊技ができない旨の通知情報を賞品管理機5によって店員に送信する。そのため、店員は、この遊技者の所に赴いて、使用金額が上限に到達していて遊技ができない旨を説明して、使用金額が上限に到達しないような計画的な遊技を遊技者に促す。このように店員から遊技者への説明が行われた場合には、テーブル40(図3参照)において、この遊技者の会員コードに対応する送信フラグは「送信済」であり、再送信フラグは「無」である。ただし、この遊技者の会員コードに対応する自己申告ロックは、引き続き「有」である。そのため、所定期間が経過するまでの間に遊技者が再度来店しても、自己申告ロックは継続されている。そして、所定期間が経過すると、制御部29は、この遊技者についての自己申告ロックを自動解除し、対応する自己申告ロックを「無」に変更する。そのため、次の所定期間において、この遊技者は、使用金額が上限に到達するまで遊技することができる。また、自己申告ロックが解除されたときには、賞品管理機5を担当する店員に通知情報が再送されることはないので、店員にとっては同じ説明を何度もせずに済むし、遊技者にとっては同じ説明を何度も受けずに済む。
図14を参照して、所定期間の途中に使用金額が上限に到達した遊技者が、それ以降来店せずに、次の所定期間内に久しぶりに来店することがある。この場合には、先の所定期間が経過しても、自己申告ロックの自動解除は行われず、次の所定期間においても自己申告ロックが継続される。この場合、当該次の所定期間に来店した遊技者が、カード14を台間機3のカード出入口8に挿入すると、顧客管理サーバー4の制御部29は、この遊技者が遊技するためには自己申告ロックの解除が必要な旨の通知情報(図3の会員コード34567の通知情報)を賞品管理機5によって店員に送信する。そのため、店員は、この遊技者のところにいって、前回の所定期間中に使用金額が上限に到達して遊技ができなくなった旨を、遊技者に説明してから、顧客管理サーバー4への手入力等によって、自己申告ロックを手動解除する。自己申告ロックは、前述したように自動解除されてもよい。自己申告ロックの解除により、この遊技者は、使用金額が上限に到達するまで遊技することができる。図13および図14の場合では、自己申告ロック設定後の初回の来店時に店員から遊技者に説明があれば、その後の説明が不要になるので、前述したように、店員および遊技者の負担が減る。
なお、上記の実施例においては通知情報として「自己申告ロック」を一例として記述しているが、通知情報の内容はこれに限定されず運用が可能である。例えば、「傘を忘れています」等の忘れ物の情報であったり、「お連れ様がお待ちです」等の他の遊技者に関する情報であったりしてもよい。また、通知情報としては遊技者に通知すべき情報に限定されず、「誤差玉が多いです。確認してください」等の不正等によって注意すべき遊技者について店員に報知される情報であってもよい。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
例えば、前述した実施形態において、賞品管理機5の制御部35は、カウンターに来た遊技者への対面処理中に顧客管理サーバー4からの通知情報を受信すると(ステップS23およびS27のそれぞれにおいてYES)、賞品交換画面41にマーク42(図7参照)を表示して報知するものの(ステップS24およびS28)、対面処理を優先する。これにより、店員Aは、通常の対面処理に集中することができる。変形例として、このマーク42がタッチキーとなっていて、店員Aがマーク42にタッチすると、制御部35は、図15に示すように、賞品交換画面41の例えば右半分に、通知画面50をポップアップ表示してもよい。
この場合、賞品管理機5を扱う店員Aは、賞品交換画面41および通知画面50の両方を見ることによって、対面処理の対応と、通知情報の通知対応とを並行して実施できる。なお、ポップアップ表示された通知画面50では、詳細キー52等が簡略化して表示されており、この通知画面50を消去するためのタッチキーである終了キー60が表示されている。店員Aが詳細キー52にタッチすると、制御部35は、賞品交換画面41の例えば右半分に、詳細画面55(図10参照)の例えば縮小版を切替表示する。詳細画面55の縮小版にも終了キー60が表示される。なお、終了キー60のタッチによって通知画面50や詳細画面55が消えた場合には、前述した通知キー45(図8参照)が賞品交換画面41に表示されるので、店員Aが通知キー45にタッチすると、賞品交換画面41に通知画面50や詳細画面55が再度表示される。
通知画面50において詳細キー52の表示が「詳細済」でなく「詳細」のままになっている通知タスクのうち、表示開始から所定時間が経過しても詳細キー52がタッチされない通知タスク(未対応通知タスク)が発生し得る。賞品管理機5の制御部35は、店員に対して未対応通知タスクについての再通知キー59にタッチするように通知画面50の表示等によって促してもよいし、再通知キー59のタッチがなくても、未対応通知タスクについての通知情報を賞品管理機5に再送するよう顧客管理サーバー4に再通知指示してもよい。
また、遊技者が来店後に遊技ホールに寄らずにカウンターに直接来る場合がある。この場合、カウンターを担当する店員Aが賞品管理機5によってこの遊技者(以下では「本遊技者」)のカード14から識別情報を取得すると、賞品管理機5の制御部35は、本遊技者の識別情報に対応する会員情報を顧客管理サーバー4から取得する。すると、制御部35は、図16に示す受付画面64を表示操作部22に表示する。受付画面64には、例えば「受付」という見出しと、取得された会員情報の少なくとも一部とが表示される。なお、賞品交換の場合には、受付画面64でなく、前述した賞品交換画面41が表示操作部22に表示されてもよい。制御部35は、本遊技者について会員情報だけでなく通知情報も取得すると、前述したマーク42を表示操作部22の例えば最上段に表示し、通知画面65をさらに表示する。
通知画面65には、例えば「通知情報」という見出しと、取得された通知情報(図16では、「常連客(いつもありがとうございます。)」というメッセージ)とが表示される。また、通知画面65には、切替キー66、再通知キー67、全再通知キー68および終了キー69という複数のタッチキーが表示される。賞品管理機5の制御部35は、通知情報を通知画面65に表示した時点で、この通知情報についての店員Aによる確認が済んだものとみなす。本遊技者について複数の通知情報があれば、店員Aによる切替キー66のタッチにより、残りの通知情報が順番で通知画面65に切替表示される。当該残りの通知情報についても、通知画面65に切替表示された時点で、店員Aによる確認が済んだものとして扱われる。店員Aが終了キー69にタッチすると、表示操作部22において通知画面65が消える。
店員Aが再通知キー67にタッチすると、賞品管理機5の制御部35は、通知画面65に現在表示されている通知情報についての再通知指示を顧客管理サーバー4に送信する。その後、前述したトリガー(カード14の挿入)があった場合に、当該通知情報が顧客管理サーバー4から賞品管理機5に再送される。一方、店員Aが全再通知キー68にタッチすると、賞品管理機5の制御部35は、通知画面65に現在表示されている通知情報だけでなく、本遊技者に係る全ての通知情報についての再通知指示を顧客管理サーバー4に送信する。その後、前述したトリガーがあった場合に、当該全ての通知情報が顧客管理サーバー4から賞品管理機5に再送される。
なお、上述の場合に、賞品管理機5において通知情報を通知すべきカード14の識別情報が検出された場合と、台間機3において通知情報を通知すべきカード14の識別情報が読み取られた場合とで、通知情報の表示態様が異なっていてもよい。また、通知情報として、賞品管理機5のみで通知される通知情報、台間機3で識別情報が読み取られたときのみ通知される通知情報、双方の場合に共通して通知される通知情報のそれぞれを別個に設定することができてもよい。このような構成によれば、一例として、会員客がカウンターにおいて友人が遊技終了時に伝えてほしい伝言があった場合に、店員が、通知情報として当該伝言を特定可能な情報を、賞品管理機5のみで通知する通知情報として設定しておき、友人の所持する会員カードが賞品管理機5で読み取られた場合に、表示された伝言を店員によって伝えるサービスを行うことが考えられる。
一人の遊技者について複数の通知情報が存在する場合において、そのうちの1件の通知情報でも当該遊技者への通知が未対応であれば、その後の再送の際に、当該複数の通知情報の全てが顧客管理サーバー4から賞品管理機5に再送されてもよい。
遊技者の位置確認や通知情報の再通知設定は、賞品管理機5の現在位置キー58および再通知キー59(再通知キー67および全再通知キー68も含む)にて実施できるが、遊技店内における賞品管理機5以外の装置、例えば、顧客管理サーバー4や、精算機や、店員が携帯するモバイル端末やウェアラブル端末にて実施できてもよい。顧客管理サーバー4から通知情報への送信先は、賞品管理機5に限らず、賞品管理機5以外のこれらの装置であってもよい。また、賞品管理機5において、現在位置キー58および再通知キー59は、詳細画面55でなく、通常の賞品交換画面41に表示されてもよい。この場合、店員は、賞品交換画面41が表示された状態において、遊技者の位置確認や通知情報の再通知設定を実施できる。
所定期間(例えば1ヶ月)に所定回数以上来店した遊技者に所定の情報を通知するように、顧客管理サーバー4から賞品管理機5に通知情報が送信されてもよい。ただし、過去に情報を通知したときの遊技者の対応等の経歴が顧客管理サーバー4に記憶されていて、顧客管理サーバー4では、この経歴を踏まえて、次回も情報を通知するか否かが判断されてもよい。
また、以上の説明では、会員客を前提としていて、その場合のカード14は会員カードである。これに限らず、一般客向けの通知情報や持玉の残高等が、一般客のカード14(一般カード)の識別情報に対応付けて顧客管理サーバー4に記憶されて、一般客による台間機3へのカード14の挿入に応じて、当該通知情報が賞品管理機5等に送信されてもよい。なお、一般客向けの通知情報は、一般カードの識別情報に対応する一般客が入れ替わったとみなせるタイミング(例えば、同じ識別情報についての持玉の残高が一旦0になったタイミング)で初期化されることが好ましい。
また、以上の説明では、遊技者による台間機3へのカード14の挿入というトリガーがあった場合に、当該遊技者についての通知情報が賞品管理機5等に送信または再送されるが、台間機3以外の他の装置(例えば精算機や賞品管理機5そのもの)がカード14の識別情報を読み取ったことがトリガーとなって、通知情報が賞品管理機5等に送信されてもよい。この場合には、当該他の装置も、受付手段の一例として機能する。前述した場合(図16参照)に限らず、賞品交換の対面処理の際に、賞品管理機5がカウンターの遊技者のカード14の識別情報を読み取ったことに応じて、通知情報がこの賞品管理機5に送信されれば、カウンターの店員Aは、目の前の遊技者に対して、通知情報に基く情報を直接かつ速やかに通知できる。
また、遊技者の記録媒体として、カード14の代わりに、携帯電話を用いることができ、その場合の識別情報として、電話番号や、携帯電話に内蔵されたICチップの製造番号(IDm)を用いることができ、台間機3では、遊技者によって台間機3に近付けられてタッチされた携帯電話から識別情報を読み取ることができる。この場合、遊技システム1では、会員情報と関連付いた携帯電話を読み取った場合に、この携帯電話に対応する会員コードに関連付いた報知が行われる。
顧客管理サーバー4のテーブル40において会員情報の一例として管理される現在位置(図3参照)に関する変形例があり得る。例えば、遊技者が携帯電話を用いて遊技(いわゆる携帯再プレイ)をしている際に、携帯電話のタッチ後に始まる利用時間がタイムアウトになることによって、この遊技者(いわゆる携帯会員)の利用可能状態が解除されたとしても、この遊技者が遊技している遊技台2からアウト信号が発生している場合には、この遊技台2の台番号(対応する台間機3の号機番号)が、引き続き、この遊技者の現在位置としてみなされる。また、遊技台2にて遊技をしている遊技者が、持玉の残高を分割する操作を台間機3で行った場合には、この遊技者の会員カード14が台間機3から排出されるが、会員カード14の排出後の規定時間内においては、この遊技台2の台番号が、引き続き、この遊技者の現在位置としてみなされる。当該規定時間の経過後、または、この会員カード14が他の台間機3に挿入されると、テーブル40において現在位置がリセットまたは更新される。
なお、上記の実施形態においては、台間機3においてカード14の処理を行う場合に、一般カードはカード貯留部に貯留した状態で処理をし、会員カードは読み取り部に保持したまま処理を行う例を示したが、これに限らず、一般カードも会員カードも読み取り部に保持して処理を行う構成としてもよいし、双方のカード14を貯留部に貯留して処理を行う構成としてもよい。また、カード14に有価価値や遊技媒体数等の情報を関連付けるタイミングについても特に限定されない。
また、上述の実施形態では、運用される遊技媒体レートについて特に言及していないが、複数のレートの遊技媒体が運用される場合にも問題なく適用することが可能である。例えば、あるコーナーの台間機3は1玉4円の玉を貸与するものとして上位装置にて管理されるとともに、別のコーナーの台間機3は1玉1円の玉を貸与するものとして上位装置にて管理されており、それぞれのコーナーで獲得した遊技媒体が、レート(単価である1円、4円)を特定可能な情報と関連付けて持玉あるいは貯玉として管理されている形態が挙げられる。また、この場合、それぞれのレートの貯玉は、レートの比率(例えば1円であれば4円コーナーで使用する場合には4分の1の玉数)で換算して他のレートの遊技媒体数として他のコーナーの台間機3で使用(払出)可能にすることもできる。この場合、いずれのレートの貯玉を使って払出を行うかについて表示部7などを操作することで遊技者が選択できる構成にすることもできる。
さらに、上述の実施形態では、運用される遊技機としてパチンコ機、遊技媒体として玉を例に説明しているが、運用される遊技機としてスロットマシンなどの回胴式遊技機、遊技媒体としてメダルを用いたシステムであっても適用することができる。また、遊技媒体が遊技機内に封入されており、実体の遊技媒体を払い出さず遊技媒体が電子データとしてやり取りされる遊技機であっても適用することができる。さらに、これらの遊技機のうち複数種類が混在する場合であっても適用できる。また、ある種別の遊技機の遊技媒体を所定の比率で換算して他の種別の遊技機の遊技媒体として使用できるようにすることも可能である。
また、遊技システム1について図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部または一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。