以下に、本発明の遊技機の実施の形態について次の順序で説明する。なお、以下に示す実施の形態は本発明の遊技機を弾球遊技機に適用した例で説明する。但し、本発明は弾球遊技機の適用に限られることはなく、例えば、回胴遊技機等の弾球遊技機以外の遊技機にも適用することができる。
<1.弾球遊技機の概略構成>
<2.支持体の構成>
<3.開閉体の構成>
(全体の概略構成)
(前扉)
(扉枠)
(補強部材)
<4.透明板載置手段の構成>
<5.固定体(透明板ユニット)の構成>
[5−1.固定体の全体構成]
(透明板と保持部材)
(保持部)
(被押さえ部)
(ストッパー部)
(係合突部)
(突状部)
(透明板ユニットの開閉体に対する固定状態)
[5−2.被押さえ部の各寸法]
「規定した寸法」
「解決課題」
「径Rの大きさ」
(全てのRの比較)
(R1>R2、R3について)
「角度θの大きさ」
(全てのθの比較)
(θ1>θ2について)
(θ3<θ2について)
「深さTの大きさ」
(全てのTの比較)
(T2<T4について)
(T1+T2=T3+T4について)
<6.固定協働手段及び固定体の構成・動作>
[6−1.第1の実施の形態]
(固定手段の構成)
(固定協働手段の構成)
(可動位置について)
(可変部材の動作)
(第1の実施の形態の効果)
[6−2.第2の実施の形態]
[6−2−1.全体構成]
(一方(右側)の固定協働手段の構成)
(一方(右側)の固定手段の構成)
(他方(左側)の固定協働手段の構成)
(可変部材の扉枠に対する支持状態等)
(固定手段の固定協働手段に対する作用等)
(固定協働手段の変形例)
(第2の実施の形態における効果)
[6−2−2.可変部材の回動状態]
(可変部材の可動位置)
(可変部材の回動動作)
(固定作業における可変部材の動作)
[6−2−3.可変部材の回動角度]
「規定した角度」
「解決課題」
「角度αの大きさ」
(全てのαの比較)
(α1>α2について)
(α2>α3について)
[6−2−4.扉枠の各部の距離]
「規定した寸法」
「解決課題」
「Mの高さ」
(全てのMの比較)
(M1<M2について)
(M2<M3について)
(M3<M4について)
(M5<M6について)
(左右のベース面の高さが異なる例)
[6−2−5.可変部材と軸部の大きさ等]
「規定した寸法」
「解決課題」
「Lの大きさ」
(全てのLの比較)
(L1<L2について)
(L3>L4について)
(L3>L5について)
(L7<L6について)
(L5>L7について)
(L9>L8について)
(L10>L11について)
[6−2−6.開閉体等の各部の距離]
「規定した寸法」
「解決課題」
「Hの高さ」
(全てのHの比較)
(H4<H5について)
(H3<H4について)
(H1<H4について)
(H1<H5について)
[6−2−7.固定体の固定動作について]
(固定の流れ)
(各部材の材料について)
[6−2−8.規制手段の配置]
(第1の配置例)
(第2の配置例)
(第3の配置例)
(可変部材と保護カバー等の関係)
[6−2−9.可変部材の配置]
[6−3.第3の実施の形態]
(固定協働手段の構成)
(固定手段の構成)
(可動位置について)
(可変部材の動作)
(第3の実施の形態の効果)
<7.部材の色彩と配置の関係>
<8.識別情報の表記位置>
以下の説明においては、弾球遊技機(以下、単に「遊技機」とも表記する。)及び弾球遊技機を構成する各部材の「前後」、「上下」、「左右」は、遊技機を正面から見た場合における「前側(表面側)」、「後側(背面側)」、「上側」、「下側」、「左側」及び「右側」を示すものとする。
また、各部材のある地点から別の地点までの「距離」を表す用語として、「高さ」、「深さ」、「大きさ」、「長さ」などを用いているが、必ずしもこの用語に限定されるわけではない。各部材が遊技機に取り付けられた状態において、X軸方向(左右)、Y軸方向(上下)、Z軸方向(前後)のイメージを掴みやすく説明するために適宜選択しているに過ぎない。すなわち、左右方向を表すために「幅の長さ」という用語を使っていたとしても、別の視点で見れば「始点から終点までの距離」とも言えるし、単に「高さ」、「深さ」とも言える。「大きさ」についても各部材の「一辺の長さ」を表す場合もあれば「面積」や「体積」を表す場合があってもよい。
<1.弾球遊技機の概略構成>
まず、弾球遊技機1の概略構成を説明する(図1参照)。以下の実施の形態においては「弾球遊技機1」を「遊技機1」としても表記する。
図1は、遊技機の外観を開閉体が開かれた状態で示す斜視図である。
遊技機1はベース部分とされる支持体100と支持体100に開閉可能に支持された開閉体200と開閉体200の背面側に固定される固定体300と固定体300を開閉体200に固定するための固定手段600とを備えている。
支持体100は開閉体200の背面側に位置されている。開閉体200は軸支機構700を介して支持体100に開閉可能に支持されており、軸支機構700は支持体100と開閉体200における左右一方の端部に位置されている。従って、開閉体200は支持体100に対して所謂横開きの状態で開放される。
固定体300は、以下の実施の形態においてはガラスや樹脂等によって形成された透明板を有する透明板ユニットであり、以下の実施の形態においては「固定体300」を「透明板ユニット300」としても示す。
開閉体200には固定体300が載置される透明板載置手段400と固定手段600の支持等を行う固定協働手段500とが設けられている。透明板載置手段400は固定体300を載置するための載置板金等を有している。固定協働手段500は固定手段600を支持する案内枠又は軸部等を有している。
透明板載置手段400と固定協働手段500は何れも開閉体200の背面側に設けられているが、透明板載置手段400が固定協働手段500の下方に位置されている。
遊技機1においては固定手段600と固定協働手段500が、例えば、二つずつ設けられており、これらの二つずつの固定手段600と固定協働手段500がそれぞれ左右に離隔して設けられている。
固定手段600は開閉体200に対して移動可能(スライド可能)又は回動可能にされ、手動操作により位置を変更可能な可変部材を有している。固定手段600は移動又は回動されることにより固定体300を開閉体200に固定する機能を有し、固定体300は透明板載置手段400に載置された状態で固定手段600によって開閉体200に固定される。
<2.支持体の構成>
次に、支持体100の構成を説明する(図2乃至図5参照)。
図2は遊技機の外観を示す正面側の斜視図であり、図3は遊技機の外観を示す正面図であり、図4は支持体の外観を示す正面図であり、図5は遊技機の遊技盤の構成を示す正面図である。
支持体100は額縁状に形成された前枠102と遊技領域を有する遊技盤103と遊技盤103を周囲から保護する額縁状の外枠104とを備えている。
前枠102は外枠104の前側に位置され、外枠104にヒンジ部105を介して開閉可能な状態で支持されている。前枠102の前面には図示ない遊技盤収納フレームが設けられており、遊技盤収納フレームに遊技盤103が取り付けられている。
遊技盤103の前面側には遊技領域103aが形成されている(図4及び図5参照)。遊技盤103は前枠102の遊技盤収納フレームに取り付けられており、遊技領域103aの前側には、開閉体200に固定された透明板ユニット300が位置されている。遊技領域103aは透明板ユニット300の透明板を介して遊技機1の前面側に臨む状態とされ、遊技者が透明板を介して遊技領域103aを視認可能とされている。
遊技盤103は略正方形状の木製合板または樹脂板をベースとして構成されている。遊技盤103には、発射された遊技球を案内する球誘導レール131が盤面区画部材として環状に取り付けられており、球誘導レール131に取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域103aとされている。
遊技領域103aの略中央部には、主液晶表示装置132M(LCD:Liquid Crystal Display)が設けられており、遊技領域103aの右側部には副液晶表示装置132Sが設けられている。
主液晶表示装置132Mでは、図示しない演出制御基板の制御の下、背景画像上で、例えば、左、中、右の3つの装飾図柄の変動表示が行われる。また、通常演出、リーチ演出、スーパーリーチ演出などの各種の演出画像の表示も行われる。
遊技領域103aには、主液晶表示装置132Mの表示面の周囲を囲むようにセンター飾り135Cが設けられている。
センター飾り135Cは、そのデザインにより装飾効果を発揮するだけでなく、周囲の遊技球から主液晶表示装置132Mの表示面を保護する作用を有している。また、センター飾り135Cは、遊技球の打ち出しの強さまたはストローク長による遊技球の流路の左右打ち分けを可能とする部材としても機能する。すなわち、球誘導レール131を介して遊技領域103aの上部に打ち出された遊技球の流下経路は、センター飾り135Cによって分割された左遊技領域103bと右遊技領域103cのいずれかを流下することになる。いわゆる左打ちの場合には、遊技球は左遊技領域103bを流下していき、右打ちの場合には、遊技球は右遊技領域103cを流下していく。
また、左遊技領域103bの下方には左下飾り135Lが設けられ、左下飾り135Lは装飾効果を発揮するとともに左遊技領域103bとしての範囲を規定する機能を有している。
右遊技領域103cの下方には右下飾り135Rが設けられ、右下飾り135Rも装飾効果を発揮するとともに左遊技領域103bとしての範囲を規定する機能を有している。
なお、遊技領域103a(左遊技領域103b及び右遊技領域103c)には、所要の各所に釘149や風車147が設けられており、釘149や風車147によって遊技球の多様な流下経路が形成される。
主液晶表示装置132Mの下方にはセンターステージ135Sが設けられており、センターステージ135Sは装飾効果を発揮するとともに遊技球の遊動領域として機能する。
なお、図示はしていないが、センター飾り135Cには、適所に視覚的演出効果を奏する可動体役物が設けられている。
遊技領域103aの右上縁付近には、複数個のLEDを配置して形成されたドット表示器による図柄表示部133が設けられている。
図柄表示部133には、所定のドット領域により、第1の特別図柄表示部、第2の特別図柄表示部及び普通図柄表示部が形成され、第1の特別図柄、第2の特別図柄及び普通図柄のそれぞれの変動表示動作(変動開始および変動停止を1セットする変動表示動作)が行われる。
なお、上述した主液晶表示装置132Mは、図柄表示部133による第1の特別図柄と第2の特別図柄の変動表示と時間的に同調して画像による装飾図柄を変動表示する機能を有している。
センター飾り135Cの下方には、上始動口141(第1の特別図柄始動口)を有する入賞装置が設けられ、入賞装置の下方には、下始動口142a(第2の特別図柄始動口)を有する普通変動入賞装置142が設けられている。
なお、「入賞」とは、後述する入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、ゲートを遊技球が通過したりすることをいう。実際には入賞口ごとに配置されたセンサ(各入賞検出スイッチ)により遊技球が検出された場合には、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。
上始動口141及び下始動口142aの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ(上始動口センサ、下始動口センサ)が配置されている。
上始動口141は、図柄表示部133における第1の特別図柄の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放または拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置とされている。
下始動口142aを有する普通変動入賞装置142は、始動口開閉手段により遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。すなわち、下始動口142aを開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片142b、142bを備えたいわゆる電動チューリップ型の入賞装置である。
普通変動入賞装置142の下始動口142aは、図柄表示部133における第2の特別図柄の変動表示動作の始動条件に係る入賞口である。下始動口142aの入賞率は可動翼片142bの作動状態に応じて変動する。すなわち、可動翼片142bが開いた状態では入賞が容易となり、可動翼片142bが閉じた状態では入賞が困難又は不可能となるように構成されている。
普通変動入賞装置142の左右には一般入賞口143が複数個設けられている。各一般入賞口143の内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ(一般入賞口センサ)が配置されている。
右遊技領域103cの下部側には、遊技球が通過可能なゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口144が設けられている。普通図柄始動口144は、図柄表示部133における普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、普通図柄始動口144の内部には、通過する遊技球を検出するセンサ(ゲートセンサ)が配置されている。
右遊技領域103cの普通図柄始動口144から普通変動入賞装置142へかけての流下経路途中には第1の特別変動入賞装置145(特別電動役物)が設けられている。
第1の特別変動入賞装置145は、突没式の開放扉145bにより第1の大入賞口145aを閉鎖/開放する構造とされている。また、第1の特別変動入賞装置145の内部には、第1の大入賞口145aへの遊技球の通過を検出するセンサ(第1の大入賞口センサ)が配置されている。
第1の大入賞口145aの周囲は、右下飾り135Rが遊技盤103の表面から膨出した状態となっており、膨出した部分の上辺及び開放扉145bの上面が右遊技領域103cの下流案内部を形成している。従って、開放扉145bが遊技盤103の内部に引き込まれることにより、下流案内部に達した遊技球は容易に第1の大入賞口145aに入る状態とされる。
普通変動入賞装置142の下方には、第2の特別変動入賞装置146(特別電動役物)が設けられている。第2の特別変動入賞装置146は、下部が軸支されて開閉可能な開放扉146bにより、内側の第2の大入賞口146aを閉鎖/開放する構造にされている。また、第2の特別変動入賞装置146の内部には第2の大入賞口146aへの遊技球の通過を検出するセンサ(第2の大入賞口センサ)が配置されている。
第2の大入賞口146aは開放扉146bが開かれることにより開放される。第2の大入賞口146aが開放された状態においては、左遊技領域103b又は右遊技領域103cを流下してきた遊技球が高い確率で第2の大入賞口146aに入ることになる。
以上のように遊技領域103aには、入賞口として上始動口141、下始動口142a、普通図柄始動口144、第1の大入賞口145a、第2の大入賞口146a及び一般入賞口143が形成されている。
遊技機1においては、これらの上始動口141、下始動口142a、普通図柄始動口144、第1の大入賞口145a、第2の大入賞口146a又は一般入賞口143の各入賞口のうち、普通図柄始動口144以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に設定された入賞球1個当りの賞球数が図示しない遊技球払出装置から払い出される。
上始動口141、下始動口142a、普通図柄始動口144、第1の大入賞口145a、第2の大入賞口146a又は一般入賞口143に入賞しなかった遊技球は、アウト口148を介して遊技領域103aから排出される。
上記のように構成された遊技盤103において、センター飾り135C、左下飾り135L、右下飾り135R、センターステージ135S、第1の特別変動入賞装置145、第2の特別変動入賞装置146、さらに、は図示しない可動体役物には、詳細には図示していないが、各所に遊技盤103側の発光手段として装飾ランプ135aが設けられている。
装飾ランプ135aは、例えば、LEDによる発光動作として、演出用の発光動作、エラー告知用の発光動作、動作状態に応じた発光動作などを行う。
<3.開閉体の構成>
次に、開閉体200の構成を説明する(図6乃至図21参照)。
図6は開閉体の正面側の斜視図であり、図7は開閉体の背面側の斜視図であり、図8は開閉体の平面図であり、図9は開閉体の底面図であり、図10は開閉体と固定体の分解斜視図であり、図11は開閉体の背面図であり、図12は支持体の分解斜視図であり、図13は開閉体の側面図であり、図14は図7の(14)−(14)線断面図であり、図15は開閉体の上部をスピーカユニット等が取り外された状態で示す背面図であり、図16は開閉体の上部をスピーカユニット等が取り付けられた状態で示す背面図であり、図17は開閉体の上部を固定体とスピーカユニット等が取り付けられた状態で示す背面図であり、図18は第1の補強部材の斜視図であり、図19は第2の補強部材の斜視図であり、図20は図7の(20)−(20)線断面図であり、図21は図7の(21)−(21)線断面図である。
(全体の概略構成)
開閉体200は前扉201と扉枠203と第1の補強部材205と第2の補強部材206を備えている(図6乃至図11参照)。
開閉体200は、上記したように、軸支機構700を介して支持体100に開閉可能に支持されており、前扉201の右側の下部に設けられた扉ロック解除用の鍵孔部250を操作することにより、前枠102に対する前扉201のロック状態を解除し、前扉201を前枠102に対して前側に開放できる構造にされている。また、扉ロック解除用の鍵孔部250の操作によって、支持体100において、外枠104に対する前枠102のロック状態も解除可能な構成にされている。
前扉201と扉枠203は前後で結合されている。第1の補強部材205は扉枠203の後面における一方の側部に取り付けられ、第2の補強部材206は扉枠203の後面における他方の側部に取り付けられている。
開閉体200には、上記したように、透明板ユニット300が載置される透明板載置手段400と固定手段600の支持等を行う固定協働手段500とが設けられており、透明板載置手段400は扉枠203の後面側における下部に設けられ、固定協働手段500は扉枠203の後面側における上部に設けられている。
(前扉)
前扉201は全体として枠状に形成され内側の空間が窓孔202として形成されている(図10参照)。前扉201は、図12に示すように、金属等によって枠状に形成されたベース枠230とベース枠230の前面における下部に取り付けられた操作パネル208とベース枠230の前面の外周部において下部を除く部分に取り付けられた化粧カバー204とを有している。
ベース枠230は左右に延びる上方部231と上下に延びる側方部232、232と横長の略矩形状の下方部233とから成り、側方部232、232の上端部が上方部231の左右両端部に連続され、側方部232、232の下端部が下方部233の左右両端部に連続されている。ベース枠230の中央の空間は透孔230aとして形成されている。
操作パネル208には、上受け皿ユニット210、下受け皿ユニット209、発射操作ハンドル218が設けられている(図6、図12、図13及び図14参照)。
上受け皿ユニット210には、遊技球を貯留する上受け皿210aが設けられている。下受け皿ユニット209には、上受け皿210aに貯留しきれない遊技球を貯留する下受け皿209aが設けられている。
上受け皿ユニット210には、上受け皿210aに貯留された遊技球を下受け皿209a側に抜くための球抜きボタン216が設けられている。下受け皿ユニット209には、下受け皿209aに貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きレバー217が設けられている。
上受け皿ユニット210には、図示しない遊技球貸出装置に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン214と、遊技球貸出装置に挿入された有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン215とが設けられている。
上受け皿ユニット210には下方へ行くに従って前方に変位する緩やかな曲面状に形成された手載せ部211が設けられている。上受け皿ユニット210には、演出ボタン212と十字キー213が設けられている。
演出ボタン212は、所定の入力受付期間中に内蔵ランプが点灯されて操作可能となり、内蔵ランプの点灯時に押下することにより演出に変化をもたらすことができる押しボタンとされている。演出ボタン212は手載せ部211に連続して配置されている。遊技者は遊技中に手載せ部211に手を載せた状態で演出ボタン212を操作することができ、演出ボタン212の良好かつ安定した操作を行うことが可能にされている。十字キー213は遊技者が演出状況に応じた操作や演出設定等のための操作を行う操作子である。
発射操作ハンドル218は操作パネル208の右端側に設けられ、遊技者が、遊技球のための図示しない発射装置を作動させる操作子である。
なお、操作パネル208はベース枠230に図示しない支持機構によって開閉可能とされていてもよい。また、操作パネル208はベース枠230に取り付けられベース枠230に対する開閉が不可能とされていてもよい。
化粧カバー204は周方向において複数個に分割されている(図12参照)。
化粧カバー204は全体が結合されることにより下方に開口された略コ字状に形成され、左右一対の上下方向に延びる側辺部分204a、204bと、側辺部分204a、204bの上端部間を左右方向において連結する上辺部分204cとを有している。
化粧カバー204は側辺部分204a、204bと上辺部分204cが結合された状態において、前扉201の窓孔202より一回り大きくされ、窓孔202の周囲に取り付けられている。
化粧カバー204は、側辺部分204a、204bがそれぞれベース枠230の側方部232、232における前面に取り付けられ、上辺部分204cがベース枠230の上方部231における前面に取り付けられている。
上記のように、化粧カバー204は周方向において複数個に分割されており、側辺部分204a、204bと上辺部分204cによってベース枠230や発光表示手段等の各一部が覆われる。従って、化粧カバー204によって遊技機1の良好な装飾性が確保される。
前扉201の前面側には装飾ランプが各所に設けられている。装飾ランプは、例えば、LEDによる発光動作として、演出用の発光動作、エラー告知用の発光動作、動作状態に応じた発光動作などを行う。
前扉201の上部207dの左右両側にはそれぞれスピーカ保持部224が設けられ、スピーカ保持部224にはスピーカユニット225が保持されている(図15乃至図17参照)。
スピーカ保持部224は前後に貫通された筒状に形成され、スピーカユニット225はスピーカ保持部224の内側に配置された状態で保持されている。スピーカユニット225はスピーカ本体226の他に、スピーカ本体226の背面側に配置された基板227や基板227に接続された導電線材としてのケーブル228を有している。
扉枠203には、スピーカユニット225の周辺における所定の各位置に、図示しない発光表示手段がそれぞれ組み込まれている。
前扉201の下端寄りの位置における左右両側には、演出音を出力するスピーカユニット229がそれぞれ配置されている。スピーカユニット229は化粧カバー204における側辺部分204a、204bの下端部によって保持され、前扉201に配置されている。
(扉枠)
扉枠203は外形状が矩形状であって枠状に形成され、ベース部分としての枠部207を有し、枠部207は側部207a、207bと下部207cと上部207dによって一体に形成されている(図10及び図11参照)。枠部207は金属によって形成されてもよく樹脂によって形成されてもよく、一部が金属又は樹脂によって形成されていてもよい。
側部207a、207b、下部207c及び上部207dはそれぞれベース枠230の側方部232、232、下方部233及び上方部231に対応して位置される。
下部207cの上下方向における幅はベース枠230における下方部233の上下方向における幅よりも大きくされ、下部207cの下端部を除く部分が下方部233に対向した状態で位置される。従って、下部207cの下端部は下方部233より下側に位置される。
枠部207の内側には前扉201の窓孔202よりも大きい開口219が形成されている。枠部207の上部207dは上端部が左右方向に延びる直線状に形成され、下端部が窓孔202の開口縁に沿ってアーチ状又は円弧状に形成されている。
枠部207の側部207a、207bには、左右方向における外側の端部にそれぞれ後方に突出された補強縁234、235が設けられている。補強縁234、235はそれぞれ側部207a、207bの外側の部分が後方に折り曲げられることにより形成されている。
このように扉枠203における枠部207の左右両端部には後方に折り曲げられることにより形成された補強縁234、235が設けられているため、補強縁234、235によって扉枠203の上下両端部が前後に変位される屈曲方向に対する補強が行われ、扉枠203の高い強度を確保することができる。
また、扉枠203における枠部207の下部207cの下端部と上部207dの上端部とにはそれぞれ後方に突出された補強縁236と補強縁237が設けられている。補強縁236、237はそれぞれ下部207cの下端部と上部207dの上端部とが後方に折り曲げられることにより形成されている。
このように扉枠203における枠部207の上下両端部には後方に折り曲げられることにより形成された補強縁236、237が設けられているため、補強縁236、237によって扉枠203の左右両端部が前後に変位される屈曲方向に対する補強が行われ、扉枠203の高い強度を確保することができる。
扉枠203の上端部には前方に突出された保持筒部238が左右に離隔して設けられている。保持筒部238には、扉枠203が前扉201と結合された状態において、スピーカユニット225が挿入されて配置される。従って、スピーカユニット225は保持筒部238に保護され、前後両側の部分がそれぞれ保持筒部238の前側の開口と後側の開口とから臨まれる状態にされる。
枠部207の上部207dには、左右両側の位置に、スピーカ本体226や基板227やケーブル228や発光表示手段等を後方から覆う保護カバー220がそれぞれ取り付けられている(図10、図11及び図16参照)。
保護カバー220を設けることにより、スピーカユニット225や発光表示手段等の損傷や破損を防止することができる。また、保護カバー220を剛性の高い材料、例えば、金属材料等によって形成することにより、スピーカユニット225や発光表示手段等の保護の強化を図ることができると共に保護カバー220が扉枠203を補強する機能をも発揮して扉枠203における上部207dの高い強度を確保することができる。
保護カバー220は上下の幅が左右の幅より小さく形成されると共に下縁の一部が円弧状に形成されている。これにより、固定手段600の移動領域(回動領域)を避けると共に透明板ユニット300との干渉を回避した上で、保護カバー220を枠部207に取り付けることができる。
なお、本実施の形態では、左右一対の保護カバー220が設けられているが、左右一対の保護カバー220が一体に形成されていてもよい。左右一対の保護カバー220が一体に形成されることにより、遊技機1の部品点数の削減及び製造コストの低減を図ることができる。また、左右一対の保護カバー220が一体に形成されることにより、扉枠203の上部207dの強度をより向上させることができる。
(補強部材)
第1の補強部材205と第2の補強部材206は何れも金属によって上下に延びる形状に形成されている(図10、図11、図18乃至図21参照)。
第1の補強部材205は、前後方向を向く板状のベース壁205aと、ベース壁205aの左右方向における外側の端部から後方に突出された外側壁205bと、ベース壁205aの左右方向における内側の端部から後方に突出された内側壁205cとを有している。
第1の補強部材205は扉枠203における枠部207の側部207aに後方から固定されている。第1の補強部材205は側部207aの後面にベース壁205aが対向した状態で扉枠203の上端部から下端部に亘る位置に枠部207に固定されている。
第2の補強部材206は、前後方向を向く板状のベース壁206aと、ベース壁206aの左右方向における外側の端部から前方に突出された外側壁206bと、ベース壁206aの左右方向における内側の端部から前方に突出された内側壁206cとを有している。
第2の補強部材206は扉枠203における枠部207の側部207bに後方から固定されている。第2の補強部材206は側部207bの後面にベース壁206aが対向した状態で扉枠203の上端部から下端寄りの部分に亘る位置に固定されている。
第1の補強部材205と第2の補強部材206は、それぞれ枠部207を補強する機能を有している。第1の補強部材205と第2の補強部材206が左右に離隔して枠部207に固定されることにより、扉枠203の高い強度を確保することができる。
なお、下部207cと上部207dにも補強部材が固定されていてもよい。下部207cと上部207dにも補強部材が固定されることにより、扉枠203の一層の強度の向上を図ることができる。
また、第1の補強部材205は枠部207における補強縁234の内側に固定され、第2の補強部材206は枠部207における補強縁235の内側に固定されている(図20及び図21参照)。
第1の補強部材205はベース壁205aの前面が側部207aの後面に押し付けられ外側壁205bが補強縁234に内側から押し付けられた状態で枠部207に取り付けられている。従って、第1の補強部材205の各部が枠部207の各部に接した状態で枠部207に取り付けられるため、扉枠203のより一層高い強度を確保することができる。
さらに、第2の補強部材206はベース壁206aの前面が側部207bの後面に押し付けられ外側壁206bが補強縁235に内側から押し付けられた状態で枠部207に取り付けられている。従って、第2の補強部材206の各部が枠部207の各部に接した状態で枠部207に取り付けられるため、扉枠203のさらに、高い強度を確保することができる。
<4.透明板載置手段の構成>
次に、透明板載置手段400の構成について説明する(図10、図22乃至図26参照)。
図22は扉枠から載置板金が取り外された状態を示す斜視図であり、図23は固定体の一部と共に示す開閉体の背面側の斜視図であり、図24は図11の(24)−(24)線断面図であり、図25は図24の一部を示す断面図であり、図26は図24の別の一部を示す断面図である。
透明板載置手段400は何れも開閉体200の背面側に設けられており、扉枠203の枠部207の一部と透明板ユニット300が載置される載置板金401とによって構成されている。
枠部207の下部207cには、左右に離隔して係合部410、410が設けられ、左右方向において一方の係合部410の外側に第1の受け突部420が設けられ、左右方向において他方の係合部410の外側に第2の受け突部430が設けられている。
係合部410、410と第1の受け突部420と第2の受け突部430と載置板金401は透明板載置手段400の各一部を構成する。
係合部410は遊技盤103側に突出され、係合部410には上方に開口する係合穴411が形成されている。係合部410は樹脂により形成されている。
なお、本実施の形態においては、係合部410を二つ設けた例について説明するが、係合部410は一つでもよいし、三つ以上であってもよい。なお、透明板ユニット300に設けられる後述する係合突部の数は係合部410の数に応じて変化する。
係合部410は、例えば、横長の矩形状に形成され、係合穴411も横長の矩形状に形成されている。係合部410は枠部207における開口219の下側開口縁より稍下側に位置されている。従って、下部207cの上端部には、係合部410の上側に後方を向く面が形成され、この後方を向く面が受け面412として形成されている。
第1の受け突部420は下部207cから遊技盤103側に突出され、前後方向が厚み方向にされた略二等辺三角形状に形成されている。第1の受け突部420は、等辺420a、420aがそれぞれ上下と左右に延びる向きにされ、斜辺420cが開口219側を向く状態にされている。斜辺420cは凹形状に形成されている。第1の受け突部420の一方の等辺420aは係合部410の上端と略同じ高さに位置されている。
第1の受け突部420には下端部から後方に突出された受け片部421が設けられ、受け片部421は左右に延び上下を向く板状に形成されている。
第2の受け突部430は下部207cから遊技盤103側に突出され、前後方向が厚み方向にされた略二等辺三角形状に形成されている。第2の受け突部430は、等辺430a、430aがそれぞれ上下と左右に延びる向きにされ、斜辺430cが開口219側を向く状態にされている。斜辺430cは凹形状に形成されている。第2の受け突部430の一方の等辺430aは係合部410の上端と略同じ高さに位置されている。
載置板金401は金属材料により所定の形状に形成され、前後方向を向く被取付部402と、被取付部402の上端部から後方に突出され左右方向に延びる載置部403と、載置部403の後端部から下方へ突出されたリブ404とを有している。
透明板ユニット300は扉枠203に着脱される機会も多く、載置部403には透明板ユニット300が載置される度に透明板ユニット300から力が加えられる。従って、上記のように、載置部403に連続するリブ404を設けることにより、載置部403の強度を向上させて載置部403を変形し難くすることにより、載置部403の耐久性の向上を図ることができると共に透明板ユニット300の扉枠203に対する位置精度の向上を図ることができる。
載置板金401には、載置部403と被取付部402の連続部分にそれぞれ切り欠き405が左右に離隔して形成されている。切り欠き405は上下及び前方に開口されている。
載置板金401は被取付部402が枠部207の後面に接した状態で、例えば、ネジ止めにより枠部207に固定される。載置板金401が枠部207に固定された状態において、係合部410が切り欠き405に挿入される。従って、係合部410、410の左右に載置板金401における載置部403の各部分が位置される。
<5.固定体(透明板ユニット)の構成>
次に、固定体(透明板ユニット)300の構成について説明する(図27乃至図35参照)。
図27は固定体の背面図であり、図28は固定体の斜視図であり、図29は固定体の一部を示す断面図であり、図30は固定体の被押さえ部等を示す背面側の斜視図であり、図31は固定体の被押さえ部等を示す正面側の斜視図であり、図32は固定体の被押さえ部等を示す断面図であり、図33は固定体が開閉体に固定された状態を示す斜視図であり、図34は固定体が開閉体に固定された状態を示す背面図であり、図35は固定体の被押さえ部等の寸法を説明する断面図である。
[5−1.固定体の全体構成]
透明板ユニット(固定体)300は、前後2枚の透明板301、301と、透明板301、301を外周部において保持する保持部材302とを備えている(図27乃至図29参照)。なお、透明板ユニット300に設けられる透明板301の数は任意であり、1枚でもよく3枚以上でもよい。また、複数の透明板301が設けられる場合には、複数の透明板301が前後で離隔して位置されていてもよく、前後で接した状態で位置されていてもよい。
透明板ユニット300においては、透明板301、301と保持部材302が接着等により固定され、透明板301、301間には略密閉された内部空間300aが形成されている。
透明板ユニット300は外周部が枠部207の後面に押し付けられた状態で扉枠203に固定され、透明板ユニット300が扉枠203に固定された状態においては、透明板ユニット300が扉枠203の開口219を後方から塞ぐ状態にされる。これにより、透明板301を介して遊技領域103aを前面から透視することが可能にされている。
(透明板と保持部材)
透明板301としては、例えば、ガラス板が用いられる。なお、透明板301はガラス板に限定されず、所定の強度がある透明な板材であればその材質などは問わない。例えば、透明板301は樹脂によって形成されていてもよい。
透明板301は扉枠203の開口219の形状に対応した所定の形状に形成されている。透明板301は、例えば、上縁が上方に凸の曲線状に形成され、左右両側縁が一部を除いて上下に延びる直線状に形成され、下縁が左右に延びる直線状に形成されている。
また、透明板301は尖った角部を有しない形状に形成され、外周縁において曲線状の部分と直線状の部分との境界部及び直線状の部分と直線状の部分との境界部が何れも緩やかに角張ることなく曲線状に形成されている。従って、透明板301の外周縁におけるこれらの境界部に応力集中が生じ難く、透明板301の強度の向上や損傷の発生の防止を図ることができる。
保持部材302は、透明板301、301の外周部を覆う保持枠部303と、保持枠部303から外方に突出された被押さえ部307、307と、保持枠部303から外方に突出されたストッパー部310、310と、保持枠部303の下端部から下方に突出された係合突部311、311と、保持枠部303から外方に突出された突状部313とを有している。
透明板301、301は保持枠部303に、例えば、接着等によって固定され、保持部材302に保持される。
(保持部)
保持枠部303は透明板301、301の外周部を外側から覆うように全体として環状に形成されている。保持枠部303は、周方向に直交する断面形状において、図29に示すように、2枚の透明板301、301の間の間隔を保持する間隔保持部304と、間隔保持部304の一端部に連続され間隔保持部304に対して直交する第1の押さえ部305と、間隔保持部304の他端部に連続され間隔保持部304に対して直交する第2の押さえ部306とを有している。第1の押さえ部305と第2の押さえ部306は間隔保持部304から反対方向に突出されている。
透明板301が保持枠部303に保持された状態においては、透明板301の外周面が第1の押さえ部305と第2の押さえ部306によって外側から押さえられ、透明板301の外周部における内面が間隔保持部304に接した状態にされる。
このように、透明板301、301は保持部材302によって保持された状態において、間隔保持部304によって間に内部空間300aを有した状態で所定の間隔をもって保持される。
従って、一方の透明板301に衝撃が付与されたときに他方の透明板301に衝撃が伝達され難く、透明板301の耐衝撃性の向上による破損やひび割れの発生等を防止することができる。特に、前側に位置された透明板301には遊技中に遊技者の手等が接触し易い状態にあるが、前側に位置された透明板301の後側に内部空間300aを有した状態で後側の透明板301が存在するため、万が一、前側の透明板301が破損しても後側の透明板301が破損し難く、後側の透明板301の後方に位置された遊技盤103を保護することができると共に遊技者の安全性を確保することもできる。
また、前側に位置された透明板301から後側に位置された透明板301への衝撃の伝達性を低下させるために、保持部材302は衝撃の吸収力の高い樹脂材料や耐衝撃性の高い樹脂材料によって形成されることが望ましい。
透明板301、301が保持部材302によって保持された状態においては、保持部材302における第2の押さえ部306の後端面が後側に位置されている透明板301の後面よりも後側に位置されている。従って、透明板ユニット300には後側に位置されている透明板301の後方に、後方に開口された空間が形成され、この空間が後方空間300bとして形成される。
このように第2の押さえ部306の後端面が、後側に位置されている透明板301の後面よりも後側に位置されて後方空間300bが形成されることにより、透明板301の後側に位置される遊技盤103に後側の透明板301が接触することがなく、透明板301の損傷を防止することができる。
また、遊技盤103の釘149や風車147等の盤面からの高さは調整によって変化することがあり、調整によって釘149や風車147等の盤面からの高さが変化した場合にも、後方空間300bの存在によって釘149や風車147等が後側に位置されている透明板301に接触することがない。従って、釘149や風車147等の倒れ等の不具合の発生を防止することができると共に透明板301の損傷を防止することができる。
保持枠部303は、周方向においては以下のような複数の各部によって構成されている。保持枠部303は側方部分303a、303bと下方部分303cと上方部分303dと傾斜部分303eと円弧部分303fと曲線部分303gから成る(図27及び図28参照)。
側方部分303a、303bは上下に延び、下方部分303cは左右に延び、上方部分303dは側方部分303a、303bの上端に連続し上方に凸の円弧状に形成されている。傾斜部分303eは側方部分303aの下端に連続し下方へ行くに従って側方部分303b側に傾斜され、円弧部分303fは傾斜部分303eの下端と下方部分303cの左右方向における一端とに連続し下斜め方向に凸の円弧状に形成され、曲線部分303gは側方部分303bの下端と下方部分303cの左右方向における他端とに連続し外方に凸の緩やかな曲線状に形成されている。
なお、透明板ユニット300は透明板301と保持部材302の保持枠部303とを含む大きさ及び形状が、異なる複数の種類の扉枠に共通に使用できるように、扉枠の最大の開口よりも大きく形成され、扉枠に装着されたときに前面の外周部が開口より外側に位置されるように構成されている。
(被押さえ部)
被押さえ部307、307は保持枠部303の上方部分303dにおける側方部分303a、303b寄りの端部から互いに反対方向における外方に突出されている。被押さえ部307、307は透明板ユニット300の左右方向における中央線Sを基準にして対称な位置に設けられ、線対称の形状に形成されている(図27参照)。
被押さえ部307は全体として二等辺三角形状に形成され、上方部分303dの前端部から突出され、斜辺が上方部分303dの外周面に連続されている(図30及び図31参照)。
被押さえ部307には前方に開口する凹状の位置決め穴308と後方に開口する凹状の係止部309とが形成されている(図30乃至図32参照)。位置決め穴308と係止部309は前後で連通され中心軸が同じにされている。位置決め穴308と係止部309は被押さえ部307の先端寄りの位置に形成されている。
位置決め穴308は周面が中心軸に平行な挿入部308aと挿入部308aの前端に連続され前方へ行くに従って径が大きくなる案内部308bとから成る。係止部309は周面が中心軸に平行な無変化部309aと無変化部309aの後端に連続され後方へ行くに従って径が大きくなる径変化部309bとから成る。
位置決め穴308と係止部309は挿入部308aと無変化部309aが前後で連通されている。
被押さえ部307の外周部における後端部には外方へ行くに従って前方に変位する傾斜部312が形成されている。
(ストッパー部)
ストッパー部310、310はそれぞれ被押さえ部307、307から後方に突出され保持枠部303から外方に突出されている。ストッパー部310は係止部309と保持枠部303の上方部分303dとの間において上方部分303dと被押さえ部307に連続して設けられている。
ストッパー部310は山型の形状に形成され、厚み方向が前後方向にされている。ストッパー部310は上面310aと斜面310bと後面310cと頂上面310dを有し、大きさが被押さえ部307より小さくされている。
後面310cは厚み方向において後方を向く面であり、上面310aと斜面310bと頂上面310dは外周面の各一部である。頂上面310dは上面310aと斜面310bの間に位置され、上斜め側方を向く状態にされている。
ストッパー部310は保持枠部303の上方部分303dから被押さえ部307の突出方向と同じ方向に突出され、前面が被押さえ部307の後面に連続されている。ストッパー部310の斜面310bは下斜め側方を向く状態にされている。
ストッパー部310は、透明板ユニット300が開閉体200に固定されるときに回動される固定手段600として機能する後述する可変部材が回動されたときに、可変部材の過度な回動を規制する機能を有している。
また、ストッパー部310は持ち手としての機能をも有しており、透明板ユニット300を開閉体200に固定する固定作業や透明板ユニット300の開閉体200からの固定を解除する固定解除作業において指を掛けて持ち手として利用することが可能である。
例えば、ストッパー部310、310にそれぞれ指を掛けて透明板ユニット300を把持することにより、透明板ユニット300を持ち易くなり、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業において透明板ユニット300を開閉体200に容易に固定することが可能になる。また、ストッパー部310、310にそれぞれ指を掛けて透明板ユニット300を把持することにより、透明板ユニット300の開閉体200からの固定解除作業において透明板ユニット300を開閉体200から容易に取り外すことが可能になる。
このとき、上記したように、ストッパー部310の斜面310bが下斜め側方を向く状態にされていることにより、作業者がストッパー部310に指を掛け易くなり、作業性の向上を図ることができる。
また、ストッパー部310は保持枠部303と被押さえ部307と一体に形成されており、保持枠部303と被押さえ部307も一体に形成されている。従って、ストッパー部310と保持枠部303と被押さえ部307の強度が高く、ストッパー部310を把持したときにストッパー部310と保持枠部303と被押さえ部307が変形し難く、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業における作業性の向上及び透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができる。
ストッパー部310の後面310cは保持枠部303の後面より前側に位置されている。このようにストッパー部310の後面が保持枠部303の後面より前側に位置されることにより、作業者が支持体100に対して開閉体200を開いた状態で各種の作業、例えば、釘149の調整等を行う際に、ストッパー部310に作業者の手等が誤って接触し難くなり、これらの各種の作業における作業性の向上を図ることができる。
(係合突部)
係合突部311、311は保持枠部303における下方部分303cの左右両端部からそれぞれ下方に突出されている。係合突部311は横長の形状に形成され、透明板ユニット300を扉枠203に固定する際に透明板載置手段400の係合穴411に挿入される部分である。係合突部311は保持枠部303と一体に形成されており、強度が高くされている。
(突状部)
突状部313は保持枠部303の円弧部分303fから外方に突出され、略二等辺三角形状に形成されている(図27及び図28参照)。突状部313は下方を向く下面部313aと側方を向く側面部313bとを有し、円弧部分303fにおける略後半部から外方に突出されている。従って、突状部313は保持枠部303より厚みが薄くされている。突状部313は保持枠部303と一体に形成されており、強度が高くされている。
(透明板ユニットの開閉体に対する固定状態)
上記のように構成された透明板ユニット300は以下のようにして開閉体200に固定される(図17、図33及び図34参照)。
透明板ユニット300は下端部が透明板載置手段400に載置され(図33及び図34参照)、上部に設けられた被押さえ部307、307にそれぞれ透明板ユニット300、300として機能する後述する可変部材(601A、601A)が係止され、可変部材によって扉枠203に後方から押し付けられることにより開閉体200に固定される(図17参照)。
なお、透明板ユニット300を扉枠203に押し付ける可変部材は、可変部材601A以外の可変部材(601、601B)であってもよく、これらの可変部材601A、601、601Bの詳細については後述する。
また、透明板ユニット300の開閉体200への固定作業の詳細や手順等についても後述する。
[5−2.被押さえ部の各寸法]
以下に、被押さえ部307の各部における各寸法について説明する(図35参照)。
上記したように、被押さえ部307には前方に開口する位置決め穴308と後方に開口する係止部309とが形成されている。位置決め穴308は周面が中心軸に平行な挿入部308aと前方へ行くに従って径が大きくなる案内部308bとから成り、係止部309は周面が中心軸に平行な無変化部309aと後方へ行くに従って径が大きくなる径変化部309bとから成る。位置決め穴308と係止部309は挿入部308aと無変化部309aが前後で連通されている。
位置決め穴308には、透明板ユニット300が開閉体200に固定されるときに開閉体200に設けられた後述する位置決め突部(507)が挿入され、透明板ユニット300の開閉体200に対する位置決めが行われる。位置決め突部507の径は位置決め穴308の径より僅かに小さい円柱状に形成されている。
係止部309には、透明板ユニット300が開閉体200に固定されるときに開閉体200に支持された後述する可変部材の押さえ突部(603)が挿入され、透明板ユニット300の開閉体200への固定が行われる。押さえ突部603は前方に突出され外面が曲面状に形成されている。
また、被押さえ部307には外方へ行くに従って前方に変位する傾斜部312が形成されている。傾斜部312には、透明板ユニット300の開閉体200への固定時に可変部材が移動(回動)されるときに、可変部材が屈曲されて弾性変形されることにより押さえ突部603が傾斜部312に乗り上げて摺動される。
位置決め穴308における挿入部308aの径をR1とし、係止部309における径変化部309bの最大の径をR2とし、係止部309における無変化部309aの径をR3とし、位置決め穴308における案内部308bの傾斜角度をθ1とし、係止部309における径変化部309bの傾斜角度をθ2とする。
位置決め穴308における挿入部308aの深さをT1とし、位置決め穴308における案内部308bの深さをT2とし、係止部309における無変化部309aの深さをT3とし、係止部309における径変化部309bの深さをT4とする。
位置決め穴308における案内部308bの傾斜角度をθ1とし、係止部309における径変化部309bの傾斜角度をθ2とし、傾斜部312における被押さえ部307の後面に対する傾斜角度をθ3とする。
「規定した寸法」
上記に規定した径、角度及び深さは以下の通りである。
R1:挿入部308aの径
R2:径変化部309bの最大の径
R3:無変化部309aの径
θ1:案内部308bの傾斜角度
θ2:径変化部309bの傾斜角度
θ3:傾斜部312の傾斜角度
T1:挿入部308aの深さ
T2:案内部308bの深さ
T3:無変化部309aの深さ
T4:径変化部309bの深さ
「解決課題」
遊技機1においては、透明板ユニット300における被押さえ部307の高い強度の確保、透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態の確保、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業を行うときの作業性の向上等を図る必要がある。そこで、被押さえ部307の各部の寸法(R、θ、T)が以下のように設定されている。
「径Rの大きさ」
(全てのRの比較)
被押さえ部307においては、挿入部308aの径R1が径変化部309bの最大の径R2より大きくされ、径変化部309bの最大の径R2が無変化部309aの径R3より大きくされている。
従って、R1>R2>R3の関係にされている。
(R1>R2、R3について)
被押さえ部307においては、挿入部308aの径R1が径変化部309bの最大の径R2と無変化部309aの径R3より大きくされている。
位置決め穴308には位置決め突部507の全体が挿入され、透明板ユニット300に衝撃や振動が付与されると、付与された衝撃や振動が被押さえ部307から位置決め突部507に伝達される。従って、位置決め突部507の径が小さいと位置決め突部507に破損や倒れが生じるおそれがあるため、位置決め突部507は径が一定以上の大きさにされる必要があり、その分、挿入部308aの径R1も大きくされることが望ましい。特に、透明板ユニット300はガラス等によって形成された2枚の透明板301、301を有しており、重量が大きいため、被押さえ部307から位置決め突部507に伝達される衝撃や振動も大きくなる可能性がある。
一方、挿入部308aの径R1と径変化部309bの最大の径R2と無変化部309aの径R3が何れも大きいと、被押さえ部307における空間容積が大きくなり、被押さえ部307の強度が低下してしまう。
そこで、上記したように、位置決め突部507が挿入される挿入部308aの径R1を径変化部309bの最大の径R2と無変化部309aの径R3より大きくしてR1>R2、R3とすることにより、位置決め突部507の破損や倒れを防止することができると共に被押さえ部307における空間容積が大きくならないようにして被押さえ部307の強度の向上を図ることができる。
「角度θの大きさ」
(全てのθの比較)
被押さえ部307においては、案内部308bの傾斜角度θ1が径変化部309bの傾斜角度θ2より大きくされ、傾斜部312の傾斜角度θ3が径変化部309bの傾斜角度θ2より小さくされている。
従って、θ1>θ2>θ3の関係にされている。
(θ1>θ2について)
被押さえ部307においては、案内部308bの傾斜角度θ1が径変化部309bの傾斜角度θ2より大きくされている。
案内部308bは透明板ユニット300の開閉体200への固定時に位置決め突部507を挿入部308aへ向けて案内する機能を有しており、案内部308bの傾斜角度を大きくして案内部308bの開口径の大きさを大きくし、位置決め突部507が挿入部308aに確実に挿入されるようにすることが望ましい。
一方、係止部309には透明板ユニット300を開閉体200に固定するための可変部材の押さえ突部603が挿入され、被押さえ部307は曲面状に形成された押さえ突部603の外面が径変化部309bに接した状態で開閉体200側に押し付けられる。従って、透明板ユニット300や可変部材に衝撃や振動が付与された状態においても、押さえ突部603が係止部309から抜けないようにするために、径変化部309bの傾斜角度が小さくされることが望ましい。
そこで、上記したように、案内部308bの傾斜角度θ1を径変化部309bの傾斜角度θ2より大きくしてθ1>θ2とすることにより、位置決め突部507を挿入部308aに確実に挿入することができると共に透明板ユニット300や可変部材に衝撃や振動が付与された状態においても押さえ突部603の係止部309からの抜けを防止して透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができる。
(θ3<θ2について)
被押さえ部307においては、傾斜部312の傾斜角度θ3が径変化部309bの傾斜角度θ2より小さくされている。
傾斜部312は透明板ユニット300の開閉体200への固定時に位置決め突部507を係止部309へ向けて案内する機能を有しており、可変部材を円滑に移動(回動)させるには傾斜部312の傾斜角度を小さくすることが望ましいが、傾斜部312の傾斜角度を小さくし過ぎると、傾斜方向における一端P1と他端P2の高低差が小さくなり過ぎて可変部材が移動(回動)時に傾斜部312に乗り上がらないおそれがある。
また、傾斜部312の傾斜角度を小さくした状態で可変部材が傾斜部312に確実に乗り上がるようにするためには、傾斜部312の一端P1と他端P2の間の距離を大きくしなければならず、被押さえ部307が大型になってしまう。
一方、上記したように、透明板ユニット300や可変部材に衝撃や振動が付与された状態においても、押さえ突部603が係止部309から抜けないようにするために、径変化部309bの傾斜角度は小さくされることが望ましい。
そこで、上記したように、傾斜部312の傾斜角度θ3を径変化部309bの傾斜角度θ2より小さくしてθ3<θ2とすることにより、被押さえ部307の大型化を来すことなく位置決め突部507を係止部309へ向けて確実に案内することができると共に透明板ユニット300や可変部材に衝撃や振動が付与された状態においても押さえ突部603の係止部309からの抜けを防止して透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができる。
「深さTの大きさ」
(全てのTの比較)
被押さえ部307においては、案内部308bの深さT2が径変化部309bの深さT4より小さくされ、挿入部308aの深さT1と案内部308bの深さT2の合計が無変化部309aの深さT3と径変化部309bの深さT4の合計と略同じにされている。
従って、T2<T4、T1+T2=T3+T4の関係にされている。
(T2<T4について)
被押さえ部307においては、案内部308bの深さT2が径変化部309bの深さT4より小さくされている。
案内部308bは透明板ユニット300の開閉体200への固定時に位置決め突部507を挿入部308aへ向けて案内する機能を有しており、位置決め突部507を挿入部308aへ向けて案内するためには深さが深くされる必要はない。また、位置決め穴308は位置決め突部507の全体が挿入されるため、位置決め突部507を確実に挿入するためには深さが深くされることが望ましいが、位置決め穴308の深さが深過ぎると被押さえ部307の空間容積が大きくなり被押さえ部307の強度が低下するおそれがある。
一方、係止部309には透明板ユニット300を開閉体200に固定するための可変部材の押さえ突部603が挿入されて係止されるため、透明板ユニット300や可変部材に衝撃や振動が付与された状態においても、押さえ突部603が係止部309から抜けないようにするために、径変化部309bの深さを深くすることが望ましい。
そこで、上記したように、被押さえ部307においては、案内部308bの深さT2を径変化部309bの深さT4より小さくしてT2>T4とすることにより、位置決め突部507を挿入部308aに確実に挿入することができると共に透明板ユニット300や可変部材に衝撃や振動が付与された状態においても押さえ突部603の係止部309からの抜けを防止して透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができる。
(T1+T2=T3+T4について)
被押さえ部307においては、挿入部308aの深さT1と案内部308bの深さT2の合計の深さが無変化部309aの深さT3と径変化部309bの深さT4の合計の深さと略同じ深さにされている。
挿入部308aの深さT1と案内部308bの深さT2の合計の深さは位置決め穴308の深さであり位置決め穴308が形成された被押さえ部307の後端側の厚みに等しく、無変化部309aの深さT3と径変化部309bの深さT4の合計の深さは係止部309の深さであり係止部309が形成された被押さえ部307の前端側の厚みに等しい。
一方、位置決め穴308には位置決め突部507の全体が挿入されるが、透明板ユニット300が開閉体200に位置決めされ透明板ユニット300が開閉体200に固定された状態において、被押さえ部307の前面が扉枠203の後面に押し付けられる必要がある。従って、被押さえ部307の前面が扉枠203の後面に押し付けられるためには、位置決め突部507の後面が挿入部308aの底面に接触されないようにする必要があり、その分、挿入部308aの深さT1は十分な深さが必要である。
しかしながら、位置決め穴308の深さが深過ぎると被押さえ部307の空間容積が大きくなり被押さえ部307の強度が低下するおそれがある。
そこで、上記したように、挿入部308aの深さT1と案内部308bの深さT2の合計の深さが無変化部309aの深さT3と径変化部309bの深さT4の合計の深さとを略同じ深さにすることにより、挿入部308aの十分な深さを確保した上で位置決め穴308が形成された被押さえ部307の後端側の厚みを不必要に薄くすることなく被押さえ部307の高い強度を確保することができる。
<6.固定協働手段及び固定手段の構成、動作>
次に、透明板ユニット300を開閉体200の扉枠203に固定するために機能する固定協働手段500及び固定手段600について説明する。固定手段600は、透明板載置手段400に載置された状態で透明板ユニット300を扉枠203に固定するための手段である。
以下の説明においては、扉枠203の後面のうち透明板ユニット300の被押さえ部307の前面が接する面をベース面203aとして説明する。
[6−1.第1の実施の形態]
まず、第1の実施の形態における固定手段600等の構成について、図36から図38を参照して説明する。
図36は透明板ユニット及び左右の一方の側の固定手段と固定協働手段等を示す背面図であり、図37は押さえ突部が透明板ユニットの被押さえ部に接した状態を示す背面図であり、図38は透明板ユニット及び左右の一方の側の固定手段と固定協働手段等を示す斜視図である。
固定手段600、600は扉枠203の左右方向における中央線Kを基準に略対称の位置に設けられ、線対称の形状に形成されている(図16参照)。
(固定手段の構成)
第1の実施の形態における固定手段600は、例えば、樹脂によって形成された可変部材601を有している(図36、図37、図38等参照)。
可変部材601は、移動板602と押さえ突部603と移動規制部604と持ち手部605を有する。移動板602は略矩形の平板状に形成されており、後述する案内枠550に対して上下方向に移動可能とされている。
押さえ突部603は移動板602の長手方向における一端部から扉枠203側に突出されている。押さえ突部603が透明板ユニット300の係止部309に挿入した状態で係止されることにより、可変部材601により透明板ユニット300が扉枠203に固定される。
移動規制部604は移動板602の長手方向における押さえ突部603と反対側の端部から扉枠203側に突出されている。移動規制部604が後述する第1の規制手段503、第3の規制手段505に接することにより、可変部材601に負荷が掛けられ、第4の規制手段506に接することにより可変部材601の移動が規制される。
持ち手部605は移動板602の長手方向における中央部に、移動板602の後面602aから遊技盤103側に突出している。持ち手部605は可変部材601を移動させる際に作業者が把持する部分であり、作業者が把持した持ち手部605を手動操作することにより、可変部材601が上下方向に移動する。
扉枠203のベース面203aには案内枠550が取り付けられている。案内枠550は、固定協働手段500の一部として設けられている(図38等参照)。
案内枠550は案内壁551と固定板552、552と規制板553を有し、各部によって一体に形成されている。
案内壁551はそれぞれ板状に形成された右側壁551aと左側壁551bと規制壁551cを有し、右側壁551aと左側壁551bが左右方向を向き左右に離隔して位置され、規制壁551cが上下方向を向き右側壁551aの上端部と左側壁551bの上端部とを連結している。
固定板552、552はそれぞれ右側壁551aと左側壁551bにおける扉枠203側の端部から互いに離隔する方向へ突出されている。
規制板553は案内壁551の遊技盤103側の端部から内方に張り出された下方に開口するコ字状に形成されている。
案内枠550は固定板552がネジ止め等されることにより、扉枠203に取り付けられる。
可変部材601は規制板553によって移動板602の一部が後方から覆われることにより遊技盤103側への移動が規制され、規制壁551cによって上方への移動が規制され、右側壁551aと左側壁551bによって左右方向への移動が規制される。
以上より、可変部材601はベース面203aに対して上下方向へ移動可能にされる。可変部材601が移動する際には案内枠550により案内される。
可変部材601を上下方向へ移動させることにより、可変部材601による透明板ユニット300の扉枠203に対する着脱が行われる。
なお、案内枠550は扉枠203に一体に形成することができる。これにより部品点数が削減され遊技機1の製造コストの低減を図ることができる。また、案内枠550を扉枠203に一体に形成することにより案内枠550の扉枠203に対する高い位置精度を確保することができる。
(固定協働手段の構成)
扉枠203には固定協働手段500が設けられている。固定協働手段500は上記した案内枠550の他に、ベース面203aから遊技盤103側に突出された第1の規制手段503、第3の規制手段505、第4の規制手段506を有している(図39、図40、図41等参照)。第1の規制手段503、第3の規制手段505及び第4の規制手段506は、ベース面203aのうち案内枠550の内側の領域に設けられている。また、案内枠550の規制壁551cは第2の規制手段504として機能する。
なお、第2の規制手段504は扉枠203に一体に設けられていてもよい。これにより、扉枠203のベース面203aに対する第2の規制手段504の位置精度が高くなるため、可変手段601の移動位置に関する位置精度の向上を図ることができる。
また、第1の規制手段503、第3の規制手段505及び第4の規制手段506を扉枠203に一体に形成することもできる。これにより、第1の規制手段503、第3の規制手段505及び第4の規制手段506の互いの位置精度を向上させることができる。従って、可変部材601の移動を高い位置精度で確実に規制することができる。
第2の規制手段504、第1の規制手段503、第3の規制手段505、第4の規制手段506は、上方から下方に向かって順に離隔して設けられている。
第2の規制手段504は可変部材601の上方向への過度の移動を規制するものである。可変部材601は、移動板602の上面602cが、第2の規制手段504として機能する案内枠550の規制壁551cに下方から接することにより、上方向への移動が規制される。
また、移動板602の移動規制部604が第4の規制手段506に上方から接することにより可変部材601の上方向への移動が規制される(図41等参照)。
第1の規制手段503は移動板602から突出された移動規制部604が乗り上げ可能に形成されている。従って、例えば、移動板602が下方から上方へ向かって移動する際に、第1の規制手段503に移動規制部604が摺動することにより、可変部材601の移動の勢いが弱められる(図40等参照)。
可変部材601は下方から上方へ移動されるときに移動規制部604が第1の規制手段503に乗り上げた後に上方への移動力が解除されると、自重により移動規制部604が第1の規制手段503に上方から接する。これにより、可変部材601が案内枠550に支持された状態で保持される。
第3の規制手段505は移動板602から突出された移動規制部604が乗り上げ可能に形成されている。従って、例えば、移動板602が上方から下方へ向かって移動する際に、第3の規制手段505に移動規制部604が摺動することにより、可変部材601の移動の勢いが弱められる(図46等参照)。
可変部材601は上方から下方へ移動されるときに移動規制部604が第3の規制手段505に乗り上げた後に下方への移動力が解除されると、自重により移動規制部604が第4の規制手段506に上方から接する。これにより、可変部材601が案内枠550に支持された状態で保持される。
第4の規制手段506はベース面203aからの突出量が第1の規制手段503と第3の規制手段505のベース面203aからの突出量より大きくされ、移動規制部604が乗り上げ不可能とされている(図50等参照)。
移動規制部604が第4の規制手段506に上方から接することにより可変部材601の下方向への移動が規制され、可変部材601が案内枠550から下方に脱落されないように保持される。
第1の規制手段503、第3の規制手段505、移動規制部604は、先端部の左右方向における断面が半球状になるように先端面が曲面状に形成されている。これにより可変部材601の移動にあたって、第1の規制手段503、第3の規制手段505と移動規制部604との間に生じる摩擦を軽減し、可変部材601の円滑な移動を実現することができる。
窓枠203にはベース面203aから後方に突出する円柱状の位置決め突部507が設けられている。位置決め突部507は第4の規制手段506の真下に位置されている。位置決め突部507は透明板ユニット300の位置決め穴308に挿入可能に形成されている。位置決め突部507を位置決め穴308に挿入することにより、透明板ユニット300の扉枠203に対する位置決めが容易になり、透明板ユニット300を可変部材601によって扉枠203に容易かつ高い位置精度で取り付けることができる。
(可動位置について)
次に、図39から図41を参照して可変部材601の可動位置(移動位置)ごとの状態について説明する。可変部材601の可動位置としては少なくとも第1の位置と第2の位置と第3の位置が存在し、可動位置は第3の位置P3と第2の位置P2と第1の位置P1が上方から下方へ順に存在する。ここでは説明を容易にするため、可変部材601の位置を押さえ突部603の中心点の位置として便宜的に規定する。
図39は可変部材の第1の位置を説明する図であり、図40は可変部材の第2の位置を説明する図であり、図41は可変部材の第3の位置を説明する図である。また、図39から図41は図36における(39)−(39)線断面図である。
なお、透明板ユニット300は、上記したように透明板載置手段400に載置されて保持された状態でベース面203aに装着されて開閉体200に固定される。また、可変部材601は左右に存在し、透明板ユニット300は両側の可変部材601によって扉枠203に押しつけられて装着されるが、以下には、一方の可変部材601の動作のみについて記載する。
可変部材601の第1の位置P1は、透明板ユニット300を扉枠203に固定可能な状態となる位置であり、可変部材601の押さえ突部603が透明板ユニット300の被押さえ部307に形成された係止部309に挿入(係止)される位置である(図39参照)。第1の位置P1においては、移動規制部604が第3の規制手段505と第4の規制手段506の間にあり、可変部材601に対して第1の規制手段503、第2の規制手段504、第3の規制手段505、第4の規制手段506の何れにも移動の規制がされていない。
一方、可変部材601の可動位置のうち第1の位置P1以外の位置においては、可変部材601による透明板ユニット300の扉枠203に対する固定が解除可能な状態となる。例えば、可変部材601が第1の位置P1から第2の位置P2又は第3の位置P3に至るまでの所定位置において透明板ユニット300を開閉体200から固定解除可能である。
可変部材601の第2の位置P2は一定の範囲の位置にあり、移動規制部604が第1の規制手段503に接してから乗り越えるまでの位置が可変部材601の第2の位置P2に相当する(図40参照)。第2の位置P2においては押さえ突部603の係止部309への係止が解除されている。
可変部材601の第3の位置P3は移動範囲における上端の位置であり、移動板602の上面602cが、第2の規制手段504として機能する規制壁551cに接する位置が可変部材601の第3の位置P3に相当する(図41参照)。第3の位置P3においても押さえ突部603の係止部309への係止が解除されている。第3の位置においては移動規制部604が第1の規制手段503と第2の規制手段504の間にあり、可変部材601に対して第1の規制手段503、第3の規制手段505、第4の規制手段506の何れにも移動の規制がされていない。
第3の位置P3において案内枠550の第2の規制手段504によって可変部材601の移動が規制されることにより、可変部材601の上方向への過度の移動が規制される。
(可変部材の動作)
次に、可変部材601による透明板ユニット300の開閉体200における扉枠203に対する着脱動作(着脱作業)について、図42から図51を参照して説明する。図42から図51は図36における(39)−(39)線断面図である。
なお、透明板ユニット300は、上記したように、下面が透明板載置手段400に載置されて保持された状態で扉枠203のベース面203aに装着される。また、可変部材601は左右に存在するが、透明板ユニット300は左右両方の可変部材601によって扉枠203に押しつけられて開閉体200に固定される。以下には、一方の可変部材601の動作のみについて記載する。
扉枠203に透明板ユニット300を固定する前の状態において、可変部材601は自重により移動規制部604が第1の規制手段503に上側から接した状態で保持されている(図42参照)。
この状態においては、位置決め突部507が位置決め穴308に挿入されて透明板ユニット300が扉枠203に対して位置決めされているが、移動板602の下面602dが被押さえ部307の上方に位置されているため、透明板ユニット300は扉枠203から取り外し可能な状態である。
移動規制部604が第1の規制手段503に上側から接した状態の可変部材601の位置が第2の位置P2に相当する。
位置決め突部507が透明板ユニット300の位置決め穴308に挿入され移動規制部604が第1の規制手段503に上側から接した状態において、作業者が持ち手部605を把持し、可変部材601を下方へ移動させると、移動規制部604に下方への力が加わり、移動規制部604が第1の規制手段503に乗り上げる(図43参照)。
移動規制部604が第1の規制手段503に乗り上げている状態の可変部材601の位置も第2の位置P2に相当する。
このとき、移動板602の下面602dは被押さえ部307の上方に位置されている。
さらに、可変部材601が下方へ移動されていくと、移動規制部604が第1の規制手段503を乗り越える(図44参照)。移動規制部604が第1の規制手段503を乗り越え、移動規制部604が第1の規制手段503に下側から接した状態の可変部材601の位置も第2の位置P2に相当する。
このとき、移動板602の下面602dは被押さえ部307の後側から重なるが、押さえ突部603は被押さえ部307に形成された傾斜部312に接していない。
移動規制部604が第1の規制手段503を乗り越えた後に、さらに、可変部材601が下方へ移動されていくと、押さえ突部603が被押さえ部307に形成された傾斜部312に摺動されて被押さえ部307に乗り上げる(図45参照)。押さえ突部603が傾斜部312に摺動されることにより、被押さえ部307が可変部材601により扉枠203に押さえつけられていく。
このとき移動規制部604は第1の規制手段503と第3の規制手段505の間に位置されている。
さらに、可変部材601が下方へ移動されていくと、移動規制部604は第3の規制手段505に上側から接する。一方、押さえ突部603はまだ被押さえ部307に形成された傾斜部312に摺動している状態である(図46参照)。このとき可変部材601は下端部が後方に変位されるように弾性変形される。
可変部材601がさらに下方へ移動されていくと、移動規制部604が第3の規制手段505に乗り上げる(図47参照)。一方、押さえ突部603が傾斜部312を乗り越える。このとき可変部材601は下端部が後方に変位されるように弾性変形される。
さらに、可変部材601が下方へ移動されていくと、移動規制部604が第3の規制手段505を乗り越えて第3の規制手段505に下側から接した状態となる(図48参照)。一方、押さえ突部603は傾斜部312を乗り越える。
可変部材601がさらに下方へ移動されることにより、押さえ突部603が係止部309の径変化部309bに摺動されて可変部材601は下端部が前方に変位されるように弾性復帰され、押さえ突部603が被押さえ部307の係止部309に挿入されて係止される(図49参照)。被押さえ部307が係止部309に係止されることにより、透明板ユニット300が可変部材601により扉枠203に固定される。透明板ユニット300が可変部材601により扉枠203に固定された状態の可変部材601の位置が第1の位置P1に相当する。
以上により、固定手段600の可変部材601による透明板ユニット300の扉枠203に対する固定が完了する。
なお、透明板ユニット300が扉枠203に固定された状態においては、移動規制手段604は、第3の規制手段505と第4の規制手段506の間に位置されている。
なお、作業者の力によっては、可変部材601にさらに下方への力が加わる可能性があるが、この場合に可変部材601が下方へ移動されると、移動規制部604が第4の規制手段506に上方から接する(図50参照)。第4の規制手段506に移動規制部604が接することにより可変部材601の下方向への過度の移動が規制される。
このとき、押さえ突部603が係止部309の径変化部309bを下方に摺動するが、第4の規制手段506に移動規制部604が上側から接することにより、第4の規制手段506が弾性変形され、可変部材601に対する下方への力が解除されることにより第4の規制手段506が弾性復帰して可変部材601が上方へ移動される。
可変部材601は押さえ突部603が再び係止部309に挿入されて係止され、透明板ユニット300が扉枠203に固定された状態となる(図49参照)。従って、第4の規制手段506の弾性によって可変部材601は自動的に透明板ユニット300を扉枠203に固定する位置まで移動されるため、透明板ユニット300の固定作業における作業性の向上及び可変部材601の案内枠550からの脱落を防止することができる。
次に、固定手段600による透明板ユニット300の扉枠203への固定を解除する手順について説明する。
まず、透明板ユニット300が扉枠203に固定された状態においては、押さえ突部603が被押さえ部307の係止部309に挿入されている(図49参照)。
作業者が持ち手部605を把持し、可変部材601を上方に移動させると、押さえ突部603が係止部309を乗り上げる(図47、図48参照)。この状態において、被押さえ部307は可変部材601により扉枠203にまだ押さえつけられた状態である。
さらに、可変部材601が上方へ移動されると、移動規制部604が第3の規制手段505に乗り上げ(図47参照)、さらに、可変部材601が上方へ移動されることにより、移動規制部604が第3の規制手段505を乗り越える(図46参照)。
このとき、押さえ突部603は被押さえ部307の傾斜部312を摺動し、被押さえ部307は可変部材601により扉枠203に押さえつけられた状態である。
さらに、可変部材601が上方へ移動されると、移動規制部604が第3の規制手段505を乗り越え(図45参照)、移動規制部604が第1の規制手段503に下側から接した状態となり(図44参照)、さらに、移動規制部604が上方へ移動されることにより移動規制部604が第1の規制手段503に乗り上げ(図43参照)、第1の規制手段503を乗り越えた状態になる(図42参照)。
移動規制部604への上方への移動が終了されると、可変部材601の自重により移動規制部604が第1の規制手段503に上側から接した状態で保持される。以上により、固定手段600による透明板ユニット300の扉枠203への固定が解除される。
なお、移動規制部604が第1の規制手段503を乗り越えた状態において、さらに可変部材601が上方へ移動されると、第2の規制手段504である案内枠550の規制壁551cに移動板602の上面602cが接し、可変部材601の上方向への過度の移動が規制される(図51参照)。
(第1の実施の形態の効果)
上述の通り第1の実施の形態では、固定手段600の可変部材601が移動する際に、可変部材601に負荷を与えて移動を規制する第1の規制手段503と可変部材601の上方向への移動を規制する第2の規制手段504とが設けられている(図39等参照)。
可変部材601が第2の規制手段504へ向かって上方に移動するにあたり第1の規制手段503を設けないこととすると、移動する可変部材601の勢いが弱まらないまま第2の規制手段504へ接触するおそれがある。このような場合には、可変部材601の接触による衝撃で第2の規制手段504が破損するおそれがある。
そこで、移動する可変部材601が第2の規制手段504に接触する前に、一度、可変部材601に第1の規制手段503から移動に対する負荷を与えることにより、可変部材601の第1の規制手段503へ向かう勢いが軽減される。これにより、第2の規制手段504の破損を防止することができ、可変部材601及び案内枠550の耐用年数を向上させることができる。
また、可変部材601の移動を規制する第2の規制手段504を設けていない場合には、可変部材601が上方へ過度に移動されることにより、可変部材601が扉枠203から脱落するおそれがある。そこで、可変部材601の上方への移動を規制する第2の規制手段504を設けることにより、可変部材601の扉枠203からの脱落を防止することができる。
また、透明板ユニット300を扉枠203に固定する際に、まず透明板ユニット300を扉枠203に当接させる必要があるが、可変部材601の扉枠203に対する位置によっては透明板ユニット300と扉枠203の間に可変部材601が挟まるなど、透明板ユニット300を扉枠203に当接させる際に可変部材601が邪魔になるおそれがある。また、透明板ユニット300と扉枠203の間に可変部材601が挟まることにより、可変部材601が破損したり、透明板ユニット300や扉枠203の傷つきが生じるおそれもある。
そこで、可変部材601に下方向の力がかからない状態においては乗り上げることのない第1の規制手段503を設けることにより、可変部材601は下端が透明板ユニット300の被押さえ部307から上方に離隔する位置で案内枠550に保持される。
これにより、透明板ユニット300の扉枠203への固定作業を開始するときに、透明板ユニット300と扉枠203が当接する領域に可変部材601が位置することがなくなるため、透明板ユニット300の扉枠203に対する固定作業を容易かつ迅速に行うことができる。
さらに、移動規制部604が第4の規制手段506に上方から接することにより可変部材601の下方向への移動が規制されるが、移動板602が第4の規制手段506に接触する勢いが強すぎると移動規制部604が第4の規制手段506に乗り上げてしまい、可変部材601が案内枠550から下方に脱落してしまったり、移動規制部604が破損してしまうおそれがある。
そこで、第4の規制手段506の手前(上方)に第3の規制手段505を設けることにより、移動規制部604が第4の規制手段506に接触する前に可変部材601の移動の勢いを弱めることができる。これにより、可変部材601が接触することによる第4の規制手段506の破損を防止することができると共に可変部材601の適正な動作状態を確保することができる。
さらにまた、可変部材601の移動を規制する第4の規制手段506を設けていない場合には、可変部材601が下方へ過度に移動され、可変部材601が被押さえ部307の係止部309を乗り越えてしまい、可変部材601による透明板ユニット300の扉枠203への固定が解除されてしまうおそれがある。また、係止部309を乗り越えた可変部材601が保持枠部303に接することにより可変部材601や保持枠部303が破損してしまうおそれもある。
そこで、可変部材601の下方への移動を規制する第4の規制手段506を設けることにより、可変部材601により透明板ユニット300を扉枠203に確実に固定することができる。また、可変部材601の保持枠部303への接触を回避して可変部材601や保持枠部303の破損を防止することができる。
加えて、押さえ突部603が係止部309に挿入されることにより可変部材601が透明板ユニット300を扉枠203に押さえつける。これにより、より安定して透明板ユニット300を扉枠203に固定することができる。また、透明板ユニット300の扉枠203に対する固定状態が解除されにくくなる。さらに、透明板ユニット300の上部に位置する被押さえ部307、307を可変部材601、601で押さえることにより、透明板ユニット300の遊技盤103側への倒れを防止することができる。
また、被押さえ部307の位置決め穴308に位置決め突部507が挿入され、被押さえ部307の係止部309に押さえ突部603が挿入されている。これにより、被押さえ部307は、位置決め突部507と押さえ突部603に挟まれた状態となる。
これにより、被押さえ部307が扉枠203に対して変位し難く、被押さえ部307を扉枠203に安定して固定することができる。
また、透明板ユニット300を扉枠203に固定する際は、まず被押さえ部307の位置決め穴308に位置決め突部507が挿入されることにより、透明板ユニット300が扉枠203に位置決めされた状態で支持される。そのため、位置決めされた透明板ユニット300の係止部309に、容易に押さえ突部603を挿入することができ、透明板ユニット300を扉枠203に容易に固定することができる。
加えて、可変部材601、601は扉枠203の左右方向における中央線Kを基準に略対称の位置に設けられ、線対称の形状に形成されている(図16参照)。例えば、可変部材601が扉枠203の左右方向における中央線Kの位置に一つ設けられることによっても透明板ユニット300を扉枠203に装着することができるが、この場合には透明板ユニット300の左右方向における両端部に扉枠203側への力が加わらないため、透明板ユニット300の両端部において扉枠203との間に隙間が生じるおそれがある。
また、扉枠203の左右方向における中央線Kを基準とせずに、二箇所に可変部材601を設ける場合には、例えば、中央線Kの右側又は左側の一方のみに二つの可変部材601を設けることもできる。しかしながら、この場合は中央線Kを隔てた他方においては透明板ユニット300に扉枠203側への力が加わらないため、透明板ユニット300の可変部材601によっては押さえられていない端部において扉枠203との間に隙間が生じるおそれがある。
このように透明板ユニット300と扉枠203の間に隙間が生じると、隙間から塵埃が侵入することによる遊技機1の基板等の故障を招いたり、心ない第三者により隙間から針金等で侵入する等のゴト行為をされるおそれがある。
そこで、可変部材601、601が扉枠203の左右方向における中央線Kを基準に略対称の位置に設けられることにより、透明板ユニット300の左右方向における両端部に扉枠203側への力が均等に加わるようにされている。
これにより、透明板ユニット300と扉枠203の間に隙間が生じ難くなり、隙間から塵埃が侵入することを防止することができる。従って、塵埃による遊技機1の基板等の故障を防止することができる。また、透明板ユニット300を扉枠203に隙間なく装着することによりゴト行為に用いられる針金等の遊技機1の内部への侵入を防ぐことができる。
また、可変部材601、601が扉枠203の左右方向における中央線Kを基準に略対称の位置に設けられることは、透明板ユニット300の扉枠203に対するがたつきを防止するためにも重要である。
例えば、中央線Kの右側又は左側の一方のみに二つの可変部材601が設けられた場合には、中央線Kを隔てた他方には透明板ユニット300に扉枠203側への力が加わらないため、遊技者の遊技機1への衝突や遊技中の振動などにより、可変部材601による透明板ユニット300への力が加わらない他方側において透明板ユニット300と扉枠203の接触状態が不安定になり、透明板ユニット300が扉枠203に対してがたつくおそれがある。
そこで、可変部材601、601を扉枠203の左右方向における中央線Kを基準に略対称の位置に設けることにより、透明板ユニット300の左右方向における両端部に扉枠203側への力が均等に加わり、透明板ユニット300の扉枠203に対するがたつきを防止して透明板ユニット300の扉枠203に対する安定した固定状態を確保することができる。
さらに、移動板602の長手方向における中央部には、移動板602の後面602aから遊技盤103側に突出した持ち手部605が設けられている(図36、図37、図38等参照)。
可変部材601は第1の規制手段503や第3の規制手段505や透明板ユニット300の被押さえ部307に乗り上げるため、一定以上の移動力が必要である。そのため作業者が可変部材601を容易に移動させるために高い移動力が得られる把持しやすい持ち手部605を設けることにより、作業者が加えた力を持ち手部605を介して効率的に移動板602に加えることができる。従って、作業者の作業効率の向上を図ることができる。
特に、移動板602の上下方向における中央部に持ち手部605が設けられている。これにより、可変部材601の移動時に上下方向に均等に力がかかりやすく、可変部材601の円滑な移動状態を実現することができる。
さらに、透明板ユニット300の被押さえ部307の外周部における後面には外方へ行くに従って前方に変位する傾斜部312が形成されている。これにより、押さえ突部603が傾斜部312に案内され、可変部材601が被押さえ部307における係止部309の中心に向けて円滑に移動される(図27、図30、図31、図38等参照)。
また、可変部材601によって透明板ユニット300を扉枠203に確実に押さえつけるために、可変部材601の前面602bと扉枠203のベース面203aとの間隔が、被押さえ部307の後面と扉枠203のベース面203aとの間隔よりも狭くされている。そのため、傾斜部312が形成されていない場合には、可変部材601の移動時に、被押さえ部307の外周面に可変部材601が衝突し、可変部材601が被押さえ部307の後面に乗り上がらないおそれがある。また、被押さえ部307の外周面に可変部材601が衝突することにより、可変部材601が破損するおそれもある。
そこで、被押さえ部307に傾斜部312を形成することにより、可変部材601の移動時に可変部材601が傾斜部312に案内されて被押さえ部307の後面に確実に乗り上がるため、可変部材601の被押さえ部307に対する円滑な移動を確保することができると共に、可変部材601の破損を防止することができる。
また、押さえ突部603は外面が曲面に形成されているため、可変部材601の被押さえ部307への円滑な乗り上げが実現できる。
さらにまた、被押さえ部307は後方に開口する凹状の係止部309を有し、押さえ突部603を係止部309に挿入することにより、被押さえ部307が可変部材601により扉枠203に押さえつけられる(図27、図30、図38等参照)。
被押さえ部307に係止部309が形成されていないと、遊技中の振動や衝撃等により、可変部材601が被押さえ部307に対して変位してしまい、透明板ユニット300に対する扉枠203側への押さえつけが解除され、透明板ユニット300が載置部403から外れて下方に脱落するおそれがある。特に、被押さえ部307に傾斜部312が形成されているため、可変部材601が傾斜部312に案内されて移動してしまうおそれがある。
従って、被押さえ部307に係止部309を形成し係止部309に押さえ突部603を挿入させて透明板ユニット300を扉枠203に押さえつけることにより、可変部材601の変位が防止され透明板ユニット300からの扉枠203側への押さえつけの解除が規制されるため、透明板ユニット300の載置部403からの外れによる下方への脱落を防止することができる。よって、遊技機1の安全性の向上を図ることができる。
加えて、透明板ユニット300は可変部材601が係止される係止部309を有し、固定手段600は第2の位置P2において可変部材601に規制をかける第1の規制手段503を有し、可変部材601は係止部309に係止される位置と第1の規制手段503により規制される位置とにおいて各別に保持される(図36、図37等参照)。
遊技機1には遊技内容、機種の変更等により、異なる透明板ユニット300を使用する機会が想定される。この場合に、透明板ユニット300を固定するための手段を扉枠203側に全て設けておくと、透明板ユニット300の大きさ等が変わった際に、可変部材601により透明板ユニット300を装着できない可能性がある。
そこで、可変部材601の第1の位置P1を規定する係止部309を透明板ユニット300側に設けることにより、様々な種類の透明板ユニット300についても柔軟に対応し、可変部材601により透明板ユニット300を固定することができる。
なお、上記した第1の実施の形態では、固定手段600として案内枠550に沿って上下方向へ移動可能とされている可変部材601を有するものについて説明したが、例えば、可変部材601が左右方向に移動可能とされるように固定手段600が設けられていてもよい(図52、図53参照)。
例えば、可変部材601が左右方向へ移動されることにより、押さえ突部603の被押さえ部307の係止部309への係止及び係止の解除が行われ、透明板ユニット300の扉枠203への固定及び固定の解除が行われる。
可変部材601が左右方向へ移動可能とするように扉枠203の側方に固定手段600を設けることは、扉枠203の上部に固定手段600を設ける領域が足りない場合に有効である。
なお、可変部材601が上下方向に対して斜め方向へ移動されることにより透明板ユニット300の扉枠203への固定及び固定の解除が行われてもよい。
[6−2.第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態における固定協働手段500と固定手段600について説明する(図54乃至図66参照)。
[6−2−1.全体構成]
第2の実施の形態における固定協働手段500は扉枠203における左右両側の部分に設けられており、左右の固定協働手段500において一部の構成が異なる。従って、右側の固定協働手段500を必要に応じて固定協働手段500Aとして示し、左側の固定協働手段500を必要に応じて固定協働手段500Bとして示す。
固定協働手段500Aと固定協働手段500Bは構成が異なる部分を除き、左右対称な構成にされ、扉枠203の左右方向における中央を基準に対称の位置に設けられている。
また、固定手段600も右側と左側にそれぞれ設けられているが、右側と左側の固定手段600は形状及び大きさが同じにされ、扉枠203の左右方向における中央を基準に対称の位置において固定協働手段500に支持されている。
なお、以下の第2の実施の形態の説明において、上記した第1の実施の形態と同様の部分については同一の符号を付し、説明を省略又は簡素化する。
(一方(右側)の固定協働手段の構成)
先ず、右側の固定協働手段500(500A)の構成について説明する(図54乃至図58参照)。
図54は左右の一方の側(右側)の固定協働手段等を示す斜視図であり、図55は左右の一方の側の固定手段と固定協働手段等を示す分解斜視図であり、図56は透明板ユニット及び左右の一方の側の固定手段と固定協働手段等を示す背面図であり、図57は左右の一方の側の固定手段と固定協働手段等を固定手段の回動が規制されていない状態で示す斜視図であり、図58は左右の一方の側の固定手段と固定協働手段等を固定手段の回動が規制されている状態で示す斜視図である。
固定協働手段500(500A)は第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Aと軸部523と補強部522と位置決め突部507を有している。第1の補強リブ524、第2の補強リブ525A、軸部523、補強部522、位置決め突部507は扉枠203の各一部として形成され、何れもベース面203aから後方に突出されている。
また、第1の補強リブ524、第2の補強リブ525A、軸部523、補強部522、位置決め突部507はベース面203aが形成された扉枠203を有する部分と一体に形成されている。
第1の補強リブ524には固定手段600の後述する可変部材(601A)の回動に対して負荷を与えて回動を規制する第1の規制手段503Aと、可変部材601Aの回動を規制する第2の規制手段504Aと、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを連結する連結部510とによって構成されている。
第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aと連結部510は下側から順に位置され、上下で連続されている。第1の規制手段503Aの遊技盤103側の端面503aと第2の規制手段504Aの遊技盤103側の端面504aとはベース面203aに対する高さが異なり、第1の規制手段503Aの端面503aと連結部510の遊技盤103側の端面510aとはベース面203aに対する高さが同じにされている。
第1の規制手段503Aはベース面203aに直交する方向を向く板状に形成され、上方へ行くに従って左方に変位する円弧状に形成されている。第1の規制手段503Aはベース面203aからの突出方向における端部である後端部が半球状に形成されている。
連結部510は下端が第1の規制手段503Aの上端に連続され左右方向を向く板状に形成されている。
第2の規制手段504Aは左右方向における一端が連結部510の上端に連続され上下方向を向く板状に形成されている。第2の規制手段504Aは端面504aのベース面203aからの高さが第1の規制手段503Aの端面503aと連結部510の端面510aのベース面203aからの高さより高くされているため、後端部が第1の規制手段503A及び連結部510より後方に突出されている。
第1の規制手段503Aと連結部510は可変部材601Aの回動領域に位置されているが、可変部材601Aの回動時には、可変部材601Aの一部が第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aには接触可能にされ、連結部510には可変部材601Aが接触しないようにされている。
連結部510と第1の規制手段503Aの左右方向における外側の空間は保持空間530とされている。
第2の補強リブ525Aはベース面203aから遊技盤103側に突出され、第1の補強リブ524の下端部に連続して設けられている。第2の補強リブ525Aは第1の補強リブ524と一体に形成されている。
第2の補強リブ525Aは胴体部525aと第1の傾斜片525pと第2の傾斜片525qと第1の補強片525bと第2の補強片525cと第3の補強片525dと第4の補強片525eと第5の補強片525fと第6の補強片525gを有する。第2の補強リブ525Aのベース面203aからの後方への突出量は第1の補強リブ524のベース面203aからの後方への突出量より小さくされている。
第2の補強リブ525Aは一部が可変部材601Aの回動領域に存在するが、ベース面203aからの後方への突出量が第1の補強リブ524のベース面203aからの後方への突出量より小さくされているため、第2の補強リブ525Aには可変部材601Aが回動時に接触しない。
胴体部525aは上下方向に延びる状態で設けられている。
第1の傾斜片525pは下端が胴体部525aの上端に連続され、上方へ行くに従って側方における内方に変位する方向に傾斜されている。第1の傾斜片525pは上端が第1の補強リブ524の下端に連続されている。
第2の傾斜片525qは上端が胴体部525aの下端に連続され、下方へ行くに従って側方における外方に変位する方向に傾斜されている。第2の傾斜片525qは扉枠203の開口219の開口縁に沿って位置されている。
第1の補強片525bは第1の傾斜片525pの下端部から側部207a側に突出されている。
第2の補強片525cは第1の傾斜片525pの上端部から側部207a側と反対側に突出されている。第1の補強リブ524と第1の傾斜片525pの上端部と第2の補強片525cによって側方における内方に開口する略コ字状の部分が形成される。
第3の補強片525dは上下方向において第1の補強片525bの真下に位置され、胴体部525aの上端寄りの位置から側部207a側に突出されている。第3の補強片525dは第1の補強片525bと平行な状態で位置されている。第3の補強片525dと第1の補強片525bと胴体部525aの上端部と第1の傾斜片525pの下端部とによって側方における外方に開口する略コ字状の部分が形成される。
第4の補強片525eは第3の補強片525dの左右方向における外側の端部から下方に突出されている。胴体部525aの上端寄りの部分と第3の補強片525dと第4の補強片525eによって下方に開口する略コ字状の部分が形成される。
第5の補強片525fは第2の傾斜片525qの下端部から側部207a側に突出されている。従って、第5の補強片525fは第1の補強片525b及び第3の補強片525dと平行な状態で位置されている。
第6の補強片525gは第5の補強片525fの左右方向における外側の端部から上方に突出されている。第2の傾斜片525qと第5の補強片525fと第6の補強片525gによって上方に開口する略コ字状の部分が形成される。
胴体部525aと第4の補強片525eと第6の補強片525gと連結部510を設けることにより、扉枠203の前後に変形する屈曲方向に対する強度を向上させることができる。また、第1の補強片525bと第2の補強片525cと第3の補強片525dと第5の補強片525fと第2の規制手段504Aを設けることにより、扉枠203の左右に変形する屈曲方向に対する強度を向上させることができる。
また、扉枠203には、第3の補強片525dと第1の補強片525bと胴体部525aの上端部と第1の傾斜片525pの下端部とによって側方における外方に開口する略コ字状の部分が形成されている。また、胴体部525aの上端寄りの部分と第3の補強片525dと第4の補強片525eによって下方に開口する略コ字状の部分が形成されている。さらに、第2の傾斜片525qと第5の補強片525fと第6の補強片525gによって上方に開口する略コ字状の部分が形成されている。加えて、第1の補強リブ524と第1の傾斜片525pの上端部と第2の補強片525cによって側方における内方に開口する略コ字状の部分が形成されている。
従って、これらの略コ字状の部分により、扉枠203の前後に変形する屈曲方向及び左右に変形する屈曲方向に対する強度をより向上させることができる。
さらに、胴体部525aの上端寄りの部分と第3の補強片525dと第4の補強片525eによって形成された略コ字状の部分と、第2の傾斜片525qと第5の補強片525fと第6の補強片525gによって形成された略コ字状の部分とは、上下で略対称の形状に形成されている。従って、これらの上下の略コ字状部分によって強度が相互に補完され、扉枠203の強度をより一層向上させることができる。
さらにまた、第3の補強片525dと第1の補強片525bと胴体部525aの上端部と第1の傾斜片525pの下端部とによって形成された略コ字状の部分と、第1の補強リブ524と第1の傾斜片525pの上端部と第2の補強片525cによって形成された略コ字状の部分とは、左右で略対称の形状に形成されている。従って、これらの左右の略コ字状部分によって強度が相互に補完され、扉枠203の強度をより一層向上させることができる。
加えて、第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Aが上下で連続して一体に形成されている。従って、第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Aによって上下に長い補強リブが形成され、扉枠203の上下に変形する屈曲方向に対する強度をより向上させることができる。
上記した第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aは第1の補強リブ524の各一部として連結部510とともに一体に形成されている。
第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを別部材として設けると、互いの部材の位置精度が低下するおそれがあり、その結果、第1の規制手段503Aと規制手段504による可変部材601Aの安定した保持や規制を行うことができないおそれがある。
そこで、上記したように、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを第1の補強リブ524の各一部として一体に形成することにより、互いの位置精度を向上させ、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aによる可変部材601Aの安定した保持状態及び規制状態を確保することができる。
また、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを連結部510により連結し、扉枠203の各一部として一体に形成することにより、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aの耐久性を向上することができる。
さらに、軸部523と第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを別部材として設けると、互いの部材の位置精度が低下するおそれがあり、その結果、可変部材601Aの軸部523に対する円滑な回動動作や第1の規制手段503Aと第2の規制手段504による可変部材601Aの安定した保持や規制を行うことができないおそれがある。
そこで、軸部523と第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aとを扉枠203の各一部として一体に形成することにより、互いの部材の位置精度を向上させ、可変部材601Aの軸部523に対する円滑な回動動作や第1の規制手段503Aと規制手段504による可変部材601Aの安定した保持状態及び規制状態を確保することができる。
なお、上記では第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを第1の補強リブ524の各一部として一体に形成するものとして説明したが、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを別部材として形成するものとしてもよい。これにより、部材ごとの特性に適した材料を用いて各部材を形成することができる。
例えば、第1の規制手段503Aを第2の規制手段504Aよりも弾性の高い材料により形成することで、可変部材601Aの押さえ突部603が第1の規制手段503Aに容易に乗り上げることができる。従って、可変部材601Aの円滑な回動動作を実現することができる。
また、逆に、第2の規制手段504Aを第1の規制手段503Aより弾性の高い材料を用いて形成することとしてもよい。これにより、可変部材601Aが第2の規制手段504Aに接したときに可変部材601Aの破損や傷付きを防止することができる。
軸部523はベース面203aから後方に突出され第1の補強リブ524の側方における内方側に位置されている。軸部523は軸方向が前後方向にされた略円筒状に形成され、中心部に後方に開口されたネジ孔523aを有している。軸部523は扉枠203の一部としてベース面203aを有する部分と一体に形成されているため、強度が高くされている。
軸部523は小径部527と大径部528が一体に形成されて構成されている。大径部528は小径部527の前端に連続して設けられ、外径が小径部527の外径より稍大きくされている。
補強部522は外周が軸部523における大径部528の外径より大きくされ、円環状に形成されている。補強部522は軸部523を補強する機能を有し、補強部522によって軸部523が倒れ難くされている。
位置決め突部507は第1の規制手段503Aの真下に位置され、ベース面203aから遊技盤103側に突出されている。位置決め突部507は円柱状に形成されている。位置決め突部507は扉枠203の一部としてベース面203aを有する部分と一体に形成されているため、強度が高くされている。位置決め突部507は外径が軸部523の外径より大きくされ、ベース面203aからの後方への突出量が軸部523のベース面203aからの後方への突出量より小さくされている。
なお、位置決め突部507の形状は円柱状に限られず、三角柱、四角柱等の多角柱、遊技盤103側に突出する半球状など、透明板ユニット300の被押さえ部307の位置決め穴308に挿入できる形状であれば、どのような形状であってもよい。
上記には固定協働手段500に位置決め突部507が設けられ固定体300に係止部309が形成された例を示したが、逆に、固定協働手段500に位置決め穴308が形成され、透明板ユニット300に位置決め突部507が設けられていてもよい。この場合には、固定協働手段500の位置決め穴308に透明板ユニット300の位置決め突部507が挿入されることで、透明板ユニット300が扉枠203に保持されることとしてもよい。
(一方(右側)の固定手段の構成)
次に、右側の固定手段600の構成について説明する(図59乃至図61参照)。
図59は固定手段600における可変部材の背面側を示す斜視図であり、図60は可変部材の正面側を示す斜視図であり、図61は可変部材が軸部に支持された状態を示す断面図である。
固定手段600は、例えば、樹脂によって形成された可変部材601Aと、例えば、金属によって形成されたネジ部材620とを有し、可変部材601Aが扉枠203に対して軸部523を支点として回動される。
可変部材601Aは所定の可動位置に回動された状態において、遊技盤103の前面側に配置された透明板ユニット300を扉枠203に押さえつけて固定する機能を有している。
可変部材601Aは被支持部606と固定部607と持ち手部605と押さえ突部603と持ち手補強部608を有し、各部が一体に形成されて成る。
被支持部606は略円筒状に形成され、内部空間が挿通孔606aとして形成されている。被支持部606は軸方向が前後方向にされ、軸部523に支持される部分である。被支持部606の軸方向における一端部、即ち、軸部523に支持された状態においてベース面203a側の端部609の外面609aはベース面203a側に凸の曲面に形成されている。
可変部材601Aは被支持部606の挿通孔606aに軸部523が挿通されることにより、扉枠203に対して回動可能にされる。
可変部材601Aは軸部523に支持された状態において外面609aが大径部528に接触可能とされるが、外面609aが扉枠203側に凸の曲面に形成されているため、外面609aの大径部528に対する接触面積が小さく、可変部材601Aと大径部528の間に生じる摩擦力が小さくなり可変部材601Aの軸部523に対する円滑な回動状態を確保することができる。
固定部607は被支持部606から被支持部606の軸方向に直交する方向に突出され、前後方向を向く略平板状に形成されている。固定部607は被支持部606からの突出方向における先端部が突出方向において凸の半円形状に形成され、固定部607の先端部の曲率と被支持部606の曲率とが略同じにされている。
固定部607は被支持部606を基準として厚み方向に弾性変形可能にされている。従って、固定部607は被支持部606からの突出方向における先端部が略前後方向へ変位されるように弾性変形される。
固定部607は被支持部606の外周面606cにおける後端寄りの位置から突出されている。従って、固定部607の後面は被支持部606の後面より前側に位置されている。固定部607は厚み方向が前後方向にされ、被支持部606からの突出方向が長手方向にされ、幅方向が短手方向にされている。
持ち手部605は固定部607から遊技盤103側に突出され、固定部607の短手方向における中央部から後方に突出されている。持ち手部605は固定部607の長手方向に延びる形状に形成され、長手方向における一端が固定部607の先端より被支持部606側に位置されている。持ち手部605が固定部607の長手方向に延びる形状に形成されていることにより、持ち手部605が持ちやすくなり操作性の向上を図ることができる。
持ち手部605は長手方向に直交する断面形状において後端部が後方に凸の半円形状に形成されている。また、持ち手部605は固定部607の厚み方向に直交する断面形状において、長手方向における両端部がともに長手方向に凸の半円形状に形成されている。
このように持ち手部605は端部の外面が何れも曲面形状に形成されているため、指で把持したときに手触りがよく、指に角張った分が宛がわれることがなく、可変部材601Aの良好な操作性を確保することができる。
なお、上記では持ち手部605は固定部607の短手方向における中央部から後方に突出されている例について説明したが、持ち手部605は固定部607の後面の何れの位置から後方に突出されるように設けられていてもよい。但し、持ち手部605が固定部607の短手方向における中央部から突出されることで、可変部材601Aが回動時に軸部523に対して傾き難く、可変部材601Aの安定した回動状態を実現することができる。
押さえ突部603は固定部607の先端部から扉枠203側に突出されている。押さえ突部603は外面が扉枠203側に凸の曲面状に形成されている。
押さえ突部603は固定部607から突出されており、上記したように、固定部607が被支持部606を基準として厚み方向に弾性変形可能にされているため、固定部607の変形に伴って略前後方向へ変位される。
持ち手補強部608は持ち手部605の被支持部606側の端部と被支持部606の外周面606cとを連結し、後面の前後方向における位置が被支持部606の後面の前後方向における位置に一致されている。
固定部607と持ち手部605は長手方向における端面や各面の境界部分である稜線部分等が曲面状に形成されている。従って、固定部607と持ち手部605には局所的な集中応力が生じ難く、固定部607と持ち手部605の強度が高くされ、固定部607と持ち手部605における割れや破損等の発生を抑制することができる。
ネジ部材620は頭部621と螺軸部622とフランジ部623とを有している。
頭部621と螺軸部622とフランジ部623は一体に形成されている。フランジ部623は頭部621と螺軸部622の間に位置され外周が頭部621の外周よりも大きくされている。また、フランジ部623の外径は可変部材601Aにおける被支持部606の外径より大きくされている。ネジ部材620は金属により形成されているが、例えば、樹脂等により形成されていてもよい。ネジ部材620を樹脂により形成することで、ネジ部材620と被支持部606が接することによる被支持部606の摩耗を軽減することができる。
頭部621は天面が頭頂面621aとして形成され、頭頂面621aの中央が頭頂点621bとされる。
(他方(左側)の固定協働手段の構成)
次いで、左側の固定協働手段500(500B)の構成について説明する(図62乃至図66参照)。
図62は左右の他方の側の固定協働手段等を示す斜視図であり、図63は左右の他方の側の固定手段と固定協働手段等を示す分解斜視図であり、図64は透明板ユニット及び左右の他方の側の固定手段と固定協働手段等を示す背面図であり、図65は左右の他方の側の固定手段と固定協働手段等を固定手段の回動が規制されていない状態で示す斜視図であり、図66は左右の他方の側の固定手段と固定協働手段等を固定手段の回動が規制されている状態で示す斜視図である。
なお、以下の左側の固定協働手段500Bは上記した右側の固定協働手段500Aと比較して、第2の補強リブ525Aの構成が異なることのみが相違するため、固定協働手段500Aと比較して異なる部分についてのみ詳細に説明をし、その他の部分については固定協働手段500Aにおける同様の部分に付した符号と同じ符号を付して説明は省略又は簡略化する。
固定協働手段500(500B)は第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Bと軸部523と補強部522と位置決め突部507を有している。第1の補強リブ524、第2の補強リブ525B、軸部523、補強部522、位置決め突部507は扉枠203の各一部として一体に形成され、何れもベース面203aから後方に突出されている。
また、第1の補強リブ524、第2の補強リブ525B、軸部523、補強部522、位置決め突部507はベース面203aが形成された扉枠203を有する部分とも一体に形成されている。
固定協働手段500Bにおいては、第1の補強リブ524が固定協働手段500Aの第1の補強リブ524と同一の大きさで左右対称な形状に形成され左右対称な位置に存在する。また、固定協働手段500Bの軸部523と補強部522と位置決め突部507は、それぞれ固定協働手段500Aの軸部523と補強部522と位置決め突部507と同一の大きさ及び形状にされ左右対称な位置に存在する。
第2の補強リブ525Bはベース面203aから遊技盤103側に突出され、第1の補強リブ524の下端部に連続して設けられている。第2の補強リブ525Bは第1の補強リブ524と一体に形成されている。
第2の補強リブ525Bは胴体部525hと傾斜片525rと第1の補強片525iと第2の補強片525jと第3の補強片525kを有する。第2の補強リブ525Bのベース面203aからの後方への突出量は第1の補強リブ524のベース面203aからの後方への突出量より小さくされている。
第2の補強リブ525Bは一部が可変部材601Aの回動領域に存在するが、ベース面203aからの後方への突出量が第1の補強リブ524のベース面203aからの後方への突出量より小さくされているため、第2の補強リブ525Bには可変部材601Aが回動時に接触しない。
胴体部525hは上下方向に延びる状態で設けられ、上下方向における長さが第1の補強リブ524における胴体部525aの上下方向における長さより短くされている。
傾斜片525rは下端が胴体部525hの上端に連続され、上方へ行くに従って側方における内方に変位する方向に傾斜されている。傾斜片525rは上端が第1の補強リブ524の下端に連続されている。
第1の補強片525iは傾斜片525rの下端部から側部207b側に突出されている。
第2の補強片525jは傾斜片525rの上端部から側部207b側と反対側に突出されている。第1の補強リブ524と第2の補強片525jによって側方における内方に開口する略コ字状の部分が形成される。
第3の補強片525kは上下方向において第1の補強片525iの真下に位置され、胴体部525hの下端部から側部207a側に突出されている。第3の補強片525kは第1の補強片525iと平行な状態で位置されている。第3の補強片525kと胴体部525hと傾斜片525rの下端部とによって側方における外方に開口する略コ字状の部分が形成される。
胴体部525hと連結部510を設けることにより、扉枠203の前後に変形する屈曲方向に対する強度を向上させることができる。また、第1の補強片525iと第2の補強片525jと第3の補強片525kと第2の規制手段504Aを設けることにより、扉枠203の左右に変形する屈曲方向に対する強度を向上させることができる。
また、扉枠203には、第3の補強片525kと第1の補強片525iと胴体部525hと傾斜片525rの下端部とによって側方における外方に開口する略コ字状の部分が形成されている。また、第1の補強リブ524と第2の補強片525jによって側方における内方に開口する略コ字状の部分が形成されている。
従って、これらの略コ字状の部分により、扉枠203の前後に変形する屈曲方向及び左右に変形する屈曲方向に対する強度をより向上させることができる。
さらに、第3の補強片525kと第1の補強片525iと胴体部525hと傾斜片525rの下端部とによって形成された略コ字状の部分と、第1の補強リブ524と第2の補強片525jによって形成された略コ字状の部分とは、左右で略対称の形状に形成されている。従って、これらの左右の略コ字状部分によって強度が相互に補完され、扉枠203の強度をより一層向上させることができる。
加えて、第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Bが上下で連続して一体に形成されている。従って、第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Bによって上下に長い補強リブが形成され、扉枠203の上下に変形する屈曲方向に対する強度をより向上させることができる。
なお、本実施の形態においては、上記したように、左右の可変部材601A、601Aは扉枠203の左右方向における中央を基準に線対称の位置に支持されている。また、左右の軸部523と左右の第1の規制手段503Aと左右の第2の規制手段504Aは扉枠203の各一部として一体に形成されている。従って、左右の第1の規制手段503Aと左右の第2の規制手段504Aの扉枠203における位置精度が高くされており、左右の軸部523にそれぞれ支持された左右の可変部材601A、601Aを線対称の位置に高い精度で位置させることができる。
また、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aをそれぞれ有する左右の第1の補強リブ524は左右で対称形状に形成されている。
従って、左右の第1の補強リブ524を扉枠203と各別の部品として形成する場合に、同一形状の部品として形成することはできず、別部品として形成する必要があり、この場合には遊技機1の製造コストが高くなるおそれがある。
そこで、上記したように、左右の第1の補強リブ524を扉枠203の一部として一体に形成することにより、左右の第1の補強リブ524を各別の部品として形成する必要がなく、遊技機1の製造コストの低減を図ることができる。
また、同様に、左右の第2の補強リブ525Aと第2の補強リブ525Bを扉枠203の一部として一体に形成することにより、遊技機1の製造コストの低減を図ることができる。
さらに、左右で対称形状に形成された軸部523、位置決め突部507、係合部410がベース面203aを有するベース部分とともに一体に形成されていてもよい(図10、図22、図24、図25等参照)。これにより、軸部523、位置決め突部507、係合部410の相互の位置精度を高めることができる。
従って、透明板ユニット300を扉枠203に固定する際に、係合突部311を係合部410に、位置決め突部507を位置決め穴308に円滑に挿入することができる。また、左右の軸部523にそれぞれ支持された左右の可変部材601A、601Aを線対称の位置に高い精度で位置させることができ扉枠203に透明板ユニット300を当接させた後に、円滑に透明板ユニット300を固定することができる。
また、上記と同様に、軸部523、位置決め突部507、係合部410がベース面203aを有するベース部分とともに一体に形成されることで、遊技機1の製造コストの低減を図ることができる。
なお、左右の軸部523、位置決め突部507、係合部410に加えて左右の第1の補強リブ524と左右の第2の補強リブ525A、525Bをベース面203aを有するベーブ部分とともに一体に形成してもよい。これにより、各部材の位置精度を向上させることができるとともに、遊技機1の製造コストをより低減させることができる。
(可変部材の扉枠に対する支持状態等)
上記のように構成された可変部材601Aは被支持部606の挿通孔606aに軸部523が挿通され、ネジ部材620が軸部523に形成されたネジ孔523aに螺合されることにより軸部523に支持される(図61参照)。可変部材601Aは被支持部606がベース面203aとネジ部材620のフランジ部623との間に位置され、軸部523の中心軸を回動支点Mとして、扉枠203に対して回動可能にされる。
可変部材601Aが軸部523に支持された状態においては、被支持部606の端部609が軸部523における大径部528の後面に接触可能な状態にされる。従って、可変部材601Aは端部609の外面609aが大径部528に摺動可能な状態で軸部523を支点として回動される。
このように軸部523はベース面203aから突出され直径が異なる小径部527と大径部528を有し、可変部材601Aは小径部527に支持され回動時に被支持部606の端部609が大径部528と摺動可能にされている。
大径部528は小径部527より径が大きくベース面203a側に位置されているため、小径部527を補強する役割をも果たすため軸部523の全体の強度が高くなる。従って、被支持部606の端部609が大径部528と摺動可能にされることにより、軸部523の強度の向上を図った上で可変部材601Aの円滑な回動状態を確保することができる。
また、軸部523の基端部における周囲には補強部522が設けられ、補強部522は大径部528より径が大きくされているため、大径部528に加えて補強部522によっても軸部523の強度が高くされ、軸部523の一層の強度の向上を図った上で可変部材601Aの円滑な回動状態を確保することができる。
さらに、上記したように、被支持部606は端部609の外面609aが扉枠203側に凸の曲面に形成されているため、外面609aの大径部528に対する接触面積が小さく、可変部材601Aの扉枠203に対するより一層円滑な回動状態を確保することができる。
なお、上記では軸部523はベース面203aから突出され直径が異なる小径部527と大径部528を有する例について説明したが、例えば、軸部523は直径が異なる部分が設けられずに小径部527のみで形成されていてもよいし、軸部523は小径部527よりも直径が大きい部分が軸方向において異なる位置に2箇所以上設けられていてもよい。小径部527よりも直径が大きい部分を複数設けることで、軸部523の全体の強度をより向上させることができる。
また、上記では軸部523の基端部における周囲に補強部522が設けられている例について説明したが、補強部522は軸方向において異なる位置に複数設けられていてもよい。例えば、補強部522のベース面203a側に補強部522よりも径の大きい補強部をさらに設けることも考えられる。補強部522を複数設けることで軸部523の全体の強度をより向上させることができる。なお、軸部523の基端部における周囲に補強部522を設けないこととしてもよい。
(固定手段の固定協働手段に対する作用等)
可変部材601Aは、回動時に固定部607が弾性変形及び弾性復帰されることにより、押さえ突部603が第1の補強リブ524の第1の規制手段503Aに乗り上げ可能にされている。従って、可変部材601Aは、回動時に押さえ突部603が第1の規制手段503Aに摺動することにより、回動の勢いが弱められる。このとき、押さえ突部603は外面が曲面状に形成されているため、第1の規制手段503Aの端面503aに円滑に摺動される。
また、可変部材601Aは固定部607の外周面606cが第1の補強リブ524の第2の規制手段504Aに接することにより、回動が規制される。
(固定協働手段の変形例)
以下に、固定協働手段の変形例について説明する(図67乃至図70参照)。以下に示す各変形例は、軸部523と補強部522に関する変形例である。
図67は固定協働手段の第1の変形例を示す断面図であり、図68は固定協働手段の第2の変形例を示す断面図であり、図69は固定協働手段の第3の変形例を示す断面図であり、図70は固定協働手段の第4の変形例を示す断面図である。
第1の変形例は、可変部材601Aの被支持部606の軸方向における一端面に対向する位置に軸部523の大径部528と補強部522が位置されている(図67参照)。被支持部606は端部609が外周部609bと内周部609cによって構成され、外周部609bが内周部609cより扉枠203側に突出されている。外周部609bの外面609dと内周部609cの外面609dはともに扉枠203側に凸の曲面形状に形成されている。
従って、第1の変形例においては、可変部材601Aの回動時に、被支持部606の外周部609bが補強部522に摺動可能にされ、被支持部606の内周部609cが軸部523の大径部528に摺動可能にされる。
このように可変部材601Aの回動時に外周部609bが補強部522に摺動可能にされると共に内周部609cが大径部528に摺動可能にされ、被支持部606の各部が内側と外側で受けられた状態になるため、軸部523に対して被支持部606が倒れ難く、可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる。
また、被支持部606の外周部609bの外面609dと内周部609cの外面609dとがともに扉枠203側に凸の曲面形状に形成されているため、外周部609bと内周部609cが何れも補強部522と大径部528に対して線接触の状態で摺動され、可変部材601Aの回動時における負荷が小さく、可変部材601Aの一層円滑な回動動作を確保することができる。
第2の変形例は、軸部523に大径部528が設けられておらず、可変部材601Aの被支持部606が軸方向において補強部522に受けられた状態にされている(図68参照)。従って、可変部材601Aは回動時に被支持部606の端部609が補強部522に摺動可能にされている。
このように第2の変形例においては、被支持部606の端部609が補強部522に摺動可能にされているため、補強部522が軸部523を補強する機能に加えて被支持部606を軸方向において受ける機能を有し、構成の簡素化を図った上で軸部523の強度の向上及び可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる。
第3の変形例は、軸部523における大径部528の外径が被支持部606の外径より大きくされている(図69参照)。従って、可変部材601Aは回動時に被支持部606の端部609が、被支持部606の外径より大きくされた大径部528に摺動可能にされている。
このように第3の変形例においては、大径部528の外径が被支持部606の外径より大きくされているため、例えば、加工精度によって大径部528の外径に対する被支持部606の外径が設計寸法に対して異なる寸法になってしまった場合においても、大径部528の外周側の部分が加工精度に対する余裕代として形成される。
従って、被支持部606の端部609が大径部528に軸方向において確実に受けられるため、被支持部606が軸部523に対して倒れ難く、可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる。
第4の変形例は、軸部523における大径部528の外径が被支持部606の外径より小さくされている(図70参照)。従って、可変部材601Aは回動時に被支持部606の端部609が、被支持部606の外径より小さくされた大径部528に摺動可能にされている。
このように第4の変形例においては、大径部528の外径が被支持部606の外径より小さくされているため、被支持部606の端部609の形状に拘わらず大径部528と端部609の接触面積が小さくなる。
従って、例えば、加工精度によって端部609の形状が設計形状に対して異なる形状になってしまった場合においても、可変部材601Aの回動時に被支持部606と大径部528の間に生じる摩擦力が小さくなり、可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる。
なお、上記した第3の変形例及び第4の変形例においては、軸部523に大径部528が設けられ可変部材601Aの被支持部606が大径部528に受けられる例を示したが、第3の変形例及び第4の変形例において、軸部523に大径部528を設けずに端部609が補強部522に受けられる構成にし、補強部522の外径が被支持部606の外径より大きくされ又は小さくされる構成にすることもできる。
また、第2の変形例から第4の変形例においても被支持部606の端部609の外面609aとが扉枠203側に凸の曲面形状に形成されており、端部609が補強部522に対して線接触の状態で摺動され、可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる(図68乃至図70参照)。
なお、第2の変形例から第4の変形例における被支持部606の端部609の外面609aは、それぞれ扉枠203側に凸の曲面形状に形成されているものとして説明したが、第2の変形例から第4の変形例における被支持部606の端部609の外面609aは、扉枠203のベース面203aと略平行になるように平面状に形成されていてもよい。
これにより、大径部528又は補強部522と端部609の接触面積を大きくすることができる。可変部材601Aの回動時に大径部528又は補強部522と端部609の間に生じる摩擦力をある程度大きく保つことで、可変部材601Aの回動の勢いをあらかじめ軽減することができる。これにより、遊技機1に加えられた衝撃等により可変部材601Aが回動することによる、透明板ユニット300の扉枠203への固定が解除されることを防止することができる。
(第2の実施の形態における効果)
上記したように、可変部材601Aにおいては、固定部607から扉枠203側に突出する押さえ突部603は、外面が扉枠203側に凸の曲面状に形成されているため、第1の規制手段503Aに押さえ突部603が容易に乗り上げることができるようになる。
従って、第1の規制手段503Aと押さえ突部603のそれぞれの摩耗を軽減することができる。また、可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができ、動作の信頼性の向上を図ることができる。
また、可変部材601Aにおいて樹脂によって形成された持ち手部605がネジ部材620のフランジ部623から離隔して位置されているため、可変部材601Aが回動するときに持ち手部605が金属によって形成されたネジ部材620のフランジ部623に接触することがない。
従って、持ち手部605の摩耗を防止することができるため、可変部材601Aの耐用年数の向上を図ることができると共に持ち手部605に対する指の安定した把持状態の確保による可変部材601Aの円滑な回動動作を実現することができる。
さらに、軸部523と可変部材601Aは何れも樹脂により形成され、可変部材601Aが回動するときに軸部523の外周面606cと被支持部606の内周面606bとが摺動される。このとき、軸部523又は可変部材601Aの少なくとも一方が金属で形成されている場合には、摺動するときに樹脂で形成された部材が摩耗し易くなる。
従って、上記したように、軸部523と可変部材601Aをともに樹脂により形成することにより、軸部523と被支持部606の摩耗が軽減され、両者の間に隙間が生じ難く、可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる。
但し、軸部523と可変部材601Aは少なくとも一方が金属により形成されていてもよい。これにより、金属により形成された部材の強度の向上や耐用年数の向上を図ることができる。例えば、軸部523を金属により形成し、可変部材601Aを樹脂により形成することとしてもよい。この場合には、軸部523に対する可変部材601Aの回動により可変部材601Aが摩耗しやすくなるが、可変部材601Aはネジ部材620を取り外すことで容易に取り替えることができるため、メンテナンス性の向上を図ることができる。
なお、軸部523と被支持部606は少なくとも接する部分がともに樹脂により形成されていてもよい。即ち、軸部523と可変部材601Aは全てが樹脂により形成されている必要はなく、耐久性の向上の観点から互いに接触する部分以外の部分は金属により形成されていてもよい。
可変部材601Aと軸部523の一部を金属で形成し互いに接する部分を樹脂で形成することにより、互いの強度を向上させることができると共に軸部523と可変部材601Aの磨耗を抑制することができる。
また、可変部材601Aの回動時には、軸部523に被支持部606から力が加わる。このとき被支持部606から軸部523に対して付与され力の大きさによっては軸部523が倒れるおそれがある。また、透明板ユニット300を扉枠203に対して固定部607によって押しつけるときにも、被支持部606から軸部523に対して大きな負荷が加えられる可能性がある。
そこで、上記したように、軸部523の基端部における周囲に補強部522を設けることにより、軸部523の耐久性の向上を図ることができる。
また、補強部522が円環状に形成されることにより、補強部522が角張らないため、補強部522に集中応力が生じ難く、補強部522及び軸部523の一層の強度の向上を図ることができ、可変部材601Aの安定した回動動作を確保することができる。
また、可変部材601Aと第1の規制手段503Aは何れも樹脂により形成されているため、可変部材601Aと第1の規制手段503Aが接触するときは樹脂同士が接触する。従って、可変部材601Aと第1の規制手段503Aの接触による摩耗が抑制され、可変部材601Aと第1の規制手段503Aの耐久性の向上を図ることができる。
なお、上記した可変部材601Aと第1の規制手段503Aの金属又は樹脂による形成の内容は、可変部材601Aと第2の規制手段504Aの関係、可変部材601Aと被押さえ部307との関係にも適用することができる。
即ち、可変部材601Aと第2の規制手段504Aは少なくとも接触する部分が樹脂で形成されることが望ましく、また、全体が樹脂で形成されていてもよい。また、可変部材601Aと被押さえ部307も少なくとも接触する部分が樹脂で形成されることが望ましく、また、全体が樹脂で形成されていてもよい。
このように可変部材601Aと第2の規制手段504Aにおいて、又は、可変部材601Aと被押さえ部307において、少なくとも互いに接する部分が樹脂で形成されていることにより、両者の摩耗の抑制及び耐久性の向上を図ることができる。
また、可変部材601Aにおいては、持ち手部605と被支持部606が固定部607の後面から遊技盤103側に突出する持ち手補強部608を介して一体に形成されている。
持ち手部605は可変部材601Aを回動させるため作業者により把持され、力を付与される機会が多い。そのため、作業者から加えられた力により持ち手部605に大きな力がかかり易い。
そこで、持ち手部605と被支持部606の間に両者を連結する持ち手補強部608を設けることにより、持ち手部605の耐久性の向上を図ることができ、持ち手部605の破損等を防止することができる。
また、被支持部606は持ち手補強部608によって持ち手部605に連結されており、被支持部606の強度が高くなり、可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる。
さらに、可変部材601Aにおいては、持ち手部605が固定部607から後方に突出されており、持ち手部605が固定部607を補強するリブとしても機能する。従って、固定部607を補強するための専用のリブを必要とすることなく固定部607の強度が高くなるため、固定部607の強度の向上を簡素な構成によって実現することができると共に持ち手補強部608の機能性の向上を図ることができる。
さらにまた、可変部材601Aにおいては、持ち手補強部608が固定部607から後方に突出されていると共に持ち手部605と被支持部606を連結した状態にされており、持ち手部605が固定部607と持ち手部605と被支持部606を補強するリブとしても機能する。
従って、固定部607と持ち手部605と被支持部606を補強するための専用のリブを必要とすることなく固定部607と持ち手部605と被支持部606の強度が高くなるため、固定部607と持ち手部605と被支持部606の強度の向上を簡素な構成によって実現することができると共に持ち手補強部608の機能性の向上を図ることができる。
なお、上記では固定協働手段500Aと固定協働手段500Bは構成が異なる部分を除き、左右対称な構成にされ、扉枠203の左右方向における中央を基準に対称の位置に設けられているものとして説明したが(図15、図54、図62等参照)、固定協働手段500Aと固定協働手段500Bで共通の構成部分、例えば、軸部523、第1の規制手段503A、第2の規制手段504Aが扉枠203の左右方向における中央を基準に対称に設けられていなくてもよい。これにより、軸部523、第1の規制手段503A、第2の規制手段504Aの配置位置に関する自由度が向上し、扉枠203の後面のスペース効率の向上を図ることができる。
さらに、上記では可変部材601Aに前方に突出され外面が曲面状に形成されている押さえ突部603が設けられている例を示したが、可変部材601Aに遊技盤103側に凹となる半球状の挿入穴として形成されていてもよい。また、第1の規制手段503Aには可変部材601Aに形成された挿入穴に挿入するための遊技盤103側に突出する突部が設けられている。
この場合に、可変部材601Aが第1の規制手段503Aに向かって回動されると、固定部607のベース面203a側の面が第1の規制手段503Aに設けられた突部に乗り上げることで、可変部材601Aの回動の勢いが低減される。そして、第1の規制手段503Aに設けられた突部が固定部607に形成された挿入穴に挿入されることで可変部材601Aを第1の規制手段503Aに保持される。
また、可変部材601Aに挿入穴が形成される場合には被押さえ部307に係止部309に代えて突部が設けられる。可変部材601Aにより被押さえ部307を扉枠203に押しつける際には、可変部材601Aに形成された挿入穴に被押さえ部307の突部が挿入されることで、可変部材601Aによって被押さえ部307が扉枠203に押しつけることができる。
[6−2−2.可変部材の回動状態]
次に、可変部材601Aの回動状態について説明する(図71乃至図87参照)。
なお、上記したように、可変部材601Aは左右に位置されており、回動状態は左右の可変部材601Aにおいて同じであるため、以下においては、例として、正面から見て右側に位置された可変部材601Aの回動状態について説明する。
また、以下の回動状態についての説明においては、正面から見て右側に位置された可変部材601Aを後方から見た状態で、可変部材601Aの回動方向として時計回り方向をR1方向とし反時計回り方向をR2方向とする。
(可変部材の可動位置)
先ず、可変部材601Aの可動位置について説明する(図71乃至図73参照)。
可変部材601Aの可動位置としては少なくとも第1の位置と第2の位置と第3の位置が存在し、可動位置はR1方向において順に第1の位置P1と第2の位置P2と第3の位置P3とされている。なお、以下には説明を容易にするために、押さえ突部603の中心点と可変部材601Aの回動支点M(軸部523の軸中心)とを結ぶ破線で示す直線を可変部材601Aの可動位置として便宜的に規定する。
可変部材601Aの可動位置としての第1の位置P1は、透明板ユニット300を扉枠203に押さえつけて固定した状態の位置である(図71参照)。
即ち、第1の位置P1は、押さえ突部603が透明板ユニット300の被押さえ部307に形成された係止部309に挿入(係止)される位置である。
可変部材601Aの可動位置としての第2の位置P2は、押さえ突部603が第1の規制手段503に接してから乗り越えるまでの位置である(図72参照)。
即ち、可変部材601Aが回動するときに、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに接してから第1の規制手段503に乗り上げ第1の規制手段503を乗り越えるまでの位置が第2の位置P2に相当する。なお、第2の位置P2は可変部材601Aの回動方向に限らず、押さえ突部603が第1の規制手段503に接してから乗り越えるまでの位置である。
可変部材601Aの可動位置としての第3の位置P3は、固定部607の外周面606cが第2の規制手段504に接した位置である(図73参照)。
即ち、可変部材601AがR1方向へ回動されたときに、R1方向における回動端まで回動された位置が第3の位置P3に相当する。なお、第3の位置P3においては、第1の規制手段503Aと押さえ突部603の間に隙間BK1が生じる。
(可変部材の回動動作)
次に、可変部材601Aの回動動作について説明する(図74乃至図79参照)。
図74は可変部材が初期位置に保持されている状態を示す図であり、図75は可変部材が初期位置から第3の位置へ向けて回動され押さえ突部が第1の規制手段に接した状態を示す図であり、図76は可変部材が第3の位置へ向けて回動され第1の規制手段によって回動が規制されている状態を示す図である。図77は可変部材が第3の位置へ向けて回動され第1の規制手段を乗り越えて回動の規制が解除された状態を示す図であり、図78は可変部材が第3の位置において第2の規制手段によって回動が規制された状態を示す図であり、図79は可変部材の押さえ突部が第1の規制手段によって保持空間に保持されている状態を示す図である。
なお、図74乃至図79において、A図は可変部材601Aの第1の補強リブ524に対する回動位置を示す背面図であり、B図は可変部材601Aの第1の補強リブ524に対する位置関係を示す断面図である。
可変部材601Aは、透明板ユニット300が扉枠203に押し付けられる前の状態において、固定協働手段500から力を付与されない場合には、自重により押さえ突部603が最も下方に位置する初期位置に保持される(図74参照)。初期位置においては、押さえ突部603の中心が軸部523の中心軸の真下に位置される。
可変部材601Aが初期位置にある状態において、作業者が持ち手部605を把持して可変部材601AをR1方向へ回動させると、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに第2の補強リブ525A側から接し、可変部材601Aの回動の勢いが軽減される(図75参照)。押さえ突部603が第1の規制手段503Aに第2の補強リブ525A側から接した状態は、可変部材601Aの第2の位置P2に相当する。
さらに、可変部材601AがR1方向へ回動されていくと、固定部607が被支持部606に対して弾性変形され押さえ突部603が第1の規制手段503Aに摺動され、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに乗り上げた状態にされ第1の規制手段503Aによって可変部材601Aの回動が規制される(図76参照)。押さえ突部603が第1の規制手段503Aに乗り上げた状態も可変部材601Aの第2の位置P2に相当する。このとき、可変部材601Aの回動の勢いがさらに、軽減される。
可変部材601Aがさらに、R1方向へ回動されると、押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越える(図77参照)。可変部材601Aが第1の規制手段503Aを乗り越えた状態も可変部材601Aの第2の位置P2に相当する。
押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越えると、固定部607が弾性復帰され、押さえ突部603が左右方向において第1の規制手段503Aの外側の空間である保持空間530に位置され、可変部材601Aの回動に対する規制が解除される。
押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越えた直後の位置においては、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに上側から接した状態にある。
押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越えると、固定部607が弾性復帰され、押さえ突部603が左右方向において第1の規制手段503Aの外側の空間である保持空間530に位置される。
押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越えて保持空間530に保持された状態においては、可変部材601Aがさらに、僅かにR1方向へ回動可能にされている。
可変部材601Aがさらに、R1方向へ回動されると、固定部607の外周面606cが第2の規制手段504Aに接触される(図78参照)。固定部607の外周面606cが第2の規制手段504Aに接する位置が可変部材601Aの第3の位置P3に相当する。可変部材601Aは第3の位置において第2の規制手段504AによってR1方向への回動が規制される。
可変部材601Aは押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越えて保持空間530に保持された状態において、さらに、僅かにR1方向へ回動可能であるため、固定部607が第2の規制手段504Aに接している状態においては、第1の規制手段503Aと押さえ突部603の間に隙間BK1が生じる。
押さえ突部603が保持空間530に保持されている状態において、可変部材601AにR2方向への力が付与されない場合には、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに第2の規制手段504A側から接した状態にされ、保持空間530に保持された押さえ突部603は第1の規制手段503Aに第2の規制手段504A側から乗り上げない(図79参照)。従って、可変部材601Aは第1の規制手段503AによってR2方向への回動も規制される。
押さえ突部603が第1の規制手段503Aに第2の規制手段504A側から接している状態においては、第2の規制手段504Aと可変部材601Aの間に隙間BK2が生じる。
一方、押さえ突部603が保持空間530に保持されている状態において、作業者が持ち手部605を把持して可変部材601AをR2方向へ回動させると、押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越える。
このとき固定部607が被支持部606に対して弾性変形され押さえ突部603が第1の規制手段503Aに摺動され、固定部607が弾性復帰されて被支持部603が第1の規制手段503Aを第2の規制手段504A側から第2の補強リブ525A側に乗り越え、可変部材601Aが初期位置へ向けて回動される。
可変部材601Aが初期位置から第2の規制手段504Aへ向けてR1方向へ回動される状態において、第1の規制手段503Aが設けられていないと、回動する可変部材601Aの勢いが弱まらないまま第2の規制手段504Aに接するおそれがある。このような場合には、可変部材601Aの接触による衝撃で第2の規制手段504A又は可変部材601Aが破損するおそれがある。
そこで、上記したように、R1方向へ回動される可変部材601Aが第2の規制手段504Aに接する前に、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに摺動されることにより、可変部材601Aの第2の規制手段504Aへ向かう勢いを軽減するようにしている。これにより、第2の規制手段504A及び可変部材601Aの破損を防止することができ、第2の規制手段504Aと可変部材601Aの耐久性を向上させることができる。
また、透明板ユニット300を扉枠203に固定するときには、予め、透明板ユニット300を扉枠203に押し付ける必要があるが、可変部材601Aの回動位置によっては、透明板ユニット300と扉枠203の間に可変部材601Aが挟まるなど、透明板ユニット300の扉枠203に対する固定作業に支障を来すおそれがある。また、透明板ユニット300と扉枠203の間に可変部材601Aが挟まることにより、可変部材601Aが破損するおそれもある。
さらに、透明板ユニット300を扉枠203から外して作業者が各種の作業を行う場合に、可変部材601Aが振動や自重により回動してしまうと、作業の邪魔になったり作業中に基板に接続されているケーブル等が可変部材601Aに接触しケーブルが損傷するおそれもある。
そこで、第1の規制手段503Aを設けて押さえ突部603を保持空間530に保持することにより、透明板ユニット300の扉枠203に対する固定作業が行われるときに、可変部材601Aが透明板ユニット300に接触しない位置に保持されるため、透明板ユニット300の扉枠203に対する固定作業を容易かつ迅速に行うことができる。
また、押さえ突部603を保持空間530に保持することにより、可変部材601Aをケーブル等の存在領域から離隔した位置に保持することができるようになり、ケーブルの損傷等の不具合の発生を防止することもできる。
加えて、可変部材601Aが第2の規制手段504Aに接している状態において、第1の規制手段503Aと押さえ突部603の間に隙間BK1が生じるようにされている(図78参照)。
これにより、可変部材601Aの回動が第2の規制手段504Aによって規制されている状態において、押さえ突部603が保持空間530で可変部材601Aの回動方向において僅かに回動可能(変位可能)にされている。
可変部材601Aにおいては作業者が後方から押さえ突部603を視認することができず、可変部材601Aの回動時に回動位置によっては押さえ突部603の第1の規制手段503Aに対する位置が不明確なこともある。例えば、作業者は押さえ突部603が第1の規制手段503Aを第2の規制手段504A側に乗り越えていると認識した場合でも、実際には、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに乗り上げた状態のままである可能性もある。
このような場合に、可変部材601Aが衝撃等により第2の規制手段504Aから離隔するR2方向へ回動され、押さえ突部603が第1の規制手段503Aを第2の規制手段504A側から第2の補強リブ525A側に乗り越えてしまい、押さえ突部603の第2の規制手段504Aによる規制が解除されるおそれがある。
そこで、可変部材601Aが第2の規制手段504Aに接している状態において、第1の規制手段503Aと押さえ突部603の間に隙間BKが生じている構成にすることにより、可変部材601Aが第2の規制手段504A側に回動されている状態において作業者が可変部材601Aに触れたときに、押さえ突部603が変位すれば可変部材601Aが第2の規制手段504Aに規制されていることを容易に認識することができる。
従って、可変部材601Aの第2の規制手段504Aによる規制状態を容易かつ確実に設定することができる。
また、加工精度によって第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aの位置ずれや押さえ突部603の第1の規制手段503A又は第2の規制手段504Aに対する位置ずれが生じていても、隙間BKを設定することにより、隙間BKが位置ずれを吸収する余裕代として機能する。
従って、可変部材601Aが第1の規制手段503Aに摺動された状態において、押さえ突部603が第1の規制手段503Aを第2の規制手段504A側に確実に乗り越える構成にすることができる。
(固定作業における可変部材の動作)
次に、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業における可変部材601Aの動作について説明する(図80乃至図87参照)。
図80は固定体が固定される前の状態で可変部材が保持されている状態を示す背面図であり、図81は固定体が扉枠に位置決めされた状態を示す背面図であり、図82は可変部材が第1の位置へ向けて回動されている状態を示す背面図であり、図83は可変部材が第1の位置へ向けて回動されているときに押さえ突部が透明板ユニットの被押さえ部に接した状態を示す背面図であり、図84は可変部材が第1の位置へ向けて回動されているときに押さえ突部が被押さえ部の傾斜部に乗り上げた状態を示す背面図である。図85は可変部材が第1の位置まで回動され押さえ突部が係止部に係止され透明板ユニットが開閉体に固定された状態を示す背面図であり、図86は可変部材が第1の位置まで回動され押さえ突部が係止部に係止され透明板ユニットが開閉体に固定された状態を示す断面図であり、図87は可変部材が第1の位置を越えてストッパー部によって回動が規制された状態を示す背面図である。
先ず、透明板ユニット300が開閉体200の扉枠203に固定される前の状態において、可変部材601Aの押さえ突部603が保持空間530に保持される状態にする(図80参照)。このとき、可変部材601Aは押さえ突部603が第1の規制手段503Aに第2の規制手段504A側から接しており、可変部材601Aが位置決め突部507から上方に離隔した位置に保持される。
次に、上記したように、透明板ユニット300が透明板載置手段400に載置された状態において、透明板ユニット300を扉枠203の後面に押し付けて被押さえ部307の位置決め穴308に扉枠203の位置決め突部507を挿入する(図81参照)。位置決め穴308に位置決め突部507が挿入されることにより、透明板ユニット300の扉枠203に対する位置決めが行われる。
このとき、可変部材601Aは押さえ突部603が保持空間530に保持されているため、可変部材601Aが被押さえ部307に接触することがなく、固定作業を円滑かつ迅速に行うことができる。
次いで、上記したように、透明板ユニット300が扉枠203に位置決めされた状態において、作業者が持ち手部605を把持して可変部材601AをR2方向へ回動させる。可変部材601AがR2方向へ回動されると、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに第2の規制手段504A側から接した状態から第1の規制手段503Aに乗り上げた状態にされる(図82参照)。このとき可変部材601Aは固定部607が弾性変形され、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに摺動されるため可変部材601Aの回動の勢いが軽減される。
可変部材601AはR2方向へ回動されることにより、固定部607が透明板ユニット300の被押さえ部307に後方から重なる状態にされていく。
さらに、可変部材601AがR2方向へ回動されると、押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越え、固定部607が弾性復帰される(図83参照)。可変部材601Aは押さえ突部603が第1の規制手段503Aを乗り越えると、押さえ突部603が被押さえ部307の傾斜部312に接する状態にされる。
さらにまた、可変部材601AがR2方向へ回動されると、押さえ突部603が傾斜部312に乗り上げて行き押さえ突部603が傾斜部312に摺動される(図84参照)。このとき、可変部材601Aは固定部607が再び弾性変形され、可変部材601Aによる被押さえ部307の扉枠203に対する押さえつけの状態が開始される。
このように被押さえ部307には傾斜部312が形成されているため、押さえ突部603が傾斜部312に案内されて被押さえ部307の係止部309に近付く方向へ移動されるため、押さえ突部603を被押さえ部307に容易に乗り上げる状態にすることができる。
押さえ突部603が傾斜部312に案内されて被押さえ部307に乗り上げた後に、可変部材601Aがさらに、R2方向へ回動されと、押さえ突部603が被押さえ部307の係止部309に挿入(係止)される(図85及び図86参照)。このとき、押さえ突部603は係止部309の径変化部309bに案内されて無変化部309aに近付いて行く。
押さえ突部603が係止部309に係止された状態においては、可変部材601Aは固定部607が未だ弾性変形された状態にあり、押さえ突部603の外面が係止部309の径変化部309bに押し付けられ、押さえ突部603の係止部309に対する係止状態が確保される。
これにより、透明板ユニット300が可変部材601Aによって扉枠203に押し付けられ、透明板ユニット300が可変部材601Aによって開閉体200に固定される。
押さえ突部603が係止部309に係止された状態においては、固定部607の外周面606cが被押さえ部307に設けられたストッパー部310の頂上面310dに近接して位置される(図85参照)。
なお、透明板ユニット300が扉枠203に固定されている状態において、例えば、衝撃や作業者の可変部材601Aに対する操作によって、さらに、可変部材601AにR2方向への力が加わると、押さえ突部603が係止部309から引き出される方向へ変位される(図87参照)。
しかしながら、このとき、固定部607の外周面606cがストッパー部310の頂上面310dに近接して位置されているため、R2方向へ回動された可変部材601Aは押さえ突部603の全体が係止部309から引き出される前に、固定部607の外周面606cがストッパー部310に接する。
従って、ストッパー部310によって可変部材601AのR2方向への回動が規制される。ストッパー部310によって可変部材601AのR2方向への回動が規制された状態においては、押さえ突部603の全体が係止部309から引き出されていないため、可変部材601Aに対して付与されていたR2方向への力が解除されると、押さえ突部603が係止部309の径変化部309bに案内されて無変化部309aに近付いて行く。
これにより、押さえ突部603の外面が係止部309の径変化部309bに押し付けられ、押さえ突部603の係止部309に対する係止状態が再び確保される。
このように透明板ユニット300にはストッパー部310が設けられているため、ストッパー部310によって可変部材601AのR2方向への過度の回動が規制され、透明板ユニット300を開閉体200に確実に固定することができる。
なお、透明板ユニット300の被押さえ部307にストッパー部310を設けず、固定部607の外周面606cが保持枠部303に接することで可変部材601AのR2方向への回動を規制してもよい。
これにより、ストッパー部310を設けるスペースが不要となるため、被押さえ部307を小さくすることができる。従って、透明板ユニット300の小型化及び軽量化を図ることができる。
また、例えば、可変部材601AがR2方向へ過度に回動することで押さえ突部603が係止部309から引き出された場合であっても、固定部607の外周面606cが保持枠部303に接することで、押さえ突部603が被押さえ部307を押さえつけた状態を保持することができる。従って、可変部材601AがR2方向へ過度に回動しても可変部材601Aによる透明板ユニット300の扉枠203への押さえつけが解除されることがなく、透明板ユニット300が扉枠203から脱落することを防止することができる。
透明板ユニット300の開閉体200からの固定の解除は、上記した固定作業と逆の動作により行うことができる。
即ち、透明板ユニット300の開閉体200からの固定の解除は、可変部材601AをR1方向へ回動させて押さえ突部603の係止部309に対する係止状態を解除することにより行うことができる。
このとき押さえ突部603が保持空間530に保持される状態まで可変部材601AをR1方向まで回動させることにより、可変部材601Aから手を離した状態においても可変部材601Aが被押さえ部307に接触することがない。
従って、押さえ突部603が保持空間530に保持される状態まで可変部材601AをR1方向まで回動させることにより、透明板ユニット300と可変部材601Aの干渉を回避して透明板ユニット300を開閉体200から容易に取り外すことができる。
[6−2−3.可変部材の回動角度]
以下に、可変部材601Aの回動角度について図88を参照して説明する。
上記したように、可変部材601Aの可動位置として、透明板ユニット300を扉枠203に押さえつけて固定した状態の第1の位置P1と(図71参照)、押さえ突部603が第1の規制手段503に接してから乗り越えるまでの第2の位置P2と(図72参照)、固定部607の外周面606cが第2の規制手段504に接した第3の位置P3とが存在する(図73参照)。
なお、以下の説明を容易にするため、第2位置P2のうち押さえ突部603が第1の規制手段503Aに下側から接する位置を第2の位置P2aと、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに上側から接する位置を第2の位置P2bとして説明する(図88参照)。
回動支点Mを中心として、第1の位置P1から第2の位置P2aまでを回動角度α1とし、第2の位置P2aから第2の位置P2bまでを回動角度α2とし、第2の位置P2bから第3の位置までを回動角度α3とする。
「規定した角度」
上記に規定した角度は以下の通りである。
α1:回動支点Mを中心とする第1の位置P1から第2の位置P2aまでの回動角度
α2:回動支点Mを中心とする第2の位置P2aから第2の位置P2bまでの回動角度
α3:回動支点Mを中心とする第2の位置P2bから第3の位置P3までの回動角度
「解決課題」
遊技機1においては、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業を行うときの作業性の向上や、可変部材601Aの安定した回動状態の確保等を図る必要がある。そこで、可変部材601Aの回動角度が以下のように設定されている。
「角度αの大きさ」
(全ての角度αの比較)
第1の位置P1から第2の位置P2aまでの回動角度α1は、第2の位置P2aから第2の位置P2bまでの回動角度α2よりも大きくされている。
また、第2の位置P2aから第2の位置P2bまでの回動角度α2は、第2の位置P2bから第3の位置P3までの回動角度α3よりも大きくされている。
従って、α1>α2>α3の関係にされている。
(α1>α2について)
第1の位置P1から第2の位置P2aまでの回動角度α1は、第2の位置P2aから第2の位置P2bまでの回動角度α2よりも大きくされている。
可変部材601Aの押さえ突部603が被押さえ部307の係止部309に挿入されることで、透明板ユニット300が扉枠203に固定される。そのため、透明板ユニット300を扉枠203に確実に固定するためには、押さえ突部603の大きさ及び係止部309の大きさは一定以上の大きさにする必要がある。
一方、回動角度α1が小さいと押さえ突部603の大きさによっては可変部材601AがR1方向に回動した際に押さえ突部603が被押さえ部307の傾斜部312と第1の規制手段503Aの両方に乗り上げた状態になるおそれがある。
このとき、作業者は押さえ突部603が何れかの部分に接していることは認識できるが、押さえ突部603は後方から視認できないため、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに乗り上げているのか、被押さえ部307の傾斜部312に乗り上げているのかの何れの状態にあるかを判断し難い。押さえ突部603が被押さえ部307を押さえているか否かは、透明板ユニット300を着脱する際に重要な事項であり、押さえ突部603が第1の規制手段503Aと傾斜部312の両方に同時に乗り上げないようにする必要がある。
そこで、第1の位置P1から第2の位置P2aまでの回動角度α1を大きくして傾斜部312から第1の規制手段503Aまでの距離を大きくすることにより、押さえ突部603が傾斜部312と第1の規制手段503Aに同時に乗り上げないようにすることができる。
また、可変部材601Aの回動可能な角度を大きくし過ぎると、その分、扉枠203における可変部材601Aの回動スペースを大きくしなければならない。また、可変部材601Aの回動角度が大きくなると、それだけ作業者が透明板ユニット300を可変部材601Aにより扉枠203に固定するための作業時間が長くなり作業性の低下を招くおそれがある。
そのため、第1の位置P1から第2の位置P2bまでの角度は可能な限り小さい方がよい。
そこで、押さえ突部603が傾斜部312と第1の規制手段503Aに同時に乗り上げないようにすると共に可変部材601Aの回動可能な角度を可能な限り小さくすることにより、扉枠203における可変部材601Aの回動スペースを小さくした上で、作業者の作業効率の向上を図ることができる。
(α2>α3について)
第2の位置P2aから第2の位置P2bまでの回動角度α2は、第2の位置P2bから第3の位置P3までの回動角度α3よりも大きくされている。
上記したように作業者の作業性の向上等の観点から可変部材601Aの回動角度はできるだけ小さいほうが望ましい。
しかしながら、回動角度α2を小さくしすぎると、それに伴って第1の規制手段503Aの幅が小さくなり過ぎるおそれがある。第1の規制手段503Aの幅が小さくなりすぎると、作業者が持ち手部605を把持して可変部材601Aを回動させ、第1の規制手段503Aに乗り上げた際に、作業者において可変部材601Aが第1の規制手段503Aを乗り上げる際の回動に対する抵抗感を感じる時間が短く、乗り上げたか否かを判断することが難しくなるおそれがある。
また、第1の規制手段503Aの幅が小さいと、第1の規制手段503Aの強度が確保し難くなり、第1の規制手段503Aが第1の補強リブ524として機能する際の補強効果が小さくなる。さらに、第1の規制手段503Aの幅が小さくなり過ぎると第1の規制手段503A自身の強度も低下し破損してしまうおそれがある。
一方、第2の位置P2bから第3の位置P3までの回動角度α3は、押さえ突部603が保持空間530で可変部材601Aの回動方向において僅かに回動可能(変位可能)にされる角度である。即ち、可変部材601Aが第2の規制手段504Aに接している状態において、第1の規制手段503Aと押さえ突部603の間に隙間BK1が生じるような角度である(図73参照)。
回動角度α3を隙間BK1が生じるような角度とすることで、作業者が可変部材601Aに触れたときに押さえ突部603が変位するか否かを確認することで、保持空間530に可変部材601Aが保持されているか否かを容易に確認することができる。
このとき、回動角度α3を大きくすると、その分、可変部材601Aの回動可能な角度が大きくなり、扉枠203における可変部材601Aの回動スペースが大きくなってしまう。
そこで、回動角度α2を回動角度α3よりも大きくすることで、第1の規制手段503Aの第1の補強リブ524としての高い効果を確保すると共に第1の規制手段503Aの強度を高くした上で可変部材601Aの回動角度を可能な限り小さくしてスペース効率の向上を図ることができる。
[6−2−4.扉枠の各部の距離]
次に、固定協働手段500における各部のベース面203aからの各距離について説明する(図89参照)。ベース面203aは扉枠203における遊技盤103側の端面である。
上記したように、固定協働手段500はベース面203aからそれぞれ後方に突出された位置決め突部507と第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Aと軸部523を有し、第2の補強リブ525Aには第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aが設けられている。
可変部材601Aは回動時に、押さえ突部603が第1の規制手段503Aに摺動されて回動が規制され、固定部607が第2の規制手段504Aに接して回動が規制される。軸部523の基端部における周囲には補強部522が設けられている。
補強部522のベース面203aからの高さ(距離)をM1とし、位置決め突部507のベース面203aからの高さをM2とし、第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さを高さM3とし、第1の規制手段503Aのベース面203aからの高さをM4とし、第2の規制手段504Aのベース面203aからの高さをM5とし、軸部523のベース面203aからの高さをM6とする。
「規定した寸法」
上記に規定した寸法は以下の通りである。
M1:補強部522のベース面203aからの高さ
M2:位置決め突部507のベース面203aからの高さ
M3:第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さ
M4:第1の規制手段503Aのベース面203aからの高さ
M5:第2の規制手段504Aのベース面203aからの高さ
M6:軸部523のベース面203aからの高さ
「解決課題」
遊技機1においては、可変部材601Aの円滑な回動動作の確保、可変部材601Aの軸部523に対する安定した支持状態の確保、軸部523を含めた扉枠203の強度の向上、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業を行うときの作業性の向上、可変部材601Aの小型化等を図る必要がある。そこで、固定協働手段500の各部の寸法Mが以下のように設定されている。
「Mの高さ」
(全てのMの比較)
固定協働手段500においては、補強部522のベース面203aからの高さM1が位置決め突部507のベース面203aからの高さM2より小さくされ、位置決め突部507のベース面203aからの高さM2が第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さM3より小さくされている。また、第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さM3が第1の規制手段503Aのベース面203aからの高さM4より小さくされ、第1の規制手段503Aのベース面203aからの高さM4が第2の規制手段504Aのベース面203aからの高さM5より小さくされ、第2の規制手段504Aのベース面203aからの高さM5が軸部523のベース面203aからの高さM6より小さくされている。
従って、M1<M2<M3<M4<M5<M6の関係にされている。
(M1<M2について)
固定協働手段500においては、補強部522のベース面203aからの高さM1が位置決め突部507のベース面203aからの高さM2より小さくされている。
位置決め突部507は透明板ユニット300の被押さえ部307に形成された位置決め穴308に挿入され、透明板ユニット300の開閉体200に対する位置決めを行う機能を有しており、透明板ユニット300が開閉体200に対して位置決めされた状態において位置決め穴308から抜けないように一定以上の高さが必要とされている。
一方、補強部522は軸部523を補強するために軸部523の基端部における周囲に設けられているが、軸部523は可変部材601Aの被支持部606に挿入され可変部材601Aの安定した支持状態を確保する必要があるため、軸方向における長さが長くされることが望ましい。しかしながら、補強部522の高さが高くなると、その分、軸部523の後端が後方側に位置されてしまうため、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業において作業者が軸部523に接触する可能性が増加し、作業性の低下や軸部523の破損を生じるおそれがある。
そこで、上記したように、補強部522のベース面203aからの高さM1を位置決め突部507のベース面203aからの高さM2より小さくしてM1<M2とすることにより、位置決め突部507の十分な高さが確保されて透明板ユニット300の開閉体200に対する適正な位置決め状態を確保することができると共に軸部523が必要以上に後方側に位置されず軸部523の十分な補強をした上で作業性の向上及び軸部523の破損を抑制することができる。
(M2<M3について)
固定協働手段500においては、位置決め突部507のベース面203aからの高さM2が第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さM3より小さくされている。
位置決め突部507は、上記したように、透明板ユニット300が開閉体200に対して位置決めされた状態において位置決め穴308から抜けないように一定以上の高さが必要とされているが、高さが高過ぎると位置決め穴308の深さが深くなってしまい、その分、位置決め穴308を有する被押さえ部307の厚さを厚くする必要が生じる。従って、被押さえ部307の厚さが厚くなることにより、透明板ユニット300の重量化及び大型化を来してしまい、透明板ユニット300を扉枠203に固定する際に作業者の負担が増加し透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業における作業性が低下してしまう。
一方、第2の補強リブ525Aは第1の補強リブ524とともに扉枠203を補強する機能を有しており、扉枠203の十分な補強を行うために一定以上の高さにされることが望ましい。
そこで、上記したように、位置決め突部507のベース面203aからの高さM2を第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さM3より小さくしてM2<M3とすることにより、扉枠203の十分な補強を行うことができると共に透明板ユニット300の被押さえ部307の厚さを必要以上に厚くならないようにして透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業における作業性の向上を図ることができる。
(M3<M4について)
固定協働手段500においては、第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さM3が第1の規制手段503Aのベース面203aからの高さM4より小さくされている。
第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Aは何れも扉枠203を補強する機能を有しており、扉枠203の十分な補強を行うためにともに一定以上の高さにされることが望ましい。また、第2の補強リブ525Aと第2の補強リブ525Aは連続して一体に設けられていることにより、扉枠203の補強に関する効果がより高くされているが、連続して一体に設けられているために各一部が可変部材601Aの回動領域に位置されている。
一方、第1の補強リブ524には第1の規制手段503Aが設けられており、第1の規制手段503Aは回動される可変部材601Aに対して負荷を付与して回動を規制する機能を有し、可変部材601Aの一部に接触される。
このように第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Aは何れも扉枠203を補強するという同一の機能を有しているが、第2の補強リブ525Aには回動される可変部材601Aに対して負荷を付与して回動を規制するという機能を付加する必要がない。従って、回動される可変部材601Aが第2の補強リブ525Aに接触すると可変部材601Aには不必要な負荷が付与され可変部材601Aの円滑な回動動作に支障を来してしまう。
そこで、上記したように、第2の補強リブ525Aのベース面203aからの高さM3を第1の規制手段503Aのベース面203aからの高さM4より小さくすることにより、扉枠203の補強に関する十分な効果を確保することができると共に第2の補強リブ525Aに対する可変部材601Aの接触を防止して可変部材601Aの円滑な回動動作を確保することができる。
(M5<M6について)
固定協働手段500においては、第2の規制手段504Aのベース面203aからの高さM5が軸部523のベース面203aからの高さM6より小さくされている。
第2の規制手段504Aは可変部材601Aの回動を規制する機能を有しているため、可変部材601Aが乗り上げ可能な第1の規制手段503Aよりも高さが高くされている(M4<M5)。しかしながら、第2の規制手段504Aの高さを高くし過ぎると、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業において作業者が第2の規制手段504Aに接触するおそれがあり、作業性の低下や第2の規制手段504Aの破損を生じるおそれがある。
一方、軸部523は可変部材601Aの被支持部606に挿入され可変部材601Aの安定した支持状態を確保する必要があるため、軸方向における長さが長くされることが望ましい。
そこで、上記したように、第2の規制手段504Aのベース面203aからの高さM5を軸部523のベース面203aからの高さM6より小さくしてM5<M6とすることにより、作業性の向上及び第2の規制手段504Aの破損を抑制することができるとともに可変部材601Aの安定した支持状態を確保することができる。
(左右のベース面の高さが異なる例)
遊技機1の種類によっては左右のベース面203aの遊技盤103の前面からの距離が異なる場合がある(図90参照)。
この場合には、以下のような構成にされることが望ましい。
なお、以下の説明においては、左右の一方のベース面203aをベース面203Aとし、他方のベース面203aをベース面203Bとして説明する。
また、左右の一方に設けられた軸部523を軸部523Aとし、他方に設けられた軸部523を軸部523Bとし、左右の一方に設けられた補強部522を補強部522Aとし、他方に設けられた補強部522を補強部522Bとする。
例えば、ベース面203Bの遊技盤103の前面からの距離は、ベース面203Aの遊技盤103の前面からの距離よりも長くされている。
補強部522Aのベース面203Aからの高さは補強部522Bのベース面203Bからの高さより小さくされている。522Aの後面の位置より522Bの後面の位置とは前後方向において同じ位置にされている。
また、軸部523Aの軸方向における大きさと軸部523Bの先端面523bの軸方向における大きさは同じにされている。
このようにベース面203Aとベース面203Bの高さの相違を補強部522Aと補強部522Bの高さによって調整し軸方向における長さが同じ523Aと523Bを設けることにより、左右両側において共通の可変部材601Aを用いることができるようになる。
共通の可変部材601Aを用いることにより透明板ユニット300をベース面203aに押さえつける力が左右で略均等に加わることになり、透明板ユニット300を二つの可変部材601Aにより扉枠203に安定して固定することができる。
また、可変部材601Aの前後方向における位置が同じにされるため、透明板ユニット300が扉枠203に対して左右方向において位置することがなく、左右の可変部材601Aを介して軸部523Aと軸部523Bの倒れや破損を防止した上で、透明板ユニット300の扉枠203に対する安定した固定状態を確保することができる。
なお、上記には、ベース面203Aとベース面203Bの高さが異なる場合に軸部523Aと軸部523Bの高さを同じにする例を示したが、ベース面203Aとベース面203Bの高さが異なる場合に左右の第1の規制手段503Aの高さや左右の第2の規制手段504Aの高さも同じにされることが望ましい。
特に、左右の第1の規制手段503Aの高さを同じにすることにより、軸方向における長さが同じ523Aと523Bを設けることにより、左右両側において共通の可変部材601Aを用いた場合に、それぞれの可変部材601Aが第1の規制手段503Aに乗り上げる際に、可変部材601Aに略均等の負荷を加えることができる。
[6−2−5.可変部材と軸部の大きさ等]
次に、可変部材601Aと軸部523の大きさ等について説明する(図91及び図92参照)。
上記したように、扉枠203には軸部523が後方に突出された状態で設けられ、軸部523には可変部材601Aが回動可能に支持されている。可変部材601Aは、軸部523に支持された被支持部606と、被支持部606に連続する固定部607と、固定部607の先端部から前方に突出された押さえ突部603と、固定部607から後方に突出された持ち手部605と、持ち手部605と被支持部606を連結する持ち手補強部608とを有している。
被支持部606における内周面606bと外周面606cの間の幅をL1とし、軸部523の直径をL2とし、固定部607の長手方向における幅をL3とし、被支持部606の直径をL4とし、持ち手部605の長手方向における幅をL5とし、固定部607の回動方向における幅をL6とし、持ち手部605の回動方向における幅をL7とし、固定部607の厚み方向における幅をL8とし、被支持部606の軸方向における幅をL9とし、持ち手部605の扉枠203におけるベース面203aからの距離(高さ)をL10とし、ネジ部材620における頭頂面621aの扉枠203におけるベース面203aからの距離(高さ)をL11とする。
「規定した寸法」
上記に規定した寸法は以下の通りである。
L1:内周面606bと外周面606cの間の幅
L2:軸部523の直径
L3:固定部607の長手方向における幅
L4:被支持部606の直径
L5:持ち手部605の長手方向における幅
L6:固定部607の回動方向における幅
L7:持ち手部605の回動方向における幅
L8:固定部607の厚み方向における幅
L9:被支持部606の軸方向における幅
L10:持ち手部605のベース面203aからの距離
L11:頭頂面621aのベース面203aからの距離
「解決課題」
遊技機1においては、可変部材601Aの安定した回動状態の確保、透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態の確保、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業を行うときの作業性の向上、可変部材601Aの小型化等を図る必要がある。そこで、可変部材601Aと軸部523の各部の寸法Lが以下のように設定されている。
「Lの大きさ」
(全てのLの比較)
可変部材601Aと軸部523においては、内周面606bと外周面606cの間の幅L1が軸部523の直径L2より小さくされている。
また、可変部材601Aにおいては、固定部607の長手方向における幅L3が被支持部606の直径L4より大きくされ、固定部607の長手方向における幅L3が持ち手部605の長手方向における幅L5より大きくされている。
さらに、可変部材601Aにおいては、持ち手部605の回動方向における幅L7が固定部607の回動方向における幅L6より小さくされ、持ち手部605の長手方向における幅L5が持ち手部605の回動方向における幅L7より大きくされている。
さらにまた、軸部523においては、被支持部606の軸方向における幅L9が固定部607の厚み方向における幅L8より大きくされている。
加えて、可変部材601Aと軸部523に螺合されるネジ部材620とにおいては、持ち手部605のベース面203aからの距離L10が頭頂面621aのベース面203aからの距離L11より大きくされている。
従って、L1<L2、L3>L4、L3>L5、L7<L6、L5>L7、L9>L8、L10>L11の関係にされている。
(L1<L2について)
可変部材601Aと軸部523の関係においては、内周面606bと外周面606cの間の幅L1が軸部523の直径L2よりも小さくされている。
可変部材601Aが回動するときには軸部523に被支持部606から力が付与される。このとき、被支持部606から軸部523に付与される力の大きさによっては軸部523が倒れて破損するおそれがある。また、透明板ユニット300を扉枠203に対して固定部607によって押さえつける際にも、被支持部606から軸部523に対して大きな負荷が付与される可能性がある。
従って、軸部523の強度を高くする必要があり軸部523の径は大きくされることが望ましい。
一方、軸部523の径に応じて可変部材601Aにおける被支持部606の直径を大きくしてしまうと、その分、可変部材601Aが大きくなり可変部材601Aが大型になると共に可変部材601Aの扉枠203に対する配置スペースが大きくなってしまう。
そこで、上記したように、内周面606bと外周面606cの間の幅L1を軸部523の直径L2よりも小さくしてL1<L2とすることにより、軸部523の十分な強度が確保され、可変部材601Aを回動させる際や透明板ユニット300を可変部材601Aによって押さえつける際に生じる負荷に対する軸部523の耐久性の向上を図ることができると共に可変部材601Aの小型化を図ることができ可変部材601Aの扉枠203に対する配置スペースの低減を図ることができる。
また、軸部523の耐久性の向上により、可変部材601Aの安定した回動状態を確保することができると共に透明板ユニット300の扉枠203に対する安定した固定状態を確保することができる。
なお、軸部523の直径L2は、内周面606bと外周面606cの間の幅L1を2倍にした値よりも大きくなるようにされている。即ち、2L1<L2となっている。
これにより、軸部523の十分な強度をより一層向上しつつ、可変部材601Aの小型化を図ることができる。
(L3>L4について)
可変部材601Aにおいては、固定部607の長手方向における幅L3が被支持部606の直径L4よりも大きくされている。
可変部材601Aは扉枠203に対して軸部523を支点として回動され、透明板ユニット300が開閉体200に固定される状態において固定部607により透明板ユニット300の被押さえ部307を扉枠203に押さえつける機能を有している。従って、固定部607の回動領域が小さいと、その分、被押さえ部307の扉枠203に対する位置が限定され被押さえ部307の扉枠203に対する配置の自由度が低くなってしまう。また、固定部607の回動領域が小さいと、被押さえ部307の大きさを小さくする必要もあり、透明板ユニット300の設計の自由度が低下してしまう。
一方、上記したように、可変部材601Aにおける被支持部606の直径を大きくしてしまうと、可変部材601Aが大きくなると共に可変部材601Aの扉枠203に対する配置スペースが大きくなってしまう。
そこで、上記したように、固定部607の長手方向における幅L3を被支持部606の直径L4よりも大きくしてL3>L4とすることにより、固定部607の回動領域が大きくなり被押さえ部307の扉枠203に対する配置の自由度の向上及び透明板ユニット300の設計の自由度の向上を図ることができる。
また、固定部607の長手方向における幅L3を大きくすることにより、固定部607によって被押さえ部307を押さえる面積が大きくなり、透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができる。
さらに、可変部材601Aの小型化を図ることができ可変部材601Aの扉枠203に対する配置スペースの低減を図ることができる。
(L3>L5について)
可変部材601Aにおいては、固定部607の長手方向における幅L3が持ち手部605の長手方向における幅L5より大きくされている。
固定部607の回動領域が小さいと、上記したように、被押さえ部307の扉枠203に対する位置が限定され被押さえ部307の扉枠203に対する配置の自由度が低くなると共に透明板ユニット300の設計の自由度が低下してしまう。
一方、持ち手部605は、作業者が可変部材601Aを回動させるときに把持する部分であり、長手方向における幅が大きいと、作業者が可変部材601Aを回動させるときに固定部607の長手方向における一端から外側に指がはみ出す可能性があり、把持した指が可変部材601A以外の他の部分に接触するおそれがある。把持した指が可変部材601A以外の他の部分に接触すると、作業者が円滑に可変部材601Aを回動させることが困難になり、作業者の作業効率を低下させる原因となってしまう。
そこで、上記したように、固定部607の長手方向における幅L3を持ち手部605の長手方向における幅L5より大きくしてL3>L5とすることにより、可変部材601Aの回動時に把持した指が固定部607の回動方向における両端から外側にはみ出し難く、指が可変部材601A以外の他の部分に接触し難く、また、固定部607の長手方向における幅が大きくなる。
従って、作業者が持ち手部605を把持して円滑に可変部材601Aを回動させることができるようになり作業者の作業効率の向上を図ることができると共に固定部607によって被押さえ部307を押さえる面積が大きくなり透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができる。
(L7<L6について)
可変部材601Aにおいては、持ち手部605の回動方向における幅L7が固定部607の回動方向における幅L6より小さくされている。
持ち手部605は、作業者が可変部材601Aを回動させるときに把持する部分であり、回動方向における幅が大きいと、作業者が可変部材601Aを回動させるときに固定部607の回動方向における両端から外側に指がはみ出す可能性があり、把持した指が可変部材601A以外の他の部分に接触するおそれがある。把持した指が可変部材601A以外の他の部分に接触すると、作業者が円滑に可変部材601Aを回動させることが困難になり、作業者の作業効率を低下させる原因となってしまう。
一方、固定部607は透明板ユニット300が開閉体200に固定される状態において透明板ユニット300の被押さえ部307を扉枠203に押さえつける部分である。従って、被押さえ部307が扉枠203に対してガタ付かず安定した固定状態を確保するためには一定以上の大きさが必要であり、固定部607の回動方向における幅が大きくされ強度が高くされることが望ましい。
そこで、上記したように、持ち手部605の回動方向における幅L7を固定部607の回動方向における幅L6より小さくしてL7<L6とすることにより、可変部材601Aの回動時に把持した指が固定部607の回動方向における両端から外側にはみ出し難く、指が可変部材601A以外の他の部分に接触し難く、また、固定部607の回動方向における幅が大きくなる。
従って、作業者が持ち手部605を把持して円滑に可変部材601Aを回動させることができるようになり作業者の作業効率の向上を図ることができると共に被押さえ部307が扉枠203に対してガタ付くことなく透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができる。
また、持ち手部605の回動方向における幅L7が固定部607の回動方向における幅L6より小さいことにより、持ち手部605が指で把持する部分であることを視覚的及び感覚的に認識し易くなり、作業者の作業効率の向上を図ることができる。
(L5>L7について)
可変部材601Aにおいては、持ち手部605の長手方向における幅L5が持ち手部605の回動方向における幅L7より大きくされている。
持ち手部605は、作業者が可変部材601Aを回動させるときに把持する部分であり、長手方向における幅が小さ過ぎると、持ち手部605の指で把持する面積が小さくなり長手方向において指が持ち手部605からはみ出す可能性がある。従って、持ち手部605を把持し難く、作業者が円滑に可変部材601Aを回動させることが困難になってしまい、作業者の作業効率を低下させるおそれがある。
一方、上記したように、持ち手部605の回動方向における幅が大きいと、作業者が可変部材601Aを回動させるときに固定部607の回動方向における両端から外側に指がはみ出す可能性があり、把持した指が可変部材601A以外の他の部分に接触し作業者の作業効率を低下させる原因となってしまう。
そこで、上記したように、持ち手部605の長手方向における幅L5を持ち手部605の回動方向における幅より大きくしてL5>L7とすることにより、持ち手部605の長手方向において指が持ち手部605からはみ出し難く、可変部材601Aの回動時に把持した指が固定部607の回動方向における両端から外側にはみ出し難い。
従って、作業者が持ち手部605を把持して円滑に可変部材601Aを回動させることが可能になると共に指が可変部材601A以外の他の部分に接触し難く作業者の作業効率の向上を図ることができる。
また、持ち手部605の回動方向における幅L5が小さいことにより、持ち手部605が指で把持する部分であることを視覚的及び感覚的に認識し易くなり、作業者の作業効率の向上を図ることができる。
(L9>L8について)
可変部材601Aと軸部523の関係においては、被支持部606の軸方向における幅L9が固定部607の厚み方向における幅L8より大きくされている。
可変部材601Aは軸部523を支点として回動されるが、軸部523に対して傾いた状態で回動されると、透明板ユニット300が開閉体200に固定された状態において固定部607による透明板ユニット300の被押さえ部307に対する押し付け状態が不安定になるため、軸部523の軸方向に直交する方向において傾くことなく円滑に回動される必要がある。また、可変部材601Aが軸部523に対して傾いてしまうと、被支持部606と軸部523の間に局所的に大きな摩擦力が発生し、軸部523に対する大きな負荷や被支持部606と軸部523が摩耗すると言う不具合を生じるおそれがある。
一方、固定部607からは持ち手部605が後方に突出されており、持ち手部605は手で把持される部分であり良好な把持状態を確保するために後方への一定以上の突出量が必要である。しかしながら、固定部607の厚みを厚くするに従って持ち手部605の後端が後方に位置されてしまい、持ち手部605が可変部材601A以外の部材に接触し易くなると共に可変部材601Aが大きくなってしまう。
そこで、上記したように、被支持部606の軸方向における幅L9を固定部607の厚み方向における幅L8より大きくしてL9>L8とすることにより、被支持部606の軸方向における幅L9が長くなり可変部材601Aの軸部523に対する傾きが抑制され、持ち手部605の後端が必要以上に後方に位置されなくなる。
従って、透明板ユニット300の開閉体200に対する安定した固定状態を確保することができると共に可変部材601Aを円滑に回動することができ、また、持ち手部605の可変部材601A以外の部材への接触を回避して可変部材601Aの動作の信頼性の向上及び可変部材601Aの小型化を図ることができる。
(L10>L11について)
可変部材601Aと軸部523に螺合されるネジ部材620とにおいては、持ち手部605のベース面203aからの距離L10が頭頂面621aのベース面203aからの距離L11より大きくされている。
持ち手部605は、作業者が可変部材601Aを回動させるときに把持する部分であり、指で把持したときに良好な把持性を確保するためには固定部607からの後方への十分な突出量が必要とされる。
一方、ネジ部材620は軸部523からの可変部材601Aの脱落を防止する機能を有しており、頭部621が軸部523から後方へ突出された状態にされるが、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業を行うときに、頭部621の軸部523からの後方へ突出量が大きいと、作業者の手が頭部621に接触して固定作業における作業性が低下するおそれがある。また、作業者が持ち手部605を把持して可変部材601Aを回動させる場合にも、頭部621の軸部523からの後方への突出量が大きいと、作業者の手が頭部621に接触するおそれがある。
そこで、上記したように、持ち手部605のベース面203aからの距離L10を頭頂面621aのベース面203aからの距離L11より大きくしてL10>L11とすることにより、持ち手部605の固定部607からの後方への十分な突出量が確保されると共に頭部621の軸部523からの後方への突出量が小さくなる。
従って、作業者が可変部材601Aを回動させるときの持ち手部605の良好な把持性を確保して作業性の向上を図ることができると共に作業者の手がネジ部材620に接触し難くして作業性の向上を図ることができる。
[6−2−6.開閉体等の各部の距離]
次に、透明板ユニット300が固定手段600により扉枠203に固定された状態における各部のベース面203aからの各距離について説明する(図93参照)。ベース面203aは扉枠203における遊技盤103側の端面である。
上記したように、固定協働手段500はベース面203aからそれぞれ後方に突出された位置決め突部507と第1の補強リブ524と第2の補強リブ525Aと軸部523を有し、第2の補強リブ525Aには第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aが設けられている。
また、固定手段600は可変部材601Aとネジ部材620を有しており、軸部523が可変部材601Aにおける被支持部606の挿通孔606aに挿通され、ネジ部材620が軸部523Aに形成されたネジ孔523aに螺合されることにより、可変部材601Aがベース面203aとネジ部材620のフランジ部623との間で軸部523Aに回動可能に支持されている。可変部材601Aの押さえ突部603が透明板ユニット300の被押さえ部307に形成された係止部309に挿入(係止)されることにより、透明板ユニット300が可変部材601Aにより扉枠203に固定される。
扉枠203の枠部207(側部207a、207b、下部207c、上部207d)における遊技盤103側の端面207eのベース面203aからの高さ(距離)を高さH1とし、可変部材601Aにおける固定部607の遊技盤103側の端面607aのベース面203aからの高さ(距離)を高さH2とし、ネジ部材620の頭頂面621aのベース面203aからの高さ(距離)を高さH3とし、持ち手部605の遊技盤103側の端面605aのベース面203aからの高さ(距離)を高さH4とし、透明板ユニット300が扉枠203に固定された状態において保持部材302の後端302bのベース面203aからの高さ(距離)を高さH5とする。
「規定した寸法」
上記に規定した寸法は以下の通りである。
H1:枠部207の端面207eのベース面203aからの高さ
H2:固定部607の端面607aのベース面203aからの高さ
H3:ネジ部材620の頭頂面621aのベース面203aからの高さ
H4:持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さ
H5:保持部材302の後端302bのベース面203aからの高さ
「解決課題」
遊技機1においては、可変部材601Aの円滑な回動動作の確保、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業や透明板ユニット300の開閉体200に対する固定状態の確認作業を行うときの作業性の向上等を図る必要がある。そこで、透明板ユニット300が固定手段600により扉枠203に固定された状態における各部の寸法Hが以下のように設定されている。
「Hの高さ」
(全てのHの比較)
扉枠203の枠部207における遊技盤103側の端面207eのベース面203aからの高さH1は固定部607の端面607aのベース面203aからの高さH2よりも小さくされ、固定部607の端面607aのベース面203aからの高さH2はネジ部材620の頭頂面621aのベース面203aからの高さH3よりも小さくされている。また、ネジ部材620の頭頂面621aのベース面203aからの高さH3は持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さH4よりも小さくされ、持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さH4は保持部材302の後端302bのベース面203aからの高さH5よりも小さくされている。
従って、H1<H2<H3<H4<H5の関係にされている。
(H4<H5について)
持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さH4が保持部材302の前端302aのベース面203aからの高さH5よりも小さくされている
端面605aのベース面203aからの高さが前端302aのベース面203aからの高さよりも大きい場合には、持ち手部605が保持部材302から遊技盤103側に突出された状態となる。この場合、作業者が開閉体200を支持体100に対して開いた状態で作業を行ったときに、作業者の手等が持ち手部605に接触しやすくなり可変部材601Aが意図せず回動するおそれがある。これにより可変部材601Aによる透明板ユニット300の扉枠203に対する押さえつけが解除され、透明板ユニット300が扉枠203から脱落するおそれがある。
従って、持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さを保持部材302の前端302aのベース面203aからの高さよりも小さくして、H4<H5とすることにより、作業者の手等が持ち手部605に接触し難くなる。
従って、可変部材601Aの意図しない回動を抑制し透明板ユニット300の扉枠203に対する押さえつけが解除されることによる透明板ユニット300の扉枠203からの脱落等を防止することにより、遊技盤103の遊技領域103aを保護することができると共に透明板ユニット300の扉枠203に対する安定した固定状態を確保することができる。
(H3<H4について)
ネジ部材620の頭頂面621aのベース面203aからの高さH3が持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さH4よりも小さくされている。
可変部材601Aは第1の規制手段503Aや被押さえ部307に乗り上げるため、一定以上の回動力が付与される必要がある。
そのため作業者が可変部材601Aを容易に回動させるために高い回動力が得られる把持しやすい持ち手部605を設ける必要がある。
また、可変部材601Aをネジ部材620により軸部523に支持させるときに、可変部材601Aを指等で押さえないでネジ部材620を回転させると、可変部材601Aもネジ部材620と一緒に回転してしまうことがある。この場合に、回転した可変部材601Aが第2の規制手段504Aや第1の規制手段503Aに意図せず接触し、第2の規制手段504Aや第1の規制手段503Aや可変部材601Aの変形や傷付きが生じてしまうおそれがあり、ネジ止めする際にも把持しやすい持ち手部605が設けられることが望まれている。
そこで、ネジ部材620の頭頂面621aのベース面203aからの高さを持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さよりも小さくして、H3<H4とすることにより、持ち手部605の固定部607からの突出量を大きくして持ち手部605を作業者が把持しやすいようにすることができる。
これにより、可変部材601Aをネジ部材620により軸部523に支持させるときに可変部材601Aを指等で押さえやすくなり、可変部材601Aがネジ部材620と一緒に回転してしまうことによる第2の規制手段504Aや第1の規制手段503Aとの意図しない接触を防止することができる。従って、可変部材601Aと第2の規制手段504A及び第1の規制手段503Aが接触することがなく、可変部材601Aと第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが変形したり傷付いたりすることを防止することができる。
また、透明板ユニット300の扉枠203への固定作業において前扉201の前面側から作業者が持ち手部605の位置が見えない状態で可変部材601Aの作業を手さぐりで行う場合であっても、持ち手部605の固定部607からの突出量が大きいため、触感により容易に持ち手部605を認識することができるため、透明板ユニット300の扉枠203への固定作業における作業性の向上を図ることができる。
(H1<H4について)
扉枠203の枠部207の端面207eのベース面203aからの高さH1が持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さH4よりも小さくされている。
いわゆるゴト行為の防止や遊技機1の安全性の確保の観点から、扉枠203に対する透明板ユニット300の適正な固定状態を常に確保する必要がある。そのため、万が一、可変部材601Aによる透明板ユニット300の押さえつけが解除されてしまった場合において、この解除されている状態であることを容易に認識できるようにしておくことが望ましい。
そこで、持ち手部605の端面605aのベース面203aからの高さH4を扉枠203の枠部207の端面207eのベース面203aからの高さH1よりも高くしてH1<H4とすることにより、開閉体200が支持体100に対して開いている状態において作業者が開閉体200の右側面から遊技機1を見たときに、透明板ユニット300を扉枠203に固定している可変部材601Aを容易に視認することができる。
これにより、作業者が開閉体200を支持体100に対して少し開いた状態においても、持ち手部605の状態により、可変部材601Aにより透明板ユニット300が扉枠203に対して確実に固定されているかを確認することができる。
従って、可変部材601Aにより透明板ユニット300が扉枠203に確実に固定されているか否かを確認する際の作業効率を向上させることができる。
また、遊技機1を右側から見るだけで可変部材601Aが視認可能となるため、各種の作業の度に透明板ユニット300が扉枠203に確実に固定されているかを確認することができるようになる。これにより、遊技機1の安全性の向上を図ることができる。
(H1<H5について)
扉枠203の枠部207の端面207eのベース面203aからの高さH1が保持部材302の前端302aのベース面203aからの高さH5より小さくされている。
これにより、作業者が開閉体200の右側面から遊技機1を見たときに、扉枠203に対して可変部材601Aにより固定されている透明板ユニット300の状態を容易に視認可能となる。透明板ユニット300が扉枠203に可変部材601Aにより固定されている位置と異なる位置にある場合には、可変部材601Aの押さえ突部603が被押さえ部307の係止部309から外れてしまっている等、透明板ユニット300の扉枠203に対する固定状態が解除されてしまっているおそれがある。
作業者はこのような不具合について、開閉体200を支持体100に対して少し開くだけで確認することができる。従って、透明板ユニット300が扉枠203に対して確実に固定されているか否かを確認する際の作業効率の向上を図ることができ、遊技機1の安全性の向上を図ることができる。
[6−2−7.固定体の固定動作について]
以下に、透明板ユニット300を扉枠203に対して固定する際の固定作業に手順について説明する(図94から図101参照)。なお、図97、図99、図101は、図7に示す(96)−(96)線断面図である。また、図100は、図34に示す(99)−(99)線断面図である。
(固定の流れ)
透明板ユニット300を扉枠203に対して固定するにあたり、作業者は透明板ユニット300を後下がりに傾斜させた状態にし(図94、図95、図96等参照)、透明板ユニット300の係合突部311を透明板載置手段400の係合部410に形成された係合穴411に挿し込み、透明板ユニット300を透明板載置手段400に載置する(図97、図98等参照)。
透明板ユニット300の係合突部311を透明板載置手段400の係合部410に形成された係合穴411に挿し込んで係合することにより、透明板ユニット300が透明板載置手段400に対して位置決めされる。このとき、保持枠部303における下方部分303cが載置板金401の載置部403に載置されることにより透明板ユニット300が透明板載置手段400により支えられる(図33、図34、図100等参照)。
透明板ユニット300を透明板載置手段400に載置した後に、係合突部311を支点として透明板ユニット300を扉枠203方向に移動させ、透明板ユニット300を扉枠203に当接させる(図99等参照)。
このとき、保持枠部303の円弧部分303fは、第1の受け突部420の開口219側を向く斜辺420cに接している。また、円弧部分303fにおける略後半部から外方に突出された突状部313の下面部313aが第1の受け突部420の下端部から後方に突出された受け片部421に接する状態または近接する状態となる(図33、図34、図100等参照)。
これにより、透明板ユニット300の右側部分が第1の受け突部420によって支えられ、透明板ユニット300を透明板載置手段400に安定して載置することができるようになる。
また、このとき、保持枠部303の曲線部分303gが第2の受け突部430の開口219側を向く斜辺430cに接する状態又は近接する状態となる。これにより、透明板ユニット300の左側部分が支えられ、透明板ユニット300を透明板載置手段400に安定して載置することができるようになる。
透明板ユニット300が扉枠203に当接されるときには、透明板ユニット300の被押さえ部材307に形成された位置決め穴308に、扉枠203の位置決め突部507が挿入される(図99参照)。
位置決め穴308に被押さえ部507が挿入されることにより、透明板ユニット300が扉枠203に位置決めされる。
透明板ユニット300が扉枠203に位置決めされた状態において、作業者は持ち手部605を把持して可変部材601Aを操作することにより回動させる(図101参照)。可変部材601Aが回動されると、押さえ突部603が透明板ユニット300の被押さえ部307に形成された係止部309に挿入(係止)され、被押さえ部307が可変部材601Aにより扉枠203に対して押さえつけられ、これにより、透明板ユニット300が可変部材601Aにより扉枠203に固定される。
以上により、透明板ユニット300を扉枠203に対して固定する際の固定作業が完了する。
(各部材の材料について)
透明板ユニット300が透明板載置手段400の載置部403に載置された状態において、透明板ユニット300の保持枠部303の下方部分303cのうち係合突部311が形成されていない領域は、金属からなる載置板金401に接する。一方で、下方部分303cに設けられた係合突部311は、樹脂からなる係合部410の係合穴411に挿入される。即ち、透明板ユニット300を位置決めする樹脂からなる係合突部311は、樹脂からなる係合部410と接触可能とされている。
これは、透明板ユニット300は扉枠203に対して着脱される機会が多いところ、樹脂で形成された係合突部311を金属製の係合部410に接することとすると、金属より柔らかい樹脂製の係合突部311の摩耗を招くおそれがあるためである。このような摩耗により係合突部311が係合部410に適正に係合されず、透明板ユニット300の位置決め精度が低下し、透明板ユニット300が扉枠203から外れたり、扉枠203に対して位置ずれが生じるおそれがある。
また、透明板ユニット300の扉枠203に対する位置ずれが生じると、前扉201の窓孔202や扉枠203の開口219と保持枠部303との間に隙間が生じるおそれもある。このような隙間が生じると、隙間から塵埃が侵入したり、遊技機1の内部に侵入して不正を試みるいわゆるゴト行為が行われるおそれがある。
そこで、遊技機1においては、透明板ユニット300に設けられた樹脂製の係合突部311が接する係合部410を同じ材料である樹脂により形成している。これにより、係合突部311の摩耗を低減することができ、透明板ユニット300を長期間安定して保持することができるようになり、透明板ユニット300の損傷や塵埃の侵入やゴト行為等を防止することができる。
また、保持枠部303の下方部分303cのうち係合突部311が設けられていない領域が金属からなる載置板金401に接することにより、透明板ユニット300で生じた静電気を載置板金401に逃がすことができる。これにより、遊技機1に装着された基板等の故障を防止することができる。
また、第1の受け突部420も樹脂により形成されている。これにより樹脂により形成された保持枠部303の円弧部分303f及び突状部313の下面部313aの摩耗を軽減することができる。
さらに、第2の受け突部430も樹脂により形成されている。従って、樹脂により形成された保持枠部303の曲線部分303gの摩耗を軽減することができる。
透明板ユニット300を扉枠203に固定した状態において、透明板ユニット300の側方部分303aが金属からなる第1の補強部材205の内側壁205cと接している(図98参照)。側方部分303aが第1の補強部材205に接することにより、透明板ユニット300で生じた静電気を第1の補強部材205に逃がすことができる。
また、透明板ユニット300の側方部分303bが金属からなる第2の補強部材206の内側壁206cと接している。側方部分303bが第2の補強部材206に接することにより、透明板ユニット300で生じた静電気を第2の補強部材206にも逃がすことができる。
これにより、遊技機1に装着された基板等の静電気による故障を防止することができる。
また、透明板ユニット300の側方部分303a、303bを第1の補強部材205と第2の補強部材206に接触させることにより、扉枠203と透明板ユニット300の間に隙間が生じることがなくゴト行為のための針金等を扉枠203と透明板ユニット300の間から遊技機1の内部に侵入することを防止することができる。よって、ゴト行為の防止及び遊技者への公平な遊技の提供を図ることができる。
なお、ここでは透明板ユニット300が第1の補強部材205と第2の補強部材206に接している例について説明したが、透明板ユニット300が第1の補強部材205と第2の補強部材206に接していなくても、以下のように静電気を逃がすことができる。
例えば、透明板ユニット300が扉枠203に接すると共に、第1の補強部材205(第2の補強部材206)が扉枠203に接することにより、透明板ユニット300と第1の補強部材205(第2の補強部材206)が扉枠203を介して透明板ユニット300に導通される。従って、透明板ユニット300に発生した静電気を扉枠203から第1の補強部材205(第2の補強部材206)に逃がすことができる。
[6−2−8.規制手段の配置]
次に、図102から図104を参照して固定手段600における各規制手段の配置の態様について説明する。図102は規制手段の第1の配置例を示す図であり、図103は規制手段の第2の配置例を示す図であり、図104は規制手段の第3の配置例を示す図である。
以下の説明においては透明板ユニット300が扉枠203に保持された状態において、透明板ユニット300の被押さえ部307における扉枠203の側部207a(左側の被押さえ部307については側部207b)と対向する面を側面307aとする。また、透明板ユニット300の被押さえ部307における扉枠203の上部207dと対向する面を側面307bとする。
また、以下に示すR1方向は後方から見た可変部材601Aの時計回り方向の回動方向であり、R2方向は後方から見た可変部材601Aの反時計回り方向の回動方向である。さらに、各図の一点鎖線で示された可変部材601Aは、それぞれ可変部材601Aの回動位置を示している。
(第1の配置例)
まず、第1の配置例について図102を参照して説明する。
第1の配置例においては、固定手段600に第1の補強リブ524が1箇所設けられている。第1の補強リブ524は第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aを有し、扉枠203の左右方向における中央線を基準線Kとしたときに、可変部材601Aの回動支点Mが基準線Kと第2の規制手段504Aの間に位置する。
可変部材601Aの押さえ突部603が第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aの間に位置を始点位置SPと規定すると、始点位置SPは側部207aと側面307aの間の位置である。可変部材601Aは始点位置SPにある第2の規制手段504AによってR1方向への回動が規制される。
可変部材601Aは第2の規制手段504Aに接した状態から被押さえ部307の側面307aに向かってR2方向へ回動する際に第2の規制手段504A、第1の規制手段503A、側面307aの順に接する。即ち、枠部207の側部207aと側面307aの間に第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが設けられている。
可変部材601AがR1方向に際限なく回動可能とすると、前扉201を開閉する際に固定部607が扉枠203の側部207aに接触するおそれがある。この場合、前扉201(側部207a)と前枠102の間に固定部607が挟まれることにより、可変部材601Aが破損するおそれがある。
従って、R1方向において順に固定部607、第2の規制手段504A、側部207aを位置させることにより、前扉201(側部207a)と前枠102の間に固定部607が挟まれることがなく、固定部607の破損を防止することができる。
なお、例えば、第1の補強部材205の内側壁205cに固定部607を当接させることにより可変部材601AのR1方向への回動を規制することとしてもよい。即ち、第1の補強部材205の内側壁205cを第2の規制手段504Aとして機能させることもできる。
ただ、第1の補強部材205が金属製である場合は、可変部材601Aの固定部607は樹脂により形成されているため、可変部材601Aが第1の補強部材205と接した際に、可変部材601Aが摩耗又は破損するおそれがある。
そのため、R1方向において第1の補強部材205の内側壁205cの手前に、上記のように樹脂製の第2の規制手段504Aを設け、可変部材601Aが第1の補強部材205の内側壁205cに接する前に第2の規制手段504Aにより可変部材601Aの回動を規制することが望ましい。なお、第1の補強部材205を樹脂により形成することもできる。
また、透明板ユニット300によっては、被押さえ部307の側面307aからは可変部材601Aが乗り上げ可能にされ、被押さえ部307の上面である側面307bを可変部材601Aの回動を規制する規制手段として設けるなどして側面307b側からは可変部材601Aが乗り上げ不能に構成されることがある。
このような構成を有する透明板ユニット300を用いる場合には、扉枠203に透明板ユニット300を装着する前の状態において可変部材601Aを被押さえ部307に乗り上げ可能な位置に保持しておかないと、透明板ユニット300を扉枠203に装着できなくなる。
従って、このような構成の場合には、例えば、固定部607が側面307bの上方に位置されていると、一度透明板ユニット300を扉枠203から外し、可変部材601AをR1方向へ回動させて固定部607を側面307aの側方に位置させた上で、再度透明板ユニット300を扉枠203に当接する必要があり、作業者の作業効率を損なうおそれがあった。
また、始点位置SPに可変部材601Aを保持するための第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが設けられていない場合には、再度透明板ユニット300を扉枠203に当接する際に、可変部材601Aの位置によっては作業者の手等で可変部材601Aを側面307aの側方に位置する状態に押さえておかなければならず不便である。
そこで、上記のように始点位置SPにおいて第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aにより可変部材601Aを保持可能とすることにより、透明板ユニット300を扉枠203に装着する際の可変部材601Aと透明板ユニット300の干渉が回避される。従って、上記のような透明板ユニット300を扉枠203に当接し直すといった手間がかからなくなり、作業者の作業効率の向上を図ることができる。
なお、上記では始点位置SPに第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを設ける例について説明したが、始点位置SPにおいて第1の規制手段503A又は第2の規制手段504Aの何れかにより可変部材601Aが保持可能とされていればよく、例えば、始点位置SPに第1の規制手段503Aのみを設けてもよい。
この場合、可変部材601Aは第1の規制手段503Aに接した後に、第1の規制手段503Aを乗り上げ、第1の規制手段503Aと第1の補強部材205の間で保持される。これにより、透明板ユニット300を扉枠203に取り付ける際に、透明板ユニット300と扉枠203が接する部分に可変部材601Aが挟まることがなくなり、透明板ユニット300を扉枠203に円滑に取り付けることができる。
また、例えば、第1の規制手段503Aに保持凹部を形成し、保持凹部に可変部材601Aの押さえ突部603が挿入されることで、第1の規制手段503Aにより可変部材601Aが保持されてもよい。
さらに、例えば、始点位置SPに第2の規制手段504Aのみを設けることとしてもよい。これにより、第1の規制手段503Aを形成する製造コストを削減することができる。
さらにまた、上記では第1の規制手段503Aが一つ設けられている場合について説明したが、第1の規制手段503Aは可変部材601Aの押さえ突部603の移動軌跡上に複数設けられていてもよい。これにより、可変部材601Aの回動の勢いがそれぞれの第1の規制手段503Aに接するごとに軽減され、可変部材601Aが第2の規制手段504Aに接する前に、より可変部材601Aの回動の勢いを軽減することができる。
その上、第1の規制手段503Aを複数設け、一方の第1の規制手段503Aと他方の第1の規制手段503Aとの間に可変部材601Aの押さえ突部603を保持してもよい。
(第2の配置例)
次に第2の配置例について図103を参照して説明する。
第2の配置例は、可変部材601Aの自重により定まる位置を初期位置Fとした場合に、可変部材601Aは初期位置FからR2方向に回動する際に、側面307a、係止部309、側面307b、第1の規制手段503A、第2の規制手段504Aの順に接する。即ち、上部207dと側面307bの間に第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが位置されている。また、保護カバー220の下方に第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが位置されている。
扉枠203の外周部と透明板ユニット300に対して第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが設けられた位置を終点位置EPと規定すると、終点位置EPは上部207dと側面307bの間の位置である。
第2の配置例では、初期位置Fには第1の規制手段503Aや第2の規制手段504Aに相当する規制手段が設けられていない。
これは、可変部材601Aが自重により初期位置Fに透明板ユニット300と離隔した状態で保持され、透明板ユニット300を扉枠203に取り付ける際に可変部材601Aが透明板ユニット300に接触しないためである。
このように、初期位置Fに規制手段を設けないことで、扉枠203の製造コストを削減することができる。
また、第2の配置例では終点位置EPに第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが設けられているため、上部207dの下方に設けられた保護カバー220よりも下方で可変部材601AのR2方向への回動が第2の規制手段504Aにより規制される。
終点位置EPに第2の規制手段504Aが設けられていない場合には、可変部材601AがR2方向に制限なく回動することが可能となり、固定部607が保護カバー220に接触することにより可変部材601A又は保護カバー220が破損するおそれがある。
また、可変部材601Aは押さえ突部603が係止部309に係止されることにより可変部材601Aにより扉枠203に押さえつけられる。
このとき側面307bに可変部材601Aの回動を規制する手段が設けられていない場合には、可変部材601AにR2方向への力が加えられると、押さえ突部603と係止部309の係止が解除され、可変部材601AがR2方向に回動してしまうことがある。
よって、可変部材601Aも透明板ユニット300により保持されている状態であっても固定部607が保護カバー220に衝突することにより固定部607又は保護カバー220が破損するおそれがある。そしてR2方向に固定部607が保護カバー220に衝突することにより可変部材601A又は保護カバー220が破損するおそれがある。
従って、終点位置EPに第2の規制手段504Aが設けられ、終点位置EPに設けられた第2の規制手段504Aによって可変部材601AのR2方向への回動を規制することにより、固定部607が保護カバー220と接触することがなく、固定部607と保護カバー220の破損を防止することができる。
また、可変部材601Aの回動時に第1の規制手段503Aによって第2の規制手段504Aに接する前に可変部材601Aの回動の勢いが軽減されるため、第2の規制手段504A及び可変部材601Aの破損等を防止することができる。
なお、上記では終点位置EPに第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを設ける例について説明したが、終点位置EPにおいて第1の規制手段503A又は第2の規制手段504Aの何れかにより可変部材601Aが保持可能とされていればよく、例えば、始点位置SPに第1の規制手段503Aのみを設けてもよい。
この場合、可変部材601Aは第1の規制手段503Aに接した後、第1の規制手段503Aを乗り上げ、自重により第1の規制手段503A上に保持される。
これにより、透明板ユニット300を扉枠203に取り付ける際に、透明板ユニット300と扉枠203が接する部分に可変部材601Aが挟まることがなくなり、透明板ユニット300を扉枠203に円滑に取り付けることができる。
また、可変部材601Aは第1の規制手段503Aと保護カバー220の間に位置することになる。このとき、保護カバー220を第2の規制手段504Aとして機能させてもよい。これにより、可変部材601AがR2方向に回動する際に、可変部材601Aが保護カバー220の下面に接することにより、可変部材601AのR2方向への過度の回動を規制することができる。
なお、保護カバー220は樹脂により形成されてもよい。これにより、可変部材601Aが保護カバー220に接した場合であっても、可変部材601Aの破損を防止することができる。
さらに、上記では第1の規制手段503Aが一つ設けられている場合について説明したが、第1の規制手段503Aは可変部材601Aの押さえ突部603の移動軌跡上に複数設けられていてもよい。これにより、可変部材601Aの回動の勢いがそれぞれの第1の規制手段503Aに接するごとに軽減され、可変部材601Aが第2の規制手段504Aに接する前に、より可変部材601Aの回動の勢いを軽減することができる。
(第3の配置例)
次に第3の配置例について図104を参照して説明する。
第3の配置例では、第1の配置例で説明した位置と同じ始点位置SPに第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが設けられ、第2の配置例で説明した位置と同じ終点位置EPに第3の規制手段505Aと第4の規制手段506Aが設けられている。
即ち、可変部材601AはR2方向に向かって順に第2の規制手段504A、第1の規制手段503A、側面307a、係止部309、側面307b、第3の規制手段505A、第4の規制手段506Aに接する。
従って、側部207aと側面307aとの間に第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが設けられており、上部207dと側面307bの間に第4の規制手段506Aと第3の規制手段505Aが設けられている。
始点位置SPと終点位置EPの両方に第1の規制手段503A及び第2の規制手段504Aが設けられていることにより、透明板ユニット300が扉枠203に装着されていない状態において、始点位置SPと終点位置EPのどちらに可変部材601Aを保持しておくかを作業者が作業の種別や状況に応じて選択することができる。
例えば、作業者がスピーカ225等の開閉体200の上部に設けられた各部の修理等を行う場合に、終点位置EPに可変部材601Aを保持しておくと、終点位置EPがスピーカ225に近いため作業中に持ち手部605に手が触れてしまい、可変部材601Aの保持状態が解除されてしまうおそれがある。また、可変部材601Aがスピーカ225に接則されたハーネス等に絡まることによりスピーカ225の故障やそのハーネスの断線等、不測の不利益を被るおそれがある。
このような場合にあっては、作業している領域から離隔した始点位置SPに可変部材601Aを保持しておくことにより、そのような不利益を防止し、作業者の作業効率を向上させることができる。
また、扉枠203の左右両側に位置する第1の補強部材205や第2の補強部材206を取り外す等の作業をする場合に、始点位置SPに可変部材601Aを保持しておくと、始点位置SPが第1の補強部材205、第2の補強部材206に近いため、作業中に持ち手部605に触れてしまい、可変部材601Aの保持状態が解除されてしまうことがある。このような場合にあっては、第1の補強部材205や第2の補強部材206が可変部材601Aに接触し、可変部材601Aが破損してしまうおそれがある。
そこで作業している領域から離隔した終点位置EPに可変部材601Aを保持しておくことにより、そのような不利益を防止し、作業者の作業効率を向上させることができる。
また、第3の配置例においては、始点位置SP及び終点位置EPの両方に第1の規制手段503A及び第2の規制手段504Aが設けられているため、第1の配置例や第2の配置例において説明した効果と同様の効果も発生する。
なお、上記では始点位置SPに第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aが設けられ、終点位置EPに第3の規制手段505Aと第4の規制手段506Aが設けられている例について説明したが、始点位置SPと終点位置EPにおいてどのような規制手段を設けるかについては多様な例が考えられる。
例えば、始点位置SPに第2の規制手段504Aと第1の規制手段503Aを設け終点位置EPに第3の規制手段505A又は第4の規制手段506Aの何れか一方を設けることとしてもよい。
また、始点位置SPに第1の規制手段503A又は第2の規制手段504Aの何れか一方を設け、終点位置EPに第3の規制手段505Aと第4の規制手段506Aを設けることとしてもよい。
さらに、始点位置SPに第1の規制手段503A又は第2の規制手段504Aの何れか一方を設け、終点位置EPに第3の規制手段505A又は第4の規制手段506Aの何れか一方を設けることとしてもよい。
始点位置SPに第1の規制手段503Aを設けない場合であっても、第2の規制手段504Aを設けることで、可変部材601Aが第1の補強部材205側に回動しないため、可変部材601Aが第1の補強部材205に接することがなく、可変部材601Aの摩耗又は破損することを防止することができる。
また、始点位置SPに第2の規制手段504Aを設けない場合であっても、第1の規制手段503Aを設けることで、第1の規制手段503Aにより可変部材601Aが被押さえ部307から離隔した状態で保持可能とされ、透明板ユニット300を扉枠203に装着する際の可変部材601Aと透明板ユニット300の干渉を回避することができる。
さらに、終点位置EPに第3の規制手段505Aを設けない場合であっても、第4の規制手段506Aを設けることで、可変部材601Aが保護カバー220側に回動しないため、可変部材601Aが保護カバー220に接することがなく、可変部材601Aが保護カバー220に接触することで可変部材601A又は保護カバー220が破損することを防止することができる。
さらにまた、終点位置EPに第4の規制手段506Aを設けない場合であっても、第3の規制手段505Aを設けることで、少なくとも可変部材601AのR2方向へ回動する勢いを軽減することができる。これにより、保護カバー220と可変部材601Aが接触しても可変部材601Aから保護カバー220に加わる衝撃が小さくなり、可変部材601A又は保護カバー220が破損することを防止することができる。
また、第3の規制手段505Aに乗り上げた可変部材601Aの自重により可変部材601Aを第3の規制手段505Aにより保持することができる。これにより、透明板ユニット300を扉枠203に装着する際の可変部材601Aと透明板ユニット300の干渉を回避することができる。
なお、自重により可変部材601Aは初期位置F(始点位置SP)に位置されることになるが、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aを備えることで上記効果が発生するため、第1の規制手段503Aと第2の規制手段504Aは設けることが望ましい。
同様に、可変部材601Aの終点位置EPにおいても上記効果を有するため第3の規制手段505Aと第4の規制手段506A(第1の規制手段503Aと第2の規制手段504A)を設けることが望ましい。
(可変部材と保護カバー等の関係)
以下に可変部材601Aと保護カバー220等の関係について図105及び図106を参照して説明する。
保護カバー220には左側の側面の下部に通路220aが開口して設けられている。通路220aは保護カバー220がスピーカユニット225に装着された際に、保護カバー220の内側に収納されたスピーカユニット225のケーブル228(導電線材)を保護カバー220の外側に案内する。通路220aによりケーブル228が案内されることにより、ケーブル228が図示しない他の基板と接続される。
これにより、可変部材601AがR2方向に回動する際には、可変部材601Aが保護カバー220の下面に接することにより可変部材601AのR2方向への回動が規制され、ケーブル228が可変部材601Aの可動領域に干渉しない。
保護カバー220によりケーブル228が収納されていない状態においては、可変部材601Aの可動領域にケーブル228が重なり絡まってしまうおそれがある(図105参照)。この場合には、ケーブル228が可変部材601Aに絡まった状態で可変部材601Aが回動することにより、ケーブル228が断線したり、可変部材601Aが透明板ユニット300の被押さえ部307を確実に押さえられないおそれがある。即ち、ケーブル228の断線によるスピーカユニット225の故障や可変部材601Aにより透明板ユニット300を扉枠203に確実に固定できないおそれがある。
そこで、開閉体200にスピーカユニット225及びケーブル228を保護カバー220により覆うことにより、保護カバー220により可変部材601Aの可動領域を規制し、ケーブル228が可変部材601Aに絡まることを防止することにより、スピーカユニット225の故障を防止し、可変部材601Aにより透明板ユニット300を扉枠203に確実に固定することができる。
[6−2−9.可変部材の配置]
次に、透明板ユニット300を扉枠203に対して押さえつけるための可変部材601Aの配置について説明する(図107、図108参照)。以下には、鍵孔部250が遊技機1の右下の部分に設けられている場合における各例を説明する。
可変部材601Aは押さえ突部603を透明板ユニット300における被押さえ部307の係止部309に挿入(係止)することにより、扉枠203に透明板ユニット300を固定する。
可変部材601Aは扉枠203の左右方向における中央線である基準線Kを基準に略対称の位置に設けられ、線対称の形状に形成されていることが考えられる(図107A参照)。これにより、透明板ユニット300は左右二箇所の可変部材601A、601Aにより扉枠203に押さえつけられる。
また、鍵孔部250が設けられていない三隅にそれぞれ可変部材601A、601A、601Aを設けることとしてもよい(図107B参照)。さらに、扉枠203の対角線上の二隅にそれぞれ可変部材601A、601Aを設けてもよい(図107C参照)。さらにまた、扉枠203の左右方向における中央線K上に可変部材601Aを一つ設けることもできる(図107D参照)。
また、可変部材601Aは、いずれも鍵孔部250から離隔する位置に設けられていることとしてもよい(図108参照)。即ち、開閉体200の上下方向における中央線を基準線Qとし、鍵孔部250が設けられている側に配置された可変部材601Aの数をn個とし、鍵孔部250が設けられていない側に配置された可変部材601Aの数をm個としたときに、nがmよりも小さくされることが望ましい。即ち、n<mにされていることが望ましい。
例えば、図108Aに示すように、鍵孔部250が設けられている側には可変部材601Aを設けないこととし(n=0)、鍵孔部250が設けられていない側に配置された可変部材601Aの数を複数、例えば、2個とすることが考えられる(m=2)。
なお、この場合には、透明板ユニット300のうち鍵孔部250が設けられている側の部分は透明板載置手段400に載置されることにより扉枠203に保持される。
また、図108Bに示すように、鍵孔部250が設けられている側に配置された可変部材601Aの数を1個とし(n=1)、鍵孔部250が設けられていない側に配置された可変部材601Aの数を複数、例えば、2個とすることが考えられる(m=2)。
このとき鍵孔部250が設けられている側に配置された可変部材601Aは、扉枠203の左右方向における中央線である基準線Kを基準に鍵孔部250が設けられている側と反対側に設けられている。
さらに、図108Cに示すように、鍵孔部250が設けられている側には可変部材601Aを設けないこととし(n=0)、鍵孔部250が設けられていない側に配置された可変部材601Aの数を1個としてもよい(m=1)。
なお、この場合には、透明板ユニット300のうち鍵孔部250が設けられている側の部分は透明板載置手段400に載置されることにより扉枠203に保持される。
可変部材601Aを操作する際に鍵孔部250に作業者の手等が接触すると、鍵孔部250の故障を生じるおそれがある。鍵孔部250が故障すると遊技機1の前扉201を開けるため多大な手間と時間を要することになる。また、可変部材601Aの回動領域に鍵孔部250が存在していると、可変部材601Aが鍵孔部250に接触することにより可変部材601Aが損傷することも考えられる。
従って、可変部材601Aの回動領域を鍵孔部250から離隔して設けることにより、鍵孔部250に作業者の手や可変部材601Aが接触する機会を減らし、鍵孔部250の故障を防止することができると共に可変部材601Aの損傷の発生を防止することができる。
特に、nがmよりも小さくされることにより(n<m)、鍵孔部250の近くに位置される可変部材601Aが少なくなると共に可変部材601Aから離隔して位置される可変部材601Aが多くなり、可変部材601Aの位置の発生や鍵孔部250の故障を防止した上で透明板ユニット300を扉枠203に安定した状態で固定することができる。
上記においては、一例として可変部材601について説明したが、もちろん可変部材601や可変部材601Aにも適用可能である。
[6−3.第3の実施の形態]
続いて、第3の実施の形態における固定協働手段500Cと固定手段600Cについて、図109及び図110を参照して説明する。図109は左右の一方の側の固定協働手段等を示す斜視図であり、図110は左右の一方の側の固定手段と固定協働手段等を示す分解斜視図である。なお、以下の説明において第1の実施形態、第2の実施形態において説明した部分については同一符号を付し、説明を省略する。
(固定協働手段の構成)
固定協働手段500Cは、軸部523と周壁部526と第1の補強リブ524Cと第2の補強リブ525Cと位置決め突部507とを有している。軸部523、周壁部526、第1の補強リブ524C、第2の補強リブ525C、位置決め突部507は扉枠203の各一部として一体に形成されている。
軸部523はベース面203aから遊技盤103側に突出し、後述する可変部材601Cを回動可能に支持する。
第1の補強リブ524Cはベース面203aから遊技盤103側に突出し、周壁部526の一端部から上方に向けて突出されている。また、第2の補強リブ525Cはベース面203aから遊技盤103側に突出し、周壁部526の他端部から上方に向けて突出されている。
第1の補強リブ524Cと第2の補強リブ525Cを設けることにより、周壁部526の強度を向上させることができる。また、第1の補強リブ524Cと第2の補強リブ525Cを設けることにより、扉枠203の強度も向上する。
周壁部526は円弧壁526aと第1の規制手段503Bと第2の規制手段504Bと第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bを有している。円弧壁526a、第1の規制手段503B、第2の規制手段504B、第3の規制手段505B、第4の規制手段506Bは一体に形成されている。
円弧壁526aは軸部523における外周面606cの外側に沿って設けられベース面203aから遊技盤103側に突出されている。
第1の規制手段503Bと第2の規制手段504Bと第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bは、円弧壁526aの内周面606bから軸部523の中心軸へ向けて突出されている。第2の規制手段504Bと第1の規制手段503Bと第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bは、円弧壁526aの周方向において第1の補強リブ524C側から第2の補強リブ525C側へ順に離隔して設けられている。
第2の規制手段504Bと第4の規制手段506Bは円弧壁526aの内周面606bからの突出量が、第1の規制手段503Bと第3の規制手段505Bにおける円弧壁526aの内周面606bからの突出量よりも大きくされている。
第1の規制手段503Bと第3の規制手段505Bは、軸部523側に突の略半円形状にされている。第1の規制手段503Bと第3の規制手段505Bは、可変部材601Cの回動時に可変部材601Cに対して負荷を与え、第2の規制手段504Bと第4の規制手段506Bは、可動部材601Bの回動を規制する。
なお、可変部材601Cは軸部523の周方向へ回動され、第2の規制手段504B側から第1の規制手段503Bと第3の規制手段505Bを経て第4の規制手段506B側への回動方向がR1方向とされ、第4の規制手段506Bから第3の規制手段505Bと第1の規制手段503Bを経て第2の規制手段504B側への回動方向がR2方向とされる。
第1の規制手段503Bには、可変部材601Cの回動規制部610が乗り上げ可能にされている。従って、可変部材601Cが周方向に回動する際に、第1の規制手段503Bに回動規制部610が摺動することにより、可変部材601Cの移動の勢いが弱められる。
第2の規制手段504Bには可変部材601Cの回動規制部610が乗り上げ不可能にされ、第2の規制手段504Bによって可変部材601CのR2方向への回動が規制される。即ち、第2の規制手段504Bは可変部材601CのR2方向への過度の回動を規制する。可変部材601Cは、回動規制部610が第2の規制手段504Bに接することにより、R2方向への回動が規制される。
第3の規制手段505Bには可変部材601Cの回動規制部610が乗り上げ可能にされている。従って、可変部材601Cが回動する際に、第3の規制手段505Bに回動規制部610が摺動することにより、可変部材601Cの移動の勢いが弱められる。
第4の規制手段506Bには可変部材601Cの回動規制部610が乗り上げ不可能にされ、第4の規制手段506Bによって可変部材601CのR1方向への回動が規制される。即ち、第4の規制手段506Bは可変部材601CのR1方向への過度の回動を規制する。可変部材601Cは、回動規制部610が第4の規制手段506Bに接することにより、R1方向への回動が規制される。
(固定手段の構成)
固定手段600Cは可変部材601Cとネジ部材620を有する。
可変部材601Cは扉枠203に対して回動可能とされ、所定の回動位置に回動された状態において遊技盤103の前面側に配置された透明板ユニット300を扉枠203に押さえつけて固定する。可変部材601Cは被支持部606と固定部607と持ち手部605と押さえ突部603と回動規制部610とを有する(図109及び図110参照)。
被支持部606には挿通孔606aが形成され円筒状に形成されている。可変部材601Cは、軸部523が挿通孔606aに挿通されることにより、扉枠203に回動可能に支持される。
固定部607は被支持部606から被支持部606の軸方向に直交する方向へ突出され平板状に形成されている。持ち手部605は固定部607から遊技盤103側に突出され、固定部607の短手方向の中央部において固定部607の長手方向に延びている状態で設けられている。
押さえ突部603は固定部607の先端部から扉枠203側に突出されている。押さえ突部603は外面が扉枠203側に凸の曲面状に形成されている。
回動規制部610は、被支持部606の外周面606cから固定部607の反対側に突出されている。
回動規制部610が第1の規制手段503B又は第3の規制手段505Bに接して摺動することにより、可変部材601Cに回動に対する負荷がかかり、可変部材601Cの回動の勢いが弱められる。また、回動規制部610が第2の規制手段504B又は第4の規制手段506Bに接することにより、可変部材601Cの回動が規制される。
回動規制部610は外面が曲面状に形成されており、可変部材601Cは第1の規制手段503Bと第3の規制手段505Bに円滑に乗り上げ、摺動することができる。
ネジ部材620は頭部621と螺軸部622とフランジ部623とを有している。フランジ部623は挿通孔606aより大きく被支持部606の外径より小さくされている。軸部523が被支持部606の挿通孔606aに挿通された状態で、ネジ部材620を軸部523に螺合することにより、可変部材601Cがベース面203aとネジ部材620のフランジ部623との間で軸部523に回動可能に支持される。
(可動位置について)
次に、可変部材601Cによる透明板ユニット300の扉枠203に対する可動位置について、図111から図115を参照して説明する。
図111は可変部材の第1の位置を説明する図であり、図112及び図113は可変部材の第2の位置を説明する図であり、図114及び図115は可変部材の第3の位置を説明する図である。
可変部材601Cの可動位置としては少なくとも第1の位置と第2の位置と第3の位置が存在し、第3の実施の形態では第3の位置P3、第2の位置P2、第1の位置P1、第2の位置P2、第3の位置P3が周方向において順に存在する。ここでは説明を容易にするため、押さえ突部603の中心点と軸部523の回動支点Mとを結ぶ直線Fの位置を可変部材601Cの可動位置として便宜的に規定する。
なお、透明板ユニット300は、上記したように、透明板載置手段400に載置されて保持された状態でベース面203aに装着される。また、可変部材601Cは左右に存在し、透明板ユニット300は両側の可変部材601Cによって扉枠203に押しつけられて固定されるが、可変部材601Cの回動については左右で略対称となるため、以下には、一方の可変部材601Cの動作のみについて説明する。
以下の説明においては、可変部材601Cの回動方向をR1方向又はR2方向として示す。R1方向は可変部材601Cを後方から見た状態で時計回り方向であり、R2方向は可変部材601Cを後方から見た状態で反時計回り方向である。
可変部材601Cの第1の位置P1とは、透明板ユニット300を扉枠203に押さえつけて固定する位置である(図111参照)。従って、可変部材601Cの押さえ突部603が透明板ユニット300の被押さえ部307に形成された係止部309に挿入(係止)される位置である。
第2の位置P2は、回動規制部610が第1の規制手段503Bに接してから乗り越えるまでの位置である(図112参照)。
即ち、可変部材601CがR1方向又はR2方向へ回動する際に、回動規制部610が第1の規制手段503Bに接する位置から第1の規制手段503Bに乗り上げて、第1の規制手段503Bを乗り越えた位置までが第2の位置P2に相当する。
また、第2の位置は、回動規制部610が第3の規制手段505Bに接してから乗り越えるまでの位置でもある(図113参照)。
即ち、可変部材601CがR1方向又はR2方向へ回動する際に、回動規制部610が第3の規制手段505Bに接する位置から第3の規制手段505Bに乗り上げて、第3の規制手段505Bを乗り越えた位置までも第2の位置P2に相当する。
第3の位置P3は、回動規制部610が第2の規制手段504Bに接する位置である(図114参照)。第3の位置P3において回動規制部610が第2の規制手段504Bに接することにより、可変部材601CのR2方向への過度の回動が規制される。
また、第3の位置P3は、回動規制部610が第4の規制手段506Bに接する位置でもある(図115参照)。第3の位置P3において回動規制部610が第4の規制手段506Bに接することにより、可変部材601CのR1方向への過度の回動が規制される。
(可変部材の動作)
以下に、透明板ユニット300の開閉体200に対する固定作業及び固定解除作業における可変部材601Cの回動動作について図116から図125を参照して説明する。
透明板ユニット300が203の後面に押しつけられる前の状態においては、可変部材601Cが初期位置に保持される(図116参照)。
初期位置は、回動規制部610が第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bとの間に位置する状態において、可変部材601Cに力が加えられず、可変部材601Cが自重により保持される位置である。初期位置においては、押さえ突部603が軸部523の真下に位置される。
このとき、透明板ユニット300は可変部材601Cが初期位置からR2方向へ回動されることにより開閉体200に固定されるが、作業者が持ち手部605を把持して可変部材601Cを誤ってR1方向へ回動させると、回動規制部610は第4の規制手段506Bに接し、可変部材601CのR1方向への回動が規制される(図117)。
従って、可変部材601CのR1方向への過度の回動が規制され、透明板ユニット300の固定作業において可変部材601Bを正しい方向に回動させることができる。
可変部材601Cが初期位置からR2方向へ回動されると、回動規制部610が第3の規制手段505Bに接し、可変部材601Cの回動の勢いが軽減される(図118参照)。
また、可変部材601CがR2方向へ回動されると、回動規制部610が第3の規制手段505Bに摺動され、回動規制部610が第3の規制手段505Bに乗り上げた状態となる(図119参照)。このとき回動規制部610又は第3の規制手段505Bの少なくとも一方が弾性変形される。
可変部材601CがさらにR2方向へ回動されると、回動規制部610が第3の規制手段505Bを乗り越え、回動規制部610が弾性復帰する(図120参照)。
このとき、可変部材601Cの押さえ突部603が被押さえ部307の傾斜部312に乗り上げ、固定部607が被支持部606に対して弾性変形する。これにより透明板ユニット300が可変部材601Cにより扉枠203に対して押さえつけられていく。
可変部材601CがさらにR2方向へ回動されると、押さえ突部603が傾斜部312を乗り越えて、被押さえ部307の係止部309に挿入(係止)される(図121参照)。これにより、透明板ユニット300が可変部材601Cにより扉枠203に固定される。押さえ突部603が係止部309に挿入されるときには固定部607が弾性復帰する。
このとき、回動規制部610は第1の規制手段503Bと第3の規制手段505Bとの間に位置されている。
上記のように透明板ユニット300が扉枠203に固定された状態において、可変部材601CがR2方向へ回動されると、押さえ突部603の係止部309に対する係止が解除され(図122参照)、押さえ突部603が傾斜部312を摺動され、固定部607は被支持部606に対して弾性変形する。
このとき、回動規制部610は、第1の規制手段503Bに接する状態となる。
可変部材601CがさらにR2方向へ回動されていくと、回動規制部610が第1の規制手段503Bに摺動され、回動規制部610が第1の規制手段503Bに乗り上げた状態となる(図123参照)。このとき回動規制部610又は第1の規制手段503Bが弾性変形され、可変部材601Cの回動の勢いが軽減される。
可変部材601CがさらにR2方向へ回動すると、回動規制部610が第1の規制手段503Bを乗り越える(図124参照)。
回動規制部610が第1の規制手段503Bを乗り越えた状態においては、固定部607が被押さえ部307の上側に離隔した位置にあり、透明板ユニット300の扉枠203に対する固定が解除される。従って、作業者は透明板ユニット300を開閉体200から取り外すことができる。
さらに、可変部材601CがR2方向へ回動すると、第1の規制手段503Bを乗り越えた回動規制部610が第2の規制手段504Bに接し、可変部材601CのR2方向への過度の回動が規制される(図125参照)。
可変部材601Cに加えられていたR2方向への力が解除されると、可変部材601Cは自重によりR1方向へ回動され、可変部材601Cは回動規制部610が第1の規制手段503Bに下方から接する位置で保持される(図124参照)。この回動規制部610が第1の規制手段503Bに下方から接した状態で保持される可変部材601Cの位置は、保持位置とされる。
なお、上記には、初期位置から保持位置へ向けてR2方向へ可変部材601Cが回動されることにより、透明板ユニット300を開閉体200に固定し、透明板ユニット300の開閉体200からの固定を解除する例を示した。
但し、透明板ユニット300を開閉体200に固定し、透明板ユニット300の開閉体200からの固定を解除する例は上記に限られることはなく、可変部材601Cの回動には様々なパターンが考えられる。
例えば、回動規制部610が第1の規制手段503Bに下方から接した状態を初期位置とし、R1方向へ可変部材601Cが回動されることにより透明板ユニット300を開閉体200に固定し、透明板ユニット300の開閉体200からの固定を解除してもよい。
また、回動規制部610が第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bとの間に位置する状態において、可変部材601Cに力が加えられず、可変部材601Cが自重により保持される位置を初期位置とし、R2方向へ可変部材601Cが回動されることにより透明板ユニット300を開閉体200に固定し、R1方向へ可変部材601Cを回動させることにより透明板ユニット300の開閉体200からの固定を解除してもよい。
さらに、回動規制部610が第1の規制手段503Bに下方から接した状態を初期位置とし、R1方向へ可変部材601Cが回動されることにより透明板ユニット300を開閉体200に固定し、R2方向へ可変部材601Cを回動させることにより透明板ユニット300の開閉体200からの固定を解除してもよい。
第1の規制手段503Bと第2の規制手段504Bに加えて第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bを設けることにより、作業者の作業の都合等に応じて初期位置及び回動方向を選択することが可能となる。
(第3の実施の形態の効果)
第3の実施の形態においては、被支持部606における外周面606cの外側に沿って位置された円弧状の周壁部526が設けられ、第1の規制手段503Bと第2の規制手段504Bと第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bが周方向において周壁部526と一体に形成されている。
扉枠203には様々な部材が配置されるため、扉枠203に第1の規制手段503Bと第2の規制手段504Bと第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bを各別に設けようとすると、扉枠203の他の部材の配置領域が低減し設計の自由度が低下するおそれがある。
そこで、第1の規制手段503Bと第2の規制手段504Bと第3の規制手段505Bと第4の規制手段506Bを周方向において円弧状の周壁部526と一体に形成することにより、周壁部526と第1の規制手段503Bと第2の規制手段504Bと第3の規制手段505Bの扉枠203における配置スペースが小さくて済み、扉枠203の後面の領域を有効活用することができると共に部品点数の削減を図ることができる。
また、第1の規制手段503B又は第3の規制手段505Bに接し摺動することにより可変部材601Cの回動の勢いを弱めて第2の規制手段504B又は第4の規制手段506Bに接することにより可変部材601Cの回動を規制する回動規制部610と、押さえ突部603を係止部309に挿入(係止)させることにより透明板ユニット300を扉枠203に押さえつける固定部607とが、可変部材601Cにおいて異なる部分に形成されている。
固定部607における押さえ突部603を回動規制部610と異なる部分に形成することにより、押さえ突部603が第1の規制手段503B又は第3の規制手段505Bに摺動することによる押さえ突部603の摩耗を防止することができる。
従って、押さえ突部603が摩耗することを防止して、可変部材601Cの耐用年数の向上を図ることができ、透明板ユニット300を扉枠203に確実に固定することができる。
なお、第3の実施の形態においては、回動規制部610が被支持部606の外周面606cから固定部607の反対側に突出されている例について説明したが、回動規制部610は上記に限られず被支持部606の様々な位置に設けられていてもよい。例えば、回動規制部610が被支持部606の端部の端面に設けられていてもよい。このとき、第1の規制部503B、第2の規制部504B、第3の規制部505B、第4の規制部506Bは、扉枠203のベース面203aであって外面609aと接する部分に設けられてもよい。
また、例えば、回動規制部610が被支持部606の内周面606bに設けられていてもよい。このとき、第1の規制部503B、第2の規制部504B、第3の規制部505B、第4の規制部506Bは、軸部523の外周面606cに設けられる。
なお、第2の実施形態のように扉枠203に補強部522を設け、補強部522に第1の規制部503B、第2の規制部504B、第3の規制部505B、第4の規制部506Bを設けてもよい。
また、軸部523に小径部527と大径部528を設け、大径部528の遊技盤103側の端面に第1の規制部503B、第2の規制部504B、第3の規制部505B、第4の規制部506Bを設けてもよい。
<7.部材の色彩と配置の関係>
次に、図126を参照して各部材の着色について説明する。図126は扉枠203と固定手段600との色彩関係を示す説明図である。
ここでは一例として扉枠203の色彩C1と可変部材601Aの色彩C2と透明板ユニット300の保持部材302の色彩C3とに着目して説明する。
扉枠203は色彩C1が黒色であり、扉枠203の軸部523に挿通される可変部材601Aの色彩C2は白色である。色彩C2には他にも赤色などが用いられる。
扉枠203のベース面203aに当接する保持部材302の色彩C3は黒色で形成されている。
また、扉枠203、透明板ユニット300、可変部材601A等の各部材は、それぞれ一色の色彩で形成されている。これにより部品の製造コストを削減することができる。
扉枠203の色彩C1と保持部材302の色彩C3は共通しており、一方で扉枠203の色彩C1と可変部材601Aの色彩C2とは異なる。また、可変部材601Aの色彩C2は扉枠203の色彩C1よりも明度が高くされている。これにより、透明板ユニット300を可変部材601Aに押さえつける領域において、可変部材601Aが目立つため、可変部材601Aの位置を容易に把握することができる。
扉枠203の開口219と透明板ユニット300とを安定した状態で装着することは、遊技中に遊技球が外部にこぼれるなどの事態による遊技の中断を避け、遊技者が興趣を損なうことなく遊技を継続するために重要である。また、扉枠203と透明板ユニット300の隙間から針金等を用いて遊技機1内部の基板等に不正を働く行為(いわゆるゴト行為)を未然に防止するという意味でも、扉枠203と透明板ユニット300が安定した状態で装着されているかを店舗側の管理者等が定期的に確認する必要がある。
ここで店舗には通常何十台、何百台といった遊技機が設置されており、店舗側の管理者が全ての遊技機について開店前等の短い時間で透明板ユニット300の扉枠203に対する装着状態を確認することは困難な作業となっていた。そのため、視覚的に容易に透明板ユニット300の装着状態を確認できることが望まれている。
そこで本発明では扉枠203の色彩C1と可変部材601Aの色彩C2とを異なる色彩とした。これにより、可変部材601Aの位置を視覚的に容易に把握することができる。従って、可変部材601Aの透明板ユニット300が押さえられている位置を把握しておけば、可変部材601Aが当該位置に存在するか否かを確認するのみで、透明板ユニット300の扉枠203に対する装着状態を容易に確認することができる。よって、安全性の向上及び確認作業の効率の向上を図ることができる。
また、店舗側の管理者は暗い店舗内で遊技機について透明板ユニット300の扉枠203に対する装着状態を確認することも多く、その場合、透明板ユニット300の扉枠203に対する装着状態を直接触れることにより確認することが多かった。そこで、可変部材601Aの色彩C2を扉枠203の色彩C1及び保持部材302の色彩C3よりも明度の高い色彩とすることにより、周囲が暗い状態であっても可変部材601Aの位置の確認の視認性が向上する。これにより、店舗側の管理者は、透明板ユニット300の扉枠203に対する装着状態を可変部材601Aの角度等を見るだけで確認ができるようになり、確認作業の効率の向上を図ることができる。
また、扉枠203における可変部材601Aの回動領域には、可変部材601Aの色彩C2と色が異なる色彩C1(色彩C3)が配色されている。即ち、色彩C2の可変部材601Aの回動領域には、色彩C2も色彩C2と略同じ明度の色彩も色彩C2と同系色(又は類似色)の色彩も施されていない。
これにより、可変部材601Aが透明板ユニット300を押さえつける位置に存在しているか否か以外にも、可変部材601Aがどの位置に存在するかを視覚的に容易に確認することができるようになる。従って、作業者の作業効率の一層の向上を図ることができる。
また、開閉体200における可変部材601Aの回動領域と重なる領域が第1の重なり領域とされ、透明板ユニット300における可変部材601Aの回動領域と重なる領域が第2の重なり領域とされた場合においては、可変部材601と前記第1の重なり領域が異なる色にされ、可変部材601と第2の重なり領域が異なる色にされていることも考えられる。
これにより、作業者が可変部材601Aと開閉体200の位置関係、可変部材601Aと透明板ユニット300の位置関係を容易に把握することができる。従って、作業者の作業効率の向上を図ることができる。
さらに、色彩C2、色彩C2と略同じ明度の色彩、色彩C2と同系色(又は類似色)の色彩を有する可変部材601A以外の他の部材は、色彩C2の可変部材601Aの回動領域を避けた位置に設けられている。
例えば、可変部材601Aが白色で形成されている場合に、保護カバー220、第1の補強部材205、第2の補強部材206等の可変部材601A以外の他の部材は金属色(銀色)で形成されているため、可変部材601Aと同系色(類似色)であるが、保護カバー220、第1の補強部材205、第2の補強部材206は、可変部材601Aの回動領域を避けた位置に設けられている。これにより可変部材601Aが同系色の保護カバー220等と誤認され難く、可変部材601Aの存在位置が容易に視認可能となる。
さらにまた、色彩C2、色彩C2と略同じ明度の色彩、色彩C2と同系色(又は類似色)の色彩を有する可変部材601A以外の他の部材を遊技機1において使用しないこととしてもよい。例えば、コネクタやハーネス等の色彩について色彩C2、色彩C2と略同じ明度の色彩、色彩C2と同系色(又は類似色)の色彩を使用しないことができる。
これにより、可変部材601Aが同系色の他の部品と誤認され難くなり、可変部材601Aの存在位置が一層容易に視認可能となる。
可変部材601Aの視認性を向上させるための扉枠203の色彩C1(保持部材302の色彩C3)と可変部材601Aの色彩C2との組み合わせには、様々な例が考えられる。
例えば、色彩C1を赤色、青色、黄色等の有彩色とし、色彩C2(色彩C3)を白色、黒色等の無彩色とすることができる。また、色彩C1を黄色、橙色、赤色等の暖色とし、色彩C2(色彩C3)を青色、青紫色等の寒色とすることもできる。また、色彩C1を白色、銀色等の明度が高い色とし、色彩C2(色彩C3)を黒等の明度の低い色とすることもできる。また、色彩C1を黄色等の暖色とし、色彩C2(色彩C3)を青色、青紫色等の寒色とすることもできる。また、色彩C1の対照色、補色を色彩C2(色彩C3)とすることもできる。
また、遊技機1においては、安全性の向上等の観点から特定の色彩で着色が義務づけられている部材がある。従って、可変部材601Aの色彩C2は、そのような特定の色彩以外にされることが望ましい。
例えば、特定のハーネスについては黄色、桃色等に色彩が指定されているものがある。そのため、可変部材601Aの色彩C2には黄色、桃色等の色彩を使用しないことが考えられる。
これにより、可変部材601Aが遊技機1において特定の部材と誤認され難くなり、遊技機1の安全性を向上させることができる。
なお、扉枠203の色彩C1や保持部材302の色彩C3においても同様に上記した特定の色彩を使用しないことができる。
上述の通り各部材の色彩を必要に応じて選択することにより、各部材を視覚を通じて容易に区別することができるようになる。
<8.識別情報の表記位置>
次に遊技盤103における識別情報の表記領域について、図127、図128を参照して説明する。図127及び図128は遊技盤103の表記可能領域Eを示す図である。遊技盤103の前面のうち遊技領域103a以外の部分には、遊技機1に関する情報(以下、遊技機情報という。)が表記されている。
ここでは、遊技機情報が表記可能な領域を表記可能領域Eとして説明する。図127では表記可能領域として表記可能領域E1、E2、E3、E4が形成されている。
遊技機情報とは、遊技機1の製造者(製造メーカー)、機種、日付け等を示す文字(数字や記号を含む)で構成された管理番号や機種情報、遊技機1に対して作業を行う作業者への注意書き等、遊技機1を不正なく安全に取り扱うための情報である。
表記可能領域E1、E2、E3、E4は前扉201を前枠102から開いた際に視認することができるが、前扉201が閉じられている状態においては、扉枠203に透明板ユニット300が当接することにより開口219が塞がれるため外部から視認できない状態である。
遊技機情報は表記可能領域Eに例えば、プリントされ、又はシールにより添付されている。
このような遊技機情報は、店舗での定期検査で基板交換による不正が行われないよう機種との整合を確認したり、作業者に作業において重要な情報を伝える重要性の高い情報である。そのため、可変部材601Aの回動の際に持ち手部605等が遊技機情報に接触することにより、遊技機情報が表記されたシールが剥がれたり、プリントされた表記が削れたりするおそれがある。
そこで図128に示すように、表記可能領域Eのうち可変部材601Aの回動領域ARを避けた領域に遊技機情報を表記している。図の一点鎖線で表記された可変部材601Aは、遊技機103の前面に対向する扉枠203の後面側に位置されている可変部材601Aの位置を示している。また、点線で囲まれた領域は可変部材601Aの回動領域ARを示している。
ここでは、表記可能領域E1と表記可能領域E2は、可変部材601Aの回動領域ARと重なる部分があるため、表記可能領域E1と表記可能領域E2から回動領域ARを除外した表記可能領域E5と表記可能領域E6が表記可能領域となる。
表記可能領域Eのうち可変部材601Aの回動領域ARを避けた領域に遊技機情報を表記することにより、遊技機1について重要度の高い情報を保護することができる。これにより遊技機1における作業者の安全を確保することができる。また、管理番号等の遊技機情報の良好な視認性を確保できるため、店舗での遊技機1の定期検査において検査効率を向上させることができる。
なお、図示した各表記可能領域Eは説明の便宜上一例として説明したものであり、図示した表示可能領域E以外の領域であっても表示可能領域として遊技機情報を表記することは可能である。
これまでの説明では、遊技媒体として遊技球を利用した弾球遊技機(パチンコ遊技機)を例示したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。例えば、遊技媒体として球状以外の形状による遊技媒体を利用する遊技機や、回胴遊技機などであってもよい。また、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、上述の実施の形態を組み合わせることも可能であるし、同様の構成を有する部分については他の実施の形態であっても実現可能である。
また、これまでの説明では、主に上下方向(または左右方向)に移動するスライド型の可変部材601(例えば、図36、図52等参照)や、一点を軸として回動する回転型の可変部材601A(例えば、図55、図63等参照)及び可変部材601B(例えば、図109等参照)を一例として本発明について説明したが、必ずしもいずれか一方のみの係止部材を有するものである必要はない。例えば、4点で係止する場合、うち2点(例えば上部における左右の2点、またはヒンジ部105に近い側の上下の2点など)は回転型の可変部材とし、それとは別の2点(例えば、下部における左右の2点、またはヒンジ部105から遠い側の上下の2点など)はスライド型の可変部材としてもよい。
これは、例えば、遊技機1に大型のスピーカを配置したい、ヒンジ部105ぎりぎりまで遊技領域を確保したい、大型の可動役物を配置したいといった要求事項がある場合(すなわち、可変部材を配置するスペースに制限がある場合)に、4点とも同じ形状、型(スライド型や回転型)、大きさ、可動範囲としてしまうと、一番小さいものに合わせることになるため、しっかり係止できないおそれがあるためである。
また、透明板ユニット300を扉枠203に4点(または2〜3点)で係止する場合に、少なくとも2種類以上の係止方法によって係止することで、可変部材の十分な配置スペースが取れない(配置はできるが可変部材の可動範囲に制限がある場合を含む)箇所には小さい(形状及び/又は可動範囲が小さい)可変部材を配置し、その他の箇所(少なくともいずれか1点)はそれより大きい(形状及び/又は可動範囲が小さい)可変部材を配置することで、透明板ユニット300等の係止対象物の脱落を防止することができる。
さらに、配置スペースの観点で別の解決策として、可変部材をスライド型または回転型といったように完全に分けるのではなく、まず上下方向(または左右方向)にスライドしてから(第1動作を行ってから)回動する(第2動作を行う)といったように、それぞれの可動態様を組み合わせた可変部材であってもよい。こうすることにより、初期位置(第1位置)では係止部材を回動させるだけの十分なスペースが確保できなくとも、退避位置(第2位置)にスライド移動してからであれば回動させることができるようになるため、可変部材自体を固定する固定位置(可変部材の配置)の自由度を向上させることができる。
なお、可変部材によって係止される対象物は必ずしもガラス、透明板ユニット300等には限られないし、可変部材自体を固定する箇所も必ずしも開閉体である必要はない。例えば、可変部材によって係止される対象物としては、表示装置(液晶表示装置、ドット表示装置など)、役物(可動物、非可動物)、装飾部材(化粧シート、識別情報が表示されたシート状部材)、LEDやその他の電子部品が載置された基板、などが挙げられる。
また、可変部材を固定する箇所は開閉体に限られず、遊技機の上面、側面、背面に直接的に固定される場合や間接的に固定(例えば、遊技機の背面に配置されたベース体に固定されるなど)される場合も含まれる。
最後に、上述した各実施の形態の説明は本発明の一例であり、本発明は上述の実施の形態に限定されることはない。このため、上述した各実施の形態以外であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。