JP6945105B2 - 抗菌性合成樹脂ペレットの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、抗菌性合成樹脂ペレットの製造方法に関する。
先進国においては、人々の物質的欲求が満足されると、清潔で健康的な生活環境、すなわち、目に見えない悪臭、カビ、菌等のない生活環境が要求されるようになり、1900年代に入ると、家庭・台所用品、食品容器・包材、衣料品、文具・おもちゃ、電気・電子製品、住宅・建材等、抗菌加工処理を謳った抗菌加工製品を数多く手にするようになってきた(非特許文献1)。また、抗菌性、抗ウィルス性を有する電解水や消毒液が病院、学校等の公共施設のみならず、一般事業所等の出入り口でも認められる(特許文献1)。
特に、食は、人間の毎日の暮らしには欠くことができないものであり、食の安全性確保は極めて重要な問題である。しかしながら、ノロウィルス、サルモネラ菌、O157等の腸管出血性大腸菌等の集団食中毒が、夏(細菌)、冬(ウィルス)に集中して報道されるため、微生物被害が注目され、「抗菌加工製品」に対する期待が高まっている。
一方、物質的に豊かな先進国においては、食品が過剰に流通し、余剰している。賞味期限及び消費期限を有する食品の場合は、家電・家具、自動車等の耐久消費財や、衣類、鞄等の半耐久消費財のように再利用することはできず、世界の生産量の三分の一にあたる約13億トンの食糧が廃棄されており、日本でも年間約1700万トンもの食品廃棄物が排出されている。これは、食糧生産者、食品メーカー、小売店、飲食店、家庭、それぞれに異なる多数の要因に基づくものであるが、小売店で期限が切れた食品は、手を付けることなく廃棄されることが多い。特に、弁当、サラダ等の賞味期限が短い食品は、売れ残るとそのまま廃棄され、食べることが可能な大量の食品ロスを毎日のように排出するので、賞味期限を一日延ばすだけでも、食品ロスを大幅に低減することが可能となる。従って、このような観点からも、カビ、菌等から食品を守る「抗菌加工製品」に対する期待が高まっている(非特許文献2)。
ところで、現代の生活では、1950年代以降に実用化された各種合成樹脂製品が、成形加工性に優れ、軽量で安価な上、物理的・化学的・電気的性質に優れているため、あらゆる金属製品、窯業製品、ガラス製品、紙製品、木工製品等に置き換えられ、幅広く定着している。そのため、合成樹脂製品に抗菌剤を充填若しくは被覆した抗菌加工製品が数多く、合成樹脂製品に適した抗菌剤及びその固定化に関する技術開発が活発である。
このような抗菌剤は、一般的に、有機系と無機系とに大別することができる(非特許文献1)。有機系抗菌剤としては、合成樹脂の成形加工に適した熱安定性と低毒性という条件を満足する、第4級アンモニウム塩系、第4級ホスホニウム塩系、ピリジン系、ピリチオン系、ベンツイミダゾール系、有機ヨード系、イソチアゾリン系等がある。一方、無機系抗菌剤としては、銀、銅、亜鉛等の金属イオンを無機系担体にイオン交換法により担持させたものが多く、無機系担体によって、リン酸塩系、珪酸塩系、チオスルフィド錯塩系等に分類される。熱安定性や耐薬品性等物理的・化学的安定性に優れ、合成樹脂の添加剤として使用できるため、銀イオンを、珪酸塩系、リン酸ジルコニウム系、リン酸カルシウム系、チタン酸カリウム系等の各種無機化合物に担持した抗菌剤が数多く市販されている(特許文献2)。また、該金属イオンの有機錯体も無機系抗菌剤に分類されている。
しかし、有機系抗菌剤は、人体に対する安全性という観点から、必ずしも好ましいものであるとは言えないだけでなく、低分子量で、合成樹脂表面と化学的に反応し得るものではないため、合成樹脂内に分散しても、また、合成樹脂表面に塗布しても、合成樹脂表面から離脱し易く、長期的な抗菌作用を期待できないという問題点もある(特許文献3)。
このような有機系抗菌剤の問題に対して、抗菌機能を有する、例えば、第4級アンモニウム塩を含有する単量体とその他の単量体との共重合体を原料として合成樹脂製品を成形加工することが提案されている(特許文献4)。また、第4級アンモニウム塩とアルコキシ基を含有する抗菌剤が開発され、表面処理された合成樹脂製品表面の水酸基と抗菌剤のアルコキシ基との反応により固定化する方法も提案されている(特許文献5)。
一方、物理的・化学的安定性に優れており、合成樹脂の添加剤として使用できる無機系抗菌剤にも、その添加量と抗菌性能とのバランスをとることが難しいという問題がある。例えば、透明性が必要とされるフィルム等の合成樹脂成形品の場合、抗菌性能を発揮し得る添加量では透明性が損なわれ、透明性が維持される添加量では抗菌性能を発揮しないという問題がある(特許文献3)。
このような無機系抗菌剤の問題に対して、近年、抗酸化、抗菌、除菌、防カビ、鮮度保持、防臭等の効果が注目されている白金(Pt)、金(Au)、及び、銀(Ag)等の貴金属ナノ粒子の合成樹脂製品への適用が検討されている。これは、Pt、Au、及び、Agのいずれもが、食品衛生法により食品の既存添加物として認可されている安全性の高い素材であり、極めて表面積の大きなナノ粒子を製造することができるようになってきたためである。例えば、ナノ粒子の一般的製造方法である液相還元法により、ヒドロキシカルボン酸を安定剤として製造したPtナノ粒子を繊維表面に固定化し、洗濯耐久性に優れた医療用抗菌リネン類、宿泊施設用抗菌リネン類、日用抗菌衣類等が開示されている(特許文献6)。また、透明性が必要とされる抗菌性塗膜を形成するために、同じく液相還元法で製造された安定剤である脂肪酸で修飾された貴金属超微粒子を光硬化型樹脂に分散した塗料が開示されている(特許文献8)。逆に、濃厚色が必要な抗菌性合成樹脂成形品の場合、従来の無機系抗菌剤は白色で、適用困難であったが、粒径50μm以下の無機粒子又は樹脂粒子に0.01〜0.5μmのAg合金粒子又はニッケル(Ni)合金粒子を物理蒸着(PVD)法で析出させた黒色顔料を合成樹脂と混合して射出成形することにより解決できることが開示されている(特許文献7)。
しかしながら、貴金属ナノ粒子を用いた抗菌性合成樹脂製品の課題は、分散剤等の不純物質を含まず、粒子径が小さくて、その分布が狭いナノ粒子の製造方法を見出すことにある。また、貴金属は極めて高価であり、一般消耗品には適用することが困難であるという問題もある。
まず、貴金属ナノ粒子の製造方法として従来よく用いられてきた液相還元法等の湿式法は、貴金属ナノ粒子を安定な分散液とするための安定剤(分散剤)が必要で、不純物の混入を避けることができないため、貴金属ナノ粒子の表面が被覆されることになる(特許文献9)。また、湿式法は、核形成、成長、停止という過程を経るため、粒子径の制御が困難で、数nm以下の微細なナノ粒子を均一に製造することが難しく、粒子径の大きな金属ナノ粒子の存在が、貴金属ナノ粒子の表面積を減少させる(特許文献10)。これらは、いずれも、貴金属ナノ粒子が有する抗酸化、抗ウィルス、抗菌、除菌、防カビ、鮮度保持、防臭等の効能や、樹脂の有する本来の特性を低下させる原因となる。しかも、このような液相法は、安定剤として水溶性物質が適しており、水溶液中で製造することが多く(特許文献10)、デバイス接合技術等では検討されているが(非特許文献3)、抗菌作用を目的とする場合、酸化し易い金属のナノ粒子の製造方法としては好ましくない。そのため、貴金属の抗菌作用には及ばないが、安価な亜鉛(Zn)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)等、特に、既存添加剤として認可されているCuを液相法に適用することは好ましくないと考えられる(非特許文献4)。そして、湿式法は、合成樹脂成形品の原料となる無機粒子や樹脂粒子上に金属ナノ粒子を形成することができない。
分散剤を必要としない金属ナノ粒子の製造方法として、上述したPVD法、化学蒸着(CVD)法、気相合成法、蒸発・凝集法等の気相法がある。しかし、CVD法は、プラズマ等によって活性化された反応性モノマーが加熱炉において化学反応し、核生成、凝縮、凝集を経てナノ粒子が形成されるものであるが、生産効率及びエネルギー効率が悪いため、製造コストが高い上、核生成、凝縮、凝集というプロセスを経るため、粒子径が不均一になるという課題もある。また、気相合成法は、金属塩化物の反応ガス中で、酸化・還元・窒化することによって、ナノ粒子を生成する方法であるが、原料に基づく不純物の混入が激しいという問題がある。そして、蒸発・凝集法は、不活性ガス中で、レーザーアブレーション、スパッタリング、真空蒸着等の方法で金属を一旦蒸発させた後、冷却することによってナノ粒子を製造する方法で、CVD法と同様の問題がある。
更に、溶融塩のプラズマ誘起カソード電解や液相レーザーアブレーションを用いた、分散剤を必要としないナノ粒子の製造方法が開発されているが、製造技術上及び品質上の問題が多く、実用化するには数多くの改良が必要である上、合成樹脂成形品の原料となる無機粒子や樹脂粒子上にナノ粒子を形成することができない(特許文献11〜14)。
従って、真空蒸着やスパッタリングによって放出された金属や金属酸化物等の蒸気を、基板や担体上でナノ粒子として堆積させるPVD法が、分散剤を必要としない金属ナノ粒子の製造方法として期待されている。この方法では、上述したように、無機粒子や樹脂粒子上に、不純物を含まないナノ粒子を製造することができ、そのまま合成樹脂成形品の原料として利用可能であるため、抗菌・滅菌を必要とする生活用品だけでなく、排ガス・排水処理の触媒、太陽電池等のエレクトロニクス部品等様々な分野への利用が検討されつつある(特許文献15〜17)。
しかし、PVD法の場合においても、真空蒸着法やスパッタリング法による成膜プロセスの制御、すなわち、成膜初期において形成される島状の金属粒で成長を止めることによって金属ナノ粒子を生成する方法であるため、均一なナノ粒子を製造することが困難であるという問題がある(非特許文献5及び特許文献16)。このような粒子径分布の広いナノ粒子の不均一性は、上述したように、抗酸化、抗ウィルス、抗菌、除菌、防カビ、鮮度保持、防臭等の効能や樹脂の有する本来の特性を低下させる原因になるだけでなく、合成樹脂製品の製造上の問題を生起させる原因となる。特に、圧縮成形、カレンダー成形、射出成形、中空成形、押出成形等では、粒子径が大きな粒子を含んでいると、成形品の表面平滑性が悪いという問題が生じる。更に、フィルムを製造する場合、ほとんどの場合、溶融製膜法、すなわち、Tダイから押し出されたシートを加熱延伸してフィルムとする延伸法、又は、リングダイから押し出されたシートを空気で膨張させるインフレーション法で製造されるため、表面平滑性ばかりか、粒子が起点となって穴が開き、フィルムを製造できないという問題が発生する。また、粒子の不均一性は、フィルムの透明性を損なうことにもなる。
以上のように、抗菌性合成樹脂製品の品質、成形加工性、及び、コストを満足することができる抗菌性合成樹脂製品の原料が見出されていないため、当然、品質及びコストを両立した合成樹脂製品は未だ得られていないのが現状である。
特許第4712915号公報 特開2000−001621号公報 特開平10−245305号公報 特開2001−055518号公報 特開2007−126557号公報 特開2008−056592号公報 特開平11−181327号公報 特開2015−120896号公報 特開2015−067556号公報 特開2005−139102号公報 特開2008−106309号公報 特開2010−077458号公報 特開2009−511754号公報 国際公開WO2012−150804号公報 特開2009−146025号公報 特開2009−246025号公報
檜山圭一郎、「プラスチック製品の抗菌加工」、繊維製品消費科学会誌、Vol.40、No.9、pp.576−584(1999). 農林水産省(食糧産業局・バイオマス環境資源課・食品産業環境対策室)、「食品ロス削減に向けて〜「もったいない」を取り戻そう!〜」、平成25年9月. 塩見昌平、丸岡智樹、菊内康正、「Cuナノ粒子の作製とデバイス接合技術への展開−Cuナノ粒子の粒径制御技術の確立−」、京都市産業技術研究所、研究報告、No.4、pp.28−33(2014). 山本則幸、杉浦晃治、「銀系無機抗菌剤「ノバロン」の特長と応用」、東亜合成研究年報、TREND 1998 創刊号、pp.28〜33. 多賀康訓、「薄膜プロセス技術の研究」、総合工学、第22巻(2010)pp.53−64.
本発明は、安価な抗菌性合成樹脂製品を成形するために好適な、金属ナノ粒子を担持した合成樹脂ペレットを提供すると共に、この合成樹脂ペレットを原料とした抗菌性合成樹脂成形品、及び、この合成樹脂ペレットの製造方法を提供することを目的としている。
言い換えれば、本発明は、従来良く利用されている湿式法及びPVD法の問題、すなわち、金属ナノ粒子に含まれる分散剤や不純物、広い粒子径分布、合成樹脂粒子上への形成が困難、及び、酸化し易い金属には不適等の種々の問題を解決し、合成樹脂の成形加工で生起する表面粗度及びピンホール等の問題を解決する技術の提供を目的としている。
本発明は、球状又は円柱状の合成樹脂ペレット上に、平均粒子径が1〜50nmである、Au、Pt、Ag、Zn、Cu、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、Al、及び、これらの金属から少なくとも二種以上を含有する合金から選択される少なくとも一種の金属ナノ粒子が、合成樹脂ペレットに対して、0.005〜0.5重量%堆積されていることを特徴とする金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットを提供するものである。
特に、本発明の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットは、蒸着法、イオンプレーティング法、及び、スパッタリング法のいずれか一つの物理蒸着法を用い、上記金属の蒸着源の熱分解した蒸着物質が、被蒸着体である合成樹脂ペレット上に、130℃以下の雰囲気下で、蒸着物質が合成樹脂ペレット上に連続して蒸着する蒸着時間が少なくとも0.2sec以下であるようにして蒸着物質が合成樹脂ペレット上に間欠的に堆積され、上記金属のナノ粒子が、1〜50nmの平均粒子径で、合成樹脂ペレットに対して0.005〜0.5重量%堆積されているものであることが好ましい。
更に、上記金属ナノ粒子の平均粒子径は、1〜10nmであることがより好ましく、1〜5nmであることがより更に好ましい。また、ナノ粒子を構成する金属は、Cuであることが、性能上及び価格上最も好ましい。
一方、合成樹脂ペレットは、圧縮成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形、中空成形、インフレーション成形、延伸成形、T−ダイ成形等、食器、収納容器、筐体、ボトル、シート、パイプ、フィルム等、各種合成樹脂製品を成形可能な加工方法に適用し易い熱可塑性樹脂であることが好ましい。
このような熱可塑性樹脂の中でも、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ABS系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、及び、フッ素樹脂から選択される少なくとも一種の合成樹脂であることが好ましく、ポリエチレン(PE)系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリスチレン(PS)系樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)系樹脂、ABS系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、及び、ナイロン(NY)系樹脂から選択される少なくとも一種の合成樹脂ペレットであることがより好ましく、薄いフィルムを形成できるポリエチレン(PE)系樹脂、ポリプロピレン(PP)系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)系樹脂、及び、ナイロン(NY)系樹脂から選択される少なくとも一種の合成樹脂ペレットであることがより更に好ましい。
上述したように、平均粒子径が1〜50nm、より好ましくは1〜10nm、より更に好ましくは1〜5nmである粒子径の範囲にある金属ナノ粒子が担持された合成樹脂ペレットを用いることによって、抗菌性、表面平滑性等の各種品質に優れた合成樹脂成形品を製造することが可能になる。抗菌性、表面平滑性については、表面積が大きい粒子径の小さい金属ナノ粒子である程好ましく、特に、フィルムを形成する場合には、ピンホールがなく、より薄く透明性に優れた、樹脂の有する本来の特性を低下することなく、安定してフィルムを製造することが可能になる。
合成樹脂製品を製造する成形方法としては、圧縮成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形、中空成形、インフレーション成形、延伸成形、T−ダイ成形が好ましく、本発明により、平均粒子径が1〜50nm、より好ましくは1〜10nm、より更に好ましくは1〜5nmである粒子径の範囲にある金属ナノ粒子が担持された合成樹脂ペレットを原料とした、圧縮成形品、カレンダー成形品、押出成形品、射出成形品、中空成形品、インフレーションフィルム、延伸フィルム、及び、T−ダイ成形フィルムを提供することができる。中でも、本発明の金属ナノ粒子が担持された合成樹脂ペレットは、PE系樹脂、PP系樹脂、PET系樹脂、及び、NY系樹脂を用いたフィルムの製造において、上述したように、その特徴が最大限に発揮される。
また、本発明は、金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法であって、蒸着法、イオンプレーティング法、及び、スパッタリング法のいずれか一つの物理蒸着法を用い、金属である蒸着源の熱分解した蒸着物質が、被蒸着体である合成樹脂ペレット上に、130℃以下の雰囲気下で、蒸着物質が合成樹脂ペレット上に連続して蒸着する蒸着時間が少なくとも0.2sec以下であるようにして蒸着物質が合成樹脂ペレット上に間欠的に堆積されることを特徴としている。
この製造方法によって、Au、Pt、Ag、Zn、Cu、Ni、Co、Al、及び、これらの金属から少なくとも二種以上を含有する合金から選択される少なくとも一種の金属のナノ粒子が、1〜50nm、より好ましくは1〜10nm、より更に好ましくは1〜5nmの平均粒子径を有し、合成樹脂に対して0.005〜0.5重量%の割合で、球状又は円柱状の合成樹脂ペレット状に安定して担持される。
PVD法を用いた金属ナノ粒子の粒子径分布は、蒸着物質が合成樹脂ペレット上に連続して蒸着する蒸着時間が少なくとも0.2sec以下であるようにして蒸着物質が合成樹脂ペレット上に間欠的に堆積されるようにしたことに加え、蒸着する際の雰囲気を130℃以下に抑えることによって達成される。特に、融点の低い、PE系樹脂、PP系樹脂、PS系樹脂、PMMA系樹脂、ABS系樹脂等の汎用される熱可塑性樹脂において顕著である。この原因は定かではないが、本発明の真空蒸着法やスパッタリング法による成膜プロセス、すなわち、成膜初期において形成される島状の金属粒で成長を止めることによって金属ナノ粒子を生成する方法では、蒸着物質と被蒸着体との相互作用がの表面状態と均一なナノ粒子の生成とは密接な関係が存在するためであると考えられる。第一に、PVD法であることに起因するものである(非特許文献5及び特許文献16)。このような金属ナノ粒子の生成は、蒸発源から被蒸着体上に飛来した蒸着物質は、Volmer−Weberの様式に代表されるように、被蒸着体上で拡散、集合して金属粒子が生成し、その後の膜形成に至らないようにすることが重要であり、基板温度が高い程緻密で密着性の良い膜が形成されるという通常のPVD法とは異なっている必要があると考えられる。すなわち、蒸着する雰囲気の温度を下げる程好ましい結果が得られたものと推測される。第二に、被蒸着体が熱可塑性樹脂であることに起因するものである。その融点は、汎用されるPE系やPP系等の結晶性樹脂、PS系やPMMA系等の非晶性樹脂で、およそ80〜180℃であり、PET系やNY系のエンジニアリングプラスチックで、200〜280℃であるが、これらのガラス転移温度(Tg、ポリマー分子の相対的な位置は変化しないが、分子の回転や振動が開始する温度)は、通常100℃以下であり、PE系樹脂に至っては、−100℃以下である。従って、蒸発源から被蒸着体上に飛来した蒸着物質と被蒸着体との相互作用が温度により異なり、被蒸着体上における蒸着物質の拡散及び集合に影響を与え、温度が低い程金属ナノ粒子が生成し易いものと推測される。
本発明の、平均粒子径が1〜50nm、より好ましくは1〜10nm、より更に好ましくは1〜5nmである、Au、Pt、Ag、Zn、Cu、Ni、Co、Al、及び、これらの金属から少なくとも二種以上を含有する合金から選択される少なくとも一種の金属ナノ粒子が、合成樹脂に対して0.005〜0.5重量%の割合で担持された合成樹脂ペレットは、そのまま、合成樹脂製品を成形加工するための原料として適用できるため、圧縮成形、カレンダー成形、押出成形、射出成形、中空成形、インフレーション成形、延伸成形、T−ダイ成形等の成形加工方法を用いた、食器、収納容器、筐体、ボトル、シート、パイプ、フィルム等のあらゆる抗菌性合成樹脂製品の製造に適用できる。
特に、食品包材・容器においては、洗浄・消毒・防臭等の衛生管理や生鮮食品の鮮度維持等に求められる抗菌性、抗ウィルス性、抗カビ性等を付与することができる。更に、農業分野においては、土壌や果樹に対する殺菌や除菌効果を有し、透明性に優れて、カビ等が付着しないフィルムやシートとして使用することができる。
このような金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの成形品の抗菌効果は、合成樹脂中に固定されるため、有機系抗菌剤と比較して、長期的な抗菌効果が期待できる。更に興味深いことに、従来の貴金属イオンをイオン交換法により無機系担体に担持した無機系抗菌剤と合成樹脂ペレットとからの成形品の抗菌効果の評価では、貴金属であるAu、Pt、Agイオンの方が優れているという結果であったが、本発明の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットからの成形品においては、安価なCu粒子でも、Au、Pt、Ag粒子と同等以上の効果が得られることが分かった。この原因は定かではないが、イオンとして無機系担体に担持されているか、極めて表面積が大きくなる金属ナノ粒子として存在しているかの差異に起因しているものと推測される。従って、従来、高価な貴金属を用いる必要があったが、安価なCuのナノ粒子を用いることが可能になったという、極めて重要な効果が見出された。
本発明のCuナノ粒子が担持されたLDPE又はPPペレットを用いて抗菌包材を製造する工程の概略図である。 本発明のCuナノ粒子が担持されたLDPE又はPPペレットを製造する物理蒸着装置の概念図である。 本発明のLDPEペレット上に担持されたCuナノ粒子の電子顕微鏡写真である。 インフレーション成形の概念図である。 リンゴを、市販のLDPE製チャック付き包材(a)及びCuナノ粒子担持LDPEペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(b)で、25℃で10日間保管した後の状態を示す写真である。 米飯を、市販のLDPE製チャック付き包材(a)及びCuナノ粒子担持LDPEペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(b)で、25℃で10日間保管した後の状態を示す写真である。 木綿豆腐を、市販のLDPE製チャック付き包材(a)及びCuナノ粒子担持LDPEペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(b)で、25℃で10日間保管した後の状態を示す写真である。 リンゴを、市販のPP製チャック付き包材(c)及びCuナノ粒子担持PPペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(d)で、25℃で10日間保管した後の状態を示す写真である。 食パンを、市販のPP製チャック付き包材(c)及びCuナノ粒子担持PPペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(d)で、25℃で10日間保管した後の状態を示す写真である。
以下、本発明を、一実施形態を用いてより詳細に説明するが、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能であり、特許請求の範囲に記載した技術思想によってのみ限定されるものである。
本発明に係る、金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットを製造し、それを用いて成形されたフィルムを製袋加工した包材に至るまでの工程を図1に示す。以下、この工程に従って、本発明を説明する。
まず、金属ナノ粒子が担持された合成樹脂ペレットを製造するための合成樹脂として、LOTTE CHEMICAL製PPホモポリマーペレット(HOPELEN FI−150)及び日本ポリエチレン製低密度PEペレット(ノバテック(登録商標)LD−LF640MA)を用いた。
上記合成樹脂ペレットに担持させる金属としてはCuを用いた。このCuナノ粒子を合成樹脂ペレット上に堆積させる方法は、PVD法が適しており、真空蒸着法、イオンビーム蒸着法、イオンプレーティング法、及び、各種スパッタリング法を用いることができるが、本実施例においては、代表例として、イオンビームスパッタリング法を用い、図2に本実施例で用いた金属ナノ粒子の製造装置の概略図を示した。
図1の金属ナノ粒子の製造装置では、イオン源2、金属又はその合金である蒸着源3、不活性ガス導入系8、真空排気系9を少なくとも有する物理蒸着槽1において、蒸着源3と蒸着源3の下部に設けられた、蒸着物質7が堆積する被蒸着物質である合成樹脂ペレット10との間に、回転モーター6で精密に回転するスリット5が設けられたシャッター4を設置することによって、イオン源2によって蒸着源3から叩き出される蒸着物質7が、間欠的に合成樹脂ペレット10表面上に蒸着される。しかも、合成樹脂ペレット10が均等に蒸着物質7に暴露されるように、スクリュー11が製造装置底部の撹拌モーター12に連結されている。この撹拌モーター12で回転されるスクリュー11によって、合成樹脂ペレット10は、合成樹脂ペレットの移動経路14に従って循環する。すなわち、製造装置の底にある合成樹脂ペレット10−1が、合成樹脂ペレット10−2のように持ち上げられ、合成樹脂ペレット10−3で間欠的に蒸着され金属ナノ粒子が付着し、その後、一定の時間蒸着源に暴露されない合成樹脂ペレット10−4に至る。図1には、シャッター機構が配設されているが、必ずしもシャッター機構である必要はなく、精度よく合成樹脂ペレット10上に金属ナノ粒子が堆積されるように、合成樹脂ペレット10が蒸着物質7に暴露される時間を制御できる機構であれば、どのような方法でも採用することができる。例えば、イオン源2から放出されるイオンビームを直接制御する方法が挙げられる。そして、物理蒸着槽1全体の温度が、温度制御装置13によって管理される。
金属ナノ粒子が、被蒸着物質である合成樹脂ペレット表面上に生成する機構は定かではないが、次のように推測されている。一般的な蒸着やスパッタリング等の成膜機構の一様式であるVolmer−Weber(VW)成長、つまり、成長の初期段階から三次元的な島状の核が形成され,それらが蒸着量の増加とともに成長して合体しやがて連続的な膜となる「島状成長(Island Growth)様式」であって、蒸着物質と被蒸着物質の表面エネルギー、温度等様々なパラメーターによって、形成される膜の構造に差が生じる(非特許文献5)。上記金属ナノ粒子の製造装置は、VW成長の成膜初期に着目し、蒸着物質が合成樹脂ペレット上に連続して蒸着する蒸着時間が少なくとも0.2sec以下となるように制御し、合成樹脂ペレットを撹拌しながら蒸着を行えば、常に新しい合成樹脂ペレットの表面が蒸着物質に対して向けられるため、連続的な膜に至らず、3次元の海−島構造、すなわち、金属ナノ粒子が合成樹脂ペレット表面上に次々と生成していくものと考えられる。
本発明の金属ナノ粒子を堆積する合成樹脂ペレットは、金属ナノ粒子の粒子径分布を狭くするためには、130℃以下に抑える必要があり、物理蒸着槽1の温度制御装置13で雰囲気温度を130℃以下に管理する。その雰囲気温度の下限値は、25℃程度の常温でよく、特別に冷却する必要はない。この金属ナノ粒子の粒子径分布が狭くなる原因は定かではないが、既に述べたとおりである。
具体的には、図1に示した物理蒸着槽1内に、3〜5mm程度の粒状のLDPE又はPPの合成樹脂ペレット10を投入し、蒸着源3にCuを備え付ける。次いで、物理蒸着槽1の真空度が1×10−4〜1torrになるように真空排気系9から排気しながら、不活性ガス導入系8から不活性ガスArを物理蒸着槽1内に導入する。真空度が安定したら、回転モーター6及び撹拌モーター12でシャッター4及びスクリュー11を回転させながら、蒸着源3のCuを合成樹脂ペレット10に対し、0.1重量%となるまで単位面積当たり1Å〜10μm/分の速度で蒸発させ、Cuナノ粒子を合成樹脂ペレット上に堆積する。この蒸発速度は、固定された平面基板上において蒸発させ、一般的な重量法で予め予備実験において設定する。そして、この蒸発速度に対し、蒸着物質7であるCuが合成樹脂ペレット10上に連続して蒸着する蒸着時間が少なくとも0.2sec以下であるようにシャッター4のスリット5の形状に応じた回転速度とする。
このようにして製造されたCuナノ粒子は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用い、JIS H 7804:2005に準拠して、撮影倍率500,000倍で観察した約500個の粒子から平均粒子径を求めた。図3には、Cuナノ粒子を担持したLDPEペレットを用い、後述するインフレーション成形で作製したフィルムのTEM写真の一例で、平均粒子径が約3.5nmであった。PPペレットを用いた場合も同様の結果が得られた。
そして、Cuナノ粒子担持LDPE及びPPペレットは、そのまま、図4に示す一般的なインフレーション成形機を用いて、膜厚20μmの筒状フィルムに成形した後、(図示していない)製袋加工機でボトムシール方式で包材を作製した。膜厚20μmという、インフレーション成形では極めて薄いフィルムであるが、ピンホールが入ることなく、表面平滑性及び透明性に優れたフィルムを作製することができた。
このように、インフレーション成形によるフィルムの製造が可能となったのは、本発明の実施例のCuナノ粒子の平均粒子径が3.5nmであることに起因する。これに対し、従来のAgイオン等をイオン交換した無機系抗菌剤は500〜10,000nmであるため、従来の無機系抗菌剤と樹脂ペレットとの混合物を原料として、インフレーション成形によってフィルムを製造することは、抗菌剤によるピンホールの発生のため困難であった。従って、延伸フィルムの製造も困難である。また、押出成形やT−ダイ法による膜厚が厚いフィルムやシートの場合にも、抗菌剤による表面粗度や透明性の問題が生じる。
以下、本発明の抗菌包材の抗菌効果を明らかにするために、市販されているLDPE及びPPのチャック式包材を比較例として用いた。市販のLDPE製チャック付き包材(a)及びCuナノ粒子担持LDPEペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(b)に、それぞれ、リンゴ、米飯、及び、豆腐を入れ、25℃で10日間、密封した状態で保管した後の状態を観察した。なお、市販包材はチャックで、抗菌包材は、ヒートシールで密封した。
市販のPP製チャック付き包材(c)及びCuナノ粒子担持PPペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(d)に、それぞれ、リンゴ及び食パンを入れ、25℃で10日間、密封した状態で保管した後の状態を観察した。なお、密封の仕方は同様である。
これらの結果を図5〜9に示す。図5〜7は、それぞれ、リンゴ、米飯、及び、豆腐を用いて、市販のLDPE製チャック付き包材(a)及びCuナノ粒子担持LDPEペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(b)を比較した結果である。図8及び9は、それぞれ、リンゴ及びパンを用いて、市販のPP製チャック付き包材(c)及びCuナノ粒子担持PPペレットを用いて製造したインフレーションフィルムを製袋加工した抗菌包材(d)を比較した結果である。
図から明らかなように、黒く変色しているところが腐食している部分であり、Cuナノ粒子担持LDPE及ぶPPペレットを用いて作製された抗菌包材は、市販のLDPE製包材及びPP製包材と比較して、腐食の進行が激減している。この効果は、Agナノ粒子担持合成樹脂ペレットを用いて行った同様の実験と同等の結果であり、高価な貴金属ナノ粒子ではなく、Cuのような安全で安価な金属ナノ粒子を用いることができることが明らかとなった。
以上より、本発明の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットは、粒子径が小さくて粒子径分布が狭いため、成形加工性、特に、フィルム成形加工性に優れ、抗菌性、表面粗度、及び、透明性に優れている合成樹脂製品を提供することができる。しかも、本発明により、従来の貴金属ではなく、Cuのように安全で安価な金属のナノ粒子を用いて、Cuの有する抗菌性、殺菌性、防カビ性等の効能を発揮できることも明らかとなった。
本発明は、実施例の熱可塑性樹脂に限定されず、PS系樹脂、PMMA系樹脂、ABS系樹脂、Ny系樹脂、PET系樹脂にも適用できるため、抗菌性、抗ウィルス性、殺菌性、除菌性、防カビ性等が要求される、日用雑貨品、家電製品、工業製品、繊維製品等あらゆる合成樹脂製品に適用できる。例えば、日用雑貨品としては、台所用品、浴用品、食品容器等、家電製品としては、冷蔵庫、洗濯機、エアコン、炊飯器、便器、電子機器等、工業製品としては、食品包装資材、食品用コンテナ、包装用フィルム、不織布、農業用フィルム等、繊維製品としては、フィルタ、ブラシ、カーペット、人工毛髪、衣料品等があげられるが、これらに限定されるものではない。
1 物理蒸着槽
2 イオン源
3 蒸着源
4 シャッター
5 スリット
6 回転モーター
7 蒸着物質
8 不活性ガス導入系
9 真空排気系
10 合成樹脂ペレット
11 スクリュー
12 撹拌モーター
13 温度制御装置
14 合成樹脂ペレットの移動経路
15 樹脂ペレット
16 投入口
17 押田機
18 スクリュー
19 環状ダイ
20 空気孔
21 エアー
22 筒状フィルム
23 安定ロール
24 ニップロール
25 ガイドロール
26 巻取機

Claims (8)

  1. 蒸着法、イオンプレーティング法、及び、スパッタリング法のいずれか一つの物理蒸着法を用い、金属である蒸着源の熱分解した蒸着物質が、130℃以下の雰囲気下で、被蒸着体である合成樹脂ペレット上に連続して蒸着する蒸着時間が少なくとも0.2sec以下となるように制御され、前記合成樹脂ペレット上に間欠的に堆積されることを特徴とする金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法。
  2. 前記合成樹脂ペレットとして、球状又は円柱状の合成樹脂ペレットを用いることを特徴とする請求項1に記載の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法
  3. 前記金属として、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、及び、これらの金属から少なくとも二種以上を含有する合金から選択される少なくとも一種を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法
  4. 前記金属ナノ粒子の平均粒子径が1〜50nmとなるように制御されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法
  5. 前記金属ナノ粒子が、前記合成樹脂ペレットに対して、0.005〜0.5重量%堆積するように制御されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法
  6. 前記合成樹脂ペレットが、熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法
  7. 前記熱可塑性樹脂が、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ABS系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリスルフィド系樹脂、及び、フッ素樹脂から選択される少なくとも一種の合成樹脂ペレットであることを特徴とする請求項6に記載の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法
  8. 前記熱可塑性樹脂が、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリメチルメタクリレート系樹脂、ABS系樹脂、ポリエチレンテレフタレート系樹脂、及び、ナイロン系樹脂から選択される少なくとも一種の合成樹脂ペレットであることを特徴とする請求項7に記載の金属ナノ粒子担持合成樹脂ペレットの製造方法
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