JP6944778B2 - 機械振動伝達体 - Google Patents

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Description

本発明は、溶着する対象物に機械振動を伝達する機械振動伝達体(ホーン)に関するものであり、機械振動伝達体は、機械振動によって摩擦熱を発生させて対象物を溶着する溶着装置で使用される。より詳細には、本発明は、機械振動伝達体の寸法を特定の範囲に限定することによって、機械振動伝達体が長尺であっても、長尺方向に沿った機械振動分布を均一にすることができる機械振動伝達体に関する。
超音波である周波数範囲の機械振動を加えることによって、2つの(熱可塑性材料製などの)対象物を溶着する溶着装置が知られている。この溶着装置において、電気信号を圧電素子などの電気機械変換器に加えて機械振動を生成し、機械振動を必要に応じて増幅する。その後、機械振動共鳴体を形成する機械振動伝達体との接触を介して機械振動を対象物に伝達して、境界面を発熱させて2つの対象物を溶着する。
図1に、直方体の形状の機械振動伝達体1を示す。図1において、機械振動伝達体1の各辺の方向をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向とする。機械振動伝達体1は、XY面10、11と、YZ面12、13と、ZX面14、15とを有する。ここで、機械振動伝達体1のX軸方向の寸法をa、Y軸方向の寸法をc、Z軸方向の寸法をbとする。また、機械振動を伝達する方向をZ軸方向とする。さらに、機械振動伝達体1は、X軸方向の寸法aよりY軸方向の寸法cが長いものである(c>a)とする。すなわち、機械振動伝達体1は、Y軸方向に長尺であるとする(以降、長尺方向を長手方向とも称する)。
XY面10を機械振動入力表面として、機械振動が図示されていないブースタなどを用いてXY面10から機械振動伝達体1に入力されるものとする。入力された機械振動は機械振動伝達体1内を伝搬し、機械振動出力表面であるXY面11とXY面10との間で反射して、機械振動伝達体1内に定在波である機械振動を発生する。この機械振動は、XY面11との接触を介して、溶着する対象物に加えられる。
機械振動伝達体1の振動伝達方向であるZ軸方向の寸法bは、機械振動伝達体1の材料特性および機械振動の周波数などに応じる材料中の音速に基づき設定される。一例として、Z軸方向の寸法bは、機械振動伝達体1中を伝搬する音速の波長をλとすると、b≒λ/2、λ、3λ/2・・・であるように設定される。
一方、Z軸方向に対して垂直なX軸方向の寸法aおよびY軸方向の寸法cは、溶着装置の用途に応じて様々な値を取ることができる。例えば、溶着すべき対象物が熱可塑性材料製のフィルムであり、このフィルムの縁部を密封する用途では、細くかつ長い溶着面が望ましい。したがって、この場合、長いY軸方向の寸法cを必要とする。
しかしながら、長尺な機械振動伝達体を使用するとき、長尺方向に沿った振動分布が不均一になる課題が知られていた。すなわち、機械振動伝達体1の長手方向(Y軸方向)の寸法cが、λ/3を超えると、Y軸方向に沿った振動分布が不均一になる。ここで、λは、機械振動伝達体1中を伝搬する音速の波長である。振動分布が不均一になる原因は、振動伝達方向であるZ軸方向に伝搬する縦波に対する、振動伝達方向に対して垂直な方向に伝搬する横波の影響であると考えられる。この横波は、ZX面14、15における機械振動の反射によって生成されるものであると考えられる。機械振動伝達体1のY軸方向に沿った振動分布が不均一になり、すなわち、溶着する対象物と接触するXY面11においてY軸方向に沿って振動の腹(最大限の振幅で振動する部分)と振動の節(実質的に振動せず、ノーダル点に対応する部分)とが生成されると、振動の節で、機械振動が対象物に伝達されず、対象物を溶着できない箇所が生じる恐れがある。
長尺な機械振動伝達体における課題を、図2および図3を用いて説明する。これらの図は、短い場合(図2)および長い場合(図3)における、機械振動伝達体1のYZ面12の方向から見た変形形状および片振幅ベクトルを示す。これらの図は、有限要素法を用いた解析結果に基づくものであり、機械振動伝達体1の材料をSTEEL製とし、かつ振動の周波数を40kHzであるとした。なお、機械振動伝達体1の変形形状は、実際より変形を強調している。また、矢印20は、振動変位の大きさおよび方向を表す片振幅ベクトルである。さらに、向きを明瞭にするためにY軸およびZ軸を追加した。
図2および図3に示される機械振動伝達体1のYZ面12の方向から見たXY面10および11は、機械振動伝達体1の外部に向かって最大限に凸状に変形した瞬間の形状である。なお、XY面10および11は、示される振動の瞬間とは反対位相の瞬間には、機械振動伝達体1の内部に向かって最大限に凹状に変形する。同様に、これらの図に示される機械振動伝達体1のYZ面12の方向から見たZX面14および15は、機械振動伝達体1の内部に向かって最大限に凹状に変形している。
重要なのは、溶着する対象物と接触する機械振動伝達体1のXY面11のZ軸方向に沿った変形形状である。図2および図3に示される解析結果では、機械振動伝達体1のYZ面12の方向から見たXY面11の縁部が、振動の節に対応し、中央部が、振動の腹に対応する。XY面11の寸法cが短い場合(図2)に比べ寸法cが長い場合(図3)には振動分布が不均一となる。これは、図3の部分21に示される、振動伝達方向(Z軸方向)に対して垂直なY軸方向に大きな成分を有する振動(横波)の影響であると考えられる。振動の腹における変形量が大きくなると、長手方向に沿った振動の節に対応する部分で、機械振動が対象物に十分に伝達されず、溶着不良に繋がる恐れがある。
そこで、溶着品質を向上させるために、横波の影響を低減するようZ軸方向にスロットを設ける技術が知られている。スロットの効果を、図4を用いて説明する。図4も、有限要素法を用いた解析結果に基づくものであり、図4に示される機械振動伝達体1は、スロット22が設けられたことを除いて、図3に示される機械振動伝達体1と同じ条件である。ただし、図4に示される機械振動伝達体1は、XY面10および11が、機械振動伝達体1の内部に向かって最大限に凹状に変形した瞬間の形状を示す。
図3と図4とを比較すると、スロット22を設けたことによって、XY面11におけるY軸方向に沿った振動分布がある程度均一になっていることが分かる。これは、ZX面14、15における反射によって生成される横波の影響が、スロット22によって低減された結果であると考えられる。例えば、図5に示されるように、スロット22によって、長手方向に寸法cを有する図4の機械振動伝達体1を、横波の影響が少ない半分の寸法c/2の2つの機械振動伝達体1’および1”に分断するようなものであると考えられる。長手方向に沿った振動分布を均一にするために機械振動伝達体にスロットを設ける技術の一例が、米国特許第3113225号明細書に記載されている。
スロットを設ける効果を示す別の例を図6および図7に示す。これらの図も、有限要素法を用いた解析結果に基づくものであり、機械振動伝達体1の材料および振動の周波数は図3および図4に示される例と同様である。図6および図7に示される例では、機械振動伝達体1の長手方向の寸法cが大幅に長い。また、図7に示される機械振動伝達体1には、4つのスロット22が設けられている。
図6に示される解析結果から、長尺でありかつスロットを設けない場合には、機械振動伝達体1のYZ面12の方向から見たXY面11には、Y軸方向に沿って、4つの振動の節および大きな3つの振動の腹が存在することが分かる。一方、機械振動伝達体1のYZ面12の方向から見たZX面14および15は、Z軸方向に沿って、2の振動の節および1つの振動の腹が存在することが分かる。また、図6の部分21には、Z軸方向に対して垂直なY軸方向に大きな成分を有する片振幅ベクトル20が示されている。ここで、問題となるのは、図6に示されるXY面11における長手方向に沿った振動の節および大きな振動の腹である。
一方、図7に示される機械振動伝達体1は、4つのスロット22が設けられたことを除いて、図6に示される機械振動伝達体1と同じ条件である。図6と図7とを比較すると、4つのスロット22を設けたことによって、機械振動伝達体1のYZ面12の方向から見たXY面11におけるY軸方向に沿った振動分布が、ある程度均一になっていることが分かる。
米国特許第3113225号明細書
機械振動伝達体1が長尺である場合に、スロット22を設けることによって、機械振動出力表面であるXY面11における長手方向に沿った振動分布をある程度均一にすることができる。しかしながら、スロットを設けたとしても振動分布の均一性はまだ十分なものではなく、さらにスロットに起因する課題もあった。
具体的には、図7に示されるスロット22直下のXY面11の部分24と、スロット22が設けられていない箇所に対応するXY面11の部分25とでは、Z軸方向におけるXY面11の変形量に差が生じており、振動分布の均一性がまだ不十分であった。さらに、スロットに起因する課題として、XY面10または11とスロット端部23との間の機械振動伝達体1に、応力が集中してクラック発生の危険性があるとの課題、および機械振動伝達体1にスロット22を加工するための工程が多く機械振動伝達体1の製造コストが上昇するとの課題があった。
本発明者らは、機械振動伝達体の寸法が振動分布に及ぼす影響を鋭意研究し、機械振動伝達体の寸法を特定の範囲に限定することによって、スロットを設ける必要なく長手方向に沿った振動分布を十分に均一にできることを見出した。
具体的には、本発明は、溶着する対象物に機械振動を伝達するために溶着装置で使用される機械振動伝達体であり、機械振動伝達体が、実質的に直方体の形状を有し、直方体の各辺の方向をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向とし、かつ直方体のX軸方向の寸法をa、Y軸方向の寸法をc、Z軸方向の寸法をbとするとき、機械振動伝達体が、XY面である機械振動入力表面および機械振動出力表面を備え、Z軸方向に機械振動を伝達し、かつY軸方向の寸法cがX軸方向の寸法aより長い(c>a)Y軸方向に長尺の機械振動伝達体であって、
機械振動伝達体内にはスロットが形成されず、かつX軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bとの比a/bが、a/b=1±0.1であり、ただしa=b=cの場合を除くことを特徴とする。
好ましくは、本発明に係る機械振動伝達体は、a/b=1であることを特徴とする。
さらに、本発明に係る機械振動伝達体は、XY面が、Y軸方向に延在しかつ機械振動伝達体から外方に突出する突出部を備えることを特徴とする。
加えて、本発明に係る機械振動伝達体は、XY面とYZ面との接続部にY軸方向に沿った面取り部を備えることを特徴とする。
本発明の機械振動伝達体は、寸法を特定の範囲に限定することによって、スロットを設ける必要なく長手方向に沿った振動分布を十分に均一化できるものであり、スロットを設けないため、スロットに起因する応力集中によるクラック発生の危険性は存在せず、さらにスロットの加工工程は不要であり、機械振動伝達体の製造コストを低減できるという格別な効果を奏することができるものである。
また、a/b=1の寸法を有する機械振動伝達体を用いると、長手方向に沿った振動分布を最も均一化することができる。
さらに、少なくとも機械振動出力表面に突出部を備えること、またはZX面にY軸方向に沿った面取り部を備えることによって、使用可能範囲を可視する事が出来る。
直方体の形状の機械振動伝達体を示す。 寸法cが短い場合の機械振動伝達体のYZ面の方向から見た変形形状を示す。 寸法cが長い場合の機械振動伝達体のYZ面の方向から見た変形形状を示す。 スロットが設けられた機械振動伝達体のYZ面の方向から見た変形形状を示す。 スロットを設けたことによる効果を説明する図である。 長尺でありかつスロットを設けない場合の機械振動伝達体のYZ面の方向から見た変形形状を示す。 長尺でありかつスロットを設けた場合の機械振動伝達体のYZ面の方向から見た変形形状を示す。 本発明による機械振動伝達体のYZ面およびZX面の方向から見た変形形状を示す。 従来技術による機械振動伝達体のYZ面およびZX面の方向から見た変形形状を示す。 実際に作製した機械振動伝達体の長手方向に沿った振動振幅の測定結果を示す。 機械振動伝達体のXY面にY軸方向に延在しかつ外方に突出する突出部を備える実施形態を示す。 図11の機械振動伝達体のYZ面およびZX面の方向から見た変形形状を示す。 XY面とYZ面との接続部にY軸方向に沿った面取り部を備える実施形態を示す。 図13の機械振動伝達体のYZ面およびZX面の方向から見た変形形状を示す。 XY面内の溶着に使用する領域を示す。
以下、本発明の実施の形態を図8〜図15に基づいて説明する。
図8および図9は、有限要素法を用いた解析結果に基づく、ある瞬間の機械振動伝達体1のYZ面12およびZX面14の方向から見た変形形状、ならびにその瞬間の片振幅ベクトル20を示す。これらの図に示される機械振動伝達体1は、STEEL製とし、振動の周波数を40kHzとした。なお、図8にY軸およびZ軸を追加し、かつ図9にX軸およびZ軸を追加した。さらに、XY面11における振動の腹を11’で示し、かつXY面11における振動の節を11”で示した。
図8は、本発明による機械振動伝達体1であり、機械振動伝達体1の寸法は、特定の範囲に限定されている。具体的には、機械振動伝達体1のX軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bとの比a/bが1である。詳細には、図8に示される機械振動伝達体1は、X軸方向の寸法aが56mmであり、Z軸方向の寸法bが56mmであり、Y軸方向の寸法cが156mmである。一方、図9は、従来技術による機械振動伝達体1であり、機械振動伝達体1の寸法は、本発明において限定されている特定の範囲外にある。具体的には、上述の比a/bが0.89である。詳細には、図9に示される機械振動伝達体1は、X軸方向の寸法aが50mmであり、Z軸方向の寸法bが56mmであり、Y軸方向の寸法cが156mmである。
図8に示される本発明による機械振動伝達体1は、図8の右側に示されるZX面14の方向から見ると、X軸方向のXY面11の中央部が振動の腹11’に対応し、両端部が振動の節11”に対応する。図8の左側に示されるYZ面12の方向から見ると、Y軸方向に沿った機械振動伝達体1のXY面11の振動の腹11’は、ほぼ直線状である。すなわち、機械振動伝達体1のXY面11の振動の腹11’の変形量は、Y軸方向に沿ってほぼ一定である。一方、図8の右側に示されるZX面14の方向から見ると、機械振動伝達体1のYZ面12および13のZ軸方向の中央部が、振動の腹に対応して機械振動伝達体1の内部に向かって凹状に変形し、両端部が、振動の節に対応することが分かる。
機械振動伝達体1の溶着品質に影響を及ぼすのは、Y軸方向に沿ったXY面11の変形形状である。図8の右側に示されるXY面11の振動の腹11’は、ある瞬間には機械振動伝達体1の外部に向かって凸状に変形し、反対位相の瞬間には、機械振動伝達体1の内部に向かって凹状に変形する。したがって、XY面11の振動の腹11’は、ある瞬間には溶着されるべき対象物と接触し、反対位相の瞬間には溶着されるべき対象物から離間する。すなわち、XY面11の振動の腹11’は、溶着されるべき対象物との接触および離間を繰り返す。対象物と接触するときには、図8の左側に示されるように、Y軸方向に沿った変形量がほぼ一定であり、対象物の溶着すべき全ての部分と接触する。したがって、図8に示される本発明による機械振動伝達体1は、溶着不良を生じることなく、良好な溶着品質を提供できる。
それに対して、従来技術の機械振動伝達体1は、図9の左側に示されるYZ面12の方向から見ると、機械振動伝達体1のXY面11には、Y軸方向に沿って、4つの振動の節11”および大きな3つの振動の腹11’が存在することが分かる。したがって、機械振動伝達体1のXY面11のY軸方向に沿った振動の節11”において、対象物に接触せず、溶着不良を生じることになる。
図8および図9に示される解析結果から、本発明によるX軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bとの比a/bを1に特定した機械振動伝達体によって、スロットを設ける必要なく、長手方向に沿った振動分布を十分に均一にできることが分かる。ただし、本発明において、XY面11の全体ではなく中央部だけを用いるため、溶着の際に使用する溶着面の面積は狭くなる。図15に示したように、XY平面内のa寸法に対し溶着に使用する寸法a’がa’/a=30%の範囲にて溶着部の振動分布率が90%以上を確保できる。なお、振動分布率とは、所定の領域における振幅の最小値を最大値で割った値を示す。また、X軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bとの比a/bが1であり、機械振動伝達体1に入れた振動振幅と出る振動振幅との比であるホーンゲインは1:1に限定される。
なお、図8に示される機械振動伝達体1は、X軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bとが等しいとき、すなわちa/b=1のときの例であり、この寸法の場合に、長手方向に沿った振動分布を最も均一化することができる。しかしながら、a/b=1±0.1の範囲の寸法を有する機械振動伝達体1でも、長手方向に沿った振動分布の満足できる均一性が得られる。したがって、a/bの値は、1±0.1であっても良い。ただし、機械振動伝達体1が立方体の場合、すなわちa=b=cの場合には、満足できる機械振動分布の均一性を得ることができないため、この場合を除くものとする。
なお、図8に示される機械振動伝達体1は、STEEL製の場合であるが、本発明において、機械振動伝達体の材料として、アルミニウム、チタンなどを用いることができる。さらに、周波数も40kHzに限らず、15kHz〜60kHzなどの周波数を用いることができる。
図10に、実際に作製した機械振動伝達体1のXY面11において5箇所で測定した振動の振幅を示す。なお、機械振動伝達体1は、図8に示される機械振動伝達体と同じ寸法および材料であり、同じ周波数で振動させた。なお、図10には、機械振動伝達体1の機械振動入力表面であるXY面10に配置され、機械振動を機械振動伝達体1に加える2つのコンバータ30およびブースタ31が示されている。156mmにわたる長手方向に沿って5箇所で測定された振幅は、最大値が8.45μmであり、最小値が8.2μmであった。したがって、振幅の最小値を最大値で割った振動分布率は、8.2/8.45で97%となる。したがって、本発明による機械振動伝達体1により、長手方向に沿って十分に均一な振動分布が得られることが実証された。
図11〜図14に本発明による機械振動伝達体1の他の実施形態を示す。
図11は、機械振動伝達体1のXY面10および11に突出部40を備える実施形態を示す。突出部40は、Y軸方向に沿って延在し、XY面10および11の中央部から機械振動伝達体1の外方に突出する。突出部40の厚みeは、例えば0.5mm〜数mm程度である。XY面11に設けられる突出部40は、溶着する対象物に接触する溶着面となる。図12に、有限要素法を用いた解析結果に基づく、図11に示される機械振動伝達体1のある瞬間のYZ面12およびZX面14の方向から見た変形形状、ならびにその瞬間の片振幅ベクトル20を示す。図12から、図11に示される機械振動伝達体1のXY面11におけるY軸方向に沿った振動分布がより均一であることが分かる。
図13は、機械振動伝達体1のXY面10、11とYZ面12、13との接続部にY軸方向に沿った4つの面取り部41を備える実施形態を示す。図14における寸法fは、X軸方向の寸法a(あるいはZ軸方向の寸法b)の1/10程度である(f=a/10またはf=b/10)。図14に、有限要素法を用いた解析結果に基づく、図13に示される機械振動伝達体1の振動状態のある瞬間のYZ面12およびZX面14の方向から見た変形形状、ならびにその瞬間の片振幅ベクトル20を示す。図14から、図13に示される機械振動伝達体1のXY面11におけるY軸方向に沿った振動分布がより均一であることが分かる。
なお、機械振動伝達体1の長手方向(Y軸方向)の寸法cをより長くするために、図9に示されるようなコンバータ30およびブースタ31を多数個設けても、機械振動伝達体1のX軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bと比a/bを、a/b=1±0.1に限定することによって、XY面11における長手方向の振動分布を均一にすることができる。
1 機械振動伝達体
10、11 XY面
12、13 YZ面
14、15 ZX面
11’ 振動の腹
11” 振動の節
20 片振幅ベクトル
22 スロット
23 スロット端部
30 コンバータ
31 ブースタ
40 突出部
41 面取り部
a X軸方向の寸法
b Z軸方向の寸法
c Y軸方向の寸法

Claims (4)

  1. 溶着する対象物に機械振動を伝達するために溶着装置で使用される機械振動伝達体であり、前記機械振動伝達体が、実質的に直方体の形状を有し、前記直方体の各辺の方向をX軸方向、Y軸方向、およびZ軸方向とし、かつ前記直方体のX軸方向の寸法をa、Y軸方向の寸法をc、Z軸方向の寸法をbとするとき、前記機械振動伝達体が、XY面である機械振動入力表面および機械振動出力表面を備え、Z軸方向に機械振動を伝達し、かつY軸方向の寸法cがX軸方向の寸法aより長い(c>a)Y軸方向に長尺の機械振動伝達体であって、
    XY面である機械振動出力表面は、直方体の一平面であり、機械振動出力表面は、振動時、YZ面に直交する方向から見ると、直線状であり、前記機械振動伝達体内にはスロットが形成されず、かつX軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bとの比a/bが、a/b=1±0.1であり、ただしa=b=cの場合を除くことを特徴とする、機械振動伝達体。
  2. 機械振動伝達体のX軸方向の寸法aとZ軸方向の寸法bとの比a/bが、a/b=1であることを特徴とする、請求項1に記載の機械振動伝達体。
  3. 機械振動伝達体のXY面が、Y軸方向に延在しかつ機械振動伝達体から外方に突出する突出部を備えることを特徴とする、請求項1または2に記載の機械振動伝達体。
  4. 機械振動伝達体のXY面とYZ面との接続部にY軸方向に沿った面取り部を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の機械振動伝達体。
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