JP6944393B2 - プラント状態評価システム、プラント状態評価方法、及びプログラム - Google Patents

プラント状態評価システム、プラント状態評価方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、プラント状態評価システム、プラント状態評価方法、及びプログラムに関する。
特許文献1には、診断対象から収集した時系列データに基づいて対象の状態を診断する診断装置において、設定パラメータに基づいて時系列データを分類するための前処理を実行して前処理データを生成し、前処理データをデータの類似性に応じて分類した分類結果を生成し、分類結果を分類結果の特徴量の経時変化パターンに応じて評価した評価結果を生成し、評価結果が所望の値となるように前処理で用いる設定パラメータを調整することが記載されている。
特開2017−117034号公報
ところで、プラントの状態を評価するために、計測値のデータ分布から統計的に算出した閾値を用いることがある。しかし、計測値のデータ分布が変化した場合に、それに応じて単純に閾値を調整すると、プラントの状態を正確に評価できないおそれがある。
計測値のデータ分布は、主にプラントの操業変化と設備変化の2つの要因によって変化する。このうち、操業変化の場合は閾値を調整すべきでないが、設備変化の場合は閾値を調整すべきである。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、プラントの設備変化による影響を検知することが可能なプラント状態評価システム、プラント状態評価方法、及びプログラムを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の一の態様のプラント状態評価システムは、プラントの状態を計測した複数の計測値の時系列データを取得する取得手段と、前記複数の計測値のうちの1の計測値の時系列データから前記1の計測値の代表値を算出する算出手段と、前記複数の計測値のうちの前記1の計測値を目的変数、他の計測値を説明変数とするモデルを用い、前記他の計測値の時系列データのうちの前記プラントの設備変化がない期間における時系列データから、前記1の計測値の代表値に含まれる前記プラントの操業変化に係る成分を推定する推定手段と、前記1の計測値の代表値と前記プラントの操業変化に係る成分との差分を算出する減算手段とを備える。
また、本発明の他の態様のプラント状態評価方法は、プラントの状態を計測した複数の計測値の時系列データを取得し、前記複数の計測値のうちの1の計測値の時系列データから前記1の計測値の代表値を算出し、前記複数の計測値のうちの前記1の計測値を目的変数、他の計測値を説明変数とするモデルを用い、前記他の計測値の時系列データのうちの前記プラントの設備変化がない期間における時系列データから、前記1の計測値の代表値に含まれる前記プラントの操業変化に係る成分を推定し、前記1の計測値の代表値と前記プラントの操業変化に係る成分との差分を算出する。
また、本発明の他の態様のプログラムは、プラントの状態を計測した複数の計測値の時系列データを取得する取得手段、前記複数の計測値のうちの1の計測値の時系列データから前記1の計測値の代表値を算出する算出手段、前記複数の計測値のうちの前記1の計測値を目的変数、他の計測値を説明変数とするモデルを用い、前記他の計測値の時系列データのうちの前記プラントの設備変化がない期間における時系列データから、前記1の計測値の代表値に含まれる前記プラントの操業変化に係る成分を推定する推定手段、及び、前記1の計測値の代表値と前記プラントの操業変化に係る成分との差分を算出する減算手段としてコンピュータを機能させる。
本発明によれば、プラントの設備変化による影響を検知することが可能となる。
実施形態に係るプラント状態評価システムの構成例を示す模式図である。 高炉の構成例を示す模式図である。 プラント状態評価装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。 プラント状態評価装置において実行される処理例を示すフロー図である。 ヒストグラムの作成及び正規化値の算出を説明するための図である。 閾値設定処理の第1例を示すフロー図である。 代表値の推移及び操業変化成分の推定を説明するための図である。 閾値設定処理の第2例を示すフロー図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
以下に説明する実施形態では、高炉をプラントの例として挙げて説明するが、本発明の適用対象はこれらに限定されるわけではなく、高炉以外のプラントを適用対象とすることも可能である。
[システム構成例]
図1は、実施形態に係るプラント状態評価システム1の構成例を示す模式図である。プラント状態評価システム1は、高炉10及びプラント状態評価装置100を備えている。高炉10は、連続して銑鉄を生産するために、鉄鉱石と共に炉内に装入されたコークスを燃焼させる熱処理プロセスを継続的に実行する。
高炉10には、温度センサ11、圧力センサ12及び流量センサ13等の高炉10の状態を計測する複数のセンサが設けられている。プラント状態評価装置100は、これらのセンサから計測信号を受信する、又は、これらのセンサが計測した計測値の情報を他の装置から取得してもよい。
図2は、高炉10の構成例を示す模式図である。高炉10は、外側を鋼板製の鉄皮2で覆い、内側を耐火物3で内張りした竪型円筒状の炉体を有している。炉体は、上部から下方に向かって下広がりになっており、上からシャフト部16、ベリー部17、ボッシュ部18、炉床部19を有している。炉床部19の側壁には、炉内に熱風や微粉炭を吹き込む羽口4と、銑鉄Sを取り出す出銑口5とが設けられている。
高炉10では、上部から鉄鉱石、コークス、石灰石などの炉内装入物を層状となるように投入し、羽口4から熱風を吹込んで、鉄鉱石の還元、溶解等の一連の反応を行わせることで、銑鉄Sを製造している。
高炉10の操業中には、「吹き抜け」と呼ばれる事象が発生する可能性がある。吹き抜けとは、通気性が悪化した高炉10内において、比較的通気性の良い部分にガスが偏って流通し、高温ガスが炉頂より放出される現象である。
吹き抜けが生じると、固体とガスとの熱交換が十分に行われなくなるため、ガスが高温のまま直接、高炉10上部へ行くこととなり、銑鉄Sの温度低下などが発生し、銑鉄Sの製造が正常に行われないことになる。それ故、吹き抜けが発生する可能性を予測することは高炉10の安定操業の観点から非常に重要である。
そこで、本実施形態では、プラント状態評価装置100が、高炉10に設けられたセンサ11〜13が計測した計測値に基づいて吹き抜け発生の可能性を評価する。
図3は、プラント状態評価装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。プラント状態評価装置100は、例えばサーバコンピュータ等のコンピュータによって構成されている。
プラント状態評価装置100は、本体300、入力部400及び表示部500を備えている。本体300は、CPU301、ROM302、RAM303、読出装置304、ハードディスク305、入出力インタフェース306及び画像出力インタフェース307を備えており、これらはバスに接続されている。
CPU301は、RAM303にロードされたコンピュータプログラムを実行する。そして、プラント状態評価用のコンピュータプログラムであるプラント状態評価プログラム310を当該CPU301が実行することにより、コンピュータがプラント状態評価装置100として機能する。
RAM303は、ハードディスク305に記録されているプラント状態評価プログラム310がロートされる。また、RAM303は、CPU301がコンピュータプログラムを実行するときに、CPU301の作業領域として利用される。
ハードディスク305は、オペレーティングシステム及びアプリケーションプログラム等、CPU301に実行させるための種々のコンピュータプログラム及び当該コンピュータプログラムの実行に用いられるデータがインストールされている。プラント状態評価プログラム310も、このハードディスク305にインストールされている。
プログラムは、読出装置304により例えば光ディスク等の情報記憶媒体から読み出され、ハードディスク305に供給される。また、プログラムは、インターネット等の通信線を介して提供されてもよい
また、ハードディスク305には、計測値データベース(計測値DB)340が設けられている。計測値DB340は、過去に温度センサ11、圧力センサ12及び流量センサ13等の複数のセンサによって計測された多次元時系列データを記憶する。計測値DB340は、プラント状態評価装置100とは別のサーバコンピュータ内に構築されていてもよい。
入出力インタフェース306には、キーボード及びマウスからなる入力部400が接続されている。また、入出力インタフェース306には、上述した温度センサ11、圧力センサ12及び流量センサ13等の複数のセンサが接続されており、これらのセンサから出力される検出信号を受信する。
画像出力インタフェース307は、LCDまたはCRT等で構成された表示部500に接続されており、CPU301から与えられた画像データに応じた映像信号を表示部500に出力する。表示部500は、入力された映像信号にしたがって、画像(画面)を表示する。
[プラント状態評価]
図4は、プラント状態評価装置100において実行される処理例を示すフロー図である。プラント状態評価装置100のCPU301がRAM303に記憶されたプラント状態評価プログラム310に従って情報処理を実行することによって、同図に示す処理例が実現する。
まず、CPU301は、計測値DB340から計測値の時系列データを取得する(S11:取得手段としての処理)。本ステップで取得される計測値は、評価に用いられる計測値(「1の計測値」の例)であり、本実施形態では高炉10における所定高さの最大温度である。具体的には、評価に用いられる計測値の時系列データは、所定期間(例えば1日)ごとに計測値から算出される特徴量(例えば平均値)の時系列データである。
高炉10における所定高さの最大温度は、高炉10に設けられた温度センサ11により計測される。具体的には、高炉10の炉壁には、ステーブと呼ばれる水冷金物が埋設してあり、このステーブの温度をもって高炉10の温度としている。
次に、CPU301は、閾値設定処理を実行する(S12)。閾値は、高炉10の状態を評価するために用いられる閾値である。閾値設定処理については後述する。
次に、CPU301は、計測値のデータ分布を閾値で正規化する(S13)。具体的には、CPU301は、図5(a)に示すように計測値の特徴量のヒストグラム(度数分布)を作成し、作成したヒストグラムに閾値を適用して、図5(b)に示すように正規化値を生成する。
図5では、計測値が大きくなるほど炉況が悪くなり、計測値が小さくなるほど炉況が良くなる場合を示している。正規化値は、1に近いほど炉況が悪くなり、0に近いほど炉況が良くなるように設定される。炉況が悪くなるとは、吹き抜けが発生する可能性が高まることに相当する。
データ分布の作成に用いられるデータは、現時点から過去に遡った所定期間(以下、評価期間という)に含まれるデータである。計測値の時系列データのうちの評価期間内のデータが、データ分布を作成するために抽出される。
第1閾値は、例えばデータ分布の中央値(累積50%の値)が用いられる。この第1閾値は、上記S12の閾値設定処理において調整される閾値である(詳細は後述する)。これに限らず、閾値は、例えば平均値、最頻値又は分位値などであってもよい。
第2閾値は、例えばデータ分布の累積a%の値が用いられる。a%は、例えば過去の事例で吹き抜けの予測精度が最も良くなるように予め定められる。a%は、例えば90〜99.5%程度となる。
正規化値は、例えば、第1閾値以下では0となり、第2閾値以上では1となり、第1閾値と第2閾値との間では計測値の増加に伴って0から1まで線形的に増加するように生成される。
このように生成される正規化値は、0から1までの値によって高炉10の炉況を表す指標として利用される。すなわち、正規化値は、吹き抜けを予測するための指標となる。
図4の説明に戻り、その後、CPU301は、正規化値によって高炉10の状態を評価する(S14)。ここでは、現在の計測値に対応する正規化値が0に近いほど吹き抜けが発生する可能性が低く、1に近いほど吹き抜けが発生する可能性が高いと評価される。現在の計測値に対応する正規化値を表示部500や他の装置などに出力してもよい。
[閾値について]
ところで、上記のように計測値のデータ分布から算出した閾値(第1閾値)を利用する場合において、計測値のデータ分布が変化したときに、それに応じて単純に閾値を変更してしまうと、高炉10の状態を正確に評価できないおそれがある。
計測値のデータ分布は、主に高炉10の操業変化と設備変化の2つの要因によって変化する。操業変化は、高炉10の操業中に制御される条件、例えば原料、送風流量、コークス比等の変化のことである。設備変化は、高炉10の設備、例えばセンサの変更や経年劣化のことである。このうち、操業変化の場合は閾値を調整すべきでないが、設備変化の場合は閾値を調整すべきである。
例えば、生産量を増やす等の目的で多少厳しめの条件で操業を行う場合、計測値のデータ分布は炉況悪の側に変化するが、実際に吹き抜けが発生する真の閾値まで変化する訳ではない。このため、データ分布の変化に併せて閾値を変更すると、閾値が真の閾値よりも大きくなり、吹き抜けを予測し切れないおそれがある。
また、多少緩めの条件で操業を行う場合には、計測値のデータ分布は炉況良の側に変化するが、実際に吹き抜けが発生する真の閾値まで変化する訳ではないため、データ分布の変化に併せて閾値を変更すると、閾値が真の閾値よりも小さくなり、吹き抜けを過度に予測してしまうおそれがある。
一方、センサ等の設備変化があった場合には、計測値に直接影響が及び、計測値のデータ分布が変化すると、実際に吹き抜けが発生する真の閾値まで変化するため、データ分布の変化に併せて閾値を変更する必要がある。
以上より、適正な閾値を得るためには、設備変化によるデータ分布の変化を検知する必要があるが、設備変化によるデータ分布への影響は多種多様であり、これを直接的に検知することは困難である。
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、計測値のデータ分布の代表値に含まれる操業変化成分をモデルにより推定し、代表値から操業変化成分を差し引くことで設備変化成分に相当する値を求め、閾値の調整に利用している。
[閾値設定の第1例]
図6は、閾値設定処理(S12)の第1例を示すフロー図である。
まず、CPU301は、評価期間における計測値のデータ分布を作成する(S21)。評価期間における計測値のデータ分布の作成は、上記S13及び図5(a)で説明したとおりである。
次に、CPU301は、計測値のデータ分布の代表値を算出する(S22:算出手段としての処理)。代表値は、例えば中央値である。代表値の算出は、上記S13及び図5(a)で説明した第1閾値の算出と同様であることが好ましい。これに限らず、代表値は、例えば平均値、最頻値又は分位値などであってもよい。
次に、CPU301は、代表値に含まれる操業変化成分をモデルにより推定する(S23:推定手段としての処理)。操業変化成分は、代表値に含まれる高炉10の操業変化に係る成分であり、操業中に制御される条件(例えば原料、送風流量、コークス比等)に応じて変化する成分である。
操業変化成分の推定は、代表値を算出した計測値(本実施形態では、高炉10における所定高さの最大温度)とは異なる他の計測値の時系列データに基づいて行われる。他の計測値の時系列データは、本ステップで計測値DB340から取得されてもよいし、上記S11で予め取得されてもよい。具体的には、操業変化成分の推定に用いられる他の計測値の時系列データも、所定期間(例えば1日)ごとに計測値から算出される特徴量(例えば平均値)の時系列データである。
本実施形態では、他の計測値として、圧力変動、送風流量及びコークス比等が用いられる。ここでは、原料が圧力変動に影響を与えると考え、原料の代わりに圧力変動を用いている。圧力変動及び送風流量は、高炉10に設けられた圧力センサ12及び流量センサ13によりそれぞれ計測される。コークス比は、高炉10に投入したコークス量から計測される。
操業変化成分の推定に用いられるデータは、設備変化がない過去の所定期間(以下、回帰期間という)に含まれるデータである。他の計測値の時系列データのうちの回帰期間内のデータが、操業変化成分を推定するために抽出される。設備変化があった日時の情報は計測値DB340等に記憶されている。
図7に示すように、回帰期間は、高炉10の設備変化の時点を含まないように設定される。図示の例では、回帰期間と評価期間とが択一的に設けられているが、これに限らず、回帰期間と評価期間が一部重複してもよいし、互いに離れていてもよい。
操業変化成分の推定は、代表値を算出した計測値(本実施形態では、高炉10における所定高さの最大温度)を目的変数とし、他の計測値(本実施形態では、圧力変動、送風流量及びコークス比)を説明変数とするモデルを用いて行われる。
以下の説明では、モデル化方法の例として線形回帰を挙げるが、モデル化方法はこれに限られない。モデル化方法には深層学習など様々な方法がある。
モデル化の計算に用いられるデータは、例えば日刻みのデータである。毎秒又は毎分のデータの場合は、計算時間短縮のために平均値又は中央値などの1日代表値を使用してよい。データの時間刻みはこれに限らず、計算リソースが潤沢にあればより短い刻み幅にしてもよい
説明変数としては圧力変動、送風流量、コークス比の3項目であるが、定数項や過去データの影響を考え、数日前のデータを説明変数として加えて7次元や10次元などで回帰してもよい。ここでは、当日、10日前、20日前のデータと定数項を加えた10次元での回帰で説明する。
線形回帰は、下記数式のように最小二乗法に基づいて行った。
Figure 0006944393
ここで、yはデータ分布の代表値であり、a,b,cはそれぞれ操業変化変数(圧力変動、送風流量、コークス比)であり、kは算出する係数である。t1〜tnが回帰期間であり、例えばt−5やt0はそれぞれ回帰期間初日の6日前、1日前を表す。
図7には、最小二乗法による回帰で得られる回帰データ(操業変化成分に相当)と、代表値の推移との関係を示している。回帰期間においては、多少の誤差は残るものの回帰データが代表値の推移を概ね再現できている。その後の評価期間に回帰モデルを外装すると、回帰データは暫くは代表値を再現しているものの、設備変更のタイミングを境に回帰データと代表値とが乖離していく。これは、設備変化により代表値が操業変化で説明できないほど大きく変化したためである。
図6の説明に戻り、次に、CPU301は、代表値と操業変化成分との差分を算出する(S24:減算手段としての処理)。代表値と操業変化成分との差分は、設備変化成分に相当する。設備変化成分は、代表値に含まれる高炉10の設備変化に係る成分であり、高炉10の設備、例えばセンサの変更当によって変化する成分である。このようにして、設備変化に起因するデータ分布の変化を検知することができる。
次に、CPU301は、算出した差分を用いて閾値を調整する(S25及びS26:調整手段としての処理)。具体的には、CPU301は、仮閾値を算出し(S25)、仮閾値に差分を加算することで閾値を算出する(S26)。ここで、仮閾値は、高炉10の状態の評価に使用している閾値であってもよいし、任意のタイミング(例えば回帰期間の始まり又は終わり)における代表値であってもよい。
その後、CPU301は、上記図4に示す処理に戻り、調整された閾値を用いて計測値のデータ分布を正規化し、正規化値を用いて高炉10の状態を評価する(S13,S14)。本実施形態によれば、閾値の調整を定期的に繰り返すことによって、高炉10の状態の評価を長期間に渡って高精度に行うことが可能となる。
上記S25及びS26において、CPU301は、差分が所定の大きさを超えるか否かを判定し、差分が所定の大きさを超える場合には閾値を調整し、差分が所定の大きさ以下である場合には閾値を調整しないようにしてもよい。このように閾値を調整しない不感帯を設けておくことで、操業変化成分の推定精度が悪い場合に閾値が調整されないようにすることができる。
なお、評価に用いられる計測値が複数ある場合は、それぞれの計測値について同様の処理が実行され、閾値が調整される。また、設備変化の影響を受けない計測値が存在する場合には、データ分布が変化しても閾値を変えないように予め設定してもよいし、操業変化の影響を受けない計測値が存在する場合には、操業変化成分を推定せずに、データ分布の変化に応じて閾値を変えるように予め設定してもよい。
[閾値設定の第2例]
図8は、閾値設定処理(S12)の第2例を示すフロー図である。上記第1例と重複するステップについては、同番号を付すことで詳細な説明を省略する。
CPU301は、S24において差分を算出すると、差分が所定の大きさを超えたか否かを判定する(S35:判定手段としての処理)。
差分が所定の大きさを超えた場合(S35:YES)、CPU301は、閾値を調整すべき旨をユーザに通知する(S36:通知手段としての処理)。通知は、例えば表示部500にメッセージを表示することによって行われる。次に、CPU301は、ユーザによる閾値の調整を受け付けると(S37)、閾値設定処理を終了する。ユーザによる閾値の調整は、例えば入力部400で受け付けられる。
一方、差分が所定の大きさ以下である場合には(S35:NO)、CPU301は、ユーザによる閾値の調整を受け付けずに、閾値設定処理を終了する。
このように、差分が所定の大きさを超えた場合に閾値を調整すべき旨をユーザに通知することで、ユーザは閾値の調整に適したタイミングを知ることが可能となる。また、差分が所定の大きさを超えるまで閾値を調整すべき旨をユーザに通知しないように不感帯を設けておくことで、操業変化成分の推定精度が悪い場合まで通知されないようにすることができる。
1 プラント状態評価システム、10 高炉、11 温度センサ、12 圧力センサ、13 流量センサ、16 シャフト部、17 ベリー部、18 ボッシュ部、19 炉床部、2 鉄皮、3 耐火物、4 羽口、5 出銑口、100 プラント状態評価装置、301 CPU、310 プラント状況評価プログラム、340 計測値データベース

Claims (13)

  1. プラントの状態を計測した複数の計測値の時系列データを取得する取得手段と、
    前記複数の計測値のうちの1の計測値の時系列データから前記1の計測値の代表値を算出する算出手段と、
    前記複数の計測値のうちの前記1の計測値を目的変数、他の計測値を説明変数とするモデルを用い、前記他の計測値の時系列データのうちの前記プラントの設備変化がない期間における時系列データから、前記1の計測値の代表値に含まれる前記プラントの操業変化に係る成分を推定する推定手段と、
    前記1の計測値の代表値と前記プラントの操業変化に係る成分との差分を算出する減算手段と、
    を備えるプラント状態評価システム。
  2. 前記差分を用い、前記プラントの状態を評価するために用いられる前記1の計測値についての閾値を調整する調整手段をさらに備える、
    請求項1に記載のプラント状態評価システム。
  3. 前記調整手段は、前記閾値に前記差分を加算した値を新たな閾値とする、
    請求項2に記載のプラント状態評価システム。
  4. 前記調整手段は、前記差分が所定の大きさを超える場合に前記閾値を調整する、
    請求項2又は3に記載のプラント状態評価システム。
  5. 前記差分に基づき、前記プラントの状態を評価するために用いられる前記1の計測値についての閾値を調整すべきか否かを判定する判定手段をさらに備える、
    請求項1に記載のプラント状態評価システム。
  6. 前記判定手段は、前記差分が所定の大きさを超える場合に前記閾値を調整すべきと判定する、
    請求項5に記載のプラント状態評価システム。
  7. 前記閾値を調整すべき旨をユーザに通知する通知手段をさらに備える、
    請求項5又は6に記載のプラント状態評価システム。
  8. 前記代表値は、中央値、平均値、最頻値及び分位値の何れかである、
    請求項1乃至5の何れかに記載のプラント状態評価システム。
  9. 前記プラントは高炉であり、
    前記閾値は、前記高炉における吹き抜けを予測するための閾値である、
    請求項2乃至7の何れかに記載のプラント状態評価システム。
  10. 前記1の計測値は、前記高炉における所定の高さの最大温度である、
    請求項9に記載のプラント状態評価システム。
  11. 前記他の計測値は、圧力変動、送風流量及びコークス比から選択される1以上を含む、
    請求項9又は10に記載のプラント状態評価システム。
  12. プラントの状態を計測した複数の計測値の時系列データを取得し、
    前記複数の計測値のうちの1の計測値の時系列データから前記1の計測値の代表値を算出し、
    前記複数の計測値のうちの前記1の計測値を目的変数、他の計測値を説明変数とするモデルを用い、前記他の計測値の時系列データのうちの前記プラントの設備変化がない期間における時系列データから、前記1の計測値の代表値に含まれる前記プラントの操業変化に係る成分を推定し、
    前記1の計測値の代表値と前記プラントの操業変化に係る成分との差分を算出する、
    プラント状態評価方法。
  13. プラントの状態を計測した複数の計測値の時系列データを取得する取得手段、
    前記複数の計測値のうちの1の計測値の時系列データから前記1の計測値の代表値を算出する算出手段、
    前記複数の計測値のうちの前記1の計測値を目的変数、他の計測値を説明変数とするモデルを用い、前記他の計測値の時系列データのうちの前記プラントの設備変化がない期間における時系列データから、前記1の計測値の代表値に含まれる前記プラントの操業変化に係る成分を推定する推定手段、及び、
    前記1の計測値の代表値と前記プラントの操業変化に係る成分との差分を算出する減算手段、
    としてコンピュータを機能させるプログラム。

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