JP6942556B2 - 遮光部材および光音響装置 - Google Patents

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Description

本発明は、光音響効果を利用して被検体情報を取得する装置に関する。
近年、医療分野において、被検体内の構造情報や、生理的情報、すなわち機能情報をイメージングするための研究が進められている。このような技術の一つとして、近年、光音響トモグラフィ(PAT:Photoacoustic Tomography)が提案されている。
レーザ光などの光を被検体である生体に照射すると、光が被検体内の生体組織で吸収される際に音響波(典型的には超音波)が発生する。この現象を光音響効果と呼び、光音響効果により発生した音響波を光音響波と呼ぶ。被検体を構成する組織は、光エネルギーの吸収率がそれぞれ異なるため、発生する光音響波の音圧も異なったものとなる。PATでは、発生した光音響波を探触子で受信し、受信信号を数学的に解析することにより、被検体内の特性情報を取得することができる。
特開2015−85115号公報
特許文献1に記載のX線診断装置では、走査領域の中心を示すセンターマークを配置することによって、被検体を配置すべき位置を利用者に知らせている。
一方で、光音響トモグラフィを利用した装置では、レーザなどの出力の高い光源を利用するため、安全性の観点から、初期段階においては開口部を遮光部材などによって閉鎖しておくことが好ましいとされる。しかし、開口部を閉鎖してしまうと、撮影可能な範囲が確認できなくなるため、正しい位置で撮影姿勢をとれなくなるおそれがある。また、撮影姿勢をとってから位置の再調整が必要になると、姿勢を取りなおすために起き上がったり、クッションの位置調整などが必要になり、撮影技師や被検者の負担が増えるという課題が発生する。
本発明はこのような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、光音響装置において、被検体の位置合わせを正確に行うことを目的とする。
本発明に係る遮光部材は、
被検体を載置する被検体載置部と、前記被検体載置部を介して前記被検体に光を照射する光照射部と、を有し、前記被検体に対する撮影を行う光音響装置において、非撮影時に前記被検体載置部および前記光照射部を覆う遮光部材であって、前記被検体に対する撮影可能領域に関連する位置情報を示すための表示面を有することを特徴とする。
また、本発明に係る光音響装置は、
被検体を載置する被検体載置部と、前記被検体載置部を介して前記被検体に光を照射する光照射部と、前記被検体からの光音響波を検出する音響波検出器と、前記被検体に対する撮影可能領域に関連する位置情報を示すための表示面を有する遮光部材と、前記遮光部材を、前記光照射部からの光が遮光される位置である第一の位置と、前記光照射部からの光が前記被検体に照射される位置である第二の位置のいずれかに移動させる駆動部と、を
有し、前記駆動部は、撮影を行わないタイミングにおいて、前記遮光部材を前記第一の位置に移動させ、前記被検体の位置合わせが完了したタイミングにおいて、前記遮光部材を前記第二の位置に移動させることを特徴とする。
本発明によれば、光音響装置において、被検体の位置合わせを正確に行うことができる。
第一の実施形態に係る光音響装置の構成図である。 被検者が取る撮影姿勢を説明する図である。 被検者が取る撮影姿勢を説明する図である。 インジケータ101と撮影範囲との関係を説明する図である。 インジケータ101と撮影範囲との関係を説明する図である。 第二の実施形態に係るベッドユニット1を示した図である。 第三の実施形態に係る光音響装置の構成図である。 本発明が解決する課題を説明する図である。
以下に図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態について説明する。ただし、以下に記載されている構成部品の寸法、材質、形状およびそれらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。よって、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明は、被検体から伝搬する光音響波を検出し、被検体内部の特性情報を生成し、取得する技術に関する。よって本発明は、光音響装置またはその制御方法、あるいは被検体情報取得方法として捉えられる。本発明はまた、これらの方法をCPUやメモリ等のハードウェア資源を備える情報処理装置に実行させるプログラムや、そのプログラムを格納した、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体としても捉えられる。また、当該光音響装置によって用いられる遮光部材として捉えることもできる。
本発明に係る光音響装置は、被検体に光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体の特性情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した装置である。この場合、特性情報とは、光音響波を受信することにより得られる受信信号を用いて生成される、被検体内の複数位置のそれぞれに対応する特性値の情報である。
光音響測定により取得される特性情報は、光エネルギーの吸収率を反映した値である。例えば、光照射によって生じた音響波の発生源、被検体内の初期音圧、あるいは初期音圧から導かれる光エネルギー吸収密度や吸収係数、組織を構成する物質の濃度を含む。
また、物質濃度として酸化ヘモグロビン濃度と還元ヘモグロビン濃度を求めることにより、酸素飽和度分布を算出できる。また、グルコース濃度、コラーゲン濃度、メラニン濃度、脂肪や水の体積分率なども求められる。さらには、体内に投与されたICG(インドシアニン・グリーン)等の造影剤等、光の吸収スペクトルが特徴的な物質も対象として挙げられる。
被検体内の各位置の特性情報に基づいて、二次元または三次元の特性情報分布が得られる。分布データは画像データとして生成され得る。特性情報は、数値データとしてではなく、被検体内の各位置の分布情報として求めてもよい。すなわち、初期音圧分布、エネルギー吸収密度分布、吸収係数分布や酸素飽和度分布などの分布情報である。
本明細書における音響波とは、典型的には超音波であり、音波、音響波と呼ばれる弾性波を含む。探触子等により音響波から変換された電気信号を音響信号とも呼ぶ。ただし、本明細書における超音波または音響波という記載には、それらの弾性波の波長を限定する意図はない。光音響効果により発生した音響波は、光音響波または光超音波と呼ばれる。光音響波に由来する電気信号を光音響信号とも呼ぶ。なお、本明細書において、光音響信号とは、アナログ信号とデジタル信号の双方を含む概念である。分布データは、光音響画像データや再構成画像データとも呼ばれる。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る光音響装置は、パルス光を被検体に照射し、被検体内で発生した音響波を解析することで、被検体内の光学特性に関連した情報を可視化、すなわち画像化する装置である。被検体とは被検者の体の一部である。
<従来技術の問題点>
図8は、従来技術に係る光音響装置の断面図である。図8に示した例では、被検者がベッドユニット1に上がり、支持面に設けられた開口部7から被検体を挿入し、保持部材2に被検体を載置して測定を行う。また、符号800は、被検体に光を照射する光照射部と、音響波を受信する探触子と含んだ測定ユニットである。測定ユニットは、探触子が配置された半球状の部材と、探触子と被検体との音響インピーダンスを整合させるための液体(音響マッチング液)を貯留する部材(マッチング容器)からなり、XY平面に沿って全体が移動可能な構成となっている。探触子をマッチング容器ごと移動させることで、被検体との音響整合を保ちつつ、広範囲から音響波を受信することができる。
また、図8に示した光音響装置は、開口部7を閉鎖するための遮光蓋100を有している。当該遮光蓋は、XY平面においてスライド可能な構成となっており、非撮影時における不用意なレーザ光の照射を防ぐ役割を果たしている。
一方、このような装置によって測定を行う場合、以下のような問題が発生する。
すなわち、被検体に対して光を照射でき、音響波を取得できる範囲(以下、撮影範囲)を事前に被検者に提示できないという問題である。例えば、被検者が測定姿勢を取り、遮光蓋を開放した後で、被検体の位置が好ましくない(被検体が撮影範囲外にかかってしまっている場合など)ことがわかった場合、被検者が再度姿勢を取り直す必要が生じてしまい、被検者および介助者に負担が生じてしまう。
以下、この問題を解決するための、第一の実施形態に係る光音響装置について説明する。
<装置構成>
図1を参照しながら、第一の実施形態に係る光音響装置の構成を説明する。
ベッドユニット1は、被検者を載せるためのユニットであり、被検者はこのベッドユニット1に載り、姿勢を維持することで撮影をおこなう。このベッドユニット1には、被検体を挿入するための開口部7が設けられ、開口部7には保持部材2が設置されている。
また、開口部7には、開口部7を覆う遮光蓋100が設けられており、非撮影時に、光照射部4(後述)から照射された光が外に漏れないように構成されている。
保持部材2は、開口部7から挿入された被検体を保持するための部材(被検体載置部)である。保持部材は、光照射部4から照射された光を透過する材質であることが好ましい。例えば、メッシュ構成などを採用することができる。
保持部材2の上には、光の透過率が高いカップ(不図示)が設置される。当該カップには、光の透過率が高い(好ましくは90%以上)部材を用いることが好ましい。具体的な
材料として、ポリメチルペンテン、PET、ポリカーボネート、エラストマーなどがある。カップの厚みは、音響波の減衰を抑えるため、薄くすることが好ましい。
また、保持部材2には、被検体と保持部材2との音響インピーダンスを整合させるための音響整合材(例えば、ジェルや水など)を貯留することが好ましい。
保持部材2は、被検体を保持可能で光透過率が高ければメッシュ以外でもよい。例えば、シート状のフィルム、ゴムシートなども適用できる。
センサユニット3は、光を照射された被検体から発生する音響波を受信するユニット(音響波検出器)である。センサユニット3は半球状の部材からなり、内面に複数の複数の音響素子(不図示)が配置されている。センサユニット3の底部には、被検体に照射する光が出射する光照射部4が設けられている。なお、センサユニット3には、被検体の位置を確認するためのカメラが設けられていてもよい。
センサユニット3は、当該センサユニットを二次元方向に移動させるための駆動部5(後述)に載置されている。
センサユニット3に配置される音響素子は、光音響波を受信して電気信号に変換する素子である。音響検出素子を構成する部材としては、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック材料や、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電膜材料などを用いることができる。また、圧電素子以外の素子を用いても良い。例えば、CMUT(Capacitive Micro−machined Ultrasonic Transducers)などの静電容量型の素子を用いることができる。
光照射部4は、センサユニット3の底部に設置された、被検体に光を照射する手段である。光照射部4は光源に接続され、光学系(ともに不図示)を通して光が導かれる。
光照射部4に接続される光源は、パルス光を発生させる装置である。光源としては大出力を得るため、レーザが望ましいが、発光ダイオードなどでもよい。光音響波を効果的に発生させるためには、被検体の熱特性に応じて十分短い時間に光を照射させなければならない。被検体が生体の場合、光源から発生するパルス光のパルス幅は数十ナノ秒以下にすることが望ましい。また、パルス光の波長は、生体の窓と呼ばれる近赤外領域であり、700nm〜1200nm程度であることが望ましい。この領域の光は比較的生体深部まで到達することができ、深部の情報を得ることができる。なお、生体表面部の測定に限定すれば、500〜700nm程度の波長を利用してもよい。さらに、パルス光の波長は観測対象に対して吸収係数が高いことが望ましい。
光源で発生した光は、光学系を介して被検体へ導かれる。光学系は、例えば、レンズ、ミラー、プリズム、光ファイバー、拡散板などの光学機器である。また光を導く際に、これらの光学機器を用いて、所望の光分布となるように形状や光密度を変更してもよい。光学機器はここに挙げたものだけに限定されず、このような機能を満たすものであれば、どのようなものであってもよい。なお、生体組織に照射することが許される光の強度は、安全規格によって最大許容露光量(MPE:maximum permissible exposure)が定められている。最大許容露光量は、単位面積あたりに照射することができる光の強度である。このため被検体の表面を広い面積で一括して光を照射することにより、多くの光を被検体に導くことができるので、光音響波を高いS/N比で受信することができる。このため光をレンズで集光させるより、ある程度の面積に広げる方が好ましい。
センサユニット3は、保持部材2との音響整合を取るためのマッチング液を保持するマッチング容器6と一体化されている。マッチング容器6には、不図示の給排水ユニットによりマッチング液が供給および排出される。これにより、センサユニット3が有する音響素子と、保持部材2との間を音響的に結合させることができる。なお、マッチング液は、保持部材に貯留されるものと同様、音響波に対して高透過特性と低減衰特性を有するもの
であることが好ましい。例えば、油や水などが好適である。
本実施形態では、センサユニット3、光照射部4、マッチング容器6を総称して測定ユニットと称する。
駆動部5は、測定ユニットをX−Y方向に走査する二次元走査ステージである。ここで、X方向は紙面水平方向、Y方向は紙面垂直方向である。駆動部5は、測定ユニットを駆動させることができれば、リンク機構、ギヤ機構、油圧機構など、任意の機構を用いることができる。さらには、リニアガイドによる直線駆動ではなく、回転機構を用いてもよい。
コンピュータ8は、演算部9および記憶部10を有し、音響素子から出力される電気信号の処理や、駆動部5の駆動、光源の制御など、装置が有する各部位の制御を行う手段である。コンピュータ8は、音響素子から出力された電気信号を用いて、被検体内の特性情報や構造情報を表す画像を生成し、モニタ11に出力させる。
演算部9は、典型的にはCPU、GPU、A/D変換器などの素子や、FPGA、ASICなどの回路から構成される。なお、演算部9は、1つの素子や回路から構成されるだけではなく、複数の素子や回路から構成されていてもよい。また、コンピュータ8が行う各処理をいずれの素子や回路が実行してもよい。記憶部10は、典型的にはROM、RAM、およびハードディスクなどの記憶媒体から構成される。なお、記憶部10は1つの記憶媒体から構成されるだけでなく、複数の記憶媒体から構成されていてもよい。
演算部9は、複数の音響素子から出力された電気信号に対して信号処理を施すことができる。また、演算部9は、光音響装置を構成する各構成の作動を制御する。なお、コンピュータ8は、同時に複数の信号をパイプライン処理できるように構成されていることが好ましい。これにより、被検体情報を取得するまでの時間を短縮することができる。
なお、コンピュータ8が行うそれぞれの処理を、演算部9に実行させるプログラムとして記憶部10に保存しておいてもよい。プログラムが保存される記憶部10は、非一時的な記録媒体である。
モニタ11は、コンピュータ8から出力される被検体情報を、分布画像や、特定の関心領域における数値などによって表示する装置である。コンピュータ8は、ユーザが所望の情報を入力するための入力部を有していてもよい。例えば、入力部として、キーボード、マウス、ダイヤル、およびボタンなどを用いることができる。
次に、本実施形態に係る光音響装置の動作について説明する。
本実施形態に係る光音響装置は、光照射部4から照射された光から目などを保護するための遮光蓋100(遮光部材)を有している。当該遮光蓋100は、開口部を覆う位置(第一の位置)と、開口部が露出する位置(第二の位置)に移動可能な構成となっている。遮光蓋100は、撮影準備が完了するまでは閉じた状態となっており、撮影準備が完了したタイミングで開放され、被検体が挿入される。
本実施形態に係る光音響装置は、この遮光蓋の上面(表示面)に、撮影範囲(撮影可能領域)に関する位置情報を示すインジケータ101を設け、被検者がベッドユニット1上で撮影姿勢を取る際に、被検体を合わせるべき位置を通知する。
図2は、足を被検体とした場合の撮影姿勢を示した図である。図2に示したように、被検者200は、遮光蓋100に設けられたインジケータ101に合わせて、被検体201である足を載せ、撮影準備を行う。
続いて、図3に示すように、遮光蓋100を開放し、保持部材2に被検体201を当接させる。被検体201は、撮影範囲を示すインジケータ101に予め合わせられているため、そのまま被検体を開口部に挿入することで、被検体を理想的な位置に配置することが
できる。なおこの際、カメラによって撮像した画像に基づいて、位置の微調整を行ってもよい。
なお、遮光蓋100は、開放する際に被検者200の撮影姿勢が大きく変化しない構成であることが好ましい。例えば、遮光蓋100をXY平面上でスライドさせる構成としてもよい。また、開口部7の上から被せる構成であってもよい。
また、遮光蓋100がスライドする構成である場合、遮光蓋100を平行移動させるための機構(レール等)をベッドユニット1に配置してもよい。また、動力によって遮光蓋100を移動させる駆動部を配置してもよい。この場合、リニアアクチュエータ等を用いて遮光蓋100を移動させるようにしてもよい。
なお、図2に示す撮影姿勢を調整する位置に遮光蓋100を係止できるようにするために、スライド機構に不図示のラッチ機構を付与してもよい。ラッチ機構により、遮光蓋100上に形成されたインジケータ101のベッドユニット1に対する位置精度が担保される。また、被検体の位置合わせ手技において、遮光蓋がずれる可能性を低減することが可能となる。ラッチ機構は、遮光蓋100の前述の第一の位置に対応して、スライド域の端に設けることができる。同様にして、ラッチ機構は、第二の位置に対応して設けることができる。
また、駆動部は、撮影準備が完了したタイミング(例えば、被検体201の位置合わせが完了したタイミングや、被検者が撮影姿勢を取り終えたタイミング)で遮光蓋100を開放する制御を行うようにしてもよい。また、撮影が完了したタイミングで遮光蓋100を閉鎖する制御を行うようにしてもよい。遮光蓋100の開閉は、ユーザが行った入力に基づいて行ってもよいし、被検者をセンシングした結果に基づいて行ってもよい。例えば、遮光蓋の開放は、撮影の開始操作が行われたタイミングで行ってもよいし、撮影開始時に被検体の位置や被検者の体位が安定したことを検知して自動的に行うようにしてもよい。また、遮光蓋の閉鎖は、撮影が終了し、被検体が抜去されたタイミングで行うようにしてもよい。
図4および図5は、インジケータ101と撮影範囲との関係を示す図である。
図4中の点線は、光照射部4から照射される光の中心を表している。図4(A)は、駆動部5をX軸正方向に最大まで移動させた状態を表し、図4(B)は、駆動部5をX軸負方向に最大まで移動させた状態を表す。X軸方向における光音響装置の撮影範囲は、図示した点線の間となる。
また、図5(A)は、駆動部5をY軸正方向に最大まで移動させた状態を表し、図5(B)は、駆動部5をY軸負方向に最大まで移動させた状態を表す。Y軸方向における光音響装置の撮影範囲は、光照射部4が移動可能な範囲内となる。
このように、本実施形態では、インジケータ101によって示された矩形は、光照射部4が移動可能な範囲を表す。当該範囲は、被検体情報の画像化が可能な範囲(撮影可能範囲)と一致する。
なお、本例では、インジケータ101は遮光蓋100の上面に設けられた段差(凹み)であるものとするが、これ以外の形態であってもよい。例えば、撮影範囲を線で示したものであってもよいし、撮影範囲の中心を示すマーク等であってもよい。また、被検体201を突き当てる面を設けてもよい。
もし、遮光蓋100にインジケータ101が設けられていない場合、被検者200が取る姿勢によっては、被検体201が撮影範囲から逸脱してしまうおそれがある。また、このような場合、遮光蓋100を開けてから姿勢を取り直す必要が生じ、被検者や介助者の負担が増してしまう。特に、光音響装置が図示したような形態である場合、保持部材2が音響マッチング材(水など)で満たされているため、被検体を移動させることで水はねが
発生するおそれがある。また、クッションなどを再配置する必要も生じうる。
一方、本実施形態に係る光音響装置は、遮光蓋100を閉じた状態において撮影範囲を被検者200に通知することができるため、最初から正しい撮影姿勢を取ることが可能になり、被検者や介助者の負担を軽減することができる。
(第二の実施形態)
第一の実施形態では、遮光蓋100の上面にインジケータ101を設けたが、インジケータはベッドユニット1側に設けてもよい。図6(a)および図6(b)は、ベッドユニット1をZ軸正方向から観察した図である。第二の実施形態では、ベッドユニット1が有する開口部7の周辺に、撮影範囲を示すマーカーである目盛り102が設けられている。
第二の実施形態では、遮光蓋100上に設けられた目盛り104と、ベッドユニットに設けられた目盛り102の双方を用いて、遮光蓋100の係止位置を特定することが可能になっている。
図6(a)は、遮光蓋100が開いている状態(ベッドユニット1に対して位置ずれが生じている状態)を示し、図6(b)は、遮光蓋100が閉じている状態(すなわち、被検体の位置合わせが行える状態)を示す。なお、図6(a)および図6(b)に示した目盛り102は、撮影範囲の縁(実線)と撮影範囲の中心(点線)を示しているが、これ以外の位置的関係を目盛り102によって図示するようにしてもよい。
(第三の実施形態)
第一の実施形態では、遮光蓋100の上面に物理的なインジケータ101を設けたが、インジケータは光学的に投影することで形成してもよい。例えば、図7に示したように、装置が設置された室内にプロジェクタ103を設け、遮光蓋100の上面にインジケータを投影するようにしてもよい。この場合、遮光蓋100の上面は、光が投影可能な材質であることが好ましい。インジケータ101を投影することで、遮光蓋100の位置にかかわらず、被検体を合わせるべき位置を示すことができるため、位置合わせの精度を担保することができる。
また、遮光蓋100の上面に表示装置(例えば発光ダイオードや液晶ディスプレイなど)を設け、インジケータを表示するようにしてもよい。インジケータを表示可能とすることで、被検者に様々な情報を提供することができる。
(変形例)
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、前述した各実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータにおける一つ以上のプロセッサがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、FPGAやASIC)によっても実現可能である。
2:保持部材、4:光照射部、100:遮光蓋、101:インジケータ

Claims (12)

  1. 被検体を載置する被検体載置部と、前記被検体載置部を介して前記被検体に光を照射する光照射部と、を有し、前記被検体に対する撮影を行う光音響装置において、非撮影時に前記被検体載置部および前記光照射部を覆う遮光部材であって、
    前記被検体に対する撮影可能領域に関連する位置情報を示すための表示面を有する
    ことを特徴とする、遮光部材。
  2. 前記位置情報は、前記被検体を前記被検体載置部に載置した場合における撮影可能領域を表す情報である
    ことを特徴とする、請求項1に記載の遮光部材。
  3. 前記表示面に、前記位置情報を示す段差が設けられている
    ことを特徴とする、請求項2に記載の遮光部材。
  4. 前記表示面は、前記位置情報を投影可能な光学特性を有する面である
    ことを特徴とする、請求項2に記載の遮光部材。
  5. 前記表示面に、前記位置情報を表示可能な表示装置を備える
    ことを特徴とする、請求項2に記載の遮光部材。
  6. 前記被検体載置部および前記光照射部を覆う第一の位置と、前記被検体載置部および前記光照射部が露出する第二の位置と、に移動可能である
    ことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の遮光部材。
  7. 前記第一の位置は、前記光照射部からの光が遮光される位置であり、前記第二の位置は、前記光照射部からの光が前記被検体に照射される位置である、
    ことを特徴とする、請求項6に記載の遮光部材。
  8. 前記第一の位置において、前記位置情報が、前記被検体を前記被検体載置部に載置した場合における撮影可能領域を示す
    ことを特徴とする、請求項6または7に記載の遮光部材。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載の遮光部材と、
    前記被検体載置部と、前記光照射部と、前記被検体からの光音響波を検出する音響波検出器と、を備える
    ことを特徴とする、光音響装置。
  10. 前記表示面に、前記位置情報を投影する投影手段をさらに備える
    ことを特徴とする、請求項9に記載の光音響装置。
  11. 前記遮光部材を、前記被検体載置部および前記光照射部を覆う第一の位置と、前記被検体載置部および前記光照射部が露出する第二の位置と、に移動させる駆動部をさらに備える
    ことを特徴とする、請求項9または10に記載の光音響装置。
  12. 被検体を載置する被検体載置部と、
    前記被検体載置部を介して前記被検体に光を照射する光照射部と、
    前記被検体からの光音響波を検出する音響波検出器と、
    前記被検体に対する撮影可能領域に関連する位置情報を示すための表示面を有する遮光
    部材と、
    前記遮光部材を、前記光照射部からの光が遮光される位置である第一の位置と、前記光照射部からの光が前記被検体に照射される位置である第二の位置のいずれかに移動させる駆動部と、を有し、
    前記駆動部は、撮影を行わないタイミングにおいて、前記遮光部材を前記第一の位置に移動させ、前記被検体の位置合わせが完了したタイミングにおいて、前記遮光部材を前記第二の位置に移動させる
    ことを特徴とする、光音響装置。
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