JP6941552B2 - リッド開閉装置 - Google Patents
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Description
図2にも示されるように、ケース12は、前後方向に2分割されている。具体的には、ケース12は、ケース12の前側部分を構成するハウジング14と、ケース12の後側部分を構成するカバー16と、によって構成されている。
図1〜図3、及び図9に示されるように、プッシュロッド20は、車幅方向を軸方向とした略有底円筒状に形成されて、車幅方向内側へ開放されている。プッシュロッド20の軸方向一方側(車幅方向外側)の部分は、ハウジング14の連通孔14E(防水キャップ18)内を挿通しており、プッシュロッド20は、軸方向に移動可能に、且つ、周方向に回転可能に、防水キャップ18を介して連通孔14Eに支持されている。そして、詳細については後述するが、図14(B)に示されるプッシュロッド20の位置を「押込位置」(広義には、「初期位置」と把握される位置である)と称し、押込位置では、プッシュロッド20の先端部(軸方向一端部)が、ハウジング14から車幅方向外側へ突出されている。また、図14(A)に示されるように、プッシュロッド20が、押込位置から「突出方向」としての軸方向一方側へ移動したプッシュロッド20の位置を「突出位置」と称し、突出位置では、プッシュロッド20の大半がハウジング14から車幅方向外側へ突出されている。
また、アンロック姿勢からプッシュロッド20が周方向他方側へ回転した姿勢(本実施の形態では、略90度回転した姿勢)をロック姿勢(図13(B)に示される姿勢)と称する。そして、ロック姿勢では、係止部20Aが係止孔72Aの周縁部と係合して、フューエルリッド70を閉じた状態に係止する構成になっている。以下、便宜上、プッシュロッド20が押込位置に配置され且つアンロック姿勢となる状態として説明する。
図1(B)及び図2に示されるように、電動駆動機構30は、モータ32と、ロータ34と、を含んで構成されている。
モータ32は、上下方向を軸方向として配置されており、モータ32のモータ本体32Aが、ハウジング14の第2収容部14Bの内部に収容されている。モータ32の出力軸32Bは、モータ本体32Aから下側へ延出されて、ハウジング14の連通溝14C内に配置されると共に、第1収容部14Aにおいてプッシュロッド20に対して後側に配置されている。すなわち、モータ32の出力軸32Bが、後側から見て、プッシュロッド20と直交して配置されている。出力軸32Bの外周部には、ウォームギヤ32Cが形成されている。また、モータ32は、車両の制御部80に電気的に接続されており、制御部80によってモータ32が駆動する構成になっている。
ロータ34は、車幅方向を軸方向とする略円筒状に形成されて、ハウジング14における第1収容部14Aの車幅方向外側部分に回転可能に収容されている。具体的には、ロータ34は、プッシュロッド20と同軸上に配置されて、モータ32の出力軸32Bの前側に隣接して配置されている。また、ロータ34内には、プッシュロッド20が挿入されており、プッシュロッド20の他端部がロータ34から車幅方向内側へ突出されている。
図2に示されるように、プッシュプッシュ機構40は、「阻止部材」としてのホルダ42と、スライダ44と、カムフォロア46と、スプリング50と、を含んで構成されて、ハウジング14の第1収容部14A内に収容されている。そして、突出位置において、プッシュロッド20が、「押込方向」としての軸方向他方側(車幅方向内側)へ押込まれることで、プッシュロッド20がプッシュプッシュ機構40によって押込位置に維持されるようになっている。一方、押込位置において、プッシュロッド20が、押込方向へ再度押込まれることで、プッシュロッド20がプッシュプッシュ機構40によって突出方向へ押出されて突出位置に移動するようになっている。以下、プッシュプッシュ機構40の各構成について説明する。
図3(A)、及び図5〜図7に示されるように、ホルダ42は、車幅方向外側へ開放された略有底円筒状に形成されている。ホルダ42は、ハウジング14における第1収容部14Aの車幅方向内側部分に収容されて、ロータ34に対して車幅方向内側に隣接して配置されている(図1(B)参照)。そして、ホルダ42が、プッシュロッド20と同軸上に配置されて、ネジSCによってカバー16と共にハウジング14に固定されている。
図2、図3(B)、図8、及び図9に示されるように、スライダ44は、車幅方向を軸方向とした略円筒状に形成されている。また、スライダ44は、プッシュロッド20と同軸上に配置されると共に、ホルダ42の第1ホルダ部42A(開口端部)内に収容されている。具体的には、スライダ44の軸方向一方側(突出方向側)の端部が、プッシュロッド20の基端部に隣接して配置されている。
図2、図9、及び図10に示されるように、カムフォロア46は、全体として車幅方向を軸方向とした略有底円筒状に形成されて、軸方向一方側(突出方向側)へ開放されている。カムフォロア46は、プッシュロッド20と同軸上に配置されて、ホルダ42の内部に相対移動可能に収容されている。また、カムフォロア46がホルダ42内に収容された状態では、カムフォロア46の軸方向一端部(車幅方向外側端部)がスライダ44の内部に相対移動可能に挿入されている。
図2、図3(B)、及び図9に示されるように、スプリング50は、圧縮コイルスプリングとして構成されて、カムフォロア46の車幅方向内側の端部に装着されている。このスプリング50の一端部(車幅方向外側端部)は、ワッシャ48を介してカムフォロア46のフランジ部46Bに係止され、スプリング50の他端部(車幅方向内側の端部)が、ホルダ42の底壁に係止されており、スプリング50が自然状態から圧縮変形している。これにより、プッシュロッド20が、カムフォロア46及びスライダ44を介してスプリング50の付勢力によって車幅方向外側(突出方向)に付勢されている。
図2、図11、及び図12に示されるように、エマージェンシー機構60は、エマージェンシーケーブル64と、エマージェンシーケーブル64をケース12に配策するためのケーブル配策機構部62と、を含んで構成されている。
次に、リッド開閉装置10によるフューエルリッド70の開閉動作、及び緊急時におけるリッド開閉装置10の動作を説明しつつ、本実施の形態の作用及び効果について説明する。
図13(B)に示される状態が、リッド開閉装置10におけるプッシュロッド20のロック姿勢になっている。この姿勢では、プッシュロッド20の先端部がフューエルリッド70の係止孔72A内に挿入されて、プッシュロッド20の係止部20Aが係止孔72Aの周縁部に係合している。これにより、フューエルリッド70が、車両の給油口を閉じた状態に係止されている。この状態では、図15(B)に示されるように、プッシュロッド20の規制突起20Dが、ホルダ42における阻止溝42Gの阻止部42G1に配置されている。このため、プッシュロッド20の軸方向一方側及び他方側への移動が阻止されて、フューエルリッド70に対する押込操作及び引張操作が制限されている。すなわち、フューエルリッド70を開くことができない状態になっている。
図15(A)に示されるように、プッシュロッド20のアンロック姿勢では、プッシュロッド20の規制突起20Dが、ホルダ42の阻止溝42Gの一端部(すなわち、ホルダ42の挿入溝42Hの中間部)内に配置されている。これにより、プッシュロッド20の軸方向の移動が許可された状態になっている。また、この状態では、ロータ34の軸方向から見て、ロータ34のガイド溝34Aが、ホルダ42のカム溝42Dと一致した位置に配置される。
フューエルリッド70が給油口を開いている状態で、フューエルリッド70を閉じると、プッシュロッド20がスプリング50の付勢力に抗して突出位置から押込方向へ押込まれる。なお、この状態では、フューエルリッド70の係止孔72A内に、プッシュロッド20の係止部20Aが挿入した状態で、プッシュロッド20が押込方向へ押込まれる。これにより、プッシュプッシュ機構40が作動して、プッシュロッド20が押込位置に維持される。以下、このときのプッシュプッシュ機構40について説明する。
プッシュロッド20がロック姿勢に遷移している状態で、リッド開閉装置10のモータ32が仮に故障したときや、車両のバッテリーの充電が不十分な状態のとき等の緊急時では、制御部80よってモータ32が駆動しない。すなわち、このような緊急時では、フューエルリッド70を開くことができない状態になる。このため、このような場合には、使用者によってエマージェンシーケーブル64を操作して、エマージェンシー機構60を作動させることで、プッシュロッド20をロック姿勢からアンロック姿勢に遷移させる。これにより、リッド開閉装置10のプッシュロッド20に対する押込操作が可能な状態になり、緊急時においてもフューエルリッド70が開く状態になる。以下、エマージェンシー機構60の動作について説明する。
さらに、ロータ34は、モータ32のウォームギヤ32Cと噛合されるギヤ部を有するウォームホイール部34Cを備えている。このため、モータ32の出力軸32Bをプッシュロッド20に近接して配置することができる。これにより、電動駆動機構30とプッシュロッド20とを集約した配置構成にすることができる。
すなわち、ロック姿勢においてプッシュロッド20の押込方向の移動を阻止する構成として、阻止溝42Gを、ホルダ42に貫通させずに、ホルダ42の径方向内側へ開放された溝状にすることも考えられる。しかしながら、この場合には、ホルダ42の体格が径方向外側に大きくなり、ひいてはリッド開閉装置10の体格が大型化する傾向になる。
これに対して、阻止溝42Gをホルダ42に貫通形成することで、プッシュロッド20の軸方向から見て、ホルダ42の外郭を構成する側壁に、プッシュロッド20の規制突起20Dを重ねて(ラップして)配置することができる。これにより、ホルダ42の大型化を抑制しつつ、プッシュロッド20をホルダ42の阻止部42G1に係合させることができる。
すなわち、ロック姿勢におけるプッシュロッド20をホルダ42に係合させるという観点からすると、プッシュロッド20に阻止溝を形成し、ホルダ42に規制突起を形成することも考えられる。この場合には、プッシュロッド20の基端部に阻止溝が貫通形成される。
ここで、プッシュロッド20が突出位置から押込方向へ押込まれるときには、プッシュロッド20がスプリング50の付勢力に抗してスライダ44を押込むように作用する。このため、プッシュロッド20では、例えば、押込操作時にプッシュロッド20の基端部が変形しないように、プッシュロッド20の強度を確保する必要がある。
そして、上述のように、仮に、プッシュロッド20に阻止溝を貫通形成した場合には、プッシュロッド20の基端部における強度が低下する傾向になる。このため、プッシュロッド20に対する押込操作の耐久性が低下する虞がある。
これに対して、本実施の形態では、上述のように、ホルダ42の阻止溝42Gに挿入される規制突起20Dをプッシュロッド20に形成している。このため、プッシュロッド20の強度を確保することができる。したがって、例えば、プッシュロッド20の押込操作に対する耐久性向上に寄与することができる。
12 ケース
14 ハウジング
14A 第1収容部
14A1 底壁
14B 第2収容部
14C 連通溝
14E 連通孔
14F 作動溝
14G 保持爪
14H ケーブル挿入孔
14J ケーブルガイド
16 カバー
16A ケーブル収容部
18 防水キャップ
20 プッシュロッド
20A 係止部
20B くびれ部
20C ロッド用ガイド突起
20C1 傾斜部
20D 規制突起
20D1 傾斜部
30 電動駆動機構(駆動機構)
32 モータ
32A モータ本体
32B 出力軸
32C ウォームギヤ
34 ロータ
34A ガイド溝
34B 規制溝
34C ウォームホイール部
34E 連結突起
34F 当接片
36 第1ストッパ
38 第2ストッパ
40 プッシュプッシュ機構
42 ホルダ(阻止部材)
42A 第1ホルダ部
42B 第2ホルダ部
42C ホルダインナ部
42D カム溝
42E ホルダ側カム部
42F ホルダ側カム面(第1カム面)
42F1 第1傾斜カム面(傾斜カム面)
42F2 第2傾斜カム面(傾斜カム面)
42F3 保持カム面
42G 阻止溝(回転許容部)
42G1 阻止部
42H 挿入溝(軸方向許容部)
42H1 押込許容部
42H2 傾斜部(ガイド部)
42J 端部
42K 端部
44 スライダ
44A スライダ用ガイド突起
44B スライダ側カム部
44C スライダ側カム面(第2カム面)
44C1 第1傾斜面
44C2 第2傾斜面
46 カムフォロア
46A 摺動子
46A1 摺動面
46B フランジ部
48 ワッシャ
50 スプリング
60 エマージェンシー機構
62 ケーブル配策機構部
64 エマージェンシーケーブル
64A ケーブル本体
64B ケーブルエンド部
64C 切欠部
64D 把持部
64E ケーブル突起
64F 取手部
70 フューエルリッド
72 インナパネル
72A 係止孔
80 制御部
Claims (6)
- 軸方向一方側を突出方向とし且つ軸方向他方側を押込方向とすると共に、押込位置から突出方向へ移動した突出位置に配置されることで閉状態のフューエルリッドを押出して開状態にするプッシュロッドと、
前記突出位置から押込方向へ押込まれた前記プッシュロッドを前記押込位置に維持させると共に、前記プッシュロッドが押込方向へ再度押込まれることで前記プッシュロッドを前記突出位置へ押出すプッシュプッシュ機構と、
を備え、
前記プッシュプッシュ機構は、前記押込位置において前記プッシュロッドの軸方向他方側の端部が挿入される筒状の阻止部材を含んで構成され、
前記阻止部材は、前記押込位置において前記プッシュロッド及び前記阻止部材の一方が他方に対して相対回転することで前記プッシュロッドと係合して前記プッシュロッドの押込方向への移動を阻止する阻止部を有すると共に、前記プッシュロッドと同軸上に配置されていることを特徴とするリッド開閉装置。 - 前記押込位置の前記プッシュロッドが、駆動機構によって前記阻止部材に対して相対回転して、前記阻止部に係合可能なロック姿勢と、前記阻止部に係合不能なアンロック姿勢と、の間を遷移することを特徴とする請求項1に記載のリッド開閉装置。
- 前記プッシュロッドの軸方向他方側の端部には、規制突起が設けられ、
前記阻止部材には、前記阻止部材の周方向に延在され且つ前記押込位置における前記プッシュロッドの軸回りの回転時に前記規制突起の回転を許容する回転許容部が設けられており、
前記回転許容部の一端部には、前記規制突起における押込方向及び突出方向の移動を許可する軸方向許容部が設けられ、前記回転許容部の他端部に前記阻止部が設けられている請求項2に記載のリッド開閉装置。 - 前記軸方向許容部には、前記回転許容部の一端部から押込方向へ延出され且つ前記規制突起が挿入可能に構成された押込許容部が形成されており、
前記押込許容部には、前記規制突起の前記押込許容部内への挿入をガイドするガイド部が形成されている請求項3に記載のリッド開閉装置。 - 前記軸方向許容部には、前記回転許容部の一端部から押込方向へ延出され且つ前記規制突起が挿入可能に構成された押込許容部が形成されており、
前記規制突起には、前記規制突起の前記押込許容部内への挿入をガイドするガイド部が形成されている請求項3に記載のリッド開閉装置。 - 前記プッシュプッシュ機構は、
前記阻止部材内に収容され、前記阻止部材に連結される摺動子を有するカムフォロアと、
前記カムフォロアを突出方向へ付勢するスプリングと、
前記プッシュロッドと前記カムフォロアとの間に設けられたスライダと、
前記阻止部材の内周部に設けられ、前記阻止部材の軸方向において相対移動可能に且つ周方向において相対回転不能に前記摺動子が挿入された複数のカム溝と、
前記阻止部材の周方向に隣り合う前記カム溝の間に設けられ、前記カム溝から押込方向へ離脱した前記カムフォロアの突出方向への移動時に前記摺動子が当接することで前記カムフォロアを周方向一方側へ回転させる一対の傾斜カム面と、一対の前記傾斜カム面の間に設けられ且つ前記摺動子が当接することで前記カムフォロアを前記押込位置に保持する保持カム面と、を有する第1カム面と、
前記スライダに設けられ、前記カム溝から押込方向へ離脱した前記カムフォロアの押込方向への移動時に前記摺動子が当接することで前記カムフォロアを周方向一方側へ回転させる第2カム面と、
を含んで構成されている請求項1〜請求項5の何れか1項に記載のリッド開閉装置。
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