JP6941440B2 - 原水供給装置及び原水供給方法 - Google Patents

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Description

本発明は、活性汚泥処理等の生物処理を行う反応槽に原水を供給するための原水供給装置及び原水供給方法に関する。更に詳しくは、生物処理を行う反応槽に、貯水槽とサイホン管を用いて、原水を一定のサイクルで間欠的に供給する原水供給装置及び原水供給方法に関する。
従来から、窒素やリンといった栄養塩を含む下廃水を処理するにあたっては、汚水を反応槽に導入し活性汚泥と共に曝気・攪拌して生物処理を行う活性汚泥法が用いられている。特に近年は、この活性汚泥法によって処理された処理水から固形物を含まない清澄な処理水を得るため、反応槽内に膜分離装置を浸漬させ、処理水を膜分離して排出する膜分離活性汚泥法(Membrane Bioreactor(MBR)法)が多用されている。
例えば、浸漬膜分離ユニットを配置した単一の反応槽内で、硝化のための好気性処理(曝気工程)と脱窒のための無酸素処理(嫌気工程)を行う膜分離活性汚泥処理装置が提案されている(特許文献1および特許文献2)。特許文献1の装置では、反応槽内で嫌気工程が開始されると共に汚水移送ポンプを作動させて反応槽に汚水(原水)を供給し、反応槽内の水位が最高水位に達した時点で汚水移送ポンプを停止させることにより、原水が反応槽に間欠的に供給されている。また、特許文献2の装置では、反応槽内が最高液位と最低液位になった時点をレベルセンサーにより検知し、この検知に基づいて原水ポンプをON−OFFすることにより、原水が反応槽に間欠的に供給されている。
ところで、従来から活性汚水処理装置においては、反応槽に供給される原水中の有機物や繊維質により、反応槽に原水を供給する原水供給管や、ポンプおよびバルブ等の機器において詰まりが生じることが問題となっており、特に、ポンプやバルブ等を用いて原水の供給流量の制御を行う場合に、これらの機器において詰まりが生じることが問題となっていた。
このような問題を解決するために、原水供給管の一部を反応槽外に延設し、2種類のバルブを設けることにより、原水供給管に生じた詰まりを除去する原水供給装置が提案されている(特許文献3)。しかしながら、特許文献3の装置は、バルブの開閉により原水の流路を変更させながら、原水供給管の詰まりを除去する装置であり、ポンプやバルブ等の機器における詰まりの問題を解消するものではなかった。
また、従来は原水を間欠的に反応槽に供給するために、ポンプを一定のサイクルでON−OFFする必要があり、原水ポンプの運転負荷が大きく、ポンプの寿命が短いという問題があった。さらに、ポンプの稼働率を大きく変動させる必要があったため、ポンプを過剰設計する必要があった。
特開2000−589号公報 特開2004−261711号公報 特開2006−263534号公報
本発明は、上記従来の課題に鑑み、活性汚泥処理等の生物処理を行う反応槽に原水を間欠的に供給する際に、ポンプやバルブ等の機器の詰まりの問題を解消でき、また、原水ポンプの運転負荷を低減し、ポンプの過剰設計が不要となる原水供給装置および原水供給方法を提供することを目的とする。
本願発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、生物処理を行う反応槽に原水を間欠的に供給する際に、少なくとも、貯水槽と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管を用いることにより、上記問題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、以下の(1)〜(9)に関する。
(1)生物処理を行う反応槽に原水を供給するための原水供給装置であって、貯水槽(但し、間欠濾過槽を除く)と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管とを備える原水供給装置。
(2)前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、(1)記載の原水供給装置。
(3)前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、(1)または(2)記載の原水供給装置。
(4)前記原水供給装置が、貯水槽内の原水の一部を貯水槽槽壁の一部から抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にある前記サイホン管の側部に供給する補助配管を更に備える、(1)〜(3)のいずれかに記載の原水供給装置。
(5)生物処理を行う反応槽に原水を供給する原水供給方法であって、貯水槽(但し、間欠濾過槽を除く)と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管を用いて、原水を一定のサイクルで間欠的に前記反応槽に供給する原水供給方法。
(6)前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、(5)記載の原水供給方法。
(7)前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、(5)または(6)記載の原水供給方法。
(8)前記反応槽への原水の供給が、貯水槽内の原水の一部を抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にあるサイホン管の側部に供給する補助配管を更に用いて行われる、(5)〜(7)のいずれかに記載の原水供給方法。
(9)前記反応槽内に原水を一定流量で供給する工程と、前記工程における原水の供給流量よりも多い流量の原水を反応槽内に供給する工程と、原水の供給を停止する工程とを、この順で繰り返し行う、(5)〜(8)のいずれかに記載の膜分離活性汚泥処理方法。

本発明によれば、貯水槽とサイホン管を用い、原水を貯水槽に常に一定流量で連続的に供給するという簡便な方法により、貯水槽から反応槽に原水を一定のサイクルで間欠的に供給することができるため、ポンプやバルブを用いて反応槽に供給する原水の流量を制御する必要がない。そのため、ポンプやバルブ等の機器に生じる詰まりの問題を低減でき、原水ポンプの運転負荷を平滑化でき、ポンプの寿命を延長できる。また、原水ポンプの稼働率を変動させる必要がないため、原料ポンプの過剰設計が不要となる。その結果、コスト削減が可能となり、装置全体のメンテナンス性が向上するという利点がある。
本発明の原水供給装置の一実施態様において、原水が反応槽に供給される態様を時系列で模式的に示す図である。 本発明の原水供給装置から反応槽に供給される原水の流量変動を示す図である。 本発明の原水供給装置の別の実施態様において、原水が反応槽に供給される態様を時系列で模式的に示す図である。 (a)本発明の原水供給装置を用いた場合の反応槽内の液位変動を示す図である。(b)本発明の原水供給装置から反応槽に供給される原水の流量変動を示す図である。 本発明の原水供給装置を用いた膜分離活性汚泥処理装置の概要を模式的に示す図である。
本発明の原水供給装置および原水供給方法は、活性汚泥処理等の生物処理を行う反応槽に原水を供給するための装置および方法である。以下、図面に基づいて、本発明に係る原水供給装置および原水供給方法の実施態様を説明する。
本発明に係る原水供給装置の一実施態様を図1に示す。
原水供給装置10には、原水槽から一定の流量で供給された原水を貯える貯水槽12と、貯水槽12の内部から貯水槽槽壁の上部、好ましくは貯水槽槽壁の上端を介して貯水槽12の外部に延在するサイホン管13が設けられている。ここで、サイホン管とは、液体は液面の高い方から低い方に向かって流れ移るという液体の性質を利用して、液体を一度高所に上げて低所に移すために用いる曲管を意味する。
このような構成により、原水槽から貯水槽12に原水が一定流量で供給され、貯水槽12内の水位が一定水位に到達するまでは、サイホン管から反応槽に原水が供給されない工程(原水停止工程)と、貯水槽12内の水位が一定水位、即ち、サイホン管13が貯水槽12の槽壁の上端で曲折する部分に相当する水位に到達すると、貯水槽内のほぼ全ての原水がサイホン管13を通して反応槽に供給される工程(原水供給工程)を、一定のサイクルで繰り返し行うことが可能となる。本発明において「一定流量」とは、ある所定の時間において流量が一定であればよく、最適な流量とするために変更されることがあってもよい。
貯水槽の満水時容量は、通常反応槽容量の0.5〜30%であり、好ましくは1〜10%である。サイホン管の内径は、詰まり防止の点から、通常50mm以上、好ましくは100mm以上、更に好ましくは200mm以上である。貯水槽内外に延在するサイホン管端部の位置は、貯水槽内部に存在するサイホン管の端部よりも、貯水槽外部に存在するサイホン管の端部が低位となるよう設置する必要がある。また、貯水槽内部に存在するサイホン管の端部は、必要な原水量を反応槽に供給できる深度に設置する。
サイホン管13は、貯水槽12の内部から貯水槽槽壁の上部を介して貯水槽12の外部に延在するものであれば、貯水槽12の槽壁と独立して設置されてもよいが、省スペース及びコスト削減の点から、貯水槽12の槽壁と一体となって構成されていてもよい。
原水供給装置10には、万一サイホン管が閉塞し原料が漏洩した場合に対処可能なように、貯水槽内の高水位を感知できる水位センサーを備えた緊急停止装置やバイパス配管を設置することができる。
この原水供給装置10により原水が反応槽1に供給される態様を、図1の時系列(i)〜(vi)に沿って、図2(図1の原水供給装置から反応槽に供給される原水の流量変動)を参照しつつ説明する。
図1(i)t=0〜t (反応槽への原水の供給が停止)
原水槽から貯水槽12に原水が一定流量で供給されると、貯水槽12内に原水が貯留され水位が上昇していくが、水位が一定水位に到達するまでは、サイホン管から反応槽に原水が供給されることはない。したがって、この時間帯(t=0〜t)において、サイホン管により反応槽に供給される原水の流量は0である(図2:t=0〜t)。
図1(ii)〜(iv)t=t 〜t (サイホン管により原水が反応槽に供給)
次いで、貯水槽12内の水位が、一定水位、即ち、サイホン管13が貯水槽12の槽壁の上端で曲折する部分に相当する水位に到達すると、貯水槽内の原水がサイホン管13を通して反応槽に供給され始め(t=t)、その後貯水槽12内のほぼ全ての原水が反応槽に供給され、貯水槽12およびサイホン管13の内部は、原水の存在しないほぼ空の状態となる(t=t)。したがって、この時間帯(t=t〜t)においては、原水が一定流量でサイホン管を通して反応槽に供給される(図2:t=t〜t)。
図1(v)t=t 〜t (反応槽への原水の供給が停止)
その後も、原水は一定の流量で貯水槽12に供給され続けるため原水は貯水槽12内に貯留していくが、貯水槽12内の水位が前記一定水位に到達するまでは、原水がサイホン管13から反応槽に供給されることはない。したがって、この時間帯(t=t〜t)における反応槽への原水の供給流量は0となる(図2:t=t〜t)。
図1(vi)t=t (サイホン管による原水の供給が再開)
貯水槽12内の水位が前記一定水位に到達すると、サイホン管による原水の反応槽への供給が再開される(図2:t=t)。
以上のような貯水槽とサイホン管を有する原水供給装置10を用いることにより、原水供給装置から反応槽に原水を供給する際にポンプやバルブ等の機器を用いて供給流量を制御しなくても、一定のサイクルで原水を間欠的に反応槽に供給することができる。
なお、原水供給装置10においても、原水槽から貯水槽に原水を供給する際に原水ポンプを使用するが、このポンプでは原水を常に一定流量で連続的に貯水槽に供給すればよいため、従来法のように原水ポンプやバルブをON−OFFさせて使用する場合に比べ、原水ポンプの運転負荷が小さく、原水ポンプの過剰設計が不要となる。
本発明の原水供給装置の別の実施態様を図3に示す。図3の原水供給装置10’には、原水槽から供給された原水を貯える貯水槽12と、貯水槽12の内部から貯水槽槽壁の上部を介して貯水槽12の外部に延在するサイホン管13に加え、貯水槽12内の原水の一部を貯水槽12の槽壁の一部から抜き出し、貯水槽12の外部であって貯水槽よりも低位にあるサイホン管13の側部に供給する補助配管14が設けられている。
図3のような装置構成により、サイホン管を通して原水を間欠的に反応槽に供給すると共に、全ての原水がサイホン管により反応槽に供給される前には、補助配管14により一定流量の原水を反応槽に供給することができる。また、図3のような装置構成により、補助配管14を通して少量の原水を一定流量で反応槽に供給する工程と、前記工程における原水供給流量よりも多い流量の原水を一定流量で反応槽に供給する工程と、原水の供給を停止する工程とを、この順で一定のサイクルで繰り返し行うことができる。
サイホン管および補助配管のそれぞれの寸法や配置位置は、反応槽に供給する原水の量や流量変動により変わり得るが、補助配管とサイホン管の内径比率は、通常1:2〜10であり、好ましくは1:2〜5である。また、補助配管を結合させる貯水槽の底面からの位置は、通常、貯水槽底部からサイホン管上端までの高さの20〜90%の範囲でありであり、好ましくは40〜60%となるよう設定する。補助配管14は、サイホン管が設置された貯水槽の槽壁に対向する槽壁に結合していることが好ましい。
本発明の原水供給装置が原水を供給する反応槽は、活性汚泥法や生物膜法等の生物処理を行う反応槽であって、原水が間欠的に供給される反応槽であれば特に限定されない。このような反応槽を有する活性汚泥処理装置としては、例えば、単一の反応槽内で、硝化のための好気性処理(曝気工程)と脱窒のための無酸素処理(嫌気工程)を行う装置や、複数の反応槽を用い、好気性処理(曝気工程)と無酸素処理(嫌気工程)を別々の反応槽内で行う装置が挙げられる。また、無酸素処理工程(嫌気工程)においては、脱窒を行うために有機物をはじめとする電子供与体が必要になるため、原水供給装置から供給される原水は、脱窒を行う無酸素処理が行われる領域に供給するのが好ましい。
貯水槽とサイホン管と補助配管を有する原水供給装置10’(図3)は、前述のように3つの工程を特定の順序で、かつ、一定のサイクルで繰り返し行うことができるという点で、仕切板挿入型の膜分離活性汚泥処理装置(Baffled Membrane Bioreactor(B−MBR法))と組み合わせて用いることが好ましい。
ここで仕切板挿入型の膜分離活性汚泥処理装置とは、図5に示すように、好気性処理および無酸素処理を行う単一の反応槽と、その反応槽の内部に配置された浸漬膜分離ユニットと、曝気手段とを有する装置であって、反応槽が、底部が反応槽の底面から離間して設けられた仕切板によって複数個の区画に分割され、その複数個の区画のうちの少なくとも一つの区画を、浸漬膜分離ユニットおよび曝気手段が配置された好気区画とし、その他の区画内を、好気状態から無酸素状態に、また、無酸素状態から好気状態に切り換えるための区画とする装置である。なお、ここで「無酸素状態」とは、完全な無酸素状態のみを意味するものではなく、脱窒菌の作用により硝酸態窒素を窒素分子に還元できる程度に酸素濃度が低い状態をも包含する意味で用いる。
以下に、本発明の原水供給装置を組み合わせた仕切板挿入型膜分離活性汚泥装置の概要について、図5に基づき説明する。膜分離活性汚泥装置には、単槽式の反応槽1が設けられ、この反応槽1には浸漬型の膜分離ユニット2が設けられている。この膜分離ユニット2には反応槽1の外で吸引ポンプ3が接続されるとともに、膜分離ユニット2の下方に、膜洗浄および好気生物処理用の散気管4が設けられている。散気管4は、ブロワ5に接続され、ブロワ5からエア(空気)が供給される。反応槽1には、微生物を含有する汚泥が収容されており、この微生物が、有機物の分解菌、さらにはそれら微生物の分解菌として作用し、生物処理を行う。なお、これらの微生物を含有する汚泥自体はこの分野において周知である。
さらに、この反応槽1に浸漬させる膜分離ユニット2には、精密ろ過膜、限外ろ過膜、ナノろ過膜、逆浸透膜などを用いて形成されたモジュールを用いることができる。経済性の観点からは、ろ過速度が高くコンパクト化が可能で、メンテナンスが容易である精密ろ過膜、限外ろ過膜を用いたモジュールが好ましい。膜の形状は平膜、中空糸膜等のものが用いられる。ここで用いられる浸漬型膜分離ユニット自体はこの分野において広く用いられており、市販もされている。
このような図5に示す装置構成により、反応槽1内で汚水が生物学的に処理され、散気管4からのエアによって、膜分離ユニット2の膜面に汚泥物質等が付着するのを防止しながら、膜分離ユニット2によって反応槽1内の処理液をろ過し、そのろ過水を吸引ポンプ3により吸引して槽外に取り出すことができる。
図5の反応槽1には、原水供給装置10’が接続されるとともに、レベルセンサー6および仕切板7が設けられている。レベルセンサー6は、液位、すなわち、液表面の位置を調べるセンサーであり、それ自体は周知である。また、仕切板7は、図5に示すように底部が反応槽の底面から離間して設けられている。仕切板7は、膜分離ユニット2の横方向の全周囲を囲包している(上下は開放)が、膜分離ユニット2の周囲を実質的に取り囲むものであれば良い。
下水処理場等の汚水処理施設に流入した汚水は、前処理設備において砂やごみ等の分離・除去を行った後、図5の原水槽9から原水ポンプ8により原水供給装置10’に導入され、次いで原水供給装置10’から反応槽1へと導入される。
次に、貯水槽とサイホン管と補助配管を有する原水供給装置10’と反応槽1の作用を、図3の時系列(i)〜(vi)に沿って、図4の(a)(反応槽内の液位変動)および(b)(反応槽への原水流量変動)、ならびに図5(膜分離活性汚泥装置)を参照しつつ説明する。
図3(i)t=0〜t (補助配管により一定流量の原水が反応槽に供給)
原水槽9から貯水槽12に原水が一定流量で供給されると、貯水槽12内の水位が上昇してゆき、水位が貯水槽12の槽壁の一部に結合する補助配管14よりも上位に上昇すると、原水が補助配管14からサイホン管を経て反応槽1に供給される。ここで、補助配管14から反応槽1に供給される原水の流量は、反応槽内の液位が仕切板の上端を越えない流量である。この時間帯(t=0〜t)において、補助配管により反応槽1に供給される原水の流量は一定であり(図4(b)t=0〜t)、この原水の流量が膜ろ過流量とほぼ同じであれば、反応槽内の液位もほぼ一定となる。この時、反応槽内の液位は仕切板上端よりも低いため、膜分離ユニット2が配置された好気区画(仕切板内部)とそれ以外の区画(仕切板外部)とは仕切板7により分断されており、仕切板外部は無酸素状態となる。
図3(ii)〜(iv)t=t 〜t (サイホン管により多量の原水が反応槽に供給)
次いで、貯水槽12内の水位が、一定水位、即ち、サイホン管13が貯水槽12の槽壁の上端で曲折する部分に相当する水位に到達すると、原水供給装置内の原水がサイホン管13を通して反応槽1に供給され始め(t=t)、原水供給装置内の全ての原水が反応槽1に供給される。この時間帯(t=t〜t)における反応槽1への原水の供給流量は、その前の時間帯((i)t=0〜t))における供給流量よりも多く(図4(b))、反応槽内の液位は上昇して仕切板7の上端よりも高くなる(図4(a)t=t)。その結果、仕切板の影響はなく、散気管4からのエアで槽全体に及ぶ循環流(膜ユニット収容区画から、仕切板7の上を越えてその他の区画に入り、該その他の区画内を下降し、仕切板7よりも下の領域を介して膜ユニット収容区画に戻る循環流)が形成され、仕切板7の外部は無酸素状態から大部分が好気状態に切り換わる。また、反応槽1内の仕切板内部において、原水中のアンモニア成分が、硝化細菌の作用により亜硝酸態、さらに硝酸態に酸化された、硝酸態窒素を多く含む汚泥が仕切板外部に循環する。
図3(v)t=t 〜t (反応槽への原水の供給が停止)
原水供給装置10’内の全ての原水が反応槽1に供給されると、貯水槽12、サイホン管13および補助配管14の内部は、原水の存在しないほぼ空の状態となる。その後も、原水槽9から貯水槽12に一定の流量で供給され続けるため原水は貯水槽12内に貯留していくが、貯水槽12内の水位が補助配管14に到達するまでは、原水が補助配管14から反応槽1に供給されることはない。したがって、この時間帯(t=t〜t)における反応槽1への原水の供給流量は0となり、反応槽1内の液位は次第に低下していき、t=tの時点で液位が仕切板上端より低くなる(図4(a)(b)t=t〜t)。
図3(vi)t=t 〜t (補助配管による一定流量の原水供給が再開)
貯水槽12内の水位が補助配管14に到達すると、補助配管による原水の反応槽1への供給が再開される(図4(b)t=t)。この時間帯(t=t〜t)における反応槽への原水の供給流量は、反応槽内の液位が仕切板の上端を越えない一定の流量である(図4(b)t=t〜t)。膜分離ユニット2によって処理液がろ過され、そのろ過水が吸引ポンプ3により槽外に取り出される膜ろ過流量と、補助配管により反応槽に供給される原水流量がほぼ同じであれば、反応槽内の液位もほぼ一定となる(図4(a)t=t〜t)。この時、反応槽内の液位は仕切板上端よりも低いため、膜分離ユニットが配置された好気区画とそれ以外の区画とが仕切板7により分断されている。その結果、散気管4からのエアは仕切板7で囲まれた空間内で留まることになり、仕切板外部の領域はエアが循環しないため無酸素状態にすることができる。また、補助配管14から原水が一定流量で反応槽の仕切板外部の区画に供給されるため、脱窒菌が必要とする原水中の有機物が不足することなく、硝酸態の窒素を窒素分子に還元する脱窒が進行する。なお、このとき、膜分離ユニット2の洗浄エアは散気管4から連続的に供給されているため、ろ過は停止する必要はなく継続される。
以上の通り、サイホン管13を用いることにより、ポンプやバルブにより原水の供給流量を制御しなくても、一定のサイクルで多量の原水を間欠的に反応槽に供給し、反応槽内の液位を一定のサイクルで上昇および下降させることができる。したがって、原水供給装置10’においてサイホン管は反応槽の液位制御手段として機能する。
また、原水供給装置10’の補助配管14により、反応槽内の液位が仕切板の上端よりも低く、仕切板の外側の区画が無酸素状態であるときに、反応槽内の液位が仕切板の上端を越えない量の原水を反応槽内に供給することができ、脱窒性能を向上させることができる。
ここで、補助配管が供給する原水の量は、通常、膜分離ユニット2によって処理液がろ過され、そのろ過水が吸引ポンプ3により槽外に取り出される膜ろ過流量とほぼ同じ流量か、それを下回る流量であり、反応槽内の液位をほぼ一定に維持することができるという点で、膜ろ過流量とほぼ同じ流量であるのが好ましい。例えば、少量原水供給手段が供給する原水の流量と膜ろ過流量との差は、膜ろ過流量に対し20%以内、好ましくは5%以内とすることができる。また、少量原水供給手段が原水を供給する一定時間とは、無酸素状態である仕切板外部の区画において、脱窒を進行させるのに十分な時間であればよく、通常は2分〜30分であり、好ましくは5分〜10分である。
このような原水供給装置10’(図3)を用いることにより、図4(b)に示すような好ましい流量変動で原水を反応槽に供給することができる。即ち、反応槽内の液位が仕切板の上端よりも低く、仕切板外部の区画が無酸素状態であるときに、反応槽内の液位が仕切板の上端を越えない量の原水を反応槽内に供給する工程(図4:t=0〜t、t〜t)(少量原水供給工程)と、反応槽内の液位を仕切り板上端よりも低い状態から高い状態に切り換えるために、前記工程における原水供給流量よりも多い流量の原水を反応槽内に供給する工程(t=t〜t)(液位制御工程)と、反応槽内の液位を仕切り板上端よりも高い状態から低い状態に切り換えるために、原水の供給を停止する工程(t=t〜t)(原水停止工程)を、この順で一定のサイクルで繰り返して行うような流量変動で供給することができる。このような流動変動とすることにより、同一の反応槽内で、好気処理と無酸素処理を進行させつつ、無酸素状態の脱窒処理区画内に有機物を効率的かつ安定に供給することができる。
従来の仕切板挿入型膜分離活性汚泥装置では、反応槽1内の液位の最低水位と最高水位を検知して、原水ポンプ8をON−OFFすることにより反応槽内の液位を制御していたため、原水ポンプの容量を膜ろ過ポンプと比較して十分大きくする必要があり、その結果、処理水量から想定されるよりも大型の原水ポンプを設置する必要が生じ、初期コストが増加していた。これに対し、図3に示す原水供給装置10’を用いれば、大型の原水ポンプを使用する必要がなく低コストで膜分離活性汚泥処理を行うことができる。
本発明の原水供給装置および原水供給方法を適用できる生物処理装置としては、前述したような、反応槽内に膜分離装置を浸漬させる浸漬型の膜分離活性汚泥法による装置以外にも、槽外循環式や別槽式の膜分離活性汚泥法による装置を用いることができる。また、仕切板挿入型の膜分離活性汚泥処理装置以外にも、回分式活性汚泥法(SBR)、二重管型反応装置による硝化脱窒法、担体添加型活性汚泥法等による装置を使用することができる。
本発明は、活性汚泥処理を行う反応槽に、少なくとも、貯水槽と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管を用いて原水を供給する点に特徴があり、これ以外の活性汚泥処理や原水の前処理は、従来から周知の方法と同様の条件で行うことができ、本発明において使用する各種の槽や配管等の材質も従来から周知のものを使用することができる。
以上のとおり、本発明によりポンプやバルブによる原水の流量制御を行わなくても、貯水槽から反応槽に原水を一定のサイクルで間欠的に供給することができる。そのため、ポンプやバルブ等の機器に生じる詰まりの問題を低減でき、原水ポンプの運転負荷を平滑化でき、ポンプの寿命を延長できる。また、原水ポンプの過剰設計が不要とり、装置全体のメンテナンス性が向上する。
1 反応槽
2 膜分離ユニット
3 吸引ポンプ
4 散気管
5 ブロワ
6 レベルセンサー
7 仕切板
8 原水ポンプ
9 原水槽
10、10’ 原水供給装置
12 貯水槽
13 サイホン管
14 補助配管

Claims (9)

  1. 生物処理を行う反応槽に原水を供給するための原水供給装置であって、貯水槽(但し、間欠濾過槽を除く)と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管とを備える原水供給装置。
  2. 前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、請求項1記載の原水供給装置。
  3. 前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、請求項1または2記載の原水供給装置。
  4. 前記原水供給装置が、貯水槽内の原水の一部を貯水槽槽壁の一部から抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にある前記サイホン管の側部に供給する補助配管を更に備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載の原水供給装置。
  5. 生物処理を行う反応槽に原水を供給する原水供給方法であって、貯水槽(但し、間欠濾過槽を除く)と、貯水槽の内部から貯水槽槽壁の上部を経て貯水槽の外部に延在するよう設けられたサイホン管を用いて、原水を一定のサイクルで間欠的に前記反応槽に供給する原水供給方法。
  6. 前記反応槽が、好気性処理および無酸素処理を単一の反応槽内で行う反応槽である、請求項5記載の原水供給方法。
  7. 前記反応槽が、浸漬膜分離ユニットと曝気手段とを内部に配置する反応槽である、請求項5または6記載の原水供給方法。
  8. 前記反応槽への原水の供給が、貯水槽内の原水の一部を抜き出し、貯水槽の外部であって貯水槽よりも低位にあるサイホン管の側部に供給する補助配管を更に用いて行われる、請求項5〜7のいずれか1項に記載の原水供給方法。
  9. 前記反応槽内に原水を供給する工程と、前記工程における原水の供給流量よりも多い流量の原水を反応槽内に供給する工程と、原水の供給を停止する工程とを、この順で繰り返し行う、請求項5〜8のいずれか1項に記載の原水供給方法。
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